JP7374159B2 - 火力発電プラントおよび火力発電プラントの制御方法 - Google Patents

火力発電プラントおよび火力発電プラントの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボイラで発生した蒸気を利用する火力発電プラントおよび火力発電プラントの制御方法に関する。
ボイラ(蒸気発生器)で発生した蒸気を利用して蒸気タービンを駆動する火力発電プラントが知られている。この種の火力発電プラントは、従来電力系統における大規模電源として、主にベースロードを担い、GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)プラントの負荷変動対応力と合わせて国内電力の安定供給に貢献してきた。
ところで、昨今の再生可能エネルギー由来電力の電力系統への接続量増加を受け、日中の電力系統における火力発電プラントおよびGTCCプラントの送電量の割合は年々減少傾向にあり、地域によってはこれらプラントの稼働数を電力系統の周波数維持や需給調整に最低減必要な段階まで低減する必要が生じているが、それでもなお余剰状態にある再生可能エネルギー由来電力は電力系統への接続が拒否される可能性がある。
電力系統への再生可能エネルギー由来電力の更なる拡大を図るには、従来の大規模電源のなかでもプラント最低負荷における送電量が大きく、かつDSS(日間起動停止)運用におけるプラント再起動に要する時間が長い火力発電プラントの運用性改善が必須である。
実開昭64-54605号公報
上記特許文献1は、プラント低負荷運転時に給水の一部を熱水タンクに貯蔵し、電力需要のピーク負荷時にその熱水を高圧給水加熱器群へ放出し、高圧給水加熱器への抽気をカット又は減少させることで蒸気タービンの増出力を図るものである。
一方で、上記特許文献1におけるプラント低負荷運転は、ボイラにて発生する主蒸気および再熱蒸気の全量を、ガバナを通じて蒸気タービンへ導入し発電することが前提であり、火力発電プラントで実現可能な最低負荷は、ボイラ最低負荷にて発生する主蒸気、再熱蒸気の熱量からタービンにおける抽気を差し引いた量を下限とし、一般的には25%負荷、最小の場合でも10%負荷以上の電力系統への送電を必須とするものであった。
石炭焚き火力発電所(火力発電プラント)から電力系統へ送出する電力を、従来最小の10%負荷から、ほぼ0%負荷(並列無送電運用)まで低減することを可能とせしめることで、日中の電力系統への再生エネルギー受け入れ幅を拡大するとともに、同時間帯も石炭焚き火力発電所(火力発電プラント)のタービン発電機を常時系統へ並列させておくことで、天候の変化に伴う再生エネルギーの発電量減少に応じ素早く送電量を増加させ、電源系統の周波数維持、需給調整に貢献することが望まれている。
また、従来、起動用燃料に軽油を使用しDSS運用されていた火力発電プラントにおいては、安価な石炭を用いてのプラント連続運転を可能とせしめることで、燃料費の削減を図るとともに、DSS運用に伴う機器損耗ひいては起動時トラブルの回避を図ることが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高い運用性を維持しつつ、再生エネルギーの発電量の変化に柔軟に対応可能な火力発電技術を提供することを目的とする。
本発明は、ボイラと、前記ボイラからの蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンをバイパスする蒸気を送るためのタービンバイパスラインと、前記蒸気タービンの排気を冷却し復水を生成する復水器と、前記復水を前記蒸気タービンからの抽気蒸気により加熱する低圧給水加熱器と、前記復水を前記抽気蒸気により脱気する脱気器と、を備える火力発電プラントであって、前記タービンバイパスラインの主蒸気を熱源として前記復水器から供給される前記復水を高温水とする温水加熱器と、当該高温水を貯留する高温水タンクと、前記高温水タンクで貯留された前記高温水を前記低圧給水加熱器の後流または前記脱気器に送水する高温水ポンプと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高い運用性を維持しつつ、再生エネルギーの発電量の変化に柔軟に対応可能な火力発電技術を提供できる。
一実施形態に係る火力発電プラントの概略構成図である。 一実施形態に類似の火力発電プラントの概略構成図である。 一実施形態に係る火力発電プラントの蓄熱運転時運用の一例である。 一実施形態に係る火力発電プラントの放熱運転時運用の一例である。 一実施形態に係る水蓄熱システムの範囲を示す概略構成図である。 一実施形態に係る火力発電プラントの補助蒸気ラインを説明するための概略構成図である。 一実施形態に係る火力発電プラントの制御装置の概略構成図である。 一実施形態の変形例1に係る火力発電プラントの概略構成図である。 一実施形態の変形例2に係る火力発電プラントの関連箇所の概略構成図である。 一実施形態の変形例2に係る火力発電プラントの合流点切換処理のフローチャートである。 一実施形態の変形例3に係る火力発電プラントの部分通水を説明するための説明図である。 一実施形態の変形例4に係る火力発電プラントの関連箇所の概略構成図である。 一実施形態の変形例4に係る火力発電プラントの蓄熱運用を説明するための説明図である。 一実施形態の変形例4に係る火力発電プラントの放熱運用を説明するための説明図である。 一実施形態の変形例5に係る火力発電プラントの関連箇所の概略構成図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
以下の実施形態では、本発明の少なくとも一実施形態である石炭焚き火力プラントとして、火力発電プラント1を例に説明する。図1は一実施形態に係る火力発電プラント1の概略構成図である。
火力発電プラント1は、ボイラ2と、蒸気タービン4と、復水器13と、水蓄熱システム70と、制御装置80(図7参照)と、を備える。本実施形態では、火力発電プラント1は、蒸気タービン4として、高圧タービン4A、中圧タービン4B、低圧タービン4Cを備える場合について例示しているが、火力発電プラント1は単独あるいは2つの蒸気タービン4を有してもよいし、4つ以上の蒸気タービン4を有してもよい。
ボイラ2は、微粉燃料を燃焼することで発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成可能な蒸気発生器である。ボイラ2は、例えば、石炭(炭素含有固体燃料)を粉砕した微粉炭を微粉燃料として用い、この微粉燃料をバーナにより燃焼させる石炭焚き(微粉炭焚き)ボイラである。
なお、本実施形態ではボイラ2として石炭焚きボイラを例示するが、ボイラ2は、燃料として、バイオマス燃料や石油精製時に発生するPC(石油コークス:Petroleum Coke)燃料、石油残渣などの固体燃料を使用してもよい。また、ボイラ2は、燃料として固体燃料に限らず、重油、軽油、重質油などの石油類や工場廃液などの液体燃料も使用することができ、更には、燃料として気体燃料(天然ガス、副生ガスなど)も使用することができる。更に、ボイラ2は、これら燃料を組み合わせて使用する混焼焚きボイラであってもよい。
ボイラ2で生成された蒸気(過熱蒸気)は、主蒸気ライン6を介して蒸気タービン4に供給される。本実施形態では、ボイラ2からの蒸気は、まず上流側に設けられた高圧タービン4Aに供給されることにより、高圧タービン4Aを駆動する。
