JP7359675B2 - 眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラムに関する。
近年、近視が進行する原因の1つとして、周辺視野の焦点が網膜面よりも奥側(強膜側)に存在することに起因して網膜が奥側に伸びようとして近視が進行する可能性が報告されている(例えば、非特許文献1)。
このような近視の進行を抑制するために、周辺視野の屈折力を高くすることで、中心視野の焦点位置を手前側(角膜側)に移動させる眼鏡やコンタクトレンズが開発されている。更に、事前に測定された波面収差に基づいて行われるwavefront-guided LASIKのような屈折矯正手術も行われている。従って、このような高機能な屈折矯正において、周辺視野の屈折力を正確に測定することが求められる。
また、眼球の形状には、いくつかのタイプが確認されている(例えば、非特許文献2)。
このような眼球の形状には、近視に多い形状のタイプ等もあり、近視の進行に伴う形状変化を測定し、その測定結果を近視の進行の対処法にフィードバックすることが有効であると考えられる。
Earl L. Smith et al., "Relative peripheral hyperoptic defocus alters central refractive development in infant monkeys", Vision Research, September 2009, 49(19), pp.2386-2392 Pavan K Verkicharla et al., "Eye shape and retinal shape, and their relation to peripheral refraction", Opthalmic & Physiological Optics, 32(2012), pp.184-199
一般的な眼科装置では、測定光軸上に固視標が投影されるため、網膜の中心窩の近傍の屈折度数が測定される。この場合、眼底等における組織の形状(眼球の形状)を考慮して、中心窩の近傍の屈折度数から周辺視野の屈折度数を求めることが考えられる。
しかしながら、眼底等における組織の形状を測定することを目的として光コヒーレンストモグラフィを用いて被検眼の断層像を取得する場合、眼のモーションによるアライメントのずれ量に起因して断層像を高い再現性で取得することが困難である。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定するための新たな技術を提供することにある。
いくつかの実施形態の第1態様は、被検眼の断層像を取得する取得部と、前記取得部により取得された複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を施すことにより前記被検眼の組織の形状を表す第1形状データを取得する組織特定部と、前記組織特定部により取得された前記複数の第1形状データに基づいて、前記組織の形状を表す第2形状データを求める特定部と、を含む眼科情報処理装置である。
いくつかの実施形態の第2態様では、第1態様において、前記特定部は、前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより前記第2形状データを求める。
いくつかの実施形態の第3態様では、第1態様又は第2態様において、前記特定部は、前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより得られた最尤値に基づいて前記第2形状データを求める。
いくつかの実施形態の第4態様では、第3態様において、前記統計処理は、平均化処理を含む。
いくつかの実施形態の第5態様は、第1態様~第4態様のいずれかにおいて、前記組織特定部により取得された前記複数の第1形状データの位置合わせを行う位置合わせ処理部を含み、前記特定部は、前記位置合わせ処理部により位置合わせが行われた前記複数の第1形状データに基づいて前記第2形状データを求める。
いくつかの実施形態の第6態様では、第5態様において、前記位置合わせ処理部は、前記複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められた前記シフト量に基づいて前記複数の第1形状データの位置合わせを行う。
いくつかの実施形態の第7態様では、第5態様において、前記位置合わせ処理部は、前記複数の第1形状データのそれぞれを多項式近似して得られた多項式の定数項に基づいて前記複数の第1形状データの位置合わせを行う。
いくつかの実施形態の第8態様では、第5態様において、前記位置合わせ処理部は、前記複数の第1形状データのそれぞれの特徴部を抽出し、抽出された特徴部を基準に前記複数の第1形状データの位置合わせを行う。
いくつかの実施形態の第9態様は、第1態様~第4態様のいずれかにおいて、前記複数の断層像の位置合わせを行う位置合わせ処理部を含み、前記組織特定部は、前記位置合わせ処理部により位置合わせが行われた前記複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を実行する。
いくつかの実施形態の第10態様では、第9態様において、前記位置合わせ処理部は、前記複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められた前記シフト量に基づいて前記複数の断層像の位置合わせを行う。
いくつかの実施形態の第11態様では、第1態様~第10態様のいずれかにおいて、前記組織は、眼底における所定の層領域を含む。
いくつかの実施形態の第12態様は、前記被検眼を他覚的に測定することにより得られた屈折度数と、前記特定部により取得された前記第2形状データに基づく前記組織の形状に対応した前記被検眼の光学特性を表すパラメータとに基づいて、前記被検眼の中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する算出部を含む。
いくつかの実施形態の第13態様では、第12態様において、前記組織の形状は、所定の基準方向に対する前記組織のチルト角度を含む。
いくつかの実施形態の第14態様は、第1態様~第13態様のいずれかに記載の眼科情報処理装置を含み、前記取得部は、光コヒーレンストモグラフィを実行することにより前記被検眼の断層像を取得するOCT部を含む、眼科装置である。
いくつかの実施形態の第15態様は、被検眼の断層像を取得する断層像取得ステップと、前記断層像取得ステップにおいて得られた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を施すことにより前記被検眼の組織の形状を表す第1形状データを取得する組織特定ステップと、前記組織特定ステップにおいて取得された前記複数の第1形状データに基づいて、前記組織の形状を表す第2形状データを求める特定ステップと、を含む眼科情報処理方法である。
いくつかの実施形態の第16態様では、第15態様において、前記特定ステップは、前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより前記第2形状データを求める。
いくつかの実施形態の第17態様では、第15態様又は第16態様において、前記特定ステップは、前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより得られた最尤値に基づいて前記第2形状データを求める。
いくつかの実施形態の第18態様では、第16態様又は第17態様において、前記統計処理は、平均化処理を含む。
いくつかの実施形態の第19態様は、第15態様~第18態様のいずれかにおいて、前記組織特定ステップにおいて取得された前記複数の第1形状データの位置合わせを行う位置合わせ処理ステップを含み、前記特定ステップは、前記位置合わせ処理ステップにおいて位置合わせが行われた前記複数の第1形状データに基づいて前記第2形状データを求める。
いくつかの実施形態の第20態様は、第15態様~第18態様のいずれかにおいて、前記断層像取得ステップにおいて取得された前記複数の断層像の位置合わせを行う位置合わせ処理ステップを含み、前記組織特定ステップは、前記位置合わせ処理ステップにおいて位置合わせが行われた前記複数の断層像に対してセグメンテーション処理を実行する。
いくつかの実施形態の第21態様では、第15態様~第20態様のいずれかにおいて、前記組織は、眼底における所定の層領域を含む。
いくつかの実施形態の第22態様は、第21態様において、前記被検眼を他覚的に測定することにより得られた屈折度数と、前記特定ステップにおいて取得された前記第2形状データに基づく前記組織の形状に対応した前記被検眼の光学特性を表すパラメータとに基づいて、前記被検眼の中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する算出ステップを含む。
いくつかの実施形態の第23態様は、コンピュータに、第15態様~第22態様のいずれかに記載の眼科情報処理方法の各ステップを実行させるプログラムである。
なお、上記した複数の態様に係る構成を任意に組み合わせることが可能である。
本発明によれば、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定するための新たな技術を提供することができる。
実施形態に係る眼科装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る眼科装置の動作の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態の変形例に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態の変形例に係る眼科装置の動作の一例を示すフローチャートである。
この発明に係る眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラムの実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科情報処理装置は、被検眼の複数の断層像を取得する。複数の断層像は、例えば、外部の眼科装置を用いて被検眼に対して光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)を繰り返し実行することにより得られる。眼科情報処理装置は、取得された複数の断層像のそれぞれを解析して所定の組織の複数の形状データ(第1形状データ)を求め、求められた複数の形状データから組織の真の形状データ(第2形状データ)を特定(推定、予測)することが可能である。いくつかの実施形態では、眼科情報処理装置は、複数の形状データに対して統計処理を施すことにより真の形状データを特定する。いくつかの実施形態では、断層像を解析することにより得られた所定の層領域の1次元、2次元、又は3次元の形状データにより層領域の形状が特定される。いくつかの実施形態に係る眼科装置は、上記の眼科情報処理装置を含み、眼科情報処理装置の機能を実現する。
上記のように断層像又は形状データから被検眼の所定の組織の形状を特定することで、被検眼に対するOCTを実行するための光学系のアライメントのずれ量(アライメントエラー量)の影響を低減し、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することが可能になる。
被検眼における組織の形状として、前眼部における組織の形状、後眼部における組織の形状などがある。前眼部における組織の形状として、角膜、虹彩、水晶体、毛様体、チン小帯、又は隅角の形状がある。後眼部における組織の形状として、眼底(眼底における所定の層領域)の形状などがある。以下、実施形態に係る組織の形状として、眼底における所定の層領域の形状を例に説明する。いくつかの実施形態では、眼底における層領域の形状を眼底の形状として特定することが可能である。眼底における層領域には、内境界膜、神経繊維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層、脈絡膜、強膜、各層領域の界面などがある。しかしながら、眼底以外の眼球の任意の部位の形状について、以下の実施形態を適用することが可能である。また、以下の実施形態において、組織の形状を表す形状データを、形状プロファイルと表記する場合がある。形状プロファイルは、所定の1次元の方向、2次元の方向、又は3次元の方向における形状の変化を表すデータである。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理装置は、上記のように特定された眼底の形状を用いて、眼底における中心窩を含む領域の外側の周辺領域の屈折度数を算出(推定)する。例えば、眼科情報処理装置は、被検眼の中心窩を含む領域の屈折度数と特定された眼底の形状とに基づいて、中心窩を含む領域の外側の周辺領域の屈折度数を算出する。
実施形態に係る眼科情報処理装置は、公知の模型眼等の眼球モデルのパラメータ(眼球の光学特性を表すパラメータ)を用いて上記の領域の屈折度数を算出することが可能である。パラメータには、眼軸長データ、前房深度データ、水晶体の形状を表す水晶体形状データ(水晶体曲率、水晶体厚など)、角膜の形状を表す角膜形状データ(角膜曲率半径、角膜厚など)などがある。眼科情報処理装置は、眼球モデルのパラメータの一部を被検眼の実測値に置き換えて新たな眼球モデルを構築し、構築された新たな眼球モデルを用いて上記の領域の屈折度数を算出することが可能である。いくつかの実施形態では、上記のパラメータは、電子カルテシステム、医用画像アーカイビングシステム、又は外部装置等から取得される。
