JP7362926B2 - ブレーキ制御装置及びブレーキ制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキ制御装置及びブレーキ制御システムに関する。
ドライバー(運転者)の体調急変等により、運転中に急にドライバーが安全運転を継続できなくなった場合に、緊急措置としてドライバー又はドライバー以外の乗員の操作によりドライバーに代わって車両を停止させるドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)のガイドラインが策定されている(例えば、非特許文献1参照)。また、このガイドラインに沿って、各種のブレーキシステム等が提案されている。
ドライバー異常時対応システム(減速停止型)基本設計書、平成28年3月、国土交通省自動車局先進安全自動車推進検討会
既に提案されているブレーキシステムの多くは、EBS(Electronically controlled Brake System、電子制御ブレーキシステム)を搭載する新車への適用が想定されたものである。このため、既に使用されている使用過程車両(既存車両)等におけるドライバー異常時対応については、適用が遅れているのが実情である。そこで、既存車両にドライバー異常時対応システムを後付けした場合には、状態が同じである新車と異なり、状態がそれぞれ異なる既存車両においては後付けした車両に合わせた減速度での制動が求められている。また、新車であっても重量が変化したり、経年変化したりして車両の状態が変化することがあるため、車両に合わせた減速度での制動が求められている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両に合わせた減速度で制動するブレーキ制御装置及びブレーキ制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するブレーキ制御装置は、車両を制動するブレーキ機構を制御して前記車両を制動し停止させるブレーキ制御装置であって、前記ブレーキ機構が作動しているときの実ブレーキ力と前記実ブレーキ力で前記車両が制動されたときの前記車両の減速度との相関関係を取得する取得部と、前記相関関係に基づいて前記車両を所望の減速度で減速させて緊急停止させるための目標ブレーキ力を推定する推定部と、前記車両を緊急停止させる停止信号を受信した場合に、前記推定部が推定した前記目標ブレーキ力に基づいて前記ブレーキ機構を制御して前記車両を停止させる制御部とを備える。
上記構成によれば、ブレーキ制御装置の制御部は、停止信号を受信した場合、ブレーキ機構が作動したときの実ブレーキ力と車両の減速度との相関関係から推定される目標ブレーキ力に基づいてブレーキ機構を制御して車両を停止させる。このため、車両に合わせた減速度で制動することができる。
上記ブレーキ制御装置について、前記ブレーキ機構は、空気圧によって駆動する空気ブレーキであって、前記推定部は、前記目標ブレーキ力として前記空気ブレーキを作動させる目標ブレーキ圧力を推定することが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記制御部は、前記車両が停止するまで前記目標ブレーキ力を維持して前記ブレーキ機構を制御することが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記取得部は、前記車両の速度及び減速度の少なくとも一方が所定値以上であるときに前記相関関係を取得することが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記取得部は、大きさが異なる複数の実ブレーキ力と、前記複数の実ブレーキ力のそれぞれで前記車両が制動されたときの複数の前記車両の減速度との前記相関関係を取得することが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記取得部は、ドライバーのブレーキ操作によって前記ブレーキ機構が作動しているときに前記相関関係を取得することが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記取得部は、前記車両の走行状況を取得し、前記車両が所定の走行状況であるときの前記相関関係を取得し、前記推定部は、前記所定の走行状況に対応する前記目標ブレーキ力をそれぞれ推定し、前記制御部は、前記停止信号を受信したときの前記車両の走行状況が前記所定の走行状況である場合に、前記目標ブレーキ力に基づいて前記ブレーキ機構を制御することが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記取得部は、前記車両の走行状況を取得し、前記車両が所定の走行状況であるときの前記相関関係を取得し、前記制御部は、前記停止信号を受信したときの前記車両の走行状況が前記所定の走行状況である場合に、前記目標ブレーキ力を補正し、補正した目標ブレーキ力に基づいて前記ブレーキ機構を制御することが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記車両の走行状況は、前記車両が走行している路面の斜度、前記車両が走行しているときの天気、前記車両が走行しているときの温度、湿度、時期的条件の少なくとも一つであることが好ましい。
上記ブレーキ制御装置について、前記取得部が前記相関関係を取得していることを前記車両のドライバーに報知する報知部を備えることが好ましい。
上記課題を解決するブレーキ制御装置は、車両を制動するブレーキ機構を制御して前記車両を制動し停止させるブレーキ制御装置であって、空気圧によって駆動する空気ブレーキが作動しているときの実ブレーキ圧力と前記実ブレーキ圧力で前記車両が制動されたときの前記車両の減速度との相関関係を前記車両の速度が所定値以上であり且つ前記車両の減速度が所定値以上であるときに取得する取得部と、前記相関関係に基づいて前記車両を所望の減速度で減速させて緊急停止させるための目標ブレーキ圧力を推定する推定部と、前記車両を緊急停止させる停止信号を受信した場合に、前記車両が停止するまで前記推定部が推定した前記目標ブレーキ圧力に維持して前記空気ブレーキを制御して前記車両を停止させる制御部とを備える。
上記構成によれば、ブレーキ制御装置の制御部は、停止信号を受信した場合、空気ブレーキが作動したときの実ブレーキ圧力と車両の減速度との相関関係から推定される目標ブレーキ圧力に維持して空気ブレーキを制御して車両を停止させる。このため、車両に合わせた減速度で制動することができる。
上記課題を解決するブレーキ制御システムは、車両を制動するブレーキ機構を制御して前記車両を制動し停止させるブレーキ制御システムであって、車両のエアタンクに接続する第1ポート、ブレーキ操作が行われた場合に空気圧信号を出力するブレーキバルブに接続する第2ポート、前記空気圧信号に基づき電磁弁が制御されることで車輪に制動力を加えるブレーキ機構に接続する第3ポートを有し、前記第2ポートから前記第3ポートに空気を供給する第1連通状態と、前記第1ポートから前記第3ポートに空気を供給する第2連通状態とを切り替える空気圧回路を備え、前記ブレーキ機構が作動しているときの実ブレーキ圧力と前記実ブレーキ圧力で前記車両が制動されたときの前記車両の減速度との相関関係を取得する取得部と、前記相関関係に基づいて前記車両を所望の減速度で減速させて緊急停止させるための目標ブレーキ圧力を推定する推定部と、前記車両を緊急停止させる停止信号を受信した場合に、前記空気圧回路を前記第1連通状態から前記第2連通状態に切り替えて前記推定部が推定した前記目標ブレーキ圧力に基づいて前記空気圧回路の電磁弁を制御して前記車両を停止させる制御部とを備える。
上記構成によれば、ブレーキ制御システムの制御部は、停止信号を受信した場合、空気ブレーキが作動したときの実ブレーキ圧力と車両の減速度との相関関係から推定される目標ブレーキ圧力に基づいて空気ブレーキを制御して車両を停止させる。このため、車両に合わせた減速度で制動することができる。
本発明によれば、車両に合わせた減速度で制動することができる。
