JP7356555B2 - 作業ブース設置構造 - Google Patents

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本発明は、建物内の室に設置される作業ブースの設置構造に関する。
近年、職場への通勤の頻度を減らす等の狙いから、職場以外の場所でテレワークを行う環境が求められている。自宅でのテレワークは、そのテレワークの環境が整い難く、加えて、オフィス等の作業環境として、オンライン会議の機会が増え、自席で会議することが増えたため、建物の広いスペースの室内を区画して、その一部に複数の作業ブースを仕切壁材により設置し、この作業ブースを利用者のテレワークやオフィス等での個人ワークのために用いることが注目されている。
このように、大空間の室内に仕切壁材で作業ブースを区画して、その内部に1人や2人の少人数の打合せやテレワーク等の用途のスペースを設ける場合、仕切壁材により天井部まで囲ってしまうと、一般に作業ブース内の天井部に、煙やガス等の感知器、スプリンクラー、換気装置等の高価な天井機器を作業ブース個別に設置する場合があり、天井部に設置する設備や天井構造が大掛かりとなって、作業ブースの設置効率は悪くなる。
一般に、広いスペースの室内では、法令上、予めその天井部に換気設備や、スプリンクラー、火災報知器等の防災設備が必要数だけ設置されており、作業ブースの設置効率のためには、それらをそのまま利用することが望ましい。
このように、室内の天井部に既に設置されている天井機器を利用して、それらの増設工事を不要にしたり、設置数を減らしたりするためには、室内を作業ブースで区画する際、各作業ブースにおいて共用空間の天井機器の作動に障害が生じないようにする必要がある。
ところで、会議室、作業エリア、作業ブース等を設置するこの種の技術として、従来、例えば特許文献1には、4つの壁で空間内に個室を仕切り、フロント壁及びバック壁の上端に開放式の欄間部を設け、サイド壁の上端に個室の内部に張り出す吸音構造の庇状部材が設けられた間仕切り式の半開放個室装置が開示されている。
また、特許文献2に示されるものでは、間仕切りを介して互いに隣接する2つの部屋において、間仕切りの上部に開口欄間を形成し、間仕切りの上側の天井面に吸音材を設けるだけでなく、開口欄間に対向する壁にも吸音材を設けて、隣の部屋の会話等の音が部屋に入るのを抑えるようにしている。
特許3940025号公報 特許5325488号公報
ところで、このように建物の室内に作業ブースを設置するに当たり、天井部に共用の天井機器が設置され且つ床部が通路とされる共用空間と、作業ブースとに室内を分け、作業ブースにおいて、共用空間(通路)側の仕切壁材の上部に、開口を有する開口欄間を設け、この開口欄間の開口によって作業ブース内を外部の天井機器に連通させるレイアウトの採用が考えられる。
その場合、作業ブース外の共用空間や他の作業ブース等で発生する音が開口を通って作業ブース内に侵入し、他の作業ブースの音や声が聞こえてしまうといった騒音問題が発生することとなる。明瞭に識別できる音声が作業ブース内に侵入すると、作業ブース内での作業に集中できなくなるという大きな問題が発声する。また、複数の作業ブースを、共用空間を挟んで対峙させて設置する場合には、一の作業ブースの音声が、共用空間を通じて共用空間を挟んで対峙する他の作業ブースに拡散し、作業・打合せに集中できないという問題が発生する。
こうした騒音問題に対処するために、作業ブースの内面に吸音材を設けてもよいが、狭いスペースの作業ブースでは吸音材の位置が不適切であると、騒音問題を有効に解決することが困難になる。
なお、特許文献1のように、仕切壁の上端に張り出し構造の庇状部材を設ける場合、特殊な構造の庇状部材が必要となり、その張り出しによってブース内の空間の容積も小さくなる上に、天井部に設置された天井機器が例えばスプリンクラーの場合、万一火事が発生した際に、張り出し構造の庇状部材が散水障害の原因となり、問題である。
また、特許文献2の吸音構造にすると、天井部にスプリンクラー等の天井機器が設置されている場合においても、マスキング音発生用のスピーカーが必要であり、さらにマスキング音を天井部の下側に透過させる構造を得るために、天井部も天井機器を避けるように区分けして、吸音材を配置した音吸収性天井材と、配置されていない音透過性天井材とを併せて施工する必要があり、これらにより、複雑な設計が必要となるだけでなく、室の天井部の大規模な工事が必要となるのは避けられない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、建物内の室の一部に2つの作業ブースを、共用空間を挟んで対峙するように設置するに当たり、作業ブースと共用空間とを区別せずに天井設備を計画することを目的とする。つまり、作業ブースを設置する広い室内の共用の天井部の構造はそのままの状態に維持しつつ、作業ブース内の構造のみで、一の作業ブースで発生した音(騒音)が、大音量のまま共用空間を介して共用空間を挟んで対峙する他の作業ブース内へ侵入して大音量のまま他の作業ブース内の作業者に伝達されるのを抑制して、作業ブース内の快適な音環境を形成することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、建物内の室の一部に2つの作業ブースを、共用空間を挟んで対峙するように設置するに当たり、各作業ブースを構成する複数枚の仕切壁材のうち、共用空間に面する1枚の壁材の上部又は上側に作業ブースと共用空間とを連通する連開口を設けて作業ブース内及び共用空間の一方に設けられた天井機器の動作が連通口を通して他方にも及ぶようにし、各作業ブース内面に吸音部を設けると共に、吸音部の少なくとも一部が、該吸音部が設けられる作業ブース内面の、該作業ブースに共用空間を挟んで対峙する他の作業ブースの連通口から共用空間に漏れて反射することなく連通口から侵入した音が反射することなく入射する対向領域に設けるようにした。
具体的には、第1及び第2の発明は、天井部に天井機器が設けられている建物内の室の一部に、該室の床部で起立する複数枚の仕切壁材又は該複数枚の仕切壁材と上記室の壁部とによって周囲が取り囲まれた床面積が0.36m以上4m以下の2つの作業ブースが共用空間を挟んで対峙するように設置されている設置構造を対象とするものである。
そして、第1の発明は、上記各仕切壁材は、上記室の床部に載置又は固定され、該各仕切壁材の側端部は、隣接する他の上記仕切壁材の側端部又は上記室の壁部に固定され、上記各作業ブースを形成する上記複数枚の仕切壁材のうちの1枚は、上端部又は上側に上記作業ブース内外を連通する連通口が設けられた連通用壁材であり、該連通用壁材以外の上記仕切壁材は、上記室の床部から天井部に至る高さの天井高壁材であり、上記各作業ブースは、上記連通用壁材が上記共用空間に面し、該作業ブース内及び上記共用空間の一方に設けられた上記天井機器の動作が上記連通口を通して他方にも及ぶように設置され、上記2つの作業ブースは、一の上記作業ブースの上記連通口から上記共用空間に漏れた音が反射することなく他の上記作業ブースの上記連通口から該他の作業ブース内に侵入する可能性のある位置に配置され、上記各作業ブースの内面には吸音部が設けられ、上記各作業ブースにおいて、上記吸音部の少なくとも一部は、該吸音部が設けられる上記作業ブースの内面の、該作業ブースに上記共用空間を挟んで対峙する上記作業ブースの上記連通口から上記共用空間に漏れて反射することなく上記連通口から侵入した音が反射することなく入射する対向領域に設けられていることを特徴とするものである。
また、第2の発明は、上記各仕切壁材は、上記室の床部に載置又は固定され、該各仕切壁材の側端部は、隣接する他の上記仕切壁材の側端部又は上記室の壁部に固定され、
上記各作業ブースを形成する上記複数枚の仕切壁材のうちの1枚は、上端部又は上側に上記作業ブース内外を連通する連通口が設けられた連通用壁材であり、該連通用壁材以外の上記仕切壁材は、上記室の床部から天井部に至る高さの天井高壁材であり、上記各作業ブースは、上記連通用壁材が上記共用空間に面し、該作業ブース内及び上記共用空間の一方に設けられた上記天井機器の動作が上記連通口を通して他方にも及ぶように設置され、上記2つの作業ブースは、一の上記作業ブースの上記連通口から上記共用空間に漏れた音が反射することなく他の上記作業ブースの上記連通口から該他の作業ブース内に侵入する可能性のある位置に配置され、上記各作業ブースの内面には吸音部が設けられ、上記各作業ブースにおいて、上記吸音部の少なくとも一部は、該吸音部が設けられる上記作業ブースの上記連通用壁材に対向する上記仕切壁材又は上記室の壁部からなる対向側壁の少なくとも上部に設けられていることを特徴とするものである。
第1及び第2の発明では、建物内の室の一部に、床面積が0.36m以上4m以下の2つの作業ブースが、共用空間を挟んで対峙するように設置されている。各作業ブースは、複数枚の仕切壁材又は該複数枚の仕切壁材と室の壁部とによって周囲が取り囲まれることにより室の一部に区画形成されている。各作業ブースを形成する複数枚の仕切壁材のうちの1枚は、上端部又は上側に作業ブース内外を連通する連通口が設けられる連通用壁材であり、連通用壁材以外は室の床部から天井部に至る高さの天井高壁材である。そして、共用空間を挟んで対峙する2つの作業ブースは、連通口が設けられた1枚の連通用壁材が共用空間に面するように設置されている。そのため、各作業ブース内は、連通用壁材の連通口を介して共用空間に連通し、作業ブース内及び共用空間の一方に設けられた既存の天井機器の作動時にその動作が連通口を通して他方にも及ぶようになる。また、既存の天井機器が一の作業ブース内にのみ設けられている場合にも、一の作業ブース内に設けられた天井機器の動作が共用空間を介して他の作業ブース内にも及ぶようになる。例えば天井機器が共用空間に設けられた既存のスプリンクラーであれば、スプリンクラーから噴射された水が連通口を介して各作業ブース内に降り注ぎ、スプリンクラーの各作業ブース内に対する作動が阻害されることはなくなる。また、例えば天井機器が一の作業ブース内に設けられた既存の換気装置であれば、一の作業ブース内の汚染空気だけでなく、共用空間及び他の作業ブース内の汚染空気も連通口を通じて換気装置により換気される。さらに、例えば天井機器が一の作業ブース内に設けられた既存の空調装置であれば、一の作業ブース内の空気だけでなく、共用空間及び他の作業ブース内の空気も連通口を通じて空調装置により温度や湿度が調節される。
また、連通用壁材は共用空間に面しているので、一の作業ブースから共用空間に漏れた音が連通用壁材の連通口を介して共用空間に対峙する他の作業ブース内に侵入する騒音問題が発生する。共用空間を挟んで対峙する2つの作業ブースには、一の作業ブースの連通口から共用空間に漏れた音が共用空間の壁に反射して又は反射することなく他の作業ブースの連通口から該他の作業ブース内に侵入する可能性があるが、特に、一の作業ブースから共用空間に漏れた音が共用空間の壁に反射する(減衰する)ことなく連通口から他の作業ブース内に侵入する場合が問題となる。
しかし、第1及び第2の発明では、共用空間を挟んで対峙する2つの作業ブースのそれぞれの内面に吸音部を設けることとしている。そのため、一の作業ブース内で発生した音は、該一の作業ブースに設けられた吸音部に吸収され、共用空間に漏れる音の音量が軽減する。また、一の作業ブースから共用空間に漏れた音が、共用空間を挟んで対峙する他の作業ブース内に侵入したとしても、該他の作業ブースに設けられた吸音部に吸収されてさらに小さくなる。
また、第1の発明では、各作業ブースにおいて、吸音部の少なくとも一部を、共用空間を挟んで対峙する作業ブースの連通口から共用空間に漏れて反射することなく連通口から侵入した音が反射することなく入射する対向領域に設けることとしている。そのため、一の作業ブースから共用空間に漏れた音が、共用空間内の壁に反射することなく連通口から共用空間を挟んで対峙する他の作業ブース内に侵入したとしても、該他の作業ブースの内面の対向領域に設けられた吸音部に吸収されてさらに小さくなる。
また、第2の発明では、各作業ブースにおいて、吸音部の少なくとも一部を、連通用壁材に対向する対向側壁の少なくとも上部に設けることとしている。一の作業ブースから共用空間に漏れ、共用空間内の壁に反射することなく連通口から他の作業ブース内に侵入した音は、他の作業ブースの連通口が形成された連通用壁材に対向する対向側壁の上部に入射する可能性が高い。そのため、一の作業ブースから共用空間に漏れた音が、共用空間内の壁に反射することなく連通口から共用空間を挟んで対峙する他の作業ブース内に侵入したとしても、該他の作業ブースの対向側壁の上部に設けられた吸音部に吸収されてさらに小さくなる。
つまり、第1及び第2の発明では、各作業ブースにおいて、吸音部の少なくとも一部を、共用空間で減衰することなく作業ブース内に侵入した騒音を減じるのに適した位置(対向領域又は対向側壁の上部)に設けることとしている。そのため、共用空間で減衰することなく連通口を通じて侵入した騒音が、適切な位置にある吸音部に吸収されることによって、立位又は座位で作業する作業者に伝達される音声の明瞭度が下がり、音声自体は聞こえるものの、内容が聞き取り難くなることが期待される。よって、共用空間に連通する連通口があっても、作業ブースの内部を静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる。
さらに、第1及び第2の発明によれば、各作業ブースの1枚の連通用壁材に連通口を形成して各作業ブースの内面に少なくとも一部が対向領域又は対向側壁の上部に配置されるように吸音部を設けるだけで、上記のような音環境を形成することができるため、共用空間や作業ブースの天井部は、作業ブースを設置する前の元の室の天井部をそのままの状態に維持すればよく、消火設備や換気設備を考慮した天井部の構造を変更する複雑な設計や大掛かりな大規模工事は全く不要となる。このことで、作業ブースを低いコストで容易に設置することができ、その分、設置効率が上昇する。
また、1又は第2の発明は、上記構成に加え、上記吸音部は、該吸音部が設けられる上記作業ブースの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積の吸音部が設けられていることを特徴とするものである。
なお、ここで、「平均吸音率」とは、周波数帯域毎に算出され、当該周波数帯域における等価吸音面積を総表面積で除して求めたものをいい、「作業ブースの平均吸音率」とは、作業ブースの500Hz帯域及び1000Hz帯域それぞれの帯域における平均吸音率の算術平均値を指す。
ところで、本願発明者等による鋭意研究の結果、共用空間を挟んで対峙する2つの作業ブースの内面に少なくとも一部が上記対向領域又は上記対向側壁の上部に配置されるように吸音部を設けた上で、各作業ブースに設ける吸音部の分量を、各作業ブースの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大させる分量とすると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができることが判った。なお、「2室間の音圧レベル差」とは、共用空間を挟んで対峙する2つの作業ブースの一方に測定用音源を設置して音源室とする一方、他方を受信室とし、測定用音源から中心周波数125,250,500,1000,2000,4000Hzの試験音(90dBA程度)を発生させ、騒音計で音源室と受信室で音圧を測定して求めた各帯域における音源室と受信室との音圧レベル差の算術平均値を指す。
