以下、本実施形態に係るシンボル読取装置及びプログラムについて説明する。以下の実施形態では、小売店の店舗に設置されたPOS(Point Of Sales)システムへの適用例について説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
(POSシステムの全体構成)
図1は、POSシステム1の全体構成を示す斜視図である。POS(Point Of Sales)システム1は、読取装置10と、読取装置10で読み取られたデータに基づきデータ処理を実行するPOS端末20と、を備える。読取装置10は、「シンボル読取装置」の一例である。
読取装置10は、商品を入れた買物カゴ等を載置するためのサッカー台2上において、オペレータと顧客とが略対面する場所(略中央部)に立設される。POS端末20は、サッカー台2の一方の端部付近に設けられる。読取装置10とPOS端末20とは、図示しない伝送路によって通信可能に接続される。読取装置10とPOS端末20とは、POSシステム1を構成する。
POS端末20は、読取装置10で読み取られた商品等のデータに基づいて、顧客が購入する商品の登録処理や精算処理等を含む販売データ処理を実行する。POS端末20は、硬貨及び紙幣を出し入れ自在に収納するドロワ30の上に設置されている。POS端末20は、オペレータ用と客用との2つの表示器21(21a、21b)と、キーボードや鍵キーを含む入力装置22と、レシートプリンタ23とを備えている。
(読取装置の構成)
次に、読取装置10の構成について説明する。図2は、読取装置10の構成の一例を説明するための図である。ここで、図2は、読取装置10を撮像窓11aが設けられている側(オペレータの立ち位置側)から見た状態を示している。
読取装置10は、本体部11、撮像部12、照明部13、第1表示部14、キーボード15及び第2表示部16等を備える。
本体部11は、略直方体状に形成されており、サッカー台2上に立設される。本体部11の高さは、例えば、サッカー台2上においてオペレータの目の高さ程度とすることが好ましい。
本体部11におけるオペレータの立ち位置側には、開口部となる撮像窓11aが設けられる。撮像窓11a内には、撮像部12および照明部13が設置される。オペレータは、買物客が持って来た商品を撮像窓11aに翳すことで、当該商品の読取(撮像)を行う。
撮像部12は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の撮像素子と撮像レンズとを有する。撮像レンズは、撮像領域の画像を撮像素子に結像する。撮像領域とは、撮像窓11aから撮像レンズを通して撮像素子のエリアに結像する領域を指す。
撮像部12は、撮像窓11aを介して、本体部11の外を撮像する。例えば、撮像部12は、紙媒体に印刷されたバーコードや二次元コード等を光学的に撮像する。また、例えば、撮像部12は、顧客が所持する携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を光学的に撮像する。なお、バーコードや二次元コード等は、「シンボル」の一例である。
ここで、紙媒体に印刷されるバーコードや二次元コード等には、商品の識別子(商品コード)や価格等のデータが、バーコードや二次元コード等にエンコードされた状態で保持されているものとする。
また、携帯端末等の表示画面に表示されるバーコードや二次元コード等には、例えば、値引や割引のクーポン券等を表すデータが、バーコードや二次元コード等にエンコードされた状態で保持されているものとする。なお、POS端末20は、クーポン券等を表すデータが読取装置10で読み取られた場合、当該データに基づいて値引や割引等の処理を実行する。
照明部13は、光源を有する。照明部13の光源は、撮像部12の撮像レンズの周囲に配置される。照明部13は、光源を間欠点灯させることにより撮像部12の撮像領域に光を照射する。なお、光源は、例えばLED、冷陰極管、蛍光灯、または白熱灯等である。
第1表示部14は、オペレータ用の表示装置であって、撮像窓11aの上部に設けられる。第1表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスで構成されるタッチパネル付きの表示装置である。第1表示部14は、POS端末20による売上登録処理に応じ、オペレータに対して登録された商品の品名、価格等を表示する。
キーボード15は、第1表示部14の近傍(側部)に設けられる。キーボード15は、バーコードや二次元コード等やオブジェクト画像で登録不能な商品の登録を行うための各種キー等を有する。なお、図2では、第1表示部14とキーボード15とを一体的に設けた例を示しているが、別体としてもよい。
第2表示部16は、LCD等の表示デバイスで構成されるタッチパネル付きの表示装置である。第2表示部16は、POS端末20による売上登録処理に応じ、買物客に対して登録された商品の品名、価格等を表示する。なお、本実施形態では、図示しない保持部材により、本体部11の側部に第2表示部16を保持する構成としたが、この構成に限定されないものとする。
(読取装置のハードウェア構成)
