JP7363147B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機に関するものである。
従来、回転電機において、騒音や振動の低減を図るべく、固定子を囲うハウジングの外周面に径方向外側に延びるリブを設けるようにした技術が知られている。例えば特許文献1には、ハウジングに形成された冷却水流路内に複数の内側リブを設けて冷却水流路を複数の流路に分割するとともに、ハウジングの外周面の複数の流路と径方向に重なる位置に、径方向外側に突出し周方向に延びる外側リブを設けるようにした構造が開示されている。かかる技術では、ハウジングの外周面において周方向に延びる外側リブにより、冷却水流路の背面側における膜振動を抑制するものとしている。
特開2014-166031号公報
回転電機の力行駆動時や発電時には、固定子に軸トルクの反力が付加されるため、ハウジングは軸トルクに従ったモーメント荷重を受ける。回転電機においてトルク脈動起因のハウジングの振動を低減するためには、ねじり剛性の向上が重要となる。しかしながら、上記特許文献1に記載の回転電機では、ハウジングの外周面における外側リブが周方向(すなわち軸方向に直交する方向)に向けて延びる構成であるため、ねじり剛性の向上は見込めず、特に回転電機の高負荷時において騒音や振動の低減効果が十分でないと考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ハウジングにおけるねじり剛性を向上させ、ひいては騒音や振動の低減効果を高めることができる回転電機を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
手段1の回転電機は、
回転子と、
前記回転子に径方向に対向配置された固定子と、
径方向内側又は外側に前記固定子が組み付けられる筒状部を有するハウジングと、を備える回転電機であって、
前記筒状部は、径方向内外に互いに離間した状態で対向する内壁部と外壁部とを有し、それら内壁部及び外壁部の間に、冷媒を流通させる環状の冷媒通路が設けられており、
前記筒状部において前記固定子とは逆となる側の外表面には、軸方向において前記冷媒通路に重複する位置に、軸方向に対して斜めとなる向き又は平行となる向きに延びる突条部が設けられている。
上記構成の回転電機は、筒状部に環状の冷媒通路が設けられたハウジングを有しており、その筒状部には、軸方向において冷媒通路に重複する位置、換言すれば冷媒通路の径方向内側又は外側に重なる位置に、軸方向に対して斜めとなる向き又は平行となる向きに延びる突条部が設けられている。本構成によれば、筒状部の冷媒通路を囲う固定子とは逆側の壁部(内壁部又は外壁部)に軸方向に延びる突条部が設けられることで、筒状部における軸方向のねじり剛性を高めることができる。この場合特に、回転子の回転時において固定子側に周方向の反作用応力(軸トルクの反力)が生じても、その応力を軸方向に均等に受けるようにすることが可能となる。これにより、筒状部における膜振動を好適に低減することができる。その結果、ハウジングにおけるねじり剛性を向上させ、ひいては騒音や振動の低減効果を高めることができる。
手段2では、手段1において、前記突条部は、軸方向に対して斜めとなり、かつ軸方向に対する傾斜の向きが互いに逆となる複数の突条部を含み、軸方向における前記冷媒通路との重複領域において、異なる突条部どうしが互いに交差している。
上記構成では、複数の突条部が、軸方向に対する傾斜の向きが互いに逆となる突条部を含むことで、異なる突条部どうしが互いに交差するものとなっている。この場合、突条部どうしが互いに交差していない構成に比べて、ねじり剛性を向上させ、かつ冷媒通路の背面側における膜振動の低減効果を高めることができる。
手段3では、手段1において、前記突条部は、少なくとも軸方向における前記冷媒通路との重複領域において、軸方向に対して斜めとなり、かつ互いに平行となる向きで周方向に複数設けられており、複数の前記突条部のうち周方向に隣り合う各突条部は、前記重複領域内において周方向に一部が互いに重なる範囲にそれぞれ配置されている。
上記構成では、周方向に隣り合う各突条部が、軸方向における冷媒通路との重複領域内において周方向に一部が互いに重なる範囲にそれぞれ設けられている。この場合、重複領域内において周方向に重ならないように各突条部が配置される構成に比べて、ねじり剛性を向上させ、かつ冷媒通路の背面側における膜振動の低減効果を高めることができる。
手段4では、手段1乃至3のいずれか1つにおいて、前記筒状部の軸方向端部に複数の締結具の締結により組み付けられるカバーを有しており、前記筒状部の軸方向端部において前記突条部が繋がる部位又はその付近にて前記締結具による締結がなされている。
上記構成では、筒状部の軸方向端部において突条部が繋がる部位又はその付近にて、締結具の締結により、カバーがハウジングに組み付けられている。この場合、締結具による締結部分は高剛性部位であり、その締結部分に突条部を近づけて設けることにより、筒状部における更なる剛性向上を図ることができる。
手段5では、手段1乃至4のいずれか1つにおいて、前記ハウジングは、前記筒状部の軸方向端部から径方向に延びるフランジを有しており、前記フランジでの締結具の締結により、前記ハウジングが前記回転電機の固定対象に固定されるようになっており、前記フランジにおいて前記突条部が繋がる部位又はその付近にて前記締結具による締結がなされるようになっている。
上記構成では、フランジにおいて突条部が繋がる部位又はその付近にて、締結具の締結により、ハウジングが車体フレーム等の固定対象に固定されるようになっている。この場合、締結具による締結部分は高剛性部位であり、その締結部分に突条部を近づけて設けることにより、筒状部における更なる剛性向上を図ることができる。
手段6では、手段1乃至5のいずれか1つにおいて、前記冷媒通路には、前記内壁部と前記外壁部とを繋ぐ連結部が設けられており、前記突条部は、前記連結部に対して径方向に重なり合う位置に設けられている。
