JP7365343B2 - 注射デバイス用のrfid用量追跡機構 - Google Patents

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Description

本記載は、RFID信号の共振周波数を変調して薬物送達デバイスから送達される用量を追跡する用量追跡機構に関する。
様々な疾病を薬剤の注射によって治療することができる。そのような注射は、医療従事者または患者自身によって適用することができる薬物送達デバイスを使用して実行することができる。一例として、1型および2型の糖尿病は、たとえば1日1回または数回の薬物用量の注射によって、患者自身が治療することができる。たとえば、充填済みの使い捨て薬物ペンまたは自動注射器を、薬物送達デバイスとして使用することができる。別法として、再利用可能なペンまたは自動注射器を使用することもできる。再利用可能なペンまたは自動注射器では、空の薬剤カートリッジ(または任意の他の種類の薬剤容器)を新しいものに交換することが可能である。いずれのタイプのペンまたは自動注射器にも1組の一方向針が付属しており、これらの針は使用前に毎回交換される。薬剤用量は、個々に変更することができ、したがって使用者(たとえば、患者または医療従事者)は、使用前に薬物送達デバイスの用量設定機構を動作させることによって、必要とされる薬剤の量を選択する(たとえば、用量をダイヤル設定する)ことができる。
医療用デバイスは、医療用デバイスの様々な構成要素を分析するために、共振周波数を変化させることが可能な電子機器を含むことができる。たとえば、特許文献1は、可動の液密膜に非接触連結されたトランスポンダ回路を開示している。特許文献1では、液密膜の変位により、トランスポンダ回路の共振周波数が変化し、使用者が医療用デバイスの閉塞または他の異常な状態を監視するのを助けることができる。
EP2764881A1
本開示は、薬物送達デバイスからの薬剤の設定または送達された用量を追跡するために、共振周波数を変化させることが可能なRFID電子機器を有する薬物送達デバイスに関する。この原理は、RFIDチップの使用に基づいており、RFIDチップは、典型的に、メモリと、電気回路によって形成されるアンテナとを含む。動作の際、RFIDチップが、RFIDリーダを有するスマートフォンなどのリーダデバイスの到達範囲に入ると、アンテナは、スマートフォンから信号を受信し、チップのメモリ内に符号化されている情報に応じて無線応答信号を送る。
代表的な例では、アンテナの電気回路は、可変抵抗器またはキャパシタなどの可変電子デバイスを有する閉回路であり(たとえば、回路を完成させ、アンテナが応答信号を送信することを有効にする)、可変電子デバイスの構成は、薬物送達デバイスの用量設定または投薬動作を担う薬物送達デバイスの1つまたはそれ以上の構成要素の動きに動作可能に連結される。このようにして、用量設定動作または用量投薬動作中に薬物送達デバイスの構成要素(たとえば、用量設定機構または用量投薬機構の一部)の位置が変化したとき、RFIDデバイスの電気回路内の可変電子デバイスの構成も相応に変化する。その結果、RFIDデバイスの共振周波数が変化し、この変化は構成要素の位置の変化を示す。したがって、位置の変化は、用量設定動作中に設定された用量または用量投薬動作中に投薬された用量の標示である。
たとえば、用量投薬機構の対応する動きとともに、10単位の薬剤が薬物送達デバイスから送達された場合、可変電子構成要素は、10単位に対応する量だけ調整され、これによりRFIDデバイスの共振周波数が変化し、これは用量投薬機構の10単位の変化を示す。例示として、RFIDデバイスのデフォルト共振周波数は13.00MHzであり、RFIDデバイスの回路内の可変電子デバイスは用量投薬デバイスに連結されており、したがって用量投薬機構の位置が変化すると、RFIDデバイスの電気回路の特性(たとえば、抵抗、静電容量、またはインダクタンス)も変化することによって、共振周波数は、用量投薬デバイスによって投薬される用量の1単位当たり+0.1MHzずつ変化する。したがって、10単位の用量を投薬した後(用量投薬デバイスの位置がリセットされる前)、RFIDデバイスの共振周波数は14.00MHzに変化する。この新しい共振周波数は、外部デバイスによって読み出されると、10単位の用量が薬物送達デバイスから投薬されたことを示す標示として使用可能である。
このシステムの態様は、薬物送達デバイスにおいて複数の方法で実施することができる。一例では、プランジャロッド(たとえば、親ねじ)が、螺旋トラックに延びる2つの導電ワイアを有し、プランジャロッドは用量投薬動作中、支承ナットを通って前進する。2つの導電ワイアは、螺旋トラック内に埋め込まれており、プランジャロッドの一端で接合される。支承ナットは、2つの導電ワイアに接触する2つの金属ブラシを有し、RFIDデバイスは、2つの金属ブラシに接続された電気回路を有する。したがって、RFID回路(たとえば、RFIDチップおよび金属ブラシの位置によって画成されるプランジャロッドの導電配線の一部分)の配線の長さは、支承ナットに対するプランジャロッドの位置によって変化する。したがって、用量投薬動作中にプランジャロッドが支承ナットを通って前進するとき、電気回路の抵抗が変化すると、RFID信号の共振周波数も修正される。なぜなら共振周波数は、電気回路内の全抵抗の関数であるからである。別の例では、RFIDデバイスの可変抵抗器がプランジャロッドに連結されており、したがってプランジャロッドが回転すると、可変抵抗器の構成要素も回転して抵抗を変化させ、その結果、RFIDデバイスの共振周波数が変化する。
加えて、薬剤および/または用量情報を、RFIDチップの符号化された情報とともに送信することができる。いくつかの例では、これは、一意のタグシリアル番号のみとすることができ、またはストック番号、ロットもしくはバッチ番号、生産日、もしくは他の特有の情報などの製品関連情報とすることができる。RFIDチップは個々のシリアル番号を有することができるため、本RFID追跡機構の態様は、RFIDリーダ(すなわち、外部デバイス)の範囲内に存在しうるいくつかのタグを区別し、いくつかのタグを同時に読み出すことができる。このようにして、正しいデバイスのみに照会し、それぞれの応答がRFIDリーダによって捕捉されることを確実にすることができる。
本開示の特定の態様は、薬物送達デバイスからの設定および/または投薬された用量を容易に追跡する能力以外にも、いくつかの利点をもたらす。たとえば、薬物送達デバイスは、有効期限、薬物名、薬物タイプ、および濃度などの薬剤に関する情報に加えて、シリアル番号、ストック番号、バッチ番号、または生産日を含むことが多い。なぜなら、RFIDチップは、上述した情報のいずれかを含めて、ローカルメモリ内に記憶されている特有のデータを記憶し、このデータをRFID信号自体として送信することができるからである。このデータはまた、リコールの支援、患者挙動の追跡および分析、ならびに製品使用の監視のために、製造者が中央で追跡することができる。受動RFIDチップの使用には、簡単かつ確実で費用効果が高いという利点がある。加えて、既存の薬物送達デバイスを用いても、典型的なRFIDチップのサイズおよび厚さは小さいため、RFIDチップを一体化するために用量送達または設定機構に必要な修正はわずかしかない。
本開示の例示的な実施形態は、薬物送達デバイス内で使用するための用量追跡機構である。用量追跡機構は、ハウジングと、薬物送達デバイスの動作中にハウジングに対して動くように構成された可動構成要素と、RFIDデバイスとを含む。RFIDデバイスは、共振周波数を有する電気回路を含み、電気回路は、無線RFID信号を共振周波数で送信するように構成されたアンテナと、可動構成要素に動作可能に連結され、電気回路の共振周波数が可動構成要素の位置の標示であるように可動構成要素の位置に基づいて共振周波数を修正するように構成された電気構成要素とを含む。
いくつかの例では、可動構成要素は、ハウジングに対して複数の可能な位置間で動くように構成され、可動構成要素の複数の位置の各々は、RFIDデバイスの電気回路の異なる共振周波数を引き起こし、その結果、各々の異なる共振周波数は、可動構成要素の異なる位置の標示である。