ブレーキ制御システムの第1実施形態において、空気圧ブレーキシステムの全体構成を示す概略図。 同実施形態のブレーキ制御システムの概略図。 同実施形態の空気圧回路であって、ブレーキバルブとブレーキ機構とを連通する第1連通状態の回路図。 同実施形態の空気圧回路であって、エアタンクとブレーキ機構とを連通する第2連通状態の回路図。 同実施形態のブレーキ制御システムの制御モードを示す図。 同実施形態のブレーキ制御システムの目標ブレーキ圧力推定処理を示すフローチャート。 同実施形態のブレーキ制御システムの実ブレーキ圧力と減速度との関係を示す図。 同実施形態のブレーキ制御応システムの異常時対応処理を示すフローチャート。 同実施形態のブレーキ制御システムの解除処理を示すフローチャート。 第2実施形態のブレーキ制御システムの目標ブレーキ圧力補正処理を示すフローチャート。 第3実施形態のブレーキ制御システムの目標ブレーキ圧力変更処理を示すフローチャート。
(第1実施形態)
以下、図1~図9を参照して、ブレーキ制御装置及びブレーキ制御システムの第1実施形態について説明する。なお、ブレーキ制御システムは、ドライバー異常時対応システムであって、バス等の車両に搭載された空気圧ブレーキシステムに後付けされている。ブレーキ制御装置は、既存の制御装置にドライバー異常時対応システムに係る制御プログラムが追加されることで後付けされる。
図1に示すように、車両10に搭載された空気圧ブレーキシステム11は、ブレーキ機構の命令系統を空気圧で制御するとともに空気圧駆動式のブレーキ機構を備えるフルエアブレーキのシステムである。空気圧ブレーキシステム11は、コンプレッサ(図示略)が生成した圧縮空気を貯留するエアタンク12を備えている。エアタンク12は、第1タンク12Aと、第2タンク12Bと、第3タンク12Cとを有している。例えば、第1タンク12Aは、車両10の前輪に制動力を加えるための圧縮空気を貯留するタンクである。第2タンク12Bは、後輪に制動力を加えるための圧縮空気を貯留するタンクである。また、第3タンク12Cは、その他の用途で用いられる圧縮空気を貯留するタンクである。第1タンク12A及び第2タンク12Bは、ブレーキバルブ13の前方圧力室13A及び後方圧力室13Bに接続されている。また、第1タンク12A及び第2タンク12Bは、プロテクションバルブ14Aを介してエアホーン装置14Bに接続されている。
また、ブレーキバルブ13は、空気配管18を介して、リレーバルブ15に接続されている。ブレーキバルブ13のブレーキペダル13Cがドライバーによって操作されると、ブレーキバルブ13からリレーバルブ15に空気圧信号が出力される。また、リレーバルブ15は図示しない空気配管によってエアタンク12に接続されている。リレーバルブ15がブレーキバルブ13から空気圧信号を受信すると、エアタンク12に貯留された多量の圧縮空気が、その空気配管を介してリレーバルブ15に供給される。リレーバルブ15に供給された多量の圧縮空気は、ABS(Anti-lock Brake System)コントロールバルブ16を介してブレーキチャンバー17に供給される。ブレーキチャンバー17は、空気が供給されることによって車輪に制動力を発生させる。ABSコントロールバルブ16及びブレーキチャンバー17は、空気圧駆動式のブレーキ機構を構成する。ブレーキペダル13Cへの操作がドライバーのブレーキ操作に相当する。
使用過程車両(既存車両)10の空気圧ブレーキシステム11に、ドライバーに異常が発生してドライバー又はドライバー以外の乗員の操作により車両10を緊急停止させるドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)を搭載する。ドライバー異常時対応システムでは、ブレーキバルブ13とリレーバルブ15とを接続する命令系統の空気配管18の途中に、圧力制御モジュール(PCM:Pressure Control Module)20を設ける。圧力制御モジュール20は、エアタンク12(第3タンク12C)に接続する第1ポートP1、ブレーキバルブ13に接続する第2ポートP2、リレーバルブ15を含むブレーキ機構に接続する第3ポートP3を有している。なお、圧力制御モジュール20は、ブレーキバルブ13とリレーバルブ15との間に設けられるので、空気圧駆動式以外のブレーキ機構を有する空気圧ブレーキシステム11にも取り付けが可能である。
図2を参照して、圧力制御モジュール20の空気圧回路について詳細に説明する。圧力制御モジュール20は、空気圧回路22及びサブECU(電子制御装置:Electronic Control Unit)32を備えている。圧力制御モジュール20は、メインECU31とともに、ドライバー異常時対応システム50を構成する。
メインECU31及びサブECU32は、演算部、通信インターフェース部、揮発性記憶部、不揮発性記憶部をそれぞれ備えている。演算部は、コンピュータプロセッサであって、不揮発性記憶部(記憶媒体)に記憶された制御プログラムにしたがって、空気圧ブレーキシステム11を制御する。演算部は、自身が実行する処理の少なくとも一部を、ASIC等の回路(circuitry)により実現してもよい。制御プログラムは、一つのコンピュータプロセッサによって実行されてもよいし、複数のコンピュータプロセッサによって実行されてもよい。また、メインECU31及びサブECU32は、CAN(Controller Area Network)33等の車載ネットワークに接続され、互いに各種情報を送受信する。
メインECU31は、操作スイッチ51がオン操作された場合に操作スイッチ51から送信されて車両10を緊急停止させる停止信号を受信する。メインECU31は、解除スイッチ52がオン操作された場合に解除スイッチ52から送信される解除信号を受信する。操作スイッチ51及び解除スイッチ52は、ドライバーの操作が想定されたスイッチであって、運転席近傍に設けられている。操作スイッチ51がオン操作された場合には、ドライバー異常時対応システム50が作動する。解除スイッチ52は、ドライバー異常時対応システム50が誤って作動された場合に、その動作を停止するためのスイッチである。メインECU31は、操作スイッチ51がオン操作された場合に、空気圧ブレーキシステム11を制御して本制動を行う。本制動とは、車両10を緩制動よりも絶対値が大きい減速度で減速させ、最終的に停止させるための制動である。緩制動とは、減速度の絶対値が比較的小さい制動、又はブレーキのかかる時間が短い制動であって、直後に解除スイッチ52の操作が行われた場合に通常の走行に戻ることを可能とする制動である。
また、メインECU31は、客席操作スイッチ53がオン操作された場合に、それらから送信され、車両10を緊急停止させる停止信号を受信する。客席操作スイッチ53は、ドライバー以外の乗員の操作が想定されたスイッチである。客席操作スイッチ53は、運転席以外の位置であって、ドライバー以外の乗員であっても操作可能な位置に設けられている。メインECU31は、客席操作スイッチ53がオン操作された場合に、空気圧ブレーキシステム11を制御して緩制動を行う。
メインECU31は、空気圧ブレーキシステム11がドライバーのブレーキ操作によって制御されたときの実ブレーキ圧力と実ブレーキ圧力で車両10が制動されたときの車両10の減速度との相関関係を取得する取得部31Aを備える。メインECU31は、実ブレーキ圧力と減速度との相関関係に基づいて車両10を所望の減速度で減速させて緊急停止させるための目標ブレーキ圧力を推定する推定部31Bを備える。メインECU31は、停止信号を受信した場合に、推定部31Bが推定した目標ブレーキ圧力に基づいて空気圧ブレーキシステム11を制御して車両10を停止させる制御部31Cを備える。取得部31Aは、CAN33を介して速度センサ55から速度情報を取得するとともに、CAN33及びサブECU32を介して第2圧力センサ39から実ブレーキ圧力を取得する。取得部31Aは、速度から得られる減速度とそのときの実ブレーキ圧力とを記憶部31Dに記憶し、実ブレーキ圧力と減速度との相関関係を取得する。推定部31Bは、推定した目標ブレーキ圧力を記憶部31Dに記憶する。なお、記憶部31Dには、推定が完了するまでの間に使用する初期設定の目標ブレーキ圧力が記憶されている。
メインECU31は、ドライバー異常時対応システム50が作動を開始する場合に、車両10の現在の走行速度から得られる減速度を目標値である目標減速度に近づけるように、推定部31Bで推定した空気圧ブレーキシステム11の目標ブレーキ圧力をサブECU32に指示する。この目標減速度は、メインECU31の記憶部31Dに記憶されたデータを更新することによって変更することができる。例えば、車両10が乗合バスである場合には、車内で立つ乗客が存在することが想定されるため、目標減速度の絶対値を小さくする。また、車両10が、乗客全員が着座する高速バスである場合には、乗合バスに比べ、目標減速度の絶対値を大きくしてもよい。また、車両10の重量や車長に応じて、目標減速度を変更することも可能である。
