図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.飲料製造装置の概要>
図1は飲料製造装置1の外観図である。本実施形態の飲料製造装置1は、焙煎コーヒー豆と液体(ここでは水)からコーヒー飲料を自動製造する装置であり、一回の製造動作につき、カップ一杯分のコーヒー飲料を製造可能である。原料となる焙煎コーヒー豆は、キャニスタ40に収容可能である。飲料製造装置1の下部にはカップの載置部110が設けられており、製造されたコーヒー飲料は注ぎ部10cからカップへ注がれる。
飲料製造装置1は、その外装を形成して内部機構を囲包するハウジング100を備える。ハウジング100は、本体部101と、飲料製造装置1の正面の一部及び側面の一部を覆うカバー部102とに大別される。カバー部102には情報表示装置12が設けられている。情報表示装置12は本実施形態の場合、タッチパネル式のディスプレイであり、各種の情報の表示の他、装置の管理者や飲料の需要者の入力を受け付けることが可能である。情報表示装置12は、移動機構12aを介してカバー部102に取付けられており、移動機構12aによって上下方向に一定の範囲で移動可能である。
カバー部102には、また、豆投入口103と、豆投入口103を開閉する開閉扉103aが設けられている。開閉扉103aを開放して豆投入口103へ、キャニスタ40に収容されている焙煎コーヒー豆とは別の焙煎コーヒー豆を、投入することが可能となっている。これにより飲料の需要者に特別な一杯を提供することが可能である。
カバー部102は、本実施形態の場合、アクリルやガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明カバーを構成している。このため、カバー部102に覆われたその内側の機構が外部から視認可能となっている。本実施形態の場合、コーヒー飲料を製造する製造部の一部がカバー部102を透して視認可能となっている。本体部101は本実施形態の場合その全体が非透過部とされており、その内部を外部から視認困難である。
図2は、飲料製造装置1の部分正面図であって、飲料製造装置1の正面視でユーザが視認可能な製造部の一部を示す図である。カバー部102や情報表示装置12は想像線で図示されている。
飲料製造装置1の正面部におけるハウジング100は、本体部101と、その外側(前方側)のカバー部102との二重構造となっている。前後方向で本体部101とカバー部102との間に製造部の一部の機構が配置されており、ユーザがカバー部102を介して視認可能である。
カバー部102を介してユーザが視認可能な製造部の一部の機構は、本実施形態の場合、後述する集合搬送部42、グラインダ5A、5B、分離装置6、抽出容器9等である。本体部101の正面部には、奥側に窪んだ矩形状の凹部101aが形成されており、抽出容器9等はこの凹部101a内の奥側に位置している。
カバー部102を介して外部からこれらの機構が視認可能であることにより、管理者にとっては点検や動作確認が容易になる場合がある。また、飲料の需要者にとってはコーヒー飲料の製造過程を楽しむことができる場合がある。
なお、カバー部102は、その右端部においてヒンジ102aを介して本体部101に横開き式に開閉自在に支持されている。カバー部102の左端部には、本体部101とカバー部102とを閉状態に維持する係合部102bが設けられている。係合部102bは例えば磁石と鉄の組合せである。管理者はカバー部102を開放することで、その内側の上述した製造部の一部の点検等を行うことができる。
なお、本実施形態の場合、カバー部102を横開き式としたが縦開き式(上下開き式)としてもよいし、スライド式としてもよい。また、カバー部102が開閉不能な構成であってもよい。
図3は飲料製造装置1の機能の概要図である。飲料製造装置1は、コーヒー飲料の製造部として、豆処理装置2及び抽出装置3を含む。
豆処理装置2は、焙煎コーヒー豆から挽き豆を生成する。抽出装置3は豆処理装置2から供給される挽き豆からコーヒー液を抽出する。抽出装置3は、流体供給ユニット7、後述する駆動ユニット8(図5参照)、抽出容器9及び切替ユニット10を含む。豆処理装置2から供給される挽き豆は、抽出容器9に投入される。流体供給ユニット7は、抽出容器9にお湯を投入する。抽出容器9内で挽き豆からコーヒー液が抽出される。抽出されたコーヒー液を含むお湯が切替ユニット10を介してコーヒー飲料としてカップCに送出される。
<2.流体供給ユニット及び切替ユニット>
流体供給ユニット7及び切替ユニット10の構成について図3を参照して説明する。まず、流体供給ユニット7について説明する。流体供給ユニット7は、抽出容器9へのお湯の供給や、抽出容器9内の気圧の制御等を行う。なお、本明細書において、気圧を数字で例示している場合、特に断わらない限り絶対圧を意味し、ゲージ圧とは大気圧を0気圧とする気圧である。大気圧とは、抽出容器9の周囲の気圧、又は、飲料製造装置1の気圧を指し、例えば、飲料製造装置1が海抜0mの地点に設置されている場合は、国際民間航空機関(=「International Civil Aviation Organization」〔[略]ICAO〕)が1976年に制定した国際標準大気(=「International Standard Atmosphere」〔[略]ISA〕)の海抜0mでの基準気圧(1013.25hPa)である。
流体供給ユニット7は配管L1~L3を含む。配管L1は空気が流通する配管であり、配管L2は水が流通する配管である。配管L3は空気と水の双方が流通可能な配管である。
流体供給ユニット7は、加圧源としてコンプレッサ70を含む。コンプレッサ70は大気を圧縮して送出する。コンプレッサ70は例えばモータ(不図示)を駆動源として駆動される。コンプレッサ70から送出される圧縮空気は、逆止弁71aを介してリザーブタンク(アキュームレータ)71に供給される。リザーブタンク71内の気圧は圧力センサ71bにより監視され、所定の気圧(本実施形態では7気圧(ゲージ圧で6気圧))に維持されるよう、コンプレッサ70が駆動される。リザーブタンク71には排水用のドレイン71cが設けられており、空気の圧縮により生じる水を排水可能となっている。
水タンク72にはコーヒー飲料を構成するお湯(水)が蓄積される。水タンク72には、水タンク72内の水を加温するヒーター72a及び水の温度を計測する温度センサ72bが設けられている。ヒーター72aは温度センサ72bの検出結果に基づいて、蓄積されるお湯の温度を所定の温度(本実施形態では摂氏120度)に維持する。ヒーター72aは例えばお湯の温度が摂氏118度でONとされ、摂氏120度でOFFとされる。
水タンク72には、また、水位センサ72cが設けられている。水位センサ72cは水タンク72内のお湯の水位を検出する。水位センサ72cにより所定の水位よりも水位が下がったことが検出されると、水タンク72に水が供給される。本実施形態の場合、不図示の浄水器を介して水道水が供給される。浄水器からの配管L2の途中には電磁弁72dが設けられており、水位センサ72cにより水位の低下が検出されると電磁弁72dが開放されて水が供給され、所定の水位に到達すると電磁弁72dが閉鎖されて水の供給が遮断される。こうして水タンク72内のお湯が一定の水位に維持される。なお、水タンク72への給水は一回のコーヒー飲料の製造に使用するお湯を排出する度に行ってもよい。
水タンク72には、また、圧力センサ72gが設けられている。圧力センサ72gは水タンク72内の気圧を検出する。水タンク72には調圧弁72e及び電磁弁72fを介してリザーブタンク71内の気圧が供給される。調圧弁72eはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、3気圧(ゲージ圧で2気圧)に減圧する。電磁弁72fは調圧弁72eで調圧された気圧の、水タンク72への供給と遮断とを切り替える。電磁弁72fは、水タンク72への水道水の供給時を除き、水タンク72内の気圧が3気圧に維持されるように開閉制御される。水タンク72への水道水の供給時には、水道水の水圧によって水タンク72に円滑に水道水が補給されるように、電磁弁72hにより水タンク72内の気圧を水道水の水圧よりも低い圧力(例えば2.5気圧未満)に減圧する。電磁弁72hは水タンク72内を大気に解放するか否かを切り替え、減圧時には水タンク72内を大気に解放する。また、電磁弁72hは水タンク72への水道水の供給時以外に、水タンク72内の気圧が3気圧を超える場合に水タンク72内を大気に解放し、水タンク72内を3気圧に維持する。
水タンク72内のお湯は、逆止弁72j、電磁弁72i及び配管L3を介して抽出容器9へ供給される。電磁弁72iを開放することで抽出容器9へお湯が供給され、閉鎖することでお湯の供給が遮断される。抽出容器9へのお湯の供給量は、電磁弁72iの開放時間で管理することができる。しかし、供給量を計測して電磁弁72iの開閉を制御してもよい。配管L3にはお湯の温度を計測する温度センサ73eが設けられており、抽出容器9へ供給される湯温が監視される。
リザーブタンク71の気圧は、また、調圧弁73a、電磁弁73bを介して抽出容器9へ供給される。調圧弁73aはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、5気圧(ゲージ圧で4気圧)に減圧する。電磁弁73bは調圧弁73aで調圧された気圧の、抽出容器9への供給と遮断とを切り替える。抽出容器9内の気圧は圧力センサ73dで検出される。抽出容器9内の加圧時、圧力センサ73dの検出結果に基づいて電磁弁73bが開放され、抽出容器9内を所定の気圧(本実施形態の場合、最大で5気圧(ゲージ圧で4気圧))に加圧する。抽出容器9内の気圧は電磁弁73cで減圧可能である。電磁弁73cは抽出容器9内を大気に解放するか否かを切り替え、圧力異常時(例えば抽出容器9内が5気圧を超える場合)には抽出容器9内を大気に解放する。
一回のコーヒー飲料の製造が終わると、本実施形態の場合、抽出容器9内を水道水で洗浄する。電磁弁73fは洗浄時に開放され、抽出容器9に水道水を供給する。
次に切替ユニット10について説明する。切替ユニット10は抽出容器9から送出される液体の送出先を注ぎ部10cと廃棄タンクTとのいずれかに切り替えるユニットである。切替ユニット10は、切替弁10aと切替弁10aを駆動するモータ10bを含む。切替弁10aは、抽出容器9内のコーヒー飲料を送出する場合は注ぎ部10cへ流路を切り替える。コーヒー飲料は注ぎ部10cからカップCへ注がれる。洗浄時の廃液(水道水)及び残渣(挽き豆)を排出する場合は廃棄タンクTへ流路を切り替える。切替弁10aは本実施形態の場合3ポートのボール弁である。洗浄時には切替弁10aを残渣が通過することから、切替弁10aはボール弁が好適であり、モータ10bはその回転軸を回転することで、流路を切り替える。
<3.豆処理装置>
図1、図2を参照して豆処理装置2について説明する。豆処理装置2は、貯留装置4及び粉砕装置5を含む。
<3-1.貯留装置>
貯留装置4は、焙煎後のコーヒー豆が収容される複数のキャニスタ40を含む。本実施形態の場合、キャニスタ40は三つ設けられている。キャニスタ40は、焙煎コーヒー豆を収容する筒状の本体40aと、本体40aに設けられた取手40bとを含み、飲料製造装置1に対して着脱自在に構成されている。
各キャニスタ40は、互いに異なる種類の焙煎コーヒー豆を収容し、情報表示装置12に対する操作入力によって、コーヒー飲料の製造に用いる焙煎コーヒー豆の種類を選択できるようにしてもよい。種類が異なる焙煎コーヒー豆とは例えばコーヒー豆の品種が異なる焙煎コーヒー豆である。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、同じ品種のコーヒー豆であるが、焙煎度が異なる焙煎コーヒー豆であってもよい。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、品種も焙煎度も異なる焙煎コーヒー豆でもよい。また、三つのキャニスタ40の少なくともいずれか一つには、複数種類の品種の焙煎コーヒー豆が混合された焙煎コーヒー豆が収容されてもよい。この場合、各品種の焙煎コーヒー豆は、焙煎度が同程度であってもよい。
なお、本実施形態では複数のキャニスタ40を設けたが、一つのキャニスタ40のみが設けられる構成であってもよい。また、複数のキャニスタ40を設けた場合に、同じ種類の焙煎コーヒー豆が全部又は複数のキャニスタ40に収容されてもよい。
各キャニスタ40は、計量搬送装置であるコンベア41に着脱自在に装着される。コンベア41は、例えば、電動スクリューコンベアであり、キャニスタ40に収容された所定の量の焙煎コーヒー豆を自動計量して下流側に送出する。
各コンベア41は下流側の集合搬送部42に焙煎コーヒー豆を排出する。集合搬送部42は中空の部材で構成されており、各コンベア41から粉砕装置5(特にグラインダ5A)への焙煎コーヒー豆の搬送通路を形成する。各コンベア41から排出された焙煎コーヒー豆は集合搬送部42の内部を自重によって移動し、粉砕装置5へ流れ落ちる。
集合搬送部42には、豆投入口103に対応する位置に案内部42aが形成されている。案内部42aは豆投入口103から投入された焙煎コーヒー豆を粉砕装置5(特にグラインダ5A)へ案内する通路を形成する。これにより、キャニスタ40に収容された焙煎コーヒー豆以外に、豆投入口103から投入される焙煎コーヒー豆を原料としたコーヒー飲料も製造できる。
<3-2.粉砕装置>
図2及び図4を参照して粉砕装置5を説明する。図4は分離装置6の一部破断斜視図である。粉砕装置5は、グラインダ5A及び5B、及び、分離装置6を含む。グラインダ5A及び5Bは貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆を挽く機構である。貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、グラインダ5Aで挽かれた後、グラインダ5Bで更に挽かれて粉状にされ、排出管5Cから抽出容器9へ投入される。
グラインダ5A及び5Bは、豆を挽く粒度が異なっている。グラインダ5Aは粗挽き用のグラインダであり、グラインダ5Bは細挽き用のグラインダである。グラインダ5A、5Bはそれぞれ電動グラインダであり、駆動源であるモータと、モータにより駆動される回転刃等を含む。回転刃の回転数を変化させることで粉砕される焙煎コーヒー豆の大きさ(粒度)を変化可能である。
分離装置6は挽き豆から不要物を分離する機構である。分離装置6はグラインダ5Aとグラインダ5Bとの間に配置された通路部63aを含む。通路部63aはグラインダ5Aから自由落下してくる挽き豆が通過する分離室を形成する中空体である。通路部63aには、挽き豆の通過方向(本実施形態の場合、上下方向。)と交差する方向(本実施形態の場合、左右方向。)に延びる通路部63bが接続されており、この通路部63bには吸引ユニット60が接続されている。吸引ユニット60が通路部63a内の空気を吸引することで、チャフや微粉といった軽量な物体が吸引される。これにより、挽き豆から不要物を分離できる。
吸引ユニット60は遠心分離方式の機構である。吸引ユニット60は、送風ユニット60A及び回収容器60Bを含む。送風ユニット60Aは本実施形態の場合、ファンモータであり、回収容器60B内の空気を上方へ排気する。
回収容器60Bは、分離可能に係合する上部61と下部62とを含む。下部62は上方が開放した有底の筒型をなしており、不要物を蓄積する空間を形成する。上部61は下部62の開口に装着される蓋部を構成する。上部61は、円筒形状の外周壁61aと、これと同軸上に形成された排気筒61bとを含む。送風ユニット60Aは排気筒61b内の空気を吸引するように排気筒61bの上方において上部61に固定されている。上部61には通路部63bが接続されている。通路部63bは排気筒61bの側方に開口している。
送風ユニット60Aの駆動により、図4において矢印d1~d3で示す気流が発生する。この気流により、通路部63aから不要物を含んだ空気が通路部63bを通って回収容器60B内に吸引される。通路部63bは排気筒61bの側方に開口しているため、不要物を含んだ空気は排気筒61bの周囲を旋回する。空気中の不要物Dは、その重量によって落下し、回収容器60Bの一部に集められる(下部62の底面上に堆積する)。空気は排気筒61bの内部を通って上方に排気される。
排気筒61bの周面には複数のフィン61dが一体に形成されている。複数のフィン61dは排気筒61bの周方向に配列されている。個々のフィン61dは、排気筒61bの軸方向に対して斜めに傾斜している。このようなフィン61dを設けたことで、不要物Dを含んだ空気の排気筒61bの周囲の旋回を促進する。
本実施形態の場合、下部62はアクリル、ガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明容器を構成している。また、下部62はカバー部102で覆われた部分である(図2)。管理者や飲料の需要者は、カバー部102、下部62の周壁を透して、下部62内に蓄積された不要物Dを視認可能である。管理者にとっては、下部62の清掃タイミングを確認し易い場合があり、飲料の需要者にとっては不要物Dが除去されていることが視認できることで、製造中のコーヒー飲料の品質に対する期待感が高まる場合がある。
このように本実施形態では、貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、まず、グラインダ5Aで粗挽きされ、その粗挽き豆が通路部63aを通過する際に、分離装置6によって不要物が分離される。不要物が分離された粗挽き豆は、グラインダ5Bにより細挽きされる。分離装置6で分離する不要物は、代表的にはチャフや微粉である。これらはコーヒー飲料の味を低下させる場合があり、挽き豆からチャフ等を除去することで、コーヒー飲料の品質を向上できる。
焙煎コーヒー豆の粉砕は、一つのグラインダ(一段階の粉砕)であってもよい。しかし、本実施形態のように、二つのグラインダ5A、5Bによる二段階の粉砕とすることで、挽き豆の粒度が揃い易くなり、コーヒー液の抽出度合を一定にすることができる。豆の粉砕の際にはカッターと豆との摩擦により、熱が発生する場合がある。二段階の粉砕とすることで、粉砕時の摩擦による発熱を抑制し、挽き豆の劣化(例えば風味が落ちる)を防止することもできる。
また、粗挽き→不要物の分離→細挽きという段階を経ることで、チャフなどの不要物を分離する際、不要物と挽き豆(必要部分)との質量差を大きくできる。これは不要物の分離効率を上げることができるとともに、挽き豆(必要部分)が不要物として分離されてしまうことを防止することができる。また、粗挽きと細挽きとの間に、空気の吸引を利用した不要物の分離処理が介在することで、空冷によって挽き豆の発熱を抑えることができる。
<4.駆動ユニット及び抽出容器>
<4-1.概要>
抽出装置3の駆動ユニット8及び抽出容器9について図5を参照して説明する。図5は駆動ユニット8及び抽出容器9の斜視図である。駆動ユニット8の大部分は本体部101に囲包されている。
駆動ユニット8はフレームFに支持されている。フレームFは、上下の梁部F1、F2及び梁部F1、F2を支持する柱部F3を含む。駆動ユニット8は、上部ユニット8A、中部ユニット8B及び下部ユニット8Cの三つのユニットに大別される。上部ユニット8Aは梁部F1に支持されている。中部ユニット8Bは梁部F1と梁部F2との間において、梁部F1及び柱部F3に支持されている。下部ユニット8Cは梁部F2に支持されている。
抽出容器9は、容器本体90及び蓋ユニット91を含むチャンバである。抽出容器9のことをチャンバと呼ぶ場合がある。中部ユニット8Bは、容器本体90を着脱自在に保持するアーム部材820を備える。アーム部材820は、保持部材820aと、左右に離間した一対の軸部材820bとを含む。保持部材820aは、Cの字型のクリップ状に形成された樹脂等の弾性部材であり、その弾性力により容器本体90を保持する。保持部材820aは容器本体90の左右の側部を保持し、容器本体90の前方側は露出させている。これにより容器本体90の内部を、正面視で視認し易くなる。
保持部材820aに対する容器本体90の着脱は手動操作で行い、保持部材820aに容器本体90を前後方向後方へ押し付けることで容器本体90が保持部材820aに装着される。また、容器本体90を保持部材820aから前後方向前側へ引き抜くことで、容器本体90を保持部材820aから分離可能である。
一対の軸部材820bは、それぞれ、前後方向に延設されたロッドであり、保持部材820aを支持する部材である。なお、本実施形態では軸部材820bの数を二本としたが、一本でもよいし、三本以上であってもよい。保持部材820aは、一対の軸部材820bの前側の端部に固定されている。後述する機構により、一対の軸部材820bは前後方向に進退され、これにより保持部材820aが前後に進退し、容器本体90を前後方向に平行移動する移動動作を行うことができる。中部ユニット8Bは、また、後述するように、抽出容器9の上下を反転させる回動動作を行うことも可能である。
<4-2.抽出容器>
図6を参照して抽出容器9について説明する。図6は抽出容器9の閉状態及び開状態を示す図である。上記のとおり、抽出容器9は中部ユニット8Bにより上下が反転される。図6の抽出容器9は、蓋ユニット91が上側に位置している基本姿勢を示している。以下の説明において上下の位置関係を述べる場合、特に断らない限りは基本姿勢における上下の位置関係を意味するものとする。
容器本体90は有底の容器であり、ネック部90b、肩部90d、胴部90e及び底部90fを有するボトル形状を有している。ネック部90bの端部(容器本体90の上端部)には、容器本体90の内部空間と連通する開口90aを画定するフランジ部90cが形成されている。
ネック部90b及び胴部90eは、いずれも円筒形状を有している。肩部90dは、ネック部90bと胴部90eとの間の部分であり、その内部空間の断面積が胴部90e側からネック部90b側へ向かって徐々に小さくなるようにテーパ形状を有している。
蓋ユニット91は開口90aを開閉するユニットである。蓋ユニット91の開閉動作(昇降動作)は上部ユニット8Aにより行われる。
容器本体90は、本体部材900及び底部材901を含む。本体部材900は、ネック部90b、肩部90d、胴部90eを形成する上下が開放した筒部材である。底部材901は底部90fを形成する部材であり、本体部材900の下部に挿入されて固定される。本体部材900と底部材901との間にはシール部材902が介在し、容器本体90内の気密性を向上する。
本実施形態の場合、本体部材900はアクリル、ガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明容器を構成している。管理者や飲料の需要者は、カバー部102、容器本体90の本体部材900を透して、容器本体90内でのコーヒー飲料の抽出状況を視認可能である。管理者にとっては、抽出動作を確認し易い場合があり、飲料の需要者にとっては抽出状況を楽しめる場合がある。
底部材901の中心部には凸部901cが設けられ、この凸部901cには、容器本体90内を外部に連通させる連通穴や、この連通穴を開閉する弁(図8の弁903)が設けられている。連通穴は、容器本体90内を洗浄する際の廃液及び残渣の排出に用いられる。凸部901cにはシール部材908が設けられており、シール部材908は、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cと底部材901との間を気密に維持するための部材である。
蓋ユニット91は、帽子状のベース部材911を備える。ベース部材911は、凸部911d、及び、閉時にフランジ部90cと重なる鍔部911cを有する。凸部911dには、容器本体90における凸部901cと同じ構造とされており、容器本体90内を外部に連通させる連通穴や、この連通穴を開閉する弁(図8の弁913)が設けられている。凸部911dの連通穴は、主に、容器本体90内へのお湯の注入とコーヒー飲料の送出に用いられる。凸部911dにはシール部材918aが設けられている。シール部材918aは、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cとベース部材911との間を気密に維持するための部材である。蓋ユニット91には、また、シール部材919が設けられている。シール部材919は、蓋ユニット91の閉時に蓋ユニット91と容器本体90との気密性を向上する。蓋ユニット91には濾過用のフィルタが保持される。
<4-3.上部ユニット及び下部ユニット>
上部ユニット8A及び下部ユニット8Cについて図7、図8を参照して説明する。図7は上部ユニット8A及び下部ユニット8Cの一部の構成を示す正面図であり、図8は図7の縦断面図である。
上部ユニット8Aは、操作ユニット81Aを含む。操作ユニット81Aは容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉操作(昇降)及び凸部901c及び911dの弁の開閉操作を行う。操作ユニット81Aは、支持部材800、保持部材801、昇降軸802及びプローブ803を含む。
支持部材800はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられており、保持部材801を収容する。支持部材800は、また、配管L3と支持部材800内を連通させる連通部800aを備える。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧が連通部800aを介して支持部材800内に導入される。
保持部材801は、蓋ユニット91を着脱自在に保持可能な部材である。保持部材801は蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される円筒状の空間を有すると共に、これらを着脱自在に保持する機構を備える。この機構は、例えば、スナップリング機構であり、一定の押圧力により係合し、一定の分離力により係合が解除される。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧は、連通部800a及び保持部材801の連通穴801aを介して抽出容器9内へ供給可能である。
保持部材801は支持部材800内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材でもある。昇降軸802はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸802は支持部材800の天部を上下方向に気密に貫通し、支持部材800に対して上下に昇降自在に設けられている。
昇降軸802の下端部には保持部材801の天部が固定されている。昇降軸802の昇降によって保持部材801が上下方向にスライドし、凸部911dや凸部901cへの保持部材801の装着と分離を行うことができる。また、容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉を行うことができる。
昇降軸802の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ802aが形成されている。このねじ802aにはナット804bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ804aを備えており、ナット804bはモータ804aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット804bの回転によって昇降軸802が昇降する。
昇降軸802は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ803が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ803は保持部材801の天部を上下方向に気密に貫通し、支持部材800及び保持部材801に対して上下に昇降自在に設けられている。
プローブ803は、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903を開閉する操作子であり、プローブ803の降下により弁913、903を閉状態から開状態とし、プローブ803の上昇により弁を開状態から閉状態(不図示のリターンばねの作用による)とすることができる。
プローブ803の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ803aが形成されている。このねじ803aにはナット805bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ805aを備えており、ナット805bはモータ805aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット805bの回転によってプローブ803が昇降する。
下部ユニット8Cは、操作ユニット81Cを含む。操作ユニット81Cは、操作ユニット81Aを上下に反転した構成であり、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903の開閉操作を行う。操作ユニット81Cも蓋ユニット91の開閉が可能な構成であるが、本実施形態では操作ユニット81Cを蓋ユニット91の開閉には用いない。
以下、操作ユニット81Aの説明と略同じであるが、操作ユニット81Cについて説明する。操作ユニット81Cは、支持部材810、保持部材811、昇降軸812及びプローブ813を含む。
支持部材810はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられており、保持部材811を収容する。支持部材810は、また、切替ユニット10の切替弁10aと支持部材810内を連通させる連通部810aを備える。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810aを介して切替弁10aに導入される。
保持部材811は、蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される円筒状の空間を有すると共に、これらを着脱自在に保持する機構を備える。この機構は、例えば、スナップリング機構であり、一定の押圧力により係合し、一定の分離力により係合が解除される。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810a及び保持部材811の連通穴811aを介して切替弁10aに導入される。
保持部材811は支持部材810内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材でもある。昇降軸812はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸812は支持部材800の底部を上下方向に気密に貫通し、支持部材810に対して上下に昇降自在に設けられている。
昇降軸812の下端部には保持部材811の底部が固定されている。昇降軸812の昇降によって保持部材811が上下方向にスライドし、凸部901cや凸部911dへの保持部材811の装着と分離を行うことができる。
昇降軸812の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ812aが形成されている。このねじ812aにはナット814bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ814aを備えており、ナット814bはモータ814aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット814bの回転によって昇降軸812が昇降する。
昇降軸812は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ813が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ813は保持部材811の底部を上下方向に気密に貫通し、支持部材810及び保持部材811に対して上下に昇降自在に設けられている。
プローブ813は、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903を開閉する操作子であり、プローブ813の上昇により弁913、903を閉状態から開状態とし、プローブ813の降下により弁を開状態から閉状態(不図示のリターンばねの作用による)とすることができる。
プローブ813の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ813aが形成されている。このねじ813aにはナット815bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ815aを備えており、ナット815bはモータ815aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット815bの回転によってプローブ813が昇降する。
<4-4.中部ユニット>
中部ユニット8Bについて図5及び図9を参照して説明する。図9は中部ユニット8Bの模式図である。中部ユニット8Bは抽出容器9を支持する支持ユニット81Bを含む。支持ユニット81Bは上述したアーム部材820の他、ロック機構821を支持するユニット本体81B’を含む。
ロック機構821は、蓋ユニット91を容器本体90に対して閉状態に維持する機構である。ロック機構821は、蓋ユニット91の鍔部911cと容器本体90のフランジ部90cとを上下に挟持する一対の把持部材821aを含む。一対の把持部材821aは、鍔部911cとフランジ部90cとを挟み込んで嵌合するC字型の断面を有しており、モータ822の駆動力により左右方向に開閉される。一対の把持部材821aが閉状態の場合、図9の囲み図において実線で示すように、各把持部材821aは鍔部911cとフランジ部90cとを上下に挟み込むようにしてこれらに嵌合し、蓋ユニット91が容器本体90に対して気密にロックされる。このロック状態においては、保持部材801を昇降軸802によって上昇させて蓋ユニット91を開放しようとしても、蓋ユニット91は移動しない(ロックは解除されない)。つまり、保持部材801を用いて蓋ユニット91を開放する力よりもロック機構821によるロックの力の方が強く設定されている。これにより異常時に容器本体90に対して蓋ユニット91が開状態になることを防止することができる。
また、一対の把持部材821aが開状態の場合、図9の囲み図において破線で示すように、鍔部911cとフランジ部90cから各把持部材821aが離間した状態となり、蓋ユニット91と容器本体90とのロックが解除される。
保持部材801が蓋ユニット91を保持した状態にあり、かつ、保持部材801を降下位置から上昇位置に上昇する場合、一対の把持部材821aが開状態の場合には容器本体90から蓋ユニット91が分離される。逆に一対の把持部材821aが閉状態の場合には蓋ユニット91に対する保持部材801の係合が解除され、保持部材801だけが上昇することになる。
中部ユニット8Bは、また、モータ823を駆動源としてアーム部材820を前後方向に水平移動する機構を含む。これにより、アーム部材820に支持された容器本体90を後側の抽出位置(状態ST1)と、前側の豆投入位置(状態ST2)との間で移動することができる。豆投入位置は、容器本体90に挽き豆を投入する位置であり、蓋ユニット91が分離された容器本体90の開口90aに、グラインダ5Bで挽かれた挽き豆が図2に示す排出管5Cから投入される。換言すると、排出管5Cの位置は、豆投入位置に位置している容器本体90の上方である。
抽出位置は、容器本体90が操作ユニット81A及び操作ユニット81Cによる操作が可能となる位置であり、プローブ803、813と同軸上の位置であって、コーヒー液の抽出を行う位置である。抽出位置は豆投入位置よりも奥側の位置である。図5、図7及び図8はいずれも容器本体90が抽出位置にある場合を示している。このように、挽き豆の投入と、コーヒー液の抽出及び水の供給とで、容器本体90の位置を異ならせることにより、コーヒー液抽出時に発生する湯気が、挽き豆の供給部である排出管5Cに付着することを防止できる。
中部ユニット8Bは、また、モータ824を駆動源として支持ユニット81Bを前後方向の軸825回りに回転させる機構を含む。これにより、容器本体90(抽出容器9)の姿勢をネック部90bが上側の正立姿勢(状態ST1)からネック部90bが下側の倒立姿勢(状態ST3)へ変化させることができる。抽出容器9の回動中は、ロック機構821により容器本体90に蓋ユニット91がロックされた状態が維持される。正立姿勢と倒立姿勢とで抽出容器9は上下が反転される。正立姿勢における凸部901cの位置に、倒立姿勢では凸部911dが位置する。また、正立姿勢における凸部911dの位置に、倒立姿勢では凸部901cが位置する。このため、倒立姿勢では弁903に対する開閉操作を操作ユニット81Aが行うことができ、また、弁913に対する開閉操作を操作ユニット81Cが行うことができる。
<5.制御装置>
図10を参照して飲料製造装置1の制御装置11について説明する。図10は制御装置11のブロック図である。
制御装置11は飲料製造装置1の全体を制御する。制御装置11は、処理部11a、記憶部11b及びI/F(インタフェース)部11cを含む。処理部11aは例えばCPU等のプロセッサである。記憶部11bは例えばRAMやROMである。I/F部11cは外部デバイスと処理部11aとの間の信号の入出力を行う入出力インタフェースを含む。I/F部11cは、また、インターネットなどの通信ネットワーク15を介してサーバ16とデータ通信が可能な通信インタフェースを含む。サーバ16は、通信ネットワーク15を介してスマートフォン等の携帯端末17との通信が可能であり、例えば、飲料の需要者の携帯端末17から飲料製造の予約や、感想などの情報を受信可能である。
処理部11aは記憶部11bに記憶されたプログラムを実行し、情報表示装置12からの指示或いはセンサ群13の検出結果若しくはサーバ16からの指示に基づいて、アクチュエータ群14を制御する。センサ群13は飲料製造装置1に設けられた各種のセンサ(例えばお湯の温度センサ、機構の動作位置検出センサ、圧力センサ等)である。アクチュエータ群14は飲料製造装置1に設けられた各種のアクチュエータ(例えばモータ、電磁弁、ヒーター等)である。
<6.動作制御例>
処理部11aが実行する飲料製造装置1の制御処理例について図11(A)及び(B)を参照して説明する。図11(A)は一回のコーヒー飲料製造動作に関わる制御例を示している。製造指示前の飲料製造装置1の状態を待機状態と呼ぶ。待機状態における各機構の状態は以下の通りである。
抽出装置3は図5の状態にある。抽出容器9は正立姿勢で、かつ、抽出位置に位置している。ロック機構821は閉状態であり、蓋ユニット91は容器本体90の開口90aを閉鎖している。保持部材801は降下位置にあり、凸部911dに装着されている。保持部材811は上昇位置にあり、凸部901cに装着されている。弁903及び913は閉状態にある。切替弁10aは操作ユニット81Cの連通部810aを廃棄タンクTと連通させる。
待機状態において、コーヒー飲料の製造指示があると、図11(A)の処理が実行される。S1では予熱処理が実行される。この処理は容器本体90内にお湯を注ぎ、容器本体90を事前に加温する処理である。まず、弁903及び913を開状態とする。これにより、配管L3、抽出容器9、廃棄タンクTが連通状態となる。
電磁弁72iを所定時間(例えば1500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。続いて電磁弁73bを所定時間(例えば500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、抽出容器9内の空気が加圧され、廃棄タンクTへのお湯の排出を促進する。以上の処理により、抽出容器9の内部及び配管L2が予熱され、これに続くコーヒー飲料の製造において、お湯が冷めることを低減できる。
S2ではグラインド処理を行う。ここでは焙煎コーヒー豆を粉砕し、その挽き豆を容器本体90に投入する。まず、ロック機構821を開状態とし、保持部材801が上昇位置に上昇する。蓋ユニット91は保持部材801に保持され、保持部材801と共に上昇する。この結果、蓋ユニット91は容器本体90から分離する。保持部材811は降下位置に降下する。容器本体90を豆投入位置に移動する。続いて、貯留装置4及び粉砕装置5を作動する。これにより、貯留装置4から一杯分の焙煎コーヒー豆がグラインダ5Aに供給される。グラインダ5A及び5Bで焙煎コーヒー豆が二段階で挽かれ、かつ、分離装置6で不要物が分離される。挽き豆は容器本体90に投入される。
容器本体90を抽出位置に戻す。保持部材801が降下位置に降下して容器本体90に蓋ユニット91を装着する。ロック機構821を閉状態とし、蓋ユニット91が容器本体90に対して気密にロックされる。保持部材811は上昇位置に上昇する。弁903、913のうち、弁903は閉状態とし、弁913は開状態とする。
S3では抽出処理を行う。ここでは容器本体90内の挽き豆からコーヒー液を抽出する。図11(B)はS3の抽出処理のフローチャートである。
S11では抽出容器9内の挽き豆を蒸らすため、一杯分のお湯よりも少ない量のお湯を抽出容器9に注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば500ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。その後、所定時間(例えば、5000ms)待機してS11の処理を終了する。この処理によって挽き豆を蒸らすことができる。挽き豆を蒸らすことで、挽き豆に含まれる炭酸ガスを放出させ、その後の抽出効果を高めることができる。
S12では、一杯分のお湯が抽出容器9に収容されるよう、残りの量のお湯を抽出容器9へ注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば7000ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。
S12の処理によって抽出容器9内を、1気圧で摂氏100度を超える温度(例えば摂氏110度程度)の状態とすることができる。続いてS13により抽出容器9内を加圧する。ここでは電磁弁73bを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖し、抽出容器9内をお湯が沸騰しない気圧(例えば4気圧程度(ゲージ圧で3気圧程度))に加圧する。その後、弁913を閉状態とする。
続いて、この状態を所定時間(例えば7000ms)維持して浸漬式のコーヒー液抽出を行う(S14)。これにより高温高圧下での浸漬式によるコーヒー液の抽出が行われる。高温高圧下での浸漬式の抽出では、以下の効果が見込める。一つ目は、高圧にすることで、挽き豆の内部にお湯を浸透させ易くし、コーヒー液の抽出を促進させることができる。二つ目は、高温にすることで、コーヒー液の抽出が促進される。三つ目は、高温にすることで挽き豆に含まれるオイルの粘性が下がり、オイルの抽出が促進される。これにより香り高いコーヒー飲料を製造できる。
お湯(高温水)の温度は、摂氏100度を超えていればよいが、より高温である方がコーヒー液の抽出の点で有利である。一方、お湯の温度を高くするためには一般にコストアップとなる。したがって、お湯の温度は、例えば、摂氏105度以上、または、摂氏110度以上、或いは、摂氏115度以上とし、また、例えば、摂氏130度以下、または、摂氏120度以下としてもよい。気圧はお湯が沸騰しない気圧であればよい。
S15では抽出容器9内を減圧する。ここでは、抽出容器9内の気圧をお湯が沸騰する気圧に切り替える。具体的には、弁913を開状態とし、電磁弁73cを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖する。抽出容器9内が大気に解放される。その後、弁913を再び閉状態とする。
抽出容器9内が沸点圧よりも低い気圧に急激に減圧され、抽出容器9内のお湯が一気に沸騰する。抽出容器9内のお湯、挽き豆は、抽出容器9内で爆発的に飛散する。これにより、お湯を均一に沸騰させることができる。また、挽き豆の細胞壁の破壊を促進させることができ、その後のコーヒー液の抽出を更に促進させることができる。また、この沸騰により挽き豆とお湯を撹拌させることもできるため、コーヒー液の抽出を促進させることができる。こうして本実施形態ではコーヒー液の抽出効率を向上することができる。
S16では抽出容器9を正立姿勢から倒立姿勢へ反転する。ここでは、保持部材801を上昇位置に、保持部材811を降下位置にそれぞれ移動する。そして、支持ユニット81Bを回転させる。その後、保持部材801を降下位置に、保持部材811を上昇位置にそれぞれ戻す。倒立姿勢の抽出容器9は、ネック部90bや蓋ユニット91が下側に位置することになる。
S17では透過式のコーヒー液抽出を行い、カップCにコーヒー飲料を送出する。ここでは、切替弁10aを切り替えて注ぎ部10cと操作ユニット81Cの通路部810aとを連通させる。また、弁903、913をいずれも開状態とする。更に、電磁弁73bを所定時間(例えば10000ms)開放し、抽出容器9内を所定気圧(例えば1.7気圧(ゲージ圧で0.7気圧))にする。抽出容器9内において、コーヒー液がお湯に溶け込んだコーヒー飲料が蓋ユニット91に設けたフィルタを透過してカップCに送出される。フィルタは挽き豆の残渣が漏出することを規制する。以上により抽出処理が終了する。
本実施形態では、S14での浸漬式の抽出とS17での透過式の抽出とを併用することによりコーヒー液の抽出効率を向上できる。抽出容器9が正立姿勢の状態では、挽き豆が胴部90eから底部90fに渡って堆積する。一方、抽出容器9が倒立姿勢の状態では、挽き豆が肩部90dからネック部90bに渡って堆積する。ネック部90bの断面積よりも胴部90eの断面積の方が大きく、倒立姿勢での挽き豆の堆積厚さは正立姿勢での堆積厚さよりも厚くなる。つまり、挽き豆は抽出容器9が正立姿勢の状態では相対的に薄く、広く堆積し、倒立姿勢の状態では相対的に厚く、狭く堆積する。
