JP7358248B2 - 流体プラントの異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体プラントの異常診断装置に関する。
従来から、プラントの異常診断装置が知られている。たとえば、特許文献1に記載の異常診断装置は、設備を正常動作させることによって、正常な動作パターンを正常動作パターン記憶手段に格納し、その後、設備を実運転して正常動作パターン記憶手段に格納した正常な動作パターンと、実動作パターン記憶手段に一時的に格納されている現在の動作パターンとを照合する。設備の現在の動作パターンと正常な動作パターンとの間に許容範囲を超えるずれが生じると、そのずれを生じた機器が異常であると判定する。
特開平5-189206号公報
しかしながら、特許文献1に記載の異常診断装置における動作パターンは、スイッチがオンまたはオフであるかを表わすものである。このような動作パターンだけでは、流体プラントの高精度な診断ができない。
それゆえに、本発明の目的は、流体プラントの異常を高精度に判定することができる異常診断装置を提供することである。
本発明の異常診断装置は、流体プラントの工程の各フェーズの正常時の動作パターンを記憶部に登録するパターン登録部と、流体プラントの操業時の工程の各フェーズの動作パターンと、記憶部に記憶されているフェーズの正常時の動作パターンとを比較することによって、流体プラントの異常の有無を判定する判定部とを備える。動作パターンは、時間と関連付けられたアナログ量の計測値の情報を含む。
本発明によれば、流体プラントの異常を高精度に判定することができる。
実施の形態1の流体プラントシステムの構成を表わす図である。 実施の形態1の異常診断装置10の構成を表わす図である。 実施の形態1の工程テーブルの例を表わす図である。 実施の形態1の正常パターンテーブルの例を表わす図である。 正常パターン登録部14による正常時の動作パターンの登録手順を表わすフローチャートである。 異常判定部16による異常判定の手順を表わすフローチャートである。 実施の形態1における正常時の動作パターン登録時のタイミングチャートである。 実施の形態1における流体プラントの各フェーズに対する異常を判定する基準の例を表わす図である。 実施の形態1の流体プラントの操業時における各フェーズについての計測信号、継続時間、および異常判定の結果に、異常なしの例を表わすタイミングチャートである。 実施の形態1の流体プラントの操業時における各フェーズについての計測信号、継続時間、および異常判定の結果に、異常ありの例を表わすタイミングチャートである。 実施の形態2の流体プラントシステムの構成を表わす図である。 実施の形態2の正常パターンテーブルの例を表わす図である。 実施の形態2における流体プラントの各フェーズに対する異常を判定する基準の例を表わす図である。 実施の形態3の流体プラントシステムの構成を表わす図である。 実施の形態3における正常時の動作パターン登録時のタイミングチャートである。 実施の形態3の正常パターンテーブルの例を表わす図である。 実施の形態3における流体プラントの各フェーズに対する異常を判定する基準の例を表わす図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の流体プラントシステムの構成を表わす図である。
流体プラントシステムは、流体プラントと、機器動作入力部1と、工程テーブル記憶部3と、工程制御回路2と、異常診断装置10とを備える。流体には、液体、ガス、粉体などが含まれる。尚、実施の形態では流体を液体と称する場合がある。
図1の示す流体プラントは、第1タンクTA1と、第2タンクTA2とを備える。第1タンクTA1の入口には、第1電動バルブEV1が配置されている。第1電動バルブEV1が開くと、外部からの流体が第1タンクTA1へ流入する。第1電動バルブEV1は、工程制御回路2からの第1電動バルブ開閉指令により開閉操作される。
第1タンクTA1の出口と、第2タンクTA2の入口との間には、第2電動バルブEV2と、ポンプPMと、第3電動バルブEV3とが配置されている。第2電動バルブEV2と、第3電動バルブEV3とが開き、ポンプPMが動作すると、第1タンクTA1内の流体が流出して、第2タンクTA2へ流入する。第2電動バルブEV2は、工程制御回路2からの第2電動バルブ開閉指令により開閉操作される。第3電動バルブEV3は、工程制御回路2からの第3電動バルブ開閉指令により開閉操作される。ポンプPMは、工程制御回路2からのポンプ動作/停止指令により運転や停止を行う。
第1タンクTA1の排出口には、第1手動バルブMV1が配置されている。第1手動バルブMV1が開くと、第1タンクTA1内の流体が外部へ排出される。第2タンクTA2の排出口には、第2手動バルブMV2が配置されている。第2手動バルブMV2が開くと、第2タンクTA2内の流体が外部へ排出される。
流量計FSは、第1タンクTA1と第2タンクTA2との間に配管に流れる流体の流量を計測する。
図2は、実施の形態1の異常診断装置10の構成を表わす図である。
異常診断装置10は、ユーザ入力部11と、登録トリガ部13と、正常パターン登録部14と、異常判定部16と、正常パターンテーブル記憶部15と、表示部12とを備える。
ユーザ入力部11は、ユーザからの操作を受け付ける。
機器動作入力部1は、流体プラントの複数の機器からのアンサーバック信号、状態信号、およびアナログ計測信号(ディジタル化されたアナログ計測信号を含む)を受ける。
図1に示す実施形態では、機器動作入力部1は、機器からのアンサーバック信号として、第1電動バルブEV1から第1電動バルブアンサーバック信号、第2電動バルブEV2から第2電動バルブアンサーバック信号、および第3電動バルブEV3から第3電動バルブアンサーバック信号を受信する。
機器動作入力部1は、機器からの状態信号として、第1手動バルブMV1から第1手動バルブ状態信号と、第2手動バルブMV2から第2手動バルブ状態信号を受信する。さらに、機器動作入力部1は、機器からのアナログ計測信号として、流量計FSから流量計測信号を受信する。機器動作入力部1で受信された前述の複数の機器からのアンサーバック信号、状態信号、およびアナログ計測信号は、異常診断装置10に入力されるとともに、工程制御回路2に入力され、流体プラントの工程制御に使用される。
工程テーブル記憶部3は、工程の各フェーズについての制御を定めた工程テーブルを記憶する。
図3は、実施の形態1の工程テーブルの例を表わす図である。
工程テーブルは、工程名と、フェーズ名と、制御指令と、開始タイミングと、終了タイミングとを含む。
工程制御回路2は、工程テーブルに従って、工程の遂行を制御する。
登録トリガ部13は、正常パターン登録部14に、正常時の動作パターンの登録を指示する。
正常パターンテーブル記憶部15は、工程の各フェーズについての正常時の動作パターンを定めた正常パターンテーブルを記憶する。
図4は、実施の形態1の正常パターンテーブルの例を表わす図である。
正常パターンテーブルは、工程名と、各フェーズ名と、各フェーズの継続時間、タイマTsの計時時間と、タイマTsの計時時間と関連付けられた計測信号を表わす情報とを含む。計測信号は、アンサーバック信号、状態信号およびアナログ計測信号である。アンサーバック信号は、制御指令に対する流体プラントの機器からの応答である。状態信号は制御指令によらない手動機器(例えば手動バルブ等)の状態信号(閉状態や開状態等)である。アナログ計測信号は、計測機器によって計測されたアナログ量(圧力、流量、液面高さなど)の時間経過とともに数値が変化する信号である。継続時間は、フェーズの開始から終了までの時間である。タイマTsの計時時間に関連付けられた計測信号を表わす情報と継続時間とによって、動作パターンが表される。タイマTsの計時時間とは、各フェーズの開始とともに計時開始される時間である。前述の計測信号を表わす情報(アンサーバック信号、状態信号およびアナログ計測信号)は、タイマTsの計時時間と関連付けられて適切な記録時間間隔ΔT毎に正常パターンテーブルに登録される。記録時間間隔ΔTは、後述の図5のフローチャートにおいてステップS106を繰り返す周期である。