いくつかの例では、電気構成要素は、可動構成要素の位置に応じて電気構成要素の電気特性を変動させるように構成され、RFIDデバイスの共振周波数は、電気構成要素によって変動する電気特性の関数であるように構成され、電気特性は、静電容量、インダクタンス、または抵抗のうちの1つまたはそれ以上である。
いくつかの例では、用量追跡機構は、可動構成要素を有する用量設定機構を含み、可動構成要素の位置は、用量設定機構によって設定された薬物送達デバイスによって送達予定の薬剤の用量に対応し、共振周波数は、用量設定機構によって設定された薬剤の用量の標示である。
いくつかの例では、用量追跡機構は、可動構成要素を有する用量投薬機構を含み、可動構成要素の位置は、用量投薬機構によって薬物送達デバイスから投薬された薬剤の用量に対応し、共振周波数は、薬物送達デバイスから投薬された薬剤の用量の標示である。
いくつかの例では、用量追跡機構は、可動構成要素を有する用量メモリ機構を含み、可動構成要素の位置は、薬物送達デバイス内に残っている薬剤の全用量に対応し、共振周波数は、薬物送達デバイス内に残っている薬剤の全用量の標示である。
いくつかの例では、電気構成要素は、可動構成要素に沿ってトラック内に配置された導電電極を含む可変電子抵抗器である。
いくつかの例では、電気構成要素は、可動構成要素に沿ってトラック内に配置された導体を含む可変抵抗器である。いくつかの例では、このトラックは、第1の導体を含む第1のトラックであり、可変抵抗器は、可動構成要素に沿って第2のトラック内に配置された第2の導体を含む。
いくつかの例では、電気構成要素は可変抵抗器であり、可変抵抗器は、第1の構成要素であって、第1の構成要素の長さの少なくとも一部分に及ぶトラックならびにトラックに沿って位置する第1および第2の導体を有する第1の構成要素と、トラックに沿って第1の構成要素に対して可動の第2の構成要素であって、第1および第2の導体に接触する第2の構成要素と、第1の構成要素の長さに沿って第2の構成要素の位置に比例する抵抗を有する第1および第2の導体間の電気接点とを含む。RFIDデバイスの電気回路は、電気接点において可変抵抗器に接続され、薬物送達デバイスの可動構成要素は、第1の構成要素または第2の構成要素を含み、第1の構成要素に対する第2の構成要素の位置は、薬物送達デバイスの用量設定動作または用量投薬動作中に変化する。
いくつかの例では、RFIDデバイスは、第2の構成要素によって保持される。
いくつかの例では、トラックは、単一のねじ山を含み、第1および第2の導体は、単一のねじ山の頂上の両側に配置され、第2の構成要素は、第1の構成要素にねじ係合する。
いくつかの例では、トラックは、第1のねじ山および第2のねじ山を含み、第1の導体は、第1のねじ山に沿って配置され、第2の導体は、第2のねじ山に沿って配置され、第2の構成要素は、第1の構成要素にねじ係合する。
いくつかの例では、第1の構成要素は、用量設定動作中にハウジングに対して螺旋状に動くように構成されたねじ付スリーブであり、第2の構成要素は、ハウジングによって保持されたねじ付インサートであり、可動構成要素はねじ付スリーブであり、共振周波数は、用量設定動作中に設定された用量に対応する。
いくつかの例では、第1の構成要素は、薬物送達デバイスの用量投薬動作中にハウジングに対して螺旋状に動いてストッパを薬物送達デバイスのカートリッジ内へ並進運動させるように構成された親ねじであり、第2の構成要素は、ハウジングによって保持された支承ナットを含み、可動構成要素は親ねじであり、共振周波数は、用量投薬動作中にカートリッジから投薬された用量に対応するカートリッジ内のストッパの位置に対応する。
いくつかの例では、第1の構成要素は、ねじ付プランジャロッドであり、第2の構成要素は、用量設定動作中に駆動スリーブに沿って進むように構成された最終用量ナットであり、可動構成要素は最終用量ナットであり、共振周波数は、薬物送達デバイス内に残っている用量に対応する。
いくつかの例では、無線信号は、薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイス内に収容されている薬剤に関係する識別情報を含む。
いくつかの例では、RFIDデバイスは受動RFIDデバイスであり、受動RFIDデバイスは、受動RFIDデバイスの電気回路によって受信された無線リーダ信号に応答して無線RFID信号を送信するように構成される。
いくつかの例では、RFIDデバイスは電源を含み、RFIDデバイスは能動RFIDデバイスであり、能動RFIDデバイスは、電源から電力を受け取り、受け取った電力を使用して無線RFID信号を送信するように構成される。
いくつかの例では、能動RFIDデバイスは、薬物送達デバイスのトリガ機構の起動に応答して無線信号を送信するように構成され、トリガ機構は用量投薬動作を開始する。
いくつかの例では、RFIDデバイスは、用量投薬動作前に第1の無線RFID信号を送信し、用量投薬動作後に第2の無線RFID信号を送信するように構成される。いくつかの例では、第1のRFID信号の共振周波数は、用量投薬動作前に用量設定機構によって設定された用量または薬物送達デバイス内に残っている用量に対応し、第2の無線信号の共振周波数は、用量投薬動作中に投薬された用量または用量投薬動作後に薬物送達デバイス内に残っている全用量に対応する。
薬物送達デバイスの分解図である。 図1Aの薬物送達デバイスの一部分の断面図である。 図2Aおよび図2Bは、用量追跡機構の可変電子デバイスを形成する導電トラックを有する用量投薬機構の図である。 RFID回路の図である。 RFID回路を有する用量追跡機構の図である。 RFID回路を有する用量追跡機構の図である。 用量投薬動作中に用量投薬機構に連結されたRFIDデバイスの共振周波数の変化のグラフである。 図5Aおよび図5Bは、用量追跡機構の可変電子デバイスを形成する導電トラックを有する用量設定機構の図である。 用量設定動作中に用量設定機構に連結されたRFIDデバイスの共振周波数の変化のグラフである。 用量追跡機構の可変電子デバイスを形成する導電トラックを有する用量メモリ機構の図である。 複数の用量投薬動作中に用量メモリ機構に連結されたRFIDデバイスの共振周波数の変化のグラフである。
カートリッジベースの注射および医療用シリンジシステムは、使用者によって設定された用量の検出またはデバイスによって送達された薬剤の測定を有効にする一体化された電子機器(たとえば、位置センサ)を、この情報を使用者に提示する何らかの機能とともに含むことができる。たとえば、デジタルディスプレイが、用量または無線接続を表示して用量データを送信するように配置される。しかし、上記の例では典型的に、センサまたは無線送信を実行するために、内部電力源が必要である。本開示の特定の態様は、内部電源を必要とすることなく、薬物送達デバイスによって設定された用量および送達された用量のうちの1つまたはそれ以上を符号化する無線RFID信号を生成する用量追跡機構を有する薬物送達デバイスを提供する。特定の態様はまた、能動(たとえば、電池式)RFID送信器を使用して無線RFID信号を生成する用量追跡機構に関する。
本開示の特定の態様は、容器、たとえばカートリッジから投薬された薬剤の量を測定し、この情報を使用して、注射事象中に患者が受け取った薬剤の量を判定する。この原理は、RFIDチップの使用に基づいており、RFIDチップは、以下に詳述するように、メモリと、薬物送達デバイスの構成要素の動きによって修正することができる共振周波数を有するアンテナとを含む。RFIDチップは、薬物送達デバイス(たとえば、ペン状の注射デバイス)内に配置され、スマートフォンなどのリーダデバイスの無線送信範囲内にある。RFIDデバイスのアンテナは、リーダデバイスから信号を受信し、チップのメモリ内に符号化されている情報に応じて応答を送る。応答信号は、送達デバイス内の要素(たとえば、最終用量ナットまたは用量投薬機構)の位置に応じて「同調」(たとえば、周波数変調)される。
RFID信号は、たとえば一意のタグシリアル番号に関係する情報を含むことができ、またはストック番号、ロットもしくはバッチ番号、生産日、もしくは薬物化合物などの他の特有の情報などの製品関連情報とすることができる。タグは個々のシリアル番号を有するため、RFIDシステム設計は、RFIDリーダの範囲内に存在しうるいくつかのタグを区別し、いくつかのタグを同時に読み出すことができる。このようにして、正しいデバイスのみに照会し、それぞれの応答がリーダによって捕捉される。