本実施形態の場合、S14の浸漬式抽出は抽出容器9が正立姿勢の状態で行われるので、お湯と挽き豆とを広範囲にわたって接触させることができ、コーヒー液の抽出効率を向上できる。但し、この場合はお湯と挽き豆とが部分的に接触する傾向にある。一方、S17の透過式抽出は抽出容器9が倒立姿勢の状態で行われるので、お湯がより多くの挽き豆と接触しながら堆積した挽き豆を通過することになる。お湯がより万遍なく挽き豆と接触することになり、コーヒー液の抽出効率を更に向上することができる。
図11(A)に戻り、S3の抽出処理の後は、S4の排出処理を行う。ここでは抽出容器9内の清掃に関する処理を行う。抽出容器9の清掃は、抽出容器9を倒立姿勢から正立姿勢に戻し、抽出容器9に水道水(浄水)を供給することで行う。そして、抽出容器9内を加圧し、抽出容器9内の水を挽き豆の残渣と共に廃棄タンクTへ排出する。
以上により一回のコーヒー飲料製造処理が終了する。以降、同様の処理が製造指示毎に繰り返される。一回のコーヒー飲料の製造に要する時間は、例えば、60~90秒程度である。
<7.装置構成についての小括>
上述のとおり、飲料製造装置1は、豆処理装置2および抽出装置3を製造部として備え、より詳細には、豆処理装置2は、貯留装置4及び粉砕装置5を含み、抽出装置3は、流体供給ユニット7、駆動ユニット8、抽出容器9及び切替ユニット10を含む(図2、図3等参照)。粉砕装置5は、一杯分の焙煎コーヒー豆を貯留装置4から受け取り、グラインダ5A及び5Bにより二段階の豆挽きを行う。このとき、挽き豆からチャフ等の不要物が分離装置6により分離される。該挽き豆が抽出容器9に投入された後、流体供給ユニット7による抽出容器9への注湯、駆動ユニット8による抽出容器9の姿勢の反転、切替ユニット10による抽出容器9からカップCへの液体の送出等を経て、一杯分の飲料が提供される。
上記製造部の一部は、全体が透過部である透明カバーとして構成されたカバー部102により覆われており、ユーザ(例えば飲料製造装置1の管理者、飲料の需要者等)が飲料製造装置1外部から視認可能となっている。本実施形態においては、上記製造部のうち、貯留装置4の一部である複数のキャニスタ40が露出され、他の要素は実質的にハウジング100内に収容されているものとするが、他の実施形態として、製造部の全部がハウジング100内に収容されていてもよい。換言すると、カバー部102は、製造部の少なくとも一部を覆うように設けられればよい。
製造部の少なくとも一部がカバー部102により飲料製造装置1外部から視認可能に覆われていることで、例えば、ユーザが飲料製造装置1の管理者の場合には、該管理者は飲料の製造準備と共に装置の動作点検を行うことも可能な場合がある。ユーザが飲料の購入者の場合には、該購入者は飲料に対する期待感を高めながら該飲料の製造完了を待機可能な場合がある。例えば、抽出装置3の抽出容器9がカバー部102を介して飲料製造装置1外部から視認可能であり、飲料を製造する幾つかのプロセスのうちユーザにとって比較的関心度の高い抽出工程が観察可能である。駆動ユニット8は抽出容器9の姿勢を変化させる姿勢変化ユニットとして作用し、前述のとおり、抽出容器9は、製造部において上下反転が可能な可動部分となっている。よって、この抽出容器9の反転動作は、ユーザの興味を比較的惹きやすく、これをユーザにより観察可能とすることで、ユーザを楽しませることが可能な場合がある。
一方、飲料製造装置1により提供される飲料の一層の品質向上のため、例えば、プロセスの改善、それを実現するための飲料製造装置1の構成面、制御面等、多様な側面での改善も求められる。一例として、飲料製造装置1が備える一部の要素に変更を加えることが挙げられる。以下では、図12~図14を参照しながら、図3の水タンク72として機能可能な送液量調節装置720の例を述べる。
<8.送液量調節装置の構成例>
図12は、送液量調節装置720の概要図を示す。また、図13は、図12のIV-IV線断面図及び別例の断面図(構成例EX31)を示す。送液量調節装置720は、水タンク72と同様、コーヒー飲料を構成するお湯(水)を蓄積するタンクであるとともに、一定量のお湯を送出する機能を有する装置である。これにより、一杯分のコーヒー飲料に必要なお湯を順次送出することが可能であり、その際のお湯の量を変更することも可能である。以下の説明において、水タンク72に関連する構成と同じ機能を有する構成については、同じ符号を付している。
送液量調節装置720は、お湯を蓄積するタンク720aを有する。タンク720aの外壁は、周壁721、周壁721の上端部に接合された上壁723、及び、周壁721の下端部に接合された底壁724を含み、図13の断面図に示すようにタンク720aは全体として円筒形状を有している。タンク720a内には仕切壁722が設けられており、その内部空間が仕切壁722によって、外側の円筒状の空間725と、内側の円柱状の空間726Aとに区画されている。本例の場合、仕切壁722は周壁721と同心に配置された円筒形状の壁体であるが、図13の構成例EX31に示すように仕切壁722が周壁721に対して偏心していてもよい。
空間725はお湯を貯留する貯留部を構成する。空間725のことを貯留部725とも呼ぶ。空間726Aの上部には可動部材727cが配置され、その下部の空間726はお湯を貯留する貯留部を構成する。空間726のことを貯留部726とも呼ぶ。貯留部725と貯留部726とを共通の壁体である仕切壁722で仕切ることにより、別々の壁体で区画するよりも、タンク720aの小型化が可能となる。
貯留部725には、貯留部725内の水を加温するヒーター72a及び水の温度を計測する温度センサ72bが設けられている。ヒーター72aは、温度センサ72bの検出結果に基づいて、蓄積されるお湯の温度を所定の温度(ここでは摂氏120度)に維持する。ヒーター72aは、例えばお湯の温度が摂氏118度でONとされ、摂氏120度でOFFとされる。
上壁723のうち、貯留部725を画定する部分には、リザーブタンク71(図3参照)内の気圧が供給される配管が接続されており、ここには電磁弁72fが設けられている。送液量調節装置720は、貯留部725内の気圧を検出するセンサ(不図示。例えば図3の圧力センサ72gに相当するセンサ。)を備え、電磁弁72fは、調圧弁72e(図3参照)で調圧された気圧の貯留部725への供給と遮断とを切り替える。電磁弁72fは、貯留部725への水道水(浄水)の供給時を除き、貯留部725内の気圧が3気圧に維持されるように開閉制御される。
上壁723のうち、貯留部725を画定する部分には、また、貯留部725を大気に連通させる配管が接続されており、ここには電磁弁72hが設けられている。貯留部725への水道水の供給時には、水道水の水圧によって貯留部725に円滑に水道水が補給されるように、電磁弁72hにより貯留部725の気圧を2.5気圧未満に減圧する。電磁弁72hは水タンク72内を大気に解放するか否かを切り替え、減圧時には貯留部725内を大気に解放する。また、電磁弁72hは貯留部725への水道水の供給時以外に、貯留部725内の気圧が3気圧を超える場合に貯留部725を大気に解放し、貯留部725を3気圧に維持する。
底壁724のうち、貯留部725を画定する部分には、貯留部725に水道水を供給する配管L2が接続されており、ここには電磁弁72dが設けられている。電磁弁72dは、後述する水位センサ72cの検出結果に基づき開閉制御され、貯留部725内のお湯の水位を制御する。
底壁724のうち、貯留部725を画定する部分には、また、貯留部725内のお湯を排出する配管L2’が接続されており、ここには電磁弁72d’が設けられている。電磁弁72d’は、貯留部725内のお湯を廃棄する場合に開放され、貯留部725内のお湯が配管L2’へ排出される。
貯留部726は、可動部材727cの移動により、その容積が変更可能な空間である。貯留部726には、配管728a、電磁弁728及び配管728bを介して貯留部725からお湯が供給される。配管728aは、底壁724のうち、貯留部725を画定する部分と電磁弁728との間を接続する。配管728bは、底壁724のうち、貯留部726を画定する部分と電磁弁728との間を接続する。
図12の例においては、電磁弁728は、三方向弁であり、配管728bと配管728aとの連通及び遮断の切り替えと、配管728bと配管728cとの連通及び遮断の切り替えとを行うことができる。また、電磁弁728はいずれの配管同士も遮断することも可能である。配管728cは、貯留部726内のお湯を抽出容器9へ送出するための配管である。
配管728bと配管728aとの連通及び遮断とを切り替えることにより、貯留部725と貯留部726との連通と遮断とを切り替えることができる。配管728bと配管728cとの連通及び遮断とを切り替えることにより、貯留部726内のお湯の送出と貯留とを切り替えることができる。
電磁弁728は、配管728bと配管728aとを連通している場合、配管728bと配管728cとを遮断する。逆に、配管728bと配管728cとを連通している場合、配管728bと配管728aとを遮断する。図中の電磁弁728に示す矢印は、電磁弁728の動作状態を示しており、図12の例の場合、配管728bと配管728cとを連通し、配管728bと配管728aとを遮断している状態を示している。
尚、ここでは、電磁弁728を三方向弁とすることで、一つの電磁弁728により、これらの切り替えを行うように構成した。しかし、配管728bを二つに分け、一方の配管728bと配管728aとの連通及び遮断を切り替える弁と、他方の配管728bと配管728cとの連通及び遮断を切り替える弁と、を設けた構成も採用可能である。
送液量調節装置720は、駆動ユニット727を備える。駆動ユニット727は、貯留部726から送出する湯量に対応して制御され、貯留部726の容積を変化させる。コーヒーカップのサイズに応じて、一杯分の必要湯量が異なる。駆動ユニット727は、こうしたコーヒーカップのサイズ等に対応して適切な湯量が貯留部726から送出されるように、貯留部726の容積を調節する。
駆動ユニット727は、可動部材727cを上下に移動させることで貯留部726の容積を変化させる機構である。可動部材727cは空間726Aに挿入され、上下方向にスライドするように構成されたピストン状の部材であり、その底面727dが貯留部726の上側の壁体を構成する。この観点で、可動部材727cはピストンユニット等と称され、空間726Aはシリンダユニット等と称されてもよい。底面727dの昇降により、貯留部726の容積が変化することになる。
なお、貯留部726の容積は、本例のようにその上側の壁体の位置を移動することにより変化させるのではなく、下側や側部の壁体の位置を移動させることにより変化させることも可能である。
可動部材727cは、仕切壁722の内面とシールを構成するシール部材(不図示)を含み、仕切壁722の内面を液密に摺動する。但し、可動部材727cの周面には上下方向に延びる溝727eが形成されており、溝727eにおいて、仕切壁722の内面と隙間を有している。
この溝727eは、仕切壁722を厚み方向に貫通する開口722aと連通するように形成されている。開口722aは、貯留部725のお湯の最高水位(後述するセンサ731bの位置)よりも上側の位置に形成されており、貯留部725と空間726Aとを連通させる空気連通部である。開口722a及び溝727eを介して、貯留部725と貯留部726とで空気が連通し、これらの空間内の気圧は同じとなる。なお、貯留部725及び726を常時大気圧とする場合は、大気に連通する通路を個別に設けてもよい。
駆動ユニット727は、駆動源として上壁723に支持されたモータ727aを含み、また、可動部材727cを移動する移動機構としてネジ軸727bを含む。ネジ軸727bは上下方向に延設され、モータ727aの駆動力により回転する。可動部材727cは、その上面に開口したネジ穴727fを有しており、このネジ穴727fにネジ軸727bが係合している。可動部材727cは不図示の回り止めがなされており、ネジ軸727bの回転により上下方向に移動する。回り止めは、例えば、仕切壁722の内面と可動部材727cの周面に設けた、上下方向に延びる凹部と凸部であってもよい。
ここでは、可動部材727cを移動させる移動機構として、ネジ軸727bとネジ穴727fとからなるネジ機構を用いたが、これに限られず、ラック-ピニオン機構等、他の機構も採用可能である。
水位センサ72cは、貯留部725のお湯の水位を測定する測定ユニットである。水位センサ72cは、上下に延びる中空円柱状の貯留部729と、貯留部729内に設けられたフロート730と、フロート730を検知する下側のセンサ731a及び上側のセンサ731bとを含む。
貯留部729は、センサ731aよりも下側の位置の連通部729aで貯留部725と連通し、かつ、センサ731bよりも上側の位置の連通部729bで貯留部725と連通している。貯留部725のお湯は連通部729aを介して貯留部729へ流入する。連通部729bは、貯留部725と貯留部729とを連通させる空気連通部であり、連通部729bを介して貯留部725と貯留部729とで空気が連通する。したがって、貯留部729のお湯の水位は貯留部725のお湯の水位と等しくなる。
本例の場合、貯留部729は、ガラスやアクリルなど、透過性を有する部材で構成される。これにより、貯留部729のお湯の水位を外部から視認可能であり、その結果、貯留部725のお湯の水位をユーザが確認できることになる。無論、貯留部725の周壁(721)の一部に透過部を設けてその水位を視認可能とする構成も採用可能である。
フロート730は貯留部729内において、お湯に浮かぶものであればどのようなものでもよい。
センサ731a及び731bは、例えば、光センサ(フォトインタラプタ)であり、フロート730を貯留部729の外部から検知する。センサ731aによりフロート730が検知されると、電磁弁72dを開放して貯留部725へ水が供給される。つまり、センサ731aは貯留部725のお湯の水位の下限を監視する。水位の下限はヒーター72aよりも高い位置に設定されており、ヒーター72aによる空焚きを防止できる。
センサ731bによりフロート730が検知されると、電磁弁72dを閉鎖して貯留部725への水の供給を停止する。つまり、センサ731bは貯留部725のお湯の水位の上限を監視する。
水位センサ72cと同等の構成を貯留部725の内部に構築することも可能である。しかし、本例のように、貯留部725の外部に水位センサ72cを構築することで、外部から貯留部725の水位を確認し易くなる。
次に、図14を参照して送液量調節装置720の動作例について説明する。まず、カップサイズ等に応じて、駆動ユニット727により貯留部726の容積が調節される。状態ST61はその様子を示している。同図の例では、可動部材727cが降下し、貯留部726の容積が図13の例よりも小さい容積にセットされている。電磁弁728は配管728bと配管728cとを連通しており、貯留部725から貯留部726へお湯は供給されない。
貯留部726の容積がセットされると駆動ユニット727を停止し、電磁弁728により配管728bと配管728aとを連通させる。貯留部725と貯留部726とは気圧が同じであり、貯留部726はタンク720aの底部側にある。このため、貯留部725のお湯の水頭圧により、貯留部725から貯留部726へお湯が供給される。本例の場合、貯留部726が、貯留部725のお湯の最低水位(センサ731aの位置)よりも低い位置に形成されているため、貯留部725と貯留部726とで常に水頭差が生じている(貯留部725のお湯の方が高い)。したがって、貯留部726が満杯になるまで貯留部725から貯留部726へお湯が供給される。状態ST62は貯留部726が満杯になった状態を示している。溝727eにもお湯は進入するが、溝727eは空気の連通を確保できる程度の容積で足り、極小量とすることができる。
本例の場合、貯留部726にはヒーター72aを設けていないが、貯留部726は貯留部725に囲まれているので、貯留されるお湯の保温性能を確保することができる。なお、状態ST62において駆動ユニット727によって貯留部726の容積を変化させてもよい。
貯留部725から貯留部726へのお湯の供給は、他の方式も可能であるが、本例では貯留部725と貯留部726との水頭差を利用することで比較的単純な構成でお湯を供給することができる。
次に、貯留部726に貯留されたお湯を送出する。状態ST63に示すように、電磁弁728により配管728bと配管728cとを連通させることで、配管728cから抽出容器9へお湯を、自重又は貯留部726の気圧で送出することができる。お湯の送出開始後、電磁弁728の動作状態を、いずれの配管同士も遮断することで、貯留部726のお湯を段階的に送出することも可能である。例えば、蒸らし工程(図11(B)のS11)のために、お湯を送出して中断し、その後、残りのお湯を送出する工程(図11(B)のS12)を行うことも可能である。
いずれにしても、貯留部726に貯留されたお湯は全量を送出する。全量の送出確認は電磁弁728の開時間(配管728bと配管728cとの連通時間)で行うことができる。貯留部726に貯留されたお湯を一回送出する度に、電磁弁72dを開放してその分量に見合った水を貯留部725に供給してもよい。
上述の例によれば、お湯の送出量を調節することができる。液体の送出量の調節には、一般には、流量センサを用いてその検知結果により弁を開閉する制御が用いられる。しかし、高温の液体や特殊な液体の場合、対応可能な流量センサが市販されていないか高価な場合がある。これに対し、上述の例によれば、貯留部726の容積を調節する方式を採用することで流量センサを必要とせずにお湯の送出量を調節できる。
<9.送液量調整装置を用いた場合の動作制御例>
上記送液量調節装置720を用いることにより、例えば、製造プロセスの一部を変更して飲料製造装置1により提供される飲料の一層の品質向上を図ることも可能となる。以下では、制御装置11の処理部11a(図10参照)が実行する飲料製造装置1の制御処理の一例を、図15を参照しながら説明する。尚、以下において省略される説明については、前述の図11(A)及び図11(B)の各ステップ並びに図12~図14の送液量調節装置720の動作内容を参照されたい。
図15は、一回のコーヒー飲料製造動作に関わる制御例を示している。先ず、予熱処理(図11(A)のS1との区別のため、S1’とする。)は、少なくとも2回の加熱工程S101及びS102に分けられる。
S101は、抽出容器9(容器本体90)内にお湯を注ぎ、抽出容器9を事前に加温する処理である。先ず、電磁弁728を制御して配管728aと配管728bとを連通させ、貯留部725から貯留部726に少量のお湯を移動させる。その後、電磁弁728を制御して配管728bと配管728cとを連通させ、配管L3を介して貯留部726のお湯を抽出容器9に送出する。続いて、電磁弁73bを制御して抽出容器9内を加圧し、抽出容器9内のお湯を廃棄タンクTに排出する。
S101により、抽出容器9の内部及び配管L2~L3が予熱され、後述の各工程における飲料の製造の間にお湯が冷めることを防ぐことができる。また、S101を行うことにより、前回ないし過去の抽出の際に生じた流路中の残渣(液体の残り等)を洗い流すことも可能な場合がある。
S102は、貯留部725及び726で生成された蒸気を容器本体90内に供給し、抽出容器9の加熱を行う処理である。この蒸気は、貯留部725及び726内を減圧して貯留部725及び726内のお湯を沸騰させることにより生成可能であり、S15(図11(B)参照)同様の手順で実現可能である。抽出容器9への蒸気の供給または該蒸気を用いた抽出容器9の加熱が完了した後、電磁弁728を制御して配管728bと配管728cとを遮断する。
S102を行うことにより、抽出容器9全体を均一に加熱することが可能となる。これにより、例えば挽き豆からムラのない液体の抽出を所望の温度で行うことが可能となり、結果として、飲料の品質が向上しうる。また、S102では、貯留部725及び726の気圧が下がり、その中の液体が沸騰を始めるため、液体を撹拌させて温度を均一化させることもできる。
付随的に、貯留部725及び726と抽出容器9とを接続する接続部として機能し且つそれらの間の流路を形成する配管L3についても、S102において、抽出容器9と共に加熱されることとなる。これにより、液体が配管L3を通過する際に、その液体が冷えてしまうこともない。
ここで、前述のとおり、抽出容器9は弁903及び913を有しており、これらは、上記抽出に用いられる液体としてのお湯、上記抽出により得られる飲料液(本例ではコーヒー液)或いはS102の加熱に用いられる蒸気についての入口または出口として作用する。本例においては、S102では、蒸気は弁913から抽出容器9内に流入し弁903から抽出容器9外に流出する。蒸気が弁913から抽出容器9内に流入する際、弁903は開放しており、これにより、この蒸気が抽出容器9内で液化して液体になった場合には、その液体が抽出容器9内に長時間留まることなく弁903から抽出容器9外に流出可能となる。この態様によれば、例えば、後述の各工程により飲料を製造する際に、該飲料の味、風味等が意図せずに薄まってしまうようなこともないため、飲料の高品質化に有利である。
或いは、抽出容器9内を蒸気である程度充たした後、弁903及び913の双方を閉鎖した状態にして、この抽出容器9を振動させてもよい。抽出容器9への振動の発生は、中部ユニット8Bのモータ823及び/又は824(図9参照)により実現可能である。内部が蒸気である程度充たされた抽出容器9に振動を加えることにより、蒸気が抽出容器9内に均一に拡がることとなり、抽出容器9全体を均一に加熱することが可能となる。
尚、上記S102に代替して/付随して、蒸気を用いた抽出容器9の加熱は、S101の前に行われてもよい。即ち、S101及びS102の実行順序は逆であってもよいし、S102はS101の前後で計2回行われてもよい。S102をS101の前に行うことにより、S101において前回ないし過去の抽出の際に生じた残渣を除去し易くなる場合がある。
以上のようにして予熱処理S1’を行った後、図11(A)同様の手順でS2を行い、続いて抽出処理(図11(A)のS3との区別のため、S3’とする。)を行う。抽出処理S3’において、本抽出用注湯S12は、少なくとも2回の注湯工程(S121及びS122)に分けられる。1回目の注湯であるS121は、S11の後かつS13の前に行われる。その後、図11(B)同様の手順でS13~S16を行う。
ここで、S14では、抽出対象である挽き豆が正立姿勢の抽出容器9に比較的薄い堆積厚さで堆積されており、この挽き豆を、S121で供給されたお湯に浸漬することとなる。S15で抽出容器9内のお湯を沸騰させ、S16で抽出容器9を反転させて倒立姿勢にした後、S17の後/S17と共に、2回目の注湯であるS122が行われる。
図中においては、区別のため、S17の後にS122が行われるよう示されるが、好適には、S122は、S17の開始以降、S17と略同時に行われる。他の実施形態として、S17は、S122の開始以降、S122と略同時に行われてもよい。即ち、S122及びS17は、少なくとも部分的に並行して行われるとよく、注湯兼送出工程Kといった一つの工程に纏められる。
前述のとおり、抽出容器9が正立姿勢の状態では、挽き豆が胴部90eから底部90fに渡って堆積するのに対して、抽出容器9が倒立姿勢の状態では、挽き豆が肩部90dからネック部90bに渡って堆積する。即ち、抽出容器9は、胴部90eから底部90fにわたる太い部分と、肩部90dからネック部90bにわたる細い部分とを含んでおり、挽き豆は、正立姿勢においては該太い部分に堆積し、倒立姿勢では該細い部分に堆積する。
上記S17の透過式抽出の際、抽出容器9は倒立姿勢となっているため、抽出容器9内のお湯は、正立姿勢の場合よりも厚く堆積された挽き豆を通ることにより該挽き豆と万遍なく接触するため、透過式抽出の高効率化を実現可能となる。ここでは、2回目の注湯であるS122がS17と共に行われるため、抽出容器9は、S121で受け取ったお湯による浸漬式抽出で得られた飲料液を送出しながら、S122により追加的にお湯を受け取ることとなる。そして、S122により抽出容器9に追加的に流入したお湯は、浸漬式抽出には実質的に用いられずに主に透過式抽出に用いられる。このような抽出態様によれば、飲料に透過式抽出独特の味わいを効果的に付与することが可能となり、飲料の高品質化が可能となる。
S121での注湯の量とS122での注湯の量とは、例えばユーザにより設定ないし変更が可能としてもよく、即ち、浸漬式抽出と透過式抽出との割合を調節可能としてもよい。これにより、ユーザの嗜好に応じた品質で飲料を製造することが可能な場合がある。
図16(a)~16(h)及び図17(i)~17(о)は、送液量調節装置720の制御態様を、上述の図15の各ステップに対応させて説明するための模式図である。理解の容易化のため、以下の説明においては、送液量調節装置720の簡易モデルを用いるものとし、三方向弁である電磁弁728は、配管728aと配管728bとの連通及び遮断を切り替える弁7281と、配管728bと配管728cとの連通及び遮断を切り替える弁7282と、に区別して示される。
図16(a)は、送液量調節装置720の初期状態を示しており、飲料製造装置1は、飲料の製造の開始指示を待っている。初期状態においては、図中に模式的に示されるように、弁7281及び7282は何れも閉鎖されている。
図16(b)~図16(c)は、上記S101(少量のお湯を用いた抽出容器9の加熱処理)に対応する送液量調節装置720の態様を示す。図16(b)の工程では、弁7281を開放して、破線矢印で図示されるように、貯留部725から貯留部726に少量のお湯を移動させる。続いて、弁7281を閉鎖した後、図16(c)の工程では、弁7282を開放して、破線矢印で図示されるように、貯留部726内のお湯を抽出容器9に供給する。これにより、抽出容器9の内部及び配管L2~L3が加熱される。
図16(d)~図16(e)は、上記S102(蒸気を用いた抽出容器9の加熱処理)に対応する送液量調節装置720の態様を示す。図16(d)の工程では、貯留部725及び726内を減圧して貯留部725及び726内のお湯を沸騰させることにより、貯留部725及び726で蒸気を生成する。弁7282は開放状態であるため、該生成された蒸気は、破線矢印で図示されるように、配管728cを介して抽出容器9に供給される。また、図16(d)の工程では、上記沸騰により貯留部725及び726内のお湯を撹拌することも可能となり、該撹拌されたお湯の温度が所定値(例えば摂氏118度)に達していない場合にはヒーター72a(図12参照)が駆動される。その後、図16(e)の工程では、弁7282を閉鎖して、抽出容器9への蒸気の供給を停止する。これにより、抽出容器9全体が均一に加熱されうる。
図16(f)~図16(h)は、抽出処理S3’を実行するための準備工程に対応する送液量調節装置720の態様を示す。図16(f)の工程で、貯留部725及び726内を3気圧に戻した後、図16(g)の工程では、弁7281を開放して、破線矢印で図示されるように、貯留部725から貯留部726に一杯分のお湯(例えば180cc程度)を移動させる。貯留部725から貯留部726へのお湯の移動が完了した後、図16(h)の工程で弁7281を閉鎖する。尚、一杯分の量は、ユーザにより予め設定ないし選択されていてもよいし、載置部110に載置されたカップのサイズに基づいて決定されてもよいし、或いは、固定値であってもよい。ここでは不図示とするが、図16(f)~図16(h)の工程の間にグラインド処理(ステップS2)が並行して行われてもよく、それにより、飲料の製造が完了するまでの時間を短縮可能となる。
図17(i)~図17(j)は、蒸らし用注湯処理(ステップS11)に対応する送液量調節装置720の態様を示す。図17(i)の工程で弁7282を開放し、所定時間が経過した後、図17(j)の工程で弁7282を閉鎖する。これにより、貯留部726に貯留されたお湯の一部(例えば30cc程度)が、破線矢印で図示されるように、S11の蒸らし用に抽出容器9に流入することとなる。
図17(k)~図17(l)は、1回目の本抽出用注湯(ステップS121)に対応する送液量調節装置720の態様を示す。挽き豆の蒸らしが完了した後、図17(k)の工程で弁7282を開放し、所定時間が経過した後、図17(l)の工程で弁7282を閉鎖する。これにより、貯留部726内の残りのお湯の一部(例えば40cc程度)が、破線矢印で図示されるように、抽出容器9に流入することとなる。
ここでは不図示とするが、図17(l)の工程の後、S13~S16を行う。詳細については後述とするが、本例のS13においては、抽出容器9内の加圧と共に注湯(例えば30cc程度)が行われる。
図17(m)は、2回目の本抽出用注湯(ステップS122)に対応する送液量調節装置720の態様を示す。図17(m)の工程で弁7282を開放することで、貯留部726内の残りのお湯(例えば80cc程度)が、破線矢印で図示されるように、追加的に抽出容器9に流入することとなる。前述のとおり、S122はS17と略同時に行われ、ここで抽出容器9に流入するお湯は、浸漬式抽出には実質的に用いられずに主に透過式抽出に用いられる。
その後、飲料の実質的に全部が抽出容器9からカップに送出されたことを以ってS17の完了となる。ここで、S122後かつS17完了前においては、付随的に、貯留部725及び726の蒸気、並びに、コンプレッサ70からの空気圧を用いて、飲料の送出を促進することが可能である。貯留部725及び726の蒸気は、S102(図16(d)~図16(e)の工程)同様の手順で生成可能である。即ち、図17(n)の工程において、貯留部725及び726内を減圧してお湯を沸騰させることにより貯留部725及び726で蒸気を生成し、配管728cを介して該蒸気を抽出容器9に供給する。その際、図16(d)の工程同様、貯留部725及び726内のお湯が適切に撹拌され、必要に応じてヒーター72aが駆動されうる。その後、図17(о)の工程で弁7282を閉鎖して該蒸気の供給を停止する。尚、飲料の送出の促進の際、抽出容器9内は例えば1.6~2気圧程度となるように調整されうる。
図18は、抽出処理S3’の際の抽出容器9内の気圧の変化の態様を説明するための図である。横軸は時間軸を示しており、期間T1~T11を示す共に、期間T1~T11に対応するステップ(S11等)を併せて示す。縦軸は、期間T1~T11のそれぞれにおける抽出容器9内の気圧Pを示す。尚、期間T1~T11は、図18において、互いに等しい長さで模式的に図示されるが、実際には、各期間T1~T11の長さは、同じ期間長である場合もあるが、異なる期間長である場合もある。
期間T1~T2は、蒸らし用注湯処理(ステップS11)に対応する期間である。期間T1では、抽出容器9内を約1.8気圧まで加圧すると共に、蒸らし用のお湯(30cc程度)を抽出容器9に流入する。抽出容器9へのお湯の流入のタイミングは、期間T1内の何れであってもよいが、ユーザにより予め設定ないし選択されていてもよいし、飲料の種類によって変更されてもよい。その後、このお湯を用いて挽き豆を蒸らす。この期間(15秒程度)を期間T2とする。
期間T3は、1回目の注湯(ステップS121)に対応する期間である。期間T3では、抽出容器9内を3気圧まで加圧すると共に、S121として本抽出用のお湯(40cc程度)を抽出容器9に流入する。
期間T4は、抽出容器9内の加圧S13に対応する期間である。期間T4では、抽出容器9内を5気圧まで加圧すると共に、お湯(30cc程度)を抽出容器9に流入する。
ここで、注湯の量は期間T3及びT4間で調整可能とし、例えば70cc程度の注湯を期間T3で完了させてもよい。期間T3及びT4は、何れも抽出容器9内を加圧しながら注湯を行うという点で共通するが、本例ではそれらの加圧態様が互いに異なる。例えば、期間T3~T4での加圧の間、途中(P=3気圧前後)で加圧態様が緩やかになる。例えば、期間T3及びT4間のタイミングは、気圧Pの変曲点として規定されてもよい。期間T3~T4の加圧態様を制御ないし調整することにより、この後の工程である浸漬式抽出S14で得られる飲料液について、表現可能な程に味、風味等の幅を広げることが可能な場合がある。
期間T5は、浸漬式抽出S14に対応する期間である。抽出容器9内が5気圧に達した後、その状態を維持する。この期間(9秒程度)を期間T5とする。これにより、抽出対象である挽き豆から飲料液であるコーヒー液が抽出される。なお、期間T5の期間長を1秒と短くする場合があってもよい。
期間T6~T8は、抽出容器9内の減圧S15に対応する期間である。期間T6~T7では、上記減圧を2段階に分けて行う。期間T6では、先ず、比較的短時間で抽出容器9内を5気圧から1.5気圧まで減圧させ(急減圧)、その後、所定期間(3秒程度)にわたって待機する。次に、期間T7では、抽出容器9内を1気圧まで減圧させ、その後、所定期間(1秒程度)にわたって待機する。
前述のとおり、減圧S15によって抽出容器9内の液体が沸騰して撹拌される。本例の減圧態様によれば、先ず、期間T6の1段階目の減圧により抽出容器9内の液体の一部が沸騰して撹拌され、続いて、期間T7の2段階目の減圧により抽出容器9内の液体の他の部分も沸騰して撹拌されうる。そのため、例えば抽出容器9内の液体全体の撹拌を適切に行うことが可能となり、このことは、例えば、抽出された飲料液に濃度や組成等のムラがある際に有利な場合がある。その後、期間T8で抽出容器9内を1.5気圧に戻して沸騰を安定化させると共に流路(配管L2、L3等)中に残存しうる液体(例えば5cc程度)を抽出容器9へ押し込む。
期間T9は、抽出容器9の反転S16及びその後の待機期間(2秒程度)である。尚、期間T9の開始のタイミングは上記反転S16が実行されるタイミングに対応する。期間T9では、S16で反転した抽出容器9内において、抽出対象である挽き豆が該抽出容器9内の下方部に比較的厚い堆積厚で堆積される。また、期間T9では、抽出容器9内を減圧して1気圧にする。
期間T10~T11は、透過式抽出S17に対応する期間であり、これにより、飲料が抽出容器9からカップCに送出される。前述のとおり、S17と略同時に2回目の注湯S122が行われ、それにより抽出容器9内に追加的に流入するお湯(80cc程度)は、主に透過式抽出に用いられることとなる。本例では、全部で約185ccの飲料が提供されることとなる。
本例では、期間T10における例えばS122後に抽出容器9内を1.6気圧まで加圧し、その後の期間T11において抽出容器9内を2気圧まで加圧して、飲料の送出を促進する。期間T10では、貯留部725及び726の蒸気を用いて上記飲料の送出を促進し、期間T11では、コンプレッサ70からの空気圧を用いて上記飲料の送出を促進するものとする。すなわち、期間T10では、相対的に高温の気体を用いて上記飲料の送出を促進し、期間T11では、相対的に低温の気体を用いて上記飲料の送出を促進する。これにより、送出されるべき飲料の全部(流路中の液体も含む。)を適切に且つ比較的短時間でカップに提供可能となる。
上述の各期間T1等は、より詳細には、S11等の各ステップ或いはそのサブステップに対応付けられて図19に示すようにまとめられる。
図19は、図10に示す記憶部11bに記憶されている抽出処理S3’のテーブルを示す図である。
上述のごとく、図18では、期間T1~T11は、互いに等しい長さで模式的に図示されているが、図19では、具体的な期間の長さが示されている。
期間T6は、抽出容器9内の気圧を1.5気圧まで急減圧する工程であるが、抽出容器9内を大気に解放する大気解放工程(前半)であってもよく、こうした場合には、期間T7は、抽出容器9内を大気に解放する大気解放工程(後半)になる。
また、期間T10は蒸気を用いた飲料送出工程であり、期間T11は空気圧を用いた飲料送出工程であったが、期間T10および期間T11の両方ともに、蒸気を用いた飲料送出工程であってもよいし、空気圧を用いた飲料送出工程であってもよい。すなわち、期間T10は飲料送出工程(前半)であり、期間T11は飲料送出工程(後半)であってもよい。
さらに、期間T10にしても期間T11にしても、抽出容器9内の液体の温度よりも高い流体(液体であってもよいし気体であってもよい)を抽出容器9に供給してもよい。ここにいう液体とは、飲料になるお湯のことである。
なお、図19に示すテーブルは、図10に示す制御装置11が、通信ネットワーク15を介してサーバ16から取得してもよい。また、図19に示すテーブルの他に、複数種類のテーブルが用意されている。これらのテーブルは、抽出対象の種類(コーヒー豆の種類)ごとに用意されたり、焙煎の仕方ごとに用意されている。さらには、これらのテーブルは、飲料の味の傾向ごとにも用意されており、ユーザは、それらの中から好みに応じたものを選択することも可能である。ユーザによる選択は、タッチパネル式のディスプレイである情報表示装置12により実現可能である。
図20は、時間経過と共に変化する抽出容器9内のお湯の量(お湯の量の変化の様子)を示す波形を、図18に破線で追加したものである。本例では、全部で約185ccの飲料が提供されることとなる。この図20には、時間経過と共に変化する抽出容器9内の気圧およびお湯の量の目標値(或いは設定値)を示しているものとして、それらの実際の値がどのように変化しているかが、情報表示装置12(図1等参照)に追加的にプロットされてもよい。情報表示装置12における、図20に示すような表示画面は、専用の表示モードをユーザが選択することにより、情報表示装置12に表示されるようにしてもよい。これにより、ユーザが飲料の購入者等の場合には、そのユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる場合がある。また、ユーザが装置1の管理者等の場合には、そのユーザは装置1による飲料の製造が適切に実行されているか否か等を確認することが可能となる場合もある。
図21は、飲料の製造中に情報表示装置12に表示されうる情報として、抽出容器9内の気圧およびお湯の量の実際の値が、時間経過と共に(リアルタイムで)上記目標値に重ねられてプロットされている様子を示す。即ち、図21は、抽出容器9内の気圧およびお湯の量の実際の値の変化の様子を示す波形を、図20に追加したものである。これら実際の値は、圧力センサおよび温度センサにより実測値としてそれぞれ計測可能である。図中において、実線は、一杯分の飲料を抽出する際の抽出容器9内の気圧の目標値の変化態様を示し、一点鎖線は、該抽出容器9内の気圧の実測値の変化態様を示す。また、破線は、該抽出容器9内のお湯の量の目標値の変化態様を示し、二点鎖線は、該抽出容器9内のお湯の量の実測値の変化態様を示す。
図21の例は、現時点における工程が期間T6(S15)の途中であり、抽出容器9内の気圧およびお湯の量の実測値が期間T1からその時点(期間T6の途中)までについてプロットされていることを示す。ここでは、この時点での抽出容器9内の気圧の実測値は1.2気圧であり、お湯の量の実測値は100ccとなっている。尚、この後の工程においても上記実測値は継続してプロットされる。情報表示装置12における、図21に示すような表示画面は、専用の表示モードをユーザが選択することにより、情報表示装置12に表示されるようにしてもよい。これにより、実測値が目標値に到達していない場合や実測値が目標値から大きく乖離している場合には、ユーザは、流路における漏れの発生、流路を形成する各要素(配管、弁等)の不具合等に速やかに対応可能となる。
図21では、抽出容器9内の気圧およびお湯の量の目標値、並びに、それらの実測値の変化の様子が情報表示装置12に示される態様を例示したが、それらの一部が情報表示装置12に示されてもよい。例えば、気圧の目標値及び実測値のみについて変化の様子が示されてもよいし、お湯の量の目標値及び実測値のみについて変化の様子が示されてもよい。或いは、上記目標値および実測値の演算結果(例えば、それらのズレ量の変化の様子)が示されてもよい。
抽出容器9内の気圧およびお湯の量の上記目標値の変化の態様は、複数のパターンとして予め用意されており、ユーザは、それらの中から好みに応じたものを選択することも可能とする。上記複数のパターンを示す情報は、例えば記憶部11b(図10参照)に予め格納されていてもよいし、或いは、通信ネットワーク15を介してサーバ16から取得されてもよい。また、ユーザによる上記選択は、タッチパネル式のディスプレイである情報表示装置12により実現可能である。
また、一杯分の飲料の抽出を行った場合、抽出容器9内の気圧およびお湯の量の上記目標値および実測値の変化は全期間T1~T11に亘って情報表示装置12に表示され、それらを示す情報は、例えば記憶部11bに格納されうる。よって、ユーザは、必要に応じて情報表示装置12を介して所定の操作を行うことで、該情報を再度表示させることも可能である。これにより、ユーザは、例えば、過去に行われた飲料製造の際の上記目標値および実測値の変化を確認することもできる。
尚、期間T1~T11は、図18、図20、及び図21の何れにおいても、互いに等しい長さで模式的に図示されるが、これらは、実際の情報表示装置12には現実の時間長に対応した間隔で表示されればよい。
以上、本実施形態によれば、予熱処理S1’のS102において、送液量調節装置720において高温の液体(お湯)を貯留可能な貯留部725及び726で生成された蒸気によって、抽出容器9の加熱を行う。これにより、抽出容器9全体を均一に加熱することが可能となり、例えば、その後の透過式抽出S17ではムラのない飲料液(コーヒー液)の抽出を所望の温度で行うことが可能となり、結果として、飲料の高品質化が可能となる。
また、本実施形態によれば、抽出対象である挽き豆を正立姿勢の抽出容器9に堆積させて液体(お湯)に浸漬する。この液体は、1回目の注湯であるステップS121により、抽出容器9に流入される。その後、抽出容器9を倒立姿勢にして挽き豆の堆積厚さを厚くし(S16参照)、この倒立姿勢の抽出容器9から、注ぎ部10cを介してカップに飲料液を送出する(S17参照)。この送出中の抽出容器9には、2回目の注湯であるステップS122により残りの液体(お湯)が追加的に流入される。該追加的に流入される液体は主に透過式抽出に用いられ、このような抽出態様によれば、例えば透過式抽出独特の味わいを飲料に付与することが可能となる。また、浸漬式抽出と透過式抽出との割合を調節可能となり、表現可能な程に味、風味等の幅を広げることも可能な場合もある。結果として、飲料の高品質化が実現可能となる。
続いて、ユーザが好みの飲料を容易に選択することができるようにした工夫について説明する。以下の説明では、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付す場合がある。
まず、図22を参照しながら、飲料製造装置1を含む通信システム(以下、単にシステムという)について説明する。図22は、飲料製造装置1を含むシステム1200の全体構成を示す図である。システム1200は、サーバ1201、情報表示装置1202、1204、飲料製造装置1203、1205を含む。本実施形態に係る情報表示装置1202、1204は、飲料製造装置1203、1205に製造を指示することができる飲料情報をランキング表示する。ここで、飲料製造装置1203、1205は飲料製造装置1に対応し、情報表示装置1202、1204は情報表示装置12に対応する。サーバ1201、および情報表示装置1202、1204は、インターネット等のネットワーク1206を介して相互に通信可能に接続されている。情報表示装置1202、1204及び飲料製造装置1203、1205は、例えば、コーヒー豆や飲料を提供する店舗に存在し、情報表示装置1202、1204がBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を介して通信可能であってもよい。
図23は、サーバ1201の構成図である。処理部1301は、例えばCPUを含み、サーバ1201を統括的に制御する。本実施形態におけるサーバ1201の動作は、例えば、処理部1301が記憶部1303に記憶されたプログラムをメモリ1302にロードして実行することにより実現される。メモリ1302は、処理部1301のCPUのワーキングメモリとしても用いられる。記憶部1303は、サーバ1201が動作するための基本的な制御プログラムや、データやパラメータを記憶する。また、記憶部1303には種々のデータベースが構築され、例えば、後述する飲料情報データベース(DB)1303a、ユーザ情報DB1303b、製造履歴DB1303c(以下、DB1303a~1303cとも呼ぶ)を記憶し、例えば、上記のサービスを提供可能なアプリケーションを記憶する。
通信インタフェース(I/F)1304は、有線や無線等、ネットワーク1206の媒体に応じて構成される。表示部1305は、例えばディスプレイであり、例えば、サーバ1201の管理者に対してユーザインタフェース画面を表示する。また、操作部1306は、例えばキーボードやマウスであり、管理者からの操作を受付可能である。
データ処理部1307は、例えばCPUおよびGPUの少なくとも何れかを含み、後述するDB1303a~1303cに対するデータ取得要求に基づいてデータの抽出や、データ更新要求に基づいてデータの追加などを行う。図23の各部は、バス1308を介して相互に接続可能である。
図24は、情報表示装置1202の構成を示す図である。上述したように、情報表示装置1202は、情報表示装置12に対応する。処理部1401は、例えばCPUを含み、情報表示装置1202を統括的に制御する。本実施形態における情報表示装置1202の動作は、例えば、処理部1401が記憶部1403に記憶されたプログラムをメモリ1402にロードして実行することにより実現される。メモリ1402は、処理部1401のCPUのワーキングメモリとして用いられる。記憶部1403は、情報表示装置1202が動作するための基本的な制御プログラムや、データやパラメータを記憶する。
通信I/F1404は、有線や無線等、ネットワーク1206の媒体に応じて構成され、サーバ1201と通信可能に構成される。近距離無線通信I/F1405は、通信I/F1404による通信と異なる通信方法により通信を行い、例えばBluetooth(登録商標)である。本実施形態では、情報表示装置1202は、例えば同一店舗に設置されるなどして近接した他の情報表示装置1204と近距離無線通信I/F1405を介して通信可能であってもよい。