図4において、各電動バルブのアンサーバック信号は論理値Lがバルブの閉を、論理値Hがバルブの開を表わす。また、各手動バルブの状態信号は、論理値Lがバルブの閉を、論理値Hがバルブの開を表わす。正常パターンテーブルは、例えば図4に示すようにフェーズ単位にフェーズの経過時間を示すタイマTsの計時時刻と、それに関連付けられた計測信号とからなるマトリクステーブルと、各フェーズの継続時間を示す情報とを含む。
正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルに正常時の動作パターンを登録する。
異常判定部16は、流体プラントの操業時の工程のフェーズの動作パターンと、正常パターンテーブルに登録されているフェーズの正常時の動作パターンとを比較することによって、流体プラントの異常の有無を判断する。異常判定部16は、流体プラントが異常であると判断すると、アラームを出力するとともに、必要な処置をするための信号を出力する。ここで動作パターンとは各フェーズにおける時間と計測信号を表わす情報の関係を意味する。表示部12は、異常判定部16から出力されるアラームを表示する。
図5は、登録トリガ部13および正常パターン登録部14による正常時の動作パターンの登録手順を表わすフローチャートである。
ステップS101において、ユーザ入力部11を通じて、ユーザによる正常パターンの登録指示が入力されると、処理がステップS102に進む。また、ステップS101においてユーザにより登録開始のフェーズ(登録開始フェーズ名あるいはフェーズ番号)、または登録終了のフェーズ(最終フェーズ名やフーズ番号)が指定されてもよい。
ステップS102において、登録トリガ部13は、正常パターン登録部14に正常時の動作パターンの登録を指示し、正常パターン登録部14は、正常時の動作パターンの登録を開始する。
ステップS103において、正常パターン登録部14が、工程制御回路2からステップS101において指定された登録開始フェーズの開始(例えばフェーズAとする)の通知を受けた場合には、処理がステップS104に進む。
ステップS104において、正常パターン登録部14は、タイマTsをリセットし、計時をスタートさせる。そして、ステップS106に進む。
ステップS106において、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルのフェーズについての計測信号欄に当該フェーズ名情報と受信した計測信号を表わす情報とその時のタイマTsの時刻を関連付けて書き込み、ステップS107に進む。例えば、正常パターン登録部14は、図4のようにタイマTsの計時時間と計測信号をテーブルに書き込む。
ステップS107において、正常パターン登録部14が、工程制御回路2から次のフェーズ(例えばフェーズBとする)の開始の通知を受けた場合、あるいはステップS101で指定された最終フェーズの終了通知時には、処理がステップS109に進む。そうでない場合は、ステップS106に戻る。
ステップS109において、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの当該フェーズについての継続時間欄にタイマTsの値を当該フェーズの継続時間として書き込む。そしてステップS110に進む。
ステップS110において、ユーザ入力部11を通じて、ユーザによる正常パターンの登録の終了指示が入力されたとき、あるいはステップS101で指定された最終フェーズの終了通知時には、処理が終了し、ユーザによる正常パターンの登録の終了指示が入力されないときには、処理がステップS104に戻る。
なお、上記のフローチャートでは、ユーザによる登録指示によって、登録トリガ部13は、正常パターン登録部14に正常時の動作パターンの登録を開始させたが、これに限定されるものではない。登録トリガ部13は、予め定められたタイミングにおいて、正常時の動作パターンの登録を開始するものとしてもよい。予め定められたタイミングとは、試運転時、所定の時間間隔ごと、または所定の時刻などである。また、必要に応じてステップS106の前後にウエイトを設け、ステップS106において登録する計測信号を表わす情報の登録周期ΔTをコントロールすることができる。登録周期ΔTはフェーズ単位で変更してもよいし、工程単位で変更してもよい。あるいは、アナログ計測信号の変化量(微分値)に応じ、変化量が大きいときは登録周期ΔTを短くし、変化量が小さいときは登録周期ΔTを長くしてもよい。さらに、ステップS106の登録を計測信号に変化があったときのみとする等、正常パターンテーブルの記憶量の圧縮を図る手段を講じてもよい。
図6は、異常判定部16による異常判定の手順を表わすフローチャートである。
ステップS201において、異常判定部16が、工程制御回路2からある工程の第1番目のフェーズ(フェーズAとする)の開始の通知を受けた場合には、処理がステップS202に進む。
ステップS202において、異常判定部16は、タイマT1と各計測信号毎の異常継続判定タイマをリセットし、タイマT1をスタートさせる。
ステップS203において、異常判定部16は、正常パターンテーブルから、当該フェーズ(例えばフェーズA)についての正常時の動作パターン(時間と関連付けられた計測信号を表わす情報と継続時間)を読出す。
次に、ステップS204において、異常判定部16は、正常パターンテーブルから、当該フェーズ(例えばフェーズA)についての各計測信号毎の異常判定の基準についての情報を読み出す。たとえば、異常判定の基準とは、アンサーバック信号または状態信号等の論理信号であれば、単純に相違状態の継続時間(異常継続設定時間)である。例えば、異常判定の基準とは、アナログ値であれば相違状態を判断するための正常時の値と計測信号の差分に対する判定基準値、およびその相違状態の継続時間の異常継続設定時間である。あるいは、異常判定の基準とは、フェーズ継続時間であれば、正常パターンとして登録された当該フェーズのフェーズ継続時間との許容誤差時間である。異常判定の基準は例えば後述する図8に示す例のようなテーブルである。
ステップS205からステップS223は計測信号毎に行なわれるステップである。
ステップS205において、異常判定部16は、計測信号毎に読み出した計測信号と、その時のタイマT1に相当する、正常時のパターンテーブルの同一時刻の計測信号とを比較する。例えば計測信号が論理信号の場合は、異常判定部16は、同じ計測信号について、現状のタイマT1の値と当該フェーズの正常時のパターンテーブルのTs値と同じ場合の計測信号の論理値と、現在の計測信号との排他的論理和を演算する。異常判定部16は、論理値がHであれば相違と判断する。例えば計測信号がアナログ信号の場合は、異常判定部16は、同様に、現状のタイマT1の同じ時間のTs値の正常時のパターンテーブルの値と、現在の計測値との差分の絶対値が、判定基準値を超えた場合は相違と判断する。
ステップS210において、異常判定部16は、計測信号毎に判断する。相違ありと判断した場合は処理がステップS211に進み、相違なしと判断した場合は処理がステップS220に進む。
ステップS211において、相違ありと判定された計測信号に相当する異常継続判定タイマは計時をスタートしていない場合は、計時をスタートし、計時が既に開始されている場合は計時を継続する。そして、次にステップS223に進む。
ステップS220において、相違なしと判定された計測信号に相当する異常継続判定タイマをリセットし、計時を停止する。そして、次にステップS223に進む。
ステップS223において、各計測信号に相当する異常継続判定タイマが、それぞれの計測信号に対する異常判定基準の異常継続設定時間以内か否かを判定する。異常継続設定時間以内の場合は、ステップS225に進み、異常継続設定時間を超える場合はステップS260へ進む。