上記構成では、突条部は、内壁部と外壁部とを繋ぐ連結部に対して径方向に重なり合う位置に設けられている。この場合、冷媒通路内の連結部により筒状部における剛性向上が可能となり、冷媒通路の背面側における膜振動の低減効果をより一層高めることができる。
なお、突条部が連結部に対して径方向に重なり合う位置に設けられている構成として、冷媒通路内における長手状又は非長手状の連結部を横切るように突条部が設けられているとよい。
手段7では、手段6において、前記冷媒通路には、前記連結部として、前記内壁部及び前記外壁部の間において冷媒流通方向に延びる仕切り部が設けられており、前記突条部は、前記仕切り部に径方向内外で交差した状態で、当該仕切り部に対して径方向に重なるように設けられている。
上記構成では、突条部は、冷媒通路内において内壁部及び外壁部の間に設けられた仕切り部に径方向内外で交差した状態で、当該仕切り部に対して径方向に重なるように設けられている。この場合、内壁部及び外壁部のいずれかの壁部を挟んでその径方向両側に各々設けられる突条部及び仕切り部を、径方向内外に重ねて配置することにより、当該壁部の補強を好適に実施することができる。突条部が、軸方向に対して斜めとなる向き又は平行となる向きに設けられる構成では、突条部及び仕切り部の向きが互いに相違することになるため、それら突条部及び仕切り部が径方向内外に重なり合うことによる補強部を容易に設けることができる。
手段8では、手段6において、前記突条部は、軸方向に対して斜めとなり、かつ軸方向に対する傾斜の向きが逆となることで互いに交差する複数の突条部を含み、前記互いに交差する複数の突条部の交差位置が、前記連結部と径方向内外で重なっている。
上記構成では、複数の突条部が互いに交差するように設けられており、その突条部の交差位置が、内壁部と外壁部とを繋ぐ連結部と径方向内外で重なっている。この場合、筒状部における一層の剛性強化が可能となる。
手段9では、手段1乃至5のいずれか1つにおいて、前記突条部は、その長手方向において前記冷媒通路を横切る部分とそれ以外の部分とを有し、前記冷媒通路を横切る部分の径方向高さが、それ以外の部分の径方向高さよりも高くなっている。
上記構成では、突条部において冷媒通路を横切る部分の径方向高さを高くすることで、冷媒通路の膜面振動の腹になる箇所を強化することができ、振動低減効果をより一層高めることができる。また、突条部においてその長手方向に凹凸が形成されるため、表面積の増加に伴う空冷効果の向上を期待できる。また、突条部において冷媒通路を横切る部分以外で径方向高さを低くしていることで、ハウジング全体として重量や体格が大きくなることを抑制できるものとなっている。
手段10では、手段9において、前記固定子は、固定子コアと固定子巻線とを有し、前記筒状部の径方向内側又は外側に前記固定子コアが組み付けられており、前記固定子コア及び前記筒状部は所定の締め代で嵌合固定されている。
固定子コア及び筒状部が、焼嵌めや圧入等により所定の締め代で嵌合固定されている構成では、筒状部において径方向の応力(残留応力)が生じ、その応力の大きさは、冷媒通路(すなわち空洞)が形成されている部位とそれ以外の部位とで異なることが考えられる。この場合、筒状部に応力分布が生じていると、固定子コアに対する筒状部の接合状態に差異が生じ、固定子コアの固定力が下がることや、固定子コアから筒状部への熱伝導に悪影響が生じることが懸念される。
この点、上記のとおり突条部において冷媒通路を横切る部分とそれ以外の部分とで径方向高さに差異を設け、冷媒通路を横切る部分では径方向高さを高くし、それ以外の部分では径方向高さを低くすることにより、筒状部における応力差を軽減することができる。これにより、筒状部による固定子コアの固定や冷却を好適に実施することができる。
手段11では、手段10において、前記筒状部は、前記内壁部と前記外壁部との間に周方向に延びる仕切り部を有し、その仕切り部により、前記冷媒通路が複数の流路に分けられており、前記突条部は、前記仕切り部と前記複数の流路とを横切るように設けられ、前記仕切り部を横切る部分の径方向高さが、前記複数の流路を横切る部分の径方向高さよりも低くなっている。
上記構成では、筒状部における軸方向の中間位置、すなわち冷媒通路の軸方向一端から他端までの間の中間位置に、周方向に延びる仕切り部が形成されており、その仕切り部により、筒状部の中間位置において固定子コアに対する筒状部の応力(径方向の締め付け力)が確保されている。そして、かかる構成において、突条部の径方向高さを、仕切り部を横切る部分では低く、複数の流路を横切る部分では高くすることで、筒状部における応力の均等化を図ることができるようになっている。
また、上記のとおり突条部を軸方向に対して斜めとなる向きに設けた構成とすることで、筒状部全体における応力均等化を一層適正に実現できるものとなっている。
手段12では、手段1乃至11のいずれか1つにおいて、前記筒状部は、前記内壁部を含む内筒部材と、前記外壁部を含む外筒部材とを互いに接合させることで形成されており、前記内筒部材と前記外筒部材とを接合する接合部分に、前記冷媒通路をシールするシール部が設けられている。
筒状部において内筒部材と外筒部材との接合により冷媒通路が形成される構成では、内筒部材及び外筒部材の接合部分にシール部を介在させることが望ましいが、ハウジングのねじれ変形が生じると、シール部におけるシール性の低下が生じることが懸念される。この点、上記のごとく筒状部の突条部によりハウジングのねじり剛性を向上させていることで、ハウジングの変形を抑制でき、ひいてはシール部におけるシール性の低下を抑制できる。
