JP3232576U - 空調ウェア及び空調ウェア本体 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者が涼しく快適に過ごすことができる空調ウェアを提供する。【解決手段】空調ウェアは、着用者100に密着可能に構成されたウェア本体と、ウェア本体において胴部に対向する位置に形成された開口部に装着され、且つ外気をウェア本体と胴部との間に送風可能な送風ファンと、を備えている。ウェア本体における着用者の脇下に対向した位置に脇下外気排出部が形成され、脇下外気排出部は開閉可能に構成されている。開状態では、脇下外気排出部から外気がウェア本体の外部へ排出され、閉状態では、脇下外気排出部と着用者の脇下との間を外気が流通不能になっている。【選択図】図7

Description

本考案は、空調ウェア及び空調ウェア本体に関する。
近年、屋外のようにエアコンを使用できない環境や、工場や建物内の修理点検現場のようにエアコンの効果が得られにくい環境において、作業者が快適に作業を行うことができるように、作業者が空調ウェアを着用する機会が増えている。空調ウェアは、空調服とも呼ばれ、服に取り付けられた送風ファンによって服と着用者の体の表面との間に外気を取り入れ、着用者の体の表面に風を流し、汗を気化させ、気化熱によって体を冷ますことができるように構成されている。また、汗の気化によって暖かく湿った空気は、襟元と袖口から排出される。
例えば、特許文献1には、着用者の腹部を冷却する能力の向上を図るために、上述の襟元と袖口に加えて腹部に当たる服の部分に外気排出部を備えた空調ウェアが開示されている。
再公表WO2016/170626号
従来一般の空調ウェアは、送風ファンから襟元及び袖口に設けられた外気排出部までの空気の経路にある部位(例えば、胸部や背部)を冷却する能力に優れている。上述の特許文献1に開示されている空調ウェアでは、腹部に当たる部分に外気排出部が設けられているため、従来の空調ウェアに比べて腹部を冷却する能力が向上する。しかしながら、今後の地球温暖化やそれに伴う作業環境の高温化をふまえ、着用者がさらに涼しく、快適に過ごせる空調ウェアが求められていた。
本考案は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、着用者が涼しく快適に過ごすことができる空調ウェア及び空調ウェア本体を提供する。
本考案の空調ウェアは、着用者の胴部、胸部及び肩部を覆い、下端が前記着用者に密着可能に構成されたウェア本体と、前記ウェア本体における前記胴部に対向する位置に開口部が形成され、該開口部に着脱可能、且つ外気を前記ウェア本体と前記胴部との間に送風可能な送風ファンと、を備え、前記ウェア本体における前記着用者の脇下に対向した位置に脇下外気排出部が形成され、該脇下外気排出部は開閉可能に構成され、開状態では、前記脇下外気排出部から前記外気が前記ウェア本体の外部へ排出可能に構成され、閉状態では、前記脇下外気排出部と前記着用者の脇下との間を前記外気が流通不能に構成されていることを特徴とする。
本考案の空調ウェアでは、前記ウェア本体はベストであり、前記脇下外気排出部は、前記脇下を通る袖口基端部の周縁に沿って前記ウェア本体に設けられたコード挿通部と、前記コード挿通部の前記脇に近い側且つ前側に形成され、且つ前記周縁に沿って互いに間隔をあけて形成された一対のコード取り出し穴と、前記コード挿通部に挿通され、両端部が前記一対のコード取り出し穴から前記ウェア本体の外部に取り出されたコードと、ロック状態及び解除状態を切り替え可能に構成され、前記ロック状態では前記両端部が前記コード取り出し穴より前記外部で留まり、前記コード挿通部に挿通されている前記コードの長さが固定され、前記解除状態では前記両端部の長手方向に沿って移動自在になり、前記コード挿通部に挿通されている前記コードの長さが変化するストッパーと、を備えてもよい。
本考案の空調ウェアでは、前記脇下外気排出部は、前記脇下を通る袖口基端部の周縁の少なくとも前記脇下に対向する前記ウェア本体を開閉可能なファスナー部を備えてもよい。