ステップS225において、フェーズ継続時間タイマT1が、正常時のパターンテーブルから読み出した当該フェーズの継続時間と、正常時のパターンテーブルから読み出した当該フェーズの許容誤差時間の和時間以内か判定する。タイマT1が和時間以内の場合は、ステップS230に進み、和時間を超える場合はステップS260へ進む。
ステップS230において、最終フェーズの終了通知を受信したか判定する。最終フェーズの終了通知を受信した場合は、ステップ250へ進む。最終フェーズの終了通知を受信していない場合は、ステップ235へ進む。
ステップS235において、次フェーズの開始通知を受信したか判定する。次フェーズの開始通知を受信した場合は、ステップ240へ進む。次フェーズの受信通知を受信していない場合は、同一フェーズ期間内と判断し、現状のフェーズを継続するため、ステップ205へ戻り、診断を継続する。
ステップS240において、フェーズ継続時間タイマT1が、正常時のパターンテーブルから読み出した当該フェーズの継続時間との差が、許容誤差時間以内か判定する。差が許容誤差時間以内の場合は、ステップS245へ進み、前記差が、許容誤差時間を超える場合はステップS260へ進む。
ステップS245において、当該フェーズ(例えばフェーズA)は正常に終了したと判断し、ステップS202に戻り、次フェーズ(例えばフェーズB)の診断を開始する。
ステップS250において、フェーズ継続時間タイマT1が、正常時のパターンテーブルから読み出した最終フェーズの継続時間との差が、許容誤差時間以内か判定する。差が許容誤差時間以内の場合は、ステップS255へ進み、差が許容誤差時間を超える場合はステップS260へ進む。
ステップS255において、最終フェーズは正常に終了したと判断し、よって、本工程は正常に終了したと判断して終了する。
ステップS260において、当該フェーズには異常が発生したと判断し、ステップ265に進む。
ステップS265において、必要な異常処置を行い、終了する。必要な異常処理とは、ポンプPMの停止、第2電動バルブEV2の閉鎖、第3電動バルブEV3の閉鎖、運転操作員への表示、音、音声による警報通知処理、上位監視制御装置への警報通知処理などである。
なお、ステップS265において、異常の種類によっては、警報通知処理のみ実施し、ものステップに戻る様にしてもよい。
また、ステップS205の比較において、現状のタイマT1の値と当該フェーズの正常時のパターンテーブルのTs値が必ずしも一致するとは限らない。その場合は現状のタイマT1の値に最も近いTsに関連つけられた計測信号を表わす情報と比較してもよい。アナログ計測信号の場合は、タイマT1より小さく最も近いTsに関連つけられた計測信号とタイマT1より大きく最も近いTsに関連つけられた計測信号とから、補間してタイマT1と同じ時刻のアナログ計測信号を推定し、比較してもよい。
(正常時の運転パターンの登録の例)
図7は、実施の形態1における正常時の動作パターン登録時のタイミングチャートである。図7の(イ)は各フェーズの継続期間を表わす、期間Taは流路生成フェーズの期間である。期間Tbは移し替え(1)フェーズの期間である。期間Tcは移し替え(2)フェーズの期間である。期間Tcは停止フェーズの期間である。図7の(ロ)、(ハ)、(二)はそれぞれ第1電動バルブ開閉指令、第2電動バルブ開閉指令、第3電動バルブ開閉指令を表わす。図7の(ホ)ポンプ動作/停止指令を表わす。図7の(へ)、(ト)、(チ)はそれぞれ第1電動バルブアンサーバック信号、第2電動バルブアンサーバック信号、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす。図7の(リ)、(ヌ)はそれぞれ第1手動バルブ状態信号、第2手動バルブ状態信号を表わす。図7の(ル)流量計FSの出力である流量計測信号を表わす。
図7において各電動バルブの開閉指令およびアンサーバック信号の論理値Lがバルブの閉を表わし、論理値Hがバルブの開を表わし、ポンプ動作/停止指令は論理値Lがポンプの停止を表わし、論理値Hがポンプの動作を表わす。各手動バルブの状態信号の論理値Lがバルブの閉を表わし、論理値Hがバルブの開を表わす。
図3、図4、図5、図7を参照して、正常時の動作パターンの登録の例を説明する。ここでは、液体を第1タンクTA1から第2タンクTA2に移送する第X工程で説明する。第X工程は第1番目のフェーズとして流路生成フェーズ、第2番目のフェーズとして移し替え(1)フェーズ、第3番目のフェーズとして移し替え(2)フェーズ、第4番目のフェーズとして停止フェーズの4フェーズから構成されるとする。なお、厳密には実際の時間と正常パターンに登録するタイミングは登録周期ΔTのずれが生じることがあるが、以降の動作パターンの登録説明では、説明の単純化のため、登録周期ΔTは実現象の経過時間に比べて十分短いとして、無視しうるものとして、同一として説明することがある。
ユーザによる登録指示があると(S101のYES)、正常パターン登録部14は、正常パターンの登録を開始する(S102)。時刻t0において、工程制御回路2は、前工程の終了から所定時間経過後に第X工程の流路生成フェーズを開始すると、工程制御回路2は、正常パターン登録部14に第X工程の流路生成フェーズの開始を通知する。正常パターン登録部14は、第X工程の流路生成フェーズの開始の通知を受けて(S103)、タイマTsをリセットし計時をスタートさせる(S104)。
工程制御回路2は、時刻t0において、全ての指令値を閉または停止(論理値L)とする。また、すべてのアンサーバック信号も閉(論理値L)であり、すべての状態信号も閉(論理値L)である。また、流量計測信号も0である。したがって、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、タイマTsの計時時刻であるタイマ時刻Tsと関連付けて、第1電動バルブアンサーバック信号と、第2電動バルブアンサーバック信号と、第3電動バルブアンサーバック信号と、第1手動バルブ状態信号と、第2手動バルブ状態信号を表わす情報として論理値Lを登録し(S106)、流量が0なので、流量計測信号を表わす情報として0を登録する(S106)。
時刻t1に至るまでは、状態は同一であるので、正常パターン登録部14は、ステップS106を処理する毎に正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、タイマ時刻Tsが登録周期ΔT加算され、それに関連付けて第1電動バルブアンサーバック信号と、第2電動バルブアンサーバック信号と、第3電動バルブアンサーバック信号と、第1手動バルブ状態信号と、第2手動バルブ状態信号を表わす情報として論理値Lを登録し、流量計測信号を表わす情報として0を登録する。
尚、第1電動バルブアンサーバック信号、第1手動バルブ状態信号、第2手動バルブ状態信号については正常時の運転パターンの登録の例の説明では、論理値Lが継続して登録されるので説明は省略する。
時刻t1において、工程制御回路2は、第2電動バルブ開閉指令および第3電動バルブ開閉指令の開(論理値H)を出力する。しかし、第2電動バルブEV2および第3電動バルブEV3の動作遅延時間により、そのアンサーバック信号は論理値Lを継続する。したがって、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、タイマ時刻Tsがt1の時に、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号と、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Lを登録し(S106)、流量計測信号を表わす情報として0を登録する(S106)。時刻t2に至るまでは同様である。ただし、タイマTsの値は計時され増加する。
