JP7368976B2 - 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents
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(1)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部と、(B)トルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトンからなる群から選択される有機溶媒の含有量が50ppm以下であるハロゲン化エポキシ系難燃剤3~50質量部と、(C)耐加水分解性向上剤0.1~10質量部と、を含有し、組成物全体におけるエポキシ基の総含有量が0.0155mol/kg以下である難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であり、前記耐加水分解性向上剤が、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、及びこれらの組み合わせから選択される1種以上を含有することを特徴とする、難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(2)(B)ハロゲン化エポキシ系難燃剤のエポキシ当量が30,000g/eq以上である、(1)に記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(3)(B)ハロゲン化エポキシ系難燃剤の含有量が、ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、3~50質量部である、(1)または(2)に記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(4)(B)ハロゲン化エポキシ系難燃剤が臭素化エポキシ系難燃剤である、(1)から(3)のいずれかに記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(5)五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムからなる群から選択される難燃助剤をさらに含有する、(1)から(4)のいずれかに記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
以下、本実施形態の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の各成分の詳細を例を挙げて説明する。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)は、少なくともテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(C1-6のアルキルエステルや酸ハロゲン化物等)を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素原子数4のアルキレングリコール(1,4-ブタンジオール)又はそのエステル形成性誘導体(アセチル化物等)を含むグリコール成分とを重縮合して得られるポリブチレンテレフタレート樹脂である。本実施形態において、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂はホモポリブチレンテレフタレート樹脂に限らず、ブチレンテレフタレート単位を60モル%以上含有する共重合体であってもよい。
本発明のハロゲン化エポキシ系難燃剤に用いられるエポキシ化合物は、1分子中にエポキシ基を1つ以上含有している。エポキシ化合物としては、熱安定性と耐加水分解性を高める観点から、芳香族エポキシ化合物を用いることが好ましい。芳香族エポキシ化合物の例としては、ビフェニル型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物などが挙げられる。 またエポキシ化合物として、2種以上の化合物を任意に組み合わせて使用することも可能である。
上述した通り、本発明の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全体におけるエポキシ基の総含有量は、0.0155mol/kg以下である。また、組成物全体におけるエポキシ基の総含有量は、0.0150mol/kg以下であることが好ましく、0.0140mol/kg以下であることがより好ましく、0.0130mol/kg以下であることがよりさらに好ましく、0.0120mol/kg以下であることが特に好ましい。難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全体におけるエポキシ基の総含有量をこの範囲にすることにより、本発明の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物から得られた成形品の外観を良好なものとすることができ、成形時の押出機や成形機のスクリューへの付着物の発生、ひいてはその炭化物の混入を抑制することができる。また、本発明の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物から得られた成形品の機械的特性を良好な値とすることができる。
本発明の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、難燃助剤をさらに含有することが好ましい。難燃助剤としては特に限定されないが、五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムからなる群から選択される難燃助剤が好ましく、五酸化アンチモン、三酸化アンチモンがより好ましい。
本発明に用いられる(C)耐加水分解性向上剤は、本発明の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる成形品が湿熱環境下で使用される場合において要求される、耐加水分解性を向上させるために添加される。
本発明の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の形態は、粉粒体混合物であってもよいし、ペレット等の溶融混合物(溶融混練物)であってもよい。本発明の一実施形態のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、当該技術分野で知られている設備及び方法を用いて製造することができる。例えば、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押出機又はその他の溶融混練装置を使用して混練し、成形用ペレットとして調製することができる。押出機又はその他の溶融混練装置は複数使用してもよい。また、全ての成分をホッパから同時に投入してもよいし、一部の成分はサイドフィード口から投入してもよい。