本考案の空調ウェアでは、前記ファスナー部は前記周縁の全体にわたって設けられ、前記ファスナー部を介して前記ウェア本体に着脱可能な袖を備えてもよい。
本考案の空調ウェアでは、前記ウェア本体の襟部及び該襟部に接続されたフードの前端の何れか一方が前記着用者に密着可能に構成されてもよい。
本考案の空調ウェア本体は、着用者の胴部、胸部及び肩部を覆い、少なくとも前記胴部の下端近傍と密着可能に構成され、前記胴部に対向する位置に、外気を前記胴部との間に送風する送風ファンを着脱可能に構成された開口部が形成され、前記着用者の脇下に対向した位置に脇下外気排出部が形成され、該脇下外気排出部は開閉可能に構成され、開状態では、前記脇下外気排出部から前記外気が外部へ排出可能に構成され、閉状態では、前記脇下外気排出部と前記着用者の脇下との間を前記外気が流通可能に構成されていることを特徴とする。
本考案の空調ウェア及び空調ウェア本体によれば、着用者が涼しく快適に過ごすことができる。
本考案の第1実施形態の空調ウェアの正面図である。 図1に示す空調ウェアの背面図である。 図1に示す空調ウェアを展開して内側から見た正面図である。 図1に示す空調ウェアの上部を拡大した側面図である。 図1に示す空調ウェアの脇下外気排出部を拡大した側面図である。 図1に示す空調ウェアの脇下外気排出部の閉状態を説明するための模式図である。 図1に示す空調ウェアの脇下外気排出部の開状態を説明するための模式図である。 本考案の第2実施形態の空調ウェアの正面図である。
以下、本考案の空調ウェア及び空調ウェア本体の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
本考案の第1実施形態の空調ウェア11は、エアコンを使用できない環境や、エアコンの効果が得られにくい環境において、着用者が快適に作業を行うことができるように構成されている。図1から図3に示すように、空調ウェア11は、ウェア本体(空調ウェア本体)20と、送風ファン60とを備えている。以下、図1に示すように空調ウェア11を正面から見たときの前側、後側、左側、右側、上側、下側をそれぞれ、単に「前側」、「後側」、「左側」、「右側」、「上側」、「下側」という。また、前側と後側とを結ぶ方向を前後方向とし、左側と右側とを結ぶ方向を左右方向とし、上側と下側とを結ぶ方向を上下方向とする。
ウェア本体20は、着用者100(図6及び図7参照)の胴部102、胸部104及び肩部106を覆う、ベストである。図1に示すように、ウェア本体20の正面には、上下方向に沿って線ファスナー26が設けられている。即ち、ウェア本体20は正面で線ファスナー26によって開閉可能に構成されている。
ウェア本体20は、例えば胴部102の下端近傍と密着可能に構成されている。胴部102の下端近傍とは、例えば腰骨を中心とする上下方向の10cm以内の範囲である。しかしながら、ウェア本体20の下端が着用者100に密着可能な位置は、空調ウェア11の着用目的等に合わせて適切な位置に設計されている。ウェア本体20の下端部21は、胴部102の周縁に沿って袋とじされている。このことによって、下端部21には、コード挿通部23が設けられている。図3に示すように、ウェア本体20の内面22、即ち胴部102に対向する面において、空調ウェア11の左側及び右側の脇下108近傍且つ胴部102の下端近傍に、一対のコード取り出し穴31,32が周縁に沿って互いに間隔をあけて形成されている。脇下108近傍とは、脇下108から下端部21の周縁に沿った方向に5cm以内の部分を表す。2カ所に形成されたコード取り出し穴31,32の間のコード挿通部23には、コード24が挿通している。コード24の長手方向の両側の端部25は、一対のコード取り出し穴31,32のそれぞれからウェア本体20の内側、即ち図3の紙面の手前側に取り出され、ループ状に閉じられている。ループ状に閉じられた端部25には、ストッパー27が設けられている。
