JP5919419B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な冷却媒体流路の構成で電力変換装置を冷却する。【解決手段】電力変換装置1は、バッテリ5の直流電力とモータジェネレータ6に供給される交流電力とを変換するパワーモジュール20と、普通充電コネクタ81を介して供給される交流電力を直流電力に変換してバッテリ5に充電させる充電装置40と、パワーモジュール20と充電装置40とを収容するケース2と、ケース2に設けられて冷却水が流通する冷却水流路4と、を備え、パワーモジュール20と充電装置40とは、冷却水流路4上に配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、電動自動車やハイブリッド自動車等に搭載される電力変換装置に関するものである。
特許文献1には、電動自動車やハイブリッド自動車等にて、駆動用のモータジェネレータの上方に配置される電力変換装置が開示されている。この電力変換装置は、パワーモジュール基板を収納する収納ケースの上に配置されラジエータにて冷却された冷却液が循環することでパワーモジュール基板を冷却する冷却器を備える。
特開2013−209078号公報
しかしながら、特許文献1には、冷却器がパワーモジュール基板を冷却することについて記載されているだけで、パワーモジュール基板の冷却態様や他の部品との関係など冷却器の具体的な構成については記載されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡素な冷却媒体流路の構成で電力変換装置を冷却することを目的とする。
本発明のある態様によれば、蓄電装置と負荷との間で電力を変換する電力変換装置は、前記蓄電装置の直流電力と前記負荷に供給される交流電力とを変換するパワーモジュールと、外部コネクタを介して供給される交流電力を直流電力に変換して前記蓄電装置に充電させる充電装置と、前記パワーモジュールと前記充電装置との間に設けられ、前記蓄電装置から供給される直流電圧を変換するDC/DCコンバータと、前記パワーモジュールと前記DC/DCコンバータと前記充電装置とを収容するケースと、前記ケースに設けられて冷却媒体が流通する冷却媒体流路と、を備え、前記パワーモジュールと前記DC/DCコンバータと前記充電装置とは、前記冷却媒体流路上に配置され、前記冷却媒体流路を流通する冷却媒体は、前記パワーモジュール、前記DC/DCコンバータ、前記充電装置の順に冷却することを特徴とする。
上記態様では、パワーモジュールと充電装置とは、冷却媒体流路上に配置される。パワーモジュールは車両の走行時に動作するものであるのに対して、充電装置は車両の停止時に動作するものである。そのため、パワーモジュールと充電装置とが同時に動作して冷却が必要な程の高温になることはない。よって、同じ冷却媒体流路を流通する冷却媒体によってパワーモジュールと充電装置とを共に冷却することができる。したがって、簡素な冷却媒体流路の構成で電力変換装置を冷却することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の機能を説明するブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成を説明する平面の断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成を説明する側面の断面図である。 図4は、冷却媒体の循環流路について説明する構成図である。 図5は、冷却媒体流路を説明する図であり、図3におけるV−V線に沿った断面図である。 図6は、冷却媒体流路を説明する図であり、図3におけるVI−VI線に沿った断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る電力変換装置1について説明する。
まず、図1から図3を参照して、電力変換装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、電力変換装置1は、電動自動車又はプラグインハイブリッド自動車に設けられ、バッテリ(蓄電装置)5の直流電力を回転電機としてのモータジェネレータ(負荷)6の駆動に適した交流電力に変換する。モータジェネレータ6は、電力変換装置1から供給される電力により駆動される。
電力変換装置1は、モータジェネレータ6の回生電力(交流電力)を直流電力に変換して、バッテリ5を充電する。また、電力変換装置1は、車両に設けられる充電用の外部コネクタ(図示省略)から急速充電コネクタ63又は普通充電コネクタ81を介して電力が供給されることで、バッテリ5を充電する。