次に、読取装置10のハードウェア構成について説明する。図3は、読取装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。読取装置10は、マイクロコンピュータ101が備えられており、このマイクロコンピュータ101が各部を駆動制御する。
マイクロコンピュータ101は、CPU102、ROM104、RAM105、入出力コントローラ106、照明駆動回路107、表示/キーボードコントローラ108、記憶部109、通信インタフェース110を備える。各構成要素は、バスライン103を介して接続されている。
CPU(Central Processing Unit)102は、各部を集中的に制御する。ROM(Read Only Memory)104は、制御プログラム等の固定的情報を予め記憶する。RAM(Random Access Memory)105は、各種データを書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能する。
したがって、マイクロコンピュータ101は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。RAM105は、その全部又は一部が不揮発性メモリである。
入出力コントローラ106は、撮像部12と接続される。入出力コントローラ106は、撮像部12で撮像された画像(画像データ)をマイクロコンピュータ101に出力する。また、入出力コントローラ106は、マイクロコンピュータ101から出力される制御信号を、撮像部12に出力する。
照明駆動回路107は、照明部13と接続される。照明駆動回路107は、CPU102の制御下で、照明部13の光源の点灯、消灯を制御する。
表示/キーボードコントローラ108は、第1表示部14及び第2表示部16を駆動制御し、各種の画像を表示器21に表示させる。また、表示/キーボードコントローラ108は、第1表示部14及び第2表示部16でのタッチ操作に伴う操作信号やキーボード15からの操作信号をマイクロコンピュータ101に出力する。
記憶部109は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部109は、読取装置10の動作に係る各種プログラムや各種データを記憶する。通信インタフェース110は、LANケーブル等の接続線を介して他の機器(POS端末20)との間でのデータ通信を可能とする。
(読取装置の機能)
次に、図4を参照して、読取装置10の機能構成について説明する。図4は、読取装置10の機能構成の一例を示す図である。読取装置10は、画像取得部111、デコード処理部112、照明制御部113、切替設定部114、撮像設定部115、撮像制御部116を機能構成として備える。
より詳細には、読取装置10は、CPU102と記憶部109に記憶されたプログラムとの協働により、上記機能構成をソフトウェア構成として備える。なお、上記機能構成の一部又は全ては、CPU102又は専用回路等のハードウェア構成により実現されてもよい。
画像取得部111は、撮像部12で撮像される画像を取得する。具体的には、画像取得部111は、キーボード15や第1表示部14を介した操作或いはPOS端末20から通知される信号により取引開始が指示されると、入出力コントローラ106を介して、撮像部12で撮像された画像データの取り込みを開始する。
また、画像取得部111は、キーボード15や第1表示部14の操作或いはPOS端末20から通知される信号により取引終了が指示されると、画像データの取り込みを停止する。
デコード処理部112は、エンコードされた情報をデコードすることで、その情報を取り出す。具体的には、デコード処理部112は、画像取得部111が取得した画像データからバーコードや二次元コード等を表す領域を検出し、当該バーコードや二次元コード等が保持するエンコードされたデータをデコードするための処理を実行する。
また、デコード処理部112は、バーコードや二次元コード等が保持するエンコードされたデータをデコードすることにより取り出したデータをPOS端末20等に出力する。
照明制御部113は、照明部13による光の照射を制御する。照明制御部113は、撮像部12の露光時間と、照明部13が撮像領域に光を照射している照射時間とが重なる、非発光媒体を撮像する第1のモードと、露光時間と、照射時間とが重ならない、発光媒体を撮像する第2のモードと、で撮像部12が非発光媒体または発光媒体を撮像するように照明部13による光の照射を制御する。
ここで、本実施形態において、非発光媒体とは、自発光しない媒体のことをいう。非発光媒体としては、例えば、バーコードや二次元コード等が印刷された紙媒体が挙げられる。また、発光媒体とは、自発光する媒体のことをいう。発光媒体としては、例えば、バーコードや二次元コード等が表示された携帯端末等の表示画面が挙げられる。また、露光時間とは、撮像素子が撮像レンズを通した光に曝される時間のことをいう。
本実施形態において、照明制御部113は、照明駆動回路107に対して照明部13に光の照射を指示する光制御信号を入力し、照明駆動回路107を介して照明部13の光源の間欠点灯を制御する。
