JP2015112082A - 葉物野菜の生育方法、その生育方法を用いて得られる高濃度葉酸含有レタス及び高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法 - Google Patents

葉物野菜の生育方法、その生育方法を用いて得られる高濃度葉酸含有レタス及び高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法 Download PDF

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Abstract

【課題】完全制御型野菜工場において、高機能性野菜に分類可能な葉物野菜の生産を可能とする生育方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するため、完全制御型野菜工場内で完全人工光を用いて葉物野菜を栽培する方法であって、完全人工光の光源として、RGB型LED照明と、遠赤色光を含むRGB型LED照明とを用いるものであり、当該葉物野菜の播種を行った後、RGB型LED照明を用いた光を5日間〜14日間照射する生育期間を設け、その後、遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた光を7日間〜23日間照射する生育期間を設けたことを特徴とする葉物野菜の生育方法等を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、葉物野菜の生育方法、その生育方法を用いて得られる高濃度葉酸含有レタス及び高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法に関する。特に、完全制御型野菜工場内で完全人工光としてLED照明を用いた葉物野菜の栽培方法に関する。
近年、気象変動・人為的環境破壊等による環境変化が起こる中で、野菜を安定的に生産することが求められている。特に、生産効率を高め、且つ、生産調整可能な野菜工場をもって、清浄で安心で安全な野菜を市場に安定的に供給し、需要と供給とのバランス調整を可能とすることが計画され、次世代の産業として大きく成長することが期待されている。
完全に外部環境から隔離した完全制御型野菜工場は、野菜の種別に応じた生育方法・生育速度データ・収穫率データ等の各種データに基づき、周囲の気象環境に左右されることなく、市場の需要と供給のバランスに応じた生産計画を立てることが可能となる。特に、世界的な人口の増加に伴い、食糧の増産は必要不可欠である。そこで、野菜工場を採用して、気象変動・外部環境の変化等の影響を受けることなく、食料となる野菜の計画的生産が出来れば、野菜工場で生産される野菜製品が、国内での消費に限らず、有望な輸出品となることが予想できる。
従って、野菜工場で栽培する野菜は、短期間で収穫可能、又は、通常の生育期間でも大きく成長することが求められる。そして、野菜工場における生育方法によっては、人体の健康維持・増進に適した特定成分の含有量を高めた高機能野菜を、市場に提供できる可能性があり、高付加価値商品としての高機能性野菜を提供できる可能性が高い。
通常、露地物と言われる野菜は、太陽光を浴びて、光合成を行いつつ成長し、収穫されるものである。従って、完全制御型野菜工場の中でも、太陽光に代わる光源として、どのような光源を採用するかは、非常に重要である。近年は、従来から使用されてきた蛍光灯に代えて、消費電力の削減という観点からも、LED照明を採用することが多くなってきている。
例えば、特許文献1には、省電力をより進めたLEDによって、簡易に、強さが十分な異なる波長の光を発光でき、さらに商用の植物の育成等の特殊な用途にも適した照明装置を用いた育成方法等を提供するため、「植物に光を照射することが可能な発光体モジュールが基板に配置された照明装置による育成方法であって、前記発光体モジュールは、第1の波長域の光を発光する第1のLED発光素子と、第2の波長域の光を発光する第2のLED発光素子とを少なくとも有し、前記第1のLED発光素子と前記第2のLED発光素子とは隣接して配置されて互いに独立して制御され、予め定められたタイミングに、前記第1のLED発光素子が発光することによる光を前記植物に照射し、前記第2のLED発光素子が発光する光を前記植物に照射し、又は、前記第1のLED発光素子及び前記第2のLED発光素子が発光することによる光を前記植物に照射する、育成方法。」等が開示され、実施例的に記載されているのは、イチゴについてである。