回転電機の外観を示す正面図。 回転電機の縦断面図。 固定子の部分断面図。 筒状部における冷却水通路の形態を概略的に示す図。 冷却水通路を平面に展開して示す略図。 冷却水通路を平面に展開して示す略図。 冷却水通路を平面に展開して示す略図。 冷却水通路を平面に展開して示す略図。 第2実施形態における回転電機の外観を示す正面図。 第2実施形態において冷却水通路を平面に展開して示す略図。 第3実施形態における回転電機の外観を示す正面図。 突条部の長手方向における断面形状を示す断面図。 突条部の長手方向における断面形状を示す断面図。 別例において冷却水通路を平面に展開して示す略図。 別例における回転電機の縦断面図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態における回転電機は、例えば車両動力源として用いられるものとなっている。ただし、回転電機は、産業用、車両用、船舶用、航空機用、家電用、OA機器用、遊技機用などとして広く用いられることが可能となっている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る回転電機10は、インナロータ式(内転式)の多相交流モータであり、その概要を図1及び図2に示す。回転電機10は、例えば同期モータ又は誘導モータである。図1は、回転電機10の外観を示す正面図であり、図2は、回転電機10の回転軸11に沿う方向での縦断面を示す縦断面図である。以下の記載では、回転軸11が延びる方向を軸方向とし、回転軸11を中心として放射状に延びる方向を径方向とし、回転軸11を中心として円周状に延びる方向を周方向としている。
回転電機10は、回転軸11に固定された回転子12と、回転子12を包囲する位置に設けられた固定子13と、これら回転子12及び固定子13を収容するハウジング14と、ハウジング14の軸方向の一端側に固定されたカバー15とを備えている。回転子12及び固定子13は、径方向に互いに対向した状態で同軸に配置されている。ハウジング14は、軸方向の一端側に開口する有底筒状をなしており、その開口端部に、締結具としての複数のボルト16によりカバー15が取り付けられている。ハウジング14及びカバー15には軸受17,18が設けられ、この軸受17,18により回転軸11及び回転子12が回転自在に支持されている。回転軸11の一端側には、プーリ19が取り付けられている。図1のAXは、回転軸11の中心軸である。
図2に示すように、ハウジング14は、円筒状をなし径方向内側に固定子13が組み付けられる筒状部21と、筒状部21の軸方向端部から径方向外側に延びる環状のフランジ22とを有している。ハウジング14の筒状部21には、固定子13が焼嵌め、圧入などの手段により締め代をもって固定されている。フランジ22は、回転電機10を固定対象X(例えば車体フレーム)に固定するための固定部であり、周方向に複数設けられた締結孔23を用いてボルト16等の締結具により固定対象Xに締結されるようになっている。
また、筒状部21においてフランジ22とは逆側の端部は、環状に繋がる環状部24となっており、その環状部24には、カバー15を締結するための締結孔25が周方向に複数設けられている。締結孔25は、筒状部21の軸方向端面に開口し、軸方向に延びる向きで設けられている。そして、カバー15は、筒状部21の締結孔25を用いてボルト16により筒状部21に締結されるようになっている。
回転子12は、周知のとおり、例えば複数の電磁鋼板が軸方向に積層されてなり回転軸11に固定された回転子コアと、その回転子コアに保持された複数の永久磁石とを有している。また、固定子13は、図3に示すように、周方向に複数のスロット31を有する円環状の固定子コア32と、固定子コア32の各スロット31に巻装された多相の固定子巻線33とを備えている。固定子コア32は、円環状の複数の電磁鋼板を軸方向に積層し、カシメ等により固定することで構成されている。各スロット31内には、固定子巻線33として、径方向に複数層で平角導線よりなる導線34が収容されている。
図2に示すように、固定子巻線33には、相ごとに巻線端子35が取り付けられている。巻線端子35は、軸方向においてカバー15側に突出するように設けられており、その巻線端子35に、電力ハーネス36が接続されるようになっている。
上記構成の回転電機10は、不図示のインバータや制御部により固定子巻線33の通電状態が制御されるようになっており、その通電制御により、力行時及び発電時のトルクが制御される。
また、回転電機10は、冷媒として冷却水を用いた水冷構造を有しており、その水冷構造について以下に説明する。なお、冷媒としては、冷却水以外に、潤滑油などの液体を用いることが可能である。
ハウジング14において筒状部21は、径方向内外に互いに離間した状態で対向する内壁部41と外壁部42とを有しており、それら内壁部41及び外壁部42の間に、冷却水を流通させる環状の冷却水通路43が設けられている。インナロータ式の回転電機10の場合、内壁部41が固定子13側の壁部であり、外壁部42が反固定子側の壁部である。冷却水通路43が冷媒通路に相当する。冷却水通路43は、軸方向において固定子コア32と径方向内外に重複する位置に設けられている。冷却水通路43の軸方向の両端では、内壁部41及び外壁部42が一体となることで、冷却水通路43が閉塞されている。本実施形態では、冷却水通路43は、固定子コア32の軸方向長さよりも長い通路幅を有している。
図1に示すように、筒状部21には、径方向外側に突出するようにして入口ポート44と出口ポート45とが設けられている。これら各ポート44,45は、不図示の冷却水配管に接続されており、冷却水配管を流れる冷却水は、入口ポート44から冷却水通路43に流入し、冷却水通路43を通過した後、出口ポート45から冷却水配管に流出する。なお、冷却水配管の途中には、冷却水を循環させるポンプ(電動ポンプ)やラジエータ等の放熱部が設けられている。
図4には、筒状部21における冷却水通路43の形態を概略的に示す。図4(a)に示す形態では、入口ポート44及び出口ポート45は、筒状部21の周方向において互いに近接する位置に設けられている。また、冷却水通路43は、筒状部21の周方向に沿って延び、かつ入口ポート44に通じる入口側端部と出口ポート45に通じる出口側端部とが分断されるようにして形成されている。
