JP7368350B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸誘導体をモノマー成分として含有する硬化性樹脂組成物、該モノマーを構成単位として含むポリマーを含有する粘接着剤、および該モノマーを構成単位として含むポリマーを含有する表面コート剤に関する。
車両や航空機等の軽量化を代表例として、複数の異なる材質の材料を併用する、いわゆるマルチマテリアル化が進んでいる。マルチマテリアル化では、例えば、鉄とアルミニウム合金、金属と樹脂、金属とCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)等、異なる材質の材料同士を接合(以下、異種材料の接合という)することで、軽量化や単一の材料では達成しにくい機能の付与等が可能となる。異種材料の接合においては、溶接による接合が適用できない場合があるため、多様な種類の材質の接合が可能な接着技術が検討されている。
特許文献1には、多様な種類の材質の表面に強固に結合する接着性ハイドロゲルとして、水溶性主鎖モノマーと、架橋剤と、重合開始剤と、側鎖にカテコール基を有する接着性モノマーと、を構成要素とする接着性ハイドロゲル、およびこの接着性ハイドロゲルからなる接着剤が開示されている。
また、塗料等の、基材の表面を覆い、基材の表面を保護する表面コート剤が知られている。表面コート剤としては、多様な材質の材料の表面に強固に結合する塗料が知られている(例えば、特許文献2)。
国際公開第2016/190400号 特開2005-306971号公報
本発明は、より多様な種類の材質に、より強固に結合する硬化性樹脂組成物、粘接着剤、および表面コート剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明においては、例えば、以下の〔1〕~〔12〕等が提供される。
〔1〕モノマーAとモノマーBを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しない硬化性樹脂組成物であって、
モノマーAが、式(1a):
Figure 0007368350000001
[式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
Figure 0007368350000002
[式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物である硬化性樹脂組成物。
〔2〕モノマーAとモノマーBを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しない硬化性樹脂組成物であって、
モノマーAが、式(1a):
Figure 0007368350000003
[式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
1aは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
2が、ヒドロキシル、または置換されていてもよいC1-6アルコキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
Figure 0007368350000004
[式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはなく;
2が単結合であり、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、式(1a)のL1aが、-O-であり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であり;
2が、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-ときは、W1bがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物である、〔1〕記載の硬化性樹脂組成物。
〔3〕L1aが-O-または-NR5-(式中、R5は、ヒドロキシルまたはC1-8アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表す)であり;L1bが-NH-である、〔1〕記載の硬化性樹脂組成物。
〔4〕R2が、
(1)ヒドロキシル、
(2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、
(3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基、
(4)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェニル、
(5)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェノキシ、または、
(6)メチルである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔5〕W1aおよびW1bが、それぞれ独立して、単結合、またはC1-4アルキレンである、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔6〕L2が、単結合、-O-、または-NHC(O)NH-である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔7〕モノマーBが、R3および/またはR4がB(OH)2である化合物を含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔8〕モノマーBが、R3および/またはR4がヒドロキシルである化合物を含む、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔9〕組成物中のモノマーBの含有量が0.10~10.0質量%である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔10〕架橋性モノマーをさらに含有する、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔11〕架橋性モノマーが、多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能イソシアネートである、〔10〕記載の硬化性樹脂組成物。
〔12〕モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する粘接着剤であって、
モノマーAが、式(1a):
Figure 0007368350000005
[式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
Figure 0007368350000006
[式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物である粘接着剤。
〔13〕モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する粘接着剤であって、
モノマーAが、式(1a):
Figure 0007368350000007
[式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
1aは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
2が、ヒドロキシル、または置換されていてもよいC1-6アルコキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
Figure 0007368350000008
[式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはなく;
2が単結合であり、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、式(1a)のL1aが、-O-であり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であり;
2が、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-ときは、W1bがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物である、〔12〕記載の粘接着剤。
〔14〕ポリマーがさらに架橋性モノマーを構成単位として含む、〔12〕または〔13〕記載の粘接着剤。
〔15〕モノマーA、およびモノマーB、および架橋性モノマーを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する表面コート剤であって、
