以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
[1.移載装置の全体構成]
まず、図1を参照しながら、実施の形態に係る移載装置2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る移載装置2の全体構成を示す斜視図である。なお、図1において、移載装置2の幅方向をX軸方向、移載装置2の奥行き方向をY軸方向、移載装置2の高さ方向をZ軸方向とする。
図1に示す移載装置2は、ハンドリフト4とコンベヤ6との間で荷物8を移載するための装置である。
本実施の形態では、荷物8は、パレット10と、パレット10の上面に載置された物品12とを含んでいる。パレット10は、XY平面視で略矩形状に形成されている。パレット10の4つの側面の各々には、一対の差し込み孔14が形成されている。一対の差し込み孔14は、パレット10の各側面の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている。物品12は、例えば商品を梱包した段ボール箱等である。
ハンドリフト4は、床面16を移動しながら荷物8を搬送する第1の搬送装置の一例であり、ユーザにより手動で操作される。ハンドリフト4は、ハンドル18と、一対のフォーク部20とを有している。ハンドル18を操作することにより、油圧によって一対のフォーク部20が床面16に対して昇降する。一対のフォーク部20をそれぞれパレット10の一対の差し込み孔14に差し込み、ハンドル18を操作して一対のフォーク部20を床面16に対して上昇させることにより、荷物8を床面16から荷すくいすることができる。また、ハンドル18を操作して一対のフォーク部20を床面16に対して下降させ、一対のフォーク部20をそれぞれパレット10の一対の差し込み孔14から引き抜くことにより、荷物8を床面16の第1の領域22に荷下ろしすることができる。
コンベヤ6は、床面16上に設置され、荷物8を搬送する第2の搬送装置の一例であり、例えばチェーンコンベヤで構成されている。コンベヤ6には、荷物8を搬送するための搬送面24が床面16よりも上方の高さ位置に形成されている。なお、説明の都合上、図1では、コンベヤ6を簡略化して図示してある。
図1に示すように、移載装置2は、昇降ユニット26と、台車ユニット28と、複数の位置決め部材30,32,34,36(30~36)とを備えている。
昇降ユニット26は、床面16の第1の領域22において、荷物8を鉛直方向(Z軸方向)に昇降させるためのユニットである。昇降ユニット26は、荷物8が床面16の第1の領域22に載置された状態で、ハンドリフト4との間で荷物8の受け渡しを行う。
台車ユニット28は、床面16の第1の領域22と、第1の領域22の外部に位置する床面16の第2の領域38との間で床面16を移動することにより、荷物8を移載装置2の奥行き方向(Y軸方向)に搬送するためのユニットである。なお、床面16の第1の領域22及び第2の領域38は、移載装置2の奥行き方向に隣り合うように配置されている。台車ユニット28は、床面16の第1の領域22に移動した際に、昇降ユニット26との間で荷物8の受け渡しを行う。また、台車ユニット28は、床面16の第2の領域38に移動した際に、コンベヤ6との間で荷物8の受け渡しを行う。
なお、第1の領域22は、ハンドリフト4により荷物8が載置され、昇降ユニット26により荷物8が昇降される領域である。第2の領域38は、移載装置2の奥行き方向において、昇降ユニット26側の端部が第1の領域22の外側に位置し、コンベヤ6側の端部が台車ユニット28とコンベヤ6との間で荷物8の受け渡しを行うことができる位置にある領域である。
複数の位置決め部材30~36は、例えばハンドリフト4により荷物8を床面16の第1の領域22に荷下ろしする際に、荷物8を床面16の第1の領域22において位置決めするための部材である。
[2.昇降ユニットの構成]
図1~図3を参照しながら、昇降ユニット26の構成について説明する。図2は、実施の形態に係る移載装置2の昇降ユニット26を示す側面図である。図3は、実施の形態に係る移載装置2の昇降ユニット26を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、昇降ユニット26は、支柱40a,40bと、リフタ42a,42bとを有している。
支柱40a,40bは、床面16の第1の領域22に立設され、移載装置2の幅方向(X軸方向)に間隔を置いて配置されている。支柱40a,40bの各上端部にはそれぞれ、リフタ42a,42bを昇降させるための昇降用モータ44a,44bが配置されている。これらの昇降用モータ44a,44bは、同期して駆動される。