さらに、メインECU31は、ドライバー異常時対応システム50が作動した場合に、車室内装置56及び車室外装置57に指示信号を出力する。車室内装置56は、例えばアクセルペダルの操作を不能にするアクセルインターロック機構である。メインECU31は、異常が発生した場合にはアクセルインターロック機構を作動させる。他にも、車室内装置56として、車室内に設けられた報知ブザー、車室内に設けられた報知ランプ等を設けてもよい。例えば、メインECU31は、異常が発生した場合には、報知ブザーから音を出力させ、報知ランプを点灯又は点滅させる。車室外装置57は、例えば、エアホーン装置14B、ハザードランプ、ブレーキランプ等である。例えば、メインECU31は、異常が発生した場合には、プロテクションバルブ14A等を駆動して、エアホーン装置14Bに空気を供給して警告音を発生させるとともに、ハザードランプ及びブレーキランプを点灯又は点滅させる。
サブECU32は、圧力制御モジュール20内に収容され、圧力制御モジュール20の各種バルブを制御する。圧力制御モジュール20は、エアタンク12に接続する第1供給路23を有している。第1供給路23は、前方の車輪に設けられたブレーキチャンバー17にリレーバルブ15を介して接続する前方空気供給路37と、後方の車輪に設けられたブレーキチャンバー17に接続する後方空気供給路38とに接続されている。
第1供給路23の途中には、リレーバルブ25が接続されている。リレーバルブ25は、排出口25Aを有し、排出口25Aは、サイレンサを有する排出部58に接続されている。また、リレーバルブ25は、パイロットポート25Bを有する。パイロットポート25Bは、第1供給路23から分岐する分岐路26に接続されている。分岐路26からパイロットポート25Bに印加される空気圧が大気圧等の所定圧の場合には、付勢ばね等の付勢力により、第1供給路23が遮断された排気状態となる。リレーバルブ25が排気状態となると、エアタンク12から前方空気供給路37及び後方空気供給路38への空気の流れが遮断される。また、リレーバルブ25が排気状態となると、第1供給路23のうちリレーバルブ25の下流側と排出部58とが連通されて、第1供給路23のうちリレーバルブ25の下流側の圧縮空気が排出され、大気圧等の所定圧になる。
一方、分岐路26からパイロットポート25Bに印加される空気圧が大気圧等の所定圧よりも大きい駆動圧力に達している場合には、リレーバルブ25は、付勢ばね等の付勢力に抗して、第1供給路23を連通する供給状態となる。リレーバルブ25が供給状態となると、エアタンク12から前方空気供給路37及び後方空気供給路38へ空気が供給される。リレーバルブ25が供給状態となると、第1供給路23と前方空気供給路37及び後方空気供給路38とが連通される。また、リレーバルブ25は、出口側(二次側)の圧力が過度に高くなると、第1供給路23の連通状態を遮断して排気状態となる。
分岐路26は、一方の端部が第1供給路23に接続され、他方の端部が排出部58に接続されている。この分岐路26の途中には、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28が設けられている。吸気用バルブ27及び排気用バルブ28は電磁弁であり、サブECU32によって駆動される。吸気用バルブ27は、分岐路26のうち排気用バルブ28よりも上流寄り(エアタンク12寄り)に設けられている。吸気用バルブ27は、サブECU32から配線27Aを介しての電源の入り切り(駆動/非駆動)で動作が切り換わる。吸気用バルブ27は、電源が切られた非駆動の状態で分岐路26を閉じる閉位置となる。また、吸気用バルブ27は、電源が入れられた駆動の状態で分岐路26を開く開位置となる。
排気用バルブ28は、サブECU32から配線28Aを介しての電源の入り切り(駆動/非駆動)で動作が切り換わる電磁弁である。排気用バルブ28は、電源が切られた非駆動の状態で分岐路26を連通する開位置となる。また、排気用バルブ28は、電源が入れられた駆動の状態で分岐路26を閉塞する閉位置となる。つまり、排気用バルブ28は、吸気用バルブ27が非駆動の状態で閉位置になると吸気用バルブ27よりも下流及び信号供給路29を大気開放する。また、排気用バルブ28は、駆動状態で分岐路26のうち吸気用バルブ27の上流側及び第1供給路23のうちリレーバルブ25の上流側を大気圧とする。
また、分岐路26のうち、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28の途中には、リレーバルブ25に空気圧信号を供給する信号供給路29と、第1圧力センサ35とが接続されている。第1圧力センサ35は、分岐路26のうち吸気用バルブ27及び排気用バルブ28の間の圧力を検知して、サブECU32に出力する。
また、第1供給路23は、第3供給路30に接続されている。第3供給路30は、1対のダブルチェックバルブ36に接続されている。一方のダブルチェックバルブ36Aは、第3供給路30と、ブレーキバルブ13の前方圧力室13Aに接続する前方信号供給路24Aと、前方の車輪に制動力を発生させるための前方空気供給路37とに接続されている。このダブルチェックバルブ36Aは、第3供給路30及び前方信号供給路24Aのうち圧力が高い方からの圧縮空気の供給を許容し、低い方からの圧縮空気の供給を遮断する。前方空気供給路37には、第2圧力センサ39が接続されている。第2圧力センサ39は、検知した圧力をサブECU32に出力する。
他方のダブルチェックバルブ36Bは、第3供給路30と、ブレーキバルブ13の後方圧力室13Bに接続する後方信号供給路24Bと、後方の車輪に制動力を加える後方空気供給路38とに接続されている。このダブルチェックバルブ36Bは、第3供給路30及び後方信号供給路24Bのうち圧力が高い方からの圧縮空気の供給を許容し、低い方からの圧縮空気の供給を遮断する。
次に図3及び図4を参照して、圧力制御モジュール20の動作について説明する。図3は、操作スイッチ51及び客席操作スイッチ53がオン操作されていない場合の空気圧回路22を示す。
図3に示すように、操作スイッチ51及び客席操作スイッチ53がオン操作されていない場合、サブECU32は、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を非駆動とする。この場合、吸気用バルブ27は閉位置となり、排気用バルブ28は開位置となる。これにより、分岐路26のうち、吸気用バルブ27よりも下流は、排気用バルブ28が開位置となることにより大気圧等の所定圧となる。このため、パイロットポート25Bに加わる空気圧も所定圧となることから、リレーバルブ25が排気状態になる。リレーバルブ25が排気状態となると、第3供給路30及び第1供給路23のうちリレーバルブ25よりも下流の圧縮空気が排出部58から排出され、第3供給路30が所定圧となる。さらにブレーキペダル13Cに対し踏み込み操作等がなされると、前方信号供給路24A及び後方信号供給路24Bに空気圧信号が供給される。これにより、第3供給路30よりも前方信号供給路24A及び後方信号供給路24Bの圧力が高くなるため、ダブルチェックバルブ36A,36Bは、第3供給路30から前方空気供給路37及び後方空気供給路38への空気の流れをそれぞれ遮断する。そして、前方信号供給路24A及び後方信号供給路24Bから前方空気供給路37及び後方空気供給路38に空気圧信号を供給する。その結果、リレーバルブ15に空気圧信号が供給されることによって、エアタンク12からリレーバルブ15に多量の圧縮空気が供給される。リレーバルブ15がブレーキチャンバー17に圧縮空気を供給すると、車輪に制動力が加わる。なお、前方信号供給路24A及び後方信号供給路24Bを含む空気圧回路がブレーキ制御回路に対応する。
図4は、操作スイッチ51及び客席操作スイッチ53の少なくとも一方がオン操作された場合の空気圧回路22を示す。操作スイッチ51及び客席操作スイッチ53の少なくとも一方がオン操作された場合、サブECU32は、メインECU31から送信された圧力指示を受信する。サブECU32は、圧力指示に基づいて、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を駆動する。これにより、吸気用バルブ27は開位置、排気用バルブ28は閉位置となる。エアタンク12の圧縮空気は、第1供給路23を介して、吸気用バルブ27と排気用バルブ28の間の分岐路26に供給される。吸気用バルブ27と排気用バルブ28の間の分岐路26の圧力が駆動圧力に到達すると、この圧力がパイロットポート25Bを介してリレーバルブ25に加わることにより、リレーバルブ25は供給状態になる。これにより、第1供給路23、リレーバルブ25を介して第3供給路30に圧縮空気が供給される。