時刻t2において、第2電動バルブEV2は開となり、第2電動バルブアンサーバック信号は論理値Hとなる。したがって、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、タイマ時刻Tsがt2の時に、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Lを登録し(S106)、流量計測信号を表わす情報として0を登録する(S106)。次のフェーズの開始信号が来ない場合(S107のNO)これを繰り返す。時刻t3に至るまでは同様である。
時刻t3において、第3電動バルブEV3は開となり、第3電動バルブアンサーバック信号は論理値Hとなる。したがって、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、タイマ時刻Tsがt3の時に、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し(S106)、流量計測信号を表わす情報として0を登録する(S106)。さらに、時刻t3において、工程制御回路2は、第2電動バルブアンサーバック信号と第3電動バルブアンサーバック信号の両者の論理値がHとなるので、流路生成フェーズを終了し、異常診断装置10に流路生成フェーズの終了と、次フェーズである移し替えフェーズ(1)の開始とを通知する。正常パターン登録部14は、流路生成フェーズの終了の通知を受けて(S107のYES)、その時のタイマTsの計時時刻(t3-t0)を流路生成フェーズの継続時間Taとして登録する(S109)。
正常パターン登録部14は、ステップS109の後、ステップS110において登録終了指示がないので、ステップS014において次フェーズの移し替え(1)フェーズの開始として、タイマTsをリセットし、計時をスタートさせる。さらに、ステップS106において、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの移し替え(1)フェーズについての計測信号欄に、その時点のタイマ時刻Tsの値(この時点ではタイマTsはリセットされたので0)と、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、流量計測信号を表わす情報として0(この時刻の流量は0とする。)を登録する。なお、この時点の時刻はt3+ΔTとなっている。時刻t4に至るまでは同様である。ただし、タイマTsの値は計時され増加する。
時刻t4において、工程制御回路2は、ポンプ動作/停止指令の動作(論理値H)を出力する。しかし、ポンプPMの動作遅延時間により、その時刻の流量は0である。したがって正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、その時点のタイマ時刻Tsの値(t4-t3)と、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、流量計測信号を表わす情報として0(この時刻の流量は0とする。)を登録する(S106)。
時刻t4以降は、ポンプPMの動作によって、配管に液体が流れ始め、流量計FSの計測値は徐々に増加する。ステップS106において処理を行う時は、時刻t4以降は時刻t5に至るまでは、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、その時点のタイマ時刻Tsの値と、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、流量計測信号を表わす情報としてV1(t)(この時刻をtとし、その時点の流量計FSの値をV1(t)とする。)を登録する。以降時刻t5に至るまで同様である。
時刻t5において、配管を流れる液体の流量すなわち流量計FSの計測値V1(t)が閾値Vth1以上となったとする。工程制御回路2は、流量V1(t)が閾値Vth1以上となると、移し替え(1)フェーズを終了し、移し替え(2)フェーズを開始する。そして、工程制御回路2は、正常パターン登録部14に移し替え(1)フェーズを終了と、移し替え(2)フェーズの開始を通知する。正常パターン登録部14は、移し替え(1)フェーズの終了の通知を受けて(S107)、その時のタイマTsの計時時刻(t5-t3)を移し替え(1)フェーズの継続時間Tbとして登録する(S109)。
正常パターン登録部14は、ステップS109の後、ステップS110において登録終了指示がないので、ステップS014において次フェーズの移し替え(2)フェーズの開始として、タイマTsをリセットし、計時をスタートさせる。さらに、ステップS106において、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの移し替え(2)フェーズについての計測信号欄に、その時点のタイマ時刻Tsの値(この時点ではタイマTsはリセットされたので0)と、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、流量計測信号を表わす情報として流量計測信号を表わす情報としてV1(t5+ΔT)(この時刻をt5+ΔTとし、その時点の流量計FSの値をV1(t5+ΔT)とする。)を登録する。以降時刻t6に至るまで同様である。
工程制御回路2は、移し替え(2)フェーズの開始から所定時間経過後である時刻t6において、移し替え(2)フェーズを終了する。工程制御回路2は、停止フェーズを開始し、正常パターン登録部14に移し替え(1)フェーズの終了と、停止フェーズの開始とを通知する。正常パターン登録部14は、移し替え(1)フェーズの終了の通知を受けて(S107)、その時のタイマTsの計時時刻(t6-t5)を移し替え(2)フェーズの継続時間Tcとして登録する(S109)。
正常パターン登録部14は、ステップS109の後、ステップS110において登録終了指示がないので、ステップS014において次フェーズの停止フェーズの開始として、タイマTsをリセットし、タイマTsの計時をスタートさせる。さらに、ステップS106において、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの停止フェーズについての計測信号欄に、その時点のタイマ時刻Tsの値(この時点ではタイマTsはリセットされたので0)と、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し、流量計測信号を表わす情報としてV1(t6+ΔT)(この時刻をt6+ΔTとし、その時点の流量計FSの値をV1(t6+ΔT)とする。)を登録する。以降時刻t7に至るまで同様である。
工程制御回路2は、停止フェーズが開始されると、ポンプ動作/停止指令の停止(論理値L)を出力する。ポンプPMはポンプ動作/停止指令の停止を受信するとポンプPMの動作を停止する。ポンプPMの動作が停止すると、配管内の流量が減少し、それに従い流量計FSの計測値も徐々に減少する。
工程制御回路2は、時刻t7において、第2電動バルブ開閉指令および第3電動バルブ開閉指令の閉(論理値L)を出力する。しかし、第2電動バルブEV2および第3電動バルブEV3の動作遅延時間により、そのアンサーバック信号は論理値Hを継続する。したがって、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの流路生成フェーズについての計測信号欄に、タイマ時刻Tsが(t7-t6)の時に、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号と、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し(S106)、流量計測信号を表わす情報としてV1(t7)(この時刻をt7とし、その時点の流量計FSの値をV1(t7)とする。)を登録する。時刻t8に至るまでは同様である。ただし、タイマTsの値は計時され増加する。また、流量計測信号も随時更新された値が登録される。
