JP7356210B2 - スカム処理ロボット - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、スカム層を除去する方法において、スカム層を形成しやすい部分の水面下にスプレーノズルを埋設して、スプレーノズルから洗浄水を水平方向に噴射して表層流を発生させ、表層流に連れて流れ込むスカムをスプレーノズル噴射される洗浄水によって破砕する方法が記載されている。
具体的には、以下のスカム処理ロボットである。
このスカム処理ロボットによれば、スカムを処理するための処理部が自走可能であるため、処理槽の全域にスカム処理部を移動させて、スカムを除去することができる。
また、このスカム処理ロボットによれば、小型化することができるため、簡素な装置で処理槽のスカムを除去することができる。よって、省電力化やメンテナンス作業の簡素化などにも効果を奏する。
この特徴によれば、どのような性状のスカムでも除去することができるため、例えば、固化して破砕しにくくなったスカムなどを除去することも可能となる。また、捕捉したスカムを濃縮することや、破砕して被処理水に戻すこともできるため、スカムの除去と共に処理槽の系外に流れ出る被処理水の流出量を抑制することができる。
この特徴によれば、スカムを破砕して被処理水に戻すことができるため、スカムを回収して別の処理に供する必要がないという効果がある。また、スカムの除去と共に流れ出る被処理水の流出量を抑制するという効果もある。
この特徴によれば、スカムを処理槽の所定の位置に掻き寄せるのみでスカムを除去することができるため、装置を簡素化することが可能となる。
このスカム処理方法によれば、自走式のスカム処理ロボットによりスカムを処理するため、処理槽の全域にスカム処理ロボットが移動してスカムを除去することができる。
また、このスカム処理方法によれば、スカム処理ロボットを小型化することができるため、省電力化やメンテナンス等の作業の簡素化などにも効果がある。
スカムは、下水処理場等の水処理設備、食品工場、飲料工場、製薬工場等の排水処理設備や廃水処理設備における沈殿池、濃縮槽、生物処理槽、洗浄槽、浮上分離槽等で発生する。本発明のスカム処理ロボットは、これらのスカムを発生する処理槽に好適に利用することができる。
ここで、「自走する」とは、処理部と、処理部に推進力を与える駆動部が一体となり、処理部と共に駆動部が移動することである。
図1は、本発明の第一の実施態様のスカム処理ロボット100の構造を説明する概略説明図である。図1に示すスカム処理ロボット100は、処理槽(不図示)に溜められた被処理水の水面付近に配置されている。なお、スカム処理ロボット100を水面付近に配置する手段としては、浮力を調整するための浮き(不図示)などを利用すればよい。
捕捉部1Aは、内部に被処理水を導入する本体3を備え、本体3は、被処理水とスカムSを分離する機能を有する。また、本体3は、水面付近の被処理水を取り込む取水口31と、被処理水の水面より低位に形成され、内部の被処理水を排水する排水口32を備える。
<処理槽>
処理槽は、被処理水にスカムが発生する処理を行う槽であり、例えば、下水処理場等の水処理設備、食品工場、飲料工場、製薬工場等の排水処理設備や廃水処理設備における沈殿池、濃縮槽、生物処理槽、洗浄槽、浮上分離槽等が挙げられる。処理槽の形状は、特に制限されず、例えば、平面視した形状として、略正方形状、長方形状、三角形状、五角形状等の多角形状や、円形状、楕円形状等が挙げられる。多角形状では、角部にスカムが溜まりやすいため、処理槽の全領域でスカムを除去することができるという本発明の効果がより発揮される。また、円形状、楕円形状では、角部を有しないため、スカム処理ロボットが角部にはまり込んで移動できないというトラブルが生じにくいという効果がある。
処理部とは、スカムの発生を抑制する処理や、発生したスカムを除去する処理を行うものである。スカムの発生を抑制するための処理部としては、例えば、被処理水の水面付近を撹拌する撹拌処理部などが挙げられる。また、発生したスカムを除去するための処理部としては、例えば、スカムを捕捉する捕捉部、スカムを破砕する破砕処理部、スカムを掻き寄せる掻き寄せ部などが挙げられる。本発明のスカム処理ロボットは、処理部が自走するため、処理槽の全領域に移動してスカムを除去することができるというものである。
