JP2023526725A - 薬物送達デバイスのための電子システム - Google Patents

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Abstract

本発明は、薬物送達デバイス(1)の電子システムのためのスイッチアセンブリに関する。スイッチアセンブリは、少なくとも第1の電気接点(23a、33a)、第2の電気接点(23b、33b)、および第3の電気接点(23c、33c)を含む遠位面を有するPCBA(110)を支持するシャーシ(19)と、リング(21、31)とを含む。シャーシ(19)は、第1のスイッチ動作モード中、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へリング(21、31)に対して軸方向に動く。シャーシ(19)およびリング(21、31)は、第2のスイッチ動作モード中、リング(21、31)がシャーシ(19)に対して回転するように構成される。リング(21、31)は、環状の連続する第1の導電区域(22a、32a)と、第1の区域(22a、32a)に接続された環状のセグメント化された第2の導電区域(22b、32b)とを含む。第1の電気接点(23a、33a)および第2の電気接点(23b、33b)は、第1のスイッチ動作モード中、リング(21、31)に向かってシャーシ(19)が軸方向運動することにより、第1の区域(22a、32a)を介して第1の電気接点(23a、33a)と第2の電気接点(23b、33b)との間の電気接続が閉じるように配置される。第3の電気接点(23c、33c)は、第2のスイッチ動作モード中、リング(21、31)とシャーシ(19)との間の回転運動により、第2の区域(22b、32b)を介して第2の電気接点(23b、33b)と第3の電気接点(23c、33c)との間の電気接続が交互に開閉するように配置される。【選択図】図2a

Description

本発明は、一般に、薬物送達デバイスのための電子システムを対象とする。本発明はさらに、薬物送達デバイス、好ましくは電子システムを含む薬物送達デバイスに関する。
ペン型薬物送達デバイスには、正規の医療訓練を受けていない人による定期的な注射が行われる用途がある。これは、糖尿病患者の間でますます一般的になりつつあり、そのような患者は、自己治療により自身の疾病の効果的な管理を行うことが有効である。実際には、そのような薬物送達デバイスでは、使用者が薬剤の複数の使用者可変用量を個々に選択および投薬することが可能である。
基本的に、2つのタイプの薬物送達デバイス:すなわち、リセット可能デバイス(すなわち、再利用可能)およびリセット不可(すなわち、使い捨て)デバイスが存在する。たとえば、使い捨てのペン送達デバイスは、独立型のデバイスとして供給される。そのような独立型のデバイスは、取外し可能な充填済みのカートリッジを含まない。逆に、デバイス自体を破壊しない限り、充填済みのカートリッジをこれらのデバイスから取り外して交換することはできない。したがって、そのような使い捨てのデバイスは、リセット可能な用量設定機構を有する必要がない。本発明は、使い捨てのデバイスにも再利用可能なデバイスにも適用可能である。
そのようなデバイスの場合、ダイヤル設定されてペンから送達される用量を記録する機能は、多種多様なデバイス使用者にとって、メモリ支援として、または用量履歴の詳細なロギングを支持するために、価値がある。したがって、電子機器を使用する薬物送達デバイスは、医薬産業において、ならびに使用者または患者にとって、ますます一般的になりつつある。たとえば、薬物送達デバイスは、排出手段によってリザーバから排出される薬物の量に関係するデータを捕捉するための電子制御式の捕捉システムを含む特許文献1から知られている。
しかし、特にデバイスが独立型として、すなわちデバイスの動作のための電力を提供するために必要な電力源への接続のためのコネクタなしに設計されている場合、デバイスに一体化された電源の資源の管理は特に重要である。
公開されていない特許文献2および特許文献3は、改善された電力管理を伴う薬物送達デバイスのための電子システムの有利な実施形態を開示している。これらの電子システムは、電子システムの電力消費機能を起動/停止状態にするためのスイッチアセンブリを含む。
スイッチに係合して作動させる谷および山を有するプロファイルの形態で機械式の波生成器によって選択的に開閉されるいくつかの電気スイッチを含む代替回転エンコーダが、特許文献4から知られている。
そのような薬物送達デバイスは、典型的に大規模で製造されており、したがって生産コストを適度に低く抑えるために、効率的かつ簡単な組立てが重要な課題である。
EP2729202B1 EP20315066.9 EP20315357.2 WO2019/173097A1
本開示の目的は、電子システムの機能を確実に起動/停止状態にすること、ならびに効率的な組立てを可能にする、薬物送達デバイスのための1つまたはそれ以上の電子システムを含む薬物送達デバイスに対する改善例を提供することである。
この目的は、たとえば独立請求項に画成される主題によって解決される。有利な実施形態および改良形態は、従属請求項に準拠する。しかし、本開示は、添付の特許請求の範囲に画成される主題に限定されないことに留意されたい。逆に、本開示は、以下の説明から明らかになる独立請求項に画成される主題に加えて、またはその代替として、改善例を含むことができる。
本開示の一態様は、薬物送達デバイスの電子システムのためのスイッチアセンブリに関する。スイッチアセンブリは、少なくとも第1の電気接点、第2の電気接点、および第3の電気接点を含む遠位面を有するPCBAを支持するシャーシを含む。スイッチアセンブリは、リング、たとえば回転センサのエンコーダリングをさらに含む。シャーシおよびリングは、第1のスイッチ動作モード中、たとえば薬物送達デバイスの用量設定動作から用量送達動作への遷移中、または薬物送達デバイスの0Uダイヤル設定状態でシャーシが押下されたとき、シャーシが第1のたとえばより離れた軸方向位置から第2のたとえばより近い軸方向位置へリングに対して軸方向に動くように配置および適用されることが好ましい。さらに、シャーシおよびリングは、第2のスイッチ動作モード中、たとえば薬物送達デバイスの用量送達動作中、リングがシャーシに対して回転するように構成される。両方の切換えモードにおける確実な切換えは、リングが、環状の連続する第1の導電区域と、第1の区域に接続された環状のセグメント化された第2の導電区域とを含む場合に得ることができる。第1の電気接点および第2の電気接点は、第1のスイッチ動作モード中、リングに向かってシャーシが軸方向運動することにより、第1の区域を介して第1の電気接点と第2の電気接点との間の電気接続が閉じるように配置されることが好ましい。さらに、第3の電気接点は、第2のスイッチ動作モード中、リングとシャーシとの間の回転運動により、第2の区域を介して第2の電気接点と第3の電気接点との間の電気接続が交互に開閉するように配置される。スイッチアセンブリのこの配置には、スイッチアセンブリを形成するために、シャーシ、遠位面に接点を有するPCBA、リング、および接点を互いに同じ方向から取り付けることができるというさらなる利点がある。これにより、異なる方向からの構成要素部材の取付けを必要とする代替手段と比べて、組立て効率が著しく増大する。
本開示のさらなる態様によれば、薬物送達デバイスを組み立てる方法が提供され、薬物送達デバイスは、用量設定および駆動機構と、シャーシを含むスイッチアセンブリを有する電子システムとを含み、PCBAは、遠位面に接点を有し、リングは、環状のラチェットプロファイルならびに第1および第2の導電性のアームを有し、薬物送達デバイスのこれらの構成要素部材は、1つの単一の方向から互いの中および/または外に取り付けられ、好ましくは薬物送達デバイスの近位ボタン端から遠位投薬端に向かって取り付けられる。これらの構成要素部材のうちのいくつかは、事前に組み立てられたサブユニットとして取り付けることができ、このサブユニット自体は、同じ単一の方向から取り付けられても取り付けられなくてもよい。
本開示は、上述した利点を実現するいくつかの例を含む。
スイッチアセンブリの電気接点は、異なる形態を有することができる。簡単な解決策は、リングのそれぞれの区域と接続および切断することができる単なる接触点である。確実な電気接続を確立するために、接点のうちの1つまたはそれ以上を付勢してそれぞれの区域に当接させることが有利である。この目的で、第1の電気接点、第2の電気接点、および第3の電気接点のうちの少なくとも1つまたは各々は、PCBAの遠位面からリングに向かって遠位に延びる導電性の弾性変形可能なアームとして形成される。
第1の区域および第2の区域は、単体の金属構成要素として形成することができる。この金属構成要素は、リングの一部とすることができ、またはリング自体とすることができ、またはリングに取り付けることができ、たとえばリングに留めることができ、リングに接着することができ、かつ/またはリングに圧入することができる。スイッチアセンブリにおいて、第2の区域は、第1の区域にヒンジ連結された複数の等間隔セグメントによって形成することができる。
