JP7367533B2 - インバータ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両に搭載されるインバータ装置の構造に関する。
一般に、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両には、モータを駆動するためのコントロールユニットが設けられている。コントロールユニットには、高電圧バッテリ(二次電池)からの直流電圧を交流に変換するインバータ装置、DC/DCコンバータ、高電圧ハーネスが接続されるジャンクションボックス等の電気機器が含まれる。
インバータ装置は、一般に、直流電圧を交流電圧に変換する電力用半導体素子から主に構成される高電圧部品であるパワーモジュールと、このパワーモジュールの電力変換量などを制御する低電圧部品である制御回路基板とを含み、これらが筐体であるインバータケース内に収容された構成を有している。例えば、特許文献1には、パワーモジュールの上方に制御回路基板が配置され、これらの間に配置された接続部材により両者が電気的に接続されたインバータ装置が開示されている。このようなインバータ装置は、占有面積(フットプリント)が比較的小さく、コントロールユニットの水平方向の省スペース化を図る上で有利と言える。
特開2016-220500号公報
近年、電動車両では、モータ及びトランスアクスルからなるモータユニットの上面にコントロールユニットを直接組付けるとともに、コントロールユニットに含まれるインバータ装置等の電気機器を積層して配置し、これらインバータ装置等の電気機器同士、あるいはインバータ装置とモータとをバスバーで電気的に接続することが考えられている。このような構成によれば、モータユニット及びコントロールユニットの占有面積をコンパクトに抑えることができ、また、電力の伝達経路長を短縮できるために電力ロスを抑制できるという利点がある。この場合、特許文献1のように、インバータ装置において、パワーモジュールとコントロール基板とが上下に配置された構成によると、前記占有面積のコンパクト化により一層寄与するものとなる。
しかし、インバータ装置を他の電気機器と共に積層して配置する場合、バスバーの位置やこれに印加される電圧の大きさによっては、低電圧部品である制御回路基板が電磁波妨害を受けるおそれがあり、インバータ装置の電磁両立性(EMC;Electro-MagneticCompatibility)を確保する上では、この点について何らかの工夫が必要となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、電動車両においてインバータ装置が他の電気機器と共に積層配置される場合に、電磁両立性を確保する上で有利な構造を提供することを目的としている。
本発明の一局面に係るインバータ構造は、上下方向に配列される高電圧部品及び低電圧部品を備えた電動車両用のインバータ装置と、前記インバータ装置の上面に直接組付けられる他の電気機器とを備えたインバータ構造であって、前記高電圧部品と前記他の電気機器とがバスバーを介して電気的に接続され、上下方向において、前記低電圧部品が、前記高電圧部品を挟んで前記他の電気機器とは反対側に配置されており、前記高電圧部品と前記低電圧部品との間に、導電性材料からなる電磁シールド部材が介設されており、前記インバータ装置の内部であって前記高電圧部品が配置される領域に、当該高電圧部品を冷却する冷却液を循環させるための冷却液通路が設けられており、前記電磁シールド部材には、前記高電圧部品からの結露水を受けて前記低電圧部品の外側に案内する結露水案内部が設けられているものである。
なお、「高電圧」とは、日本の「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示[2019.05.28]別添111」に記載されている「直流60Vを超え1500V以下、又は交流30V(実効値)を超え1000V(実効値)以下の作動電圧」をいう。よって、低電圧とは、「直流60V以下、又は交流30V(実行値)以下の作動電圧」をいう。
このインバータ装置によると、低電圧部品が高電圧部品を挟んで他の電気機器とは反対側に配置されることで、前記バスバーと低電圧部品とが離間した配置となる。そのため、他の電気機器に対して高電圧部品と低電圧部品とが上下方向にコンパクトに配列される構成でありながらも、低電圧部品が、高電圧が印加される前記バスバーからの電磁波の影響を受け難く、よって、電磁両立性を確保する上で有利になる。
また、電磁シールド部材により、前記高電圧部品と前記低電圧部品との間で、前記高電圧部品が発する電磁波が効果的に遮断される。そのため、より一層、低電圧部品が電磁波の影響を受け難くなる。
また、高電圧部品が配置される領域を冷却液が循環するため、高電圧部品の発熱による故障や誤動作の発生を抑制することが可能となる。特に、発熱し易い高電圧部品が配置される領域にのみに冷却液通路が設けられているので(低電圧部品が配置される領域には冷却液通路が設けられていないので)、冷却液通路を設けることによるインバータ装置の大型化を抑制しながら、高電圧部品の誤動作等の発生を抑制することが可能となる。
なお、高電圧部品を冷却すると、結露水が高電圧部品に付着して電磁シールド部材上に滴下することが考えられる。この場合、上記構造によれば、電磁シールド部材上に滴下する結露水は、結露水案内部によって低電圧部品の外側に案内されながら当該電磁シールド部材から下方に滴下(流下)する。そのため、低電圧部品上に結露水が滴下等すること、ひいては結露水による低電圧部品の故障等が抑制される。
例えば、前記高電圧部品が、バッテリの直流電力を交流電力に変換する回路を備えたパワーモジュールを含み、前記低電圧部品が、前記パワーモジュールによる前記変換を制御する制御回路基板を含む場合には、制御回路基板がパワーモジュールを挟んで他の電気機器とは反対側に配置される。
この構造によれば、制御回路基板が電磁波の影響を受け難くなる。そのため、電磁波の影響による誤動作や故障から制御回路基板を保護することが可能となる。
上記構造において、前記高電圧部品には、当該高電圧部品に付着した結露水が流下することを促進させる流下促進部が設けられているのが好適である。
この構造によると、高電圧部品に付着した結露水が、高電圧部品の特定の場所に溜まって当該高電圧部品が故障等することを抑制することが可能となる。