バッテリ5は、例えばリチウムイオン二次電池で構成される。バッテリ5は、電力変換装置1に直流電力を供給し、電力変換装置1から供給される直流電力により充電される。バッテリ5の電圧は、例えば240V〜400Vの間で変動し、それよりも高い電圧が入力されることで充電される。
モータジェネレータ6は、例えば永久磁石同期電動機で構成される。モータジェネレータ6は、電力変換装置1から供給される交流電力によって駆動される。モータジェネレータ6は、車両を走行させるときに車両の駆動輪(図示省略)を回転駆動する。モータジェネレータ6は、車両が減速するときには発電機として機能し、回生電力を発生する。
図2及び図3に示すように、電力変換装置1は、底部2cを有する箱型のケース2を備える。電力変換装置1は、ケース2内に、コンデンサモジュール10,パワーモジュール20,DC/DCコンバータ30,充電装置40,充電・DCDCコントローラ50,及びインバータコントローラ70を備える。これらの各部は、バスバー又は配線により電気的に接続される。
図3に示すように、ケース2は、上面が開口する下ケース2bと、下ケース2bの開口部を閉塞する上ケース2aと、によって構成される。下ケース2b内には、パワーモジュール20,DC/DCコンバータ30,及び充電装置40が底部2cに当接するように設けられる。
下ケース2bは、冷却水流路(冷却媒体流路)4を有する。冷却水流路4には、冷却水(冷却媒体)が流通する。冷却水流路4は、底部2cの内部に形成される。冷却水流路4を流通する冷却水は、冷却水流路4の直上に載置されるパワーモジュール20,DC/DCコンバータ30,及び充電装置40を冷却する。冷却水流路4については、後で図4から図6を参照して詳細に説明する。
下ケース2bの底部2cの外面は、モータジェネレータ6に臨む。下ケース2bの底部2cは、後述する出力バスバー(バスバー)24が挿通する貫通孔3を有する。貫通孔3は、下ケース2bにおける冷却水流路4が形成される領域の外に形成される。よって、冷却水流路4が形成される領域内に貫通孔3を形成する場合と比較して、貫通孔3のためにシール等を設ける必要がないので、下ケース2bを小型化できると共に、冷却水の密封性を確保できる。
コンデンサモジュール10は、DC/DCコンバータ30の上方を跨ぐように下ケース2bに取り付けられる。図3では、下ケース2bに取り付けられるコンデンサモジュール10の脚部は省略して示している。コンデンサモジュール10は、複数のコンデンサ素子によって構成される。コンデンサモジュール10は、例えばバッテリ5から供給される直流電力の電圧やモータジェネレータ6からパワーモジュール20を介して回生される回生電力の電圧を平滑化する。このように、コンデンサモジュール10は、電圧を平滑化することで、ノイズの除去や電圧変動の抑制を行う。コンデンサモジュール10は、第1バスバー11,第2バスバー12,及び電力配線13を備える。
コンデンサモジュール10の周囲には、パワーモジュール20,DC/DCコンバータ30,及び充電装置40が配置される。具体的には、コンデンサモジュール10は、ケース2の内部において、パワーモジュール20と充電装置40との間に配置される。コンデンサモジュール10はDC/DCコンバータ30に積層され、コンデンサモジュール10の下方側にDC/DCコンバータ30が配置される。充電装置40は充電・DCDCコントローラ50に積層され、充電・DCDCコントローラ50の下方側に充電装置40が配置される。
第1バスバー11は、コンデンサモジュール10の一方の側面から側方に突出し、パワーモジュール20に接続される。第1バスバー11には、パワーモジュール20が直接螺合等によって接続される。第2バスバー12は、DC/DCコンバータ30,リレー61,バッテリ5,及び電動コンプレッサ(図示省略)に接続される(図1参照)。電力配線13は、充電装置40に接続される。第1バスバー11,第2バスバー12,及び電力配線13は、コンデンサモジュール10の内部にて、正極と負極とを共用する。
第2バスバー12は、コンデンサモジュール10の底面から下方に突出する。第2バスバー12は、コンデンサモジュール10の下方に積層して配置されるDC/DCコンバータ30に直接螺合により接続される。第2バスバー12は、正側リレー61a及び負側リレー61bに接続される。
図2に示すように、第2バスバー12は、バッテリ5に接続されるバッテリ側コネクタ51と、電動コンプレッサに接続されるコンプレッサ側コネクタ52と、に、バスバー14を介して接続される。
コンデンサモジュール10における第1バスバー11の反対の側面からは、電力配線13が側方に引き出される。電力配線13は、可撓性を有する柔軟なケーブルであり、充電装置40に接続される。充電装置40は、普通充電コネクタ81にバスバー41を介して接続される。
