JP7361006B2 - 今回控除額算出装置、今回控除額算出方法および今回控除額算出プログラム - Google Patents

今回控除額算出装置、今回控除額算出方法および今回控除額算出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、今回控除額算出装置、今回控除額算出方法および今回控除額算出プログラムに関する。
特許文献1には、商品の販売または広告の担当者による宣伝広告活動を適正に報酬に反映することができる労務管理システムが開示されており(特許文献1の0008段落参照)、また、投稿報酬情報では、基本給与額と投稿報酬額を合算した額から欠勤数と諸控除額が差し引かれることが開示されている(特許文献1の0020段落参照)。
特開2019-148943号公報
上記特許文献1に記載のように、社員からの控除額を正確に管理することはどの業界においても重要であるが、例えば派遣業界等においては、月中で派遣先に変更が生じた等の理由により、同一社員に対して月に2回(または稀ではあるが、それ以上の回数)の給与を支給することがある。この場合、月2回(前回の給与支給と今回の給与支給)のそれぞれに対応する控除額(所得税、社会保険および雇用保険等)を管理するために、従来においては、月2回の給与支給それぞれに対応する社員番号を採番していた。すなわち、同一社員であるにも関わらず、給与支給毎に異なる社員番号を採番するという方法を採用していた。
しかしながら、このように同一社員なのに社員番号を分けるという方法では、年末調整や各種届出の際に、同一社員であるにも関わらず複数の異なる社員番号の金額を集計するという作業が必要となるため、非常に手間もかかり、ミスも発生しやすいという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、同一社員に対して同一の社員識別データ(社員番号)を用いるデータ管理であっても、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出できるようにすることで、同一社員に対する月複数回の給与支給を簡便な運用にて可能とする今回控除額算出装置、今回控除額算出方法および今回控除額算出プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る今回控除額算出装置は、制御部および記憶部を備え、同一月に複数回の給与支給を行う場合において、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出することができる今回控除額算出装置であって、前記記憶部には、社員に対する前回以前の給与支払額である前回以前給与支払額と当該前回以前給与支払額からの控除額である前回以前控除額とを含む給与データと、前記社員を識別するための社員識別データと年月と前記今回の給与支給日である今回支給日と当該今回支給日に支払われる給与支払額である今回給与支払額とを含む支払データと、社員識別データと年月と所定の給与支給日とを含む社員マスタと、が格納されており、前記制御部は、前記支払データと前記社員マスタとを比較し、前記社員識別データおよび前記年月の組合せが同じである前記給与支給日同士が異なる日付である場合、前記給与データ中の前記前回以前給与支払額および前記前回以前控除額を前記給与データ中の退避箇所に退避させ、前記支払データ中の前記今回給与支払額を前記給与データに格納する退避・格納実行手段と、前記退避・格納実行手段で前記給与データに格納した前記今回給与支払額と前記退避・格納実行手段で前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する合計控除額算出手段と、前記合計控除額算出手段で算出した前記合計控除額から、前記退避・格納実行手段で前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する今回控除額算出手段と、を備えること、を特徴とする。
また、本発明に係る今回控除額算出方法は、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される、同一月に複数回の給与支給を行う場合において、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出することができる今回控除額算出方法であって、前記記憶部には、社員に対する前回以前の給与支払額である前回以前給与支払額と当該前回以前給与支払額からの控除額である前回以前控除額とを含む給与データと、前記社員を識別するための社員識別データと年月と前記今回の給与支給日である今回支給日と当該今回支給日に支払われる給与支払額である今回給与支払額とを含む支払データと、社員識別データと年月と所定の給与支給日とを含む社員マスタと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記支払データと前記社員マスタとを比較し、前記社員識別データおよび前記年月の組合せが同じである前記給与支給日同士が異なる日付である場合、前記給与データ中の前記前回以前給与支払額および前記前回以前控除額を前記給与データ中の退避箇所に退避させ、前記支払データ中の前記今回給与支払額を前記給与データに格納する退避・格納実行ステップと、前記退避・格納実行ステップで前記給与データに格納した前記今回給与支払額と前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する合計控除額算出ステップと、前記合計控除額算出ステップで算出した前記合計控除額から、前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する今回控除額算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