時刻t8において、第2電動バルブEV2は閉となり、第2電動バルブアンサーバック信号は論理値Lとなる。したがって、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの停止フェーズについての計測信号欄に、タイマ時刻Tsがt8-t6の値を登録し、さらに、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Lを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し(S106)、この時点では流量は0となっているので、流量計測信号を表わす情報として0を登録する(S106)。時刻t9に至るまでは同様である。ただし、タイマTsの値は計時され増加する。
時刻t9において、第3電動バルブEV3は閉となり、第3電動バルブアンサーバック信号は論理値Lとなる。したがって、正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの停止フェーズについての計測信号欄に、タイマ時刻Tsがt9-t6の値を登録し、さらに、それに関連付けて、第2電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Lを登録し、第3電動バルブアンサーバック信号を表わす情報として論理値Hを登録し(S106)、流量計測信号を表わす情報として0を登録する(S106)。
工程制御回路2は、時刻t9において、第3電動バルブアンサーバック信号の論理値Lを受信すると、第2電動バルブアンサーバック信号と第3電動バルブアンサーバック信号の両者の論理値がLとなるので、停止フェーズを終了し、異常診断装置10に停止フェーズの終了を通知する。正常パターン登録部14は、停止フェーズの終了の通知を受けて(S107)、その時のタイマTsの計時時刻(t9-t6)を停止フェーズの継続時間欄に停止フェーズの継続時間Tdとして登録する(S109)。
正常パターン登録部14は、ステップS109の後、ステップS110において停止フェーズの終了はステップS101で指定された最終フェーズの終了通知時と判断し、処理が終了し、登録終了とする。
以上に述べた手順により、図7に示す正常時の動作パターンに対し、正常パターン登録部14は、図4に示す様に、フェーズ毎にタイマTsの時刻に関連付けられた計測信号を示す情報と各フェーズの継続時間を含む正常運転パターンを登録する。
(流体プラントの操業時の異常診断の例)
図8は第1の実施形態における、各フェーズに対する異常を判定する基準を示した図の一例である。流路生成フェーズにおける異常を判定する基準として、第1電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Tab11、第2電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Tab21、第3電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Tab31、第1手動バルブ状態信号の異常継続許容設定時間Tab41、第2手動バルブ状態信号の異常継続許容設定時間Tab51、流量計測信号の差分に対する判定基準Q1、流量計測信号の異常継続許容設定時間Tab61、流量計測信号の変化率の差分に対する判定基準DQ1、流量計測信号の変化率の差分異常に対する異常継続許容設定時間Td61およびフェーズの継続時間の許容誤差設定時間ΔTaが設定される。移し替え(1)フェーズ、移し替え(2)フェーズおよび停止フェーズについても同様に設定される。
図9は、実施の形態1における流体プラントの操業時における各フェーズについての計測信号と相違判定結果の一例を表わす図である。図9では第1電動バルブアンサーバック信号、第1手動バルブ状態信号、第2手動バルブ状態信号が省略されている。図9の(ト)(チ)(ル)の太線は読み出した計測信号であり、図7の同じ符号と対応する。すなわち図9の(ト)(チ)(ル)の細線が正常運転時のパターン(図7に相当)である。図9の(ヲ)の太線は読み出した流量計測信号値とパターンテーブルの流量計測信号値の差分の絶対値である。図9の(ヲ)の細線は、流量計測信号の差分に対する判定基準(Q1,Q2,Q3、Q4)を示す。図9の(ワ)は流量計測信号の正常パターンテーブルと読み出したアナログ値との相違の有無を表わし、論理値Lは相違なしを表わし、論理値Hは相違ありを表わす。図9の(カ)は第2電動バルブアンサーバック信号の正常パターンテーブルと読み出した論理値との相違の有無を表わし、論理値Lは相違なしを表わし、論理値Hは相違ありを表わす。図9の(ヨ)は第3電動バルブアンサーバック信号の正常パターンテーブルと読み出した論理値との相違の有無を表わし、論理値Lは相違なしを表わし、論理値Hは相違ありを表わす。
図3、図4、図8、図9を参照して、流体プラントの操業時の異常診断の例を説明する。尚、図9では第1電動バルブアンサーバック信号の相違判定、第1手動バルブ状態信号の相違判定、第2手動バルブ状態信号の相違判定および流量計測信号の変化率の相違判定の記載は省略する。
工程制御回路2は、前工程の終了から所定時間経過後の時刻t0において、第X工程の流路生成フェーズを開始し、異常判定部16に第X工程の流路生成フェーズの開始を通知する。異常判定部16は、第X工程の流路生成フェーズの開始の通知を受けて(S201のYES)、タイマT1をリセットし、タイマをスタートさせる(S202)。また、異常判定部16は、正常パターンテーブルから流路生成フェーズの運転パターンを読み出し(S203)、流路生成フェーズに対する異常を判定する基準を読み出す(S204)。そして、異常判定部16は、計測信号毎に読み出した計測信号と正常時の運転パターンと比較する(S205)。
時刻t2までは読み出した計測信号と正常時の運転パターンに相違はない(S210のNO)。しかし、読み出した第2バルブアンサーバック信号は時刻t2より後の時刻t2′で論理値Lから論理値Hに変化する。また読み出した第2バルブアンサーバック信号は時刻t3より後の時刻t3′で論理値Lから論理値Hに変化する。よって、図9の(カ)に示す第2バルブアンサーバック信号相違信号は時刻t2までは論理値Lであるが、時刻t2から時刻t2′までは、正常パターンテーブルと正常パターンテーブルと読み出した論理値との相違があるので、論理値Hとなっている(時刻t2から時刻t2′までは第2バルブアンサーバック信号についてはS210のYES)。そして、時刻t2′において論理値Hから論理値Lとなっている。同様に、図9の(ヨ)に示す第3バルブアンサーバック信号相違信号は時刻t3までは論理値Lであるが、時刻t3から時刻t3′までは、相違があるので、論理値Hとなっている(時刻t3から時刻t3′までは第3バルブアンサーバック信号についてはS210のYES)。
時刻t2から時刻t2′までは第2バルブアンサーバック信号の異常継続判定タイマの計時を計測する(S211)。このタイマの計時値をTan21とすると、計時値Tan21が図8に示された、流路生成フェーズにおける、第2電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Tab21を超えない場合(S223のYES)は、流路生成フェーズは異常とは判定されない。
時刻t3から時刻t3′までは第3バルブアンサーバック信号の異常継続判定タイマの計時を計測する(S211)。このタイマの計時値をTan31とすると、計時値Tan31が図8に示された、流路生成フェーズにおける、第3電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Tab31を超えない場合(S223のYES)は、流路生成フェーズは異常とは判定されない。
