JP7360397B2 - グルカゴンペプチドの製造 - Google Patents

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Description

本発明は、概して、工業的又は研究室スケールでのペプチド製造の分野に関する。本発明は、グルカゴンペプチドを効率的に合成し、そして精製する方法に関する。
ヒトグルカゴンはGCG遺伝子(HGNC:4191)の産物である。ペプチドは平均分子量3482.80g/molを有し、そして一文字コードで記述された29アミノ酸の以下の配列:
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT (配列番号1)
からなる。
内分泌グルカゴンは、膵臓のアルファ細胞により産生され、そして中心的な異化ホルモンである。
グルカゴンは薬剤として、とりわけ重症低血糖の緊急処置として使用される。治療目的のためのグルカゴンは、ウシ及びブタの膵臓から最初に抽出され、そして精製された。今日では、グルカゴンは工業スケールで、大部分は組み換え技術により、そしてより最近では、化学的ペプチド合成によっても製造される。
化学的ペプチド合成は広範囲にわたって文献に記載されてきた。化学的ペプチド合成への2つの標準的なアプローチ、すなわち液相ペプチド合成(LPPS)及び固相ペプチド合成(SPPS)が区別され得る。さらに、ハイブリッドアプローチが利用され得、この場合、フラグメントが上記技術のうちの1つにより最初に合成され、次いで他方の技術を使用して接合される。溶液相ペプチド合成とも呼ばれるLPPSは、均一反応媒体中で起こる。連続するカップリングにより所望のペプチドが得られる。SPPSでは、不溶性ポリマー樹脂に固定されているペプチドが、その配列を構成する保護されたアミノ酸の連続的付加により組み立てられる。最も一般的には、ペプチドはそのC末端アミノ酸を介して固定され、そして合成はC末端からN末端へ進む。
成長する鎖は不溶性支持体に結合されているので、過剰な試薬及び可溶性副生成物は単純な濾過により除去することができる。しかし、特に大きなペプチドの合成について、樹脂に結合した副生成物は、ペプチド鎖伸長の各サイクルの間に蓄積し得る。結果として、最終生成物の精製は非常に困難になり得る。
グルカゴンペプチドの精製は、それらの凝集する傾向に起因して特に厳しい。グルカゴンは酸性pHで凝集する傾向があるということが知られている(例えば、非特許文献1)。本発明は、グルカゴンペプチドの製造及び精製のための方法を提供する。
その治療剤としての長い歴史にもかかわらず、グルカゴン製造及び精製に関する文献は限られている。
特許文献1は、天然供給源からグルカゴンを濃縮する方法を開示する。この方法は、フィード溶液及び約9~約11のpHを有する移動相を使用した繰り返しサイズ排除クロマトグラフィーに依存する。グルカゴンは酸性溶液中でゲル及び小線維を形成する傾向があるので、酸性pHでの精製工程を避けるよう教示される。
特許文献2は、E.coliにおけるグルカゴン腫瘍壊死因子融合タンパク質の組み換え発現を報告する。融合タンパク質は切断され、そしてグルカゴンはC18固定相を使用するHPLCにより精製される。精製に関する詳細は示されていない。
Yoshida及びTerakoka(非特許文献2)は、ヒトインターフェロンガンマとの融合タンパク質としての組み換えグルカゴンの精製を教示する。グルカゴンは、融合タンパク質の可溶化及び切断により封入体から回収される。様々な精製プロトコルが開示される。C18逆相HPLC、続いてイオン交換DEAE-HPLCを使用する2工程プロトコルは、不満足な収率を生じると報告される。改善されたプロトコルは、S-Sepharoseクロマトグラフィー工程、続いてSephadex G-15カラムを使用した脱塩及びSephacryl-S100カラムを使用するサイズ排除クロマトグラフィーを含む。示差等電点沈殿(differential isoelectric precipitation)に依存する精製スキームが大規模製造には最も好ましかった。
Ishizakiら(非特許文献3)は、大量の組み換えグルカゴンの精製を記載する。組み換え発現されたグルカゴン融合タンパク質を封入体から単離し、特異的プロテアーゼを用いて切断し、そして切断産物を、0.1トリフルオロ酢酸中の32~42%アセトニトリルの線形グラジエントを使用するC18逆相HPLCにより精製する。グルカゴンペプチド含有フラクションは約90%の純度を有し、そしてその後10mM TRIS-HCl、pH8.5、20%アセトニトリル中0~0.1M NaClの線形グラジエントを使用するイオン交換HPLCにより精製する。最終生成物の純度は開示されていない。
Mollerupら(非特許文献4)は、組み換えグルカゴンの製造のための別の方法を教示する。グルカゴンは出芽酵母(S.Cerevisiae)において発現され、そして一連のクロマトグラフィー工程で精製される。
上の方法は、封入体からの可溶化及びプロテアーゼ切断後の組み換え発現されたグルカゴンの精製のための最適化された。このようなサンプルは化学的ペプチド合成から、特にSPPSから得られたものより複雑性が低いことに留意すべきである。
特許文献3は、カップリングが高温で行われるグルカゴンのFmoc SPPSを開示する。場合により、擬プロリン(pseuoproline)ジペプチドが使用される。
特許文献4は、SPPSにより得られた粗製グルカゴン調製物の精製を記載する(実施例1~3を参照のこと)。粗製ペプチドは、30%酢酸及び5%水性アセトニトリルに溶解され、濾過され、希釈され、そして3工程の手順により精製される。第一に、オクタデシルシラン結合シリカを固定相として、及び水性硫酸及び過塩素酸を含む移動相におけるアセトニトリルグラジエントを使用して逆相クロマトグラフィーを行う。第二の工程は、アンモニアを用いてpHを調整した後に塩析することを含む。次いで沈殿物を過塩素酸水溶液に再溶解する。第三の工程において、アニオン交換を行う。工程2の溶解された沈殿物をC18固定相にロードし、アセトニトリル及び酢酸アンモニウム水溶液を含む移動相で洗浄し、そして塩酸を含む水溶液で溶出する。
この方法は、良好な収率及び99.0%より高い純度を生じると言われる。しかし、そのようにして製造されたグルカゴンの不純物プロフィールは開示されていない。さらに、過塩素酸は危険なほど腐食性であり、爆発の可能性がある混合物を容易に形成し、そして広範な規制を受ける。したがって、プロセス及び生成物の安全性のために、過塩素酸の使用を避けることが望ましい。
US 4,033,941 KR-B 0149955 特許出願CN-A 103333239 特許出願CN-A 103694338
European J. Biochem. 11 (1969) 37-42 Annual Report of Shionogi Research Laboratories No 45, 1-18, 1998 Appl Microbiol Biotechnol (1992) 36:483-486 Book of Abstracts, 211th ACS National Meeting, New Orleans, LA, March, 24-28, 1996
高度に純粋なグルカゴンの工業的製造を可能にする改善された方法の必要性がなお存在する。特に、ペプチド凝集を避けながらdes-Thr5-、des-Ser2、及びGlu24-グルカゴンのような関連する物質の除去を可能にする、グルカゴン精製の経済的に実行可能な方法が必要とされる。
驚くべきことに、高度に純粋なグルカゴンの製造のための単純な方法が見いだされた。固定相として炭化水素結合シリカを使用し、そして第一の工程においてリン酸トリエチルアンモニウム及びアセトニトリルを含む第一の移動相を使用し、続いて酢酸水溶液及びアセトニトリルを含む第二の移動相を用いる第二の工程を使用する2つの連続したクロマトグラフィー工程を採用することが有利であることが見いだされた。驚くべきことに、両方の精製工程が、それらの精製パターンにおいて相補的であることが見いだされた。行われた実験において、再現性良く、高い収率並びに99.0%より高い、そして99.3%よりも高いプールされたフラクションの高い純度を再現性よく達成することができ、そして得られた生成物のゲル化は十分に制御された。
一般に、いくつかの略号及び定義は本発明全体を通して使用される:
Å オングストローム(0.1nm)
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
Boc tert.ブチルオキシカルボニル
DBU ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DEPBT 3-(ジエトキシ-ホスホリルオキシ)-3H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-4-オン
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
Dmb 2,4-ジメトキシベンジル
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DTE 1,4-ジチオエリトリオール(dithioerythriol)
DTT 1,4-ジチオトレイトール
EDT 1,2-エタンジチオール
Fmoc 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
GLP-1 グルカゴン様ペプチド1
GLP グルカゴン様ペプチド
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
本明細書において使用される用語HPLCはUHPLCを含む。
IPE ジイソプロピルエーテル
LC-MS 液体クロマトグラフィー-質量分析
LOD 検出限界
LPPS 液相ペプチド合成
MTBE メチルtert.ブチルエーテル
MTT 4-メチルトリチル
NHOAc 酢酸アンモニウム
NMP N-メチルピロリドン
OMpe 3-メチルペンタ-3-イルエステル
OtBu tert.ブチルエステル
ONSu N-ヒドロキシコハク酸イミド(OSuとしても知られる)
Oxyma シアノ-ヒドロキシイミノ-酢酸エチルエステル(OxymaPure(R)としても知られる)
Pbf 2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
RP-HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
RT 室温
SEC サイズ排除クロマトグラフィー
SPPS 固相ペプチド合成
tBu tert.ブチル
TBTU (ベンゾトリアゾリル)テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TEAP リン酸トリエチルアンモニウム
TES トリエチルシラン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TIPS=TIS トリイソプロピルシラン
Trt トリチル
UHPLC 超高パフォーマンス液体クロマトグラフィー
別の指示がなければ、液体混合物は、周囲温度での体積パーセンテージ及び体積比により定義される。
別の記述がなければ、pH値はそれぞれの水溶液を使用しようとする温度について示される。定義により、pH値は水溶液についてのみ、例えば移動相を調製する際に使用される水性成分についてのみ示すことができる。
本出願の文脈において使用される用語「約」は、いずれかの与えられた数値から10%までの逸脱を示すために使用される。
本出願の文脈において使用される「組成物C」又は「組成物GC」のような表現は、「組成物(C)」又は「組成物(GC)」と同義と理解され得、すなわち、「C」及び「GC」は、参照記号と理解され得る。
本明細書で使用される用語「保護基」は、官能基の化学修飾により、その基をその後の工程段階における反応から遮断するため、例えば、アミノ酸側鎖の副反応を防止するために分子中に導入される基として最も広い意味で理解され得る。アミノ保護基の例はBoc及びFmoc基であり、カルボン酸保護基の例は、メチルエステル、ベンジルエステル、又はtert.ブチルエステルのような非反応性エステルである。
アミノ酸は、それらの正式名称(例示:アラニン)、WIPO標準ST.25に従う三文字コード(例えば、Ala)、又は一文字コード(例えば、A)のいずれかにより交換可能に言及される。鏡像異性体形態が明示的に特定されていない限り、L-アミノ酸が一般的に言及される。しかし、本発明は、D-アミノ酸及び他の立体異性体を使用しても同様に実施することができるということに留意すべきである。
本明細書で使用される用語「ペプチド」及び「ポリペプチド」は交換可能に理解され得る。これはペプチド結合で連結されている2つ又はそれ以上のアミノ酸のポリマーを指す。アルファアミノ酸の場合、ペプチド結合は、1つのアミノ酸のアルファカルボキシル基と次のアミノ酸のアルファアミノ基との間のアミド結合であり得る。用語「ペプチド」又は「ポリペプチド」は、分枝及び環状ペプチド、非天然アミノ酸を含むペプチド、同位体標識されたペプチド変形、並びにペプチド誘導体を含むことに留意すべきである。分枝ペプチドは、例えば、2つのペプチド鎖を、直接又は分子リンカーを介してアミノ酸側鎖を介して連結することから生じ得る。環状ペプチドは、例えば、末端又はアミノ酸側鎖における官能基間の分子内ジスルフィド結合形成から、又は分子内縮合反応から生じ得る。
ペプチド誘導体は、末端又はアミノ酸側鎖に、例えば、アシル化、アセチル化、アミド化、及び/又は別の方法で修飾された官能基を有するペプチドを含む。
別の指示がなければ、ペプチド配列は本明細書において、N-末端から始まり(左)、そしてC末端で終わる(右)ように示される。表1は様々な表記を説明し、これらは等価であり、そしてこの書面全体を通して交換可能に使用される。
Figure 0007360397000001
ペプチド配列内の特定のアミノ酸は、本明細書においてアラビア数字で、場合により上付き文字で位置番号を示すことにより言及される。例として、ペプチドGly-Leu-Ala-Phe-Ala(配列番号6) (GLAFAとしても知られる)の位置3におけるアミノ酸Ala(Aとしても知られる)は、Ala3又はAla又はA3又はAと言及される。これらの表記は交換可能に使用される。
以下の表記はアミノ酸誘導体のために使用される:アルファアミノ基(Nα)上の置換基は、アミノ酸記号の左に示され、そしてハイフンで隔てられており、アルファカルボキシ基における置換基は、アミノ酸記号の右に示され、そしてハイフンで隔てられており、側鎖における置換基は、アミノ酸記号のすぐ右に括弧内に示される。
Hisの側鎖における置換基は、通常はイミダゾール環の位置1における窒素原子に位置する。置換基の位置は、しばしば明確には特定されていない。したがって、例えば、Fmoc-His(Trt)-OHは特にFmoc-His(1-Trt)-OHを含む。非修飾アルファ-アミノ酸については、アルファアミノ酸基(Nα)における置換基はプロトン(H-)であり、そしてアルファカルボキシ基における置換基はヒドロキシル(-OH)である。類似した表記が、ペプチドの一部である置換アミノ酸について使用される。
本明細書において使用される用語「アナログ」は、その配列が第一のペプチド配列から、3つまでのアミノ酸部分の置き換えにより誘導されたペプチド、及び/又は該第一のペプチド配列の3つまでのアミノ酸部分の欠失により誘導されたペプチド、及び/又は3つまでのアミノ酸部分の付加により誘導されたペプチドについて使用される。
本明細書で使用される用語「誘導体」は、化学反応により第一の化合物から得ることができる化合物を指す。結果として、誘導体は置換の存在又は不在により第一の化合物と異なり得る。例えば、SPPSにおける使用のためのアミノ酸誘導体は、少なくともアミノ保護基の存在により、それらが誘導されたアミノ酸とは通常異なる。ペプチド誘導体としては、特に、ペプチドのアシル化、アミド化、ペグ化(pegylated)及び別の標識バージョンが挙げられる。