第3供給路30に圧縮空気が供給されると、第3供給路30の圧力が、前方信号供給路24A及び後方信号供給路24Bよりも高くなる。このため、ダブルチェックバルブ36は、第3供給路30から、前方空気供給路37及び後方空気供給路38への空気の流れを許容し、前方信号供給路24A及び後方信号供給路24Bから前方空気供給路37及び後方空気供給路38への空気の流れを遮断する。なお、吸気用バルブ27、排気用バルブ28、及びリレーバルブ25を接続する流路(第1供給路23、分岐路26等)、第3供給路30を含む空気圧回路が、異常時ブレーキ制御回路に対応する。
このように、ブレーキバルブ13とリレーバルブ15との間に圧力制御モジュール20を設けることにより、操作スイッチ51及び客席操作スイッチ53がオン操作された場合には、空気圧駆動式の命令系統が、ブレーキバルブ13を介する系統から、エアタンク12から直接的に空気が供給される系統に切り替わる。このため、ブレーキバルブ13からの空気圧信号を受信しなくても、ブレーキチャンバー17を動作させてブレーキ力を発生させることができる。
また、サブECU32は、第1圧力センサ35及び第2圧力センサ39から所定のタイミングで検知圧力を取得する。例えば、サブECU32は、リレーバルブ25を供給状態に維持する場合には、第1圧力センサ35が検知した圧力が所定範囲となるように、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を駆動又は非駆動にする。また、メインECU31が、車両10を緩やかに停止させるため段階的に圧力を上昇させるようにサブECU32に対して圧力指示を送信する場合には、サブECU32は、第2圧力センサ39が検知した圧力が第1圧力閾値に到達したか否かを判断する。サブECU32が、検知圧力が第1圧力閾値に到達していないと判断した場合には、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を駆動してリレーバルブ25を供給状態に維持する。一方、サブECU32は、第2圧力センサ39が検知した圧力が第1圧力閾値に到達した場合には、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を非駆動にしてリレーバルブ25を遮断状態とする。そして、メインECU31からの次の圧力指示を待機する。
次に、図5~図7を参照して、メインECU31が行う異常時対応のための目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力推定処理の手順について説明する。
既存車両10の空気圧ブレーキシステム11にドライバー異常時対応システム50として圧力制御モジュール20を取り付けた場合には、取り付けた車両10に応じたブレーキ制御を行うようにする必要がある。すなわち、既存車両10では、車両10の重さやタイヤのグリップ性能、ブレーキ機構の経年劣化に合わせて、所望の減速度が得られるようにブレーキ圧力を調整する必要がある。なお、目標ブレーキ圧力には初期設定の値が設定されている。
図5に示すように、メインECU31は、圧力制御モジュール20を制御するための異常時対応アプリケーションを有している。異常時対応アプリケーションは、異常時対応を行う「通常モード」と、目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力を調整する「調整モード」とを備えている。通常モードでは、初期設定の目標ブレーキ圧力又は調整モードで推定された目標ブレーキ圧力を異常時に減速を行うための目標ブレーキ圧力として出力する。調整モードでは、通常モードによる異常時の目標ブレーキ圧力の出力を行いつつ、記憶部31Dに記憶している目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力を調整する。メインECU31は、複数のスイッチが同時に操作される等の規定の操作が行われると異常時対応アプリケーションを通常モードから調整モードに移行する。メインECU31は、調整モードに移行すると、調整モードであることを報知するためにドライバー異常時対応システム50の故障用LED等を点滅させる。調整処理を報知する故障用LED等が報知部に相当する。メインECU31は、調整モード中に複数のスイッチが同時に操作される等の規定の操作が行われると、異常時対応アプリケーションを調整モードから通常モードに移行する。
調整モードでは、車両10が走行状態、停止状態等の状態を管理する「状態管理」と、調整処理を行う「処理」とを行う。これにより、各状態における減速度の調整を行うことができる。調整モードでは、入力データとして車両10の速度と、車両10の減速度と、実ブレーキ圧力とが同時に入力される。メインECU31は、速度センサ55から得られる車両10の速度によって車両10が走行状態であるか停止状態であるかを判断することができる。また、調整モードでは、出力データとして調整モードにおける状態、実ブレーキ圧力と減速度との相関関係を出力する。
次に、図6及び図7を参照して、目標ブレーキ圧力を推定する目標ブレーキ圧力推定処理を説明する。メインECU31は、取得した実ブレーキ圧力と減速度との相関関係から目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力を推定する。
図6に示すように、メインECU31は、データを収集する(ステップS11)。すなわち、取得部31Aは、ドライバーがブレーキペダル13Cに対し踏み込み操作を行ったときにおける空気圧ブレーキシステム11の実ブレーキ圧力と実ブレーキ圧力で車両10が制動されたときの減速度とのデータを取得する。実ブレーキ圧力は、第2圧力センサ39が検知した圧力であってサブECU32から取得した圧力である。減速度は、速度センサ55が検知した速度から減速度を演算して取得する。取得部31Aは、調整モードである間に車両10が減速する度にそのときの実ブレーキ圧力と減速度との取得を繰り返す。
取得部31Aは、データを収集するときには、車両10の速度が所定速度以上、且つ減速度が所定減速度以上であるデータのみ収集する。所定減速度は、あまりに低い減速度では相関関係に乖離が発生して推定精度が低下するため、低い減速度を除外するための値である。
図7は、収集した実ブレーキ圧力と減速度とのデータを横軸が実ブレーキ圧力で縦軸が減速度であるグラフにプロットした図である。通常のブレーキ操作では、急減速はほとんど行われないため、減速度が-1.0m/s付近に多くデータがプロットされる。このため、メインECU31は、収集したデータから直線である近似線を算出して、近似線の傾きと切片とから目標減速度に対応する目標ブレーキ圧力を推定する。例えば、メインECU31は、これらのデータから異常対応時に急減速を伴う本制動を行う際の減速度である-2.45m/sでの目標ブレーキ圧力を推定する。図7では、-2.45m/sでの目標ブレーキ圧力を★(星印)で示している。また、メインECU31は、異なる目標減速度で制動させるときには、近似線の傾きと切片とから当該目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力を推定する。
続いて、図6に示すように、メインECU31は、収集したデータ数が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS12)。すなわち、取得部31Aは、データ数が少ないと近似線が得られないため、データ数が所定数以上であるか否かを判定する。なお、データの所定数は、近似線を得るために少なくとも3以上が望ましい。そして、取得部31Aは、収集したデータ数が所定数未満であると判定した場合には(ステップS12:NO)、ステップS11に移行して、データの収集を継続する。
一方、取得部31Aは、収集したデータ数が所定数以上であると判定した場合には(ステップS12:YES)、分散値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS13)。すなわち、取得部31Aは、取得したデータが偏っていると正確な近似線が得られず、推定精度が低下するため、分散値が所定値以上であるか否かを判定する。そして、取得部31Aは、分散値が所定値未満であると判定した場合には(ステップS13:NO)、ステップS11に移行して、データの収集を継続する。