この特許文献1には「第1の波長域の光を発光する第1のLED発光素子」及び「第2の波長域の光を発光する第2のLED発光素子」に関する明確な定義は無いが、同文献の明細書内の段落0030には、「上記では、赤色と青色の2色とし、その割合を上記のように3:1としたが、・・・・・・・、波長の選択も行えばよい。」とあり、同明細書の段落0040に「実験結果によると、データ全体からすれば、以下のことが言える。第一に、赤色・青色照射区では葉の緑色が濃くなっていた。そのため、光合成が活発化したと言える。第二に、赤色光は花房の上がりが早かった。第三に、赤色光は果実の着色が早かった。第四に、赤色光は果粒が大きく充実した果実が得られた。第五に、青色光は株が低くどっしりした状態になった。」とあり、「第1の波長域の光を発光する第1のLED発光素子」及び「第2の波長域の光を発光する第2のLED発光素子」とは、赤色LED発光素子と青色LED発光素子と意図すると把握できる。
確かに、以上に述べたような特許文献1で開示の技術思想を、完全制御型野菜工場であらゆる野菜に応用できる可能性がある。
特開2009−125007号公報
しかしながら、特許文献1の中にも同様の記載があるが、野菜の種類によっては、全く異なる光の照射条件を採用する必要が生じる。特に、野菜工場で製造される野菜には、食料を増産するという促成栽培要素のみならず、特定成分の含有量を高めた高機能性野菜を収穫することが目的となっている場合もあり、単なる促成栽培条件では不十分である。
最近は、人体の健康維持及び改善が期待できる成分として、野菜の中に含まれる葉酸が注目されている。この葉酸は、核酸合成、細胞分裂に関する物質であり、野菜の生育を助長していると考えられる。過剰摂取しない限り、人体の健康維持に有効と言われている。
以上のことから理解できるように、完全制御型野菜工場で高機能性野菜を生産しようとすると、ある特定の野菜に限定した生育条件を確立する必要がある。
そこで、本件出願に係る発明者等は、野菜の種類によっては、全く異なる生育条件の採用が必要になることは不可避であるため、完全制御型野菜工場でレタスを生育することを前提として、消費電力の観点からLED照明を用い、短い生育期間での成長が可能で、通常レベルよりも葉酸含有量の高いレタスを得ることを目的として、鋭意研究を行い、以下の発明に想到した。
1.葉物野菜の生育方法
本件出願に係る葉物野菜の生育方法は、完全制御型野菜工場内で完全人工光を用いて葉物野菜を栽培する方法であって、完全人工光の光源として、RGB型LED照明と、遠赤色光を含むRGB型LED照明とを用いるものであり、当該葉物野菜の播種を行った後、RGB型LED照明を用いた光を5日間〜14日間照射する生育期間を設け、その後、遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた光を7日間〜23日間照射する生育期間を設けたことを特徴とする。
本件出願に係る葉物野菜の生育方法で用いる遠赤色光は、遠赤色光波長の内、波長λが700nm<λ≦750nmの範囲を選択的に使用することが好ましい。
本件出願に係る葉物野菜の生育方法は、前記葉物野菜としてレタスの栽培に用いることが好ましい。
2.高濃度葉酸含有レタス
本件出願に係る高濃度葉酸含有レタスは、上述の方法で栽培されたレタスから、葉が展開して間もない葉酸含有量の高いベビーリーフの部分のみを収穫して得られることを特徴とする。
3.高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法
本件出願に係る高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法は、上述の葉物野菜の生育方法で栽培されたレタスから、葉が展開して間もない葉酸含有量の高いベビーリーフの部分のみを収穫する際に、レタスの成長点を含む中心部分を残し、ここに遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた光を継続照射し、成長してくる葉酸含量の高いベビーリーフを連続して収穫することを特徴とする。
