JP7355972B2 - 検査装置、方法、及びプログラム - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 令和3年2月12日東京工芸大学工学部メディア画像学科における卒業論文発表会にて公開
本発明は、検査装置、検査方法、及び検査プログラムに関する。
従来、道路や建物といった構造物を叩いた際の打音信号に基づいて、構造物に異常がないか否かを検査する打音検査が行われている。このような打音検査に関する技術が様々提案されている。
例えば、入力された打音データから特徴量を抽出し、抽出された特徴量のうち、所定の特徴量を選択特徴量として選択する打音検査システムが提案されている。このシステムは、選択された選択特徴量のうち、学習対象の打音データに基づく選択特徴量を学習し、分類器を生成する。また、このシステムは、選択された選択特徴量のうち、判定対象の打音データに基づく選択特徴量、及び生成された分類器を用いて、構造物に異常があるか否かを判定する(特許文献1参照)。
また、例えば、打音の特徴量を成分とする標準及び入力パターン原始ベクトルを作成し、基準形状より成る基準パターンベクトルに基づく歪度加重ベクトル、並びに、尖度加重ベクトルを作成する異常判定法方が提案されている。この方法では、歪度加重ベクトル、並びに、尖度加重ベクトルの成分値と標準パターン原始ベクトルの成分値との積和演算により標準パターン歪度加重ベクトル、並びに、標準パターン尖度加重ベクトルを算出する。そして、これらに基づき標準パターン複合加重ベクトルを作成し、同様に、入力パターン複合加重ベクトルを作成し、標準及び入力パターン複合加重ベクトルに基づき標準及び入力パターン複合選択ベクトルを作成する。さらに、標準及び入力パターン複合選択ベクトルのなす角の値を標準及び入力パターン原始ベクトル間の形状距離値とする(特許文献2参照)。
特開2018-13348号公報 特開2016-142625号公報
従来技術では、検査対象を道路や壁面等のコンクリート構造物としている。このような検査対象に対して打音検査を行う場合は、検査対象の状態のバリエーションが少ないため、想定される検査対象の状態に対して安定した打音検査を行うことができる。しかし、例えば、道路附属物である照明灯具等、ネジによる接合部を含む器具のネジの緩みの有無を検査する場合には、正常時及び異常時のいずれの場合においても、検査対象の状態にどのようなバリエーションが存在するかを事前に把握することは困難である。そのため、従来技術をそのまま適用することができない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ネジによる接合部を含む器具のネジの緩みの有無を検査することができる検査装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る検査装置は、ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得する取得部と、前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出する算出部と、算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する出力部と、を含んで構成されている。
本発明に係る検査装置によれば、取得部が、ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得し、算出部が、前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出し、出力部が、算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する。これにより、ネジによる接合部を含む器具のネジの緩みの有無を検査することができる。
また、前記基準を、前記器具に含まれるネジが適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度とし、前記出力部は、算出された前記スペクトル平坦度と前記基準との差が閾値以上の場合に、前記ネジの緩みが生じていると予測してもよい。
また、前記基準を、前記器具に含まれるネジが適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の第1の確率分布、及び前記ネジに緩みが生じている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の第2の確率分布の少なくとも一方とし、前記出力部は、前記算出部により算出された前記スペクトル平坦度と、前記第1の確率分布及び前記第2の確率分布の少なくとも一方とを比較し、前記ネジの緩みが生じている確率を前記予測結果として出力してもよい。
また、前記器具の異なる位置に複数のネジが含まれる場合、緩みが生じているネジの位置の組み合わせのパターン毎の前記第2の確率分布を前記基準とし、前記出力部は、前記算出部により算出された前記スペクトル平坦度と、前記パターン毎の前記第2の確率分布とを比較し、ネジの緩みが生じている位置及び確率を前記予測結果として出力してもよい。
また、前記器具は、道路の附属物である照明灯具としてよい。
また、本発明に係る検査方法は、取得部が、ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得し、算出部が、前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出し、出力部が、算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する方法である。
