JP7368350B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
R5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物である硬化性樹脂組成物。
〔2〕モノマーAとモノマーBを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しない硬化性樹脂組成物であって、
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、または置換されていてもよいC1-6アルコキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはなく;
L2が単結合であり、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、式(1a)のL1aが、-O-であり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であり;
L2が、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-ときは、W1bがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物である、〔1〕記載の硬化性樹脂組成物。
(1)ヒドロキシル、
(2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、
(3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基、
(4)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェニル、
(5)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェノキシ、または、
(6)メチルである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
R5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物である粘接着剤。
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、または置換されていてもよいC1-6アルコキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはなく;
L2が単結合であり、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、式(1a)のL1aが、-O-であり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であり;
L2が、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-ときは、W1bがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物である、〔12〕記載の粘接着剤。
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
R5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物である表面コート剤。
〔16〕モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する表面コート剤であって、
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、または置換されていてもよいC1-6アルコキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはなく;
L2が単結合であり、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、式(1a)のL1aが、-O-であり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であり;
L2が、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-ときは、W1bがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物である、〔15〕記載の表面コート剤。
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、硬化することで基材に結合する組成物である。本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、第1のモノマー(モノマーA)と第2のモノマー(モノマーB)とを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しないことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、第1のモノマー(モノマーA)として、下記式(1a):
(1)ヒドロキシル、
(2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、
(3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基(例えば、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、オキセパニル、モルホリニル等)、
(4)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェニル、
(5)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェノキシ、または、
(6)メチルであり;より好ましくは、
(1)ヒドロキシル、
(2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または
(3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基であり;さらに好ましくは、ヒドロキシル、または1~4個のC1-6アルキルで置換されていてもよい4員~6員の含酸素飽和ヘテロ環基である。
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、第2のモノマー(モノマーB)として、式(1b):
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で架橋性モノマーを配合してもよい。架橋性モノマーは、少なくとも2つの重合性官能基を有するモノマーである。架橋性モノマーとしては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド等の(メタ)アクリロイル基を2個以上(好ましくは2個)有する多官能(メタ)アクリルアミド;エチレンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上(好ましくは2個または3個)有する多官能(メタ)アクリレート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、リシントリイソシアネート、メチリジントリフェニレントリイソシアネート等のイソシアネート基を2個以上(好ましくは2個または3個)有する多官能イソシアネート;ジアリルアミン、トリアリルアミン等の炭素-炭素二重結合を2個以上(好ましくは2個または3個)有する多官能アミン;ジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン等の炭素-炭素二重結合を2個以上(好ましくは2個または3個)有する芳香族化合物等の多官能モノマーが挙げられる。これらの架橋性モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上述したモノマーA、モノマーB、および架橋性モノマー以外のその他のモノマーを配合してもよい。他のモノマーの一例としては、上記式(1)に含まれないアクリレート樹脂やメタクリレート樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートは含有しない。なお、本明細書において「炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであって、アルキルエステル部分を構成するアルキル基が、炭素数10以上の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であるアルキル-(メタ)アクリレートを意味する。すなわち、前記の炭素数に、(メタ)アクリル酸部分を構成する炭素は含まれない。
モノマーB、および架橋性モノマーを除いた残部をその含有量とすることができる。