リフタ42a,42bはそれぞれ、支柱40a,40bの互いに対向する各側面に支持されており、昇降用モータ44a,44bの駆動力により支柱40a,40bの長手方向(Z軸方向)に沿って同期して昇降する。具体的には、リフタ42a,42bは、荷物8を床面16の第1の領域22に載置させる下方位置(図2において実線で示す位置)と、荷物8を床面16の第1の領域22の上方に位置させる上方位置(図2において一点鎖線で示す位置)との間を同期して昇降する。
図3に示すように、リフタ42aは、荷物8を支持するための一対の支持部46aを有している。一対の支持部46aの各々は、例えば長尺状の板状に形成されている。一対の支持部46aの各々は、リフタ42aの内部に配置され且つ鉛直方向に延びる旋回軸48aを中心に、リフタ42aから突出する突出位置(図3において実線で示す位置)と、リフタ42aの内部に格納される退避位置(図3において一点鎖線で示す位置)との間を同期して旋回(変位の一例)する。リフタ42aが下方位置にある状態で、一対の支持部46aはそれぞれ、退避位置から突出位置に旋回することにより、床面16の第1の領域22に載置された荷物8に向けて突出し、荷物8のパレット10の一対の差し込み孔14に差し込まれる。この状態から、一対の支持部46aはそれぞれ、突出位置から退避位置に旋回することにより、荷物8から退避し、荷物8のパレット10の一対の差し込み孔14から引き抜かれる。
図3に示すように、リフタ42aの内部には、一方の支持部46aを旋回させるための旋回用モータ50aと、一対の支持部46aを連結するジョイントロッド(図示せず)とが配置されている。一方の支持部46aが旋回用モータ50aの駆動力により旋回した際に、一方の支持部46aの旋回動作がジョイントロッドを介して他方の支持部46aに伝達する。これにより、一対の支持部46aが同期して旋回する。なお、図3に示すように、本実施の形態では、一対の支持部46aの旋回方向を互いに逆方向としたが、これに限定されず、互いに同方向としてもよい。
図3に示すように、リフタ42bは、リフタ42aと同様に、荷物8を支持するための一対の支持部46bを有している。一対の支持部46bの各々は、例えば長尺状の板状に形成されている。一対の支持部46bの各々は、リフタ42bの内部に配置され且つ鉛直方向に延びる旋回軸48bを中心に、リフタ42bから突出する突出位置(図3において実線で示す位置)と、リフタ42bの内部に格納される退避位置(図3において一点鎖線で示す位置)との間を同期して旋回する。リフタ42bが下方位置にある状態で、一対の支持部46bはそれぞれ、退避位置から突出位置に旋回することにより、床面16の第1の領域22に載置された荷物8に向けて突出し、荷物8のパレット10の一対の差し込み孔14に差し込まれる。この状態から、一対の支持部46bはそれぞれ、突出位置から退避位置に旋回することにより、荷物8から退避し、荷物8のパレット10の一対の差し込み孔14から引き抜かれる。
図3に示すように、リフタ42bの内部には、リフタ42aと同様に、一方の支持部46bを旋回させるための旋回用モータ50bと、一対の支持部46bを連結するジョイントロッド(図示せず)とが配置されている。一方の支持部46bが旋回用モータ50bの駆動力により旋回した際に、一方の支持部46bの旋回動作がジョイントロッドを介して他方の支持部46bに伝達する。これにより、一対の支持部46bが同期して旋回する。なお、図3に示すように、本実施の形態では、一対の支持部46bの旋回方向を互いに逆方向としたが、これに限定されず、互いに同方向としてもよい。
リフタ42aの一対の支持部46aがそれぞれパレット10のリフタ42aと対向する一対の差し込み孔14に差し込まれ、且つ、リフタ42bの一対の支持部46bがそれぞれパレット10のリフタ42bと対向する一対の差し込み孔14に差し込まれた状態で、リフタ42a,42bが昇降することにより、荷物8を昇降することができる。
また、図3に示すように、リフタ42a,42bには、リフタ42a,42bの昇降の同期ずれを検出するための同期ずれセンサ52が配置されている。同期ずれセンサ52は、例えばミラー反射型フォトセンサで構成されており、リフタ42aに配置されたミラー54と、リフタ42bに配置されたフォトセンサ56とを有している。リフタ42a,42bが同期して昇降している状態では、フォトセンサ56の発光素子からの光がミラー54で反射してフォトセンサ56の受光素子により受光され、同期ずれセンサ52がオンとなる。一方、例えば昇降用モータ44a,44bの一方が故障するなどして、リフタ42a,42bが同期して昇降していない状態では、フォトセンサ56の発光素子からの光がミラー54で反射せずにフォトセンサ56の受光素子により受光されず、同期ずれセンサ52がオフとなる。同期ずれセンサ52がオフとなった場合には、リフタ42a,42bの昇降が強制的に停止される。なお、本実施の形態では、同期ずれセンサ52をミラー反射型フォトセンサで構成したが、これに限定されず、例えば透過型フォトセンサ等で構成してもよい。