また、本発明に係る検査プログラムは、コンピュータを、ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得する取得部、前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出する算出部、及び、算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
本発明に係る検査装置、方法、及びプログラムによれば、ネジによる接合部を含む器具のネジの緩みの有無を検査することができる。
本実施形態の概略を説明するための図である。 ネジによる接合部の箇所を説明するための図である。 検査装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 検査装置の機能構成の例を示すブロック図である。 計測信号及び打音信号の一例を示す図である。 スペクトル平坦度の算出を説明するための図である。 スペクトル平坦度の確率分布を基準とする場合を説明するための図である。 検査処理の一例を示すフローチャートである。 スペクトル平坦度の有意性を説明するための図である。 比較例としてのスペクトル重心の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、ネジによる接合部を含む器具として、道路附属物である照明灯具のネジの緩みの有無を検査する場合を例に説明する。
図1を参照して、本実施形態の概略について説明する。本実施形態における検査では、照明灯具50のいずれかの部位を打診棒52で叩いた際の打音を示す信号を計測器54で計測する。そして、計測された信号を検査装置10で信号処理することにより、ネジの緩みの有無を検査する。
照明灯具50は、異なる複数箇所に、ネジによる接合部を含んでよい。接合部には、図2に示すように、照明灯具50と支柱との接合部(図2中の破線部A)、照明灯具内の部品を固定するための接合部(図2中の破線部B及びC)を含む。
計測器54は、周辺の音を収音するマイクでもよいし、叩打により生じる振動を検知する振動センサでもよい。なお、道路附属物である照明灯具50の検査を対象とする場合、検査時において、気導音に道路の騒音が混入することを抑制するために、計測器54として、振動センサを用いることが好ましい。
図3は、本実施形態に係る検査装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、検査装置10は、CPU(Central Processing Unit)12、メモリ14、記憶装置16、入力装置18、出力装置20、記憶媒体読取装置22、通信I/F(Interface)24、及び入出力I/F26を有する。各構成は、バス28を介して相互に通信可能に接続されている。
記憶装置16には、後述する検査処理を実行するための検査プログラムが格納されている。CPU12は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU12は、記憶装置16からプログラムを読み出し、メモリ14を作業領域としてプログラムを実行する。CPU12は、記憶装置16に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
メモリ14は、RAM(Random Access Memory)により構成され、作業領域として一時的にプログラム及びデータを記憶する。記憶装置16は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
入力装置18は、例えば、キーボードやマウス等の、各種の入力を行うための装置である。出力装置20は、例えば、ディスプレイやプリンタ等の、各種の情報を出力するための装置である。出力装置20として、タッチパネルディスプレイを採用することにより、入力装置18として機能させてもよい。記憶媒体読取装置22は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種の記憶媒体に記憶されたデータの読み込みや、記憶媒体に対するデータの書き込み等を行う。通信I/F24は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI又はWi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。入出力I/F26は、検査装置10と周辺機器とを接続するためのインタフェースである。本実施形態では、入出力I/F26を介して検査装置10と計測器54とが接続され、計測器54で計測された信号が検査装置10へ入力される。
次に、本実施形態に係る検査装置10の機能構成について説明する。図4は、検査装置10の機能構成の例を示すブロック図である。図4に示すように、検査装置10は、機能構成として、取得部32と、算出部34と、出力部36とを含む。各機能構成は、CPU12が記憶装置16に記憶された検査プログラムを読み出し、メモリ14に展開して実行することにより実現される。