本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、一方の基材と他方の基材との両方に結合し、一方の基材が他方の基材に対して相対的に移動することを防止する材料をいう。一方の基材に対して他方の基材が相対的に移動することを防止するとは、一方の基材が他方の基材からみて完全に動かない場合だけではなく、一方の基材が他方の基材に対して一定の範囲で移動することを許容するように固定することも含む。換言すれば、本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、完全に硬化している必要はない。一定の範囲は、両基材の配置される場所や利用目的等によって決定すればよい。いわば、粘接着剤は、剥がれ難い接着性を有する粘着剤、あるいは粘着剤に似た柔らかさを有する接着剤といえる場合がある。粘接着剤は、強度が要求されない接合などにおいて、軽量化や作業の簡素化等の観点から、ボルトによる締結や溶接といった接合方法に変えて用いられることがある。また、柔らかさを有する粘接着剤は、耐振性等が求められる用途に好適に用いられる。
本発明の一実施形態に係る表面コート剤は、基材に結合して硬化し、基材の表面を保護する材料をいう。表面コート剤の一例としては、塗料が挙げられる。また、基材には、上述した各材料のほかに、下塗り塗料や中塗り塗料、プライマー等も含まれる。
BA:ブチルアクリレート
4-HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
EA:エチルアクリレート
INAA:イソノニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
2-MTA:2-メトキシエチルアクリレート
OXE-10:3-エチル-3-オキセタニルメチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
BZA:ベンジルアクリレート
PHEA:フェノキシエチルアクリレート
DMAA:ジメチルアクリルアミド
DEAA:ジエチルアクリルアミド
DA:N-(3,4-ジヒドロキシフェネチル)アクリルアミド
4-MAPB:4-(メタクリルアミド)フェニルボロン酸
TMP3A:トリメチロールプロパントリアクリレート
TDI:トルエンジイソシアネート
PET:ポリエチレンテレフタレート
PP:ポリプロピレン
PE:ポリエチレン
ABS:アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂
FRP:繊維強化プラスチック
Cu:銅
Al:アルミニウム
ITO:酸化インジウムスズ
MAM:モリブデン-アルミニウム-モリブデンの積層構造
≪試験片の作製≫
モノマーA、モノマーB、および架橋性モノマーを表1記載の割合で配合した各配合物を作製した後、各配合物に、重合開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド(TPO)を、各配合物に含まれるモノマーの総量に対して10質量%加え、よく混合して表1に記載の各実施例および比較例に係る各硬化性樹脂組成物(以下、モノマー溶液ともいう)を調製した。なお、表1中の各実施例および比較例における各モノマーの配合割合は質量%であり(後述の表2、表3、および表4においても同様)、架橋性モノマーは実施例によっては含まれないものがある。次に、調製した各モノマー溶液を、バーコーターNo.10を用いて表1に記載の各材質で形成された試験板上に塗布した。次に、UV露光機を用いて、露光量3000mJ/cm2のUVを照射して塗膜を完全に硬化させて各試験片を作製し、室温で24時間静置した。
密着性試験は、JIS K 5600-5-6:1999「塗料一般試験方法-第5部:塗膜の機械的性質-第6節:付着性(クロスカット法)」に準拠して実施した。上記の試験片について、カッターナイフを使用して、塗膜を2×2mmの碁盤目状にクロスカット(25マス)した。続いて、このマス上にニチバン製の24mm幅のセロハンテープを貼り付け、このセロハンテープを試験者の手で押圧することで2分間圧着した。その後、セロハンテープを基盤に対し45°の角度で、0.5秒以内に剥いだ場合と、2秒で剥いだ場合の基盤に残ったマス数をそれぞれ数えて平均をとり、以下の基準で評価した。
0:カットの線が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。
1:カットの交差点における小さな剥がれ。
クロスカットの部分で影響を受けるものは5%未満。
2:塗膜がカットの縁に沿って、および/または交差点において剥がれている。
クロスカットの部分で影響を受けるものは5~15%。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大剥がれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的に剥がれている。
クロスカットの部分で影響を受けるものは15~35%。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大剥がれを生じており、および/または数か所の目が、部分的または全面的に剥がれている。
クロスカットの部分で影響を受けるものは35%未満。
5:上記4でも分類できない程度の大きな剥がれ。
結果を表1に示す。なお、数値が小さいほど、基盤との密着性が良好であることを示す。実施例1~9と比較例1とを比較すると、モノマーBを含むことで、密着性を発揮する基材の種類が増えることが判る。実施例4~6と比較例1とを比較すると、モノマーAがHEAのとき、モノマーBを添加すると、ガラスに対する密着性が大きく向上したことが判る。さらに、実施例1~3、7~9と比較例1とを比較すると、モノマーAが4-HBAのとき、モノマーBを含む添加すると、PETやABSといったプラスチック材料、およびAl、ITOに対しての密着性が向上すること、および、ガラスに対する密着性が大きく向上したことが判る。
≪試料の作製≫
モノマーAおよびモノマーBを表2に記載の割合で配合した各配合物を作製した後、各配合物に、重合開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド(TPO)を、各配合物に含まれるモノマーの総量に対して10質量%加え、よく混合して表2に記載の各実施例および比較例に係るモノマー溶液を調製した。次に、調製したモノマー溶液を、バーコーターNo.10を用いて表2に記載の各材質で形成された試験板上に塗布した。次に、300mm×24mmにカットしたPETフィルムまたはPPフィルムを塗膜上に載せて圧着し、UV露光機を用いて、露光量3000mJ/cm2のUVを照射して塗膜を完全に硬化させて各試料を作製し、室温で24時間静置した。
粘着性試験は、第十七改正日本薬局方6.12に記載の「180°ピール粘着力試験法」に準拠して実施した。上記の各試料において、フィルムの端を把持して180°に折り返して試験板から25mmはがした後、引張試験機の下部チャックに試験板を固定し、上部チャックにフィルムを固定した。引張試験機を、室温、湿度45%の環境下で、剥離速度300mm/秒で動かし測定を開始し、試験板から引き剥がされた50%の長さの粘着力測定値を平均してピール粘着力を測定した。
結果を表2に示す。なお、表2中の粘着性の評価における材料の組み合わせは「フィルムの材質/試験板の材質」を示す。実施例10~12のピール粘着力は比較例2のピール粘着力を、実施例13~15のピール粘着力は比較例3のピール粘着力をそれぞれ100として、指数表示した。なお、粘着性は、数値が大きいほど粘着力が高いことを示す。実施例10~12と比較例2とを比較すると、モノマーAとしてTHFAを用い、モノマーBとして4-MAPBとDAとを用いることにより、多様な種類の材質の試験板(PP、Cu、Al、ITO、MAM、Al)への粘着力が向上し、ガラスに対する粘着力への影響もほぼない。これにより、本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、多様な種類の材質の接合に使用できることが判る。
≪試験片の作製≫
モノマーA、およびモノマーBを表3に記載の割合でそれぞれ混合した混合物を作製し、各混合物に、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、モノマーの総量に対して1質量%加え、85℃で5時間撹拌した。その後、各混合物に、架橋性モノマーとして東ソー(株)製のトルエンジイソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネート/2,6-トリレンジイソシアネート=80:20の混合物)をそれぞれ添加した。その後、表3に示した組み合わせ(PP-Al)の2つの試験板(長さ:25mm×幅:10mm)の一方に、長さ方向の一端側から12mmの位置までの全面に各混合物を塗布した。他方の試験板の長さ方向の一端が、一方の試験板の一端側から長さ方向に突出し、かつ、他端が一方の試験板の一端の12mmの位置となるように他方の試験板を配置することで、他方の試験板を各混合物に接触させた。なお、両試験板は、一方の試験板が他方の試験板の幅方向がからはみ出さないように接触させた。その後、両試験板を80℃、3時間の条件で温風循環式恒温槽で暴露することで各混合物を硬化させたものを試験片とした。また一部の各混合物を用いて、表4に示した組み合わせの材質の2つの試験片も同様に作成した。