この場合、前記流下促進部は、前記高電圧部品の下端部に形成された開口部であって、前記電磁シールド部材の上面のうち、前記開口部に対向する部分には絶縁処理が施されているのが好適である。
この構造によると、高電圧部品に付着した結露水は、前記開口部から電磁シールド部材上に滴下することとなる。そのため、高電圧部品に付着した結露水を円滑に電磁シールド部材上に滴下させることが可能となる。しかも、電磁シールド部材の上面のうち、前記開口部に対向する部分には絶縁処理が施されているため、高電圧部品に前記開口部を設けたことによる弊害、例えば前記開口部を介して高電圧部品から電磁シールド部材へ放電現象が生じることが防止される。
なお、前記電動車両が、走行用のモータを備えるものである場合には、当該インバータ装置は、前記モータの上面に直接組付けられるのが好適である。
この構造によれば、モータの上部に当該インバータ装置及び前記他の電気機器をコンパクトに配置することが可能となる。
この場合、前記バスバーを第1バスバーと定義したときに、前記高電圧部品と前記モータとを平面視において前記低電圧部品よりも外側の位置で電気的に接続する第2バスバーを備え、前記電磁シールド部材には、下向きに伸びて前記第2バスバーを包囲する筒状シールド部が設けられているのが好適である。
この構造では、第2バスバーは、低電圧部品を迂回する位置で筒状シールド部を通じてモータに接続される。そのため、高電圧部品とモータとを第2バスバーで電気的に接続しながらも、低電圧部品が、高電圧が印加される第2バスバーからの電磁波の影響を受け難くなる。
なお、前記インバータケースには、前記電磁シールド部材から流下する結露水を受けて貯溜する水受部が備えられているのが好適である。
この構造によれば、電磁シールド部材から流下した結露水は、水受部に集められながらそこで蒸発する。そのため、電磁シールド部材から流下した結露水がインバータケース内で不規則に流動することが抑制される。
上記各態様において、前記他の電気機器は、例えばバッテリと当該インバータ装置との間で電力の授受を中継するジャンクションボックスである。
この構成によれば、インバータ装置の低電圧部品が、ジャンクションボックスと高電圧部品とを接続するバスバーからの電磁波の影響を受けることが抑制される。
一方、本発明の他の一局面に係るインバータ構造は、上下方向に配列される高電圧部品及び低電圧部品を備えた電動車両用のインバータ装置と、前記インバータ装置の上面に直接組付けられる他の電気機器とを備えたインバータ構造であって、前記高電圧部品と前記他の電気機器とがバスバーを介して電気的に接続され、上下方向において、前記低電圧部品が、前記高電圧部品を挟んで前記他の電気機器とは反対側に配置されており、前記高電圧部品と前記低電圧部品との間に、導電性材料からなる電磁シールド部材が介設されており、前記電動車両は、走行用のモータを備えるものであり、前記インバータ装置は、前記モータの上面に直接組付けられており、前記バスバーを第1バスバーと定義したときに、当該インバータ構造は、さらに、前記高電圧部品と前記モータとを平面視において前記低電圧部品よりも外側の位置で電気的に接続する第2バスバーを備え、前記電磁シールド部材には、下向きに伸びて前記第2バスバーを包囲する筒状シールド部が設けられているものである。
さらに、本発明の他の一局面に係るインバータ構造は上下方向に配列される高電圧部品及び低電圧部品を備えた電動車両用のインバータ装置と、前記インバータ装置の上面に直接組付けられる他の電気機器とを備えたインバータ構造であって、前記高電圧部品と前記他の電気機器とがバスバーを介して電気的に接続され、上下方向において、前記低電圧部品が、前記高電圧部品を挟んで前記他の電気機器とは反対側に配置されており、前記高電圧部品と前記低電圧部品との間に、導電性材料からなる電磁シールド部材が介設されており、前記電動車両は、走行用のモータを備えるものであり、前記インバータ装置は、前記モータの上面に直接組付けられるとともに、前記電磁シールド部材から流下する結露水を受けて貯溜する水受部を備えているものである。
上記の各態様に係るインバータ構造によれば、電動車両においてインバータ装置が他の電気機器と共に積層配置される場合に、インバータ装置の電磁両立性を確保する上で有利になる。
本発明に係るインバータ構造が適用された電動車両を示す平面図である。 前記駆動ユニットの側面図である。 インバータ装置の斜視図である。 前記インバータ装置の分解斜視図である。 パワーモジュールの冷却構造を示すインバータ装置の断面概略図である。 電磁シールド板の平面図である。 前記電磁シールド板におけるパワーモジュール接続部を前方から視た斜視図(図6中の矢印A方向の斜視図)である。 パワーモジュールと制御回路基板(低電圧部品)との電気的な接続構造を説明する断面図である。 結露水の流下ルートを説明する概念図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[電動車両1の構成]
図1は、本発明が適用された電動車両を示す平面図である。図1では、電動車両1の前部の一部構成だけを抜き出して模式的に図示している。また、図1及び他の図面中の、「FR」、「RE」、「LE」、「RI」は、電動車両1の「前」、「後」、「左」、「右」の各方向を示しており、以下の説明で用いる方向は、特に言及する場合を除き、この方向に基づくものとする。
電動車両1(以下、車両1と略す)は、走行用の動力源としてモータ10を備えた、電気自動車(PEV)である。
車両1の前部において、モータルームRと車室Sとの間には、モータルームRと車室Sとの間を前後方向に仕切るダッシュパネル2が設けられている。モータルームR内には、ダッシュパネル2の前側に結合され、各々が車両1の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム3が設けられている。また、モータルームR内には、これら一対のフロントサイドフレーム3の下方にサブフレーム6も設けられている。
各フロントサイドフレーム3の前端には、クラッシュカン4が固定されている。クラッシュカン4は、車両前突時等に圧縮変形することで衝撃力を吸収する部材である。左右のクラッシュカン4の前端には、車両1の左右方向(車幅方向)に延びるバンパレインフォースメント5が接合されている。車両1の前部を上方から平面視する場合に、左右一対のフロントサイドフレーム3およびクラッシュカン4と、バンパレインフォースメント5とが、U字状に配置されている。
