JP7362465B2 - 駆動制御装置、駆動システム、および駆動制御方法 - Google Patents

駆動制御装置、駆動システム、および駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、駆動制御装置、駆動システム、および駆動制御方法に関する。
従来、電気-機械エネルギ変換素子と弾性体とを接合してなる振動体に被駆動体を加圧接触させ、電気-機械エネルギ変換素子に駆動信号を印加して振動体に振動を励起することで、振動体と被駆動体とを相対的に移動させる振動型アクチュエータが知られている。特許文献1には、振動型アクチュエータに印加する駆動信号を制御することによって、起動時および停止時の音の発生を抑制する駆動装置が開示されている。
特開2012-23917号公報
しかしながら、特許文献1には、起動時および停止時の駆動信号の制御については開示されているが、低電力かつ高トルクで振動型アクチュエータを駆動させるための駆動信号の制御については開示されていない。
本発明は、低電力かつ高トルクで振動型アクチュエータを駆動可能な駆動制御装置、駆動システム、および駆動制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての駆動制御装置は、複数の電気-機械エネルギ変換素子を備える振動型アクチュエータの駆動を制御する駆動制御装置であって、波形が同一で位相が異なる複数の駆動信号を生成すると共に、複数の駆動信号をそれぞれ、複数の電気-機械エネルギ変換素子の異なる素子に印加する制御部を有し、制御部は、位相に応じて波形を変更し、第1位相に応じた第1波形の形状は、第1位相より大きい第2位相に応じた第2波形の形状に比べて矩形波形状に近い形状であることを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての駆動制御装置は、複数の電気-機械エネルギ変換素子を備える振動型アクチュエータの駆動を制御する駆動制御装置であって、波形が同一で位相が異なる複数の駆動信号を生成すると共に、複数の駆動信号をそれぞれ、複数の電気-機械エネルギ変換素子の異なる素子に印加する制御部を有し、制御部は、位相に応じて波形を変更し、複数の駆動信号は、絶対値が等しい正の値および負の値を含み、かつ正の値のパルス幅と負の値のパルス幅とが等しいパルス信号を用いて生成され、第1位相に応じた第1波形の駆動信号の基となる第1パルス信号の一周期に対する正および負の値のパルス幅の和の割合は、第1位相より大きい第2位相に応じた第2波形の駆動信号の基となる第2パルス信号の一周期に対する正および負の値のパルス幅の和の割合より小さいことを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての駆動制御方法は、複数の電気-機械エネルギ変換素子を備える振動型アクチュエータの駆動を制御する駆動制御方法であって、波形が同一で位相が異なる複数の駆動信号を生成する生成ステップと、複数の駆動信号をそれぞれ、複数の電気-機械エネルギ変換素子の異なる素子に印加する印加ステップとを有し、生成ステップでは、位相に応じて波形を変更し、第1位相に応じた第1波形の形状は、第1位相より大きい第2位相に応じた第2波形の形状に比べて矩形波形状に近い形状であることを特徴とする。
本発明によれば、低電力かつ高トルクで振動型アクチュエータを駆動可能な駆動制御装置、駆動システム、および駆動制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る駆動システムの構成図である。 振動型アクチュエータの基本的な動作の流れを示すフローチャートである。 振動型アクチュエータの機構部の概略図である。 圧電素子に印加される駆動信号の一例を示す図である。 弾性体の変形状態の一形態を示す模式図である。 弾性体の変形状態の一形態を示す模式図である。 弾性体の変形状態の一形態を示す模式図である。 弾性体の変形状態の一形態を示す模式図である。 弾性体の突起部先端の移動軌跡の一例を示す図である。 圧電素子に印加される駆動信号の他の例を示す図である。 弾性体の突起部先端の移動軌跡の他の例を示す図である。 圧電素子に印加される駆動信号の他の例を示す図である。 駆動信号生成印加部が実行する図2のステップS03およびステップS04の処理の詳細を示すフローチャートである。 第1および第2のパルス信号を示す図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る駆動システム(駆動装置)1の構成図である。駆動システム1は、振動型アクチュエータ2、および振動型アクチュエータ2の駆動を制御する駆動制御装置3を有する。振動型アクチュエータ2は、第1の圧電素子310および第2の圧電素子320を備える。第1および第2の圧電素子310,320は、電圧を加えることで変位が生じる電気-機械エネルギ変換素子である。駆動制御装置3は、位置指令部100、位置検出部200、および駆動信号生成印加部(制御部)400を備える。位置指令部100は、不図示の可動部の移動すべき目標位置や目標速度を指示する。位置検出部200は、可動部の現在位置を取得する。駆動信号生成印加部400は、位置指令部100からの指示、および位置検出部200から取得した可動部の現在位置を用いて、可動部が目標位置に目標速度で到達するために必要な駆動信号(電圧)を生成する。また、駆動信号生成印加部400は、生成した駆動信号を第1および第2の圧電素子310,320に印加する。なお、本実施形態では、駆動信号を電圧としているが、本発明はこれに限定されない。また、本実施形態では、2つの電気-機械エネルギ変換素子を用いているが、電気-機械エネルギ変換素子の数はこれに限定されない。