高圧タービン4Aで仕事を終えた蒸気は、再熱蒸気ライン9を介して、再熱器35で再加熱され、下流側に設けられた中圧タービン4Bに供給されることにより、中圧タービン4Bを駆動する。再熱蒸気ライン9は、高圧タービン4Aと中圧タービン4Bとの間を接続する。中圧タービン4Bで仕事を終えた蒸気は中圧タービン排気ライン12を介して、下流側に設けられた低圧タービン4Cに供給されることにより、低圧タービン4Cを駆動する。中圧タービン排気ライン12は、中圧タービン4Bと低圧タービン4Cとの間を接続する。低圧タービン4Cで仕事を終えた蒸気は復水器13に排出されることで、復水が生成される。
また主蒸気ライン6と復水器13を接続するタービンバイパスライン7が設けられる。タービンバイパスライン7にはタービンバイパス弁8が設けられており、タービンバイパス弁8の開度を調整することにより、主蒸気ライン6を流れる蒸気の一部を、蒸気タービン4をバイパスして復水器13に排出可能になっている。
高圧タービン4A、中圧タービン4Bおよび低圧タービン4Cの出力軸は、発電機5の回転軸に接続される。発電機は、これら蒸気タービン4からの動力によって駆動することにより発電を行う。発電機で発電された電力は、不図示の送電ラインを介して電力系統(例えば商用系統)に供給される。
なお、高圧タービン4A、中圧タービン4Bおよび低圧タービン4Cは、互いに共通の出力軸を有し、当該出力軸が共通の発電機に接続されていてもよいし、発電機として、高圧タービン4Aおよび中圧タービン4Bの出力軸が接続される第一発電機と低圧タービン4Cの出力軸が接続される第二発電機とを備えてもよい。
また、図6に太線で示すように、高圧タービン4A、中圧タービン4Bより抽気された蒸気(抽気蒸気;hb,ib)は、それぞれ、第二高圧給水加熱器21、第一高圧給水加熱器20に供給される。高圧タービン4Aの排気蒸気(he)の一部も、第二高圧給水加熱器21に供給される。第二高圧給水加熱器21から排出される飽和ドレン(抽気蒸気hb及び排気蒸気heが凝縮したもの)は、第一高圧給水加熱器20に供給される。第一高圧給水加熱器20から排出されるドレン(前記第二高圧給水加熱器21から排出される飽和ドレンおよび抽気蒸気ibが凝縮したもの)は、脱気器17へ供給される。また、中圧タービン4Bの排気蒸気(ie)の一部は、脱気器17へ供給される。また、低圧タービン4Cより抽気された蒸気(低圧抽気;lb)は、低圧給水加熱器16へ供給される。低圧給水加熱器16から排出される飽和ドレン(低圧抽気lbが凝縮したもの)は復水器13へ供給される。以下、煩雑さを避けるため、各図において、各蒸気タービン4から各高圧給水加熱器21,20、低圧給水加熱器16への補助蒸気ラインは、適宜省略する。
復水器13で生成された復水は、復水ポンプ14で昇圧され、復水ライン15を経て低圧給水加熱器16へ供給され、低圧タービン4Cからの抽気蒸気(lb)で加熱されたのちに脱気器17に流入する。脱気器17では中圧タービン4Bの排気蒸気(ie)の一部により復水が脱気される。脱気器17で脱気された復水は給水ポンプ18により昇圧され、送水ライン19を介して第一高圧給水加熱器20、第二高圧給水加熱器21へ供給され、中圧タービン4Bの抽気蒸気(ib)、高圧タービン4Aの抽気蒸気および排気蒸気(hb,he)で加熱されたのちにボイラ2へ流入する。
ボイラ2は低負荷条件において亜臨界状態で運用される。その際ボイラ2の火炉出口における汽水混合水はウォータードレンセパレータ31で汽水分離され、蒸気は過熱器36に、飽和ドレンはウォータードレンセパレータドレンライン33およびウォータードレンセパレータドレン制御弁32を経て復水器13へ流入する。
次に、火力発電プラント1に設けられる水蓄熱システム70について説明する。本実施形態の火力発電プラント1は、低負荷運転を実施する。低負荷運転は、ボイラ2および蒸気タービン4それぞれを、最低限の負荷にして行う運転である。例えば、ボイラ2を最低出力の15%まで下げ、蒸気タービン4の出力を5%まで下げ、蒸気タービン4の出力を、全て所内動力に用いる。これにより、発電機遮断器を閉じ、系統に接続した状態を維持しつつ送電を0とする、いわゆる、系統無送電運転(並列無送電運用)を実現する。
本実施形態の水蓄熱システム70は、低負荷運転時に発生する、例えば、ボイラ2の最低負荷の15%と、蒸気タービン4の負荷の5%との差である、10%の出力に相当する上記の熱を、高温水として蓄熱する。具体的には、低負荷運転時にタービンバイパスライン7の主蒸気を熱源として、復水器13から供給される復水を加熱して高温水として貯留する。そして、その後の放熱運用時(高負荷運転時)に、貯留した高温水を脱気器へ給水する。
これにより、水蓄熱システム70は、長時間にわたる火力発電プラント1の系統送出電力低減を実現する。また、水蓄熱システム70は、低負荷運転後の高負荷運転時に、低圧給水加熱器16への蒸気タービン4からの低圧抽気(lb)のカットを実現する。低圧抽気(lb)をカットすることにより、カットした低圧抽気(lb)の熱量に相当する蒸気タービン4の出力を増加させることができる。あるいは、蒸気タービン4の出力増加分に相当するボイラ蒸気流量が低減するため、ボイラ2への投入燃料量を削減することができる。以下、これを実現する、本実施形態の水蓄熱システム70の詳細を説明する。
水蓄熱システム70は、図5に太線で示すように、温水加熱器51と、高温水ポンプ52と、高温水タンク53と、低温水タンク59と、を備える。高温水ポンプ52は、第一高温水ポンプ52Aおよび第二高温水ポンプ52Bを備える。また、水蓄熱システム70は、蓄熱蒸気ライン55と、蓄熱ドレンライン57と、低温水給水ライン49と、低温水貯水ライン58と、補給水ライン60と、を備える。
蓄熱蒸気ライン55は、主蒸気ライン6から分岐されたタービンバイパスライン7を通過する蒸気を温水加熱器51に供給するラインであり、蓄熱蒸気流量制御弁54を備える。また、蓄熱ドレンライン57は、ウォータードレンセパレータ31で分離された飽和ドレンを温水加熱器51に供給するラインであり、蓄熱ドレン流量制御弁56を備える。
低温水給水ライン49は、復水ポンプ14より供給される復水を温水加熱器51に供給するための復水ライン15より分岐するラインであり、低温水流量制御弁50を備える。
温水加熱器51は、流入する主蒸気および飽和ドレンを、供給される低温水と接触させ、高温水を生成する。生成する高温水は、例えば、140℃である。温水加熱器51は、例えば、流入する復水(低温水)と主蒸気および飽和ドレンとを混合して加熱する直触式給水加熱器である。
図1および図5に示す水蓄熱システム70は、高温水ポンプ52として、第一高温水ポンプ52Aと、第二高温水ポンプ52Bとを備える。第一高温水ポンプ52Aは、温水加熱器51で生成された高温水を高温水タンク53に送水する。第二高温水ポンプ52Bは、高温水タンク53の内部に貯留された高温水を脱気器17へ送水する。なお、高温水は、脱気器17へ、高温水単独で供給されてもよいし、低圧給水加熱器16出口の低圧給水と合流されて供給されてもよい。
なお、第一高温水ポンプ52Aおよび第二高温水ポンプ52Bは必ずしも別置きである必要はなく、双方の役割を備えた高温水ポンプ52を1台あるいは複数台設置し、温水加熱器51および高温水タンク53の出口ラインをそれぞれ高温水ポンプ52の入口へ接続して適宜切り替える運用としてもよい。