第1の例によれば、第1の区域は、リングの近位面、すなわちPCBAに対向する面に設けることができ、第2の区域は、リングの円筒面に設けられる。リングの円筒面は、リングの内面または外面とすることができる。言い換えれば、第1の区域は、第1の平面、たとえば径方向に延びる平面内に延びることができ、第2の区域は、直交方向に延びることができ、円筒形の形状を有することができる。この配置により、区域をリング上に厳密に位置決めし、区域をリング上で確実に保持することが可能になる。
この配置において、第3の電気接点を形成するアームは、径方向に弾性変形可能とすることができ、軸方向に弾性変形可能な第1の電気接点および第2の電気接点を形成するアームを越えて遠位方向に延びることができる。たとえば、第2の区域がリングの内面である場合、第3の電気接点を形成するアームは、第1の電気接点および第2の電気接点を形成するアームの径方向内方に配置することができる。代替として、第2の区域がリングの外面に設けられる場合、第3の接点を形成するアームは、他のアームの径方向外側に配置される。
この第1の例によって、スイッチアセンブリを構築するために必要とされる追加の構成要素部材の数は比較的少なくなる。たとえば、リング、シャーシ、およびPCBAを含む電子システムを有する薬物送達デバイスでは、リングに取り付けられた単体の金属構成要素と、PCBAに恒久的に取り付けることができるアームとを提供することだけが必要とされる。したがって、本開示によるスイッチアセンブリを提供するために、リングおよびPCBAを修正することだけが必要とされる。追加の構成要素部材の数が少ないことは、組立てプロセスを非常に効率的にすることに寄与する。
言い換えれば、この第1の例において、スイッチアセンブリは主に、3つの接続金属ばねと組み合わされた薬物送達デバイスのエンコーダリングまたはダイヤルスリーブ構成要素上の追加された金属構成要素または導電区域からなることができる。より詳細な実施形態では、金属構成要素は、エンコーダリングの内側または外側に下方に屈曲した機能を有し、軸方向スイッチの場合、2つの可撓性の金属ばねが金属構成要素の第1の区域に接続するのに対して、回転スイッチの場合、これらの可撓性の金属ばねのうちの1つが接続点として働き、さらなる可撓性の金属ばねが、エンコーダリングが回転するとオン/オフ接続を引き起こす他の接続点を形成する。さらなる可撓性の金属ばねは、非起動状態でも、導電または非導電区域に常に接触することができる。
3つの電気接点または接触点の組合せは、2重機能を生み出し:一方では、PCBAを有するシャーシがエンコーダリング構成要素に対して動くとき、金属構成要素の第1の区域が、PCBAに接続された2つの電気接点、すなわち2つの金属ばねに接続し、それによってPCBA上の回路を閉じる。この段階で、第3の金属ばねは、非導電区域、すなわち第2の区域の導電セグメント間の非導電空間内に位置することができる。他方では、エンコーダリングが回転し始めると、第3の金属ばねの自由端が導電区域を越えるたびに、第3の金属ばねは第2の区域の導電セグメントに接触し、それによってPCBA上の回路を閉じる。軸方向スイッチの接続は、エンコーダリングの回転運動全体にわたって、連続して係合されたままとすることができる。
スイッチアセンブリの第2の例によれば、第1の区域は、リングの近位面、すなわちPCBAに対向する面に設けることができ、第2の区域は、リングの同じ近位面において、第1の区域の径方向内側または径方向外側に設けることができる。この例では、電気接点を形成するアームはすべて、軸方向に弾性変形可能であることが好ましい。第1の区域に対する第2の区域の位置に応じて、第3の電気接点を形成するアームは、第1の電気接点および第2の電気接点を形成するアームの径方向内方または径方向外方に配置される。
第2の例によって、この場合も、スイッチアセンブリを構築するために必要とされる追加の構成要素部材の数は比較的少なくなる。加えて、第1および第2の区域を形成する金属構成要素を製造するのがより簡単になり、この金属構成要素の組立てをより単純にすることができる。
言い換えれば、この第1の例において、スイッチアセンブリは主に、3つの接続金属ばねと組み合わされた薬物送達デバイスのエンコーダリングまたはダイヤルスリーブ構成要素上の追加された金属構成要素または導電区域からなることができる。より詳細な実施形態では、金属構成要素は、エンコーダリングの頂面上に平坦な機能を有する。軸方向スイッチの場合、可撓性の金属ばねは、金属構成要素の第1の区域に接続するのに対して、回転スイッチの場合、これらの可撓性の金属ばねのうちの1つが接続点として働き、さらなる可撓性の金属ばねが、エンコーダリングが回転するとオン/オフ接続を引き起こす他の接続点を形成する。さらなる可撓性の金属ばねは、非起動状態でも、導電または非導電区域に常に接触することができる。
第1の例と同様に、第2の例における3つの電気接点または接触点の組合せは、2重機能を生み出し:一方では、PCBAを有するシャーシがエンコーダリング構成要素に対して動くとき、金属構成要素の第1の区域が、PCBAに接続された2つの電気接点、すなわち2つの金属ばねに接続し、それによってPCBA上の回路を閉じる。この段階で、第3の金属ばねは、非導電区域、すなわち第2の区域の導電セグメント間の非導電空間内に位置することができる。他方では、エンコーダリングが回転し始めると、第3の金属ばねの自由端が導電区域を越えるたびに、第3の金属ばねは第2の区域の導電セグメントに接触し、それによってPCBA上の回路を閉じる。軸方向スイッチの接続は、エンコーダリングの回転運動全体にわたって、連続して係合されたままとすることができる。
スイッチアセンブリのこれらの例は、特に電子システムを含む薬物送達デバイスで適用可能である。本発明は、手動式のデバイス、たとえば使用者が注射ボタンに力を加えることによって駆動されるデバイス、ばねなどによって駆動されるデバイス、およびこれら2つの概念を組み合わせたデバイス、すなわち使用者がやはり注射力をかけることを必要とするばね支援式デバイスに適用可能である。ばね式のデバイスは、事前に負荷がかけられたばねと、用量選択中に使用者によって負荷がかけられるばねとを伴う。いくつかのエネルギー貯蔵式のデバイスは、事前に負荷がかけられたばねと、たとえば用量設定中に使用者によって提供される追加のエネルギーとの組合せを使用する。
本開示の一態様によれば、薬物送達デバイスは、上述したスイッチアセンブリを有する電子システムを含むことができる。たとえば、薬物送達デバイスは、用量設定および駆動機構と、ボタンモジュールとを含むことができる。より詳細には、用量設定および駆動機構は、薬物送達デバイスによって送達予定の用量を設定するための用量設定動作、および設定用量を送達するための用量送達動作を実行するように構成することができる。用量設定および駆動機構は、スイッチアセンブリのリングを含むことが好ましい。さらに、ボタンモジュールは、PCBA上の電子制御ユニットと、たとえば光源および対応する光センサを有する回転センサと、別のデバイスと通信するための無線通信インターフェースを有する通信ユニットと、スイッチアセンブリを含む使用検出ユニットとを含むことができる。電子制御ユニットは、電子システムの動作を制御するように構成されることが好ましい。
本開示のさらなる態様によれば、ボタンモジュールならびに用量設定および駆動機構は、用量ダイヤルアセンブリが、用量送達動作中はボタンモジュールに対して回転するが、用量設定動作中はボタンモジュールに対して回転しないように、かつ用量設定動作から用量送達動作への遷移中、または0Uダイヤル設定状態でボタンモジュールが押下されたとき、ボタンモジュールが用量ダイヤルアセンブリに対して軸方向に動くように構成することができる。
本開示のさらなる態様によれば、電子システムは、第1のスイッチ動作モード中に第1の区域を介して第1の電気接点と第2の電気接点との間の電気接続を閉じたとき、通信ユニットがスリープモードから動作モードへ切り換えられて、通信ユニットが別のデバイスとの手動同期および/またはペアリングを開始するように構成される。加えて、または代替として、電子システムは、第2のスイッチ動作モード中に第2の区域を介して第2の電気接点と第3の電気接点との間の電気接続を閉じたとき、回転センサがスリープモードから動作モードへ切り換えられて、回転センサが運動検出を開始するように構成される。