本明細書で使用される用語「グルカゴン様ペプチド」又はGLPは、GCG遺伝子から誘導された相同ペプチド(HGNC:4191)、エキセンディン及びそのアナログ、さらには上述のもののいずれかの誘導体を指す。
用語「グルカゴン様ペプチド1アナログ」及び「GLP-1アナログ」は、本明細書において交換可能に使用される。本明細書で使用される場合、それらはGLP-1受容体に結合することができるペプチドに関する。GLP-1(7-37)及びエキセンディン4(1-39)の誘導体及びアナログ、例えばエキセナチド、リキシセナチド、セマグルチド及びリラグルチドは好ましいGLP-1アナログである。
本明細書で使用される表現「グルカゴン」及び「グルカゴンペプチド」は、配列番号1のペプチド(His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr)、又はその誘導体若しくはアナログを指すために交換可能に使用される。
特に好ましい実施態様において、グルカゴンペプチド(本発明の方法に従って製造されることを意図される)は配列番号1のペプチドである。
あるいは、本発明のグルカゴンペプチドはまた、3つまでのアミノ酸の付加、挿入、欠失及び/又は置換により配列番号1と異なるペプチドであり得る。これは、3つまでのアミノ酸位置が、問題のペプチドの配列番号1のペプチドとの配列アライメントに基づいて配列番号1とは異なるとみなされ得る-アミノ酸残基の付加、挿入、欠失、及び/又は置換に起因してそうなる-ということを意味する。BLAST又はClustalWのような典型的な配列アライメントツールは当業者に周知である。3つまでのアミノ酸の付加、挿入、欠失及び/又は置換を含むこのようなグルカゴンペプチドは、好ましくは粗製グルカゴンペプチド混合物中に含まれ、これは目的のグルカゴンペプチド(特に、配列番号1のグルカゴンペプチドも含む。しかし、当然のことながら、3つまでのアミノ酸の付加、挿入、欠失及び/又は置換を含むこのようなグルカゴンペプチドは、あるいは目的のグルカゴンペプチドでもあり得る。したがって、3つまでのアミノ酸の付加、挿入、欠失及び/又は置換を含むこのようなグルカゴンペプチドは、場合により製造(そして精製)しようとするグルカゴンペプチドでもあり得る。次いで、保持時間は異なる。当業者は適切に条件を適合させるだろう。
本明細書で使用される配列相同性は、当該分野で公知の配列相同性のいずれかの定義を指し得る。特に、配列相同性は、本出願の出願日のバージョンの国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)のBLAST (Basic Local Alignment Search Tool)により決定された配列相同性として理解され得る。
好ましくは、グルカゴンペプチド(可溶性形態、すなわち樹脂から切断された)は、(本質的に)いずれの保護基も含まず、そしてアミノ酸側鎖において修飾を有していない。したがって、グルカゴンペプチドは、好ましくは完全に無保護のペプチドであり、これは好ましくはさらに修飾されない。
あるいは、グルカゴンペプチドのN末端は修飾され得る(例えば、アシル化、特にアセチル化)。あるいは又はさらに、C末端は修飾され得る(例えば、アミド化)。
あるいは又はさらに、1つ又はそれ以上のアミノ酸部分側鎖は、フルオロフォアに結合され得る。場合により、グルカゴンペプチドは放射標識されてもよく(例えば、3H、32P、35S、14C、99mTc又はランタニド元素(例えば、64Gd)により)、又は核磁気共鳴(NMR)により検出可能な1つ若しくはそれ以上の重同位体、例えば13Cのようなスピン標識で標識されてもよい。
グルカゴンペプチドは、典型的に天然L-アミノ酸からなる。しかし、あるいは、ペプチドは、例えば、D-アミノ酸、ベータアミノ酸、メチル化アミノ酸(例えば、N-メチル化又はアルファ-メチル化アミノ酸)のような1つ又はそれ以上の非天然アミノ酸を含んでいてもよく、又はそれらからなるものであってもよい。
当業者は、極性環境において、特に水性環境において、グルカゴンペプチドのペプチド鎖が、例えば、末端及び/又はアミノ酸側鎖のいくつかにおいて、プロトン又は他のカチオン及び/又はアニオンを結合することによって、プロトン又は他のカチオン及び/又はアニオンを放出することによって塩を形成し得るということがわかるだろう。
当業者には当然のことながら、本明細書で使用されるグルカゴンペプチドは、アニオン又はカチオンのような当該分野で公知のいずれかの対イオン、例えば塩化物イオン、酢酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、切断溶液のいずれかのイオン(例えば、TFAイオン、臭化物イオン、過塩素酸イオン、アンモニウムイオン)及び/又は保護基の残基のカチオン若しくはアニオンを場合により保有し得る。さらに、ペプチドは、痕跡量の1つ又はそれ以上のスカベンジャー、例えばトリイソプロピルシラン(TIS)、ジチオトレイトール(DTT)、アニソール、チオアニソール又は1,2-エタンジチオールに場合により共有結合又は非共有結合で結合され得る。
本発明は、グルカゴンペプチドを効率的に合成及び精製する方法に関する。
特に、本発明の一局面は、
a) グルカゴンペプチド及び少なくとも1つの不要な成分を含む液体組成物Cを供給する工程;
b) 組成物Cを、第一の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)精製にかける工程、[ここで、炭化水素結合シリカが固定相として使用され、リン酸トリエチルアンモニウム及びアセトニトリルを含む水性移動相が使用され、そして溶出は、グルカゴンペプチドを含有するフラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を徐々に増加させることにより達成される];並びに
c) 工程b)において得られたプールされたグルカゴンペプチド含有フラクションを、第二の逆相HPLC精製にかける工程、[ここで、炭化水素結合シリカが固定相として使用され、酢酸及びアセトニトリルを含む移動相が使用され、そして溶出は、精製されたグルカゴンペプチドを含有するフラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を徐々に増加させることにより達成される]、
を含む、グルカゴンペプチドの製造方法に関する。
一実施態様において、本発明の方法は、
d) アニオン交換を行う工程
をさらに含み、好ましくは、ここでアセテートはクロリドで置き換えられ、かつ/又はアニオン交換は、凍結乾燥、限外濾過、透析、固相抽出、逆相クロマトグラフィー若しくはイオン交換クロマトグラフィーにより達成される。
用語「グルカゴン及び少なくとも1つの不要な成分を含む液体組成物Cを供給すること」は、グルカゴン及び少なくとも1つの不要な成分を含有するいずれかの液体組成物を得ることとして最も広い意味で理解され得る。グルカゴンは、当該分野で公知のいずれかの手段により供給され得る。例として、バイオテクノロジー方法から、固相ペプチド合成(SPPS)若しくは液相ペプチド合成(LPPS)から、又はそれらの組み合わせから得られ得る。液体組成物Cは、粗製グルカゴンペプチドを本質的に含み得、又は部分的に精製されたグルカゴンペプチドを含み得る。
本発明の好ましい実施態様において、工程a)は:
(a-i) 固相に結合されたグルカゴンペプチドを供給する工程、[ここで、少なくともGlu、Asp、及びLysの側鎖は保護基を有する];及び
(a-ii) 固相からグルカゴンペプチドを切断し、そして好ましくは、グルカゴンペプチドから保護基を除去する工程
を含む。
本出願の目的のために、用語「未加工(raw)」及び「粗製(crude)」は、グルカゴンのようなペプチドの調製物を指定するために交換可能に使用され、これらは本質的に、合成及び単離プロセスの直接生成物であり、そしてクロマトグラフィーのような特定の精製工程にまだかけられていない。化学合成により、通常は約40~70%の純度を有する粗製グルカゴン調製物が得られる。しかし、当然のことながら、液体組成物Cは、100%未満の純度(例えば、30、40、50、60、70、80、90、又は95%より高い純度)のいずれかの程度を特徴とし得、そして本発明の実施態様は、部分的に精製されたグルカゴン組成物に有利に適用され得る。
用語「工程bにおいて得られたプールされたグルカゴン含有フラクション」は、工程bにおいて得られた適切な純度のグルカゴン含有フラクションのプールに関すると理解され得る。さらなる加工のためにプールしようとする、すなわち合わせようとするフラクションの選択は、得られたフラクションのグルカゴン含有量及び純度の分析に基づき得る。
用語「不要な成分」は、不純物とみなされる化合物についての最も広い意味で本明細書において使用される。特に好ましい種類の不純物は、グルカゴンの合成及び貯蔵の間に形成され、そして例として、アミノ酸、ペプチド及びそれらの誘導体からなる群より選択され得る。特に、アミノ酸、ペプチド、及びそれらの誘導体からなる群より選択される不純物が包含され、これらは、ペプチド合成の間の未熟鎖終結、ペプチド合成の間の少なくとも1つのアミノ酸の脱落又は意図されない付加、保護基の不完全な除去、アミノ酸カップリング又はFmoc脱保護工程の間に発生する副反応、分子内又は分子間縮合反応、固相からのペプチド切断の間の副反応、ラセミ化、いずれかの他の種類の異性体形成、脱アミド、(部分的)加水分解、及び凝集体形成のようなプロセスから生じ得る。グルカゴンが凝集体形成しやすいこと、及び低いpH値がしばしばこのプロセスを促進すること、すなわち、低pH値が不安定化条件を表すこと(例えば、Wang et al.、Mol.Pharm 12:411-419を参照のこと)は、当該分野で公周知である。上で概説したようなプロセスから生じたペプチド性混入物は、「関連物質」と呼ばれることもある。
特に好ましい実施態様において、不要な成分はペプチド性不純物である。本明細書で使用される表現「ペプチド性不純物」は、不要なペプチド性化合物を指し、そして特にHMW(高分子量)不純物、精製しようとするペプチドの誘導体、精製しようとするペプチドの切断型変異体、精製しようとするペプチドの欠失変異体、並びにこのような切断型及び欠失変異体の誘導体を含む。ペプチド性不純物は、RP-UHPLCを含む適切な分析用クロマトグラフィー方法により日常的に決定される。
一実施態様において、不要な成分は、精製しようと知るグルカゴンペプチドの共有結合又は非共有結合凝集体を含む。このような不要な成分は、生理学的に不活性であるか、又は未知の生理学的効果のものであり、そして5000Daよりも大きい分子量を有する。これらは本明細書において「高分子量(HMW)不純物」と呼ばれる。別の実施態様において、不要な成分は精製しようとするペプチドの誘導体であり、例えば、アミノ酸ラセミ化、アミノ酸側鎖の酸化若しくは加水分解、及び/又はペプチド合成の間に形成された副生成物である。別の実施態様において、不要な成分は、精製しようとするペプチドの切断型変異体又はこのような切断型変異体の誘導体である。本明細書で使用される表現「切断型変異体」は、ペプチド配列のN末端及び/又はC末端において1つ又はそれ以上のアミノ酸を欠いている、所定のペプチドの連続したフラグメント、すなわちギャップのない配列を指す。別の好ましい実施態様において、不要な成分は、精製しようとするペプチドの欠失変異体又はこのような欠失変異体の誘導体を含む。本明細書で使用される表現「欠失変異体」は、それらの一次配列が単一又は複数のアミノ酸を欠いている点で異なる、精製しようとするペプチドの変異体を指すために使用される。「取り除かれた」アミノ酸は、元のペプチド配列内のいずれかの位置にあり得る。それ故、切断型変異体は、欠失変異体の特定の型とみなされ得る。
最も好ましい実施態様において、本発明に従う方法は、本質的に純粋なグルカゴン調製物を得るように、ペプチド性不純物の除去を可能にする。本発明の方法により、分析用クロマトグラフィーにより好ましくは205と230nmとの間の波長でのUV検出を用いて相対的ピーク面積に関して評価して、0.5%を超えるいずれの個々のペプチド性不純物も含有しない、本質的に純粋なグルカゴンペプチドが得られるということが示された。
いくつかの実施態様において、不要な成分は、Met(O)27-グルカゴン、及び/又はSer若しくはThrを欠いたグルカゴン欠失変異体及び/又はGlu24-グルカゴンの少なくとも1つを含む。
一実施態様において、不要な成分は、des-Thr-グルカゴン(配列番号2)、des-Ser-グルカゴン(配列番号3)、及び/又はGlu24グルカゴン(配列番号4)を含む。
本明細書に記載される本発明の実施態様は、合成後に得られる粗製調製物からグルカゴンを精製するために有利に使用され得る。本発明はグルカゴン合成の特定の方法にいかなるようにも限定されないが、好ましい実施態様は、化学合成されたグルカゴンペプチドの精製を含む。グルカゴンペプチドは、例えば、適切に保護されたアミノ酸及びジペプチド誘導体を使用するFmoc固相ペプチド合成により合成され得る。
好ましくは、組成物Cは、以下の工程(a-i)~(a-iii):
(a-i) グルカゴンペプチドの固相合成;
(a-ii) 固相からのグルカゴンペプチドの切断、及び好ましくはグルカゴンペプチドから保護基を除去すること;並びに
(a-iii) 切断溶液の成分からのグルカゴンペプチドの分離
を含む方法により製造されたグルカゴンペプチド又はその塩を含む。
その結果として、一実施態様において、本発明に従う方法の工程a)は、上の工程(a-i)、(a-ii)、及び(a-iii)を行うことを含み得る。
用語「固相」、「樹脂」、「[樹脂]」、及び「支持体」は、本明細書において交換可能に使用される。これらは、SPPSに使用可能ないずれかの構造、例えばビーズ様構造として最も広い意味で理解され得る。
SPPSは、一般に固相支持体よりもゲル相で行われる。適切な樹脂は、ポリスチレン、ポリスチレン-PEG複合材、PEG、PEGA、架橋エトキシ化アクリレート(CLEAR)、ポリアミド類、ポリジメチルアクリルアミド、又は所望の物理的及び化学的特性を有するいずれかの他の支持体に基づくものであり得る。日常的に使用される支持体の中で、1%ジビニルベンゼンを含むビーズ状ポリスチレンに基づく樹脂は、典型的には200~400メッシュ又は100~200メッシュのサイズ分布を有する。ポリスチレンベースの2-クロロトリチルクロリド(CTC)樹脂、ジフェニルジアゾメタン(PDDM)樹脂、4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシメチル-ポリスチレン(Rink)樹脂、2-メトキシ-4-アルコキシベンジルアルコール(Sasrin)樹脂、及び特に4-アルコキシベンジルアルコール(Wang)樹脂は、本発明の方法とともに使用するために特に適しており、そしてSigma-Aldrich、Bachem及びEMD Milliporeのような供給元から市販されている。しかし、SPPSに適したいずれの他の樹脂も使用され得る。
C末端カルボキシル基を介した固定化の代替として、ペプチドはまた、(好ましくは末端)アミノ酸の側鎖を介して樹脂に結合されてもよい。さらなる代替としては、ペプチドはまた、N末端を介して樹脂に結合され、そしてN末端からC末端へと合成されてもよい(逆ペプチド合成)。
当業者には多様なSPPS方法がわかるだろう。一般に、いずれの型のSPPSも本発明の状況において使用され得る。様々な型の装置をSPPSに使用することができる。バッチ式又は連続フローSPPSのいずれかのための手動、半自動化及び自動化合成機が利用可能である、いずれかの所定の装置について、樹脂は装置によって課される機械的要件を満たすように適切に選択され得る。