ウェア本体20における胴部102に対向する2つの位置に、円形の開口部28,28が形成されている。図3に示すように、送風ファン60は、開口部28に取り付けられ、開口部28に対して着脱可能である。送風ファン60は、電気コード61を介して電源62に接続されている。電源62は、送風ファン60を作動させるためのバッテリーを内蔵し、内面22に設けられたポケット33に収容可能である。着用者が空調ウェア11を着用した状態で、電源62によって送風ファン60が作動すると、空調ウェア11の外気がウェア本体20と胴部102との間に送風される。
ウェア本体20の図4に示す襟部71の内側には、図3に示すように、帯状の襟開口形成部73,74が設けられている。襟開口形成部73は、襟開口形成部74より長く形成されている。襟開口形成部73の所定の位置にボタン75が設けられている。襟開口形成部74には、複数のボタンホール76が長手方向に間隔をあけて複数形成されている。着用者100の首の太さに合わせてボタン75を所望のボタンホール76に架けて着用者100が空調ウェアを着用することによって、前後方向において襟開口形成部73,74とウェア本体20の襟部71との間に空隙が形成され、次に説明するフード70が襟部71から取り外されている際は、この空隙が外気排出口になる。以下では、特筆しない限り、フード70はウェア本体20に取り付けられているものとする。
図1及び図2に示すように、空調ウェア11は、ウェア本体20に着脱可能なフード70を備えている。図4に拡大して示すように、襟部71は、フード70の内側に、着用者100の首に沿って立ちあがっている。襟部71とウェア本体20との境界部及びフード70の下端に、線ファスナー72が設けられている。
フード70の前端は周縁に沿って袋とじされており、コード挿通部77が形成されている。コード挿通部77には、コード78が挿通されている。コード挿通部77の下側には、コード挿通部77の周縁に沿って互いに間隔をあけて一対のコード取り出し穴79,80が形成されている。コード78は、一対のコード取り出し穴79,80からフード70の外部且つ前方に取り出されている。一対のコード取り出し穴79,80のそれぞれから取り出された端部81,81は、ループ状に閉じられている。ループ状に閉じられた端部81には、ストッパー82が設けられている。
図1に示すように、ウェア本体20における脇下108の位置(着用者の脇下に対向した位置)36に脇下外気排出部38が設けられている。脇下外気排出部38は、コード挿通部41、コード42及びストッパー43で構成されている。コード挿通部41は、ベストであるウェア本体20において脇下108を通る袖口基端部45の周縁に沿って設けられている。袖口基端部45が周縁に沿って袋とじされることによって、コード挿通部41が形成されている。
コード挿通部41の脇下(脇)108に近い側且つ前側には、袖口基端部45の周縁に沿って互いに間隔をあけて一対のコード取り出し穴47,48が形成されている。コード42は、コード挿通部41に挿通されている。コード42の長手方向の両側の端部(両端部)50は、一対のコード取り出し穴47,48からウェア本体20の外部に取り出されている。一対のコード取り出し穴47,48のそれぞれから取り出された端部50,50は、ループ状に閉じられている。
図1及び図5に示すように、ループ状に閉じられた端部50には、ストッパー43が設けられている。ストッパー43は、ロック状態及び解除状態を切り替え可能に構成されている。ストッパー43の任意の位置に設けられたボタン(図示略)が押されていない状態がロック状態であり、前述のボタンが押されている状態が解除状態である。
ロック状態では、ストッパー43が端部50,50をコード取り出し穴47,48の外側、即ちウェア本体20の外部で留めている状態になっており、コード挿通部41に挿通されているコード42の長さ、及びコード取り出し穴47,48からウェア本体20の外部に露出する端部50の長さが固定されている。