実施形態に係る眼科情報処理方法は、実施形態に係る眼科情報処理装置においてプロセッサ(コンピュータ)により実行される処理を実現するための1以上のステップを含む。実施形態に係るプログラムは、プロセッサに実施形態に係る眼科情報処理方法の各ステップを実行させる。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
この明細書では、OCTによって取得される画像をOCT画像と総称することがある。また、OCT画像を形成するための計測動作をOCT計測と呼び、OCT計測を行うためのスキャンをOCTスキャンと呼び、OCTスキャンにより得られたデータをスキャンデータと呼ぶことがある。
以下では、実施形態に係る眼科装置が、眼科情報処理装置を含む場合について説明する。眼科装置は、被検眼に対してOCTを実行することにより被検眼の断層像を取得する。しかしながら、実施形態に係る眼科情報処置装置が、外部の眼科装置からスキャンデータ(OCTデータ)、断層像、後述の形状プロファイル等を取得するように構成されていてもよい。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、OCT装置を含み、被検眼とOCTを実行するための光学系との位置合わせ(アライメント、トラッキング)を行うように構成される。いくつかの実施形態に係る眼科装置は、更に、他覚屈折測定装置を含む。いくつかの実施形態に係る眼科装置は、外部装置や記録媒体からデータを受信するデバイス(通信インターフェイス、入出力インターフェイス等)を含む。
すなわち、実施形態に係る眼科装置は、例えば、次のいずれかであってよい:(A)他覚屈折測定装置(屈折測定部)とOCT装置(OCT部)とを含む検査装置:(B)他覚屈折測定装置(屈折測定部)を含まず、OCT装置(OCT部)を含む検査装置;(C)他覚屈折測定装置(屈折測定部)及びOCT装置(OCT部)のいずれも含まない情報処理装置。
以下では、眼科装置の装置光学系の光軸(測定光軸、検査光軸)に直交する左右方向(水平方向)をx方向とし、当該光軸に直交する上下方向(垂直方向)をy方向とし、当該光軸の方向(奥行き方向、前後方向)をz方向とする。
<構成>
図1~図5に、実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。図1は、実施形態に係る眼科装置1の構成例を表す機能ブロック図である。図2は、図1のデータ処理部70の構成例を表す機能ブロック図である。図3は、図2のアライメント処理部71の構成例を表す機能ブロック図である。図4は、図2の特定部722の構成例を表す機能ブロック図である。図5は、図2の算出部73の構成例を表す機能ブロック図である。
眼科装置1は、他覚屈折測定装置(屈折測定部)とOCT装置(OCT部)とを含む検査装置である。眼科装置1は、測定部10と、制御処理部50と、移動機構90と、撮影部100とを含む。測定部10は、屈折測定部20と、OCT部30と、アライメント光投射部40と、ビームスプリッタBS1、BS2とを含む。制御処理部50は、画像形成部60と、データ処理部70と、制御部80とを含む。
(屈折測定部20)
屈折測定部20は、制御部80からの制御を受け、被検眼Eの屈折度数を他覚的に測定する。屈折測定部20は、他覚屈折測定を行うための1以上の光学部材が設けられた光学系を含む。屈折測定部20は、例えば、公知のレフラクトメータと同様の構成を有する。図示は省略するが、典型的なレフラクトメータは、特開2016-077774号公報に開示されているように、投影系と、受光系とを含む。
屈折測定部20の投影系は、光源から出射した光を被検眼Eの眼底Efに投影する。投影系は、例えば、光源からの光を、コリメートレンズ、合焦レンズ、リレーレンズ、瞳レンズ、穴開きプリズム、偏心プリズム、対物レンズ等を通じて眼底Efに投影する。
屈折測定部20の受光系は、眼底Efからの反射光を、対物レンズ、偏心プリズム、穴開きプリズム、他の瞳レンズ、他のリレーレンズ、他の合焦レンズ、円錐プリズム、結像レンズ等を通じて、撮像素子に投影する。これにより、撮像素子の撮像面に結像したリングパターン像が検出される。
いくつかの実施形態では、屈折測定部20は、リング状の光を眼底Efに投影し、眼底Efからの反射光により形成されるリングパターン像を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、屈折測定部20は、輝点を眼底Efに投影し、眼底Efからの反射光をリング状の光に変換し、変換されたリング状の光により形成されるリングパターン像を検出するように構成される。
(OCT部30)
OCT部30は、制御部80からの制御を受け、被検眼EにOCTスキャンを適用してOCTデータ(スキャンデータ)を取得する。OCTデータは、干渉信号データでもよいし、干渉信号データにフーリエ変換を適用して得られた反射強度プロファイルデータでもよいし、反射強度プロファイルデータを画像化して得られた画像データでもよい。
OCT部30が実施可能なOCT手法は、典型的にはフーリエドメインOCTであり、スペクトラルドメインOCT及びスウェプトソースOCTのいずれでもよい。スウェプトソースOCTは、波長可変光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼に投射された測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光を光検出器で検出し、波長の掃引及び測定光のスキャンに応じて収集された検出データ(干渉信号データ)にフーリエ変換等を施して反射強度プロファイルデータを形成する手法である。一方、スペクトラルドメインOCTは、低コヒーレンス光源(広帯域光源)からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼に投射された測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル分布を分光器で検出し、分光器による検出データ(干渉信号データ)にフーリエ変換等を施して反射強度プロファイルデータを形成する手法である。すなわち、スウェプトソースOCTはスペクトル分布を時分割で取得するOCT手法であり、スペクトラルドメインOCTはスペクトル分布を空間分割で取得するOCT手法である。
OCT部30は、OCT計測を行うための1以上の光学部材が設けられた光学系を含む。OCT部30は、例えば、公知のOCT装置と同様の構成を有する。図示は省略するが、典型的なOCT装置は、特開2016-077774号公報に開示されているように、光源と、干渉光学系と、スキャン系と、検出系とを含む。
光源から出力された光は、干渉光学系によって測定光と参照光とに分割される。参照光は、参照アームに導かれる。測定光は、測定アームを通じて被検眼E(例えば、眼底Ef)に投射される。測定アームにはスキャン系が設けられている。スキャン系は、例えば光スキャナーを含み、測定光を1次元的又は2次元的に偏向可能である。光スキャナーは、1以上のガルバノスキャナを含む。スキャン系は、所定のスキャンモードにしたがって測定光を偏向する。
後述の制御部80は、スキャンモードにしたがってスキャン系を制御することが可能である。スキャンモードには、ラインスキャン、ラスタースキャン(3次元スキャン)、サークルスキャン、同心円スキャン、ラジアルスキャン、クロススキャン、マルチクロススキャン、スパイラルスキャンなどがある。ラインスキャンは、直線状の軌跡に沿ったスキャンパターンである。ラスタースキャンは、互いに平行に配列された複数のラインスキャンからなるスキャンパターンである。サークルスキャンは、円形状の軌跡に沿ったスキャンパターンである。同心円スキャンは、同心状に配列された複数のサークルスキャンからなるスキャンパターンである。ラジアルスキャンは、放射状に配列された複数のラインスキャンからなるスキャンパターンである。クロススキャンは、互いに直交に配列された2つのラインスキャンからなるスキャンパターンである。マルチクロススキャンは、互いに直交する2つのラインスキャン群(例えば、各群は、互いに平行な5本のラインを含む)からなるスキャンパターンである。スパイラルスキャンは、中心から螺旋状に伸びるスキャンパターンである。
眼底Efに投射された測定光は、眼底Efの様々な深さ位置(層境界等)において反射・散乱される。被検眼Eからの測定光の戻り光は、干渉光学系によって参照光と合成される。測定光の戻り光と参照光とは重ね合わせの原理にしたがって干渉光を生成する。この干渉光は検出系によって検出される。検出系は、典型的には、スペクトラルドメインOCTでは分光器を含み、スウェプトソースOCTではバランスドフォトダイオード及びデータ収集システム(DAQ)を含む。
(アライメント光投射部40)
アライメント光投射部40は、被検眼Eと測定部10(OCT部、装置光学系)との位置合わせを行うためのアライメント光を被検眼Eに投射する。アライメント光投射部40は、アライメント光源と、コリメータレンズとを含む。アライメント光投射部40の光路は、ビームスプリッタBS2により屈折測定部20の光路に結合される。アライメント光源から出力された光は、コリメータレンズを経由し、ビームスプリッタBS2により反射され、屈折測定部20の光路を通じて被検眼Eに投射される。
いくつかの実施形態では、特開2016-077774号公報に開示されているように、被検眼Eの角膜Ec(前眼部)による反射光は、屈折測定部20の光路を通じて、屈折測定部20の受光系に導かれる。
被検眼Eの角膜Ecによる反射光に基づく像(輝点像)は、撮影部100により取得された前眼部像に含まれる。例えば、制御処理部50は、輝点像を含む前眼部像とアライメントマークとを表示部(不図示)の表示画面に表示させる。手動でXYアライメント(上下左右方向のアライメント)を行う場合、ユーザは、アライメントマーク内に輝点像を誘導するように光学系の移動操作を行うことができる。手動でZアライメント(前後方向のアライメント)を行う場合、ユーザは、表示部の表示画面に表示された前眼部像を参照しながら光学系の移動操作を行うことができる。自動でアライメントを行う場合、制御部80は、アライメントマークと輝点像の位置との変位がキャンセルされるように移動機構90を制御することにより、被検眼Eに対して測定部10(光学系)を相対移動させる。また、制御部80は、被検眼Eの所定部位(例えば、瞳孔中心位置)の位置と輝点像の位置とに基づいて、所定のアライメント完了条件を満たすように移動機構90を制御することにより、被検眼Eに対して測定部10(光学系)を相対移動させることが可能である。
(ビームスプリッタBS1)
ビームスプリッタBS1は、屈折測定部20の光学系(投影系及び受光系)の光路に、OCT部30の光学系(干渉光学系など)の光路を同軸に結合する。例えば、ビームスプリッタBS1としてダイクロイックミラーが用いられる。
(ビームスプリッタBS2)
ビームスプリッタBS2は、屈折測定部20の光学系(投影系及び受光系)の光路に、アライメント光投射部40の光学系の光路を同軸に結合する。例えば、ビームスプリッタBS2としてハーフミラーが用いられる。
いくつかの実施形態では、眼科装置1は、制御部80からの制御を受け、被検眼Eの視線を誘導するための固視標を被検眼Eに提示する機能(固視投影系)を有する。固視標は、被検眼Eに提示される内部固視標でもよいし、僚眼に提示される外部固視標でもよい。いくつかの実施形態では、OCT部30とビームスプリッタBS1との間に配置された光路結合部材(例えば、ビームスプリッタ)により、固視投影系の光路がOCT部30の干渉光学系の光路に同軸に結合されるように構成される。
制御部80からの制御を受け、固視投影系による眼底Efにおける固視標の投影位置は変更可能である。いくつかの実施形態では、固視標は、同軸に結合された屈折測定部20の光学系、及びOCT部30の光学系の測定光軸上に投影される。いくつかの実施形態では、固視標は、眼底Efにおいて測定光軸から外れた位置に投影される。
(撮影部100)
撮影部100は、被検眼Eの前眼部を撮影するための1以上の前眼部カメラを含む。撮影部100は、被検眼Eの正面画像である前眼部像を取得する。いくつかの実施形態では、1以上の前眼部カメラの近傍に少なくとも1つの前眼部照明光源(赤外光源等)が設けられる。例えば、各前眼部カメラについて、その上方近傍と下方近傍のそれぞれに前眼部照明光源が設けられる。
眼科装置1は、撮影部100により取得された正面画像を用いて、被検眼Eに対する測定部10(光学系)の位置合わせを行うことが可能である。いくつかの実施形態では、眼科装置1は、被検眼Eの前眼部を撮影することにより得られた正面画像を解析することにより被検眼Eの3次元位置を特定し、特定された3次元位置に基づいて測定部10を相対移動することで位置合わせを行う。いくつかの実施形態では、眼科装置1は、被検眼Eの特徴位置とアライメント光投射部40により投射されたアライメント光により形成された像の位置との変位がキャンセルされるように位置合わせを行う。