そこで、第1又は第2の発明では、共用空間を挟んで対峙する2つの作業ブースの内面に、該作業ブースの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積の吸音部を、少なくとも一部が上記対向領域又は上記対向側壁の上部に配置されるように設けることとしている。このような分量の吸音部を上記位置に設けることにより、各作業ブースの平均吸音率が0.05以上増大し、共用空間を挟んで対峙する2つの作業ブース間の遮音性能D等級を1ランク上げることができる。そのため、一の作業ブース内で発生した音は、該一の作業ブースに設けられた適切な分量(総面積)の吸音部により、十分に吸収されるため、一の作業ブースから連通口を介して共用空間に漏れる音の音量が軽減する。また、一の作業ブースから共用空間に漏れた音が、共用空間内の壁に反射することなく連通口を介して共用空間を挟んで対峙する他の作業ブース内に侵入したとしても、該他の作業ブースに設けられた適切な分量(総面積)の吸音部により、十分に吸収されることとなる。これにより、他の作業ブース内において立位又は座位で作業する作業者に伝達される音声の明瞭度が下がり、音声自体は聞こえるものの、内容が聞き取り難くなることが期待される。よって、共用空間に連通する連通口があり、さらに、共用空間を挟んで対峙する作業ブースがあっても、作業ブースの内部を静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる。
さらに、1又は第2の発明は、上記構成に加え、上記吸音部は、700mm以上の高さに設けられていることを特徴とするものである。
1又は第2の発明では、吸音部が、700mm以上の高さに設けられている。通常、机の上面の高さは700mm程度の高さにあり、立位又は座位で作業する作業者の耳は、700mm以上の高さにあると想定される。そのため、吸音部を700mm以上の高さに設けることにより、吸音部が机上の範囲に設けられることとなる。このように吸音部を配置することにより、座位及び立位の作業者の耳の高さ付近の音を効率よく吸収することができる。よって、作業ブースの内部に侵入した音声の明瞭度を下げる(音声の内容を聞き取り難くする)ことができ、これにより、作業ブース内をより快適な音環境に保つことができる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記吸音部の少なくとも一部は、900mm以上1500mm以下の高さに設けられていることを特徴とするものである。
の発明では、吸音部の少なくとも一部が、900mm以上1500mm以下の高さに設けられている。座位で作業する作業者の耳は、900mm以上1500mm以下の高さにあると想定される。そのため、吸音部の少なくとも一部を900mm以上1500mm以下の高さに設けることにより、座位で作業する作業者の耳の高さ付近の音を効率よく吸収することができる。よって、作業ブースの内部に侵入した音声の明瞭度を下げる(音声の内容を聞き取り難くする)ことができ、これにより、作業ブース内をより快適な音環境に保つことができる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記吸音部の少なくとも一部は、着脱可能な複数枚の吸音パネルによって構成されていることを特徴とするものである。
の発明では、吸音部の少なくとも一部が着脱可能な複数枚の吸音パネルで構成されているので、その吸音パネルの数や位置を変更することで、吸音部の位置や面積等を容易に調整することができる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記吸音部の少なくとも一部は、上記仕切壁材に一体的に埋め込まれた吸音体であることを特徴とするものである。
の発明では、吸音部の少なくとも一部が予め仕切壁材に一体的に埋め込まれた吸音体で構成されているので、仕切壁材によって作業ブースを設置するだけで、自動的にその内部に吸音構造を形成できることとなり、設置作業が容易になる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記連通用壁材の上端部には、枠内に開口を有する開口欄間が設けられ、上記連通口は、上記開口欄間の開口で構成されていることを特徴とするものである。
の発明では、連通用壁材の上端部に開口欄間が設けられていることで、連通用壁材の高さを天井高の他の仕切壁材に合わせることができ、仕切壁材の高さの揃った作業ブースが得られる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記連通用壁材は、高さが上記室の天井部よりも低く、該連通用壁材の上端部と上記室の天井部との間の空間で上記連通口が構成されていることを特徴とするものである。
の発明では、連通用壁材を、天井高の他の仕切壁材よりも低いいわゆるローパーティションにするだけで、作業ブース用の連通口を形成することができ、その連通口の形成が容易になる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記天井高壁材は、上記室の天井部に固定されていることを特徴とするものである。
の発明では、少なくとも天井高壁材が室の天井部に固定されているので、室内に作業ブースを安定して設置することができる。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記2つの作業ブースの上記連通用壁材に上記共用空間を挟んでそれぞれ対向する2つの共用対向壁には、上記2つの作業ブースの各連通口に対向する位置に吸音部が設けられていることを特徴とするものである。
の発明では、2つの作業ブースの内面だけでなく、2つの作業ブースの連通用壁材に共用空間を挟んで対向する2つの共用対向壁の各連通口に対向する位置にも吸音部を設けることとしている。このような構成により、各作業ブースの連通口から共用空間に漏れた音は、共用対向壁の連通口に対向する位置に設けられた吸音部に吸収されることとなる。これにより、一の作業ブースから共用空間に漏れた音が、他の作業ブースに侵入するのを抑制することができる。よって、作業ブースの内部をより静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる。
以上説明したように、本発明によると、建物内の室の一部に2つの作業ブースを、共用空間を挟んで互いに対峙するように設置するレイアウトに当たり、各作業ブースを構成する複数枚の仕切壁材のうち、共用空間に面する1枚の壁材の上部又は上側に作業ブースと共用空間とを連通する連通口を設けて作業ブース内及び共用空間の一方に設けられた天井機器の動作が連通口を通して他方にも及ぶようにし、さらに2つの作業ブースの内面の対向領域又は対向側壁の少なくとも上部に吸音部を設けた。このことにより、作業ブースを設置する室内の天井部の構造はそのままの状態に維持して大規模工事や複雑な天井工事の設計を不要にしつつ、作業ブース内の構造のみで、一の作業ブースで発生した音(騒音)が、大音量のまま共用空間を挟んで対峙する他の作業ブース内へ侵入して大音量のまま他の作業ブース内の作業者に伝達されるのを抑制することができるため、他の作業ブース内の作業者に伝達される音声の明瞭度を下げる(音声の内容を聞き取り難くする)ことができ、これにより、作業ブース内の快適な音環境を形成することができる。
図1は、本発明の実施形態1において室内に設置された作業ブースを模式的に示す平面図である。 図2は、第2の作業ブースを仕切壁材が展開された状態で示す展開図である。 図3は、第3の作業ブースを仕切壁材が展開された状態で示す展開図である。 図4は、試験3で用いる第3の作業ブースの図3相当展開図である。 図5は、試験4で用いる第3の作業ブースの図3相当展開図である。 図6は、試験5で用いる第3の作業ブースの図3相当展開図である。 図7は、試験6で用いる第3の作業ブースの図3相当展開図である。 図8は、試験7で用いる第3の作業ブースの図3相当展開図である。 図9は、試験8で用いる第3の作業ブースの図3相当展開図である。 図10は、試験9で用いる別の作業ブース設置構造の図1相当平面図である。 図11は、試験10で用いる別の作業ブース設置構造の図1相当平面図である。 図12は、実施形態2を示す図2相当図である。 図13は、実施形態2を示す図3相当図である。 図14は、試験12で用いる第3の作業ブースの図11相当展開図である。 図15は、試験13で用いる第3の作業ブースの図11相当展開図である。 図16は、試験14で用いる第3の作業ブースの図11相当展開図である。 図17は、試験15で用いる第3の作業ブースの図11相当展開図である。 図18は、実施形態3を示す図2相当図である。 図19は、実施形態4を示す図2相当図である。 図20は、実施形態4を示す図3相当図である。 図21は、本発明の実施形態5において室内に設置された作業ブース及び作業エリアを模式的に示す平面図である。 図22は、本発明の実施形態6において室内に設置された作業ブース及び作業エリアを模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
《実施形態1》
図1において、Rは建物内の例えば数人から数十人が机や椅子を並べて業務を行える程度の広い室であり、その天井部Cの床部F(共に図2に示す)からの高さは例えば2000mm~3000mm程度(図示例では2850mm)である。この室Rの天井部Cには、防災設備、換気設備又は空調設備として、予め複数の天井機器A,A,…が所定の間隔で設置されている。天井機器Aは、例えば法令上に基づいて必要数設置されるもので、例えば煙やガス等の感知器、スプリンクラー、換気装置等であり、図1ではスプリンクラーを例示している。
このように天井部Cに防災設備(換気設備又は空調設備であってもよい)としての天井機器A,A,…が設置されている室Rにおいて、その一部に例えば平面視で矩形状の6つの作業ブースB,B,…が区画されて設置されている。以下の説明では、6つの作業ブースB,B,…を第1~第6の作業ブースと番号付けし、図1において第1~第6の作業ブースB,B,…の番号を丸数字で示している。
6つの作業ブースB,B,…は、平面視が互いに同じ形状で床面積も互いに同じである。これらの作業ブースB,B,…は、例えば第1~第3の作業ブースB,B,…と、第4~第6の作業ブースB,B,…との3つずつに分けられ、3つずつの作業ブースB,B,…が直線に並んで互いに平行な2列となり、両列の作業ブースB,B,…間に間隔が空けられている。両列の列方向の一端(第1及び第4の作業ブースB,Bの側壁)は、室Rの一方側の壁部Wの一部で構成され、両列の列方向の他端(第3及び第6の作業ブースB,Bの側壁)は、室Rの他方側の壁部Wに間隔を空けて対向している。このことで、室Rの一部は、上記2列で6つの作業ブースB,B,…と、その作業ブースB,B,…以外のスペースである共用空間Sとに区画され、共用空間Sは、作業ブースB,B,…の両列間のスペースと、各列の列方向の他端に隣接するスペースとからなっており、その床部Fは通路として利用される。
そして、共用空間Sの天井部Cに、室Rの全体に既に設置されている上記天井機器A,A,…の一部が配置されている。天井機器A,A,…は、予め室Rの天井部Cに設置されているので、作業ブースB,B,…のレイアウトによっては、その作業ブースBの内部の天井部Cにも位置することも生じるが、作業ブースB,B,…外の共用空間Sには必ず天井機器A,A,…が配置されるように作業ブースB,B,…がレイアウトされる。
各作業ブースBは、その床部の一辺が600~2000mmの矩形状である。床部の一辺がこのような長さであると、作業ブースBは、その床部の面積(床面積)は小さく(0.36m以上4m以下)、少人数での打合せやテレワーク等の用途に好適となる。図示例では作業ブースBは、間口1500mm、奥行1500mmのものとしている。
各作業ブースBは、室Rの床部Fに固定されて起立する複数枚(本実施形態では、3枚又は4枚)の仕切壁材1,2が連結されることにより、平面視で矩形状に形成されている。各列の3つの作業ブースB,B,…において、隣接する作業ブースB,Bの隔壁となる仕切壁材には同じ仕切壁材2が共用されている。また、各列の列方向の一端側に位置する第1及び第4の作業ブースB,Bは、各作業ブースBを取り囲む4つの側壁のうちの1つが室Rの壁部Wの一部によって構成され、残り3つは仕切壁材1,2,2で構成されている。一方、第2,第3,第5及び第6の作業ブースB,B,…は、各作業ブースBを取り囲む4つの側壁の全てが仕切壁材1,2,2,2で構成されている。
各仕切壁材1,2は縦長の細長い板状のもので(図2参照)、例えば不燃材料であるスチールのパネル板材により形成されている。各仕切壁材1,2は下端部で室Rの床部Fに固定され(又は載置だけされていてもよい)、側端部は隣接する他の仕切壁材1,2の側端部に固定されている。室Rの壁部Wに隣接する各仕切壁材1,2(第1及び第4の作業ブースB,Bの各2枚の仕切壁材1,2)の側端部は、隣接する室Rの壁部Wに固定されている。
各作業ブースBを区画する複数枚の仕切壁材1,2のうちの1枚は、上端部に作業ブースB内外を連通する連通口4が設けられた連通用壁材1で構成され、該連通用壁材1以外の仕切壁材2は、室Rの床部Fから天井部Cに至る高さの天井高壁材2で構成されている。各仕切壁材1,2(連通用壁材1及び天井高壁材2)の上端部は、天井部Cに固定されている。
一般に、壁が天井部と床部とに強固に固定された構造は、間仕切り壁を有する構造物と見做されて、当該壁の表面等は不燃性が求められる。一方、室の床部のみや壁部のみに固定されたり、床部に載置されたりする壁は、一般に家具と見做され、その表面は不燃性ではなくて難燃性でもよく、地域によっては、不燃・難燃に対する配慮が不要な場合もある。
この実施形態では、仕切壁材1,2が室Rの天井部Cに固定されて構造物と見做されるので、仕切壁材1,2としては不燃材料であるスチールが用いられている。なお、仕切壁材1,2は天井部Cに対し転倒防止の措置に必要な最低限の止付けでよい。このことで、天井部Cや天井部C裏側の補強工事は不要となる。
こうして、各作業ブースBを区画する複数枚の仕切壁材1,2が室Rの天井部Cに固定されているので、室Rの内部に作業ブースB,B,…が安定して設置される。
本発明では、各列の3つの作業ブースB,B,…のうち、第1,第2,第4及び第5の4つの作業ブースB,B,…は、複数枚の仕切壁材1,2のうちの1枚の仕切壁材(連通用壁材)1だけが共用空間Sに面している。一方、各列の3つの作業ブースB,B,…のうち、列方向の端部に位置する第3及び第6の作業ブースB,Bは、複数枚の仕切壁材1,2のうちの2枚の仕切壁材1,2が共用空間Sに面している。なお、以下では、便宜上、1枚の仕切壁材1だけが共用空間Sに面する作業ブースBを1面対面ブースBと言い、2枚の仕切壁材1,2が共用空間Sに面する作業ブースBを2面対面ブースBと言う。1面対面ブースBと2面対面ブースBは、ほぼ同様に構成されているが、出入り口の配置位置のみが異なる。