表示部1407は、タッチパネルであり、ユーザが飲料製造装置1203を用いるためのユーザインタフェース画面を表示する。また、操作部1408は、ユーザからの操作を受付可能であり、決定等のハードウェアキーを含む。表示部1407がタッチパネルである場合には、操作部1408は、タッチパネル上のソフトウェアキーとして実現されても良い。一例では、表示部1407は、飲料製造装置に設けられた表示部(例えば、カバー部102を構成する透過型タッチパネル式表示手段、情報表示装置12等)やユーザが携帯する携帯端末(例えば、スマートフォン、携帯電話等、タブレット)、店員等管理者が操作可能な携帯端末(例えば、スマートフォン、携帯電話等、タブレット)、PC画面、飲料製造装置が設置された店舗内のPOS端末、サイネージ等でもよいし、キャッシュレジスター及び/又はバーコード等各種コードリーダーを統合したPOS端末の画面でもよい。POS端末の表示部を表示部1407として、各種ランキング表示を表示し、タッチ操作でレシピ等を選択し、ユーザが所望する飲料製造装置に製造させる飲料製造に関する情報をQRコード(登録商標)等各種コード表示又はその他の画像を紙に表示するようにしてもよい。当該紙の表示を飲料製造装置に設けたカメラで読み、読み取った表示から飲料製造に関する情報を特定して飲料を製造するようにしてもよい。また、POS端末と飲料製造装置を信号線(例えばインターネット等)や無線(例えばインターネット等)で接続し、POS端末の表示部に対するタッチ操作でレシピ等を選択し、ユーザが所望する飲料製造装置に製造させる飲料製造に関する情報を信号により飲料製造装置に送信し、ユーザが所望する飲料製造装置に製造させるようにしてもよい。この際、サーバを経由しても経由しなくてもよい。
撮像部1409は、カメラであり、静止画像の撮像データを生成する。撮像部1409は、例えばユーザにより店舗に持ち込まれた豆を撮像したり、携帯端末の表示部に表示された二次元コードを撮像することが可能である。携帯端末の表示部に表示された二次元コードを撮像することにより、情報表示装置1202は、携帯端末との間で、通信I/F1404や近距離無線通信I/F1405による通信以外の通信方法が可能となる。本体I/F1406は、飲料製造装置1203とのインタフェース部であり、例えば、表示部1407や操作部1408を介してユーザにより設定されたコーヒー豆の選択情報や抽出レシピの情報を飲料製造装置1203に送信する。図24の各部は、バス1410を介して相互に接続可能である。
図25(A)~25(C)は、サーバ1201の記憶部1303に記憶されるDB1303a~1303cに格納されるデータの一例を示す図である。図25(A)は、飲料情報DB1303aに格納されるデータ1500である。データ1500は、レシピID1501、レシピの考案者を示す考案者情報1502、過去にユーザによって飲料情報が選択され、製造した回数を示す製造回数情報1503、原材料情報、製造方法、タイプ1512、1513を含む。原材料情報は、豆の種類を示す豆情報1504、豆の産地を示す産地情報1505、豆の焙煎度を示す焙煎度情報1506を含む。また、製造方法は、1回の抽出で使用する豆の量1507、豆の挽き粒度1508、蒸らし湯量1509、蒸らし時間1510、抽出湯量1511を含む。タイプ1512は、飲料がホット飲料であるかアイス飲料であるかを示すタイプ情報、タイプ1513は、飲料のフレーバーを示すタイプ情報である。なお、本実施形態では、製造回数情報1503は、製造回数情報1503に対応する飲料を複数の飲料製造装置が製造した回数であるものとして説明を行うが、飲料製造装置ごとに製造回数情報1503を格納してもよい。
図25(B)は、ユーザ情報DB1303bの例示的なデータ1520である。ユーザは、店舗であったり、その店舗の店員や客であったりする。データ1520は、ユーザ識別子を示すID情報1521、ユーザの氏名を示す氏名情報1522、ユーザの年齢を示す年齢情報1523、ユーザの性別を示す性別情報1524を含む。一例では、データ1520は、ユーザの住所に対応する情報や、ユーザのニックネーム情報、ユーザの写真データをさらに含んでもよい。
図25(C)は、製造履歴DB1303cの例示的なデータ1530である。データ1530は、製造を指示したユーザに関するユーザ情報1531、製造日時に関する日時情報1532、製造した飲料に対応するレシピID1533、飲料を製造した飲料製造装置に対応するマシンID1534、当該飲料製造装置が設置される店舗に対応する店舗ID1535を含む。一例では、データ1530は、製造した飲料の価格に対応する価格情報などをさらに含んでもよい。
次に、図26を参照し、情報表示装置1202が飲料情報を表示するために実行する処理を説明する。図26の処理は、情報表示装置1202および飲料製造装置1203の起動処理が完了した場合に、処理部1401が記憶部1403に記憶されたプログラム(アプリ)をメモリ1402にロードして実行することにより実現される。まず、処理部1401は飲料情報を表示するためのカテゴリを特定する(S1601)。カテゴリは、後述するように、ユーザが操作部1408を介して入力した操作に基づいて特定されてもよく、情報表示装置1202の処理部1401がメモリ1402または記憶部1403に格納された設定値を読み出すことで特定されてもよい。続いて、処理部1401は、特定したカテゴリに基づいてサーバ1201から飲料情報を取得する(S1602)。本実施形態では、処理部1401は、特定したカテゴリを示す情報をサーバ1201に送信し、サーバ1201は、受信したカテゴリを示す情報に基づいて飲料情報DB1303aから飲料情報を抽出し、情報表示装置1202に送信する。しかしながら、一例では、情報表示装置1202は、飲料情報を記憶部1403に有し、特定したカテゴリに基づいて飲料情報を記憶部1403から読み出してもよい。
ここで、図27を参照し、サーバ1201が情報表示装置1202に飲料情報を送信するために実行する処理の一例を説明する。図27の処理は、サーバ1201の起動処理が完了した場合に、処理部1301が記憶部1303に記憶されたプログラム(アプリ)をメモリ1302にロードして実行することにより実現される。まず、処理部1301は、情報表示装置1202からカテゴリを受信する(S1701)。
続いて、処理部1301は受信したカテゴリに基づいて、飲料情報DB1303aから飲料情報を抽出する(S1702)。例えば、受信したカテゴリが、原材料情報の豆情報1504である場合、データ処理部1307は、飲料情報DBを豆の種類ごとにソートし、同じ豆情報を有するレシピの製造回数を算出し、豆の種類とその製造回数とを抽出する。また、それぞれの豆の種類ごとに、最も多い製造回数を有するレシピを抽出する。次に、処理部1301は抽出した豆の種類と製造回数とを情報表示装置1202に送信する(S1703)。
なお、S1702において、処理部1301は、製造回数が多い所定の個数(例えば5つ)の飲料情報を抽出してもよい。別の例では、処理部1301は、記憶部1303に記憶された、ユーザに推奨する飲料情報を含めて抽出してもよい。あるいは、情報表示装置1202から、飲料情報を要求したユーザのユーザ情報を取得した場合には、当該ユーザが製造を指示する頻度の高い飲料の飲料情報を含めて飲料情報を抽出してもよい。すなわち、S1702では、最も製造回数の多い飲料情報以外の飲料情報を含めて飲料情報を抽出してもよい。
図26の説明に戻る。処理部1401は、取得した飲料情報を表示部1407に表示する(S1603)。
ここで、図28を参照し、表示部1407に表示される飲料情報の一例を説明する。表示部1407の画面1800は、カテゴリとして「レシピ」が指定された場合に表示される画面の一例である。
画面1800の上部には、選択可能なカテゴリとして、レシピ1801、バリスタ1802、フレーバー1803が表示されている。レシピ1801は、飲料情報DB1303aのレシピごとの製造回数に基づいて飲料情報を取得するためのカテゴリである。バリスタ1802は、飲料情報DB1303aの考案者ごとの製造回数に基づいて飲料情報を取得するためのカテゴリである。フレーバー1803は、飲料情報DB1303aのタイプ2 1513ごとの製造回数に基づいて飲料情報を取得するためのカテゴリである。なお、飲料情報DB1303aの豆情報1504や産地情報1505など、任意の飲料情報のパラメータがカテゴリとして選択可能であってもよい。
図28の例では、レシピ1801が選択されているため、情報表示装置1202はレシピ毎に飲料情報を表示し、レシピ1804~1808がランキング表示されている。ここで、ランキング表示とは、過去にユーザによって選択、製図された飲料の抽出回数(製造回数)が多い順に、所定の数のレシピを表示することを示す。例えば、レシピ1804は、図25(A)のレシピID1の飲料情報に対応し、考案者情報1502、豆情報1504、タイプ1512、タイプ1513などの他の情報も表示される。なお、S1603のランキング表示において、S1602で推奨された飲料情報を取得した場合には、その推奨された飲料情報も併せて表示される。
ランキング表示及び非ランキング表示を含む複数の表示順で飲料情報を表示可能であり、非ランキング表示の場合、飲料情報の名称順に表示するようにしてもよい。例えば、図25(A)の各行に「名称」フィールドを用意しておき、ユーザが選択可能なレシピとしてレシピID「1」の名称を「レシピA」、レシピID「2」の名称を「レシピC」、レシピID「3」の名称を「レシピB」としてサーバに登録されている場合、レシピ情報の名称順の表示の場合は、画面上部から「レシピA」、「レシピB」、「レシピC」の順に表示される。ここで画面上段に高いほどランキングが高くなるものとしている。以下、特に記載しない場合は同様である。
非ランキング表示の場合、飲料情報に対応して登録されている順番情報に応じた順に表示するようにしてもよい。例えば、図25(A)の各行に「名称」フィールド及び「順番情報」フィールドを用意しておき、ユーザが選択可能なレシピとしてレシピID「1」の名称を「レシピA」、「順番情報」を「3」、レシピID「2」の名称を「レシピC」、「順番情報」を「2」、レシピID「3」の名称を「レシピB」、「順番情報」を「1」、としてサーバに登録されている場合、レシピ情報の非ランキング表示の場合は、画面上部から「レシピB」、「レシピC」、「レシピA」の順に表示するようにしてもよい。
非ランキング表示の場合、飲料情報に対応して登録されている順番情報に応じた順に表示し、順番情報が同じ場合は、飲料情報の名称順に表示する。例えば、図25(A)の各行に「名称」フィールド及び「順番情報」フィールドを用意しておき、ユーザが選択可能なレシピとしてレシピID「1」の名称を「レシピA」、「順番情報」を「3」、レシピID「2」の名称を「レシピC」、「順番情報」を「3」、レシピID「3」の名称を「レシピB」、「順番情報」を「1」、としてサーバに登録されている場合、レシピ情報の非ランキング順の表示の場合は、画面上部から「レシピB」、「レシピA」、「レシピC」の順に表示される。
管理者操作による結果を加味した形でランキング表示を可能としてもよく、ここで管理者操作とは、例えば、管理者用パスワード等を入力すると表示される管理画面にて変更等が可能な操作のことであり、例えば、図25(A)の各行に「優先度」フィールドを用意しておき、レシピID「1」の「優先度」を「A」、レシピID「2」の「優先度」を「C」、レシピID「3」の「優先度」を「C」と管理者操作で設定しておいた上で、ある期間にユーザによって選択されたレシピの回数がレシピID「1」が10回、レシピID「2」が5回、レシピID「3」が12回とすると、レシピのランキング表示として優先度(管理者操作)を加味せず画面上部からレシピID「3」、レシピID「1」、レシピID「2」の順に表示するようにしてもよいし、優先度(管理者操作)を加味して、画面上部からレシピID「1」、レシピID「3」、レシピID「2」の順に表示するようにしてもよい。ここで優先度Aが最も優先度が高く、B、C、とアルファベット順に優先度が小さくなるものとしている。
優先度は、レシピごとに管理者操作で設定可能とするだけでなく、レシピごとの優先度、豆ごとの優先度等、カテゴリごとに管理者操作で優先度を設定可能にしてもよい。例えばレシピID「1」の「優先度」を「A」、レシピID「2」の「優先度」を「C」、レシピID「3」の「優先度」を「C」、レシピID「4」の「優先度」を「C」と管理者操作で設定しておいた上で、豆ごとの「優先度」として豆「A」の優先度を「B」、豆「B」の優先度を「A」と管理者操作で設定しているものとし、ある期間にユーザによって選択されたレシピの回数がレシピID「1」が10回、レシピID「2」が5回、レシピID「3」が12回、レシピID「4」が1回とすると、レシピのランキング表示として優先度(管理者操作)を加味して、画面上部からレシピID「1」、レシピID「3」、レシピID「2」、レシピID「4」の順に表示するようにしてもよく、また豆のランキング表示として優先度(管理者操作)を加味して、画面上部から豆「B」、豆「A」の順に表示するようにしてもよい。
図25を用いた例では、世界中に設置された飲料製造装置から集めたユーザのある期間における選択回数情報に基づいてランキング表示を行う例を示したが、これに限定されず、世界中に設置された1又は複数の飲料製造装置から集めたユーザのある期間における選択回数情報に基づいたランキング表示も可能であり、日本国内に設置された1又は複数の飲料製造装置から集めたユーザのある期間における選択回数情報に基づいたランキング表示も可能であり、ある店舗のある領域に設置された飲料製造装置(例えば5階建ての店舗における1階に設置された1又は複数の飲料製造装置)から集めたユーザの選択回数情報に基づいたランキング表示も可能であり、これから製造指示を行う飲料製造装置から集めたユーザの選択回数情報に基づいたランキング表示も可能であるようにしてもよい。
図25(A)~(C)を用いた例では、飲料製造装置から集めたユーザのある期間における選択回数情報に基づいてランキング表示を行う例を示したが、これに限定されず、飲料製造装置以外から収集した情報、例えば、インターネット上に置いた独自運営のウェブサイト等である期間に販売された商品の量に応じてランキング表示を行うようにしてもよい。例えば、EC(electronic commerce)サイトである期間に販売された豆の品種の量をサーバ等に記憶し、当該量に応じて、飲料製造装置に製造させるコーヒーのコーヒー豆を画面上にランキング表示するようにしてもよい。具体的には、ECサイトである期間に豆「B」が豆「A」の倍の量売れた場合は、豆「A」を用いたレシピよりも豆「B」を用いたレシピを優先的に表示(例えば図25(A)のレシピであれば画面上段からレシピID「4」、レシピID「1」、レシピID「2」、レシピID「3」の順に表示)するようにしてもよい。もちろん、飲料製造装置から集めたユーザのある期間における選択回数情報及び飲料製造装置以外から収集した情報の両方を用いてランキング表示するようにしてもよい。例えば、ECサイトである期間に豆「B」が豆「A」の倍の量売れ、ある期間にユーザによって選択された飲料製造装置のレシピの回数がレシピID「1」が10回、レシピID「2」が5回、レシピID「3」が12回、レシピID「4」が1回とすると、画面上段からレシピID「4」、レシピID「3」、レシピID「1」、レシピID「2」の順に表示するようにしてもよい。
図26の説明に戻る。処理部1401は、表示部1407に飲料情報を表示するカテゴリの変更があったかを確認する(S1604)。例えば、ユーザによって、図28のバリスタ1802またはフレーバー1803が選択された場合、処理部1401は、カテゴリの変更があったと判定し(S1604でYes)、S1601に処理を戻す。レシピ1801、バリスタ1802、およびフレーバー1803のいずれもが選択されない場合(S1604でNo)、処理部1401は次に表示した飲料情報の選択があったかを判定する(S1605)。例えば、図28のレシピ1804~1808のいずれかが選択された場合、処理部1401は飲料情報の選択があったと判定し(S1605でYes)、選択された飲料情報に対応する飲料の製造を飲料製造装置1203に指示する(S1606)。例えば、S1606では、処理部1401は、本体I/F1406を介して飲料製造装置1203に、図25の製造方法1507~1511の値を送信することで飲料の製造を指示する。飲料情報が選択されない場合(S1605でNo)、処理部1401は処理をS1604に戻し、カテゴリの変更または飲料情報の選択を待受ける。なお、S1601でカテゴリを指定したユーザと、S1605で飲料情報を選択するユーザとは異なっていてもよい。
続いて、飲料の製造を指示した後、情報表示装置1202は、サーバ1201に飲料を製造したことを通知する(S1607)。一例では、サーバ1201は、情報表示装置1202から飲料を製造した通知を受け取ると、製造した飲料に対応するレシピの製造回数を1増加させる。すなわち、飲料情報DB1303aは、飲料の選択回数の記憶部としても動作する。一例では、情報表示装置1202は、飲料の製造を指示したユーザ情報、日時情報、飲料を製造した飲料製造装置1203に関する情報をサーバ1201に送信し、サーバ1201は、製造履歴DB1303cにレコード(1531~1535)を追加することで履歴情報を更新してもよい。すなわち、製造履歴DB1303cも、ユーザごとに飲料の選択回数を記憶する記憶部として動作してもよい。このように、少なくとも一の情報表示装置または飲料製造装置から製造したことを示す情報を収集して製造回数を更新することで、ランキング表示を更新することができる。
ここで、図26のS1604でカテゴリの変更があったと判定された場合の処理の一例を説明する。ここで、図28のバリスタ1802が選択された場合の処理について説明する。この場合、処理部1401は、カテゴリとして「バリスタ」が選択されたと判定(S1601)し、サーバ1201にカテゴリがバリスタであることを示す信号を送信する。サーバ1201は信号を受信(S1701)すると、飲料情報DB1303aから飲料情報を抽出する(S1702)。S1702で、サーバ1201は、データ処理部1307を制御して、飲料情報DB1303aのデータを、考案者ごとにまとめて飲料情報を抽出する。例えば、データ処理部1307は、考案者情報1502が同じレシピの製造回数を合計し、考案者ごとに製造回数を計算する。また、考案者ごとに、最も製造回数が多いレシピの製造方法(1507~1511)を抽出する。すなわち、考案者ごとに、レシピが選択されて飲料を製造した製造回数と、その考案者の代表的なレシピの組み合わせを抽出し、情報表示装置1202に送信する(S1703)。
図29は、カテゴリがバリスタ(考案者)である場合に表示部1407に表示される画面1900を示す。画面には、カテゴリ(1801~1803)に加え、考案者ごとの飲料情報1901~1903がランキング表示される。例えば、飲料情報1901は、考案者「BBBB BBBB」が考案したレシピに対応する飲料が1267回製造されたことを示し、飲料情報1902は、考案者「○○会社」が考案したレシピに対応する飲料が1091回製造されたことを示す。ここで、飲料情報1901の選択ボタンが押下された場合、処理部1401は、飲料情報が選択された(S1605でYes)と判定し、考案者「BBBB BBBB」のレシピの中で、最も製造回数が多いレシピに対応する飲料の製造を飲料製造装置1203に指示する(S1606)。一例では、考案者は、おすすめのレシピを設定可能であり、カテゴリが考案者であり、その考案者が選択された場合には、おすすめのレシピに対応する飲料の製造を飲料製造装置1203に指示してもよい。
図30は、カテゴリがタイプ2(フレーバー)である場合に表示部1407に表示される画面2000を示す。画面には、カテゴリ(1801~1803)に加え、フレーバーごとの飲料情報2001、2006がランキング表示される。例えば、飲料情報2001は、フレーバーが「バニラ」である飲料が4107回製造されたことを示し、飲料情報2006は、フレーバーが「チョコ」である飲料が1725回製造されたことを示す。ここで、フレーバーが「バニラ」である飲料情報が選択されると、フレーバーが「バニラ」である複数の飲料情報を、例えばレシピ毎に(2002~2004)表示されてもよい。一例では、レシピ2002~2004もランキング表示、すなわち製造回数が多い順に表示されてもよい。このように、情報を階層的にランキング表示することで、ユーザは容易に好みの飲料を選択することができる。なお、ユーザは、『「バニラ」のレシピをもっと見る』ボタン2005を押下することで他のレシピを確認することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、飲料に関する所定のカテゴリに基づいて、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる。
<その他の実施形態>
本実施形態では、飲料情報を表示するためのカテゴリは1つであるものとして説明を行ったが、一例では複数のカテゴリを指定して飲料情報を表示してもよい。例えば、バリスタ(考案者)とフレーバーとがカテゴリとして指定されている場合は、バリスタとフレーバーとが同一の1つ以上のレシピの製造回数を計算し、飲料情報を表示すればよい。これによって、ユーザが重視するカテゴリを任意に組み合わせて飲料情報を表示することができるため、飲料の提供を受けるユーザが、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる。
上述で例示した通り、カテゴリ毎にランキング表示の表示態様は異なるものとしてもよい。例えばカテゴリA(例えば、レシピによるランキング表示図28)の場合は、上位のランキングを画面の上部、ランキングが下がるにつれ、画面の下部、さらに下のランキングの情報を表示する場合は、上下スクロールを用いて探し、別のカテゴリB(例えばバリスタによるランキング表示図29)の場合は、上位のランキングを画面の左部、ランキングが下がるにつれ、画面の右部、さらに下のランキングの情報を表示する場合は、左右スクロールを用いて探すようにすることで、文字情報だけでなく、操作態様が変わるので、ユーザがどのカテゴリのランキングの表示を見ているかがわかりやすくなる場合がある。他の例としては、例えばカテゴリA(例えば、レシピによるランキング表示図28)の場合は、選択肢を一度にある数(図28では5つ)表示し、別のカテゴリB(例えばバリスタによるランキング表示図29)の場合は、選択肢を一度に別の数(図29では3つ)表示して表示態様を異ならせてもよい。
なお、図25(A)は管理者が登録可能な飲料情報DB1303aとして例示したが、追加図面の画面を用いて管理者、ユーザ、管理者に依頼された人物(例えばバリスタ)がレシピを作成し、飲料情報DB1303aに追加できるようにしてもよい。
この場合、上述の「優先度」フィールドや「順番情報」フィールドや「名称」フィールド等の一部のフィールドはユーザやバリスタは登録できず、管理者のみが管理者操作によって登録・修正を可能としてもよい。もちろん、これらのフィールドをユーザが登録修正できるようにしてもよい。
また、図25(A)は管理者が登録可能な飲料情報DB1303aに登録されているレシピをすべてユーザが飲料製造に用いることが可能というわけではなく、各レシピに「許可」フィールド等の許可/不許可を設定するフィールドを設け、「許可」フィールドの値が「可」のレシピだけはユーザが飲料製造に用いることが可能とし、当該値が「不」のレシピはユーザが飲料製造に用いることができないものとしてもよい。また、「許可」フィールドの値が「可」のレシピのみユーザが選択できるように表示し、当該「不」のレシピはユーザ選択表示に表示されないようにしてもよい。具体的には、図25(A)の各行に「店舗」フィールドを用意しておき、レシピID「1」の「店舗」フィールドの値を「店舗A」、レシピID「2」の「店舗」フィールドの値を「店舗A」、レシピID「3」の「店舗」フィールドの値を「店舗B」、と管理者操作で登録すると、店舗Aではユーザが選択可能なレシピとしてレシピID「1」の情報及びレシピID「2」の情報を表示してユーザが選択可能とし、店舗Bではユーザが選択可能なレシピとしてレシピID「2」の情報を表示してユーザが選択可能とするようにしてもよい。別の例では、上述の「許可」フィールドや「店舗」フィールドの登録内容による選択可能なレシピの制限を各種例示したランキング表示にも適用してもよい。
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の装置を少なくとも開示する。
1.上記実施形態の制御装置(例えば1202、1203)は、
飲料製造部が製造する飲料のカテゴリの指定をユーザから受け付ける第一の受付手段と、
前記第一の受付手段で受け付けた前記カテゴリに対応する飲料情報を記憶部から取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記飲料情報を表示する表示手段と、
前記表示手段で表示した前記飲料情報のうちの一の飲料情報の指定をユーザから受け付ける第二の受付手段と、
前記第二の受付手段で選択された前記一の飲料情報に基づいて、飲料製造部に飲料の製造の指示を出力する出力手段と、
を有し、
前記表示手段は、前記カテゴリに対応する複数の前記飲料情報をランキング表示する。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
2.上記制御装置では、
前記表示手段は、過去にユーザによって選択された回数に従って前記複数の前記飲料情報を表示することでランキング表示する。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、ランキング表示によって製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
3.上記制御装置では、
前記第一および第二の受付手段は複数のユーザからの指定を受け付ける。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、複数ユーザからの指定に基づいて製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
4.上記制御装置では、
前記取得手段は、前記記憶部から飲料製造装置のユーザの年齢および性別の少なくともいずれかを含むユーザ情報を取得し、
前記表示手段は、前記ユーザ情報を考慮して前記飲料情報を表示する。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザの情報に基づいて、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
5.上記制御装置では、
前記ランキング表示は、複数の前記飲料製造部から集められた情報に基づいて行われる。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
6.上記制御装置では、
前記飲料情報は、飲料を製造するための原材料の情報と、飲料の製造方法に関する製造用レシピの情報と、少なくとも1人の前記製造用レシピの考案者の情報と、の少なくともいずれかを含む。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、原材料の情報、製造用レシピの情報、および考案者の情報の少なくとも何れかに基づいて製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
7.上記制御装置では、
前記指示は、飲料製造装置の前記飲料製造部に対して行われる。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
8.上記実施形態の方法は、
飲料製造部が製造する飲料のカテゴリの指定をユーザから受け付ける第一の受付工程と、
前記第一の受付工程において受け付けた前記カテゴリに対応する飲料情報を記憶部から取得する取得工程と、
前記取得工程において取得した前記飲料情報を表示する表示工程と、
前記表示工程において表示した前記飲料情報のうちの一の飲料情報の指定をユーザから受け付ける第二の受付工程と、
前記第二の受付工程において選択された前記一の飲料情報に基づいて、飲料製造部に飲料の製造の指示を出力する出力工程と、
を含み、
前記表示工程において、前記カテゴリに対応する複数の前記飲料情報をランキング表示される。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
9.上記実施形態のプログラムは、上記実施形態1から7のいずれか1つに記載の制御装置の各手段としてコンピュータを機能させる。
この実施形態によれば、飲料の提供を受けるユーザが、製造する飲料を選択し易い装置を提供することができる場合がある。
次に、飲料についての情報をユーザに少しでもわかりやすく伝える工夫について説明する。
図31は、飲料製造装置1のブロック図である。
この図31に示す制御装置11は、図10に示す制御装置11と同じものであり、図10に示すように、処理部11a、記憶部11b、I/F部11cを有する。図31に示す製造部18は、図10に示すアクチュエータ群14とセンサ群13を合わせたものであって、アクチュエータ群14が駆動することでコーヒー飲料の製造が行われる。なお、ここにいうコーヒー飲料の製造とは、広義の意味であり、コーヒー飲料を最終的に製造する、図11に示す透過式抽出(ステップS17)の他、抽出処理S3における各処理(ステップS11~S16)も含まれる。また、図11に示す、予熱処理S1、グラインド処理(ステップS2)、排出処理S4も含まれる。
図31に示す情報表示装置12は、図10に示す情報表示装置12と同じものであり、具体的にはタッチパネル式のディスプレイであって、各種の情報の表示の他、装置の管理者や飲料の需要者の操作を受け付けることが可能である。すなわち、この情報表示装置12では、表示画面が受付部122になる。また、情報表示装置12は、制御部121と、撮影部123も備えている。制御部121は、制御装置11と同じく、処理部121a、記憶部121b、およびI/F部121cを有する。処理部121aは、受付部122や撮影部123を制御する。撮影部123は、カメラであり、静止画像の撮影データや、動画像の撮影データを生成する。制御部121は、受付部122から、操作に応じた受付信号を受信する。制御部121は、受付信号を受信すると、その受付信号に応じた処理の実行を指示する指示信号を制御装置11に送信する。制御装置11では、指示信号に応じて、処理部11aが製造部18におけるアクチュエータ群14に制御信号を送信し、アクチュエータ群14の駆動を制御する。また、制御装置11は、アクチュエータ群14の駆動が完了したこと等を表す応答信号を、情報表示装置12の制御部121に送信する。制御部121では、操作が受け付けられたことを表す操作受付表示や、応答信号を受信したことに基づく完了表示等を行うことを指示する制御信号を処理部121aが受付部122に送信する。また、制御部121は、撮影部123から撮影データを受け取り、記憶部121bに記憶する。
制御部121のI/F部121cは、外部デバイスと処理部121aとの間の信号の入出力を行う入出力インタフェースを含む。また、図31に示す飲料製造装置1では、情報表示装置12におけるI/F部121cが、インターネットなどの通信ネットワーク15を介してサーバ16とデータ通信が可能な通信インタフェースを含む。図31に示すサーバ16は、通信ネットワーク15を介してスマートフォン等の携帯端末17との通信が可能である。
さらに、図31に示す飲料製造装置1は、気圧センサ124を有する。気圧センサ124は、飲料製造装置1が設置された場所の大気の圧力を検知し、検知結果をセンサ信号として出力する。情報表示装置12の制御部121は、そのセンサ信号を取得する。
一方、制御装置11は、アクチュエータ群14から駆動状況等を表すモニタ信号を取得する。また、制御装置11は、製造部18におけるセンサ群13からセンサ信号も取得する。制御装置11は、モニタ信号やセンサ信号を取得することで、製造部18におけるコーヒー飲料の製造状況を監視しており、モニタ信号やセンサ信号に基づく監視結果を制御部121に送信する。監視結果は、モニタ信号やセンサ信号そのものであってもよい。あるいは、モニタ信号やセンサ信号が或る値を表す場合には、その或る値を別の値に変換して監視結果としてもよいし、その或る値から得られた情報を監視結果としてもよい。例えば、或る値が閾値を超えているか否かを表す情報を監視結果としてもよい。ただし、モニタ信号やセンサ信号に基づく監視結果を得るのに処理部11aの処理負荷が高まることは好ましくない。
以上説明したように、制御装置11から情報表示装置12の制御部121には、応答信号と監視結果が送信される。これらの応答信号や監視結果はいわゆるログに相当し、制御部121の記憶部121bに記憶される。なお、一部のログは、所定間隔(例えば、500m秒の間隔)ごとに制御装置11から制御部121に送信される。
図32は、レシピ一覧が表示されている情報表示装置12を示す図である。
図32に示す情報表示装置12の表示部には、レシピ一覧が表示されている。このレシピ一覧の表示画面が、情報表示装置12の表示部のホーム画面であってもよいし、右上に表示されたメニューボタン120mをタップすると展開されるメニュー項目から選択される選択画面であってもよい。
図32に示すレシピ一覧には、3つのレシピが簡易表示されている。左端に表示された前ページアイコン120bをタップすると前ページの3つのレシピが簡易表示され、右端に表示された次ページアイコン120fをタップすると次ページの3つのレシピが簡易表示される。図32では、左側に「だいとブレンド」というレシピ名のレシピRe1が簡易表示され、中央に「パカマラモーニング」というレシピ名のレシピRe2が簡易表示され、右側には「Gショップオリジナル」というレシピ名のレシピRe3が簡易表示されている。これら3つのレシピRe1,Re2,Re3はいずれも、作成されて間もないものであり、新作であることを表す「NEW」の表示が右上隅に表示されている。
ここで、レシピについて、これまでの説明と重複する部分もあるが、もう一度説明しておく。レシピは、飲料を製造するための各種の製造条件の情報や、豆情報や、レシピ作成者情報等を含むものである。すなわち、レシピは、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するものである。このレシピは、図23に示すサーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)において、図25に示すようにデータベース化されて管理されている。また、各飲料製造装置1における情報表示装置の記憶部121bには、レシピが記憶されている。この記憶部121bでも、サーバ1201の記憶部1303と同じように、レシピをデータベース化して管理してもよいし、単に記憶するだけであってもよい。また、記憶部121bは、レシピを記憶し続けるものであってもよいし、飲料を製造する前にサーバ16からレシピを取得し、飲料を製造している間に限って記憶し、飲料を製造した後は、記憶部121bからレシピは消去されるようにしてもよい。あるいは、記憶部121bには、レシピのうち一部の情報(例えば、豆情報や、レシピ作成者情報)のみが記憶されており、飲料を製造する前にサーバ16から、レシピの残りの情報(例えば、製造条件の情報)を取得し、飲料を製造した後は、記憶部121bから、残りの情報は消去されるようにしてもよい。情報表示装置の記憶部121bに記憶されたレシピは暗号化されている。
レシピに含まれている豆情報や作成者情報は、ユーザが飲料を選択する際に表示される。製造条件の情報は、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用されるパラメータ(設定値)である。図31に示す制御装置11の処理部11aは、情報表示装置12の記憶部121bを参照し、パラメータに従って、図31に示すアクチュエータ群14を制御する。例えば、処理部11aは、パラメータに従って、図3に示す各種の弁の開閉制御を行ったり、粉砕装置5における回転刃の回転数等を制御したり、ヒーター72aの駆動を制御したり、コンプレッサ70の駆動を制御したりする。
各レシピRe1,Re2,Re3には、左上隅に豆の産地を示す産地表示Rmが表示されている。産地表示Rmの下には、豆の名称を表す名称表示Rbが表示されている。名称表示Rbの下には、豆の焙煎度を示す焙煎度表示Rrがグラフィックで表示されている。さらに、その下には、図25を用いて説明したタイプ1(飲料がホット飲料であるかアイス飲料であるか)を示すアイコンRih,Ricが表示されている。なお、図25を用いて説明したタイプ2(飲料のフレーバーを示すタイプ情報)を示すアイコンも表示されてもよい。図32に示すいずれのレシピRe1,Re2,Re3でも、ホット飲料のアイコンRihが点灯し、アイス飲料のアイコンRicはグレーアウトしている。また、右端には、カップのサイズを表すサイズアイコンRisも表示されている。レシピの上下方向中央部分には、レシピ名表示Rnが表示され、その下には、画像Imがレシピ作成者の名前とともに表示されている。この画像Imは、レシピ作成者(図25(A)では考案者)を撮影した画像である。左側の「だいとブレンド」のレシピRe1では、バリスタの「M.FFFFFF」の名前とともに顔の画像Imが表示されている。中央の「パカマラモーニング」のレシピRe2では、バリスタの「S.VVVV」の名前とともに顔の画像Imが表示されている。右側の「Gショップオリジナル」のレシピRe3では、Gショップ店長の「珈田太郎」の名前とともに顔の画像Imが表示されている。そして、一番下には、そのレシピ名のコーヒー飲料の値段Prが表示されている。
表示されているレシピをタップすると、そのレシピの詳細が表示される。
図33は、図32に示す表示画面で左側の「だいとブレンド」のレシピRe1をタップした場合に表示される画面を示す図である。
図33に示す情報表示装置12の表示部には、後述するレシピカード(図44参照)に基づくレシピ情報が表示されている。ここでは、「だいとブレンド」のレシピ情報が表示されている。図32に示す簡易表示されたレシピRe1と比べると、苦み表示Ra1と酸味表示Ra2といった味の詳細がグラフィックで表示されている。また、レシピ作成者のコメントRcも表示されている。さらに、画像Imとともに、この画面では、レシピ作成者の紹介Rhも表示されている。図33における画像Imは、このレシピの作成者を撮影した画像である。加えて、右上には、このレシピが有料レシピであることを表す有料アイコンRipも表示されている。図33に示す有料アイコンRipは課金がされたことを表している。「だいとブレンド」のレシピは、課金をしなければ使用することができない使用制約が付いた有料レシピとして一般公開されたレシピである。ここにいう一般公開とは、例えば、世界各地にある情報表示装置12に、図33に示すようなレシピ情報が、図23に示すサーバ1201経由で自動送信され、各情報表示装置12の店舗管理用画面に限って、そのレシピの概要を知ることができることをいう(以下においても同じ)。ただし、製造に必要なパラメータの全部は公開されない。なお、一般公開とは、上記店舗管理用画面に限らず、店舗の顧客も見ることができる画面で公開されることであってもよいし、自動送信されるのではなく、サーバ1201において公開されているレシピ情報を各店舗側から見ることができることであってもよい(以下においても同じ)。有料レシピは、店舗側等が課金を行い使用制約を解除した場合に限り、図32に示すレシピ一覧の表示画面に表示されるようになる。そして、使用制約が解除されたレシピは、図33のレシピ情報の表示画面では、顧客に有料レシピであることを示すため有料アイコンRipを表示し、顧客にプレミアム感をアピールすることができる。なお、使用制約が解除されていない有料レシピであっても、図32に示すレシピ一覧の表示画面に表示されるようにしてもよいが、この場合には、レシピ情報の表示画面が表示されないか、あるいは表示されても、後述する抽出アイコン120eが表示されず、抽出不可能になる。
また、画面右上には、メニューボタン120mが用意され、画面下端には、戻るアイコン120r1と抽出アイコン120eが用意されている。戻るアイコン120r1をタップすると、図32に示すレシピ一覧の画面に戻る。抽出アイコン120eには、このレシピ名のコーヒー飲料の値段が表示されている。なお、コーヒー飲料の値段は、そのコーヒー飲料のレシピに含まれていてもよいし、レシピとは別に記憶されていてもよい。例えば、値段は、レシピと対応付けて記憶部121bに記憶されていてもよい。
抽出アイコン120eをタップすると、会計情報が不図示のPoint of sale(POS)システムに送信され、POSシステムでは会計処理が実行される。また、飲料製造装置1では、図11に示すコーヒー製造の処理が開始される。
続いて、レシピの作成について説明する。レシピの作成は、情報表示装置12にインストールされたレシピ管理アプリケーションを用いて行われる。
図34は、レシピ管理アプリ一覧が表示されている情報表示装置12を示す図である。
図34に示す情報表示装置12の表示部には、レシピ管理アプリ一覧が表示されている。このレシピ管理アプリ一覧の表示画面は、図32に示す情報表示装置12に表示されているメニューボタン120mをタップすると展開されるメニュー項目から選択される画面である(図56参照)。なお、右上に表示されている戻るアイコン120r2をタップすると、図32に示す、レシピ一覧が表示された画面に戻る。
情報表示装置12には、エキスパート、ツアー、スタンダードといった3つのレシピ管理アプリケーションがインストールされており、これらのレシピ管理アプリケーションは、図31に示す処理部121aによって実行される。図34に示す情報表示装置12の表示画面には、エキスパートアイコン120ei、ツアーアイコン120ti、スタンダードアイコン120siがそれぞれ表示されている。エキスパートおよびスタンダードのレシピ管理アプリケーションについては後述することにし、ここでは、ツアーのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成について説明する。ツアーのレシピ管理アプリケーションを起動するには、中央に表示されたツアーアイコン120tiをタップする。
図35は、ツアーのレシピ管理アプリケーションの起動画面を示す図である。
ツアーのレシピ管理アプリケーションでは、対話形式による進行に従ってレシピを作成していく。以下、新規レシピの作成のことを、アプリケーション名に因んでツアーと称する。図35に示す情報表示装置12の表示部に表示された起動画面には、ツアーの途中でもレシピ作成を中断することができ、完成したレシピは、図23を用いて説明したサーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいはこの情報表示装置12の記憶部121bに構築されたデータベースに保存されることが表示されている。また、この起動画面の下方には、2つの新規作成アイコン120niと、中断中アイコン120siが表示されている。図35に示す中断中アイコン120siをタップすると、豆情報の入力又は選択で中断していたツアーが再開される。新規作成アイコン120niをタップすると、ツアーが開始される。なお、右上に表示されている戻るアイコン120r3をタップすると、図34に示す、レシピ管理アプリ一覧が表示された画面に戻る。
ツアーは5段階構成になっており、最後の5段階目がツアーの完了、すなわち新規レシピの完成になる。1段階目は抽出方法の設定であり、図25(A)に示す製造方法に関するパラメータの設定になる。2段階目は豆情報の入力又は選択であり、図25(A)に示す原材料情報に関するパラメータの設定になる。3段階目はバリスタ情報の入力又は選択であり、図25(B)に示すユーザ情報DB1303bに保存されるパラメータの設定になる。4段階目はレシピカードの作成である。
図36は、1段階目の抽出方法の設定についての説明画面を示す図である。
図36に示す情報表示装置12の表示部には、抽出方法の設定と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面には、ツアーの進行状況がわかるように進行度合チャートPCが表示されている。図36に示す進行度合チャートPCから、現在1段階目であることが一目でわかる。また、1段階目の抽出方法の設定についての説明文として「飲料製造装置の動きです。」が表示されている。この説明文はユーザにわかりやすいように記載されているが、「飲料製造装置の動き」は、製造方法に関する各種パラメータによって決まる。レシピには、製造方法に関する各種パラメータが含まれており、製造方法に関する各種パラメータの集まり(図25(A)に示す「製造方法」)はレシピを構成するパラメータに相当する。したがって、抽出方法の設定についての説明文である「飲料製造装置の動きです。」はパラメータの説明に相当する。
図36に示す説明画面では、右上隅に配置された中断アイコンSi1をタップするとツアーが中断される。一方、下方に配置された、次へアイコンNx1をタップすると、製造方法に関するパラメータの入力画面に移行する。
図37は、グラインドにおけるパラメータの一つである豆の挽き粒度を入力する画面を示す図である。
ツアーにおける製造方法に関するパラメータの入力は、グラインド、蒸らし、本給湯、加圧、かくはん、およびカップ送出といった6ステップに分かれている。グラインドにおけるパラメータの入力では、豆の量(g)と豆の挽き粒度(μm)とチャフ除去強さ(チャフの除去率)(%)について入力を行う。図37に示す情報表示装置12の表示部では、現在、グラインドにおけるパラメータの入力が行われていることが、グラインドアイコンGiの色が変わっていることで報知されている。また、この画面の左側には、図1に示す飲料製造装置1の一部を模式図で表したアニメーションAMが表示されている。このアニメーションAMでは、図2に示す粉砕装置5の模式図5M、分離装置6の模式図6M、抽出容器9の模式図9M、および図3に示すカップCの模式図CMが表示されている。図37に示す画面では、粉砕装置5の模式図5Mでコーヒー豆の粉砕が行われている様子が表示されており、グラインドにおけるパラメータの入力が行われていることが、このアニメーションAMでも報知されている。また、図37に示す情報表示装置12の表示部では、豆の量の入力が終わり、豆の挽き粒度の入力が行われている。画面の右側には、挽き粒度の入力可能範囲が250μm以上500μm以下であることが表示され、その下には、現在の入力値であるパラメータの表示PPを挟んでマイナスアイコンMiとプラスアイコンPiが表示されている。マイナスアイコンmiを1回タップすると、パラメータの表示PPは1減算された値になり、プラスアイコンpiを1回タップすると、パラメータの表示PPは1加算された値になる。ユーザは、マイナスアイコンMiあるいはプラスアイコンPiをタップして、挽き粒度のパラメータを、入力可能範囲内で所望の値を入力する。