各フロントサイドフレーム3それぞれの外側には、前輪8が配置されている。前輪8のそれぞれには、モータルームRから延びるドライブシャフト7が連結されている。
モータルームR内には、車両1の走行用の駆動源であるモータ10を含む駆動ユニット9がさらに配置されている。図1に示すように、駆動ユニット9は、車両1の左右方向(車幅方向)の中心線CL1に対して右側にオフセットして配置されている。
図2は、駆動ユニット9の側面図(右側から見た側面図)である。図1及び図2に示すように、駆動ユニット9は、モータ10と、モータ10の上に載置されたインバータ装置11と、インバータ装置11の上に載置されたジャンクションボックス12及びDC/DCコンバータ13と、を備えている。
モータ10は、当例では三相交流同期モータであり、出力軸を含みその周囲に永久磁石が備えられたロータと、このロータの外周に配置された複数のコイルからなるステータとを備えている。ステータの複数のコイルの各々には、位相差を有した交流電力がインバータ装置11から供給される。この電力供給を受けて出力軸(ロータ)が回転し、その回転力がドライブシャフト7を介して前輪8に伝達されることにより車両1が走行する。
インバータ装置11は、車両1の車室フロアの下側等に配置された図外の高電圧バッテリ(リチウムイオン電池等の二次電池)と電気的に接続されている。インバータ装置11は、高電圧バッテリの直流電力(DC)を三相交流電力(AC)に変換してモータ10に供給するものである。また、インバータ装置11は、車両1の回生制動時(モータ10を発電機として使用して車両1の制動力として用いる時)にはモータ10で発電した交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換して高電圧バッテリに充電する。
DC/DCコンバータ13もまた前記高電圧バッテリと電気的に接続されている。DC/DCコンバータ13は、高電圧バッテリの直流電力(DC)の電圧を異なる電圧に変換して供給するものであり、例えば、高電圧バッテリの電力の電圧を当該電圧よりも低い所定の電圧に変換して、車両補機用の低電圧バッテリ(鉛蓄電池)に充電する。
ジャンクションボックス12は、インバータ装置11およびDC/DCコンバータ13と高電圧バッテリとの間で送電を中継するものであり、図外の送電ケーブルを介して高電圧バッテリに電気的に接続されている。
なお、駆動ユニット9において、モータ10と、インバータ装置11と、ジャンクションボックス12及びDC/DCコンバータ13とは、その順番で下から積層されている。そして、モータ10とインバータ装置11とがバスバーを介して電気的に接続され、ジャンクションボックス12とインバータ装置11及びDC/DCコンバータ13とが各々バスバーを介して電気的に接続されている。
駆動ユニット9は、図1に示すように、モータマウント装置14を介して左右のフロントサイドフレーム3に懸架され、これらフロントサイドフレーム3に支持されている。駆動ユニット9は、上記のように、モータルームRにおいて車両1の右側にオフセットして配置されているため、車両1の左側のモータマウント装置14と駆動ユニット9との間には、中継ブラケット15が介設されている。
[インバータ装置11の構成]
図3は、インバータ装置11の斜視図であり、図4は、インバータ装置11の分解斜視図である。
図3及び図4に示すように、インバータ装置11は、その外郭を形成するインバータケース20を有する。インバータケース20は、左右方向にやや細長い概略筒状の直方体形状であり、ケース本体21Aと、その上部に組付けられる上蓋21Bと、底部に組付けられる底蓋21Cとで構成される。
ケース本体21Aは、前後左右の側面を有する周壁部22と上壁部24とを備え、これら周壁部22と上壁部24とが同一の金属材料で一体に形成された構造を有する。上壁部24には、平面視長方形の開口部24aが形成されている。上壁部24の上面には、金属材料からなるプレート状の前記上蓋21Bが組付けられており、これにより前記開口部24aが塞がれている。
底蓋21Cは、ケース本体21Aの周壁部22の輪郭と同等の輪郭を有している。底蓋21Cの上面周縁部には、周方向に連続した堰部26が立設されている。底蓋21Cのうち堰部26の内側は、インバータケース20内で発生した結露水を受けて保持する部分(水受部29)であり、この点については後にさらに説明する。
底蓋21Cは、堰部26が図外のシール部材を介して前記周壁部22に下側から突き合わされた状態で、ケース本体21Aの下端部に組付けられている。
インバータケース20の内部には、大別すると、高電圧部品30と、低電圧部品32と、これら高電圧部品30と低電圧部品32との間に介設される電磁シールド板31(本発明の「電磁シールド部材」に相当する)とが収容されている。高電圧部品30は、直流60Vを超え1500V以下、又は交流30V(実効値)を超え1000V(実効値)以下の電圧を作動電圧とする電気部品であり、低電圧部品32は、直流60V以下、又は交流30V(実効値)以下の電圧を作動電圧とする部品である。
高電圧部品30、電磁シールド板31及び低電圧部品32は、この順番で上側からインバータケース20に収容されている。換言すれば、インバータケース20の内部空間は、電磁シールド板31により上部領域と下部領域とに仕切られており、高電圧部品30が上部領域に配置され、低電圧部品32が下部領域に配置されている。なお、インバータ装置11の上部には、上記の通りジャンクションボックス12が積層されており、従って、低電圧部品32は、高電圧部品30を挟んでジャンクションボックス12(本発明の「他の電気機器」の一例)とは反対側に配置されていると言える。
高電圧部品30は、高電圧バッテリに対して直流電力の入出力部分となるDC側入出力ユニット42と、EMC対策部品であるフィルター類43と、絶縁性樹脂で覆われた図外のバスバー回路及び平滑コンデンサ44を備えたDC側モールドバスバー45と、パワーモジュールユニット46と、絶縁性樹脂でバスバー回路がモールドされたAC側モールドバスバー47と、モータ10に対して交流電力の入出力部分となるAC側入出力ユニット48とを含んで構成されている。