一方、メインECU31は、分散値が所定値以上であると判定した場合には(ステップS13:YES)、目標ブレーキ圧力を推定する(ステップS14)。すなわち、推定部31Bは、収集したデータから直線である近似線を算出して、近似線の傾きと切片とから本制動を行う際の目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力を推定する。なお、推定部31Bは、各減速度を達成するための目標ブレーキ圧力も推定可能である。
続いて、メインECU31は、相関係数が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、取得部31Aは、得られた近似線と収取したデータの分散との相関係数を算出して判定する。メインECU31は、相関係数が所定値未満であると判定した場合には(ステップS15:NO)、得られた目標ブレーキ圧力の精度が低いと判定して、ステップS11に移行して、データの収集を継続する。
一方、メインECU31は、相関係数が所定値以上であると判定した場合には(ステップS15:YES)、目標ブレーキ圧力推定処理を完了する。すなわち、取得部31Aは、近似線の傾きと切片とを出力データとして出力する。推定部31Bは、推定した目標ブレーキ圧力を新たな目標ブレーキ圧力として記憶部31Dに記憶する。
次に、図8及び図9を参照して、メインECU31が行う異常時対応の処理の手順について説明する。図8に示す処理は、空気系統を制御する処理であって、操作スイッチ51又は客席操作スイッチ53が操作され、メインECU31がそれらのスイッチから送信された停止信号を受信することを契機に開始されるものとする。また、メインECU31は、所定のタイミングで速度センサ55から車両情報を取得していることを前提とする。
図8に示すように、メインECU31は、停止信号を受信すると、客席操作スイッチ53が操作されたか否かを判定する(ステップS21)。すなわち、メインECU31は、受信した停止信号が、操作スイッチ51からの信号であるか又は客席操作スイッチ53からの信号であるかを判定する。そして、メインECU31は、操作スイッチ51が操作されたと判定すると(ステップS21:NO)、ステップS24に移行する。
一方、メインECU31は、客席操作スイッチ53が操作されたと判定すると(ステップS21:YES)、緩制動に必要な目標ブレーキ圧力をサブECU32に指示する(ステップS22)。メインECU31は、自身の記憶部31Dに記憶された緩制動のための目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力をサブECU32に送信する。サブECU32は、目標ブレーキ圧力の指示に基づき、上述したように吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を駆動する(図4参照)。
メインECU31は、サブECU32に目標ブレーキ圧力を送信した時点、車両10が減速を開始した時点又はサブECU32から所定の応答信号を受信した時点から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS23)。この所定時間は、ドライバーが正常な状態であるにもかかわらず、客席操作スイッチ53が誤操作された場合に、ドライバーが解除スイッチ52を操作するために要する時間である。メインECU31は、所定時間が経過していない場合(ステップS23:NO)、目標ブレーキ圧力をサブECU32に指示しながら緩制動を継続する(ステップS22)。
一方、メインECU31は、所定時間が経過したと判定すると(ステップS23:YES)、本制動に必要な圧力をサブECU32に指示する(ステップS24)。メインECU31は、自身の記憶部31Dに記憶された本制動のための目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力をサブECU32に送信する。制御部31Cは、車両10が停止するまで目標ブレーキ圧力を維持する。サブECU32は、メインECU31からの目標ブレーキ圧力の指示に基づき、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を駆動する(図4参照)。
メインECU31は、本制動を実行すると、異常時対応が終了したか否かを判定する(ステップS25)。異常時対応は、車両10が停止しパーキングブレーキが作動した場合等に終了したと判定してもよいし、イグニッションスイッチがオフされた場合に終了したと判定してもよいし、その他のタイミングで終了したと判定してもよい。メインECU31は、異常時対応が終了していないと判定すると(ステップS25:NO)、目標ブレーキ圧力をサブECU32に指示しながら本制動を継続する(ステップS24)。メインECU31は、異常時対応が終了したと判定すると(ステップS25:YES)、異常時対応の処理を終了する。
また、メインECU31は、空気系統の異常時対応とは別に、本制動を実行開始するタイミング等の所定のタイミングで、車室内装置56及び車室外装置57を作動させる。これにより、車両10の乗員に異常が発生したことを報知するとともに、車両10の周辺を走行する他車両にも注意喚起を促すことができる。
次に、図9にしたがって、解除スイッチ52が操作された場合の解除処理の手順について説明する。図9に示す処理は、操作スイッチ51又は客席操作スイッチ53が操作され、メインECU31がその停止信号を受信することを契機に開始されるものとする。
図9に示すように、メインECU31は、解除スイッチ52が操作されたか否かを判定する(ステップS31)。すなわち、メインECU31は、解除スイッチ52から操作信号を受信したか否かを判定する。そして、メインECU31は、解除スイッチ52から操作信号を受信していないと判定すると(ステップS31:NO)、ステップS33に移行する。
一方、メインECU31は、解除スイッチ52から操作信号を受信したと判定すると(ステップS31:YES)、サブECU32に制動の解除指示を送信する(ステップS32)。解除指示を受信したサブECU32は、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28を非駆動として、エアタンク12からブレーキチャンバー17側への空気の供給を遮断する。
続いて、メインECU31は、異常時対応が終了したか否かを判定する(ステップS33)。メインECU31は、異常時対応が終了していないと判定すると(ステップS33:NO)、ステップS31に移行する。一方、メインECU31は、異常時対応が終了したと判定すると(ステップS33:YES)、解除処理を終了する。
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1)空気圧ブレーキシステム11が作動したときの実ブレーキ力と車両10の減速度との相関関係から目標ブレーキ圧力を予め推定しておき、停止信号を受信した場合に推定した目標ブレーキ圧力に基づいて空気圧ブレーキシステム11を制御して車両10を停止させる。このため、車両10に合わせた減速度で制動することができる。
既存車両10にドライバー異常時対応システム50を後付けした場合には、状態が同じである新車と異なり、状態がそれぞれ異なる既存車両10においては後付けした車両10に応じたブレーキ制御を行うことが求められる。その点、空気圧ブレーキシステム11がドライバーのブレーキ操作によって制御されたときの実ブレーキ圧力と減速度との相関関係を取得部31Aが取得して、推定部31Bが目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力を推定して、制御部31Cが推定した目標ブレーキ圧力にて空気圧ブレーキシステム11を制御して車両10を停止させる。また新車であっても重量が変化したり、経年変化したりして車両の状態が変化することがあるが、推定部31Bが目標減速度を達成するための目標ブレーキ圧力を推定することで車両に合わせた減速度で制動することが可能である。このため、どのような車両10であっても車両10に合わせた減速度で制動することが可能であり、ドライバー異常時対応システム50を後付けすることができる。