例示的な実施形態では、RFID回路の電気特性(たとえば、抵抗)は、薬物送達デバイスの最終用量ナットの位置に応じて変動する。たとえば、最終用量ナットはRFIDデバイスを含み、RFIDデバイスが移動するねじ山は、特定の抵抗を有するガルバニック/導電トラックを含む。抵抗値は、最終用量ナットの位置とともに変動する。この抵抗をRFID回路に加えた結果、周波数がわずかに修正される。修正または離調された周波数の値は、信号を受信したときにRFIDリーダによって判定することができる。離調の量は、最終用量がねじ山に沿って移動する距離に比例する。最終用量ナットの位置とともに周波数が変動すると、離調された周波数の特定の量によって各位置を識別することができる。いくつかの例では、システムは、製造中、トラックの抵抗が知られているときに較正される。いくつかの例では、初期周波数に対する周波数差が測定値として取得され、この差を使用して、送達されたまたは残っている薬剤の量を計算する。
典型的な使用シナリオでは、注射の時間になると、患者がスマートフォンなどのリーダ上でアプリケーションを起動するはずである。別法として、アプリケーションのリマインダ機能が、注射を開始するように患者を促すこともできる。使用者が注射を準備している間、リーダデバイスは患者のすぐ近くに位置し、薬物送達デバイス内のRFIDデバイスによって受信された無線信号について薬物送達デバイスに照会する。それに応答して、RFIDデバイスは、RFID信号の周波数によって符号化された最終用量ナットの位置に関する情報を含む応答信号をリーダへ送信する。リーダデバイスのプロセッサは、この位置情報から、(a)放出された薬剤の量および/または(b)ペン/容器内の薬剤の量を判定することができる。これは、最初の信号/量または以前の信号/量に対する差に基づいて行うことができる。
Frequencyinitial-Frequency~Amountinitial-Amount
または
Frequency-Frequency~Amount-Amount
患者が注射手順を実行している間、リーダデバイス上のアプリケーションは、薬物送達デバイスに時々照会し、したがって最終用量ナットの動きを観察するという意味で活動中である。使用者が「注射完了」信号(ディスプレイの押下、「完了」という音声信号など)を与えたとき、アプリケーションは閉じ、RFID照会が停止する。別法として、アプリケーションは、2分後(たとえば、開始から5分後)にタイムアウトを介して閉じることができる。アプリケーションはここで、時間および薬剤量に関して集めた情報を有し、これをログ内に記憶することができる。
特定の態様では、薬物送達デバイスの用量追跡機構または用量投薬機構の動きに応答して、RFIDデバイスのアンテナの共振周波数を修正するために(RFIDデバイスは概して、RFIDチップおよびアンテナを含む)、薬物送達デバイス内の用量追跡機構の一部として可変電気構成要素が提供され、したがってRFIDデバイスは、修正された共振周波数でRFID信号を送信し、この共振周波数では、用量設定機構によって設定された用量または用量投薬機構によって投薬された用量を計算するために周波数を使用することができない。
代表的な実施形態では、薬物送達デバイス内のRFIDデバイスが、用量設定動作または用量送達動作中の薬物送達デバイスの構成要素の位置の変化に応答して、電気回路の特性(たとえば、抵抗、静電容量、インダクタンス)を修正するように配置された可変電子デバイスを有する電気回路を含み、したがって可変電子デバイスは、RFIDデバイスによって送信されるRFID信号の周波数を変化させ、送信信号の周波数は、薬物送達デバイスの構成要素の配置の標示である。いくつかの例では、可変電子デバイスは、用量設定機構の構成要素に動作可能に連結され、または用量設定機構の構成要素と一体化され、したがってRFID信号の周波数は、用量設定機構によって設定された用量に応じて変化する。いくつかの例では、可変電子デバイスは、用量投薬機構の構成要素に動作可能に連結され、または用量投薬機構の構成要素と一体化され、したがってRFID信号の周波数は、用量設定機構によって投薬された用量に応じて変化する。いくつかの例では、可変電子デバイスは、用量メモリ機構の構成要素に動作可能に連結され、または用量メモリ機構の構成要素と一体化され、したがってRFID信号の周波数は、薬物送達デバイス内に残っている用量に応じて変化する。動作の際、受信信号は、スマートフォンまたはRFIDリーダなどの何らかの外部デバイスから送信され、薬物送達デバイスのRFID回路は、応答RFID信号を共振周波数で送信する。このようにして、たとえば薬物送達動作中、用量投薬機構は、送達された薬剤の量に対応する量だけ動く。この動きの間、可変電子デバイスは、共振周波数が変化するようにRFID回路の特性を修正し、共振周波数の変化は、用量投薬機構の動きに対応し、したがって共振周波数もまた送達された薬剤の量に対応する。次いでRFID信号の周波数は、外部デバイスによって容易に測定され、送達された薬剤の量は、RFID信号の共振周波数と投薬された薬剤の量との間の知られている関係に基づいて判定される。知られている関係は、たとえば、所与の周波数が投薬された量に対応する関係とすることができる。別法として、この関係は、用量投薬動作前のRFID信号の周波数の測定との間の比較に基づくことができ、測定された周波数の変化が、投薬された量に対応する。
上記の説明は、受動RFIDシステム(すなわち、内部電源なし)を含み、受動RFID信号は、この送信距離内に制限されることが多い。別法として、能動RFIDチップを使用することもでき、能動RFIDチップは概して、より大きい電力を有する無線応答信号を生成するために、受信RFエネルギー以外にも電力源を必要とすることが理解されよう。設計は、上記の受動システムに機能的に類似しており、RFID信号の送信電力を増強するために電池が追加されている。電力は、使用中のシステムに供給するためだけに必要とされる。いくつかの例では、必要な場合、薬物送達デバイスが使い捨てであることを確実にするために、空気亜鉛電池が使用される。この例では、空気亜鉛電池は、薬物送達デバイスをダイヤルアップで初めて使用したときに保護ラッチが自動的に取り外されるように配置される。いくつかの例では、電池は、用量解放ボタン内に位置し、ラッチはペンハウジングに固定される。このときRFIDデバイスは用意ができているが、いくつかの例では、使用者が薬物送達デバイスを起動するまで、または外部デバイスがRFIDデバイスに照会するまで、最初はRFID信号を送信しない。能動RFIDシステムでは、受動システムと同様に、外部デバイスが受信したRFID信号の周波数を読み出し、基線値との比較、薬物送達デバイスの以前の読取りからの変化、またはルックアップテーブルの参照によって、この周波数から薬剤の量を演算する。いくつかの例では、無線信号内でRFIDデバイスから送られている実際のデータは、薬剤/デバイスに関する情報を含み、これはリーダによってデータを解釈するためのものとすることができる。たとえば、外部デバイスは、測定された周波数を「正しい」デバイスに割り当て、このデバイス/薬剤に対する別個の記憶装置内にこれを適当に記憶することができる。