パワーモジュールユニット46は、U・V・Wの各層に対応する3つのパワーモジュール46a~46cを含む。各パワーモジュール46a~46cは、前後方向に扁平な直方体形状を有し、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワー半導体を含む複数のICを組み合わせて構成されている。これらのパワーモジュール46a~46cの各々が直流電力(DC)と交流電力(AC)との変換機能を有する。
DC側入出力ユニット42はフィルター類43を介してDC側モールドバスバー45に組付けられており、AC側入出力ユニット48はAC側モールドバスバー47に組付けられている。そして、パワーモジュールユニット46がDC側モールドバスバー45とAC側モールドバスバー47とに跨がるように組付けられるとともにこれらに対して電気的に連結されている。
つまり、高電圧バッテリからの直流電力は、DC側入出力ユニット42を介してインバータ装置11に入力され、パワーモジュールユニット46(パワーモジュール46a~46c)で三層の交流電力に変換され、AC側入出力ユニット48を介してモータ10に供給される。また、車両1の回生制動時には、モータ10で生成される交流電力が、AC側入出力ユニット48を介してインバータ装置11に入力され、パワーモジュールユニット46(パワーモジュール46a~46c)で直流電力に変換され、DC側入出力ユニット42を介して高電圧バッテリに充電される。
DC側入出力ユニット42は、上向きに互いに平行に伸びるプラスマイナス一対のバスバー42a(本発明の「第1バスバー」に相当する)を備えている。各バスバー42aは、図3に示すように、インバータケース20(ケース本体21A)に形成された開口部24aを通じて上壁部24から上方に突出している。各バスバー42aの先端部は、ジャンクションボックス12の底壁部に形成された図外の開口部を通じてその内部に挿入され、ジャンクションボックス12内のバスバー回路に接続されている。この構成により、ジャンクションボックス12を介して、高電圧バッテリとインバータ装置11との間で直流電力の入出力が行われる。
AC側モールドバスバー47は、U・V・Wの各層に対応する3つのバスバー48a~48c(本発明の「第2バスバー」に相当する)を備えてる。各バスバー48a~48cは、互いに平行に下向きに延びており、インバータケース20(底蓋21C)に形成された開口部27を通じて底蓋21Cの下面から下方に突出している。各バスバー48a~48cの先端部は、モータ10の外壁部に形成された図外の開口部を通じてその内部に挿入され、モータ10内のバスバー回路に接続されている。この構成により、モータ10とインバータ装置11との間で交流電力の入出力が行われる。
パワーモジュールユニット46の各パワーモジュール46a~46cは、直流(DC)と交流電力(AC)との変換に伴い発熱する。そのため、車両1には、各パワーモジュール46a~46cを冷却するための冷却構造が設けられている。
図5は、パワーモジュール46a~46cの冷却構造を示すインバータ装置11の断面概略図である。
同図に示すように、インバータケース20(ケース本体21A)の周壁部22のうち左壁部22aには、冷却水(冷却液の一例)の入口ポート23aと出口ポート23bとが前後に所定間隔を隔てて設けられている。
ケース本体21Aの内部には、冷却水が循環する冷却液通路25が形成されている。冷却液通路25は、ケース本体21Aの左壁部22aの近傍から右壁部22bの近傍まで右向き延びる上流部25aと、右壁部22bの近傍で左右に3回折り返し(反転し)ながらジグザグに前後に延びる屈曲部25bと、右壁部22bの近傍から左壁部22aの近傍まで左向きに延びる下流部25cとを含む。つまり、図5中に矢印で示すように、冷却水は、入口ポート23aを通じて冷却液通路25の上流部25aに導入され、屈曲部25bに沿ってジグザグに流通した後、下流部25cから出口ポート23bを通じてケース本体21Aの外部に導出される。
屈曲部25bを形成する流路隔壁の底面部分には、冷却水の流れ方向に沿って一定間隔で開口部が形成されており、これら開口部を通じて各パワーモジュール46a~46cが冷却液通路25内に挿入されている。つまり、各パワーモジュール46aは、その下端部を除く大部分が冷却水中に浸漬している。これにより、各パワーモジュール46a~46cが冷却液通路25を流れる冷却水によって冷却されるのである。
なお、図5に示すように、インバータ装置11の冷却液通路25は、入口ポート23a及び出口ポート23bを介して外部の循環通路16に繋がっている。循環通路16には、インバータ装置11の他、ポンプ17、前記モータ10、ラジエータ18、デガスタンク(気液分離器)19及び前記DC/DCコンバータ13が介設されている。つまり、冷却水は、ポンプ17の駆動により圧送され、モータ10、DC/DCコンバータ13及びインバータ装置11(パワーモジュール46a~46c)をその順番で経由しながらこれらの機器を冷却し、ラジエータ18で外気との熱交換により放熱しながら循環通路16を循環する。
前記低電圧部品32は、インバータ装置11を統括的に制御する制御回路基板(以下、適宜、制御回路基板32と称す)である。制御回路基板32は、平面視で、左右方向にやや細長い長方形である。制御回路基板32は、車両1の図外のPCM(Powertrain Control Module)に電気的に接続されており、PCMからの入力情報に基づきパワーモジュールユニット46(パワーモジュール46a~46c)による電力変換を制御する。例えば、制御回路基板32は、車両1のアクセル操作量(アクセルペダルの踏み込み量及び踏み込み速度)を示す情報をPCMから受け取り、当該情報に基づき直流電力(DC)から交流電力(AC)への電力変換量を制御する。
なお、図3及び図4において符号32aは、制御回路基板32に実装された低電圧用コネクタである。低電圧用コネクタ32aは、ケース本体21A(周壁部22)の左壁部22aに形成された切欠部分を介して外部に露出している。この低電圧用コネクタ32aには、図外のワイヤーハーネスに設けられた相手側コネクタが嵌合される。これにより、制御回路基板32とPCM等とがワイヤーハーネスを介して電気的に接続される。
前記電磁シールド板31は、導体製(当例ではアルミニウム製)の障壁であり、上記の通り、インバータケース20の内部を、高電圧部品30が配置される上部領域と、低電圧部品32が配置される下部領域とに仕切っている。これにより、インバータケース20の内部は、低電圧部品32に対して、高電圧部品30が発する電磁波を電磁シールド板31で遮断する構造となっている。