[3.台車ユニットの構成]
図1及び図4A~図5を参照しながら、台車ユニット28の構成について説明する。図4Aは、台車58が第1の領域22に移動した状態での、実施の形態に係る移載装置2の台車ユニット28を示す側面図である。図4Bは、台車58が第2の領域38に移動した状態での、実施の形態に係る移載装置2の台車ユニット28を示す側面図である。図5は、実施の形態に係る移載装置2の台車ユニット28を示す平面図である。
図1及び図4A~図5に示すように、台車ユニット28は、台車58と、ガイド機構60とを有している。
台車58は、床面16を走行(移動)することにより、積載された荷物8を搬送するための自走台車である。台車58は、昇降ユニット26との間で荷物8を受け渡す位置と、コンベヤ6との間で荷物8を受け渡す位置との間を往復移動するように走行する。台車58は、台車本体62と、コンベヤユニット64と、複数の車輪66とを有している。
台車本体62は、コンベヤユニット64及び荷物8を積載するためのものである。台車本体62は、例えばXY平面視で略矩形状に形成されている。
コンベヤユニット64は、例えばチェーンコンベヤで構成されており、台車本体62の上面に支持されている。コンベヤユニット64には、荷物8を搬送するための搬送面68が形成されている。コンベヤユニット64の搬送面68の床面16からの高さ位置は、コンベヤ6(図1参照)の搬送面24の床面16からの高さ位置と略等しい。また、コンベヤユニット64の搬送面68における荷物8の搬送方向は、コンベヤ6の搬送面24に向けて荷物8を払い出す方向である。コンベヤユニット64は、コンベヤ6との間で荷物8の受け渡しを行う際には、コンベヤ6と同期して駆動される。なお、説明の都合上、図1及び図5では、コンベヤユニット64を簡略化して図示してある。
複数の車輪66はそれぞれ、台車本体62の下面の四隅に支持され、床面16に回転可能に接触している。図5に示すように、台車本体62には、複数の車輪66のうち一対の車輪66aを駆動するための走行用モータ70が配置されている。走行用モータ70の駆動力によって一対の車輪66aが駆動されることにより、台車58が床面16を走行する。
ガイド機構60は、床面16の第1の領域22及び第2の領域38の一方から他方に向かう方向である所定方向(Y軸方向)、すなわち移載装置2の奥行き方向への台車58の移動をガイドするための機構である。ガイド機構60は、スライドレール72(固定部材の一例)と、スライドフレーム74(ガイド部材の一例)と、複数のガイドローラ76a,76b,76c,76d(76a~76d)(被ガイド部材及び当接部の一例)とを有している。
スライドレール72は、床面16の第2の領域38に固定されており、移載装置2の奥行き方向に沿って長尺状に延びている。なお、スライドレール72は、床面16の第2の領域38にのみ配置され、床面16の第1の領域22には配置されていない。
スライドフレーム74は、移載装置2の奥行き方向に沿って長尺状に延びる板状に形成されている。スライドフレーム74の下面における、スライドフレーム74の長手方向中央部よりも第2の領域38側には、複数のスライドブロック78が固定されている。複数のスライドブロック78の各々は、ころ(図示せず)を介してスライドレール72にスライド可能に嵌合されている。これにより、スライドフレーム74は、スライドレール72に対して移載装置2の奥行き方向に沿って移動可能である。
図5に示すように、スライドフレーム74の一端部(第1の領域22に近い側の端部)には、水平面内(XY平面内)で移載装置2の奥行き方向と交差する方向に突出する突出部80が形成されている。また、スライドフレーム74の他端部(第1の領域22から遠い側の端部)には、水平面内で移載装置2の奥行き方向と交差する方向に突出する突出部82が形成されている。