図1Aは、薬物送達デバイス100の分解図であり、薬物送達デバイス100は、使い捨てのまたは再利用可能な薬物送達デバイスとすることができる。薬物送達デバイス100は、交換可能なキャップ299によって覆われたハウジング201を含み、ハウジング201は、カートリッジ214およびカートリッジハウジング224を収容し、カートリッジハウジング224内にカートリッジ214が配置される。カートリッジ214の本体内にストッパ204が配置され、使用中はカートリッジ214内を前進して、カートリッジ214から薬剤を排出することができる。薬剤を送達するために、カートリッジハウジング224またはカートリッジ214にニードルアセンブリを取り付けることができる。ストッパ204をカートリッジ214内へ駆動するために、薬物送達デバイス100は、ピストンロッド210、駆動スリーブ220、およびトリガボタン202(たとえば、用量投薬機構20)を含み、これらは、圧力板207をストッパ204に押し付けてカートリッジ214に入れるようにともに作用する。薬物送達デバイス100から排出される薬剤または薬物用量は、投与量ノブ203を回すことによって選択され、投与量ノブ203は、ねじ付インサート205によって用量ダイヤルスリーブ230に連結され、投与量ノブ203によって用量ダイヤルスリーブ230が回転すると、選択された用量がハウジング201内の投与量窓209内に表示され、クリッカ250がばねクラッチ206を介して駆動スリーブ220と相互作用する。投与量ノブ203、用量ダイヤルスリーブ230、およびクリッカ250を合わせて、用量設定機構10となる。用量ダイヤルスリーブ230は、クリッカ250の周りに配置され、クリッカ250は、用量ダイヤルスリーブ230の回転とともに触覚または可聴フィードバックを生成するフィードバック機構251を含む。クリッカ250は、金属クラッチばね206によって駆動スリーブ220に連結され、駆動スリーブ220上に最終用量ナット240が設けられる。最終用量ナット240は、カートリッジ214内に残っている全薬剤を追跡するために、用量投薬動作のたびに前進する。最後に、注射ボタン202が含まれており、注射ボタン202を押し下げることで、薬物送達デバイス100の用量投薬動作を起動する。
上述したように、用量設定機構10が投与量ノブ203、用量ダイヤルスリーブ230、およびクリッカ250として示されているが、薬物送達デバイスの用量を設定する目的で、任意の数の異なる用量設定機構が当技術分野で知られており、本開示の態様は、他のそのような用量設定機構にも適合していることが、当業者には理解されよう。同様に、用量投薬機構20がピストンロッド210、駆動スリーブ220、トリガボタン202を含むものとして示されているが、薬物送達デバイスの用量を送達または投薬する目的で、任意の数の異なる用量投薬機構(たとえば、駆動機構)が当技術分野で知られており、本開示の態様は、他のそのような用量投薬機構にも適合していることが、当業者には理解されよう。
薬物送達デバイス100の動作を続けると、投与量ノブ203を回すことで、用量ダイヤルスリーブ230をクリッカ250に対して回転させることによって機械クリック音が生じ、音響フィードバックを使用者に提供する。投与量ディスプレイ209内に表示される数字は、ハウジング201内に収容された用量ダイヤルスリーブ230上に印刷されており、金属ばねクラッチ206を介して駆動スリーブ220と機械的に相互作用して、カートリッジ214と相互作用する。注射ボタン202が押されたとき、ディスプレイ209内に表示された薬物用量が、薬物送達デバイス100から排出される。用量設定動作中、駆動スリーブは、用量ダイヤルスリーブ230とともに遠位方向Dに螺旋状に回転する。注射ボタン202が押されたとき、駆動スリーブ220は解放されて近位に前進し、それによりピストンロッド210が回転する。ピストンロッド210が回転することで、圧力板207がカートリッジ214のストッパ204に押し付けられ、それによりストッパ204がカートリッジ214に入り、カートリッジ214から薬剤を排出する。代表的な薬物送達デバイスのより詳細な説明は、2011年5月3日に発行された米国特許第7,935,088(B2)号に記載されている。
図1Bは、図1Aの薬物送達デバイス100の一部分の断面図である。図1Bは、用量設定動作の終了後、用量投薬動作前の薬物送達デバイス100を示し、用量ダイヤルスリーブ230および駆動スリーブ220は、用量を設定するために、ハウジング201およびピストンロッド210のねじ付端211に対して螺旋状に回転している。最終用量ナット240は、駆動スリーブ220に沿って初期位置から薬物送達デバイス100内に残っている用量を示す位置へ前進した状態で示されている。注射ボタン202を起動したとき、駆動スリーブ220がハウジング201内へ前進し、支承ナット208がピストンロッド210の回転を誘起する。支承ナット208は、ハウジング201内に固定されて位置し、ピストンロッド210とのねじ係合を有する。ピストンロッド210が回転すると、支承ナット208は動くことができないため、ピストンロッド210は(ハウジング201に対して)順方向にねじ込まれる。ピストンロッド210の回転が、ピストンロッド210および圧力板207を近位に駆動し、ストッパ204をカートリッジ214(図1A)内へ駆動する。
図2Aおよび図2Bは、用量追跡機構で使用するための可変電子抵抗器を形成する導電電極212a、212bを個々のトラック211、213内に有する用量投薬機構の図である。本開示の一態様は、プランジャロッド210(たとえば、親ねじ)の位置に応じてRFIDデバイスの共振周波数を変調することに基づいており、プランジャロッド210は、薬剤の用量を排出する際に使用するための薬物送達デバイス100の用量投薬機構20の主要な構成要素である。用量を投薬する際、プランジャロッド210の位置は、支承ナット208に対して回転し、したがって回転軸に沿って近位に動くことによって、支承ナット208に対して変化する。図2Aは、埋込み導電素子212a、212bおよび静止ブラシ218a、218b(たとえば、導電ブラシ、または電気ブラシ)を有するプランジャロッド210を示し、静止ブラシ218a、218bが埋込み導電素子212a、212bに沿って動くと、静止ブラシ218a、218bの抵抗を変化させる可変抵抗器を形成する。プランジャロッド210のねじ山は、2つの平行に向けられた溝211、213を有し、溝211、213は、ブラシ218a、218bに開回路を作成する溝211、213の一端を除いて、互いに干渉することなく、2つの平行に向けられた溝211、213の各々の長さに沿って、埋込み導電素子212a、212bのうちの1つを含む。
動作の際、プランジャロッド210は、駆動スリーブ220によって近位に駆動され、溝211、213は、支承ナット208を通ってねじ込まれ、したがってプランジャロッド210が近位に動くことで、プランジャロッド210が支承ナット208を通過すると、プランジャロッド210の回転が生成される。静止ブラシ218a、218bは、支承ナット208上に配置され、またはその他の形でハウジング201に固定され、ブラシ218a、218bにRFIDデバイス300が接続される。ブラシ218a、218b間の導電素子212a、212bの全長の変化のために、ブラシ218a、218bの抵抗が変化する。たとえば、図2A(および図1B)に示すように、静止ブラシ218a、218bは、溝211、213の近位端付近で導電素子212a、212bに接触する。導電素子212a、212bは、溝211、213の近位端または遠位端の両方ではなくいずれかに接触する。遠位端の場合、一方のブラシ218aから他方のブラシ218bへの電気経路は、第1の溝211の長さ全体を通り、第2の溝213の長さ全体を通って戻り、この状態が、システムの最高の抵抗の構成を表す。プランジャロッド210が支承ナット208を通って駆動されると、ブラシ218a、218bは溝211、213に沿って動き、ブラシ218a、218b間の導電素子212a、212bの全長が減少すると、ブラシ218a、218b間の抵抗も減少する。別法として、導電素子212a、212bが近位端に電気的に接触している場合、反対の構成が当てはまり、図示のように、ブラシ218a、218bの抵抗は最小になり、プランジャロッド210が支承ナット208を通って駆動されると増大する。いくつかの例では、各々の特有の抵抗は、プランジャロッド210の1つの位置を表し、したがって抵抗は、プランジャロッド210によってカートリッジ214から排出された用量に対応する。他の例では、抵抗の変化が、位置の変化に対応し、したがって薬剤の量に比例する。したがって、最初の抵抗(たとえば、注射前、または初めての使用前)と比較した共振の相対変化が、排出された薬剤量に対する測定値に対応する。図3A~図3Cに関連して以下でより詳細に説明するように、RFIDデバイス300は、ブラシ218a、218bに接続され、したがって抵抗の変化により、RFID回路の共振周波数も相応に変化する。
図2Bは、代替構成の概略図であり、RFIDデバイス300は、導電素子212a、212bの閉端に接続され、ブラシ282は、溝211、213に沿って可変位置で導電素子212a、212bの回路を完成させる。