(2)空気圧ブレーキシステム11を作動させる目標ブレーキ圧力を推定することで空気ブレーキであっても車両10に合わせた減速度で制動することができる。
(3)車両10が停止するまで目標ブレーキ圧力を維持することで緊急時に確実に車両10を停止させることができる。
(4)車両10の速度が所定速度以上、且つ減速度が所定減速度以上であるデータのみ収集する。このため、空気圧ブレーキシステム11のブレーキ圧力によって車両10が減速しているときの相関関係を取得することができるので、所望の減速度に応じた目標ブレーキ圧力をより正確に推定することができる。
(5)実ブレーキ圧力と車両10の減速度との複数の相関関係を取得することで、所望の減速度に応じた目標ブレーキ圧力をより正確に推定することができる。
(6)登り坂や路面状態等の外的要因によって車両が減速しているときではなく、ドライバーのブレーキ操作によって空気圧ブレーキシステム11の実ブレーキ圧力によって車両10が制動されて減速しているときに相関関係を取得するので、所望の減速度に応じた目標ブレーキ圧力をより正確に推定することができる。
(7)ブレーキ圧力と車両10の減速度との相関関係を取得して目標ブレーキ圧力を推定する調整処理を行っていることを、ドライバー異常時対応システム50の故障用LED等を点滅させてドライバーに報知することで、ドライバーが適切にブレーキペダル13Cの操作を行うよう心掛けることができる。
(第2実施形態)
以下、図10を参照して、ドライバー異常時対応システムの第2実施形態について説明する。この実施形態のドライバー異常時対応システムは、走行状況に応じて目標ブレーキ圧力を補正する点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
車両10が減速するときには、走行状況によって同じブレーキ圧力であっても車両10の減速度が異なるため、同じ減速度を得るには走行状況に応じてブレーキ圧力を補正することが望ましい。車両10の走行状況は、車両10が走行している路面の斜度、車両10が走行しているときの天気、車両10が走行しているときの温度の少なくとも一つである。メインECU31は、晴れで平坦である走行状況が初期設定されている。
図2に示すように、取得部31Aは、加速度センサ61から得られる車両10の傾斜によって走行路面の斜度(平坦、登坂、下り坂)を判断することができる。取得部31Aは、温度センサ62から得られる温度によって路面凍結を判断することができる。また、取得部31Aは、温度センサ62から得られる温度によってタイヤのグリップ性能の変化を判断することができる。取得部31Aは、ワイパー駆動装置63から得られるワイパー状態によって雨が降っているか否か、更に雨の強さを判断することができる。
取得部31Aは、車両10の走行状況を取得し、車両10が所定の走行状況であるときの相関関係を取得する。推定部31Bは、初期設定の走行状況に対する目標ブレーキ圧力の補正値を予め推定する。制御部31Cは、取得した走行状況に対応するように目標ブレーキ圧力を補正して、補正した目標ブレーキ圧力に基づいて空気圧ブレーキシステム11を制御する。例えば、走行状況が登坂では、平坦の走行時に対して減速が大きくなるので目標ブレーキ圧力が減少するように例えば初期設定に対して80%に補正する。走行状況が下り坂では、平坦の走行時に対して減速が小さくなるので目標ブレーキ圧力が増加するように例えば初期設定に対して130%に補正する。走行状況が雨、路面凍結では、晴れや路面が凍結していない走行時に対して減速が小さくなるので目標ブレーキ圧力が増加するように例えば初期設定に対して120%に補正する。
図10に示すように、メインECU31は、晴れで平坦である走行状況が初期設定されている。メインECU31は、車両10が走行を開始すると、走行状況を取得する(ステップS41)。すなわち、メインECU31は、各センサ等からの情報から走行状況を取得する。メインECU31は、走行状況として、走行路面が平坦、下り坂、登坂、天気が雨、路面が凍結等を取得可能である。
続いて、メインECU31は、走行状況が変化したか否かを判定する(ステップS42)。すなわち、メインECU31は、初期設定されている走行状況と取得した走行状況とが一致していれば変化なしと判定して(ステップS42:NO)、ステップS41に移行して、晴れで平坦である走行状況において初期設定されている目標ブレーキ圧力にて空気圧ブレーキシステム11を制御する。なお、メインECU31は、例えば走行路面の斜度が所定値未満であれば平坦であると判定し、且つワイパー駆動装置63が駆動していなければ晴れと判定し、初期設定されている走行状況と取得した走行状況が一致していると判定する。なお、走行路面の斜度や、温度、ワイパー駆動装置63の駆動速度等は、幅を持たせて走行状況をメインECU31が判定してもよい。
一方、メインECU31は、晴れで平坦である走行状況において初期設定されている走行状況と取得した走行状況とが一致していなければ変化ありと判定して(ステップS42:YES)、目標ブレーキ圧力を補正する(ステップS43)。すなわち、取得した走行状況に対応する目標ブレーキ圧力に補正する。そして、制御部31Cは、補正された目標ブレーキ圧力にて空気圧ブレーキシステム11を制御する。
次に、第2実施形態の効果について説明する。なお、第1実施形態の(1)~(7)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(8)車両10の走行状況に対応する目標ブレーキ圧力に補正して、補正した目標ブレーキ圧力に基づいて空気圧ブレーキシステム11を制御することができる。このため、車両10の走行状況が変化して目標ブレーキ圧力が変化しても車両10に合わせた減速度で制動することができる。
(9)車両10が走行している路面の斜度、車両が走行しているときの天気、車両が走行しているときの温度の少なくとも一つによって、走行状況を取得することができ、目標ブレーキ圧力が変化するこれらの走行状況においても車両10に合わせた減速度で制動することができる。
(第3実施形態)
以下、図11を参照して、ブレーキ制御装置及びブレーキ制御システムの第3実施形態について説明する。この実施形態のドライバー異常時対応システムは、走行状況に応じて目標ブレーキ圧力を変更する点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
車両10が減速するときには、走行状況によって同じブレーキ圧力であっても車両10の減速度が異なるため、同じ減速度を得るには走行状況に応じてブレーキ圧力を変更することが望ましい。走行状況は、車両10が走行している路面の斜度、車両10が走行しているときの天気、車両10が走行しているときの温度の少なくとも一つである。メインECU31は、晴れで平坦である走行状況が初期設定されている。そこで、取得部31Aは、車両10の走行状況を取得し、車両10が所定の走行状況であるときの相関関係を取得する。推定部31Bは、各走行状況に対する目標ブレーキ圧力をそれぞれ予め推定する。制御部31Cは、取得した走行状況に対応する目標ブレーキ圧力に変更して、変更した目標ブレーキ圧力に基づいて空気圧ブレーキシステム11を制御する。例えば、走行状況が登坂では、平坦の走行時に対して減速が大きくなるので晴れで平坦であるときの目標ブレーキ圧力よりも減少した目標ブレーキ圧力に変更する。走行状況が下り坂では、平坦の走行時に対して減速が小さくなるので晴れで平坦であるときの目標ブレーキ圧力よりも増加した目標ブレーキ圧力に変更する。走行状況が雨、路面凍結では、晴れや路面が凍結していない走行時に対して減速が小さくなるので晴れで平坦であるときの目標ブレーキ圧力よりも増加した目標ブレーキ圧力に変更する。
図2に示すように、取得部31Aは、加速度センサ61から得られる車両10の傾斜によって走行路面の斜度(平坦、登坂、下り坂)を判断することができる。取得部31Aは、温度センサ62から得られる温度によって路面凍結を判断することができる。取得部31Aは、ワイパー駆動装置63から得られるワイパーが作動しているかによって雨が降っているか否か、更にワイパーの作動速度によって雨の強さを判断することができる。
図11に示すように、メインECU31は、晴れで平坦である走行状況が初期設定されている。メインECU31は、車両10が走行を開始すると、走行状況を取得する(ステップS51)。すなわち、メインECU31は、各センサ等からの情報から走行状況を取得する。メインECU31は、走行状況として、走行路面が平坦、下り坂、登坂、天気が雨、路面が凍結等を取得可能である。