図4A~図5に示すように、複数のガイドローラ76a~76dは、台車本体62の下面に支持されている。複数のガイドローラ76a~76dの各々は、台車本体62の下面に支持され且つ鉛直方向に延びる回転軸84を中心に回転可能である。図5に示すように、複数のガイドローラ76a~76dのうち一対のガイドローラ76a,76bは、移載装置2の奥行き方向に沿って間隔を置いて配置され、スライドフレーム74の一方の側面に回転可能に接触している。また、複数のガイドローラ76a~76dのうち他の一対のガイドローラ76c,76dは、移載装置2の奥行き方向に沿って間隔を置いて配置され、スライドフレーム74の他方の側面に回転可能に接触している。これにより、台車58がスライドフレーム74に対して移載装置2の奥行き方向に沿って移動した際に、複数のガイドローラ76a~76dは、スライドフレーム74に対して移載装置2の奥行き方向にガイドされる。
図4Aに示すように、台車58が床面16の第2の領域38から第1の領域22に向かう方向(Y軸のマイナス方向)に移動する際には、複数のガイドローラ76a~76dは、スライドフレーム74に対して移載装置2の奥行き方向にガイドされる。これにより、台車58は、スライドフレーム74に対して、移載装置2の奥行き方向にガイドされながら移動する。
より詳細に説明すると、スライドフレーム74の突出部80が床面16の第2の領域38に位置している状態で、台車58が床面16の第2の領域38から第1の領域22に向かう方向に移動することにより、ガイドローラ76a,76cは、スライドフレーム74の突出部80に当接する。ガイドローラ76a,76cが突出部80に当接した状態で、台車58がさらに床面16の第1の領域22に向けて移動することにより、台車58が突出部80を押しながら移動する。
これにより、図4A及び図5に示すように、スライドフレーム74は、台車58により牽引されながら、スライドレール72に対して床面16の第2の領域38から第1の領域22に向かう方向に移動する。その結果、台車58は、ガイド機構60により床面16の第2の領域38から第1の領域22に向かう方向にガイドされながら移動するので、台車58の直進性を確保することができる。
なお、上述したように、複数のスライドブロック78は、スライドフレーム74の下面において、スライドフレーム74の長手方向中央部よりも第2の領域38側に固定されている。これにより、図4Aに示すように、複数のスライドブロック78がスライドレール72の第1の領域22に近い側の端部に移動した際に、スライドフレーム74の複数のスライドブロック78が設けられていない側の端部が床面16の第1の領域22に位置するようになる。
一方、図4Bに示すように、台車58が床面16の第1の領域22から第2の領域38に向かう方向(Y軸のプラス方向)に移動する際には、複数のガイドローラ76a~76dは、スライドフレーム74に対して移載装置2の奥行き方向にガイドされる。これにより、台車58は、スライドフレーム74に対して、移載装置2の奥行き方向にガイドされながら移動する。
より詳細に説明すると、スライドフレーム74の突出部82が床面16の第1の領域22に位置している状態で、台車58が床面16の第1の領域22から第2の領域38に向かう方向に移動することにより、ガイドローラ76b,76dは、スライドフレーム74の突出部82に当接する。ガイドローラ76b,76dが突出部82に当接した状態で、台車58がさらに床面16の第2の領域38に向けて移動することにより、台車58が突出部82を押しながら移動する。
これにより、図4Bに示すように、スライドフレーム74は、台車58により牽引されながら、スライドレール72に対して床面16の第1の領域22から第2の領域38に向かう方向に移動する。その結果、台車58は、ガイド機構60により床面16の第1の領域22から第2の領域38に向かう方向にガイドされながら移動するので、台車58の直進性を確保することができる。
[4.複数の位置決め部材の構成]
図1及び図3を参照しながら、複数の位置決め部材30~36の構成について説明する。図1及び図3に示すように、複数の位置決め部材30~36は、床面16の第1の領域22に固定されている。
複数の位置決め部材30~36はそれぞれ、床面16の第1の領域22に載置されたパレット10の四隅に対応して配置されている。具体的には、複数の位置決め部材30~36のうち、一対の位置決め部材30,32は、床面16の第2の領域38から遠い側に配置され、水平面内で移載装置2の奥行き方向に対して略垂直な方向(X軸方向)に間隔を置いて配置されている。一対の位置決め部材30,32の配置間隔は、パレット10の横幅(X軸方向における幅)と略等しい。また、複数の位置決め部材30~36のうち、一対の位置決め部材34,36は、床面16の第2の領域38に近い側に配置され、水平面内で移載装置2の奥行き方向に対して略垂直な方向に間隔を置いて配置されている。一対の位置決め部材34,36の配置間隔は、パレット10の横幅と略等しい。
