JP7373457B2 - 加飾パネル構造及びその製造方法 - Google Patents

加飾パネル構造及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7373457B2
JP7373457B2 JP2020083942A JP2020083942A JP7373457B2 JP 7373457 B2 JP7373457 B2 JP 7373457B2 JP 2020083942 A JP2020083942 A JP 2020083942A JP 2020083942 A JP2020083942 A JP 2020083942A JP 7373457 B2 JP7373457 B2 JP 7373457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decorative
transparent cover
recess
cover member
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020083942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021178439A (ja
Inventor
宏行 高妻
祐輔 磯▲崎▼
Original Assignee
ミネベアアクセスソリューションズ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ミネベアアクセスソリューションズ株式会社 filed Critical ミネベアアクセスソリューションズ株式会社
Priority to JP2020083942A priority Critical patent/JP7373457B2/ja
Publication of JP2021178439A publication Critical patent/JP2021178439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7373457B2 publication Critical patent/JP7373457B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、加飾パネル構造及びその製造方法に関する。
従来、オートクルーズ用のレーダ波(ミリ波)を透過するエンブレム(加飾パネル構造)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このエンブレムは、フロントグリルの車幅方向略中央にあって、そのロゴタイプ(logotype)等が金属光沢を有しながらも後方のミリ波レーダ装置から発信されるミリ波が透過可能となっている。具体的には、このエンブレムは、平面視でロゴタイプ等の図柄をかたどった加飾部材と、この加飾部材が嵌り込む凹部が形成されたパネル状の透明カバー部材と、を有している。また、加飾部材は、樹脂ベース上にインジウム蒸着フィルムが付与されて構成され、透明カバー部材には、凹部を除く領域にマスク層がグラビア印刷されている。そして、透明カバー部材の凹部に接着剤を介して加飾部材が嵌め込まれることでエンブレムが得られることとなる。
このようなエンブレムは、透明カバー部材側から見ると、ロゴタイプ等の図柄が、グラビア印刷されたマスク層を背景に金属光沢にて浮かび上がる。そして、この図柄を形成するインジウム蒸着フィルム(金属光沢部)は、微視的に海島状になって広がるインジウム粒子同士の間(海部)でミリ波の透過を可能にする。
特許第4224794号公報
ところで、従来のエンブレム(例えば、特許文献1参照)においては、透明カバー部材の凹部に、図柄をかたどった加飾部材を嵌め込む際に、凹部内の接着剤は、この加飾部材に押されて凹部外へと移動する。しかしながら、このようなエンブレムにおいては、凹部内での接着剤の移動量や移動方向の制御が難しく、透明カバー部材の凹部に対する加飾部材の押し込み量や、押し込み方向などが変動するおそれがある。そして、これらの押し込み量や、押し込み方向などが変動すると、加飾部材と透明カバー部材との相対距離が変動し、又は凹部に対して加飾部材がずれて嵌め込まれるおそれがある。これにより従来のエンブレム(加飾パネル構造)においては、得られる製品ごとに、透明カバー部材側に浮かび上がるロゴタイプの美観やレーダ波透過性能などのエンブレムの品質にバラツキを生じるおそれがある。