本件出願に係る葉物野菜の生育方法は、葉物野菜の生育過程において、「RGB型LED照明による生育期間」と、「遠赤色光を含むRGB型LED照明による生育期間」とを併用し、葉物野菜の早期収穫を可能としたものである。しかも、この「遠赤色光を含むRGB型LED照明による生育期間」を設けることで、レタスの場合には、葉酸含有量を高めて、高濃度葉酸含有レタスを得ることのできる可能性を高めた。そして、このようにして生育されたレタスは、確実に高濃度に葉酸を含有したベビーリーフのみを製品とすることで、高機能性野菜に分類可能な高濃度葉酸含有レタスの市場供給が可能となる。また、ベビーリーフの採取後に、「遠赤色光を含むRGB型LED照明」の光を連続照射することで、ベビーリーフの連続生産が可能となる。
RGB型LED照明の波長分布と、遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明の波長分布の相違を示すための図である。 光の照射条件の違いによるレタスの生育状況を示すための写真である。 ベビーリーフの葉酸含有量の平均値、ベビーリーフの葉酸含有量の最大値、成熟葉の葉酸含有量の平均値、成熟葉の葉酸含有量の最小値とを示した図である。 「RGB型LED照明を1週間照射し、遠赤色光を含むRGB型LED照明を2週間照射して得られた生育期間3週間で収穫したレタス」と、「RGB型LED照明を1週間照射し、遠赤色光を含むRGB型LED照明を3週間照射して得られた生育期間4週間で収穫したレタス」との葉酸含有量を比較した図である。 ベビーリーフを収穫した後に、再度ベビーリーフが成長している状態を示した写真である。
以下においては、「葉物野菜の生育方法の形態」、「高濃度葉酸含有レタスの形態」、「高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法の形態」の順で説明する。なお、以下の説明に用いる本件出願におけるレタス(品種:マザーグリーン)の栽培条件は、水耕栽培であって、室温:20℃〜25℃、水温:20℃〜25℃、養液の導電率:1.5mS/cm、光合成光量子束密度(PPFD):130μmol・m−2・s−1である。
1.葉物野菜の生育方法の形態
本件出願に係る葉物野菜の生育方法は、完全制御型野菜工場内で完全人工光を用いて葉物野菜を栽培する方法である。そして、本件出願に係る葉物野菜の生育方法においては、完全人工光として、RGB型LED照明と、遠赤色光を含むRGB型LED照明とを用いている。
本件出願に係る葉物野菜の生育方法においては、「RGB型LED照明による生育期間(以下、「第1生育期間」と称する。)」と、「遠赤色光を含むRGB型LED照明による生育期間(以下、「第2生育期間」と称する。)」とが存在する。
最初に、当該葉物野菜の播種を行った後の、RGB型LED照明を採用する「第1生育期間」に関して述べる。この「第1生育期間」で用いるRGB型LED照明が含む光の波長を示したのが、図1(A)であり、このときの光は、赤色光:緑色光:青色光=2.5:1:2の割合で含むものを示しているが、一般的に知られたRGB型LED照明の発する光の殆どが使用可能である。このように、葉物野菜の生育の初期段階で、RGB型LED照明を使用するのは、生育の初期段階で茎部の長さ・茎径の過剰な成長を抑制し、栽培品が消費者に受け入れられるよう、最終的に得られる栽培品の形状を、露地栽培品と同等の形状とするためである。
そして、「第1生育期間」は、5日間〜14日間の範囲とすることが好ましい。当該生育期間が5日間未満の場合には、発芽から見て早期から長時間に亘って、後述する「第2生育期間」の光が照射されることになり、葉物野菜の茎部の長さ・茎径の過剰な成長が起こる確率が高くなり好ましくない。一方、当該生育期間が14日間程度で、市場に供給可能な栽培品として成長している。しかも、当該生育期間が14日間を超える場合には、本件出願に係る葉物野菜の生育方法で促成栽培をするという観点から逸脱し、本件出願の趣旨が没却するため好ましくない。なお、本件出願の場合、トータルの生育期間が3週間〜4週間で出荷可能な葉物野菜の生育方法として考えている。
以上に述べた「第1生育期間」が終了すると、直ちに「第2生育期間」に入る。この「第2生育期間」で用いる「遠赤色光を含むRGB型LED照明」が含む光の波長を示したのが、図1(B)である。このときの「第2生育期間」で用いる光は、「第1生育期間」で用いるRGB型LED照明に、遠赤色光を発するLED照明を付加して、RGB型LED照明の赤色光の光強度(R)と、遠赤色光の光強度(FR)との比が、R/FR=5.2となるようにしたものを示している。一般的に、赤色光は600nm〜700nmの波長域にあり、遠赤色光は700nm〜800nmの波長域にある光を言う。