なお、図37に示すパラメータの入力を受け付ける画面には、そのパラメータの説明の表示が表示されていないが、例えば、図36に示す「飲料製造装置の動きです。」といった説明文が図37に示す画面にも表示されてもよいし、「粉砕装置における挽き豆の粒度です。」といった個別のパラメータの説明文が表示されてもよい。
パラメータの入力画面では、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。中断アイコンSi2をタップするとツアーが中断され、表示されている画面で入力又は選択したパラメータが、サーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいはこの情報表示装置12の記憶部121bに構築されたデータベースに保存される(以下の説明においても同じ。)。一方、終了アイコンEN1をタップすると、表示されている画面で入力又は選択したパラメータをデータベースに保存させずにツアーを終了することができる(以下の説明においても同じ。)。保存アイコンNX2をタップすると、表示されている画面で入力又は選択したパラメータが設定値としてデータベースに保存され、次の画面に移行する(以下の説明においても同じ。)。図37に示す画面の次の画面は、蒸らしにおけるパラメータの入力画面になる。蒸らしにおけるパラメータの入力では、豆を蒸らすための、蒸らし湯量(g)と蒸らし時間(秒)について入力を行う。
なお、蒸らし以降のパラメータの入力画面については説明を省略するが、本給湯におけるパラメータの入力では、総湯量である抽出湯量(注入湯量)(g)、1回目本給湯量(g)、および1回目本給湯後の待ち時間(秒)について入力を行う。加圧におけるパラメータの入力では、抽出圧力(bar)、抽出時間(秒)、減圧1回目の圧力(bar)、および減圧1回目後の待ち時間(秒)について入力を行う。かくはんにおけるパラメータの入力では、回転前静止時間(秒)、ゆらしパターン、および回転後静止時間(秒)について入力を行う。カップ送出におけるパラメータの入力では、送出圧力(bar)について入力を行う。製造方法に関するパラメータは、この他にもあり、ツアーでは、後述するエキスパートのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成よりも少ない数のパラメータの入力を行う。一方、ツアーでは、後述するスタンダードのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成よりも多くの数のパラメータの入力を行う。なお、ツアーでは、スタンダードのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成と同じ数のパラメータの入力を行うようにしてもよいし、少ない数のパラメータの入力を行うようにしてもよい。
抽出方法の設定が完了すると、情報表示装置12の表示部に、「抽出方法の設定が完了しました。」という応答文を表示してもよいし、「以上で、飲料製造装置の動きの設定は完了しました。」という説明文を表示してもよい。なお、図36に示す「飲料製造装置の動きです。」という表示を先に行わずに、完了してから「以上で、飲料製造装置の動きの設定は完了しました。」という説明文を表示してもよい。
図38は、2段階目の豆情報の入力についての画面を示す図である。
図38に示す情報表示装置12の表示部には、豆情報と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、現在2段階目であることが一目でわかる。また、2段階目の豆情報の入力又は選択についての説明文として「使いたい豆の情報です。」が表示されている。ここでもユーザにわかりやすいように記載されているが、「使いたい豆の情報」は、原材料情報に関する各種パラメータによって決まる。レシピには、原材料情報に関する各種パラメータが含まれており、原材料情報に関する各種パラメータの集まり(図25(A)に示す「原材料情報」)はレシピを構成するパラメータに相当する。したがって、豆情報の入力又は選択についての説明文である「使いたい豆の情報です。」もパラメータの説明に相当する。
また、図38に示す画面では、左側に新規作成アイコンNi1と選択アイコンSe1が配置されている。図38に示す新規作成アイコンNi1は色が変わっており、新規作成アイコンNi1がタップされたことが報知されている。新規アイコンNi1をタップすると、豆情報について新規作成を行うことになる。図38に示す画面には、豆の名称を入力する入力欄B1と、その豆の生産国を入力する入力欄B2と、その豆が収穫された農園を入力する入力欄B3と、その豆が収穫された標高を入力する入力欄B4と、その豆の品種を入力する入力欄B5と、その豆の精製方法を入力する入力欄B6が表示されている。図38では、これらの入力欄B1~B6全ての入力が完了している。入力にあたっては、入力しようとするいずれかの入力欄をタップすると、表示画面上にソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)が出現し(図46参照)、文字入力が可能になる。入力欄の下には、複数のセルが横一列に配置され、左側のセルほど浅煎りであることを表し右側のセルほど深煎りであることを表す、豆の焙煎度をタップしたセルの位置で表す焙煎度表示部B7が設けられている。
以上説明したように、図38に示す画面では、「使いたい豆の情報です。」といったパラメータの説明の表示と、豆情報を入力する入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7といったパラメータの入力を受け付ける表示が、一緒に表示されている。なお、図36に示す「飲料製造装置の動きです。」といった製造方法に関するパラメータの説明の表示と、図37における製造方法に関するパラメータの入力を受け付ける表示は別々の画面に表示(異なるタイミングで表示)されているが、図38に示す画面のように一緒の画面に表示(同時に表示)されてもよい。また、図38に示すパラメータの説明の表示と、原材料情報に関するパラメータの入力を受け付ける表示を、別々の画面に表示(異なるタイミングで表示)してもよい。
図38に示す画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。
図39は、2段階目の豆情報の選択についての画面を示す図である。
図39に示す情報表示装置12の表示部にも、進行度合チャートPCが表示されており、現在2段階目であることが一目でわかる。また、「使いたい豆の情報です。」といったパラメータの説明表示も表示されている。この図39に示す画面では、新規作成アイコンNi1と選択アイコンSe1のうち、選択アイコンSe1の色が変わっており、選択アイコンSe1がタップされたことが報知されている。選択アイコンSe1をタップすると、豆情報について既存データからの選択を行うことになる。既存データは、豆の名称、その豆の生産国、その豆が収穫された農園、その豆が収穫された標高、その豆の品種、その豆の精製方法、およびその豆の焙煎度といった各パラメータを含んだデータになる。図39に示す画面には、既存データについて1行ごとに表した既存データ表示B8が表示されている。図39における既存データ表示B8では、上から2つ目の既存データ(豆名が「αβγゲイシャ」の既存データ)の色が変わっており、この既存データが選択されたことが報知されている。図39に示す保存アイコンNX2をタップすると、表示されている画面で選択した既存データに含まれる各パラメータが設定値としてデータベースに保存され、3段階目のバリスタ情報の入力又は選択についての画面に移行する。
図40は、3段階目のバリスタ情報の入力についての画面を示す図である。
図40に示す情報表示装置12の表示部には、バリスタ情報と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、現在3段階目であることが一目でわかる。また、3段階目のバリスタ情報の入力又は選択についての説明文として「レシピ作成者の情報です。ランキングにも使われます。」が表示されている。ここにいうランキングにも使われます。とは、図29を用いて説明したランキング表示で、ここで入力したり選択したパラメータが表示されることを意味する。レシピには、レシピ作成者に関する各種パラメータが含まれており、レシピ作成者に関する各種パラメータの集まり(一つは図25(A)に示す「考案者」)はレシピを構成するパラメータに相当する。したがって、バリスタ情報の入力又は選択についての説明文である「レシピ作成者の情報です。ランキングにも使われます。」もパラメータの説明に相当する。
また、図40に示す画面でも、左側に新規作成アイコンNi2と選択アイコンSe2が配置されている。図40に示す新規作成アイコンNi2は色が変わっており、新規作成アイコンNi2がタップされたことが報知されている。新規アイコンNi2をタップすると、バリスタ情報について新規作成を行うことになる。図40に示す画面には、レシピ作成者の名前を入力する文字入力欄H1と、レシピ作成者のコメントを入力する文字入力欄H2が表示されている。図40では、これらの文字入力欄H1、H2には未入力である。入力にあたっては、先に説明した豆情報の入力と同じく、入力しようとするいずれかの入力欄をタップすると、表示画面上にソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)が出現し(図46参照)、文字入力が可能になる。さらに、図40に示す画面には、情報表示装置12に設けられたカメラ1230で撮影された画像が、画像入力欄H3に表示されている。画像入力欄H3の横には、シャッターボタンShuをタップして写真撮影を行い、撮影画像を確定することを促す文章が表示されている。
以上説明したように、図40に示す画面では、「レシピ作成者の情報です。ランキングにも使われます。」といったパラメータの説明表示と、バリスタ情報を入力する、文字入力欄H1、H2及び画像入力欄H3といったパラメータの入力を受け付ける表示が、一緒に表示されている。
図40に示す画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。図40に示す保存アイコンNX2をタップすると、レシピ作成者の名前の他、レシピ作成者のコメント、および画像入力欄H3に入力されシャッターボタンShuをタップして確定した撮影画像も、パラメータの設定値としてデータベースに保存され、レシピに含まれる。なお、撮影画像は、レシピとは別に保存されてもよいが、この場合であってもレシピと対応付けて保存される。
図41(a)は、図40に示すバリスタ情報の入力についての画面におけるレシピの作成方法を示すフローチャートである。
ここでのレシピの作成方法は、まず、情報表示装置12の表示部に、図40に示すバリスタ情報の入力についての画面を表示する開始ステップ(ステップSH1)を実行する。上述のごとく、図40に示すバリスタ情報の入力についての画面は、レシピ作成者の名前やレシピ作成者のコメントといったパラメータについての入力を含む、前記レシピを作成する際に利用されるレシピ作成表示の画面に相当する。
次いで、図40に示すバリスタ情報の入力についての画面が表示されている状態で、カメラ1230によって撮影する撮影ステップ(ステップSH2)が実行される。すなわち、図40に示す画面に設けられた画像入力欄H3にカメラ1230で撮影した画像を表示させながら、シャッターボタンShuをタップして撮影画像を確定する。図40では、レシピ作成者が撮影されるが、レシピ作成者の代わりに、レシピの紹介者を撮影してもよし、そのレシピの飲料を飲んだ人を撮影してもよい。また、人物に限らず物(例えば、このレシピの豆情報のコーヒ豆)が撮影されてもよい。さらに、シャッターボタンShuを長押しすることで、静止画に限らず動画を撮影できるようにしてもよい。例えば、撮影画像は、このレシピの豆情報のコーヒー豆の農園について説明する動画であってもよい。
続いて、保存アイコンNX2をタップすることで保存ステップ(ステップSH3)が実行される。この保存ステップ(ステップSH3)では、撮影ステップ(ステップSH2)で撮影された画像を、レシピ作成者の名前やレシピ作成者のコメントといったパラメータと対応付けて、図23を用いて説明したサーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいはカメラ1230が設けられた情報表示装置12の記憶部121bに記憶させる。
また、以上説明したレシピの作成技術は、ソフトウェアとして利用することができる。
図41(b)は、レシピ作成プログラムの概要を示す模式図である。
図41(b)に示すレシピ作成プログラムRP1は、プログラムを実行する処理部121aと画像を撮影するカメラ1230と表示画面とを備えた情報表示装置12内で実行され、その情報表示装置12をレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、情報表示装置12上に、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段RP11と、取得手段RP11が取得したレシピの一部又は全部を表示画面に表示させる表示制御手段RP12と、カメラ1230によって撮影された画像をレシピと対応付けて保存する保存制御手段RP13とを構築するプログラムである。
保存制御手段RP13は、カメラ1230によって撮影された画像をレシピと対応付けて、サーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいはこの情報表示装置12の記憶部121bに保存するものである。
以上の記載では、
『 飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、情報表示装置12あるいは処理部121a]と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して飲料を製造するための処理[例えば、図3に示す各種の弁の開閉制御の処理、粉砕装置5における回転刃の制御の処理、ヒーター72aの駆動制御の処理、コンプレッサ70の駆動制御の処理等]を実行する処理手段[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して飲料を製造する製造手段[例えば、図31に示すアクチュエータ群14(図3に示す粉砕装置5および抽出装置3)]と、
画像を撮影する撮影手段[例えば、カメラ1230]と、
を備えた飲料製造装置であって、
前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピと対応付けて保存可能[例えば、サーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいはこの情報表示装置12の記憶部121bに保存可能]である、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
について説明した。
なお、ここにいう飲料を製造するとは、広義の意味であり、飲料を最終的に製造する他、最終的に製造する前の準備や、中間体の製造等も含まれる。
また、前記製造手段は、複数種類あり、前記レシピは、複数種類の前記製造手段ごとのパラメータを含むものであってもよいし、一つの製造手段に複数種類のパラメータがあり、前記レシピは、一つの製造手段に対する複数種類のパラメータを含むものであってもよい。
また、前記レシピは、サーバから通信ネットワークを経由してダウンロードされたものであってもよい。また、この場合の前記制約とは、ダウンロードが禁止されていることであってもよい。
また、パラメータを含むレシピを取得する取得部[例えば、情報表示装置12あるいはI/F部11c]と飲料を製造するための処理を実行する処理部[例えば、アクチュエータ群14、製造部18]と、前記取得部によって取得されたレシピに含まれているパラメータに従って前記処理部を制御する制御部[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]とを備えた飲料製造装置であってもよい。
また、前記レシピと対応付けて保存される画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。例えば、前記画像は、該飲料について説明する動画(より具体的には、該飲料の原材料となるコーヒー豆の農園について説明する動画)であってもよい。
また、前記レシピと対応付けて保存される画像は、人物の画像であってもよいし、物(例えば、コーヒー豆)の画像であってもよい。
また、
『 前記レシピの一部又は全部を表示する表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記表示手段は、前記レシピの一部又は全部を表示している状態で、該レシピと対応付けて保存された画像も表示する[例えば、図33に示すレシピ情報において画像Imを表示する、あるいは図32に示す簡易表示されたレシピRe1,Re2,Re3において画像Imを表示する]ものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 複数の飲料の中から一の飲料を選択する選択表示[例えば、図32に示すレシピ一覧の表示]を表示する表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記処理手段は、前記選択表示において選択された飲料[例えば、図33に示すレシピ情報の表示を表示させた飲料]のレシピに含まれるパラメータを参照して飲料を製造するための処理を実行[例えば、図33に示す抽出アイコン120eがタップされることで実行]するものであり、
前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピと対応付けて保存された画像を表示する[例えば、図32に示す簡易表示されたレシピRe1,Re2,Re3において画像Imを表示する]ものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピと対応付けて保存された画像を、該レシピの紹介者として表示するものであってもよいし、該飲料を飲んだ人として表示するものであってもよい。
また、
『 前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピと対応付けて保存された画像を、該レシピの作成者として表示する[例えば、図32に示す簡易表示されたレシピRe1,Re2,Re3においてバリスタの名前とともに画像Imを表示する]ものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記製造手段は、抽出対象を処理するもの[例えば、図3に示す抽出装置3]であり、
前記レシピは、抽出対象の情報[例えば、豆情報]を含むものであり、
前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピに含まれている抽出対象の情報[例えば、産地表示Rm、名称表示Rb、焙煎度表示Rr]も表示するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料の値段[例えば、コーヒー飲料の値段Pr]も表示するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、飲料の値段は、該飲料のレシピに含まれていてもよいし、該レシピとは別に前記記憶部に記憶されていてもよい。
また、
『 前記表示手段は、前記レシピを作成する際に利用されるレシピ作成表示[例えば、ツアーのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成表示(図34~図47)]を表示するものであり、
前記撮影手段は、前記表示手段が前記レシピ作成表示を表示している状態[例えば、図40に示すバリスタ情報の入力画面を表示している状態]で撮影を行うものであり、
前記表示手段が前記レシピ作成表示を表示している状態で前記撮影手段によって撮影された画像を、該レシピ作成表示を用いて完成したレシピと対応付けて保存可能[例えば、サーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいはこの情報表示装置12の記憶部121bに保存可能]である、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記レシピを記憶した記憶手段[例えば、情報表示装置12の記憶部121b]を備え、
前記取得手段[例えば、情報表示装置12の処理部121a]は、前記記憶手段から前記レシピを取得するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
以上説明した飲料製造装置は、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータを参照して飲料を製造するための処理を実行する処理手段と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して飲料を製造する製造手段と、
画像を撮影する撮影手段と、
を備えた飲料製造装置であって、
前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピに含めて保存可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。」であってもよく、この飲料製造装置には、これまで説明した飲料製造装置の特徴を適用することができる。
また、以上説明した飲料製造装置は、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段と、画像を撮影する撮影手段と、を備えた装置であって、前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピと対応付けて保存可能である、ことを特徴とする装置。」であってもよく、この装置には、これまで説明した飲料製造装置の特徴を適用することができる。
また、以上の記載では、
『 表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]と撮影手段[例えば、カメラ1230]を備えた飲料製造装置[例えば、飲料製造装置1]において飲料を製造するためのパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]が含まれたレシピの作成方法であって、
前記パラメータについての入力を含む、前記レシピを作成する際に利用されるレシピ作成表示の表示を、前記表示手段において開始する開始ステップ[例えば、図41に示すステップSH1]と、
前記表示手段に前記レシピ作成表示が表示されている状態で前記撮影手段によって撮影する撮影ステップ[例えば、図41に示すステップSH2]と、
前記撮影ステップで撮影された画像を前記レシピ作成表示を用いて完成したレシピと対応付けて記憶手段に記憶させる保存ステップ[例えば、図41に示すステップSH3]と、
を有することを特徴とするレシピの作成方法[例えば、図41に示すレシピの作成方法]。』
についても説明した。
なお、前記撮影ステップにおける撮影は、前記レシピ作成表示の中で撮影することを指示する表示[例えば、図40に示すバリスタ情報の入力画面に表示された「写真を撮影します。上のカメラを見て下さい。よろしければ、シャッターボタンをタップしてください。」という文字表示が表示されて行われる撮影であってもよい。
また、前記撮影ステップにおける撮影は、人物を撮影してもよいし、物を撮影してもよい。人物を撮影する場合は、現在作成しているレシピに関係する人物であってもよく、例えば、レシピの作成者であってもよいし、レシピの紹介者であってもよい。また、物を撮影する場合は、現在作成しているレシピの飲料の原材料(例えば、コーヒー豆)であってもよい。
前記保存ステップにおける記憶手段は、前記飲料製造装置における記憶手段であってもよいし、通信ネットワークを介して接続されるサーバであってもよい。
また、「プログラムを実行する処理部[例えば、処理部121a]と画像を撮影する撮影手段[例えば、カメラ1230]とを備えた装置[例えば、情報表示装置12]内で実行され、該装置をレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、
前記装置上に、
飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、図41(b)に示す取得手段RP11]と、
前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピと対応付けて保存する保存制御手段[例えば、図41(b)に示す保存制御手段RP13]とを構築することを特徴とするレシピ作成プログラム[例えば、図41(b)に示すレシピ作成プログラムRP1]。」であってもよい。
また、「 前記装置は、表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記装置上に、
前記取得手段が取得した前記レシピの一部又は全部を前記表示手段に表示させる表示制御手段[例えば、図41(b)に示す表示制御手段RP12]を構築することを特徴とするレシピ作成プログラム。」であってもよい。
また、以上の説明の中で、~手段と表現した構成要件はいずれも、~部に置き換えることができる。
図42は、3段階目のバリスタ情報の選択についての画面を示す図である。
図42に示す情報表示装置12の表示部にも、進行度合チャートPCが表示されており、現在3段階目であることが一目でわかる。また、「レシピ作成者の情報です。ランキングにも使われます。」といったパラメータの説明表示も表示されている。この図42に示す画面では、新規作成アイコンNi2と選択アイコンSe2のうち、選択アイコンSe2の色が変わっており、選択アイコンSe2がタップされたことが報知されている。選択アイコンSe2をタップすると、バリスタ情報について既存データからの選択を行うことになる。既存データは、レシピ作成者の名前、レシピ作成者のコメント、および撮影画像といった各パラメータを含んだデータになる。図42に示す画面には、既存データについて1行ごとに表した既存データ表示H4が表示されている。図42における既存データ表示H4では、上から2つ目の既存データ(レシピ作成者名が「B.VVVV」の既存データ)の色が変わっており、この既存データが選択されたことが報知されている。図42に示す画面では、既存データ表示H4に撮影画像が表示されていないが、右側に向けてスワイプ操作を行うと、1行ごとに撮影画像が表示される。図42に示す保存アイコンNX2をタップすると、表示されている画面で選択した既存データに含まれる各パラメータが設定値としてデータベースに保存され、4段階目のレシピカードの作成についての画面に移行する。
図43は、4段階目のレシピカード作成についての開始画面を示す図である。
図43に示す情報表示装置12の表示部には、レシピカードの作成と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、4段階目まで到達したことが一目でわかる。この図43に示す画面は、これからレシピカードを作成することを説明した開始画面になる。この開始画面では、右上隅に配置された中断アイコンSi1をタップするとツアーが中断される。一方、下方に配置された、次へアイコンNx1をタップすると、レシピカードの入力画面に移行する。
図44は、レシピカードの入力画面を示す図である。
レシピカードは、図33を用いて説明したレシピ情報の元になるものである。レシピカードには、これまで入力したパラメータの一部が表示されるとともに、この入力画面で入力することができるパラメータの入力欄も表示されている。レシピカードの文字表示の下にはレシピ名を入力するレシピ名入力欄R1が設けられている。レシピ名は、このレシピカードの入力画面で入力されるパラメータである。レシピ名入力欄R1の下には、このレシピに従って製造されたコーヒー飲料の、苦みをグラフィックで表す苦み表示部R2と、酸味をグラフィックで表す酸味表示部R3が設けられている。苦み表示部R2も酸味表示部R3も、円周上に配置された5つのセルR2s、R3sによって5段階のレベルで苦み又は酸味を表すものであり、いずれかのセルをタップすると、タップしたセルの位置に応じたレベルの数が中央に表示される。また、タップしたセルまで時計回りに各セルの表示態様が変化する。
右上には、図25を用いて説明したタイプ1(飲料がホット飲料であるかアイス飲料であるか)を示す2つのアイコンRih,Ricが表示されている。いずれか一方のアイコンをタップすると点灯し、他方のアイコンはグレーアウトする。図44では、ホット飲料であることを示すアイコンRihがタップされて点灯し、アイス飲料であることを示すアイコンRicがグレーアウトしている。また、カップのサイズを表すサイズアイコンRisも表示されている。サイズアイコンRisをタップするとアイコンの種類が、エスプレッソサイズ、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ、エスプレッソサイズ、Sサイズ・・・の順で変わる。図44では、サイズアイコンRisはMサイズになっている。さらに、右端には、このレシピが有料レシピであることを表す有料アイコンRipも表示されている。有料アイコンRipをタップすると点灯し、再びタップするとグレーアウトし、さらにタップすると公開禁止アイコンに変更され、もう一度タップすると点灯することを繰り返す。レシピ作成者は、課金をしなければ使用することができない使用制約が付いた有料レシピとして一般公開させたい場合は、有料アイコンRipを点灯させる。図44に示す有料アイコンRipは点灯している。一方、広くどの店舗でも楽しんでもらえるように無料レシピとして一般公開させたい場合は、有料アイコンRipを消灯させる。また、課金をしても使用させたくない場合には、公開禁止アイコンを表示させる。
これらのアイコンの下には、図38や図39を用いて説明した豆情報の入力又は選択で設定済の豆情報のパラメータの一部が表示されている。すなわち、豆生産国表示欄R4、豆名称表示欄R5、および焙煎度表示部R6が設けられ、それぞれ表示されている。
さらにその下には、コメント表示欄R7が設けられている。このコメント表示欄R7には、図40や図42を用いて説明したバリスタ情報の入力又は選択で設定済のレシピ作成者のコメントが表示されている。
また、苦み表示部R2の下には、画像表示部R8が設けられ、その横には、レシピ作成者名表示欄R9が設けられている。画像表示部R8には、図40や図42を用いて説明したバリスタ情報の入力又は選択で設定済の撮影画像が表示されており、レシピ作成者名表示欄R9には、同じくバリスタ情報の入力又は選択で設定済のレシピ作成者の名前が表示されている。
レシピ作成者名表示欄R9の下には、レシピ作成者の紹介入力欄R10が用意されている。レシピ作成者の紹介は、このレシピカードの入力画面で入力されるパラメータである。上述のレシピ名入力欄R1に文字入力する場合であっても、紹介入力欄R10に文字入力する場合であっても、入力欄をタップすれば、表示画面上にソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)が出現し(図46参照)、文字入力が可能になる。
以上説明したように、図44に示すレシピカードの入力画面で初めて入力されるパラメータは、レシピ名入力欄R1におけるレシピ名、紹介入力欄R10におけるレシピ作成者の紹介、苦み表示部R2におけるコーヒー飲料の苦み、酸味表示部R3におけるコーヒー飲料の酸味、ホット飲料のアイコンRihおよびアイス飲料のアイコンRicによるタイプ1、サイズアイコンRisによるコーヒー飲料のサイズ、および有料アイコンRipによるレシピの有料か否か、あるいは公開禁止アイコンによる公開禁止になる。なお、この入力画面で、図25を用いて説明したタイプ2(飲料のフレーバーを示すタイプ情報)についても入力可能としてもよい。
図44に示す入力画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。図44に示す保存アイコンNX2をタップすると、レシピ名およびレシピ作成者の紹介が、パラメータの設定値としてデータベースに保存され、レシピに含まれる。また、コーヒー飲料の苦みおよび酸味が、図25(A)に示すタイプ2に続くタイプ3としてデータベースに保存され、ホット飲料とアイス飲料の区別がタイプ1としてデータベースに保存され、コーヒー飲料のサイズがタイプ4としてデータベースに保存され、有料レシピか否かの区別や公開禁止がタイプ5としてデータベースに保存され、それぞれレシピに含まれる。そして、登録内容の確認画面に移行する。
図45は、登録内容の確認画面を示す図である。
図45に示す情報表示装置12の表示部には、ツアーの1段目から4段目までにそれぞれ応じた、抽出方法アイコンCi1、豆情報アイコンCi2、バリスタ情報アイコンCi3、およびレシピ名アイコンCi4が表示されている。抽出方法アイコンCi1の横には、図37を用いて説明した抽出方法の設定で入力し、データベースに設定された、豆量と挽き粒度の値が表示されている。豆情報アイコンCi2の横には、図38及び図39を用いて説明した豆情報の入力又は選択でデータベースに設定された豆の名称が表示されている。なお、豆情報が、新規作成されたものか既存データから選択されたものかも表示され、図45では新規作成されたことを表す「新規」が表示されている。バリスタアイコンCi3の横には、図40及び図42を用いて説明したバリスタ情報の入力又は選択でデータベースに設定されたレシピ作成者の名前が表示されている。なお、ここでも、バリスタ情報が、新規作成されたものか既存データから選択されたものかも表示され、図45では新規作成されたことを表す「新規」が表示されている。レシピ名アイコンCi4の横には、図44を用いて説明したレシピカードの入力画面で入力されたレシピ名が表示されている。図45に示す確認画面にも表示されているように、抽出方法アイコンCi1、豆情報アイコンCi2、バリスタ情報アイコンCi3、およびレシピ名アイコンCi4をタップすると、詳細表示に切り替わる。
図46は、図45に示す豆情報アイコンCi2をタップすることによって表示された詳細表示の画面を示す図である。
図46に示す詳細表示の画面には、図38に示す豆情報の入力画面に表示されている、豆情報を入力する入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7といったパラメータの入力を受け付ける表示と同じ表示が表示されている。図46では、豆の精製方法を入力する入力欄B6をタップすることで、ソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)SKBが出現し、文字入力が可能な状態になっている。下端に用意された修正アイコンMOiをタップすると、この詳細表示の画面で修正した内容が、データベースに上書きされ、保存される。一方、確認を終え、修正しない場合は、右上に用意された閉じるアイコンCLiをタップすると、図46に示す詳細表示の画面から、図45に示す登録内容の確認画面に戻る。
図45に示す確認画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置されている。また、下端にはOKアイコンOKiが配置されている。このOKアイコンOKiをタップすると、レシピ登録完了画面に移行する。
図47は、レシピ登録完了画面を示す図である。
図47に示す情報表示装置12の表示部には、レシピ登録完了と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、5段階目のツアー完了に到達したことが一目でわかる。レシピ登録完了画面の下端には、ジャンプアイコンJPiが配置されている。このジャンプアイコンJPiをタップすると、図34に示すレシピ管理アプリ一覧が表示された画面に移行する。
以上説明したツアーにおけるレシピ作成方法の特徴的な点をまとめると、図48(a)に示すようになる。
図48(a)は、ツアーにおける特徴的なレシピ作成方法を示すフローチャートである。
図48(a)に示すレシピ作成方法では、まず、第一のステップSt11を実行する。この第一のステップSt11では、図25(A)に示す製造方法といったパラメータの説明を、情報表示装置12の表示部において行う。具体的には、図36に示す説明画面において「飲料製造装置の動きです。」といった文字表示を行う。次いで、製造方法の各種パラメータについて入力受付を行う。具体的には、図37に示す、豆の挽き粒度といったパラメータの入力を受け付ける画面を表示する。この第一のステップSt11では、パラメータの説明とパラメータの入力受付が異なる画面で行われている。
次に、第二のステップSt12を実行する。この第二のステップSt12は、豆情報に関するステップになる。豆情報は、図25(A)に示す原材料情報に相当する。第二のステップSt12では、図38に示す豆情報の入力画面を表示する。この入力画面では、「使いたい豆の情報です。」といったパラメータの説明表示と、豆情報を入力する入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7といったパラメータの入力を受け付ける表示が、同じ画面に表示されている。
最後に、第三のステップSt13を実行する。この第三のステップSt13は、バリスタ情報に関するステップになる。バリスタ情報は、図25(A)に示す考案者等の情報に相当する。第三のステップSt13では、図40に示すバリスタ情報の入力画面を表示する。この入力画面では、「レシピ作成者の情報です。ランキングにも使われます。」といったパラメータの説明表示と、バリスタ情報を入力する、文字入力欄H1、H2及び画像入力欄H3といったパラメータの入力を受け付ける表示が、同じ画面に表示されている。
以上説明したレシピ作成方法では、パラメータの入力を受け付け、次のステップへ移行する際に、受け付けたパラメータは保存される。ここでのレシピ作成方法では、後述するエキスパートのレシピ作成おいて入力可能なパラメータの一部のみを入力し保存する。ここで入力した以外のパラメータについては、入力したパラメータの値に応じて、あるいは標準的な値が図31に示す処理部121aによって自動的に入力され、レシピが完成する。例えば、図48(a)に示す第二のステップSt12における製造方法のパラメータの入力では、総湯量である抽出湯量(注入湯量)と、1回目本給湯量のみを入力し、2回目本給湯量等は未入力であったが、入力された、抽出湯量と1回目本給湯量から、2回目本給湯量を図31に示す処理部121aが算出し、図23を用いて説明したサーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいは情報表示装置12の記憶部121bに記憶させる。
また、以上説明したレシピの作成技術も、ソフトウェアとして利用することができる。
図48(b)は、レシピ作成プログラムの概要を示す模式図である。
図48(b)に示すレシピ作成プログラムRP2は、プログラムを実行する処理部121aと表示画面とを備えた情報表示装置12内で実行され、その情報表示装置12をレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、情報表示装置12上に、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段RP21と、レシピに含まれるパラメータの入力を表示画面において受け付ける受付手段RP22と、取得手段RP21が取得したレシピの一部又は全部を表示画面に表示させる表示制御手段RP23とを構築し、その情報表示装置12に、表示画面によるレシピに含まれる第一のパラメータの説明及び受付手段による第一のパラメータの入力を受け付けた後、表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータの説明及び受付手段による第二のパラメータの入力を受け付けるレシピ作成動作を実行させるレシピ作成プログラムである。
以上の記載では、
『 飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、情報表示装置12あるいは処理部121a]と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して飲料を製造するための処理[例えば、図3に示す各種の弁の開閉制御の処理、粉砕装置5における回転刃の制御の処理、ヒーター72aの駆動制御の処理、コンプレッサ70の駆動制御の処理等]を実行する処理手段[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して飲料を製造する製造手段[例えば、図31に示すアクチュエータ群14(図3に示す粉砕装置5および抽出装置3)]と、
前記レシピに含まれるパラメータの入力を受け付ける受付手段[例えば、図31に示す受付部122]と、
情報を表示可能な表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]と、
を備えた飲料製造装置であって、
前記表示手段によるレシピに含まれる第一のパラメータ[例えば、図25(A)に示す製造方法に関するパラメータ]の説明[例えば、図36に示す画面に表示された「飲料製造装置の動きです。」といった説明]及び前記受付手段による該第一のパラメータの入力[例えば、図37に示す画面における入力]を受け付けた後、該表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータ[例えば、図25(A)に示す原材料情報に関するパラメータ]の説明[例えば、図38に示す画面に表示された「使いたい豆の情報です。」といった説明]及び該受付手段による該第二のパラメータの入力[例えば、図38に示す画面における入力]を受け付けるレシピ作成動作[例えば、ツアーのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成]を実行可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
について説明した。
なお、ここにいう飲料を製造するとは、広義の意味であり、飲料を最終的に製造する他、最終的に製造する前の準備や、中間体の製造等も含まれる。
また、前記製造手段は、複数種類あり、前記レシピは、複数種類の前記製造手段ごとのパラメータを含むものであってもよいし、一つの製造手段に複数種類のパラメータがあり、前記レシピは、一つの製造手段に対する複数種類のパラメータを含むものであってもよい。
また、前記レシピは、サーバから通信ネットワークを経由してダウンロードされたものであってもよい。また、この場合の前記制約とは、ダウンロードが禁止されていることであってもよい。
また、パラメータを含むレシピを取得する取得部[例えば、情報表示装置12あるいはI/F部11c]と飲料を製造するための処理を実行する処理部[例えば、アクチュエータ群14、製造部18]と、前記取得部によって取得されたレシピに含まれているパラメータに従って前記処理部を制御する制御部[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]とを備えた飲料製造装置であってもよい。
また、
『 前記表示手段は、前記受付手段が前記パラメータの入力を受け付けると、該パラメータの入力を受け付けたことを表す表示[例えば、図37に示す現在の入力値であるパラメータの表示PP]を表示するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、該パラメータの入力を受け付けたことを表す表示は、該パラメータの入力値であってもよいし、「入力を受け付けました。」といった表示であってもよい。
また、
『 前記表示手段による前記第一のパラメータの説明の表示と、該表示手段による該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が同時に表示[例えば、図38に示す画面のように一緒の画面に表示]される場合がある、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記表示手段による前記第一のパラメータの説明の表示と、該表示手段による該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示は異なるタイミングで表示[例えば、図36に示す製造方法に関するパラメータの説明の表示と、図37における製造方法に関するパラメータの入力を受け付ける表示とが別々の画面に表示]される場合がある、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記第一のパラメータの説明の表示が先で該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が後であってもよい。あるいは反対に、前記第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が先で該第一のパラメータの説明の表示が後であってもよい。
前記表示手段による前記第二のパラメータの説明の表示と、該表示手段による該第二のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が、同時に表示される場合があってもよいし、異なるタイミングで表示される場合があってもよい。また、前記第一のパラメータの説明の表示と、該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が同時に表示される一方、前記第二のパラメータの説明の表示と、該第二のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示は異なるタイミングで表示される場合があってもよい。