[1面対面ブース]
図2は、1面対面ブースBである第2及び第5の作業ブースB,Bを、4つの側壁(仕切壁材1,2)が展開された状態で示し、作業ブースB内から見たものである。なお、第1及び第4の作業ブースB,Bも、図示しないが、第2及び第5の作業ブースB,Bと同様の1面対面ブースBである。第1及び第4の作業ブースB,Bは、4つの側壁の1つが室Rの壁部Wの一部で構成される点が、4つの側壁全てが仕切壁材1,2で構成される第2及び第5の作業ブースB,Bと異なるだけであるため、以下では、1面対面ブースBとして第2及び第5の作業ブースB,Bについてのみ説明する。
1面対面ブースBでは、側壁を構成する仕切壁材1,2のうち、唯一共用空間Sに面する仕切壁材1が、その上端部に、作業ブースBの内部空間を共用空間Sと連通する連通口4が設けられた連通用壁材1となるように構成されている。
連通用壁材1は、天井高壁材2と同様に、上端部で天井部Cに固定されているが、その上端部に、作業ブースBの内部空間を共用空間Sと連通する連通口4が設けられている。具体的には、連通用壁材1の上端部には、その一部として矩形の枠5a内に開口5bを有する開口欄間5が一体に設けられており、その開口欄間5の開口5bで上記連通口4が構成されている。一般に、欄間は、枠内に開口が形成され、その開口がアクリルやガラス等の仕切り板、ルーバー等で被覆されたものであるが、本発明では、仕切り板やルーバー等がなく、開口がそのまま開いているものが用いられる。開口欄間5の開口5b(連通口4)の高さhは500~700mmが望ましく、その左右幅は連通用壁材1の幅全体に近いことが望ましいが、後述する天井機器Aの作動により求められる防災、換気、空調等の観点での機能を果たせればよい。
このように、1面対面ブースBは、側壁を構成する複数枚の仕切壁材1,2のうちの1枚が連通用壁材1で構成され、該連通用壁材1が作業ブースB,B,…の両列間のスペースの共用空間Sに面するように配置されている。このことで、各1面対面ブースBは、連通用壁材1の連通口4(開口欄間5の開口5b)が共用空間Sの天井部Cの天井機器A,A,…に臨んでいる構造とされ、該共用空間Sの天井機器A,A,…の動作が連通用壁材1の連通口4を通して作業ブースB内に及ぶようになっている。すなわち、天井機器Aがスプリンクラーの場合、そのスプリンクラーからの水が連通口4を通して作業ブースB内に放出され、天井機器Aが換気装置の場合には、作業ブースB内の汚染空気が連通口4を通して換気装置に取り込まれ、天井機器Aが空調装置の場合には、空調装置から吹き出された調和空気が連通口4を通して作業ブースB内に放出され、天井機器Aが感知器の場合には、作業ブースB内の煙やガス等が連通口4を通して感知器に届くようになっている。
また、1面対面ブースBでは、連通用壁材1に対向する仕切壁材2からなる対向側壁3において、その作業ブースB内面の少なくとも上部に吸音部10が設けられている。吸音部10は、連通口4に対向するように、上端が、対向側壁3の上端(室Rの天井部C)から200mm下側の高さまでの範囲に位置するように設けられている。また、吸音部10は、下端が、室Rの天井高H(本実施形態1では、2850mm)の3分の2の高さ位置H1(本実施形態1では、床部Fからの高さ1900mmの位置)よりも低い位置に位置するように設けられている。つまり、吸音部10は、対向側壁3の作業ブースB内面において、連通口4に対向する高さ位置から下側へ室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1より低い位置に亘って設けられている。
具体的には、本実施形態1では、吸音部10は、1800mm×1350mmに形成され、上端が対向側壁3の作業ブースB内面の上端(室Rの天井部C)から10mm程度下側に位置し、左端及び右端が対向側壁3の作業ブースB内面の左右側端からそれぞれ75mm程度内側に位置するように設けられている。なお、吸音部10は、上端が室Rの天井部Cに位置するように設けられていてもよく、対向側壁3の作業ブース3内面の左右方向幅全体に亘る大きさに形成されていてもよい。吸音部10は、下端位置を下げることで、その面積を拡げることができる。
なお、吸音部10は、床部Fから700mm以上の高さに設けられることが好ましく、少なくとも一部が、床部Fから900mm以上1500mm以下の高さに設けられることが好ましい。本実施形態1では、吸音部10は、下端が床部Fから1040mm程度の高さに位置している。そのため、本実施形態1では、吸音部10は、床部Fから700mm以上の高さに設けられ、少なくとも一部が、床部Fから900mm以上1500mm以下の高さに設けられている。
また、吸音部10は、作業ブースBの体積及び吸音部10の設置位置によって異なる予め算定された必要面積以上の総面積となるように、各作業ブース10の内面に設けられている。例えば、本実施形態1のように対向側壁3の内面に500Hz帯域の残響室法吸音率が0.8以上で且つ1kHz帯域以上の残響室法吸音率が0.9以上の吸音性能のある吸音部10を設置する場合、体積6.5mの本実施形態1の作業ブースBでは、必要面積は1.2~3.6mであり、本実施形態1では、総面積1.8mの吸音部10が対向側壁3の内面に設けられている。
なお、上記必要面積は、作業ブースBの体積が大きくなる程、大きくなる。また、吸音部10の設置位置による吸音効果(騒音対策効果)は、作業ブースB内での作業環境によるが、例えば、机を設置し、座位で作業する場合は、同じ面積の吸音部10を設置する場合、連通口4に対向する対向側壁3の内面が最も効果的であり、具体的には、対向側壁3の内面の天井面から天井高の3分の2の高さ位置H1までの範囲(対向側壁3の内面を上下方向に3等分した上段部)が最も吸音効果が高くなることが試験により判っている。次いで、連通用壁材1の内面の連通口4の下端から床面からの高さが天井高の3分の2の高さ位置H1までの範囲、対向側壁3の内面の床面からの高さが天井高の3分の2の高さ位置H1から3分の1の高さ位置までの範囲(対向側壁の内面を上下方向に3等分した中段部)、対向側壁3の内面の床面からの高さが天井高の3分の1の高さ位置から床面までの範囲(対向側壁の内面を上下方向に3等分した下段部)の順に、吸音効果が低くなることが判っている。上記必要面積は、例えば、上記の複数の設置位置に関し、吸音効果を発揮する順に数値が小さくなる重みを付け、作業ブースBの体積と吸音部10の設置位置(重み)に応じて算定すればよい。
吸音部10は、並べられて配置される複数枚の吸音パネル11,11,…からなる。図示しないが、各吸音パネル11は、表面に吸音材が貼り付けられた矩形パネル状のもので、裏面側に磁気が作用するマグネット(磁石)が設けられており、そのマグネットの磁気によってスチール製の仕切壁材2(対向側壁3)の内面に着脱可能に固定される。なお、マグネットに代えて面ファスナーを用いてもよく、同様にして吸音パネル11を対向側壁3の内面に着脱可能に固定できる。また、長期に作業ブースBとして使用する目的であれば、着脱可能な吸音パネル11を用いるのではなく、吸音パネル11を両面テープや接着剤で接着施工してもよい。
各吸音パネル11には、例えば、300mm角、450mm角、600mm角の正方形の吸音パネルを用いることができる。図2では、対向側壁3の内面に450mm角の12枚の吸音パネル11,11,…が横方向に3枚、高さ方向に4列に並べられて固定されている。この吸音パネル11の枚数や配置は、対向側壁3内面のスペースや算定した上記必要面積に応じて変更すればよい。吸音パネル11としては、450mm角の場合、例えば大建工業株式会社製の商品名「オフトーンマグネットパネルN」を用いることが好適である。
また、1面対面ブースBは、吸音部10は、各作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積分だけ設けられている。なお、「平均吸音率」とは、周波数帯域毎に算出され、当該周波数帯域における等価吸音面積を総表面積で除して求めたものをいい、「各作業ブースBの平均吸音率」とは、各作業ブースBの500Hz帯域及び1000Hz帯域それぞれの帯域における平均吸音率の算術平均値を指す。
具体的には、本実施形態1では、吸音部10設置前の各作業ブースBの平均吸音率は、0.145であり、各作業ブースBの内面に総面積が2.4mの吸音部10(450mm角の12枚の吸音パネル11,11,…)を設けることにより、平均吸音率を0.081(0.05以上)増大させている。このような総面積の吸音部10を設けることにより、各作業ブースBの平均吸音率は、0.226(0.2以上0.3以下)まで向上している。
また、1面対面ブースBでは、連通用壁材1に、その作業ブースB内を共用空間Sと接続する出入り口15が設けられており、利用者は、この出入り口15を通って、共用空間Sから作業ブースB内に入り又は作業ブースB内から共用空間Sに出るようになっている。この出入り口15は出入り扉16によって開閉される。
図1中、21は各作業ブースB内において出入り口15と反対側(作業ブースBの内奥側)に設置された机、22は椅子である。吸音部10の下端部は、机21よりも上側位置に位置していることが望ましいが、必須ではない。
[2面対面ブース]
図3は、2面対面ブースBである第3の作業ブースBを、4つの側壁(仕切壁材1,2)が展開された状態で示し、作業ブースB内から見たものである。なお、第6の作業ブースBも、図示しないが、第3の作業ブースBと同様の2面対面ブースBであり、異なるのは、図3で左右が逆になるだけであるため、以下では、2面対面ブースBとして第3の作業ブースBについてのみ説明する。
2面対面ブースBは、隣接する2枚の仕切壁材1,2が作業ブースB外の共用空間Sに面している。共用空間Sに面する2枚の仕切壁材1,2のうちの1枚の仕切壁材1は、作業ブースB,B,…の各列の列方向に隣接するスペース(図1の上側)に面し、他の1枚の仕切壁材2は、作業ブースB,B,…の両列間のスペースに面している。2面対面ブースBでは、共用空間Sに面する2枚の仕切壁材1,2のうち、作業ブースB,B,…の各列の列方向に隣接するスペースに面する仕切壁材1が、連通用壁材1で構成されている。連通用壁材1は、1面対面ブースBの連通用壁材1と同様に構成されている。
このように、2面対面ブースBは、1面対面ブースBと同様に、側壁を構成する複数枚の仕切壁材1,2のうちの1枚が連通用壁材1で構成され、該連通用壁材1が共用空間S(作業ブースB,B,…の各列の列方向に隣接するスペース)に面するように配置されている。このことで、各2面対面ブースBは、連通用壁材1の連通口4(開口欄間5の開口5b)が共用空間Sの天井部Cの天井機器A,A,…に臨んでいる構造とされ、該共用空間Sの天井機器A,A,…の動作が連通用壁材1の連通口4を通して作業ブースB内に及ぶようになっている。すなわち、天井機器Aがスプリンクラーの場合、そのスプリンクラーからの水が連通口4を通して作業ブースB内に放出され、換気装置の場合、その換気装置からの空気が連通口4を通して作業ブースB内に流入し、天井機器Aが感知器の場合には、作業ブースB内の煙やガス等が連通口4を通して感知器に届くようになっている。
また、2面対面ブースBにおいても、連通用壁材1に対向する仕切壁材2からなる対向側壁3において、その作業ブースB内面の少なくとも上部に吸音部10が設けられている。吸音部10は、1面対面ブースBの吸音部10と同様に構成され、同様に配置されている。
また、2面対面ブースBでは、共用空間Sに面する隣接する2枚の仕切壁材1,2のうち、連通用壁材1ではない仕切壁材2(天井高壁材2)に、その作業ブースB内を共用空間Sと接続する出入り口15が設けられており、利用者は、この出入り口15を通って、共用空間Sから作業ブースB内に入り又は作業ブースB内から共用空間Sに出るようになっている。この出入り口15は出入り扉16によって開閉される。
図1に示すように、2面対面ブースBにも、各作業ブースB内において出入り口15と反対側(作業ブースBの内奥側)に机21及び椅子22が設置されている。
-作用-
実施形態1では、建物内の室Rの一部が例えば2列に配置された6つの作業ブースB,B,…と、それ以外の共用空間Sとに区画され、共用空間Sの天井部Cに、既に室Rに設置されている天井機器A,A,…の一部が配置されている。6つの作業ブースB,B,…はいずれも、室Rの床部Fに起立する複数枚の仕切壁材1,2が連結されることにより平面視で矩形状に形成され、床面積が0.36m以上4m以下となるように形成されている。各作業ブースBを形成する複数枚の仕切壁材1,2のうちの1枚は、上端部に、作業ブースB内の空間と共用空間Sとを連通する連通口4(開口欄間5の開口5b)が設けられた連通用壁材1で構成されている。そして、6つの作業ブースB,B,…はいずれも、連通口4が設けられた1枚の連通用壁材1が共用空間Sに面するように設置されている。このような構成により、各作業ブースB内は、連通用壁材1の連通口4を介して共用空間Sに連通し、共用空間Sの天井部Cに位置する上記天井機器A,A,…の作動時にその作動が連通口4を介して各作業ブースB内に作用する。例えば天井機器Aがスプリンクラーであれば、スプリンクラーから噴射された水が連通口4,4を介して各作業ブースB内にも降り注ぎ、スプリンクラーの各作業ブースB内に対する作動が阻害されることはなく、その消火動作に伴う効果が作業ブースB内でも確保される。また、例えば、天井機器Aが既存の換気装置であれば、共用空間Sの汚染空気だけでなく、各作業ブースB内の汚染空気も連通口4を通じて換気装置により換気される。さらに、例えば、天井機器Aが既存の空調装置であれば、共用空間Sの空気だけでなく、各作業ブースB内の空気も連通口4を通じて空調装置により温度や湿度が調節される。
このように、作業ブースBの共用空間Sに面する仕切壁材1に開口欄間5の開口5bによる連通口4を形成するだけで、共用空間Sの天井部Cに位置する天井機器Aの作動を各作業ブースB内で利用することができるので、共用空間Sや各作業ブースBの天井部Cは、室Rに作業ブースB,B,…を区画して設置する前の元の室R内の天井部Cをそのままの状態に維持すればよく、天井部Cの構造を変更する大規模な工事は全く不要となる。特に、天井機器Aとして、高額な換気装置や防災設備(スプリンクラー、火災警報器)を別途増設することは不要となる。このことで、作業ブースB,B,…を低いコストで容易に設置することができ、その分、設置効率を上昇させることができる。
一方、上述のように共用空間Sに面する1枚の仕切壁材1が、連通口4を有する連通用壁材1で構成することで、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音が連通口4を介して他の作業ブースB内に侵入する騒音問題が発生する。
