JP5792409B1 - 光学的読取装置および光学的読取プログラム - Google Patents
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光学的読取装置が光学的読取情報を読み取るための専用機として開発される一方、スマートフォンのアプリケーションソフトの一つとして、光学的読取プログラムをスマートフォンにて動作させて、スマートフォンを光学的読取装置として機能させることもできるようになってきている。
このような自動焦点機能を有するカメラを用いた光学的読取装置として、特許文献1に記載されたものが知れている。
特許文献1に記載の光学的情報読取装置は、受光センサの光軸に対する角度だけ傾斜した方向にマーカ光が照射され、マーカ光の位置に基づいてQRコード(登録商標)までの距離が演算され、QRコードが被写界深度内にない場合に、結像レンズを、上記距離に応じて合焦させるようにレンズ移動機構により光軸方向に移動させた状態で、QRコードを含むように生成された画像データに基づいて当該QRコードがデコードするようにしたものである。
走査手段が中間ラインから走査を開始することで、操作者が画像の中央部に位置させるように光学的読取情報を撮影することが多いため、素早く、走査データに光学的読取情報を含めることができる。また、光学的読取情報が、画像の中間ラインの一側または他側に片寄っているときに、一側全部を先に他側全部を後に走査したり、他側全部を先に一側全部を後に走査したりするより、中間ラインを挟んで一側または他側の各ラインを交互に走査する方が、平均的に光学的読取情報を発見することができる。
しきい値選択手段が、開始しきい値を挟んで高輝度側または低輝度側を交互に、二値化するしきい値として選択することで、しきい値として、高輝度側へ上げるだけとしたり、低輝度側へ下げるだけとしたりするより、正読できる確率を向上させることができるので、効率よく、デコードを試すことができる。
図1に示すレジ精算システム10は、スマートフォンを使用した精算装置20と、レシートプリンタ30と、キャッシュドロア40とを備えている。レジ精算システム10は、例えば、弁当やサンドイッチ、おにぎりなどの商品に付与された光学的読取情報Bを読み取り精算する。レジ精算システム10は、コンビニエンスストアや文具店、ケーキ屋などで販売される商品を、家族だけで販売したり、数人の従業員だけ販売したりするような小規模な店舗に適した装置である。
図2に示すように、精算装置20は、光学的読取装置として機能する、自動焦点機能付きのカメラ201と、カメラ設定手段202と、走査手段203と、しきい値選択手段204と、デコード手段205と、判定手段206とを備えている。また、精算装置20は、精算機として機能する精算手段207を備えている。更に、精算装置20は、無線通信手段208と、表示手段209と、入力手段210とを備えている。なお、図2においては、電話機能やインターネットアクセス機能などは省略している。
カメラ設定手段202は、予め決定された設定データをカメラ201に設定する。
しきい値選択手段204は、走査データを二値化する際のしきい値を選択する機能を備えている。
デコード手段205は、走査手段203からの走査データをしきい値選択手段からのしきい値に基づいて二値化してデコードする機能を備えている。このデコード手段205は、モジュール化されており、光学的読取情報Bの種類に応じて変更することが可能である。例えば、光学的読取情報Bがバーコードであれば、JANやCODE39、CODE128、NW‐7などに応じたデコード手段205を他の手段と組み合わせることができる。
精算手段207は、光学的読取情報Bを示すデコードデータにより購入商品を特定し、この購入商品に関連付けられた購入金額を積算し、購入商品ごとの購入金額と、積算された購入金額とを精算データとして、レシートプリンタ30へ出力する機能を備えている。
表示手段209は、カメラ201により撮影された画像を表示したり、デコード手段205からのデコードデータを表示したりする表示パネルである。表示手段209は、例えば、液晶パネルとしたり、有機ELパネルとしたりすることができる。
入力手段210は、アプリケーションプログラムを起動したり、設定データを入力したりするときに操作される。入力手段210は、表示手段209の表面に設けられたタッチパネルとすることができる。
スマートフォンにて光学的読取プログラムおよび精算プログラムが起動されると、スマートフォンが精算装置20として機能する。光学的読取プログラムが起動されることで、カメラ設定手段202は、カメラ設定手段202内または図示しない記憶手段に格納された設定データをカメラ201へ設定する。
「自動焦点機能」は自動焦点機能を有効とするか無効とするかの設定である。「自動焦点機能」の設定は、「無効」である。従って、カメラ201の焦点距離は、焦点距離により設定された距離に固定される。焦点距離は、精算装置20を用いて商品に付与された光学的読取情報Bをピンぼけ無しに正確に読み取れる距離である。距離は、操作者が、商品と精算装置20とを持って向かい合わせさせる間隔であるため、例えば、数cmから10cmとすることができる。
例えば、カメラがプログラムモードのみをサポートしている場合には、これらの選択はできなくても、光学的読取装置のカメラとして支障はない。
走査手段203は、図3に示すように、表示手段209の左右方向をX方向、上下方向をY方向としたときに、Y方向を一方向として、X方向に沿ったラインごとに走査する。走査手段203は、まず、中間ラインを最初の走査ラインとして、画像から抽出してそれぞれ画素の輝度値を走査データとしてデコード手段205へ出力する。中間ラインは、Y方向の画素数Dyを2で除算した位置にあるラインである。
ここで、しきい値選択手段204によるしきい値の選択処理について、詳細に説明する。