図4(a)の形態では、冷却水通路43が360度の円周よりも短い通路となっているが、これを変更し、図4(b)に示すように、冷却水通路43を360度の円周よりも長い通路として形成してもよい。この場合、冷却水通路43を、入口側端部と出口側端部とを互いに分離した状態で、軸方向に重複させるようにして形成するとよい。なお、入口ポート44及び出口ポート45を周方向に同一となる位置に設け、冷却水通路43を360度の円周と同じ長さの通路として形成することも可能である。
上記以外に、図4(c)に示すように、冷却水通路43を円形に繋がる円形通路とし、その円形通路上の近接位置に、入口ポート44と出口ポート45とを設ける構成としてもよい。また、図4(d)に示すように、冷却水通路43を円形に繋がる円形通路とし、その円形通路上において180度離れた位置に、入口ポート44と出口ポート45とを設ける構成としてもよい。
図2に戻り、筒状部21には、冷却水通路43を軸方向に複数に仕切る仕切り部46が設けられている。仕切り部46は、内壁部41と外壁部42とを径方向に繋ぐ連結部であり、周方向に長尺に延びるようにして設けられている。
また、図1に示すように、筒状部21の径方向外側の外表面、すなわち筒状部21において固定子13とは逆となる側の外表面には、軸方向において冷却水通路43に重複する位置に、軸方向に対して斜めとなる向きに延びる突条部47が設けられている。本実施形態では、突条部47として、軸方向に対する傾斜の向きが互いに逆となる複数の突条部47が設けられている。つまり、各突条部47は、その長手方向において異なる突条部47どうしがX状に交差するようにして設けられている。軸方向に対して一方の側に傾く複数の突条部47は等間隔かつ互いに平行に設けられ、他方の側に傾く複数の突条部47も同様に等間隔かつ互いに平行に設けられている。
仕切り部46及び突条部47は、冷却水通路43の径方向の区画壁である外壁部42の内外にそれぞれ設けられるものであり、仕切り部46は、筒状部21において冷却水通路43内に設けられるとともに、突条部47は、冷却水通路43の外に設けられている。
上述したように筒状部21においてフランジ22とは逆側の端部の環状部24には、ボルト16によりカバー15が固定されており、突条部47は、環状部24に一体に繋がるように設けられている。複数の突条部47のうちいずれかの突条部47が環状部24に繋がる位置は、ハウジング14に対してカバー15が固定される位置、すなわちボルト16による締結位置又はその付近となっている。
また、ハウジング14のフランジ22側においても、突条部47はフランジ22に一体に繋がるように設けられている。複数の突条部47のうちいずれかの突条部47がフランジ22に繋がる位置は、ハウジング14が車体フレーム等に固定される位置、すなわちボルト16による締結位置又はその付近となっている。
ここで、筒状部21の冷却水通路43内に設けられた仕切り部46と、外表面に設けられた突条部47について構成をより具体的に説明する。図5は、冷却水通路43を平面に展開して示すとともに、径方向内外にそれぞれ設けられる仕切り部46及び突条部47を示す略図である。仕切り部46を実線で示し、突条部47を破線で示している。図5では、上下が軸方向に相当し、左右が周方向に相当する。
図5に示すように、冷却水通路43には、通路幅方向(すなわち軸方向)に3列に仕切り部46が設けられており、冷却水通路43は概ね4つの領域に分割されている。3列に設けられた仕切り部46は、それぞれ周方向に複数に分断された状態で設けられており、冷却水が、周方向に分断された各仕切り部46の間の連通部48を通じて、軸方向に流通可能、すなわち軸方向に隣り合う他の分割通路に流通可能となっている。図5の構成では、軸方向に隣り合う各列の仕切り部46が、周方向に異なる位置に設けられている。
なお、仕切り部46は、周方向(すなわち軸方向に直交する方向)に延びるように設けられる以外に、周方向に対して斜めとなる向きに延びるように設けられていてもよい。周方向に延びる仕切り部46と、周方向に斜めとなる向きに延びる仕切り部46とが混在する構成であってもよい。これにより、冷却水通路43内における冷却水の流速分布を適正化し、ひいては流出口への冷却水の流れを円滑化して、冷却水通路43内に混入した気泡の排出等を好適に実施できるものとなる。また、仕切り部46は、軸方向に3列に設けられる以外に、2列に設けられる構成や4列以上に設けられる構成であってもよい。
仕切り部46は、冷却水通路43と同じく周方向(軸方向に直交する方向)に延びるように設けられるのに対し、突条部47は、軸方向に斜めとなる方向に延びるように設けられている。この場合特に、突条部47は、仕切り部46に交差するように、すなわち仕切り部46を横切るように設けられるものとなっている。また特に、各突条部47は、軸方向に対する傾斜の向きが互いに逆となるものを含み、かつ互いに交差する各突条部47の交差位置Pが、仕切り部46と径方向内外で重なるように配置されている。
ハウジング14は、例えば鋳造により作製される。この場合、冷却水通路43は中子を用いて形成されるようになっており、筒状部21における内壁部41や外壁部42、仕切り部46、突条部47は一体に形成される。つまり、ハウジング14は一体成形物として構成されている。本実施形態では、筒状部21の冷却水通路43において周方向に沿って仕切り部46が設けられているため、冷却水通路43の構造の簡素化が可能となっている。また、仕切り部46が周方向に分割された状態で設けられているため、鋳造時において中子砂の排出が容易となっている。したがって、ハウジング14の製造や、冷却水の流れ、仕切り部46等の剛性において好適な構成が実現できるものとなっている。
冷却水通路43内の仕切り部46は、図6又は図7に示すように配列される構成であってもよい。ここでは、図6、図7の構成について図5との相違点を説明する。
図6の構成では、冷却水通路43内において、通路幅方向(すなわち軸方向)に3列に設けられた各仕切り部46が、それぞれ周方向に複数に分断され、かつ周方向に同一となる位置に設けられている。これにより、周方向における各仕切り部46の間の連通部48が、軸方向に見て、周方向の同じ位置に設けられている。