しかし、作業ブースBにおいては、連通口4を有する連通用壁材1に対向する対向側壁3の少なくとも上部に吸音部10が設けられている。そのため、一の作業ブースB内で発生した音は、該一の作業ブースBに設けられた吸音部10に吸収され、共用空間Sに漏れる音の音量が軽減する。また、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音は、連通口4を介して他の作業ブースB内に侵入した後、他の作業ブースB内面の連通口4に対向する位置に設けられた吸音部10で吸収されてさらに小さくなる。
ところで、本願発明者等による鋭意研究の結果、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bのそれぞれにおいて吸音部10を設けることにより、平均吸音率を、0.3を超えない範囲で0.1以上増大させると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができることが判った。なお、「2室間の音圧レベル差」とは、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの一方に測定用音源を設置して音源室とする一方、他方を受信室とし、測定用音源から中心周波数125,250,500,1000,2000,4000Hzの試験音(90dBA程度)を発生させ、騒音計で音源室と受信室で音圧を測定して求めた各帯域における音源室と受信室との音圧レベル差の算術平均値を指す。
なお、上述の「共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,B」は、一の作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れた音が反射することなく他の作業ブースBの連通口4から該他の作業ブースB内に侵入する可能性のある位置に配置された2つの作業ブースB,Bを言う。
また、さらなる研究の結果、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に少なくとも一部が対向側壁3の上部(共用空間Sを挟んで対峙する作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れて反射することなく連通口4から侵入した音が反射することなく入射する作業ブースBの内面の対向領域)に配置されるように吸音部10を設けた上で、各作業ブースBに設ける吸音部10の分量を、各作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大させる分量とすると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができることが判った。
そこで、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方(実施形態1では、第1,第4の作業ブースB,B、及び第2,第5作業ブースB,B)の内面に、該作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積の吸音部10を設けることとしている。このような分量の吸音部10を設けることにより、一の作業ブースB内で発生した音は、該一の作業ブースBに設けられた適切な分量(総面積)の吸音部10により、十分に吸収されるため、一の作業ブースBから連通口4を介して共用空間Sに漏れる音の音量が軽減する。また、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音は、共用空間S内の壁に反射する(減衰する)ことなく連通口4を介して共用空間Sを挟んで対峙する他の作業ブースB内に侵入したとしても、該他の作業ブースBに設けられた適切な分量(総面積)の吸音部10により、十分に吸収されることとなる。これにより、他の作業ブースB内において立位又は座位で作業する作業者に伝達される音声の明瞭度が下がり、音声自体は聞こえるものの、内容が聞き取り難くなることが期待される。このことによって、作業ブースBの内部が静かで作業に集中できる快適な音環境に保たれる。
-比較試験-
作業ブースB内の対向側壁3内面に吸音部10を設けることによる音環境の改善効果を検証すべく、図3に示す2面対面ブースBを変形して吸音部10の配置構成の異なる7種類の作業ブースB0~B6を作製して試験1~8を行った。
[作業ブースB0~B6]
作業ブースB0(図示省略)は、対向側壁3の作業ブースB内面に吸音部10を設けないものである。
作業ブースB1は、図4に示すように、対向側壁3の作業ブースB内面に設ける吸音部10を、図3に示すものより小さくしたものである。具体的には、作業ブースB1では、吸音部10が、6枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。作業ブースB1では、吸音部10は、上端が図3に示すものと同様の高さに位置する一方、下端が室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1よりも高い位置に位置するように設けられている。
作業ブースB2は、図5に示すように、対向側壁3の作業ブースB内面に設ける吸音部10を、図3に示すものより小さくしたものである。具体的には、図5では、吸音部10が、9枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。作業ブースB2では、吸音部10は、上端が図3に示すものと同様の高さに位置する一方、下端が室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1よりも低い位置であって図3に示す吸音部10の下端よりも高い位置に位置するように設けられている。
作業ブースB3は、図6に示すように、対向側壁3の作業ブースB内面に設ける吸音部10を、図3に示すものより大きくしたものである。具体的には、図6では、吸音部10が、12枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。作業ブースB3では、吸音部10は、上端が図3に示すものと同様の高さに位置する一方、下端が図3に示す吸音部10の下端よりも低い位置に位置するように設けられている。
作業ブースB4は、図7に示すように、対向側壁3の作業ブースB内面に設ける吸音部10を、図3に示すものより小さくし、設置位置を下側に下げたものである。具体的には、図7では、吸音部10が、9枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。作業ブースB4では、吸音部10は、下端は、図3に示すものと同様に、室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1よりも低い位置に位置する一方、上端が連通口4の下端よりも低い位置に位置するように設けられている。そのため、作業ブースB4では、対向側壁3の作業ブースB内面において連通口4に対向する部分に、吸音部10は設けられていない。
作業ブースB5は、図8に示すように、吸音部10を、図3に示すものより小さくし、対向側壁3の作業ブースB内面ではなく、連通用壁材1に隣接する仕切壁材2の作業ブースB内面に設けたものである。具体的には、図8では、吸音部10が、図5に示す吸音部10と同様に、9枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。仕切壁材2の作業ブースB内面における吸音部10の設置位置は、図5に示す作業ブースB2の対向側壁3の作業ブースB内面における吸音部10の設置位置と同様である。
作業ブースB6は、図9に示すように、吸音部10を、図3に示すものより小さくし、対向側壁3の作業ブースB内面ではなく、連通用壁材1の作業ブースB内面に設けたものである。具体的には、図9では、吸音部10が、図5に示す吸音部10と同様に、9枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。作業ブースB6では、吸音部10は、連通用壁材1の作業ブースB内面において連通口4の直ぐ下側に設けられている。
[試験1~8]
以下の試験1~8を行った。
(試験1)
図1に示す作業ブース設置構造の第2の作業ブースB(図2)及び第3の作業ブースB(図3)の一方に測定用音源(90dBA程度)を設置して音源室とする一方、他方を受信室とし、測定用音源から中心周波数125,250,500,1000,2000,4000Hzの試験音(90dBA程度)を発生させ、騒音計で音源室と受信室で音圧を測定し、2室間の音圧レベル差(各帯域における音源室と受信室との音圧レベル差の算術平均値)を求めた。
試験1の結果、第2及び第3のいずれの作業ブースBから音を発信した場合も、音圧レベル差の改善量(いずれの作業ブースBにも吸音部10を設けない場合と比較)が1dBA以上3dBA未満であり、会話が聞こえにくくなる程度の大きさであった。
(試験2)
図1に示す作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB0に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B0間で試験1と同様の試験を行った。
試験2の結果、第3の作業ブースB0から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA以上3dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA未満であり、受信側で耳を澄ますと発信側の会話が識別できる程度の大きさであった。
(試験3)
図1に示す作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB1(図4)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B1間で試験1と同様の試験を行った。
試験3の結果、第3の作業ブースB1から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA以上3dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA未満であった。
(試験4)
図1に示す作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB2(図5)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B2間で試験1と同様の試験を行った。
試験4の結果、第2及び第3のいずれの作業ブースB,B2から音を発信した場合も、音圧レベル差の改善量が1dBA以上3dBA未満であった。
(試験5)
図1に示す作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB3(図6)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B3間で試験1と同様の試験を行った。
試験5の結果、第3の作業ブースB3から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA以上3dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が3dBA以上5dBA未満であり、発信側で会話していても、受信側では何を言っているか判別不能な程度の大きさであった。
(試験6)
図1に示す作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB4(図7)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B4間で試験1と同様の試験を行った。
試験6の結果、第3の作業ブースB4から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA以上3dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA未満であった。
(試験7)
図1に示す作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB5(図8)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B5間で試験1と同様の試験を行った。
試験7の結果、第3の作業ブースB5から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA以上3dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA未満であった。
(試験8)
図1に示す作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB6(図9)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B6間で試験1と同様の試験を行った。
試験8の結果、第3の作業ブースB6から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA以上3dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA未満であった。
[試験結果の検証]
試験1,2の結果より、吸音部10が設けられた作業ブースB内には、他の作業ブースBでの会話が聞こえにくくなる程度の大きさの音しか伝わらないが、吸音部10が設けられていない作業ブースB0内には、耳を澄ますと、他の作業ブースBでの会話が識別できる程度の大きさの音が伝わることが判った。これにより、吸音部10は、該吸音部10が設置された作業ブースB内から外部へ漏れる音を低減するのではなく、外部から作業ブースB内に侵入する音を低減する効果があることが判った。
また、試験1,3~6の結果より、対向側壁3の作業ブースB内面において、吸音部10が、連通口4に対向する高さ位置から下側へ室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1より低い位置に亘って設けられた作業ブースB(図2,3,5,6)には、他の作業ブースBでの会話が聞こえにくくなる程度の大きさの音しか伝わらないが、吸音部10が小さい(下端が天井高さHの3分の2の高さ位置H1よりも高い位置にくる)作業ブースB3(図4)や対向側壁3の内面の連通口4に対向する部分に吸音部10が設けられない作業ブースB4(図7)には、吸音部10による吸音効果が足りず、耳を澄ますと、他の作業ブースBでの会話が識別できる程度の大きさの音が伝わることが判った。言い換えると、快適な音環境の作業ブースBを形成するには、吸音部10を、対向側壁3の作業ブースB内面において、連通口4に対向する高さ位置から下側へ室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1より低い位置に亘って設ける必要があることが検証された。
また、試験4,7,8の結果より、吸音部10を、対向側壁3ではなく、連通用壁材1や該連通用壁材1に隣接する仕切壁材2の内面に設けても吸音効果が小さく、快適な音環境の作業ブースBを形成できないことが判った。