モノマーAが、式(1a):
Figure 0007368350000009
[式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
Figure 0007368350000010
[式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物である表面コート剤。
〔16〕モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する表面コート剤であって、
モノマーAが、式(1a):
Figure 0007368350000011
[式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
1aは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
2が、ヒドロキシル、または置換されていてもよいC1-6アルコキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
モノマーBが、式(1b):
Figure 0007368350000012
[式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはなく;
2が単結合であり、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、式(1a)のL1aが、-O-であり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であり;
2が、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-ときは、W1bがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物である、〔15〕記載の表面コート剤。
〔17〕ポリマーがさらに架橋性モノマーを構成単位として含む、〔15〕または〔16〕記載の表面コート剤。
本発明によれば、より多様な種類の材質に、より強固に結合する硬化性樹脂組成物、粘接着剤、および表面コート剤を提供することができる。
本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1-6」等と表記する場合もある。具体的には、「C1-6アルキル」なる表記は、炭素数1から6のアルキル基と同義である。
「ハロゲン原子」の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
「C1-6アルキル」は、炭素数1~6個を有する直鎖状もしくは分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1-4アルキル」である。「C1-6アルキル」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル等が挙げられる。
「C1-20アルキレン」は、炭素数1~20個を有する直鎖状もしくは分枝状の二価の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1-8アルキレン」であり、より好ましくは、「C1-6アルキレン」であり、さらに好ましくは、「C1-4アルキレン」である。「C1-20アルキレン」の具体例としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、1-メチルメチレン、1-エチルメチレン、1-プロピルメチレン、1-メチルエチレン、2-メチルエチレン、1-エチルエチレン等が挙げられる。
「C1-6アルコキシ」の「C1-6アルキル」部分は、前記「C1-6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1-4アルコキシ」である。「C1-6アルコキシ」の具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
「5員もしくは6員のヘテロアリール」としては、例えば、5員もしくは6員の単環式の芳香族ヘテロ環基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1個以上(例えば1~4個)含有する。具体的には、ピリジル、ピリミジル、ピラジル、ピリダジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾイル、テトラゾイル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル等が挙げられる。
「3員~8員の飽和または部分不飽和の炭化水素基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。
「3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種の原子を1~3個有する3員~8員の単環式の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基等が挙げられる。前記窒素原子、酸素原子および硫黄原子はいずれも環を構成する原子である。好ましくは4員~6員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基であり、より好ましくは、酸素原子を1~2個含む4員~6員の飽和もしくは部分不飽和の飽和ヘテロ環基である。具体的には、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロフリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、オキセパニル、オキセカニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、アゼカニル、モルホリニル、チオモルホリニル等が挙げられる。該基の結合手は、環を構成する炭素原子および窒素原子のいずれであってもよい。
「3員~8員の含酸素飽和ヘテロ環基」としては、例えば、酸素原子を1~2個含み、任意に窒素原子および硫黄原子から選択される同種または異種の原子を1~2個有する3員~8員の単環式の飽和ヘテロ環基等が挙げられる。前記酸素原子、窒素原子および硫黄原子はいずれも環を構成する原子である。具体的には、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、オキセパニル、オキセカニル、モルホリニル等が挙げられ;オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、およびジオキソラニルが好ましく;オキセタニルおよびテトラヒドロフリルがより好ましい。
「置換されていてもよいC1-8アルキル」、および「置換されていてもよいC1-6アルコキシ」における置換基としては、ヒドロキシル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ等が挙げられる。
「置換されていてもよいフェニル」「置換されていてもよいフェノキシ」、「置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール」、「置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基」、および「置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基」における置換基としては、例えば、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ等が挙げられる。
本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
<モノマー成分>
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、硬化することで基材に結合する組成物である。本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、第1のモノマー(モノマーA)と第2のモノマー(モノマーB)とを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しないことを特徴とする。
(モノマーA)
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、第1のモノマー(モノマーA)として、下記式(1a):
Figure 0007368350000013