上記のように、撮影部100は、1以上の前眼部カメラを含む。撮影部100が単一の前眼部カメラを含む場合、眼科装置1は、取得された正面画像を解析して、測定部10の光軸に直交する平面(水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)とにより規定される平面)おける被検眼Eの2次元位置を特定する。この場合、眼科装置1には、測定部10の光軸の方向における被検眼Eの位置を特定するためのアライメント光学系が設けられている。このようなアライメント光学系として、例えば、特開2016-077774号公報に開示されている光テコ方式の光学系などがある。眼科装置1は、このようなアライメント光学系を用いて測定部10の(測定)光軸の方向における被検眼Eの位置と、上記の2次元位置とから、被検眼Eの3次元位置を特定することが可能である。
撮影部100が2以上の前眼部カメラを含む場合、2以上の前眼部カメラは、被検眼Eの前眼部を異なる方向から撮影する。2以上の前眼部カメラは、異なる2以上の方向から実質的に同時に前眼部を撮影することができる。「実質的に同時」とは、例えば、2以上の前眼部カメラによる撮影において、眼球運動を無視できる程度の撮影タイミングのズレを許容することを示す。それにより、被検眼Eが実質的に同じ位置(向き)にあるときの画像を2以上の前眼部カメラによって取得することができる。眼科装置1は、例えば、特開2013-248376号公報に開示されているように、取得された正面画像を解析して被検眼Eの特徴位置を特定し、2以上の前眼部カメラの位置と特定された被検眼Eの特徴位置とから被検眼Eの3次元位置を特定する。
2以上の前眼部カメラによる撮影は動画撮影でも静止画撮影でもよい。動画撮影の場合、撮影開始タイミングを合わせるよう制御したり、フレームレートや各フレームの撮影タイミングを制御したりすることにより、上記のような実質的に同時の前眼部撮影を実現することができる。一方、静止画撮影の場合、撮影タイミングを合わせるよう制御することにより、これを実現することができる。
以下では、撮影部100が2台の前眼部カメラを含むものとする。2台の前眼部カメラのそれぞれは、例えば特開2013-248376号公報に開示されているように、測定光軸(OCT部30の光軸)から外れた位置に設けられている。いくつかの実施形態では、2台の前眼部カメラの一方は、屈折測定部20の受光系における撮像素子である。
(制御処理部50)
制御処理部50は、眼科装置1を動作させるための各種演算や各種制御を実行する。制御処理部50は、1以上のプロセッサと、1以上の記憶装置とを含む。記憶装置としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などがある。記憶装置には各種のコンピュータプログラムが格納されており、それに基づきプロセッサが動作することによって本例に係る演算や制御が実現される。
(画像形成部60)
画像形成部60は、被検眼Eに対してOCTを実行することにより得られたスキャンデータに基づいて、被検眼Eの画像(断層像等)を形成する。画像形成部60は、OCT部30の検出系による検出データに基づいてOCTデータ(典型的には画像データ)を構築する。画像形成部60は、従来のOCTデータ処理と同様に、フィルター処理、高速フーリエ変換(FFT)などを検出データに適用することにより、各Aライン(被検眼E内における測定光の経路)における反射強度プロファイルデータを構築する。更に、画像形成部60は、この反射強度プロファイルデータに画像化処理(画像表現)を適用することにより、各Aラインの画像データ(Aスキャンデータ)を構築する。いくつかの実施形態では、画像形成部60の機能はプロセッサにより実現される。
いくつかの実施形態では、画像形成部60の機能の少なくとも一部がOCT部30に設けられる。
(データ処理部70)
データ処理部70は、各種のデータ処理を実行する。データ処理部70は、スキャン系によるスキャンモードにしたがって複数のAスキャンデータを配列することによりBスキャンデータを構築することができる。いくつかの実施形態では、データ処理部70は、2以上のBスキャンデータの重ね合わせ処理を行う。データ処理部70は、スキャン系によるスキャンモードにしたがって複数のBスキャンデータを配列することによりスタックデータを構築することができる。データ処理部70は、スタックデータからボリュームデータ(ボクセルデータ)を構築することができる。データ処理部70は、スタックデータ又はボリュームデータをレンダリングすることができる。レンダリング手法としては、ボリュームレンダリング、多断面再構成(MPR)、サーフェスレンダリング、プロジェクションなどがある。
データ処理部70は、被検眼Eに対する測定部10の位置合わせを行うための処理を実行することが可能である。被検眼Eに対する測定部10の位置合わせを行うための処理として、撮影部100を用いて取得された被検眼Eの正面画像の解析処理、被検眼Eの位置の算出処理、被検眼Eに対する測定部10の変位の算出処理などがある。
また、データ処理部70は、被検眼Eに対する測定部10の位置合わせ後にOCT計測を繰り返して得られた被検眼Eの複数の断層像のそれぞれから被検眼Eの眼底Efの形状を表す形状データ(形状プロファイル)を取得し、取得された複数の形状データから眼底Efの真の形状を表す形状データを生成することが可能である。例えば、眼底Efの真の形状を表す形状データは、取得された複数の形状データに対して統計処理を施すことで得られる。更に、データ処理部70は、特定された眼底Efの形状(眼底Efの真の形状を表す形状データ)を用いて、被検眼Eの中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出することが可能である。
このようなデータ処理部70は、図2に示すように、アライメント処理部71と、解析部72と、算出部73とを含む。
(アライメント処理部71)
アライメント処理部71は、上記のように、被検眼Eに対する測定部10の位置合わせを行うための処理を実行する。いくつかの実施形態では、アライメント処理部71は、前眼部カメラにより得られた撮影画像の歪みを補正し、歪みが補正された撮影画像を用いて上記の位置合わせを行うための処理を実行する。この場合、アライメント処理部71は、制御処理部50又はデータ処理部70に設けられた記憶部にあらかじめ記憶されている収差情報に基づいて撮影画像の歪みを補正する。この処理は、例えば、歪曲収差を補正するための補正係数に基づく公知の画像処理技術によって実行される。
アライメント処理部71は、図3に示すように、プルキンエ像特定部71Aと、瞳孔中心特定部71Bと、移動目標位置決定部71Cとを含む。
(プルキンエ像特定部71A)
アライメント光投射部40により被検眼Eの前眼部にアライメント光を投射することにより、プルキンエ像が形成される。プルキンエ像は、角膜曲率半径の2分の1の距離だけ角膜頂点から測定部10の光軸方向(z方向)に変位した位置に形成される。
アライメント光が投射されている前眼部は、2つの前眼部カメラによって実質的に同時に撮影される。プルキンエ像特定部71Aは、2つの前眼部カメラにより実質的に同時に取得された2つの撮影画像のそれぞれを解析することでプルキンエ像(プルキンエ像に相当する画像領域)を特定する。この特定処理は、例えば従来と同様に、プルキンエ像に相当する輝点(高輝度の画素)を探索するための、画素値に関する閾値処理を含む。それにより、プルキンエ像に相当する撮影画像中の画像領域が特定される。
プルキンエ像特定部71Aは、プルキンエ像に相当する画像領域における代表点の位置を求めることができる。代表点は、例えば、当該画像領域の中心点又は重心点であってよい。この場合、プルキンエ像特定部71Aは、例えば、当該画像領域の周縁の近似円又は近似楕円を求め、近似円又は近似楕円の中心又は重心を求めることができる。
2つの撮影画像(前眼部像)のそれぞれは、前眼部を斜め方向から撮影して得られた画像である。各撮影画像には、瞳孔領域とプルキンエ像とが描出されている。プルキンエ像特定部71Aは、2つの撮影画像内のプルキンエ像を特定する。
ここで、2つの撮影画像は、測定部10(対物レンズ)の光軸と異なる方向からの撮影により取得された画像である。XYアライメントが実質的に合っているとき、2つの撮影画像内のプルキンエ像は測定部10の光軸上に形成される。
2つの前眼部カメラの見込角(測定部10の光軸に対する角度)が既知であり、撮影倍率も既知であるから、2つの撮影画像内のプルキンエ像の位置に基づいて、眼科装置1(撮影部100)に対する前眼部に形成されたプルキンエ像の相対位置(実空間における3次元位置)を求めることができる。
また、2つの撮影画像のそれぞれにおける被検眼Eの特徴位置とプルキンエ像との相対位置(ズレ量)に基づいて、被検眼Eの特徴位置と前眼部に形成されたプルキンエ像との間の相対位置を求めることができる。
プルキンエ像特定部71Aは、上記のように特定されたプルキンエ像の位置を特定する。プルキンエ像の位置は、少なくともx方向の位置(x座標値)及びy方向の位置(y座標値)を含んでよく、更にz方向の位置(z座標値)を含んでもよい。
(瞳孔中心特定部71B)
瞳孔中心特定部71Bは、前眼部カメラにより得られた各撮影画像(又は歪曲収差が補正された画像)を解析することで、前眼部の所定の特徴位置に相当する当該撮影画像中の位置を特定する。この実施形態では、被検眼Eの瞳孔中心が特定される。なお、瞳孔中心として、瞳孔の重心を求めてもよい。また、瞳孔中心(瞳孔重心)以外の特徴位置を特定するように構成することもできる。
瞳孔中心特定部71Bは、撮影画像の画素値(輝度値など)の分布に基づいて、被検眼Eの瞳孔に相当する画像領域(瞳孔領域)を特定する。一般に瞳孔は他の部位よりも低い輝度で表現されるので、低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定することができる。このとき、瞳孔の形状を考慮して瞳孔領域を特定するようにしてもよい。つまり、略円形かつ低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定するように構成することができる。
次に、瞳孔中心特定部71Bは、特定された瞳孔領域の中心位置を特定する。上記のように瞳孔は略円形であるので、瞳孔領域の輪郭を特定し、この輪郭の近似楕円の中心位置を特定し、これを瞳孔中心とすることができる。また、瞳孔領域の重心を求め、この重心位置を瞳孔中心としてもよい。
なお、他の特徴位置が適用される場合であっても、上記と同様に撮影画像の画素値の分布に基づいて当該特徴位置を特定することが可能である。
瞳孔中心特定部71Bは、2つの前眼部カメラの位置(及び撮影倍率)と、特定された2つの撮影画像中の瞳孔中心の位置とに基づいて、被検眼Eの瞳孔中心の3次元位置を特定する。
例えば、2つの前眼部カメラによる撮影画像の分解能は次式で表される。
xy方向の分解能(平面分解能):Δxy=H×Δp/f
z方向の分解能(奥行き分解能):Δz=H×H×Δp/(B×f)
ここで、「B」は2つの前眼部カメラの間の距離(基線長)を表し、「H」は2つの前眼部カメラの基線と、被検眼Eの瞳孔中心との間の距離(撮影距離)を表し、「f」は各前眼部カメラとその画面平面との間の距離(画面距離)を表し、「Δp」は画素分解能を表す。
瞳孔中心特定部71Bは、2つの前眼部カメラの位置(既知である)と、2つの撮影画像において瞳孔中心に相当する位置とに対して、公知の三角法を適用することにより、瞳孔中心の3次元位置を算出する。
(移動目標位置決定部71C)
移動目標位置決定部71Cは、プルキンエ像特定部71Aにより特定されたプルキンエ像の位置と、瞳孔中心特定部71Bにより特定された瞳孔中心位置とに基づいて、測定部10(装置光学系)の移動目標位置を決定する。例えば、移動目標位置決定部71Cは、特定されたプルキンエ像の位置と、特定された瞳孔中心位置との差分を求め、求められた差分が既定のアライメント完了条件を満たすように移動目標位置を決定する。
後述の制御部80は、移動目標位置決定部71Cにより決定された移動目標位置に基づいて移動機構90を制御することが可能である。
(解析部72)
解析部72は、図2に示すように、層領域特定部721と、特定部722とを含む。層領域特定部721は、取得された被検眼Eの断層像における所定の層領域(所定の組織)を特定する。特定部722は、層領域特定部721により特定された所定の層領域に基づいて眼底Efの形状を特定する。
(層領域特定部721)
層領域特定部721は、被検眼Eの断層像を解析することによって眼底Efの所定の層領域を特定する。眼底Efの層領域としては、内境界膜、神経繊維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層、脈絡膜、強膜、各層領域の界面などがある。
断層像から所定の層領域を特定する処理は、典型的には、セグメンテーション処理を含む。セグメンテーション処理は、断層像中の部分領域を特定するための公知の処理である。層領域特定部721は、例えば、断層像における各画素の輝度値に基づきセグメンテーション処理を行う。すなわち、眼底Efのそれぞれの層領域は特徴的な反射率を有し、これら層領域に相当する画像領域もそれぞれ特徴的な輝度値を有する。層領域特定部721は、これら特徴的な輝度値に基づきセグメンテーション処理を実行することにより、目的の画像領域(層領域)を特定することができる。
層領域特定部721は、特定された所定の層領域の形状を表すデータを当該層領域の形状プロファイルとして出力する。いくつかの実施形態では、形状プロファイルは、x方向、y方向、及びz方向の少なくとも1つの方向の眼底Efの形状の変化を表す1次元、2次元、又は3次元の形状データである。
例えば、層領域特定部721は、網膜色素上皮層(又は、OS-RPE界面)を特定することができる。