図6は、電磁シールド板31の平面図である。同図に示すように、電磁シールド板31は、平面視で、左右方向にやや細長い長方形の形状を有している。より詳しくは、電磁シールド板31は、その外周面とケース本体21Aの周壁部22(内側面)との間に、僅かな隙間が形成される形状及び大きさ(面積)を有している。制御回路基板32との関係では、同図に示すように、電磁シールド板31の方が制御回路基板32よりも大きく、制御回路基板32は、平面視で電磁シールド板31の外縁部よりも内側に配置されている。
電磁シールド板31のうち、右前側の領域には、パワーモジュールユニット46の各パワーモジュール46a~46cと制御回路基板32とを電気的に接続するためのパワーモジュール接続部53a~53cが設けられている。各パワーモジュール接続部53a~53cは、各パワーモジュール46a~46cの配列に対応して前後方向に並んでいる。
図7は、電磁シールド板31における各パワーモジュール接続部53a~53cを前方から見た斜視図(図6中の矢印A方向の斜視図)である。
図6及び図7に示すように、各パワーモジュール接続部53a~53cには、電磁シールド板31を上下方向(厚み方向)に貫通する左右一対の開口部54が設けられている。左右の開口部54同士は、一定の間隔を隔て離間している。
電磁シールド板31には、最後尾に位置するパワーモジュール接続部52cの位置から当該電磁シールド板31の前端まで一定幅を保って前後方向に真っ直ぐに伸びる溝部55が形成されている。左右一対の開口部54は、この溝部55の両側において、その縁部に沿って設けられている。そして、これら開口部54を通じて各パワーモジュール46a~46cと制御回路基板32とが接続されている。
図8は、パワーモジュール46a~46cと制御回路基板32との電気的な接続構造を説明する断面図である。図6~図8に示すように、各パワーモジュール46a~46cと電磁シールド板31との間には、高電圧部品30の一部であってEMC対策部品であるパワーモジュールキャップ50(以下、PMキャップ50と称する)が介装されている。
PMキャップ50は、図7に示すように、平面視で左右方向に細長い上下方向に貫通した、絶縁性の樹脂材料かなる筒状部材である。PMキャップ50の内部は、図7及び図8に示すように、仕切壁51によって左右方向に一列に並ぶ複数の上下方向に貫通した空間からなる端子収容部52に仕切られている。当例では、7つの端子収容部52に仕切られている。
PMキャップ50は、その長手方向(左右)両端が、各々前記左右一対の開口部54に水密状態で嵌入されることにより、各パワーモジュール接続部53a~53cに組付けられている(図4参照)。
一方、各パワーモジュール46a~46cの下面には、図8に示すように、左右方向に間隔を隔てて第1コネクタ71及び第2コネクタ72が設けられている。
第1コネクタ71は、下向きに伸びる雄型端子からなる複数の第1端子73aと、これら第1端子73aに装着される第1コネクタハウジング74aからなる。複数の第1端子73aは、PMキャップ50の右端の端子収容部52及びパワーモジュール接続部53a~53cの右側の開口部54を貫通して電磁シールド板31の下方に導出されている。第1コネクタハウジング64bは、電磁シールド板31の下側で、前記複数の第1端子73aに装着されている。
第2コネクタ72も、第1コネクタ71と同様に、下向きに延びる雄型端子からなる複数の第2端子73bと、これら第2端子73bに装着される第2コネクタハウジング74bとからなる。複数の第2端子73bは、PMキャップ50の左端の端子収容部52及びパワーモジュール接続部53a~53cの左側の開口部54を貫通して電磁シールド板31の下方に導出されている。第2コネクタハウジング74bは、電磁シールド板31の下側で複数の第1端子73aに装着されている。
これら第1コネクタ71及び第2コネクタ72が、各々、制御回路基板32の上面に設けられた相手側コネクタに嵌合することにより、各パワーモジュール46a~46cと制御回路基板32とが電気的に接続されている。この構成により、制御回路基板32と各パワーモジュール46a~46cとの間で制御用の信号等の送信が可能となっている。つまり、第1コネクタ71及び第2コネクタ72の各端子61a、61bは、低電圧の電流が流れる低電圧端子である。
なお、図示を省略しているが、第1端子73aと、当該第1端子73aが貫通する端子収容部52の内壁面と間には図外のシール部材が充填されている。同様に、第2端子73bと、当該第2端子73bが貫通する端子収容部52の内壁面と間には図外のシール部材が充填されている。
図8に示すように、パワーモジュール46a~46cの下面のうち、第1端子73aが備えられている領域と、第2端子73bが備えられている領域との間には、左右方向に並ぶ複数の高電圧端子76が備えられている。当例では、5つの高電圧端子76が備えられている。これらの高電圧端子76は、DC側モールドバスバー45とAC側モールドバスバー47に接続される端子である。
これらの高電圧端子76は、図8に示すように、各々、PMキャップ50の互いに異なる端子収容部52に挿入されている。各高電圧端子76は、当該端子収容部52を貫通することなく当該端子収容部52内に収容されている。なお、PMキャップ50の両端の端子収容部52を仕切る仕切壁51と電磁シールド板31とは互いに密接しており、当該両端の端子収容部52、すなわち第1コネクタ71及び第2コネクタ72の各端子63a、63bが貫通する端子収容部52は、高電圧端子76が収容される各端子収容部52から隔離されている。これにより、第1コネクタ71及び第2コネクタ72の各端子63a、63bに対して高電圧端子76が発する電磁波が遮断されている。
高電圧端子76は、上記の通り、第1端子73aが備えられる領域と、第2端子73bが備えられる領域との間に備えられている。つまり、図8に示すように、高電圧端子76は、電磁シールド板31の前記溝部55の上方に配置されている。ここで、各高電圧端子76が挿入される端子収容部52は下方に開口しており、よって、溝部55の内面(内底面及び内側面)には絶縁処理が施されている。具体的には、溝部55の内面には絶縁シート56が貼付けられている。この構成により、高電圧端子76から電磁シールド板31へ放電現象が発生することが防止される。