具体的には、照明制御部113は、光制御信号を入力するタイミングを調整することにより、撮像部12に通常モードと携帯モードとでバーコードや二次元コード等の撮像を行わせるよう照明部13の光源の間欠点灯を制御する。なお、通常モードは、「第1のモード」の一例であり、携帯モードは、「第2のモード」の一例である。
本実施形態において、通常モードは、紙媒体に印刷されたバーコードや二次元コード等を読取るモードとして機能し、携帯モードは、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を読取るモードとして機能する。
切替設定部114は、通常モードと液晶モードとの切替タイミングを設定する。切替タイミングを設定することで、通常モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間と、携帯モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間とを変更することができる。
通常モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間と、携帯モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間とは、紙媒体に印刷されたバーコードや二次元コード等の読取を重視するか、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等の読取を重視するかで決定する。
本実施形態において、切替設定部114は、オペレータが指定した、通常モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間と、携帯モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間とに応じて、通常モードと携帯モードとの切替タイミングを設定する。
照明制御部113は、切替設定部114が設定した切替タイミングに従い、照明駆動回路107に光制御信号を入力することで、オペレータが指定した、通常モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間と、携帯モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間とで撮像部12がバーコードや二次元コード等の撮像を行うように照明部13の光源の間欠点灯を制御する。
撮像設定部115は、バーコードや二次元コード等の撮像に必要な条件を設定する。例えば、撮像設定部115は、携帯モードにおける露光時間が、通常モードにおける露光時間よりも長くなるように、通常モードおよび携帯モードにおける撮像部12の露光時間を設定する。また、例えば、撮像設定部115は、携帯モードにおいて撮像部12のゲインを変化させる設定を行う。
本実施形態において、撮像設定部115は、オペレータの指定に従い、バーコードや二次元コード等の撮像に必要な条件を設定する。具体的には、オペレータの指定に従って、通常モードおよび携帯モードにおける撮像部12の露光時間と、通常モードおよび携帯モードにおける撮像部12のゲイン値の設定を行う。
撮像制御部116は、撮像部12によるバーコードや二次元コード等の撮像を制御する。本実施形態において、撮像制御部116は、撮像設定部115の設定に従い、入出力コントローラ106に対して撮像部12の撮像素子に撮像を指示する撮像信号を入力し、入出力コントローラ106を介して撮像部12による撮像窓11aに翳された物体の撮像を制御する。
(読取装置の動作)
次に、読取装置10の動作について説明する。図5は、読取装置の動作の一例を示す図である。チャート501は、入出力コントローラ106に対して入力される撮像信号を示す。チャート502は、照明駆動回路107に対して入力される光制御信号を示す。チャート503は、撮像部12のゲインの変化を示す。
図5は、通常モードで30フレーム間撮像を行い、携帯モードに切替えて4フレーム間撮像を行う例を示している。この例では、読取装置10は、上記34フレームを1サイクルとして、通常モードと携帯モードを切替えながらバーコードや二次元コード等の読取を行う。
まず、撮像部12によるバーコードや二次元コード等の撮像について説明する。撮像制御部116は、通常モードにおいて、入出力コントローラ106に対して一定の時間間隔C1で長さLの間撮像信号を入力する。また、撮像制御部116は、携帯モードにおいて、入出力コントローラ106に対して一定の時間間隔C1で長さlの間撮像信号を入力する。
具体的には、撮像制御部116は、通常モードにおいて、時刻t11から長さLの撮像信号を時間間隔C1毎に撮像部12の撮像素子に対して入力する。また、撮像制御部116は、携帯モードにおいて、時刻t21から長さlの撮像信号を時間間隔C1毎に撮像部12の撮像素子に対して入力する。
ここで、時間間隔C1は、撮像部12により画像を撮像するフレームレートに応じて決定される。つまり、時間間隔C1は、1フレームの長さに相当する。また、長さL、lは、撮像部12のシャッタを開く時間(シャッタスピード)に応じて決定される。