[式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;L1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;W1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;R2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;R5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物を含有する。
1aとして好ましくは、-O-または-NR5-(式中、R5は、ヒドロキシルまたはC1-8アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表す)であり;より好ましくは-O-である。L1aが-O-である式(1a)の化合物は、本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物が含み得るL1aが-O-ではない式(1a)のモノマーAや、後述する他のモノマー等との相溶性が良いので好ましい。
1aとして好ましくは、単結合、またはC1-8アルキレンであり;より好ましくは、単結合、またはC1-4アルキレンである。また、W1aの別の態様として、C1-8アルキレン、C1-6アルキレン、C2-6アルキレン、C1-4アルキレン、C2-4アルキレン等が挙げられる。
2として好ましくは、
(1)ヒドロキシル、
(2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、
(3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基(例えば、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、オキセパニル、モルホリニル等)、
(4)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェニル、
(5)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェノキシ、または、
(6)メチルであり;より好ましくは、
(1)ヒドロキシル、
(2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または
(3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基であり;さらに好ましくは、ヒドロキシル、または1~4個のC1-6アルキルで置換されていてもよい4員~6員の含酸素飽和ヘテロ環基である。
接着性の観点からは、モノマーAとして、R2がヒドロキシルである化合物(モノマーA1)を含むことが好ましく;モノマーA1と、モノマーA1以外のモノマーA(すなわちR2が、メチル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基である化合物(以下、「モノマーA2」と称することがある))とを併用すること(すなわち、モノマーA1およびモノマーA2からなること)がより好ましい。
モノマーAの別の態様としては、式(1a)におけるL1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシであるか、L1aが-O-であり、W1aが単結合、またはC1-20アルキレンであり、R2が、置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であるか、L1aが-NR5-(式中、R5は、ヒドロキシルまたはC1-8アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表す)であり、W1aが単結合、またはC1-8アルキレンであり、R2が、ヒドロキシル、C1-8アルコキシ、またはメチルである1以上の化合物を含むことが好ましく;L1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシであるか、L1aが-O-であり、W1aが単結合、またはC1-20アルキレンであり、R2が、置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基である1以上の化合物を含むことがより好ましく;L1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2がヒドロキシルである1以上の化合物を含むことがさらに好ましく;L1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2がヒドロキシルである1以上の化合物と、L1aが-O-であり、W1aが単結合、またはC1-8アルキレンであり、R2がメチルである1以上の化合物とからなることが特に好ましい。
モノマーA1とモノマーA2とを併用する場合、モノマーA2の含有量に対するモノマーA1の含有量の質量割合[モノマーA1/モノマーA2]は0.01~100が好ましく、0.02~10がより好ましく、0.03~1.0がさらに好ましく、0.04~0.5が特に好ましい。
モノマーの合計量に対するモノマーAの含有量は特に制限されず、後記のモノマーB、架橋性モノマー、およびその他のモノマーを除いた残部をその含有量とすることができるが、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、93質量%以上が特に好ましい。モノマーAの含有量を75質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、93質量%以上とすることで、モノマーAの特性を発揮させることができる。モノマーの合計量に対するモノマーAの含有量の上限は、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下がさらに好ましく、97質量%以下が特に好ましい。モノマーAの特性の一例としては、柔軟性等が挙げられる。
(モノマーB)
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、第2のモノマー(モノマーB)として、式(1b):
Figure 0007368350000014
[式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;L1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;W1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;L2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;W2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはなく;L2が単結合であり、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、式(1a)のL1aが、-O-であり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であり;L2が、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-ときは、W1bがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物を含有する。
モノマーBは、上記のように、ベンゼン環状に、ヒドロキシルまたはB(OH)2を有している。本発明の一実施形態である硬化性樹脂組成物および後述の粘接着剤および表面コート剤は、これらの基が接着表面に配向することにより、より多くの種類の材料に対してより強固に結合できる一つの要因となっていると考えられる。
1bとして好ましくは、-O-または-NH-であり;より好ましくは-NH-である。L1bが-NH-である式(1b)の化合物は、硬化性樹脂組成物が硬化した後に加水分解しにくい粘接着剤や表面コート剤となるので好ましい。
1bとして好ましくは、単結合、またはC1-8アルキレンであり;より好ましくは、単結合、またはC1-4アルキレンであり;さらに好ましくは、単結合、またはC1-2アルキレンである。また、R3およびR4がいずれもヒドロキシルのときは、W1bはエチレンが好ましく、R3またはR4がB(OH)2のときは、W1bは単結合が好ましい。
2として好ましくは、単結合、-O-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-であり;より好ましくは単結合である。
2として好ましくは、単結合である。