表1に示す成分、組成(質量部)でドライブレンドした材料を、30mmφのスクリューを有する2軸押出機((株)日本製鋼所製)に供給して260℃で溶融混練し、得られたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のペレットを、140℃で3時間乾燥させた後、シリンダー温度250℃、金型温度70℃にて射出成形し、UL94に準拠し、厚さ1/32インチの試験片を作製して燃焼性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す成分、組成(質量部)でドライブレンドした材料を、30mmφのスクリューを有する2軸押出機((株)日本製鋼所製)に供給して260℃で溶融混練し、得られたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のペレットを、140℃で3時間乾燥後、シリンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、ISO3167 Type1Aの引張試験片を作製し、ISO527-1,2に準拠して引張破断歪を測定した。また、同じ引張試験片を、プレッシャークッカーテスト(PCT)装置を用いて、121℃、100%RHで60時間、高温高湿処理した後に、前記測定方法と同様に引張破断歪の測定を行い、処理前に対する保持率(処理後の引張破断歪÷処理前の引張破断歪×100(%))を求め、60時間処理時点での保持率が90%以上である場合を◎、80%以上である場合を○、80%未満である場合を×として耐加水分解性を評価した。結果を表1に示す。
難燃性の評価と同様にして得たポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のペレットを、140℃で3時間乾燥させた後、以下の手順で溶融混練し、黒色付着物の量を目視観察し、付着物の発生が著しいものを「×」、比較的少ないものを「○」、少ないものを「◎」とした。結果を表1に示す。
手順1:東洋精機社製ラボプラストミルを用いて、シリンダー温度275℃、スクリュー回転数20rpmにて、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を10分間押し出す。
手順2:シリンダー温度275℃のままスクリューを停止し、シリンダー内のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を120分間滞留させる。
手順3:シリンダー温度275℃、スクリュー回転数21rpmとして、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物にて10分間パージする。
手順4:シリンダー温度275℃、スクリュー回転数60rpmとして、ポリエチレン樹脂にて5分間パージする。
手順5:シリンダー温度200℃、スクリュー回転数60rpmとして、トーヨーカラー社製パージ材「リオクリン-Z」にて5分間パージする。
手順6:スクリューを引き抜き、綿ネルで軽く拭き、パージ材を除去した後、スクリューの黒色付着物の量を観察する。
(A)PBT樹脂:ウィンテックポリマー株式会社製、末端カルボキシル基濃度20meq/kg、固有粘度0.7dL/gのポリブチレンテレフタレート樹脂
(B-1)臭素化エポキシ系難燃剤1:エポキシ当量36800g/eq、有機溶媒量5ppm、重量平均分子量約18000の臭素化エポキシ化合物
(B-2)臭素化エポキシ系難燃剤2:エポキシ当量43200g/eq、有機溶媒量0ppm、重量平均分子量約20000の臭素化エポキシ化合物
(B-3)臭素化エポキシ系難燃剤3:エポキシ当量28600g/eq、有機溶媒量60ppm、重量平均分子量約9000の臭素化エポキシ化合物
(B-4)臭素化エポキシ系難燃剤4:エポキシ当量19900g/eq、有機溶媒量4ppm、重量平均分子量約23000の臭素化エポキシ化合物
(B’-1)臭素化ポリアクリレート難燃剤:ICL JAPAN株式会社製、ペンタブロモベンジルポリアクリレート FR-1025(エポキシ当量0g/eq)
(C-1)耐加水分解性向上剤1:芳香族カルボジイミド(ラインケミージャパン社製、STABAXOL P)
(C-2)耐加水分解性向上剤2:エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER 1004K(エポキシ当量925g/eq))
ガラス繊維:日本電気硝子社製、ECS03T-127(平均繊維径13μm、平均繊維長3mm)
三酸化アンチモン:日本精鉱社製、PATOX-M
滴下防止剤:ポリテトラフルオロエチレン樹脂
Claims (5)
- (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部と、
(B)トルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトンからなる群から選択される有機溶媒の含有量が50ppm以下であり、エポキシ当量が32,000g/eq以上であるハロゲン化エポキシ系難燃剤と、
(C)耐加水分解性向上剤0.1~10質量部と、を含有し、
組成物全体におけるエポキシ基の総含有量が0.0071mol/kg以上0.0155mol/kg以下である難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であり、
前記耐加水分解性向上剤が、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、及びこれらの組み合わせから選択される1種以上を含有することを特徴とする、難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。 - (B)ハロゲン化エポキシ系難燃剤の含有量が、ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対し、3~50質量部である、請求項1に記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- (B)ハロゲン化エポキシ系難燃剤が臭素化エポキシ系難燃剤である、請求項1または2に記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- 五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムからなる群から選択される難燃助剤をさらに含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
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日本難燃剤協会 会員各社商品紹介,2022年11月28日,https://www.frcj.jp/2015/company/company05.html |
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