当業者は、樹脂負荷がSPPS、特に工業的SPPSにおける有効性に影響を及ぼし得るということを十分に認識する。これは特に、グルカゴンペプチドのような長い凝集しやすいペプチド配列を扱う場合に影響を有し得る:一方で、プロセス有効性は、樹脂負荷を増加させるにつれて増加する。他方で、樹脂負荷を減らすことにより樹脂上沈殿を減らすことが必要不可欠である。そのようにして繊細なバランスが満たされ得、そして最適な樹脂負荷が、いずれかの所定のSPPSプロトコルについて慣用の実験により確立され得る。樹脂負荷は、様々な置換度が市販されている樹脂を使用することにより、又は第一のアミノ酸と比較して、少ないモルの第二のアミノ酸をカップリングして、その後未反応の第一のアミノ酸をアセチル化する、すなわち、ブロッキングすることのいずれかにより変化し得る。同様に、第一のアミノ酸は、樹脂に対して少ないモルでカップリングされ得、続いてブロッキング工程にかけられる。
本発明の好ましい実施態様において、約0.2mmol/g~約0.9mmol/gの範囲の樹脂負荷、例えば、約0.2mmol/g、0.3mmol/g、0.4mmol/g、0.5mol/g、0.6mmol/g、0.7mmol/g、0.8mmol/g、又は0.9mmol/gの樹脂負荷が使用される。この状況において、SPPSの間に、使用される様々な溶媒中での樹脂の膨潤及び縮小が、樹脂体積のかなりの変動をもたらし得、それ故樹脂上のペプチド濃度の変動ももたらし得るということがわかるだろう。
本発明の好ましい実施態様において、Fmoc SPPSが行われる。当業者は、Fmoc合成プロトコルに基づくSPPS法を十分認識する。樹脂へのアミノ酸付加の各サイクルは、典型的にはFmoc切断、すなわち樹脂結合ペプチド鎖からのFmoc保護基の除去から開始する。これは、ペプチド樹脂を、樹脂を膨潤させて試薬を溶解させることのできる溶媒中の塩基とともにインキュベートすることにより達成される。この目的のためによく知られている塩基は、例えばピペリジン及び4-メチルピペリジンのような第二級アミン類を含む。適切な溶媒は、例えば、DMF、NMP、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、及びそれらの混合物を含む。反応は、一般的に周囲温度で、例えば15~30℃の温度範囲内で行われる。通常は、塩基に不安定でかつ酸に安定なFmocは、DMF中5~50%、好ましくは20%(体積/体積)ピペリジンを用いた短時間の処理(2~15分間、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15分間)により分離される。必要な場合、この処理は繰り返され、かつ/又はわずかに延長される(7~30分間、例えば、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30分間)。鎖の切断が困難な大きなペプチドの合成については、Fmoc切断の期間さらには繰り返し回数を徐々に増加し得る。例えば、切断時間は、15~75分、例えば15、30、45、60、又は75分であり得、そして切断は8回まで、例えば2、3、4、5、6、7、又は8回繰り返される。さらに、温度は例えば30℃と45℃との間の温度まで増加され得る。これらの条件下で、大部分の場合に完全な脱ブロックが達成される。さらに又はあるいは、Fmoc切断に使用される試薬は変更され得る。
試薬の僅かな変化でも切断をかなり加速し得るということが見いだされた、例えばDMF中1~5%DBU、DMF中20%ピペリジン及び1~5%DBU、NMP中20%ピペリジン、又はDMF中20%ピペリジン45℃。さらに、切断反応の加速は、加熱/マイクロ波処理により達成され得る。
他方で、ペプチドの性質は、より穏やかな処理の使用を有利にし得る。特定の穏やかな切断条件は、例えば、0.1M HOBt及びDMF中20%ピペリジン、DMF中50%モルホリン、NMP中50%DMSO中2%HOBt及び2%ヘキサメチレンイミン及び25%N-メチルピロリジンである。当業者は、合成の各工程においてFmoc切断条件を日常的に最適化し、そして制御するだろう。
好ましい実施態様において、Fmoc保護基は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中5~50%(体積/体積)ピペリジン又は4-メチルピペリジン、N-メチルピロリドン(NMP)中5~50%(体積/体積)ピペリジン又は4-メチルピペリジン、DMF中1~5%(体積/体積)ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、及びDMF中50%(体積/体積)モルホリンからなる群より選択される混合物を使用して、固相に結合された伸長するペプチド鎖から切断される。
切断試薬は、典型的にはFmoc除去の後に注意深く洗い流される。DMF及び場合によりIPAは、中性pHになるまで洗浄に使用される。完全な塩基除去を確実にするため、少量のHOBtを後の洗浄サイクルで加えることが有利かもしれない。
アミノ酸誘導体のペプチド樹脂へのカップリング、すなわち伸長工程は、SPPSサイクルの中心的工程のうちの1つである。
Fmoc-SPPSのための適切な保護されたアミノ酸誘導体、例えば、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Arg(Pmc)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-Asn(Mtt)-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Asp(OMpe)-OH、Fmoc-Cys(Trt)-OH、Fmoc-Cys(Mmt)-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-Gln(Mtt)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-His(1-Trt)-OH、Boc-His(Trt)-OH (Boc-His(1-Trt)-OHと呼ばれることもある)、Boc-His(Boc)-OH (Boc-His(1-Boc)-OHと呼ばれることもある)、Fmoc-Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Met-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、及びFmoc-Val-OHは、様々な供給源から市販されている。非天然アミノ酸誘導体、例えばAib(α-アミノイソ酪酸)、Nle(ノルロイシン)、又はOrn(オルニチン)のグルカゴン様ペプチドの合成における使用も同様に本発明の方法に包含されるということに留意のこと。
好ましい実施態様において、アミノ酸誘導体Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-Asp(OMpe)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Gly-OH、Boc-His(Boc)-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Met-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、及びFmoc-Val-OHが使用される。別の好ましい実施態様において、アミノ酸誘導体Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-Asp(OMpe)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Gly-OH、Boc-His(Trt)-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Met-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、及びFmoc-Val-OHが使用される。
カップリング反応の速度及び収率は、溶媒の選択、立体障害、及び活性化されたカルボン酸の反応性のような様々なパラメーターにより影響を受け得る。溶媒は、前駆ペプチド-樹脂の膨潤を決定するだけではないかもしれず、それ故、反応性部位のアクセス性に影響を及ぼし得る;また、これはカップリング反応の動力学に直接影響を及ぼし得る。適切な溶媒は、樹脂を膨潤させ、そして試薬を溶解することができ、そして例えば、DMF、NMP、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、及びそれらの混合物を含む。立体障害は、アミノ酸側鎖及びそれらの保護基の性質により決定される。活性化カルボン酸の反応性は、アシル化速度、さらにはラセミ化のような副反応の程度を決定する。選択された合成ストラテジーに依存して、擬プロリンジペプチド誘導体、ジ-又はトリペプチド誘導体、又は分枝ジペプチド誘導体のようなペプチド誘導体が、単一のアミノ酸誘導体の代わりに使用され得る。
本発明の特定の実施態様において、アミノ酸活性化は溶媒としてのDMF中で行われ、すなわち、アミノ酸又はペプチド誘導体、カップリング試薬及び場合により添加剤又は塩基がDMFに溶解され、そして混合される。DICは、添加剤としてOxymaPure(R)又はHOBtのいずれかと組み合わせてカップリング試薬として使用され得る。別の方法では、塩基、好ましくはDIPEAの存在下でTBTU又はDEPBTを使用して、Fmocアミノ酸を活性OBt又はODhbtエステルに変換し得る。
本明細書で使用される用語「カップリング試薬混合物」は、カップリング試薬及び場合により添加剤又は塩基を含む組成物に関する。本発明とともに使用するための好ましいカップリング試薬混合物は、TBTU及びDIPEA、DIC及びOxyma、DEPBT及びDIPEA、又はDIC及びHOBtを含む。
選択されたアミノ酸誘導体は、樹脂に添加する前に1~30分間、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、…、28、29、又は30分間、上記の試薬とともにインキュベートすることにより予め活性化される。カップリング反応は、1~74時間(h)、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、…、71、72、73、又は74h継続される。アミノ酸誘導体は、樹脂結合アミン基の量に対して0.4~3モル比で、例えば0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3.0のモル比で使用され得る。完全なカップリングを達成するために、活性化剤又は塩基の第二の部分を、しばらくの時間の後、例えば10、20、30、40、又は60分後に反応混合物に加えることが有利かもしれない。予備活性化(pre-activation)及びカップリング工程は、一般には室温で行われるが、他の温度でも行われ得る。アミノ基の完全に近い変換を達成するために1つ又はそれ以上の再カップリング工程を行うことが有利かもしれない。
本発明の他の実施態様において、アミノ酸活性化は、場合によりDMFとともに、NMP、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、及びそれらの混合物からなる溶媒中で行われる。
本発明の一実施態様において、工程a)は、適切に保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体を使用して、グルカゴンペプチドのFmocベースの固相ペプチド合成を行うことを含み、ここで該保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体は:
(A) ベンゾトリアゾリル)テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA);
(B) ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びシアノ-ヒドロキシイミノ-酢酸エチルエステル(Oxyma);
(C) 3-(ジエトキシ-ホスホリルオキシ)-3H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-4-オン(DEPBT)及びDIPEA;並びに
(D) DIC及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
からなる群より独立して各工程について選択される試薬を含む1つ又はそれ以上のカップリング試薬を用いて活性化される。
本発明の一実施態様において、工程a)は、適切に保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体を使用して、グルカゴンペプチドのFmocベースの固相ペプチド合成を行うことを含み、ここで該保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体は:
(A) ベンゾトリアゾリル)テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA);
(B) ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びシアノ-ヒドロキシイミノ-酢酸エチルエステル(Oxyma);
(C) 3-(ジエトキシ-ホスホリルオキシ)-3H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-4-オン(DEPBT)及びDIPEA;並びに
(D) DIC及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
からなる群より各工程について独立して選択される1つ又はそれ以上のカップリング試薬を用いて活性化される。
His誘導体のカップリングは、好ましくはラセミ化を避けるように行われる。この副反応は、3つの異なるアプローチにより低減され得る:1)イミダゾール環のN3のブロッキング、2)Boc又はTosのような電子吸引基によるイミダゾール環のN1のブロッキング、及び3)Fmoc-His(1-Trt)-OHを使用した場合のカプリング条件の最適化。したがって、N末端Hisを導入するために、DIC/Oxyma又はDEPBT/DIPEAのいずれかと組み合わせてFmoc-His(1-Trt)-OH、Boc-His(1-Trt)-OH、又はBoc-His(1-Boc)-OH、最も好ましくはBoc-His(1-Boc)-OHを使用することが推奨される。
したがって、好ましい実施態様において、N末端ヒスチジン部分は、Boc-His(Boc)-OH、Boc-His(Trt)-OH、及びFmoc-His(Trt)-OHからなる群より選択されるアミノ酸誘導体、並びにDEPBT及びDIPEA又はDIC及びOxymaを含むカップリング試薬混合物を使用して、固相に結合されたグルカゴンペプチドに導入される。
驚くべきことに、少なくとも2つのFmoc擬プロリンジペプチドの使用が、ペプチド凝集を有利に抑制し、それ故、非効率的な合成に起因する副生成物の形成が抑制されるということが見いだされた。好ましくは、2つの擬プロリンジペプチドは、配列番号1のペプチドの、(Gly-Thr及びPhe-Thr7)、(Gly-Thr及びThr-Ser)、(Gly-Thr及びTyr10-Ser11)、(Gly-Thr及びAsp15-Ser16)、(Phe-Thr及びTyr10-Ser11)、(Phe-Thr及びAsp15-Ser16)、(Thr-Ser及びTyr10-Ser11)、(Thr-Ser及びAsp15-Ser16)、並びに(Tyr10-Ser11及びAsp15-Ser16)からなる群より選択される2つの位置に対応するか、又は2つの位置と同一の位置に導入される。
したがって、本発明の一局面において、工程a) -すなわち、グルカゴンペプチド及び少なくとも1つの不要な成分を含む液体組成物Cを供給する工程- は:
(a-i) 固相に結合されたグルカゴンペプチドを供給すること、[ここで、少なくともGlu、Asp、及びLysの側鎖は保護基を有し、そして固相に結合されたグルカゴンペプチドは2つの擬プロリンジペプチドを含み、好ましくはここで2つの擬プロリンジペプチドは:配列番号1のペプチドのGly-Thr及びPhe-Thr、Gly-Thr及びThr-Ser、Gly-Thr及びTyr10-Ser11、Gly-Thr及びAsp15-Ser16、Phe-Thr及びTyr10-Ser11、Phe-Thr及びAsp15-Ser16、Thr-Ser及びTyr10-Ser11、Thr-Ser及びAsp15-Ser16、又はTyr10-Ser11及びAsp15-Ser16からなる群より選択される位置に対応するか又はそれらと同一の位置に導入される];及び
(a-ii) 固相からグルカゴンペプチドを切断し、そして好ましくはグルカゴンペプチドから保護基を除去すること
を含む。
本発明の文脈において使用される擬プロリンジペプチドは、保護基とみなされ得る。したがって好ましくは、このような保護基はまた、本発明の方法の工程(a-ii)において除去される。
本明細書で使用される用語「擬プロリンジペプチド」は、一時的なプロリン模倣物を指し、これは、例えばSer及びThrを含有するジペプチドからオキサゾリジン形成により、及びCys含有ジペプチドからチアゾリジン形成により容易に得られる。当業者は、このような擬プロリンジペプチドを十分に認識する。これらのジペプチドは、SPPSの間の樹脂上凝集を軽減するための1つの可能な選択肢である。2,2-ジメチルオキサゾリジン類は、TFAにより円滑に切断され、したがってFmoc-SPPSに特に適している。これらは本明細書において(Psi(Me,Me)pro)と略される。
特に好ましい実施態様において、少なくとも2つの擬プロリンジペプチド誘導体が使用され、これらは、Fmoc-Gly-Thr(Psi(Me,Me)pro)-OH、Fmoc-Phe-Thr(Psi(Me,Me)pro)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-Ser(Psi(Me,Me)pro)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-Ser(Psi(Me,Me)pro)-OH、及びFmoc-Asp(OtBu)-Ser(Psi(Me,Me)pro)-OHからなる群より選択される。したがって、本明細書に開示される方法の工程a)は、Fmoc SPPSを行うことを含み得る。
本明細書で使用される用語「配列番号1のペプチドの(Gly-Thr及びPhe-Thr)、[…]、並びに(Tyr10-Ser11及びAsp15-Ser16)からなる群より選択される2つの位置に対応する位置」は、グルカゴンペプチドの一次配列内の2つの位置を指し、これらの位置は、配列番号1のペプチドとの該グルカゴンペプチドの配列アライメントに基づいて、配列番号1のペプチドの2つの選択された位置に対して相同とみなされる。典型的には、このようなアライメントにおいて互いの先端に示される位置は、相同であるとみなされ、すなわち、互いに対応する。BLAST又はClustalWのような典型的な配列アライメントツールは当業者に周知である。
したがって、擬プロリン部分の導入は、固相結合グルカゴンペプチドの供給をもたらし、これは関連不純物の減少したパーセンテージを特徴とする。したがって、一局面において、本出願は、少なくとも2つの擬プロリンジペプチドを含む固相結合グルカゴンペプチドを提供し、ここでN末端His部分の側鎖はBoc保護基又はTrt保護基で、特に1-Boc保護基又は1-Trt保護基で保護されている。したがって別の局面において、本出願は、少なくとも2つの擬プロリンジペプチド及びN末端Boc-His(Boc)部分を含む固相結合グルカゴンペプチドを提供する。したがって別の局面において、本出願は、少なくとも2つの擬プロリンジペプチド及びN末端Boc-His(1-Trt)部分を含む固相結合グルカゴンペプチドを提供する。好ましい実施態様において、該固相結合グルカゴンペプチドは、Glu24-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン及びdes-Thr-グルカゴンの低い含有量をさらに特徴とする。別の好ましい実施態様において、該固相結合グルカゴンペプチドは、0.70%未満の相対含有量のdes-Ser-グルカゴン、又は0.50%未満の相対含有量のdes-Thr-グルカゴン、又は0.70%未満の相対含有量のGlu24-グルカゴンを特徴とする。
別の好ましい実施態様において、該固相結合グルカゴンペプチドは、0.70%未満の相対含有量のdes-Ser-グルカゴン、及び0.50%未満の相対含有量のdes-Thr-グルカゴン、及び0.70%未満の相対含有量のGlu24-グルカゴンを特徴とする。別の好ましい実施態様において、該固相結合グルカゴンペプチドは、いずれの単一の欠失変異体についても2.0%未満の相対含有量を特徴とし、これは目的のグルカゴンペプチドと単一のアミノ酸だけ異なるものである。別の好ましい実施態様において、該固相結合グルカゴンペプチドは、des-His-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Gln-グルカゴン、des-Gly-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Phe-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Asp-グルカゴン、des-Tyr10-グルカゴン、des-Ser11-グルカゴン、des-Lys12-グルカゴン、des-Tyr13-グルカゴン、des-Leu14-グルカゴン、des-Asp15-グルカゴン、des-Ser16-グルカゴン、des-Arg17-グルカゴン、des-Arg18-グルカゴン、des-Ala19-グルカゴン、及びdes-Gln20-グルカゴンの各々について2.0%未満の相対含有量を特徴とする。別の好ましい実施態様において、該固相結合グルカゴンペプチドは、des-His-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Gln-グルカゴン、des-Gly-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Phe-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Asp-グルカゴン、des-Tyr10-グルカゴン、des-Ser11-グルカゴン、des-Lys12-グルカゴン、des-Tyr13-グルカゴン、des-Leu14-グルカゴン、des-Asp15-グルカゴン、des-Ser16-グルカゴン、des-Arg17-グルカゴン、des-Arg18-グルカゴン、des-Ala19-グルカゴン、及びdes-Gln20-グルカゴンの各々について1.0%未満の相対含有量を特徴とする。別の好ましい実施態様において、該固相結合グルカゴンペプチドは、des-His-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Gln-グルカゴン、des-Gly-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Phe-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Asp-グルカゴン、des-Tyr10-グルカゴン、des-Ser11-グルカゴン、des-Lys12-グルカゴン、des-Tyr13-グルカゴン、des-Leu14-グルカゴン、des-Asp15-グルカゴン、des-Ser16-グルカゴン、des-Arg17-グルカゴン、des-Arg18-グルカゴン、des-Ala19-グルカゴン、及びdes-Gln20-グルカゴンのうちすくなくとも2つについて1.0%未満の相対含有量を特徴とする。
別の好ましい実施態様において、上記固相結合グルカゴンペプチドは、des-His-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Gln-グルカゴン、des-Gly-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Phe-グルカゴン、des-Thr-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン、des-Asp-グルカゴン、des-Tyr10-グルカゴン、des-Ser11-グルカゴン、des-Lys12-グルカゴン、des-Tyr13-グルカゴン、des-Leu14-グルカゴン、des-Asp15-グルカゴン、des-Ser16-グルカゴン、des-Arg17-グルカゴン、des-Arg18-グルカゴン、des-Ala19-グルカゴン、及びdes-Gln20-グルカゴンのうち少なくとも4つについて2.0%未満の相対含有量を特徴とする。
固相結合グルカゴンにおける該不純物の相対含有量は、好ましくは対応する粗製ペプチドの分析用UHPLCにおいて相対的ピーク面積(不純物のピーク面積を、観察された全てのピークの総ピーク面積で割ったもの)を測定することにより決定される。
SPPSを行う場合、未反応のアミンをその後の合成工程におけるペプチド結合形成からブロックするため、すなわち合成しようとする配列の欠失変異体の形成を避けるために、キャッピングが行われ得る。これは、大過剰の高度に反応性で嵩高くない(unhindered)酸誘導体、例えば酢酸無水物または塩化ベンゾイル、及び塩基、例えばピリジン、コリジン、またはDIPEAを、場合によりOxymaPure(R)またはHOBtのような添加剤の存在下で用いてペプチド樹脂を短時間処理することにより達成され得る。とりわけ、以下のキャッピング組成物が使用され得る:DCM中1~15当量N-アセチルイミダゾール;DMF 2,5~25体積中の酢酸無水物/ピリジン(1:1)[すなわち、(1:1:5)体積/体積/体積~(1:1:50)体積/体積/体積];DMF 1~10体積中の酢酸無水物/DIPEA(1:1)[すなわち、(1:1:2)体積/体積/体積~(1:1:20)体積/体積/体積];DCM中1~15当量酢酸無水物及びトリエチルアミン;NMP/DCM(1:1)中1~5当量N-(2-クロロベンジルオキシカルボニル)-スクシンイミド及びDIPEA;並びにNMP中1~10当量DIPEAとともに1~15当量(Boc)O。キャッピングにより、典型的には切断型配列が得られ、これは一般的には最終ペプチドとはかなり異なり、そして容易に分離することができる。好ましくは、手順通りの二重カップリングの後にキャッピングを行う。キャッピング工程の終わりに、試薬を典型的にはろ別し、そして樹脂を例えばDMF及び場合によりIPAで注意深く洗浄した後、次の脱保護工程に進める。
場合により、SPPS反応の進行は、有効なFmoc除去、カップリング、及び/又はキャッピング工程を確実にするために、インプロセス制御を使用してモニタリングされ得る。一方でFmoc測定を行い、他方で遊離アミンを測定することにより、相補的な情報が生じ得る。総合すれば、これらの方法は、SPPSプロセスの各工程の効率的なモニタリングを可能にし得る。本発明の状況で使用可能な一般的なモニタリング法のいくつかを以下に例示する。
場合により、樹脂結合ペプチドから切断されたFmocの量は、例えば光度定量により、またはHPLC分析を適用することにより容易に定量され得る。
樹脂から流出されたFmoc切断試薬を集めて、その中のFmoc濃度を、例えば301nmでの吸光度を測定することにより決定し得る。切断されたFmocの量に基づいて、樹脂負荷、すなわち樹脂上のFmocペプチドの元の量が計算され得る。さらに、Fmoc除去の完全性を評価するために、Fmocが脱保護されたと推定される樹脂の少量サンプルを、この処理により除去された残留Fmocの量を決定するために、追加の厳しいFmoc切断プロトコルにかけ得る。別の方法では、樹脂サンプルからのペプチドの小スケール試験切断を、Fmoc除去の完全性を評価するためにおこなってもよい。得られたペプチドは、標準的グラジエントを使用する分析用RP-HPLCにより分析され得、この場合、Fmoc保護及び遊離ペプチド配列は、通常十分に分離される。さらに又はあるいは、ペプチドサンプルは、質量分光法により、例えばLC-MS又はMALDI-MSにより分析され得る。薄層クロマトグラフィーも同様に、微量のFmocペプチドの検出を可能にし得る。
樹脂上の遊離アミンの量は、比色Kaiser法(すなわち、ニンヒドリン)、TNBS、クロラニル、及びブロモフェノールブルー試験を含む様々なアッセイにより評価され得る。これは当業者に周知である。
SPPSによるグルカゴンペプチドの合成が完了したとき、それはなお樹脂に結合されている。したがって、固相に結合しており、少なくとも部分的に側鎖が保護されている。グルカゴンペプチドを得るために、樹脂から切断されることが必要である。したがって、本発明の一局面は、グルカゴンペプチドの製造のための方法を提供することであり、該方法は、上記の固相結合グルカゴンペプチドを固相から切断すること、及び好ましくは、グルカゴンペプチドから保護基を除去することを含む。これは、例えば、固相からのグルカゴンペプチドの切断の工程(ii)又は工程(a-ii)に代表される。
最も好ましくは、この工程の間に、側鎖保護基の大部分又は全てもグルカゴンペプチドから付随して切断され、すなわち、ペプチドは脱保護される。
したがって、好ましくは、例えば工程(a-ii)における脱保護及び樹脂からの切断は、TFA及び1つ又はそれ以上のスカベンジャーを含む切断組成物とのインキュベーションに付随して行われる。
本出願の文脈において、用語「スカベンジャー」は、SPPS後の樹脂からのペプチドの切断の間、及び/又は保護基の除去の間の副反応を抑制するために反応混合物に添加される化合物を指すために使用される。切断組成物において使用される典型的なスカベンジャーは、「チオールスカベンジャー」(例えば、EDT、DTE、DTT、及びベータ-メルカプトエタノール)及び「シランスカベンジャー」(例えば、TES及びTIPS)である。さらなる一般的に使用されるスカベンジャーは、エチルメチルスルフィド、チオアニソール、アニソール、m-若しくはp-クレゾール、2-Me-インドール、Ac-Trp-OMe、又はトリプタミンを含む。当業者は、使用可能な多様なスカベンジャーを十分知っている。
樹脂からペプチドを切断するため、及び好ましくはグルカゴンペプチドから保護基を除去するために、この目的に適したいずれかの組成物が使用され得る。好ましくは、切断及び脱保護は、50%(体積/体積)より多いTFA、より好ましくは75%(体積/体積)より多いTFA、特に少なくとも80%(体積/体積)又は少なくとも90%(体積/体積)ものTFAを含む組成物を用いて行われる。組成物はまた、1つ又はそれ以上のスカベンジャーを含んでいてもよい。組成物は水を含んでいてもよい。好ましくは、組成物は、TFA、水及び1つ又はそれ以上のスカベンジャーを含む。特に有利なスカベンジャーは、EDTのようなチオールスカベンジャー及び/又は例えば、TIPSのようなシランスカベンジャーである。切断組成物は、少なくとも80%のTFA、好ましくは少なくとも90%のTFA、及びEDTを含み得る。切断組成物は、少なくとも80%のTFA、好ましくは少なくとも90%のTFA、水、及びEDTを含み得る。切断組成物は、少なくとも80%のTFA、好ましくは少なくとも90%のTFA、水、及びTIPSを含み得る。切断組成物は、少なくとも80%のTFA、好ましくは少なくとも90%のTFA、水、TIPS及びEDTを含み得る。例示的に、本発明の状況における使用のための組成物は、TFA/水/TIPS(90:5:5)体積/体積/体積、TFA/水/TIPS(95:2:3)体積/体積/体積、TFA/水/フェノール(90:5:5)体積/体積/体積、TFA/m-クレゾール(95:5)体積/体積、TFA/m-クレゾール(92:8)体積/体積、TFA/水/EDT(90:5:5)体積/体積/体積、TFA/TIPS/DTE/水(88/2/5/5)体積/体積/質量/質量;TFA/水/DTE(90/4/6)体積/体積/質量;TFA/水/EDT/TIPS(90:5:2.5:2.5)体積/体積/体積/体積、TFA/水/EDT/TIPS(90:4:3:3)体積/体積/体積/体積、TFA/水/EDT(92:4:4)体積/体積/体積、TFA/水/EDT(85:5:10)体積/体積/体積、TFA/チオアニソール/アニソール/EDT(90:5:3:2)体積/体積/体積/体積、及びTFA/チオアニソール/水/フェノール/EDT(82.5:5:5:5:2.5)体積/体積/体積/体積/体積からなる群より選択され得る。
