JP7365083B1 - 衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からファンにより衣服内に空気を取り込み、身体を冷却するファン付衣服において、外観を損なわずに効率的に首筋を冷やすことができる衣服を提供することを目的とする。【解決手段】下部に空気取り込み口が開口した後ろ身頃を有する衣服1であって、長方形の生地の立襟5の上端において、立襟5の中央部分の幅が10cm~12cmの長さを開けて、左右に重なり部5cを設け、前記重なり部5cは幅が1cm程度になるよう左右方向に折り返して重ね、上辺を左右方向に縫合する。【選択図】 図2

Description

特許法第30条第2項適用 2022年12月6日~12月9日 BURTLE WORKWEAR 2023 SPRING&SUMMER 予約制展示会にて公開
本発明は、外部からファンにより衣服内に空気を取り込み、身体を冷却するファン付衣服において、衣服の襟に関するものである。
作業員を保護する熱中症対策の一つとして最近はファン付き衣服が利用されている。ファンは、上着の後身頃の腰付近に設けられた開口、若しくは、背中の裾部の位置に脱着自在に取付けられており、取り込まれた外気は首回りの襟口、若しくは袖口から排出され、身体を冷却する。例えば特許文献1には、襟の後側を上方に向かうに従って着用者の首から離れるように後方に広げて、空気を排出しやすくして衣服内の流動性を高めた衣服が開示されている。また、特許文献2には、背中と襟にボックスプリーツによる折り畳み部を設けて、冷却風により折り畳み部が外側に膨らみ、襟元に冷却風を貯留する堆積を確保した衣服が開示されている。
特開2022-91683号公報 特許第6061166号公報
従来の襟の構造は、冷却風を円滑に外部に排出するため、できるだけ広くしておくものである。特許文献1の技術では、襟は上方に向かうに従って広がっているため、襟から排出される過程で流速が低下する。また、特許文献2の技術では、折り畳み部が外側に膨らみ、襟から空気を排出するための通路を確保したに過ぎない。これらの技術では、襟から排出される空気は、服内から大気に単に廃棄されるだけである。
本発明は、襟自体の構造を変更することで、襟から排出される空気の流速を高め、襟から排出される空気にさらに利用して首筋を冷やすことができる衣服を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、下部にファンが取り付けられる空気取り込み口が開口した後ろ身頃を有する衣服であって、
後身頃には、左右端を後身頃の内側に取り付けて後身頃の襟ぐりの下側に弛み設ける身体当て部が設けられ、
立襟には、長方形の生地の上側に対して中央部分を長さL1だけ開けて左右の2箇所の重なり部であって、夫々の重なり部は、当該生地を左右方向に折り返して重ねて、重ねた上辺を左右方向に縫合された重なり部が設けられて、立襟の上辺の長さが下辺に比べて短くされ、
弛みの無い状態の前記身体当て部の左右の長さL3は長さL1よりも長く、前記身体当て部により前記後身頃が短縮されて弛まされる範囲の上方に、左右の2箇所の重なり部で規定される範囲が入っており、
前記重なり部の間の箇所が前側に倒れて、前記身体当て部と後身頃との間の通風路を延長した方向から空気の流れる方向を首筋に当たる方向に変えることを特徴とする。
本発明によれば、立襟は、襟付け側より襟上側の方が短くなり、左右の重なり部の範囲において、立襟が前に倒れる。この結果、立襟上側から排出される空気の流速が速くなるとともに、着用者の体温で加温された空気に大気の空気が引き込まれて混ざり合う。体温で上昇した衣服内の空気が冷たい大気の空気と混ざり首筋(うなじ)に吹き付けることで冷却する。