本開示は、機械起動式の電子スイッチを一体化して異なるデバイス機能を開始することに関する有利な実施形態を提供する。少なくとも1つのスイッチアセンブリは、電子システムの使用検出ユニットを形成することができ、または電子システムの使用検出ユニットの一部とすることができる。そのような使用検出ユニットは、注射デバイスに取り付けられた電子符号化モジュールを起動するための回転起動式電子スイッチ(回転スイッチ)の使用、および/または符号化モジュールのペアリング機能を開始するための軸方向起動式電子スイッチ(軸方向スイッチ)、たとえば注射デバイスに取り付けられた別のスマート電子デバイスを有する回転センサの使用を含むことができる。機械起動式の電子スイッチは、電子制御ユニットに動作可能に接続された電気的使用検出ユニットの一部とすることができ、またはそのような電気的使用検出ユニットの一部を形成することができる。電気的使用検出ユニットは、使用者が用量設定および駆動機構とボタンモジュールとの間の相対運動を開始または終了したことを示す第1の信号を生成するように構成することができる。したがって本発明により、注射デバイスは、符号化センサの励起またはペアリングが必要とされないときは低電力状態を維持するが、いずれかの機能が必要とされるときは起動することが可能になる。これは特に、モジュールが用量送達中は軸方向に隣接する機構構成要素に対して回転するが、ダイヤル設定中はその構成要素に対して回転しないデバイス、および/またはダイヤル設定状態から投薬状態への遷移中、もしくは0Uダイヤル設定状態で、すなわち用量投薬の完了後に新しい用量を選択する前の状態でボタンモジュールが押下されたとき、モジュールが隣接する機構構成要素に対して軸方向に動くデバイスに適用可能である。
本開示の一態様によれば、電子システムは、薬物送達デバイスによって送達予定の用量を設定するための用量設定動作、および設定用量を送達するための用量送達動作を実行するように構成された用量設定および駆動機構を含む。用量設定および駆動機構は、少なくとも1つのリングを含み、少なくとも1つのリングは、用量設定動作および/または用量送達動作中に使用者によって、好ましくは間接的に、動作可能とすることができる。たとえば、用量設定および駆動機構は、ダイヤルグリップ、ダイヤル、または表示部材(たとえば、数字スリーブ)、ドライバ、クラッチ、ピストンロッド、内側および/または外側ハウジング構成要素という構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。本発明の用量設定および駆動機構は、EP2890435に開示されている用量設定および駆動機構に基づくことができる。
本発明のさらなる態様によれば、電子システムは、少なくとも1つの電子制御ユニットを含むボタンモジュールを含み、少なくとも1つの電子制御ユニットは、たとえばPCBAからなり、またはPCBAを含み、電子システムの動作を制御するように構成される。ボタンモジュールは、たとえば薬物送達デバイスの近位端またはその付近において、トリガ、ボタン、またはダイヤルグリップに恒久的または取外し可能に取り付けることができる。ボタンモジュールおよび/または電子制御ユニットは、たとえばシステムのさらなる構成要素部材との機械的相互作用および/または電気接続のためのインターフェースを提供するために、用量設定および駆動機構に対向する遠位面を有することができる。
一実施形態では、電子システムは、第1の状態および第2の状態を有する。第1の状態および第2の状態は、電子システムの異なる動作状態とすることができる。電子制御ユニットは、少なくとも、第1の好ましくは低電力消費状態と、第2の好ましくは高電力消費状態とを有することができる。第1の状態において、システムは、アイドル状態とすることができ、システムは、電子システムに割り当てられた所望の機能、たとえば使用検出、運動検出、符号化、同期、および/またはペアリングで動作することができない。言い換えれば、少なくとも1つの機能は、この第1の状態で起動されない。第2の状態において、システムは、たとえばシステムが動作を開始するようにトリガされるとき、かつ/または第2の状態で用量設定動作および/もしくは用量送達動作が実行されているとき、所望の機能で動作する準備ができた状態とすることができる。電子システムは、第1の状態と比べて第2の状態で増大した電力消費を有することができる。たとえば、第2の状態において、電子システムの1つまたはそれ以上の電気または電子ユニットは、第1の状態と比べて、電力消費のより高い状態、たとえばオン状態に切り換えることができ、第1の状態では、たとえば電源への接続が遮断されることから、それぞれのユニットを、電力消費の低いスリープ状態、または電力消費のまったくないオフ状態とすることができる。たとえば、この第2の状態では、通信ユニットおよび/または符号化モジュール、たとえば回転センサを起動することができる。
符号化モジュールまたはユニットは、典型的に、用量設定および駆動機構の特有の構成要素部材の運動を検出し、この構成要素部材の運動の量を示す信号を生成するのに好適である。たとえば、符号化モジュールまたはユニットは、用量設定動作中および/または用量送達動作中に、ダイヤルスリーブに取り付けられたエンコーダリングの回転運動を検出することができ、エンコーダリングは、好ましくはスイッチアセンブリのリングである。本開示の一態様によれば、符号化モジュールは、回転運動の検出のための回転センサを含む。回転センサは、パターンを有する構成要素部材の回転運動を検出するために、対応する光センサを有する光源、好ましくは2つの対応する光センサを有する2つの光源を含むことができる。代替として、回転センサは、他の検出技法を使用することができ、たとえば回転センサは、電気摺動接点、機械的スイッチング配置、および/または磁気センサを含むことができる。
たとえば、エンコーダリングは、少なくともその外面に設けられたパターンをさらに含むことができ、そのパターンは、回転センサによって検出することができる。一態様によれば、回転センサは、ダイヤルスリーブの近位端、たとえばエンコーダリングにおいて、特別に適用された領域を標的とするように構成された1次センサおよび2次センサを含む。この例では、1次センサおよび2次センサは、光反射センサとすることができる。したがって、ダイヤルスリーブまたはエンコーダリングの特別に適用された近位領域を、少なくとも1つの反射区域および少なくとも1つの非反射(または吸収)区域に分割することができる。回転センサは、LEDから光を放出する光センサとすることができ、LEDの光は、エンコーダリングの反射領域によって反射され、センサは、反射された光を検出する。次いでセンサは、検出した光を電気出力に変換する。符号化または運動感知ユニットは、そのような光回転センサ、たとえばエンコーダリングの周りで円周方向に隔置された2つの光回転センサのうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。
電子システムは、第1の低電力消費状態でスリープモードになり、第2の高電力消費状態で起動される符号化もしくは運動感知ユニット、および/または別のデバイスと通信するための通信ユニットとをさらに含むことができ、通信ユニットは、第1の低電力消費状態でスリープモードになり、第2の高電力消費状態で起動される。本開示の例示的な実施形態では、電子システムは、符号化または運動感知ユニットおよび通信ユニットを含むことができ、どちらのユニットも、独立して起動することができ、またはスリープモードにすることができる。したがって、3つ以上の電力消費状態、すなわち両方のユニットが停止状態またはスリープモードにされた状態、符号化または運動感知ユニットのみが起動された状態、通信ユニットのみが起動された状態、および両方のユニットが起動された状態が存在することができる。電子システムの電力消費は、これら4つの状態の各々に対して異なることができる。それにもかかわらず、本明細書では、説明を簡略化する理由で、第1の低電力消費状態および第2の高電力消費状態についてのみ論じる。
一実施形態では、電子システムは、符号化または運動感知ユニットを使用して、たとえば設定用量または投薬用量に対応する用量データを収集または測定するのに好適なものとすることができる。そのような用量データは、システムの第2の状態でのみ収集することができる。一実施形態では、符号化または運動感知ユニットは、活動状態にあるとき、たとえばダイヤル部材、ドライバ、および/またはピストンロッドの動きに関する運動データまたは測定データを集めるように動作可能とすることができる。電子制御ユニットは、このデータを、たとえばそれぞれの動作で設定または送達された用量のサイズを表す用量データに変換するように構成することができる。符号化または運動感知ユニットは、公開されていない特許文献1および特許文献2に記載されているように設計することができ、これらの特許文献の開示を参照により本明細書に組み入れる。
通信ユニットは、別のデバイスと通信するための無線通信インターフェースを含むことができ、電子システムは、第1の信号に応答して、電子制御ユニットによって第1の状態から第2の状態へ切り換えられ、それによって通信ユニットが別のデバイスとの手動同期および/またはペアリングを開始するように構成される。