当業者は、目的のグルカゴンペプチドのアミノ酸組成に依存して本発明の状況における使用のための組成物を日常的に最適化し、そしてとりわけ、DTE、EDT、TES、TIPS、2-メルカプトエタノール、ジメチルスルフィド、エチルメチルスルフィド、m-若しくはp-クレゾール、2-Me-インドール、Ac-Trp-OMe、フェノール、又はトリプタミンのような1つ又はそれ以上のスカベンジャーの任意の使用を想定するだろう。
グルカゴンペプチドを樹脂から切断し、そして好ましくはグルカゴンペプチドから保護基を除去する工程、例えば工程(a-ii)は、この目的のために適したいずれかの条件で行われ得る。切断は好ましくは、洗浄した樹脂を切断組成物とともに約1~4時間かつ/又は0~32℃の温度でインキュベートすることにより(好ましくは不活性ガス下で)行われる。例として、切断は、洗浄した樹脂を切断組成物とともに1時間まで、1.5時間まで、2時間まで、2.5時間まで、3時間まで、3.5時間まで、若しくは4時間まで、又は4時間より長く、約0~4℃、4~10℃、10~15℃、15~25℃、又は25~35℃の温度でインキュベートすることにより(好ましくは不活性ガス下で)行われ得る。例として、切断は、洗浄した樹脂を切断組成物とともに1時間まで、1.5時間まで、2時間まで、2.5時間まで、3時間まで、3.5時間まで、若しくは4時間まで、又は4時間より長く、約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、又は32℃の温度でインキュベートすることにより(好ましくは不活性ガス下で)行われ得る。
ヨウ化物塩(例えば、ヨウ化アンモニウム)、ジメチルスルフィド、1,4-ジチオトレイトール(DTT)、トリメチルシリルブロミド、及びアスコルビン酸からなる群より選択される1つ又はそれ以上薬剤を、樹脂を含む懸濁液に加えることが推奨され得る。これは、例えばペプチド樹脂及び切断組成物のインキュベーションの開始時に、又はペプチド樹脂を切断組成物とともに一定時間インキュベートした後に行われ得る。いずれの理論にも拘束されることを望まないが、これはメチオニン側鎖のS-メチルチオエーテル基の酸化を回避し、かつ/又は戻すと考えられている。
次いで、例えば工程(a-ii)において、樹脂からペプチドを切断し、そして好ましくは、グルカゴンペプチドから保護基を除去することにより得られた溶液Sから、通常は濾過により樹脂を分離する。この溶液Sは、グルカゴンペプチド及び切断に使用された試薬(例えば、TFA、水、スカベンジャー、還元剤、及びペプチドから切断された保護基の残基)を含む。
場合により、濾過の後に、例えば濃TFA又は濃TFAとスカベンジャーとを用いて樹脂をリンスする。場合により、さらなるリンス溶液も、溶液Sの一部を形成し得、すなわち、それらは樹脂からペプチドの切断後に直接得られた溶液とともにプールされ得る。
当業者には当然のことながら、溶液Sからグルカゴンペプチドを単離し、それにより粗製ペプチド(典型的にはTFA塩として存在する)を得ることが望ましい。これは、好ましくは貧溶媒(anti-solvent)を用いるグルカゴンペプチドの沈殿により行われる。好ましい貧溶媒は、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル(IPE)、メチルtert.ブチルエーテル(MTBE)、及びIPEとアセトニトリルとの混合物を含む。好ましい実施態様において、IPEが使用される。好ましくは、溶液S対貧溶媒の体積比は、1:5~1:15の範囲、例えば1:5、1:8、1:10、1:12、又は1:15である。換言すると:溶液Sの1体積は、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15体積に相当する量の貧溶媒と混合され得る。
溶液Sからグルカゴンペプチドを沈殿させる工程(工程(a-iii))は、この目的のために適したいずれかの温度及びいずれかの時間間隔で行われ得る。例として、グルカゴンペプチドの沈殿(工程(a-iii))は、約-5℃~10℃の範囲、好ましくは約0℃~10℃の範囲の温度で行われる。適切な温度範囲は、約-5~0℃、-2.5~2.5℃、0~5℃、2.5~7.5℃、又は5~10℃であり得る。例として、沈殿は約30~360分、例えば約30、60、90、120、150、180、210、240、270、300、330、又は360分の時間間隔の間行われる。樹脂からのペプチドの切断、及び好ましくはグルカゴンペプチドからの保護基の除去により得られた(例えば工程(a-ii)において)溶液S及び貧溶媒は、当該分野で公知のいずれかの方法によりいずれかの順序で混合され得る。例えば、貧溶媒は溶液Sに加えられ得る。これは、それを一度に加えることにより、又はそれを滴下することにより、かつ/又はゆっくりと流すことにより達成され得る。あるいは、溶液Sが貧溶媒に加えられてもよい。これは、それを一度に加えることにより、又はそれを滴下することにより、かつ/又はゆっくりと流すことにより達成され得る。当業者は、このような沈殿工程を行う方法を十分に分かっている。
次いでグルカゴンペプチドを含む沈殿物が貧溶媒中の懸濁液として形成され、ここでこの懸濁液は、切断組成物の試薬(例えば、TFA、水、及びスカベンジャー)、さらにはペプチドから切断された保護基の残基をさらに含む。
次いで、グルカゴンペプチドを含む(又は本質的にグルカゴンペプチドからなる)沈殿物を、当該分野においてこのような目的のために知られているいずれかの手段により粗製懸濁液から単離し得る。
濾過は、例えば、デッドエンド濾過又はクロスフロー濾過のような当該分野で公知のいずれの濾過方法であってもよい。本明細書で使用される用語「クロスフロー(cross-flow)濾過」、「クロスフロー(crossflow)濾過」、「タンジェンシャルフロー濾過」又は「タンジェンシャル濾過」は、交換可能に理解され得る。フィルターは、例えば、プラスチック(例えば、ナイロン、ポリスチレン)、金属、合金、ガラス、セラミック、セロファン、セルロース、又は複合材料のような、当該分野で濾過の状況において知られるいずれの材料製のものでもよい。フィルターの表面は、中性でも、正に荷電していても負に荷電していてもよい。
遠心分離は、懸濁された沈殿物の沈降が加速されるいずれかの手段としてもっとも広い意味で理解され得る。例として、100 x gまで、少なくとも100 x g、少なくとも1,000 x g、少なくとも2,500 x g、少なくとも5,000 x g、少なくとも7,500 x g、少なくとも10,000 x g、少なくとも15,000 x g、少なくとも25,000 x g、又は少なくとも少なくとも50,000 x gの遠心力が使用され得る。遠心分離を用いて、粗製グルカゴンペプチドを含む(又は(本質的に)粗製グルカゴンペプチドからなる)ケーキが形成される。場合により、ケーキを貧溶媒に再懸濁してもよく、この貧溶媒は上で言及した貧溶媒と同じでも異なるものであってもよい。場合により、遠心分離及びペレットの貧溶媒中の再懸濁は、繰り返し数回行われ得、これにより粗製グルカゴンペプチドの純度をさらに増加し得る。
粗製ペプチド沈殿物は、乾燥状態でグルカゴンペプチドを少なくとも30%(質量/質量)、好ましくは少なくとも40%(質量/質量)、より好ましくは少なくとも50%(質量/質量)、より好ましくは少なくとも60%(質量/質量)、より好ましくは少なくとも70%(質量/質量)、なおより好ましくは少なくとも80%(質量/質量)、なおより好ましくは少なくとも90%(質量/質量)、特に少なくとも95%(質量/質量)又は100%(質量/質量)含み得る。典型的には、粗製ペプチド沈殿物は、乾燥状態でグルカゴンペプチドを40~70%(質量/質量)含む。
好ましくは、本発明の方法により得られた粗製ペプチドは、組成物Cを得るために1つ又はそれ以上の予備加工工程によりさらなる精製にかけられ得る。
一般的に言えば、樹脂からのいずれかのペプチドのTFA切断は、カルバメート及びTFAエステルのような副生成物の形成を生じ得る。したがって、粗製ペプチドを脱炭酸反応及び/又はエステル加水分解にかけることは有利であり得る。これは、例として、粗製ペプチドに、例えば少なくとも7.2、少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、少なくとも10.5、少なくとも11、又は少なくとも11.5の高pH処理を施すことにより達成され得る。あるいは又はさらに、脱炭酸反応は、例えば、6.0~7.0のpH、5.5~6.5のpH、5.0~6.0のpH、4.0~5.0のpH、3.0~4.0のpH、又はpH若しくは2.0~3.0のような穏やかな酸条件で行われ得る。場合により、該処理は、例えば、25~70℃、例えば25、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、又は70℃の温度での熱処理を伴い得る。処理時間は、2分と120分との間で変化し得る、例えば2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、又は120分。
特定の場合に依存して、TFA切断の生成物を、以下の工程の1つ又はそれ以上を含むプロトコルにかけることは有利であり得る:pH2.0~3.0、55℃で約30分インキュベーション;pH7~7,5、40℃で約40分インキュベーション;45℃、pH2.0~4.0で約60分インキュベーション;50℃、pH2.0~4.0で約90分インキュベーション;30℃pH5.4~6.6で約70分インキュベーション;45℃、pH6.6~7.4で約90分インキュベーション;アルカリpH(例えば、少なくとも10.2のpH)、45~25℃で10分インキュベーション;pH10.4、35℃で10分インキュベーション;30~40℃、pH.11.0で2分インキュベーション、25℃、pH11.8で5分インキュベーション。脱炭酸及び/又はTFAエステル切断のために、希釈した酸、例えば塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、又は希釈した塩基、例えばNaOH水溶液、アンモニア、ホスフェート、TEAP中に粗製ペプチド沈殿物を溶解することは有利であり得る。当業者は、適切な条件を日常的に選択するだろう。この段落の教示は、グルカゴン様ペプチド並びにそれらのアナログ及び誘導体の製造に、例えばGLP-1アナログ及びGLP-2アナログの製造に同様に適用可能であることに留意すべきである。
したがって、本発明の実施態様において、工程a)、すなわち、グルカゴンペプチド及び少なくとも1つの不要な成分を含む液体組成物Cを供給する工程は、グルカゴンペプチドを脱炭酸及び/又はエステル加水分解反応にかけることを含む。
本発明の別の実施態様において、工程a)は、グルカゴンペプチドを含むサンプルを、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)精製にかけることを含み、ここで炭化水素結合シリカが固定相として使用され、トリフルオロ酢酸及びアセトニトリルを含む水性移動相が使用され、そして溶出は、グルカゴンペプチドを含有するフラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を徐々に増加させることにより達成される。
このような予備精製工程は、好ましくは0.1%(体積/体積)TFA水溶液を含む緩衝液A及び0.1%TFA水溶液中の60%(体積/体積)アセトニトリルを含む緩衝液Bを使用したRP-HPLCを含み得る。一実施態様において、溶出はアセトニトリル濃度12%(体積/体積)から60%(体積/体積)へのグラジエントにより達成される。一実施態様において、C18固定相が使用される。一実施態様において、移動相は0.5~0.2%TFAを含み、そして溶出は12%(体積/体積)アセトニトリルから60%(体積/体積)アセトニトリルの線形グラジエントにより達成される。
工程a)において場合により使用され得る精製及び分離のためのさらなる手段は、例えば、1つ若しくはそれ以上の電気泳動法(例えば、ゲル電気泳動又はキャピラリー(CE)電気泳動)、1つ若しくはそれ以上のさらなる沈殿ベースの方法(例えば、塩溶(salting in)又は塩析)、1つ若しくはそれ以上の透析(dialytical)方法(透析)、及び/又は1つ若しくはそれ以上のクロマトグラフィー法(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(IEC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆相HPLC(RP-HPLC)、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)、フラッシュクロマトグラフィー(flash)、ラピッドレフルイド(Rapid Refluid)液体クロマトグラフィー(RRLC)、高速分離液体クロマトグラフィー(RSLC)、超高速液体クロマトグラフィー(UFLC)、逆相UFLC(RP-UFLC)、超高パフォーマンス液体クロマトグラフィー(UPLC)又は逆相UPLC(RP-UPLC)、向流クロマトグラフィー、連続クロマトグラフィー)を含む。
本発明の一実施態様において、工程a)は:
(a-i) 適切に保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体を使用してグルカゴンペプチドのFmocベースの固相ペプチド合成を行うことにより、少なくともGlu、Asp、及びLysの側鎖は保護基を有する、固相に結合されたグルカゴンペプチドを供給する工程、
[ここで該保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体は:
(A) (ベンゾトリアゾリル)テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA);
(B) ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びシアノ-ヒドロキシイミノ-酢酸エチルエステル(Oxyma);
(C) 3-(ジエトキシ-ホスホリルオキシ)-3H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-4-オン(DEPBT)及びDIPEA;並びに
(D) DIC及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
からなる群より独立して各工程について選択される試薬を含む1つ又はそれ以上のカップリング試薬混合物を用いて活性化され、
さらにここで、N末端ヒスチジン部分は、Boc-His(Boc)-OH、Boc-His(Trt)-OH、及びFmoc-His(Trt)-OHからなる群より選択されるアミノ酸誘導体を使用して、固相に結合されたグルカゴンペプチド中に導入され、
場合により、さらにここで少なくとも2つの擬プロリンジペプチドが使用される];