本発明に係る衣服を示す図であり、図1Aは正面図、図1Bは背面図である。 襟の説明図で、図2Aは襟の展開図、図2Bは襟の重なり部の部分拡大図、図2Cは後身頃を内側から見た図、図2Dは襟の重なり部が無い場合の着用時の衣服の上部の側面図、図2Eは襟の重なり部が有る場合の着用時の衣服の上部の側面図である。 他の実施例を説明する図であり、図3Aは正面図、図3Bは背面図である。
以下、本発明に係る実施例の衣服1について、図面を用いて説明する。
図1において、衣服1の襟は、立襟5である。立襟5を有した衣服1は、前身頃2、後身頃3、袖4が備えられ、前身頃2は前面を開閉できるファスナーが取り付けられている。後身頃3の下部の左右には、ファンを取り付ける空気取り込み口6が開口している。衣服1はファンにより身体を冷却するものであって、ファンより服内に取り込まれた大気の空気は、衣服内側を介して首廻り、袖口を介して大気に排出される。また、立襟5で有るため喉の前を閉じることができ、首廻りを流れる空気が顔側に排出されることを抑止可能としている。
図2は襟の説明図で、図2Aは襟の展開図、図2Bは襟の重なり部の部分拡大図、図2Cは後身頃を内側から見た図、図2Dは襟の重なり部が無い場合の着用時の衣服の上部の側面図、図2Eは襟の重なり部が有る場合の着用時の衣服の上部の側面図である。立襟5は、図2Aのように長方形の表地と裏地を互いに縫合することにより構成されている。この縫合された立襟5の生地は、長辺の長さL0の長方形である。
立襟5の生地に対して、さらに襟の中央部分の幅L1が10cm~12cmの長さを開けて、左右の2箇所に重なり部5cを設ける。重なり部5cは、立襟5の生地の上側に設けられ、上辺5aを下辺5bより短くする。図2Bにおいて、重なり部5cは、幅L2が1cm程度になるよう立襟5の生地の上側を左右方向に折り返して重ね、重ねた範囲において上辺5aを左右方向に縫合している。この縫合はカン止めを施し補強している。重なり部5cにより、立襟5は上辺5aが元々の生地の長さL0より短縮され、下辺5b(長さL0)より短くなっている。
図2Cにおいて、後身頃3の内側中央には、立襟5と着用者の首後部との間隔を広げるために、後身頃3の左右の間隔を短縮する身体当て部が設けられている。身体当て部8と後身頃3との間が、空気が通過する通風路Pになる。身体当て部8は、内側に保冷剤を収容可能である。身体当て部8は長方形状の袋体である。
身体当て部8は、保冷剤の冷気をより冷感を感じさせるためにメッシュ状の生地が利用されている。身体当て部8の左右端辺は、取付位置11、11の位置で後身頃3に縫合により取り付けられている。身体当て部8の上下端辺は後身頃3に対して不縫合とされている。取付位置11、11の間における、弛みの無い状態での身体当て部の長さL3は、取付位置11、11の間における弛みの無い状態での後身頃3の長さL4よりも短い。長さL3と長さL4の相違の結果、後身頃3の襟ぐりの下側に弛みができることになる。図2Eに示すように、身体当て部8が着用者の背中に当たり、ファンが運転されたとき、この弛みが空気により膨らまされて、通風路Pを形成する。本実施例においては、身体当て部8は、取付位置11、11により規定される左右長さが固定で有るが、従来のファン付き上着にみられたような調整紐によって、身体当て部8を形成しても良い。
弛みの無い状態の身体当て部8の左右の長さL3の範囲、若しくは取付位置11、11により規定される範囲内に、左右の2箇所に重なり部5cが入っている。すなわち、幅L1は長さL3よりも短く、身体当て部8により後身頃3が短縮されて弛まされる範囲の上方に、左右の2箇所の重なり部5cで規定される範囲が入る。
立襟5の生地は長方形であり、重なり部5cを設けない場合には、図2Dに示すように、立襟5は襟ぐりから垂直に立つ。このような構成では、立襟5の下辺5bにおける空気の通路断面の面積は、上辺5aにおける通路断面の面積とほぼ同じである(着用者の首の太さによる。一般的には、上に行くに従って首は細くなる)。また、空気の向きは、身体当て部8と後身頃3との間の通風路Pをそのまま延長した向きになる。