図2は、振動型アクチュエータ2の基本的な動作の流れを示すフローチャートである。ステップS01では、駆動信号生成印加部400は、位置指令部100から目標位置や目標速度を取得する。ステップS02では、駆動信号生成印加部400は、位置検出部200により検出された可動部の現在位置を取得する。ステップS03(生成ステップ)では、駆動信号生成印加部400は、位置指令部100から取得した目標位置や目標速度、および位置検出部200から取得した可動部の現在位置を用いて、駆動信号を生成する。ステップS04(印加ステップ)では、駆動信号生成印加部400は、ステップS03で生成した駆動信号を第1および第2の圧電素子310,320に印加する。これにより、可動部を移動させるための振動型アクチュエータの移動部が移動する。
以下、図3を参照して、振動型アクチュエータ2の機構部の概略について説明する。図3は、振動型アクチュエータ2の機構部の概略図である。第1および第2の圧電素子310,320はそれぞれ、接合面311,321で弾性体500に接合されている。第1および第2の圧電素子310,320と弾性体500との接合は、不図示の接着剤を用いた接着等で行われる。
弾性体500に設けられた接続部511,512はそれぞれ、保持部700の凸部711,712に接着等により固定されている。これにより、弾性体500は、保持部700に対して固定されている。また、保持部700は、不図示の固定部に固定されている。本実施形態では、第1の圧電素子310、第2の圧電素子320、弾性体500、および保持部700は、固定部に対して固定されているため、振動型アクチュエータの移動部が移動する場合も移動しない。
加圧ばね800は、第1端が保持部700に、第2端が第1および第2の圧電素子310,320の少なくとも一方に接触し、Y方向へばね力(加圧力)を発生させる圧縮ばねである。加圧ばね800の加圧力によって、弾性体500は保持部700に対して図中下方に加圧される。なお、本実施形態では、弾性体500は圧縮ばねで加圧されるが、本発明はこれに限定されない。
弾性体500は、加圧ばね800に加圧された場合に、弾性体500の直下に配置された摩擦部材(被駆動体)600に加圧接触する突起部先端521,522を有する。摩擦部材600は、可動部に対して固定されている。駆動信号生成印加部400が弾性体500の共振周波数の周期付近の周期を有する駆動信号を第1および第2の圧電素子310,320に印加すると、弾性体500が共振し、突起部先端521,522には矢印Aで示される楕円運動が生じる。突起部先端521,522の楕円運動が突起部先端521,522に加圧接触している摩擦部材600に摩擦力によって伝搬し、摩擦部材600はX方向へ並進運動を行う。弾性体500は固定部に対して固定されており、摩擦部材600は可動部に対して固定されているため、上記動作によって可動部は固定部に対してX方向へ並進運動を行う。なお、本実施形態では、弾性体500を固定部に、摩擦部材600を可動部に固定し、摩擦部材600が移動するが、弾性体500を可動部に、摩擦部材600を固定部に対して固定し、弾性体500を移動させてもよい。
以下、図4を参照して、突起部先端521,522に生じる楕円運動の詳細について説明する。図4(a),(b)はそれぞれ、第1および第2の圧電素子310,320に印加される駆動信号の一例を示す図である。図4において、横軸は時間、縦軸は電圧(信号値)を表している。駆動信号(周期矩形波)900,901はともに振幅がVa、周期がTaの矩形波形状の信号であり、それぞれが第1および第2の圧電素子310,320に印加される。第2の圧電素子320に印加される駆動信号901は、第1の圧電素子310に印加される駆動信号900に対して位相がθだけずれている。
本実施形態では、第1および第2の圧電素子310,320はともに、正の電圧が印加されると、接合面311,321に平行な平面方向へ伸長し、接合面311,321に直交する厚み方向へ収縮する。第1および第2の圧電素子310,320はともに、負の電圧が印加されると、接合面311,321に平行な平面方向へ収縮し、接合面311,321に直交する厚み方向へ伸長する。
図5から図8は、第1および第2の圧電素子310,320にそれぞれ、駆動信号900,901が印加された場合の第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500の変形状態を示している。図5(a),図6(a),図7(a),図8(a)は、図3のB-B線断面図である。図5(b),図6(b),図7(b),図8(b)は、図3と同じ方向から見た場合の第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500を示している。