時刻t3′において、流路生成フェーズは終了するが、この時点のタイマT1の値Ta′と正常パターンテーブルに登録された流路生成フェーズの継続時間Taと差が、フェーズの継続時間の許容誤差設定時間ΔTaを超えない場合(S240においてYES)は、流路生成フェーズは正常と判定される(S245)。
時刻t3′以降、移し替え(1)フェーズが始まり、配管に液体が流れ始めるが、図9の(ル)に示すように、正常パターンテーブルに登録された流量計測信号値と読み出した流量計測信号値に相違がある場合でも、その差分の絶対値が、図8に示される移し替え(1)フェーズにおける流量計測信号の差分に対する判定基準Q2を超えない場合は、図9の(ワ)に示すように流量計測信号相違信号は論理値Lを継続する。
時刻t5′に読み出した流量計測信号の計測値V1(t)が閾値Vth1以上となったとする。時刻t5′において、移し替え(1)フェーズは終了するが、この時点のタイマT1の値Tb′と正常パターンテーブルに登録された移し替え(1)フェーズの継続時間Tbと差が、フェーズの継続時間の許容誤差設定時間ΔTbを超えない場合(図6のS240においてYES)は、移し替え(1)フェーズは正常と判定される(S245)。
時刻t5′から流路生成フェーズが開始される。図9の(ル)に示すように、正常パターンテーブルに登録された流量計測信号値と読み出した流量計測信号値に相違があり、時刻t51から時刻t52までの間、その差分の絶対値が、図8に示される移し替え(2)フェーズにおける流量計測信号の差分に対する判定基準Q3を超えた場合は、図9の(ワ)に示すように流量計測信号相違信号は論理値Hとなる(流量計測信号についてはS210のYSE)。よって、時刻t51から時刻t52までは流量計測信号の異常継続判定タイマの計時を計測する(S211)。しかし、流量計測信号の異常継続判定タイマの値が時刻t52において、移し替え(2)フェーズにおける流量計測信号の異常継続許容設定時間Tab63を超えない場合(S223のYES)は、移し替え(2)フェーズは異常とは判定されない。
時刻t6′において移し替え(2)フェーズは終了するが、この時点のタイマT1の値Tc′と正常パターンテーブルに登録された移し替え(2)フェーズの継続時間Tcと差が、フェーズの継続時間の許容誤差設定時間ΔTcを超えない場合(図6のS240においてYES)は、移し替え(2)フェーズは正常と判定される(S245)。
時刻t6′から停止フェーズが開始される。移し替え(1)フェーズ同様に、図9の(ル)に示すように、正常パターンテーブルに登録された流量計測信号値と読み出した流量計測信号値に相違がある場合でも、その差分の絶対値が、図8に示される停止フェーズにおける流量計測信号の差分に対する判定基準Q4を超えない場合は、図9の(ワ)に示すように流量計測信号相違信号は論理値Lである。
また、時刻t8から時刻t8′までは第2バルブアンサーバック信号に正常パターンテーブルと読み出した計測信号に相違があるので、図9の(カ)に示すように第2バルブアンサーバック信号相違信号が論理値Hとなり、異常継続判定タイマの計時を計測するが、その計時値が、停止フェーズにおける第2電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Tab24を超えない場合は、停止フェーズは異常とは判定されない。時刻t9から時刻t9′までの第3バルブアンサーバック信号も同様である。
時刻t9′において停止フェーズは終了するが、この時点のタイマT1の値Td′と正常パターンテーブルに登録された停止フェーズの継続時間Tdと差が、フェーズの継続時間の許容誤差設定時間ΔTdを超えない場合(図6のS250においてYES)は、停止フェーズは正常と判定される(S245)。
図10は、実施の形態1における流体プラントの操業時における各フェーズについての計測信号と相違判定結果の例を表わす図であり、移し替えフェーズ(2)が異常と判定される例を示す。図10において図9と同じ符号で示す信号は同じ信号に対応する。
図10の時刻t53までは図9の時刻t51までと同様であるので説明を省略する。図9では、時刻52以降で正常パターンテーブルに登録された流量計測信号値と読み出した流量計測信号値の差分の絶対値が、移し替え(2)フェーズにおける流量計測信号の差分に対する判定基準Q3以下となっている。これに対して、図10では、正常パターンテーブルに登録された流量計測信号値と読み出した流量計測信号値の差分の絶対値が、移し替え(2)フェーズにおける流量計測信号の差分に対する判定基準Q3を超えた状態が継続した場合である。
時刻t53以降は、正常パターンテーブルに登録された流量計測信号値と読み出した流量計測信号値の差分の絶対値が、移し替え(2)フェーズにおける流量計測信号の差分に対する判定基準Q3を超えているので(S210のYES)、流量計測信号の異常判定タイマの計時を行う(S211)。前述の差分が判定基準Q3を超えている状態が継続し、時刻t54において、流量計測信号の異常判定タイマの計時値Tan63が、移し替え(2)フェーズにおける流量計測信号の異常継続許容設定時間Tab63を超えると(S223のNO)、移し替え(2)フェーズは異常と判定され(S260)、異常判定部16は異常対応処置を行う(S265)。
上述では、アナログ値である流量計測信号の相違について述べたが、アンサーバック信号についても同様である。さらに、本実施の形態においては、手動操作機器である第1手動バルブ状態信号および第2手動バルブ状態信号も正常パターンテーブルに登録されている。図4の例では第X工程においてすべて論理値Lで登録されている。よって、第X工程の操業時に、運転操作員あるいはその他の人間が、第1手動バルブ状態信号または第2手動バルブを誤って開状態に操作すると、その状態信号は論理値Hとなるので、図6のフローチャートのステップS205,S206において相違ありと判断される。したがって、その状態が、図8で設定された、第1手動バルブ状態信号の異常継続許容設定時間や第2手動バルブ状態信号の異常継続許容設定時間を超えた場合は、そのフェーズの異常を判定することができる。
以上の説明のように、実施の形態1によれば、流体プラントの異常を高精度に判定することができる異常診断装置を提供することができる。
尚、図8に示す各フェーズに対する異常を判定する基準は正常パターン登録時の信号から自動生成してもよい。さらに自動生成された基準を、運転操作員がマニュアルにおいて修正するようしてもよい。自動生成の方法としてはアナログ値に対しては測定値に対して一定の比率にする方法等がある。また、操業データを蓄積し、統計的処理を行って基準を作成してもよい。
(実施の形態2)
図11は、実施の形態2の流体プラントシステムの構成を表わす図である。
この流体プラントシステムは、図1に示す実施の形態1の液体プラントに第1液面計LS1と、圧力計PLと、第2液面計LS2とを追加したシステムである。
第1液面計LS1は、第1タンクTA1の液面の高さ(以下、第1液面高さ)を計測する。
圧力計PLは、第1タンクTA1と第2タンクTA2との間の配管に流れる流体の圧力を計測する。
第2液面計LS2は、第2タンクTA2の液面の高さ(以下、第2液面高さ)を計測する。
(正常時の運転パターンの登録の例)
図12は、実施の形態2の正常パターンテーブルの例を表わす図である。実施の形態1の正常パターンテーブルの例を表わす図である図4と、図12との相違は計測信号をあらわす情報として、圧力計測信号、第1液面計測信号、第2液面計測信号が追加されている。
圧力計PLは、計測した時刻tの圧力P1(t)を表わすアナログ計測信号を出力する。正常パターン登録部14は、機器動作入力部1を通じて、圧力P1(t)を表わすアナログ計測信号を受ける。正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの登録時に、各フェーズの計測信号欄に圧力P1(t)を表わす情報を、その時のタイマTsの計時時間と関連付けて登録する。