また、
『 前記レシピ作成動作は、前記レシピの作成開始から複数段階[例えば、5段階]を経て該レシピの完成に至るまでの間に実行される動作であり、
前記表示手段は、前記複数段階の内、現在はどの段階まで進んでいるかを表す進行度合いを表示する[例えば、図38等に示す進行度合チャートPCを表示する]ものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記レシピ作成動作は、前記複数段階のうちの或る段階内で行われる動作であってもよいし、前記複数段階のうちの二つの段階にまたがって行われる動作であってもよい。
以上説明した飲料製造装置は、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段と、前記レシピに含まれるパラメータの入力を受け付ける受付手段と、情報を表示可能な表示手段と、を備えた装置であって、前記表示手段によるレシピに含まれる第一のパラメータの説明及び前記受付手段による該第一のパラメータの入力を受け付けた後、該表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータの説明及び該受付手段による該第二のパラメータの入力を受け付けるレシピ作成動作を実行可能である、ことを特徴とする装置。」であってもよく、この装置には、これまで説明した飲料製造装置の特徴を適用することができる。
また、以上の記載では、
『 受付手段[例えば、図31に示す受付部122]と表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]とを備えた飲料製造装置において飲料を製造するためのパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して飲料を製造するための処理[例えば、図3に示す各種の弁の開閉制御の処理、粉砕装置5における回転刃の制御の処理、ヒーター72aの駆動制御の処理、コンプレッサ70の駆動制御の処理等]が含まれたレシピの作成方法であって、
前記表示手段による前記レシピに含まれる第一のパラメータ[例えば、図25(A)に示す製造方法に関するパラメータ]の説明の表示[例えば、図36に示す画面に表示された「飲料製造装置の動きです。」といった説明の表示]、および前記受付手段による該第一のパラメータの入力受付[例えば、図37に示す画面における入力受付]を行う第一のステップ[例えば、図48に示す第一のステップSt11]と、
前記表示手段による前記レシピに含まれる第二のパラメータ[例えば、図25(A)に示す原材料情報に関するパラメータ]の説明の表示[例えば、図38に示す画面に表示された「使いたい豆の情報です。」といった説明の表示]、および前記受付手段による該第二のパラメータの入力受付[例えば、図38に示す画面における入力受付]を行う第二のステップ[例えば、図48に示す第二のステップSt12]と、
を有することを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
また、
『 前記第一のステップは、前記受付手段が前記第一のパラメータの入力を受け付けると、前記表示手段による、該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示[例えば、図37に示す現在の入力値であるパラメータの表示PP]も行うステップであり、
前記第二のステップは、前記受付手段が前記第二のパラメータの入力を受け付けると、前記表示手段による、該第二のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示[例えば、図38に示す入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7の表示]も行うステップである、
ことを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
また、
『 前記第一のステップと前記第二のステップとのうちの少なくともいずれか一方のステップは、パラメータの説明表示が実行されている状態で、該パラメータの入力受付が実行される[例えば、図38に示す画面のように一緒の画面に表示される]ステップである、
ことを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
また、
『 前記第一のステップと前記第二のステップとのうちの少なくともいずれか一方のステップは、パラメータの説明表示が先に実行され該パラメータの説明表示が終了した後で、該パラメータの入力受付が実行される[例えば、図36に示す製造方法に関するパラメータの説明の表示が表示され、該説明の表示が終了した後、図37における製造方法に関するパラメータの入力を受け付ける表示が表示される]ステップである、
ことを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
例えば、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。また、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が先に実行され該第一のパラメータの説明表示が終了した後で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が先に実行され該第二のパラメータの説明表示が終了した後で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。また、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が先に実行され該第二のパラメータの説明表示が終了した後で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。また、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が先に実行され該第一のパラメータの説明表示が終了した後で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。
また、「プログラムを実行する処理部[例えば、処理部121a]と表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]とを備えた装置[例えば、情報表示装置12]内で実行され、該装置をレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、
前記装置上に、
飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、図48(b)に示す取得手段RP21]と、
レシピに含まれるパラメータの入力を受け付ける受付手段[例えば、図48(b)に示す受付手段RP22]と、
前記取得手段が取得したレシピの一部又は全部を前記表示手段に表示させる表示制御手段[例えば、図48(b)に示す表示制御手段RP23]とを構築し、該装置に、前記表示手段によるレシピに含まれる第一のパラメータの説明及び前記受付手段による該第一のパラメータの入力を受け付けた後、該表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータの説明及び該受付手段による該第二のパラメータの入力を受け付けるレシピ作成動作を実行させることを特徴とするレシピ作成プログラム[例えば、図48(b)に示すレシピ作成プログラムRP1]」。であってもよい。
なお、以上の説明の中で、~手段と表現した構成要件はいずれも、~部に置き換えることができる。
続いて、エキスパートのレシピ管理アプリケーションについて説明する。図34に示すエキスパートアイコン120eiをタップすると、情報表示装置12の表示部には、パラメータ名とその設定値が1行ずつ表示された表と、図46に示すソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)SKBが表示される。
図49は、エキスパートのレシピ作成において入力可能なパラメータ名を示す図である。
エキスパートのレシピ管理アプリケーションを用いたレシピの作成では、ツアーのレシピ管理アプリケーションを用いたレシピの作成では入力することができなかったパラメータについても入力が可能になる。図49に示すパラメータ名は、エキスパートにおけるレシピ作成で入力することができるパラメータ名の一例であり、さらに多くのパラメータについて入力することができるようにしてもよい。
エキスパートにおけるレシピ作成では、作成者についての画像のパラメータを除いた各パラメータは、スクリーンキーボードSKBを操作して直接入力される。作成者についての画像は、情報表示装置12に設けられたカメラ1230によって撮影された画像になる。なお、スクリーンキーボードSKBを操作した直接入力に限らず、プルダウンリストからの選択入力を用いてもよい。
エキスパートにおけるレシピ作成では、オンとオフを切り替えることが可能なアシスト機能が設けられている。このアシスト機能をオフしていると、図49に示すパラメータの全てを入力しなければ、レシピが完成しない。一方、アシスト機能をオンにしていれば、入力が必須のパラメータを入力すれば、残りのパラメータについては、入力したパラメータの値に応じて、あるいは標準的な値が図31に示す処理部121aによって自動的に入力され、レシピが完成する。
図49に示すタイプ5には、レシピの制約についての情報が設定される。このタイプ5には、上述した有料アイコンRipによって表される有料レシピの情報や公開禁止の情報も設定されるが、それ以外にも、詳しくは後述する、表示制限付きレシピの情報、複製禁止レシピの情報、改変禁止レシピの情報も設定される。タイプ5に設定されたレシピの制約についての情報は、一度設定されると、変更条件が満足されない限り、設定内容を変更することは許されない。一方、変更条件が満足されれば、自動的に設定内容が変更される場合もあるし、ユーザの操作によって設定内容が変更される場合もある。
次に、レシピの制約について説明する。
図50は、5つのレシピがランキング表示された表示画面を示す図である。
図50に示す表示画面は、図28に示す表示画面と同じように、ランキング第1位には「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dが表示されており、第2位には「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dが表示されている。また、第3位には「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dが表示されている。各簡易表示には、レシピを作成する際に情報表示装置12に設けられたカメラ1230によって撮影された画像Imが表示されている。なお、この画像Imは、情報表示装置12に設けられたカメラ1230以外で撮影された画像であってもよく、レシピを作成する際に撮影された画像に限られない。「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dでは、AAA AAAAAAAという名前のレシピ作成者(個人)の画像が表示されている。一方、「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dでは、レシピ作成者は○○会社(法人)であり、コーヒー豆を撮影した画像が表示されている。
図50に示す表示画面では、図28に示す表示画面とは異なり、第1位の「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dは、グレーアウトの表示態様で表示されており、「課金してください」といった文字表示LMが加えられている。また、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dはグレーアウトの表示態様ではないものの、「表示制限があります」といった文字表示LDが加えられている。一方、第3以下のレシピの簡易表示は、図28に示す表示画面のものと同じである。
図51は、図50に示す、第3位の「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dをタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図51に示す情報表示装置12の表示部には、上部に「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dが表示され、その下に複数のパラメータを表すアイコンが並べられて表示されている。図51に示す表示画面では12個のアイコンI1~I12が上下2段に並べられて表示されている。表示画面の中央下端に表示された次ページアイコンInxをタップすると、複数のパラメータを表すアイコンが並べられた次ページが表示される。すなわち、13個目以降のパラメータを表すアイコンを表示可能である。各アイコンは、パラメータの内容について分かりやすく記号化した図形の上方にパラメータ名が表示され、その図形の下方にはパラメータ(設定値)が表示されている。これらのアイコンのうち、追加給湯量のアイコンI8は、グレーアウトの表示態様で表示されており、具体的な値が表示されていない。グレーアウトの表示態様で表示されたアイコンは、パラメータが設定されていないことを表す。なお、グレーアウトの表示態様で表示されたアイコンの代わりに、他にパラメータが設定されているアイコンを表示するようにしてもよい。図51に示す表示画面では、11個のアイコンの表示によって、レシピの内容の詳細を表示している。ただし、レシピの内容の全部ではなく一部になる。図51に示す表示画面は、図33に示す表示画面と表示態様が異なる表示画面である。
図51に示す表示画面の下端には、戻るアイコンIrと抽出アイコンIdが用意されている。戻るアイコンIrをタップすると、図50に示すランキング表示された表示画面に戻る。抽出アイコンIdをタップすると、このレシピ名のコーヒー飲料の値段が表示された会計画面に切り替わり、会計情報が不図示のPoint of sale(POS)システムに送信され、POSシステムでは会計処理が実行される。また、飲料製造装置1では、図11に示すコーヒー製造の処理が開始される。
一方、11個のパラメータを表すアイコンの表示をタップすると、入力ウィンドゥが出現し、パラメータ(設定値)を変更することができる。
図52は、1回目本給湯量のアイコンI5をタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図52に示す情報表示装置12の表示部には、12個のパラメータを表すアイコンI1~I12にオーバーラップするように入力ウィンドゥIW1が表示されている。この入力ウィンドゥIW1には、修正可能範囲の最大値(MAX 60)と最小値(MIN 10)が表示され、最大値と最小値の間の数値が1間隔で並べられた数列W1が表示されている。その数列W1の中央には、入力枠W2が配置されており、図52に示す入力ウィンドゥIW1では、入力枠W2に42が位置している。スワイプ操作によって数列W1を移動させることができ、入力枠W2の数値を変更することができる。下部に用意された決定アイコンW3をタップすると、入力枠W2に位置している数値がパラメータ(設定値)としてデータベースに記憶され、入力ウィンドゥIW1は消える。こうして、データベースにそれまで記憶されていたパラメータは新たなパラメータに上書きされ、パラメータの修正が完了する。
以上説明した、複数のパラメータを表すアイコンが並べられて表示されている画面から、入力ウィンドゥIW1を出現させ、パラメータ(設定値)を入力する操作は、パラメータの修正における操作であったが、新規レシピの作成でも同様である。すなわち、図34に示すスタンダードアイコン120siをタップすることで開始される、スタンダードのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成においても、同様な操作で、パラメータ(設定値)が入力され、データベースに記憶されていく。スタンダードにおける新規レシピの作成画面でも、例えば、図51に示す12個のパラメータを表すアイコンI1~I12が表示される。ここで、パラメータが設定されていないアイコンは、図51に示す追加給湯量のアイコンI8のように、グレーアウトの表示態様で表示されており、具体的な値が表示されていない。パラメータの入力では、アイコンをタップすると、図52に示すような入力ウィンドゥIW1が出現し、スワイプ操作によってパラメータを変更可能である。レシピ作成者の所望のパラメータが入力枠W2に位置している状態で決定アイコンW3をタップすると、入力枠W2に位置している数値がパラメータ(設定値)としてデータベースに記憶され、入力ウィンドゥIW1は消える。こうして、パラメータの新規設定が行われる。
表示画面の中央下端に表示された次ページアイコンInxをタップして、13個目以降のパラメータについても入力を行うことができる。例えば、次ページアイコンInxを一又は複数回タップして、レシピ作成者の画像をパラメータとするアイコンを表示させることが可能である。このアイコンの入力ウィンドゥIW1では、図40に示す画像入力欄H3が表示されるようにしてもよい。スタンダードにおける新規レシピの作成では、図51に示す、1ページ目に相当する表示画面に表示された12個のパラメータの入力は必須であるが、2ページ目以降の表示画面に表示されるパラメータの入力は任意である。2ページ目以降の表示画面で未入力のパラメータについては、入力されたパラメータの値に応じて、あるいは標準的な値が図31に示す処理部121aによって自動的に入力され、レシピが完成する。完成したレシピは、図23を用いて説明したサーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)の記憶部1303、あるいは情報表示装置12の記憶部121bに記憶される。
次に、図50に示す、グレーアウトの表示態様で表示されている第1位の「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dをタップした場合について説明する。グレーアウトの表示態様で表示されている「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dは、タップしても表示画面上の変化は何もない。すなわち、図51に示す、レシピの内容の詳細を表示する画面に切り替わらず、タップの操作が受け付けられない。図50に示す第1位の「豆A 一押しレシピ」のレシピは、課金を行わない限り使用することができない使用制約の付いたレシピである。この使用制約によって、このレシピの作成者の利益を保護することができる。なお、タップの操作は受け付け、このレシピは課金を行わないと使用することができない有料レシピです。といった旨の説明が表示された表示画面に切り替えてもよい。図50に示す「課金してください」といった文字表示LMは、制約を解除するための条件を報知した表示に相当する。
図32に示す表示画面の右上に用意されたメニューボタン120mをタップすると展開されるメニュー項目には不図示の課金画面が用意されている(図56参照)。この課金画面において、「豆A 一押しレシピ」のレシピに対する課金処理を行うことができる。具体的な一例としては、クレジットカードによる決済処理で課金処理を行い、課金処理が行われたことが、図23を用いて説明したサーバ1201(図31に示すサーバ16に相当)に送信される。サーバ1201の記憶部1303に構築されたレシピ管理データベースにおいて、レシピの制約については管理されている。
図53は、サーバ1201の記憶部1303に記憶された、レシピの制約について管理しているデータを示す図である。
上述のごとく、有料レシピの情報は、各レシピにおけるタイプ5に記録されている。各レシピは、図23に示す飲料情報DB1303aにおいてデータベース化されている。また、この飲料情報DB1303aでは、レシピIDが管理されている。図23に示すユーザ情報DB1303bでは、ユーザIDが管理されている。図23に示す製造履歴DB1303cでは、マシンIDが管理されている。
サーバ1201の記憶部1303では、ユーザIDごとに保有しているマシンIDを管理しており、サーバ1201は、各マシンIDの飲料製造装置1と通信が可能か否かの定期的なチェックを行っている。図53に示すデータでは、ユーザIDが2の者(以下、ID2者という。)が保有する、マシンIDが4の飲料製造装置1(以下、ID4マシンという。)と通信ができなかったため、サーバ1201を運営する運営会社のサービスマンが、ID2者と連絡をとって、通信ができなかった理由を調査中であることが記録されている。
さらに、サーバ1201の記憶部1303では、マシンIDごとに、使用可能なレシピと使用不可能なレシピとをレシピIDで管理している。例えば、レシピID1~20のレシピは、いずれの飲料製造装置1にも販売当初から記憶されているレシピである。飲料製造装置1では、情報表示装置の記憶部121bに、レシピが暗号化して記憶されている。レシピID1~20のレシピうち、レシピID1~15のレシピは使用制約が一切ない使用可能なレシピである。一方、レシピID16~20のレシピは、課金をしなければ使用することができない使用制約が付いたレシピである。使用制約が付いたレシピは飲料製造装置1に記憶されていても、使用制約解除コードが入力されないと、コーヒー飲料の製造に使用することができない仕組みになっている。使用制約解除コードはマシンIDごとに生成されるコードであり、他のマシンIDの飲料製造装置1に入力しても無効となるコードである。
例えば、ユーザIDが1の者(以下、ID1者という。)が、マシンIDが2の飲料製造装置1(以下、ID2マシンという。)で、レシピID16についての課金処理を行った場合、サーバ1201に、ID2マシンでレシピID16についての課金処理が行われたことが送信されてくる。これを受信したサーバ1201では、ID2マシンにおける使用不可能レシピIDからレシピID16を削除し、ID2マシンにおける使用可能レシピIDにレシピID16を追加する。そして、サーバ1201は、ID2マシンに、レシピID16のレシピの使用制約解除コードを送信し、これを受信したID2マシンでは、使用制約解除コードが入力されてレシピID16のレシピの使用が可能になる。
なお、使用制約が付いたレシピは、図50に示すような簡易表示ができるデータしか飲料製造装置1に記憶されておらず、課金処理が行われたことで、サーバ1201から、使用制約解除コードの代わりに、レシピ全体のデータが送信され、そのレシピに従った製造が可能になるようにしてもよい。
さらに、図53に示すデータについて補足すると、ID1者は、レシピID32をID2マシンで作成する。レシピ作成時にレシピID32は、課金をしなければ使用することができない使用制約が付いたレシピとして登録する。ID2マシンでは、レシピID32はそのマシンで作成したレシピであるため、使用可能であり、サーバ1201の記憶部1303における管理では、使用可能レシピIDに登録される。ただし、ID1者の他のマシン(マシンID1の飲料製造装置1とマシンID3の飲料製造装置1)であっても、レシピID32は使用可能レシピIDに登録されていない。なお、ユーザIDが同じ他のマシンに対しては、サーバ1201経由で、レシピID32のレシピデータを送信し、使用可能にしてもよい。ID1者が作成したレシピID32は、使用制約付きレシピとして一般公開される。例えば、図50に示すような簡易表示ができるデータや、図33に示すレシピ情報として一般公開されるが、製造に必要なパラメータの全部は公開されない。ユーザIDが3の者(以下、ID3者という。)は、レシピID32のレシピの一般公開を見て、マシンID5の飲料製造装置1(以下、ID5マシンという。)で、レシピID32の課金処理を行い、ID5マシンにおいてレシピID32のレシピが使用可能になっている。
ID2者は、レシピID23をID4マシンで作成する。レシピ作成時にレシピID23は使用制約がないレシピとして登録する。このレシピID23も、一般公開され、ID3者は、自分が保有する2台のマシンそれぞれ(ID5マシンとマシンID6の飲料製造装置1)に、サーバ1201からレシピID23を無料でダウンロードし、使用可能になっている。
なお、使用可能なレシピであっても、一定期間ごとに通信確認コードが入力されないと、使用できなくなるようにしてもよい。あるいは、飲料製造装置1の製造処理自体が、一定期間ごとに通信確認コードが入力されないと、実行できないようにしてもよい。通信確認コードは、サーバ1201が行う、各マシンIDの飲料製造装置1と通信が可能か否かの定期的なチェック時に、サーバ1201から送信されてくる。こうしておくことで、飲料製造装置1がユーザとともに行方不明になってしまった場合でも、飲料製造装置1の価値やレシピの価値を守ることができる。
次に、図50に示す、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dをタップした場合について説明する。
図54は、図50に示す、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dをタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図54に示す情報表示装置12の表示部には、上部に「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dが表示され、その下に複数のパラメータを表すアイコンが並べられて表示されている。図54に示す表示画面では12個のアイコンI1~I12が上下2段に並べられて表示されている。なお、表示画面の中央下端に表示された次ページアイコンInxをタップして、13個目以降のパラメータを表すアイコンが表示された次ページを表示可能である。
図50に示す、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dには、「表示制限があります」といった文字表示LDが加えられていた。図54に示す表示画面では、湯量に関するパラメータのアイコンI4~I7について、パラメータ(設定値)が非表示になっている。図50のランキング表示の画面における「表示制限があります」といった文字表示LDは、湯量に関するパラメータについて表示されないといった制限があることを示唆していたことになる。ユーザは、その他の表示モードで湯量に関するパラメータを調べようとしても、いずれの表示モードであっても、湯量に関するパラメータは表示されない。ここでの表示制限は、レシピの秘密、特に製造条件の秘密を守るための制限であり、レシピの使用は可能である。すなわち、図50に示す抽出アイコンIdをタップしても、このレシピ名のコーヒー飲料の値段が表示された会計画面に切り替わり、会計情報が不図示のPoint of sale(POS)システムに送信され、POSシステムでは会計処理が実行される。また、飲料製造装置1では、図11に示すコーヒー製造の処理が開始される。なお、ここでの表示制限は、レシピを構成するパラメータの一部を対象としていたが、全部のパラメータを対象にしてもよい。また、表示制限は、図25(A)に示す製造方法についてのパラメータ全部を対象にしてもよい。
レシピの一部又は全部のパラメータの表示制限は、レシピ作成時にレシピ作成者が設定することができる。表示制限付きレシピの情報は、タイプ5に設定される。なお、課金をしなければ使用することができない使用制約が付いたレシピに、課金がされた場合であっても表示制限を付けることは可能である。
レシピの制約には、表示制限の他に、改変禁止の制約や複製禁止の制約がある。改変禁止の制約や複製禁止の制約も、レシピ作成時にレシピ作成者が設定することができる。改変禁止の制約付きレシピの情報や複製禁止の制約付きレシピの情報は、タイプ5に設定される。なお、課金をしなければ使用することができない使用制約が付いたレシピに、課金がされた場合であっても、改変禁止の制約や複製禁止の制約を付けることは可能である。
改変禁止の制約が付いているレシピの内容を表示させた場合にも、図51に示す複数のパラメータを表すアイコンI1~I12は表示される。
図55は、改変禁止の制約が付いているレシピの1回目本給湯量のアイコンI5をタップした場合の画面を示す図である。
図55に示す情報表示装置12の表示部には、図52に示す情報表示装置12の表示部とは異なり、入力ウィンドゥIW1は表示されておらず、代わりに、変更禁止ウィンドゥRWが出現している。この変更禁止ウィンドゥRWでは、図52に示す数列W1は表示されず、既に設定されているパラメータの値(ここでは40)のみが表示され、変更できません。といった文字表示が表示されている。変更禁止ウィンドゥRWは所定時間表示された後、自動的に消え、情報表示装置12の表示部は、図51に示す表示画面に戻る。ここでの改変禁止の制約は、レシピ作成者のレシピが忠実に再現されることを保証するためのものである。例えば、世界的に有名なバリスタが作成したレシピが、そのバリスタの許可を得ずに勝手に修正されてコーヒー飲料を販売した場合、そのコーヒー飲料は、もはや、世界的に有名なバリスタが抽出したコーヒー飲料を再現したものではなく、味や香りが異なることによって、そのバリスタの名誉に傷が付いてしまう場合がある。改変禁止の制約は、このようなことを防ぐ意味もある。
なお、ここでの改変禁止の制約は、レシピを構成するパラメータの一部を対象にしてもよいし、全部のパラメータを対象にしてもよい。また、改変禁止の制約は、図25(A)に示す製造方法についてのパラメータ全部を対象にしてもよい。
図56は、図33に示す表示画面において、右上に用意されたメニューボタン120mをタップすることによってメニュー項目が展開されている様子を示す図である。
図56に示す情報表示装置12の表示部に表示されたメニュー項目MEには、ホーム画面(例えば、図32に示すレシピ一覧の表示画面)に戻る項目ME1と、ランキング表示(例えば、図28~図30に示すランキング表示)を表示させる項目ME2と、図34に示すレシピ管理アプリ一覧を表示させる項目ME3と、上述の課金画面を表示させる項目ME4と、現在表示されているレシピ情報のレシピ(ここでは「だいとブレンド」のレシピ)を複製するレシピコピーの項目ME5と、その他の項目ME6が用意されている。これらの項目のうち、レシピコピーの項目ME5はグレーアウトの表示態様で表示されており、レシピコピーの項目ME5の項目をタップしても、「だいとブレンド」のレシピに含まれるパラメータの値をコピーすることができない。すなわち、「だいとブレンド」のレシピには、複製禁止の制約が付けられている。レシピのコピーは、コピーしたレシピを参考に新たなレシピを作成する場合等に利用される。例えば、自分自身が以前に作成したレシピを、そのレシピはそのまま残しながら修正を加えたい場合に、レシピのコピーができると便利である。しかしながら、レシピの改変と同じく、自分以外のレシピ、特に有名なバリスタが作成したレシピを参考に新たなレシピを作成する行為をレシピの盗用と見た場合には、このような行為は禁止されるべきである。複製禁止の制約は、このような行為を禁止するための手段として用いられる場合がある。
図55を用いて説明したように、レシピには改変禁止の制約が付いているものもがあるが、積極的に修正を促す場合があるパラメータもある。例えば、飲料製造装置1が設置された環境によっては、パラメータを修正した方が良い場合がある。飲料製造装置1では、図18、図19、および図20に示すように、抽出容器9内の気圧を正確に制御しようとしている。気圧は、飲料製造装置1が設置された場所の標高によって変化する。このため、図31に示す飲料製造装置1では、気圧センサ124からのセンサ信号に応じて、抽出容器9に供給する加圧流体の圧力を修正する。
図57は、図18に示す期間T11におけるコンプレッサ70からの空気圧による送出圧力のパラメータを修正する表示画面を示す図である。
図51に示す送出圧力のアイコンI12をタップすると、情報表示装置12の表示部に、図57に示す入力ウィンドゥIW2が出現する。図57に示す入力ウィンドゥIW2にも、図52に示す入力ウィンドゥIW1と同じく、修正可能範囲の最大値(MAX 3.0)と最小値(MIN 1.2)が表示され、最大値と最小値の間の数値が0.1間隔で並べられた数列W4が表示されている。その数列W4の中央には、入力枠W2が配置されており、図57に示す入力ウィンドゥIW2では、入力枠W2に2.0が位置している。ユーザは、スワイプ操作によって数列W4を移動させることができ、入力枠W2の数値を修正可能範囲内で所望の値に変更することができる。さらに、図57に示す入力ウィンドゥIW2では、右下に、気圧補正アイコンW5が用意されている。この気圧補正アイコンW5をタップすると、飲料製造装置1が設置された場所の標高に応じた気圧補正が行われる。飲料製造装置1の設置場所の標高が高くなればなるほど気圧は低下するため、例えば、この飲料製造装置1の圧力管理が標高0mの気圧を基準にしたものであると、気圧補正でも、飲料製造装置1の設置場所の標高が0mよりも高くなればなるほどパラメータの値を低くする補正が行われる。反対に、飲料製造装置1の設置場所の標高が0mよりも低くなればなるほどパラメータの値を高くする補正が行われる。
なお、飲料製造装置1の設置環境として、温度や湿度もコーヒー飲料の味や香りに影響を及ぼす場合がある。設置環境の温度に応じて、蒸らし湯量や蒸らし時間、湯タンク温度等を補正してもよい。また、設置環境の湿度に応じて、蒸らし湯量や蒸らし時間等を補正してもよい。さらには、飲料製造装置1が設置されている地域の水の硬度やpHも設置環境に含まれる。水の硬度やpHに応じて、豆量や注入湯量等を補正してもよい。
以上の記載では、
『 飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、情報表示装置12あるいは処理部121a]と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して飲料を製造するための処理[例えば、図3に示す各種の弁の開閉制御の処理、粉砕装置5における回転刃の制御の処理、ヒーター72aの駆動制御の処理、コンプレッサ70の駆動制御の処理等]を実行する処理手段[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して飲料を製造する製造手段[例えば、図31に示すアクチュエータ群14(図3に示す粉砕装置5および抽出装置3)]と、
を備えた飲料製造装置であって、
前記取得手段は、制約が付いたレシピ[例えば、使用禁止の制約、一部又は全部の表示禁止の制約、改変禁止の制約、複製禁止の制約等]を取得可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
について説明した。
なお、ここにいう飲料を製造するとは、広義の意味であり、飲料を最終的に製造する他、最終的に製造する前の準備や、中間体の製造等も含まれる。
また、前記製造手段は、複数種類あり、前記レシピは、複数種類の前記製造手段ごとのパラメータを含むものであってもよいし、一つの製造手段に複数種類のパラメータがあり、前記レシピは、一つの製造手段に対する複数種類のパラメータを含むものであってもよい。
また、前記制約が付いたレシピは、サーバから通信ネットワークを経由してダウンロードされたものであってもよい。また、この場合の前記制約とは、ダウンロードが禁止されていることであってもよい。
また、パラメータを含むレシピを取得する取得部[例えば、情報表示装置12あるいはI/F部11c]と飲料を製造するための処理を実行する処理部[例えば、アクチュエータ群14、製造部18]と、前記取得部によって取得されたレシピに含まれているパラメータに従って前記処理部を制御する制御部[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]とを備えた飲料製造装置であってもよい。
また、
『 前記制約が付いたレシピを記憶した記憶手段[例えば、情報表示装置12の記憶部121b]を備え、
前記取得手段[例えば、情報表示装置12の処理部121a]は、前記記憶手段から前記制約が付いたレシピを取得するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記制約とは、前記レシピを使用して飲料を製造することが不可能なこと[例えば、課金をしなければ使用することができない使用制約のこと]である[例えば、図50に示すグレーアウトの表示態様で表示され、「課金してください」といった文字表示LMが加えられた、第1位の「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804d]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記制約とは、前記表示手段に前記レシピを表す情報の一部[例えば、湯量に関するパラメータ]又は全部が表示されないことである[例えば、図54に示す、湯量に関するパラメータのアイコンI4~I7について、パラメータ(設定値)が非表示になっている]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記制約とは、前記レシピの複製を作成することを禁止することである[例えば、図56に示す、グレーアウトの表示態様で表示されレシピコピーの項目ME5]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記制約が付いたレシピは、課金することで該制約が付いていないレシピ[例えば、図53におけるユーザIDが3の者が保有するマシンID5の飲料製造装置で使用可能になったレシピID32のレシピ]になる、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記制約とは、前記レシピの内容の一部又は全部を改変することを禁止する[例えば、図55に示す変更禁止ウィンドゥRWを出現させ、「変更できません。」といった文字表示を表示する]ことである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記パラメータは、この飲料製造装置の設置環境[例えば、標高]に応じて調整可能なものである[例えば、図57に示す気圧補正アイコンW5をタップすることによる補正]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記設置環境には、温度、湿度、設置されている地域の水の硬度やpHも含まれる。
『 前記レシピは、暗号化されたものである[例えば、情報表示装置の記憶部121bに記憶されたレシピは暗号化されている]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、以上説明した飲料製造装置は、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段を備えた装置であって、前記取得手段は、制約が付いたレシピを取得可能である、ことを特徴とする装置。」であってもよく、この装置には、これまで説明した飲料製造装置の特徴を適用することができる。この装置としては、給湯機能を持ったコーヒーメーカー等の飲料製造装置であってもよい。あるいは、製造機能を持っていない電子機器(例えば、携帯端末)であってもよい。さらには、粉砕装置5であってもよい。
また、以上の説明の中で、~手段と表現した構成要件はいずれも、~部に置き換えることができる。
続いて、エラー判定の工夫について説明する。
上述のごとく、図31に示す制御装置11から情報表示装置12の制御部121には、応答信号や監視結果といったログが送信され、制御部121に記憶される。なお、一部のログは、所定間隔(例えば、500m秒の間隔)ごとに制御装置11から制御部121に送信される。
図31に示す情報表示装置12の制御部121は、エラー判定を行う。制御部121には、エラー判定を行うための基準値や条件等が記憶されている。例えば、制御部121は、取得したモニタ信号やセンサ信号が表す値が基準値以上であれば、エラーが発生していると判定したり、反対に、エラーは発生していないと判定したりする。また、制御部121には、レシピも記憶されている。制御部121では、制御装置11から送られてきた情報と製造条件とから、エラーが発生しているか否かを判定する場合もある。あるいは、複数の監視結果を用いてエラーが発生しているか否かを判定する場合もある。
図58(a)は、図11に示すグラインド処理(ステップS2)の実行中に情報表示装置12に表示される表示画面を示す図である。
この表示画面の右側半分には、図1に示す飲料製造装置1の模式図で構成されたアニメーション12AMが表示されている。このアニメーション12AMでは、図2に示すキャニスタ40の模式図40M、集合搬送部42の模式図42M、粉砕装置5の模式図5M、分離装置6の模式図6M、抽出容器9の模式図9M、および図3に示すカップCの模式図CMが表示されている。アニメーション12AMは、実際のコーヒー飲料の製造処理に合わせて、現在どの処理が行われているかがわかるように表示される。図58(a)に示す表示画面では、粉砕装置5の模式図5Mでコーヒー豆の粉砕が行われている様子が表示されている。また、表示画面の左側には、現在行われている処理を文字表示する文字表示領域12CAが設けられている。図58(a)に示す表示画面では、その文字表示領域12CAに「グラインド実行中」の文字が表示されている。
図58(b)は、図31に示す情報表示装置12の制御部121に記憶されているエラー判定の基準値のテーブルを示す図である。
上述のごとく、粉砕装置5には、駆動源であるモータと、そのモータにより駆動される回転刃等が設けられており、回転刃の回転数を変化させることで粉砕される焙煎コーヒー豆の大きさ(粒度)を変化可能である。回転刃が空転しているときよりも、回転刃が焙煎コーヒー豆を粉砕しているときの方が、モータの電流値は上昇する。また、焙煎コーヒー豆の種類や、焙煎コーヒー豆の焙煎度により、焙煎コーヒー豆の硬さは異なる。焙煎コーヒー豆を粉砕しているときモータの電流値は、焙煎コーヒー豆が硬いほど、高くなる。図58(b)に示すテーブルでは、焙煎コーヒー豆を粉砕しているときモータの値の基準値が、豆の種類(豆A,豆B・・・)と3段階の焙煎度(浅煎り、中煎り、深煎り)別にそれぞれ規定されている。ここでの電流値の基準値は、一定期間(例えば、10秒)における電流値の累積値(例えば、250m秒ごとの累積値)である。
また、図58(b)では、わかりやすくするために、焙煎コーヒー豆と基準値のテーブルを示したが、実際には、豆の種類や、3段階の焙煎度といった情報は、コーヒー飲料を製造するための各種の製造条件(レシピ)としてまとめられており、モータの電流値の基準値も、レシピの中に含まれている。
制御装置11は、グラインドが実行されている間、所定間隔(例えば、250msの間隔)で、上記モータの電流値を表す値が含まれたモニタ信号を取得する。制御装置11は、モニタ信号を取得する度に、そのモニタ信号に含まれている上記モータの電流値を表す値を監視結果(ログ)として、情報表示装置12の制御部121に送信する。
情報表示装置12の制御部121では、受付部122における受付操作から、現在使用されているレシピを把握している。したがって、制御部121は、いずれの焙煎コーヒー豆のグラインドが行われているかも、そのレシピから取得可能であるし、現在グラインドが行われている焙煎コーヒー豆に対応した、モータの電流値の基準値も、そのレシピから取得可能である。制御部121は、監視結果が送信されてくる度、監視結果として送信されてきた値を加算していき、一定期間(例えば、10秒)における電流値の累積値(例えば、250m秒ごとの累積値)を算出する。累積値が算出されると、その累積値が基準値を下回っていないか否かを確認し、累積値が基準値を下回った場合には、粉砕装置5は焙煎コーヒー豆を粉砕していないことになり、豆なしエラーが発生していると判定する。コーヒー飲料の製造にあたっては、最後の濾過式抽出(図11に示すステップS17)の際に抽出容器9内を加圧し、コーヒー飲料の送出を促進させることが行われる。焙煎コーヒー豆がない状態でコーヒー飲料の製造を続けていくと、この送出の際に挽き豆の堆積による抵抗がなく、お湯が相当な勢いで抽出容器9から噴出し、危険である。このため、制御部121は、豆なしエラーが発生していると判定すると、その判定結果を制御装置11に送信し、制御装置11は、粉砕装置5のモータの回転を停止させる制御信号を製造部18に送信する。この結果、粉砕装置5のモータは回転を停止させる。また、制御部121は、豆なしエラーが発生していると判定すると、エラー表示を行うことを指示する制御信号を受付部122に送信する。
図59は、グラインド処理の実行中に情報表示装置12に表示されるエラー表示の例を示す図である。
図58(a)に示す表示画面にオーバーラップするようにエラー表示が表示される。すなわち、図59に示す情報表示装置12の表示画面には、粉砕装置5の模式図5Mにオーバーラップするように「豆なしエラー」の文字が記されたエラー表示12EBが表示されている。また、「グラインド実行中」の文字が表示されている文字表示領域12CAにオーバーラップするように「非常停止中」の文字表示12ESが表示されている。
制御部121が豆なしエラーが発生していると判定すると、再度、一番最初からのコーヒー飲料の製造指示が出されるまで、飲料製造装置1は停止状態を維持する。
なお、ここでの例では、電流値で判定したが、電流値に限らず、電気的パラメータの値であればよく、例えば、消費電力の値であってもよい。また、一定期間における累積値で判定したが、一定期間における、最大値であってもよいし、最小値であってもよいし、平均値であってもよい。
図60は、図11に示す蒸らし用注湯処理(ステップS11)の実行中に情報表示装置12に表示される表示画面を示す図である。
蒸らし用注湯処理では、蓋ユニット91が開いた状態の容器本体90に挽き豆が投入され、蓋ユニット91が閉められた後、挽き豆を蒸らすため、一杯分のお湯よりも少ない量のお湯を抽出容器9に注入する。
図60に示す情報表示装置12の表示画面にも、右側半分に、図1に示す飲料製造装置1の模式図で構成されたアニメーション12AMが表示されている。ここでは、蓋ユニット91の模式図91Mが開いた状態の容器本体90の模式図90Mに挽き豆が投入され、蓋ユニット91の模式図91Mが閉められる様子が表示されている。また、表示画面の左側における文字表示領域12CAには「蒸らし用注湯実行中」の文字が表示されている。