3およびR4は、いずれもヒドロキシルであることが好ましい。また、別の態様として、R3がB(OH)2であり、R4が水素原子であるか、R3が水素原子であり、R4がB(OH)2であることが粘接着性を向上させる観点から好ましい。
モノマーBの一態様として、R3および/またはR4がB(OH)2である化合物を含む。また、別の態様として、R3および/またはR4がヒドロキシルである化合物を含む。なかでも、R3がB(OH)2であり、R4が水素原子であるか、R3が水素原子であり、R4がB(OH)2である化合物(モノマーB1)、および、R3ならびにR4が、いずれもヒドロキシルである化合物(モノマーB2)が好ましい態様として挙げられる。
モノマーB1およびモノマーB2は、各材質間の粘接着性に応じて適宜使用量を変更することができ、モノマーB1およびモノマーB2のうちどちらか一方のみを使用してもよく、モノマーB1およびモノマーB2を併用してもよい。モノマーB1とモノマーB2とを併用する場合、モノマーB2の含有量に対するモノマーB1の含有量の質量割合[モノマーB1/モノマーB2]としては、例えば、0.01~100、0.05~20、0.1~10、0.2~5.0、0.4~2.5、0.5~2.0、0.7~1.4の範囲を挙げることができる。
モノマーBは、モノマーB1を含むことが好ましく、モノマーB1およびモノマーB2を含むことがより好ましく、モノマーB1およびモノマーB2のみからなることがさらに好ましい。
モノマーBが、モノマーB2のみからなるときは、モノマーAは、式(1a)におけるL1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシであるか、L1aが-O-であり、W1aが単結合、またはC1-20アルキレンであり、R2が、置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基であるか、L1aが-NR5-(式中、R5は、ヒドロキシルまたはC1-8アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表す)であり、W1aが単結合、またはC1-8アルキレンであり、R2が、ヒドロキシル、C1-8アルコキシ、またはメチルである1以上の化合物を含むことが好ましく;L1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシであるか、L1aが-O-であり、W1aが単結合、またはC1-20アルキレンであり、R2が、置換されていてもよい3員~8員の飽和または部分不飽和のヘテロ環基である1以上の化合物を含むことがより好ましく;L1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2がヒドロキシルである1以上の化合物を含むことがさらに好ましく;L1aが-O-であり、W1aがC2-20アルキレンであり、R2がヒドロキシルである1以上の化合物と、L1aが-O-であり、W1aが単結合、またはC1-8アルキレンであり、R2がメチルである1以上の化合物とからなることが特に好ましい。
モノマーAおよびモノマーBは、公知化合物と公知の合成方法を組み合わせた方法により合成される。また、モノマーAおよびモノマーBとして市販品を使用してもよい。
モノマーの合計量に対するモノマーBの含有量は、0.10~10.0質量%が好ましく、0.15~5.0質量%がより好ましく、0.20~3.0質量%がさらに好ましく、0.35~2.0質量%が特に好ましい。モノマーの合計量に対するモノマーBの含有量を0.10質量%以上、0.15質量%以上、0.20質量%以上、0.35質量%以上とすることで、多様な種類の材料に、より強固に結合する硬化性樹脂組成物、粘接着剤、および表面コート剤とすることができる。また、モノマーの合計量に対するモノマーBの含有量を10.0質量%以下、5.0質量%以下、3.0質量%以下、2.0質量%以下とすることで、より多様な種類の材質へ強固に結合する硬化性樹脂組成物、粘接着剤、および表面コート剤とすることができる。
(架橋性モノマー)
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で架橋性モノマーを配合してもよい。架橋性モノマーは、少なくとも2つの重合性官能基を有するモノマーである。架橋性モノマーとしては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド等の(メタ)アクリロイル基を2個以上(好ましくは2個)有する多官能(メタ)アクリルアミド;エチレンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上(好ましくは2個または3個)有する多官能(メタ)アクリレート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、リシントリイソシアネート、メチリジントリフェニレントリイソシアネート等のイソシアネート基を2個以上(好ましくは2個または3個)有する多官能イソシアネート;ジアリルアミン、トリアリルアミン等の炭素-炭素二重結合を2個以上(好ましくは2個または3個)有する多官能アミン;ジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン等の炭素-炭素二重結合を2個以上(好ましくは2個または3個)有する芳香族化合物等の多官能モノマーが挙げられる。これらの架橋性モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノマーの合計量に対する架橋性モノマーの含有量は、0.10~20質量%が好ましく、0.50~15質量%がより好ましく、1.0~10質量%がさらに好ましい。モノマーの合計量に対する架橋性モノマーの含有量を0.10質量%以上、0.50質量%以上、1.0質量%以上とすることで、多様な種類の材料に、より強固に結合する硬化性樹脂組成物、粘接着剤、および表面コート剤とすることができる。また、モノマーの合計量に対するモノマーBの含有量を20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下とすることで、より多様な種類の材質へ強固に結合する硬化性樹脂組成物、粘接着剤、および表面コート剤とすることができる。
(その他のモノマー)
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上述したモノマーA、モノマーB、および架橋性モノマー以外のその他のモノマーを配合してもよい。他のモノマーの一例としては、上記式(1)に含まれないアクリレート樹脂やメタクリレート樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートは含有しない。なお、本明細書において「炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであって、アルキルエステル部分を構成するアルキル基が、炭素数10以上の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であるアルキル-(メタ)アクリレートを意味する。すなわち、前記の炭素数に、(メタ)アクリル酸部分を構成する炭素は含まれない。
モノマーの合計量に対するその他のモノマーの含有量は特に制限されず、モノマーA
モノマーB、および架橋性モノマーを除いた残部をその含有量とすることができる。
上述したモノマー成分(モノマーA、モノマーA1、モノマーA2、モノマーB、モノマーB1、モノマーB2、架橋性モノマー、およびその他のモノマー)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上述したモノマー成分(モノマーA、モノマーB、架橋性モノマー、およびその他のモノマー)以外に、さらに溶媒や、粘着剤または接着剤に一般的に添加される添加剤を含有していてもよい。前記の添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、架橋剤、重合開始剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、接着付与剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、および充填剤等が挙げられる。なかでも、後記の重合開始剤を含有することが好ましい。
<粘接着剤およびその製造方法>