図4及び図6に示すように、電磁シールド板31のうち右側後端の領域、より詳しくは、平面視で制御回路基板32よりも外側となる領域には、高電圧部品30(AC側モールドバスバー47)のバスバー48a~48cが貫通する筒状シールド部57が設けられている。筒状シールド部57は、電磁シールド板31に形成された左右方向に細長い上下方向に貫通する開口部58aと、この開口部58aの周囲から下向きに延びるように電磁シールド板31の下面に一体に形成されたスリーブ部58bとで構成されている。
なお、インバータケース20の底蓋21Cには、図4に示すように、当該底蓋21Cから前記バスバー48a~48cを外部に導出するための左右方向に細長い開口部27が形成されるとともに、当該開口部27の周囲から上向きに延びるように底蓋21Cの上面に一体に形成されたスリーブ部28とが設けられている。
底蓋21Cのスリーブ部28は、筒状シールド部57の前記スリーブ部58bに内嵌する形状を有している。つまり、各バスバー48a~48cは、電磁シールド板31の開口部58aから、両スリーブ部28、56bの内側を通って底蓋21Cの開口部27から外部に導出されている。このように、制御回路基板32を迂回しつつ筒状シールド部57(スリーブ部58b)の内側を通って各バスバー48a~48cが外部に導出されることで、制御回路基板32に対して、バスバー48a~48cが発する電磁波が電磁シールド板31(筒状シールド部57)によって遮断される構造となっている。
当例では、底蓋21Cのスリーブ部28が筒状シールド部57のスリーブ部58bに内嵌する構造であるが、逆の構造、すなわち、底蓋21Cのスリーブ部28が筒状シールド部57のスリーブ部58bに外嵌する構造であってもよい。
なお、このインバータ装置11では、高電圧部品30がインバータケース20の上方に配置され、高電圧部品30であるパワーモジュール46a~46cが冷却水で冷却される。このような構造では、インバータケース20内で結露が生じ、各パワーモジュール46a~46cや、インバータケース20のうちパワーモジュール46a~46cの近傍の部位には結露が生じる場合がある。
図9は、結露水の流下ルートを説明する概念図である(矢印は結露水の流下ルートを示している)。同図に示すように、インバータケース20のケース本体21Aや上蓋21Bに付着した結露水は、電磁シールド板31やパワーモジュール46a~46cに落下(滴下)する。インバータケース20からパワーモジュール46a~46cに落下した結露水や当該パワーモジュール46a~46cに生じた結露水は、当該パワーモジュール46a~46cからDC側モールドバスバー45やAC側モールドバスバー47を伝って電磁シールド板31に落下し、若しくはパワーモジュール46a~46cから直接電磁シールド板31に落下する。
パワーモジュールユニット46(パワーモジュール46a~46c)に多くの結露水が溜まったり、電磁シールド板31上に落下した結露水がさらに制御回路基板32上に落下すると、パワーモジュール46a~46cや制御回路基板32の故障の原因となる場合がある。これを回避すべく、上記インバータ装置11では、次のような構成が採用されている。
まず、上述した通り、PMキャップ50の各端子収容部52、すなわち、高電圧端子76が挿入される各端子収容部52は下方に開放されている。すなわち、各端子収容部52はその下端に開口部52a(本発明の「流下促進部」の一例)を備えている。そのため、各パワーモジュール46a~46cを伝って流下する結露水は、高電圧端子76が挿入された端子収容部52に滞留することなく速やかに電磁シールド板31上に落下することとなる。仮に、端子収容部52の下端が塞がっている場合には、端子収容部52に結露水が滞留して隣接する端子収容部52に溢れ、隣接する高電圧端子76同士がショートすることが考えられるが、上記構成により、そのような事態の発生が防止される。
また、電磁シールド板31のうち、高電圧端子76が挿入された端子収容部52に対応する位置には、上記の通り溝部55(本発明の「結露水案内部」の一例)が形成されている(図6~図8参照)。この溝部55は、上記の通り、最後尾に位置するパワーモジュール接続部53aの位置から電磁シールド板31の前端まで延びている。また、図7に示すように、溝部55の内底面は、最後尾のパワーモジュール接続部53a側から電磁シールド板31の前端に向かって先下がりに傾斜している。そのため、端子収容部52から電磁シールド板31に落下した結露水は、図7中の白抜き矢印に示すように、この溝部55に沿って速やかに流下し、電磁シールド板31の前端からインバータケース20の底蓋21C上に落下することとなる。従って、結露水が電磁シールド板31上に溜まって端子収容部52内に逆流することが防止される。
また、電磁シールド板31上には、高電圧部品30から落下(流下)する結露水を当該電磁シールド板31の外部に案内するための膨出部やリブからなる結露水案内用の凸部が設けられている。これらの凸部は、電磁シールド板31の上面のうち、主に高電圧部品30から滴下する結露水の量が比較的多い領域に設けられている。
具体的には、図6及び図7に示すように、筒状シールド部57の前側には、上向きに膨出する四角錐台形状の膨出部60が形成されている。また、膨出部60の左斜面から溝部55の後端かつ左端の位置まで延びるリブ61と、膨出部60の前斜面から溝部55の後端かつ右端の位置を経由して、電磁シールド板31の前端かつ右端の位置まで延びるリブ62と、膨出部60の右斜面から電磁シールド板31の右端まで延びるリブ63とが設けられている。また、電磁シールド板31の左端向かって開くように、当該電磁シールド板31の中央部よりもやや後側の領域に設けられた平面視U字型に延びるリブ64と、電磁シールド板31の前端に向かって開くように、当該電磁シールド板31の左端の領域に設けられた平面視U字型に延びるリブ65とが設けられている。
これにより、図6中に白抜き矢印で示すように、膨出部60とリブ61、62とに囲まれた領域Ar1に落下する結露水は、当該膨出部60及びリブ61、62により案内されながら溝部55に向かって流動し、膨出部60とリブ62、63とに囲まれた領域Ar2に落下する結露水は、膨出部60とリブ62、63により案内されながら電磁シールド板31の右端に向かって流動し、リブ64に囲まれた領域Ar3に滴下する結露水は、リブ64によって案内されながら電磁シールド板31の左端に向かって流動し、リブ65に囲まれた領域Ar3に滴下する結露水は、リブ65によって案内されながら電磁シールド板31の前端に向かって流動する。この構成により、上記領域Ar1~Ar4に滴下する結露水は、電磁シールド板31の周縁部に案内されて、当該周縁部からインバータケース20の底蓋21C上に落下することになる。従って、当例では、これら膨出部60及びリブ61~65とこれらによって囲まれた上記領域もまた本発明の「結露水案内部」と言える。