一方、解除状態では、ストッパー43を端部50の長手方向に沿って移動させることによって、コード挿通部41に挿通されているコード42の長さ、及びコード取り出し穴47,48からウェア本体20の外部に露出する端部50の長さが変化するように、コード42におけるストッパー43が移動自在になる。
解除状態では、脇下外気排出部38を開閉可能になる。図6及び図7に示すように、ループ状の端部51が例えば着用者100の一方の手の指に把持される。その状態から、ストッパー43が、例えば着用者100の他方の手の指によって端部51のコード取り出し穴47,48からコード42の長手方向において最も遠い先端から離れるように、言い換えれば端部51が長くなるように、コード42に沿って移動する。
解除状態のストッパー43が袖口基端部45を介して脇下107に向かって移動し、脇下107と隣り合う位置でロック状態に切り替えられると、図6に示すように、袖口基端部45が巾着袋の口のように絞られ、脇下107を通る着用者100の腕部110と胸部104との境界に密着する。このように袖口基端部45が腕部110と胸部104との境界に密着した状態を閉状態とする。
解除状態のストッパー43がコード取り出し穴47,48の外部且つコード取り出し穴47,48から離れた位置でロック状態に切り替えられると、図7に示すように、脇下107と袖口基端部45との間に空隙が形成され、この空隙が外気排出口52になる。このように外気排出口52が形成された状態を開状態とする。
外気排出口52の大きさは、ロック状態にされたストッパー43の端部51における位置によって決まる。図1は、袖口基端部45が全く絞られておらずに全開になっている様子を示している。全開状態(開状態)の袖口基端部45の周縁の長さは、空調ウェア11のサイズに応じて適宜設定されている。ここで、ウェア本体20の前側において着用者100の首の根元に当たる上端53から下端54までの長さL1を総丈(Full length)と称する。例えば、空調ウェア11のサイズがS,M,L,LL,3L,4Lの6種類があるとき、サイズSであれば、長さL1は695mm程度、全開状態の袖口基端部45の見頃側の周縁の長さは569mm程度であることが好ましい。サイズMであれば、長さL1は715mm程度、全開状態の袖口基端部45の周縁の長さは594.8mm程度であることが好ましい。サイズLであれば、長さL1は735mm程度、全開状態の袖口基端部45の周縁の長さは620.2mm程度であることが好ましい。サイズLLであれば、長さL1は755mm程度、全開状態の袖口基端部45の周縁の長さは645.8mm程度であることが好ましい。サイズ3Lであれば、長さL1は775mm程度、全開状態の袖口基端部45の周縁の長さは671.5mm程度であることが好ましい。サイズ4Lであれば、長さL1は795mm程度、全開状態の袖口基端部45の周縁の長さは697.2mm程度であることが好ましい。
以上説明した第1実施形態の空調ウェア11は、ウェア本体20と、送風ファン60とを備えている。ウェア本体20において脇下107に対向した位置に、脇下外気排出部38が形成されている。脇下外気排出部38は、開閉可能に構成されている。開状態では、送風ファン60の作動によってウェア本体20と着用者100との間に吸い込まれた外気が脇下外気排出部38からウェア本体20の外部へ排出されるように、脇下外気排出部38が構成されている。一方、閉状態では、送風ファン60の作動によってウェア本体20と着用者100との間に吸い込まれた外気が脇下外気排出部38と脇下107との間を流通しないように、脇下外気排出部38が構成されている。
着用者100は、図7に示すように、脇下外気排出部38を開状態にすることによって、空調ウェア11と自身との間に流通する外気を外気排出口52から排出することができる。着用者100の脇付近の体内には太い血管があり、脇下107は、例えば熱が出たときにも冷やす部分である。空調ウェア11では、脇下107を通って外気が排出されるため、気化熱によって脇下107が効率よく迅速に冷まされ、着用者100は従来の空調ウェアでは得られない爽快感を得ることができる。