続いて、メインECU31は、走行状況が変化したか否かを判定する(ステップS52)。すなわち、メインECU31は、初期設定されている走行状況と取得した走行状況とが一致していれば変化なしと判定して(ステップS52:NO)、ステップS51に移行して、晴れで平坦である走行状況において初期設定されている目標ブレーキ圧力にて空気圧ブレーキシステム11を制御する。なお、メインECU31は、例えば走行路面の斜度が所定値未満であれば平坦であると判定し、且つワイパー駆動装置63が駆動していなければ晴れと判定し、初期設定されている走行状況と取得した走行状況が一致していると判定する。
一方、メインECU31は、初期設定されている晴れで平坦である走行状況と取得した走行状況とが一致していなければ変化ありと判定して(ステップS52:YES)、目標ブレーキ圧力を変更する(ステップS53)。すなわち、取得した走行状況に対応する目標ブレーキ圧力に変更する。そして、制御部31Cは、変更された目標ブレーキ圧力にて空気圧ブレーキシステム11を制御する。
次に、第3実施形態の効果について説明する。なお、第1実施形態の(1)~(7)及び第2実施形態の(9)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(10)車両10の走行状況に対応する目標ブレーキ圧力を予め推定しておき、停止信号を受信した場合に推定した目標ブレーキ圧力に基づいて空気圧ブレーキシステム11を制御して車両を停止させる。このため、車両10の走行状況が変化して目標ブレーキ圧力が変化しても車両10に合わせた減速度で制動することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態では、目標ブレーキ圧力推定処理を行うときに、ドライバー異常時対応システム50の故障用LED等を点滅させて目標ブレーキ圧力の調整処理を行っていることを報知したが、報知を省略してもよい。
・上記各実施形態では、ワイパー駆動装置63の動作によって雨であるか否かを判断した。しかしながら、ワイパー駆動装置63に代えて若しくは加えて、水滴を検知する水滴センサ、路面の状態を検知する路面センサ、車両外部の様子を撮影するカメラの少なくとも1つによって雨であるか否かを判断してもよい。
・上記各実施形態では、ステップS11において、ドライバーがブレーキペダル13Cに対し踏み込み操作を行ったときに実ブレーキ圧力と減速度とのデータを取得した。しかしながら、ドライバーのブレーキ操作によらず制御装置によって制動が行われて車両10が減速しているときに実ブレーキ圧力と減速度とのデータを取得してもよい。
・上記各実施形態では、ステップS11において、車両10の減速度が所定減速度以上であるときに実ブレーキ圧力と減速度とのデータを取得した。しかしながら、車両10の減速度が所定減速度以上であるときに限らず実ブレーキ圧力と減速度とのデータを取得してもよい。
・上記各実施形態では、ステップS11において、車両10の速度が所定速度以上であるときに実ブレーキ圧力と減速度とのデータを取得した。しかしながら、車両10の速度が所定速度以上であるときに限らず実ブレーキ圧力と減速度とのデータを取得してもよい。
・上記各実施形態では、ステップS13において、分散値が所定値以上であるか否かを判定したが、ステップS13の判定を省略して、ステップS15における相関係数が所定値以上であるか否かの判定のみでもよい。
・上記各実施形態では、実ブレーキ圧力と減速度とのグラフに取得したデータをプロットして近似線を求めた。しかしながら、取得したデータから近似線を示す演算式を求めて各減速度における目標ブレーキ圧力を演算によって求めてもよい。
・上各記実施形態では、エアタンク12を3つのタンクに分けたが、1つのタンクでもよく、2つ又は4つ以上のタンクであってもよい。また、エアタンク12と空気圧機器との接続関係は適宜変更可能である。例えば圧力制御モジュール20の第1ポートP1は、第3タンク12C以外のタンクに接続されてもよい。
・上記各実施形態において、メインECU31は、操作スイッチ51、解除スイッチ52、客席操作スイッチ53から、CAN33等の車載ネットワークを介してオン信号などを受信してもよい。
・上記各実施形態において、車載ネットワークは、CAN33以外に、FlexRay(登録商標)、Ethernet(登録商標)等のネットワークを用いてもよい。
・上記各実施形態では、メインECU31は、速度センサ55から速度情報を取得したが、これに代えて若しくは加えて、加速度センサから加速度情報を取得してもよい。
・上記各実施形態では、ドライバー異常時対応システム50は、メインECU31及びサブECU32を備えるようにした。これに代えて若しくは加えて、メインECU31及びサブECU32を、第1制御部の機能と第2制御部の機能とを有する1つのECU又はその他の制御回路から構成してもよい。又は、これらの機能を3つ以上のECU又はその他の制御回路に分散させて構成してもよい。
・上記各実施形態において、ドライバー異常時対応システム50は、当該システムの機能をオン/オフできる主スイッチ(図示略)を備えていてもよい。主スイッチに対して所定の操作を行うこと、又は主スイッチを所定の制御装置等により制御することで、例えば操作スイッチ51、解除スイッチ52及び客席操作スイッチ53の操作を無効にすることができる。
・上記各実施形態では、空気圧回路22は、吸気用バルブ27及び排気用バルブ28によって空気圧駆動式のリレーバルブ25を駆動した。これに代えて、第1供給路23に電磁弁を設け、この電磁弁により、第1供給路23を開閉してもよい。
・上記各実施形態では、空気圧回路22は、空気圧によって空気の供給方向を切り替えるダブルチェックバルブ36を備えた。ダブルチェックバルブ36に代えて、サブECU32によって駆動及び非駆動とされる電磁弁を設けてもよい。操作スイッチ51又は客席操作スイッチ53がオン操作されると、サブECU32は、その電磁弁を駆動(又は非駆動)して、空気の供給方向を切り替える。
・上記各実施形態では、操作スイッチ51及び客席操作スイッチ53のオン操作により異常時対応を実行した。これに代えて若しくは加えて、ドライバーの疲労状態又は健康状態を検知する生体検知装置を用いてもよい。生体検知装置は、ドライバーの顔や頭部の位置、姿勢、瞼、視線等の目の状態、脈拍数、心拍数、体温等、1又は複数のパラメータを用いてドライバーの運転状態を検知する。この態様においては、生体検知装置がドライバーの異常を検知した場合に停止信号を送信する。或いは、車両に搭載されたECUが、車速、アクセルペダルやブレーキペダルの操作の有無等の車両状態と道路情報とを比較して、運転の異常を検知した場合には停止信号を送信してもよい。
・上記第2,3実施形態では、車両10の走行状況を車両10の走行路面の斜度、温度、ワイパー駆動装置63の駆動量によって判定したが、湿度を加味して車両10の走行状況を判定してもよい。例えば、湿度が所定値より高い(例えば50%以上)場合、雨が降った後、又は雨が降っている可能性が高いと判定し、通常時より制動距離が延びて、それに対応した目標ブレーキ圧力の推定が必要となる。天気と湿度の両方を使って、天候を正確に把握してもよい。また、季節や時刻等の時期的条件を加味して車両10の走行状況を判定してもよい。
・上記各実施形態では、速度センサ55から車両10の速度情報を取得したが、速度センサに限らず、車軸回転センサ、GPS、Gセンサ、画像センサ等から車両10の速度情報を取得してもよい。
・上記各実施形態では、ブレーキ制御装置は、ブレーキの命令系統を空気圧回路とする使用過程車両10に後付けされるものとして説明したが、EBSを搭載した車両に後付けされてもよい。また、後付けではなく、ドライバー異常時対応システムが予め搭載された車両でもよい。
・上記各実施形態では、ドライバー異常時対応システムは、バス等の車両10に搭載されるものとして説明した。車両は、バスの他、トラック、建機等でもよい。また、これ以外の態様として、ドライバー異常時対応システムは、乗用車、鉄道車両等、他の車両に搭載されてもよい。
・上記各実施形態では、フルエアブレーキの車両10に、ドライバー異常時対応システムを適用した。これに限らず、ドライバー異常時対応システムは、その他の形式のブレーキシステムを有する車両にも適用可能である。圧力制御モジュールをエアオーバーハイドロリック式のブレーキ機構を有する車両に適用することができる。このブレーキ機構は、圧力制御モジュールを、ABSコントロールバルブを介して複数のブレーキブースターに接続する。ブレーキブースターは、前輪用、後方左側の車輪用、後方右側の車輪用のブースターであり、空気圧を利用して液圧回路の液圧を高めることによって車輪に制動力を発生させる。また、圧力制御モジュールを前輪用のブレーキブースターと、後輪用のブレーキブースターと、液圧回路に設けられたABSコントロールバルブとを備えたブレーキ機構に適用してもよい。