本発明の課題は、従来と比べて品質のバラツキをより確実に抑制することができる加飾パネル構造及びその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の加飾パネル構造は、パネル状の透明カバー部材と、前記透明カバー部材の両面のうち一面側に形成される凹部と、前記凹部を除いて前記透明カバー部材の一面側に形成される着色層と、前記透明カバー部材の前記凹部に接着剤を介在させて嵌め込まれる加飾部材と、を有し、前記加飾部材は、前記凹部の開口部周囲のパネル面に沿うとともに前記加飾部材の外周部に沿ってフランジ状に連続して延びる縁部を一体に備えていることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の加飾パネル構造の製造方法は、パネル状の透明カバー部材の両面のうち一面側に形成される凹部に接着剤を介在させて加飾部材が嵌め込まれた加飾パネル構造の製造方法であって、前記凹部に前記加飾部材を嵌め込む際に、前記加飾部材の外周部に沿ってフランジ状に連続して延びる縁部を前記凹部の開口部周囲に支持させることを特徴とする。
本発明によれば、従来と比べて品質のバラツキをより確実に抑制することができる加飾パネル構造及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)を有する車体前部の部分拡大正面図である。 図1のII-II断面図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、透明カバー部材の一面側に着色樹脂の塗膜(着色層)を形成する工程説明図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、透明カバー部材の一面側に接着剤層を形成する工程説明図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、ベース部材の表面に金属調加飾フィルム(金属調加飾層)を付与する工程説明図である。 図3Cにおける金属調加飾フィルムを構成するインジウムフィルムの表面の様子を模式的に表す部分拡大図である。 図3CにおけるIIIe部に対応する部分拡大図であり、金属調加飾フィルムのカット位置を示す図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、透明カバー部材の凹部に加飾部材を嵌め込む工程説明図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法において、透明カバー部材の凹部に対して加飾部材の位置決めを行う際の縁部周りの部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法において、透明カバー部材の凹部に加飾部材を嵌め込む際の縁部周りの部分拡大図である。 本発明の比較例に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法において、透明カバー部材の凹部に対して加飾部材の位置決めを行う際の図4Aに対応する部分拡大図である。 本発明の比較例に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法において、透明カバー部材の凹部に加飾部材を嵌め込む際の図4Bに対応する部分拡大図である。
次に、本発明を実施するための形態(本実施形態)の加飾パネル構造及びその製造方法について適宜図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下では、本実施形態の加飾パネル構造である車両用のエンブレムを例にとって説明した後に、このエンブレムの製造方法について説明する。なお、以下の説明における前後上下の方向は、エンブレムを取り付ける車体の前後上下の方向を基準とする。
なお、本実施形態のエンブレムは、加飾パネル構造の一例であり、後に詳しく説明するように、透明カバー部材に形成された凹部に縁部を有する加飾部材が嵌め込まれたことを主な特徴とする。したがって、本発明は、このエンブレムに限定されずに、このような特徴点を有する種々の加飾パネル構造に適用することができる。
<エンブレム>
図1は、本実施形態に係るエンブレム1(加飾パネル構造)を有する車体前部の部分拡大正面図である。図2は、図1のII-II断面図である。
図1に示すように、エンブレム1は、車体前部に配置されるフロントグリル(ラジエータグリルともいう)20の車幅方向の略中央に配置されている。
フロントグリル20は、図示しないフロントバルクヘッドの前方に配置されるとともに、フロントバンパフェース21の上部に設けられている。
図2に示すように、フロントグリル20の後面には、図示しないレーダマウントを介してレーダ装置22が取り付けられている。具体的には、レーダ装置22は、フロントグリル20に設けられた開口を介してエンブレム1の真後に配置されている。
ちなみに、本実施形態でのレーダ装置22は、車両前方に向かって、例えば、波長1~10mm程度のレーダ波(ミリ波)を発信するものを想定しているがこれに限定するものではない。そして、レーダ装置22は、このような送信波を出力し、対応物にて反射された反射波を、電子スキャン方式を用いて複数の受信アンテナにて受信する。これによりレーダ装置22は、反射波の受信結果をオートクルーズシステム(図示省略)に供することとなる。