電子制御ユニットは、第1の信号の受信に応答して、電子システムの別のユニットへ、このユニットがオンに切り換えられまたは動作状態にされるように、コマンド、たとえば信号を発行することができる。このユニットは、別のデバイスと通信するための通信ユニット、たとえばWi-FiもしくはBluetooth(登録商標)などの無線ネットワークを介して別のデバイスと通信するための無線通信インターフェース、またはさらには、ユニバーサルシリアルバス(USB)、mini-USB、もしくはmicro-USBコネクタを受けるためのソケットなどの有線通信リンクのためのインターフェースとすることができる。電子システムは、RF、WiFi、および/またはBluetoothユニットを通信ユニットとして含むことが好ましい。通信ユニットは、システムまたは薬物送達デバイスと、他の電子デバイス、たとえば移動電話、パーソナルコンピュータ、ラップトップなどの外部デバイスとの間の通信インターフェースとして提供することができる。たとえば、通信ユニットによって外部デバイスへ用量データを伝送することができる。用量データは、外部デバイス内に確立される用量ログまたは用量履歴に使用することができる。
一実施形態では、通信ユニットは、別のデバイスと通信するための無線通信インターフェースを含み、電子システムは、使用検出ユニットの少なくとも1つのスイッチの第1の信号に応答して、電子制御ユニットによって第1の状態から第2の状態へ切り換えられ、それによって通信ユニットが別のデバイスとの手動同期および/またはペアリングを開始するように、または電子システムの設定を修正するためのモードを開始するように構成される。
本発明の一態様によれば、電子システムは、用量設定および駆動機構、電源、たとえば再充電可能もしくは再充電不可の電池、電子制御ユニット、電気的使用検出ユニットおよび符号化もしくは運動感知ユニット、ならびに/または別のデバイスと通信するための通信ユニットを含む。
一実施形態では、デバイスまたは電子システムは電子制御ユニットを含み、電子制御ユニットは、たとえばマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含む。電子制御ユニットは、薬物送達デバイスまたは電子システムの動作を制御するように構成することができる。電子制御ユニットは、導体キャリア上に配置することができ、導体キャリア上の導体に導電接続することができる。導体キャリアは、プリント回路基板などの回路基板とすることができる。導体キャリアは、システムまたはデバイスのユーザインターフェース部材の内部に保持することができる。電源は、ユーザインターフェース部材の内部などの電子システムの内部に配置することができる。
本開示の一態様によれば、電子システムは、注射デバイスの電池容量要件を制限するように適用可能であり、いかなる電子機能も必要とされないときはデバイスを低電力状態にすることが可能であることが有利である。これは、必要に応じて電子ボタンモジュールと隣接する構成要素との間の相対運動によって起動される機械スイッチによって、たとえばダイヤルスリーブアセンブリの一部として上記で例示したエンコーダリングによって実現することができる。
本開示の一態様によれば、手動同期の機能は、デバイスが0Uにダイヤル設定されているとき、ボタンモジュールを押下することで開始される。いずれのデバイス状態でも、ボタンモジュールが押下されたとき、ボタンモジュールはたとえばクラッチとともに、ダイヤルスリーブアセンブリに対して遠位に並進運動する。公称の軸方向行程は、たとえばダイヤルスリーブ(およびエンコーダリング)に対するボタンモジュールの3mm未満、たとえば1.5mm~2.0mmの行程に制限することができ、さらなる相対的な軸方向運動は制限される。使用検出ユニットの一実施形態の軸方向スイッチは、ボタンモジュールの下面に取り付けられており、ボタンモジュールとダイヤルスリーブアセンブリとの間の相対的な軸方向変位を利用してトリガする。ボタンモジュールが押し下げられた状態で保持される持続時間を使用して、複数の異なる機能を同じスイッチによって開始することを可能にすることができ、たとえば短い持続時間の押下および解放の場合は手動同期を、またはより長い持続時間の押下および解放の場合はペアリングを開始することができる。
本開示の1つのさらなる態様によれば、たとえば符号化の機能は、デバイスが投薬しているときにのみ開始することが必要とされる。たとえば、EP2890435に開示されているデバイスでは、用量設定中、たとえばダイヤルスリーブおよびエンコーダリングからなるダイヤルスリーブアセンブリ、ならびにボタンモジュールは、デバイスから螺旋状に延びる(並進運動する)。したがって、用量設定中にボタンモジュールとダイヤルスリーブアセンブリとの間に相対回転は生じない。用量送達を開始するために、たとえばボタンモジュールおよびクラッチは、デバイスハウジングに対して遠位に並進運動させられる。クラッチが所定の距離、たとえば2.0mm未満、たとえば公称では1.20mmだけ並進運動した後、クラッチはダイヤルスリーブから係合解除され、送達機構は投薬(用量送達)モードに入る。この投薬モードで、ダイヤルスリーブアセンブリは螺旋経路に沿ってデバイス内へ後退するのに対して、ボタンモジュールは回転せず、0U止め具に係合して投薬が完了するまで、軸方向運動のみによって後退する。それによって、投薬中にダイヤルスリーブアセンブリに対するボタンモジュールの相対回転が生じる。使用検出ユニットの回転スイッチの例示的な実施形態では、この回転スイッチは、ボタンモジュールの下面に取り付けることができ、ボタンモジュールとダイヤルスリーブアセンブリとの間の相対回転を利用してトリガする。
EP2890435に開示されているデバイスに対するこの例示的な応用例では、軸方向スイッチはまた、投薬事象の一部としてボタンモジュールが押下されるときにトリガされる。しかし、記載の実施形態では、回転および軸方向スイッチの状態変化の相対的な順序を保証することはできない。クラッチ係合解除点、たとえば1.2mmのボタンモジュールの並進運動まで、軸方向スイッチはトリガされず、したがって軸方向スイッチの状態変化の前にダイヤルスリーブアセンブリのある程度の回転が生じる可能性がある。たとえば光符号化システムを開始するために回転スイッチを使用することで、ボタンモジュールの軸方向位置にかかわらず、送達用量が正確に記録されることが確実になる。クラッチの係合解除までにトリガする必要がない場合、軸方向スイッチ接点の最大偏向、したがってこの軸方向スイッチの力、応力、およびパッケージ空間を最小にすることができる。
本開示のさらなる態様によれば、使用検出ユニットは、軸方向スイッチおよび回転スイッチを含み、電子制御ユニットは、軸方向スイッチがその第1の電気状態、たとえば電気的に開いた回路から、その第2の電気状態、たとえば電気的に閉じた回路へ切り換えられたという信号に応答して、符号化または運動感知ユニットをその低電力消費状態に切り換えるように適用される。より詳細には、使用者が投薬の終わりにボタンモジュールを解放したとき(または投薬事象の途中)、ボタンモジュールおよびクラッチは、たとえばクラッチばね力を受けて、デバイスに対して近位に並進運動する。この運動中、軸方向スイッチ状態は変化するが、回転スイッチ状態は変化しない。投薬事象後の軸方向スイッチの状態変化は、使用者がボタンモジュールを解放したという情報をコントローラ(電子制御ユニット)に提供する。この情報がなければ、システムは、用量が完了したかどうかを判定するために、さらなる回転スイッチ信号がないことを確認するまで待機しなければならないため、投薬用量の読出しが表示されるまでに必要とされる遅延期間が増大するはずである。これは、電池寿命および使用者体験に悪影響を与えるはずである。したがって、使用検出ユニットは軸方向スイッチのみまたは回転スイッチのみを含むこともできるが、軸方向スイッチおよび回転スイッチの組合せにより、2つの異なるスイッチによって2つの異なる機能をトリガする可能性を上回る追加の利益が提供される。
本発明はさらに、上述した電子システムを含む薬物送達デバイスに関する。薬物送達デバイスは、用量設定および駆動機構に解放可能に取り付けられた容器レセプタクルを含むことができる。代替として、容器レセプタクルは、用量設定および駆動機構に恒久的に取り付けることができる。容器レセプタクルは、薬剤を含む容器、たとえばカートリッジを受けるように適用される。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C(エフペグレナチド)、HM-15211、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9423、NN-9709、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、ZP-DI-70、TT-401(ペガパモドチド(Pegapamodtide))、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、チルゼパチド(LY3298176)、バマドゥチド(Bamadutide)(SAR425899)、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))、またはアルポート症候群の治療のためのRG012である。