また、本発明に係る今回控除額算出プログラムは、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための、同一月に複数回の給与支給を行う場合において、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出することができる今回控除額算出プログラムであって、前記記憶部には、社員に対する前回以前の給与支払額である前回以前給与支払額と当該前回以前給与支払額からの控除額である前回以前控除額とを含む給与データと、前記社員を識別するための社員識別データと年月と前記今回の給与支給日である今回支給日と当該今回支給日に支払われる給与支払額である今回給与支払額とを含む支払データと、社員識別データと年月と所定の給与支給日とを含む社員マスタと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、前記支払データと前記社員マスタとを比較し、前記社員識別データおよび前記年月の組合せが同じである前記給与支給日同士が異なる日付である場合、前記給与データ中の前記前回以前給与支払額および前記前回以前控除額を前記給与データ中の退避箇所に退避させ、前記支払データ中の前記今回給与支払額を前記給与データに格納する退避・格納実行ステップと、前記退避・格納実行ステップで前記給与データに格納した前記今回給与支払額と前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する合計控除額算出ステップと、前記合計控除額算出ステップで算出した前記合計控除額から、前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する今回控除額算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、同一社員に対して同一の社員識別データ(社員番号)を用いるデータ管理であっても、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出できるようにすることで、同一社員に対する月複数回の給与支給を簡便な運用にて可能とするという効果を奏する。
図1は、今回控除額算出装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、1回目の給与支給に対応する控除額の算出の仕方の概要の一例を示す図である。 図3は、2回目の給与支給に対応する控除額の算出の仕方の概要の一例を示す図である。 図4は、派遣システムにおける支払集計処理(10日支給分)の一例を示す図である。 図5は、給与システムにおける支払集計データ受信処理(10日支給分)の一例を示す図である。 図6は、給与システムにおける給与計算処理(10日支給分)の一例を示す図である。 図7は、派遣システムにおける支払集計処理(31日支給分)の一例を示す図である。 図8は、給与システムにおける支払集計データ受信処理(31日支給分)の一例を示す図である。 図9は、給与システムにおける給与計算処理(31日支給分)の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る今回控除額算出装置、今回控除額算出方法および今回控除額算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
[1.概要]
給与支給は、通常、1人につき月1回しか行うことができない。これは、所得税、社会保険および雇用保険等の税金を、月単位で計算する仕組みとなっているためである。
ここで、派遣業界等においては、月中で派遣先に変更があった場合等には、同一スタッフに月に2回(または稀ではあるが、それ以上の回数)の給与を支給する必要がある。この場合、従来においては、月に複数回の給与支給を行うために、同一社員であっても社員番号を分けて給与管理をするという運用をしていた。
しかしながら、この運用の場合、年末調整や各種届出の際に、複数の社員番号の金額を集計する等の作業が必要となるため、非常に手間もかかり、ミスも発生しやすいという問題があった。
そこで、本実施形態においては、例えば、各種税金を複数回給与の合計に基づいて算出し、かつ前回以前の給与計算結果をテーブルに保持(退避)しておくことで、同一社員に対して月複数回の給与支給をできるようにした。なお、月複数回の給与支給に対応できるシステムとしては、日雇いに対応したシステムは従来から存在いていたが、日雇いは単純に所得税の丙欄で税計算する仕組みであり、本実施形態のように、月給者(所得税甲欄)の月複数回支給を可能とするものではない。
これにより、例えば、年末調整、社会保険および雇用保険等の各種届出に関して、本来1人のスタッフであるのにも関わらずデータ集計を行わなければならないという手間を削減することができるようになった。また、集計漏れによる届け出ミスおよび所得税等の徴収ミスによる納税ミス等も防止することができるようになった。以下、具体的な構成および動作について説明する。
[2.構成]
本実施形態に係る今回控除額算出装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、今回控除額算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。