さらに、試験1~8に際し、各作業ブースBにおける室内音環境が良好か(作業ブースB内で発した声を同作業ブースB内に居る人がはっきりと聞き取れるか)を検証したところ、吸音部10を設けた作業ブースB(図2~9)では、いずれも作業ブースB内で発した声を同作業ブースB内に居る人がはっきりと聞き取れ、室内音環境は良好であった。一方、吸音部10を設けない作業ブースB0では、作業ブースB内で話した声が反響し、聞き取り難いことが判った。
-検証試験-
また、以下の2点の音環境の改善効果を検証すべく、図10,11に示す作業ブース設置構造について試験9,10を行った。
(検証1)共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に吸音部10を設けることにより、平均吸音率を、0.3を超えない範囲で0.1以上増大させると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができるという音環境の改善効果
(検証2)共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に少なくとも一部が対向側壁3の上部に配置されるように吸音部10を設けた上で、各作業ブースBに設ける吸音部10の分量を、各作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大させる分量とすると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができるという音環境の改善効果
[試験用の作業ブース設置構造]
図10に示す作業ブース設置構造は、図1に示す作業ブース設置構造と同様に、室Rの一部に、平面視で矩形状の6つの第1~第6の作業ブースB,B,…が区画されて設置されている。図1に示す作業ブース設置構造では2面対面ブースBであった第3及び第6の作業ブースB,Bは、図10に示す作業ブース設置構造では、1面対面ブースBに構成され、連通口4が形成された連通用壁材1に出入り口15が形成されている。また、図10では、各作業ブースBは、間口1655mm、奥行1700mm、高さ2430mmに構成されている。図10に示す作業ブース設置構造では、各作業ブースBにおいて、吸音部10は、対向側壁3の内面の他、連通用壁材1に隣接する2つの側壁(仕切壁材2又は室Rの壁部W)の内面にも設けられている。各作業ブースBの内部の詳細な構成は、吸音部10の配置位置が異なるのみで、図1の作業ブース設置構造と概ね同様であるので説明を省略する。
図11に示す作業ブース設置構造は、室Rの一部に、平面視で矩形状の4つの作業ブースB,B,…が区画されて設置されている。以下の説明では、4つの作業ブースB,B,…を第11~第14の作業ブースと番号付けし、図11において第11~第14の作業ブースB,B,…の番号を丸数字で示している。
図11に示すように、4つの作業ブースB,B,…は、第11及び第12の作業ブースB,Bと、第13及び第14の作業ブースB,Bとの2つずつに分けられ、2つずつの作業ブースB,Bが直線に並んで互いに平行な2列となり、両列の作業ブースB,B間に間隔が空けられている。両列の列方向の一端(第11及び第13の作業ブースB,Bの側壁)は、室Rの一方側の壁部Wの一部で構成されている。室Rの一部は、上記2列で4つの作業ブースB,B,…と、その作業ブースB,B,…以外のスペースである共用空間Sとに区画されている。図11では、各作業ブースBは、間口1400mm、奥行1750mm、高さ2430mmに構成されている。図11に示す作業ブース設置構造では、各作業ブースBにおいて、吸音部10は、対向側壁3には設けられず、連通用壁材1に隣接する2つの側壁(仕切壁材2又は室Rの壁部W)の内面に設けられている。各作業ブースBの内部の詳細な構成は、吸音部10の配置位置が異なるのみで、図1の作業ブース設置構造と概ね同様であるので説明を省略する。
[試験9,10]
以下の試験9,10について説明する。なお、試験9,10を行う図10,11に示す床面積が0.36m以上4m以下の作業ブースBでは、平均吸音率が0.15未満であると、会話に支障が出やすい響きとなり、平均吸音率が0.15以上0.2未満であると、音は多少響くものの会話に支障が出にくい響きとなり、平均吸音率が0.2以上0.25未満であると、会話に理想的な響きとなり、平均吸音率が0.3を超えると、作業ブースB内で発した声が吸音され過ぎて話し難くなる(大きな声を出しているつもりでも声が聞こえ難くなる)ことが判っている。また、試験9,10を行う図10,11に示す床面積が0.36m以上4m以下の作業ブースBでは、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に吸音部10を設けない場合、各作業ブースBの平均吸音率は0.1以上0.2未満となり、2室間の遮音性能D等級はD-10又はD-15となることが判っている。
(試験9)
図10に示す作業ブース設置構造において、共用空間Sを挟んで対峙する第3及び第6の作業ブースB,Bの一方の第6の作業ブースBに測定用音源を設置して音源室とする一方、他方を受信室とし、測定用音源から中心周波数125,250,500,1000,2000,4000Hzの試験音(90dBA程度)を発生させ、騒音計で第6の作業ブースB(音源室)と第3の作業ブースB(受信室)で音圧を測定し、2室間の音圧レベル差(各帯域における音源室と受信室との音圧レベル差の算術平均値)を求めた。また、残響時間(音が停止してから音圧が60dB減衰するまでの時間)と各作業ブースの容積及び総表面積から各作業ブースの平均吸音率(500Hz帯域及び1000Hz帯域それぞれの帯域における平均吸音率の算術平均値)を求めた。
なお、試験9は、第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に吸音部10を設けない場合(試験9-1)、第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が1.2mの吸音部10(450mm角の6枚の吸音パネル11,11,…)を設けた場合(試験9-2)、第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が2.4mの吸音部10(450mm角の12枚の吸音パネル11,11,…)を設けた場合(試験9-3)、第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が3.6mの吸音部10(450mm角の18枚の吸音パネル11,11,…)を設けた場合(試験9-4)、第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が4.8mの吸音部10(450mm角の24枚の吸音パネル11,11,…)を設けた場合(試験9-5)、の5通りの場合について行った。なお、試験9-2、9-3では、吸音パネル11,11,…を、対向側壁3のみに設け、試験9-4、9-5では、対向側壁3の他、連通用壁材1に隣接する2つの仕切壁材2,2にも設けている。なお、試験9では、吸音部10を設ける場合、いずれの場合にも、吸音部10の少なくとも一部が、対向側壁3の上部(連通口4に対応する位置)に設けられるようにした。
試験9-1の結果、第3の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.145となり、2室間の音圧レベル差は、6.2dBAであった。試験9-2の結果、第3の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.191となり、2室間の音圧レベル差は、12.4dBAであった。試験9-3の結果、第3の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.226となり、2室間の音圧レベル差は、12.8dBAであった。試験9-4の結果、第3の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.247となり、2室間の音圧レベル差は、14.5dBAであった。試験9-5の結果、第3の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.263となり、2室間の音圧レベル差は、16.5dBAであった。
図10に示す作業ブース設置構造では、共用空間Sを挟んで対峙する第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が1.2mの吸音部10を設けると、両作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合に比べて、平均吸音率が0.046増大し、2室間の音圧レベル差が6.2dBA増大した。共用空間Sを挟んで対峙する第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が2.4mの吸音部10を設けると、両作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合に比べて、平均吸音率が0.081増大し、2室間の音圧レベル差が6.6dBA増大した。共用空間Sを挟んで対峙する第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が3.6mの吸音部10を設けると、両作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合に比べて、平均吸音率が0.102増大し、2室間の音圧レベル差が8.3dBA増大した。共用空間Sを挟んで対峙する第3及び第6の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が4.8mの吸音部10を設けると、両作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合に比べて、平均吸音率が0.118増大し、2室間の音圧レベル差が10.3dBA増大した。
(試験10)
図11に示す作業ブース設置構造において、共用空間Sを挟んで対峙する第12及び第14の作業ブースB,Bの一方の第14の作業ブースBに測定用音源を設置して音源室とする一方、他方を受信室とし、測定用音源から中心周波数125,250,500,1000,2000,4000Hzの試験音(90dBA程度)を発生させ、騒音計で第14の作業ブースB(音源室)と第12の作業ブースB(受信室)で音圧を測定し、2室間の音圧レベル差(各帯域における音源室と受信室との音圧レベル差の算術平均値)を求めた。また、残響時間(音が停止してから音圧が60dB減衰するまでの時間)と各作業ブースの容積及び総表面積から各作業ブースBの平均吸音率(500Hz帯域及び1000Hz帯域それぞれの帯域における平均吸音率の算術平均値)を求めた。
なお、試験10は、第12及び第14の作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合(試験10-1)、第12及び第14の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が2.4mの吸音部10(450mm角の12枚の吸音パネル11,11,…)を設けた場合(試験10-2)、第12の作業ブースB(受信室)のみの内面に総面積が4.8mの吸音部10(450mm角の24枚の吸音パネル11,11,…)を設けた場合(試験10-3)、第12及び第14の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が4.8mの吸音部10(450mm角の24枚の吸音パネル11,11,…)を設けた場合(試験10-4)の4通りの場合について行った。
試験10-1の結果、第12の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.18となり、2室間の音圧レベル差は、17.1dBAであった。試験10-2の結果、第12の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.23となり、2室間の音圧レベル差は、21dBAであった。試験10-3の結果、第13の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.3となり、2室間の音圧レベル差は、23.7dBAであった。試験10-4の結果、第13の作業ブースB(受信室)の平均吸音率は、0.3となり、2室間の音圧レベル差は、25.7dBAであった。
図11に示す作業ブース設置構造では、共用空間Sを挟んで対峙する第12及び第14の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が2.4mの吸音部10を設けると、両作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合に比べて、平均吸音率が0.05増大し、2室間の音圧レベル差が3.9dBA増大した。一方、第12及び第14の作業ブースB,Bの両方の内面に総面積が4.8mの吸音部10を設けると、両作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合に比べて、平均吸音率が0.12増大し、2室間の音圧レベル差が8.6dBA増大した。また、第12の作業ブースB(受信室)のみの内面に総面積が4.8mの吸音部10を設けた場合、両作業ブースB,Bの内面に吸音部10を設けない場合に比べて、平均吸音率が0.12増大し、2室間の音圧レベル差が6.6dBA増大した。
[試験結果の検証]
試験9,10の結果より、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に、平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.1以上増大する分量の吸音部10を設けると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができることが判る。
一方、試験10-2と試験10-3の結果より、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に十分でない分量(総面積2.4m)の吸音部10を設けるよりも、受音側の作業ブースBのみの内面に十分な分量(総面積4.8m)の吸音部10を設けた方が、2室間の音圧レベル差の改善量が大きいことが判る。つまり、複数の吸音パネル11,11,…を、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bに割り振る場合、発信側の作業ブースBと受音側の作業ブースBとに均等に割り振るよりも、受音側の作業ブースBに多く設けた方が2室間の音圧レベル差の改善量が大きくなることが判る。