DPP4阻害剤の例は、リナグリプチン、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載するAPI、構成、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正(追加および/または削除)を加えることができ、本発明は、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
例示的な薬物送達デバイスは、ISO11608-1:2014(E)の第5.2章の表1に記載されている針ベースの注射システムを含むことができる。ISO11608-1:2014(E)に記載されているように、針ベースの注射システムは、複数用量の容器システムおよび単一用量(一部または完全排出)の容器システムに広く区別することができる。容器は、交換可能な容器または一体化された交換不能の容器とすることができる。
ISO11608-1:2014(E)にさらに記載されているように、複数用量の容器システムは、交換可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムでは、各容器が複数の用量を保持し、用量のサイズは、固定または可変(使用者によって事前設定される)とすることができる。別の複数用量の容器システムは、一体化された交換不能の容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムでは、各容器が複数の用量を保持し、用量のサイズは、固定または可変(使用者によって事前設定される)とすることができる。
ISO11608-1:2014(E)にさらに記載されているように、単一用量の容器システムは、交換可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムに対する一例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積全体が排出される(完全排出)。さらなる例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積の一部分が排出される(一部排出)。やはりISO11608-1:2014(E)に記載されているように、単一用量の容器システムは、一体化された交換不能の容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムに対する一例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積全体が排出される(完全排出)。さらなる例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積の一部分が排出される(一部排出)。
本明細書では、「軸方向」、「径方向」、または「円周方向」という用語は、デバイス、カートリッジ、ハウジング、またはカートリッジホルダの主長手方向軸、たとえばカートリッジ、カートリッジホルダ、または薬物送達デバイスの近位端および遠位端を通って延びる軸に対して使用することができる。
本発明の限定されない例示的な実施形態について、添付の図面を参照して次に説明する。
薬物送達デバイスの一実施形態を示す図である。 本発明の第1の実施形態によるスイッチアセンブリのリングの斜視図である。 デフォルト状態にある第1の実施形態によるスイッチアセンブリの断面図である。 第1のスイッチ動作モードにある第1の実施形態によるスイッチアセンブリの断面図である。 第2のスイッチ動作モードにある第1の実施形態によるスイッチアセンブリの断面図である。 本発明の第2の実施形態によるスイッチアセンブリのリングの斜視図である。 デフォルト状態にある第2の実施形態によるスイッチアセンブリの断面図である。 第1のスイッチ動作モードにある第2の実施形態によるスイッチアセンブリの断面図である。 第2のスイッチ動作モードにある第2の実施形態によるスイッチアセンブリの断面図である。 薬物送達デバイスのための電子システムの一実施形態を概略的に示す図である。
これらの図では、同一の要素、同一の作用をする要素、または同じ種類の要素には同じ参照番号を提供することがある。
以下、いくつかの実施形態について、インスリン注射デバイスを参照して説明する。しかし本開示は、そのような応用例に限定されるものではなく、他の薬剤を排出するように構成された注射デバイス、または一般に薬物送達デバイス、好ましくはペン型デバイスおよび/もしくは注射デバイスでも等しく良好に導入することができる。
実施形態は、それによって送達される用量に関するデータを記録および/または追跡する注射デバイス、特に可変用量の注射デバイスに関連して提供される。これらのデータは、選択された用量のサイズ、および/または実際に送達された用量のサイズ、投与日時、投与の持続時間などを含むことができる。本明細書に記載する構成は、感知要素および電力管理技法の配置(たとえば、小型の電池を容易にするため、かつ/または効率的な電力使用を有効にするため)を含む。
本明細書における特定の実施形態は、注射ボタンおよびグリップ(用量設定部材または用量設定部)を組み合わせたEP2890435に開示されている注射デバイスに関して示されている。注射ボタンは、薬物送達デバイスの用量送達動作を始動および/または実行するためのユーザインターフェース部材を提供することができる。グリップまたはノブは、用量設定動作を始動および/または実行するためのユーザインターフェース部材を提供することができる。これらのデバイスはダイヤル延長タイプであり、すなわち用量設定中にこれらのデバイスの長さが増大する。用量設定および用量排出動作モード中のダイヤル延長およびボタンの同じ運動学的挙動を有する他の注射デバイスはたとえば、Eli Lillyによって市販されているKwikpen(登録商標)デバイス、およびNovo Nordiskによって市販されているNovopen(登録商標)4デバイスとして知られている。したがって、これらのデバイスに一般原理を適用することは簡単明瞭であると考えられ、さらなる説明は省略する。しかし、本開示の一般原理は、その運動学的挙動に限定されるものではない。別個の注射ボタンおよびグリップ構成要素/用量設定部材が存在するSanofiのSoloSTAR(登録商標)注射デバイスに適用するための特定の他の実施形態を考慮することもできる。したがって、用量設定動作向けと用量送達動作向けとの2つの別個のユーザインターフェース部材が存在することができる。
本明細書で「遠位」とは、薬物送達デバイスもしくはその構成要素の投薬端の方を向きもしくは指すように配置されもしくは配置予定であり、かつ/または近位端から離れる方を指し、近位端から離れる方を向くように配置予定であり、もしくは近位端から離れる方を向く方向、端部、または表面を指定するために使用される。他方では、「近位」とは、薬物送達デバイスまたはその構成要素の投薬端および/または遠位端から離れる方を向きまたは投薬端から離れる方を指すように配置されまたは配置予定である方向、端部、または表面を指定するために使用される。遠位端は、投薬端に最も近く、かつ/または近位端から最も離れた端部とすることができ、近位端は、投薬端から最も離れた端部とすることができる。近位面は、遠位端から離れる方および/または近位端の方を向くことができる。遠位面は、遠位端の方および/または近位端から離れる方を向くことができる。投薬端は、たとえばニードルユニットがデバイスに取り付けられておりまたは取り付けられる予定である針の端部とすることができる。
図1は、薬剤送達デバイスまたは薬物送達デバイスの分解図である。この例では、薬剤送達デバイスは、注射デバイス1、たとえばEP2890435に開示されている注射ペンなどのペン型注射器である。
図1の注射デバイス1は、ハウジング10を含む注射ペンであり、容器14、たとえばインスリン容器、またはそのような容器のためのレセプタクルを含む。容器は、薬物を含むことができる。容器またはレセプタクルに針15を取り付けることができる。容器は、カートリッジとすることができ、レセプタクルは、カートリッジホルダとすることができる。針は、内側ニードルキャップ16と、外側ニードルキャップ17または別のキャップ18とによって保護される。注射デバイス1から排出予定のインスリン用量は、投与量ノブ12を回すことによって、設定、プログラム、または「ダイヤル設定」することができ、次いで、現在プログラムまたは設定されている用量が、投与量窓13を介して、たとえば単位の倍数で表示される。窓に表示される印は、数字スリーブまたはダイヤルスリーブ上に設けることができる。たとえば、注射デバイス1がヒトインスリンを投与するように構成された場合、投与量は、いわゆる国際単位(IU)で表示することができ、1IUは、約45.5マイクログラムの純結晶インスリン(1/22mg)に生物学的に等しい。アナログインスリンまたは他の薬剤を送達するための注射デバイスでは、他の単位を用いることもできる。選択用量は、図1の投与量窓13に示すものとは異なる形でも等しく良好に表示することができることに留意されたい。