図7の構成では、冷却水通路43内において、図5や図6に比べて周方向に延伸させて仕切り部46が設けられている。各列の仕切り部46は、例えば周方向に1本ずつ設けられ、入口ポート44及び出口ポート45に通じる部分のみが分断されているとよい。
また、図8に示すように、冷却水通路43内に、内壁部41と外壁部42とを径方向に繋ぐ連結部として柱部49を設ける構成としてもよい。柱部49は、横断面が円形状、四角形状、三角形状等となっている。そして、突条部47が、柱部49に交差するように、すなわち仕切り部46を横切るように設けられている。なお、冷却水通路43に、仕切り部46と柱部49とを共に設ける構成とすることも可能である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
回転電機10のハウジング14において、筒状部21の固定子13とは逆側の外壁部42に軸方向に延びる突条部47を設ける構成としたため、筒状部21における軸方向のねじり剛性を高めることができる。この場合特に、回転子12の回転時において固定子13側に周方向の反作用応力(軸トルクの反力)が生じても、その応力を軸方向に均等に受けるようにすることが可能となる。これにより、筒状部21における膜振動を好適に低減することができる。その結果、ハウジング14におけるねじり剛性を向上させ、ひいてはトルク脈動起因の騒音や振動の低減効果を高めることができる。また、冷却水通路43に重複する位置に突条部47が設けられることで、筒状部21における膜振動を好適に低減することができる。
筒状部21における複数の突条部47が、軸方向に対する傾斜の向きが互いに逆となる突条部47を含むことで、異なる突条部47どうしが互いに交差するように構成した。この場合、突条部47どうしが互いに交差していない構成に比べて、ねじり剛性を向上させ、かつ冷却水通路43の背面側における膜振動の低減効果を高めることができる。
筒状部21の外表面に突条部47を設けたことにより、ハウジング14の表面積を増加させることができ、ハウジング14での空冷作用を促進することができる。また、突条部47を軸方向に対して交差する向きに設けたため、例えば車両搭載時において走行風の向きが回転電機10の軸方向となる場合に、ハウジング表面で走行風による乱流が生じ易くなり、空冷効果の向上を図ることができる。
また、ハウジング14の剛性向上に伴い、振動や衝撃荷重に対する回転電機10の耐久性が高められ、外力に対する安全性、信頼性を向上することが可能となる。また、ハウジング14を鋳物(低圧鋳造、ダイカスト等を含む)で構成した場合、剛性向上により鋳巣の変形を原因とした割れや、鋳造工程での製品破損を防止することができる。またこれはハウジング14の密閉性能向上にも寄与する。
筒状部21の軸方向端部において突条部47が繋がる部位又はその付近にて、ボルト16の締結により、カバー15がハウジング14に組み付けられる構成とした。この場合、ボルト16による締結部分は高剛性部位であり、その締結部分に突条部47を近づけて設けることにより、筒状部21における更なる剛性向上を図ることができる。
フランジ22において突条部47が繋がる部位又はその付近にて、ボルト16の締結により、ハウジング14が車体フレーム等の固定対象Xに固定される構成とした。この場合、ボルト16による締結部分は高剛性部位であり、その締結部分に突条部47を近づけて設けることにより、筒状部21における更なる剛性向上を図ることができる。
突条部47を、内壁部41と外壁部42とを繋ぐ仕切り部46(又は柱部49)に対して径方向に重なり合う位置に設ける構成とした。この場合、冷却水通路43内の仕切り部46(又は柱部49)により筒状部21における剛性向上が可能となり、冷却水通路43の背面側における膜振動の低減効果をより一層高めることができる。
突条部47を、冷却水通路43内の仕切り部46に径方向内外で交差するように設ける構成とした。この場合、外壁部42を挟んで径方向両側に各々設けられる突条部47及び仕切り部46を、径方向内外に重ねて配置することにより、外壁部42の補強を好適に実施することができる。突条部47が、軸方向に対して斜めとなる向きに設けられる構成では、突条部47及び仕切り部46の向きが互いに相違することになるため、それら突条部47及び仕切り部46が径方向内外に重なり合うことによる補強部を容易に設けることができる。
特に、複数の突条部47を互いに交差するように設け、その突条部47の交差位置を仕切り部46と径方向内外で重ねる構成としたため、筒状部21における一層の剛性強化が可能となる。
ハウジング14の筒状部21に対して、固定子13が焼嵌め、圧入などの手段により締め代をもって固定されている構成では、筒状部21において周方向の応力が残存していることが考えられる。この点、筒状部21の剛性向上により、筒状部21に残存応力に起因するハウジング変形や、それに伴う回転電機10の性能悪化、組み付けに関する不都合の発生を抑制できるものとなっている。この場合、ハウジング14の変形を抑制できることから、固定子コア32に対する筒状部21の接触状態を適正な状態で維持することができ、熱伝達率の向上や冷却性能の向上を図ることができる。
また、固定子コア32のスロット31内に、固定子巻線33として平角導線よりなる導線34を収容する構成では、占積率が向上する反面、固定子コア32において周方向の剛性が高まる。上記のとおり固定子13に締め代がある構成とした場合、周方向の応力の残存が大きくなる。そして、応力がハウジング14の筒状部21に作用することが考えられる。この点、筒状部21の剛性向上により、やはり不都合の発生を抑制できるものとなっている。
ハウジング14において筒状部21の内壁部41や外壁部42、仕切り部46、突条部47は一体に形成されるため、剛性向上の効果を好適に得ることができるものとなっている。
冷却水通路43内を仕切り部46により複数の流路に分割する構成としたため、膜振動が生じる面積を削減することができ、膜振動に起因する高周波音を抑制することができる。また、仕切り部46により、ハウジング14との冷却水の接触面積を増加させたり、冷却水の流速を増加させたりすることができ、熱交換を促進することが可能となっている。