また、空調ウェア11では、ウェア本体20は、ベストである。脇下外気排出部38は、コード挿通部41と、コード42と、コード取り出し穴47,48から取り出された端部51に設けられたストッパー43とを備えている。ストッパー43は、ロック状態及び解除状態を切り替え可能に構成されている。第1実施形態では、着用者100がストッパー43のボタンを押していない状態、即ちボタンから指を放している状態では、ロック状態になる。ロック状態では、ストッパー43によって端部50がコード取り出し穴47,48より外部で留められ、コード挿通部41に挿通されているコード42の長さが固定される。そのため、コード42の長さに伴う袖口基端部45の周縁の長さ及び外気排出口52の大きさが固定される。一方、着用者100がストッパー43のボタンを押すと解除状態になる。解除状態では、ストッパー43を端部50の長手方向に沿って移動させることによって、コード挿通部41に挿通されているコード42の長さが変化し、コード42の長さの変化に伴って袖口基端部45の周縁の長さ及び外気排出口52の大きさが変化する。
解除状態のストッパー43をコード取り出し穴47,48の外部且つコード取り出し穴47,48から離れた位置でロック状態に切り替えると、外気排出口52が形成され、開状態を実現できる。ストッパー43をロック状態に切り替える際の端部50の長手方向におけるストッパー43の位置を変えることにより、外気排出口52の大きさを変え、外気排出口52から排出される外気の流量を調節できる。また、袖口基端部45を介して解除状態のストッパー43を脇下107に隣り合う位置でロック状態に切り替えると、袖口基端部45が脇下107に密着し、閉状態を実現できる。上述の構成によって、着用者100は、端部50の長手方向におけるストッパー43の位置を変えることにより、前側から、容易に、外気排出口52から排出される外気の流量、及び脇下107の冷やし度合いを調整できる。
また、空調ウェア11では、フード70の前端に設けられたコード挿通部77が着用者100に密着可能に構成されている。コード挿通部77にはコード78が挿通し、コード取り出し穴79,80から端部81,81が取り出されている。ループ状に閉じられた端部81には、ストッパー82が設けられている。そのため、コード挿通部41、コード42、ストッパー43を用いた調節原理と同様の原理によって、フード70の前端と着用者100の頭部との間の隙間の大きさを容易に調節できる。空調ウェア11では、フード70を取り外し、着用者100の首の太さに合わせてボタン75を所望のボタンホール76に架ければ、着用者100の首の後側において空気排出口を形成できる。このことによって、従来の空調ウェアと同様に、着用者100の首の後側から外気を排出することもできる。
空調ウェア11によれば、袖口基端部45からの脇下107の外気の排出と、フード70の前端からの外気の排出とを容易に切り替えられる。例えば、爽快感を迅速に得たい場合は、フード70の前端を着用者100に密着させ、袖口基端部45を全開状態にし、外気の略全量を外気排出口52から空調ウェア11の外部に排出できる。また、着用者100のいる環境や条件に応じて、フード70の前端を着用者100から多少離して外気排出口を形成すると共に、袖口基端部45を略半開状態にすることもできる。このことによって、着用者100は、頭部を適度に冷ますと共に、脇下107を適度に冷まし、袖口基端部45を全開状態にしたときとは別の爽快感を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本考案の第2実施形態の空調ウェア及び空調ウェア本体について説明する。第2実施形態の空調ウェア及び空調ウェア本体において、第1実施形態の空調ウェア及び空調ウェア本体の構成と共通する構成には第1実施形態の空調ウェア及び空調ウェア本体と同様の符号を付し、その説明を省略する。以下では、第1実施形態とは異なる第2実施形態の空調ウェア及び空調ウェア本体の構成を中心に説明する。