(特定部722)
特定部722は、層領域特定部721により得られた形状データ(形状プロファイル)から眼底Efの形状を特定する。特定部722は、OCT計測を繰り返し実行することにより取得された複数の断層像のそれぞれから得られた所定の層領域の複数の形状データから真の形状を表す形状データを特定する。特定部722は、例えば、複数の形状データに対して統計処理を施すことにより真の形状を表す形状データを求める。いくつかの実施形態では、特定部722は、1次元(2次元又は3次元)で層領域の形状を表す複数の形状プロファイルから、1次元(2次元又は3次元)で層領域の真の形状を表す新たな形状プロファイルを生成する。新たな形状プロファイルは、例えば、眼底の曲率や傾き等の新たなパラメータにより層領域の形状を特定することが可能な形状データである。
このような特定部722は、図4に示すように、位置合わせ処理部722Aと、統計処理部722Bとを含む。
(位置合わせ処理部722A)
位置合わせ処理部722Aは、OCT計測を繰り返し実行することにより取得された複数の断層像のそれぞれから取得された複数の形状プロファイルの位置合わせ処理を行う。位置合わせ処理部722Aは、複数の形状プロファイルをxy方向及びz方向に位置合わせを行う。xy方向は、OCT部30の測定光軸に直交(交差)する方向である。z方向は、OCT部30の測定光軸の方向である。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められたシフト量に基づいて複数の形状プロファイルの位置合わせを行う。
例えば、位置合わせ処理部722Aは、公知の相関関数を用いて、取得された複数の断層像の相関値を算出する。位置合わせ処理部722Aは、複数の断層像の少なくとも1つのシフト量(深さ方向、又は深さ方向に直交する方向)を変化させて相関値を再び算出する。位置合わせ処理部722Aは、元の相関値と新たに算出された相関値との比較結果に基づいて、シフト量を更新して新たな相関値の算出を行うか否かを判断する。位置合わせ処理部722Aは、相関値の算出と比較とを繰り返して相関値が最大になるときのシフト量(シフト方向を含む)を求め、求められたシフト量に基づいて複数の形状プロファイルの少なくとも1つの位置合わせを行う。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の形状プロファイルのそれぞれを多項式近似して得られた多項式の定数項に基づいて複数の形状プロファイルの位置合わせを行う。
例えば、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の形状プロファイルのそれぞれについて多項式近似を行う。位置合わせ処理部722Aは、各形状プロファイルについて、スキャン位置を変数とする1次又は高次の多項式と形状プロファイルとの差分が最小となるように各次数の係数を求めることで近似多項式を取得する。位置合わせ処理部722Aは、取得された近似多項式から定数項を取得し、取得された定数項に対応したシフト量だけ形状プロファイルをxy方向及びz方向の少なくとも1つの方向にシフトする。複数の形状プロファイルのそれぞれについて同様にシフトされることで、複数の形状プロファイルの位置合わせが行われる。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の形状プロファイルから特徴部を抽出し、抽出された特徴部を基準に複数の形状プロファイルの位置合わせを行う。
例えば、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の形状プロファイルのそれぞれから特徴部を抽出する。いくつかの実施形態では、形状プロファイルの特徴的な形状部分が特徴部として特定される。いくつかの実施形態では、被検眼Eの断層像又は正面画像(眼底像)を解析することにより特定された被検眼Eの特徴領域に対応する形状プロファイルの特徴部が特定される。特徴的な形状部分として、被検眼の特徴部位(中心窩、黄斑部、視神経乳頭)、病変部などがある。いくつかの実施形態では、形状プロファイルの形状の変化点が特徴部として特定される。いくつかの実施形態では、形状プロファイルの形状から得られた算出値に基づいて特徴部が抽出される。算出値として、曲率中心、重心位置、中心位置などがある。位置合わせ処理部722Aは、抽出された特徴部の位置及び向きが一致するように複数の形状プロファイルの少なくとも1つに対して位置合わせを行う。
(統計処理部722B)
統計処理部722Bは、所定の層領域の真の形状を表す形状プロファイルとして、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の形状プロファイルに対して統計処理を行い、統計処理後の形状プロファイルを出力する。統計処理として、平均化処理、中央値算出処理、最頻値算出処理、最尤値算出処理、最大値算出処理、最小値算出処理などがある。統計処理は、代表値選択処理を含んでよい。
図6及び図7に、実施形態に係る統計処理部722Bの動作説明図を示す。図6は、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた形状プロファイルの一例を表す。図6及び図7では、横軸はスキャン位置(例えば、x方向の位置)を表し、縦軸は深さ位置(例えば、z方向の位置)を表す。図7は、統計処理部722Bによる平均化処理により得られた形状プロファイルの一例を表す。
統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の形状プロファイル(図6に示す形状プロファイルPF1)についてスキャン位置毎に統計値を求める。統計処理部722Bは、求められた統計値の変化を表すプロファイル(図7に示す形状プロファイルPF2)を上記の複数の形状プロファイルに対する統計処理により得られたプロファイルとして出力する。
OCT計測を繰り返すことにより得られた複数の形状プロファイルのばらつきが、スキャン位置がゼロの位置を基準としてガウス分布モデルに従うと仮定した場合、統計処理として平均化処理を用いることができる。この場合、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の形状プロファイルについてスキャン位置毎に平均値を求める。統計処理部722Bは、求められた平均値の変化を表すプロファイルを上記の複数の形状プロファイルを平均化したプロファイルとして出力する。
いくつかの実施形態では、統計処理として中央値算出処理を用いることができる。この場合、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の形状プロファイルについてスキャン位置毎に中央値を求める。統計処理部722Bは、求められた中央値の変化を表すプロファイルを上記の複数の形状プロファイルに対する中央値算出処理で得られたプロファイルとして出力する。
いくつかの実施形態では、統計処理として最頻値算出処理を用いることができる。この場合、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の形状プロファイルについてスキャン位置毎に最頻値を求める。統計処理部722Bは、求められた最頻値の変化を表すプロファイルを上記の複数の形状プロファイルに対する最頻値算出処理で得られたプロファイルとして出力する。
上記の複数の形状プロファイルのばらつきが、任意の確率分布モデル(スキャン位置がゼロの位置を基準として非対称の確率分布モデルを含む)に従うと仮定した場合、統計処理として最尤値算出処理を用いることができる。この場合、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の形状プロファイルについてスキャン位置毎に最尤値を求める。統計処理部722Bは、求められた最尤値の変化を表すプロファイルを上記の複数の形状プロファイルに対する最尤値算出処理で得られたプロファイルとして出力する。なお、上記した平均値は、最尤値の1つである。
いくつかの実施形態では、統計処理として代表値選択処理を用いることができる。この場合、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の形状プロファイルについてスキャン位置毎に代表値を求める。代表値は、複数の形状プロファイルのいずれかの深さ位置を表すデータである。代表値は、複数の形状プロファイルの少なくとも1つの形状、又は複数の形状プロファイルの統計値(分散、標準偏差など)などの所定の基準値に基づいて複数の形状プロファイルの深さ位置を表すデータから選択される。統計処理部722Bは、求められた代表値の変化を表すプロファイルを上記の複数の形状プロファイルに対する代表値選択処理で得られたプロファイルとして出力する。
いくつかの実施形態では、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aによる位置合わせを行うことなく、複数の断層像のそれぞれから取得された複数の形状プロファイルから真の形状を表す形状プロファイルを特定する。
(算出部73)
算出部73は、被検眼Eを他覚的に測定することにより得られた屈折度数を求め、求められた屈折度数と特定部722により特定された眼底Efの形状(形状プロファイル)とに基づいて、被検眼Eの中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する。いくつかの実施形態では、算出部73は、求められた屈折度数と、特定部722により特定された眼底Efの形状に対応した被検眼の光学特性を表すパラメータとに基づいて、被検眼の中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する。算出部73は、特定部722により特定された眼底Efの形状に対応した被検眼の光学特性を表すパラメータに基づいて眼球モデルを構築し、構築された眼球モデルと求められた屈折度数とから、上記の周辺領域の屈折度数を算出することが可能である。
算出部73は、図5に示すように、屈折度数算出部73Aと、眼球モデル構築部73Bと、周辺屈折度数算出部73Cとを含む。
(屈折度数算出部73A)
屈折度数算出部73Aは、屈折測定部20の受光系の撮像素子からの出力を処理して屈折度数を算出する。
いくつかの実施形態では、屈折度数算出部73Aは、撮像素子によって取得されたリングパターン像を楕円近似することにより楕円形状を特定する処理と、特定された楕円形状と合焦レンズ等に対するフォーカス調整分のディオプタとに基づいて屈折度数(測定データ)を求める処理とを実行する。
いくつかの実施形態では、屈折度数算出部73Aは、撮像素子によって取得されたリングパターン像が描出された画像における輝度分布を求める処理と、求められた輝度分布からリングパターン像の重心位置を求める処理と、求められた重心位置から放射状に延びる複数の走査方向に沿った輝度分布を求める処理と、求められた複数の走査方向に沿った輝度分布からリングパターン像を特定する処理と、特定されたリングパターン像の近似楕円を求める処理と、求められた近似楕円の長径及び短径を公知の式に代入することによって屈折度数を算出する処理とを実行する。
いくつかの実施形態では、屈折度数算出部73Aは、撮像素子によって取得されたリングパターン像の基準パターンからの偏位(位置ずれ、変形等)を求める処理と、この偏位から屈折度数を求める処理とを実行する。
いくつかの実施形態では、屈折度数として球面度数S、乱視度数C及び乱視軸角度Aが算出される。いくつかの実施形態では、屈折度数として等価球面度数SE(=S+C/2)が算出される。
(眼球モデル構築部73B)
眼球モデル構築部73Bは、眼球モデルを構築する。眼球モデル構築部73Bは、公知の模型眼等の眼球モデルに対して、別途に取得されたパラメータを適用することにより新たな眼球モデルを構築することが可能である。
眼球モデル構築部73Bは、公知の模型眼等の眼球モデルに対して、OCT計測等により得られた被検眼Eの眼内距離を実測パラメータとして適用することにより新たな眼球モデルを構築することが可能である。この場合、データ処理部70は、組織のサイズ(層厚、体積等)や所定の部位間の距離を求めるための算出処理などを実行することが可能である。例えば、データ処理部70は、スキャンデータ又は断層像を解析することにより眼内の所定部位に相当する干渉光の検出結果(干渉信号)のピーク位置を特定し、特定されたピーク位置間の距離に基づいて眼内距離を求める。いくつかの実施形態では、データ処理部70は、セグメンテーション処理によって得られた2つの層領域の間に存在するピクセルの個数と、所定のピクセルスペーシング補正値とに基づいて眼内距離(層間距離)求める。眼内距離の計測は、所定の方向に沿って行われる。眼内距離の計測方向は、例えば、OCTスキャンによって決定される方向(例えば、測定光の進行方向)でもよいし、スキャンデータに基づき決定される方向(例えば、層に直交する方向)でもよい。また、距離データは、2つの層領域間の距離分布データでもよいし、この距離分布データから算出された統計値(例えば、平均、最大値、最小値、中央値、最頻値、分散、標準偏差)でもよいし、各層領域の代表点の間の距離データでもよい。データ処理部70により算出可能な眼内距離には、眼軸長、角膜厚、前房深度、水晶体厚、硝子体腔長、網膜厚、脈絡膜厚などがある。更に、データ処理部70は、求められた眼内距離を用いて、眼球の光学特性を表す各種のパラメータを算出することが可能である。