つまり、撮像部12は、通常モードにおいて、時間間隔C1毎に長さLだけシャッタを開いて1フレーム分のフレーム画像を撮像し、携帯モードにおいて、時間間隔C1毎に長さlだけシャッタを開いて1フレーム分のフレーム画像を撮像する。したがって、長さLは通常モードにおける撮像部12の露光時間、長さlは携帯モードにおける撮像部12の露光時間を表している。
長さL、lは、撮像設定部115が設定する。ここで、撮像設定部115は、長さlは、長さLよりも長くなるよう設定を行う。
この理由について詳しく説明する。まず、商品に付したバーコードや二次元コード等を読取る場合、オペレータは、撮像窓11aの前を通過させるようにして撮像部12にバーコードや二次元コード等の撮像をさせることが多く、露光時間を長くしてしまうと、撮像される画像が手ぶれの影響を受けてデコード処理部112によるデコード処理が上手くいかず、読取精度が低下するおそれがある。
なお、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を読取る場合、オペレータや顧客は、静止させた状態で携帯端末等を撮像窓11aに翳して撮像部12にバーコードや二次元コード等の撮像をさせることが多いため、手ぶれの影響は受け難いと考えられ、露光時間を長くしても読取精度に与える影響は大きくないと考えられる。
一方、携帯モードにおいて露光時間を短くした場合は、露光不足により撮像される画像が暗くなり、デコード処理部112によるデコード処理が上手くいかず、読取精度が低下するおそれがある。
なお、通常モードでは、照明部13により光が撮像部12の撮像領域に照射されるため、露光時間を短くしても読取精度に与える影響は大きくないと考えられる。したがって、長さlが長さLよりも長くなるように設定することで、バーコードや二次元コード等の読取精度を向上させることができると考えられるからである。
図5の例では、長さLおよび長さlは一定であるが、フレーム毎に長さLおよび長さlを変更してもよい。ただし、撮像設定部115は、必ず携帯モードにおける撮像部12の露光時間が通常モードにおける撮像部12の露光時間よりも長くなるよう長さLおよび長さlを設定する。
次に、照明部13の光源の間欠点灯について説明する。まず、通常モードで撮像部12がバーコードや二次元コード等の撮像を行う場合の制御について説明する。
照明制御部113は、通常モードにおいて、照明駆動回路107に対して一定の時間間隔C2で光制御信号を入力する。これにより、照明制御部113は、撮像部12の撮像タイミング間で照明部13の光源を間欠点灯させる。なお、時間間隔C2は、照明部13の光源の間欠点灯の周期に応じて決定される。また、時間間隔C1は、時間間隔C2の正数倍である。
図5の例では、時間間隔C1は、時間間隔C2の4倍である。つまり、通常モードにおいて、時間間隔C2の間に、撮像部12は、1枚のフレーム画像を撮像し、照明部13は、光源を4回間欠点灯する。
具体的には、照明制御部113は、通常モードの1フレーム目において、時刻t11、時刻t11から時間がC2だけ経過した時刻t12、時刻t12から時間がC2だけ経過した時刻t13、時刻t13から時間がC2だけ経過した時刻t14でそれぞれ照明駆動回路107に対して光制御信号を入力する。
なお、時刻t14から時間がC2だけ経過した時刻からは2フレーム目に移行する。照明制御部113は、2フレーム目の時刻t11から30フレーム目の時刻t14まで、1フレーム目と同様に照明駆動回路107に対して光制御信号の入力を行う。
ここで、照明部13の光源が点灯するタイミングは、時刻t11で撮像部12がシャッタを開くタイミングと同期する。この為、照明部13は、撮像部12が撮像を行うタイミングで撮像窓11aに翳された物体に対して光を照射することができる。この結果、撮像部12は、時刻t11で照明部13の光源から発せられて物体により反射された反射光を撮像することができる。
つまり、照明制御部113は、上記のように光制御信号を制御することにより、撮像部12の露光時間と、照明部13の照射時間とが重なる通常モードで、撮像部12に物体の撮像をさせることができる。これにより、撮像部12は、紙媒体に印刷されたバーコードや二次元コード等をデコード処理が容易な状態で撮像することができる。
なお、時刻t12、時刻t13、時刻t14での照明部13の光源の点灯は、照射光のちらつきをオペレータに対して視認させない為のダミー点灯である。したがって、照明部13の光源は、人間が視認することができる周波数以上の周波数で点灯される必要がある。
次に、携帯モードで撮像部12がバーコードや二次元コード等の撮像を行う場合の制御について説明する。本実施形態の読取装置10は、通常モードから携帯モードに切り替わる直前のフレームにおいて、照明制御部113による照明駆動回路107に対する光制御信号の入力のパターンを変化させることで、通常モードから携帯モードに切替えてバーコードや二次元コード等の読取を行う。