高温水タンク53は、温水加熱器51で生成された高温水を貯留するタンクである。高温水タンク53の内部に貯留される高温水は約140℃であるため、高温水タンク53は、このような高温水の飽和蒸気圧に耐えうる構造を有する必要があるとともに、貯留された高温水からの熱放散を最小とするために適切な保温がなされている必要がある。なお、高温水タンク53の容量は、火力発電プラント1に求められる日毎の低負荷運転時間に応じて設計段階で任意に決定してよい。
低温水貯水ライン58は、復水ポンプ14より供給される復水を低温水タンク59へ供給するためのラインである。供給された復水は、低温水タンク59に貯留される。
補給水ライン60は、低温水タンク59に貯留された低温水を復水器13へ供給するためのラインである。
低温水タンク59は、復水器13における余剰水を、復水器13への補給水用に貯留するタンクである。本実施形態では、高温水タンク53の貯水量と同等以上の貯水量を有する。
制御装置80は、図7に示すように、外部(発電所に置かれる制御卓81等)からの指示、あるいは、火力発電プラント1内に設置される、温度センサおよび水位センサを含む各種のセンサからの信号に従って、火力発電プラント1内の各制御弁(バルブ)の開閉を制御する。制御弁は、例えば、後述する蓄熱運用(低負荷運転)、放熱運用(高負荷運転)に応じて、開閉制御される。また、制御装置80は、各ポンプの出力も制御する。制御装置80は、例えば、CPUとメモリと記憶装置とを備え、予め記憶装置に格納したプログラムを、CPUがメモリにロードして実行することにより、上記制御を実現する。
なお、火力発電プラント1は、図2に示す火力発電プラント1のように、再熱蒸気ライン9を流れる蒸気の一部を、蒸気タービン4をバイパスして復水器13に排出してもよい。この場合、タービンバイパスライン7の接続先を再熱蒸気ライン9の高圧タービン4Aの出口として、再熱蒸気ライン9の中圧タービン4B入口上流から低圧タービンバイパスライン10を分岐して低圧タービンバイパス弁11を介して復水器13へ接続する。
<蓄熱運用>
図3は、火力発電プラント1の蓄熱運用、即ち、低負荷運転時における高温水の貯留形態について示したものである。低負荷運転時は、ボイラ2で発生する主蒸気量が蒸気タービン4における発電に消費される主蒸気量よりも多く、余剰蒸気が生じている。また、ボイラ2は亜臨界状態で運転されており、ウォータードレンセパレータ31には連続して飽和ドレンが流入している。
制御装置80は、蓄熱運用を行う指示を受け付けると、蓄熱蒸気流量制御弁54と、蓄熱ドレン流量制御弁56と、低温水流量制御弁50と、を開とする。これにより、図3に太線で示すように、主蒸気ライン6で余剰となっている主蒸気の全量あるいは一部は、蓄熱蒸気ライン55および蓄熱蒸気流量制御弁54を介して温水加熱器51へ供給される。また、ウォータードレンセパレータ31から流出する飽和ドレンの全量あるいは一部は蓄熱ドレンライン57および蓄熱ドレン流量制御弁56を介して温水加熱器51へ供給される。さらに、図3に太線で示すように、復水ポンプ14より供給される復水の全量あるいは一部は、低温水給水ライン49および低温水流量制御弁50を介して、低温水として温水加熱器51へ供給される。
温水加熱器51では、流入する主蒸気および飽和ドレンを低温水と接触させ、約140℃の温水を生成する。流入する主蒸気および飽和ドレンの量はボイラ2および蒸気タービン4の運転状態により一意に決まるものである。制御装置80は、低温水流量制御弁50を制御することにより、温水加熱器51の出口の高温水の温度が約140℃となるよう低温水流量を常に制御する。また、制御装置80は、第一高温水ポンプ52Aを制御することにより、温水加熱器51の水位を常に制御する。なお、ボイラ2の運転状態の変動等により一時的に主蒸気圧力が上昇あるいはウォータードレンセパレータ31の水位が上昇した場合は、制御装置80は、タービンバイパス弁8およびウォータードレンセパレータドレン制御弁32を開き、これらの制御弁を通じて余剰蒸気および飽和ドレンを復水器13へ排出する。これにより、温水加熱器51は一定運転を維持できる。
第一高温水ポンプ52Aより供給される高温水は、高温水タンク53に貯留される。蓄熱運用は高温水タンク53が満水になった時点あるいは火力発電プラント1の低負荷運用が終了した時点で完了する。制御装置80は、高温水タンク53の水位を監視し、満水になったと判断した場合、また、低負荷運用が終了したことを意味する信号を受信した場合、蓄熱蒸気流量制御弁54、蓄熱ドレン流量制御弁56,低温水流量制御弁50の各制御弁を閉とする。高温水タンク53の水位は、高温水タンク53に設けられる水位センサから取得する。
高温水タンク53に高温水が貯留されている間、相当量の水は、図3に太線で示すように、低温水タンク59から補給水ライン60を介して、例えば差圧等により、復水器13へ供給される。
なお、制御装置80は、蒸気タービン4の出力が定格負荷の5%前後の低負荷運転にある場合、高圧タービン4A、中圧タービン4B、低圧タービン4Cから、第二高圧給水加熱器21、第一高圧給水加熱器20、低圧給水加熱器16への抽気をカットするよう制御する。これは、低負荷運転時は、各蒸気タービン4において、各給水加熱器内で生成された飽和ドレンを脱気器あるいは復水器へ押し流すだけの十分な圧力が得られないためである。
また、蒸気タービン4が低負荷運転にある場合、高圧タービン4A入口主蒸気温度および中圧タービン4B入口再熱蒸気温度は適宜調整され、低圧タービン4Cの排気蒸気が乾き域に入る事態を回避する必要がある。そのためにボイラ2出口の主蒸気ライン6および再熱蒸気ライン9にそれぞれ過熱低減器を設置し、減温スプレーを供給することがある。
高温水タンク53が満水となっても火力発電プラント1の低負荷運用を終了できず、ボイラ2からの主蒸気、ウォータードレンセパレータ31からの飽和ドレンが余剰となる状態が継続する場合は、それらをタービンバイパスライン7およびウォータードレンセパレータドレンライン33を介して復水器13へ供給することで火力発電プラント1の低負荷運転を継続することが可能である。ただし、その際、復水器13へ流入した蒸気およびドレンの熱は海水などの復水器冷却媒体へ放出されることになる。
<放熱運用>
図4は、火力発電プラント1の放熱運用、即ち、高負荷運転時における高温水の放出形態について示したものである。ここにおける高負荷運転とは、一般的に火力発電プラント定格負荷の30%以上の運転を指す。
制御装置80は、放熱運用の指示を受け付けると、第二高温水ポンプ52Bを稼働させる。これにより、高温水タンク53に貯留されていた高温水は、第二高温水ポンプ52Bにより復水ライン15へ供給され、脱気器17へ流入する。この場合、復水器13からの復水は、図4に太破線で示すように、復水ライン15を介して低圧給水加熱器16で加熱したのち高温水とともに脱気器17へ供給してもよいし、復水の全量あるいは一部を、低温水貯水ライン58を介して低温水タンク59へ貯留してもよい。