今回控除額算出装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、今回控除額算出装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
今回控除額算出装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。今回控除額算出装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、今回控除額算出装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、今回控除額算出装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
記憶部106は、例えば、支払データとしての派遣支払データ106aと、社員マスタ106bと、給与データ106cと、を備えている。
ここで、本実施形態に係る今回控除額算出装置によれば、同一月に複数回の給与支給を行う場合において、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出することができる。以下、各データおよび各マスタの具体的内容について説明する。
派遣支払データ106aは、図4および図7に示すように、例えば、社員を識別するための社員識別データ(スタッフコード)と、年月と、給与支給日(支給日区分)と、給与支払額(所定内手当および残業手当)と、等を含む。
社員マスタ106bは、図5および図8に示すように、例えば、前記社員識別データ(社員番号)と、年月(対象年月)と、所定の給与支給日(支給日区分)と、等を含む。
給与データ106cは、図5、図6、図8および図9に示すように、例えば、前記社員識別データ(社員番号)と、年月(対象年月)と、給与支払額(所定内手当および残業手当)と、当該給与支払額からの控除額(所得税、社会保険および雇用保険)と、等を含む。
制御部102は、今回控除額算出装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記支払データと前記社員マスタとを比較し、前記社員識別データおよび前記年月の組合せが同じである前記給与支給日同士が異なる日付である場合、前記給与データ中の前記前回以前給与支払額および前記前回以前控除額を前記給与データ中の退避箇所に退避させ、前記支払データ中の前記今回給与支払額を前記給与データに格納する退避・格納実行手段としての退避・格納実行部102aと、(2)前記退避・格納実行手段で前記給与データに格納した前記今回給与支払額と前記退避・格納実行手段で前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する合計控除額算出手段としての合計控除額算出部102bと、(3)前記合計控除額算出手段で算出した前記合計控除額から、前記退避・格納実行手段で前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する今回控除額算出手段としての今回控除額算出部102cと、を備えている。各部の具体的な処理内容については、以下の[4.処理の具体例]で詳細に説明する。
[3.処理の概要]
本項目では、本実施形態に係る処理の概要を、図2および図3を用いて説明する。本項目では、ある社員に対して、同月に2回の給与が支給された場合において、1回目の給与支給に対応する控除額および2回目の給与支給に対応する控除額がそれぞれどのように算出されるかを説明する。
まず、図2には、本実施形態における、1回目の給与支給に対応する控除額の算出の仕方の概要を示している。図2に示すように、派遣システムの勤怠・支給金額(1回目)が給与システムへと連携され、当該連携された勤怠・支給金額(1回目)に基づいて、所得税(1回目)、社会保険(1回目)および雇用保険(1回目)が算出される。
次に、図3には、本実施形態における、2回目の給与支給に対応する控除額の算出の仕方の概要を示している。図3に示すように、派遣システムの勤怠・支給金額(2回目)が給与システムへと連携される際に、勤怠・支給金額(1回目)、所得税(1回目)、社会保険(1回目)および雇用保険(1回目)を、消去するのではなく、給与システム中に保存(退避)させておく。次に、退避した勤怠・支給金額(1回目)と連携された勤怠・支給金額(2回目)の合計額である勤怠・支給金額(合計)に基づいて、所得税(合計)、社会保険(合計)および雇用保険(合計)が算出される。最後に、当該算出した所得税(合計)、社会保険(合計)および雇用保険(合計)から、それぞれ、退避させた所得税(1回目)、社会保険(1回目)および雇用保険(1回目)を差し引くことにより、所得税(2回目)、社会保険(2回目)および雇用保険(2回目)が算出される。
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を、図4~図9を用いて説明する。本項目では、社員番号1000の社員と社員番号2000の社員のうち、社員番号1000の社員に対しては2020年7月に2回給与支給を行う場合に、2回目(=今回)の給与支給に対応する控除額がどのように算出されるのかを説明する。
(1)派遣システムにおける支払集計処理(10日支給分)