本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、一方の基材と他方の基材との両方に結合し、一方の基材が他方の基材に対して相対的に移動することを防止する材料をいう。一方の基材に対して他方の基材が相対的に移動することを防止するとは、一方の基材が他方の基材からみて完全に動かない場合だけではなく、一方の基材が他方の基材に対して一定の範囲で移動することを許容するように固定することも含む。換言すれば、本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、完全に硬化している必要はない。一定の範囲は、両基材の配置される場所や利用目的等によって決定すればよい。いわば、粘接着剤は、剥がれ難い接着性を有する粘着剤、あるいは粘着剤に似た柔らかさを有する接着剤といえる場合がある。粘接着剤は、強度が要求されない接合などにおいて、軽量化や作業の簡素化等の観点から、ボルトによる締結や溶接といった接合方法に変えて用いられることがある。また、柔らかさを有する粘接着剤は、耐振性等が求められる用途に好適に用いられる。
本実施形態に係る粘接着剤は、モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(共重合体)を含有するものであり、さらに架橋性モノマーを構成単位として含むことが好ましい。また、必要に応じて、さらに溶媒や、シランカップリング剤、架橋剤、重合開始剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、接着付与剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、および充填剤等の、粘着剤または接着剤に一般的に添加される添加剤を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、多様な材質の基材に対して強固な粘接着性を有する。本発明の一実施形態に係る粘接着剤により接合可能な基材の材質としては、例えば、ガラス、ハイドロキシアパタイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化インジウムスズ(ITO)のような無機材料;アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、金(Pt)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、チタン(Ti)およびこれらの合金等の金属材料;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂(ABS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、繊維強化プラスチック(FRP)、モリブデン-アルミニウム-モリブデンの積層構造(MAM)等の有機材料等が挙げられる。また、本実施形態に係る粘接着剤は、多様な材質の基材に対して良好な粘接着性を有するため、異なる材質の基材同士を接合する粘接着剤として好適である。もちろん、本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、同一の材質の基材同士を接合するために用いてもよい。
さらに、本発明の一実施形態に係る粘接着剤は、いわゆる下塗り塗料や中塗り塗料、プライマー等の、塗料等の表面コート剤と基材とを接合させる目的での使用も意図される。
本発明の一実施形態に係る粘接着剤が固定する基材同士の形状も特に限定されない。基材の形状の一例としては、一方および他方の形状が、板状、シート状、および棒状等から選ばれる形状のいずれかであることが挙げられる。
粘接着剤に含まれるポリマーは、モノマーA、モノマーB、および架橋性モノマーを重合させることによって得ることができる。重合方法としては、特に限定されないが、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。特に、製造性や取扱い性等の観点から、塊状重合法および溶液重合法が好ましく、塊状重合法がより好ましい。
モノマー成分を溶液重合法によって重合させる際の溶媒としては、製造性や取扱い性等の観点から、非水系有機溶媒が好ましい。非水系有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、流動パラフィン等の炭化水素系有機溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化物系有機溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒の量は、通常、モノマー成分100質量部あたり、100~1000質量部程度であるが、この範囲に限定されるものではない。
モノマー成分を重合させる際には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤等が挙げられる。なかでも、粘接着剤に熱履歴を残さないようにする観点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,1’-ビイミダゾール、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(p-メトキシフェニルビニル)-1,3,5-トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’-ジ-tert-ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4-ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド(TPO)、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、ジフェニル-4-フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-2-(o-ベンゾイルオキシム)]、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス〔2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニルチタニウム〕等の光ラジカル重合開始剤;2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(p-メトキシフェニルビニル)-1,3,5-トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4’-ジ-tert-ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4-ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル-4-フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン開環重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、例えば、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤;過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。これらの熱重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の添加量は、モノマー成分100質量部に対し、0.01~20質量部が好ましく、0.1~15質量部がより好ましく、0.5~10質量部がさらに好ましい。
各モノマーを重合して粘接着剤を製造する際の各モノマーを配合する順番は、特に限定されない。一例としては、モノマーA、モノマーBを、および架橋性モノマーを配合した後に各モノマーを重合させて粘接着剤を製造することが挙げられる。他の一例としては、モノマーA、モノマーBを配合した後に両モノマーを重合させて第1のポリマーを製造し、その後、第1のポリマーと架橋性モノマーとを配合し、第1のポリマーが架橋性モノマーにより架橋した第2のポリマー(粘接着剤)を製造してもよい。
<表面コート剤>
本発明の一実施形態に係る表面コート剤は、基材に結合して硬化し、基材の表面を保護する材料をいう。表面コート剤の一例としては、塗料が挙げられる。また、基材には、上述した各材料のほかに、下塗り塗料や中塗り塗料、プライマー等も含まれる。
本発明の一実施形態に係る表面コート剤は、上述した本発明の一実施形態に係る粘接着剤と同様に、モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(共重合体)を含有するものであり、さらに架橋性モノマーを構成単位として含むことが好ましい。いわば、本発明の一実施形態である硬化性樹脂組成物が、基材の表面で硬化した硬化物であって、この硬化物の基材側の面が基材と結合し、他の面(代表的には基材の対向面)が露出する態様である。したがって、基本的な構成や製造方法は上述した発明の一実施形態に係る粘接着剤と同様であるので、記載を省略する。