放熱運用時は、高負荷運転下における低圧タービン4Cからの抽気を低圧給水加熱器16に供給するのを停止(カット)し、発電機5の出力増、あるいは、ボイラ2の燃料消費量低減を実現する。具体的には、制御装置80は、蒸気タービン4が高負荷運転状態にある場合、脱気器17へ流入する復水の全量または一部を高温水に切り替える。それに伴い、低圧給水加熱器16の通過復水量が低減あるいは遮断されるため、低圧タービン4Cから低圧給水加熱器16へ供給する抽気が低減あるいはカットされる。これにより、蒸気タービン4は抽気減少分相当分の増出力運転が可能となり、発電機5の出力を増加させることができる。このとき、本運転状態において増出力運転が不要な場合は、蒸気タービン4の負荷を一定とすべくボイラ2からの主蒸気流量を低減させ、同じくボイラ2における燃料消費量の低減を図ってもよい。
なお、運転負荷が低く脱気器17の内部温度が低下して高温水温度を下回る場合においては、脱気器17へ流入する水の温度を脱気器17の内部温度に合わせて低減する必要がある。このような場合には、復水を、低圧給水加熱器16経由で送水し、高温水タンク53から供給される高温水と混合させる。
高温水タンク53の水位が最低水位に達した時点で放熱運用は終了する。すなわち、制御装置80は、放熱運用時、高温水タンク53の水位を監視し、予め定めた最低水位に達した場合、第二高温水ポンプ52Bを停止させる。これにより、火力発電プラント1は、通常のプラント運用へ移行する。なお、通常のプラント運用では、第二高温水ポンプ52Bを介した高温水供給は停止されるとともに復水ポンプ14の出口より低温水タンク59への低温水供給も停止し、復水の全量は低圧給水加熱器16を経由して脱気器17へ供給される。
<水蓄熱システム>
図5は、火力発電プラント1に水蓄熱システム70を追設する場合の追設範囲の説明図である。水蓄熱システム70の追設範囲は、図中の太線で図示する範囲である。水蓄熱システム70は、上述のように、主に温水加熱器51、高温水タンク53、低温水タンク59および高温水ポンプ52で構成される。既設の火力発電プラント1に対して、敷地の空きスペースを活用して水蓄熱システム70を追設することで、建設コストを削減することができる。
次に、1000MW級石炭焚きユニットにおける、水蓄熱システム70の概略仕様を以下に例示する。なお、低温水タンク59は、高温水タンク53の貯水量と同等以上の貯水量を有している。高温水タンク53に貯留された高温水が給水ラインに供給された場合に、その供給量に見合うだけの復水を低温水タンク59で貯留できるようにするためである。
温水加熱器 :直触式給水加熱器
高温水タンク容量:5×3300m3(0.3MPa) 計16500m3
低温水タンク容量:2×8300m3(大気圧) 計16600m3
蓄熱時間 :約6.0時間
放熱時間 :約5.0時間(100%ECR)
上記仕様によれば、1000MW級石炭焚きユニットの場合、ボイラ最低負荷15%運用時に、所内動力分の5%(50MW)を除いた10%負荷(100MW)相当の蒸気・飽和ドレンの熱を蓄熱し、慣性力を残した並列無送電運転(外部送電0%運転)が可能である。
水蓄熱システム70は、蓄えた熱を熱媒体ごと脱気器17へ戻す方式のため、略全量の熱をサイクル内に回収することが可能である。溶融塩蓄熱や金属PCM蓄熱の際に考慮しなければならない熱媒体と、水および/または蒸気との間の熱交換ロスは水蓄熱では考慮する必要がない。ただし、高温水タンク53に貯めている間の放散熱、蓄熱開始時の配管ウォーミングによる熱ロス(放熱までの時間にもよるが3~5%)は考慮が必要である。なお、放熱時の脱気器17への給水可能量の限界(マスバランス上の限界)により、蓄熱時間が約6.0hであるのに対し、放熱時間は100%ECR時で約5.0hとなる。
日中DSS運用を想定した従来プラントと、石炭焚き火力発電プラントに水蓄熱システム70を具備した本実施形態の火力発電プラント1と、の運用イメージを比較する。系統に、プラントA、B、Cの3ユニットが接続されているものとする。再生エネルギーの発電量が多く、余剰電力が発生する時間帯(例えば昼間)の想定運用は以下の通り例示できる。
<従来プラント>
プラントA:最低負荷15%運転(5%所内動力、10%送電)
プラントB:DSS運用(プラント一旦停止、再起動)
プラントC:DSS運用(プラント一旦停止、再起動)
送電量合計:10%負荷相当
<本実施形態の火力発電プラント>
プラントA:並列無送電運用(最低負荷15%運転(5%所内動力、10%蓄熱))
プラントB:並列無送電運用(最低負荷15%運転(5%所内動力、10%蓄熱))
プラントC:並列無送電運用(最低負荷15%運転(5%所内動力、10%蓄熱))
送電量合計:無送電(0%負荷)
上述のように、従来プラントの場合、1つのプラント(ここでは、プラントA)を最低負荷の15%で運転し、残りの2つのプラント(BおよびC)は、DSS運用する。その場合であっても、系統に10%送電される。一方、本実施形態の火力発電プラント1は、全ての火力発電プラントにおいて、並列無送電運用が可能である。
すなわち、本実施形態の火力発電プラント1を用いることにより、3プラントとも無送電まで送電量を低減できる。これにより、再生エネルギーの受入量を増加しつつ、DSS運用を回避できている。さらに、本実施形態の火力発電プラント1では、蓄熱した熱を、需要ピーク時間帯(例えば夕方)に放熱することにより、需要ピーク時において、燃料消費量を(約3~4%)低減することが可能となる。
本実施形態の水蓄熱システム70の火力発電プラント1への導入メリットは以下の通りとなる。
(1)再生エネルギー導入拡大への寄与
プラント最低負荷低減により、系統慣性力を維持しつつ再生エネルギー受け入れ余地拡大が可能となる。
(2)低負荷連続運転によるプラント起動費用削減
安価な石炭で低負荷連続運転することにより、DSS運用で不可避の起動用軽油費用を大幅に削減可能となる。
(3)DSS運用による機器損耗・起動トラブル回避
発電ユニットを連続運転することにより、DSS運用に伴う各種リスクを回避できる。
(4)急な負荷上昇要請等への対応
発電機5は系統並列を維持しつつ極低負荷で連続運転しているため、突発的な事故等による急な負荷上昇要請にも対応可能となる。
(5)プラント起動時の熱回収
従来起動ロスとして捨てていた熱を回収・利用することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の火力発電プラント1は水蓄熱システム70を備え、低負荷運転時に、ボイラ2から発生する蒸気と蒸気タービン4において消費される蒸気との差に相当する主蒸気および飽和ドレンの熱を、高温水として高温水タンク53に貯留する。また、高負荷運転時に、貯留した高温水を脱気器17へ供給する。
これにより、本実施形態の火力発電プラント1は、低負荷運転時、発電機5(蒸気タービン4)の運転負荷を、ボイラ2の最低負荷より低減させたとしても、その差に相当する熱を、高温水として貯留できる。すなわち、低負荷運転時に、無駄なく、発電機5(蒸気タービン4)の運転負荷を、ボイラ2の最低負荷より低減できる。これにより、長時間にわたる火力発電プラント1の系統送出電力低減を実現できる。また、低負荷運転時、石炭焚き火力発電所から電力系統へ送出する電力を、ほぼ0%負荷(並列無送電運用)まで低減することが可能となる。
また、低負荷運転時に貯留した高温水を、高負荷運転時に脱気器17に給水することで、低圧給水加熱器16の負荷を低減できる。これにより、高負荷運転時、蒸気タービン4からの低圧抽気を低減またはカットできる。そして、低減またはカットした低圧抽気の熱量に相当する蒸気タービン4の出力を増加できる。あるいは、蒸気タービン4の出力を維持する場合、低減またはカットした低圧抽気の熱量に相当する分、ボイラ2からの蒸気流量を低減でき、結果として、ボイラ2への投入燃料量を削減できる。