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態を、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。図9は、本実施形態における回転電機10の外観を示す正面図である。図10は、上述の図5等と同じく、冷却水通路43を平面に展開して示すとともに、径方向内外にそれぞれ設けられる仕切り部46及び突条部47を示す略図である。
図9の回転電機10では、上述した図1の回転電機10との対比において、ハウジング14における筒状部21の突条部47の形態が異なっている。突条部47は、少なくとも軸方向における冷却水通路43との重複領域を含む範囲において、軸方向に対して斜めとなり、かつ互いに平行となる向きで周方向に複数設けられている。突条部47は、筒状部21の軸方向一端側に設けられたフランジ22と、他端側の環状部24とを繋ぐようにして設けられている。
図10に示すように、突条部47は、仕切り部46に交差するように、すなわち仕切り部46を横切るようにして設けられている。また、複数の突条部47のうち周方向に隣り合う各突条部47は、軸方向における冷却水通路43との重複領域(すなわち冷却水通路43の幅方向領域)内において周方向に一部が互いに重なる範囲にそれぞれ配置されている。具体的には、図10において周方向に隣り合う2つの突条部47の一方を突条部47A、他方を突条部47Bとする場合において、冷却水通路43との重複領域において突条部47Aは周方向に範囲RAで設けられ、突条部47Bは周方向に範囲RBで設けられており、それら範囲RA,RBが周方向に重複していることで、周方向に隣り合う各突条部47が、周方向に一部が互いに重なる範囲にそれぞれ配置されるものとなっている。本構成によれば、重複領域内において周方向に重ならないように各突条部47が配置される構成に比べて、ねじり剛性を向上させ、かつ冷却水通路43の背面側における膜振動の低減効果を高めることができる。
なお、図10に示す冷却水通路43内の各仕切り部46は、図5~図7で説明したいずれの形態であってもよい。また、冷却水通路43内の連結部として、図8で説明したように柱部49を設ける構成であってもよい。
(第3実施形態)
以下に、第3実施形態における回転電機10の構成を説明する。本実施形態では、ハウジング14の筒状部21に設けられた突条部47において、その長手方向で径方向高さを異ならせることにより凹凸を設けることとしており、その構成について説明する。
図11は、回転電機10の外観を示す正面図であり、図12は、突条部47の長手方向における断面形状を示す断面図(図11のXII-XII線断面図)である。図11に示す回転電機10は、概ね上記と同様の構成を有しており、図2で説明したとおり固定子13は、固定子コア32と固定子巻線33とを有し、筒状部21の径方向内側に固定子コア32が組み付けられている。固定子コア32及び筒状部21は、焼嵌めや圧入等により、所定の締め代で嵌合固定されている。
また、筒状部21には、周方向に延びる向きで環状の冷却水通路43が形成されている。冷却水通路43は、複数の仕切り部46により軸方向に複数に分割されており、軸方向に並ぶ複数の分割流路43a(本実施形態では3つの分割流路)を有する構成となっている。突条部47は、その長手方向において冷却水通路43(分割流路43a)を横切る部分(すなわち冷却水通路43と径方向内外に交差する部分)とそれ以外の部分とを有している。
より具体的には、図12に示すように、突条部47は、仕切り部46と複数の分割流路43aとを横切るように設けられており、複数の分割流路43aを横切る部分の径方向高さH1が、仕切り部46を横切る部分の径方向高さH2よりも高くなっている(H1>H2)。なお、突条部47の径方向高さH1,H2は、筒状部21において突条部47以外の部位の外表面STを基準とする径方向外側への高さ寸法である。
図12では、突条部47において、分割流路43aを横切る部分を凸部、仕切り部46を横切る部分を凹部とし、それら凸部及び凹部を斜めに繋ぐ構成となっている。ただし、図13に示すように、分割流路43aを横切る部分(凸部)と、仕切り部46を横切る部分(凹部)とを矩形状に繋ぐ構成とすることも可能である。また、突条部47の長手方向において、凸部とする部分を、分割流路43aの幅に一致させる構成(図12又は図13の構成)とする以外に、凸部とする部分を、分割流路43aの幅よりも狭くする又は広くすることも可能である。
本実施形態によれば、突条部47において冷却水通路43を横切る部分の径方向高さを高くすることで、冷却水通路43の膜面振動の腹になる箇所を強化することができ、振動低減効果をより一層高めることができる。また、突条部47においてその長手方向に凹凸が形成されるため、表面積の増加に伴う空冷効果の向上を期待できる。また、突条部47において冷却水通路43を横切る部分以外で径方向高さを低くしていることで、ハウジング全体として重量や体格が大きくなることを抑制できるものとなっている。
固定子コア32及び筒状部21が、焼嵌めや圧入等により所定の締め代で嵌合固定されている構成では、筒状部21において径方向の応力(残留応力)が生じ、その応力の大きさは、冷却水通路43(すなわち空洞)が形成されている部位とそれ以外の部位とで異なることが考えられる。この場合、筒状部21に応力分布が生じていると、固定子コア32に対する筒状部21の接合状態に差異が生じ、固定子コア32の固定力が下がることや、固定子コア32から筒状部21への熱伝導に悪影響が生じることが懸念される。
この点、上記のとおり突条部47において冷却水通路43を横切る部分とそれ以外の部分とで径方向高さに差異を設け、冷却水通路43を横切る部分では径方向高さを高くし、それ以外の部分では径方向高さを低くすることにより、筒状部21における応力差を軽減することができる。これにより、筒状部21による固定子コア32の固定や冷却を好適に実施することができる。