矢印531a,531b,531c,531dは、突起部先端521の動きを示している。矢印532a,532b,532c,532dは、突起部先端522の動きを示している。点で示される位置は、第1および第2の圧電素子310,320に電圧が印加されておらず、弾性体500に変形が生じていない場合の突起部先端521,522の位置である。矢印先端の位置は、第1および第2の圧電素子310,320に電圧が印加され、弾性体500に変形が生じた場合の突起部先端521,522の位置である。
図5は、図4の時刻0から時刻θまでの区間Cにおける第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500の変形状態を示している。区間Cにおいて、第1および第2の圧電素子310,320にはそれぞれ、正および負の電圧が印加されている。そのため、接合面311,321と平行な平面方向において、第1の圧電素子310は伸長し、第2の圧電素子320は収縮する。このとき、弾性体500は元の大きさを保っているため、曲げ変形が生じ、第1の圧電素子310の非接合面312は凸に、第2の圧電素子320の非接合面322は凹になる。また、突起部先端521,522はそれぞれ、矢印531a,532aに示されるように、図5の右方向へ移動する。
図6は、図4の時刻θから時刻Ta/2までの区間Dにおける第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500の変形状態を示している。区間Dにおいて、第1および第2の圧電素子310,320にはともに、正の電圧が印加されている。そのため、接合面311,321と平行な平面方向において、第1および第2の圧電素子310,320はともに伸長する。このとき、弾性体500は元の大きさを保っているため、曲げ変形が生じ、非接合面312,322はともに凸になる。また、突起部先端521,522はそれぞれ、矢印531b,532bに示されるように、図6の上方向へ移動する。
図7は、図4の時刻Ta/2から時刻Ta/2+θまでの区間Eにおける第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500の変形状態を示している。区間Eにおいて、第1および第2の圧電素子310,320にはそれぞれ、負および正の電圧が印加されている。そのため、接合面311,321と平行な平面方向において、第1の圧電素子310は収縮し、第2の圧電素子320は伸長する。このとき、弾性体500は元の大きさを保っているため、曲げ変形が生じ、非接合面312は凹に、非接合面322は凸になる。また、突起部先端521,522はそれぞれ、矢印531c,532cに示されるように、図7の左方向へ移動する。
図8は、図4の時刻Ta/2+θから時刻Taまでの区間Fにおける第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500の変形状態を示している。区間Fにおいて、第1および第2の圧電素子310,320にはともに、負の電圧が印加されている。そのため、接合面311,321と平行な平面方向において、第1および第2の圧電素子310,320はともに収縮する。このとき、弾性体500は元の大きさを保っているため、曲げ変形が生じ、非接合面312,322はともに凹になる。また、突起部先端521,522はそれぞれ、矢印531d,532dに示されるように、図8の下方向へ移動する。
図4の時間Taから時間Ta+θまでの区間Gにおける第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500の変形状態は、区間Cにおける第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500の変形状態と同じである。
このように、第1および第2の圧電素子310,320にそれぞれ、駆動信号900,901が印加されると、第1および第2の圧電素子310,320、並びに弾性体500は図5から図8の動きを繰り返す。
図9は、突起部先端521,522の移動軌跡の一例を示す図である。横軸および縦軸はそれぞれ、図3のX方向およびY方向における各突起部先端の位置を示している。第1および第2の圧電素子310,320にそれぞれ、駆動信号900,901が印加された場合、突起部先端521,522は長方形で示される移動軌跡540に沿って移動する。突起部先端521,522は、区間C,D,E,Fで点550a,550b,550c,550dの位置に移動し、この移動を繰り返す。
点550aから点550bを経由し、点550cに至るまでは、突起部先端521,522は摩擦部材600から離れる方向へ移動するため、摩擦部材600は移動しない。点550cから点550dを経由し、点550aに至るまでは、突起部先端521,522は摩擦部材600に対して突き上げる方向へ移動するため、摩擦部材600は点550cから点550aまでのX方向の変位だけ移動する。第1および第2の圧電素子310,320に周期的な駆動信号を印加し、突起部先端521,522の移動を繰り返すことで、摩擦部材600を連続的に移動させることが可能である。
ここで、摩擦部材600の一周期当たりの移動距離を表す、各突起部先端の点550aから点550cまでのX方向の変位を送り振幅560と呼ぶ。また、摩擦部材600の移動距離に関わらない、各突起部先端の摩擦部材600に対する離間、又は突き上げを生じさせるY方向の変位を突き上げ振幅570と呼ぶ。