そして、上述の「第2生育期間」で用いる遠赤色光は、遠赤色光波長の内、波長λが700nm<λ≦750nmの範囲を選択的に使用することが好ましい。そして、波長λが700nm<λ≦730nmの範囲を選択的に使用することが、より好ましい。当該遠赤色光波長が700nm以下になると、光合成有効放射として定まっている波長であり、遠赤色光波長を逸脱するため、本件出願の趣旨が没却するため好ましくない。一方、当該遠赤色光波長が750nmを超えると、光合成有効放射からも逸脱し、野菜の生育という観点で意味を持たなくなる。
更に、「第2生育期間」で用いる光の、RGB型LED照明の赤色光の光強度(R)と、遠赤色光の光強度(FR)との比であるR/FRを1.2を超える範囲、即ち、自然光環境(R/FR=1.1〜1.2)と異なる範囲にすることが好ましい。R/FRが1.2を超える範囲とすることで、単にサイズが大きくなる伸長成長を抑制し、葉物野菜に含まれる栄養分の濃縮が可能となるからである。よって、当該R/FRが3.0を超えると栄養成分濃度の高い葉物野菜が得られる確率が高くなる傾向にある。更に、当該R/FRが5.0を超えると、対象とする葉物野菜の種類によって異なるが、ある特定の栄養成分濃度の高い葉物野菜が得られる確率が高くなる傾向にある。
ここで、図2に、照射方法を変更して4週間生育した、4種類のレタスの状態を示している。以下、葉物野菜の代表格であるレタスを用いて説明する。図2の左端が「RGB型LED照明のみを4週間照射して得られたレタス」であり、図2の左から2番目が「RGB型LED照明を3週間照射し、遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明を1週間照射して得られたレタス」であり、図2の左から3番目が「RGB型LED照明を2週間照射し、遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明を2週間照射して得られたレタス」であり、図2の右端が「遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明のみを4週間照射して得られたレタス」である。これらの生育状態のみを対比してみると、図2の右端の「遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明」のみ用いたものが、最も大きく成長していることが分かる。従って、収穫する葉物野菜のサイズのみを考慮すれば、「遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明」の光のみを使用することが好ましい。
しかしながら、成長が早いと言うことは、レタスの成熟葉も速くできることになる。ここで、レタスのベビーリーフと成熟葉との葉酸含有量の差異を比べてみることとする。図3には、ベビーリーフの葉酸含有量の平均値(6個体平均)、ベビーリーフの葉酸含有量の最大値(6個体中)、成熟葉の葉酸含有量の平均値(6個体平均)、成熟葉の葉酸含有量の最小値(6個体中)とを示している。ここから、ベビーリーフと成熟葉とでは、葉酸含量に明らかな違いがあり、若葉の葉酸含量が成熟葉の葉酸含有量に比べ、平均値で1.67倍であり、ベビーリーフの葉酸含有量の最高値は、成熟葉の葉酸含有量の最小値からみて2.93倍高くなっていることが理解できる。従って、遠赤色光を長時間当て過ぎても、レタスの成長が促進され成熟葉が増加し、レタスの個体として大きく見えても、全体としては葉酸含有量が低下する可能性がある。
そこで、「RGB型LED照明を1週間照射し、遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明を2週間照射して得られた生育期間3週間で収穫したレタス(図4では、3Wと表示している。)」と、「RGB型LED照明を1週間照射し、遠赤色光(波長720nm)を含むRGB型LED照明を3週間照射して得られた生育期間4週間で収穫したレタス(図4では、4Wと表示している。)」との葉酸含有量を比較してみた。その結果を、図4に示している。この図4からは、前者の生育期間3週間で収穫したレタスの葉酸含有量が、後者の生育期間4週間で収穫したレタスの葉酸含有量に比べて、多くなっていることが理解できる。従って、本件出願に係る葉物野菜の生育方法を用いて、レタスを栽培する場合には、レタスの個体サイズのみに限らず、葉酸含有量の品質が要求される場合には、生育期間3週間以内のものを収穫することが好ましい。