図3Aは、受動RFIDデバイス300の図であり、受動RFIDデバイス300はたとえば、印刷RFID回路などのRFID回路とすることができる。RFIDデバイス300は、RFIDチップ380およびアンテナ301を含み、アンテナは、RFIDデバイス300の周りに巻き付けられている。動作の際、アンテナ301は、外部デバイスから入ってくる無線リーダ信号を吸収して、弱い磁界を形成し、アンテナ内に電流を生み出して、RFIDチップ380へ電力を提供する。RFIDチップ380は、たとえば薬物送達デバイス100または薬物送達デバイス100内に収容されている薬剤に関係する情報を記憶するメモリを含む。RFIDチップ380に電力が提供されたとき、RFIDは、アンテナ301内に応答信号を生成し、アンテナ301は、RFIDチップ380のメモリからの情報を無線信号として送信する。この無線信号は、リーダ信号を送った外部デバイスまたは付近の別のデバイスによって受信することができる。
図3Bおよび図3Cは、RFIDデバイス300を有する用量追跡機構302の図である。図3Bは、アンテナ301の共振周波数を修正するように配置された可変抵抗器389をさらに含む薬物送達デバイス100内のRFID用量追跡機構302の動作の概略図である。可変抵抗器389は、薬物送達デバイス100の可動構成要素310に動作可能に連結されており、したがって、以下に詳述するように、構成要素310の動き(矢印319によって示す)の結果、可変抵抗器389の抵抗も相応に変化する。RFID用量追跡機構302は、RFIDデバイス300と、薬物送達デバイス100の動作中に可動構成要素310によって動かされるように配置された電気構成要素318とを含む。いくつかの例では、RFID用量追跡機構302は、スイッチ370が係合されたときにRFIDデバイス300へ電力を提供するように構成された電池392を含むが、上述したように、RFID用量追跡機構302はまた、受動RFIDシステムとすることもでき、図3Bは、RFIDチップ380に対する電力を生成するために、RFIDデバイス300のアンテナ301に無線リーダ信号391を提供する外部デバイス390を示す。電力供給されたとき(たとえば、無線リーダ信号391からのRFエネルギーによる)、RFIDデバイス300のアンテナ301は、RFIDデバイス300の共振周波数でRFID信号381を送信する。次いでRFID信号381は、外部デバイス390によって受信することができ、RFID信号381の共振周波数を測定することができる。以下に詳述するように、可変抵抗器389は、RFIDデバイス300の全体的な抵抗を変化させ、それによりRFIDアンテナ301は、薬物送達デバイス100の動作中の可変抵抗器389の作動に応じて、RFID信号381をより高い周波数382またはより低い周波数382で送信することが有効になる。
動作の際、受動または能動のいずれにしても、薬物送達デバイス100の可動構成要素310は、用量設定動作または用量投薬動作中に可変抵抗器389の電気構成要素318を動作させるように構成される。たとえば、図3Bは、可変抵抗器389が、図2Aの導電素子212a、212bに類似している2つの細長い導電素子302a、302bを含むことを示す。同じく図2のブラシ218a、218bに類似して、図3Bでは、可動電気接続306が細長い導電素子302a、302b間に及び、導電素子302a、302bを互いに電気的に接触させている。細長い導電素子302a、302bは、一端でRFIDデバイス300に接続されており、細長い導電素子302a、302bに沿った可動電気接続306の位置により、RFIDデバイス300の全体的な抵抗が決まる(たとえば、細長い導電素子302a、302bのうちRFIDデバイス300を有する電気回路内にある部分全体を判定することによる)。可動電気接続306は、電気構成要素318を介して薬物送達デバイス100の可動構成要素310に接続され、電気構成要素318は、たとえば、細長い導電素子302a、302bに接触している電気ブラシ(たとえば、可動電気接続306)を有するナットとすることができる。図示のように、細長い導電素子302a、302bに沿った可動電気接続306の位置の結果、細長い導電素子302a、302bの第1の部分304はRFIDデバイス300内にあり、細長い導電素子302a、302bの第2の部分305はRFID回路の外側にある。電気接続306が細長い導電素子302a、302bに沿って動くことで、第1および第2の部分304、305の長さが変化し、それによってRFID回路の可変抵抗器389の抵抗が変動する。
図3Bの構成(静止トラックおよび可動電気接続306を有する)は図2の逆であり、導電素子212a、212bが動き、ブラシ218a、218bが静止しているが、どちらの構成(図3Bおよび図2)の可変抵抗の結果も同じであることが、当業者には理解されよう。
いくつかの例では、可動構成要素310は、用量設定機構10の一部であり、したがって可動構成要素310は用量設定動作中に動き、その結果、電気構成要素318も動き、したがって可変抵抗器389の抵抗の変化が、用量設定機構の動きおよび用量設定機構によって設定された用量に対応する。いくつかの例では、可動構成要素310は、用量投薬機構20の一部であり、したがって可動構成要素310は用量投薬動作中に動き、その結果、電気構成要素318も動き、したがって可変抵抗器389の抵抗の変化が、用量投薬機構の動きおよび用量投薬機構によって投薬された用量に対応する。どちらの場合も、用量投薬機構20、用量設定機構10、または薬物送達デバイスの何らかの他の機構(たとえば、用量メモリ機構)の動きにより、電気構成要素318は可変抵抗器389の電気接続306の位置を変化させ、それによって送信RFID信号381の周波数を変化させ、したがってRFID信号381の周波数は、用量追跡機構302に動作可能に連結された機構の位置の標示である。加えて、図2Bに示すように、薬物送達デバイス100の動作(たとえば、用量設定および/または投薬動作)中に作動される構成要素310の動きは、回転運動を伴うことができ;別法として、図3Bに示すように、構成要素310の線形運動を使用して、可変抵抗器389を動作させることもできる。
可変抵抗器389およびRFIDアンテナ301は、ワイアを介して電気的に接続される。RFIDデバイス300は、ハウジング構成要素上に、好ましくはラベル(プラスチック、紙、接着RFIDチップ)として配置することができる。別法として、RFIDデバイス300は、ハウジング201内に、たとえば注射ボタン202の内面に、または注射ボタン202と用量ダイヤルスリーブ230などの別の内部構成要素との間に位置することができる。
任意の数の可変電気構成要素(可変抵抗器389はその一例)が、薬物送達デバイス100の何らかの機構の動作を登録し(たとえば、ダイヤルおよび/または投薬動作中)、これを相関させてRFID応答信号381を変調する。図3Cは、RFIDデバイス300内に配置された異なる可変電気構成要素369、379、389を示す。いくつかの例では、可変電気構成要素は可変インダクタ369であり、他の例では、可変電気構成要素は可変キャパシタ379である。可変電気構成要素369、379、389のうちの1つまたはそれ以上は、RFIDデバイス300の共振周波数を変調するために用量追跡機構302内で使用することができる。変調は、RFID信号381の周波数の変化であり、これは外部デバイス390によって受信されたRFID信号の容易に検出可能な特性である。可変電気構成要素369、379、389は、可変電気構成要素369、379、389が動作可能に連結された薬物送達デバイス100の機構の動きに対応するほぼすべての状況において、応答信号381の周波数を修正するように配置することができる。いくつかの例では、可変電気構成要素369、379、389は、用量投薬機構20に動作可能に連結され、RFID信号381の周波数は、用量投薬動作後のプランジャロッド210の位置に比例する。この例では、RFID信号381の周波数は、薬物送達デバイス100から投薬された用量の標示である。別の例では、周波数は、ダイヤル設定または設定された用量に相関する。しかし、この例では、薬物送達デバイスは、ダイヤルアップおよびダイヤルダウン設定を区別することができる機構を含み、この機構は、設定動作が終了したときを「検知」できなければならない(たとえば、用量投薬動作の開始を感知することによる)。