送り振幅560が等しい場合、周期Taが短いほど摩擦部材600の移動速度は速くなる。また、周期Taが同じ場合、送り振幅560が大きいほど摩擦部材600の移動速度は速くなる。突き上げ振幅570は摩擦部材600の移動に関与しないため、突き上げ振幅570が大きいほど電力損失が大きくなる。
図10(a),(b)はそれぞれ、第1および第2の圧電素子310,320に印加される駆動信号の他の例を示す図である。図10において、横軸は時間、縦軸は電圧を表している。駆動信号910,911はともに振幅がVa、周期がTaであり、それぞれが第1および第2の圧電素子310,320に印加される。第2の圧電素子320に印加される駆動信号911は、第1の圧電素子310に印加される駆動信号910に対して波形が同一であるが、位相がθだけずれている。なお、「波形が同一」には、厳密に同一である場合だけでなく、様々なノイズなどにより同一ではないが実質的に同一(略同一)とみなされる場合も含まれている。
時刻t1において、第1および第2の圧電素子310,320にはそれぞれ、正および負の電圧が印加され、印加電圧の差分が最大となる。このとき、突起部先端521,522は、図5に示されるように最も右方向へ移動する。時刻t2において、第1および第2の圧電素子310,320にはともに、正の電圧が印加され、印加電圧の絶対値の和が最大となる。このとき、突起部先端521,522は、図6に示されるように最も上方向へ移動する。時刻t3において、第1および第2の圧電素子310,320にはそれぞれ、負および正の電圧が印加され、印加電圧の差分が最大となる。このとき、突起部先端521,522は、図7に示されるように最も左方向へ移動する。時刻t4において、第1および第2の圧電素子310,320にはともに、負の電圧が印加され、印加電圧の絶対値の和が最大となる。このとき、突起部先端521,522は、図8に示されるように最も下方向へ移動する。
位相θがTa/2に近づくと、時刻t1,t3における印加電圧の差分が大きくなり、時刻t2,t4における印加電圧の絶対値の和は小さくなる。そのため、送り振幅は大きくなり、突き上げ振幅は小さくなる。位相θがTa/2になると、送り振幅は第1および第2の圧電素子310,320に駆動信号900,901が印加された場合の送り振幅560と一致し、突き上げ振幅は0となる。
一方、位相θが0に近づくと、時刻t1,t3における印加電圧の差分が小さくなり、時刻t2,t4における印加電圧の絶対値の和は大きくなる。そのため、送り振幅は小さくなり、突き上げ振幅は大きくなる。位相θが0になると、送り振幅は0となり、突き上げ振幅は第1および第2の圧電素子310,320に駆動信号900,901が印加された場合の突き上げ振幅570と一致する。
図9において、楕円541は、第1および第2の圧電素子310,320に位相θがTa/2に近い駆動信号910,911が印加された場合の突起部先端521,522の移動軌跡を表している。点551a,551b,551c,551dはそれぞれ、時刻t1,t2,t3,t4での突起部先端521,522の位置を示している。また、楕円542は、第1および第2の圧電素子310,320に位相θが0に近い駆動信号910,911が印加された場合の突起部先端521,522の移動軌跡を表している。点552a,552b,552c,552dはそれぞれ、時刻t1,t2,t3,t4での突起部先端521,522の位置を示している。位相θがTa/2に近い駆動信号910,911が印加された場合の各突起部先端の送り振幅561は大きく、突き上げ振幅571は小さい。一方、位相θが0に近い駆動信号910,911が印加された場合の各突起部先端の送り振幅562は小さく、突き上げ振幅572は大きい。このように、位相θを変化させることで送り振幅の大きさを変化させることができるため、摩擦部材600の移動量や速度を変化させることができる。
また、第1および第2の圧電素子310,320にはそれぞれ、図10(a),(b)において破線で示される振幅がVa、周期がTaである駆動信号920,921が印加されてもよい。第2の圧電素子320に印加される駆動信号921は、第1の圧電素子310に印加される駆動信号920に対して位相がθだけずれている。駆動信号920,921は、駆動信号910,911と比較して、信号値(電圧)が0付近の信号の立ち上がりの上昇率(信号値がゼロとなる点における接線の傾き)が大きい。また、信号値がVa付近(ピーク付近)の信号の立ち上がりの上昇率(信号値が最大値の近傍値となる点における接線の傾き)が小さい。すなわち、駆動信号920,921の波形(第1波形)の形状はそれぞれ、駆動信号910,911の波形(第2波形)の形状と比較して、図10において二点鎖線で示される駆動信号900,901の波形形状(矩形波形状)に近い。
図11は、突起部先端521,522の移動軌跡の他の例を示す図である。図11(a)において、楕円543は第1および第2の圧電素子310,320に位相θがTa/2に近い駆動信号920,921が印加された場合の突起部先端521,522の移動軌跡を表している。図11(b)において、楕円544は第1および第2の圧電素子310,320に位相θが0に近い駆動信号920,921が印加された場合の突起部先端521,522の移動軌跡を表している。また、図11(a),(b)において、実線で示される楕円541,542は、図9の楕円541,542と同一のものを表している。