図5の例では、照明制御部113は、通常モードの30フレーム目の時刻t14で照明駆動回路107に光制御信号を入力した後、時刻t14から時間が、C2よりも短いC2’だけ経過した時刻t20で照明駆動回路107に対して光制御信号を入力する。そして、照明制御部113は、通常モードの30フレーム目の時刻t14から時間がC2だけ経過した時刻t21では、照明駆動回路107に対して光制御信号の入力を行わない。
つまり、照明制御部113は、照明部13の光源の点灯タイミングを、C2とC2’との差分の時間だけ、時刻t21で撮像部12がシャッタを開くタイミングから前にずらす。
この場合、照明部13の光源が点灯するタイミングは、時刻t21で撮像部12がシャッタを開くタイミングと同期しない。この為、撮像部12は、時刻t21において照明部13の光源から光が発せられない状態で撮像窓11aに翳された物体を撮像することができる。
つまり、照明制御部113は、上記のように光制御信号を制御することにより、撮像部12の露光時間と、照明部13の照射時間が重ならない携帯モードで、撮像部12に物体の撮像をさせることができる。これにより、撮像部12は、反射率が高い携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等をデコード処理が容易な状態で撮像できる。
また、照明制御部113は、時刻t21から時間がC2だけ経過した時刻t22、時刻t22から時間がC2だけ経過した時刻t23、時刻t23から時間がC2だけ経過した時刻t24でそれぞれ光制御信号を照明駆動回路107に対して入力する。つまり、照明制御部113は、C2とC2’との差分の時間だけ前にずらした照明部13の光源の間欠点灯のタイミングを、元の間欠点灯のタイミングに戻す。
これにより、照明制御部113は、照明部13の光源の間欠点灯のちらつきをオペレータや顧客が視認することを防ぐことができる。なお、この例では、C2とC2’との差分の時間だけ照明部13の光源の間欠点灯のタイミングを前にずらしているが、照明部13の光源の間欠点灯のタイミングをずらす方法はこれに限定されない。
撮像信号と光制御信号が重ならない範囲であれば、どのように照明部13の光源の間欠点灯のタイミングをずらしてもよい。例えば、照明制御部113は、照明部13の光源の点灯タイミングを、撮像部12のシャッタスピードに応じた時間だけ撮像部12のシャッタを開く時刻から後ろにずらしてもよい。
なお、照明制御部113は、上記と同様に携帯モードの2フレーム目から4フレーム目まで照明部13の光源の点灯タイミングを、C2とC2’との差分の時間だけ、撮像部12がシャッタを開くタイミングから前にずらし、その後、元の間欠点灯のタイミングに戻す制御を行う。
そして、照明制御部113は、携帯モードの4フレーム目の時刻t24から時間がC2だけ経過した時刻に光制御信号を照明駆動回路107に対して入力する。これにより、携帯モードから通常モードに切り替わり、読取装置10は、次サイクルの動作を開始する。
次にゲインについて説明する。チャート503において、g1、g2、g3、g4はゲイン値を示す。g1、g2、g3、g4は、それぞれ異なるゲイン値である。
図5の例で撮像部12は、通常モードでは、一定のゲイン値g1で撮像窓11aに翳された物体の撮像を行い、携帯モードでは、フレーム毎にg1、g2、g3、g4とゲイン値を変化させながら撮像窓11aに翳された物体の撮像を行う。ゲイン値は、撮像設定部115が設定する。
ここで、顧客が使用する携帯端末等の表示画面は多くの種類が存在している。また、表示画面の輝度の設定も自由に変更することができるため、同一機種であっても表示画面の明るさは異なる場合がある。したがって、一様なゲイン値で表示画面の撮像を行うとバーコードや二次元コード等のデコード処理が上手くいかない可能性もある。
そこで、本実施形態の読取装置10は、携帯モードにおいて、撮像設定部115の設定に従い、撮像部12のゲイン値をフレーム毎に変化させながら撮像を行うことで、バーコードや二次元コード等の読取精度を向上させている。
なお、この例では、撮像部12のゲイン値をフレーム毎に変化させているが、ゲイン値の変化のさせ方はこれに限定されない。例えば、同一サイクル内では同じゲイン値で撮像を行い、次のサイクルで異なるゲイン値に変化させて撮像を行ってもよい。
図5の例では、切替設定部114は、通常モードでバーコードや二次元コード等の読取を行う時間が30フレーム、携帯モードでバーコードや二次元コード等の読取を行う時間が4フレームになるよう切替タイミングを設定している。
しかし、切替設定部114は、どのように切替タイミングを設定してもよい。例えば、通常モードでバーコードや二次元コード等の読取を行う時間が15フレーム、携帯モードでバーコードや二次元コード等の読取を行う時間が15フレームになるよう切替タイミングを設定してもよい。
一般的には、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を読取るのは、1会計につき1回であることが多いため、紙媒体に印刷されたバーコードや二次元コード等を読取ることを重視して、切替設定部114は、通常モードで読取を行う時間の比率が高くなるよう切替タイミングを設定することが考えられる。