つまり、試験9,10の結果に鑑みると、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.1以上増大する分量の吸音部10を設ければ、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができることが判る。
また、試験9の結果に鑑みると、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に少なくとも一部が対向側壁3の上部に配置されるように吸音部10を設ける場合、各作業ブースBに設ける吸音部10の分量が、各作業ブースBの平均吸音率が0.05以上0.1未満増大する分量であっても、2室間の音圧レベル差を5dBA以上上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク以上上げることに相当)ができることが判る。つまり、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に少なくとも一部が対向側壁3の上部に配置されるように吸音部10を設けた上で、各作業ブースBに設ける吸音部10の分量を、各作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大させる分量とすると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができることが判る。
また、試験9,10の結果より、2室間の遮音性能D等級を1ランク上げるためには、作業ブースB内に設置する吸音部10の分量(作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.1以上増大する分量)が十分であることが重要であるが、吸音部10を連通口4から侵入する音を吸収するのに効果的な位置(試験9では対向側壁3の上部)に設置することにより、2室間の遮音性能D等級を1ランク上げるために必要とされる吸音部10の分量を減らすことができることが判る。
ところで、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bでは、一の作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れた音が反射する(減衰する)ことなく共用空間Sを挟んで対峙する他の作業ブースBの連通口4から当該他の作業ブースB内に侵入する虞がある。そのため、各作業ブースBにおいて、該作業ブースBの内面の、共用空間Sを挟んで対峙する作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れて反射する(減衰する)ことなく連通口4から侵入した音が反射する(減衰する)ことなく入射する対向領域(共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの連通口4が左右にずれることなく対峙している場合、対向側壁3の上部は対向領域に含まれる)に吸音部10の少なくとも一部を設けると、共用空間Sで減衰することなく連通口4から侵入した大きな音は、対向領域にある吸音部10で吸収されて小さくなり、それ以後は他の作業ブース内に伝わるのが抑制される。つまり、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bでは、吸音部10の少なくとも一部を、共用空間Sで減衰することなく各作業ブースB内に侵入した騒音を減じる(吸収する)のに適した位置に設けることにより、吸音部10の分量が少なくとも効果的に連通口4を通じて侵入した騒音(共用空間Sから侵入する音声)を吸収することができるため、2室間の遮音性能D等級を1ランク以上上げることができたものと考えられる。
-実施形態1の効果-
本実施形態1の作業ブース設置構造では、建物内の室Rの一部に、床面積が0.36m以上4m以下の2つの作業ブースB,B(図1では、第1及び第4作業ブースB,B、又は第2及び第5作業ブースB,B)が、共用空間Sを挟んで対峙するように設置されている。各作業ブースBは、複数枚の仕切壁材1,2,…又は該複数枚の仕切壁材1,2,…と室Rの壁部Wとによって周囲が取り囲まれることにより室Rの一部に区画形成されている。各作業ブースBを形成する複数枚の仕切壁材1,2,…のうちの1枚は、上端部又は上側に作業ブースB内外を連通する連通口4が設けられる連通用壁材1であり、連通用壁材1以外は室Rの床部Fから天井部Cに至る高さの天井高壁材2である。そして、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bは、連通口4が設けられた1枚の連通用壁材1が共用空間Sに面するように設置されている。そのため、各作業ブースB内は、連通用壁材1の連通口4を介して共用空間Sに連通し、作業ブースB内及び共用空間Sの一方(実施形態1では共用空間S)に設けられた既存の天井機器Aの作動時にその動作が連通口4を通して他方(実施形態1では作業ブースB内)にも及ぶようになる。また、既存の天井機器Aが一の作業ブースB内にのみ設けられている場合にも、一の作業ブースB内に設けられた天井機器Aの動作が共用空間Sを介して他の作業ブースB内にも及ぶようになる。例えば天井機器Aが共用空間Sに設けられた既存のスプリンクラーであれば、スプリンクラーから噴射された水が連通口を介して各作業ブースB内に降り注ぎ、スプリンクラーの各作業ブースB内に対する作動が阻害されることはなくなる。また、例えば天井機器Aが一の作業ブースB内に設けられた既存の換気装置であれば、一の作業ブース内の汚染空気だけでなく、共用空間S及び他の作業ブースB内の汚染空気も連通口を通じて換気装置により換気される。さらに、例えば天井機器Aが一の作業ブースB内に設けられた既存の空調装置であれば、一の作業ブースB内の空気だけでなく、共用空間S及び他の作業ブースB内の空気も連通口を通じて空調装置により温度や湿度が調節される。
また、連通用壁材1は共用空間Sに面しているので、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音が連通用壁材1の連通口4を介して共用空間Sに対峙する他の作業ブースB内に侵入する騒音問題が発生する。共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bには、一の作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れた音が共用空間Sの壁に反射して又は反射することなく他の作業ブースBの連通口4から該他の作業ブースB内に侵入する可能性があるが、特に、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音が共用空間Sの壁に反射する(減衰する)ことなく連通口4から他の作業ブースB内に侵入する場合が問題となる。
しかし、本実施形態1の作業ブース設置構造では、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bのそれぞれの内面に吸音部10を設けることとしている。そのため、一の作業ブースB内で発生した音は、該一の作業ブースBに設けられた吸音部10に吸収され、共用空間Sに漏れる音の音量が軽減する。また、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音が、共用空間Sを挟んで対峙する他の作業ブースB内に侵入したとしても、該他の作業ブースBに設けられた吸音部10に吸収されてさらに小さくなる。
また、本実施形態1の作業ブース設置構造では、各作業ブースBにおいて、吸音部10の少なくとも一部を、連通用壁材1に対向する対向側壁3の少なくとも上部に設けることとしている。実施形態1の第1及び第4の作業ブースB,Bや第2及び第5の作業ブースB,Bのように、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの連通口4が左右にずれることなく対峙している場合、対向側壁3の上部は、共用空間Sを挟んで対峙する作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れて反射することなく連通口4から侵入した音が反射することなく入射する対向領域となる。そのため、各作業ブースBにおいて、吸音部10の少なくとも一部を対向側壁3の少なくとも上部に設けることにより、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音が、共用空間S内の壁に反射することなく連通口4から共用空間Sを挟んで対峙する他の作業ブースB内に侵入したとしても、該他の作業ブースBの対向側壁3の上部に設けられた吸音部10に吸収されてさらに小さくなる。
つまり、本実施形態1の作業ブース設置構造では、各作業ブースBにおいて、吸音部10の少なくとも一部を、共用空間Sで減衰することなく作業ブースB内に侵入した騒音を減じるのに適した位置(対向側壁3の上部)に設けることとしている。そのため、共用空間Sで減衰することなく連通口4を通じて侵入した騒音が、適切な位置にある吸音部10に吸収されることによって、立位又は座位で作業する作業者に伝達される音声の明瞭度が下がり、音声自体は聞こえるものの、内容が聞き取り難くなることが期待される。よって、共用空間Sに連通する連通口4があっても、作業ブースBの内部を静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる。
さらに、実施形態1によれば、各作業ブースBの1枚の連通用壁材1に連通口4を形成して各作業ブースBの内面に少なくとも一部が対向側壁3の上部(対向領域)に配置されるように吸音部10を設けるだけで、上記のような音環境を形成することができるため、共用空間Sや作業ブースBの天井部Cは、作業ブースBを設置する前の元の室Rの天井部Cをそのままの状態に維持すればよく、消火設備や換気設備を考慮した天井部Cの構造を変更する複雑な設計や大掛かりな大規模工事は全く不要となる。このことで、作業ブースBを低いコストで容易に設置することができ、その分、設置効率が上昇する。
また、実施形態1の作業ブース設置構造では、対向側壁3において、吸音部10が、連通口4に対向する高さ位置から下側へ天井高Hの3分の2の高さ位置H1よりも低い位置に亘って設けられている。このように、吸音部10を対向側壁3の作業ブースB内面において該内面を高さ方向に3等分した上段部から中段部に亘るように広く設けることにより、吸音部10を対向側壁3の作業ブースB内面の連通口4に対向する上部だけに設ける場合に比べ、共用空間Sから連通口4を介して作業ブースB内に侵入した音が吸音部10でより吸収されてより小さくなる。よって、作業ブースBの内部に侵入した音声の明瞭度を下げる(音声の内容を聞き取り難くする)ことができ、これにより、作業ブースB内をより一層静かで作業に集中できるより快適な音環境に保つことができる。また、吸音部10が上部だけでなく下側の広い範囲に設けられるため、座位の作業者の耳の高さ付近の音まで吸音部10で吸収することができる。よって、本実施形態1の作業ブース設置構造によれば、座位で集中して作業を行う作業者に対する騒音対策効果がより高まる。
ところで、本願発明者等による鋭意研究の結果、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの両方の内面に少なくとも一部が対向側壁3の上部(対向領域)に配置されるように吸音部10を設けた上で、各作業ブースBに設ける吸音部10の分量を、各作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大させる分量とすると、2室間の音圧レベル差を5dBA程度上げること(2室間の遮音性能D等級を1ランク上げることに相当)ができることが判った。
そこで、本実施形態1の作業ブース設置構造では、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの内面に、各作業ブースBの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積の吸音部10を、少なくとも一部が対向側壁3の上部に配置されるように設けることとしている。このような分量の吸音部10を上記位置に設けることにより、各作業ブースBの平均吸音率が0.05以上増大し、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,B間の遮音性能D等級を1ランク上げることができる。そのため、一の作業ブースB内で発生した音は、該一の作業ブースBに設けられた適切な分量(総面積)の吸音部10により、十分に吸収されるため、一の作業ブースBから連通口4を介して共用空間Sに漏れる音の音量が軽減する。また、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音が、共用空間S内の壁に反射することなく連通口4を介して共用空間Sを挟んで対峙する他の作業ブースB内に侵入した騒音が、適切な分量(総面積)の吸音部10により、十分に吸収されることとなる。これにより、他の作業ブースB内において立位又は座位で作業する作業者に伝達される音声の明瞭度が下がり、音声自体は聞こえるものの、内容が聞き取り難くなることが期待される。よって、共用空間Sに連通する連通口4があり、さらに、共用空間Sを挟んで対峙する作業ブースBがあっても、作業ブースBの内部を静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる。
また、本実施形態1の作業ブース設置構造では、吸音部10が、700mm以上の高さに設けられている。通常、机の上面の高さは700mm程度の高さにあり、立位又は座位で作業する作業者の耳は、700mm以上の高さにあると想定される。そのため、吸音部10を700mm以上の高さに設けることにより、作業者の耳の高さ付近の音を効率よく吸収することができる。よって、作業ブースBの内部に侵入した音声の明瞭度を下げる(音声の内容を聞き取り難くする)ことができ、これにより、作業ブースB内をより快適な音環境に保つことができる。
また、本実施形態1の作業ブース設置構造では、吸音部10の少なくとも一部が、900mm以上1500mm以下の高さに設けられている。座位で作業する作業者の耳は、900mm以上1500mm以下の高さにあると想定される。そのため、吸音部10の少なくとも一部を900mm以上1500mm以下の高さに設けることにより、座位で作業する作業者の耳の高さ付近の音を効率よく吸収することができる。よって、作業ブースBの内部に侵入した音声の明瞭度を下げる(音声の内容を聞き取り難くする)ことができ、これにより、作業ブースB内をより快適な音環境に保つことができる。
また、実施形態1の作業ブース設置構造では、吸音部10が着脱可能な複数枚の吸音パネル11,11,…で構成されているので、その吸音パネル11,11,…の数や位置を変更することで、吸音部10の位置や面積等を容易に調整することができる。
また、実施形態1の作業ブース設置構造では、1面対面ブースBでは、連通用壁材1に出入り口15を設けることとしている。このように連通口4と出入り口15が設けられた仕切壁材1を用いることにより、1枚の仕切壁材1しか共用空間Sに面しない作業ブースB(1面対面ブースB)を区画することができ、その分、設置効率が上昇する。