捕捉部は、スカムを捕捉するための処理部である。更には、スカムと被処理水を分離して、スカムを濃縮してもよい。スカムを濃縮する手段は、特に制限されず、例えば、被処理水とスカムの比重差を利用した比重分離手段や、フィルタによるろ過分離手段などが挙げられる。比重分離手段では、エアレーションや加圧水の注入等によりスカムの浮上を補助するスカム浮上補助手段を設けてもよい。比重分離手段は、簡素な装置で実現できるため、メンテナンス等の作業が簡素化できるという効果がある。また、ろ過分離手段は、被処理水からスカムを高性能に分離することが可能であるため、スカムの再発生を抑制するという効果がある。
破砕処理部は、スカムを破砕するための処理部である。スカムを破砕する手段は、特に制限されず、例えば、破砕刃のような破砕装置を用いる破砕手段や、スプレーノズルなどの噴霧装置を用いる破砕手段や、撹拌羽根などの撹拌装置を用いる破砕手段や、ポンプなどの水流発生装置を用いる破砕手段等が挙げられる。破砕装置を用いる破砕手段は、スカムの堆積が進行して固化したスカムを破砕することが可能である。また、噴霧装置を用いる破砕手段、撹拌装置を用いる破砕手段、水流発生装置を用いる破砕手段は、簡素な装置によりスカムを破砕できるため、スカム処理ロボットの構成を簡素化することができる。
掻き寄せ部は、スカムを掻き寄せるための処理部である。掻き寄せられたスカムは、処理槽の所定の位置に移送されて系外へ排出する。スカムを掻き寄せる手段は、特に制限されず、例えば、掻き寄せ板を駆動部の推進力で移送することにより、スカムを掻き寄せる手段や、被処理水の水面に風力を与えて、波によりスカムを掻き寄せる手段等が挙げられる。掻き寄せ板によりスカムを掻き寄せる手段は、簡素な装置でスカムを掻き寄せることができるため、スカム処理ロボットの構成を簡素化することができる。また、波によりスカムを掻き寄せる手段は、スカム掻き寄せ部から離れた位置にあるスカムを掻き寄せることができるという効果がある。
駆動部は、処理部に推進力を与えて、処理部を処理槽の全域に移動させるものである。駆動部のエネルギー源としては、推進力を発生することができればよく、例えば、電力、火力などが挙げられる。なお、電力を利用する場合には、推進力を発生するための電源は、スカム処理ロボットに蓄電池を搭載してもよいし、スカム処理ロボットとは別の場所に電源を設置して、ケーブルを介してスカム処理ロボットに電力を供給してもよい。電力発生のためのエネルギー源は、ガソリン、灯油、LPガス、石炭などを燃焼して得られる火力、太陽光、水力等により自家発電してもよいし、電力会社から供給された電力を利用してもよい。
図2は、本発明の第二の実施態様のスカム処理ロボット101の構造を説明する概略説明図である。第二の実施態様のスカム処理ロボット101では、捕捉部1Bに、スカムを濃縮する手段として、フィルタによるろ過分離手段を具備する。なお、第一の実施態様と同符号の構成については、説明を省略する。
図3は、本発明の第三の実施態様のスカム処理ロボット102の構造を説明する概略説明図である。第三の実施態様のスカム処理ロボット102では、処理部として破砕処理部1Cを具備する。なお、第一の実施態様と同符号の構成については、説明を省略する。
図4は、本発明の第四の実施態様のスカム処理ロボット103の構造を説明する概略説明図である。第四の実施態様のスカム処理ロボット103では、処理部として破砕処理部1D、駆動部2Bとしてパドル9を具備する。なお、本体3は、取水口31及び排水口32を具備せず、内部に空間を有しないものである。
図5は、本発明の第五の実施態様のスカム処理ロボット104の構造を説明する概略説明図である。第五の実施態様のスカム処理ロボット104では、処理部として、パドル9からなる破砕処理部1Eを具備する。パドル9は、スカムSを破砕する作用だけでなく、所定の位置に移動するための推進力を発生する。そのため、このスカム処理ロボット104によれば、駆動部を設ける必要がないという効果を奏する。
図6は、本発明の第六の実施態様のスカム処理ロボット105の構造を説明する概略説明図である。第六の実施態様のスカム処理ロボット105では、処理部として掻き寄せ板11を備えた掻き寄せ部1Fを具備する。このスカム処理ロボット105によれば、処理部として掻き寄せ板11を設置すればよいため、装置を簡素化できるという効果がある。
図7は、本発明の第七の実施態様のスカム処理ロボット106の構造を説明する概略説明図である。第七の実施態様のスカム処理ロボット106では、駆動部2Cとして処理槽の底面を走行する水中車12を具備する。水中車12は、フロート式の処理部と比較して、水面の揺れに対して安定性が高いため、掻き寄せ板11等の処理部を安定して移動させることができる。そのため、処理部におけるスカムの処理の精度が高まり、確実にスカムを処理することができるという効果がある。