図9の囲み図を用いて説明したように、抽出容器9には、モータ822の駆動力により左右方向に開閉される一対の把持部材821aが設けられている。一対の把持部材821aが閉状態の場合、図9の囲み図において実線で示すように、各把持部材821aは、蓋ユニット91の鍔部911cと容器本体90のフランジ部90cとを上下に挟み込むようにしてこれらに嵌合し、蓋ユニット91が容器本体90に対して気密にロックされる。一方、蓋ユニット91を開くには、一対の把持部材821aを開状態にする必要がある。抽出容器9には、一対の把持部材821aが、開状態の位置にあることを検出する開状態検出センサと、閉状態の位置にあることを検出する閉状態検出センサが設けられている。制御装置11は、蒸らし用注湯処理が開始されると、一対の把持部材821aを開状態の位置まで移動させる制御信号を製造部18に出力する。制御装置11は、開状態検出センサから一対の把持部材821aを検出したことを表すセンサ信号を取得することで、一対の把持部材821aが開状態の位置に到達したことを確認する。挽き豆を投入するのに必要な投入期間が経過すると、制御装置11は、開状態の位置にある一対の把持部材821aを閉状態の位置まで移動させる制御信号を製造部18に出力する。飲料製造装置1が電源投入されると実行される初期動作においても、開状態の位置にある一対の把持部材821aを閉状態の位置まで移動させることが行われる。制御装置11は、初期動作において、一対の把持部材821aを閉状態の位置まで移動させる制御信号を出力してから、閉状態検出センサから一対の把持部材821aを検出したことを表すセンサ信号を取得するまでの時間(到達時間)を計測し、その到達時間を、情報表示装置12の制御部121に送信する。制御部121は、その到達時間を基準時間として記憶する。こうすることで、電源が投入される度に、基準値となる基準時間が、電源投入時の抽出容器9の状態に応じた時間に更新される。すなわち、コーヒー飲料を製造するための各種の製造条件(レシピ)の一部が、飲料製造装置1の個体差に応じて修正される。抽出容器9の状態は、一対の把持部材821aを移動させるモータ822の調子や、動力伝達機構(例えば、ギア列)の噛み合わせ具合や回転抵抗の大きさ等によって変わるため、レシピの一部を修正することによって、より正確にコーヒー飲料を製造することができるようになる。
制御装置11は、蒸らし用注湯処理においても、一対の把持部材821aを閉状態の位置まで移動させる制御信号を出力してから、閉状態検出センサから一対の把持部材821aを検出したことを表すセンサ信号を取得するまでの時間(到達時間)を計測し、その到達時間を監視結果として制御部121に送信する。制御部121では、監視結果として送信されてきた到達時間が、基準時間よりも一定時間以上長ければ、蓋ユニット91に関するエラーが発生していると判定する。ここでの一定時間は、0秒であってもよいが、誤差を考慮してある程度の時間を与えておく。例えば、基準時間が300m秒であって、監視結果の時間が500m秒以上であった場合は、一対の把持部材821aは閉状態にはなったが、閉状態になるまでに200m秒も長く時間がかかっていることになる。これは、蓋ユニット91の鍔部911cまたは容器本体90のフランジ部90cに、挽き豆の残渣等が付着していたことが要因と考えられ、制御部121は、清掃エラーが発生していると判定する。制御部121は、清掃エラーが発生していると判定すると、警告表示を行うことを指示する制御信号を受付部122に送信する。一方で、蓋ユニット91はロックされていることから、蒸らし用注湯処理を中止させる制御信号は製造部18に送信せず、蒸らし用注湯処理を継続させる。制御部121は、判定結果を制御装置11に送信する必要はない。
図60(a)に示す表示画面には、「蒸らし用注湯実行中」の文字が表示されている文字表示領域12CAの下に、その文字表示領域12CAにオーバーラップしないように、清掃を促す警告表示12WCが表示されている。
また、基準時間が300m秒であって、蒸らし用注湯処理において700msが経過しても、制御装置11が閉状態検出センサから一対の把持部材821aを検出したことを表すセンサ信号を取得することができない場合は、監視結果としてタイムオーバの結果を制御部121に送信する。この場合、一対の把持部材821aは閉状態になっておらず、蓋ユニット91はロックされていないことになり、制御部121では、蓋ユニット91のロックエラーが発生していると判定する。制御部121は、蓋ユニット91のロックエラーが発生していると判定すると、その判定結果を制御装置11に送信し、制御装置11は、蒸らし用注湯処理を中止させる制御信号を製造部18に送信する。この結果、蒸らし用注湯処理は中止され、抽出容器9に蒸らし用の注湯が行われることはない。また、制御部121は、蓋ユニット91のロックエラーが発生していると判定すると、エラー表示を行うことを指示する制御信号を受付部122に送信する。
図60(b)は、蒸らし用注湯処理の実行中に情報表示装置12に表示されるエラー表示の例を示す図である。
図60(b)に示す情報表示装置12の表示画面には、蓋ユニット91の模式図91Mや容器本体90の模式図90Mにオーバーラップするように「蓋ユニットロックエラー」の文字が記されたエラー表示12ECが表示されている。また、「蒸らし用注湯実行中」の文字が表示されている文字表示領域12CAにオーバーラップするように「非常停止中」の文字表示12ESが表示されている。
制御部121が蓋ユニット91のロックエラーが発生していると判定すると、マニュアルモードに切り替えるまで、飲料製造装置1は停止状態を維持する。マニュアルモードでは、容器本体90に投入された挽き豆を容器本体90から排出する作業を、飲料製造装置1の管理者が手作業で行う。また、管理者は、一対の把持部材821aが閉状態にならなかった原因を調査する。
なお、この例では、制御装置11が到達時間を計測したが、情報表示装置12の制御部121が到達時間を計測するようにしてもよい。こうする場合には、その制御部121は、制御装置11から、一対の把持部材821aを閉状態の位置まで移動させる制御信号を出力したことを表すログを取得する。また、制御部121は、制御装置11から、閉状態検出センサから一対の把持部材821aを検出したことを表すセンサ信号を取得したことを表すログを取得できるようにしておく。
図61(a)は、図11に示す透過式抽出処理(ステップS17)の実行中に情報表示装置12に表示される表示画面を示す図である。
透過式抽出処理では、反転した抽出容器9内において、コーヒー液がお湯に溶け込んだコーヒー飲料が蓋ユニット91に設けたフィルタを透過してカップCに送出される。
図61(a)に示す情報表示装置12の表示画面にも、右側半分に、図1に示す飲料製造装置1の模式図で構成されたアニメーション12AMが表示されている。ここでは、反転した状態の抽出容器9の模式図9Mから、コーヒー飲料がカップCの模式図CMに送出されている様子が表示されている。また、表示画面の左側における文字表示領域12CAには「透過式抽出実行中」の文字が表示されている。
図18に示すように、透過式抽出処理が実行されている期間T10や期間T11では、抽出容器9内の気圧が目標値に保たれる。抽出容器9内の気圧を目標値に保つには、制御装置11が、期間T10であれば図12等に示す電磁弁728を開閉し、期間T11であれば図3に示す電磁弁73bを開閉する。制御装置11は、期間T10の間、電磁弁728を開放させる弁開放制御信号を出力する。また、制御装置11は、期間T11の間、電磁弁73bを開放させる弁開放制御信号を出力する。制御装置11は、これらの弁開放制御信号を出力すると、弁開放制御信号を出力したことを表す監視結果(ログ)を情報表示装置12の制御部121に送信する。弁開放制御信号は、抽出容器9に供給する流体の供給具合を表すものの一つに相当する。制御部121は、監視結果を受信した回数をカウントし、期間T10における加圧回数のカウント値および期間T11における加圧回数のカウント値をそれぞれ求める。期間T10における加圧回数の基準値や、期間T11における加圧回数の基準値についても、コーヒー飲料を製造するための各種の製造条件(レシピ)の中に含まれている。制御部121は、カウント値が基準値(例えば、20回)を下回っているか否かを確認し、カウント値が基準値を下回っていれば、フィルタが詰まってコーヒー飲料の送出が妨げられているフィルタ目詰まりエラーが発生していると判定する。制御部121は、フィルタ目詰まりエラーが発生していると判定すると、警告表示を行うことを指示する制御信号を受付部122に送信する。一方、透過式抽出処理は終了しており、透過式抽出処理を中止させる制御信号を製造部18に送信する必要はなく、制御部121は、判定結果も制御装置11に送信する必要はない。
図61(b)は、図11に示す透過式抽出処理(ステップS17)が完了すると情報表示装置12に表示される表示画面を示す図である。
図61(b)に示す情報表示装置12の表示画面にも、右側半分に、図1に示す飲料製造装置1の模式図で構成されたアニメーション12AMが表示されている。ここでは、反転した状態の抽出容器9からの抽出が終了し、カップCの模式図CMからは湯気がたっている様子が表示されている。また、表示画面の左側における文字表示領域12CAには「コーヒーが出来上がりました」の文字が表示されている。さらに、その文字表示領域12CAの下に、その文字表示領域12CAにオーバーラップしないように、フィルタの清掃を促す警告表示12WFが表示されている。
なお、加圧回数のカウントは、情報表示装置12の制御部121が行ったが、制御装置11がそのカウントを行い、カウント値を監視結果として制御部121に送信してもよい。この場合には、透過式抽出処理が完了すると、透過式抽出処理が完了するまでの監視結果を制御部121に一括して送信することになる。
以上、3つの処理におけるエラー判定について説明したが、いずれのエラー判定も、製造部18を制御する制御装置11が行うのではなく、情報表示装置12の制御部121が行っているため、制御装置11における処理負荷が低減されている。
なお、ここで説明した処理以外の処理におけるエラー判定についても、情報表示装置12の制御部121が行うようにしてもよい。こうすることで、制御装置11における処理負荷をより低減させることができる。
以上の記載では、
『 操作を受け付ける受付部[例えば、受付部122]を制御する第一の制御部[例えば、制御部121]と、
飲料を製造する製造部[例えば、製造部18]を制御する第二の制御部[例えば、制御装置11]と、
を備え、
前記第二の制御部は、前記製造部における飲料の製造状況を監視し、監視結果[例えば、ログ]を前記第一の制御部に送信するものであり、
前記第一の制御部は、前記監視結果に基づいて、前記製造部においてエラーが発生しているか否かの判定を行うものである、
ことを特徴とする飲料製造装置[例えば、飲料製造装置1]。』
について説明した。
また、
「 操作を受け付ける第一の制御部[例えば、制御部121]と、
飲料を製造するための処理を実行する処理部[例えば、製造部18]と、
前記処理部における処理状況を監視し、監視結果を前記第一の制御部に送信する第二の制御部[例えば、制御装置11]と、
を備え、
前記第一の制御部は、前記監視結果に基づいて、前記処理部においてエラーが発生しているか否かの判定を行うものである、
ことを特徴とする飲料製造装置[例えば、飲料製造装置1]。」
についても説明した。すなわち、上記製造部は処理部に置き換えることができ、以下においても同様である。
また、
「 操作を受け付ける第一の制御部[例えば、制御部121]と、
飲料を製造するための処理を実行する処理部[例えば、製造部18]と、
前記処理部に関する情報を前記第一の制御部に送信する第二の制御部[例えば、制御装置11]と、
を備え、
前記第一の制御部は、前記情報に基づいて、前記処理部においてエラーが発生しているか否かの判定を行うものである、
ことを特徴とする飲料製造装置[例えば、飲料製造装置1]。」
についても説明した。すなわち、監視結果は前記処理部に関する情報に置き換えることができ、以下においても同様である。
なお、前記製造部は、本体に内蔵されたものであり、前記受付部は、前記本体の外周面に取り付けられたものであってもよい。さらに、前記受付部は、前記本体の外周面に、移動可能に取り付けられたものであってもよいし、向きが調製可能に取り付けられたものであってもよい。前記第二の制御部も、前記本体に内蔵されたものであってもよい。前記第一の制御部は、前記受付部と別体のものであってもよいし、一体のものであってもよい。
また、前記製造部が飲料を製造するとは、広義の意味であり、飲料を最終的に製造する他、最終的に製造する前の準備や、中間体の製造等も含まれる。
また、前記エラーは、飲料を製造することができないエラーであってもよいし、現時点では飲料を製造することはできるがこのまま放置するといずれは飲料を製造することができなくなる予防的なエラーであってもよいし、このまま放置しても飲料を製造し続けることができるエラー(例えば、飲料の製造とは全く無関係のエラー)であってもよい。
また、
『 前記第二の制御部は、前記製造部における飲料の製造が完了[例えば、透過式抽出処理が完了]すると、該製造が完了するまでの監視結果[例えば、加圧回数のカウント値]を前記第一の制御部に送信するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記第二の制御部は、前記製造部における飲料の製造中の監視結果[例えば、モータの電流値]を、該製造中に所定の周期[例えば、250m秒の周期]で前記第一の制御部に送信するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の制御部は、前記製造部においてエラーが発生しているという判定結果であった場合に、エラー報知[例えば、図59に示す「豆なしエラー」のエラー表示12EB、図60(b)に示す「蓋ユニットロックエラー」のエラー表示12EC]の実行を指示するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の制御部は、前記製造部においてエラー[例えば、豆なしエラー、蓋ユニットロックエラー]が発生しているという判定結果であった場合に、前記第二の制御部に、該判定結果[例えば、判定結果]を送信するものであり、
前記第二の制御部は、前記判定結果を受信すると、前記製造部における飲料の製造を停止させるものである[例えば、図59に示す例や図60(b)に示す例]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記製造部は、抽出対象を粉砕するもの[例えば、粉砕装置5]であり、
前記第二の制御部は、前記製造部が前記抽出対象を粉砕する際の抵抗に基づいて変化する値[例えば、電流値や消費電力の値であって一定期間における累積値、最大値、最小値、平均値]を監視するものであり、
前記第一の制御部は、前記値が基準値を下回った場合に、前記製造部においてエラー[例えば、豆なしエラー]が発生していると判定するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記第二の制御部は、前記値に関する監視結果を前記第一の制御部に送信するものであって、前記値に関する監視結果は、該値を表すものであってもよいし、該値が前記基準値を下回っているか否かを表すものであってもよい。
また、前記製造部は、電気駆動することで、抽出対象を粉砕するものであり、前記第二の制御部は、前記値として、前記製造部が前記抽出対象を粉砕する際の電気的パラメータの値(例えば、電流値や消費電力の値)を監視するものであってもよい。
また、前記抽出対象は、豆であってもよいし、葉であってもよい。
また、
『 前記第一の制御部は、前記基準値として、前記抽出対象の硬さによって値が異なる基準値[例えば、図58(b)のテーブルに示す基準値(レシピに含まれる基準値)]を用いて、前記判定を行うものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記製造部は、第一の位置[例えば、開状態の位置]から第二の位置[例えば、閉状態の位置]へ移動する移動部材[例えば、一対の把持部材821a]を有するものであり、
前記第二の制御部は、前記移動部材が前記第一の位置から前記第二の位置へ到達するまでの到達時間を監視するものであり、
前記第一の制御部は、前記到達時間が基準時間[例えば、700m秒]を超えた場合に、前記製造部においてエラー[例えば、蓋ユニットロックエラー]が発生していると判定するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記第二の制御部は、前記到達時間に関する監視結果を前記第一の制御部に送信するものであって、前記到達時間に関する監視結果は、該到達時間を表すものであってもよいし、該到達時間が前記基準時間を超えたか否かを表すものであってもよい。
また、前記第一の制御部は、この飲料製造装置に電源が投入されると実行される初期動作における前記移動部材の前記到達時間に基づいて前記基準時間を設定するものであってもよい。
また、
『 前記製造部[例えば、抽出装置3]は、流体[例えば、貯留部725及び726で生成された蒸気やコンプレッサ70からの空気]を供給し[例えば、電磁弁728、電磁弁73b]、液体と抽出対象とから生成された飲料を、該流体の圧力によって送り出すものであり、
前記第二の制御部は、前記流体の供給具合[例えば、電磁弁開放回数(加圧回数)]を監視するものであって、
前記第一の制御部は、前記監視結果に基づいて、前記飲料の送り出しが妨げられているエラー[例えば、フィルタの目詰まりエラー]が発生しているか否かを判定するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記第二の制御部は、前記供給具合に関する監視結果を前記第一の制御部に送信するものであってもよい。
前記製造部は、流体を供給する供給管と、前記供給管に設けられたバルブと、液体と抽出対象とが収容され該供給管が接続した抽出容器とを備えたものであってもよい。さらには、前記抽出容器は、前記飲料が通過するフィルタを備えたものであってもよく、前記第一の制御部は、前記監視結果に基づいて、前記フィルタが目詰まりしているというエラーが発生しているか否かを判定するものであってもよい。
続いて、制御装置11から情報表示装置12の制御部121に送信される、応答信号や監視結果といったログに基づくレシピの修正について説明する。
図62は、図32に示すレシピ一覧の表示画面に修正報告ウィンドゥMW1が表示された様子を示す図である。
図62から図67を用いて説明する例では、図32に示すレシピ一覧の表示画面はホーム画面に相当する。図58を用いて説明したように、図11に示すグラインド処理(ステップS2)を実行した場合に、焙煎コーヒー豆を粉砕しているときのモータの電流値を、情報表示装置12の制御部121は監視している。電流値の累積値が、図58(b)に示す、標準的な飲料製造装置1を基準にした基準値を下回るまではいかないが、所定の範囲内まで近づいた場合には、この飲料製造装置1の粉砕装置5の粉砕能力では、現在の豆挽き粒度の値まで細かく粉砕することは困難であると推定することができる。このため、制御部121は、豆挽き粒度の値を大きな値に変更する修正を行う。すなわち、制御部121は、電流値というログに基づいてパラメータの修正を行う。例えば、「8月のおすすめ#1」のレシピに従ってグラインド処理(ステップS2)を実行した結果、電流値の累積値が、基準値に対して所定の範囲内まで近づいた場合には、制御部121は、そのレシピにおける豆挽き粒度の値を、その値に0.3を加算した値に修正し、修正した値を一旦記憶する。ここで加算する値は、所定値であってもよい。あるいは、電流値の累積値と基準値との差に応じた値であってもよい。すなわち、差が小さいほど大きな値を加算するようにしてもよい。そして、表示部における表示がホーム画面に戻ると、制御部121は、図62に示す修正報告ウィンドゥMW1を表示部に表示し、豆挽き粒度のパラメータを変更したことを報知する。修正報告ウィンドゥMW1の下端には、戻るアイコンW6と確認アイコンW7が用意されている。戻るアイコンW6をタップすると、修正報告ウィンドゥMW1が消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。情報表示装置12の記憶部121bに記憶されている「8月のおすすめ#1」のレシピにおける豆挽き粒度のパラメータは、0.3を加算した値に上書きされる。あるいは、サーバ16で管理されている、この飲料製造装置1のデータベースが修正される。一方、確認アイコンW7をタップすると、情報表示装置12の表示部に入力ウィンドゥIW3が出現する。
図63は、図62に示す確認アイコンW7をタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図63に示す情報表示装置12の表示部では、図62に示す修正報告ウィンドゥMW1が消え、代わりに入力ウィンドゥIW3が表示されている。図63に示す入力ウィンドゥIW3にも、図52に示す入力ウィンドゥIW1と同じく、修正可能範囲の最大値(MAX 0.40)と最小値(MIN 0.10)が表示され、最大値と最小値の間の数値が0.01間隔で並べられた数列W8が表示されている。その数列W8の中央には、入力枠W2が配置されており、図63に示す入力ウィンドゥIW3では、入力枠W2に028が位置している。ユーザは、スワイプ操作によって数列W8を移動させることができ、入力枠W2の数値を修正可能範囲内で所望の値に変更することができる。なお、制御部121によるログに基づく修正前のパラメータの値は0.25であり、この0.25の値は、数列W8の中では、修正前の値であることを表す下線が付されて示されている。下部に用意された決定アイコンW3をタップすると、入力枠W2に位置している数値が、情報表示装置12の記憶部121bに記憶されている「8月のおすすめ#1」のレシピにおける豆挽き粒度のパラメータとして記憶される。あるいは、サーバ16で管理されている、この飲料製造装置1のデータベースが修正される。また、決定アイコンW3をタップすると、入力ウィンドゥIW3は消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。
図64は、レシピ一覧の表示画面に図62に示す修正報告ウィンドゥMW1とは別の修正報告ウィンドゥMW1が表示された様子を示す図である。
図61を用いて説明したように、図11に示す透過式抽出処理(ステップS17)を実行した場合に、加圧回数のカウント値を、情報表示装置12の制御部121は監視している。抽出容器9からのコーヒー飲料の送出が完了しても、パラメータで設定された送出時間の間は弁開放制御信号は繰り返し出力され、加圧が繰り返される。抽出容器9からのコーヒー飲料の送出が完了すると、空打ち状態になり、単位時間当りの加圧回数が増える。送出時間のパラメータは、飲料製造装置1が稼働し始めてから時間が経ち、フィルタがある程度、目詰まりしてきたときの状態を基準に設定されている。フィルタが目詰まりしてくると、抽出容器9からコーヒー飲料を送出し終えるまでの時間は長くなる。このため、送出時間はやや長目に設定されていることになる。図61(b)に示す、フィルタの清掃を促す警告表示12WFが表示されてフィルタの清掃を行った後には、パラメータで設定された送出時間は長すぎることになる。加圧回数のカウント値が、フィルタの目詰まりを確認するための基準回数をある程度大幅に超えた所定回数に到達した場合には、コーヒー飲料の送出が完了し、空打ち状態が何回も繰り返されていると考えられる。そこで、加圧回数のカウント値が所定回数に到達した場合には、制御部121は、送出時間の値を短い時間の値に変更する修正を行う。すなわち、制御部121は、弁開放制御信号の出力というログに基づいてパラメータの修正を行うことになる。ここでの送出時間のパラメータの修正は、特定のレシピに限った修正ではなく、この飲料製造装置1を対象とした全てのレシピに対する修正になる。表示部における表示がホーム画面に戻ると、制御部121は、図64に示す修正報告ウィンドゥMW2を表示部に表示し、全てのレシピについて送出時間のパラメータを変更したことを報知する。この修正報告ウィンドゥMW2の下端にも、戻るアイコンW6と確認アイコンW7が用意されている。戻るアイコンW6をタップすると、修正報告ウィンドゥMW2が消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。情報表示装置12の記憶部121bに記憶されている全てのレシピにおける送出時間のパラメータは、5秒を減算した値に上書きされる。あるいは、サーバ16で管理されている、この飲料製造装置1のデータベースが修正される。一方、確認アイコンW7をタップすると、情報表示装置12の表示部に入力ウィンドゥIW4が出現する。
図65は、図63に示す確認アイコンW7をタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図65に示す情報表示装置12の表示部では、図64に示す修正報告ウィンドゥMW2が消え、代わりに入力ウィンドゥIW4が表示されている。図65に示す入力ウィンドゥIW4には、修正アイコンW9とキャンセルアイコンW10が表示され、ユーザにいずれか一方のアイコンをタップすることを促している。修正アイコンW9をタップすると、情報表示装置12の記憶部121bに記憶されている全てのレシピにおける送出時間のパラメータは、5秒を減算した値に上書きされる。あるいは、サーバ16で管理されている、この飲料製造装置1のデータベースが修正される。一方、キャンセルアイコンW10をタップすると、全てのレシピに対して送出時間のパラメータを変更するこがキャンセルされ、送出時間は元の値のままになる。また、修正アイコンW9がタップされた場合であっても、キャンセルアイコンW10がタップされた場合であっても、入力ウィンドゥIW4は消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。なお、いずれのアイコンもタップされないまま所定時間が経過した場合にも、入力ウィンドゥIW4は消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。この場合には、送出時間のパラメータは修正される。ただし、修正せずに元の値を維持するようにしてもよい。
送出時間のパラメータが短い時間に修正された場合には、コーヒー飲料の製造のサイクルタイム(図11に示す排出処理S4を完了するまでの時間)を短くすることができる。
一方、加圧回数のカウント値が、フィルタの目詰まりを確認するための基準回数を下回るまではいかないが、所定の範囲内まで近づいた場合には、今まできれいであったフィルタに目詰まりが発生し始めたと推定することができる。このため、制御部121は、図18に示す期間T11におけるコンプレッサ70からの空気圧による送出圧力のパラメータを大きな値に変更する修正を行う。すなわち、制御部121は、ここでも、弁開放制御信号の出力というログに基づいてパラメータの修正を行うことになる。ここでの送出圧力のパラメータの修正も、上述の送出時間と同じく、特定のレシピに限った修正ではなく、この飲料製造装置1を対象とした全てのレシピに対する修正になる。表示部における表示がホーム画面に戻ると、制御部121は、修正報告ウィンドゥを表示部に表示し、全てのレシピについて送出圧力のパラメータを変更したことを報知する。
図66は、送出圧力のパラメータを変更したことを報知する修正報告ウィンドゥが表示された例を示す図である。
図66に示す修正報告ウィンドゥMW3では、送出圧力のパラメータの変更を報知するとともに、フィルタの清掃を行った場合には元の値に戻すことを推奨している。この修正報告ウィンドゥMW3の下端にも、戻るアイコンW6と確認アイコンW7が用意されている。戻るアイコンW6をタップすると、修正報告ウィンドゥMW3が消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。情報表示装置12の記憶部121bに記憶されている全てのレシピにおける送出圧力のパラメータは、0.1気圧を加算した値に上書きされる。あるいは、サーバ16で管理されている、この飲料製造装置1のデータベースが修正される。一方、確認アイコンW7をタップすると、情報表示装置12の表示部に入力ウィンドゥIW5が出現する。
図67は、図66に示す確認アイコンW7をタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図67に示す情報表示装置12の表示部では、図66に示す修正報告ウィンドゥMW3が消え、代わりに入力ウィンドゥIW5が表示されている。図67に示す入力ウィンドゥIW5には、修正アイコンW11とキャンセルアイコンW12が表示されている。そしてここでもフィルタの清掃を行った場合には元の値に戻すことを推奨しつつ、いずれか一方のアイコンをタップすることを促している。修正アイコンW11をタップすると、情報表示装置12の記憶部121bに記憶されている全てのレシピにおける送出圧力のパラメータは、0.1気圧を加算した値に上書きされる。あるいは、サーバ16で管理されている、この飲料製造装置1のデータベースが修正される。一方、キャンセルアイコンW12をタップすると、全てのレシピに対して送出圧力のパラメータを変更するこがキャンセルされ、送出圧力は元の値のままになる。また、修正アイコンW11がタップされた場合であっても、キャンセルアイコンW12がタップされた場合であっても、入力ウィンドゥIW5は消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。なお、いずれのアイコンもタップされないまま所定時間が経過した場合にも、入力ウィンドゥIW5は消え、レシピ一覧のホーム画面に戻る。この場合には、送出圧力のパラメータは修正される。ただし、修正せずに元の値を維持するようにしてもよい。
送出圧力のパラメータが高い圧力に修正された場合には、コーヒー飲料が送出されにくくなることを低減させることができる。
なお、ログに基づくパラメータの修正では、確認アイコンW7が用意されており、修正をユーザが確認することができたが、ユーザに確認させることなく修正してもよいし、修正したこと自体もユーザに報知せずに修正してもよい。
また、ログの中の或るコーヒー豆(例えばパナマ産コーヒー豆)からコーヒーを抽出した際の履歴情報に基づいて、別のコーヒー豆(例えばコスタリカ産コーヒー豆)からコーヒーを抽出するレシピを修正するようにしてもよい。例えば、或るコーヒー豆(例えばパナマ産コーヒー豆)からコーヒーを抽出した際の履歴情報を参照してコーヒー送出の時間が閾値より長いと判定された場合、上述のごとく、フィルタの目詰まりが少しずつ発生している可能性があるので、或るコーヒー豆(例えばパナマ産コーヒー豆)からコーヒーを抽出する際だけでなく、別のコーヒー豆(例えばコスタリカ産コーヒー豆)からコーヒーを抽出する際のレシピにおけるコーヒー送出の圧力を5%高くする等、レシピ通りではなく、履歴情報(ログ)に基づいて一部がレシピとは異なる飲料製造動作によってコーヒーを抽出するようにしてもよい。
また、履歴情報(ログ)に基づいて一部がレシピとは異なる飲料製造動作によってコーヒーの抽出を行った際には、レシピとは一部が異なる飲料製造動作を行ったことに関する情報を当該抽出の履歴情報(ログ)内に含めてもよいし、当該履歴情報(ログ)と関連づけて蓄積するようにしてもよい。
また、一部の飲料製造動作を履歴情報(ログ)に基づいてレシピとは異ならせてコーヒーの抽出を行った際には、レシピ通りの飲料製造動作によるコーヒーの抽出の際とは異なる態様によって、レシピ通りのコーヒーの抽出ではないことを報知してもよい。例えば、レシピ通りの飲料製造動作によるコーヒーの抽出の際はコーヒーの抽出完了までの時間を黒色の数字で表示するが、履歴情報(ログ)に基づいて一部がレシピとは異なる飲料製造動作によるコーヒーの抽出の際はコーヒーの抽出完了までの時間を赤色の数字で表示するようにしてもよい。
また、ログに基づいて修正するパラメータの種類は、ここで説明した、豆挽き粒度、送出時間、および送出圧力に限られることはない。
以上の記載では、
『 飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、情報表示装置12あるいは処理部121a]と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して飲料を製造するための処理を実行する処理手段[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して飲料を製造する製造手段[例えば、図31に示すアクチュエータ群14(図3に示す粉砕装置5および抽出装置3)]と、
を備えた飲料製造装置であって、
前記処理手段は、該処理手段及び前記製造手段のうちの少なくとも一方に関するログ[例えば、制御装置11から情報表示装置12の制御部121に送信されてくる、応答信号や監視結果]に基づいて修正されたパラメータ[例えば、図62に示す例における豆挽き粒度、図64に示す例における送出時間、図66に示す送出圧力]を参照して飲料を製造するための処理を実行可能なものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
について説明した。
なお、ここにいう飲料を製造するとは、広義の意味であり、飲料を最終的に製造する他、最終的に製造する前の準備や、中間体の製造等も含まれる。
また、前記製造手段は、複数種類あり、前記レシピは、複数種類の前記製造手段ごとのパラメータを含むものであってもよいし、一つの製造手段に複数種類のパラメータがあり、前記レシピは、一つの製造手段に対する複数種類のパラメータを含むものであってもよい。
また、前記レシピは、サーバから通信ネットワークを経由してダウンロードされたものであってもよい。また、この場合の前記制約とは、ダウンロードが禁止されていることであってもよい。
また、パラメータを含むレシピを取得する取得部[例えば、情報表示装置12あるいはI/F部11c]と飲料を製造するための処理を実行する処理部[例えば、アクチュエータ群14、製造部18]と、前記取得部によって取得されたレシピに含まれているパラメータに従って前記処理部を制御する制御部[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]とを備えた飲料製造装置であってもよい。
また、
『 前記ログを取得する第二の処理手段[例えば、情報表示装置12の処理部121a]を備え、
前記第二の処理手段は、前記処理手段が参照するパラメータを、取得した前記ログ[例えば、焙煎コーヒー豆を粉砕しているときのモータの電流値、透過式抽出処理(ステップS17)における弁開放制御信号]に基づいて修正するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記パラメータを修正するか否かをユーザに選択させる選択表示[例えば、図63に示す入力ウィンドゥIW3における表示、図65に示す入力ウィンドゥIW4における表示、図67に示す入力ウィンドゥIW5における表示]を表示する表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記第二の処理手段は、取得したログに基づいて、前記表示手段に前記選択表示を表示させるものであり、
ユーザが前記選択表示において前記パラメータを修正することを選択した場合[例えば、図63に示す、入力枠W2に028が位置している状態で決定アイコンW3をタップした場合や、図65に示す修正アイコンW9をタップした場合や、図67に示す修正アイコンW11をタップした場合]には、前記第二の処理手段が該パラメータを前記ログに基づいて修正し、前記処理手段が修正されたパラメータを参照して飲料を製造するための処理を実行し、
ユーザが前記選択表示においてパラメータを修正することを選択しなかった場合[例えば、図63に示す、入力枠W2に025が位置している状態で決定アイコンW3をタップした場合や、図65に示すキャンセルアイコンW10をタップした場合や、図67に示すキャンセルアイコンW12をタップした場合]には、前記処理手段が修正されていないパラメータを参照して飲料を製造するための処理を実行する、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記パラメータを記憶した記憶手段[例えば、情報表示装置12の記憶部121b]を備え、
前記第二の処理手段[例えば、情報表示装置12の処理部121a]は、前記記憶手段から前記パラメータを取得するものであり、
前記記憶手段は、前記第二の処理手段によって修正されたパラメータを新たに記憶するものである、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
ここにいう新たに記憶するとは、上書きであってもよいし、追記であってもよい。
また、
『 液体と抽出対象が収容される抽出容器[例えば、抽出容器9]を備え、
前記製造手段は、前記抽出容器に流体を所定時間[例えば、パラメータで設定された送出時間]の間、繰り返し供給するもの[例えば、コンプレッサ70、配管L1、および電磁弁73b]であり、
前記液体と前記抽出対象とから製造された飲料が、前記製造手段から供給された流体の圧力によって前記抽出容器から送り出され、
前記パラメータは、前記所定時間を表す値[例えば、送出時間]である[例えば、図64及び図65]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記製造手段に関するログは、前記抽出容器に流体を供給したことを表すもの[例えば、電磁弁73bの弁開放制御信号]であり、
前記ログに基づき記所定時間の間の流体供給回数[例えば、加圧回数]をカウントした結果、カウント結果が基準回数よりも多かった場合には、前記所定時間[例えば、送出時間]は短い時間に修正される[例えば、図64及び図65]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 液体と抽出対象が収容される抽出容器[例えば、抽出容器9]を備え、
前記製造手段は、前記抽出容器に流体を供給するもの[例えば、コンプレッサ70、配管L1、および電磁弁73b]であり、
前記液体と前記抽出対象とから製造された飲料が、前記製造手段から供給された流体の圧力によって前記抽出容器から送り出され、
前記パラメータは、前記製造手段から供給される流体の圧力を表す値[例えば、コンプレッサ70からの空気圧による送出圧力の値]である[例えば、図66及び図67]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記製造手段に関するログは、前記抽出容器に流体を供給したことを表すものであり、
前記ログに基づき所定時間の間の流体供給回数[例えば、加圧回数]をカウントした結果、カウント結果が基準回数よりも少なかった場合には、前記圧力[例えば、送出圧力]は高い圧力に修正される[例えば、図66及び図67]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
また、
『 前記製造手段は、焙煎コーヒー豆を粉砕し挽き豆を得る粉砕手段[例えば、粉砕装置5]であり
前記粉砕手段は、焙煎コーヒー豆の挽き粒度を調整可能なものであり、
前記製造手段に関するログは、前記粉砕手段が焙煎コーヒー豆を粉砕する際の抵抗に基づいて変化する値[例えば、電流値や消費電力の値であって一定期間における累積値、最大値、最小値、平均値]であり、
前記パラメータは、前記挽き粒度の値である[例えば、図62及び図63]、
ことを特徴とする飲料製造装置。』
についても説明した。
なお、前記ログに基づき前記値が閾値よりも低かった場合には、前記挽き粒度は大きな粒度に修正されてもよい。
また、以上の説明の中で、~手段と表現した構成要件はいずれも、~部に置き換えることができる。
続いて、図68~図71を用いて、情報表示装置12におけるレシピの表示例の他の例について説明する。なお、図68~図71に示す符号は、原則として図68~図71を用いた説明のみに用いることにし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、図68~図71を用いた説明では図68~図71に示す符号を優先する。
図71は、情報表示装置12に表示されたレシピに関する表示の他の一例を示す図である。本実施形態では、図71(a)の画面2101に示すように、飲料製造装置1に登録されているレシピのパラメータをチャートとして表示させることができる。なお、本実施形態では、「チャート」の用語は、図、表、グラフといった各表現形態の意味を含むものとする。画面2101では、レシピに基づいて取得された飲料製造装置1内の計測値を表すチャート2102、2103、2104、2105と、レシピのパラメータの値を表すレシピチャート2106が表示されている。画面2101では、横軸は、図11等で説明した飲料製造装置1の各制御工程を示し、縦軸は、各パラメータの大きさを表している。
チャート2102は、抽出容器9内の圧力の計測値であり、チャート2103は、コーヒー飲料の注ぎ部10cの温度の計測値である。また、チャート2104は、流路の温度の計測値であり、例えば配管L3に設けられた温度センサ73eの計測値である。また、チャート2105は、水タンク72内の湯温の計測値である。これらの計測値は、図71(a)に示すものに限られず、飲料製造装置1内で計測された他の値が表示されるようにしても良い。
レシピチャート2106は、飲料製造装置1において登録されているレシピのパラメータを表しており、図71(a)では、登録されているレシピのパラメータのうち、抽出容器9内の圧力を表している。図71(a)では、レシピチャート2106の一例として抽出容器9内の圧力を表しているが、抽出容器9内の湯量など他のパラメータであっても良い。図71(a)に示すような画面2101によって、ユーザは、レシピが表すパラメータと飲料製造装置1内の計測値とを比較することができる場合がある。なお、ユーザは、飲料製造装置1によりコーヒー飲料を提供するスタッフや管理者の場合や、コーヒー飲料を注文した一般客の場合がある。
以下、図71(a)の画面2101が表示される処理について説明する。
図69は、図71(a)の画面2101を表示するための画面1901の一例を示す図である。画面1901は、例えば、飲料製造装置1の管理者が閲覧可能なメンテナンス画面である。画面1901には、例えば、モータドライバや水位センサ等の各部のステータスや、テストモードの実施項目などが表示される。画面1901のボタン1902は、飲料製造装置1に登録されているレシピに基づいて画面2101を表示するための指示ボタンである。ボタン1902が押下されると、例えば、図70に示すように表示されているテーブル形式のレシピから、画面2101上でのレシピチャート2106へ切り替えて表示される。
図70は、飲料製造装置1内で登録されているレシピの各パラメータがテーブル形式で表示されている一例を示す図である。図70のレシピ2001は、例えば、図10に示す携帯端末17上で表示される設定画面上で設定された内容に基づいて取得されたものであっても良いし、画面1901上で設定された内容に基づくものであっても良い。または、飲料製造装置1でコーヒー飲料の送出の際に情報表示装置12上で受け付けた内容に基づくものであっても良い。レシピ2001は、例えば、画面1901のロードボタン1909が押下されることで取得され、レシピ変更ボタン1908が押下されることで表示される。即ち、ユーザは、登録されているレシピの情報を一旦、テーブル形式で表示させ、ボタン1902により画面2101でチャート表示させることができる場合がある。レシピ2001の設定値2002は、設定画面上で受け付けた設定値を示し、送信値2003は、飲料製造装置1を制御するための値である。設定値2002と送信値2003は、単位変換された関係であり、例えば、抽出時間「8」に対しての送信値2003は、「8000」秒に変換された値を意味する。
画面1901の選択項目1903は、レシピをチャート表示させる際のオプションの選択を受け付ける。即ち、選択を受け付けた項目分の計測値が画面2101上でレシピチャート2106と合わせて表示される。例えば、項目1905が選択された場合には、画面2101上でチャート2105が表示される。例えば、項目1906が選択された場合には、画面2101上でチャート2104が表示される。また、例えば、項目1907が選択された場合には、画面2101上でチャート2103が表示される。選択項目1903には、画面2101で表示可能な計測値の種類に応じた数のオプションの項目が表示される。
項目1904が選択された状態で、ボタン1902が押下されると、図71(b)の画面2111のように、レシピチャート2106のみが表示される。そのような表示制御により画面上に表示される情報を絞り、ユーザのレシピのパラメータの補正(レシピの変更)の利便性を向上させることができる場合がある。
画面2111のレシピチャート2106上において、ユーザは、タッチ操作等により、レシピのパラメータを補正することができる。ユーザの変更操作として、レシピチャート2106上の黒丸で表されたポイント、例えば時間軸方向もしくはパラメータの大きさ方向へのポイントの移動を受付可能である。その際、1つのポイントについて、パラメータの大きさ方向への移動を受け付ける際には、その工程において隣接するポイントも連動して移動させる。例えば、「回転後ウェイト」工程におけるポイント2112について、圧力値を大きくする方向(即ち図中上方向)に移動させる場合、「回転後ウェイト」工程における隣接するポイント2113も連動して、圧力値を大きくする方向に移動させる。