信号線コネクタ65は、DC/DCコンバータ30,充電装置40,充電・DCDCコントローラ50,及びインバータコントローラ70に接続される信号線55を、ケース2の外部との間で接続可能にする。
信号線55は、信号線コネクタ65と充電・DCDCコントローラ50とを接続する。信号線55は、充電・DCDCコントローラ50からリレーコントローラ60に至る信号線62と同梱されて、コンデンサモジュール10の上面を通過して充電・DCDCコントローラ50のコネクタ56に接続される。コンデンサモジュール10の上面には、信号線55及び信号線62を支持する複数のガイド部58が形成される。
パワーモジュール20は、複数のパワー素子(図示省略)を有する。パワーモジュール20は、パワー素子のON/OFFを制御することにより、バッテリ5の直流電力とモータジェネレータ6の交流電力とを相互に変換する。複数のパワー素子は、パワーモジュール20に設けられるドライバ基板21によってON/OFFが制御される。パワーモジュール20の上面には、ドライバ基板21が積層される。ドライバ基板21の上方には、インバータコントローラ70とリレーコントローラ60とが配置される。
パワーモジュール20は、コンデンサモジュール10の第1バスバー11に接続される。第1バスバー11は、正極と負極とを一対とする3組のバスバーからなる。パワーモジュール20には、U相、V相、W相からなる3相の出力バスバー(バスバー)24が接続される。
図3に示すように、出力バスバー24は、パワーモジュール20に接続されるパワーモジュール端子25と、モータジェネレータ6に接続されるモータ端子(負荷端子)26と、出力バスバー24の電流を検出する電流センサ22と、を有する。出力バスバー24は、パワーモジュール20における第1バスバー11の反対の側面に接続される。出力バスバー24は、パワーモジュール20のU相、V相、W相それぞれに直接接続され、モータジェネレータ6に3相の交流電力を出力する。
出力バスバー24において、パワーモジュール端子25とモータ端子26とは、互いに交差する方向に形成される。具体的には、モータ端子26は、出力バスバー24の下方に配設されるモータジェネレータ6に接続される。パワーモジュール端子25は、出力バスバー24の側方に配設されるパワーモジュール20に接続される。よって、モータ端子26は、パワーモジュール端子25に対して直角に交差するように形成される。
出力バスバー24は、ケース2に収容される。モータ端子26の先端は、ケース2の底部2cの貫通孔3を挿通して外部に露出する。これにより、モータ端子26がハーネス等(図示省略)を介してモータジェネレータ6に接続可能になる。
このように、パワーモジュール20と出力バスバー24とを収容するケース2は、出力バスバー24が挿通する貫通孔3を有するので、上ケース2aが取り外されたケース2にパワーモジュール20と出力バスバー24とを組み付けるだけで、出力バスバー24が貫通孔3を挿通してケース2から突出する。したがって、ケース2を反転させる必要がないので、電力変換装置1の組み立ての際の作業性を向上させることができる。
図1に示すように、インバータコントローラ70は、車両のコントローラ(図示省略)からの指示及び電流センサ22からのU相,V相,W相の電流の検出結果に基づいて、パワーモジュール20を動作させる信号をドライバ基板21に出力する。ドライバ基板21は、インバータコントローラ70からの信号に基づいて、パワーモジュール20を制御する。これらのインバータコントローラ70,ドライバ基板21,パワーモジュール20,及びコンデンサモジュール10によって、直流電力と交流電力とを相互に変換するインバータモジュールが構成される。
図2に示すように、DC/DCコンバータ30は、パワーモジュール20を挟んで出力バスバー24と対向して設けられる。DC/DCコンバータ30は、バスバー31を介して車両側コネクタ82に接続される。車両側コネクタ82には、車両の各部にDC/DCコンバータ30が出力する直流電源を供給するハーネス等が接続される。
DC/DCコンバータ30は、バッテリ5から供給される直流電力の電圧を変換して、他の機器へと供給する。DC/DCコンバータ30は、バッテリ5の直流電力(例えば400V)を12Vの直流電力に降圧する。降圧された直流電力は、車両に設けられるコントローラや、照明,ファン等の電源として供給される。DC/DCコンバータ30は、第2バスバー12を介してコンデンサモジュール10及びバッテリ5に接続される。