代替の用量追跡機構302の構成では、可変電気構成要素369、379、389は、動作(用量設定および/または用量投薬)中に互いに対して動く薬物送達デバイス100の隣接する構成要素によって接触されるように、または接触により動作するように配置される。たとえば、用量ダイヤルノブ203とハウジング201との間、用量ダイヤルスリーブ230と窓209との間、または用量ダイヤルスリーブ230とハウジング201との間の動きである。
図4は、共振周波数401と時間402との関係を示すグラフであり、用量投薬動作中に用量投薬機構20に連結されたRFIDデバイス300から送信されるRFID信号381の共振周波数410の変化を示す。RFID信号381はまた、RFIDチップ380内に記憶されている情報を含む。図4は、RFIDデバイス300の可変電気構成要素369、379、389が用量投薬機構20の要素に動作可能に連結されている場合、送信RFID信号381の周波数410が用量投薬動作中にどのように変化するかを示す。たとえば、可変抵抗器389が薬物送達デバイスのプランジャロッド210(たとえば、図2B)内に配置され、したがってプランジャロッド210が用量投薬動作中に時間421の第1の位置から時間422の第2の位置へ前進するにつれて、可変抵抗器389の抵抗が増大する。こうしたプランジャロッド210の位置の変化により、可変抵抗器389は、たとえばRFIDデバイス300の全抵抗を増大させ、その結果、RFID信号381の周波数410が減少する。
図4は、RFID信号381の周波数410が、第1の時間421(たとえば、用量投薬動作の開始前または開始時)の第1の周波数431から、第2の時間422(たとえば、用量投薬動作の終了後または終了時)の第2の周波数432へ、どのように減少するかを示す。いくつかの例では、第2の周波数432の値が、薬物送達デバイス100から投薬された用量に対応する。いくつかの例では、第1の周波数431と第2の周波数との差の値が、薬物送達デバイス100から投薬された用量に対応する。概して、外部デバイス390は、用量投薬動作における周波数410の履歴全体を測定する必要はなく、上記で詳述したように、第2の時間422または第1および第2の時間421、422の周波数を測定するだけでよい。図4は、用量投薬動作中の時間402に対する周波数410の変化を直線で示すが、用量投薬動作中のプランジャロッド210の典型的な一定でない動きによりその可能性が低い場合、他の関係も可能である。周波数の測定値がいくつかの例でプランジャロッド210の位置319(たとえば、投薬された薬剤の量)に直接対応することができるため、多くの例では、周波数410の曲線の形状は重要でなく、周波数410の等しい変化が位置319の等しい変化に対応する1:1の対応関係が存在する必要はない。さらに別の例では、用量投薬機構の力の送達が知られている自動注射器の場合、外部デバイス390は、用量投薬動作中にRFID信号381の周波数410の曲線の形状を測定することができ、この形状は、用量投薬動作の他の特性を示すことができる。たとえば、注射の速度をさらに使用して、薬物送達デバイスの特性(たとえば、薬剤流の制限、または用量投薬機構20内の欠陥)、薬剤の特性(たとえば、粘性および/または温度)、または患者の注射部位の特性を計算することができる。
図5Aおよび図5Bは、用量追跡機構の可変電子デバイスを形成する導電トラックを有する用量設定機構の図である。図5Aは、用量ダイヤルスリーブ230の外部の周りに螺旋状に配置された単一の溝531を有する用量ダイヤルスリーブ230(たとえば、数字スリーブ)を示す。トラック531は、互いに干渉することなく溝531に沿って埋め込まれた第1および第2の導電素子532a、532bを含む。導電素子532a、532bは、長さに比例して挙動する特有の抵抗を有する。
図5Aに、本体201(図1)の内側に一体化されたねじ付インサート540が示されている。ねじ付インサート540は電気ブラシ541を含み、電気ブラシ541は、溝531に沿って移動し、第1および第2の導電素子532a、532bの両方に接触して回路の閉端を作成する。回路の他端は、RFIDデバイス300が第1および第2の導電素子532a、532bに接触することによって完成される。上述したように、第1および第2の導電素子532a、532bならびに電気ブラシ541はともに、RFIDデバイス300内の可変抵抗器389を画成する。動作の際、用量ダイヤルスリーブ230の回転運動により、用量ダイヤルスリーブ230がハウジング201から前進または後退し、またその結果、ねじ付インサート540は、用量ダイヤルスリーブ230の位置に対応する位置で溝531に沿って移動する。薬物送達デバイスの使用者が用量に対する用量設定動作を開始したとき、用量ダイヤルスリーブ230の位置は、回転軸に沿ってハウジング201に対して回転し、したがって近位に動くことによって、そのねじ山を通って変化する。またこの近位運動により、用量ダイヤルスリーブ230の遠位端に配置されたトリガボタン202が並進運動する。事前にダイヤル設定された用量を投薬するために、使用者によってトリガボタン202が押下され、用量ダイヤルスリーブ230がハウジング201内へ駆動され、その後、用量ダイヤルスリーブ230はゼロ用量(たとえば、初期)位置に戻る。このようにして、用量設定動作の終了時の溝531内のブラシ541の位置は、次に注射するために使用者によって設定された用量を示す。
図5Bは、図5Aの用量ダイヤルスリーブの代替構成を示し、RFIDデバイス300は、ねじ付インサート540によって保持される。図5Bで、第1および第2の導電素子532a、532bは、溝531の一端で接続され、ねじ付インサート540内の第1および第2のブラシ542a、542bは、第1および第2の導電素子532a、532bに個々に接触し、RFID回路は、第1および第2のブラシ542a、542bに接続される。
いくつかの例では、ねじ付インサート540は、薬物送達デバイス100の外部構成要素であり、RFID回路は、ねじ付インサート540の外面上の印刷ラベルであり、外面に露出した第1および第2のブラシ542a、542bに接続される。
図6は、用量設定動作中の用量設定機構に連結されたRFIDデバイスの共振周波数の変化のグラフである。図6は、RFID信号381の周波数610が、第1の時間621(たとえば、用量設定動作の開始前または開始時)の第1の周波数631から、第2の時間622(たとえば、用量設定動作の終了後または終了時)の第2の周波数632へ、どのように減少するかを示す。いくつかの例では、第2の周波数632の値が、薬物送達デバイス100によって設定された用量に対応する。いくつかの例では、第1の周波数631と第2の周波数との差の値が、薬物送達デバイス100の用量設定機構によって設定された用量に対応する。概して、外部デバイス390は、用量設定動作における周波数610の履歴全体を測定する必要はなく、上記で詳述したように、第2の時間622または第1および第2の時間621、622の周波数を測定するだけでよい。図6は、用量設定動作中の時間602に対する周波数610の変化を直線で示すが、用量設定動作中の用量ダイヤルスリーブ230の典型的な一定でない動きによりその可能性が低い場合、他の関係も可能である。周波数の測定値がいくつかの例で用量ダイヤルスリーブ230の位置319(たとえば、使用者によって設定された薬剤の量)に直接対応することができるため、多くの例では、周波数610の曲線の形状は重要でなく、周波数610の等しい変化が位置319の等しい変化に対応する1:1の対応関係が存在する必要はない。
図7は、駆動スリーブ220の導電トラック721に沿って移動する最終用量ナット240を含む用量メモリ機構の図であり、これらはともに、RFIDデバイス300の可変電子構成要素を形成する。導電トラック721は、平行な導電素子を含み、導電素子は駆動スリーブ220内のねじ山の各側に位置し、一端で閉じている。最終用量ナット240は、2つの接点を有するRFIDデバイス300を含み、接点は各々、導電トラック721内の2つの導電素子のうちの一方に接続し、それによってRFIDデバイス300を有する電気回路内に導電トラック721を入れる。RFIDデバイス300内に含まれる導電トラック721の長さは、最終用量ナット240の位置とともに変動し、最終用量ナット240の位置は、RFIDデバイス300内で抵抗が変化するのと同じように変動する。いくつかの例では、図1に示すように、最終用量ナット240は、小型の受動RFIDチップにとって十分な空間を提供するハーフリングナット(half-ring nut)である。動作の際、最終用量ナット240は、用量投薬動作中、導電トラック721に沿って、薬物送達デバイス100内に残っている薬剤の用量に比例する位置へ前進する。