上記では、項目1904が選択された場合には、レシピチャート2106のみを表示するとして説明したが、項目1905~1907で選択された項目とともに表示するようにしても良い。そのような構成により、ユーザは、所望の計測値と比較しながら、レシピの変更を行うことができる場合がある。画面2111上でレシピのパラメータの補正を受け付けた後、画面1901上のセーブボタン1910が押下されると、変更されたパラメータの情報を含むレシピが、変更されたレシピとして登録される。また、レシピチャート2106を修正してレシピを修正する例を示してきたが、計測値2102~2105等のチャートをレシピとして登録し、飲料製造の際に呼び出してレシピとして利用可能にしてもよい。また、計測値2102~2105等のチャートを画面2101上で、ここまでレシピチャート2106の修正方法として例示してきた方法(例えばタッチ操作)と同じ方法で修正してレシピとして登録し、飲料製造の際に呼び出してレシピとして利用可能にしてもよい。また、レシピのパラメータの値を表すレシピチャートとして抽出容器9内の目標とする圧力のチャートを例示してきたが、コーヒーマシン内部の所定の箇所(例えば抽出容器9)の目標とする湯量のチャート、温度のチャート、水温のチャートをレシピチャー
トとして画面2101上に表示し、ここまでレシピチャート2106の修正方法として例
示してきた方法(例えばタッチ操作)と同じ方法で修正しレシピとして登録し、飲料製造
の際に呼び出してレシピとして利用可能にしてもよい。
図68は、レシピチャートの表示処理を示すフローチャートである。図68の処理は、例えば、処理部11aが記憶部11bに記憶されたプログラムをロードして実行することにより実現される。
S101において、処理部11aは、レシピチャート2106の表示の指示の受付けを待機する。ここで、レシピチャート2106の表示の指示とは、例えば、ボタン1902のボタンの押下である。レシピチャート2106の表示の指示を受け付けたと判定された場合、S102へ進む。
S102において、処理部11aは、レシピチャート2106を表示させるためのオプション情報を取得する。ここで、オプション情報とは、例えば、選択項目1903の項目1904~1907の選択情報である。
S103において、処理部11aは、S102で取得されたオプション情報に基づいて、表示データを生成する。例えば、項目1905~1907で選択された項目の各計測値を取得し、チャートを表示するための表示データを生成する。また、図70のレシピ2001に基づき、レシピチャート2106を表示するための表示データを生成する。S104において、処理部11aは、S103で生成された表示データに基づき、情報表示装置12に表示させる。その際、選択項目1903の選択状況に応じて、画面2101、画面2111のいずれかが表示されるように制御されても良い。
S105において、処理部11aは、レシピチャート2106に対する補正があるか否かを判定する。例えば、画面2111上でポイント2112の移動があり且つ画面1901のセーブボタン1910が押下された場合には、レシピチャート2106に対する補正があると判定する。レシピチャート2106に対する補正がないと判定された場合には、図68の処理を終了する。一方、レシピチャート2106に対する補正があると判定された場合、S106に進む。
S106において、処理部11aは、画面2111上で補正されたパラメータを含むレシピを、変更されたレシピとして登録する。その際、変更されたレシピを、変更前のレシピに代えて登録する(即ち更新)ようにしても良いし、変更前のレシピとともに別名称の指定を受け付けて登録するようにしても良い。S106の後、図68の処理を終了する。
以上の説明では、図69~図71の画面は、情報表示装置12に表示されるとして説明した。しかしながら、情報表示装置12ではなく、飲料製造装置1と異なる装置において表示されるようにしても良い。例えば、図10に示す携帯端末17や通信ネットワーク15に接続されたPCにおいて、図69~図71の画面を表示するようにしても良い。その場合、処理部11aは、図69~図71の画面を表示するためのデータ(例えばHTMLファイル)をシステム内の携帯端末17やPCに通信ネットワーク15を介して送信する。そのように構成することで、例えば、遠隔地にいるユーザ(例えば管理者)が、飲料製造装置1に登録されたレシピを自身のメンテナンス用のPC上で変更し、その変更されたレシピの内容を飲料製造装置1に送信することができる場合がある。
なお、図68に示すレシピチャートの表示処理は、情報表示装置12の処理部が記憶部に記憶されたプログラムをロードして実行するようにしてもよい。
<実施形態のまとめ>
上記の実施形態の飲料製造装置は、登録されているレシピのパラメータの情報を表示部(12、17)にチャート表示する表示制御手段(S104)と、前記表示制御手段により表示された前記パラメータの情報に対する変更操作を受け付ける受付手段(S105)と、前記変更操作により変更されたパラメータの情報を含むレシピを、変更されたレシピとして登録する登録手段(S106)とを備えることを特徴とする。そのような構成により、レシピのパラメータの情報をチャート表示し、そのパラメータの情報に対する変更操作を受け付けた場合、変更されたパラメータの情報を含むレシピを、変更されたレシピとして登録することができる。
また、前記変更操作は、前記パラメータの大きさと、時間幅との少なくとも一つに対する変更操作である(図71(b))ことを特徴とする。また、前記変更操作は、チャート上での変更操作である(図71(b))ことを特徴とする。そのような構成により、チャート上において、パラメータの大きさと時間幅との少なくとも一つに対する変更操作を受け付けることができる。
また、前記表示制御手段は、前記登録されているレシピに基づいて得られる計測値をさらに前記表示部に表示させる(図71(a))ことを特徴とする。そのような構成により、例えば、レシピに基づいて得られる圧力の変化を表示させることができる。
また、前記登録されているレシピが表す前記パラメータの情報を取得する取得手段(1909)、をさらに備えることを特徴とする。そのような構成により、例えば、テーブル形式で保存されているパラメータの情報を取得することができる。
また、前記表示部(12)は、前記飲料製造装置に設けられていることを特徴とする。また、前記表示部(17)は、前記飲料製造装置と異なる装置に設けられていることを特徴とする。そのような構成により、レシピのパラメータの情報を、飲料製造装置に設けられている表示部、もしくは、飲料製造装置と異なる装置に設けられている表示部にチャート表示させることができる。
次に、図72~図114を用いて、飲料の提供を受けるユーザが、飲料に関する所望の特性に基づいて、飲料の種類、飲料の原材料、および飲料の製造方法の少なくとも何れかを選択し易くした工夫について説明する。なお、図72~図114に示す符号は、原則として図72~図114を用いた説明のみに用いることにし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、図72~図114を用いた説明では図72~図114に示す符号を優先する。
まず、図72を参照しながら、飲料製造装置1を含むアプリシステム(以下、単にシステムという)について説明する。図72は、飲料製造装置1を含むシステム1200の全体構成を示す図である。システム1200は、サーバ1201、携帯端末1202、情報表示装置1203、飲料製造装置1204を含む。ここで、飲料製造装置1204は、飲料製造装置1に対応し、情報表示装置1203は、情報表示装置12に対応する。携帯端末1202は、例えば、ユーザが所持するスマートフォンである。サーバ1201、携帯端末1202、情報表示装置1203は、インターネット等のネットワーク1205を介して相互に通信可能に接続されている。情報表示装置1203及び飲料製造装置1204は、例えば、コーヒー豆や飲料を提供する店舗に存在し、ユーザが所持する携帯端末1202と情報表示装置1203との間で、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信が実行可能である。
システム1200において、サーバ1201は、携帯端末1202にダウンロードされたアプリにより、コーヒーに関する様々なサービス(機能)を提供可能である。サーバ1201により提供される機能には、例えば、店舗(カフェ等)で利用可能なポイントに関するサービス、コーヒー豆の通販サイトサービス、コメントやレーティング等の購買に関するレビューサービス、後述するカスタムレシピサービスがある。また、サーバ1201により提供されるサービスは、それらに限られるものではなく、例えば、カフェ検索サービスや、ユーザが注文したコーヒーをSNSにアップするために、携帯端末1202により撮影した撮影データを加工するためのサービスなどが含まれても良い。ユーザは、サーバ1201からダウンロードしたアプリをクリック等で起動することにより、上記のような、コーヒーに関する様々なサービスを享受できる。
図73は、サーバ1201の構成を示す図である。処理部1301は、例えばCPUを含み、サーバ1201を統括的に制御する。本態様におけるサーバ1201の動作は、例えば、処理部1301が記憶部1303に記憶されたプログラムをメモリ1302にロードして実行することにより実現される。メモリ1302は、処理部1301のCPUのワーキングメモリとしても用いられる。記憶部1303は、サーバ1201が動作するための基本的な制御プログラムや、データやパラメータを記憶する。また、記憶部1303には種種のデータベース1309が構築され、例えば、各ユーザの携帯端末1202から送信されたレビュー情報やコメント情報、レシピのカスタム情報に基づき、データベースが構築される。また、記憶部1303は、種種のアプリケーション1310を記憶し、例えば、上記のサービスを提供可能なアプリケーションを記憶する。ユーザは、携帯端末1202を介してサーバ1201にアクセスすることにより、携帯端末1202にアプリとしてダウンロードすることができる。
通信インタフェース(I/F)1304は、有線や無線等、ネットワーク1205の媒体に応じて構成される。表示部1305は、例えばディスプレイであり、例えば、データベース1309を構築する管理者に対してユーザインタフェース画面を表示する。また、操作部1306は、例えばキーボードやマウスであり、管理者からの操作を受付可能である。
データ処理部1307は、例えばGPUを含み、各ユーザの携帯端末1202から送信されたビッグデータに基づく処理を実行する。各ユーザの携帯端末1202から送信されたビッグデータがデータベース1309として構築される場合もあれば、データ処理部1307における処理結果がデータベース1309として構築される場合もある。図73の各部は、バス1308を介して相互に接続可能である。
図74は、携帯端末1202の構成を示す図である。上述したように、携帯端末1202は、例えばユーザが所持するスマートフォンである。処理部1401は、例えばCPUを含み、携帯端末1202を統括的に制御する。本態様における携帯端末1202の動作は、例えば、処理部1401が記憶部1403に記憶されたプログラムをメモリ1402にロードして実行することにより実現される。メモリ1402は、処理部1401のCPUのワーキングメモリとしても用いられる。記憶部1403は、携帯端末1202が動作するための基本的な制御プログラムや、データやパラメータを記憶する。また、記憶部1403には、サーバ1201からダウンロードされたアプリケーション1310を記憶する。
マイク1404はユーザの音声を入力し、スピーカ1405は他のユーザの音声を出力したり、所定の音声データに基づいてメッセージを再生したりする。撮像部1406は、カメラであり、静止画像や動画像の撮像データを生成する。表示部1407は、タッチパネルであり、例えば、アプリケーション1310を起動するためのアイコンや、アプリケーション1310に関する種種のユーザインタフェース画面を表示する。また、表示部1407は、タッチパネルを介してユーザからの操作を受付可能である。操作部1408は、ユーザからの操作を受付可能であり、例えば電源ボタンや音量調節ボタンである。
通信I/F1409は、有線や無線等、ネットワーク1205の媒体に応じて構成される。近距離無線通信I/F1410は、通信I/F1409による通信と異なる通信方法により通信を行い、例えばBluetooth(登録商標)である。本態様では、携帯端末1202は、レシピのカスタム情報等を近距離無線通信I/F1410を介して情報表示装置1203に送信可能である。図74の各部は、バス1411を介して相互に接続可能である。
図75は、情報表示装置1203の構成を示す図である。上述したように、情報表示装置1203は、情報表示装置12に対応する。処理部1501は、例えばCPUを含み、情報表示装置1203を統括的に制御する。本態様における情報表示装置1203の動作は、例えば、処理部1501が記憶部1503に記憶されたプログラムをメモリ1502にロードして実行することにより実現される。メモリ1502は、処理部1501のCPUのワーキングメモリとして用いられる。記憶部1503は、情報表示装置1203が動作するための基本的な制御プログラムや、データやパラメータを記憶する。
通信I/F1504は、有線や無線等、ネットワーク1205の媒体に応じて構成される。近距離無線通信I/F1505は、通信I/F1504による通信と異なる通信方法により通信を行い、例えばBluetooth(登録商標)である。本態様では、情報表示装置1203は、レシピのカスタム情報等を近距離無線通信I/F1505を介して携帯端末1202から受信可能である。
表示部1507は、タッチパネルであり、ユーザが飲料製造装置1204を用いるためのユーザインタフェース画面を表示する。また、操作部1508は、ユーザからの操作を受付可能であり、決定等のハードウェアキーを含む。表示部1507がタッチパネルである場合には、操作部1508は、タッチパネル上のソフトウェアキーとして実現されても良い。
撮像部1509は、カメラであり、静止画像の撮像データを生成する。撮像部1509は、例えばユーザにより店舗に持ち込まれた豆を撮像したり、携帯端末1202の表示部1407に表示された二次元コードを撮像することが可能である。携帯端末1202の表示部1407に表示された二次元コードを撮像することにより、情報表示装置1203は、携帯端末1202との間で、通信I/F1504や近距離無線通信I/F1505による通信以外の通信方法が可能となる。本体I/F1506は、制御装置11とのインタフェース部であり、例えば、表示部1507や操作部1508を介してユーザにより設定されたコーヒー豆の選択情報や抽出プロファイルの情報を制御装置11に送信する。図75の各部は、バス1510を介して相互に接続可能である。
図76は、システム1200において、ユーザが携帯端末1202を用いてレシピをカスタマイズし、飲料製造装置1204によりコーヒーを抽出するまでの流れを説明するための図である。
まず、ユーザは、携帯端末1202の表示部1407上に表示されたアイコンをクリックすることにより、予めサーバ1201からダウンロードしておいたアプリケーション1310を起動する(工程1601)。携帯端末1202上にアプリケーション1310を起動すると、サーバ1201にログインするためのログイン画面が携帯端末1202の表示部1407に表示される。ユーザは、ログイン画面において、予め取得しておいたIDとパスワードを入力する(工程1602)。サーバ1201での認証が成功すると、サーバ1201は、アプリケーション1310のTOP画面を携帯端末1202へ返信する。
図78は、携帯端末1202の表示部1407に表示されるアプリケーション1310のTOP画面の一例を示す図である。表示領域1801には、アプリケーション1310の名称「ABC app」が表示されている。また、表示領域1802には、ユーザが所持する現在の所持ポイントが表示されている。ユーザは、このポイントを用いて、例えばオンラインショップでコーヒー豆を購入することが可能である。表示領域1803には、アプリケーション1310が提供可能なサービスがリスト表示されている。ユーザは、各表示領域1804、1805、1806、1807をクリックすることが可能であり、いずれかがクリックされると、そのサービスの画面が表示される。
表示領域1804は店舗検索サービスであり、例えば、ユーザはポイントサービス加盟店のカフェを検索することができる。表示領域1805はレビューサービスであり、例えば、ユーザは訪問したカフェについてのコメントを投稿したり評価したりすることができる。表示領域1806はコーヒー豆通販サービスであり、ユーザはコーヒー豆のオンラインショップを閲覧し、コーヒー豆を購入することができる。表示領域1807はカスタムレシピサービスであり、ユーザは携帯端末1202上で抽出プロファイルを調整することができる。
図79は、ユーザが表示領域1805をクリックしたときに表示されるサービス画面の一例を示す図である。表示領域1901には、アプリケーション1310の名称「ABC app」が表示されている。また、表示領域1902には、レーティング情報が表示されており、ユーザは、訪問したカフェで購入したコーヒーについて評価することができる。また、表示領域1903には、コメント欄が表示されており、ユーザは、訪問したカフェについてのコメントを入力することができる。投稿ボタン1904が押下されると、本レビューサービスでユーザが入力した内容が確定する。本態様では、投稿ボタン1904の押下により内容が確定すると、その確定内容がサーバ1201に送信される。そのような構成により、サーバ1201は、各ユーザからレビュー情報を収集し、データ処理部1307により分析することが可能となる。
図80は、ユーザが表示領域1807をクリックしたときに表示されるサービス画面の一例を示す図である。ユーザは、図80の画面により、携帯端末1202上で抽出湯量等を調整することができる。図80の画面は、情報表示装置1203に表示される設定項目と基本的に同じものであり、ユーザは、カフェに訪問する前に、携帯端末1202上で抽出湯量等を好みの値に調整しておくことができる。
表示領域2001により、ユーザは、豆の量を任意に調整して設定することができる。また、表示領域2002により、ユーザは、挽き粒度を任意に調整して設定することができる。また、表示領域2003により、ユーザは、蒸らし湯量を任意に調整して設定することができる。また、表示領域2004により、ユーザは、蒸らし時間を任意に調整して設定することができる。また、表示領域2005により、ユーザは、抽出湯量を任意に調整して設定することができる。また、表示領域2006により、ユーザは、抽出圧力を任意に調整して設定することができる。また、表示領域2007により、ユーザは、抽出時間を任意に調整して設定することができる。
ボタン2008は、表示領域2001~2007の内容を確定するためのボタンである。図80の場合、ボタン2008が押下されると、表示領域2001~2007の内容が保存され、2次元コードが表示される。ユーザは、カフェに訪問し、携帯端末1202に表示された2次元コードを情報表示装置1203の撮像部1509にかざすことにより、表示領域2001~2007の内容を情報表示装置1203に伝えることができる。ボタン2008は、2次元コードを表示するためのボタンでなくても良い。例えば、表示領域2001~2007の内容を確定して保存するためのボタンでも良く、情報表示装置1203に対して近距離無線通信I/F1410を介して、表示領域2001~2007の内容を送信するようにしても良い。
図80のようなコーヒー飲料の抽出のためのパラメータ調整を携帯端末1202上で可能とすることにより、ユーザは、手軽にバリスタのようなコーヒー抽出操作の感覚を味わうことができる。本態様では、図80のようなコーヒー飲料の抽出のためのパラメータを、抽出プロファイルもしくはレシピと称する。
再び、図76を参照する。工程1603で携帯端末1202がサーバ1201からTOP画面を受信すると、ユーザは、表示領域1807をクリックして図80上で抽出プロファイルを調整して設定する(工程1604)。そして、ユーザは、上述したように、カフェに訪問し、携帯端末1202から情報表示装置1203へ設定情報を伝える(工程1605)。ここで、設定情報とは、例えば、図80の表示領域2001~2007の内容である。また、設定情報の伝え方は、二次元コードによる場合、近距離無線通信による場合がある。
情報表示装置1203が設定情報を取得すると、情報表示装置1203は、本体I/F1506を介して設定情報を飲料製造装置1204の制御装置11に送信する(工程1606)。飲料製造装置1204では、設定情報に基づいて、コーヒー飲料の抽出が行われる(工程1607)。
図77は、システム1200において、ユーザが情報表示装置1203上でレシピをカスタマイズし、飲料製造装置1204によりコーヒーを抽出するまでの流れを説明するための図である。
図76では、ユーザは、携帯端末1202上で抽出プロファイルを調整したが、図77では、ユーザは、カフェにおいて、情報表示装置1203上で抽出プロファイルを調整する。
ユーザは、情報表示装置1203の表示部1507に表示されたユーザインタフェース画面上で抽出プロファイルを調整して設定する(工程1701)。ここで、ユーザインタフェース画面には、基本的に図80で表示される項目と同じ項目が表示される。情報表示装置1203が設定情報を取得すると、情報表示装置1203は、本体I/F1506を介して設定情報を飲料製造装置1204の制御装置11に送信する(工程1702)。飲料製造装置1204では、設定情報に基づいて、コーヒー飲料の抽出が行われる(工程1703)。
図81は、ユーザが表示領域1807をクリックしたときに表示されるサービス画面の一例を示す図である。ユーザは、図81の画面により、携帯端末1202上で抽出湯量等の抽出プロファイルのいずれかのパラメータを調整することができる。図81の画面は、情報表示装置1203に表示される設定項目と基本的に同じものであり、ユーザは、カフェに訪問する前に、携帯端末1202上で抽出湯量等を好みの値に調整しておくことができる。なお、表示領域2001~2008までは、図80と同じであるため、説明を省略する。
図81に示すサービス画面は、「味検索」ボタン2101、「イメージ検索」ボタン2102、「履歴検索」ボタン2103、及び「オーダー」ボタン2104を有する。「味検索」ボタン2101、「イメージ検索」ボタン2102、および「履歴検索」ボタン2103は、サーバ1201から飲料の特性情報、抽出プロファイル、原材料、および価格のいずれかに関する情報(飲料情報)を取得する処理を開始する際に、ユーザによって押下される。
<第一の態様>
本態様では、ユーザが「味検索」ボタン2101を押下した際に、携帯端末1202が実行する処理について説明する。
図82は、携帯端末1202の処理を示すフローチャートである。図82に示す処理は、処理部1401が記憶部1403に記憶されたプログラム(アプリ)をメモリ1402にロードして実行することにより実現される。
まず、S2201で、処理部1401は、表示部1407を制御して、飲料情報を取得するための設定画面を表示する。設定画面の詳細については、図83を参照して後述する。S2201で、図83の設定画面2300を表示した処理部1401は、処理をS2202に進め、表示部1407、操作部1408、あるいはマイク1404を介して、ユーザ操作を受け付けるまで待機する。処理部1401が、ユーザ操作を受け付けたと判断すると(S2202でYes)、処理部1401は処理をS2203に進め、S2202で受け付けた操作が、「レシピに反映する」ボタンの押下であるか否かを判断する。処理部1401が受け付けたユーザ操作が「レシピに反映する」ボタンの押下ではない場合(S2203でNo)、処理部1401は処理をS2204に進め、飲料情報を取得するために用いる特性の切り替えであるか否かを判断する。処理部1401が受け付けたユーザ操作が特性の切り替えである場合(S2204でYes)、処理部1401は処理をS2208に進め、特性を切り替えた表示をするよう画面を更新する。処理部1401が受け付けたユーザ操作が特性の切り替えではない場合(S2204でNo)、処理部1401は処理をS2205に進め、特性のレベルが選択されたか否かを判断する。処理部1401が受け付けたユーザ操作が特性のレベルの選択である場合(S2205でYes)、処理部1401は処理をS2206に進め、サーバ1201または携帯端末1202の記憶部1403から特性に関する情報(特性情報)を取得する。続いて、処理部1401は処理をS2207に進め、画面を更新する。S2203で、「レシピに反映する」ボタンが押下された場合(S2203でYes)の処理については後述する。
次に、図83に、S2201で表示される設定画面の一例を示す。設定画面2300には、グラフ領域2301と、凡例領域2302とを含む。なお、図83の例では、初期の設定画面2300のグラフ領域2301には、軸のみが表示されているものとする。
図83の例では、凡例領域2302では、コーヒーの味に関する特性(「苦み」、「甘味」、「酸味」、「香り」、「後味」、および「コク」)が選択可能であり、「苦み」、「甘味」、および「酸味」が選択されている。以降の説明では、説明しない限り、コーヒーの飲料情報を取得するために用いられるパラメータを「特性」と呼ぶ。なお、設定画面の初期表示で、飲料情報を取得するために選択されている特性は、既定値としてプログラムに格納されていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。
グラフ領域2301には、凡例領域2302で選択されている特性「苦み」、「甘味」、および「酸味」と対応するグラフ(この例では3軸のレーダーチャート)の軸として、ユーザによって設定された「苦み」2303、「酸味」2304、および「甘味」2305が表示されている。また、それぞれの軸は複数の値(レベル)を選択することができ、本態様では、それぞれの特性の最低レベルと最高レベルとして、0から40までの整数が選択可能であるものとする。
なお、本態様では、「苦み」2303、「酸味」2304、および「甘味」2305のそれぞれが、0から40までのレベルを選択可能であるものとして説明を行うが、異なる特性は異なる最低レベルおよび最高レベルの少なくとも何れかを選択可能であってもよい。例えば、特性「苦み」2303は0から40までのレベルが選択可能であって、特性「酸味」2304は0から20までのレベルが選択可能であってもよい。また、特性によっては、レベルとは数値ではなくてもよく、例えば、「有り」あるいは「無し」、または「弱」、「中」、あるいは「強」であってもよい。すなわち、1つの特性に関して複数の値を取ることができればよい。これらの特性毎に選択可能なレベルは、既定値としてプログラムに格納されていてもよい。
ここで、図83の設定画面2300において、特性「苦み」2303のレベル30に対応する点2306が押下されたとする。この場合、S2202で受け付けた操作は、「レシピに反映する」ボタンの押下ではないため(S2203でNo)、処理部1401は処理をS2204に進める。S2204では、S2202で受け付けた操作が、特性の切り替えであるか否かを判断する。特性の切り替えとは、図83の凡例領域2302で、特性の選択が変更されることをいう。点2306の操作は、特性の切り替えにも該当しないため(S2204でNo)、処理部1401は処理をS2205に進める。S2205では、S2202で受け付けた操作が特性のレベルの選択であるか否かを判断する。点2306の操作は、特性のレベル(特性「苦み」のレベル30)の選択であるため(S2205でYes)、処理部1401は処理をS2206に進める。S2206で、携帯端末1202は、ユーザ操作で指定された特性のレベルに基づき、サーバ1201のデータベース1309から特性情報を取得する。
ここで、図101を参照し、データベース1309が保有するデータの一例を示す。図101(A)は、ユーザがオーダーした飲料に関する情報を格納するユーザ情報データベース(DB)4110である。図101(B)は、調製用プロファイルIDと、それに対応する調製用プロファイルのパラメータとを格納する調製用プロファイルDB4120である。図101(C)は、特性情報とそれに対応する原材料情報および調製用プロファイルIDとを格納する特性情報DB4130である。
ユーザ情報DB4110は、ユーザ識別子4111、日時情報4112、豆情報4113、産地情報4114、焙煎度情報4115、調製用プロファイルID4116、マシン情報4117、レート情報4118、およびコメント情報4119を含む。ユーザ識別子4111は、サーバ1201によってユーザが識別できる情報であればよく、一例では、ユーザ識別子(ID)を含む。別の例では、ユーザ識別子4111は、ユーザのメールアドレス、携帯端末の識別子、およびユーザの名前の少なくとも何れかを含む。日時情報4112は、ユーザが飲料をオーダーした日時に対応する情報を含む。豆の種類を示す豆情報4113、豆の産地を示す産地情報4114、および豆の焙煎度を示す焙煎度情報4115は、原材料情報と呼ばれる。また、調製用プロファイルID4116は、調製用プロファイルDB4120に格納されたデータを取得するためのキーを格納する。マシン情報4117は、飲料を調製したマシンの識別子を格納する。レート4118およびコメント4119は、図79のサービス画面を介して取得した、飲料に対するユーザの評価値およびコメント4119を格納する。
調製用プロファイルDB4120は、調製用プロファイルID4121と、豆の量4122、挽き粒度4123、蒸らし湯量4124、蒸らし時間4125、抽出湯量4126、抽出圧力4127、および抽出時間4128の少なくとも何れかを含む調製用プロファイルとを含む。一例では、調製用プロファイルは図81の表示領域の項目を含む。
特性情報DB4130は、豆情報4131、産地情報4132、焙煎度情報4133、調製用プロファイルID4134、苦み4135、甘味4136、酸味4137、優先度4138、および値段4139を含む。苦み4135、甘味4136、および酸味4137などは特性情報であり、特性情報DB4130の特性情報は、図83の凡例領域2302に表示される特性「苦み」、「甘味」、「酸味」、「香り」、「後味」、および「コク」に対応する。
なお、一例では、ユーザ情報DB4110は、ユーザが飲料をオーダーした際、またはユーザが携帯端末1202を介してサーバ1201にオーダーした飲料のレーティングやコメントを行った際にデータが追加される。また、特性情報DB4130は、コーヒーを販売する店舗やバリスタなどの権限のあるユーザによってデータが追加されてもよい。
S2206で、処理部1401は、サーバ1201へ、ユーザ操作で指定された特性のレベル(図83の例では特性「苦み」のレベル30)を送信して特性情報の取得を要求する。一例では、S2206で、処理部1401は、ユーザ操作で指定された特性のレベル(図83の例では特性「苦み」のレベル30)に基づいて特性情報を取得してもよい。特性のレベルを受信したサーバ1201は、特性情報データベースから、ユーザ操作で指定された特性のレベルと対応するデータが存在するか否かを判断し、一致する特性のレベルを含むデータセットを検索する。本態様では、データセットとは、特性情報DB4130が格納する1行のデータを称する。図101の例では、サーバ1201は、「苦み」のレベル30と一致するデータセットである図101の特性情報DB4130の1行目のデータセット(A、COL(コロンビア)、浅煎り、1、30、20、22、5、550)を特定し、携帯端末1202に送信する。
一例では、受信した特性のレベルと同一の特性であって、最も誤差の小さいレベルを含むデータセットを特定してもよい。すなわち、携帯端末1202から送信された特性のレベルと異なる特性のレベルを有するデータセットが特定されてもよい。サーバ1201からデータセットを取得した携帯端末1202は、当該データセットをメモリ1402または記憶部1403に格納し、処理をS2207に進める。
本態様では、S2206で携帯端末1202がサーバ1201から取得する特性情報は、特性情報DB4130の1つ以上のデータセットであるものとして説明を行うが、一例では、優先度4138などの、データセットの一部のデータは取得しなくてもよい。
S2207で、携帯端末1202は、設定画面2300を更新する。図84に、図83で特性のレベルを選択した後、1つの特性情報のデータセットをサーバ1201から取得した場合に表示される設定画面を示す。図84に示す設定画面2400は、図83と同様に、グラフ領域2301および凡例領域2302を含む。グラフ領域2301には、特性の軸2303~2305に加え、取得したデータセットのうち、軸として選択されている特性(苦み、酸味、および甘味)に対応するレベル(苦みのレベル30、酸味のレベル22、甘味のレベル20)上にマーカ2401~2403がプロットされ、線2406でそれぞれのマーカが接続される。また、設定画面2400は、取得したデータセットのうち、原材料情報を表示する領域2404と、「レシピに反映する」ボタン2405とが表示される。
なお、本明細書では、S2206で所定の数以下のデータセットを取得した場合に、S2207で「レシピに反映する」ボタン2405を表示するものとして説明を行うが、一例では、「レシピに反映する」ボタン2405は常に表示されており、S2206で所定の数以下のデータセットを取得した場合に押下可能になってもよい。
続いて、処理部1401は、処理をS2202に戻し、ユーザの操作を受け付けるまで待機する。
続いて、設定画面2400で、ユーザが、苦みのレベル30にプロットされた点2401をドラッグして、苦みのレベルを30から22に変化させた場合に表示される設定画面を説明する。このユーザ操作も、特性のレベルの選択になるため、処理部1401は、図82のS2206において、再度特性情報を取得する。なお、S2206で再度1つのデータセットを取得したとして説明を行う。そして、S2207において、グラフ領域2301を更新する。
図85に、設定画面2400で、ユーザが、苦みのレベル30にプロットされた点2401をドラッグして、苦みのレベルを30から22に変化させた場合に表示される設定画面を示す。この例では、特性2406のうち、苦みのレベル30に対応する点2401が、ユーザ操作によって苦みのレベルが22へ変更され、苦みのレベル22に基づき再度取得した特性情報に基づいて、点2501、2402、および2502に更新される。また、取得した特性情報に基づいて、原材料情報を表示する領域2404も更新されてもよい。その後、制御部1401は、処理を再度S2202に戻す。
続いて、設定画面2500で、ユーザが、現在のデータセットの特性「コク」のレベルを見るために、凡例領域2302の「コク」をタップした場合を説明する。この場合、ユーザ操作は、特性の切り替え(S2204でYes)に該当する。そのため、処理部1401は、処理をS2208に進め、画面の更新を行う。
設定画面2500でユーザがレシピの検索に用いる特性を切り替えた場合に表示される画面の一例を図86に示す。図86の設定画面2600のグラフ領域2601は、苦み2303、酸味2304、および甘味2305に加え、コク2601が、この例では4軸のレーダーチャートによって表示される。ここまでの例で分かるとおり、ユーザによって選択された特性の数に対応する軸数のレーダーチャートによって各特性のレベルを表示するようにしている。また、処理部1401は、S2206で取得した特性情報から、特性「コク」のレベルを取得し、コク2601の軸上にプロットする。続いて、処理部1401は処理をS2202に戻し、ユーザ操作を受け付けるまで待機する。なお、説明は省略するが、飲料情報を取得するために用いる特性を非表示にする(減らす)動作や、複数の特性を同時に表示または非表示にする動作も、同様の処理によって実現できる。
続いて、図86の設定画面2600で、ユーザが「レシピに反映する」ボタン2405を押下した場合の処理部1401の動作を説明する。処理部1401がユーザ操作を受け付けたと判断すると(S2202でYes)、処理部1401は処理をS2203に進め、「レシピに反映する」ボタンが押下されたかを判断する。本例では、「レシピに反映する」ボタンが押下されたと判断し(S2203でYes)、処理をS2209に進め、調製用プロファイルを取得する。
S2209で、処理部1401は、通信I/F1409または近距離無線通信I/F1410を介して、取得した特性情報に含まれる調製用プロファイルIDをサーバ1201に送信する。携帯端末1202から調製用プロファイルIDを受信したサーバ1201は、調製用プロファイルIDに基づいて、調製用プロファイルDB4120から調製用プロファイルを取得し、携帯端末1202に送信する。調製用プロファイルを受信した携帯端末1202は、処理をS2210に進め、設定画面2600から、図81に示すサービス画面に遷移する。
続いて、処理部1401は、処理をS2211に進め、サービス画面の表示領域2001~2007のパラメータに、取得した調製用プロファイルを反映させる。続いて、処理部1401は、処理をS2212に進め、ユーザがオーダーボタン2104を押下するまで待機する。なお、ユーザがオーダーボタン2104を押下するまでにサービス画面の表示領域2001~2007のいずれかのパラメータを変更できてもよい。
ユーザがオーダーボタン2104を押下すると(S2212でYes)、処理部1401は処理をS2213に進め、調製用プロファイルを出力する。一例では、携帯端末1202は、近距離無線通信I/Fまたは通信I/F1409を介して情報表示装置1203に、調製用プロファイルを含む設定情報を送信してもよい(工程1605)。あるいは、携帯端末1202は、表示部1407にQRコード(登録商標)などの二次元バーコードを表示し、情報表示装置1203の撮像部1509に調製用プロファイルを含む設定情報を送信してもよい。
以上説明したように、本態様では、特性のレベルの範囲の中から、飲料の味に関する特性のレベルを選択することで、選択したレベルに対応する飲料情報を取得することができる。これによって、ユーザは、ユーザ自身の好みから飲料、飲料の原材料、または飲料の調製用プロファイルを特定することができる。
また、本態様では、飲料に関する1つ以上の特性を選択することができ、当該1つ以上の特性の選択に従って、表示する特性のレベルの範囲を変更することができる。これによって、ユーザのこだわりのある特性を用いて飲料情報を取得することができる。
また、本態様では、飲料情報として、原材料の情報および調製用プロファイルに関する情報の少なくとも何れかを取得する。これによって、ユーザが選択したレベルに基づいて特定した飲料を調製するよう飲料製造装置を制御することができる。
また、本態様では、取得した特性情報の少なくとも一部を飲料製造装置に出力する。これによって、ユーザが事前に特定した飲料を調製するよう飲料製造装置を制御することができる。
また、本態様では、近距離無線通信または二次元バーコードのいずれかを介して飲料情報の少なくとも一部を出力する。これによって、飲料製造装置を直接操作することなく制御することができる。
なお、本態様では、各特性のレベルの表示をレーダーチャートによって行う例を示したが、他の態様で表示してもよい。例えば行方向に各特性のラベル(例えば、「苦味」、「甘味」、「酸味」等)を並べ、各特性のレベルを対応する行の列方向に並べたコーヒー豆のアイコンの個数で表現するような、棒グラフのような態様で表示するなど、ユーザに分かりやすい形で表示すればよい。
<第二の態様>
第一の態様では、図82のS2201で表示される設定画面では、グラフ領域には特性に対応する軸しか表示されておらず、ユーザはサーバのデータベースに登録されていない特性のレベルを選択する可能性がある。第二の態様では、サーバのデータベースに登録されている特性のレベルに対応する表示を行い、ユーザがレベルを選択する際の目安となるべき指標を表示する。なお、第一の態様と同様の構成または処理については説明を省略する。
図87は、第二の態様に係るS2201の処理の詳細を示すフローチャートである。S2701で、処理部1401は、サーバ1201の特性情報DB4130に格納されたデータセットを取得する。続いて、処理部1401は、処理をS2702に進め、取得したデータセットに含まれる特性情報を含めて設定画面を表示する。その後、S2202に処理を進める。以降の処理は、第一の態様と同様のため、説明を省略する。
図88に、第二の態様に係る設定画面の初期表示の一例を示す。本例では、サーバ1201の特性情報DB4130に、3つのデータセットが格納されているものとして説明を行う。
図88の設定画面2800には、グラフ領域2801および凡例領域2802が表示されている。グラフ領域2801には、サーバ1201の特性情報DB4130に格納されている3つのデータセットに含まれる特性情報2807~2809がプロットされている。このように、特性情報DB4130に格納されているデータセットをあらかじめ全てプロットしておくことで、ユーザは、どのような選択肢があるのかを把握することが可能になる。
なお、グラフ領域2801にプロットされた苦みの軸2803上で、ユーザがレベル30(点2806)をタップした場合、処理部1401は、S2202でYes、S2203でNo、S2204でNo、そしてS2205でYes、と判断し、処理をS2206に進める。続いて、特性「苦み」のレベル30に対応するデータセットが特性2807のみに絞られているため、当該データセット以外の2つのデータセットの特性2808および2809を表示しないようS2207で画面を更新し、図84と同様の画面に更新してもよい。
以上説明したように、本態様では、サーバのデータベースに登録されている特性のレベルの表示を行い、ユーザがレベルを選択する際の目安となるべき指標を表示することができる。
<第三の態様>
第二の態様では、全てのデータセットをグラフ領域2801に表示した。サーバ1201の特性情報DB4130に格納された特性情報のデータセットの数が多くなると、グラフ領域2801の視認性が悪くなる場合が生じる。第三の態様では、サーバのデータベースに登録されている特性情報のデータセットに処理を加えて選択可能な特性のレベルの範囲を表示し、ユーザがレベルを選択する際の目安となるべき指標を表示する。なお、第一の態様または第二の態様と同様の構成または処理については説明を省略する。
図89は、第三の態様に係るS2201の処理の詳細を示すフローチャートである。S2901で、処理部1401は、サーバ1201の特性情報DB4130に格納された特性情報を取得する。続いて、処理部1401は、処理をS2902に進め、取得したデータセットに含まれる特性情報に対して、後述するデータ処理を施す。その後、処理をS2903に進め、設定画面の初期表示を行う。その後、S2202に処理を進める。以降の処理は、第一の態様と同様のため、説明を省略する。
S2902のデータ処理とは、複数の特性情報に基づいて、特性のレベルの範囲を特定する処理である。一例では、複数の特性情報に含まれる、同一の特性のレベルの最小値と最大値とに基づいて、当該特性のレベルの範囲が特定されてもよい。すなわち、全ての特性のうちのそれぞれについて、特性情報に含まれる当該特性のレベルの最小値と最大値とを取得し、最小値から最大値までを当該特性の「選択可能なレベルの範囲」としてもよい。
別の例では、全ての特性情報に含まれる、同一の特性のレベルの平均値、中央値、分散等の統計的な数値に基づいて、選択可能なレベルの範囲が生成されてもよい。
なお、一例では、S2901~S2902の処理は、サーバ1201の処理部1301によって実行されてもよい。すなわち、S2201を実行した携帯端末1202は、サーバ1201に初期表示画面の生成要求を行い、処理部1301は、データベース1309のデータに基づき、特性のレベルの範囲を特定し、携帯端末1202に送信してもよい。そして、携帯端末1202は、受信した特性のレベルの範囲を表示してもよい。
図90に、第三の態様に係る設定画面の初期表示の一例を示す。図90の設定画面3000には、グラフ領域3001および凡例領域3002が表示される。グラフ領域3001には、特性「苦み」の軸3003、「酸味」の軸3004、「甘味」の軸3005、およびS2902で特定された特性のレベルの範囲に基づく選択可能な範囲3006が表示されている。図90の例では、特性情報DB4130に格納された全てのデータセットについて、例えば特性「苦み」は、レベル19~30の範囲内であることが分かる。同様に、全てのデータセットは特性「酸味」のレベル21~38の範囲内にあることが分かる。
このように、特性情報DB4130に格納されているデータセットに基づいて生成された、特性のレベルの範囲をあらかじめ表示しておくことで、ユーザがレベルを選択する際の目安とすることができる。また、特性情報DB4130に格納されている特性情報のデータセットの数が大きくなったとしても、視認性を良好に保ったまま、ユーザによる特性のレベルの選択を可能にする。
なお、グラフ領域3001にプロットされた苦みの軸3003上で、ユーザがレベル30(点3007)をタップした場合、処理部1401は、S2202でYes、S2203でNo、S2204でNo、そしてS2205でYes、と判断し、処理をS2206に進める。続いて、特性「苦み」のレベル30に対応するデータセットが1つに絞られた場合、特性のレベルの範囲を表示しないようS2207で画面を更新し、図84と同様の画面に更新してもよい。
以上説明したように、本態様では、サーバのデータベースに登録されている特性の選択可能なレベルの範囲の表示を行い、ユーザがレベルを選択する際の目安となるべき指標を表示する。これによって、データベースに登録されている特性情報の数が大きくなっても、視認性を維持したまま、ユーザが特性のレベルを選択する際の指標を表示することができる。
なお、図90では、特定された特性のレベルの範囲に基づく選択可能な範囲3006をレーダーチャートで表示する例を示したが、これに限定しなくてもよい。例えば、特性「苦み」がレベル19~30の範囲内であることを棒グラフのような態様でユーザに示してもよい。そのような場合、行方向に各特性のラベル(例えば、「苦味」、「甘味」、「酸味」等)を並べ、特性「苦味」の行に、列方向に白色のコーヒー豆のアイコンを18個、続けて黒色のコーヒー豆のアイコンを12個、さらに白色のコーヒー豆のアイコンを所定個数並べることで、黒色のコーヒー豆のアイコンによってレベル19~30の範囲内であることを示すことができる。
<第四の態様>
第三の態様では、データベースに格納されている全ての特性情報の特性のレベルの範囲をまとめてグラフ領域2801に表示した。一例では、豆ごとに特性のレベルの範囲を表示することで、ユーザが特性のレベルを選択する際の目安とすることができてもよい。第四の態様では、サーバのデータベースに登録されている特性情報を取得し、豆の種類ごとに処理を加え、ユーザがレベルを選択する際の目安となるべき指標を表示する携帯端末について説明する。なお、第一乃至第三の態様の何れかと同様の構成または処理については説明を省略する。
