JP7367482B2 - 苗木生育方法及び苗木生育システム - Google Patents
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Description
植物栽培施設10内の環境条件は、制御ユニット50によって制御される。
制御ユニット50は、CPU、RAM及びROM等のメモリ等を備えた制御手段である。制御ユニット50は、スケジュール管理部51、室温制御部52、気流制御部53、CO2制御部54、培養液管理部55、状態特定部56、光源制御部57を備える。制御ユニット50は、内蔵するシステムタイマのカレンダーを用いて現在の月日(現在日)を特定する。また、制御ユニット50は、管理者端末(図示せず)に接続され、管理者端末から、生育する苗木P1の種類、出荷時期の情報、各種の設定情報等を取得する。
スケジュール管理部51は、播種期間T1に関連付けて、苗木P1の種類に応じた環境条件を記憶している。例えば、カラマツの場合は、湿潤した培地に播種した種子を、2週間前後、低温処理した(10℃の気温に置いた)後、15℃、20℃、25℃というように段階的に温度を上げる環境条件を用いて発芽させる。発芽後では、温度を23℃に下げて、照明を連続して点灯という環境条件を用いて育成させる。また、コウヨウザンでは、25℃の気温で播種させて、発芽後は、23℃~25℃で照明を連続して点灯という環境条件を用いて育成させる。
気流制御部53は、空調装置22を制御して、植物栽培施設10の気流を制御する。本実施形態では、気流制御部53は、育成期間T2及び馴化期間T3中、植物栽培施設10内において、空気の淀みを抑制させるために、気流を生じさせる。
日長時間制御部57aは、光源16,17の照明機構部のスイッチのオンオフ制御により日長時間を制御する。日長時間とは、1日における明期の時間であり、照明が点灯する時間である。日長時間制御部57aは、日長時間を、育成期間T2には16時間、馴化期間T3には12時間~16時間に制御する。
次に、図2及び図3を用いて、上述した植物栽培施設10を用いて、苗木P1を生育する栽培スケジュールについて説明する。
更に、CO2制御部54は、CO2濃度の設定濃度を1000ppmとなるように炭酸ガス供給部25を制御する。
また、光源制御部57の日長時間制御部57aは、日長時間が16時間となるように光源16,17のオンオフ制御を行ない、光源制御部57の光強度制御部57bは、16時間日長に応じた光強度パターンを用いて光源16,17の光強度を制御する。
露地の裸苗及びコンテナ苗では、例えば、前年の10月に種を蒔いて冬眠させた後、春先の4月頃に発芽させる播種処理を行なう。そして、4月から9月まで育成する。その後、10月の2週間~4週間において休眠導入を行ないながら育成し、11月から休眠して、翌年(2年目)の4月~5月頃まで越冬を行なって、休眠打破を行なって育成を開始する。コンテナ苗は、休眠打破の時期に移植される。そして、2年目の11月頃に出荷される。
従って、露地の裸苗及びコンテナ苗は、約2年に1回、出荷され、ビニールハウスで育成して露地で馴化させるコンテナ苗は、約1.5年に1回、出荷される。これに対して、本実施形態の栽培方法で育成した苗木は、年3回、出荷される。
播種期間T1において、植物栽培施設10内を、苗木P1が発芽し易い環境条件に調整して苗木P1を発芽させるので、歩留まりを向上させることができる。更に、育成期間T2において、16時間の日長時間で連続して苗木P1を育成する。これにより、休眠させなくても、苗木P1を連続して早期に成長させることができる。また、馴化期間T3において、出荷時期の外気温に応じて苗木P1を慣らすので、苗木P1の枯死や衰弱を抑制することができる。
(1)本実施形態では、制御ユニット50は、植物栽培施設10内において、苗木P1の生育に適した環境条件に管理しながら、苗木P1を育成する。これにより、高温等の気象による影響を抑制して、成長し易い環境条件下で苗木P1を育成するので、苗木P1を通常の2倍以上早く育成することができる。そして、本発明者は、苗木P1は、休眠期間を設けなくても連続して生育できるという知見を得た。この知見に基づいて、連続的に育成期間T2、馴化期間T3を設定して、年3回、苗木P1を出荷することができる。
・上記実施形態の制御ユニット50は、育成期間T2において、日長時間を16時間として苗木P1を生育した。育成期間T2における日長時間(明期)はこれに限られない。例えば、育成期間T2においては、24時間、連続、日照してもよい。
また、葉の色の撮影画像を入力層、良好な育成結果となったスペクトルのRGB比率を出力層とする教師データを用いて、機械学習により、葉の状態から照射する人工光のスペクトルのRGB比率を予測する予測モデルを生成する。そして、この予測モデルと、取得した撮影画像とを用いて、人工光のスペクトルのRGB比率を予測する。
Claims (6)
- 樹木の苗木の生育方法において、
環境条件を調整可能な苗木生育施設内の環境条件を、前記苗木の種類の発芽用の環境条件に調整して、播種処理を行ない、
前記苗木生育施設を前記苗木の生育用の環境条件に調整して育成処理を行ない、
前記苗木生育施設を、前記育成処理の環境条件から前記苗木の出荷時の外の環境条件に慣らすための環境条件に変更した馴化処理を連続的に行なった後、出荷処理を行い、
前記播種処理、前記育成処理、前記馴化処理及び前記出荷処理は、前記苗木の休眠期を設けずに行われ、
前記生育用の環境条件として、日長時間を1日あたり16時間以上に調整することを特徴とする苗木生育方法。 - 前記苗木の出荷時期から逆算した開始時期から前記播種処理、前記育成処理、前記馴化処理及び前記出荷処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の苗木生育方法。
- 前記育成処理において、前記苗木の葉の状態に関する情報を取得し、前記葉の状態に基づいて照射する人工光の条件を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の苗木生育方法。
- 前記育成処理において、測定された前記苗木の光合成量と、前記苗木の状態及び前記苗木が植えられた培地の状態の少なくとも1つとに応じて、前記苗木に供給する液体の量を調整することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の苗木生育方法。
- 環境条件を調整可能な苗木生育施設内で樹木の苗木を生育するシステムにおいて、
前記苗木生育施設の環境条件を制御する制御部は、
播種期間において、前記苗木生育施設内の環境条件を前記苗木の種類の発芽用の環境条件に調整し、
育成期間において、前記苗木生育施設内の環境条件を前記苗木の生育用の環境条件に調整し、
前記育成期間から連続的に設定される馴化期間において、前記苗木生育施設内の環境条件を前記生育用の環境条件から前記苗木の出荷時の外の環境条件に慣らすための環境条件に変更し、
前記馴化期間の後に、前記苗木が出荷され、
前記播種期間、前記育成期間、前記馴化期間、及び、前記出荷までの間には、前記苗木の休眠期が設けられておらず、
前記生育用の環境条件として、日長時間を1日あたり16時間以上に調整することを特徴とする苗木生育システム。 - 前記苗木生育施設は、前記制御部の指示に応じて、温度、湿度、気流、二酸化炭素の濃度、前記苗木に供給する液体の温度、前記液体の供給量、人工光の光強度、前記人工光のスペクトル中のRGB比率、前記人工光の日長時間の少なくとも1つを調整可能な空間であることを特徴とする請求項5に記載の苗木生育システム。
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