充電装置40は、DC/DCコンバータ30を挟んでパワーモジュール20と対向して設けられる。充電装置40は、車両に設けられる充電用の外部コネクタから普通充電コネクタ81を介して供給される商用電源(例えば交流200V)を直流電力(例えば500V)に変換する。充電装置40により変換された直流電力は、電力配線13からコンデンサモジュール10を介してバッテリ5に供給される。これによりバッテリ5が充電される。
充電・DCDCコントローラ50は、電力変換装置1によるモータジェネレータ6の駆動及びバッテリ5の充電を制御する。具体的には、充電・DCDCコントローラ50は、車両のコントローラからの指示に基づいて、充電装置40による普通充電コネクタ81を介したバッテリ5の充電と、急速充電コネクタ63を介したバッテリ5の充電と、モータジェネレータ6の駆動と、を制御する。
リレーコントローラ60は、充電・DCDCコントローラ50によって制御され、リレー61の断続を制御する。リレー61は、正側リレー61aと負側リレー61bとによって構成される。リレー61は、車両に設けられる充電用の外部コネクタが急速充電コネクタ63を介して接続された場合に接続され、急速充電コネクタ63から供給される直流電力(例えば500V)を第2バスバー12へと供給する。供給された直流電力によりバッテリ5が充電される。
以上のように構成される電力変換装置1では、パワーモジュール20,DC/DCコンバータ30,及び充電装置40が、コンデンサモジュール10に隣接して配置され、第1バスバー11,第2バスバー12,及び電力配線13によりそれぞれ接続される。よって、パワーモジュール20,DC/DCコンバータ30,及び充電装置40とコンデンサモジュール10とのそれぞれの距離を短くできる。したがって、直流電力の経路での抵抗(R[Ω])やインダクタンス(L[H])を小さくすることができ、電力の損失を少なくすることができる。
また、コンデンサモジュール10は、発熱量が多いパワーモジュール20と充電装置40との間に配置される。よって、パワーモジュール20と充電装置40とで互いに熱による影響を与えることを抑制できる。特に、パワーモジュール20の動作(モータジェネレータ6の力行及び回生)と、充電装置40の動作(普通充電コネクタ81を介して接続される外部コネクタからのバッテリ5の充電)と、は同時に実行されることがないので、これらの間における熱による影響を排除することができる。
次に、図4から図6を参照して冷却水流路4の具体的な構成について説明する。
図4に示すように、冷却水流路4からは、後述する排出流路95を介して循環流路7に冷却水が排出される。循環流路7に排出された冷却水は、車両の最前部に配設されるサブラジエータ8によって冷却される。サブラジエータ8によって冷却された冷却水は、供給流路94を介して冷却水流路4に供給される。循環流路7におけるサブラジエータ8と供給流路94との間には、循環流路7及び冷却水流路4に冷却水を循環させるウォーターポンプ9が設けられる。
図5に示すように、冷却水流路4は、パワーモジュール20に沿って形成されるパワーモジュール冷却部91と、DC/DCコンバータ30に沿って形成されるDC/DCコンバータ冷却部92と、充電装置40に沿って形成される充電装置冷却部93と、を有する。パワーモジュール冷却部91とDC/DCコンバータ冷却部92と充電装置冷却部93とは、冷却水流路4に直列に配列される。
ケース2には、パワーモジュール冷却部91に外部から冷却水を供給する供給流路94と、充電装置冷却部93から外部に冷却水を排出する排出流路95と、が設けられる。電力変換装置1は、供給流路94と排出流路95とが車両の前方を向くように配置される。これにより、サブラジエータ8(図4参照)と冷却水流路4との距離を最短にすることができる。
冷却水流路4を流通する冷却水は、供給流路94から供給され、パワーモジュール20を冷却して、DC/DCコンバータ30を冷却して、充電装置40を冷却した後に、排出流路95から外部へと排出される。このように、冷却水流路4は、供給流路94と排出流路95との間に直列に配列される単一の流路である。
パワーモジュール20と充電装置40とは、単一の冷却水流路4上に配置される。しかしながら、パワーモジュール20は車両の走行時に動作するものであるのに対して、充電装置40は車両の停止時に動作するものである。そのため、パワーモジュール20と充電装置40とが同時に実行されて冷却が必要な程の高温になることはない。よって、充電装置40を冷却する冷却水がパワーモジュール20の冷却によって既に高温になっていることはない。したがって、同じ冷却水流路4を流通する冷却水によってパワーモジュール20と充電装置40とを共に冷却することができるため、簡素な冷却水流路4の構成で電力変換装置1を冷却することができる。