そして、このようなレーダ波(ミリ波)が透過可能なエンブレム1は、図2に示すように、透明カバー部材2と、縁部4が設けられた加飾部材3と、背面部材5と、を主に備えている。また、エンブレム1は、後記の所定位置に第一の加飾層6と、第二の加飾層7と、接着剤層8と、をさらに備えている。
なお、第一の加飾層6は、特許請求の範囲にいう「着色層」に相当する。また、第二の加飾層7は、加飾部材3を構成し、特許請求の範囲にいう「金属調加飾層」を形成する。
(透明カバー部材)
図2に示すように、透明カバー部材2は、エンブレム1の外周部を縁取る後記の背面部材5を除いて、エンブレム1の前面部の殆どを占めるように配置されている。
ちなみに、このような透明カバー部材2によれば、図2に示すように、エンブレム1の前側からユーザが見ると、後記する第一の加飾層6と、後記する透明の接着剤層8によって透明カバー部材2の裏面(後面)に接着される加飾部材3(第二の加飾層7)とを見通すことができる。
つまり、図1は、不図示の透明カバー部材2を介して、エンブレム1の前側(図1の紙面手前側)から第一の加飾層6(着色層)と、加飾部材3(第二の加飾層7(金属調加飾層))とを見た様子を示している。
そして、本実施形態での透明カバー部材2は、図1においては、エンブレム1の外周部を縁取る背面部材5の内側で、第一の加飾層6と、加飾部材3(第二の加飾層7)とが占める領域の平面形状に略等しく、楕円の平面形状を呈している。
このような透明カバー部材2の外周部には、図2に示すように、ステップ状の段差11が形成されている。この段差11には、後記するように、背面部材5の外周部が外側から嵌り込むように一体成形されることとなる。
このような透明カバー部材2の裏面側(一面側)には、図2に示すように、加飾部材3が嵌め込まれる凹部12が形成されている。
そして、透明カバー部材2の裏面側(一面側)には、凹部12を除く裏面全体に、前記の第一の加飾層6(着色層)が形成されている。
本実施形態での第一の加飾層6は、着色樹脂の塗膜を想定している。塗料としては、特に制限はなく、例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ラッカー系、メラミン系等が挙げられる。
塗装方法としては、特に制限はなく、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷法や、所定のマスキングを施した上でのスプレー法等の塗布法が挙げられる。
塗膜の厚さは、特に制限はなく、例えば、5~50μm程度に設定することができる。
このような第一の加飾層6は、エンブレム1に浮かび上がる図柄の背景色を設定する。
本実施形態での透明カバー部材2は、ポリカーボネートからなる樹脂製のものを想定している。ただし、透明カバー部材2の材料は、レーダ波を透過するとともに、可視光を透過するいわゆる透明(半透明、着色透明を含む)であれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を使用することもできる。
なお、このような透明カバー部材2の表面側(他面側)には、図示しないがハードコート層を形成することもできる。このハードコート層としては、使用する透明カバー部材2の材料に応じて公知のものを使用することができ、例えばポリカーボネートからなる透明カバー部材2に適用するハードコート層としては、例えばシリコーンハードコート塗膜(オルガノポリシロキサン塗膜)が挙げられる。
(加飾部材及び縁部)
加飾部材3と縁部4とは、図2に示すように、ベース部材(インナベース)13を共通にし、このベース部材13の透明カバー部材2と向き合う側の表面に第二の加飾層7を設けて構成されている。
図1に示すように、加飾部材3は、平面視でのエンブレム1において、ロゴタイプ(logotype)、ロゴタイプを囲む枠部等の図柄を形成する。
ちなみに、本実施形態での加飾部材3は、図1に示す平面視で、エンブレム1の外周部を縁取る背面部材5の内側で、白抜きにて表された部分である。この加飾部材3は、後記の第一の加飾層6(図1中の網掛け部分)によって枠取りや縁取りがなされている。
そして、加飾部材3は、図2に示すように、透明カバー部材2の凹部12に嵌め込まれている。
加飾部材3は、後記する縁部4と一体成形されたベース部材13と、このベース部材13の表面に形成された第二の加飾層7とで形成されている。
ベース部材13は、加飾部材3と縁部4の表面に付される第二の加飾層7の下地となる。ベース部材13としては、例えば熱可塑性樹脂の成形品を使用することができるが、中でも耐候性、耐衝撃性に富むアクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂からなる成形品が好ましい。