前述したように、駆動信号920,921の波形の形状はそれぞれ、駆動信号910,911と比較して駆動信号900,901の波形形状に近い。そのため、突起部先端521,522の移動軌跡も駆動信号910,911が印加された場合の移動軌跡に比べて、駆動信号900,901が印加された場合の移動軌跡に近くなる。
また、前述したように、駆動信号920,921では、駆動信号910,911と比較して、信号値が0付近の信号立ち上がりの上昇率が大きく、信号値がVa付近の信号の立ち上がりの上昇率が小さい。そのため、時刻t1,t3における印加電圧の差分や時刻t2,t4における印加電圧の絶対値の和が大きくなる。このことからも駆動信号920,921が印加された場合の突起部先端521,522の移動軌跡が、駆動信号900,901が印加された場合の移動軌跡に近くなることを説明できる。
図11(a)において、駆動信号920,921が印加された場合の各突起部先端の送り振幅563は、位相θがTa/2に近い駆動信号910,911が印加された場合の各突起部先端の送り振幅561と略同一である。一方、駆動信号920,921が印加された場合の各突起部先端の突き上げ振幅573は、位相θがTa/2に近い駆動信号910,911が印加された場合の各突起部先端の突き上げ振幅571よりも大きい。
位相θがTa/2に近い場合、送り振幅560,561の差分は小さいが、突き上げ振幅570,571の差分は大きい。そのため、駆動信号920,921を駆動信号900,901に近づけても送り振幅563が大きくなる余地はほとんどないが、突き上げ振幅573が大きくなる余地はある。
具体的には、位相θがTa/2に近づくと、時刻t1は電圧がVaとなるタイミングに近づく。しかしながら、電圧がVaとなるタイミング付近の電圧は駆動信号910,911,920,921でほとんど変わらないので、時刻t1における印加電圧の差分もほとんど変わらない。したがって、送り振幅562はほとんど変わらない。一方、時刻t2は電圧が0となるタイミングに近づくため、信号の立ち上がりの上昇率の変化によって、時刻t2付近での電圧が大きく変化する。したがって、時刻t2における印加電圧の絶対値の和は大きく変化し、突き上げ振幅572も大きく変化する。
図11(b)において、駆動信号920,921が印加された場合の各突起部先端の送り振幅564は、位相θが0に近い駆動信号910,911が印加された場合の各突起部先端の送り振幅562よりも大きい。一方、駆動信号920,921が印加された場合の各突起部先端の突き上げ振幅574は、位相θが0に近い駆動信号910,911が印加された場合の各突起部先端の突き上げ振幅572と略同一である。
位相θが0に近い場合、送り振幅560,562の差分は大きいが、突き上げ振幅570,572の差分は小さい。そのため、駆動信号920,921を駆動信号900,901に近づけても送り振幅564が大きくなる余地はあるが、突き上げ振幅574が大きくなる余地はほとんどない。
具体的には、位相θが0に近づくと、時刻t1は電圧が0となるタイミングに近づくため、信号の立ち上がりの上昇率の変化によって、時刻t1付近での電圧が大きく変化する。したがって、時刻t1における印加電圧の差分は大きく変化し、送り振幅564も大きく変化する。一方、時刻t2は電圧がVaとなるタイミングに近づくが、電圧がVaとなるタイミング付近の電圧は駆動信号910,911,920,921でほとんど変わらないので、時刻t2における印加電圧の絶対値の和もほとんど変わらない。したがって、突き上げ振幅574はほとんど変わらない。
突き上げ振幅573,574は、摩擦部材600のX方向への移動に影響しない。そのため、送り振幅563,564に対する突き上げ振幅573、574の比が大きくなると、動作に寄与しない無駄な電力が増える。また、突起部先端521,522が摩擦部材600から離間する時間が長くなるため、出力トルクが低下し、駆動特性が悪化する。
以上説明したように、位相θがTa/2に近い場合に信号値が0付近の信号の立ち上がりの上昇率が大きい駆動信号920,921を印加すると、送り振幅563がほとんど増えないが、突き上げ振幅573が大きく増えてしまう。そのため、消費電力が増加すると共に、出力トルクが低下し、駆動特性が悪化する。したがって、位相θがTa/2に近い場合、信号値が0付近の信号の立ち上がりの上昇率が小さく、駆動信号900,901から離れた波形形状を有する駆動信号910、911を印加することが望ましい。
一方、位相θが0に近い場合に信号値が0付近の信号の立ち上がりの上昇率が大きい駆動信号920,921を印加すると、送り振幅564が大きく増加するが、突き上げ振幅574はほとんど増えない。そのため、駆動効率が上がり、消費電力が低下する。また、出力トルクが高くなり、駆動特性が向上する。したがって、位相θが0に近い場合、信号値が0付近の信号の立ち上がりの上昇率が大きく、駆動信号900,901に近い波形形状を有する駆動信号920,921を印加することが望ましい。