a-ii) 少なくとも50%TFA及び1つ若しくはそれ以上のスカベンジャーを含む切断組成物を用いてインキュベーションすることにより、[かつ/又はここで、ヨウ化物塩、硫化ジメチル、1,4-ジチオトレイトール(DTT)、臭化トリメチルシリル、及びアスコルビン酸からなる群より選択される1つ若しくはそれ以上の薬剤が、切断後のペプチド溶液に添加される]、固相からグルカゴンペプチドを切断する(そしてグルカゴンペプチドから保護基を除去する)工程;並びに
a-iii) ペプチドを得られた溶液から沈殿により単離する工程
を含む。
本発明の別の実施態様において、工程a)は、上記工程a-i)~a-iii)そしてさらに、工程a-iii)において得られたペプチド沈殿物を、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)精製にかける工程a-iv)を含み、ここで炭化水素結合シリカが固定相として使用され、トリフルオロ酢酸及びアセトニトリルを含む水性移動相が使用され、そして溶出は、グルカゴンペプチドを含有するフラクションを集める間に、移動相内のアセトニトリル濃度を徐々に増加させることにより達成される。一実施態様において、工程a-iv)は、0.1%(体積/体積)TFA水溶液を含む緩衝液A及び0.1%(体積/体積)TFA水溶液中60%アセトニトリルを含む緩衝液Bを使用するRP-HPLC精製を含む。
一実施態様において、溶出は、12%(体積/体積)から60%(体積/体積)までのアセトニトリル濃度のグラジエントにより達成される。一実施態様において、C18固定相は工程a-iv)において使用される。いくつかの実施態様において、上記移動相は、例えば、120Å細孔径及び15~30マイクロメートル粒径を有するC8固定相とともに使用される。いくつかの代替の実施態様において、上記移動相は、例えば細孔径120Å及び粒径15~30マイクロメートルを有するC18固定相とともに使用される。
より好ましくは、組成物C中に含有されるグルカゴンの総量は上記方法により得られる。
本発明の好ましい実施態様において、精製方法の工程a)は、乾燥した粗製グルカゴンペプチド沈殿物を得ること、そして該乾燥沈殿物を溶解して、グルカゴン及び少なくとも1つの不要な成分を含む液体組成物Cを得ることを含む。例えば、液体組成物Cは、希釈酢酸中に約2と約4との間のpHで粗製グルカゴンペプチドを含み得る。
本発明の文脈において、用語「精製された」は、特定の精製工程、例えば分取様クロマトグラフィーにかけられたペプチドを指定するために使用される。このような組成物は、高度に又は部分的に精製され得る。
別の指示がなければ、ペプチド純度は、本明細書において「HPLC純度」として、すなわち、分析用逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)において205と230nmとの間の波長で、すなわちペプチド結合の吸収極大でUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として示される。換言すると、この値は、205と230nmとの間の波長でのUV検出を用いた分析用RP-HPLCにより得られたクロマトグラムにおいて観察された全てのピークの面積の合計で所定のピーク面積を割った面積%として決定される。この測定は分野において一般的な行為であり、当業者は、生成物に特定のRP-HPLCプロトコルを日常的に考案し、そして米国薬局方に示される確立されたガイドラインに従って定量を行うだろう。ペプチド性混入物の検出のためのRP-HPLCプロトコルの適性は、LC-MSによりピーク純度を決定することにより日常的に評価される。
それらの類似した構造に起因して、全てのペプチド性成分は同じ吸収を有するという仮定の下に、RP-HPLC純度は質量パーセンテージ[%(質量/質量)]として表される純度の代理として使用され得る。
同様に、ペプチドの相対含有量(求められる成分でも不要な成分でも)は、分析用逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)において205と230nmとの間の波長で、すなわちペプチド結合の吸収極大でのUV検出を用いて観察された相対的ピーク面積として決定され得る。換言すると、この値は、205と230nmとの間の波長でのUV検出を用いて、上記の適切なプロトコルを使用した分析用RP-HPLCにより得られたクロマトグラムにおいて観察された全てのピークの面積の合計で所定のピーク面積を割った面積%として決定される。
当業者は、クロマトグラフィー精製のためのサンプルを準備する方法を十分に認識する。例えば、乾燥した粗製グルカゴン調製物は、必要に応じて温度及びpHを調整しながら穏やかに撹拌することにより水相に溶解され得る。さらなる例として、サンプルは、不活性ガス下に維持されても、又は超音波処理にかけられてもよく、脱炭酸反応にかけられてもよく、TFAエステル加水分解にかけられても、かつ/又は濾過若しくは遠心分離により非液体成分から分離されてもよい。サンプル濃度は、とりわけ乾燥、凍結乾燥、溶媒の部分的エバポレーション、若しくは限外濾過により、かつ/又は場合によって、サンプルローディング緩衝液中にペプチド調製物を溶解若しくは希釈することにより調整され得る。
逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)は周知であり、そしてペプチドの精製及びペプチドサンプルの分析のために、すなわち製造だけでなく分析の目的にも広く使用されている。この技術は、サンプルの様々な成分と疎水性固定相との間の疎水性会合に基づき、この会合は、移動相中に含まれる化学物質、例えば溶媒により破壊される。サンプルの成分の分別溶出は、通常は移動相内の化学物質、例えば溶媒の濃度を徐々に増加させることにより達成される。
実施の観点から、このグラジエントは、通常は移動相を構成する第一及び第二の溶出緩衝液の比率を変えることにより得られる:
第一の緩衝液(慣例により緩衝液Aと呼ばれる)は、適切な水性緩衝液中に少量の溶媒を含み、一方第二の緩衝液(慣例により緩衝液Bと呼ばれる)は、上記水性緩衝液中に多量の溶媒を含む。それ故、移動相中の緩衝液Bの比率を増加させることにより、より疎水性の成分が固定相から溶出され得る。
本明細書で使用される用語HPLCは、超高パフォーマンス液体クロマトグラフィー(UHPLC、UPLCとも指定される)も含む。1つの好ましい実施態様において、HPLCはUHPLCである。より好ましくは、UHPLCは逆相UHPLCであり、したがってRP-UHPLCとも指定される。したがって、特に好ましい実施態様において、HPLCはRP-UHPLCである。
本出願の文脈において、表現「炭化水素結合シリカ」は、それらの表面において炭化水素部分と化学的に結合された多孔性シリカ粒子又はシリカゲルから製造された固体クロマトグラフィー相を指す。化学結合の種類さらには結合した炭化水素部分の化学的性質は変わり得るということが理解される。例えば、本出願とともに使用するための固定相は、4~18個、好ましくは8~18個の炭素原子の化学的に結合された炭化水素部分を有する多孔性シリカ粒子から製造されたものであり得る。このような炭化水素部分は、好ましくは線状アルキル鎖である。炭化水素結合シリカの好ましい種類は、4(C4)、6(C6)、8(C8)、10(C10)、12(C12)、14(C14)、16(C16)、又は18(C18)個の炭素原子を有する炭化水素部分を有する。特に好ましい種類の炭化水素結合シリカは、4(C4)、8(C8)、12(C12)又は18(C18)個の炭素原子の非分岐アルキル鎖、すなわち、ブチル、オクチル、ドデシル、又はオクタデシル部分を有する。C8結合シリカ、特にn-オクチル結合シリカ、及び/又はC18結合シリカ、特にn-オクタデシル結合シリカは、本発明に従う方法の工程b)、c)、及び場合によりd)における使用のためになおより好ましい固定相である。工程b)及びc)において使用される固定相は、工程の各々において同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、固定相は同じである。特に好ましくは、C18結合シリカは、工程b)及び/若しくは工程c)において固定相として使用され、かつ/又はここで同じ固定相が工程b)及びc)において使用され、好ましくはここで同一のカラムが工程b)及びc)に使用される。工程b)及びc)において単一の固定相(すなわち、単一のカラム)を使用するこの選択肢は、特に費用効率の良い手順を可能にする。
本出願の文脈において、表現「C8結合シリカ」は、それらの表面に化学的に結合されたC8炭化水素部分、好ましくは線状オクチル、すなわちn-オクチル部分を有する多孔性シリカ粒子又はシリカゲルから製造された固定クロマトグラフィー相を指定するために使用される。さらに、表現「C12結合シリカ」は、それらの表面に化学的に結合されたC12炭化水素部分、好ましくは線状ドデシル、すなわちn-ドデシル部分を有する多孔性シリカ粒子又はシリカゲルから製造された固定クロマトグラフィー相を指定するために使用される。同様に、用語「C18結合シリカ」又は「ODS」は、本明細書において、それらの表面に化学的に結合されたC18炭化水素部分、好ましくは線状オクタデシル、すなわちn-オクタデシル部分を有する多孔性シリカ粒子又はシリカゲルから製造された固定クロマトグラフィー相を指すために交換可能に使用される。
広範囲の炭化水素結合シリカ材料が市販されている。本発明において使用することのできる固定相の例は、それぞれ、Daisoにより製造されるDaisogelTM C18 ODS、Daiso ODS-Bio、Daiso-ODS-A-HG C18、DaisogelTM C8-Bio、YMC ODS-A、YMC Triart C8-L、Luna C8、Luna C18、KromasilTM C18、及びKromasilTM C8、YMC、Phenomenex、及びAkzoNobelである。
シリカ粒子は、直径2~200マイクロメートル、好ましくは2.5~20マイクロメートル、好ましくは5~15マイクロメートル、そして最も好ましくは10マイクロメートルのものであり得、そして50~1000Å、好ましくは80~400Å、好ましくは100~300Å、最も好ましくは(約)100Åの細孔径を有し得る。
不純物を除去するために実行の間に適切な溶液で固定相を洗い流すことは良い慣行であり、これら不純物はなおカラムに結合しており、そしてその後のペプチドバッチの品質を低下させ得る。さまざまなこのような清浄プロトコルがこの目的のために記載されており、これらとしては、NaOH又はギ酸の水溶液を用いたフラッシングが挙げられる(例えば、WO 2004/089504を参照のこと)。本発明者らは、カラムローディングの前にアセトニトリルを含むTFAの水溶液で固定相をリンスすることが、凝集を低減するという点で精製されたグルカゴンペプチドの品質のために有益であるということを見出した。水溶液中にTFA、及びアセトニトリルを20%より多く、例えば30、40、50、60、70、80、又は90%(体積/体積)含む混合物が特に適している。TFAの濃度は好ましくは、0.05%(体積/体積)~1.0%(体積/体積)の範囲から選択される。例えば、この混合物は、50%より多くのACN及び0.05~1.0%TFAを含み得る。
例の混合物としては、限定されないが、以下が挙げられる:水中1%(体積/体積)TFA及び25%ACN;水中1%(体積/体積)TFA及び30%ACN;水中1%(体積/体積)TFA及び50%ACN;水中1%(体積/体積)TFA及び70%ACN;水中1%(体積/体積)TFA及び90%ACN;水中0.5%(体積/体積)TFA及び25%ACN;水中0.5%(体積/体積)TFA及び40%ACN;水中0.5%(体積/体積)TFA及び50%ACN;水中0.5%(体積/体積)TFA及び60%ACN;水中0.5%(体積/体積)TFA及び70%ACN;水中0.5%(体積/体積)TFA及び80%ACN;水中0.1%(体積/体積)TFA及び25%ACN;水中0.1%(体積/体積)TFA及び40%ACN;水中0.1%(体積/体積)TFA及び50%ACN;水中0.1%(体積/体積)TFA及び60%ACN;水中0.1%(体積/体積)TFA及び70%ACN;水中0.1%(体積/体積)TFA及び80%ACN;水中0.1%(体積/体積)TFA及び90%ACN;水中0.05%(体積/体積)TFA及び40%ACN;水中0.05%(体積/体積)TFA及び50%ACN;水中0.05%(体積/体積)TFA及び60%ACN;水中0.05%(体積/体積)TFA及び70%ACN;水中0.05%(体積/体積)TFA及び80%ACN。したがって、本発明に従う方法は、液体組成物Cをロードする前に、かつ/又は工程b)において得られたプールされたグルカゴンペプチド含有フラクションをロードする前に、TFA及びアセトニトリルを含む水溶液で固定相をリンスする工程を含み得る。
本発明のこの局面は、他のペプチドの精製に、特にグルカゴン様ペプチドの精製に、例えばエキセナチド、リキシセナチド、リラグルチド、セマグルチド、テデュグルチドなどのようなGLP-1及びGLP-2のアナログ及び誘導体に、同様に適用可能である。
したがって、本発明の一局面は、クロマトグラフィー固定相を再生するための方法に関し、ここで該クロマトグラフィー固定相は、ペプチド含有サンプルのクロマトグラフィー精製の後に、トリフルオロ酢酸、水、及びアセトニトリルを含む再生溶液と接触される。
本発明の別の局面は、上記方法を使用して再生されたクロマトグラフィー固定相を使用して精製されたペプチドに関する。
本発明のRP-HPLC工程において使用される移動相は、一般的に溶媒として水性成分及びアセトニトリルを含む。有機モディファイアのようなさらなる成分が存在していてもよい。溶出は、通常、溶媒としてのアセトニトリルの濃度を徐々に増加させることにより達成される。
いずれの理論にも縛られることは望まないが、溶媒は、組成物Cの成分の固定相への会合と競合すると考えられている。直線速度を維持するために、当業者は、カラム直径に依存して、そして使用される装置及び固定相の仕様を考慮に入れて、移動相の流量を調整するだろう。
本発明に従う方法の工程b)、すなわち、RP-HPLC精製スキームの第一の次元(dimension)は、6.5と7.5との間のpH値で、例えば、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、又は7.5のpH値で、好ましくは6.7と7.2との間のpH値で行われる。pH値は、移動相の水性成分中の濃リン酸及びトリメチルアミン(TEA)の使用により、工程が実行される温度で調整される。好ましくは、ホスフェートアニオンは、5~50mMの濃度で、例えば約10、20、30、40、又は50mMの濃度で存在する。いずれの型のアセトニトリルグラジエントも、固定相からのグルカゴンの溶出に使用され得、グラジエントプロフィールは、この工程において達成可能な精製に影響を及ぼすということが理解される。
好ましい実施態様において、工程b)における溶出は、アセトニトリル含有量を2~4%(体積/体積)アセトニトリルから30~50%(体積/体積)アセトニトリルに増加させるグラジエントにより達成される。
別の好ましい実施態様において、工程c)における溶出は、アセトニトリル含有量を2~4%(体積/体積)アセトニトリルから40~60%(体積/体積)アセトニトリルに増加させるグラジエントにより達成される。
より好ましい実施態様において、工程b)における溶出は、アセトニトリル含有量を2~4%(体積/体積)アセトニトリルから30~50%(体積/体積)アセトニトリルに増加させるグラジエントにより達成され、そして工程c)における溶出は、アセトニトリル含有量を2~4%(体積/体積)アセトニトリルから40~60%(体積/体積)アセトニトリルに増加させるグラジエントにより達成される。
したがって、これは当業者により特定の実験設定に日常的に適合されるだろう。好ましい実施態様において、グルカゴンペプチドは、工程b)において3~20%アセトニトリルから40~50%(体積/体積)アセトニトリルへのグラジエントにより、例えば3~40%(体積/体積)アセトニトリルから、又は7~43%(体積/体積)アセトニトリルからのグラジエントにより溶出される。線形グラジエントが特に好ましい。