すなわち、本実施形態によれば、火力発電プラントにおける発電機5(蒸気タービン4)の運転負荷をボイラ最低負荷より低減することでプラント送電量を引き下げることにより、高い運用性を維持しつつ、再生エネルギーの発電量の変化に柔軟に対応可能な火力発電技術を提供できる。
<変形例1>
なお、上記実施形態では、火力発電プラント1は、低圧給水加熱器16、および、第二高圧給水加熱器21を、それぞれ1つ備える場合を例にあげて説明したが、これらは、複数備えてもよい。
火力発電プラント1が、低圧給水加熱器16を、4つ、第二高圧給水加熱器21を、2つ備える場合の構成例を、図8に示す。
この場合、各蒸気タービン4より抽気された抽気蒸気および各蒸気タービン4から排気された排気蒸気の一部は、その温度により、それぞれ、異なる箇所に供給される。
例えば、高圧タービン4Aの高圧抽気蒸気hbは、下流側の第二高圧給水加熱器21に供給される。下流側の第二高圧給水加熱器21から排出される飽和ドレン(高圧抽気蒸気hbが凝縮したもの)は、上流側の第二高圧給水加熱器21へ供給される。高圧タービン4Aの高圧排気蒸気heの一部は、上流側の第二高圧給水加熱器21に供給される。上流側の第二高圧給水加熱器21から排出される飽和ドレン(高圧抽気蒸気hb及び高圧排気蒸気heが凝縮したもの)は、第一高圧給水加熱器20へ供給される。中圧タービン4Bの中圧抽気蒸気ibは、第一高圧給水加熱器20に供給される。第一高圧給水加熱器20から排出される飽和ドレン(高圧抽気蒸気hb及び中圧抽気蒸気ib並びに高圧排気蒸気heが凝縮したもの)は、脱気器17へ供給される。中圧タービン4Bの中圧排気蒸気ieの一部は、脱気器17に供給される。低圧タービン4Cの抽気蒸気(lb1,lb2,lb3,lb4)は、温度が高い方から順に、各低圧給水加熱器16の下流側から供給される。各低圧給水加熱器16から排出される飽和ドレン(抽気蒸気が凝縮したもの)は各低圧給水加熱器16の上流の低圧給水加熱器16へ供給される。最上流の低圧給水加熱器16から排出される飽和ドレン(抽気蒸気lb1,lb2,lb3,lb4が凝縮したもの)は復水器13へ供給される。
これにより、蒸気温度に応じて、最適な給水加熱器に蒸気を供給でき、無駄なく、効率的に運用できる。
<変形例2>
また、上記実施形態や変形例1では、放熱運用時、高温水タンク53から供給される高温水の合流点を、最下流の低圧給水加熱器16の出口側に設けている。例えば、低圧給水加熱器16を複数備える場合、合流点を複数設け、高温水の温度により切り替えるよう構成してもよい。
本変形例では、高温水タンク53から高温水を復水ライン15に合流させる合流点を、各低圧給水加熱器16の出口側に設ける。復水ポンプ14により供給される復水は、低圧給水加熱器16を経るに従って、温度が上がっていく。本変形例では、高温水を、低圧給水加熱器16の出口側の復水の温度を下げない合流点で合流させる。
これを実現するため、制御装置80は、高温水の温度を監視し、高温水温度が低下した際に、合流点を、順次、低温度側(一段上流の低圧給水加熱器16)へ切り替える。合流点の低温度側への切り替えは、例えば、高温水タンク53から流出する高温水の温度が、各低圧給水加熱器16の出口温度を、一定時間下回った時点で実行される。
以下、変形例1同様、復水ライン15上に、復水ポンプ14の下流に、下流側から順に、低圧給水加熱器16A,16B、16C,16Dと、4つ、直列に備える場合を例にあげて、具体的に説明する。図9に関連箇所のみを抽出して示す。
本図に示すように、本変形例では、火力発電プラント1は、高温水タンク53内の高温水を復水ライン15に合流させる高温水合流ライン71と、復水の温度を計測する温度センサ72A、72B,72C,72D、72Eと、切換弁73A、73B,73C,73D、73E,73Fと、流量制御弁76と、を備える。また、高温水合流ライン71は、3つの分岐点74A,74B,74Cを備える。また、高温水合流ライン71は、各低圧給水加熱器16A、16B、16C、16Dの出口側にそれぞれ設けられた合流点75A,75B,75C,75Dで合流する。
なお、以下、区別する必要がない場合は、それぞれ、低圧給水加熱器16、温度センサ72,切換弁73、分岐点74、合流点75で代表する。
分岐点74Aは、低圧給水加熱器16Aの出口に向かう高温水合流ライン71から、低圧給水加熱器16B,16C,16Dに向かう高温水合流ライン71が分岐する分岐点である。分岐点74Bは、低圧給水加熱器16Bの出口に向かう高温水合流ライン71から低圧給水加熱器16C,16Dに向かう高温水合流ライン71が分岐する分岐点である。分岐点74Cは、低圧給水加熱器16Cの出口に向かう高温水合流ライン71から低圧給水加熱器16Dに向かう高温水合流ライン71が分岐する分岐点である。
温度センサ72A、72B,72C,72Dは、それぞれ、低圧給水加熱器16A、16B、16C、16Dの出口近傍に設けられ、出口近傍の復水の温度を計測する。温度センサ72Eは、高温水タンク53の出口と分岐点74Aとの間に設けられ、高温水タンク53から供給される高温水の温度を計測する。本図においては、第二高温水ポンプ52Bと分岐点74との間に設けられる。
また、切換弁73Aは、分岐点74Aと合流点75Aとの間に設けられ、低圧給水加熱器16Aの出口に向かう高温水合流ライン71への流入を制御する。切換弁73Bは、分岐点74Bと合流点75Bとの間に設けられ、低圧給水加熱器16Bの出口に向かう高温水合流ライン71への流入を制御する。切換弁73Cは、分岐点74Cと合流点75Cとの間に設けられ、低圧給水加熱器16Cの出口に向かう高温水合流ライン71への流入を制御する。切換弁73Dは、分岐点74Cと合流点75Dとの間に設けられ、低圧給水加熱器16Dの出口に向かう高温水合流ライン71への流入を制御する。流量制御弁76は、第二高温水ポンプ52B後流に設けられ、高温水の流量を制御する。
制御装置80は、所定の時間間隔で、各温度センサ72から温度情報を受信し、温度センサ72Eから受信した高温水温度と、各温度センサ72A、72B,72C,72Dから受信した出口温度と、を順に比較し、その結果に応じて、合流点を切り換える。
ここで、制御装置80による、合流点切換処理の流れを説明する。図10は、本変形例の合流点切換処理の処理フローである。
なお、ここでは、合流点、低圧給水加熱器16ともに、下流側から、連番を付す。また、合流点、低圧給水加熱器16ともに、N(Nは1以上の整数)個、備えるものとする。また、nは、カウンタである。そして、切換判断を行う「一定時間」をT1とする。また、高温水の温度および低圧給水加熱器16の出口側の温度は、所定の時間間隔で計測されるものとする。
制御装置80は、まず、カウンタを初期化(n=1)とし、経時カウンタΔtを初期化(Δt=0)する(ステップS1001)。
まず、制御装置80は、第1番目の合流点を、使用する合流点(使用合流点と呼ぶ)に設定し(ステップS1002)、その使用合流点で高温水が合流するよう、各切換弁73を制御する。
次に、制御装置80は、高温水温度THと、n番目の低圧給水加熱器16(比較対象加熱器)の出口側温度TLnを取得する(ステップS1003)。
制御装置80は、取得した高温水温度THが出口側温度TLn未満であるかを判別し(ステップS1004)、高温水温度THが出口側温度TLn以上であれば(No)、経時カウンタΔtを初期化し(ステップS1009)、ステップS1003へ戻る。