図12は、第1および第2の圧電素子310,320に印加される駆動信号の他の例を示す図である。図12において、横軸は時間、縦軸は電圧を表している。第1および第2の圧電素子310,320にはそれぞれ、振幅がVb、周期がTbである駆動信号930、および駆動信号930に対して位相がθだけずれている駆動信号が印加されてもよい。駆動信号910,930を比較する場合、振幅Va,Vb、および周期Ta,Tbが等しくなるように正規化した信号を用いることが好ましい。
以下、図13を参照して、動信号生成印加部400による駆動信号の生成の詳細について説明する。図13は、駆動信号生成印加部400が実行する図2のステップS03およびステップS04の処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS05では、駆動信号生成印加部400は、位置指令部100から取得した目標位置や目標速度、および位置検出部200から取得した可動部の現在位置を用いて、振動型アクチュエータ2が出力することが必要な速度を算出する。
ステップS06では、駆動信号生成印加部400は、ステップS05で算出した速度を出力するための位相θを算出する。本実施形態では、位相θを変化させることで送り振幅を変化させ、振動型アクチュエータ2の速度を変化させることができる。そのため、駆動信号生成印加部400は、必要とする速度を出力するための位相θを算出可能である。
ステップS07では、駆動信号生成印加部400は、ステップS06で算出した位相θが閾値θtより大きいかどうかを判断する。位相θが閾値θtより大きい場合、ステップS08に進み、位相θが閾値θtより小さい場合、ステップS09に進む。位相θが閾値θtと等しい場合、どちらのステップに進みかは任意に設定可能である。
ステップS08では、駆動信号生成印加部400は、駆動信号910の基となる第1のパルス信号940を生成する。
ステップS09では、駆動信号生成印加部400は、駆動信号930の基となる第2のパルス信号950を生成する。
図14(a),(b)はそれぞれ、第1および第2のパルス信号940,950を示す図である。図14(a),(b)において、横軸は時間、縦軸は電圧を表している。第1および第2のパルス信号940,950はともに、振幅がVcであり、正の電圧Vc、負の電圧-Vc、およびゼロの3値のみで構成されている。第1のパルス信号940は、正の電圧Vcおよび負の電圧-Vcのパルス幅がともにPaであり、周期がTaである。第2のパルス信号950は、正の電圧Vcおよび負の電圧-Vcのパルス幅がともにPbであり、周期がTbである。第1のパルス信号940の一周期Taに対する正負の電圧のパルス幅の和2Paの割合(デューティー比)2Pa/Taは、第2のパルス信号950の一周期Tbに対する正負の電圧のパルス幅の和の割合(デューティー比)2Pb/Tbより大きい。なお、第1のパルス信号940は、値がゼロである場合を含まない、正の電圧Vcと負の電圧-Vcの2値のみで構成されていてもよい。
ステップS10では、駆動信号生成印加部400は、第1および第2のパルス信号940,950のいずれかを不図示の電気回路に入力する。この電気回路は、波形を鈍らせることができ、パルス信号を入力すると正弦波のような信号を生成することができる。本実施形態では、電気回路は、第1および第2のパルス信号940,950を鈍らせることで、それぞれに基づく駆動信号910,930を生成することができる。駆動信号910,930の周期はそれぞれ、第1および第2のパルス信号940,950の周期と同じである。また、駆動信号910,930はそれぞれ、第1および第2のパルス信号940,950を鈍らせて生成されるため、駆動信号910,930の振幅Va,Vbはともに振幅Vcより小さくなる。また、第1のパルス信号940のデューティー比2Pa/Taは第2のパルス信号950のデューティー比2Pb/Tbより大きいため、駆動信号910の振幅Vaは駆動信号930の振幅Vbより大きくなる。
第1および第2のパルス信号940,950は、電圧のON/OFFを切り替えるだけで、パルス幅Pa,Pbや周期Ta,Tbを容易に変更することができる。パルス幅Pa,Pbや周期Ta,Tbを変更することによって、駆動信号910,930のそれぞれの振幅Va,Vbや周期Ta,Tbを簡易に変更することができる。したがって、駆動信号910,930を直接生成するよりも簡易に、振幅、周期、および信号の立ち上がりの上昇率等を変更することができる。
ここで、第1および第2のパルス信号940,950に基づいて生成された駆動信号910,930は、振幅Va,Vbや周期Ta,Tbが異なるため、振幅Va,Vbや周期Ta,Tbが一致するように正規化した信号で比較する。例えば駆動信号930の振幅Vbおよび周期Tbが駆動信号910の振幅Vaおよび周期Taと一致するように正規化する場合、駆動信号930の時間成分全体に対してTa/Tbを、電圧成分全体に対してVa/Vbを積算すればよい。駆動信号930を正規化した換算信号は、図10の駆動信号920である。第2のパルス信号950のデューティー比2Pb/Tbは第1のパルス信号940のデューティー比2Pa/Taより小さいため、第2のパルス信号950は第1のパルス信号940に比べて高周波成分が強い。そのため、第2のパルス信号950に基づいて生成された駆動信号930も、第1のパルス信号940に基づいて生成された駆動信号910に比べて、高周波成分が強い。この結果、駆動信号930を正規化した駆動信号920は、駆動信号910と比較すると、信号値が0付近の信号の立ち上がりの上昇率が大きく、信号値がVa付近の信号の立ち上がりの上昇率が小さい、駆動信号900に近くなる。