一方、重なり部5cを設けることにより、左右の重なり部5cの間の箇所は、前に倒れる(襟の重なり部が有る場合の着用時の衣服の上部の側面図である図2E。図中、角度θ)。この結果、襟ぐり側(下辺5b側、もしくは襟付け側)より襟上側(上辺5a側)の方が狭くなり、襟上側から排出される空気の流速が速くなる。この結果、襟上側の周囲に存在する大気中の空気が多く巻き込まれて、新しい空気に置換される。このため、衣服1の内部において、着用者の体温で加温された空気が大気の空気と混ざり冷却される。そして、立襟5が前に倒れていので、空気の流れる方向が変わり、首筋(うなじ)に風が当たり冷却する。
図3は、他の実施例を説明する図であり、図3Aは正面図、図3Bは背面図である。衣服10は前身頃2、後身頃3、脇身頃7、袖4、立襟5を有し、前身頃2は前面を開閉できるファスナーが備えられている。左右の脇身頃7の夫々には、ファンを取り付ける空気取り込み口6が開口されている。ファンの位置が、着用者の脇腹の位置に移ったことにより、フォークリフト等の重機やトラック等の運転者が、着席したときにファンが背中に当たって邪魔することが無いようにしたものである。
衣服10では、ファンの位置が着用者の脇腹の位置に移ったことにより、衣服10は脇腹の位置から空気を取り込むものであり、衣服1と比較して空気の流れる経路は衣服10の方が長くなる。よって、前身頃2側に多くの空気が回る為、襟前(顔の真下)からの空気の抜けが多くなってしまうため、周りの音が聞こえづらい、乾燥する等の問題が生じている。
立襟5は、左右の重なり部5cの間の箇所では、襟上側が絞られて、襟付け側は角度θだけ背中から自動的に離れる位置に位置付くようになっている。この結果、身体当て部8により形成される通風路Pが、背中の上から襟後(首の後側)の空間の位置まで広いままで続いて襟後の空間を広く確保するので、空気を効果的に排出することが出来る。このため、ファンの位置が着用者の脇腹の位置に移ったことにより、生じる上記問題点を解消することができる。この場合において、襟ぐりに身返しを付けておくと襟後の空間の確保においてより効果的である。また、着用者が着席したときには、背中の空間が座席により容量が縮小してしまうことがあるが、重なり部5cにより襟上側を絞っているため、そのような場合でも、襟上側から排出される空気の流速を速くすることができる。
本発明によれば、重なり部という単なる縫合箇所を追加することにより、左右の重なり部の間の箇所を前に倒し、襟上側から排出される空気の流速を速くすることができる。この結果、襟上側の周囲に存在する大気中の空気が多く巻き込まれて、衣服の内部で着用者の体温で加温された空気を大気の空気により再度冷却して首筋に当て冷却できるという効果がある。
1、10 衣服
2 前身頃
3 後身頃
4 袖
5 立襟
6 空気取り込み口
8 身体当て部
11 取付位置

Claims (1)

  1. 下部にファンが取り付けられる空気取り込み口が開口した後ろ身頃を有する衣服であって、
    後身頃には、左右端を後身頃の内側に取り付けて後身頃の襟ぐりの下側に弛み設ける身体当て部が設けられ、
    立襟には、長方形の生地の上側に対して中央部分を長さL1だけ開けて左右の2箇所の重なり部であって、夫々の重なり部は、当該生地を左右方向に折り返して重ねて、重ねた上辺を左右方向に縫合された重なり部が設けられて、立襟の上辺の長さが下辺に比べて短くされ、
    弛みの無い状態の前記身体当て部の左右の長さL3は長さL1よりも長く、前記身体当て部により前記後身頃が短縮されて弛まされる範囲の上方に、左右の2箇所の重なり部で規定される範囲が入っており、
    前記重なり部の間の箇所が前側に倒れて、前記身体当て部と後身頃との間の通風路を延長した方向から空気の流れる方向を首筋に当たる方向に変えることを特徴とする衣服。
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