一方、高温水温度THが出口側温度TLn未満であれば(Yes)、制御装置80は、その状態が一定時間T1経過したか否かを判別する(ステップS1005)。未経過の場合(No)、ステップS1003へ戻る。
一方、一定時間経過している場合(Yes)、制御装置80は、使用合流点を、1段上流の低圧給水加熱器16の出口側に設けられた合流点に切り換え(ステップS1006)、切換後の使用合流点で高温水が合流するよう、各切換弁73を制御する。
その後、制御装置80は、カウンタnを1インクリメントし、経時カウンタΔtを初期化し(ステップS1007)、使用合流点が最上流の合流点となったか否かを判別する(n=N?)(ステップS1008)。使用合流点に設定された合流点が最上流の合流点でなければ、ステップS1003へ戻り、処理を繰り返す。一方、最上流の合流点が使用合流点に設定されている場合は、そのまま処理を終了する。
上述の合流点切換処理を、具体例で説明する。まず、制御装置80は、高温水温度と温度センサ72Aで取得した出口温度(TLA)と比較する。高温水温度が、出口温度TLA以上の場合は、制御装置80は、切換弁73Aを開とし、切換弁73B、73C、73Dを閉とする。これにより、高温水は、合流点75Aで、すなわち、低圧給水加熱器16Aの出口側で復水ライン15に合流する。
高温水温度が、一定時間、出口温度TLA未満の状態が続いた場合、制御装置80は、高温水温度を、温度センサ72Bで取得した出口温度(TLB)と比較する。高温水温度が出口温度TLB以上の場合は、制御装置は、切換弁73Bを開とし、切換弁73A、73C、73Dを閉とする。これにより、高温水は、合流点75Bで、すなわち、低圧給水加熱器16Bの出口と、低圧給水加熱器16Aの入口との間で復水ライン15に合流する。
高温水温度が、一定時間、出口温度TLB未満の状態が続いた場合、制御装置80は、高温水温度を、温度センサ72Cで取得した出口温度(TLC)と比較する。高温水温度が出口温度TLC以上の場合は、制御装置80は、切換弁73Cを開とし、切換弁73A,73B、73Dを閉とする。これにより、高温水は、合流点75Cで、すなわち、低圧給水加熱器16Cの出口と、低圧給水加熱器16Bの入口との間で復水ライン15に合流する。
高温水温度が、一定時間、出口温度TLC未満の状態が続くと、制御装置80は、切換弁73Dを開とし、切換弁73A、73B,73Cを閉とする。これにより、高温水は、合流点75Dで、すなわち、低圧給水加熱器16Cの出口と、低圧給水加熱器16Bの入口との間で復水ライン15に合流する。
なお、制御装置80は、高温水タンク53から供給される高温水の温度が、予め定めた閾値未満となった場合、切換弁73による制御を開始するよう構成してもよい。具体的には、高温水タンク53から供給される高温水の温度が140℃から100℃に低下した場合、上述の合流点切換処理を開始する。
また、本変形例では、高温水温度と、各低圧給水加熱器16の出口温度とを、低圧給水加熱器16の下流側から順に比較し、切換弁73の制御を行っているが、開閉制御は、これに限定されない。例えば、制御装置80は、高温水温度と、全ての低圧給水加熱器16の出口温度とを比較し、使用合流点を決定してもよい。この場合、高温水温度未満で最も高温水温度に近い出口温度を有する低圧給水加熱器16の出口側の合流点75で、高温水が合流するよう、各切換弁73を制御する。
なお、図9の例では、高温水温度が、低圧給水加熱器16Cの出口温度未満の場合は、たとえ、低圧給水加熱器16Dの出口温度未満であっても、合流点75Dで合流させる。例えば、さらに、低圧給水加熱器16Dの入口側に合流点をさらに設け、高温水温度が、低圧給水加熱器16Dの出口温度未満の場合は、当該合流点で合流させるよう制御してもよい。この場合、合流点の数はN+1であるため、図10に示す合流点切換処理の処理フローの、ステップS1008において、n=N+1であるかを判別する。
本変形例によれば、放熱運用時、高温水タンク53内の高温水を復水ライン15と合流させるにあたり、その温度により、合流点を変更する。つまり、高温水温度未満で最も高温水温度に近い出口温度を有する低圧給水加熱器16の出口側で、高温水を合流させる。これにより、合流させる高温水により、低圧給水加熱器16で加熱した復水の温度を下げてしまうことがなく、低圧給水加熱器16および高温水を効率的に活用できる。
<変形例3>
なお、上記実施形態では、蓄熱運用時、温水加熱器51において生成された高温水は、高温水タンク53に溜められる。本変形例では、この、温水加熱器51において生成された高温水の一部を、高温水タンク53ではなく、脱気器17へ供給するよう制御する。
蓄熱運用時、蒸気タービン4は極低負荷で運転されるため、給水加熱を目的とした抽気はカットされると同時に脱気器17の加熱蒸気は補助蒸気系統から供給される場合がある。これは、低負荷運転時であっても、ボイラ2の排ガス温度を一定温度以上に維持する必要があり、かつ給水の脱気が必須であるためである。なお、この運転状態においては低圧給水加熱器16の抽気カットに伴い、脱気器17へ流入する復水の温度が低下するため、それを補うべく補助蒸気量を増加させる必要がある。本変形例では、抽気がカットされることによる復水の脱気器17への流入温度の低下を、温水加熱器51の出口水を供給することにより補う。これにより、火力発電プラント1の補助蒸気消費量の増加を抑制できる。
図11に、火力発電プラント1の本変形例に関連する箇所を示す。本図に太点線で示すように、本変形例では、蓄熱運用時、温水加熱器51で生成された高温水の一部を脱気器17へ供給する。
なお、蓄熱運用時の温水加熱器51から脱気器17への給水は、所定量、継続的に行ってもよい。また、脱気器17へ供給される復水の温度が低下した場合、供給するよう制御してもよい。
後者の場合、火力発電プラント1は、温度センサ72と、流量制御弁76とを備える。温度センサ72は、低圧給水加熱器16の出口側の復水の温度を計測するもので、低圧給水加熱器16の出口側に設けられる。また、流量制御弁76は、温水加熱器51から脱気器17への高温水の供給を制御するもので、高温水タンク53と復水ライン15とを接続する高温水合流ライン71上に設けられる。
制御装置80は、所定の時間間隔で、温度センサ72が計測した温度データを取得し、予め定めた閾値未満となった場合、流量制御弁76を開にする指示を出し、高温水を温水加熱器51から脱気器17へ供給する。
これにより、温水加熱器51からの高温水が復水に混合されて脱気器17に供給されるため、脱気器に流入する復水の温度を上昇させることができ、補助蒸気消費量を抑えることができる。
また、上記運用は、配置上、補助蒸気ラインの配管サイズに制限がある既設ユニットの改造時、または、ユニット新設時に補助蒸気ラインの配管の無用な大径化を回避したいケースにおいて殊に有用である。また、温水加熱器51への復水供給と脱気器17への給水とを独立して行うのではなく、高温水の一部を脱気器17への給水に振り向けることで、既設ユニット改造時は、復水ポンプ14や復水脱塩装置の容量内での運用が可能となる。ユニット新設時は、ポンプ・装置類の容量を温水加熱器51への復水供給および脱気器17への給水を同時に満たす設計とすることも可能である。ただし、ポンプ・装置類容量増によるコスト増が見込まれる点に鑑みるに、既設ユニット改造時と同様に、高温水の一部を脱気器17への給水に振り向ける運用とするのが望ましい。