投与量窓13は、ハウジング10内のアパーチャの形態とすることができ、アパーチャは、現在設定されている用量の視覚インジケーションを提供するために、ダイヤルグリップ12が回されたときに動くように構成されたダイヤルスリーブアセンブリの制限された部分を使用者が見ることを可能にする。ダイヤルグリップ12は、用量を設定するとき、ハウジング10に対して螺旋経路上を回転させられる。
この例では、ダイヤルグリップ12は、データ収集デバイスの取付けを容易にするために、1つまたはそれ以上の形成物を含む。特に、ダイヤルグリップ12は、ボタンモジュール11をダイヤルグリップ12上へ取り付けるように配置することができる。代替として、ダイヤルグリップは、電子システムのそのようなボタンモジュールを含むことができる。
注射デバイス1は、ダイヤルグリップ12を回すことで機械クリック音を引き起こし、使用者に音響フィードバックを提供するように構成することができる。この実施形態では、ダイヤルグリップ12はまた、注射ボタンとして作用する。針15が患者の皮膚部分に刺されて、次いでダイヤルグリップ12および/または取り付けられたボタンモジュール11が軸方向に押されたとき、表示窓13に表示されるインスリン用量が、注射デバイス1から排出される。ダイヤルグリップ12が押された後、注射デバイス1の針15が特定の時間にわたって皮膚部分に残っているとき、用量は患者の体内に注射される。インスリン用量の排出もまた、機械クリック音を引き起こすことができるが、この音は、用量のダイヤル設定中にダイヤルグリップ12を回転させたときに生じる音とは異なるものとすることができる。
この実施形態では、インスリン用量の送達中、ダイヤルグリップ12は、回転ではなく軸方向運動によってその最初の位置へ戻され、ダイヤルスリーブアセンブリは、回転させられてその最初の位置へ戻り、たとえば0単位の用量を表示する。図1は、この0Uダイヤル設定状態にある注射デバイス1を示す。前述のように、本開示は、インスリンに限定されるものではなく、薬物容器14内のすべての薬物、特に液体薬物または薬物調合物を包含するべきである。
注射デバイス1は、インスリン容器14が空になるまで、または注射デバイス1内の薬剤の有効期日(たとえば、最初の使用から28日後)に到達するまで、いくつかの注射プロセスに使用することができる。再利用可能なデバイスの場合、インスリン容器を交換することが可能である。
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、インスリン容器14および針15から空気を除去するために、たとえばインスリンの2単位を選択し、針15を上に向けた状態で注射デバイス1を保持しながらダイヤルグリップ12を押下することによって、いわゆる「プライムショット」を実行することが必要になることがある。提示を簡単にするために、以下では、排出された量が注射された用量に実質的に対応し、したがってたとえば注射デバイス1から排出される薬剤の量が使用者によって受け取られる用量に等しいと仮定する。それにもかかわらず、排出された量と注射された用量との間の差(たとえば、損失)を考慮に入れることが必要になることもある。
上記で説明したように、ダイヤルグリップ12はまた、注射ボタンとしても機能し、したがって同じ構成要素が、用量のダイヤル設定/設定および用量の投薬/送達に使用される。代替として(図示せず)、別個の注射ボタンを使用することもでき、そのような別個の注射ボタンは、用量の投薬を行うまたはトリガするために、ダイヤルグリップ12に対して、少なくとも制限された距離だけ、軸方向に変位可能である。
以下では、本発明による電子システム100について、例示的な実施形態に関して、図4を参照して説明する。電子システム100は、図1に示す注射デバイス1の一部とすることができる用量設定および駆動機構と、図4に示す電源150、たとえば再充電可能または再充電不可の電池とを含む。電子システム100は、電子制御ユニット110をさらに含み、電子制御ユニット110は、たとえばPCBAを含み、またはPCBAからなり、またはPCBAの一部であり、第1の状態および第2の状態を有する電子システム100の動作を制御するように構成され、電子システム100は、第1の状態と比べて第2の状態で増大した電力消費を有する。電子システム100は、符号化および運動感知ユニット120、たとえば回転センサと、電気使用検出ユニット130とをさらに含み、電気使用検出ユニット130は、電子制御ユニット110に動作可能に接続されており、少なくとも使用者が動作を実行することを示す第1の信号を生成するように構成される。そのような動作の一例は、注射デバイスおよび/もしくは電子システムの使用者が、電子システム100の手動同期もしくはペアリングモードに入ること、ならびに/または使用者が用量投薬を開始することである。電子システム100は、前記第1の信号に応答して、電子制御ユニット110によって第1の状態から第2の状態へ切り換えられるように構成される。電子システムは、別のデバイスと通信するための通信ユニット140をさらに含む。通信ユニット140が手動同期またはペアリングモードを実行するための活動状態にあるとき、電子システム100はその第2の状態にある。電子制御ユニット110のPCBAは、ボタンモジュール11のモジュールシャーシ19の上および/または中に配置することができる(図2bおよび図3b参照)。
明示的には示されていないが、電子システム100は、好ましくは恒久的および/または不揮発性の記憶装置またはメモリユニットを含むことができ、そのようなメモリユニットは、たとえば用量履歴データなどの薬物送達デバイスの動作に関係するデータを記憶することができる。
以下で別途特別に開示されない限り、電子システム100は、公開されていない特許文献1および特許文献2に記載されている機能を有することができ、公開されていない特許文献1および特許文献2に記載されているように配置および/または設計することができ、これらの特許文献の開示を参照により本明細書に組み入れる。
スイッチアセンブリ20の第1の実施形態が、図2a~図2dに示されている。
スイッチアセンブリ20では、ボタンモジュール11は、ダイヤルグリップ12内に配置されており、モジュールシャーシ19を含み、モジュールシャーシ19上に電子制御ユニット110のPCBAが配置される。モジュールシャーシ19は、ダイヤルグリップ12内に保持された外側の環状部分と、ダイヤルスリーブアセンブリのエンコーダリング21内へ延びる内側の管状部分とを有する。図示の実施形態では、エンコーダリング21は、図2aに示すように、ダイヤルスリーブの近位端に固定された別個の構成要素部材である。代替として、エンコーダリング21は、ダイヤルスリーブの一体部材とすることもできる。
エンコーダリング21は、エンコーダリング21の近位端またはその付近に配置された金属構成要素22を含む。金属構成要素は、円形の形状を有する第1の区域22aを含み、第1の区域22aは、たとえば平坦な円板の形態であり、電子制御ユニット110のPCBAの遠位面の方を向くように近位に配置される。第1の区域22aは、連続して形成されており、すなわち途切れがない。金属構成要素は、エンコーダリング21の内面に設けられた第2の区域22bをさらに含む。第2の区域22bは、自由空間、すなわち非導電空間によって遮断されたいくつかのセグメントを含む。
電子制御ユニット110のPCBAの遠位面は、第1の電気接点23a、第2の電気接点23b、第3の電気接点23c、および第4の電気接点23dを含む。図示の例示的な実施形態では、電気接点23a、23b、23c、23dの各々は、弾性的に偏向可能なアームとして形成されており、アームの一端は、PCBA110に恒久的に取り付けられて接続され、反対側の自由端は偏向させることができる。図2aで、文字a、b、cは、PCBA110に対するエンコーダリング21の相対的な向きに応じて、第1の電気接点23a、第2の電気接点23b、および第3の電気接点23cがそれぞれ第1および第2の区域22a、22bに当接することができる位置を示す。図2b~図2dは、第3の電気接点23cおよび第4の電気接点23dを形成するアームが、第1の電気接点23aおよび第2の電気接点23bを形成するアームの径方向内方に配置されており、第1の電気接点23aおよび第2の電気接点23bを形成するアームを越えて遠位方向に延びることを示す。第1の電気接点23aおよび第2の電気接点23bは、第1の区域22aとともに、第1の軸方向スイッチを構成し、第1の電気接点23aおよび第2の電気接点23bのうちの一方は、第3の電気接点23cおよび第4の電気接点23dのうちの少なくとも1つならびに第2の区域22bとともに、第2の回転スイッチを形成する。図2b~図2dは、回転スイッチに対して2組のアームを示すが、アーム23c、23dのうちの一方でも十分なはずである。