一対の位置決め部材30,32の各々の互いに対向する面にはそれぞれ、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面86,88が形成されている。さらに、一対の位置決め部材30,32の各々の互いに対向する面にはそれぞれ、水平面内で移載装置2の奥行き方向に対して略垂直な方向に突出した第1のストッパ90,92が形成されている。一対の第1のストッパ90,92の各々の床面16の第2の領域38側の面には、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面が形成されている。また、一対の位置決め部材34,36の各々の互いに対向する面にはそれぞれ、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面94,96が形成されている。
また、一対の第1のストッパ90,92に関連して、図1及び図3に示すように、床面16の第1の領域22には、荷物8を床面16の第1の領域22において位置決めするための第2のストッパ97が固定されている。第2のストッパ97は、移載装置2の奥行き方向において、一対の第1のストッパ90,92よりも床面16の第2の領域38に近い側に配置されている。また、第2のストッパ97は、一対の位置決め部材34,36の中央部に配置されている。第2のストッパ97の床面16の第2の領域38と反対側の面には、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面が形成されている。一対の第1のストッパ90,92の各々の床面16からの高さは、第2のストッパ97の床面16からの高さよりも低い。
また、図3に示すように、一対の位置決め部材30,32には、荷物8が床面16の第1の領域22に載置されたことを検出するための移載センサ98(第1のセンサの一例)が配置されている。移載センサ98は、例えば透過型フォトセンサで構成されており、位置決め部材30に配置された受光素子100と、位置決め部材32に配置された発光素子102とを有している。
パレット10が床面16の第1の領域22に載置されている状態では、発光素子102からの光は、パレット10の差し込み孔14よりも下方で遮られることにより受光素子100により受光されない。この場合、移載センサ98は、荷物8が床面16の第1の領域22に載置されていることを示す第1の検出信号を制御部110(後述する図6参照)に出力する。一方、荷物8が床面16の第1の領域22に載置されていない状態では、発光素子102からの光は、受光素子100により受光される。この場合、移載センサ98は、上記第1の検出信号を制御部110に出力しない。なお、本実施の形態では、一対の位置決め部材30,32に移載センサ98を配置したが、これに限定されず、例えば床面16の第1の領域22に立設された任意の部材に移載センサ98を配置してもよい。
さらに、図3に示すように、一対の位置決め部材30,32には、ハンドリフト4のフォーク部20がパレット10の差し込み孔14に差し込まれていることを検出するためのハンドリフトセンサ104(第2のセンサの一例)が配置されている。ハンドリフトセンサ104は、例えば透過型フォトセンサで構成されており、位置決め部材30に配置された発光素子106と、位置決め部材32に配置された受光素子108とを有している。なお、ハンドリフトセンサ104は、移載センサ98よりも床面16の第2の領域38から遠い側に配置されている。
フォーク部20が差し込み孔14に差し込まれている状態では、発光素子106からの光は、発光素子106に対向するパレット10の側面における差し込み孔14を通過して、フォーク部20に照射される。この時、発光素子106からの光は、フォーク部20で遮られることにより、受光素子108により受光されない。この場合、ハンドリフトセンサ104は、フォーク部20が差し込み孔14に差し込まれていることを示す第2の検出信号を制御部110に出力する。一方、フォーク部20が差し込み孔14に差し込まれていない状態では、発光素子106からの光は、発光素子106に対向するパレット10の側面における差し込み孔14を通過して、受光素子108により受光される。この場合、ハンドリフトセンサ104は、上記第2の検出信号を制御部110に出力しない。
なお、本実施の形態では、一対の位置決め部材30,32にハンドリフトセンサ104を配置したが、これに限定されず、フォーク部20が差し込み孔14に差し込まれていることを検出できれば、任意の位置に配置してもよい。
[5.移載装置の機能構成]
図6を参照しながら、実施の形態に係る移載装置2の機能構成について説明する。図6は、実施の形態に係る移載装置2の機能構成を示すブロック図である。