より好ましい実施態様において、工程b)における溶出は3~40%(体積/体積)アセトニトリルのグラジエントにより達成され、かつ/又はここで工程c)における溶出は、3~50%(体積/体積)アセトニトリルのグラジエントにより達成される。
本発明に従う方法の工程c)、すなわち、RP-HPLC精製スキームの第二の次元は、約2~4範囲から選択されるpH値で優先的に、優先的に約2~3、例えば約2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又は3.0のpH値で行われる。pH値は、移動相の水性成分中の0.5~5%(体積/体積)酢酸の存在により決定され得る。好ましい実施態様において、工程c)において使用される移動相内の酢酸濃度は、0.5~5%(体積/体積)の範囲、好ましくは1~3%(体積/体積)の範囲、例えば1、2、又は3%(体積/体積)から選択される。いずれの型のアセトニトリルグラジエントも固定相からのグルカゴンの溶出に使用され得、そしてグラジエントプロフィールは、この工程において達成可能な精製に影響を及ぼすということが理解される。好ましい実施態様において、工程c)におけるグラジエントは3から50%(体積/体積)アセトニトリルである。3から50%(体積/体積)アセトニトリルの線形グラジエントが特に好ましい。例えば、3から50%アセトニトリルの線形グラジエントが使用され得る。
好ましい実施態様において、方法はアニオン交換を行う工程d)をさらに含み、好ましくはここでアセテートはクロリドで置き換えられ、かつ/又はここでアニオン交換は、凍結乾燥、限外濾過、透析、固相抽出、逆相クロマトグラフィー又はイオン交換クロマトグラフィーにより達成される。
工程d)は、ペプチド製造の分野において公知のいずれかのアニオン交換方法によって行われ得る。
当業者は、本発明の方法を適切な読み出し技術と日常的に組み合わせるだろう。例えば、クロマトグラフィー工程は、205~230nm若しくは280nmの波長で溶出液のUVを吸光度を追跡することにより、かつ/又は溶出液の伝導度を追跡することによりモニタリングされ得る。さらに、クロマトグラフィーは、質量分析、サイズ排除UHPLC、イオン交換UHLPC、及び/若しくは逆相UHPLC、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、並びに/又は細胞ベースの機能的アッセイによりオンライン又はオフラインの分析と組み合わせられ得る。
ペプチドの品質の劣化を避けるために、当業者は、注意深くかつ日常的にサンプル貯蔵を含めて精製工程の条件を最適化するだろう。この目的のために、とりわけフラクションは、プールされ、沈殿し、噴霧乾燥され、凍結乾燥され、凍結され、冷蔵され、希釈され、濃縮され、かつ/又は安定化緩衝液、塩基、酸、若しくは他の物質と混合され得る。感受性の物質を安定化条件下で扱うことは優れた実践である。例えば、例えば、その他の不安定化条件を補うために低温で、例えば4℃~15℃の範囲で作業をすることは有利かもしれない。さらなる例として、グルカゴン調製物を、好ましくは6.6~7.9の範囲から選択されるpHで、好ましくは7.0~7.8、そして最も好ましくは7.0~7.5の範囲から選択されるpHで凍結乾燥することは有利かもしれない。別の例として、集める間にすでにフラクションを希釈すること並びに/又は溶出の間に温度及び緩衝液条件を調整することが有利かもしれない。グルカゴンは低温、低濃度、及びわずかに酸性のpHでより安定であることが知られている。
本発明の好ましい実施態様において、クロマトグラフィー精製工程b)及び/若しくはc)並びに/又は存在する場合工程a-iv)の全て又は一部は、4~28℃、例えば15~28℃、4~20℃、又は4~10℃の範囲から選択される温度で行われる。同様に、いずれかの任意のさらなる精製工程、例えば塩交換工程d)の全て又は一部は、4~28℃、好ましくは4~20℃、そして最も好ましくは4~10℃の範囲から選択される温度で行われ得る。
特に好ましい実施態様において、本発明の方法は:
a) 場合により2.0~4.0の範囲から選択されるpHの酢酸水溶液中に溶解された、グルカゴン及び少なくとも1つの不要な成分を含む液体組成物Cを供給する工程;
b) 組成物Cを、約7のpHで第一の逆相HPLC精製にかける工程、[ここで、炭化水素結合シリカが固定相として使用され、アセトニトリル及び5~50mMの濃度のリン酸トリエチルアンモニウム緩衝液を含む混合物が移動相として使用され、そして溶出は、グルカゴンペプチド含有フラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を3%から50%(体積/体積)アセトニトリルまで徐々に増加させることにより達成される];並びに
c) 工程b)において得られたプールされたグルカゴンペプチド含有フラクションを、第二の逆相HPLC精製にかける工程、[ここで、炭化水素結合シリカが固定相として使用され、0.005~0.05%(体積/体積)の濃度の酢酸及びアセトニトリルを含む移動相が使用され、そして溶出は、精製されたグルカゴンペプチドを含有するフラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を3%から50%に徐々に増加させることにより達成される];
d) 場合により、工程c)で得られたグルカゴンペプチドをイオン交換工程にかける工程、[ここで、アセテートがクロリドで置き換えられる]
を含み、ここで工程b)及びc)並びに、存在する場合は工程d)は、4~25℃の範囲から選択される温度で行われ;
ここで好ましくは工程b)及びc)において使用される固定相はC8結合シリカ又はC18結合シリカである]
を含む。
以下の例に示されるように、本発明の方法は、非常に純粋なグルカゴンペプチドの製造を可能にし、そして99.0%より高い純度を日常的に達成することができる。それにもかかわらず、いくつかの欠失生成物の痕跡が検出され得る。
これらは、特に26~28の連続したアミノ酸からなるペプチドの痕跡であり、これらは、それがグルカゴンペプチド骨格の一次配列(例えば配列番号1)から3つまでのアミノ酸を欠いているという点でグルカゴンペプチドの分子構造とは異なる。換言すると、配列番号1のグルカゴンペプチドの欠失変異体は、26~28アミノ酸部分の長さのペプチドとして定義され、これは配列番号1の長さ全体にわたって計算して、配列番号1に対して少なくとも89%の相同性を共有する。
当業者は、このようなグルカゴン欠失変異体が、必ずではないが場合により、N末端及び/又はC末端アミノ酸部分で切断されていてもよいということを即座に理解するだろう。さらに又はあるいは、非末端アミノ酸部分も欠失し得る。上述のように、配列相同性は、本出願の出願日のバージョンのアメリカ国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)のBLAST (Basic Local Alignment Search Tool)により決定された配列相同性として理解され得る。そのため、各アミノ酸部分は、中間の欠失したアミノ酸部分を割愛して、比較しようとする配列中の対応するものと整列され、そして相同パーセンテージが配列番号1の全長にわたって計算される。
行われた実験において、RP-UHPLCにより220nmで測定された相対ピーク面積として決定して(例示する図3を参照のこと)、相対存在量0.5%より多いペプチド性混入物は最終ペプチド生成物において検出されなかった。これはまた、本発明の局面及び好ましい実施態様を反映する。相対ピーク面積を、分析用RP-HPLCにより220nmでのUV検出を用いて得られたクロマトグラムにおいて観察された全てのピークの面積の合計で所定のピーク面積を割った面積%として決定した。これは、ペプチド性混入物の検出に適したいずれかの生成物特異的RP-HPLCプロトコルを使用して行われ得る。分析方法の適性は、LC-MSにより決定される第一ピーク純度の観点から日常的に評価される。所定の分析用プロトコルの適性を実証するために、スパイク実験が日常的に行われ、ここで検出しようとする混入物がサンプルに人為的に添加される。
それらの類似した構造に起因して、全てのペプチド性成分は、同じか又は少なくとも同等の応答係数を有し、その結果、RP-HPLCにより220nmで測定された相対ピーク面積は、全てのペプチド成分の合計質量と比較した質量パーセントで表される所定のペプチドの相対存在量(%(質量/質量)で示される)と十分に相関するということを当業者は即座に理解するだろう。
したがって、本発明のさらなる局面は、本発明のいずれかの実施態様に従う方法から得ることができるグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、そして分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して0.5%より多いいずれの単一のグルカゴン誘導体、グルカゴン切断型変異体、グルカゴン切断型変異体の誘導体、グルカゴン欠失変異体も、グルカゴン欠失変異体の誘導体も含有しないことを特徴とする。
好ましくは、組成物GCは、分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して、99.1%より高い、99.2%より高い、99.3%より高い、99.4%より高い、99.5%より高い、99.6%より高い、99.7%より高い、99.8%より高い、又は99.9%より高い純度でグルカゴンを含有する。
好ましい実施態様によれば、組成物GCは、分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して、0.25%、0.20%、0.15%、0.1%、0.05%、又は0.01%よりも多い総濃度の上述のグルカゴン欠失変異体を含有しない。
本発明のさらなる局面は、本発明のいずれかの実施態様に従う方法から得ることができるグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、そして分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して、0.3%より多くのいずれの単一のグルカゴン誘導体、グルカゴン切断型変異体、グルカゴン切断型変異体の誘導体、グルカゴン欠失変異体、又はグルカゴン欠失変異体の誘導体も含有しないことを特徴とする。
本発明のさらなる局面は、本発明のいずれかの実施態様に従う方法から得ることができるグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、そして分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定して、検出可能なレベルを含有するが、0.5%より多くのいずれの単一のグルカゴン誘導体、グルカゴン切断型変異体、グルカゴン切断型変異体の誘導体、グルカゴン欠失変異体、又はグルカゴン欠失変異体の誘導体も含有しないことを特徴とする。
したがって、本発明のさらなる局面は、本発明のいずれかの実施態様に従う方法から得ることができるグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、全てのペプチド成分の合計質量を参照して99.0%(質量/質量)より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、そして全てのペプチド成分の合計質量を参照して0.5%(質量/質量)より多くのいずれの単一のグルカゴン誘導体、グルカゴン切断型変異体、グルカゴン切断型変異体の誘導体、グルカゴン欠失変異体、又はグルカゴン欠失変異体の誘導体も含まないことを特徴とする。
好ましくは、組成物GCは、全てのペプチド成分の合計質量を参照して、99.1%(質量/質量)より高い、99.2%(質量/質量)より高い、99.3%(質量/質量)より高い、99.4%(質量/質量)より高い、99.5%(質量/質量)より高い、99.6%(質量/質量)より高い、99.7%(質量/質量)より高い、99.8%(質量/質量)より高い、又は99.9%(質量/質量)より高い純度でグルカゴンを含有する。
好ましい実施態様によれば、組成物GCは、全てのペプチド成分の合計質量を参照して、0.25%(質量/質量)、0.20%(質量/質量)、0.15%(質量/質量)、0.1%(質量/質量)、0.05%(質量/質量)、又は0.01%(質量/質量)より多い総濃度で上述のグルカゴン欠失変異体を含有しない。
本発明のさらなる局面は、本発明に従う方法から得ることができるグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、そして検出可能なレベルであるが、0.5%以下、好ましくは0.3%以下、特に0.2%以下、そして場合により0.1%以下のTrp(O)25-グルカゴン及び/又はGlu24-グルカゴン、des-Ser-グルカゴン及び/又はdes-Thr-グルカゴンを含有することを特徴とする。
本発明のさらなる局面は、本発明に従う方法から得られたグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、かつTrp(O)25-グルカゴン及び/又はGlu24-グルカゴン、及び/又はdes-Ser-グルカゴン、及び/又はdes-Thr-グルカゴンを、0.05~0.5%、好ましくは0.05~0.3%、特に0.05~0.2%含有し、そして場合により0.05~0.1%しか含有しないことを特徴とする。
本発明の一局面は、本発明に従う方法から得られたグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、かつTrp(O)25-グルカゴンを、0.05~0.5%、好ましくは0.05~0.3%、特に0.05~0.2%含有し、そして場合により0.05~0.1%しか含有しないことを特徴とする。
本発明の一局面は、本発明に従う方法から得られたグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、かつGlu24-グルカゴンを、0.05~0.5%、好ましくは0.05~0.3%、特に0.05~0.2%含有し、そして場合により0.05~0.1%しか含有しないことを特徴とする。
本発明の一局面は、本発明に従う方法から得られたグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、かつdes-Ser-グルカゴンを、0.05~0.5%、好ましくは0.05~0.3%、特に0.05~0.2%含有し、そして場合により0.05~0.1%しか含有しないことを特徴とする。
本発明の一局面は、本発明に従う方法から得られたグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、かつdes-Thr-グルカゴンを、0.05~0.5%、好ましくは0.05~0.3%、特に0.05~0.2%含有し、そして場合により0.05~0.1%しか含有しないことを特徴とする。
好ましくは、上記のパーセンテージは、220nmでのUV検出を用いる分析用RP-HPLCにおいて観察された相対ピーク面積として決定される。あるいは、上記パーセンテージは、全てのペプチド成分の合計質量を参照し得る。
本発明の一局面は、本発明に従う方法から得られたグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、99.0%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、かつ検出可能なレベルであるが、0.5%以下、好ましくは0.3%、そして特に好ましくは0.2%以下のGlu24-グルカゴン、及び/又はdes-Ser2-グルカゴン、及び/又はdes-Thr5-グルカゴンを含有することを特徴とし、ここで該濃度は、分析用RP-HPLCで220nmでのUV検出を用いて観察された相対ピーク面積として決定される。