図8に示すように、第2実施形態の空調ウェア91は、ウェア本体20、送風ファン60に加え、左側及び右側の袖92,92を備えている。ウェア本体20の袖口基端部45においてコード挿通部41より袖口の先端に近い側の周縁全体にわたって、線ファスナー(ファスナー部)96の複数の務歯94が並んでいる。袖92は、線ファスナー96を介してウェア本体20に着脱可能である。袖92の基端、即ち着用者100の肩部106に近い側の周縁全体にわたって、袖口基端部45の複数の務歯94に噛み合う複数の務歯93が設けられている。
上述の空調ウェア91では、線ファスナー96の持ち手95が脇下108の近傍に配置されている。脇下108の近傍とは、脇下108から袖口基端部45の周縁に沿う方向に沿って例えば3cm以内の範囲を表す。図示していないが、線ファスナー93,94が袖口基端部45の周縁に沿う方向に沿って部分的に開かれると、外気排出口が形成される。即ち、第2実施形態では、第1実施形態において端部50の長手方向におけるストッパー43の位置を変えることによって外気排出口52の大きさ、脇下107を通る外気の流量を調整する替わりに、線ファスナー93,94を開ける長さによって、外気排出口の大きさ、脇下107を通る外気の流量を調整できる。
以上説明した第2実施形態の空調ウェア91は、脇下外気排出部38として、袖口基端部45の周縁の脇下107に対向するウェア本体20を開閉可能な線ファスナー96を備えている。ウェア本体20を開閉可能であるとは、持ち手95を袖口基端部45に沿って移動させ、ウェア本体20と袖92とを部分的に分離可能又は接続可能であることを表す。着用者100は、長袖の空調ウェア91においても脇下107に対向する線ファスナー96を開けることによって、脇下外気排出部38を開状態とし、線ファスナー96を閉めることによって、脇下外気排出部38を閉状態とすることができる。脇下外気排出部38を開状態にすることによって、着用者100は、空調ウェア91と自身との間に流通する外気を外気排出口52から排出できる。このことによって、空調ウェア91では、空調ウェア11と同様に、脇下107を通って外気が排出されるため、気化熱によって脇下107が効率よく迅速に冷まされ、着用者100は従来の空調ウェアでは得られない爽快感を得ることができる。
また、第2実施形態の空調ウェア91では、ファスナー部9を開ける際の周方向の長さを変えることによって外気排出口の大きさを変えることになり、ウェア本体20と着用者100との間から脇下107を通って外部に流出する外気の量を容易に調節できる。
また、第2実施形態の空調ウェア91では、線ファスナー96は袖口基端部45の周縁の全体にわたって設けられている。空調ウェア91は、線ファスナー96を介してベスト型のウェア本体20に着脱可能な袖92を備えている。線ファスナー96の開け閉めによって、着用者100がウェア本体20に対して袖92を容易に取り付け、又は取り外すことができる。
また、第2実施形態の空調ウェア91によれば、第1実施形態と同様に、フード70を取り外し、着用者100の首の太さに合わせてボタン75を所望のボタンホール76に架ければ、着用者100の首の後側において空気排出口を形成できる。このことによって、従来の空調ウェアと同様に、着用者100の首の後側及び袖口から外気を排出することもできる。また、空調ウェア91によれば、袖口基端部45からの脇下107の外気の排出と、袖口からの外気の排出と、フード70の前端からの外気の排出とを容易に切り替えられる。例えば、爽快感を迅速に得たい場合は、袖口基端部45を全開状態にし、外気の略全量を外気排出口52から空調ウェア11の外部に排出できる。また、着用者100のいる環境や条件に応じて、フード70の前端を着用者100から多少離して外気排出口を形成すると共に、袖口基端部45を略半開状態にすることもできる。このことによって、着用者100は、頭部及び両手を適度に冷ますと共に、脇下107を適度に冷まし、袖口基端部45を全開状態にしたときとは別の爽快感を得ることができる。
以上、本考案の好ましい実施形態について詳述したが、本考案は特定の実施形態に限定されない。本考案は、特許請求の範囲内に記載された本考案の要旨の範囲内において、変更可能である。