図6に示すように、移載装置2は、制御部110を備えている。制御部110は、移載センサ98及びハンドリフトセンサ104の各々の検出結果に基づいて、昇降ユニット26の昇降用モータ44a,44bを制御する。
具体的には、制御部110は、昇降ユニット26のリフタ42a,42bが下方位置にある状態で、移載センサ98からの第1の検出信号及びハンドリフトセンサ104からの第2の検出信号をともに受信した場合には、リフタ42a,42bを下方位置に保持する。
その後、制御部110は、移載センサ98からの第1の検出信号を受信し、且つ、ハンドリフトセンサ104からの第2の検出信号を受信しなくなった場合には、リフタ42a,42bを下方位置から上方位置に上昇させる。
これにより、ハンドリフト4により荷物8を床面16の第1の領域22に荷下ろしした際に、ハンドリフト4の一対のフォーク部20をそれぞれパレット10の一対の差し込み孔14から引き抜く前に、リフタ42a,42bが下方位置から上方位置に上昇するという誤動作を抑制することができる。
また、制御部110は、旋回用モータ50a,50bを制御することにより、リフタ42aの一対の支持部46a及びリフタ42bの一対の支持部46bの各々の位置を、突出位置と退避位置との間で切り替えるように制御する。
また、制御部110は、移載センサ98及びハンドリフトセンサ104の各々の検出結果に基づいて、台車ユニット28の走行用モータ70を制御する。具体的には、制御部110は、台車ユニット28の台車58の始動タイミング、停止タイミング及び移動方向等を制御する。また、制御部110は、台車ユニット28の台車58のコンベヤユニット64の駆動タイミング及び搬送方向等を制御する。
[6.移載装置の動作]
図7~図13を参照しながら、実施の形態に係る移載装置2の動作について説明する。図7は、実施の形態に係る移載装置2の動作の流れを示すフローチャートである。図8は、図7のフローチャートのステップS101及びS106の動作を説明するための図である。図9A及び図9Bは、図7のフローチャートのステップS106の動作を説明するための図である。図10は、図7のフローチャートのステップS107の動作を説明するための図である。図11は、図7のフローチャートのステップS108の動作を説明するための図である。図12は、図7のフローチャートのステップS109及びS110の動作を説明するための図である。図13は、図7のフローチャートのステップS111及びS112の動作を説明するための図である。
以下、ハンドリフト4からコンベヤ6に荷物8を移載する場合における移載装置2の動作について説明する。また、以下では、移載装置2の動作の全体の流れについて図7を用いて説明し、図7のフローチャートの各ステップの動作について図8~図13を用いて説明する。
なお、ハンドリフト4からコンベヤ6に荷物8を移載する前の状態では、リフタ42a,42bの各々は下方位置に保持され、リフタ42aの一対の支持部46a及びリフタ42bの一対の支持部46bの各々は退避位置に保持されている。また、台車58は、床面16の第2の領域38で待機しており、台車58のコンベヤユニット64の駆動は停止している。
図8の(a)に示すように、まず、ユーザは、荷物8を荷すくいしたハンドリフト4を床面16の第1の領域22に向けて前進させることにより、荷物8を床面16の第1の領域22に搬送する。
図8の(b)に示すように、ユーザは、ハンドル18を操作して一対のフォーク部20を床面16に対して下降させ、荷物8を床面16の第1の領域22に荷下ろしする(図7のS101)。この時、移載センサ98は第1の検出信号を制御部110に出力し、ハンドリフトセンサ104は第2の検出信号を制御部110に出力する(図7のS102)。
なお、ハンドリフト4により荷物8を床面16の第1の領域22に荷下ろしした際に、パレット10の四隅がそれぞれ複数の位置決め部材30~36と接触することにより、移載装置2の幅方向(X軸方向)において、パレット10(荷物8)が床面16の第1の領域22に位置決めされる。この荷下ろしの際に、パレット10の位置が複数の位置決め部材30~36の内側に規定される載置領域からずれている場合であっても、パレット10が複数の位置決め部材30~36の各々の傾斜面86,88,94,96の少なくとも1つを滑り落ちることにより、パレット10の位置を上記載置領域に誘導することができる。
また、ハンドリフト4により荷物8を床面16の第1の領域22に荷下ろしした際に、パレット10の一側面(床面16の第2の領域38から遠い側の側面)における両端部がそれぞれ一対の第1のストッパ90,92と接触し、且つ、パレット10の他側面(床面16の第2の領域38に近い側の側面)における中央部が第2のストッパ97と接触することにより、移載装置2の奥行き方向において、パレット10が床面16の第1の領域22に位置決めされる。