また、筒状部21において仕切り部46は、軸方向の中間位置、すなわち冷却水通路43の軸方向一端から他端までの間の中間位置に形成されており、その仕切り部46によって、筒状部21の中間位置において固定子コア32に対する筒状部21の応力(径方向の締め付け力)が確保されている。そして、かかる構成において、突条部47の径方向高さを、仕切り部を46横切る部分では低く、複数の分割流路43aを横切る部分では高くすることで、筒状部21における応力の均等化を図ることができるようになっている。
また、上記のとおり突条部47を軸方向に対して斜めとなる向きに設けた構成とすることで、筒状部全体における応力均等化を一層適正に実現できるものとなっている。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
・筒状部21に設けられる突条部47を、図14のように形成してもよい。図14に示すように、筒状部21の外周面には、軸方向において冷却水通路43に重複する位置に、軸方向に対して平行となる向きに延びる突条部47が設けられている。つまり、突条部47は、周方向に対して直交する角度で設けられている。なお、筒状部21の外周面に、軸方向に対して斜めとなる向きの突条部47と、軸方向に対して平行となる向きの突条部47とを混在させて設ける構成であってもよい。
・上記実施形態では、ハウジング14を、中子を用いた鋳造により作製することとし、これにより、筒状部21における内壁部41や外壁部42、仕切り部46、突条部47を一体成形する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、筒状部21の内壁部41と外壁部42とを別々に作製し、それらを互いに組み付けることで、内壁部41及び外壁部42の間に冷却水通路43を形成する構成としてもよい。
具体的には、図15に示すように、筒状部21を、内壁部41を含む内筒部材51と、外壁部42を含む外筒部材52とを互いに接合させることにより構成する。この場合、例えば外筒部材52の内周面に凸状の仕切り部46を設けておき、内筒部材51及び外筒部材52を互いに組み付けることで冷却水通路43を形成するとよい。外筒部材52の側から延びる仕切り部46の先端部は、内筒部材51の外周面に当接している。ただし、仕切り部46の先端部が、内筒部材51の外周面に当接していない構成であってもよい。また、上記構成に代えて、内筒部材51の外周面に仕切り部46を設けておく構成、又は内筒部材51の外周面及び外筒部材52の内周面にそれぞれ仕切り部46を設けておく構成であってもよい。
内筒部材51と外筒部材52とを接合する接合部分には、冷却水通路43をシールするシール部61,62が設けられている。シール部61,62は、筒状部21の軸方向両側において冷却水通路43の軸方向外側となる部位にそれぞれ設けられている。より詳しくは、内筒部材51及び外筒部材52の接合面においてそれらのいずれかに凹部が設けられ、その凹部にシール部材が組み付けられているとよい。シール部材は、例えばガスケット、液体ガスケット、Oリング等であるとよい。
ここで、内筒部材51及び外筒部材52の接合部分にシール部61,62を介在させる構成では、ハウジング14のねじれ変形が生じると、それに起因してシール部61,62におけるシール性の低下が生じることが懸念される。例えばシール部61,62において局所的に圧縮力低下が生じ、それに起因する冷却水漏れが生じることが懸念される。この点、上記実施形態の回転電機10では、筒状部21に突条部47を設けることでハウジング14のねじり剛性が向上されていることから、ハウジング14の変形を抑制でき、ひいてはシール部61,62におけるシール性の低下を抑制できる。
・筒状部21の冷却水通路43内に仕切り部46が設けられていない構成、すなわち冷却水通路43が軸方向に複数に分割されていない構成であってもよい。
・突条部47において長手方向に沿う付け根部分を、テーパ面、又は凹状の曲面としてもよい。この場合、突条部47の付け根部分における応力集中を抑制できる。
・筒状部21において、突条部37を螺旋状に設ける構成としてもよい。この場合、1又は複数の突条部37を、筒状部21の外周面に巻き付けるように設けるとよい。
・冷却水通路43内を流通させる冷媒として気体を用いることも可能である。
・固定子巻線33は、平角線を用いた構成に限定されず、丸線を用いたインサータ巻線、分割鉄心に形成されたボビンに導体を集中巻により巻回した巻線、プレス導体を積層した巻線などを用いることも可能である。また、固定子13は固定子コア32を備えないコアレス固定子であってもよい。
・ハウジング14の筒状部21に対して、締め代が無い状態で固定子13が組み付けられる構成であってもよい。
・回転電機10の動力伝達部を、プーリ19以外に、スプライン、ギア、カップリング、チェーンその他の手段を用いた構成としてもよい。なお、動力伝達部からラジアル力、アキシャル力が回転軸11に負荷される場合にも、ハウジング14の剛性向上により変形を抑制できる。
・上記実施形態では、インナロータ式の回転電機10での適用例を説明したが、これに代えて、アウタロータ式の回転電機での適用が可能である。アウタロータ式の回転電機では、周知のとおり固定子13の径方向外側に回転子12が対向配置されている。この場合、固定子13の径方向内側に、ハウジング14の筒状部21が組み付けられる。固定子コア32及び筒状部21は所定の締め代で嵌合固定されているとよい。また、上記と同様に筒状部21において内壁部41と外壁部42との間に冷却水通路43が設けられるとともに、固定子13とは逆側である径方向内側の外表面に突条部47が設けられる。筒状部21において突条部47に関する各種構成や、仕切り部46、柱部49の構成も上記と同様である。
10…回転電機、12…回転子、13…固定子、14…ハウジング、21…筒状部、41…内壁部、42…外壁部、43…冷却水通路、47…突条部。

Claims (12)

  1. 回転子(12)と、
    前記回転子に径方向に対向配置された固定子(13)と、
    径方向内側又は外側に前記固定子が組み付けられる筒状部(21)を有するハウジング(14)と、を備える回転電機(10)であって、