いくつかの実施形態では、特定部722(又は眼球モデル構築部73B)は、構築された眼球モデルを用いて眼底Efの形状を特定することが可能である。例えば、特定部722は、眼底Efにおける中心領域と周辺領域との深さ位置の差分を求めることにより、眼底Efの形状を特定する。
(周辺屈折度数算出部73C)
周辺屈折度数算出部73Cは、眼底Efにおける中心窩を含む中心領域の外側の周辺領域の屈折度数を算出する。このとき、周辺屈折度数算出部73Cは、屈折測定部20により得られた中心領域の屈折度数と、特定された眼底Efの形状とに基づいて、周辺領域の屈折度数を算出する。周辺屈折度数算出部73Cは、眼球モデル構築部73Bにより構築された眼球モデルのパラメータを用いて周辺領域の屈折度数を算出することが可能である。
いくつかの実施形態では、データ処理部70の機能は1以上のプロセッサにより実現される。いくつかの実施形態では、アライメント処理部71、解析部72、及び算出部73のそれぞれの機能は単独のプロセッサにより実現される。いくつかの実施形態では、アライメント処理部71の各部の機能は単独のプロセッサにより実現される。いくつかの実施形態では、解析部72の機能は単独のプロセッサにより実現される。いくつかの実施形態では、算出部73の各部の機能は単独のプロセッサにより実現される。いくつかの実施形態では、データ処理部70の少なくとも一部が屈折測定部20又はOCT部30に設けられる。
(制御部80)
制御部80は、眼科装置1の各部を制御する。制御部80は、記憶部(不図示)を含み、各種の情報を保存することが可能である。記憶部に保存される情報には、眼科装置1の各部を制御するためのプログラム、被検者の情報、被検眼の情報、測定部10により得られた測定データ、データ処理部70による処理結果などがある。制御部80の機能は、プロセッサにより実現される。
制御部80は、図示しない表示デバイスを制御可能である。表示デバイスは、ユーザインターフェイスの一部として機能し、制御部80による制御を受けて情報を表示する。表示デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイであってよい。
制御部80は、図示しない操作デバイスからの信号にしたがって眼科装置1を制御可能である。操作デバイスは、ユーザインターフェイス部の一部として機能する。操作デバイスは、眼科装置1に設けられた各種のハードウェアキー(ジョイスティック、ボタン、スイッチなど)を含んでいてよい。また、操作デバイスは、眼科装置1に接続された各種の周辺機器(キーボード、マウス、ジョイスティック、操作パネルなど)を含んでいてよい。また、操作デバイスは、タッチパネルに表示される各種のソフトウェアキー(ボタン、アイコン、メニューなど)を含んでよい。
(移動機構90)
移動機構90は、屈折測定部20、OCT部30、アライメント光投射部40、ビームスプリッタBS1、BS2等の光学系(装置光学系)が収納されたヘッド部を上下左右方向及び前後方向に移動させるための機構である。移動機構90は、制御部80からの制御を受け、被検眼Eに対して測定部10を相対移動させることが可能である。例えば、移動機構90には、ヘッド部を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。制御部80は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより移動機構90に対する制御を行う。
移動機構90に対する制御は、位置合わせ(アライメント)において用いられる。例えば、制御部80は、測定部10(装置光学系)の現在位置を取得する。制御部80は、移動機構90の移動制御の内容を表す情報を受けて、測定部10の現在位置を取得する。この場合、制御部80は、所定のタイミング(装置起動時、患者情報入力時など)で移動機構90を制御して、測定部10を所定の初期位置に移動させる。それ以降、制御部80は、移動機構90を制御する度に、その制御内容を記録する。それにより、制御内容の履歴が得られる。制御部80は、光学系位置取得部として、この履歴を参照して現在までの制御内容を取得し、この制御内容に基づいて測定部10の現在位置を求める。
いくつかの実施形態では、制御部80が移動機構90を制御する度にその制御内容を受けて測定部10の現在位置を逐次求める。いくつかの実施形態では、眼科装置1には、測定部10の位置を検知する位置センサーが設けられ、制御部80は、位置センサーによる検出結果に基づいて測定部10の現在位置を取得する。
制御部80は、上記のように取得された現在位置と、移動目標位置決定部71Cにより決定された移動目標位置とに基づいて、移動機構90を制御することができる。それにより、測定部10を移動目標位置に移動させることができる。例えば、制御部80は、現在位置と移動目標位置との差分を求める。この差分値は、例えば、現在位置を始点とし、移動目標位置を終点とするベクトル値である。このベクトル値は、例えば、xyz座標系で表現される3次元ベクトル値である。
いくつかの実施形態では、移動機構90に対する制御は、トラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの眼球運動に合わせて装置光学系を移動させるものである。トラッキングを行う場合には、事前にアライメントとフォーカス調整が実行される。トラッキングは、装置光学系の位置を眼球運動に追従させることにより、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持する機能である。
制御処理部50、又はデータ処理部70は、実施形態に係る「眼科情報処理装置」の一例である。OCT部30及び画像形成部60、外部装置(外部の眼科装置)、又は記録媒体からデータを受信するデバイス(通信インターフェイス、入出力インターフェイス等)は、実施形態に係る「取得部」の一例である。OCT部30及び画像形成部60は、実施形態に係る「OCT部」の一例である。層領域特定部721により得られた形状プロファイルは、実施形態に係る「第1形状データ」の一例である。層領域特定部721は、実施形態に係る「組織特定部」の一例である。統計処理部722Bによる統計処理により得られた形状プロファイルは、実施形態に係る「第2形状データ」の一例である。特定部722又は統計処理部722Bは、実施形態に係る「特定部」の一例である。
<動作例>
実施形態に係る眼科装置1の動作について説明する。
図8及び図9に、眼科装置1の動作の一例を示す。図8は、眼科装置1の動作例のフロー図を表す。図9は、図8のステップS3の動作例のフロー図を表す。制御部80の記憶部には、図8及び図9に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御部80は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図8及び図9に示す処理を実行する。
(S1:アライメント)
まず、制御部80は、アライメントを実行する。
例えば、制御部80は、アライメント光投射部40を制御して、被検眼Eにアライメント光を投射させる。このとき、被検眼Eには、図示しない固視投影系により所定の投射位置(例えば、測定光軸上の投射位置)に固視光束が投射される。制御部80は、例えば、撮影部100により取得された撮影画像中の瞳孔中心位置とプルキンエ像の位置との変位から測定部10の移動量及び移動方向を特定し、特定された移動量及び移動方向に基づいて移動機構90を制御し、被検眼Eに対する測定部10の位置合わせを行う。制御部80は、所定のアライメント完了条件を満足するまでこの処理を繰り返し実行する。
(S2:他覚屈折測定)
次に、制御部80は、図示しない固視投影系を制御して、眼底Efにおける屈折測定部20の光学系の測定光軸上に固視標を投影させる(中心固視)。その後、制御部80は、屈折測定部20の光学系の測定光軸上に固視標が投影された状態で、屈折測定部20を制御することにより他覚屈折測定を実行する。
屈折度数算出部73Aは、被検眼Eの眼底Efに投射された光の反射光により形成されたリングパターン像を解析することにより被検眼Eの中心窩を含む中心領域の屈折度数を算出する。
(S3:眼底の形状を特定)
続いて、制御部80は、被検眼Eの眼底Efの形状の特定処理を実行する。この実施形態では、制御部80は、屈折測定部20(OCT部30)の光学系の測定光軸上に固視標が投影された状態で、OCT部30を制御することによりOCT計測(OCTスキャン)を実行する。
ステップS3では、上記のように、眼底Efの形状を表す形状データが取得される。ステップS3の詳細については後述する。
(S4:周辺屈折度数を算出)
続いて、制御部80は、ステップS2において得られた中心窩を含む中心領域の外側の周辺領域の屈折度数を周辺屈折度数算出部73Cに算出させる。そのため、制御部80は、眼球モデルを眼球モデル構築部73Bに構築させる。
具体的には、眼球モデル構築部73Bは、ステップS3において得られた形状データから所定の層領域のHeightデータ[pixel]を取得する。Heightデータは、断層像において所定の基準位置からの深さ方向の距離に対応する。眼球モデル構築部73Bは、光学系で規定される装置固有のピクセルスペーシング補正値[mm/pixel]を用いて、Heightデータの距離[mm]を取得する。更に、眼球モデル構築部73Bは、取得されたHeightデータを眼底形状データとして眼球モデルを構築する。
図10に、実施形態に係る眼球モデル構築部73Bの動作説明図を示す。図10は、眼球モデルのパラメータの一部を模式的に表す。
眼球モデル構築部73Bは、Gullstrand模型眼等の眼球モデルのパラメータを用いて、所定の角膜曲率半径(例えば、7.7mm)、所定の眼軸長(例えば、24.2mm)で構成される眼球モデルを構築する。
眼球モデル構築部73Bは、図10に示すように、眼球モデルにおいて角膜Ecと眼底Efとの間に装置固有のピボット点Pvを設定する。典型的には、スキャン系を構成する光スキャナーと光学的に共役な位置に配置される瞳孔位置に相当する位置(例えば角膜Ecに対して後方側に3mmの位置)がピボット点Pvとして設定される。ピボット点Pvを中心として、等距離(等光路長)の位置(ELS)が、OCT計測により得られる断層像中の平坦な位置に相当する。
眼球モデルにおいて、眼軸長ALと、角膜前面(後面)からピボット点Pvまでの距離Lpとが既知であるため、ピボット点Pvから眼底Efまでの距離(AL-Lp)が既知となる。眼底Efの曲率半径が距離(AL-Lp)と等しいときに上記のように断層像中の平坦な位置に相当するため、眼球モデル構築部73Bは、得られたHeightデータの距離[mm]から眼底Efの形状(例えば、曲率半径)を特定することが可能である。
そこで、眼球モデル構築部73Bは、中心領域(中心窩)に対する周辺領域の高さの差分(眼底形状差分データ)Δh[mm]を求める。差分Δhは、断層像におけるAライン毎に求めてもよいし、多項式や非球面式(コーニック定数を含む多項式)等の任意の関数でフィッティングしてもよい。
次に、周辺屈折度数算出部73Cは、眼底形状と屈折度数とを関係付けるため、全眼系の眼球屈折力を定義する。典型的な眼球モデル(Gullstrand模型眼(精密模型眼、調節休止状態))では、全眼系の眼球屈折力は58.64[ディオプタ]である。空気換算長では、全眼系の焦点距離は「1000/58.64=17.05」[mm]となる。ピクセルスペーシング補正値を用いて得られる単位[mm]の情報は、通常は生体組織内(in tissue)における距離を表すため、屈折率を乗算して生体組織内における全眼系の焦点距離が算出される。全眼系の等価屈折率をn=1.38とすると、生体組織内における全眼系の焦点距離ftは、「1000/58.64×1.38=23.53」[mm]となる。
周辺屈折度数算出部73Cは、中心領域(中心窩)に対する周辺領域の高さの差分Δhの位置における眼球屈折力の差分ΔDを式(1)に従って算出する。差分ΔDは、中心窩を含む中心領域に対する相対的な眼球屈折力の差分に相当する。
Figure 0007359675000001
例えば、Δh=0.1[mm](in tissue)としたとき、ΔD=0.18[ディオプタ]となる。
周辺屈折度数算出部73Cは、式(2)に示すように、中心領域の等価球面度数SEに対して式(1)の差分ΔDを適用することにより、周辺領域の屈折度数SEpを求める。
Figure 0007359675000002
周辺屈折度数算出部73Cは、断層像における周辺領域の屈折度数をAライン毎に求めてもよいし、任意の関数でフィッティングしてもよい。
以上で、眼科装置1の動作は終了である(エンド)。
図8のステップS3では、図9に示すように、被検眼Eの眼底Efの形状の特定処理が実行される。
(S11:アライメント光の投射を開始)
ステップS3の処理が開始されると、制御部80は、ステップS1と同様に、アライメント光投射部40を制御して、被検眼Eに対してアライメント光の投射を開始させる。
ステップS11においても、ステップS1と同様に、被検眼Eには、図示しない固視投影系により所定の投射位置(例えば、測定光軸上の投射位置)に固視光束が投射される。
(S12:アライメント)
制御部80は、撮影部100により取得された撮影画像中の瞳孔中心位置とプルキンエ像の位置との変位から測定部10の移動量及び移動方向を特定し、特定された移動量及び移動方向に基づいて移動機構90を制御し、被検眼Eに対する測定部10の位置合わせを行う。
(S13:アライメント完了?)