薬物送達デバイスのデフォルト状態、すなわち薬物送達デバイスが使用者によって動作または操作されていないとき、シャーシ19、リング21、およびばねアームは、図2bに示す状態で配置される。このデフォルト状態では、以下に説明するように、スイッチアセンブリ20の軸方向スイッチおよび回転スイッチはどちらも開いている。
これらの図に示す実施形態では、デフォルト位置において、第1の電気接点23aおよび第2の電気接点23bは、第1の電気接点23aと第2の電気接点23bとの間の回路が開くように、第1の区域22aから隔置される。さらに、第3の電気接点23cおよび第4の電気接点23dは、第1の電気接点23aおよび第2の電気接点23bのうちの一方と、第3の電気接点23cおよび/または第4の電気接点23dとの間の回路が開くように、第2の区域22bのセグメント間の自由空間に当接する。
用量設定中、すなわち使用者がより大きいまたは小さい用量を薬物送達デバイス1から投薬することを選択するとき、ダイヤルグリップ12は、使用者によってハウジング10に対して回転させられる。これにより、薬物送達デバイス1の用量設定モードで用量設定および駆動機構のクラッチ(図示せず)を介して互いに回転不能に連結されたシャーシ19およびエンコーダリング21の同時回転が引き起こされる。シャーシ19およびエンコーダリング21の同時回転運動のため、シャーシ19、リング21、およびばねアームの互いに対する相対的な配置は、図2bに示すデフォルト状態と同じままである。用量設定中、選択用量が増大されるにつれて、シャーシ19およびエンコーダリング21を有するダイヤルグリップ12は螺旋経路上を移動し、それによってハウジング10から繰り出される。
用量がダイヤル設定された状態で、使用者は、ダイヤルグリップ12の近位端を軸方向に押すことによって、用量投薬を開始することができる。これにより、クラッチの係合解除が引き起こされて、シャーシ19およびエンコーダリング21を回転可能にデカップリングし、シャーシ19を有するダイヤルグリップ12を薬物送達デバイス1のハウジング10に回転不能に連結する。この軸方向運動は、エンコーダリング21に対するシャーシ19の制限された相対的な軸方向運動を含む。図2cは、この制限された相対的な軸方向運動後のスイッチアセンブリ20を示す。
エンコーダリング21に対するシャーシ19のこの制限された軸方向運動のため、第1の電気接点23aおよび第2の電気接点23bは第1の区域22aに当接し、それによって軸方向スイッチを閉じる。第3の電気接点23cおよび第4の電気接点23dもまた、エンコーダリング21および金属構成要素22に対して軸方向に移動させられるが、エンコーダリング21に対して同じ相対回転方向のままであり、すなわち第2の区域22bを形成する導電セグメント間の自由空間に当接したままである。したがって、回転スイッチは開いたままである。
スイッチアセンブリ20の軸方向スイッチを閉じることは、薬物送達デバイス1の用量設定動作から用量送達動作へのこの遷移中に生じるだけでなく、薬物送達デバイス1の0Uダイヤル設定状態で、すなわち用量設定前に、ダイヤルグリップ12、したがってシャーシ19が押下されて、エンコーダリング21に対して軸方向に動くときにも生じることができる。
この第1のスイッチ動作モードは、通信ユニット140を起動するために、すなわち通信ユニット140をスリープモードから動作モードへ切り換えて、通信ユニット140に別のデバイスとの手動同期および/またはペアリングを開始させるために使用されることが好ましい。これは、第1の区域22aを介して第1の接点23aおよび第2の接点23bを形成するアーム間の軸方向スイッチを閉じることによって生成された信号に応答して、電子制御ユニット110によって生じさせることができる。
ダイヤルグリップ12をさらに押し下げると、シャーシ19を有するダイヤルグリップ12は、ハウジング10内へ軸方向に押し戻され、エンコーダリング21は、螺旋経路に沿って再びハウジング10内へ回転する。言い換えれば、用量投薬により、シャーシ19に対するエンコーダリング21の相対回転運動が引き起こされる。この回転運動中、第1および第2の接点23a、23bは、第1の区域22aを介して接続されたままである。しかし、この回転中、回転スイッチは、アーム23c、23dが第2の区域22bのセグメントに接触していない開状態と、アーム23c、23dが第2の区域22bの導電セグメントに接触している閉状態との間を変化し、それによってアーム23a、23bとの接続を確立する。これにより、スイッチアセンブリ20の第2のスイッチ動作モードが構成される。
電子システムは、この第2のスイッチ動作モード中に第3の電気接点23cおよび第4の電気接点23dのうちの一方と第1の電気接点23aおよび第2の接点23bのうちの一方との間の電気接続を閉じたとき、回転センサ120がスリープモードから動作モードへ切り換えられて、回転センサ120が運動検出を開始するように構成されることが好ましい。これは、回転スイッチを交互に閉じることによって生成された信号に応答して、電子制御ユニット110によって行うことができる。軸方向スイッチは、エンコーダリング21の回転運動全体にわたって、連続して係合されたままである。
使用者がダイヤルグリップ12を解放すると、スイッチアセンブリ20の軸方向スイッチおよび回転スイッチはどちらも開き、続いて上述した動作が反転させられる。
スイッチアセンブリ30の第2の実施形態が、図3a~図3dに示されている。
スイッチアセンブリ30において、電子制御ユニット110のPCBAを伴うボタンモジュール11、ダイヤルグリップ12、およびモジュールシャーシ19の配置、ならびにエンコーダリング31の配置は、スイッチアセンブリ20と同一である。加えて、薬物送達デバイス1の異なる動作段階中のモジュールシャーシ19およびエンコーダリング31の相対運動も同一である。エンコーダリング31は、第1の実施形態の金属構成要素22に類似した金属構成要素32を含む。この場合も、金属構成要素32は、円形の形状を有する第1の区域32aを含み、第1の区域32aは、たとえば平坦な円板の形態であり、電子制御ユニット110のPCBAの遠位面の方を向くように近位に配置される。第1の区域22aは、連続して形成されており、すなわち途切れがない。しかし、第2の実施形態では、金属構成要素は、第1の区域32aの径方向外方に設けられた、すなわち電子制御ユニット110のPCBAの遠位面の方を向くように近位に配置された第2の区域32bをさらに含む。第2の区域32bは、自由空間、すなわち非導電空間によって遮断されたいくつかのセグメントを含む。
スイッチアセンブリ30において、電子制御ユニット110のPCBAの遠位面は、第1の電気接点33a、第2の電気接点33b、第3の電気接点33c、および第4の電気接点33dを含み、これらの電気接点は、この場合も弾性的に偏向可能なアームとして形成されており、アームの一端は、PCBA110に恒久的に取り付けられて接続され、反対側の自由端は偏向させることができる。図3aで、文字a、b、cは、PCBA110に対するエンコーダリング31の相対的な向きに応じて、第1の電気接点33a、第2の電気接点33b、および第3の電気接点33cがそれぞれ第1および第2の区域32a、32bに当接することができる位置を示す。第2の実施形態では、アームは、軸方向に実質的に同じ長さを有し、第3の電気接点33cおよび第4の電気接点33dを形成するアームは、第1の電気接点33aおよび第2の電気接点33bを形成するアームの径方向外方に配置される。第1の電気接点33aおよび第2の電気接点33bは、第1の区域32aとともに第1の軸方向スイッチを構成し、第1の電気接点33aおよび第2の電気接点33bのうちの一方は、第3の電気接点33cおよび第4の電気接点33dのうちの少なくとも1つならびに第2の区域32bとともに、第2の回転スイッチを形成する。図3b~図3dは、回転スイッチに対して2組のアームを示すが、アーム33c、33dのうちの一方でも十分なはずである。
スイッチアセンブリ30の動作は、スイッチアセンブリ20に関して上述した動作と実質的に同じであることが理解されよう。
言い換えれば、軸方向スイッチおよび回転スイッチはどちらも、デフォルト状態および用量設定中に開いている。
さらに、薬物送達デバイス1の用量設定動作から用量送達動作への遷移中、または薬物送達デバイス1の0Uダイヤル設定状態で、すなわち用量設定前に、ダイヤルグリップ12、したがってシャーシ19が押下されて、エンコーダリング21に対して軸方向に動くとき、回転スイッチ32b、33a、33b、33c、33dは開いたままであるが、軸方向スイッチは閉じている。この第1のスイッチ動作モードは、通信ユニット140を起動するために、すなわち通信ユニット140をスリープモードから動作モードへ切り換えて、通信ユニット140に別のデバイスとの手動同期および/またはペアリングを開始させるために使用されることが好ましい。