    前記筒状部は、径方向内外に互いに離間した状態で対向する内壁部(41)と外壁部(42)とを有し、それら内壁部及び外壁部の間に、冷媒を流通させる環状の冷媒通路(43)が設けられており、
    前記筒状部において前記固定子とは逆となる側の外表面には、軸方向において前記冷媒通路に重複する位置に、軸方向に対して斜めとなる向き又は平行となる向きに延びる突条部(47)が設けられており、
    前記突条部は、軸方向に対して斜めとなり、かつ軸方向に対する傾斜の向きが互いに逆となる複数の突条部を含み、軸方向における前記冷媒通路との重複領域において、異なる突条部どうしが互いに交差している回転電機。
  2. 回転子(12)と、
    前記回転子に径方向に対向配置された固定子(13)と、
    径方向内側又は外側に前記固定子が組み付けられる筒状部(21)を有するハウジング(14)と、を備える回転電機(10)であって、
    前記筒状部は、径方向内外に互いに離間した状態で対向する内壁部(41)と外壁部(42)とを有し、それら内壁部及び外壁部の間に、冷媒を流通させる環状の冷媒通路(43)が設けられており、
    前記筒状部において前記固定子とは逆となる側の外表面には、軸方向において前記冷媒通路に重複する位置に、軸方向に対して斜めとなる向き又は平行となる向きに延びる突条部(47)が設けられており、
    前記突条部は、少なくとも軸方向における前記冷媒通路との重複領域において、軸方向に対して斜めとなり、かつ互いに平行となる向きで周方向に複数設けられており、
    複数の前記突条部のうち周方向に隣り合う各突条部は、前記重複領域内において周方向に一部が互いに重なる範囲にそれぞれ配置されている回転電機。
  3. 前記冷媒通路には、前記内壁部と前記外壁部とを繋ぐ連結部(46,49)が設けられており、
    前記突条部は、前記連結部に対して径方向に重なり合う位置に設けられている請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記冷媒通路には、前記連結部として、前記内壁部及び前記外壁部の間において冷媒流通方向に延びる仕切り部(46)が設けられており、
    前記突条部は、前記仕切り部に径方向内外で交差した状態で、当該仕切り部に対して径方向に重なるように設けられている請求項に記載の回転電機。
  5. 前記突条部は、軸方向に対して斜めとなり、かつ軸方向に対する傾斜の向きが逆となることで互いに交差する複数の突条部を含み、
    前記互いに交差する複数の突条部の交差位置が、前記連結部と径方向内外で重なっている請求項に記載の回転電機。
  6. 前記突条部は、その長手方向において前記冷媒通路を横切る部分とそれ以外の部分とを有し、前記冷媒通路を横切る部分の径方向高さが、それ以外の部分の径方向高さよりも高くなっている請求項1又は2に記載の回転電機。
  7. 前記固定子は、固定子コア(32)と固定子巻線(33)とを有し、前記筒状部の径方向内側又は外側に前記固定子コアが組み付けられており、
    前記固定子コア及び前記筒状部は所定の締め代で嵌合固定されている請求項に記載の回転電機。
  8. 前記筒状部は、前記内壁部と前記外壁部との間に周方向に延びる仕切り部(46)を有し、その仕切り部により、前記冷媒通路が複数の流路(43a)に分けられており、
    前記突条部は、前記仕切り部と前記複数の流路とを横切るように設けられ、前記仕切り部を横切る部分の径方向高さが、前記複数の流路を横切る部分の径方向高さよりも低くなっている請求項に記載の回転電機。
  9. 回転子(12)と、
    前記回転子に径方向に対向配置された固定子(13)と、
    径方向内側又は外側に前記固定子が組み付けられる筒状部(21)を有するハウジング(14)と、を備える回転電機(10)であって、
    前記筒状部は、径方向内外に互いに離間した状態で対向する内壁部(41)と外壁部(42)とを有し、それら内壁部及び外壁部の間に、冷媒を流通させる環状の冷媒通路(43)が設けられており、
    前記筒状部において前記固定子とは逆となる側の外表面には、軸方向において前記冷媒通路に重複する位置に、軸方向に対して斜めとなる向き又は平行となる向きに延びる突条部(47)が設けられており、
    前記冷媒通路には、前記内壁部と前記外壁部とを繋ぐ連結部(46,49)が設けられており、
    前記突条部は、前記連結部に対して径方向に重なり合う位置に設けられているとともに、軸方向に対して斜めとなり、かつ軸方向に対する傾斜の向きが逆となることで互いに交差する複数の突条部を含み、
    前記互いに交差する複数の突条部の交差位置が、前記連結部と径方向内外で重なっている回転電機。
  10. 前記筒状部の軸方向端部に複数の締結具(16)の締結により組み付けられるカバー(15)を有しており、
    前記筒状部の軸方向端部において前記突条部が繋がる部位又はその付近にて前記締結具による締結がなされている請求項1乃至のいずれか1項に記載の回転電機。
  11. 前記ハウジングは、前記筒状部の軸方向端部から径方向に延びるフランジ(22)を有しており、
    前記フランジでの締結具(16)の締結により、前記ハウジングが前記回転電機の固定対象に固定されるようになっており、
    前記フランジにおいて前記突条部が繋がる部位又はその付近にて前記締結具による締結がなされるようになっている請求項1乃至10のいずれか1項に記載の回転電機。
  12. 前記筒状部は、前記内壁部を含む内筒部材(51)と、前記外壁部を含む外筒部材(52)とを互いに接合させることで形成されており、
    前記内筒部材と前記外筒部材とを接合する接合部分に、前記冷媒通路をシールするシール部(61,62)が設けられている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の回転電機。
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