制御部80は、所定のアライメント完了条件が満足したか否かを判定する。アライメント完了条件は、測定部10の光軸のx方向及びy方向の位置が移動目標位置のx方向及びy方向の位置と一致することと、z方向の距離が所定の作動距離になることとを含む。いくつかの実施形態では、所定の作業距離は、測定部10(対物レンズ)の作動距離である。
所定のアライメント完了条件を満足していないと判定されたとき(S13:N)、眼科装置1の動作はステップS12に移行する。所定のアライメント完了条件を満足していると判定されたとき(S13:Y)、眼科装置1の動作はステップS14に移行する。
(S14:OCT計測)
ステップS13において、所定のアライメント完了条件を満足していると判定されたとき(S13:Y)、制御部80は、OCT部30を制御することにより、眼底Efにおける所定部位に対してOCTスキャンを実行させることでOCT計測を実行させる。所定部位として、中心窩又はその近傍がある。OCTスキャンとして、ラジアルスキャンなどがある。
(S15:断層像を形成)
続いて、制御部80は、ステップS14において得られたスキャンデータに基づいて被検眼Eの断層像を画像形成部60に形成させる。
(S16:所定回数?)
次に、制御部80は、OCT計測が所定回数だけ実行されたか否かを判定する。いくつかの実施形態では、所定回数は、2以上の回数である。制御部80は、あらかじめ指定された動作モード(計測モード、スキャンモード)又は図示しない操作部に対する操作内容に基づいて、OCT計測が所定回数だけ実行されたか否かを判定することができる。
OCT計測が所定回数だけ実行されたと判定されたとき(S16:Y)、眼科装置1の動作はステップS17に移行する。OCT計測が所定回数だけ実行されていないと判定されたとき(S16:N)、眼科装置1の動作はステップS14に移行する。
(S17:セグメンテーション処理)
ステップS16においてOCT計測が所定回数だけ実行されたと判定されたとき(S16:Y)、制御部80は、ステップS15において形成された断層像に対してセグメンテーション処理を施すことにより所定の層領域(例えば、網膜色素上皮層)を層領域特定部721に特定させる。制御部80は、ステップS14~ステップS16において繰り返し回数分だけ取得された複数の断層像のそれぞれに対して、セグメンテーション処理を実行させる。それにより、所定の層領域の複数の形状データ(形状プロファイル等)が取得される。
いくつかの実施形態では、OCT計測が所定回数分だけ繰り返された後に、複数の断層像が形成され、形成された複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理が施される。いくつかの実施形態では、OCT計測が所定回数分だけ繰り返された後に、断層像の形成処理と形成された断層像に対するセグメンテーション処理とが所定回数分だけ繰り返される。
(S18:位置合わせ処理)
次に、制御部80は、ステップS17において得られた複数の形状プロファイルの位置合わせを位置合わせ処理部722Aに実行させる。位置合わせ処理部722Aは、上記のように複数の形状プロファイルを深さ方向に位置合わせを実行する。
(S19:統計処理)
次に、制御部80は、ステップS18において位置合わせが行われた複数の形状プロファイルに対する統計処理を統計処理部722Bに実行させる。統計処理部722Bは、例えば、ステップS18において位置合わせが行われた複数の形状プロファイルの平均化処理を行い、複数の形状プロファイルを平均化したプロファイルを出力する。図8のステップS4では、ステップS19において出力されたプロファイルが、眼底Efの形状に対応する所定の層領域(例えば網膜色素上皮層)の形状を表すデータとして用いられる。
以上で、図8のステップS3の処理は終了である(エンド)。
<変形例>
実施形態に係る眼科装置の構成及び動作は、上記したものに限定されるものではない。
[第1変形例]
ステップS4において、眼球モデル構築部73Bは、Gullstrand模型眼等の眼球モデルのパラメータのうち、被検眼Eの実測データ(例えば、眼軸長、角膜形状、前房深度、水晶体曲率、水晶体厚の測定値)の少なくとも1つを置き換えて新たな眼球モデルを構築してもよい。いくつかの実施形態では、実測データは、外部の測定装置又は電子カルテシステムから取得される。いくつかの実施形態では、眼軸長、前房深度、水晶体曲率、及び水晶体厚は、OCT部30により得られたスキャンデータから求められる。
例えば、周辺屈折度数算出部73C(又はデータ処理部70)は、構築された新たな眼球モデルを用いて、角膜Ecから入射して瞳孔を通過して眼底Efに到達する光線について光線追跡処理を行う(例えば、瞳孔径=φ4)。光線追跡処理では、物点の位置を、ステップS2で取得された中心領域における屈折度数(等価球面度数SE)から求まる遠点に相当する位置とする。角膜Ecから遠点に相当する位置までの遠点距離Lは、「-1000/SE」[mm]である。
まず、周辺屈折度数算出部73Cは、中心領域について光線追跡処理を行う。上記のように眼球モデルに実測データを適用するため、中心領域においても眼底Efで光線が収束しない可能性がある。この場合、周辺屈折度数算出部73Cは、中心領域において光線が収束するように(眼底Efの面が最良像面)となるように眼球モデルのパラメータを微調整する。
次に、周辺屈折度数算出部73Cは、パラメータが微調整された眼球モデルを用いて、周辺領域について光線追跡処理を行う(すなわち、眼の回旋点を通る測定光軸に対して入射角を設けた光線を追跡する)。周辺屈折度数算出部73Cは、物点までの距離を変更しつつ光線追跡処理を行うことで、周辺領域において眼底Efで光線が収束するような物点までの距離を求める。求められた物点までの距離が、周辺領域における遠点距離Lpに対応する。周辺屈折度数算出部73Cは、式(3)を用いて周辺領域の屈折度数SEp[ディオプタ]を求めることができる。
Figure 0007359675000003
周辺屈折度数算出部73Cは、所定の入射角範囲で入射角を変更しつつ光線追跡処理を行い、入射角(画角)ごとの周辺領域の屈折度数SEpを求める。周辺領域の屈折度数は、入射角ごとの離散値であってもよいし、入射角範囲で任意の関数でフィッティングしてもよい。
本変形例では、中心領域において眼底Ef状で光線が収束するように眼球モデルを微調整するため、求められた周辺領域の屈折度数は、中心領域に対する相対屈折度数を求めることに相当する。
[第2変形例]
上記の実施形態において、眼底Efの中心領域の形状として、上記の形状データ(形状プロファイル)又は断層像から、水平方向(所定の基準方向)に対する眼底の所定の層領域(例えば、網膜色素上皮層、OS-RPE界面)のチルト角度が特定されてもよい。
第2変形例に係る眼科装置の構成は眼球モデル構築部73Bが省略された点を除いて実施形態に係る眼科装置1の構成と同様であるため、説明を省略する。
本変形例では、ステップS3において、特定部722(又は周辺屈折度数算出部73C)は、ステップS15において取得された断層像から求められたHeightデータを用いて、水平方向の断層像(Bスキャン画像)について眼底面のチルト角度θhと、垂直方向のBスキャン画像について眼底面のチルト角度θvを算出する。
チルト角度θh、θvは、以下のように、チルト角度g1と同様の手法で算出可能である。
図11に、水平方向の断層像を模式的に示す。
図11において、断層像IMGのフレーム左端LTにおいて、フレーム上端UTから眼底Efにおける所定の層領域(層領域特定部721により特定された層領域。例えば、網膜色素上皮層、OS-RPE界面、又は神経線維層)に相当する部位の画像領域との垂直方向の距離をL1とする。同様に、断層像IMGのフレーム右端RTにおいて、フレーム上端UTから当該層領域に相当する部位の画像領域との垂直方向の距離をR1とする。距離L1は、フレーム左端LTにおけるHeightデータより求められる。距離R1は、フレーム右端RTにおけるHeightデータより求められる。特定部722は、断層像IMGにおけるフレーム左端LTとフレーム右端RTにおける当該部位の画像領域の垂直方向の差分(|R1-L1|)について実寸法に相当する値|d|を求める。
次に、特定部722は、OCT計測範囲に相当する断層像IMGのフレームの水平方向の距離H1について実寸法に相当する値cを求める。例えば、水平方向のスキャン範囲の長さをピクセルスペーシング補正値[mm/pixel]を用いて値cが特定される。
特定部722は、傾斜角度g0[degree]を式(4)に従って求める。
Figure 0007359675000004
いくつかの実施形態では、特定部722は、測定光軸と眼球光軸とのずれ量に応じて傾斜角度g0を補正することにより眼底面のチルト角度を求める。
(測定光軸と眼球光軸とが略一致しているとき)
測定光軸と眼球光軸(視軸)とが略一致しているとき、特定部722は、式(5)に示すように、断層像の傾斜角度g0を補正することなく眼底面のチルト角度g1として出力する。
Figure 0007359675000005
(測定光軸に対して眼球光軸がシフトしているとき)
測定光軸に対して眼球光軸がシフトしているとき、特定部722は、シフト量に基づいて断層像の傾斜角度g0を補正することにより眼底面のチルト角度g1を求める。
例えば、特定部722は、式(6)に示すシフト量dsを変数とする一次式に従って補正角度φ1を求め、式(7)に示すように、求められた補正角度φ1を用いて傾斜角度g0を補正することで眼底面のチルト角度g1を求める。式(6)において、α1及びc1は定数である。例えば、模型眼データを用いてα1及びc1を求めることができる。
Figure 0007359675000006
Figure 0007359675000007
(測定光軸に対して眼球光軸がチルトしているとき)
測定光軸に対して眼球光軸がチルトしているとき、特定部722は、チルト量に基づいて断層像の傾斜角度g0を補正することにより眼底面のチルト角度g1を求める。
例えば、特定部722は、式(8)に示すようなチルト量dtを変数とする一次式に従って補正角度φ2を求め、式(9)に示すように、求められた補正角度φ2を用いて傾斜角度g0を補正することで眼底面のチルト角度g1を求める。式(8)において、α2及びc2は定数である。例えば、模型眼データを用いてα2及びc2を求めることができる。
Figure 0007359675000008
Figure 0007359675000009
(測定光軸に対して眼球光軸がシフトし、且つチルトしているとき)
測定光軸に対して眼球光軸がシフトし、且つチルトしているとき、特定部722は、シフト量及びチルト量に基づいてBスキャン画像の傾斜角度g0を補正することにより眼底面のチルト角度g1を求める。
例えば、シフト量ds及びチルト量dtが小さい範囲において、特定部722は、式(10)に示すようなシフト量ds及びチルト量dtを変数とする式に従って補正角度φ3を求め、式(11)に示すように、求められた補正角度φ3を用いて傾斜角度g0を補正することで眼底面のチルト角度g1を求める。いくつかの実施形態では、式(10)は、シフト量の補正角度を求める式と、チルト量の補正角度を求める式とを線形結合することにより得られる結合式である。式(10)において、α3、α4及びc3は定数である。例えば、模型眼データを用いてα3、α4及びc3を求めることができる。
Figure 0007359675000010
Figure 0007359675000011
本変形例では、屈折度数算出部73Aは、水平方向及び垂直方向それぞれについて、上記のように特定された眼底面のチルト角度θh、θvに応じて、ステップS2において取得されたリングパターン像を補正する。屈折度数算出部73Aは、補正されたリングパターン像に対して楕円近似を行い、得られた楕円形状を用いて公知の手法で屈折度数を求める。求められた屈折度数が、中心領域の屈折度数として算出される。
例えば、眼底面のチルト角度が0度のときに取得されたリングパターン像の長径をLAとし、短径をLBとする。長径方向に眼底面が傾斜してチルト角度がθ度であるとき、取得されたリングパターン像から近似される楕円の長径はLA/cosθとなり、短径はLBとなる。従って、屈折度数算出部73Aは、ステップS2において取得されたリングパターン像を楕円近似して得られた楕円の長径方向にcosθを乗算することで、リングパターン像を補正することができる。短径方向にチルトしている場合も同様である。例えば、屈折度数算出部73Aは、水平方向及び垂直方向それぞれのチルト角度から、楕円の長径方向のチルト角度及び短径方向のチルト角度を求めることで、リングパターン像を補正することができる。
周辺屈折度数算出部73Cは、上記の実施形態と同様に、式(2)に示すように、中心領域の等価球面度数SEに対して式(1)の差分ΔDを適用することにより、周辺領域の屈折度数SEpを求めることが可能である。
[第3変形例]
上記の実施形態又はその変形例では、断層像に対するセグメンテーション処理により得られた複数の形状プロファイルの位置合わせを行った後に統計処理を行う場合について説明した。しかしながら、実施形態に係る眼科装置1の構成はこれに限定されるものではない。例えば、複数の断層像の位置合わせを行った後に、位置合わせが行われた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を施して得られた複数の形状プロファイルに対して統計処理を実行してもよい。
以下、第3変形例に係る眼科装置について、実施形態に係る眼科装置1との相違点を中心に説明する。
第3変形例では、位置合わせ処理部722Aは、画像形成部60により得られた複数の断層像の位置合わせを行う。位置合わせ処理部722Aは、複数の断層像をxy方向及びz方向に位置合わせを行う。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められたシフト量に基づいて複数の断層像の位置合わせを行う。
例えば、位置合わせ処理部722Aは、公知の相関関数を用いて、取得された複数の断層像の相関値を算出する。位置合わせ処理部722Aは、複数の断層像の少なくとも1つのシフト量を変化させて相関値を再び算出する。位置合わせ処理部722Aは、元の相関値と新たに算出された相関値との比較結果に基づいて、シフト量を更新して新たな相関値の算出を行うか否かを判断する。位置合わせ処理部722Aは、相関値の算出と比較とを繰り返して相関値が最大になるときのシフト量(シフト方向を含む)を求め、求められたシフト量に基づいて複数の断層像の少なくとも1つの位置合わせを行う。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の断層像から特徴部を抽出し、抽出された特徴部を基準に複数の断層像の位置合わせを行う。