ステップS11では、駆動信号生成印加部400は、ステップS10で生成した駆動信号910または駆動信号930を、ステップS06で算出した位相θだけずらして、第1および第2の圧電素子310,320に印加する。これにより、突起部先端521,522に楕円運動が励起され、摩擦部材600を移動させることができる。
なお、位相θが閾値θtと等しい場合に第1および第2のパルス信号940,950のいずれを用いても摩擦部材600の移動速度が略同一になるように、パルス幅Pa,Pbや周期Ta,Tbが設定されていることが好ましい。
第1および第2の圧電素子310,320に印加される駆動信号の振幅が大きくなると、第1および第2の圧電素子310,320の変形の大きさが変化し、突起部先端521,522に励起される楕円運動の大きさが大きくなる。一方、駆動信号の振幅が同じであっても、駆動信号の周期が弾性体500の共振周波数の周期に近づくと、弾性体500に発生する共振が大きくなるため、楕円運動の大きさも大きくなる。
本実施形態では、第1のパルス信号940に基づいて生成された駆動信号910の振幅Vaは、第2のパルス信号950に基づいて生成された駆動信号930の振幅Vbより大きい。そのため、駆動信号910,930の周期が同一である場合、駆動信号910を用いることで駆動信号930を用いる場合に比べて楕円運動が大きくなり、摩擦部材600の移動速度が速くなる。駆動信号930の周期Tbを駆動信号910の周期Taより弾性体500の共振周波数の周期に近づけると、位相θが閾値θtと等しい場合に第1および第2のパルス信号940,950のいずれを用いても摩擦部材600の移動速度を略同一とすることができる。このような設定により使用されるパルス信号が切り替わった場合に、急激に速度が変化することを防ぐことができる。
また、このような設定ができない場合、第1および第2のパルス信号940,950のパルス幅Pa,Pbや周期Ta,Tbの変更量をできる限り少なくすることで、パルス信号を変更することによる速度変化が最小に抑えられるようにしてもよい。このような場合、パルス信号の種類を2つ以上にして、徐々にパルス信号を切り替え、滑らかにパルス幅Pa,Pbや周期Ta,Tbを切り替えるようにすればよい。
位相θが周期Ta/2,Tb/2に近い場合、デューティー比の大きい第1のパルス信号940を用いて振動型アクチュエータ2を駆動することが望ましい。このような構成により、第2のパルス信号950を用いて振動型アクチュエータ2を駆動する場合に比べて、消費電力を低下させることができると共に、出力トルクを高くすることができる。これは第2のパルス信号950に基づいて生成された駆動信号930を正規化した駆動信号920の波形形状が第1のパルス信号940に基づいて生成された駆動信号910に比べて駆動信号900に近い波形形状となっているからである。図11(a)に示されるように、第1のパルス信号940を用いる場合、送り振幅に対する突き上げ振幅の比が第2のパルス信号950を用いる場合に比べて小さい。したがって、位相θがTa/2,Tb/2に近い場合、第1のパルス信号940を用いて振動型アクチュエータ2を駆動することで駆動特性や駆動効率を向上させることができる。
一方、位相θが0に近い場合、デューティー比の小さい第2のパルス信号950を用いて振動型アクチュエータ2を駆動することが望ましい。このような構成により、第1のパルス信号940を用いて振動型アクチュエータ2を駆動する場合に比べて、消費電力を低下させることができると共に、出力トルクを高くすることができる。これは第2のパルス信号950に基づいて生成された駆動信号930を正規化した駆動信号920の波形形状が第1のパルス信号940に基づいて生成された駆動信号910に比べて駆動信号900に近い波形形状となっているからである。図11(b)に示されるように、第2のパルス信号950を用いる場合、突き上げ振幅に対する送り振幅の比が第1のパルス信号940を用いる場合に比べて大きい。したがって、位相θが0に近い場合、第2のパルス信号950を用いて振動型アクチュエータ2を駆動することで駆動特性や駆動効率を向上させることができる。
本実施形態の構成によれば、位相θに応じて第1および第2のパルス信号940,950を使い分けることで、出力トルクの大きい、駆動特性や駆動効率のよい振動型アクチュエータ2の制御が可能となる。
なお、本実施形態では、位相θが所定値より大きいかどうかで駆動信号を選択しているが、位相θが小さくなるにつれて波形形状が矩形波形状に近くなる駆動信号を用いてもよい。
また、閾値θtは、消費電力や出力トルク等の駆動特性や駆動効率を示すパラメータの少なくとも1つが、第1および第2のパルス信号940,950で駆動させた場合に略同一となる位相θに設定されることが好ましい。閾値θtをこのように設定することで、閾値θtよりも位相θが大きい場合、第1のパルス信号940を用いて振動型アクチュエータ2を駆動させることで駆動効率や駆動特性を向上させることができる。一方、閾値θtよりも位相θが小さい場合、第2のパルス信号950を用いて振動型アクチュエータ2を駆動させることで駆動効率や駆動特性を向上させることができる。したがって、位相θがどのような値であってもパルス信号を適切に選択することができる。