また、実施形態1の作業ブース設置構造では、2面対向ブースBでは、連通用壁材1に隣接する仕切壁材2に出入り口15を設けることとしている。このように連通口4と出入り口15とを別々の仕切壁材1,2に設けることにより、連通口4と出入り口15とを、共用空間Sに面する2枚の仕切壁材1,2の中から、作業ブースB内の音環境により良い影響を及ぼす好ましい位置に設けることができる。
また、実施形態1の作業ブース設置構造では、連通用壁材1の上端部に、枠5a内に開口5bを有する開口欄間5を設けることとしている。このような構成により、連通用壁材1の高さを天井高Hの他の仕切壁材2に合わせることができ、仕切壁材1,2の高さの揃った作業ブースBが得られる。
また、実施形態1の作業ブース設置構造では、各作業ブースBにおいて、該作業ブースBの体積及び吸音部10の設置位置によって異なる予め算定された必要面積以上の総面積となるように吸音部10が設けられている。よって、作業ブース内を確実に快適な音環境に保つことができる。
《実施形態2》
図12及び図13は本発明の実施形態2を示す。なお、以下では、図1~3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施形態は、実施形態1の作業ブース設置構造に変更を加えたものであり、開口欄間5を有する連通用壁材1において、開口欄間5下側の作業ブースB内面にも開口下側吸音部12が設けられている。この吸音部12は、対向側壁3の吸音部10と同様に、連通用壁材1に対して着脱可能な複数枚の吸音パネル11,11,…を並べた構造であるが、対向側壁3の吸音部10に比べそれよりも吸音パネル11の枚数が少なく、相対的に小さい面積となっている。開口下側吸音部12は、例えば、図12に示す1面対面ブースBでは、連通用壁材1の内面に300mm角の4枚の吸音パネル11,11,…が横方向に4枚、高さ方向に1列に並べられて固定されている。また、図13に示す2面対面ブースBでは、連通用壁材1の内面に450mm角の3枚の吸音パネル11,11,…が横方向に3枚、高さ方向に1列に並べられて固定されている。その他の構成は実施形態1と同様である。
したがって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果が得られる。特に、この実施形態の場合、対向側壁3内面の吸音部10だけでなく、開口欄間5の開口5b(連通口4)下側の連通用壁材1内面にも吸音部12が追加して設けられ、この吸音部12は対向側壁3に対向した位置にあるので、仮に、開口欄間5の開口5b(連通口4)から作業ブースB内に侵入した音が対向側壁3上部の吸音部10で吸収されずに一部が反射されたとしても、その反射した侵入音は、対向側壁3に対向する開口欄間5下側の吸音部12で吸収される。このことで、作業ブースBの内部に侵入する音が全体としてさらに小さくなり、ブースB内に侵入した音声の明瞭度を下げる(音声の内容を聞き取り難くする)ことができ、これにより、作業ブースB内をより一層静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる利点が生じる。
-比較試験-
作業ブースB内の対向側壁3内面及び連通用壁材1に吸音部10,12を設けることによる音環境の改善効果を検証すべく、図13に示す2面対面ブースBを変形して吸音部10,12の配置構成の異なる4種類の作業ブースB11~B14を作製して試験11~15を行った。
[作業ブースB11~B14]
作業ブースB11は、図14に示すように、対向側壁3の作業ブースB内面に設ける吸音部10を、図13に示すものより小さくしたものである。具体的には、作業ブースB11では、吸音部10が、6枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。作業ブースB1では、吸音部10は、上端が図13に示すものと同様の高さに位置する一方、下端が室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1よりも高い位置に位置するように設けられている。
作業ブースB12は、図15に示すように、対向側壁3の作業ブースB内面に設ける吸音部10を、図13に示すものより小さくしたものである。具体的には、図15では、吸音部10が、9枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。作業ブースB12では、吸音部10は、上端が図13に示すものと同様の高さに位置する一方、下端が室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1よりも低い位置であって図13に示す吸音部10の下端よりも高い位置に位置するように設けられている。
作業ブースB13は、図16に示すように、連通用壁材1の作業ブースB内面に設ける吸音部12を、図13に示すものより大きくしたものである。具体的には、図16では、吸音部12が、450mm角の6枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。6枚の吸音パネル11,11,…は、横方向に3枚、高さ方向に2列に並べられて固定されている。
作業ブースB14は、図17に示すように、連通用壁材1の作業ブースB内面に設ける吸音部12を、図13に示すものより大きくしたものである。具体的には、図17では、吸音部12が、450mm角の9枚の吸音パネル11,11,…で構成されている。9枚の吸音パネル11,11,…は、横方向に3枚、高さ方向に3列に並べられて固定されている。
[試験11~15]
以下の試験11~15を行った。
(試験11)
実施形態1の試験1と同様に、実施形態2の作業ブース設置構造の第2の作業ブースB(図12)及び第3の作業ブースB(図13)の一方に測定用音源(90dBA程度)を設置して音源室とする一方、他方を受信室とし、測定用音源から中心周波数125,250,500,1000,2000,4000Hzの試験音(90dBA程度)を発生させ、騒音計で音源室と受信室で音圧を測定し、2室間の音圧レベル差(各帯域における音源室と受信室との音圧レベル差の算術平均値)を求めた。
試験11の結果、第2及び第3のいずれの作業ブースBから音を発信した場合も、音圧レベル差の改善量(いずれの作業ブースBにも吸音部10,12を設けない場合と比較)が3dBA以上5dBA未満であり、発信側で会話していても、受信側では何を言っているか判別不能な程度の大きさであった。
(試験12)
実施形態2の作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB11(図14)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B11間で試験11と同様の試験を行った。
試験12の結果、第3の作業ブースB11から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が3dBA以上5dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dBA未満であり、受信側で耳を澄ますと発信側の会話が識別できる程度の大きさであった。
(試験13)
実施形態2の作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB12(図15)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B12間で試験11と同様の試験を行った。
試験13の結果、第3の作業ブースB12から音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が3dBA以上5dBA未満であったが、第2の作業ブースBから音を発信した場合は、音圧レベル差の改善量が1dB以上3dBA未満であった。
(試験14)
実施形態2の作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB13(図16)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B13間で試験11と同様の試験を行った。
試験14の結果、第2及び第3のいずれの作業ブースB,B13から音を発信した場合も、音圧レベル差の改善量が3dBA以上5dBA未満であった。
(試験15)
実施形態2の作業ブース設置構造において第3の作業ブースBを作業ブースB14(図17)に変更し、第2及び第3の作業ブースB,B14間で試験11と同様の試験を行った。
試験15の結果、第2及び第3のいずれの作業ブースB,B13から音を発信した場合も、音圧レベル差の改善量が3dBA以上5dBA未満であった。
[試験結果の検証]
試験11~15の結果より、対向側壁3の作業ブースB内面において連通口4に対向する高さ位置から下側へ室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1より低い位置に亘って吸音部10を設けた上で、さらに連通用壁材1の開口欄間5下側の作業ブースB内面にも吸音部12を設けた作業ブースB(図12,13,15~17)には、発信側で会話していても、受信側では何を言っているか判別不能な程度の大きさの音しか伝わらないが、対向側壁3に設けられた吸音部10が小さい(下端が天井高さHの3分の2の高さ位置H1よりも高い位置にくる)作業ブースB11(図14)には、吸音部10,12による吸音効果が足りず、耳を澄ますと、他の作業ブースBでの会話が識別できる程度の大きさの音が伝わることが判った。言い換えると、快適な音環境の作業ブースBを形成するには、連通用壁材1の開口欄間5下側の作業ブースB内面に吸音部12を設けるとしても、吸音部10を、対向側壁3の作業ブースB内面において、連通口4に対向する高さ位置から下側へ室Rの天井高Hの3分の2の高さ位置H1より低い位置に亘って設ける必要があることが検証された。
また、試験11~15に際し、各作業ブースBにおける室内音環境が良好か(作業ブースB内で発した声を同作業ブースB内に居る人がはっきりと聞き取れるか)を検証したところ、吸音部10,12を設けた作業ブースB(図12~17)では、いずれも作業ブースB内で発した声を同作業ブースB内に居る人がはっきりと聞き取れた。一方、吸音パネル11の枚数が21枚と多い作業ブースB14(図17)では、作業ブースB内で発した声が吸音パネル11に吸音され過ぎ、話し難く(大きな声を出しているつもりでも大きな声が出ていない)、室内音環境は良好とは言えない状況であった。
以上により、実施形態2においても実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。また、実施形態2では、連通口4下側の連通用壁材1の内面にも吸音部12が設けられ、この吸音部12は対向側壁3に対向した位置にあるので、仮に、連通口4から作業ブースB内に侵入した音が全て対向側壁3の上部の吸音部10で吸収されずに一部が反射されたとしても、その反射した侵入音は、対向側壁3に対向する連通口4下側の吸音部12で吸収される。このことで、作業ブースBの内部に侵入した音がさらに小さくなり、作業ブースB内をより一層静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる。
《実施形態3》
図18は本発明の実施形態3を示す。なお、以下では、図1,2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。実施形態3は、実施形態1の作業ブース設置構造において、各作業ブースBに設けられる吸音部10の一部を、天井部Cから吊り下げられた吸音パネル17で構成したものである。吸音パネル17は、連通口4に対応する高さに配置されるように吊り下げられている。
実施形態3によれば、各作業ブースBにおいて、天井部Cから吊り下げられた吸音パネル17により、吸音部10の少なくとも一部が作業ブースB内の上部に設けられるため、共用空間Sから連通口4を介して作業ブースB内に侵入した音を、侵入直後に吸音部10に吸収させることができる。よって、共用空間Sから連通口4を介して作業ブースB内に侵入した音を効率よく吸音部10に吸収させることができる。
《実施形態4》
図19及び図20は本発明の実施形態4を示す。なお、以下では、図1~3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。実施形態4は、実施形態1の作業ブース設置構造において、連通用壁材1の上端部に位置する開口欄間5をなくしたものである。
この実施形態では、連通用壁材1の上端部に開口欄間5は設けられておらず、連通用壁材1は、上端の高さ位置が天井高さよりも500~700mm程度低いいわゆるローパーティションで構成されている。このことで連通用壁材1の上端と室Rの天井部Cとの間に空間(間隔)が形成され、この空間により連通用壁材1の上側に高さh(500~700mm)の連通口4が構成されている。その他の構成は実施形態1と同じである。
以上により、実施形態4においても実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。また、実施形態4では、連通用壁材1を、天井高壁材2よりも低いローパーティションにするだけで、作業ブースB用の連通口4を形成することができ、その連通口4の形成が容易になる。
なお、この実施形態4において、実施形態2と同様に、連通口4下側の連通用壁材1内面に開口下側吸音部12を設けてもよい。
《実施形態5》
図21は本発明の実施形態5を示す。なお、以下では、図1~3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。実施形態5は、実施形態1の作業ブース設置構造において、室R内に、2列に並ぶ複数(図21では6つ)の作業ブースB,B,…と、両列間のスペース(共用空間Sの一部であり、以降、「エリア内共用空間」と言う)とを一纏まりとして、その周囲を仕切壁材2,6で取り囲んで室Rの他の部分(共用エリアX0)から隔離された作業エリアX1,X2を区画形成するものである。なお、共用エリアX0には、例えば数人から数十人が作業を行えるように複数のテーブルセットやソファー等が配置されている。つまり、実施形態5では、室Rは、個人で集中して作業するための作業ブースB,B,…が集まる作業エリアX1,X2と、それ以外の数人から数十人が作業を行える共用エリアX0とに区画されている。
この実施形態では、各作業エリアX1,X2内に設けられる6つの作業ブースB,B,…はいずれも、エリア内共用空間の天井部Cに設けられた天井機器Aの作動時にその作動が連通口4を介して作業ブースB内に作用するように、エリア内共用空間に対面する側壁が、上端部に連通口4が設けられた連通用壁材1で構成されている。これに対応し、各作業エリアX1,X2内に設けられる6つの作業ブースB,B,…はいずれも、エリア内共用空間に対面する連通用壁材1に対向する対向側壁3の内面に吸音部10が設けられている。