以上説明した、本発明の一実施形態に係る粘接着剤および表面コート剤は、多様な種類の材質に対して、密着性、粘着性、および接着性の少なくとも一つを発揮することで、より強固に基材に結合すると考えられる。密着性、粘着性、および接着性は、一般的には、粘接着剤の使用される用途や目的に応じて、後述の実施例に掲げるような試験方法で各性能を評価することができる。したがって、いずれの性能も、本発明の一実施形態に係る粘接着剤および表面コート剤の基材に対する結合の強さを評価する性能である。
密着性(密着力の大きさ)とは、基材と粘接着剤や硬化した表面コート剤(塗料)の界面との付着力を示すものであり、一般的には分子間力、イオン結合、水素結合が、基材と粘接着剤との付着力の大きさに関与する。また、基材の凹凸と粘接着性樹脂とのアンカー効果なども密着性の向上に寄与する。従って、密着性の向上により、例えば、塗料と基材との剥離を抑制することができる。
粘着性(粘着力の大きさ)とは、例えば、粘接着剤により張り付けた2つの基材を剥がす力を示すものであり、基材と粘接着剤との密着性、および粘接着剤自体の粘弾性および靱性を合わせた力となる。粘接着剤である樹脂の粘弾性および靱性のそれぞれの大きさは、一般的には、樹脂の分子量や立体構造とともに、密着性と同様、分子間力、イオン結合、水素結合が関与する。一例として、密着性が抑制される一方で、粘弾性や靱性に優れた粘接着剤とすると、剥離可能な粘着テープなどを作製することができる。また、粘接着剤の密着性、粘弾性、靱性を向上させると、例えば比較的長期間の接合を保証できる粘着テープなどを作製することができる。
接着性(接着力の大きさ)とは、例えば、粘接着剤により接合した2つの基材において、粘接着剤と基材との界面剥離(密着性)と、粘接着剤である樹脂の破壊を起こす際に必要な力(靱性)を合わせた力である。一般的に、接着性を測定する場合には、粘接着剤が破断したり、基材と粘接着剤と結合が切断したりすることで、2つの基材同士の接合が崩壊する。接着性と粘着性との違いは、一般的には、粘着性が易接着や易剥離の指標であり、接着性は2つの基材の接合の強さの指標となる。強固な接合が可能な粘接着剤は、耐久性や耐熱性が必要な建築分野や自動車分野等、強度が求められる分野で粘接着剤として使用することができる。また、粘弾性を有する接着剤は、建築分野や自動車分野における基材と内装材と接合などに用いることができる。
本発明の一実施形態に係る粘接着剤が、より多くの種類の基材により強固に結合する理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。粘接着剤により一方の基材を他方の基材に対して接合した場合、基材同士の間に粘接着剤が介在し、代表的には、基材同士の間に粘接着剤の硬化した硬化物が形成される。同様に、表面コート剤は、硬化性樹脂組成物後硬化した硬化物が基材に接合した硬化物といえる。これらの硬化物には、基材の設置場所や用途等によっては、直接または間接的に振動や衝撃等の応力が加わることにより、硬化物が破壊されたり、基材の表面と硬化物表面との結合が破壊されたりすることがある。すなわち、粘接着剤においては基材同士の接合(いわば、基材同士の相対的な位置関係)を、表面コート剤においては表面コート剤と基材とのを維持できなくなるおそれがある。本発明の実施形態に係る粘接着剤および表面コート剤は、密着性、粘着性、および接着性の少なくとも一つに優れるため、硬化物に直接または間接的に応力が加わった場合でも基材との接合を維持することができると考えられる。
また、本発明の一実施形態に係る粘接着剤および表面コート剤を構成するモノマーBは、ヒドロキシルまたはB(OH)2を有している。これらの基が基材の表面側に配向することにより、本発明の一実施形態に係る粘接着剤および表面コート剤がより多様な種類の材質に対してより強固に結合できる一つの要因となっていると考えられる。
以下に本発明を、実施例および比較例により、さらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
本実施例において、以下の略号を使用することがある。
BA:ブチルアクリレート
4-HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
EA:エチルアクリレート
INAA:イソノニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
2-MTA:2-メトキシエチルアクリレート
OXE-10:3-エチル-3-オキセタニルメチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
BZA:ベンジルアクリレート
PHEA:フェノキシエチルアクリレート
DMAA:ジメチルアクリルアミド
DEAA:ジエチルアクリルアミド
DA:N-(3,4-ジヒドロキシフェネチル)アクリルアミド
4-MAPB:4-(メタクリルアミド)フェニルボロン酸
TMP3A:トリメチロールプロパントリアクリレート
TDI:トルエンジイソシアネート
PET:ポリエチレンテレフタレート
PP:ポリプロピレン
PE:ポリエチレン
ABS:アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂
FRP:繊維強化プラスチック
Cu:銅
Al:アルミニウム
ITO:酸化インジウムスズ
MAM:モリブデン-アルミニウム-モリブデンの積層構造
<密着性試験>
≪試験片の作製≫
モノマーA、モノマーB、および架橋性モノマーを表1記載の割合で配合した各配合物を作製した後、各配合物に、重合開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド(TPO)を、各配合物に含まれるモノマーの総量に対して10質量%加え、よく混合して表1に記載の各実施例および比較例に係る各硬化性樹脂組成物(以下、モノマー溶液ともいう)を調製した。なお、表1中の各実施例および比較例における各モノマーの配合割合は質量%であり(後述の表2、表3、および表4においても同様)、架橋性モノマーは実施例によっては含まれないものがある。次に、調製した各モノマー溶液を、バーコーターNo.10を用いて表1に記載の各材質で形成された試験板上に塗布した。次に、UV露光機を用いて、露光量3000mJ/cm2のUVを照射して塗膜を完全に硬化させて各試験片を作製し、室温で24時間静置した。
≪試験方法≫
密着性試験は、JIS K 5600-5-6:1999「塗料一般試験方法-第5部:塗膜の機械的性質-第6節:付着性(クロスカット法)」に準拠して実施した。上記の試験片について、カッターナイフを使用して、塗膜を2×2mmの碁盤目状にクロスカット(25マス)した。続いて、このマス上にニチバン製の24mm幅のセロハンテープを貼り付け、このセロハンテープを試験者の手で押圧することで2分間圧着した。その後、セロハンテープを基盤に対し45°の角度で、0.5秒以内に剥いだ場合と、2秒で剥いだ場合の基盤に残ったマス数をそれぞれ数えて平均をとり、以下の基準で評価した。
[評価基準]
0:カットの線が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。
1:カットの交差点における小さな剥がれ。
クロスカットの部分で影響を受けるものは5%未満。
2:塗膜がカットの縁に沿って、および/または交差点において剥がれている。
クロスカットの部分で影響を受けるものは5~15%。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大剥がれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的に剥がれている。
クロスカットの部分で影響を受けるものは15~35%。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大剥がれを生じており、および/または数か所の目が、部分的または全面的に剥がれている。
クロスカットの部分で影響を受けるものは35%未満。
5:上記4でも分類できない程度の大きな剥がれ。
≪結果≫
結果を表1に示す。なお、数値が小さいほど、基盤との密着性が良好であることを示す。実施例1~9と比較例1とを比較すると、モノマーBを含むことで、密着性を発揮する基材の種類が増えることが判る。実施例4~6と比較例1とを比較すると、モノマーAがHEAのとき、モノマーBを添加すると、ガラスに対する密着性が大きく向上したことが判る。さらに、実施例1~3、7~9と比較例1とを比較すると、モノマーAが4-HBAのとき、モノマーBを含む添加すると、PETやABSといったプラスチック材料、およびAl、ITOに対しての密着性が向上すること、および、ガラスに対する密着性が大きく向上したことが判る。
<粘着性試験>