また、本実施形態では、2つのパルス信号を切り替えて振動型アクチュエータ2を駆動する方法について説明したが、本発明はこれに限定されない。また、パルス信号を鈍らせて第1および第2の圧電素子310,320に印加する駆動信号を生成する方法について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、駆動信号910,930を直接生成してもよい。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
2 振動型アクチュエータ
3 駆動制御装置
310 第1の圧電素子(電気-機械エネルギ変換素子)
320 第2の圧電素子(電気-機械エネルギ変換素子)
400 駆動信号生成印加部(制御部)

Claims (12)

  1. 複数の電気-機械エネルギ変換素子を備える振動型アクチュエータの駆動を制御する駆動制御装置であって、
    波形が同一で位相が異なる複数の駆動信号を生成すると共に、前記複数の駆動信号をそれぞれ、前記複数の電気-機械エネルギ変換素子の異なる素子に印加する制御部を有し、
    前記制御部は、前記位相に応じて前記波形を変更し、
    第1位相に応じた第1波形の形状は、前記第1位相より大きい第2位相に応じた第2波形の形状に比べて矩形波形状に近い形状であることを特徴とする駆動制御装置。
  2. 前記第1波形の駆動信号の信号値がゼロとなる点における接線の傾きは、前記第2波形の駆動信号の信号値がゼロとなる点における接線の傾きより大きいことを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記制御部は、前記位相が所定値より大きい場合、前記第2波形の駆動信号を生成し、前記位相が所定値より小さい場合、前記第1波形の駆動信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動制御装置。
  4. 複数の電気-機械エネルギ変換素子を備える振動型アクチュエータの駆動を制御する駆動制御装置であって、
    波形が同一で位相が異なる複数の駆動信号を生成すると共に、前記複数の駆動信号をそれぞれ、前記複数の電気-機械エネルギ変換素子の異なる素子に印加する制御部を有し、
    前記制御部は、前記位相に応じて前記波形を変更し、
    前記複数の駆動信号は、絶対値が等しい正の値および負の値を含み、かつ正の値のパルス幅と負の値のパルス幅とが等しいパルス信号を用いて生成され、
    第1位相に応じた第1波形の駆動信号の基となる第1パルス信号の一周期に対する正および負の値のパルス幅の和の割合は、前記第1位相より大きい第2位相に応じた第2波形の駆動信号の基となる第2パルス信号の一周期に対する正および負の値のパルス幅の和の割合より小さいことを特徴とする駆動制御装置。
  5. 振幅および周期が同一となるように前記第1波形の駆動信号と前記第2波形の駆動信号の少なくとも一方を換算した場合、前記第1波形の駆動信号は前記第2波形の駆動信号に比べて矩形波に近い形状であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  6. 前記第1波形の駆動信号の振幅、および周期の少なくとも一方は、前記第2波形の駆動信号の振幅、および周期と異なることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  7. 前記制御部は、前記位相が小さくなるにつれて前記波形を矩形波形状に近づけるように変更することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  8. 前記制御部は、前記位相が小さくなるにつれて、前記パルス信号の一周期に対する正および負の値のパルス幅の和の割合が小さくなることを特徴とする請求項4に記載の駆動制御装置。
  9. 複数の電気-機械エネルギ変換素子を備える振動型アクチュエータと、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の駆動制御装置とを有することを特徴とする駆動システム。
  10. 前記複数の電気-機械エネルギ変換素子の数は2つであることを特徴とする請求項9に記載の駆動システム。
  11. 前記位相に応じて前記振動型アクチュエータの速度が変更されることを特徴とする請求項9又は10に記載の駆動システム。
  12. 複数の電気-機械エネルギ変換素子を備える振動型アクチュエータの駆動を制御する駆動制御方法であって、
    波形が同一で位相が異なる複数の駆動信号を生成する生成ステップと、
    前記複数の駆動信号をそれぞれ、前記複数の電気-機械エネルギ変換素子の異なる素子に印加する印加ステップとを有し、
    前記生成ステップでは、前記位相に応じて前記波形を変更し、
    第1位相に応じた第1波形の形状は、前記第1位相より大きい第2位相に応じた第2波形の形状に比べて矩形波形状に近い形状であることを特徴とする駆動制御方法。
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