インバータケース20の底蓋21Cの周縁部には、上記の通り折り堰部26が形成されている。これにより、電磁シールド板31から底蓋21C上に落下した結露水は、底蓋21Cから外部に流出することなく、自然蒸発するまでこの底蓋21C上(堰部26の内側の領域)に滞留(保持)することとなる。
なお、制御回路基板32は、絶縁材料からなるスペーサ等を介して底蓋21C上に支持されている。従って、底蓋21C上に溜まった結露水と制御回路基板32とが接触することはない。
[作用効果等]
以上説明したように、前記インバータ装置11は、インバータケース20と、その内部に上下方向に配置される高電圧部品30及び低電圧部品32とを含み、インバータケース20の上面にジャンクションボックス12が直接組付けられるものである。ここで、高電圧部品30は、インバータケース20を貫通して外部に導出されかつジャンクションボックス12に電気的に接続されるバスバー42aを有するが、低電圧部品32は、上下方向において、高電圧部品30を挟んでジャンクションボックス12とは反対側、すなわち下側に配置されている。
このような構造によると、低電圧部品32が高電圧部品30を挟んでジャンクションボックス12とは反対側に配置されて、バスバー42aと低電圧部品32とが離間した配置となる。そのため、インバータ装置11とジャンクションボックス12とを、これらの占有スペースを小さく抑えてコンパクトに配置しながらも、低電圧部品32が、高電圧が印加されるバスバー42aからの電磁波の影響を受け難く、電磁両立性(EMC)を確保する上で有利となる。
そのため、電磁波の影響を受けることによる誤動作や故障から低電圧部品32を保護することが可能となる。当例では、低電圧部品32は、上記の通り制御回路基板でるから、当該制御回路基板32を誤動作や故障から保護することが可能となる。
特に、上記インバータ装置11は、高電圧部品30と低電圧部品32との間に、電磁シールド板31が介設された構造であり、高電圧部品30が発する電磁波を効果的に遮断することができる。そのため、電磁波の影響による誤動作や故障から低電圧部品32をより高度に保護することが可能となる。
また、上記インバータ装置11は、高電圧部品30が配置される領域に、当該高電圧部品30を冷却する、具体的には特に発熱し易いパワーモジュール46a~46cのみを冷却する冷却液通路25が設けられている。
このように、冷却液通路25は、インバータ装置11の全体、若しくは高電圧部品30の全体を冷却するのではなく、特に発熱し易いパワーモジュール46a~46cのみを冷却するように設けられている。従って、冷却液通路25を設けることによるインバータ装置11の大型化を抑制しながら、高電圧部品30の発熱よる誤動作等の発生を抑制することが可能となる。
しかも、電磁シールド板31には、高電圧部品30に沿って流下する結露水を受けて低電圧部品32の外側に案内する結露水案内部が形成されている。具体的には、電磁シールド板31の上面には溝部55、膨出部60及びリブ61~65が形成されている。この構成によれば、高電圧部品30に付着した結露水が電磁シールド板31上に落下した場合でも、当該結露水は、低電圧部品32の外方に案内されて底蓋21C上に落下する。そのため、当該結露水が低電圧部品32上に落下(流下)すること、ひいては結露水により低電圧部品32の誤動作や故障を誘発することを抑制することが可能となる。
また、各パワーモジュール46a~46cと電磁シールド板31との介設されるPMキャップ50には、当該PMキャップ50に付着した結露水が流下することを促進させる流下促進部が設けられている。具体的には、高電圧端子76が挿入される端子収容部52には、それらの下端部に開口部52aが設けられており、各パワーモジュール46a~46cを伝って流下する結露水が端子収容部52内に滞留することが防止される。そのため、上記の通り、端子収容部52に溜まった結露水によって隣接する高電圧端子76同士がショートするといった事態の発生が効果的に防止される。
しかも、電磁シールド板31の上面のうち、高電圧端子76が挿入される端子収容部52(開口部52a)に対向する部分、すなわち溝部55の内面には、絶縁シート56が貼付けられて絶縁処理が施されている。そのため、端子収容部52に開口部52aが設けることによる弊害、すなわち、パワーモジュール46a~46cの高電圧端子76から電磁シールド板31へ放電現象が生じることが効果的に防止される。
また、上記インバータ装置11はモータ10の上面に直接組付けられている。この構造によれば、モータ10の上部にインバータ装置11及びジャンクションボックス12がコンパクトに配置される。そのため、駆動ユニット9の占有スペースをコンパクトに抑えることが可能となる。
この場合、高電圧部品30は、モータ10に接続されるバスバー48a~48cを有しているが、これらバスバー48a~48cは、低電圧部品32を迂回するとともに、電磁シールド板31に設けられた筒状シールド部57を通じてモータ10に接続される。そのため、高電圧部品30とモータ10とをバスバー48a~48cで電気的に接続しながらも、低電圧部品32がバスバー48a~48cからの電磁波の影響を受け難い。
また、インバータケース20の底蓋21Cには、電磁シールド板31から流下する結露水を受ける水受部29(底蓋21Cの上面のうち堰部26の内側の領域)が設けられている。つまり、電磁シールド板31から落下する結露水は、底蓋21Cに集められながらそこで自然蒸発する。そのため、電磁シールド板31から落下した結露水がインバータケース20内で不規則に流動したり、インバータケース20から外部に漏出することが抑制される。
[変形例等]
以上説明したインバータ構造は、本発明に係るインバータ構造の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成も採用可能である。