≪試料の作製≫
モノマーAおよびモノマーBを表2に記載の割合で配合した各配合物を作製した後、各配合物に、重合開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド(TPO)を、各配合物に含まれるモノマーの総量に対して10質量%加え、よく混合して表2に記載の各実施例および比較例に係るモノマー溶液を調製した。次に、調製したモノマー溶液を、バーコーターNo.10を用いて表2に記載の各材質で形成された試験板上に塗布した。次に、300mm×24mmにカットしたPETフィルムまたはPPフィルムを塗膜上に載せて圧着し、UV露光機を用いて、露光量3000mJ/cm2のUVを照射して塗膜を完全に硬化させて各試料を作製し、室温で24時間静置した。
≪試験方法≫
粘着性試験は、第十七改正日本薬局方6.12に記載の「180°ピール粘着力試験法」に準拠して実施した。上記の各試料において、フィルムの端を把持して180°に折り返して試験板から25mmはがした後、引張試験機の下部チャックに試験板を固定し、上部チャックにフィルムを固定した。引張試験機を、室温、湿度45%の環境下で、剥離速度300mm/秒で動かし測定を開始し、試験板から引き剥がされた50%の長さの粘着力測定値を平均してピール粘着力を測定した。
≪結果≫
結果を表2に示す。なお、表2中の粘着性の評価における材料の組み合わせは「フィルムの材質/試験板の材質」を示す。実施例10~12のピール粘着力は比較例2のピール粘着力を、実施例13~15のピール粘着力は比較例3のピール粘着力をそれぞれ100として、指数表示した。なお、粘着性は、数値が大きいほど粘着力が高いことを示す。実施例10~12と比較例2とを比較すると、モノマーAとしてTHFAを用い、モノマーBとして4-MAPBとDAとを用いることにより、多様な種類の材質の試験板(PP、Cu、Al、ITO、MAM、Al)への粘着力が向上し、ガラスに対する粘着力への影響もほぼない。これにより、本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、多様な種類の材質の接合に使用できることが判る。
<接着性試験>
≪試験片の作製≫
モノマーA、およびモノマーBを表3に記載の割合でそれぞれ混合した混合物を作製し、各混合物に、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、モノマーの総量に対して1質量%加え、85℃で5時間撹拌した。その後、各混合物に、架橋性モノマーとして東ソー(株)製のトルエンジイソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネート/2,6-トリレンジイソシアネート=80:20の混合物)をそれぞれ添加した。その後、表3に示した組み合わせ(PP-Al)の2つの試験板(長さ:25mm×幅:10mm)の一方に、長さ方向の一端側から12mmの位置までの全面に各混合物を塗布した。他方の試験板の長さ方向の一端が、一方の試験板の一端側から長さ方向に突出し、かつ、他端が一方の試験板の一端の12mmの位置となるように他方の試験板を配置することで、他方の試験板を各混合物に接触させた。なお、両試験板は、一方の試験板が他方の試験板の幅方向がからはみ出さないように接触させた。その後、両試験板を80℃、3時間の条件で温風循環式恒温槽で暴露することで各混合物を硬化させたものを試験片とした。また一部の各混合物を用いて、表4に示した組み合わせの材質の2つの試験片も同様に作成した。
≪試験方法≫
JIS K 6850:1999「接着剤-剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法」に準拠し、試験片を構成する一方の試験板をその長手方向に引っ張るとともに、他方の試験片を一方の試験板が引っ張られる方向とは逆方向に引張り、各材料間の接着力を測定した。引張り速度は、いずれの試験片も5.0mm/秒とした。
≪結果≫
結果を表3~表5に示す。接着力は、比較例4の各試験片ごとの接着力を100として、各試験片ごとに指数表示した。数値が大きいほど接着力が高いことを示す。表3より、モノマーAとしてBA(モノマーA2)と4-HBA(モノマーA1)とを用い、モノマーBを含み、架橋性モノマーを含むことで、PP-Alの接着性が向上することが判る。また、表4より、多様な種類の材質の接着に使用できることが判る。さらに、表5より、モノマーA2として、エステル部分にエーテルあるいは環状構造を有するアクリル酸エステルや、N,N-ジアルキルアクリルアミド等も使用できることが判る。
Figure 0007368350000015
Figure 0007368350000016
Figure 0007368350000017
Figure 0007368350000018
Figure 0007368350000019
本発明によれば、より多様な種類の材質に、より強固に結合する硬化性樹脂組成物、粘接着剤、および表面コート剤を提供することができる。

Claims (11)

  1. モノマーAとモノマーBを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しない硬化性樹脂組成物であって、
    モノマーAが、式(1a):
    Figure 0007368350000020
    [式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
    1aは、-O-、-NH-、-NR5-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
    1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
    2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
    5は、置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
    ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
    2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
    モノマーBが、式(1b):
    Figure 0007368350000021
    [式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
    1bは、-O-、-NH-、-NHC(O)O-、または-NHC(O)NH-を表し;
    1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
    2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
    2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
    3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
    ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
    モノマーBが、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がB(OH) 2 である化合物、および、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がヒドロキシルである化合物を含む硬化性樹脂組成物。
  2. 1aが-O-または-NR5-(式中、R5は、ヒドロキシルまたはC1-8アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表す)であり;L1bが-NH-である、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 架橋性モノマーをさらに含有する、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. モノマーAとモノマーBと架橋性モノマーを含有し、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを含有しない硬化性樹脂組成物であって、
    モノマーAが、式(1a):
    Figure 0007368350000022
    [式中、R 1a は、水素原子またはメチルを表し;
    1a は、-O-または-NR 5 -を表し;
    1a は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