本実施形態での第二の加飾層7は、レーダ波(ミリ波)の透過可能な金属調加飾層を想定している。
具体的には、第二の加飾層7は、ベース部材13の表面に金属調加飾フィルムを三次元表面加飾工法(Three dimension Overlay Method;TOM)にて付与したものである。
この工法では、大気圧を利用した真空成形にてベース部材13の表面(凹部12側に向き合う面)に沿うように、金属調加飾フィルムが三次元的に熱成形される。
金属調加飾フィルムとしては、例えば、インジウム蒸着層を含む積層複合フィルムを使用することができる。ちなみに、金属調加飾フィルムとしては、インジウム蒸着層が10~100nm程度で、全厚が25μm~100μm程度の市販品を使用することができる。
縁部4は、図2に示すように、加飾部材3と一体に成形されている。つまり、縁部4と加飾部材3とは、前記のように、共通するベース部材13の表面に、第二の加飾層7としての金属調加飾フィルムが付与されて形成されている。
具体的には、縁部4は、凹部12に嵌め込まれた加飾部材3から凹部12の開口部周囲のパネル面2aに沿うように張り出すように形成されている。
そして、縁部4(図2参照)は、図1中、隠れ線(点線)にて示すように、加飾部材3の周縁に沿ってフランジ状に連続して延びるように形成されている。
このような加飾部材3は、凹部12に接着剤層8を介して嵌め込まれるとともに、縁部4は、凹部12の開口部周囲で接着剤層8を介して第一の加飾層6(着色層)上に配置されている。
そして、縁部4は、接着剤層8上で段差14を形成している。
なお、本実施形態での接着剤層8を構成する接着剤は、少なくとも凹部12内で加飾部材3と透明カバー部材2とを接合可能な透明性を有するものであれば特に制限はない。
接着剤層8の厚さとしては、特に制限はないが、例えば100μm~2mm程度に設定することができる。
ちなみに、透明性を有する接着剤層8を構成する接着剤としては、特に制限はないが、シリコーン樹脂接着剤が好ましい。
(背面部材)
図2に示すように、背面部材5は、エンブレム1の裏打ち部材である。
背面部材5は、透明カバー部材2等を所定の金型内に配置して樹脂材料にて最終的にエンブレム1をインサート成形する際に形成される。
このような背面部材5は、エンブレム1の裏側と側面側の外形を形作る。
つまり、背面部材5は、加飾部材3と、この加飾部材3と一体になった縁部4と、第一の加飾層6(着色層)上に積層される接着剤層8と、に密着してこれらを覆うこととなる。そして、背面部材5は、透明カバー部材2の一面側から透明カバー部材2の周側面部2bを外側から囲むように一体成形される。これにより背面部材5は、前記のように、透明カバー部材2の外周部に形成される段差11を覆うことでエンブレム1の外周側面を形成する。
なお、図2中、符号9は、背面部材5の裏側に一体に成形された支持部である。エンブレム1は、この支持部9を介してフロントグリル20に取り付けられている。
このような背面部材5の材料としては、レーダ波(ミリ波)が透過可能で成形性を有していれば特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
<製造方法>
次に、図2に示すエンブレム1(加飾パネル構造)の製造方法について説明する。図3Aから図3C、図3E及び図3Fは、この製造方法の工程説明図である。図3Aは、透明カバー部材2の一面側に第一の加飾層6(着色層)を形成する工程説明図である。図3Bは、透明カバー部材2の一面側に接着剤層8を形成する工程説明図である。図3Cは、ベース部材13の表面に第二の加飾層7(金属調加飾層)を付与する工程説明図である。図3Dは、図3Cにおける第二の加飾層7(金属調加飾層)を構成するインジウム蒸着フィルム17の表面の様子を模式的に表す部分拡大図である。図3Eは、第二の加飾層7(金属調加飾層)を形成する金属調加飾フィルム16のカット位置を示す図である。図3Fは、透明カバー部材2の凹部12に加飾部材3を嵌め込む工程説明図である。
本実施形態での製造方法においては、図3Aに示すように、まず所定形状の透明カバー部材2を用意する。この透明カバー部材2は、射出成形などの公知の樹脂成形法にて得ることができる。
そして、透明カバー部材2の一面側には、凹部12を除く範囲で、第一の加飾層6(着色層)が形成される。具体的には、透明カバー部材2の一面側には、前記のように、着色樹脂の塗膜が形成される。
次に、この製造方法においては、図3Bに示すように、透明カバー部材2の一面側に接着剤層8を形成する。接着剤層8は、凹部12内及び第一の加飾層6を含めて透明カバー部材2の一面側の全てに前記の接着剤が塗布されることで形成される。
その一方で、この製造方法においては、図3Cに示すベース部材13を用意する。