なお、DC/DCコンバータ30は、パワーモジュール20や充電装置40と同時に動作するものである。具体的には、パワーモジュール20が動作しているときには、DC/DCコンバータ30は、車両に設けられるコントローラや、照明,ファン等に12V直流電源を供給する。充電装置40が動作しているときにも同様に、DC/DCコンバータ30は、車両に設けられるコントローラや、照明,ファン等に12V直流電源を供給する。
しかしながら、DC/DCコンバータ30は、パワーモジュール20や充電装置40と比較すると発熱量が小さい。よって、パワーモジュール20と充電装置40とを冷却する単一の冷却水流路4上にDC/DCコンバータ30が配置されても、電力変換装置1の冷却効率への影響はない。
また、同じ冷却水流路4を流通する冷却水によってパワーモジュール20とDC/DCコンバータ30と充電装置40とを冷却することができるので、冷却水流路4に冷却水を導くために単一の循環流路7を設ければよい。よって、パワーモジュール20とDC/DCコンバータ30と充電装置40とのそれぞれに冷却水を導くための流路を個別に設ける必要はない。
図6に示すように、パワーモジュール冷却部91は、パワーモジュール20に臨む面が開口して形成され流通する冷却水によってパワーモジュール20を直接冷却する上部冷却部91aと、供給流路94から供給される冷却水を上方の上部冷却部91aに導く上昇接続部91bと、上部冷却部91aを流通した冷却水を下方のDC/DCコンバータ冷却部92に導く下降接続部91cと、を有する。
図5及び図6に示すように、供給流路94の流路面積はパワーモジュール冷却部91の流路面積と比較して小さい。しかしながら、供給流路94から供給された冷却水は、上昇接続部91bの壁部にぶつかって上昇する際に、パワーモジュール冷却部91の幅方向(図5では左右方向)いっぱいに拡がる。よって、上昇接続部91bが設けられることで、上部冷却部91aの一部に冷却水が偏ることが防止されるので、パワーモジュール20全体を満遍なく冷却することができる。
図6に示すように、パワーモジュール20の下面には、複数のヒートシンク20aが突設される。上部冷却部91aを流通する冷却水は、パワーモジュール20の下面とヒートシンク20aとに接触して、パワーモジュール20を直接冷却する。また、パワーモジュール冷却部91には、供給流路94から導かれた冷却水が最初に供給される。よって、パワーモジュール冷却部91には、冷却水流路4の中で最も低温の状態で冷却水が流通する。これにより、電力変換装置1の中でも最も発熱量の大きなパワーモジュール20を効率的に冷却することができる。
図5に示すように、DC/DCコンバータ冷却部92は、パワーモジュール冷却部91から第1接続部96を介して逆方向に折り返される。これにより、パワーモジュール冷却部91における冷却水の流れ方向とDC/DCコンバータ冷却部92における冷却水の流れ方向とは、互いに対向する向きになる。
DC/DCコンバータ冷却部92は、冷却水の流れ方向に沿って形成される3つのリブ2eによって4つの流路に分割される。これにより、DC/DCコンバータ冷却部92内で冷却水が偏ることが防止されるので、DC/DCコンバータ30全体を満遍なく冷却することができる。
充電装置冷却部93は、DC/DCコンバータ冷却部92から第2接続部97を介して逆方向に折り返される第1冷却部93aと、第1冷却部93aから排出流路95に向けて更に逆方向に折り返される第2冷却部93bと、を有する。これにより、DC/DCコンバータ冷却部92における冷却水の流れ方向と第1冷却部93aにおける冷却水の流れ方向とは、互いに対向する向きになる。また、第1冷却部93aにおける冷却水の流れ方向と第2冷却部93bにおける冷却水の流れ方向とは、互いに対向する向きになる。
第1冷却部93aと第2冷却部93bとは、充電装置40上に実装される発熱量の大きな電子部品(図示省略)の配列に沿ってそれぞれ形成される。第1冷却部93aは、冷却水の流れ方向に沿って形成されるリブ2fによって2つの流路に分割される。第2冷却部93bも同様に、冷却水の流れ方向に沿って形成されるリブ2gによって2つの流路に分割される。これにより、充電装置冷却部93内で冷却水が偏ることが防止されるので、充電装置40全体を満遍なく冷却することができる。
また、第1冷却部93aから第2冷却部93bが逆方向に折り返されるので、供給流路94と排出流路95とを、ケース2の同一の側面に形成することができる。よって、供給流路94と排出流路95とのサブラジエータ8に対する距離を短くできるので、冷却水の供給と排出とを短い循環流路7で行うことができる。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