例えば、位置合わせ処理部722Aは、取得された複数の断層像のそれぞれから特徴部を抽出する。いくつかの実施形態では、断層像の特徴的な形状部分を特徴部として特定される。いくつかの実施形態では、被検眼Eの正面画像(眼底像)を解析することにより特定された被検眼Eの特徴領域に対応する断層像の特徴部が特定される。特徴的な形状部分として、被検眼の特徴部位(中心窩、黄斑部、視神経乳頭)、病変部などがある。位置合わせ処理部722Aは、抽出された特徴部の位置及び向きが一致するように複数の断層像の少なくとも1つの位置合わせを行う。
本変形例では、層領域特定部721は、位置合わせ処理部722Aにより位置合わせが行われた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を実行する。統計処理部722Bは、層領域特定部721によるセグメンテーション処理によって得られた複数の形状プロファイルに対して統計処理を実行する。
第3変形例に係る眼科装置は、図12に示すように動作することが可能である。第3変形例に係る眼科装置は、図8のステップS3において、次のように動作することが可能である。
図12に、第3変形例に係る眼科装置1の動作の一例を示す。図12は、眼科装置1の動作例のフロー図を表す。制御部80の記憶部には、図12に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御部80は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図12に示す処理を実行する。
すなわち、本変形例では、図9のステップS3において、図12に示すように、被検眼Eの眼底Efの形状の特定処理が実行される。
(S21:アライメント光の投射を開始)
ステップS3の処理が開始されると、制御部80は、ステップS11と同様に、アライメント光投射部40を制御して、被検眼Eに対してアライメント光の投射を開始させる。
(S22:アライメント)
制御部80は、ステップS12と同様に、移動機構90を制御し、被検眼Eに対する測定部10の位置合わせを行う。
(S23:アライメント完了?)
制御部80は、ステップS13と同様に、所定のアライメント完了条件が満足したか否かを判定する。
所定のアライメント完了条件を満足していないと判定されたとき(S23:N)、本変形例に係る眼科装置の動作はステップS22に移行する。所定のアライメント完了条件を満足していると判定されたとき(S23:Y)、本変形例に係る眼科装置の動作はステップS24に移行する。
(S24:OCT計測)
ステップS23において、所定のアライメント完了条件を満足していると判定されたとき(S23:Y)、制御部80は、ステップS14と同様に、OCT部30を制御することにより、眼底Efにおける所定部位に対してOCTスキャンを実行させることでOCT計測を実行させる。
(S25:断層像を形成)
続いて、制御部80は、ステップS15と同様に、ステップS24において得られたスキャンデータに基づいて被検眼Eの断層像を画像形成部60に形成させる。
(S26:所定回数?)
次に、制御部80は、ステップS16と同様に、OCT計測が所定回数だけ実行されたか否かを判定する。
OCT計測が所定回数だけ実行されたと判定されたとき(S26:Y)、眼科装置1の動作はステップS27に移行する。OCT計測が所定回数だけ実行されていないと判定されたとき(S26:N)、眼科装置1の動作はステップS24に移行する。
(S27:位置合わせ処理)
ステップS26においてOCT計測が所定回数だけ実行されたと判定されたとき(S26:Y)、制御部80は、ステップS25において形成された複数の断層像の位置合わせを位置合わせ処理部722Aに実行させる。位置合わせ処理部722Aは、上記のように複数の断層像の位置合わせを行う。
(S28:セグメンテーション処理)
続いて、制御部80は、ステップS27において位置合わせ処理が行われた断層像に対してセグメンテーション処理を施すことにより所定の層領域(例えば、網膜色素上皮層)を層領域特定部721に特定させる。制御部80は、ステップS24~ステップS26において繰り返し回数分だけ取得された複数の断層像のそれぞれに対して、セグメンテーション処理を実行させる。それにより、所定の層領域の複数の形状データ(形状プロファイル等)が取得される。
(S29:統計処理)
次に、制御部80は、ステップS19と同様に、ステップS28において得られた複数の形状プロファイルに対する統計処理を統計処理部722Bに実行させる。統計処理部722Bは、例えば、ステップS28において取得された複数の形状プロファイルの平均化処理を行い、複数の形状プロファイルを平均化したプロファイルを出力する。図8のステップS4では、ステップS29において出力されたプロファイルが、眼底Efの形状に対応する所定の層領域(例えば網膜色素上皮層)の形状を表すデータとして用いられる。
以上で、図8のステップS3の処理は終了である(エンド)。
[第4変形例]
上記の実施形態又はその変形例では、主に、層領域特定部721によるセグメンテーション処理により得られた複数の形状プロファイルに対して統計処理を行う場合について説明したが、実施形態に係る構成はこれに限定されるものではない。例えば、層領域特定部721によるセグメンテーション処理により得られた複数の形状プロファイルのそれぞれについて、形状プロファイルに対応したパラメータを求め、求められた複数のパラメータに対して統計処理を施し、統計処理後のパラメータから所定の層領域の真の形状を表す形状プロファイルを求めてもよい
以下、第4変形例に係る眼科装置について、実施形態に係る眼科装置1との相違点を中心に説明する。
第4変形例において、統計処理部722Bは、上記の実施形態と同様に、位置合わせ処理部722Aによる位置合わせ処理が行われた複数の形状プロファイルに対して統計処理を行い、統計処理後の形状プロファイルを出力する。このとき、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aによる位置合わせ処理が行われた複数の形状プロファイルのそれぞれについて形状パラメータを求め、求められた複数の形状パラメータに対して統計処理を行い、統計処理後の形状パラメータから所定の層領域の真の形状を表す形状プロファイルを求める。
形状パラメータには、所定の層領域の形状を多項式近似することにより得られた多項式の係数、所定の層領域の形状を球(又は、円)で表すときの曲率及び中心座標位置、所定の層領域の形状を2次以上の高次の曲線で表すときの係数などがある。
統計処理には、平均化処理、中央値算出処理、最頻値算出処理、最尤値算出処理、最大値算出処理、最小値算出処理などがある。統計処理は、断層像の画質、計測精度、アライメントエラー量、又は形状プロファイルの位置合わせ後のずれ量に応じた重み付けを行って統計値を求める重み付け処理を含んでよい。いくつかの実施形態では、当該形状パラメータを除いたときの標準偏差に対して所定の閾値以上にずれた形状パラメータを除いて統計処理が行われる。
例えば、所定の層領域の形状を多項式近似する場合、統計処理部722Bは、位置合わせ処理部722Aによる位置合わせ処理が行われた複数の形状プロファイルのそれぞれについて公知の手法で多項式近似することにより多項式を求め、複数の形状プロファイルのそれぞれについて多項式の係数を特定する。例えば、第1OCT計測により得られた形状プロファイルを多項式近似して得られた多項式の係数を(a1,a2,a3,a4)とし、第2OCT計測により得られた形状プロファイルを多項式近似して得られた多項式の係数を(b1,b2,b3,b4)とし、第3OCT計測により得られた形状プロファイルを多項式近似して得られた多項式の係数を(c1,c2,c3,c4)とし、第4OCT計測により得られた形状プロファイルを多項式近似して得られた多項式の係数を(d1,d2,d3,d4)とする。統計処理部722Bは、上記の複数の形状プロファイルのそれぞれを近似した多項式の係数(a1,a2,a3,a4)~(d1,d2,d3,d4)に対して、例えば平均化処理を行うことで、真の形状パラメータ(T1,T2,T3,T4)を求める。統計処理部722Bは、求められた真の形状パラメータ(T1,T2,T3,T4)から所定の層領域の真の形状を表す多項式を求め、真の形状を表す形状プロファイルとして出力する。
第4変形例においても、算出部73は、統計処理部722Bにより出力された形状プロファイルを眼底Efの形状として、実施形態と同様に、被検眼Eの中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出することが可能である。
[効果]
実施形態に係る眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラムについて説明する。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理装置(制御処理部50、又はデータ処理部70)は、取得部(OCT部30及び画像形成部60、外部装置(外部の眼科装置)、又は記録媒体からデータを受信するデバイス(通信インターフェイス、入出力インターフェイス等))と、組織特定部(層領域特定部721)と、特定部(722)とを含む。取得部は、被検眼(E)の断層像を取得する。組織特定部は、取得部により取得された複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を施すことにより被検眼の組織の形状を表す第1形状データ(形状プロファイル)を取得する。特定部は、組織特定部により取得された複数の第1形状データに基づいて、組織の形状を表す第2形状データ(形状プロファイル)を求める。
このような構成によれば、複数の断層像のそれぞれから特定された複数の第1形状データから第2形状データを求めるようにしたので、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位の影響を低減しつつ、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、特定部は、複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより第2形状データを求める。
このような構成によれば、複数の第1形状データを統計処理して第2形状データを求めるようにしたので、簡素な処理で、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位の影響を低減しつつ、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、特定部は、複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより得られた最尤値に基づいて第2形状データを求める。
このような構成によれば、統計処理として最尤値を求めるようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、統計処理は、平均化処理を含む。
このような構成によれば、統計処理として平均化処理を用いるようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態は、組織特定部により取得された複数の第1形状データの位置合わせを行う位置合わせ処理部(722A)を含み、特定部は、位置合わせ処理部により位置合わせが行われた複数の第1形状データに基づいて第2形状データを求める。
このような構成によれば、複数の第1形状データの位置合わせを行い、位置合わせが行われた第1形状データから第2形状データを求めるようにしたので、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位に基づく第1形状データのばらつきの影響を受けることなく、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部は、複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められたシフト量に基づいて複数の第1形状データの位置合わせを行う。
このような構成によれば、断層像間の相関値に基づいて複数の第1形状データの位置合わせを行うようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部は、複数の第1形状データのそれぞれを多項式近似して得られた多項式の定数項に基づいて複数の第1形状データの位置合わせを行う。
このような構成によれば、各形状データを多項式近似して得られた定数項を用いて複数の第1形状データの位置合わせを行うようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部は、複数の第1形状データのそれぞれの特徴部を抽出し、抽出された特徴部を基準に複数の第1形状データの位置合わせを行う。
このような構成によれば、形状データの特徴部に基づいて複数の第1形状データの位置合わせを行うようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態は、複数の断層像の位置合わせを行う位置合わせ処理部(722A)を含み、組織特定部は、位置合わせ処理部により位置合わせが行われた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を実行する。
このような構成によれば、複数の断層像の位置合わせを行い、位置合わせが行われた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を実行して複数の第1形状データを求めるようにしたので、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位に基づく第1形状データのばらつきの影響を受けることなく、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、位置合わせ処理部は、複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められたシフト量に基づいて複数の断層像の位置合わせを行う。
このような構成によれば、断層像間の相関値に基づいて複数の断層像の位置合わせを行うようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、組織は、眼底(Ef)における所定の層領域(例えば、網膜色素上皮層)を含む。