まず、派遣システムにおける支払集計処理により、2020年7月の10日支給分の給与へ連携する集計データが計算されて、図4に示す派遣支払データ106aが生成される。図4に示すように、社員番号1000の社員の10日支給分については、所定内手当が200,000円であり、残業手当が30,000円である。また、図4に示すように、社員番号2000の社員の10日支給分については、所定内手当が220,000円であり、残業手当が40,000円である。
(2)給与システムにおける支払集計データ受信処理(10日支給分)
続いて、(1)で生成された派遣支払データ106aが給与システムへと連携される。社員マスタ106bが図5に示す内容で予め設定されているとする。また、給与データ106cは、処理開始時点においては、対象年月より右の列(すなわち、所定内手当から雇用保険1回目までの列)には、すべて「0」が初期値として設定されているものとする。
この場合、図5に示すように、給与データ106cの社員番号1000の所定内手当および残業手当としては、それぞれ、連携された図4の派遣支払データ106aの社員番号1000の所定内手当200,000円および残業手当30,000円が設定される。また、図5に示すように、給与データ106cの社員番号2000の所定内手当および残業手当としては、それぞれ、連携された図4の派遣支払データ106aの社員番号2000の所定内手当220,000円および残業手当40,000円が設定される。
(3)給与システムにおける給与計算処理(10日支給分)
続いて、10日支給分の給与計算が行われる。具体的には、図6に示すように、社員番号1000の社員については、所定内手当200,000円および残業手当30,000円に基づいて、所得税として5,000円が算出され、社会保険として10,000円が算出され、雇用保険として2,000円が算出される。また、図6に示すように、社員番号2000の社員については、所定内手当220,000円および残業手当40,000円に基づいて、所得税として6,000円が算出され、社会保険として12,000円が算出され、雇用保険として3,000円が算出される。
(4)派遣システムにおける支払集計処理(31日支給分)
続いて、社員番号1000の社員については、2020年7月の31日支給分の給与へ連携する集計データが計算されて、図7に示す派遣支払データ106aが生成される。図7に示すように、社員番号1000の社員の31日支給分については、所定内手当が100,000円であり、残業手当が15,000円である。
(5)給与システムにおける支払集計データ受信処理(31日支給分)
続いて、(4)で生成された派遣支払データ106aが給与システムへと連携される。この連携の際に、派遣支払データ106aと社員マスタ106bとで支給日区分が異なる場合(すなわち、同一月に複数支給日がある場合)、1回目の給与計算結果を退避しつつ、2回目の給与の連携(格納)を行う。
すなわち、退避・格納実行部102aは、前記社員識別データ(社員番号)と年月と前記今回の給与支給日である今回支給日(支給日区分)と当該今回支給日に支払われる給与支払額である今回給与支払額(所定内手当および残業手当)とを含む派遣支払データ106aと、前記社員識別データ(社員番号)と年月と所定の給与支給日(支給日区分)とを含む社員マスタ106bと、を比較し、前記社員識別データ(社員番号)および前記年月の組合せが同じである前記給与支給日(支給日区分)同士が異なる日付である場合、前記社員に対する前回以前の給与支払額である前回以前給与支払額(所定内手当および残業手当)と当該前回以前給与支払額からの控除額である前回以前控除額(所得税、社会保険および雇用保険)とを含む給与データ106c中の前記前回以前給与支払額(所定内手当および残業手当)ならびに前記前回以前控除額(所得税、社会保険および雇用保険)を給与データ106c中の退避箇所に退避させ、派遣支払データ106a中の前記今回給与支払額(所定内手当および残業手当)を給与データ106cに格納する。
具体的には、図7の派遣支払データ106aにおける社員番号1000および年月2020/7の組合せについての支給日区分は「31」であり、一方で、図5の社員マスタ106bにおける社員番号1000および年月2020/7の組合せについての支給日区分は、「10」であるため、退避・格納実行部102aは、支給日区分が異なると判断する。異なると判断した場合、以下のようにして、退避・格納実行部102aは、退避および格納を実行する。
退避について説明する。退避・格納実行部102aは、図6の給与データ106c中の社員番号1000および年月2020/7について、「所定内手当」の列に設定されている200,000円を「所定内手当1回目」の列に退避させ、「残業手当」の列に設定されている30,000円を「残業手当1回目」の列に退避させ、「所得税合計」の列に設定されている5,000円を「所得税1回目」の列に退避させ、「社会保険合計」の列に設定されている10,000円を「社会保険1回目」の列に退避させ、「雇用保険合計」の列に設定されている2,000円を「雇用保険1回目」の列に退避させる。退避が完了した状態の給与データ106cを、図8に示す。図8の給与データ106cにおいて右側のハッチングを付した箇所が、退避した金額を示している。
格納について説明する。退避・格納実行部102aは、図7の派遣支払データ106a中の社員番号1000および年月2020/7についての所定内手当100,000円および残業手当15,000円を、それぞれ、給与データ106cの「所定内手当」の列および「残業手当」の列に格納する。格納が完了した状態の給与データ106cを、図8に示す。図8の給与データ106cにおいて左側のハッチングを付した箇所が、格納した金額を示している。
(6)給与システムにおける給与計算処理(31日支給分)