このベース部材13は、前記のように、加飾部材3(図2参照)と縁部4(図2参照)とに対応するように形成され、透明カバー部材2(図3B参照)の凹部12(図3B参照)に嵌り込む部分と、この凹部12(図3B参照)の開口部周囲のパネル面2a(図3B参照)に沿うように張り出す部分とを一体に有している。
次いで、この工程では、図3Cに示すように、ベース部材13の表面、つまり透明カバー部材2(図2参照)と向き合う側の面に、図2に示す第二の加飾層7(金属調加飾層)を形成するための金属調加飾フィルム16が三次元表面加飾工法(Three dimension Overlay Method;TOM)にて付与される。
これによりベース部材13の表面13aには、金属調加飾フィルム16が密着することによって、第二の加飾層7(金属調加飾層)が形成される。そして、ベース部材13の開口部13bには、この開口部13bを塞ぐように、第二の加飾層7の形成に関与しない余分な金属調加飾フィルム16が残される。この余分な金属調加飾フィルム16は、後の工程で切り取られる。
この金属調加飾フィルム16は、前記のように、例えばインジウム蒸着フィルム(インジウム蒸着層)を含む積層複合フィルムを使用することができる。
図3Dに示すように、このようなインジウム蒸着フィルム17は、例えば平面視で長径が50nm~500nm程度のインジウム粒子17aが海島状に広がるように形成される。
インジウム蒸着フィルム17を含む積層複合フィルムからなる第二の加飾層7(図2参照)は、金属光沢を有している。そして、第二の加飾層7(図2参照)は、インジウム蒸着フィルム17におけるインジウム粒子17a同士の間に形成される海部17bにてミリ波の透過を可能にする。
そして、図3Eに示すように、縁部4に対応するベース部材13の外端で、つまり図3Eの矢示Ct部分にて余分な金属調加飾フィルム16が切り取られることによって、図2に示す加飾部材3と縁部4との一体成形物が得られる。
次に、この製造方法においては、図3Fに示すように、透明カバー部材2の凹部12に加飾部材3が嵌め込まれ、透明カバー部材2に対して加飾部材3と縁部4とが接着剤層8を形成する接着剤によって接着される。
そして、凹部12に加飾部材3が嵌め込まれる際に、加飾部材3の外周部に設けられた縁部4は、接着剤層8を介して凹部12の開口部周囲に支持される。
次に、この製造方法においては、図示は省略するが、所定の金型内に、図3Fに示す加飾部材3が嵌め込まれた透明カバー部材2が配置されるとともに、この金型内に所定の溶融樹脂材料が注入される。これにより、金型内には、インサート部材としての加飾部材3を有する透明カバー部材2が背面部材5(図2参照)にて裏打ちされたエンブレム1(図2参照)が得られることとなる。
≪作用効果≫
次に、本実施形態のエンブレム1(加飾パネル構造)及びその製造方法の奏する作用効果について説明する。
本実施形態のエンブレム1(加飾パネル構造)においては、加飾部材3は、透明カバー部材2の凹部12の開口部周囲に沿うように張り出す縁部4を一体に備えている。そして、縁部4は、凹部12に加飾部材3を嵌め込む際に、凹部12の開口部周囲に支持される。このことについて図を参照しながら詳しく説明する。
図4Aは、本実施形態において、透明カバー部材2の凹部12に対して加飾部材3の位置決めを行う際の縁部4周りの部分拡大図である。図4Bは、透明カバー部材2の凹部12に加飾部材3を嵌め込む際の縁部4周りの部分拡大図である。図5Aは、比較例に係るエンブレム10において、透明カバー部材2の凹部12に対して加飾部材3の位置決めを行う際の図4Aに対応する部分拡大図である。図5Bは、比較例に係るエンブレム10において、透明カバー部材2の凹部12に加飾部材3を嵌め込む際の図4Bに対応する部分拡大図である。
まず、比較例について説明すると、図5Aに示すように、エンブレム10は、本実施形態のエンブレム1(図4A参照)と異なって、加飾部材3に縁部4(図4A参照)を有していない。
図5Aに示すように、透明カバー部材2の凹部12に対して位置決めされた加飾部材3が、白抜き矢印の方向に凹部12内に押し込まれていく。この際、エンブレム10においては、凹部12内での接着剤8aの移動量や移動方向の制御が難しく、加飾部材3の押し込み量や、押し込み方向などが変動するおそれがある。
その結果、図5Bに示すように、比較例のエンブレム10は、加飾部材3の押し込み量や、押し込み方向などが変動することによって、加飾部材3と透明カバー部材2との相対距離が変動し、又は凹部12に対して加飾部材3がずれて嵌め込まれることがある。
これによりエンブレム10は、得られる製品ごとに、透明カバー部材2側から見通した加飾部材3の美観等の品質にバラツキを生じることとなる。
これに対して本実施形態のエンブレム1によれば、図4Aに示すように、加飾部材3が透明カバー部材2の凹部12に対して位置決めされる際に、縁部4は、凹部12の開口部周囲のパネル面2aに対向するように配置される。