    2 は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
    5 は、ヒドロキシルまたはC 1-8 アルコキシで置換されていてもよいC 1-8 アルキルを表し;
    ここにおいて、R 2 がメチルのときは、W 1a が、単結合、またはC 1-8 アルキレンであり;
    2 が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W 1a がC 2-20 アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
    モノマーBが、式(1b):
    Figure 0007368350000023
    [式中、R 1b は、水素原子またはメチルを表し;
    1b は、-NH-を表し;
    1b は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
    2 は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
    2 は、単結合、またはC 1-2 アルキレンを表し;
    3 およびR 4 は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH) 2 を表し;
    ここにおいて、R 3 およびR 4 がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
    モノマーBが、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がヒドロキシルである化合物を含む硬化性樹脂組成物。
  5. 2が、
    (1)ヒドロキシル、
    (2)ヒドロキシルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルコキシ、
    (3)ハロゲン原子、ヒドロキシル、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよい4員~7員の含酸素飽和ヘテロ環基、
    (4)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェニル、
    (5)ハロゲン原子、C1-6アルキル、およびC1-6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1~4個の基で置換されていてもよいフェノキシ、または、
    (6)メチルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 1aおよびW1bが、それぞれ独立して、単結合、またはC1-4アルキレンである、請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 2が、単結合、-O-、または-NHC(O)NH-である、請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 組成物中のモノマーBの含有量が0.10~10.0質量%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 架橋性モノマーが、多官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能イソシアネートである、請求項3~8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  10. モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する粘接着剤または表面コート剤であって、
    モノマーAが、式(1a):
    Figure 0007368350000024
    [式中、R1aは、水素原子またはメチルを表し;
    1aは、-O-、または-NR5 -を表し;
    1aは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
    2は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
    5は、ヒドロキシルまたはC 1-8 アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルを表し;
    ここにおいて、R2がメチルのときは、W1aが、単結合、またはC1-8アルキレンであり;
    2が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1-6アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W1aがC2-20アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
    モノマーBが、式(1b):
    Figure 0007368350000025
    [式中、R1bは、水素原子またはメチルを表し;
    1b、-NH-を表し;
    1bは、単結合、またはC1-20アルキレンを表し;
    2は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
    2は、単結合、またはC1-2アルキレンを表し;
    3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH)2を表し;
    ここにおいて、R3およびR4がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
    モノマーBが、式(1b)においてR 3 および/またはR 4 がB(OH) 2 である化合物を含む粘接着剤または表面コート剤。
  11. モノマーAおよびモノマーBを構成単位として含むポリマー(ただし、炭素数10以上のアルキル-(メタ)アクリレートを構成単位として含むポリマーを除く)を含有する粘接着剤であって、
    モノマーAが、式(1a):
    Figure 0007368350000026
    [式中、R 1a は、水素原子またはメチルを表し;
    1a は、-O-、または-NR 5 -を表し;
    1a は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
    2 は、メチル、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよい5員もしくは6員のヘテロアリール、置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環基、または置換されていてもよい3員~8員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロ環基を表し;
    5 は、ヒドロキシルまたはC 1-8 アルコキシで置換されていてもよいC 1-8 アルキルを表し;
    ここにおいて、R 2 がメチルのときは、W 1a が、単結合、またはC 1-8 アルキレンであり;
    2 が、ヒドロキシル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、または置換されていてもよいフェノキシのときは、W 1a がC 2-20 アルキレンである]で表される1以上の化合物であり、
    モノマーBが、式(1b):
    Figure 0007368350000027
    [式中、R 1b は、水素原子またはメチルを表し;
    1b は、-NH-を表し;
    1b は、単結合、またはC 1-20 アルキレンを表し;
    2 は、単結合、-O-、-NH-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-OC(O)-、-OC(O)NH-、または-OC(O)O-を表し;
    2 は、単結合、またはC 1-2 アルキレンを表し;
    3 およびR 4 は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル、またB(OH) 2 を表し;
    ここにおいて、R 3 およびR 4 がいずれも水素原子であることはない]で表される1以上の化合物であり、かつ
    モノマーBが、式(1b)においてR 3 およびR 4 がヒドロキシルである化合物を含む粘接着剤。
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