パワーモジュール20と充電装置40とは、単一の冷却水流路4上に配置される。しかしながら、パワーモジュール20は車両の走行時に動作するものであるのに対して、充電装置40は車両の停止時に動作するものである。そのため、パワーモジュール20と充電装置40とが同時に実行されて冷却が必要な程の高温になることはない。よって、充電装置40を冷却する冷却水がパワーモジュール20の冷却によって既に高温になっていることはない。したがって、同じ冷却水流路4を流通する冷却水によってパワーモジュール20と充電装置40とを共に冷却することができるため、簡素な冷却水流路4の構成で電力変換装置1を冷却することができる。
また、DC/DCコンバータ30も、パワーモジュール20と充電装置40とを冷却するのと同じ冷却水流路4上に配置される。DC/DCコンバータ30は、パワーモジュール20や充電装置40と同時に動作するものであるが、パワーモジュール20や充電装置40と比較すると発熱量が小さい。よって、パワーモジュール20と充電装置40とを冷却するのと同じ冷却水流路4上にDC/DCコンバータ30が配置されても、電力変換装置1の冷却効率への影響はない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1 電力変換装置
2 ケース
2c 底部
4 冷却水流路(冷却媒体流路)
5 バッテリ(蓄電装置)
6 モータジェネレータ(負荷)
10 コンデンサモジュール
20 パワーモジュール
30 DC/DCコンバータ
40 充電装置
91 パワーモジュール冷却部
92 DC/DCコンバータ冷却部
93 充電装置冷却部
94 供給流路
95 排出流路

Claims (6)

  1. 蓄電装置と負荷との間で電力を変換する電力変換装置であって、
    前記蓄電装置の直流電力と前記負荷に供給される交流電力とを変換するパワーモジュールと、
    外部コネクタを介して供給される交流電力を直流電力に変換して前記蓄電装置に充電させる充電装置と、
    前記パワーモジュールと前記充電装置との間に設けられ、前記蓄電装置から供給される直流電圧を変換するDC/DCコンバータと、
    前記パワーモジュールと前記DC/DCコンバータと前記充電装置とを収容するケースと、
    前記ケースに設けられて冷却媒体が流通する冷却媒体流路と、を備え、
    前記パワーモジュールと前記DC/DCコンバータと前記充電装置とは、前記冷却媒体流路上に配置され、前記冷却媒体流路を流通する冷却媒体は、前記パワーモジュール、前記DC/DCコンバータ、前記充電装置の順に冷却することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項に記載の電力変換装置であって、
    前記ケースは、前記パワーモジュールと前記DC/DCコンバータと前記充電装置とが設けられる底部を有する箱型に形成され、
    前記冷却媒体流路は、前記底部の内部に形成されることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項2に記載の電力変換装置であって、
    前記パワーモジュールと前記DC/DCコンバータと前記充電装置とは、前記ケースの内側における前記底部上に並んで配置されることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3に記載の電力変換装置であって、
    前記蓄電装置の直流電圧を平滑化するコンデンサを有するコンデンサモジュールを更に備え、
    前記DC/DCコンバータは、前記底部と前記コンデンサモジュールとの間に配置されることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の電力変換装置であって、
    前記冷却媒体流路は、
    前記パワーモジュールを冷却するパワーモジュール冷却部と、
    前記DC/DCコンバータを冷却するDC/DCコンバータ冷却部と、
    前記充電装置を冷却する充電装置冷却部と、を有し、
    前記パワーモジュール冷却部と前記DC/DCコンバータ冷却部と前記充電装置冷却部とは、前記冷却媒体流路に直列に配列されることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項に記載の電力変換装置であって、
    前記パワーモジュール冷却部に外部から冷却媒体を供給する供給流路と、
    前記充電装置冷却部から外部に冷却媒体を排出する排出流路と、を更に備えることを特徴とする電力変換装置。
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