最後に、社員番号1000の社員について、31日支給分の給与計算が行われる。なお、社員番号2000の社員は、月末支給対象者ではないため、当該給与計算の対象外である。
合計控除額算出部102bは、退避・格納実行部102aで給与データ106cに格納した前記今回給与支払額(所定内手当および残業手当)と退避・格納実行部102aで給与データ106c中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額(所定内手当1回目および残業手当1回目)の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する。
具体的には、図8を参照すると、退避・格納実行部102aで給与データ106cに格納した所定内手当および残業手当は、それぞれ、100,000円および15,000円であり、また、退避・格納実行部102aで給与データ106cの前記退避箇所に退避させた所定内手当1回目および残業手当1回目は、それぞれ、200,000円および30,000円であるため、合計控除額算出部102bは、1回目(前回)と2回目(今回)の給与支払額の合計額を、345,000円と算出する。そして、合計控除額算出部102bは、当該算出した345,000円に基づいて、所得税7,500円、社会保険10,000円および雇用保険3,000円を算出する。当該算出した所得税7,500円、社会保険10,000円および雇用保険3,000円は、図9の給与データ106cに示すように、それぞれ、「所得税合計」、「社会保険合計」および「雇用保険合計」の列に格納される。
今回控除額算出部102cは、合計控除額算出部102bで算出した前記合計控除額から、退避・格納実行部102aで給与データ106c中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する。
具体的には、合計控除額算出部102bで算出した所得税合計は7,500円であり、退避・格納実行部102aで退避させた所得税1回目は5,000円であるため、今回控除額算出部102cは、2回目(今回)の所得税を、7,500円-5,000円=2,500円と算出し、図9の給与データ106cに示すように、「所得税2回目」の列に格納する。また、合計控除額算出部102bで算出した社会保険合計は10,000円であり、退避・格納実行部102aで退避させた社会保険1回目も10,000円であるため、今回控除額算出部102cは、2回目(今回)の社会保険を、10,000円-10,000円=0円と算出し、図9の給与データ106cに示すように、「社会保険2回目」の列に格納する。そして、合計控除額算出部102bで算出した雇用保険合計は3,000円であり、退避・格納実行部102aで退避させた雇用保険1回目は2,000円であるため、今回控除額算出部102cは、2回目(今回)の雇用保険を、3,000円-2,000円=1,000円と算出し、図9の給与データ106cに示すように、「雇用保険2回目」の列に格納する。
以上、本項目の(1)~(6)で説明してきたように、本実施形態に係る今回控除額算出装置100によれば、社員番号1000の社員に対して2020年7月に2回給与支給が行われた場合において、給与データ106cにおいて社員番号を分けずとも、同一の社員番号1000を用いた管理により、2回目(今回)の給与支給に対応する控除額(所得税、社会保険および雇用保険)を算出することができる。
[5.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る今回控除額算出装置100によれば、同一社員に対して同一の社員識別データ(社員番号)を用いるデータ管理であっても、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出できるようにすることで、同一社員に対する月複数回の給与支給を簡便な運用にて可能とする。
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、今回控除額算出装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、今回控除額算出装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて今回控除額算出装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、今回控除額算出装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、今回控除額算出装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、今回控除額算出装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
本発明は、月に複数回給与締のある業界、例えば、登録型派遣業界等において有用である。
100 今回控除額算出装置
102 制御部
102a 退避・格納実行部
102b 合計控除額算出部
102c 今回控除額算出部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 派遣支払データ
106b 社員マスタ
106c 給与データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク

Claims (3)