2.高濃度葉酸含有レタスの形態
以上に述べたことから理解できるように、高濃度葉酸含有レタスを要求される場合には、上述の方法で栽培されたレタスから、成熟葉を避けて、葉が展開して間もない葉酸含有量の高いベビーリーフの部分のみを収穫して製品化することが好ましい。このようにベビーリーフのみを採取すれば、レタスの個体サイズの問題もなく、生育期間の短縮化も可能となるため好ましい。ここでいうべビーリーフとは、展開後1週間〜2週間の若いレタスのことである。
3.高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法の形態
本件出願に係る高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法は、上述の葉物野菜の生育方法で栽培されたレタスから、葉が展開して間もない葉酸含有量の高いベビーリーフの部分のみを収穫する際に、ベビーリーフの連続生産を可能にしない限り、採算性が低下する。
そこで、ベビーリーフを収穫するにあたり、レタスの成長点を含む中心部分を残し、ここに遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた光を1週間程度照射することで、新たな葉酸含量の高いベビーリーフを、常に連続して収穫することが可能になる。このレタスの場合の成長点とは、茎の先端部にあって、その茎の延長部及び新しいベビーリーフとを作り出す茎頂をいう。
図5に、ベビーリーフを収穫した後に、再度ベビーリーフが成長している状態を示している。図5(A)には、レタスの成長点を含む中心部分を残し、ベビーリーフを収穫した後に、蛍光灯の光を1週間照射した後の状態を示している。図5(B)には、レタスの成長点を含む中心部分を残し、ベビーリーフを収穫した後に、遠赤色光を含むRGB型LED照明の光を1週間照射した後の状態を示している。この図5(A)と図5(B)の対比から明らかなように、遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた図5(B)の方の生育が早いことが分かる。よって、レタスにおいて、葉酸含量の高い新たなベビーリーフを、常に連続して、短期間で収穫するためには、遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いることが好ましいと理解できる。
本件出願に係る葉物野菜の生育方法は、完全制御型野菜工場での生産に適しており、葉物野菜の計画的生産に適している。従って、レタスに代表される葉物野菜の生産効率を高め、且つ、生産調整も可能な野菜工場の実現が可能となる。しかも、本件出願に係る葉物野菜の生育方法において用いた「RGB型LED照明による生育期間」と、「遠赤色光を含むRGB型LED照明による生育期間」とを併用することで、葉酸等の特定成分を高濃度の含有する葉物野菜の安定供給が可能となる。

Claims (5)

  1. 完全制御型野菜工場内で完全人工光を用いて葉物野菜を栽培する方法であって、
    完全人工光の光源として、RGB型LED照明と、遠赤色光を含むRGB型LED照明とを用いるものであり、
    当該葉物野菜の播種を行った後、RGB型LED照明を用いた光を5日間〜14日間照射する生育期間を設け、その後、遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた光を7日間〜23日間照射する生育期間を設けたことを特徴とする葉物野菜の生育方法。
  2. 前記遠赤色光は、遠赤色光波長の内、波長λが700nm<λ≦750nmの範囲を選択的に使用するものである請求項1に記載の葉物野菜の生育方法。
  3. 前記葉物野菜がレタスである請求項1又は請求項2に記載の葉物野菜の生育方法。
  4. 請求項3に記載の方法で栽培されたレタスから、葉が展開して間もない葉酸含有量の高いベビーリーフの部分のみを収穫して得られることを特徴とする高濃度葉酸含有レタス。
  5. 請求項3に記載の方法で栽培されたレタスから、葉が展開して間もない葉酸含有量の高いベビーリーフの部分のみを収穫する際に、レタスの成長点を含む中心部分を残し、ここに光源に遠赤色光を含むRGB型LED照明を用いた光を継続照射し、成長してくる葉酸含量の高いベビーリーフを連続して収穫することを特徴とする高濃度葉酸含有レタスの連続生育方法。
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