図91は、第四の態様に係る携帯端末の処理部1401が実行するS2201の処理の詳細を示すフローチャートである。S3101で、処理部1401は、サーバ1201の特性情報DB4130に格納されたデータセットを取得する。続いて、処理部1401は、処理をS3102に進め、取得したデータセットの中から、1つの種類の豆に対応する特性情報を抽出する。
続いて、処理部1401は、処理をS3103に進め、特性情報の処理を行い、S3104で、表示データの生成を行い、S3105で、取得したデータセットに含まれる、全ての種類の豆について、表示データの生成を行ったか否かを判断する。全ての種類の豆について表示データの生成を行っていないと判断すると(S3105でNo)、処理部1401は処理をS3102に戻し、別の種類の豆に対応する特性情報を抽出する。全ての種類の豆について表示データの生成を行ったと判断すると(S3105でYes)、処理部1401は処理をS3106に進め、生成した全ての表示データに基づき、設定画面の初期表示を行う。その後、S2202に処理を進める。以降の処理は、第一の態様と同様のため、説明を省略する。なお、S3103の特性情報処理は、S2902の特性情報処理と同様、複数の特性情報に基づいて、特性のレベルの範囲を特定するものであってもよい。
図92に、第四の態様に係る設定画面の初期表示の一例を示す。なお、図92の例では、2種類の豆(豆Aおよび豆B)についてのデータセットが特性情報DB4130に格納されているものとして説明を行う。
図92の設定画面3200には、グラフ領域3201および凡例領域3202が表示される。グラフ領域3201には、特性の軸3203~3205、並びに、S3104で生成された表示データとして、豆の種類「A」の特性のレベルの範囲3206および豆の種類「B」の特性のレベルの範囲3207が表示されている。
このように、特性情報DB4130に格納されているデータセットに基づいて生成された、特性のレベルの範囲を、豆の種類ごとにあらかじめ表示しておくことで、ユーザがレベルを選択する際の目安とすることができる。また、豆の種類ごとに特性のレベルの範囲を表示することで、ユーザは、特定の豆の種類に特有の特性のレベルを把握することができる。
次に、ユーザが、図92の点3208をタップした場合の処理部1401の動作について説明する。点3208は、特性「苦み」のレベル35の点であり、豆Aの特性のレベルの範囲3206の範囲内にはないが、豆Bの特性のレベルの範囲3207の範囲内にあるものとする。
この場合、一例では、選択された特性のレベルを有するデータセットの特性のレベルの範囲を表示してもよい。図93に、図92で、特性「苦み」のレベル35がタップされた場合の設定画面の一例を示す。図93のグラフ領域3201には、図92と同様の特性の軸3203~3205が表示されるとともに、点3208と同一の特性のレベルを有するデータセットの特性のレベルの範囲3301が表示される。すなわち、図93の例では、ユーザが点3208を選択したが、更に複数のデータセットが選択可能である場合の動作例である。
なお、点3208に対応する特性のレベルは、豆Bのみの特性のレベルの範囲3207に含まれ、豆Aの特性のレベルの範囲3206には含まれないため、豆Aの特性のレベルの範囲は表示されない。
続いて、ユーザが図93の表示において、点3208をドラッグして移動させた場合の動作について図94を参照して説明する。図94は、特性「苦み」のレベル35に対応する点3208から、特性「苦み」のレベル32に対応する点3402へ、選択している特性のレベルを変更した場合の動作である。この場合、点3402は豆Bの特性のレベルの範囲3207内ではあるものの、豆Aの特性のレベルの範囲3206外であるため、豆Aの特性のレベルの範囲3206は表示されない。また、変更後の点3402と同一の特性のレベルを有するデータセットの特性のレベルの範囲が変われば、特性のレベルの範囲は、例えば範囲3301から範囲3401に変化する。
続いて、ユーザが図92の表示において、点3209をタップした場合に表示される設定画面について説明する。点3209は、特性「苦み」のレベル28の点であり、豆Aの特性のレベルの範囲3206および豆Bの特性のレベルの範囲3207に含まれる。また、点3209と同一の特性のレベルを有するデータセットは2つであるものとする。
この場合、処理部1401は2つのデータセットに含まれる特性情報を表示するとともに、2つのデータセットの原材料情報3501、3502、および「レシピに反映する」ボタン3503を表示してもよい。ユーザは、原材料情報3501または3502の何れかを押下し、選択状態にした後に「レシピに反映する」ボタン3503を押下する(S2203でYes)ことで、調製用プロファイルを取得することができる(S2209)。
あるいは、さらに特性「酸味」のレベルを選択してもよい。その場合、点3504または点3505をタップすることで、何れのデータセットを選択してもよい。
なお、図95の表示では、豆Aの特性のレベルの範囲3206および豆Bの特性のレベルの範囲3207を表示し続けることとしているが、点3209と同一の特性のレベルを有する2つのデータセットを表示すると共に、範囲3206および3207を非表示にしてもよい。
また、一例では、処理部1401は複数の原材料情報を表示する場合に、データセットに含まれる情報に基づいて、いずれかの飲料情報を推奨してもよい。ユーザが図92の表示において、点3209をタップした場合の処理部1401の動作について図96を参照して説明する。
処理部1401は、原材料情報3501および3502を表示する場合に、データセットに含まれる優先度情報4138、および値段情報4139の少なくとも何れかに基づいて、推奨する原材料を表示する。また、一例では、特性情報DB4130のうちの原材料は、豆のストックに関する情報を格納しており、処理部1401は、豆のストックに関する情報に基づいて
推奨する原材料を表示してもよい。
以上説明したように、本態様では、サーバのデータベースに登録されている特性のレベルの範囲の表示を豆ごとに行い、ユーザがレベルを選択する際の目安となるべき指標を表示することができる。
なお、一例では、豆ごとではなく、産地または焙煎度ごとに特性のレベルの範囲を表示してもよい。
<第五の態様>
第一乃至第四の態様では、特性「苦み」、「甘味」、「酸味」、「香り」、「後味」、および「コク」のいずれかのレベルを用いて、ユーザの好みを選択する。一例では、ユーザの好みを選択するための特性を変更可能であってもよい。第五の態様では、飲料に対するイメージに基づいて、取得する飲料情報を選択するための特性を変更する処理について説明する。
本態様では、図81の「イメージ検索」ボタン2102を押下した場合に、携帯端末1202の処理部1401が図82の処理を実行する。また、図82のS2201の処理において、図97に示す処理を行う。
図97は、第五の態様に係る設定画面の初期表示を行う処理を示すフローチャートである。まず、S3701で、処理部1401は、サーバ1201から、軸情報を取得する。軸情報とは、飲料情報を取得するために用いる特性の項目に関する情報であり、例えば、図101の特性情報DB4130の特性情報4140の列の項目に関する情報である。続いて、処理部1401は、処理をS3702に進め、サーバ1201の特性情報DB4130に格納されたデータセットを取得する。続いて、処理部1401は、処理をS3702に進め、取得したデータセットに含まれる特性情報に対してデータ処理を施し、S3704に処理を進め、取得した特性情報に対応する初期表示を行う。
続いて、図98および図99を参照し、サーバ1201の特性情報DB4130に格納される特性情報4140の項目を変更する処理の一例について説明する。図98は、コーヒーを抽出し、履歴情報を取得するまでの流れを説明するための図である。コーヒーを抽出する工程1607までは、図76と同様の処理のため、説明を省略する。
コーヒーの抽出が完了すると、飲料製造装置1204は完了通知を情報表示装置1203に送信する(工程3801)。完了通知を受信した情報表示装置1203は、工程1605で受信した設定情報に基づいて履歴情報を生成し、サーバ1201に履歴情報を送信する(工程3802)。一例では、履歴情報には、調製用プロファイル、調製用プロファイルID、飲料製造装置1204の識別子に関する情報、原材料情報、ユーザ識別子、およびオーダーを受け付けた日時情報の少なくとも何れかを含む。履歴情報を受信したサーバ1201は、当該履歴情報に基づいてユーザ情報DB4110にレコードを追加する。一例では、レコードはユーザ情報DBのユーザ情報4111、日時情報4112、豆情報4113、産地情報4114、焙煎度4115、調製用プロファイルID4116、およびマシン情報4117を含む。
また、抽出されたコーヒーを飲んだユーザは、携帯端末1202を介してコメントおよび飲料のレートを送信することがある(工程3803)。コメントは、図79のコメント入力画面を介して入力されてもよい。例えば、図79の表示領域1902のレーティング情報は、ユーザ情報DB4110のレート4118に対応してもよく、表示領域の1903のコメント情報は、ユーザ情報DB4110のコメント4119に対応するよう情報が格納されてもよい。
次に、ユーザの履歴情報を格納したユーザ情報DB4110を備えるサーバ1201が、履歴情報に基づいて、ユーザが飲料を選択するための飲料の特性を抽出する処理について図99を参照して説明する。図99の処理は、サーバ1201が所定の数の履歴情報を格納したタイミング、所定の時間間隔、あるいはサーバ管理者が指示したタイミングでサーバ1201の処理部1301が実行する。
まず、S3901で、処理部1301は、データベース1309から、ユーザ情報DB4110のデータセットを取得する。続いて、処理部1301は処理をS3902に進め、データセットに含まれるコメントを解析し、コメントに多く含まれる単語を抽出する。続いて、処理部1301は処理をS3903に進め、コメント情報に多く含まれる単語に基づいて、ユーザが飲料の調製用プロファイルを検索するために用いる飲料の特性を決定する。一例では、コメント情報に多く含まれる単語であって、「苦い」「酸っぱい」などの、既に特性としてデータベース1309に登録されている用語と似た単語は除外してもよい。また、一例では、コーヒーを飲んだ時に想起される、「赤さ」や「白さ」などの色を表す形容詞が抽出されて特性を決定してもよい。また、一例では、コーヒーを飲んだ時に想起される、「ブルーベリー」や「アーモンド」などの名詞が抽出されて特性を決定してもよい。すなわち、処理部1301は、所定の規則に基づき、コーヒーに対するイメージになりうる単語を抽出する。続いて、処理部1301は処理をS3904に進め、決定した特性を、特性情報DB4130の特性情報4140に、決定した特性の列を登録する。
続いて、処理部1301は処理をS3905に進め、豆情報4113、産地情報4114、焙煎度情報4115、および調製用プロファイルID4116の少なくとも何れかが同一のデータセットのコメント情報を取得する。本態様では、豆情報4113、産地4114、焙煎度4115、および調製用プロファイルID4116のいずれもが同一のデータセットのコメント情報を取得するものとして説明する。なお、本態様では、全てのユーザのコメント情報を取得するものとして説明するが、1人だけのユーザのコメント情報を取得してもよいし、年齢や住所などに基づいて一部のユーザのコメントを取得してもよい。
続いて、処理部1301は処理をS3906に進め、それらのデータセットのグループに対して、決定した特性のレベルを計算する。一例では、当該グループのコメントの中で、決定した特性の単語を用いているコメントの数の割合を特性のレベルとしてもよい。また、当該グループのコメントの中で、決定した特性の単語を用いている個別のユーザの数に基づいて特性のレベルを決定してもよい。あるいは、自然言語処理によって、特性とグループとのベクトル空間上の距離や、特性とコメントとのベクトル空間上の距離に基づいて特性のレベルを決定してもよい。
続いて、処理部1301は、処理をS3907に進め、計算した特性のレベルを、特性情報DB4130のグループの原材料情報および調製用プロファイルID4134と一致するデータセットに登録する。続いて、処理部1301は、処理をS3908に進め、全てのデータセットのグループに対して、全ての特性のレベルを計算したかを判断する。
全てのグループに対して全ての特性のレベルを計算したと判断すると(S3908でYes)、処理部1301は図99の処理を終了する。特性のレベルを計算していないグループがある場合(S3908でNo)、処理部1301は処理をS3905に進め、別のグループの特性のレベルを計算する。
図100に、図97の処理を実行した携帯端末1202の表示部1407に表示される設定画面の一例を示す。図100の設定画面4000には、グラフ領域4001および凡例領域4002が表示される。グラフ領域4001には、特性「赤さ」の軸4003、「さわやかさ」の軸4004、「白さ」の軸4005、およびS3703で特定された特性のレベルの範囲に基づく選択可能な範囲4006が表示されている。本例では、S3701で処理部1401が取得した軸の情報が凡例領域4002に表示され、所定の数の軸がグラフ領域4001に表示される。図100の例では、特性情報DB4130に格納された全てのデータセットについて、例えば特性「赤さ」は、レベル19~30の範囲内であることが分かる。
設定画面の初期表示を行った後の処理は、第一の態様で説明したものと同様であるため説明を省略する。
なお、本態様では、飲料情報を取得するために用いる飲料のイメージに関する特性および特性のレベルは、ユーザのコメントから生成するものとして説明を行ったが、「苦み」「甘味」などの味に関する特性と同様に、バリスタまたは店舗によって設定されてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。
このように、特性情報DB4130に格納されている特性のレベルをあらかじめ表示しておくことで、ユーザがレベルを選択する際の目安とすることができる。また、ユーザ情報DB4110に格納されているコメント情報に基づいて特性と特性のレベルを生成することで、ユーザがコーヒーを飲んだ際に感じたコーヒーに対するイメージを数値化して表示することができる。
<第六の態様>
第一乃至第五の態様では、コーヒーの味またはイメージなどの特性に基づいて、ユーザの好みを選択する。一例では、ユーザがオーダーしたコーヒーに関する嗜好情報に基づいて、ユーザが特性のレベルを選択するための目安を表示してもよい。第五の態様では、ユーザのオーダーした履歴情報を、コーヒーの特性と関連付けて表示する処理について説明する。
図102に、第六の態様にかかる履歴情報と飲料の特性に関する情報とから調製用プロファイルを検索するための処理の一例を示す。
まず、S3101からS3106で、第四の態様と同様に、処理部1401は、サーバ1201にユーザ情報を送信すると共に、サーバ1201が格納する特性情報DB4130からデータセットを取得し、当該データセットに基づく表示を行う。続いて、処理部1401は処理をS4201に進め、サーバ1201のユーザ情報DB4110からデータを取得する。続いて、ユーザ情報DB4110と特性情報DB4130との原材料情報(豆情報、産地情報、および焙煎度)ならびに調製用プロファイルIDとに基づいて、ユーザがオーダーしたことのあるコーヒーの履歴情報に対応する特性情報を特性情報DB4130から取得する。続いて、特性情報DB4130に格納された特性情報に重ねて、履歴情報を表示部1409に表示する。
続いて、処理部1401は処理をS2202に進める。以降の処理は、第一乃至第五の態様の何れかと同様のため、説明を省略する。
図103に、第六の態様に係る設定画面の一例を示す。
図103の設定画面には、グラフ領域4301および凡例領域4302が表示される。グラフ領域4301には、特性の軸4303~4305、S3104で生成された特性のレベルの範囲4306、並びにS4201で生成された嗜好情報として、2つの履歴情報に対応する特性情報4307および4308が表示されている。
次に、図104を参照して、ユーザが点4309をタップした場合の動作を説明する。本例では、点4309は、ユーザの履歴情報に対応する特性情報には含まれず、特性情報DB4130には、点4309に対応した特性のレベルを含む特性情報は1つであるものとして説明を行う。ユーザが点4309をタップすると、処理部1401は点4309の特性のレベルに対応する特性情報を特定し、画面上に特性情報4401として表示する。また、処理部1401は、特性情報4401と対応する原材料情報4402および「レシピに反映する」ボタン4403を表示してもよい。
なお、図104の例では、特性情報DB4130の特性のレベルの範囲4306と嗜好情報4307および4308とは、点4309がタップされた後も表示されているが、一例では、少なくとも何れかが非表示に切り替えられてもよい。
続いて、図104の凡例領域4302で、特性「コク」をタップして、表示する特性を変更した場合に表示される設定画面を図105に示す。図105の設定画面4300のグラフ領域4301は、図104の苦み4303、酸味4304、および甘味4305に加え、コク4501が表示されている。また、処理部1401は、特性情報4306、履歴情報4307、4308およびタップしている特性4401について、特性「コク」のレベルまたはレベルの範囲を取得し、軸「コク」2601にプロットする。以降の処理は、第一乃至第五の態様と同様のため、説明を省略する。
以上説明したように、本態様では、嗜好情報として、ユーザがオーダーしたコーヒーの特性のレベルを表示することができる。これによって、ユーザは、ユーザがオーダーしたコーヒーの履歴から、ユーザ自身の好みを把握することができる。
なお、第六の態様では、ユーザがオーダー(購入)したコーヒーの特性のレベルを表示することとしているが、一例では、ユーザが選択した特性のレベルの履歴に基づいて嗜好情報を表示してもよい。この場合、データベース1309には、端末からサーバ1201に送信された特性のレベルと、ユーザ識別子とを対応付けて格納するデータベースがあってもよい。また、そのような場合に端末に表示される嗜好情報は、例えば図103の履歴情報4307のように複数の特性のレベルを含む必要はなく、1つのみの特性のレベルを有する点で表示されてもよい。また、ユーザが選択した特性のレベルの履歴と、ユーザが購入した飲料の特性のレベルの履歴とは、異なるマーカを割当てるなどの処理をして同時に表示されてもよい。あるいは、ユーザが購入した飲料の特性のレベルと一致する場合は、ユーザが選択した特性のレベルの履歴を表示しないようにするなどして、ユーザが選択した特性のレベルの履歴と購入履歴とに基づいて嗜好情報を生成してもよい。
なお、本態様では、ユーザの嗜好情報とあわせて、特性情報DB4130の特性のレベルの範囲を合わせて表示することとするが、ユーザの嗜好情報のみが表示されてもよい。
<第七の態様>
第六の態様では、ユーザの履歴情報を取得して表示していた。一例では、携帯端末1202は、ユーザの履歴情報を加工して表示してもよい。
図106に、本態様に係るユーザの嗜好情報の取得・表示処理の一例を示す。S4601で、処理部1401は、サーバ1201のユーザ情報DB4110に格納されたユーザ情報を取得する。第七の態様では、嗜好情報とは、第六の態様と同様に、ユーザがオーダーしたことがあるコーヒーの特性のレベルであるものとする。続いて、処理部1401は、処理をS4602に進め、取得したデータセットに含まれる履歴情報に対して、後述するデータ処理を施す。その後、処理をS4603に進め、設定画面の初期表示を行う。その後、S2202に処理を進める。以降の処理は、第一乃至第六の態様の少なくとも何れかと同様のため、説明を省略する。
S4602のデータ処理とは、嗜好情報に対応する複数の特性情報に基づいて、ユーザが過去にオーダーしたことのあるコーヒーの特性のレベルの範囲を特定する処理である。一例では、複数の嗜好情報(履歴情報)に対応する複数のコーヒーの特性のレベルの最小値と最大値とに基づいて、当該特性のレベルの範囲が特定されてもよい。すなわち、全ての履歴情報に対応する特性のうちのそれぞれについて、当該特性のレベルの最小値と最大値とを取得し、最小値から最大値までを「履歴情報に対応する特性のレベルの範囲」としてもよい。
別の例では、全ての履歴情報に対応する特性のレベルの平均値、中央値、分散等の統計的な数値に基づいて、選択可能なレベルの範囲が生成されてもよい。
図107に、第七の態様に係る設定画面の初期表示の一例を示す。図107の設定画面4700には、グラフ領域4701および凡例領域4702が表示される。グラフ領域4701には、特性「苦み」の軸4703、「酸味」の軸4704、「甘味」の軸4705、S3104で生成した特性情報DB4130に格納される選択可能な特性のレベルの範囲4706、および履歴情報に基づく特性のレベルの範囲4707が表示されている。図107の例では、履歴情報に基づく特性のレベルの範囲は、例えば特性「苦み」は、レベル20~35の範囲内であることが分かる。同様に、特性「酸味」は、レベル19~28の範囲内にあることが分かる。
このように、ユーザ情報DB4110に基づく特性のレベルの範囲をあらかじめ表示しておくことで、ユーザがユーザ自身の好みを把握する際の目安とすることができる。また、ユーザ情報DB4110のデータセットの数が大きくなったとしても、視認性を良好に保ったまま、ユーザによる特性のレベルの選択を可能にする。
<第八の態様>
第七の態様では、ユーザの購入履歴に含まれる飲料の特性のレベルの範囲を表示した。一例では、付加的な嗜好情報を用いて、ユーザに、ユーザ自身の好みを分かりやすく表示してもよい。第七の態様では、ユーザがコーヒーに対してしたレーティングに基づいて嗜好情報を表示する処理について説明する。
図108は、本態様に係る嗜好情報に対応する特性情報を取得、表示する処理の一例を示す。S4801で、処理部1401は、サーバ1201のユーザ情報DB4110に格納された嗜好情報(ユーザ情報)を取得する。続いて、処理部1401は、処理をS4802に進め、取得した嗜好情報から、レート情報4118が同一である嗜好情報を抽出する。続いて、処理部1401は、処理をS4803に進め、レート情報4118が同一である嗜好情報に対応する特性情報にデータ処理を施す。一例では、レート情報4118が同一である嗜好情報の調製用プロファイルID4116に対応する特性情報を特定し、特性のレベルの最小値と最大値とに基づいて、レートが同一である履歴情報に対応する特性のレベルの範囲が特定されてもよい。また、履歴情報に対応する特性のレベルの平均値、中央値、分散などの統計的な数値に基づいて、選択可能な特性のレベルの範囲が生成されてもよい。
一例では、レートが1~5までの数値である場合、S4803では、例えばレートが0以上2未満のユーザ情報、2以上4未満のユーザ情報、または4以上のユーザ情報を抽出してもよい。すなわち、レート情報4118が異なるユーザ情報でも同一グループに分けられてもよく、所定の条件に基づいて、履歴情報をグループ分けすればよい。これによって、ユーザがレーティングを行う場合には細かく採点ができる一方、表示する際には、ユーザが簡単にレートを確認できるよう表示することができる。
また、一例では、グループ分けした嗜好情報から、表示データを生成するために用いる嗜好情報をさらに選択してもよい。例えば、日時情報4112が新しい順に最大100件の嗜好情報を選択してもよい。これによって、ユーザの好みの時間的な変化に対応して、ユーザの好むコーヒーの特性のレベルの範囲を表示することができる。
続いて、処理部1401は、処理をS4804に進め、嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲の表示データを生成する。続いて、処理部1401は処理をS4805に進め、全ての種類のレートについて、嗜好情報に対応する特性情報に基づいて表示データを生成したか否かを判断する。全ての種類のレートについて表示データの生成を行っていないと判断すると(S4805でNo)、処理部1401は処理をS4802に戻し、別の種類のレートに対応する特性情報を抽出する。全ての種類のレートについて表示データの生成を行ったと判断すると(S4805でYes)、処理部1401は処理をS4806に進め、生成した全ての表示データに基づき、設定画面の初期表示を行う。その後、S4202に処理を進める。以降の処理は、第七の態様と同様のため、説明を省略する。
次に、図109に、第八の態様に係る設定画面の初期表示の一例を示す。図109の設定画面4700には、グラフ領域4701および凡例領域4702が表示される。グラフ領域4701には、特性「苦み」の軸4703、「酸味」の軸4704、「甘味」の軸4705、S3104で生成した特性情報DB4130に格納される選択可能な特性のレベルの範囲4706が表示されている。また、グラフ領域4701には、レートが0以上の履歴情報に基づく特性のレベルの範囲4901、レートが2以上の履歴情報に基づく特性のレベルの範囲4902、およびレートが4以上の履歴情報に基づく特性のレベルの範囲4903が表示される。
このように、ユーザの嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲をあらかじめ表示しておくことで、ユーザがユーザ自身の好みを把握する際の目安とすることができる。
<第九の態様>
第六乃至第八の態様では、設定画面の初期表示において、ユーザの嗜好情報を合わせて表示した。一例では、ユーザが特性のレベルを選択する過程で、ユーザの嗜好情報の表示を切り替えられてもよい。第九の態様では、ユーザがコーヒーをオーダーした日時情報に基づいて表示を切り替える処理について説明する。
図110に、第九の態様に係る設定画面を表示する処理の一例を示す。
まず、図110(A)のS3101からS3106で、第四の態様と同様に、処理部1401は、サーバ1201にユーザ情報を送信すると共に、サーバ1201が格納する特性情報DB4130からデータセットを取得し、当該データセットに基づく表示を行う。続いて、処理部1401は処理をS5001に進め、図110(B)の処理を行う。
まず、S5002でサーバ1201のユーザ情報DB4110からデータを取得する。続いて、処理部1401は処理をS5003に進め、ユーザ情報の日時情報4112、すなわちユーザがコーヒーを購入した日時が所定の条件に一致する嗜好情報を抽出する。続いて、処理部1401は処理をS5004に進め、履歴情報にデータ処理を施す。一例では、S5004のデータ処理は、第七の態様で説明したデータ処理と同様であってもよい。続いて、処理部1401は処理をS5005に進め、表示データを生成すると共に、S5006で表示データに基づき表示を行う。
続いて、処理部1401は処理をS2202に進める。S2202以降の処理は、以下で説明するオプション変更操作以外は同様であるため、説明を省略する。
S2202で期間オプション変更操作を受付けると、当該操作は「レシピに反映する」ボタンの押下、軸の切替、および特性のレベルの選択の何れでもない(S2203、S2204、およびS2205でNo)ため、処理部1401は処理をS5007に進める。S5007で、処理部1401は期間オプションの変更操作はオプション変更のうちの1つであると判断し(S5007でYes)、処理をS5001に進め、嗜好情報を再度表示する。
図111に、第九の態様に係る設定画面の初期表示の一例を示す。図111の設定画面5100には、グラフ領域5101、凡例領域5102、およびオプション領域5103が表示される。グラフ領域5101には、特性「苦み」の軸5103、「酸味」の軸5104、「甘味」の軸5105、S3104で生成した特性情報DB4130に格納される特性情報のレベルの範囲5107、および嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲5108が表示されている。オプション領域5106には、グラフ領域5101に表示する嗜好情報を絞り込むための日時情報の条件として、「一週間以内」、「一か月以内」、「去年の今頃」、「全期間」が選択可能である。オプション領域5106上で、選択可能な何れかの日時情報の条件が選択された場合に、処理部1401は期間オプションの変更操作を受け付けたと判断する。
図111の例では、「去年の今頃」5109が選択されており、ユーザが操作している日時から、例えば13か月前から11か月前までにオーダーしたコーヒーの特性情報が範囲5108に表示される。これによって、ユーザが去年好んで飲んでいたコーヒーを把握することができる。これによって、ユーザは時間の経過によるユーザ自身の好みの変化を把握することができる。
ユーザは、例えばグラフ領域5101上で、特性のレベルを選択することで、特性情報を取得することができる。ユーザが特性のレベルを選択した場合の動作は、第一乃至第八の態様のいずれかで説明したため、説明を省略する。
<第十の態様>
第九の態様では、日時情報に基づいて、表示する嗜好情報を切り替える処理について説明した。一例では、1以上のユーザの嗜好情報を表示してもよい。第十の態様では、ユーザ識別子によって表示する嗜好情報を切り替える処理について説明する。なお、第一乃至第九の態様の何れかと同様の構成または処理については説明を省略する。
図112に、第十の態様に係る嗜好情報を表示する処理の一例を示す。図112の処理は、図110(A)のS5001の処理の詳細を示す図である。
まず、S5202で処理部1401はサーバ1201のユーザ情報DB4110から嗜好情報を取得する。続いて、処理部1401は処理をS5203に進め、嗜好情報のユーザ識別子4111、すなわちユーザ識別子が所定の条件に一致する嗜好情報を抽出する。続いて、処理部1401は処理をS5204に進め、嗜好情報に対応する特性情報にデータ処理を施す。一例では、S5204のデータ処理は、第九の態様で説明したデータ処理と同様であってもよい。続いて、処理部1401は処理をS5205に進め、表示データを生成する。続いて、処理部1401は処理をS5206に進め、表示すべき全てのユーザの嗜好情報について、表示データを生成したかを判断する。表示すべき全てのユーザの嗜好情報について表示データを生成していないと判断した場合(S5206でNo)、処理をS5203に戻し、別の1人のユーザの嗜好情報を抽出する。表示すべき全てのユーザの嗜好情報について表示データを生成したと判断した場合(S5206でYes)、処理をS5207に進め、表示データに基づき表示を行う。
なお、本態様では、ユーザごとに嗜好情報を表示するものとするが、グループごとに嗜好情報を表示してもよい。
また、第一の態様で説明したように、特性情報DB4130は、バリスタによって特性情報が入力される。そのため、特性情報DB4130を、「バリスタ」というユーザの嗜好情報として扱ってもよい。その場合は、全てのデータセットではなく、所定の条件を満たす優先度情報4138を含むデータセットのみを「バリスタ」の嗜好情報として扱ってもよい。言い換えると、バリスタが推奨するデータセットのみをバリスタの嗜好情報として扱ってもよい。
図113に、第十の態様に係る設定画面の初期表示の一例を示す。図113の設定画面5300には、グラフ領域5301、凡例領域5302、およびオプション領域5303が表示される。グラフ領域5301には、特性「苦み」の軸5303、「酸味」の軸5304、「甘味」の軸5305、S3104で生成した特性情報DB4130に格納される特性情報のレベルの範囲5307が表示される。また、グラフ領域5301には、バリスタの嗜好情報に基づく特性のレベルの範囲5308およびユーザ自身の嗜好情報に基づく特性のレベルの範囲5309も表示される。オプション領域5306には、グラフ領域5301に表示する嗜好情報を絞り込むためのユーザ識別子の条件として、バリスタ5311、自分5312、友人ユーザA、および友人ユーザBの少なくとも何れかが選択可能である。オプション領域5306上で、選択可能なユーザの選択が変更された場合に、処理部1401はユーザオプションの変更操作を受け付けたと判断し、図112に示す処理を再度実行する。点5310は、バリスタの嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲5308内であって、ユーザ自身の嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲5309外の点である。
続いて、図113の点5310をユーザがタップした場合に再度表示される画面を、図114を参照して説明する。なお、図113と同様の構成要素については同一の参照符号を用いる。また、この例では、タップされた点5310の特性のレベルに対応する特性情報は、特性情報5404および5405の2つであるものとする。
図114では、点5310の特性のレベルに対応する特性情報5404および5405をグラフ領域5301に表示するとともに、特性情報5404および5405に対応する原材料情報5401および5402、ならびに「レシピに反映する」ボタン5403を表示してもよい。
この例では、タップされた点5301の特性のレベルは、ユーザ自身の嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲5309外であるため、範囲5309は非表示に切り替えられてもよい。
また、特性情報5404は、グラフ領域5301に表示される特性5303~5305のうちの1つの特性「酸味」がバリスタの嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲5308の外である。一方、特性情報5405は、グラフ領域5301に表示される特性5303~5305のいずれもがバリスタの嗜好情報に対応する特性のレベルの範囲5308に含まれる。そのため、処理部1401は特性情報5405に対応する原材料情報5401を、特性情報5404に対応する原材料情報5402より推奨してもよい。なお、処理部1401は、ユーザの嗜好情報のみではなく、価格情報等の他の要素に基づいて何れかの調製用プロファイルを推奨してもよい。
<その他の態様>
本態様では、情報表示装置1203に出力するための調製用プロファイルを選択するものとして説明を行ったが、それ以外の用途に本態様を用いてもよい。例えば、「レシピに反映する」機能は、コーヒー豆を通販で購入する機能に置き換えられてもよい。
上記第一乃至第十の態様は随意に組み合わせることができる。例えば、第三の実施形態と第五の態様を組み合わせて、設定画面の初期表示において、特性情報DB4130に格納されるデータセットの「苦み」などの味の特性に加え、「赤さ」などのイメージの特性のレベルの範囲を表示してもよい。
携帯端末を介してユーザが操作することとしたが、情報表示装置1203を介して特性のレベルの選択を行ってもよい。
本明細書では、レーダーチャートによって選択可能な特性の範囲および履歴情報(嗜好情報)の少なくとも何れかを表示する例を示したが、これに限定する必要はない。例えば、特性「苦み」がレベル19~30の範囲内であり、オーダーしたことのあるコーヒーの特性「苦み」がレベル15~20の範囲内である場合、棒グラフ上で、行方向にそれぞれラベル「苦み」とラベル「オーダー履歴:苦み」としてレベルの範囲を示してもよい。あるいは、ラベル「苦み」上に、2本の異なる書式の線を用いて選択可能な特性の範囲とオーダー履歴とを示してもよい。また、バブルチャート、折れ線グラフ等、任意のグラフの種類を用いることができる。
これまで説明した種々の態様は以下の装置を少なくとも開示する。
1.上記態様の装置(例えば1202、1203)は、
選択可能な飲料の味に関する特性のレベルの範囲(例えば2303、3006)を表示する表示手段と、
前記範囲の中から、ユーザによる、前記特性のレベルの選択を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記特性のレベルに対応する飲料情報(例えば2404、2406、調製用プロファイル)を取得する取得手段と、
を有する。
この態様によれば、ユーザからの特性のレベルの選択に基づいて飲料情報を提示することができる場合がある。
2.上記装置では、
前記表示手段は、飲料の味に関する複数の特性のレベルの範囲を表示し、
前記受付手段は、前記範囲の中からユーザによる前記複数の特性のレベルの選択を受け付け、
前記取得手段は、受け付けた前記複数の特性のレベルに対応する飲料情報を取得する。
この態様によれば、ユーザからの特性のレベルの複数の選択に基づいて飲料情報を提示することができる場合がある。
3.上記装置は、
前記飲料情報を取得するために用いる飲料の味に関する特性の選択を受け付ける第二の受付手段と、
前記第二の受付手段で受け付けた前記特性の選択に従い、前記表示手段による表示を切り替える切替手段と、
を有する。
この態様によれば、ユーザは、飲料情報を取得するために用いる特性を選択することができる場合がある。
4.上記装置では、
前記第二の受付手段は、飲料の味に関する複数の特性の選択を受け付け、
前記切替手段は、前記第二の受付手段で受け付けた前記複数の特性の選択に従い、前記表示手段による表示を切り替える。
この態様によれば、ユーザは、飲料情報を取得するために用いる複数の特性を選択することができる場合がある。
5.上記装置では、
前記飲料情報とは、飲料を調製するための原材料の情報および調製用プロファイルに関する情報の少なくとも何れかを含む。
この態様によれば、ユーザからの特性のレベルの選択に基づいて、飲料を調製するための原材料の情報および調製用プロファイルに関する情報の少なくとも何れかを提示することができる場合がある。
6.上記装置では、
前記表示手段は、原材料に関連付けられた選択可能な飲料の味に関する特性のレベルの範囲を表示し、
前記受付手段で受け付けた前記特性のレベルの選択が、複数の原材料に関連付けられた前記特性のレベルの範囲に含まれる場合、
前記複数の原材料のうちのいずれかの原材料に関連付けられた飲料情報を前記取得手段に取得させるかを決定する決定手段を有する。
この態様によれば、取得する候補となる飲料情報が複数ある場合であっても、いずれの飲料情報を取得するかを決定できる場合がある。
7.上記装置では、
前記決定手段は、前記複数の原材料のうちのいずれかの原材料に関連付けられた飲料情報を前記取得手段に取得させるかをユーザ操作に基づいて決定する。
この態様によれば、取得する候補となる飲料情報が複数ある場合であっても、ユーザ操作に基づいて、いずれの飲料情報を取得するかを決定できる場合がある。
8.上記装置では、
前記決定手段は、前記複数の原材料のうちのいずれかの原材料に関連付けられた飲料情報を前記取得手段に取得させるかを、ユーザ操作に基づかずに決定する。
この態様によれば、取得する候補となる飲料情報が複数ある場合であっても、ユーザ操作に基づかずに、いずれの飲料情報を取得するかを決定できる場合がある。
9.上記装置では、
前記飲料とは、コーヒー飲料であり、前記原材料の情報はコーヒー豆の種類である。
この態様によれば、特性のレベルの選択に基づき、コーヒー飲料についての飲料情報を取得することができる場合がある。
10.上記装置では、
前記調製用プロファイルは、焙煎コーヒー豆の量、挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量、抽出圧力、および抽出時間の少なくとも何れかを含む。
この態様によれば、特性のレベルの選択に基づき、焙煎コーヒー豆の量、挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量、抽出圧力、および抽出時間の少なくとも何れかを含む飲料情報を取得することができる場合がある。
11.上記装置では、
前記飲料の味に関する特性は、苦み、酸味、および甘みの少なくとも何れかを含む。
この態様によれば、苦み、酸味、および甘みの少なくとも何れかを含む特性のレベルの選択に基づき、飲料情報を取得することができる場合がある。
12.上記装置は、
前記取得手段で取得した前記飲料情報の少なくとも一部を、飲料を調製する飲料製造装置に出力する出力手段を有する。
この態様によれば、特性のレベルの選択に基づき取得した飲料情報の少なくとも一部を出力し、所望の飲料を調製するよう飲料製造装置を制御することができる場合がある。
13.上記装置では、
前記出力手段は、近距離無線通信または二次元バーコードの何れかを介して前記飲料情報の少なくとも一部を出力する。
この態様によれば、飲料製造装置を直接操作することなく、近距離無線通信または二次元バーコードの何れかを介して飲料製造装置に飲料情報の少なくとも一部を出力することができる場合がある。
14.上記装置では、
前記表示手段では、各特性のレベルとして、最低レベル、最高レベル、選択可能な最低レベル、選択可能な最高レベルが示され、
前記特性のレベルの範囲とは、前記選択可能な最低レベルから前記選択可能な最高レベルの範囲のことである。
この態様によれば、対応する飲料情報が存在する特性のレベルを選択させることができる場合がある。
15.上記装置では、
前記表示手段では、各特性のレベルとして、推奨する最低レベル、推奨する最高レベルが示される。
この態様によれば、推奨するレベルの範囲を表示することができる場合がある。
16.上記装置は、
前記受付手段で、前記範囲の中から、ユーザによる、前記特性のレベルの選択を受け付けると、前記表示手段で表示する選択可能な飲料の味に関する特性のレベルまたは選択可能な飲料の味に関する特性のレベルの範囲の表示を切り替える第二の切替手段、
を有する。
この態様によれば、ユーザが特性のレベルの選択を行ってもまだ特性のレベルが選択可能である場合には、表示を切り替えてさらに選択させることができる場合がある。
17.上記態様の方法は、
飲料の味に関する特性のレベルの範囲を表示する表示工程(例えばS2201)と、
前記範囲の中から、ユーザによる、前記特性のレベルの選択を受け付ける受付工程(例えばS2205)と、
受け付けた前記特性のレベルに対応する飲料情報を取得する取得工程(例えばS22
06)と、
を有する。
この態様によれば、ユーザからの特性のレベルの選択に基づいて飲料情報を提示することができる場合がある。
18.上記態様のプログラムは、
上記1乃至16のいずれかに記載の装置の各手段としてコンピュータを機能させる。
この態様によれば、ユーザからの特性のレベルの選択に基づいて飲料情報を提示することができる場合がある。
以上の説明では、専らコーヒー飲料を対象としたが、日本茶、紅茶などの茶、スープなどの各種飲料も対象とすることができる。また、挽く前のコーヒー豆を抽出原料とし、挽いた後の粉状のもの(コーヒー豆の挽き豆)を抽出対象として両者を区別することもできるが、挽く前のコーヒー豆であってもコーヒー豆の挽き豆であっても広義には抽出対象といえる。本明細書では、広義の意味の抽出対象を単に抽出対象と称している。したがって、抽出対象として、コーヒー豆、コーヒーの生豆、コーヒー豆の挽き豆、焙煎コーヒー豆、焙煎コーヒー豆の挽き豆、焙煎されていないコーヒー豆、焙煎されていないコーヒー豆の挽き豆等、粉末のコーヒー豆、インスタントのコーヒー、ポッドに入ったコーヒー等を例示し、飲料として、コーヒー飲料等を例示し、飲料液としてコーヒー液を例示してきたが、これらだけに限定されない。また、抽出対象として、日本茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉、挽いた茶葉、野菜、粉砕された野菜、果物、粉砕した果物、穀物、粉砕した穀物、椎茸等のきのこ類、椎茸等のきのこ類を粉砕した物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、鰹等の魚類、鰹等の魚類を粉砕した物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、こんぶ等の海藻類、こんぶ等の海藻類を粉砕した物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛、豚、鳥、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該肉等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛の骨、豚の骨、鳥の骨、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該骨等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物等の抽出材料であればよく、飲料として、日本茶、紅茶、ウーロン茶、野菜ジュース、果物ジュース、汁物、出汁、スープ等、飲料であればよく、飲料液として、日本茶のエキス、紅茶のエキス、ウーロン茶のエキス、野菜のエキス、果物のエキス、きのこのエキス、魚等のエキス、肉のエキス、骨のエキス等のエキス類であればよい。なお、実施例中で水、水道水、浄水、お湯、洗浄水と記載しているところがあるが、例えば水をお湯と置き換えたり、お湯を水と置き換えてもよい等いずれかの記載を別の記載に置き換えてもよく、全て液体、水蒸気、高温水、冷却水、冷水等と置き換えてもよい。例えば抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)とお湯を抽出容器9に入れるといった記載であれば、抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)と冷水(単に水でもよい)を抽出容器9に入れるといった記載に置き換えてもよく、この場合であれば水出しコーヒー等の抽出方法や飲料製造装置としてとらえてもよい。
本発明は、以上に示された幾つかの態様および例に限られるものではなく、これらの内容は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で相互に組み合わせ可能であり、また、目的等に応じて部分的に変更されてもよい。また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。例えば、「装置」、「部」等の表現は「ユニット」、「モジュール」等と言い換え可能な場合がある。