なお、上述したように、一対の第1のストッパ90,92の各々の床面16からの高さは、第2のストッパ97の床面16からの高さよりも低いので、ユーザがハンドリフト4を床面16の第1の領域22に向けて前進させる際に、一対の第1のストッパ90,92がパレット10に接触するのを抑制することができる。また、第2のストッパ97の床面16からの高さは、一対の第1のストッパ90,92の各々の床面16からの高さよりも高いので、ハンドリフト4が荷物8を支持した状態で、パレット10を第2のストッパ97に接触させることにより、移載装置2の奥行き方向において荷物8を精度良く位置決めすることができる。
その結果、後述するように、リフタ42aの一対の支持部46aをそれぞれパレット10のリフタ42aと対向する一対の差し込み孔14に精度良く差し込むことができ、且つ、リフタ42bの一対の支持部46bをそれぞれパレット10のリフタ42bと対向する一対の差し込み孔14に精度良く差し込むことができる。
ユーザがハンドリフト4を床面16の第1の領域22から後退させていない場合には(図7のS103でNO)、制御部110は、リフタ42a,42bを下方位置に保持し(図7のS104)、上述したステップS102に戻る。
図8の(b)に示すように、ユーザが一対のフォーク部20をそれぞれパレット10の一対の差し込み孔14から引き抜くことにより、ハンドリフト4を床面16の第1の領域22から後退させた場合には(図7のS103でYES)、ハンドリフトセンサ104からの第2の検出信号の出力が停止する(図7のS105)。
なお、図8の(b)に示すように、パレット10の手前側(図8において紙面内下側)の側面は、位置決め部材30のストッパ90及び位置決め部材32のストッパ92に当接している。これにより、ハンドリフト4の一対のフォーク部20をそれぞれパレット10の一対の差し込み孔14から引き抜いた際のはずみで、パレット10(荷物8)が上記載置領域から手前側(Y軸のマイナス側)にずれるのを抑制することができる。
制御部110は、ハンドリフトセンサ104からの第2の検出信号を受信しなくなったことを受けて、リフタ42aの一対の支持部46a及びリフタ42bの一対の支持部46bの各々を、退避位置から突出位置に旋回させる(図7のS106)。
図9Aに示すように、リフタ42aの一対の支持部46aはそれぞれ、退避位置から突出位置に旋回することにより、パレット10のリフタ42aと対向する一対の差し込み孔14に差し込まれる。また、図9Bに示すように、リフタ42bの一対の支持部46bはそれぞれ、退避位置から突出位置に旋回することにより、パレット10のリフタ42bと対向する一対の差し込み孔14に差し込まれる。これにより、リフタ42a,42bの各々が下方位置にある状態で、ハンドリフト4とリフタ42a,42bとの間で荷物8の受け渡しが行われる。
図10の(a)及び(b)に示すように、制御部110は、リフタ42a,42bを下方位置から上方位置に上昇させる(図7のS107)。リフタ42aの一対の支持部46aがそれぞれパレット10のリフタ42aと対向する一対の差し込み孔14に差し込まれ、且つ、リフタ42bの一対の支持部46bがそれぞれパレット10のリフタ42bと対向する一対の差し込み孔14に差し込まれた状態で、リフタ42a,42bを下方位置から上方位置に上昇させることによって、荷物8は、リフタ42a,42bによって床面16から所定の高さ位置まで持ち上げられる。この時、荷物8の下面の床面16からの高さ位置は、台車58のコンベヤユニット64の搬送面68の床面16からの高さ位置よりも高い。
図11の(a)及び(b)に示すように、制御部110は、台車58を床面16の第2の領域38から第1の領域22に移動させる(図7のS108)。これにより、台車58は、リフタ42a,42bによって床面16の第1の領域22の上方に持ち上げられた荷物8の直下に位置するようになる。
図12の(a)及び(b)に示すように、制御部110は、リフタ42a,42bを上方位置から中間位置に下降させる(図7のS109)。なお、中間位置とは、上方位置と下方位置との間の位置、より具体的には、荷物8を台車58のコンベヤユニット64の搬送面68に載置させる位置である。これにより、図12の(b)に示すように、荷物8が台車58のコンベヤユニット64の搬送面68に載置され、リフタ42a,42bと台車58との間で荷物8の受け渡しが行われる。