しかし、何らかの事情により、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を読取る頻度が高いような場合には、切替設定部114は、携帯モードで読取を行う時間の比率が高くなるよう切替タイミングを設定すればよい。
(読取装置の効果)
本実施形態の読取装置10は、撮像部12の露光時間と、照明部13の照射時間と、が重なる通常モードと、露光時間と、照射時間とが重ならない携帯モードと、で撮像部12がバーコードや二次元コード等を撮像するよう照明部13による光源の点灯を制御する照明制御部113を備える。
また、読取装置10は、携帯モードにおける露光時間が、通常モードにおける露光時間よりも長くなるように、通常モードおよび携帯モードの露光時間を設定する撮像設定部115を備える。
撮像部12は、紙媒体に印刷されたバーコードや二次元コード等を撮像する際、撮像領域に光が照射され、かつ、露光時間が短い状態で撮像することで、露光不足になり難く、かつ、手ぶれの影響を受け難い状態でバーコードや二次元コード等の撮像を行うことができる。
ここで、従来技術のように露光時間が常に一定だと、上記のように露光時間を短くした場合、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を撮像する際には、撮像領域に光が照射されず、かつ、露光時間が短い状態で撮像を行うことになり、携帯端末等の表示画面が発する光だけでは光量が足りず、撮像される画像が暗くなってしまい、デコード処理部112によるデコード処理が上手くいかない場合がある。
これに対して、本実施形態では、撮像設定部115は、携帯モードにおける露光時間が、通常モードにおける露光時間よりも長くなるように、各モードにおける露光時間を設定するため、撮像部12は、携帯モードにおける露光時間を長く取って撮像することができる。そして、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を撮像する場合、撮像対象となる携帯端末等は静止状態であることが多く、露光時間を長く取っても手ぶれの影響は受け難い。
したがって、撮像部12は、紙媒体に印刷されたバーコードや二次元コード等を撮像する場合であっても、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等を撮像する場合であっても、デコード処理が容易な状態でバーコードや二次元コード等を撮像することができる。つまり、本実施形態の読取装置10は、バーコードや二次元コード等の読取精度を向上させることができる。
また、撮像部12は、通常モードと携帯モードを切替えながらバーコードや二次元コード等の撮像を行う。したがって、例えば、商品と携帯端末等の表示画面を交互に撮像窓11aに翳すような場面であっても、オペレータや顧客が手動でモードを切替えることなく、効率的にバーコードや二次元コード等の読取を行うことができる。
また、撮像設定部115は、携帯モードにおいて撮像部12のゲインを変化させる設定を行う。一般的に携帯端末等の表示画面の輝度は、手動又は自動で変更することが可能であり、表示画面は多くの種類が存在している。そして、表示に係る特性も異なっている。したがって、常に一定のゲイン値で撮像を行うと、バーコードや二次元コード等のデコード処理が上手くいかない場合がある。
しかし、撮像部12は、携帯モードにおいて、ゲインを変化させながら物体の撮像をすることができるため、オペレータや顧客が、どのような表示画面を撮像窓11aに翳した場合であってもデコード処理が容易な状態で撮像を行うことができる。つまり、本実施形態の読取装置10は、バーコードや二次元コード等の読取精度を向上させることができる。
また、読取装置10は、通常モードと携帯モードとの切替タイミングを設定する切替設定部114を備える。
したがって、本実施形態の読取装置10は、商品に付したバーコードや二次元コード等の読取を重視する場合は、撮像部12が通常モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間の比率が高くなるように切替タイミングを設定し、携帯端末等の表示画面に表示されたバーコードや二次元コード等の読取を重視する場合は、撮像部12が携帯モードでバーコードや二次元コード等の撮像を行う時間の比率が高くなるように切替タイミングを設定することができる。つまり、本実施形態の読取装置10は、バーコードや二次元コード等の読取効率を上げることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態の読取装置10で実行されるプログラムは、読取装置10が備える記憶媒体(ROM104又は記憶部109)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
なお、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態の読取装置10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態の読取装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。