JIS K 6850:1999「接着剤-剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法」に準拠し、試験片を構成する一方の試験板をその長手方向に引っ張るとともに、他方の試験片を一方の試験板が引っ張られる方向とは逆方向に引張り、各材料間の接着力を測定した。引張り速度は、いずれの試験片も5.0mm/秒とした。
結果を表3~表5に示す。接着力は、比較例4の各試験片ごとの接着力を100として、各試験片ごとに指数表示した。数値が大きいほど接着力が高いことを示す。表3より、モノマーAとしてBA(モノマーA2)と4-HBA(モノマーA1)とを用い、モノマーBを含み、架橋性モノマーを含むことで、PP-Alの接着性が向上することが判る。また、表4より、多様な種類の材質の接着に使用できることが判る。さらに、表5より、モノマーA2として、エステル部分にエーテルあるいは環状構造を有するアクリル酸エステルや、N,N-ジアルキルアクリルアミド等も使用できることが判る。
Claims (11)
- モノマーAとモノマーBを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しない硬化性樹脂組成物であって、
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
R5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
モノマーBが、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がB(OH) 2 である化合物、および、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がヒドロキシルである化合物を含む硬化性樹脂組成物。 - L1aが-O-または-NR5-(式中、R5は、ヒドロキシルまたはC1-8アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表す)であり;L1bが-NH-である、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- 架橋性モノマーをさらに含有する、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- モノマーAとモノマーBと架橋性モノマーを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しない硬化性樹脂組成物であって、
モノマーAが、式(1a):
L 1a は、-O-または-NR 5 -を表し;
W 1a は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
R 2 は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
R 5 は、ヒドロキシルまたはC 1-8 アルコキシで置換されていてもよいC 1-8 アルキルを表し;
ここにおいて、R 2 がメチルのときは、W 1a が、単結合、またはC 1-8 アルキレンであり;
R 2 が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W 1a がC 2-20 アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L 1b は、-NH-を表し;
W 1b は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
L 2 は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W 2 は、単結合、またはC 1-2 アルキレンを表し;
R 3 およびR 4 は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH) 2 を表し;
ここにおいて、R 3 およびR 4 がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
モノマーBが、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がヒドロキシルである化合物を含む硬化性樹脂組成物。 - R2が、
(1)ヒドロキシル、
(2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、
(3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基、
(4)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェニル、
(5)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェノキシ、または、
(6)メチルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。 - W1aおよびW1bが、それぞれ独立して、単結合、またはC1-4アルキレンである、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- L2が、単結合、-O-、または-NHC(O)NH-である、請求項1~6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 組成物中のモノマーBの含有量が0.10~10.0質量%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 架橋性モノマーが、多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能イソシアネートである、請求項3~8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する粘接着剤または表面コート剤であって、
モノマーAが、式(1a):
L1aは、-O-、または-NR5 -を表し;
W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
R5は、ヒドロキシルまたはC 1-8 アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L1bは、-NH-を表し;
W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
モノマーBが、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がB(OH) 2 である化合物を含む粘接着剤または表面コート剤。 - モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する粘接着剤であって、
モノマーAが、式(1a):
L 1a は、-O-、または-NR 5 -を表し;
W 1a は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
R 2 は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
R 5 は、ヒドロキシルまたはC 1-8 アルコキシで置換されていてもよいC 1-8 アルキルを表し;
ここにおいて、R 2 がメチルのときは、W 1a が、単結合、またはC 1-8 アルキレンであり;
R 2 が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W 1a がC 2-20 アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
L 1b は、-NH-を表し;
W 1b は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
L 2 は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
W 2 は、単結合、またはC 1-2 アルキレンを表し;
R 3 およびR 4 は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH) 2 を表し;
ここにおいて、R 3 およびR 4 がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
モノマーBが、式(1b)においてR 3 およびR 4 がヒドロキシルである化合物を含む粘接着剤。
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