図12の(b)に示すように、制御部110は、リフタ42a,42bを中間位置に位置させた状態で、リフタ42aの一対の支持部46a及びリフタ42bの一対の支持部46bの各々を、突出位置から退避位置に旋回させる(図7のS110)。これにより、リフタ42aの一対の支持部46aはそれぞれ、パレット10のリフタ42aと対向する一対の差し込み孔14から引き抜かれる。また、リフタ42bの一対の支持部46bはそれぞれ、パレット10のリフタ42bと対向する一対の差し込み孔14から引き抜かれる。
図13の(a)及び(b)に示すように、制御部110は、台車58を床面16の第1の領域22から第2の領域38に移動させ(図7のS111)、台車58を第2の領域38で停止させる。これにより、台車58のコンベヤユニット64は、荷物8の移載先であるコンベヤ6と隣り合う位置に配置される。図13の(b)に示すように、制御部110は、台車58のコンベヤユニット64を駆動することにより、荷物8は、コンベヤユニット64の搬送面68からコンベヤ6の搬送面24に向けて搬送される。これにより、台車58とコンベヤ6との間で荷物8の受け渡しが行われる。
以上のようにして、ハンドリフト4からコンベヤ6への荷物8の移載が完了する。なお、コンベヤ6からハンドリフト4に荷物8を移載する場合における移載装置2の動作は、上述した移載装置2の動作と逆の動作にすればよい。
[7.効果]
上述したように、リフタ42a,42bはそれぞれ、荷物8に向けて突出する突出位置と、荷物8から退避する退避位置との間を旋回する一対の支持部46a及び一対の支持部46bを有している。これにより、荷物8が床面16の第1の領域22に載置された状態で、一対の支持部46a及び一対の支持部46bが退避位置から突出位置に旋回し、リフタ42a,42bが下方位置から上方位置に上昇することにより、荷物8を床面16の第1の領域22から所定の高さ位置まで上昇させることができる。
したがって、ユーザは、ハンドリフト4により荷物8を床面16の第1の領域22に載置(荷下ろし)すればよいので、ハンドリフト4を床面16の第1の領域22にスムーズに移動させることができる。その結果、床面16の第1の領域22にはハンドリフト4の走行を妨げるものが無いため、作業性を高めることができる。
(変形例等)
以上、本発明の移載装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態に対して当業者が思い付く変形を施して得られる形態、及び、上記実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
上記実施の形態では、第1の搬送装置をハンドリフト4で構成したが、これに限定されず、例えばフォークリフト又は無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)等で構成してもよい。これらの第1の搬送装置から第2の搬送装置に荷物8を直接受け渡しできない場合に、本発明の移載装置2を用いることにより、第2の搬送装置に荷物8を受け渡すことができる。
また、上記実施の形態では、第2の搬送装置をコンベヤ6で構成したが、これに限定されず、例えば有軌道台車、無軌道台車又はスタッカークレーン等で構成してもよい。なお、第2の搬送装置を例えばスタッカークレーンで構成した場合には、台車ユニット28からコンベヤユニット64を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、台車58の移動を利用して、スライドフレーム74をスライドレール72に対して移動させたが、これに限定されず、例えばスライフレーム74をスライドレール72に対して移動させるための専用の動力源を設けてもよい。
また、上記実施の形態では、一対の支持部46a及び一対の支持部46bの各々が突出位置と退避位置との間を旋回するように構成したが、これに限定されず、例えば突出位置と退避位置との間を直線的に往復移動(変位の一例)するように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、被ガイド部材及び当接部を同一の部材(ガイドローラ76a~76d)で構成したが、これに限定されず、被ガイド部材及び当接部を別個の部材で構成してもよい。
また、上記実施の形態では、スライドフレーム74の長手方向における両端部にそれぞれ突出部80,82を形成したが、これに限定されず、例えばスライドフレーム74の長手方向における中央部に突出部を1つのみ形成してもよい。
また、上記実施の形態では、突出部80,82を、水平面内で移載装置2の奥行き方向と交差する方向に突出させたが、これに限定されず、例えば鉛直方向に突出させてもよい。