第1液面計LS1は、計測した時刻tの第1液面高さHA1(t)を表わすアナログ計測信号を出力する。正常パターン登録部14は、機器動作入力部1を通じて、第1液面高さHA1(t)を表わすアナログ計測信号を受ける。正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの登録時に、各フェーズの計測信号欄に第1液面高さHA1(t)を表わす情報を、その時のタイマTsの計時時間と関連付けて登録する。
第2液面計LS2は、計測した時刻tの第2液面高さHB1(t)を表わすアナログ計測信号を出力する。正常パターン登録部14は、機器動作入力部1を通じて、第2液面高さHB1(t)を表わすアナログ計測信号を受ける。正常パターン登録部14は、正常パターンテーブルの登録時に、各フェーズの計測信号欄に第2液面高さHB1(t)を表わす情報を、その時のタイマTsの計時時間と関連付けて登録する。
尚、第1の実施形態では、移し替えフェーズ(1)の終了タイミングでもある移し替えフェーズ(2)の開始タイミングを、流量計測値V1(t)が閾値V1(t)を超えたタイミングとしていたが、第2の実施形態では、第1液面計LS1の計測値HA1(t)が、閾値HthA1以下となったことで、移し替えフェーズ(1)を終了し、移し替えフェーズ(2)を開始するタイミングとしてもよい。あるいは、第2液面計LS2の計測値HB1(t)が、閾値HthB1以上となったことで、移し替えフェーズ(1)の終了し、移し替えフェーズ(2)の開始するタイミングとしてもよい。
さらに、第1の実施形態では、移し替えフェーズ(2)の終了タイミングでもある停止フェーズの開始タイミングを、移し替えフェーズ開始から所定時間後のタイミングとしていた。これに対して、第2の実施形態では、第1液面計LS1の計測値HA1(t)が、閾値HthA2以下となったことで、移し替えフェーズ(2)を終了し、停止フェーズを開始するタイミングとしてもよい。あるいは、第2液面計LS2の計測値HB1(t)が、閾値HthB2以上となったことで、移し替えフェーズ(1)の終了し、移し替えフェーズ(2)の開始するタイミングとしてもよい。尚、HthA1>HthA2、HthB1<HthB2である。
(流体プラントの操業時の異常診断の例)
図13は、第2の実施形態における、各フェーズに対する異常を判定する基準を示した図の一例である。実施の形態1の各フェーズに対する異常を判定する基準を示した図である図8と、図13との相違は、以下である。
アナログ計測信号関連の判定基準として、圧力計測信号の差分に対する判定基準(PL1~PL4)、圧力計測信号の異常継続許容設定時間(Tab71~Tab74)、圧力計測信号の変化率の差分に対する判定基準(DPL1~DPL4)圧力計測信号の変化率の差分異常にする異常継続許容設定時間(Td71~Td74)、第1液面計測信号の差分に対する判定基準(HAa11~HAa14)、第1液面計測信号の異常継続許容設定時間(Tab81~Tab84)、第1液面計測信号の変化率の差分に対する判定基準(DHa11~DHa14)、第1液面計測信号の変化率の差分異常にする異常継続許容設定時間(Td81~Td84)、第2液面計測信号の差分に対する判定基準(HBa21~HBa24)、第2液面計測信号の異常継続許容設定時間(Tab91~Tab94)、第2液面計測信号の変化率の差分に対する判定基準(DHa21~DHa24)、第2液面計測信号の変化率の差分異常にする異常継続許容設定時間(Td91~Td94)が追加(図13の第15行から23行)されている。異常判定部16は、これらの図13に示す判定基準を使用し、図12に示す正常パターンテーブルと読み出した計測信号を図6に示す手順で異常診断を行うことができる。
(実施の形態3)
図14は、実施の形態3の流体プラントシステムの構成を表わす図である。
この図14に示す流体プラントシステムと図1に示す実施の形態1の流体プラントシステムの相違は、流量計FSと第3電動バルブの間の配管に分岐があり、その分岐に第4電動バルブEV4を備える点である。
第4電動バルブEV4は工程制御回路2からの第1電動バルブ開閉指令により開閉操作される。第4電動バルブEV4からの第4電動バルブアンサーバック信号は機器動作入力部1を経由して工程制御回路2および異常診断装置10へ送信される。
何らかの原因で配管内に不純な液体が存在する可能性がある場合に、第3電動バルブEV3が閉じている状態で、第2電動バルブEV2と、第4電動バルブEV4とを開き、ポンプPMを動作させると、第2電動バルブEV2と第4電動バルブEV4との間の配管に貯まった不純な流体が、外部へ流出し、配管内にはタンクTA1からの清浄な液体を充満することができる。この処理を、第1タンクTA1内の流体を第2タンクTA2へ移す前に実行することによって、配管に貯まった不純な液体を破棄し、不純な液体が第2タンクTA2に移送されることが防止できる。
(正常時の運転パターンの登録の例)
図15は、実施の形態3における正常時の動作パターン登録時のタイミングチャートである。第Y工程は第1番目のフェーズとして流路生成フェーズY、第2番目のフェーズとしてブローフェーズ、第3番目のフェーズとして停止フェーズYの4フェーズから構成されるとする。
図16は、実施の形態3の正常パターンテーブルの例を表わす図である。実施の形態1の正常パターンテーブルの例を表わす図である図4と、図16との相違点は、工程およびフェーズの他に、計測信号をあらわす情報として、第4電動バルブアンサーバック信号が追加されている点である。尚、工程が異なるのでテーブルに登録されるパターンの値も異なる。図15、図16を参照して、正常時の動作パターンの登録の例を説明する。
工程制御回路2は、前工程の終了から所定時間経過後の時刻t10において、第Y工程の流路生成Yフェーズを開始し、正常パターン登録部14に第Y工程の流路生成Yフェーズの開始を通知する。正常パターン登録部14は、第Y工程の流路生成Yフェーズの開始の通知を受けて(S103のYES)、タイマTsをスタートさせ(S104)、タイマTsの値と関連付けられた計測信号の登録を開始する(S104)。
工程制御回路2は、時刻t11において、第2電動バルブ開指令と第4電動バルブ開指令とを出力する。時刻t12において、第2電動バルブEV2は、第2電動バルブ開指令のアンサーバック信号を出力する。時刻t13において、第4電動バルブEV4は、第4電動バルブ開指令のアンサーバック信号を出力する。次のフェーズの開始信号が来るまでは(S107のNo)、正常パターン登録部14は、これらのアンサーバック信号も、タイマTsの値と関連付けられた計測信号として登録する(S106)。
工程制御回路2は、時刻t13において、第4電動バルブ開指令のアンサーバック信号を受信すると、ブローフェーズを開始し、正常パターン登録部14に第Y工程のブローフェーズの開始を通知する。正常パターン登録部14は、ブローフェーズの開始の通知を受けて(S107のNO)、流路生成Yフェーズの継続時間としてその時のタイマTSの値(すなわち期間Te)を登録する(S109)。正常パターン登録部14は、ユーザによる登録終了指示がない場合(S110のNO)、タイマTsをリセットし、計時を再スタートし(S104)、関連付けられた計測信号の登録を開始する(S104)。そして、正常パターン登録部14は、読み出した各計測信号をタイマTsの値と関連付けられた計測信号として登録する(S106)。
工程制御回路2は、時刻t14において、ポンプPMの動作指令を出力する。ポンプPMが動作すると配管に液体が流れ流量計FSは、計測した時刻tの流量V11(t)を表わすアナログ計測信号を出力する。正常パターン登録部14は、これらの流量V11(t)を表わすアナログ計測信号もタイマTs時刻と関連付けて登録する(S106)。時刻t15までは、正常パターン登録部14は計測信号を表わす情報をタイマTs時刻と関連付けて登録することを繰り返す。