<変形例4>
上記実施形態では、高温水タンク53と、低温水タンク59との2つを設け、蓄熱時には、高温水タンク53に高温水を貯留し、放熱時は、利用後の高温水を低温水タンク59に貯留する。しかしながら、この構成に限定されない。例えば、1つのサーモクラインタンク61を備え、高温水タンク53と、低温水タンク59との機能を持たせてもよい。
サーモクラインタンク61は、1つのタンク内に高温水部と、低温水部と、温度躍層とを備え、高温水と低温水とを貯留可能な単槽式タンクである。高温水部は、タンク上部に位置し、低温水部は、タンク下部に位置し、高温水部と低温水部とは、温度躍層により隔てられる。
図12に、火力発電プラント1の、本変形例に関連する箇所を示す。本図に示すように、サーモクラインタンク61は、高温水が供給、排水される高温水出入口と、低温水が供給、排出される低温水出入口と、を備える。
図12に太線で示すように、高温水出入口には、温水加熱器51から温水を供給する高温水供給ライン64と高温水合流ライン71とが接続される。一方、低温水出入口には、復水器13と接続する低温水戻りライン62と低温水給水ライン49から分岐する第二低温水給水ライン63とが接続される。
蓄熱運用時、上記実施形態では、復水器13から温水加熱器51に復水が供給され、温水加熱器51にて高温水が生成されて高温水タンク53に貯留される。そして、復水器13から温水加熱器51に復水が供給されている間、供給された復水に相当する量の水が、低温水タンク59から復水器13に供給される。
本変形例では、上記実施形態同様、温水加熱器51に、復水器13から供給され、温水加熱器51にて高温水が生成されて高温水供給ライン64を経てサーモクラインタンク61の高温水部に貯留される。ただし、本変形例では、図13に太破線で示すように、供給された復水に相当する量の水が、サーモクラインタンク61の低温水部から、低温水戻りライン62を経由して復水器13に供給される。また、点線で示すように、温水加熱器51から脱気器17へ部分通水される。
また、放熱運用時、上記実施形態では、高温水タンク53から脱気器17に高温水が供給され、その分、復水器13内の復水が、低温水貯水ライン58を介して低温水タンク59へ貯留される。一方、本変形例では、図14に太線で示すように、サーモクラインタンク61の高温水部から脱気器17に高温水が供給されると、その分の水が、太破線で示すように、復水器13から、復水ライン15の復水ポンプ14より下流で分岐した第二低温水給水ライン63を介して、サーモクラインタンク61の低温水部に供給される。
本変形例では、サーモクラインタンク61の容量は高温水タンク53あるいは低温水タンク59の所要容量に、タンク容量に寄与しない温度躍層に相当する容積を加えたものとなり、常に満水状態で運用される。
本変形例によれば、サーモクラインタンク61を使用することで、タンク設置に関わる省スペース化が可能となり、特に発電敷地に制約がある場合に有効である。また、サーモクラインタンク61が安価であれば、タンクを個別設置するよりもコストダウンが可能となる。
なお、サーモクラインタンク61は、高温水の飽和圧力に耐える構造とするとともに、タンク内における高温水と低温水の混合を回避しつつ各々の出し入れを可能とするため、サーモクラインタンク61の高温水部および低温水部へ接続されるライン構成およびその運用は、高温水タンク53と低温水タンク59とを個別に設置した場合と同様である。
<変形例5>
上記実施形態では、ボイラ2として、低負荷条件以外では超臨界状態で超臨界ボイラを用いる場合を例にあげて説明しているが、ボイラ種はこれに限定されない。例えば、全ての負荷において亜臨界状態で運用される亜臨界ボイラを用いてもよい。
亜臨界ボイラは、図15に太線で示すように、ウォータードレンセパレータ31の代わりに、蒸気ドラム34と連続ブロータンク37と、フラッシュタンク38と、間欠ブローライン39と、を備える。
蒸気ドラム34は、蒸気と飽和水(飽和ドレン)とを分離する。分離された蒸気は、過熱器36に、飽和ドレンは、連続ブロータンク37に、それぞれ流入する。飽和ドレンは、連続ブロータンク37において汽水分離および蒸気回収を経てフラッシュタンク38に流入する。なお、蒸気ドラム34に設けられる間欠ブローライン39は、起動時のボイラ水スウェリングによるドラムレベル上昇回避およびボイラ水質悪化時のボイラ水ブローのために用いられる。
なお、連続ブロータンク37に流入した飽和ドレンの一部は、フラッシュ蒸気となり、脱気器17に供給され、脱気器17の加熱蒸気の一部として利用される。
なお、亜臨界ドラムを用いる場合、蓄熱ドレンライン57は、間欠ブローライン39から分岐する。そして、蓄熱運用時、蒸気ドラム34で分離された飽和ドレンの全量あるいは一部は、間欠ブローライン39から分岐する蓄熱ドレンライン57および蓄熱ドレン流量制御弁56を経由して温水加熱器51へ供給される。
蓄熱運用時、亜臨界ボイラにおいても、超臨界ボイラを用いる場合と同様に、主蒸気ライン6で余剰となっている主蒸気の全量あるいは一部が、蓄熱蒸気ライン55および蓄熱蒸気流量制御弁54を介して温水加熱器51へ供給される。蓄熱運用時、温水加熱器51は、この主蒸気と、蒸気ドラム34から供給される飽和ドレンとを熱源とし、復水器13から供給される復水から高温水を生成する。
なお、亜臨界ボイラにおいては、燃料投入量および主蒸気流量に基づき、蒸気ドラム34から抜き出すドレン量を決定する。蒸気ドラム34のレベル制御は、ドラムレベル制御弁により行われる。運転状態の変動により一時的にドラムレベルが上昇した場合は、ドラムレベル制御弁での制御に加え、必要により間欠ブロー弁を開閉する。
すなわち、制御装置80は、ドラムレベルを監視し、ドラムレベルが一定時間以上、所定の閾値以上となった場合、ドラムレベル制御弁の開度を下げ、流入給水量を抑制する。また、間欠ブロー弁を開き、間欠ブローとして飽和ドレンを抜き出してもよい。ドラムレベルは、蒸気ドラム34に設けられる水位センサから取得する。
<変形例6>
温水加熱器51の熱源は、タービンバイパス蒸気に限定されない。例えば、再熱蒸気ラインを通過する再熱蒸気であってもよいし、各蒸気タービン4からの抽気や排気であってもよい。
なお、各変形例は、組み合わせてもよい。例えば、上記実施形態の火力発電プラント1は、低圧給水加熱器16を複数備え、高温水の温度により高温水合流ライン71の合流先を切り換える構成、部分通水可能な構成、高温水タンク53および低温水タンク59の代わりにサーモクラインタンク61を用いる構成、亜臨界ボイラを用いる構成、および、温水加熱器51の熱源として、各種の蒸気を用いる構成の、少なくとも1つを備えてよい。
1 火力発電プラント
2 ボイラ
4 蒸気タービン
4A 高圧タービン
4B 中圧タービン
4C 低圧タービン
5 発電機
6 主蒸気ライン
7 タービンバイパスライン
8 タービンバイパス弁
9 再熱蒸気ライン
10 低圧タービンバイパスライン
11 低圧タービンバイパス弁
12 中圧タービン排気ライン
13 復水器
14 復水ポンプ
15 復水ライン
16 低圧給水加熱器
16A 低圧給水加熱器
16B 低圧給水加熱器
16C 低圧給水加熱器
16D 低圧給水加熱器
17 脱気器
18 給水ポンプ
19 送水ライン
20 第一高圧給水加熱器
21 第二高圧給水加熱器