そして、図4Aに示すように、加飾部材3が透明カバー部材2の凹部12に対して白抜き矢印の方向に押し込まれていく。
そして、図4Bに示すように、加飾部材3が凹部12内に押し込まれていくにつれて、縁部4は、接着剤8aにて形成される接着剤層8を介して凹部12の開口部周囲に対する押圧力F1に応じた反力F2を開口部周囲から受ける。
つまり、縁部4は、凹部12に対する加飾部材3の過度の押し込みを規制する。これによりエンブレム1は、比較例のエンブレム10(図5B参照)とは異なって、加飾部材3の押し込み量や、押し込み方向などの変動が防止される。その結果、エンブレム1は、得られる製品ごとの品質のバラツキを抑制することができる。
また、本実施形態のエンブレム1においては、図2に示したように、加飾部材3と縁部4とが、ベース部材13の表面にレーダ波透過可能な第二の加飾層7(金属調加飾層)が付与されて構成されている。そして、透明カバー部材2の凹部12の開口部周囲においては、透明カバー部材2側から順番に第一の加飾層6(着色層)、透明な接着剤層8、第二の加飾層7(金属調加飾層)及び縁部4の順番で積層されている。
ところで、比較例のエンブレム10は、図5Bに示すように、透明カバー部材2側から見た際に、透明カバー部材2における第一の加飾層6(着色層)の端部と加飾部材3との間に介在する透明な接着剤層8を介してエンブレム10の裏側へと見通してしまう。つまり、加飾部材3にて形成されるエンブレム10における図柄の輪郭と、第一の加飾層6(着色層)が形成する背景との境が不明確となる。
これに対して本実施形態のエンブレム1では、図4Bに示すように、第一の加飾層6(着色層)の端部と加飾部材3との間に介在する透明な接着剤層8を見通す先には、第一の加飾層6(着色層)の端部で見切った縁部4における第二の加飾層7(金属調加飾層)が存在する。
したがって、このエンブレム1によれば、第二の加飾層7(金属調加飾層)にて形成される図柄の輪郭と、第一の加飾層6(着色層)が形成する背景との境が明確となって、エンブレム1の美観が向上する。
また、図5Bに示す比較例のエンブレム10においては、前記のように加飾部材3がずれて傾くことによって、得られる製品ごとに第二の加飾層7(金属調加飾層)におけるミリ波透過性能にバラツキを生じるおそれがある。
これに対して図4Bに示す本実施形態のエンブレム1によれば、前記のように加飾部材3がずれて傾くことが防止されるので、第二の加飾層7(金属調加飾層)におけるミリ波透過性能のバラツキを抑制することができる。
また、本実施形態のエンブレム1においては、第二の加飾層7(金属調加飾層)が三次元表面加飾成形樹脂層である。
このようなエンブレム1は、図3Eに示したように、三次元表面加飾工法にて第二の加飾層7(金属調加飾層)が形成された後に、余分な金属調加飾フィルム16が縁部4の矢示IIIe部分にて切り取られる。
ところで、比較例のエンブレム10の第二の加飾層7(金属調加飾層)が、三次元表面加飾成形樹脂層である場合には、図5Bに示す切断部18にて余分な金属調加飾フィルム16が切り取られることとなる。つまり、比較例のエンブレム10においては、金属調加飾フィルム16の切断部18が第一の加飾層6(着色層)の端部と加飾部材3との間に介在する透明な接着剤層8を介して見えてしまう。これによりこの切断部18が、透明カバー部材2側から見た加飾部材3のエッジ部の美観を損ねることがある。
これに対して本実施形態のエンブレム1においては、図4Bに示すように、第一の加飾層6(着色層)によって、金属調加飾フィルム16の切断部18が見えることがない。これによりエンブレム1においては、金属調加飾フィルム16の切断部18が美観を損ねることはない。
また、本実施形態のエンブレム1においては、図2に示したように、背面部材5が、透明カバー部材2の一面側から透明カバー部材2の周側面部2bを外側から囲むように一体成形されている。
このようなエンブレム1によれば、透明カバー部材2と背面部材5との接合強度が一段と高められる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。
前記実施形態のエンブレム1においては、透明カバー部材2に形成される第一の加飾層6が着色樹脂で形成され、加飾部材3及び縁部4に設けられる第二の加飾層7が金属調加飾層にて形成されている。
しかしながら、エンブレム1においては、第一の加飾層6を金属調加飾層にて形成し、第二の加飾層7を着色樹脂の塗膜にて形成することもできる。
また、前記実施形態では、縁部4は、連続するフランジ状に形成されているが、これに限定されずに、例えば加飾部材3が形成する図柄が囲み込む領域の内周側角隅などに部分的に形成されるものであってもよい。