図15の(ル)に示すように、工程制御回路2は、Y工程における流量計測信号V11(t)を積分することにより、Y工程において第4電動バルブEV4から排出される液体の量を監視する。時刻t15において、工程制御回路2は、排出された液体の量があらかじめ定められた基準値BBとなると、ブローフェーズを終了し、停止Yフェーズを開始する。基準値BBは例えば、第2電動バルブEV2から第4電動バルブEV4までの配管内の液体の体積である。工程制御回路2は、停止Yフェーズを開始すると、停止Yフェーズの開始を正常パターン登録部に通知するとともに、第2電動バルブ開閉指令と第4電動バルブの閉を出力し、さらに、ポンプ動作/停止指令の停止を出力する。
正常パターン登録部14は、停止Yフェーズの開始の通知を受けて(S107のNO)、ブローフェーズの継続時間としてその時のタイマTSの値(期間Tf)を登録する(S109)。正常パターン登録部14は、ユーザによる登録終了指示がない場合(S110のNO)、タイマTsをリセットし、計時を再スタートし(S104)、関連付けられた計測信号の登録を開始する(S104)。そして、正常パターン登録部14は、読み出した各計測信号をタイマTsの値と関連付けられた計測信号として登録する(S106)。時刻t17までは、正常パターン登録部14は計測信号を表わす情報をタイマTs時刻と関連付けて登録することを繰り返す。
時刻t17において、工程制御回路2は、第2電動バルブアンサーバック信号と第4電動バルブアンサーバック信号の両者がともに閉(論理値L)をなると、停止Yフェーズを終了し、最終フェーズの終了を正常パターン登録部に通知する。
正常パターン登録部14は、最終フェーズである停止Yフェーズの終了の通知を受けて(S107のNO)、停止Yフェーズの継続時間としてその時のタイマTSの値(期間Tg)を登録する(S109)。正常パターン登録部14は最終フェーズの終了の場合(S110のYES)、正常パターン登録処理を終了する。これにより、図16に示すようなY工程における正常パターンテーブルが作成される。さらに、図17に示すような第Y工程における、各フェーズに対する異常を判定する基準を生成し、処理を終了する。
図17では流路生成フェーズYにおける異常を判定する基準として、第1電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Taby11、第2電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Taby21、第3電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Taby31、第4電動バルブアンサーバック信号の異常継続許容設定時間Taby81、第1手動バルブ状態信号の異常継続許容設定時間Taby41、第2手動バルブ状態信号の異常継続許容設定時間Taby51、流量計測信号の差分に対する判定基準Qy1、流量計測信号の異常継続許容設定時間Taby61、流量計測信号の変化率の差分に対する判定基準DQy1、流量計測信号の変化率の差分異常に対する異常継続許容設定時間Tdy61およびフェーズの継続時間の許容誤差設定時間ΔTeが設定される。ブローフェーズおよび停止yフェーズについても同様に設定される。
このようにして、異常診断装置10は、第Y工程における計測信号を表わす情報の正常パターンテーブルとその各フェーズに対する異常を判定する基準を生成し記憶する。その後、異常診断装置10は、第Y工程の操業を行う場合、図16の正常パターンテーブルと図17の第Y工程における、各フェーズに対する異常を判定する基準を使用し、図6に示す異常判定手順で、第Y工程の異常の有無を高精度に判定することができる。
以上のように、上記の実施形態によれば、流体プラントの工程をフェーズ単位で時間管理し、フェーズ単位の時間と関連付けられた各機器の計測信号を表わす情報(アンサーバック信号、状態信号、アナログ信号)を記録し、比較することにより、異常の有無を高精度に判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 機器動作入力部、2 工程制御回路、3 工程テーブル記憶部、10 異常診断装置、11 ユーザ入力部、12 表示部、13 登録トリガ部、14 正常パターン登録部、15 正常パターンテーブル記憶部、16 異常判定部、TA1,TA2 タンク、LS1,LS2 液面計、PL 圧力計、FS 流量計、EV1~EV4 電動バルブ、MV1,MV2 手動バルブ。

Claims (7)

  1. 流体プラントの工程の各フェーズの正常時の動作パターンを記憶部に登録するパターン登録部と、
    前記流体プラントの操業時の工程の各フェーズの動作パターンと、前記記憶部に記憶されている前記フェーズの正常時の動作パターンとを比較し、前記2つの動作パターンの相違状態の継続時間に基づいて、前記流体プラントの異常の有無を判定する判定部とを備え、
    前記動作パターンは、時間と関連付けられたアナログ量の計測値を表わす情報を含み、
    前記判定部は、フェーズの開始によってタイマをスタートさせ、機器からの予め定められたアンサーバック信号をまたは計測信号を受信した時点のタイマの値と、予め定められたフェーズ継続時間との差が許容誤差時間を超えるときに、前記流体プラントが異常であると判定する、流体プラントの異常診断装置。
  2. 前記動作パターンは、前記流体プラントの配管に流れる流体の時間と関連付けられた圧力、前記流体プラントに含まれるタンクの時間と関連付けられた液面の高さ、または前記流体プラントの配管に流れる流体の時間と関連付けられた流量を表わす情報を含む、請求項1記載の流体プラントの異常診断装置。
  3. 前記動作パターンは、手動で操作可能な機器からの状態を表わす情報を含む、請求項1記載の流体プラントの異常診断装置。
  4. 前記動作パターンは、前記流体プラントに含まれる機器への指令に対するアンサーバックを表わす情報を含む、請求項1記載の流体プラントの異常診断装置。
  5. 前記動作パターンは、前記流体プラントの配管の流量を表わす情報を含み、前記流量が閾値を超えたときに、前記フェーズが終了し、
    前記動作パターンは、前記フェーズの継続時間を含む、請求項1記載の流体プラントの異常診断装置。
  6. 前記パターン登録部は、ユーザの指示に応じて、正常時の動作パターンを登録する、請求項1~5のいずれか1項に記載の流体プラントの異常診断装置。
  7. 前記パターン登録部は、予め定められたタイミングにおいて、正常時の動作パターンを登録し
    前記正常時の動作パターンは、前記タイマの値と、前記タイマの値と関連付けられたアナログの計測信号を表わす情報とを含み、
    前記判定部は、操業時の工程における第1のアナログの計測信号を読み出したときの前記タイマの第1の値が前記正常時の動作パターンに登録されているときには、前記タイマの前記第1の値と関連付けられ、登録されている第2のアナログの計測信号と、前記第1のアナログの計測信号とを比較し、
    前記第1のアナログの計測信号を読み出したときの前記タイマの前記第1の値が前記正常時の動作パターンに登録されていないときには、前記タイマの前記第1の値よりも小さくかつ最も近い登録されている前記タイマの第2の値に関連付けられ、登録されている第3のアナログの計測信号と、前記タイマの前記第1の値よりも大きくかつ最も近い登録されている前記タイマの第3の値に関連付けられ、登録されている第4のアナログの計測信号とに基づいて、前記タイマの前記第1の値に関連付けられた第2のアナログの計測信号を推定し、前記推定された第2のアナログの計測信号と前記第1のアナログの計測信号とを比較する、請求項1~5のいずれか1項に記載の流体プラントの異常診断装置。
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