このような構成によれば、被検眼とOCT部との変位の影響を受けることなく眼底の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態は、被検眼を他覚的に測定することにより得られた屈折度数と、特定部により取得された第2形状データに基づく組織の形状に対応した被検眼の光学特性を表すパラメータとに基づいて、被検眼の中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する算出部(周辺屈折度数算出部73C)を含む。
このような構成によれば、被検眼の眼底の形状に対応して、中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を高精度に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、組織の形状は、所定の基準方向に対する組織のチルト角度を含む。
このような構成によれば、所定の基準方向に対する眼底における所定の層領域のチルト角度に対応して、中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を高精度に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1)は、上記のいずれかに記載の眼科情報処理装置を含み、取得部は、光コヒーレンストモグラフィを実行することにより被検眼の断層像を取得するOCT部(30)を含む。
このような構成によれば、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位の影響を低減しつつ、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することが可能な眼科装置を提供することができるようになる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理方法は、断層像取得ステップと、組織特定ステップと、特定ステップとを含む。断層像取得ステップは、被検眼(E)の断層像を取得する。組織特定ステップは、断層像取得ステップにおいて得られた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を施すことにより被検眼の組織の形状を表す第1形状データ(形状プロファイル)を取得する。特定ステップは、組織特定ステップにおいて取得された複数の第1形状データに基づいて、組織の形状を表す第2形状データ(形状プロファイル)を求める。
このような方法によれば、複数の断層像のそれぞれから特定された複数の第1形状データから第2形状データを求めるようにしたので、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位の影響を低減しつつ、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、特定ステップは、複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより第2形状データを求める。
このような方法によれば、複数の第1形状データを統計処理して第2形状データを求めるようにしたので、簡素な処理で、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位の影響を低減しつつ、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、特定ステップは、複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより得られた最尤値に基づいて第2形状データを求める。
このような方法によれば、統計処理として最尤値を求めるようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、統計処理は、平均化処理を含む。
このような方法によれば、統計処理として平均化処理を用いるようにしたので、簡素な処理で、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態は、組織特定ステップにおいて取得された複数の第1形状データの位置合わせを行う位置合わせ処理ステップを含み、特定ステップは、位置合わせ処理ステップにおいて位置合わせが行われた複数の第1形状データに基づいて第2形状データを求める。
このような方法によれば、複数の第1形状データの位置合わせを行い、位置合わせが行われた第1形状データから第2形状データを求めるようにしたので、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位に基づく第1形状データのばらつきの影響を受けることなく、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態は、断層像取得ステップにおいて取得された複数の断層像の位置合わせを行う位置合わせ処理ステップを含み、組織特定ステップは、位置合わせ処理ステップにおいて位置合わせが行われた複数の断層像に対してセグメンテーション処理を実行する。
このような方法によれば、複数の断層像の位置合わせを行い、位置合わせが行われた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を実行して複数の第1形状データを求めるようにしたので、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位に基づく第1形状データのばらつきの影響を受けることなく、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態では、組織は、眼底(Ef)における所定の層領域(例えば、網膜色素上皮層)を含む。
このような方法によれば、被検眼とOCT部との変位の影響を受けることなく眼底の形状を高い再現性で高精度に特定することができるようになる。
いくつかの実施形態は、被検眼を他覚的に測定することにより得られた屈折度数と、特定ステップにおいて取得された第2形状データに基づく組織の形状に対応した被検眼の光学特性を表すパラメータとに基づいて、被検眼の中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する算出ステップを含む。
このような方法によれば、被検眼の眼底の形状に対応して、中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を高精度に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、上記のいずれかに記載の眼科情報処理方法の各ステップを実行させる。
このようなプログラムによれば、複数の断層像のそれぞれから特定された複数の第1形状データから第2形状データを求めるようにしたので、被検眼と組織の形状を計測するための光学系との変位の影響を低減しつつ、被検眼の組織の形状を高い再現性で高精度に特定することが可能なプログラムを提供することができるようになる。
<その他>
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
いくつかの実施形態では、上記の眼科情報処理方法だけでなく上記の眼科装置を制御する制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。このようなプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD-ROM/DVD-RAM/DVD-ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 眼科装置
10 測定部
20 屈折測定部
30 OCT部
40 アライメント光投射部
50 制御処理部
60 画像形成部
70 データ処理部
71 アライメント処理部
72 解析部
721 層領域特定部
722 特定部
722A 位置合わせ処理部
722B 統計処理部
73 算出部
80 制御部
90 移動機構
100 撮影部
BS1、BS2 ビームスプリッタ
E 被検眼
Ec 角膜
Ef 眼底

Claims (21)

  1. 被検眼の断層像を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を施すことにより前記被検眼の組織の形状を表す第1形状データを取得する組織特定部と、
    前記組織特定部により取得された前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより、前記組織の形状を表す第2形状データを求める特定部と、
    を含む眼科情報処理装置。
  2. 前記特定部は、前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより得られた最尤値に基づいて前記第2形状データを求める
    ことを特徴とする請求項1記載の眼科情報処理装置。
  3. 前記統計処理は、平均化処理を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  4. 前記組織特定部により取得された前記複数の第1形状データの位置合わせを行う位置合わせ処理部を含み、
    前記特定部は、前記位置合わせ処理部により位置合わせが行われた前記複数の第1形状データに基づいて前記第2形状データを求める
    ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の眼科情報処理装置。
  5. 前記位置合わせ処理部は、前記複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められた前記シフト量に基づいて前記複数の第1形状データの位置合わせを行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼科情報処理装置。
  6. 前記位置合わせ処理部は、前記複数の第1形状データのそれぞれを多項式近似して得られた多項式の定数項に基づいて前記複数の第1形状データの位置合わせを行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼科情報処理装置。
  7. 前記位置合わせ処理部は、前記複数の第1形状データのそれぞれの特徴部を抽出し、抽出された特徴部を基準に前記複数の第1形状データの位置合わせを行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の眼科情報処理装置。
  8. 前記複数の断層像の位置合わせを行う位置合わせ処理部を含み、
    前記組織特定部は、前記位置合わせ処理部により位置合わせが行われた前記複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の眼科情報処理装置。
  9. 前記位置合わせ処理部は、前記複数の断層像の相関値に基づいてシフト量を求め、求められた前記シフト量に基づいて前記複数の断層像の位置合わせを行う
    ことを特徴とする請求項8に記載の眼科情報処理装置。
  10. 前記組織は、眼底における所定の層領域を含む
    ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の眼科情報処理装置。
  11. 前記被検眼を他覚的に測定することにより得られた屈折度数と、前記特定部により取得された前記第2形状データに基づく前記組織の形状に対応した前記被検眼の光学特性を表すパラメータとに基づいて、前記被検眼の中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する算出部を含む
    ことを特徴とする請求項10に記載の眼科情報処理装置。
  12. 前記組織の形状は、所定の基準方向に対する前記組織のチルト角度を含む
    ことを特徴とする請求項11に記載の眼科情報処理装置。
  13. 請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の眼科情報処理装置を含み、
    前記取得部は、光コヒーレンストモグラフィを実行することにより前記被検眼の断層像を取得するOCT部を含む、眼科装置。
  14. 被検眼の断層像を取得する断層像取得ステップと、
    前記断層像取得ステップにおいて得られた複数の断層像のそれぞれに対してセグメンテーション処理を施すことにより前記被検眼の組織の形状を表す第1形状データを取得する組織特定ステップと、
    前記組織特定ステップにおいて取得された前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより、前記組織の形状を表す第2形状データを求める特定ステップと、
    を含む眼科情報処理方法。
  15. 前記特定ステップは、前記複数の第1形状データに対して統計処理を施すことにより得られた最尤値に基づいて前記第2形状データを求める
    ことを特徴とする請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  16. 前記統計処理は、平均化処理を含む
    ことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の眼科情報処理方法。
  17. 前記組織特定ステップにおいて取得された前記複数の第1形状データの位置合わせを行う位置合わせ処理ステップを含み、
    前記特定ステップは、前記位置合わせ処理ステップにおいて位置合わせが行われた前記複数の第1形状データに基づいて前記第2形状データを求める
    ことを特徴とする請求項14~請求項16のいずれか一項に記載の眼科情報処理方法。
  18. 前記断層像取得ステップにおいて取得された前記複数の断層像の位置合わせを行う位置合わせ処理ステップを含み、
    前記組織特定ステップは、前記位置合わせ処理ステップにおいて位置合わせが行われた前記複数の断層像に対してセグメンテーション処理を実行する
    ことを特徴とする請求項14~請求項16のいずれか一項に記載の眼科情報処理方法。
  19. 前記組織は、眼底における所定の層領域を含む
    ことを特徴とする請求項14~請求項18のいずれか一項に記載の眼科情報処理方法。
  20. 前記被検眼を他覚的に測定することにより得られた屈折度数と、前記特定ステップにおいて取得された前記第2形状データに基づく前記組織の形状に対応した前記被検眼の光学特性を表すパラメータとに基づいて、前記被検眼の中心窩を含む領域の周辺領域の屈折度数を算出する算出ステップを含む
    ことを特徴とする請求項19に記載の眼科情報処理方法。
  21. コンピュータに、請求項14~請求項20のいずれか一項に記載の眼科情報処理方法の各ステップを実行させることを特徴とするプログラム。
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