また、前記実施形態では、車体前部に配置されるエンブレム1について説明したが、本発明の加飾パネル構造は、これが取り付けられる対象物を車体に限定するものではない。したがって、加飾パネル構造は、船舶、航空機などの他の移動体に取り付けることもできる。また、加飾パネル構造は、対象物の前後左右上下のいずれにも配置可能である。
1 エンブレム
2 透明カバー部材
2a パネル面
2b 周側面部
3 加飾部材
4 縁部
5 背面部材
6 第一の加飾層(着色層)
7 第二の加飾層(金属調加飾層)
8 接着剤層
9 エンブレムの支持部
12 透明カバー部材の凹部
13 加飾部材及び縁部のベース部材
16 金属調加飾フィルム
17 インジウム蒸着フィルム
17a インジウム粒子
18 金属調加飾フィルムの切断部
22 レーダ装置

Claims (6)

  1. パネル状の透明カバー部材と、
    前記透明カバー部材の両面のうち一面側に形成される凹部と、
    前記凹部を除いて前記透明カバー部材の一面側に形成される着色層と、
    前記透明カバー部材の前記凹部に接着剤を介在させて嵌め込まれる加飾部材と、
    を有し、
    前記加飾部材は、前記凹部の開口部周囲のパネル面に沿うとともに前記加飾部材の外周部に沿ってフランジ状に連続して延びる縁部を一体に備えていることを特徴とする加飾パネル構造。
  2. パネル状の透明カバー部材と、
    前記透明カバー部材の両面のうち一面側に形成される凹部と、
    前記凹部を除いて前記透明カバー部材の一面側に形成される着色層と、
    前記透明カバー部材の前記凹部に接着剤を介在させて嵌め込まれる加飾部材と、
    を有し、
    前記加飾部材は、前記凹部の開口部周囲のパネル面に沿うように張り出す縁部を一体に備え、
    前記縁部は、前記加飾部材の周囲に沿って前記加飾部材と一体になって延びるフランジ状に形成され、
    前記加飾部材と前記縁部とは、ベース部材の表面にレーダ波透過可能な金属調加飾層が付与されて構成され、
    前記凹部の前記開口部周囲においては、前記透明カバー部材側から順番に前記着色層、前記接着剤からなる接着剤層、前記金属調加飾層及び前記縁部の順番で積層されていることを特徴とする加飾パネル構造。
  3. 前記金属調加飾層は、金属調加飾フィルムからなることを特徴とする請求項2に記載の加飾パネル構造。
  4. 前記縁部は、前記凹部の前記開口部周囲の外側で、前記接着剤層との間に段差を形成するとともに、
    前記透明カバー部材の一面側で前記加飾部材と前記縁部とを覆う背面部材をさらに有し、
    前記背面部材は、前記透明カバー部材の一面側から前記透明カバー部材の周側面部を外側から囲むように前記透明カバー部材と一体成形されていることを特徴とする請求項2に記載の加飾パネル構造。
  5. パネル状の透明カバー部材の両面のうち一面側に形成される凹部に接着剤を介在させて加飾部材が嵌め込まれた加飾パネル構造の製造方法であって、
    前記凹部に前記加飾部材を嵌め込む際に、前記加飾部材の外周部に沿ってフランジ状に連続して延びる縁部を前記凹部の開口部周囲に支持させることを特徴とする加飾パネル構造の製造方法。
  6. 前記凹部を除いて前記透明カバー部材の一面側に少なくとも前記縁部を覆うマスク層を形成する工程と、
    ベース部材の表面に金属調加飾フィルムを三次元表面加飾工法にて付与することによって前記加飾部材と前記縁部とを形成する工程と、
    前記凹部に前記加飾部材を嵌め込む工程に先立って、前記加飾部材及び前記縁部に付与されない余分な前記金属調加飾フィルムを前記縁部の外端で切り取る工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の加飾パネル構造の製造方法。
JP2020083942A 2020-05-12 2020-05-12 加飾パネル構造及びその製造方法 Active JP7373457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020083942A JP7373457B2 (ja) 2020-05-12 2020-05-12 加飾パネル構造及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020083942A JP7373457B2 (ja) 2020-05-12 2020-05-12 加飾パネル構造及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021178439A JP2021178439A (ja) 2021-11-18
JP7373457B2 true JP7373457B2 (ja) 2023-11-02

Family