本発明の一局面は、本発明に従う方法から得られたグルカゴンペプチドを含む組成物GCに関し、該組成物は、99.3%より高い純度でグルカゴンペプチドを含有し、かつ検出可能なレベルであるが、0.5%以下、好ましくは0.3%以下、そして特に好ましくは0.2%以下の、Glu24-グルカゴン、及び/又はdes-Ser2-グルカゴン、及び/又はdes-Thr5-グルカゴンを含有することを特徴とし、ここで上記濃度は、220nmでのUV検出を用いる分析用RP-HPLCにおいて観察された相対ピーク面積として決定される。
好ましくは、組成物GC中の全てのグルカゴンは、本発明に従う方法から得られる。
行われた実験及び達成された結果を含めて以下の図面及び実施例は、説明の目的のみのために提供されるものであり、特許請求の範囲を限定するとは解釈されるべきではない。
図1は擬プロリンジペプチドを使用せずに(黒色)及び使用して(灰色)製造された粗製グルカゴンペプチド溶液の分析用RP-UHPLCトレースを示す。220nmでの吸光度(mAU)を保持時間(分)に対してプロットする。Des-Thr5-、des-Ser2-、及びGlu24-グルカゴンを、独立して合成された参照化合物との共溶出及び以前のLC-MS分析に基づいて両方の場合に重大な不純物と同定した。 図2は、粗製グルカゴン調製物(実線)及び対応する予備精製されたグルカゴン調製物(点線)の分析用RP-UHPLCトレースを示す。220nmでの吸光度(mAU)を保持時間(分)に対してプロットする。Des-Thr5-、des-Ser2-、及びGlu24-グルカゴンを、相対保持時間及び以前のLC-MS分析に基づいて、両方の場合に重大な不純物として同定した。これらの不純物の除去は、予備精製工程において十分でないということがわかる。 図3は、予備精製されたグルカゴン調製物(黒色)、実施例3において記載されるように第一の(TEAP)精製次元の後に精製されたグルカゴン含有フラクションをプールすることから得られた中間グルカゴン調製物(灰色)、及び実施例3において記載されるように第二の(酢酸)精製次元の後にグルカゴン含有フラクションをプールすることから得られた高度に純粋なグルカゴン調製物(アスタリスク)の分析用RP-HPLCトレースを示す。両方の次元が、関連物質の除去に関して互いに相補的であり、そして優れた生成物純度を生じるということがわかる。
実施例
実施例1:グルカゴンの完全化学合成
配列番号1に従うグルカゴンペプチドを、Fmoc保護アミノ酸誘導体及び場合により2つの擬プロリンジペプチド誘導体を使用してWang樹脂で合成した。各鎖伸長サイクルについて、カップリング試薬混合物は、TBTU及びDIPEA、DIC及びOxyma、又はDEPBT及びDIPEAを含んでいた。合成後に、ペプチド鎖を樹脂から切断し、そして濃TFAを用いてスカベンジャーの存在下で不活性ガス下でインキュベートすることにより脱保護した。ヨウ化アンモニウムを切断混合物に加え、そして形成されたヨウ化物をその後アスコルビン酸を加えることにより還元した。樹脂及び切断溶液を濾過により分離し、そして粗製ペプチドを、ジイソプロピルエーテル(IPE)を貧溶媒として使用して切断溶液から沈殿させた。乾燥したペプチド沈殿物を酢酸水溶液に再溶解し、そして脱炭酸しておよそ40~80%のグルカゴン含有量を有する粗製ペプチド溶液を得た。
擬プロリンジペプチドを使用せずに(黒色線)及び使用して(灰色線)製造された粗製グルカゴンペプチド溶液を、UHPLCにより分析した(図1を参照のこと1)。相対保持時間、スパイク実験、及び以前のLC-MS分析に基づいて、Des-Thr5-、des-Ser2-、及びGlu24-グルカゴンを両方の場合に重大な不純物と同定した。さらに、Glu3-グルカゴンに対応する可能性のあるRRT 1.042を有する不純物が観察された。これらの関連物質の濃度を、以下の表2において総ピーク面積の面積パーセントとして示す。
Figure 0007360397000002
データは、SPPSの間の2つの擬プロリンジペプチドビルディングブロックの使用が、固相ペプチド合成の直接生成物、すなわち固相結合グルカゴンペプチドを驚くべき程度まで改善することを可能にするということを実証する。得られた固相結合グルカゴンペプチドは、概して不要な物質のかなりの減少(粗製グルカゴンの純度は、56.21対82.43パーセント)、そして特にdes-Thr5-、des-Ser2-、及びGlu24-グルカゴンの減少を特徴とする。
実施例2:予備精製
特に実施例1に従って製造された材料のグルカゴン含有量が80%未満である場合、予備精製工程を行うことが推奨される。緩衝液A(0.1%TFA水溶液)及び緩衝液B(60%アセトニトリル水溶液中0.1%TFA)を準備した。実施例1のように製造された粗製ペプチド溶液を、緩衝液Aで予め平衡化した逆相クロマトグラフィーカラム(C18シリカ)にロードし、カラムに1.2カラム体積(CV)の緩衝液Aを流し、そして220nmでのUV検出器を用いてペプチド溶出をモニタリングしながら20%~100%緩衝液Bの線形グラジエントを用いて溶出した。グルカゴン含有フラクションをプールして、予備精製されたグルカゴン調製物を得た。この調製物を凍結乾燥してもよい。このようにして得られた生成物の全体純度は(純度:94.27%)であった。
図2は、純粋な粗製グルカゴン調製物(実線)及び予備精製されたグルカゴン調製物(点線)の分析用RP-UHPLCトレースを示す。調製物の全体の純度が増加しながら、des-Ser2-、及びGlu3-グルカゴンの相対含有量は全く減少せず、そしてdes-Thr5-及びGlu24-グルカゴンにおける含有量は不満足に高かったということが分かる。したがって、強力な精製プロトコルを開発する際の課題の一つは、それらの類似性にもかかわらず所望のグルカゴンからこれらの不純物を分離することである。
実施例3:2次元RP-HPLC精製
実施例2のように得られたグルカゴン調製物を、C18結合シリカを使用した2次元精製にかけた。同じカラムを両方の精製工程に使用し、そしてペプチド溶出を以下のUV吸収でモニタリングした。
予備精製したグルカゴン調製物(純度:95.48%)を、逆相クロマトグラフィーカラム(C18シリカ、細孔径100Åを有する10μm粒子)にロードし、そしてペプチドを以下の表3に示されるように溶出した。精製されたグルカゴンを含有するフラクションをプールし、中間グルカゴン調製物を得た。
Figure 0007360397000003
中間グルカゴン調製物を、以下の表4に示されるように逆相クロマトグラフィーカラム(C18シリカ、細孔径100Åを有する10μm粒子)でさらに精製した。
Figure 0007360397000004
第二の精製次元後のプールされたフラクションの純度は、分析用RP-UHPLCにより評価して99.42%であり、両方の工程の後の全体収率は57.3%であった。単一の不要な成分は0.5%より高い濃度で検出できなかった。出発物質と第一及び第二のHPLCパスの後のプールされたフラクションとの分析用RP-UHPLCトレースの比較は、両方の精製次元の驚くべき相補性を実証した:各精製次元は、異なる不要な成分を除去し、その結果両方の工程の組み合わせが、優れた生成物純度を生じた(図3を参照のこと)。表5は、特定の主要な不純物の除去を詳述する。
Figure 0007360397000005
配列表
配列番号1 ヒトグルカゴン
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT
配列番号2 ヒトdes-Thr5-グルカゴン
HSQGFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT
配列番号3 ヒトdes-Ser2-グルカゴン
HQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT
配列番号4 ヒトGlu24-グルカゴン
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVEWLMNT

Claims (15)

  1. グルカゴンペプチドの製造方法であって:
    a) グルカゴンペプチド及び少なくとも1つの不要な成分を含む液体組成物Cを供給する工程;
    b) 組成物Cを、第一の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)精製にかける工程、[ここで、炭化水素結合シリカが固定相として使用され、リン酸トリエチルアンモニウム及びアセトニトリルを含む6.5~7.5のpHの水性移動相が使用され、そして溶出は、グルカゴンペプチド含有フラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を徐々に増加させることにより達成される];並びに
    c) 工程b)において得られたプールされたグルカゴンペプチド含有フラクションを、第二の逆相HPLC精製にかける工程、[ここで、炭化水素結合シリカが固定相として使用され、酢酸及びアセトニトリルを含む移動相が使用され、工程c)の移動相における酢酸の濃度は0.5と5%(体積/体積)との間であり、そして溶出は、精製されたグルカゴンペプチド含有フラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を徐々に増加させることにより達成される]、
    を含む、上記方法。
  2. 程b)における溶出は、アセトニトリル含有量を2~4%(体積/体積)アセトニトリルから30~50%(体積/体積)アセトニトリルまで増加させるグラジエントにより達成され、かつ/又は工程c)における溶出は、アセトニトリル含有量を2~4%(体積/体積)アセトニトリルから40~60%(体積/体積)アセトニトリルまで増加させるグラジエントにより達成される、請求項1に記載の方法。
  3. C18結合シリカは工程b)及び/若しくは工程c)において固定相として使用され、かつ/又は同じ固定相が工程b)及びc)において使用される、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 液体組成物Cをロードする前に、かつ/又は工程b)において得られたプールされたグルカゴンペプチド含有フラクションをロードする前に、TFA及びアセトニトリルを含む水溶液で固定相をリンスする工程をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. d) アニオン交換を行う工程
    をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程a)は:
    (a-i) 固相に結合されたグルカゴンペプチドを供給すること、[ここで、少なくともGlu、Asp、及びLysの側鎖は保護基を有する];及び
    (a-ii) 固相からグルカゴンペプチドを切断し、そしてグルカゴンペプチドから保護基を除去すること
    を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 固相に結合されたグルカゴンペプチドは2つの擬プロリンジペプチドを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(a-i)は、適切に保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体を使用してグルカゴンペプチドのFmocベースの固相ペプチド合成を行うことを含み、ここで該保護されたアミノ酸誘導体又はジペプチド誘導体は:
    (A) (ベンゾトリアゾリル)テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA);
    (B) ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びシアノ-ヒドロキシイミノ-酢酸エチルエステル(Oxyma);
    (C) 3-(ジエトキシ-ホスホリルオキシ)-3H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-4-オン(DEPBT)及びDIPEA;並びに
    (D) DIC及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
    からなる群より独立して各工程について選択される試薬を含む1つ又はそれ以上のカップリング試薬混合物を用いて活性化される、請求項6~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. N末端ヒスチジン部分が、Boc-His(Boc)-OH、Boc-His(Trt)-OH、及びFmoc-His(Trt)-OHからなる群より選択されるアミノ酸誘導体、並びにDEPBT及びDIPEA又はDIC及びOxymaを含むカップリング試薬混合物を使用して、固相に結合されたグルカゴンペプチドに導入される、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. グルカゴンペプチドは配列番号1のペプチドである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程a)は、グルカゴンペプチドを含むサンプルを逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)精製にかけることを含み、ここで炭化水素結合シリカは固定相として使用され、トリフルオロ酢酸及びアセトニトリルを含む水性移動相が使用され、そして溶出は、グルカゴンペプチドを含有するフラクションを集める間、移動相内のアセトニトリル濃度を徐々に増加させることにより達成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 固相からグルカゴンペプチドを切断し、そしてグルカゴンペプチドから保護基を除去する工程は、少なくとも50%TFA及び1つ若しくはそれ以上のスカベンジャーを含む切断組成物を用いたインキュベーションにより達成され、かつ/又はヨウ化アンモニウムのようなヨウ化物塩、硫化ジメチル、1,4-ジチオトレイトール、臭化トリメチルシリル、及びアスコルビン酸からなる群より選択される1つ若しくはそれ以上の薬剤が、固相を含む懸濁液に添加される、請求項6~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 同じカラムが工程b)及びc)に使用される、請求項3に記載の方法。
  14. d) アニオン交換を行う工程
    をさらに含み、ここでアセテートはクロリドで少なくとも部分的に置き換えられ、かつ/又はアニオン交換は、凍結乾燥、限外濾過、透析、固相抽出、逆相クロマトグラフィー若しくはイオン交換クロマトグラフィーにより達成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  15. 固相に結合されたグルカゴンペプチドは、配列番号1のペプチドのGly 4 -Thr 5 及びPhe 6 -Thr 7 、Gly 4 -Thr 5 及びThr 7 -Ser 8 、Gly 4 -Thr 5 及びTyr 10 -Ser 11 、Gly 4 -Thr 5 及びAsp 15 -Ser 16 、Phe 6 -Thr 7 及びTyr 10 -Ser 11 、Phe 6 -Thr 7 及びAsp 15 -Ser 16 、Thr 7 -Ser 8 及びTyr 10 -Ser 11 、Thr 7 -Ser 8 及びAsp 15 -Ser 16 、又はTyr 10 -Ser 11 及びAsp 15 -Ser 16 からなる群より選択される位置に対応するか又はそれらと同一の位置に導入される、2つの擬プロリンジペプチドを含む、請求項6に記載の方法。
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