31 ウォータードレンセパレータ
32 ウォータードレンセパレータドレン制御弁
33 ウォータードレンセパレータドレンライン
34 蒸気ドラム
35 再熱器
36 過熱器
37 連続ブロータンク
38 フラッシュタンク
39 間欠ブローライン
49 低温水給水ライン
50 低温水流量制御弁
51 温水加熱器
52 高温水ポンプ
52A 第一高温水ポンプ
52B 第二高温水ポンプ
53 高温水タンク
54 蓄熱蒸気流量制御弁
55 蓄熱蒸気ライン
56 蓄熱ドレン流量制御弁
57 蓄熱ドレンライン
58 低温水貯水ライン
59 低温水タンク
60 補給水ライン
61 サーモクラインタンク
62 低温水戻りライン
63 第二低温水給水ライン
64 高温水供給ライン
70 水蓄熱システム
71 高温水合流ライン
72 温度センサ
72A 温度センサ
72B 温度センサ
72C 温度センサ
72D 温度センサ
72E 温度センサ
73A 切換弁
73B 切換弁
73C 切換弁
73D 切換弁
74 分岐点
74A 分岐点
74B 分岐点
74C 分岐点
75 合流点
75A 合流点
75B 合流点
75C 合流点
75D 合流点
76 流量制御弁
80 制御装置
81 制御卓

Claims (12)

  1. ボイラと、前記ボイラからの蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンをバイパスする蒸気を送るためのタービンバイパスラインと、前記蒸気タービンの排気を冷却し復水を生成する復水器と、前記復水を前記蒸気タービンからの抽気蒸気により加熱する低圧給水加熱器と、前記復水を前記抽気蒸気により脱気する脱気器と、を備える火力発電プラントであって、
    前記タービンバイパスラインの主蒸気を熱源として前記復水器から供給される前記復水を高温水とする温水加熱器と、
    当該高温水を貯留する高温水タンクと、
    前記高温水タンクで貯留された前記高温水を前記低圧給水加熱器の後流または前記脱気器に送水する高温水ポンプと、
    を備え、
    前記ボイラは、蒸気と飽和水とを分離する蒸気ドラムを備え、
    前記温水加熱器は、前記蒸気ドラムからの間欠ブローも前記熱源とする火力発電プラント。
  2. ボイラと、前記ボイラからの蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンをバイパスする蒸気を送るためのタービンバイパスラインと、前記蒸気タービンの排気を冷却し復水を生成する復水器と、前記復水を前記蒸気タービンからの抽気蒸気により加熱する低圧給水加熱器と、前記復水を前記抽気蒸気により脱気する脱気器と、を備える火力発電プラントであって、
    前記タービンバイパスラインの主蒸気を熱源として前記復水器から供給される前記復水を高温水とする温水加熱器と、
    当該高温水を貯留する高温水タンクと、
    前記高温水タンクで貯留された前記高温水を前記低圧給水加熱器の後流または前記脱気器に送水する高温水ポンプと、
    を備え、
    前記復水を前記復水器から前記脱気器に送水する復水ラインに、前記低圧給水加熱器を複数、直列に備え、
    前記高温水を、当該高温水の温度である高温水温度に応じて、複数の前記低圧給水加熱器のうち、出口側の前記復水の温度を最も下げない合流点で合流させる高温水合流ラインをさらに備え、
    前記合流点は、複数の前記低圧給水加熱器の出口側の前記復水ラインに、それぞれ、設けられる火力発電プラント。
  3. 前記温水加熱器は、前記復水と前記主蒸気とを混合する直触式給水加熱器である、
    請求項1または2に記載の火力発電プラント。
  4. 前記ボイラは、火炉出口の汽水混合水を汽水分離するウォータードレンセパレータを備え、
    前記温水加熱器は、前記ウォータードレンセパレータで汽水分離された飽和ドレンも前記熱源とする、
    請求項またはに記載の火力発電プラント。
  5. 前記ボイラは、蒸気と飽和水とを分離する蒸気ドラムを備え、
    前記温水加熱器は、前記蒸気ドラムからの間欠ブローも前記熱源とする、
    請求項に記載の火力発電プラント。
  6. 前記復水器における余剰水を前記復水器への補給水用に貯留する低温水タンクであって、前記高温水タンクの貯水量と同等以上の貯水量を有する低温水タンクをさらに備える、
    請求項1からのいずれか1項に記載の火力発電プラント。
  7. 前記高温水タンクは、前記高温水と、低温水とを、温度躍層を挟んで貯留可能なサーモクラインタンクであり、前記低温水として、前記復水器における余剰水を前記復水器への補給水用に貯留する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の火力発電プラント。
  8. 前記復水を前記復水器から前記脱気器に送水する復水ラインに、前記低圧給水加熱器を複数、直列に備え、
    前記高温水を、当該高温水の温度である高温水温度に応じて、複数の前記低圧給水加熱器のうち、出口側の前記復水の温度を最も下げない合流点で合流させる高温水合流ラインをさらに備え、
    前記合流点は、複数の前記低圧給水加熱器の出口側の前記復水ラインに、それぞれ、設けられる、
    請求項1からのいずれか1項に記載の火力発電プラント。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の火力発電プラントの制御方法であって、
    前記火力発電プラントの低負荷運転時に、前記ボイラの発生蒸気と前記蒸気タービンでの消費蒸気との差に相当する主蒸気を前記熱源として前記高温水を生成して前記高温水タンクに貯留し、
    前記火力発電プラントの高負荷運転時に、前記高温水タンクに貯留した前記高温水を前記脱気器へ供給する、火力発電プラントの制御方法。
  10. 前記蒸気タービンの低負荷運転時に、さらに、前記温水加熱器において生成された前記高温水の一部を前記脱気器の温度に応じて前記脱気器に供給する、請求項に記載の火力発電プラントの制御方法。
  11. 前記火力発電プラントは、前記復水を前記復水器から前記脱気器に送水する復水ラインに、前記低圧給水加熱器を複数、直列に備えるとともに、前記高温水を、合流する、複数の前記低圧給水加熱器の出口側の前記復水ラインに、それぞれ、設けられた、前記高温水を合流する合流点を、さらに備え、
    前記火力発電プラントの高負荷運転時に、前記高温水の温度に応じて、複数の前記低圧給水加熱器のうち、出口側の前記復水の温度を最も下げない合流点で合流させる、請求項または10に記載の火力発電プラントの制御方法。
  12. 複数の前記低圧給水加熱器のうちの最下流の低圧給水加熱器を比較対象加熱器として、前記高温水を合流させる前記合流点を、当該比較対象加熱器の出口側の合流点に設定し、
    所定の時間間隔で、前記高温水の温度と、当該比較対象加熱器の出口側の前記復水の温度と、を比較し、予め定めた期間、前記高温水の温度が前記復水の温度未満である場合、前記高温水を合流させる前記合流点を、前記比較対象加熱器の一段上流側の前記低圧給水加熱器の出口側に切り替え、一段上流側の当該低圧給水加熱器を前記比較対象加熱器とする処理を繰り返す、請求項11に記載の火力発電プラントの制御方法。
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