さらに、用量送達動作中、軸方向スイッチ32a、33a、33bは閉じたままであるが、回転スイッチは交互に開閉する。電子システムは、この第2のスイッチ動作モード中に第3の電気接点33cおよび第4の電気接点33dのうちの一方と第1の電気接点33aおよび第2の接点33bのうちの一方との間の電気接続を閉じたとき、回転センサ120がスリープモードから動作モードへ切り換えられて、回転センサ120が運動検出を開始するように構成されることが好ましい。
これらの図に示す例示的な実施形態における第1の区域22a、32a、および第2の区域22b、32bの配置は限定的でない。たとえば、第1の区域を第2の区域の径方向外側に配置することができ、または第1の区域をエンコーダリング21、31の内側もしくは外側円筒面に配置し、第2の区域をエンコーダリングの近位面に配置することができる。
EP2890435に開示されているデバイスに類似の作業原理を有する薬物送達デバイスに関して主に説明したが、電子システムは、画成された条件または状態で相対的な軸方向および/または回転運動を実行する構成要素部材を有する任意の他のタイプの薬物送達デバイスに適用可能である。
1 デバイス
10 ハウジング
11 ボタンモジュール
12 ダイヤルグリップ
13 投与量窓
14 容器/容器レセプタクル
15 針
16 内側ニードルキャップ
17 外側ニードルキャップ
18 キャップ
19 モジュールシャーシ
20 スイッチアセンブリ
21 エンコーダリング
22 金属構成要素
22a 第1の区域
22b 第2の区域
23a~23d 電気接点
30 スイッチアセンブリ
31 エンコーダリング
32 金属構成要素
32a 第1の区域
32b 第2の区域
33a~33c 電気接点
100 電子システム
110 電子制御ユニット(PCBA)
120 符号化および運動感知ユニット
130 使用検出ユニット
140 通信ユニット
150 電源

Claims (13)

  1. 薬物送達デバイス(1)の電子システムのためのスイッチアセンブリであって:
    少なくとも第1の電気接点(23a、33a)、第2の電気接点(23b、33b)、および第3の電気接点(23c、33c)を含む遠位面を有するPCBA(110)を支持するシャーシ(19)と、
    リング(21、31)とを含み、
    ここで、シャーシ(19)は、第1のスイッチ動作モード中、たとえば薬物送達デバイス(1)の用量設定動作から用量送達動作への遷移中、または薬物送達デバイス(1)の0Uダイヤル設定状態でシャーシ(19)が押下されたとき、第1のたとえばより離れた軸方向位置から第2のたとえばより近い軸方向位置へリング(21、31)に対して軸方向に動き、シャーシ(19)およびリング(21、31)は、第2のスイッチ動作モード中、たとえば薬物送達デバイス(1)の用量送達動作中、リング(21、31)がシャーシ(19)に対して回転するように構成され、
    リング(21、31)は、環状の連続する第1の導電区域(22a、32a)と、該第1の区域(22a、32a)に接続された環状のセグメント化された第2の導電区域(22b、32b)とを含み、
    第1の電気接点(23a、33a)および第2の電気接点(23b、33b)は、第1のスイッチ動作モード中、リング(21、31)に向かってシャーシ(19)が軸方向運動することにより、第1の区域(22a、32a)を介して第1の電気接点(23a、33a)と第2の電気接点(23b、33b)との間の電気接続が閉じるように配置され、第3の電気接点(23c、33c)は、第2のスイッチ動作モード中、リング(21、31)とシャーシ(19)との間の回転運動により、第2の区域(22b、32b)を介して第2の電気接点(23b、33b)と第3の電気接点(23c、33c)との間の電気接続が交互に開閉するように配置されていることを特徴とする、前記スイッチアセンブリ。
  2. 第1の電気接点(23a、33a)、第2の電気接点(23b、33b)、および第3の電気接点(23c、33c)の各々は、PCBA(110)の遠位面からリング(21、31)に向かって遠位に延びる導電性の弾性変形可能なアームとして形成されている、請求項1に記載のスイッチアセンブリ。
  3. 第1の区域(22a、32a)および第2の区域(22b、32b)は、単体の金属構成要素(22、32)として形成されている、請求項1または2に記載のスイッチアセンブリ。
  4. 第1の区域(22a、32a)は、PCBA(110)に対向するリング(21、31)の近位面に設けられ、第2の区域(22b)は、リング(21)の内側円筒面に設けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載のスイッチアセンブリ。
  5. 第3の電気接点(23c、33c)を形成するアームは、径方向に弾性変形可能であり、軸方向に弾性変形可能な第1の電気接点(23a、33a)および第2の電気接点(23b、33b)を形成するアームを越えて遠位方向に延びる、請求項2または4に記載のスイッチアセンブリ。
  6. 第3の電気接点(23c、33c)を形成するアームは、第1の電気接点(23a、33a)および第2の電気接点(23b、33b)を形成するアームの径方向内方に配置されている、請求項4または5に記載のスイッチアセンブリ。
  7. 第1の区域(22a、32a)は、PCBA(110)に対向するリング(21、31)の近位面に設けられ、第2の区域(32b)は、リング(31)の同じ近位面において、第1の区域(32a)の径方向外側に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載のスイッチアセンブリ。
  8. 電気接点(23c、33c)を形成するアームは、軸方向に弾性変形可能である、請求項2または7に記載のスイッチアセンブリ。
  9. 第3の電気接点(23c、33c)を形成するアームは、第1の電気接点(23a、33a)および第2の電気接点(23b、33b)を形成するアームの径方向外方に配置されている、請求項7または8に記載のスイッチアセンブリ。
  10. 第2の区域(22b、32b)は、第1の区域(22a、32a)にヒンジ連結された複数の等間隔セグメントによって形成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のスイッチアセンブリ。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載のスイッチアセンブリを有する電子システム(100)を含む薬物送達デバイスであって:
    該薬物送達デバイスによって送達予定の用量を設定するための用量設定動作、および設定用量を送達するための用量送達動作を実行するように構成され、リング(21、31)を含む用量設定および駆動機構と、
    PCBA上の電子制御ユニット(110)と、たとえば光源および対応する光センサを有する回転センサ(120)と、別のデバイスと通信するための無線通信インターフェースを有する通信ユニット(140)と、スイッチアセンブリを含む使用検出ユニット(130)とを含むボタンモジュール(11)であって、電子制御ユニット(110)が、電子システムの動作を制御するように構成されている、ボタンモジュールとを含み、
    ここで、該ボタンモジュール(11)ならびに用量設定および駆動機構は、用量ダイヤルアセンブリが、用量送達動作中はボタンモジュール(11)に対して回転するが、用量設定動作中はボタンモジュール(11)に対して回転しないように、かつ用量設定動作から用量送達動作への遷移中、または0Uダイヤル設定状態でボタンモジュール(11)が押下されたとき、ボタンモジュール(11)が用量ダイヤルアセンブリに対して軸方向に動くように構成され、
    電子システムは、第1のスイッチ動作モード中に第1の区域(22a、32a)を介して第1の電気接点(23a、33a)と第2の電気接点(23b、33b)との間の電気接続を閉じたとき、通信ユニット(140)が、スリープモードから動作モードへ切り換えられて、通信ユニット(140)が別のデバイスとの手動同期および/またはペアリングを開始するように構成され、
    電子システムは、第2のスイッチ動作モード中に第2の区域(22b、32b)を介して第2の電気接点(23b、33b)と第3の電気接点(23c、33c)との間の電気接続を閉じたとき、回転センサ(120)がスリープモードから動作モードへ切り換えられて、回転センサ(120)が運動検出を開始するように構成されている、前記薬物送達デバイス。
  12. 回転センサ(120)はエンコーダリング(21、31)を含む、請求項11に記載の薬物送達デバイス。
  13. 用量設定および駆動機構に恒久的または解放可能に接続され、薬剤を含む容器を受けるように適用されている容器レセプタクル(14)をさらに含む、請求項11または12に記載の薬物送達デバイス。
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