また、各作業エリアX1,X2は、エリア内共用空間の両端に仕切壁材6を設けることにより、室R内において共用エリアX0から隔離された閉空間となっている。仕切壁材6は、仕切壁材2と同様に室Rの床部Fから天井部Cに至る高さの天井高壁材で構成されている。なお、仕切壁材6は、遮音機能を有することが好ましい。図21に示すように、仕切壁材6には、出入り口が形成され、扉が設けられている。その他の構成は実施形態1と同じである。
以上により、実施形態5においても実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。また、実施形態5では、室R内において作業エリアX1,X2を共用エリアX0から隔離されるように区画することにより、連通口4を介して各作業ブースB内に侵入する音が、該作業ブースBが設けられた各作業エリアX1,X2内の騒音だけになるので、各作業ブースB内に侵入する騒音を最小限にすることができる。具体的には、各作業ブースBの連通口4は、エリア内共用空間に向かって開口しているので、各作業ブースB内には、エリア内共用空間で発生した騒音、他の作業ブースBで発生し、該作業ブースB内の吸音部10で吸音されて小さくなって連通口4を介してエリア内共用空間に漏れ出した騒音のみが侵入し、作業エリアX1,X2の外部(共用エリアX0及び他の作業エリアX2,X1)で発生した騒音は侵入しないので、各作業ブースB内に侵入する騒音を最小限にすることができる。
なお、エリア内共用空間を共用エリアX0から仕切る仕切壁材6は、騒音の侵入を抑制する観点からは連通口4を設けないことが好ましいが、天井機器Aを共有する必要に応じて連通口4を設けることも可能である。
また、作業エリアX1,X2内の構成は、本実施形態のものに限られない。作業エリアX1,X2内は、エリア内共用空間と連通口4がエリア内共用空間に開口するように配置された複数の作業ブースB,B,…とが配置され、各作業ブースBとエリア内共用空間とで天井機器Aを共用する構成であればいかなる構成であってもよい。さらに、室R内において区画される作業エリアX1,X2の個数は実施形態5の2つに限られず、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
なお、この実施形態5においても、実施形態2と同様に、連通口4下側の連通用壁材1内面に開口下側吸音部12を設けてもよく、実施形態4と同様に、連通用壁材1の上端部に位置する開口欄間5をなくしてもよい。
《実施形態6》
図22は本発明の実施形態6を示す。なお、以下では、図1,2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。実施形態6の作業ブース設置構造は、実施形態1の作業ブース設置構造を変更したものである。
具体的には、実施形態6の作業ブース設置構造では、第1~第6の作業ブースB,B,…は全て1面対向ブースで形成されている。第1~第6の作業ブースB,B,…は、共用空間Sを挟んで対峙する作業ブースB,Bと連通口4が互いに対向しないように左右にずれた位置に設けられている。
また、図22に示すように、実施形態6の作業ブース設置構造では、第1~第6の作業ブースB,B,…の連通用壁材1,1に共用空間Sを挟んで対向する共用対向壁に吸音部20が設けられている。なお、図22では、第1~第3の作業ブースB,B,Bの共用対向壁は、第4~第6の作業ブースB,B,Bの連通用壁材1,1,1であり、第4~第6の作業ブースB,B,Bの共用対向壁は、第1~第3の作業ブースB,B,Bの連通用壁材1,1,1である。吸音部20は、各作業ブースBの連通口4に対向する位置に設けられている。吸音部20は、吸音部10と同様に、複数の吸音パネル11によって構成されている。なお、吸音部20は、仕切壁材1に一体的に埋め込まれた吸音体で構成してもよい。
以上のように、実施形態6の作業ブース設置構造では、各作業ブースB,Bの内面だけでなく、各作業ブースBの連通用壁材1,1に共用空間Sを挟んで対向する共用対向壁の各連通口4に対向する位置にも吸音部20を設けることとしている。このような構成により、各作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れた音は、共用対向壁の連通口4に対向する位置に設けられた吸音部20に吸収されることとなる。これにより、一の作業ブースBから共用空間Sに漏れた音が、他の作業ブースBに侵入するのを抑制することができる。よって、作業ブースBの内部をより静かで作業に集中できる快適な音環境に保つことができる。
《その他の実施形態》
本発明は上記各実施形態に限定されず、種々の変形の実施形態を包含している。例えば、上記実施形態では、仕切壁材1,2をスチール等の不燃材料で構成しているが、仕切壁材1,2を天井部Cに固定しない構造の場合には、仕切壁材1,2は家具と見做されるので、不燃材料以外の材料で構成することができる。
また、上記各実施形態では、共用空間Sの天井部Cに設けられた既存の天井機器Aを、共用空間Sと作業ブースB内とで共用できる(共用空間Sの天井機器Aの動作が連通口4を通して作業ブースB内に及ぶ)ように作業ブースBを配置する例について説明したが、本発明に係る作業ブース設置構造はこれに限られない。逆に、各作業ブースB内の天井部Cに設けられた既存の天井機器Aを、共用空間Sと作業ブースB内とで共用できる(各作業ブースB内の天井機器Aの動作が連通口4を通して共用空間Sに及ぶ)ように作業ブースBを配置することとしてもよい。
また、上記各実施形態では、吸音部10,12を仕切壁材1,2に対し吸着により着脱される複数の吸音パネル11,11,…で構成しているが、仕切壁材1,2に一体的に埋め込まれた吸音体で構成してもよい。
また、上記各実施形態では、吸音部10,12を仕切壁材1,2の内面に設けていたが、吸音部10,12は、出入り口15に設けられた扉16に設けてもよい。その場合、吸音パネル11を扉16の内面に設けることとしてもよく、扉16の内面側に吸音体を一体的に埋め込むこととしてもよい。
また、上記各実施形態では、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bにおいて、対向側壁3の上部が、作業ブースBの内面の対向領域(共用空間Sを挟んで対峙する他の作業ブースBの連通口4から共用空間Sに漏れて反射することなく連通口4から侵入した音が反射することなく入射する領域)に含まれるため、吸音部10を、少なくとも一部が対向側壁3の上部に配置されるように作業ブースBの内面に設置していた。しかしながら、吸音部10の設置場所は上記各実施形態のものに限られない。作業ブースBの内面において上記対向領域が、対向側壁3の内面以外の内面(例えば、対向側壁3に隣接する仕切壁材2)にあるときは、当該箇所に少なくとも一部が設けられればよい。また、共用空間Sを挟んで対峙する作業ブースBが2つ以上ある場合、共用空間Sを挟んで対峙する各作業ブースBに対する対向領域にそれぞれ吸音部10の一部が設けられていることが好ましい。
また、上記各実施形態では、対向側壁3が仕切壁材(天井高壁材)2で構成されていたが、対向側壁3は、室Rの壁部Wの一部で構成されていてもよい。連通用壁材1に対向する側壁が室Rの壁部Wの一部で構成されている場合、室Rの壁部Wの一部が対向側壁3となり、室Rの壁部Wの一部の作業ブースB内面の少なくとも上部に吸音部10を設ければよい。
さらに、各作業ブースB内、例えば机21下側の仕切壁材に、該作業ブースB内に対し暗騒音やマスキング音を出す音響装置を設置することもでき、その場合、作業ブースB内の音環境がさらに好適になる。また、上記各実施形態では、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,Bの内面に平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積の吸音部を設けることで、共用空間Sを挟んで対峙する2つの作業ブースB,B間の遮音性能D等級を1ランク以上上げている。そのため、比較的低音量の暗騒音やマスキング音を発生させるだけで、連通口4を介して作業ブースB内に侵入した騒音を聞こえ難くすることができる。よって、発生させる暗騒音やマスキング音の音量が大きくなりすぎて騒音となるようなことがない。
また、室Rの一部に設置される作業ブースBは、その設置数やレイアウトを変更してもよく、室Rの一部が作業ブースBとそれ以外の共用空間Sとに分けられるように設置すればよい。
本発明は、広い室内に小スペースの作業ブースを設置するときに、天井部の工事が不要で、既存の天井機器をそのまま利用して設置でき、設置効率が高いので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
1 連通用壁材(仕切壁材)
2 天井高壁材(仕切壁材)
3 対向側壁(仕切壁材、室の壁部の一部)
4 連通口
5 開口欄間
10 吸音部
11 吸音パネル
20 吸音部
A 共用機器
B 作業ブース
C 天井部
F 床部
R 室
S 共用空間
W 壁部

Claims (9)

  1. 天井部に天井機器が設けられている建物内の室の一部に、該室の床部で起立する複数枚の仕切壁材又は該複数枚の仕切壁材と上記室の壁部とによって周囲が取り囲まれた床面積が0.36m以上4m以下の2つの作業ブースが共用空間を挟んで対峙するように設置されている作業ブース設置構造であって、
    上記各仕切壁材は、上記室の床部に載置又は固定され、該各仕切壁材の側端部は、隣接する他の上記仕切壁材の側端部又は上記室の壁部に固定され、
    上記各作業ブースを形成する上記複数枚の仕切壁材のうちの1枚は、上端部又は上側に上記作業ブース内外を連通する連通口が設けられた連通用壁材であり、該連通用壁材以外の上記仕切壁材は、上記室の床部から天井部に至る高さの天井高壁材であり、
    上記各作業ブースは、上記連通用壁材が上記共用空間に面し、該作業ブース内及び上記共用空間の一方に設けられた上記天井機器の動作が上記連通口を通して他方にも及ぶように設置され、
    上記2つの作業ブースは、一の上記作業ブースの上記連通口から上記共用空間に漏れた音が反射することなく他の上記作業ブースの上記連通口から該他の作業ブース内に侵入する可能性のある位置に配置され、
    上記各作業ブースの内面には吸音部が設けられ、
    上記各作業ブースにおいて、上記吸音部の少なくとも一部は、該吸音部が設けられる上記作業ブースの内面の、該作業ブースに上記共用空間を挟んで対峙する上記作業ブースの上記連通口から上記共用空間に漏れて反射することなく上記連通口から侵入した音が反射することなく入射する対向領域に設けられ
    上記吸音部は、該吸音部が設けられる上記作業ブースの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積の吸音部が設けられ、
    上記吸音部は、700mm以上の高さに設けられている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  2. 天井部に天井機器が設けられている建物内の室の一部に、該室の床部で起立する複数枚の仕切壁材又は該複数枚の仕切壁材と上記室の壁部とによって周囲が取り囲まれた床面積が0.36m以上4m以下の2つの作業ブースが共用空間を挟んで対峙するように設置されている作業ブース設置構造であって、
    上記各仕切壁材は、上記室の床部に載置又は固定され、該各仕切壁材の側端部は、隣接する他の上記仕切壁材の側端部又は上記室の壁部に固定され、
    上記各作業ブースを形成する上記複数枚の仕切壁材のうちの1枚は、上端部又は上側に上記作業ブース内外を連通する連通口が設けられた連通用壁材であり、該連通用壁材以外の上記仕切壁材は、上記室の床部から天井部に至る高さの天井高壁材であり、
    上記各作業ブースは、上記連通用壁材が上記共用空間に面し、該作業ブース内及び上記共用空間の一方に設けられた上記天井機器の動作が上記連通口を通して他方にも及ぶように設置され、
    上記2つの作業ブースは、一の上記作業ブースの上記連通口から上記共用空間に漏れた音が反射することなく他の上記作業ブースの上記連通口から該他の作業ブース内に侵入する可能性のある位置に配置され、
    上記各作業ブースの内面には吸音部が設けられ、
    上記各作業ブースにおいて、上記吸音部の少なくとも一部は、該吸音部が設けられる上記作業ブースの上記連通用壁材に対向する上記仕切壁材又は上記室の壁部からなる対向側壁の少なくとも上部に設けられ
    上記吸音部は、該吸音部が設けられる上記作業ブースの平均吸音率が0.3を超えない範囲で0.05以上増大するのに必要な面積以上の総面積の吸音部が設けられ、
    上記吸音部は、700mm以上の高さに設けられている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  3. 請求項1又は2に記載の作業ブース設置構造において、
    上記吸音部の少なくとも一部は、900mm以上1500mm以下の高さに設けられている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  4. 請求項1又は2に記載の作業ブース設置構造において、
    上記吸音部の少なくとも一部は、着脱可能な複数枚の吸音パネルによって構成されている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  5. 請求項1又は2に記載の作業ブース設置構造において、
    上記吸音部の少なくとも一部は、上記仕切壁材に一体的に埋め込まれた吸音体である
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  6. 請求項1又は2に記載の作業ブース設置構造において、
    上記連通用壁材の上端部には、枠内に開口を有する開口欄間が設けられ、
    上記連通口は、上記開口欄間の開口で構成されている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  7. 請求項1又は2に記載の作業ブース設置構造において、
    上記連通用壁材は、高さが上記室の天井部よりも低く、該連通用壁材の上端部と上記室の天井部との間の空間で上記連通口が構成されている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  8. 請求項1又は2に記載の作業ブース設置構造において、
    上記天井高壁材は、上記室の天井部に固定されている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
  9. 請求項1又は2に記載の作業ブース設置構造において、
    上記2つの作業ブースの上記連通用壁材に上記共用空間を挟んでそれぞれ対向する2つの共用対向壁には、上記2つの作業ブースの各連通口に対向する位置に吸音部が設けられている
    ことを特徴とする作業ブース設置構造。
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