(1)実施形態では、電磁シールド板31の溝部55は、その内底面が傾斜面とされて、結露水が流下し易い構成となっているが、膨出部60及びリブ61~65により囲まれた上記領域Ar1~Ar4も同様に傾斜面として、結露水が流下し易い構成としてもよい。この構成によれば、電磁シールド板31上の結露水をより速やかに底蓋21C(水受部29)上に落下させることが可能となる。
(2)実施形態では、本発明の絶縁処理の一例として、溝部55の内面(内底面及び内側面)に絶縁シート56が貼付けられた構成が採用されているが、絶縁処理はこれに限定されるものではない。例えば、絶縁処理として、溝部55の内面に絶縁塗装(絶縁コーティング)が施されるものであってもよい。
(3)実施形態では、本発明に係るインバータ構造を電気自動車(EV)に適用した例について説明したが、本発明に係るインバータ構造は、電気自動車以外の電動車両、例えばレンジエクステンダーEVや、レンジエクステンダーEV以外のハイブリッド自動車についても適用可能である。
1 電動車両
9 駆動ユニット
10 モータ
11 インバータ装置
12 ジャンクションボックス(他の電気機器)
20 インバータケース
25 冷却液通路
29 水受部
30 高電圧部品
31 電磁シールド板(電磁シールド部材)
32 低電圧部品/制御回路基板
42a バスバー(第1バスバー)
46a~46c パワーモジュール
48a~48c バスバー(第2バスバー)
50 パワーモジュールキャップ/PMキャップ
52 端子収容部
52a 開口部(流下促進部)
55 溝部(結露水案内部)
57 筒状シールド部

Claims (10)

  1. 上下方向に配列される高電圧部品及び低電圧部品を備えた電動車両用のインバータ装置と、前記インバータ装置の上面に直接組付けられる他の電気機器とを備えたインバータ構造であって、
    前記高電圧部品と前記他の電気機器とがバスバーを介して電気的に接続され、
    上下方向において、前記低電圧部品が、前記高電圧部品を挟んで前記他の電気機器とは反対側に配置されており、
    前記高電圧部品と前記低電圧部品との間に、導電性材料からなる電磁シールド部材が介設されており、
    前記インバータ装置の内部であって前記高電圧部品が配置される領域に、当該高電圧部品を冷却する冷却液を循環させるための冷却液通路が設けられており、
    前記電磁シールド部材には、前記高電圧部品からの結露水を受けて前記低電圧部品の外側に案内する結露水案内部が設けられている、ことを特徴とするインバータ構造。
  2. 請求項1に記載のインバータ構造において、
    前記高電圧部品は、バッテリの直流電力を交流電力に変換する回路を備えたパワーモジュールを含み、
    前記低電圧部品は、前記パワーモジュールによる前記変換を制御する制御回路基板を含む、ことを特徴とするインバータ構造。
  3. 請求項に記載のインバータ構造において、
    前記高電圧部品には、当該高電圧部品に付着した結露水が流下することを促進させる流下促進部が設けられている、ことを特徴とするインバータ構造。
  4. 請求項に記載のインバータ構造において、
    前記流下促進部は、前記高電圧部品の下端部に形成された開口部であって、
    前記電磁シールド部材の上面のうち、前記開口部に対向する部分には絶縁処理が施されている、ことを特徴とするインバータ構造。
  5. 請求項1乃至の何れか一項に記載のインバータ構造において、
    前記電動車両は、走行用のモータを備えるものであり、前記インバータ装置は、前記モータの上面に直接組付けられている、ことを特徴とするインバータ構造。
  6. 請求項に記載のインバータ構造において、
    前記バスバーを第1バスバーと定義したときに、
    前記高電圧部品と前記モータとを平面視において前記低電圧部品よりも外側の位置で電気的に接続する第2バスバーを備え、
    前記電磁シールド部材には、下向きに伸びて前記第2バスバーを包囲する筒状シールド部が設けられている、ことを特徴とするインバータ構造。
  7. 請求項乃至の何れか一項に記載のインバータ構造において、
    前記インバータ装置は、前記電磁シールド部材から流下する結露水を受けて貯溜する水受部を備えている、ことを特徴とするインバータ構造。
  8. 請求項1乃至の何れか一項に記載のインバータ構造において、
    前記他の電気機器は、バッテリと当該インバータ装置との間の送電を中継するジャンクションボックスである、ことを特徴とするインバータ構造。
  9. 上下方向に配列される高電圧部品及び低電圧部品を備えた電動車両用のインバータ装置と、前記インバータ装置の上面に直接組付けられる他の電気機器とを備えたインバータ構造であって、
    前記高電圧部品と前記他の電気機器とがバスバーを介して電気的に接続され、
    上下方向において、前記低電圧部品が、前記高電圧部品を挟んで前記他の電気機器とは反対側に配置されており、
    前記高電圧部品と前記低電圧部品との間に、導電性材料からなる電磁シールド部材が介設されており、
    前記電動車両は、走行用のモータを備えるものであり、前記インバータ装置は、前記モータの上面に直接組付けられており、
    前記バスバーを第1バスバーと定義したときに、
    当該インバータ構造は、さらに、前記高電圧部品と前記モータとを平面視において前記低電圧部品よりも外側の位置で電気的に接続する第2バスバーを備え、
    前記電磁シールド部材には、下向きに伸びて前記第2バスバーを包囲する筒状シールド部が設けられている、ことを特徴とするインバータ構造。
  10. 上下方向に配列される高電圧部品及び低電圧部品を備えた電動車両用のインバータ装置と、前記インバータ装置の上面に直接組付けられる他の電気機器とを備えたインバータ構造であって、
    前記高電圧部品と前記他の電気機器とがバスバーを介して電気的に接続され、
    上下方向において、前記低電圧部品が、前記高電圧部品を挟んで前記他の電気機器とは反対側に配置されており、
    前記高電圧部品と前記低電圧部品との間に、導電性材料からなる電磁シールド部材が介設されており、
    前記電動車両は、走行用のモータを備えるものであり、
    前記インバータ装置は、前記モータの上面に直接組付けられるとともに、前記電磁シールド部材から流下する結露水を受けて貯溜する水受部を備えている、ことを特徴とするインバータ構造。
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