図8は、複数の用量投薬動作中の用量メモリ機構に連結されたRFIDデバイス300の共振周波数の変化のグラフである。図8は、RFID信号381の周波数810が、第1の用量投薬動作820a中に最初の周波数831から第1の周波数832へ、次いで第2の用量投薬動作820b中に第2の周波数833へ、最後に第3の用量投薬動作中に第3の周波数834へ、どのように増大するかを示す。いくつかの例では、最初の周波数831の値は、使用前(たとえば、製造中の包装された状態)の薬物送達デバイス100内の最終用量ナット240の位置に対応する。最終用量ナット240のこの最初の位置は、薬物送達デバイス100内の薬剤の最初の量に対応し、したがって第1の周波数832の値は、第1の用量投薬動作820a後に薬物送達デバイス100内に残っている薬剤の量に対応する。同様に、第2および第3の周波数833、834は、それぞれ第2および第3の用量投薬動作820b、820c後に薬物送達デバイス100内に残っている薬剤の量に対応する。概して、外部デバイス390は、用量投薬動作における周波数810の履歴全体を測定する必要はなく、上記で詳述したように、各用量投薬動作820a~c前または後のどこかで周波数を測定するだけでよい。
上記で開示したシステムの態様により、医療用注射器は、含まれる電子構成要素(たとえば、RFID、センサ)の付属による「スマート」技術を用いて、薬物送達デバイス(たとえば、ペン型注射器)のカートリッジに特定の構成を与えることが有効になる。電子機器を薬物送達デバイス内へ一体化するとき、1つまたはそれ以上の構成要素が活動中であり(たとえば、注射器またはカートリッジの特定の特性を測定するためのセンサ)、典型的には電池のエネルギー源を必要とすることがある。1つの代替手段は、電池に対する電源の代わりとしてエネルギーハーベスティング(energy harvesting)手段を使用することである。
上記の説明は、単一のトラック(たとえば、図5Aのトラック531)に及ぶ2つの導電素子、または個々のトラック(たとえば、図2Aのトラック211、213)に及ぶ2つの導電素子を参照するが、他の構成も可変電子デバイスを構築するのに好適であることが、当業者には理解されよう。たとえば、図7で、導電トラック721は、最終用量ナット240によって接触される単一の導電素子を含むことができる。単一トラックの実施形態では、RFIDデバイス300は、最終用量ナット240(たとえば、移動位置)と、導電トラック721の一端(たとえば、静止位置)との両方に接続する必要がある。したがって、トラックがトラックの一端でともに接続された2つの導電素子を有する利点は、RFIDデバイス300が、(i)可動構成要素の単一の位置(たとえば、RFIDデバイス300が2つの導電素子をつなぐ最終用量ナット240上)、または(ii)トラックに沿って単一の位置(たとえば、最終用量ナット240が導電素子をつなぐトラック721の端部)で、両導電素子に接続するだけでよいことである。いずれの場合も、最終用量ナット240の位置により、RFIDデバイス300を有する回路内の導電素子の全体的な長さが決まる。
本開示の実施形態はまた、カートリッジを使用することができない充填済みの単一および2つのチャンバを有するシリンジに適用することもできる。いくつかの例では、用量追跡機構は、用量追跡機構アセンブリが注射後にカートリッジまたはシリンジの充填レベルの変化を感知することを有効にするように、カートリッジまたは薬物送達デバイス内に収容される。いくつかの例では、電子機器アセンブリの構成要素は、カートリッジの外側またはカートリッジもしくは薬物送達デバイスの異なる部材内に位置する。
記載した構成のいくつかは、デジタル電子回路内、もしくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア内、またはこれらの組合せで実施することができる。装置は、プログラマブルプロセッサによる実行のために情報キャリア内、たとえば機械可読記憶デバイス内で有形に実施されるコンピュータプログラム製品内で実施することができ;方法工程は、入力データ上の動作および出力の生成によって、記載する実施形態の機能を実行するための命令プログラムをプログラマブルプロセッサが実行することによって実行することができる。記載する構成は、有利には、データ記憶システムからデータおよび命令を受信し、データ記憶システムへデータおよび命令を送信するように連結された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、少なくとも1つの入力デバイスと、少なくとも1つの出力デバイスとを含むプログラマブルシステム上で実行可能な1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム内で実施することができる。コンピュータプログラムは、特定の動作を実行しまたは特定の結果をもたらすためにコンピュータ内で直接または間接的に使用することができる命令セットである。コンピュータプログラムは、コンパイル済みまたは解釈済みの言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書き込むことができ、独立型プログラムを含む任意の形式で、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは演算環境での使用に好適な他のユニットとして導入することができる。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば:家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))である。
DPP4阻害剤の例は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本開示に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本開示の完全な範囲から逸脱することなく、本明細書に記載するAPI、構成、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正(追加および/または削除)を加えることができ、本開示は、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
本開示の複数の実施形態について説明した。それにもかかわらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解されよう。したがって、他の実施形態も以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (15)

  1. 薬物送達デバイス(100)内で使用するための用量追跡機構(302)であって:
    カートリッジ(214)とカーリッジ(214)内のストッパ(204)とを収納するハウジング(201)と;
    薬物送達デバイス(100)の動作中に、ストッパ(204)を駆動するようにハウジング(201)に対して動くように構成された可動構成要素(210、230、240、310)と;
    無線周波数認識(RFID)デバイス(300)とを含み、該RFIDデバイス(300)は:
    共振周波数(401、601、801)を有する電気回路(300)とを含み、該電気回路(300)は:
    無線RFID信号(381、410、610、810)を共振周波数(401、601、801)で送信するように構成されたアンテナ(301)と、