しきい値選択手段204では、図4に示すように、まず、開始しきい値を決定する。この開始しきい値は、まず、走査データの一次元配列の全画素を検査して、最大輝度値(以下、最大値と略す。)と最小輝度値(以下、最小値と略す。)とを取得する。次に、しきい値選択手段204は、最大値から最小値を減算して最大変化量を算出する。次に、しきい値選択手段204は、上限値を、最大変化量×0.8+最小値から求める。次に、しきい値選択手段204は、下限値を、最大変化量×0.1+最小値から求める。更に、中央値を(上限値+下限値)÷2から求める。しきい値選択手段204は、この中央値を開始しきい値として、デコード手段205に出力する。
例えば、しきい値選択手段204では、開始しきい値に、デコード回数×2を加算したしきい値を選択することができる。つまり、デコード回数が2回目であれば、しきい値が4階調上の輝度値となる。更に、しきい値選択手段204は、デコード回数×2を減算したしきい値を選択することができる。つまり、デコード回数が3回目であれば、しきい値が6階調下の輝度値となる。
走査手段203では、中間ラインを挟んで上下の各ラインを交互に走査する。例えば、走査手段203は、中間ラインの1ライン上を走査データとして、デコード手段205へ出力する。しきい値選択手段204は開始しきい値をデコード手段205へ出力する。
しかし、カメラ201は焦点距離が固定され、例えば、100mmとしているため、操作者は、カメラ201と商品に付与された光学的読取情報Bとの距離を100mmに合わせようとする。そのため、一瞬でも、光学的読取情報Bがカメラ201の焦点距離に位置すると、カメラ201は合焦することができる。また、精算装置20は、カメラ201の焦点距離を固定するだけで、特別な機能を用いていないため、スマートフォンのような、誰でも所有しているような機器を精算装置20として用いることができる。従って、精算装置20は、自動焦点機能を有するカメラ201を用いて、手軽に、小規模な店舗にて、レジでの精算に手軽に使用できる。
精算手段207では、精算装置20の光学的読取として機能する部分により読み取られた光学的読取情報Bに基づいて商品を特定し、この商品に関連付けられた価格を購入金額として積算する。精算手段207は、購入商品と、この購入商品の金額と、総額とを、精算データとして、無線通信手段208へ出力する。
無線通信手段208は、精算手段207からの精算データを、アンテナを介して外部のレシートプリンタ30へ送信する。レシートプリンタ30では、精算データに応じてレシートを印刷すると共に、キャッシュドロア40の引き出しを開くようキャッシュドロア40へ指示する。
本実施の形態では、図1に示すように、光学的読取情報Bとして一次元バーコードを例に説明したが、QRコードのような二次元バーコードでも、二次元バーコード上の各ラインを順次デコードすることで可能である。
また、本実施の形態では、精算装置20を用いたレジ精算システム10を例に説明したが、精算手段207を物品管理する管理手段に置き換えることで物品管理を行うこともできる。
更に、精算装置20は、スマートフォンを使用しているが、他の携帯端末装置でも使用できる。
20 精算装置
201 カメラ
202 カメラ設定手段
203 走査手段
204 しきい値選択手段
205 デコード手段
206 判定手段
207 精算手段
208 無線通信手段
209 表示手段
210 入力手段
30 レシートプリンタ
40 キャッシュドロア
B 光学的読取情報
Claims (4)
- 光学的読取情報を自動焦点機能により撮影するカメラの焦点距離を固定に設定するカメラ設定手段と、
前記カメラからの画像を走査して、一方向のラインごとの輝度値を走査データとして出力する走査手段と、
前記走査データを二値化するためのしきい値を選択するしきい値選択手段と、
前記しきい値と走査データとからデコード手段が走査データを二値化してデコードしたときの正読または誤読を判定して、前記光学的読取情報が正読できれば合焦したと判定して、前記デコード手段からの前記光学的読取情報を示すデコードデータを出力する判定手段とを備え、
前記走査手段は、前記判定手段が前記光学的読取情報への合焦を判定するまで、前記画像の一方の中間ラインから走査を開始して、前記中間ラインを挟んで一側または他側の各ラインを交互に走査する機能を備えた光学的読取装置。 - 前記カメラ設定手段は、前記カメラの露出補正をプラス補正に指示する機能を備えた請求項1記載の光学的読取装置。
- 前記しきい値選択手段は、前記判定手段が前記光学的読取情報への合焦を判定するまで、前記ラインの最大輝度値と最小輝度値とから求めた開始しきい値を基準に、前記開始しきい値を挟んで高輝度側または低輝度側を交互に二値化するしきい値として選択する請求項1または2記載の光学的読取装置。
- コンピュータを、
光学的読取情報を自動焦点機能により撮影するカメラの焦点距離を固定に設定するカメラ設定手段、
前記カメラから画像を走査して、ラインごとの輝度値を走査データとして出力する走査手段、
前記走査データを二値化するためのしきい値を選択するしきい値選択手段、
前記しきい値と走査データとからデコード手段が走査データを二値化してデコードしたときの正読または誤読を判定して、前記光学的読取情報が正読できれば合焦したと判定して、前記デコード手段からの前記光学的読取情報を示すデコードデータを出力する判定手段として機能させ、
更に、コンピュータを、前記判定手段が前記光学的読取情報への合焦を判定するまで、前記走査手段が、前記画像の一方の中間ラインから走査を開始して、前記中間ラインを挟んで一側または他側の各ラインを交互に走査するように機能させる光学的読取プログラム。
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