  1. 制御部および記憶部を備え、同一月に複数回の給与支給を行う場合において、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出することができる今回控除額算出装置であって、
    前記記憶部には、
    社員に対する前回以前の給与支払額である前回以前給与支払額と当該前回以前給与支払額からの控除額である前回以前控除額とを含む給与データと、
    前記社員を識別するための社員識別データと年月と前記今回の給与支給日である今回支給日と当該今回支給日に支払われる給与支払額である今回給与支払額とを含む支払データと、
    社員識別データと年月と所定の給与支給日とを含む社員マスタと、
    が格納されており、
    前記制御部は、
    前記支払データと前記社員マスタとを比較し、前記社員識別データおよび前記年月の組合せが同じである前記給与支給日同士が異なる日付である場合、前記給与データ中の前記前回以前給与支払額および前記前回以前控除額を前記給与データ中の退避箇所に退避させ、前記支払データ中の前記今回給与支払額を前記給与データに格納する退避・格納実行手段と、
    前記退避・格納実行手段で前記給与データに格納した前記今回給与支払額と前記退避・格納実行手段で前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する合計控除額算出手段と、
    前記合計控除額算出手段で算出した前記合計控除額から、前記退避・格納実行手段で前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する今回控除額算出手段と、
    を備えること、
    を特徴とする今回控除額算出装置。
  2. 制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される、同一月に複数回の給与支給を行う場合において、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出することができる今回控除額算出方法であって、
    前記記憶部には、
    社員に対する前回以前の給与支払額である前回以前給与支払額と当該前回以前給与支払額からの控除額である前回以前控除額とを含む給与データと、
    前記社員を識別するための社員識別データと年月と前記今回の給与支給日である今回支給日と当該今回支給日に支払われる給与支払額である今回給与支払額とを含む支払データと、
    社員識別データと年月と所定の給与支給日とを含む社員マスタと、
    が格納されており、
    前記制御部で実行される、
    前記支払データと前記社員マスタとを比較し、前記社員識別データおよび前記年月の組合せが同じである前記給与支給日同士が異なる日付である場合、前記給与データ中の前記前回以前給与支払額および前記前回以前控除額を前記給与データ中の退避箇所に退避させ、前記支払データ中の前記今回給与支払額を前記給与データに格納する退避・格納実行ステップと、
    前記退避・格納実行ステップで前記給与データに格納した前記今回給与支払額と前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する合計控除額算出ステップと、
    前記合計控除額算出ステップで算出した前記合計控除額から、前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する今回控除額算出ステップと、
    を含むこと、
    を特徴とする今回控除額算出方法。
  3. 制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための、同一月に複数回の給与支給を行う場合において、今回の給与支給に対応する控除額である今回控除額を算出することができる今回控除額算出プログラムであって、
    前記記憶部には、
    社員に対する前回以前の給与支払額である前回以前給与支払額と当該前回以前給与支払額からの控除額である前回以前控除額とを含む給与データと、
    前記社員を識別するための社員識別データと年月と前記今回の給与支給日である今回支給日と当該今回支給日に支払われる給与支払額である今回給与支払額とを含む支払データと、
    社員識別データと年月と所定の給与支給日とを含む社員マスタと、
    が格納されており、
    前記制御部に実行させるための、
    前記支払データと前記社員マスタとを比較し、前記社員識別データおよび前記年月の組合せが同じである前記給与支給日同士が異なる日付である場合、前記給与データ中の前記前回以前給与支払額および前記前回以前控除額を前記給与データ中の退避箇所に退避させ、前記支払データ中の前記今回給与支払額を前記給与データに格納する退避・格納実行ステップと、
    前記退避・格納実行ステップで前記給与データに格納した前記今回給与支払額と前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前給与支払額の合計額に基づいて、前記同一月における合計の控除額である合計控除額を算出する合計控除額算出ステップと、
    前記合計控除額算出ステップで算出した前記合計控除額から、前記退避・格納実行ステップで前記給与データ中の前記退避箇所に退避させた前記前回以前控除額を差し引くことにより、前記今回控除額を算出する今回控除額算出ステップと、
    を含むこと、
    を特徴とする今回控除額算出プログラム。
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