    可動構成要素(210、230、240、310)に動作可能に連結され、電気回路(300)の共振周波数(401、601、801)が可動構成要素(210、230、240、310)の位置の標示であるように可動構成要素(210、230、240、310)の位置に基づいて共振周波数(401、601、801)を修正するように構成された電気構成要素(318、369、379、389)とを含み、
    ここで、共振周波数(401、601、801)は、設定された薬剤の用量、投薬された薬剤の用量、および薬物送達デバイス(100)内に残っている薬剤の全用量のうちの少なくとも1つの標示である、前記用量追跡機構(302)。
  2. 可動構成要素(210、230、240、310)は、ハウジング(201)に対して複数の可能な位置間で動くように構成され、可動構成要素(210、230、240、310)の複数の位置の各々は、RFIDデバイス(300)の電気回路(300)の異なる共振周波数(401、601、801)を引き起こし、その結果、各々の異なる共振周波数(401、601、801)は、可動構成要素(210、230、240、310)の異なる位置の標示である、請求項1に記載の用量追跡機構(302)。
  3. 可動構成要素(210、230、240、310)は、該可動構成要素(210、23
    0、240、310)の位置に応じて電気構成要素(318、369、379、389)の電気特性を変動させるように構成され、RFIDデバイス(300)の共振周波数(401、601、801)は、電気特性の関数であり、該電気特性は、静電容量、インダクタンス、または抵抗のうちの1つ以上である、請求項1または2に記載の用量追跡機構(302)。
  4. 可動構成要素(230、310)を有する用量設定機構(10)を含み、可動構成要素(210、230、240、310)の位置は、用量設定機構(10)によって設定された薬物送達デバイス(100)によって送達予定の薬剤の用量に対応し、共振周波数(401、601、801)は、用量設定機構(10)によって設定された薬剤の用量の標示である、請求項1~3のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  5. 可動構成要素(210、310)を有する用量投薬機構(20)を含み、可動構成要素(210、230、240、310)の位置は、用量投薬機構(20)によって薬物送達デバイス(100)から投薬された薬剤の用量に対応し、共振周波数(401、601、801)は、薬物送達デバイス(100)から投薬された薬剤の用量の標示である、請求項1~3のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  6. 可動構成要素(240)を有する用量メモリ機構(240)を含み、可動構成要素(210、230、240、310)の位置は、薬物送達デバイス(100)内に残っている薬剤の全用量に対応し、共振周波数(401、601、801)は、薬物送達デバイス(100)内に残っている薬剤の全用量の標示である、請求項1~5のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  7. 電気構成要素(318、389)は、可動構成要素(210、230、310)に沿ってトラック(211)内に配置された導体(212a)を含む可変抵抗器である、請求項1~6のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  8. トラックは、第1の導体(212a)を含む第1のトラック(211)であり、可変抵抗器は、可動構成要素(210、230、310)に沿って第2のトラック(213)内に配置された第2の導体(212b)を含む、請求項7に記載の用量追跡機構(302)。
  9. 電気構成要素は可変抵抗器(389)であり、該可変抵抗器(389)は:
    第1の構成要素(210、220、230)であって:
    該第1の構成要素(210、220、230)の長さの少なくとも一部分に及ぶトラック(211、531)、ならびに
    トラック(211、531)に沿って位置する第1および第2の導体(212a、212b、532a、532b)を含む第1の構成要素(210、220、230)と、
    トラック(211、531)に沿って第1の構成要素(210、220、230)に対して可動の第2の構成要素(218a、218b、240、540)であって、第1および第2の導体(212a、212b、532a、532b)に接触する第2の構成要素(218a、218b、240、540)と、
    第1の構成要素(210、220、230)の長さに沿って第2の構成要素(218a、218b、240、540)の位置に比例する抵抗を有する第1および第2の導体(212a、212b、532a、532b)間の電気接点とを含み、
    ここで、RFIDデバイス(300)の電気回路(300)は、電気接点において可変抵抗器(389)に接続され、
    薬物送達デバイスの可動構成要素(210、230、240、310)は、第1の構成要素(210、220、230)または第2の構成要素(218a、218b、240、5
    40)を含み、
    第1の構成要素(210、220、230)に対する第2の構成要素(218a、218b、240、540)の位置は、薬物送達デバイス(100)の用量設定動作または用量投薬動作中に変化する、請求項1~6のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  10. トラックは、単一のねじ山(531)を含み、第1および第2の導体(532a、532b)は、単一のねじ山(531)の頂上の両側に配置され、第2の構成要素(218a、218b、240、540)は、第1の構成要素にねじ係合する、請求項9に記載の用量追跡機構(302)。
  11. トラックは、第1のねじ山(211)および第2のねじ山(213)を含み、第1の導体(212a)は、第1のねじ山(211)に沿って配置され、第2の導体(212b)は、第2のねじ山(213)に沿って配置され、第2の構成要素(218a、218b)は、第1の構成要素(210)にねじ係合する、請求項9または10に記載の用量追跡機構(302)。
  12. 第1の構成要素は、用量設定動作中にハウジング(201)に対して螺旋状に動くように構成されたねじ付スリーブ(230)であり、第2の構成要素は、ハウジング(201)によって保持されたねじ付インサート(540)であり、可動構成要素はねじ付スリーブ(230)であり、共振周波数(601)は、用量設定動作中に設定された用量に対応する、請求項9~11のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  13. 第1の構成要素は、薬物送達デバイスの用量投薬動作中にハウジング(201)に対して螺旋状に動いてストッパ(204)を薬物送達デバイスのカートリッジ(214)内へ並進運動させるように構成された親ねじ(210)であり、第2の構成要素は、ハウジング(201)によって保持された支承ナット(208)を含み、可動構成要素は親ねじ(210)であり、共振周波数(401)は、用量投薬動作中にカートリッジ(214)から投薬された用量に対応するカートリッジ(214)内のストッパ(204)の位置に対応する、請求項9~11のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  14. 第1の構成要素は、ねじ付プランジャロッド(210)であり、第2の構成要素は、用量設定動作中に駆動スリーブ(220)に沿って進むように構成された最終用量ナット(240)であり、可動構成要素は最終用量ナット(240)であり、共振周波数(801)は、薬物送達デバイス(100)内に残っている用量に対応する、請求項9~11のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
  15. 無線信号(381)は、薬物送達デバイス(100)または薬物送達デバイス(100)内に収容されている薬剤に関係する識別情報を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の用量追跡機構(302)。
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