図8は、本発明の第八の実施態様のスカム処理ロボット107の構造を説明する概略説明図である。第八の実施態様のスカム処理ロボット107では、駆動部2Dとして処理槽の上部に設置されたレール14を走行する自走車13を具備する。自走車13は、水面より上部に配置するため、メンテナンスなどの作業が簡素化する。また、被処理水と接触しないため、腐食の進行が遅いという効果もある。
図9は、本発明の第九の実施態様のスカム処理ロボット108の構造を説明する概略説明図である。第九の実施態様のスカム処理ロボット108では、駆動部2Eとしてドローン19を具備する。ドローン19は、プロペラ等の飛行手段を備え、空中を飛行する装置である。ドローン19は、被処理水と接触しないため、腐食しにくいという効果がある。ドローン19の飛行の制御は、公知のドローンにおける制御手段を利用することが可能であり、例えば、コントローラやタブレット等の操作装置によりドローン19の位置を操作してもよいし、自動で制御してもよい。
図10は、本発明の第十の実施態様のスカム処理ロボット109の構造を説明する概略説明図である。図10(A)は、スカム処理ロボットの構造を説明する概略説明図である。図10(B)は、処理槽の平面図であり、スカム処理ロボットの動作を説明する概略説明図である。
スカム探知部16は、スカムを探知するための装置である。スカムを探知するための装置は、特に制限されないが、例えば、処理水の水面の画像を取得するカメラや、反射型の光学センサ等が挙げられる。
スカム水位検知部17は、捕捉部1Aで捕捉したスカムの量を検知するための検知装置である。捕捉部1Aの本体3の内部でスカムを濃縮すると、スカムが堆積してスカムの層が形成される。スカム水位検知部17を設けることにより、捕捉部1Aにおけるスカムの堆積量を検知できるため、捕捉部1Aからスカムが溢れ出ることを防止できるという効果を奏する。なお、スカム水位検知部として使用するセンサは、特に制限されないが、例えば、超音波式界面センサなどを利用することができる。
運転制御部15は、スカム処理ロボット109の進行方向を制御するための制御装置である。運転制御部15は、スカム探知部16、スカム水位探知部17、電源18に電気的に接続されている。
図11は、本発明の第十の実施態様のスカム処理ロボットの動作の制御を説明する概略説明図である。図11(A)は、処理槽の平面図である。図11(B)は、処理槽の画像を投影する表示端末の構造を説明する概略説明図である。
Claims (5)
- 浮上したスカムを処理するためのスカム処理ロボットであって、
スカムを処理するための処理部と、前記処理部に推進力を与える駆動部と、舵部と、を備え、
前記処理部と前記駆動部が一体となり、前記処理部と共に前記駆動部が移動するように自走し、
前記処理部と前記駆動部の移動は、進行方向が自在に変更可能であり、
前記処理部は、スカムを掻き寄せる掻き寄せ部であり、
前記掻き寄せ部は、掻き寄せたスカムを、前記掻き寄せ部と前記駆動部の移動により、 処理系内の所定の位置に移送することを特徴とする、スカム処理ロボット。 - 浮上したスカムを処理するためのスカム処理ロボットであって、
スカムを処理するための処理部と、前記処理部に推進力を与える駆動部と、を備え、
前記処理部と前記駆動部が一体となり、前記処理部と共に前記駆動部が移動するように自走し、
前記処理部と前記駆動部の移動は、進行方向が変更可能であり、
さらに、スカム処理ロボットを充電するための充電ベース又はスカム処理ロボットに捕捉したスカムを系外に排出するための回収ベースに自動的に移動させる運転制御部を備えることを特徴とする、スカム処理ロボット。 - 浮上したスカムを処理するためのスカム処理ロボットであって、
スカムを処理するための処理部と、前記処理部に推進力を与える駆動部と、を備え、
前記処理部と前記駆動部が一体となり、前記処理部と共に前記駆動部が移動するように自走し、
前記処理部と前記駆動部の移動は、進行方向が変更可能であり、
定点カメラにより撮影された処理槽の画像を用いて所定の位置に移動することを特徴とする、スカム処理ロボット。 - 前記処理部は、スカムを捕捉する捕捉部、スカムを破砕する破砕処理部、及び、スカムを掻き寄せる掻き寄せ部から選択される1つ以上であることを特徴とする、請求項2又は3に記載のスカム処理ロボット。
- 浮上したスカムを処理するためのスカム処理方法であって、
請求項1~4のいずれか一項に記載のスカム処理ロボットを使用してスカムを処理することを特徴とする、スカム処理方法。
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