ID=78510255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020083942A Active JP7373457B2 (ja) 2020-05-12 2020-05-12 加飾パネル構造及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7373457B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343172A (ja) 2002-12-26 2005-12-15 Toyoda Gosei Co Ltd 電波透過カバーの製造方法
JP2008024254A (ja) 2006-07-25 2008-02-07 Mazda Motor Corp 車両の外装部品及びその製造方法
JP2014069634A (ja) 2012-09-28 2014-04-21 Toyoda Gosei Co Ltd 車両用加飾部材
JP2017047533A (ja) 2015-08-31 2017-03-09 株式会社ファルテック レーダカバーの製造方法及びレーダカバー
JP2019524536A (ja) 2016-07-11 2019-09-05 サニーニ・オート・グルプ・ソシエダッド・アノニマ 車両用レドーム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04132845U (ja) * 1991-05-30 1992-12-09 市光工業株式会社 エンブレムの取付構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343172A (ja) 2002-12-26 2005-12-15 Toyoda Gosei Co Ltd 電波透過カバーの製造方法
JP2008024254A (ja) 2006-07-25 2008-02-07 Mazda Motor Corp 車両の外装部品及びその製造方法
JP2014069634A (ja) 2012-09-28 2014-04-21 Toyoda Gosei Co Ltd 車両用加飾部材
JP2017047533A (ja) 2015-08-31 2017-03-09 株式会社ファルテック レーダカバーの製造方法及びレーダカバー
JP2019524536A (ja) 2016-07-11 2019-09-05 サニーニ・オート・グルプ・ソシエダッド・アノニマ 車両用レドーム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021178439A (ja) 2021-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10351077B2 (en) Vehicle member
JP6331098B2 (ja) 車両用電波透過カバー
JP6518104B2 (ja) 車両用装着品
CN111527009A (zh) 用于机动车辆的前格栅的雷达透明装饰板
US11199609B2 (en) Radar cover and method for manufacturing radar cover
WO2018101165A1 (ja) レーダカバー及びレーダカバーの製造方法
US6750819B2 (en) Sensor cover and method of construction thereof
JP7373457B2 (ja) 加飾パネル構造及びその製造方法
WO2019064330A1 (ja) 外装用加飾部品及び外装用加飾部品の製造方法
JP2008195161A (ja) 車両の外装部品
JP6636750B2 (ja) 車両用オーナメント
JP2023164517A (ja) 車両用ガーニッシュ
JPH11348223A (ja) 表面加工品
JP7131506B2 (ja) 車載センサカバー
JP6490538B2 (ja) 車両用オーナメント
JP7262245B2 (ja) レーダカバーの製造方法及びレーダカバー
JP7373458B2 (ja) 加飾パネル構造
JP6620847B2 (ja) 車両用オーナメント
JP6809886B2 (ja) レーダカバー及びレーダカバーの製造方法
JP7134190B2 (ja) レーダカバーの製造方法及びレーダカバー
JP2023057485A (ja) 加飾フィルム、加飾部材、移動体および加飾部材の製造方法
KR20200126713A (ko) 전파 송수신 레이더 전파 투과형 커버
JP5441592B2 (ja) 車両用金属調加飾部品及びその製造方法
JP7246332B2 (ja) レーダカバーの製造方法
JP2020180859A (ja) レーダカバー及びレーダカバーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7373457

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150