・上記各実施形態では、空気圧回路でブレーキ機構を制御する車両に適用した。しかしながら、油圧回路でブレーキ機構を制御する新車又は使用過程車両においてもドライバーの異常は発生し得るため、同様な課題が存在する。このため、上記各実施形態の圧力制御モジュール20を、ブレーキ機構への命令系統を油圧で行う車両に適用してもよい。油圧回路においても圧力制御モジュール20は上記実施形態と同様に作動する。この態様において、制御対象となるブレーキ機構は、ブレーキチャンバー以外の機構でもよい。なお、油圧回路及び空気圧回路は、流体の圧力によって駆動する回路としての一例である。
・上記各実施形態では、空気圧回路でブレーキ機構を制御する車両に適用した。しかしながら、電動のブレーキ機構を制御する車両に適用してもよい。すなわち、電動のブレーキ機構のブレーキトルクと車両の減速度との相関関係を取得して、相関関係に基づいて所望の減速度を実現するための目標ブレーキトルクを予め推定してもよい。
10…車両
11…空気圧ブレーキシステム
12…エアタンク
13…ブレーキバルブ
13A…前方圧力室
13B…後方圧力室
13C…ブレーキペダル
14A…プロテクションバルブ
14B…エアホーン装置
15…リレーバルブ
16…ABSコントロールバルブ
17…ブレーキチャンバー
18…空気配管
20…圧力制御モジュール
21…ケース
21A…ポート接続部
21D…突出部
22…空気圧回路
23…第1供給路
24A…前方信号供給路
24B…後方信号供給路
25…リレーバルブ
25A…排出口
25B…パイロットポート
26…分岐路
27…吸気用バルブ
27A…配線
28…排気用バルブ
28A…配線
29…信号供給路
30…第3供給路
31…メインECU
31A…取得部
31B…推定部
31C…制御部
31D…記憶部
32…サブECU
33…CAN
35…第1圧力センサ
36,36A,36B…ダブルチェックバルブ
37…前方空気供給路
38…前方空気供給路
39…第2圧力センサ
50…ドライバー異常時対応システム
51…操作スイッチ
52…解除スイッチ
53…客席操作スイッチ
55…速度センサ
56…車室内装置
57…車室外装置
58…排出部
61…加速度センサ
62…温度センサ
63…ワイパー駆動装置
P1…第1ポート
P2…第2ポート
P3…第3ポート

Claims (12)

  1. 車両を制動するブレーキ機構を制御して前記車両を制動し停止させるブレーキ制御装置であって、
    前記ブレーキ機構が作動しているときの実ブレーキ力と前記実ブレーキ力で前記車両が制動されたときの前記車両の減速度との相関関係を取得する取得部と、
    前記相関関係に基づいて前記車両を所望の減速度で減速させて緊急停止させるための目標ブレーキ力を推定する推定部と、
    前記車両を緊急停止させる停止信号を受信した場合に、前記推定部が推定した前記目標ブレーキ力に基づいて前記ブレーキ機構を制御して前記車両を停止させる制御部とを備える
    ブレーキ制御装置。
  2. 前記ブレーキ機構は、空気圧によって駆動する空気ブレーキであって、
    前記推定部は、前記目標ブレーキ力として前記空気ブレーキを作動させる目標ブレーキ圧力を推定する
    請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記制御部は、前記車両が停止するまで前記目標ブレーキ力を維持して前記ブレーキ機構を制御する
    請求項1又は2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記取得部は、前記車両の速度及び減速度の少なくとも一方が所定値以上であるときに前記相関関係を取得する
    請求項1~3のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  5. 前記取得部は、大きさが異なる複数の実ブレーキ力と、前記複数の実ブレーキ力のそれぞれで前記車両が制動されたときの複数の前記車両の減速度との前記相関関係を取得する
    請求項1~4のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  6. 前記取得部は、ドライバーのブレーキ操作によって前記ブレーキ機構が作動しているときに前記相関関係を取得する
    請求項1~5のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  7. 前記取得部は、前記車両の走行状況を取得し、前記車両が所定の走行状況であるときの前記相関関係を取得し、
    前記推定部は、前記所定の走行状況に対応する前記目標ブレーキ力をそれぞれ推定し、
    前記制御部は、前記停止信号を受信したときの前記車両の走行状況が前記所定の走行状況である場合に、前記目標ブレーキ力に基づいて前記ブレーキ機構を制御する
    請求項1~6のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  8. 前記取得部は、前記車両の走行状況を取得し、前記車両が所定の走行状況であるときの前記相関関係を取得し、
    前記制御部は、前記停止信号を受信したときの前記車両の走行状況が前記所定の走行状況である場合に、前記目標ブレーキ力を補正し、補正した目標ブレーキ力に基づいて前記ブレーキ機構を制御する
    請求項1~6のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  9. 前記車両の走行状況は、前記車両が走行している路面の斜度、前記車両が走行しているときの天気、前記車両が走行しているときの温度、湿度、時期的条件の少なくとも一つである
    請求項7又は8に記載のブレーキ制御装置。
  10. 前記取得部が前記相関関係を取得していることを前記車両のドライバーに報知する報知部を備える
    請求項1~9のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  11. 車両を制動するブレーキ機構を制御して前記車両を制動し停止させるブレーキ制御装置であって、
    空気圧によって駆動する空気ブレーキが作動しているときの実ブレーキ圧力と前記実ブレーキ圧力で前記車両が制動されたときの前記車両の減速度との相関関係を前記車両の速度が所定値以上であり且つ前記車両の減速度が所定値以上であるときに取得する取得部と、
    前記相関関係に基づいて前記車両を所望の減速度で減速させて緊急停止させるための目標ブレーキ圧力を推定する推定部と、
    前記車両を緊急停止させる停止信号を受信した場合に、前記車両が停止するまで前記推定部が推定した前記目標ブレーキ圧力に維持して前記空気ブレーキを制御して前記車両を停止させる制御部とを備える
    ブレーキ制御装置。
  12. 車両を制動するブレーキ機構を制御して前記車両を制動し停止させるブレーキ制御システムであって、
    車両のエアタンクに接続する第1ポート、ブレーキ操作が行われた場合に空気圧信号を出力するブレーキバルブに接続する第2ポート、前記空気圧信号に基づき電磁弁が制御されることで車輪に制動力を加えるブレーキ機構に接続する第3ポートを有し、前記第2ポートから前記第3ポートに空気を供給する第1連通状態と、前記第1ポートから前記第3ポートに空気を供給する第2連通状態とを切り替える空気圧回路を備え、
    前記ブレーキ機構が作動しているときの実ブレーキ圧力と前記実ブレーキ圧力で前記車両が制動されたときの前記車両の減速度との相関関係を取得する取得部と、
    前記相関関係に基づいて前記車両を所望の減速度で減速させて緊急停止させるための目標ブレーキ圧力を推定する推定部と、
    前記車両を緊急停止させる停止信号を受信した場合に、前記空気圧回路を前記第1連通状態から前記第2連通状態に切り替えて前記推定部が推定した前記目標ブレーキ圧力に基づいて前記空気圧回路の電磁弁を制御して前記車両を停止させる制御部とを備える
    ブレーキ制御システム。
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