上述の実施掲載では、脇下外気排出部38として、ウェア本体20の端部を袋とじにして内部にコードを通し、コードの端部とをコード取り出し穴からウェア本体20の外部且つ前側に取り出してループ状に留める構成、及び線ファスナーを備えた構成について説明した。しかしながら、本考案における脇下外気排出部38は、点ファスナーや面ファスナーを備えてもよい。但し、閉状態において、ウェア本体20と着用者100との間の外気が脇下外気排出部38から排出されない、即ち脇下外気排出部38で外気が閉じ込められることが好ましい。
また、上述の第2実施形態では、袖92,92が線ファスナー96によってウェア本体20に対して着脱可能であることを説明した。第2実施形態の変形例として、袖92,92がウェア本体20と一体に縫製され、袖口基端部45の周縁において脇下108を含む所定の長さだけ線ファスナーが形成されてもよい。
11,91 空調ウェア
20 ウェア本体
38 脇下外気排出部
60 送風ファン
100 着用者

Claims (6)

  1. 着用者の胴部、胸部及び肩部を覆い、下端が前記着用者に密着可能に構成されたウェア本体と、
    前記ウェア本体における前記胴部に対向する位置に開口部が形成され、該開口部に着脱可能、且つ外気を前記ウェア本体と前記胴部との間に送風可能な送風ファンと、を備え、
    前記ウェア本体における前記着用者の脇下に対向した位置に脇下外気排出部が形成され、
    該脇下外気排出部は開閉可能に構成され、
    開状態では、前記脇下外気排出部から前記外気が前記ウェア本体の外部へ排出可能に構成され、
    閉状態では、前記脇下外気排出部と前記着用者の脇下との間を前記外気が流通不能に構成されている空調ウェア。
  2. 前記ウェア本体はベストであり、
    前記脇下外気排出部は、
    前記脇下を通る袖口基端部の周縁に沿って前記ウェア本体に設けられたコード挿通部と、
    前記コード挿通部の前記脇に近い側且つ前側に形成され、且つ前記周縁に沿って互いに間隔をあけて形成された一対のコード取り出し穴と、
    前記コード挿通部に挿通され、両端部が前記一対のコード取り出し穴から前記ウェア本体の外部に取り出されたコードと、
    ロック状態及び解除状態を切り替え可能に構成され、前記ロック状態では前記両端部が前記コード取り出し穴より前記外部で留まり、前記コード挿通部に挿通されている前記コードの長さが固定され、前記解除状態では前記両端部の長手方向に沿って移動自在になり、前記コード挿通部に挿通されている前記コードの長さが変化するストッパーと、
    を備える、
    請求項1に記載の空調ウェア。
  3. 前記脇下外気排出部は、前記脇下を通る袖口基端部の周縁の少なくとも前記脇下に対向する前記ウェア本体を開閉可能なファスナー部を備える、
    請求項1又は2に記載の空調ウェア。
  4. 前記ファスナー部は前記周縁の全体にわたって設けられ、
    前記ファスナー部を介して前記ウェア本体に着脱可能な袖を備える、
    請求項3に記載の空調ウェア。
  5. 前記ウェア本体の襟部及び該襟部に接続されたフードの前端の何れか一方が前記着用者に密着可能に構成された、
    請求項1から4の何れか一項に記載の空調ウェア。
  6. 着用者の胴部、胸部及び肩部を覆い、少なくとも前記胴部の下端近傍と密着可能に構成され、
    前記胴部に対向する位置に、外気を前記胴部との間に送風する送風ファンを着脱可能に構成された開口部が形成され、
    前記着用者の脇下に対向した位置に脇下外気排出部が形成され、
    該脇下外気排出部は開閉可能に構成され、
    開状態では、前記脇下外気排出部から前記外気が外部へ排出可能に構成され、
    閉状態では、前記脇下外気排出部と前記着用者の脇下との間を前記外気が流通可能に構成されている、
    空調ウェア本体。
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