取得部32は、計測器54で計測された計測信号を取得する。また、取得部32は、計測信号から、照明灯具50のいずれかの部位を打診棒52で叩いた際の打音を示す部分(以下、「打音信号」という)を抽出する。取得部32は、例えば、取得した計測信号のレベルが通常時のノイズレベルを超えている区間の信号を打音信号として抽出する。図5に、計測信号及び打音信号の一例を示す。取得部32は、計測信号から抽出した打音信号を算出部34へ受け渡す。
算出部34は、取得部32から受け渡された打音信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出する。具体的には、算出部34は、周波数解析(例えば、フーリエ変換)により、時間領域の信号である打音信号を周波数領域の信号に変換する。算出部34は、図6に示すように、周波数解析後の打音信号の周波数帯域をΛ個に分割し、分割した帯域毎のパワースペクトルの平均ρ(λ)を用いて、下記(1)式により、スペクトル平坦度pfを算出する。なお、λは分割した各帯域の番号であり、λ=0,1,・・・,Λ-1である。
なお、算出部34は、1つの照明灯具50を複数回(例えば、10回)叩いた際の、複数回分の打音信号からそれぞれスペクトル平坦度を算出し、その平均値を最終的なスペクトル平坦度として算出してもよい。算出部34は、算出したスペクトル平坦度を出力部36へ受け渡す。
出力部36は、算出部34から受け渡されたスペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測し、予測結果を出力する。基準は、照明灯具50に含まれるネジが全て適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度としてよい。この場合、出力部36は、算出部34から受け渡されたスペクトル平坦度と基準との差が、予め定めた閾値以上の場合に、ネジの緩みが生じていると予測する。ここでの「ネジの緩みが生じている」場合とは、照明灯具50が、図2に示すように、複数箇所にネジによる接合部を含む場合には、少なくとも1箇所において、ネジの緩みが生じている場合をいう。
また、基準は、照明灯具50に含まれるネジが全て適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の確率分布、及びネジに緩みが生じている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の確率分布の少なくとも一方としてもよい。この場合、出力部36は、算出部34により算出されたスペクトル平坦度と、スペクトル平坦度の確率分布とを比較し、ネジの緩みが生じている確率を予測結果として出力する。
例えば、出力部36は、図7に示すように、ネジが全て適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の確率分布(図7中の「パターン1の確率分布」)に基づいて、今回算出されたスペクトル平坦度に対応する確率P1を特定する。そして、出力部36は、P1を、ネジが全て適切に締められている確率として出力してもよいし、(1-P1)を、ネジに緩みが生じている確率として出力してもよい。また、出力部36は、図7に示すように、ネジに緩みが生じている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の確率分布(図7中の「パターン2の確率分布」)に基づいて、今回算出されたスペクトル平坦度に対応する確率P2を特定する。そして、出力部36は、P2を、ネジに緩みが生じている確率として出力してもよいし、(1-P2)を、ネジが全て適切に締められている確率として出力してもよい。さらに、出力部36は、パターン1に基づく予測結果と、パターン2に基づく予測結果とを統合して、ネジが全て適切に絞められている確率、又はネジに緩みが生じている確率を求めて出力してもよい。
また、上記のパターン2の確率分布として、緩みが生じているネジの位置の組み合わせのパターン毎のスペクトル平坦度の確率分布を基準として用いてもよい。例えば、図2に示すように、A、B、及びCの3箇所にネジによる接合部がある照明灯具50の場合、パターン2の状態として、以下の状態毎にスペクトル平坦度の確率分布を用意する。
Aのネジのみを緩めた状態(以下、「Aのみ」のパターンという)
Bのネジのみを緩めた状態(以下、「Bのみ」のパターンという)
Cのネジのみを緩めた状態(以下、「Cのみ」のパターンという)
A及びBのネジを緩めた状態(以下、「AとB」のパターンという)
A及びCのネジを緩めた状態(以下、「AとC」のパターンという)
B及びCのネジを緩めた状態(以下、「BとC」のパターンという)
全てのネジを緩めた状態(以下、「全て緩めた」パターンという)
この場合、出力部36は、算出部34により算出されたスペクトル平坦度と、上記のパターン毎のスペクトル平坦度の確率分布とを比較し、ネジの緩みが生じている位置及び確率を予測結果として出力する。例えば、出力部36は、各パターンの確率分布から、今回算出されたスペクトル平坦度に対応する確率を特定し、最も大きい確率に対応するパターンから、ネジの緩みが生じている位置を特定すると共に、その確率を、特定した位置のネジが緩んでいる確率とする予測結果を出力する。
次に、本実施形態に係る検査装置10の作用について説明する。
図8は、検査装置10のCPU12により実行される検査処理の流れを示すフローチャートである。CPU12が記憶装置16から検査プログラムを読み出して、メモリ14に展開して実行することにより、CPU12が検査装置10の各機能構成として機能し、図8に示す検査処理が実行される。なお、検査処理は、本発明の検査方法の一例である。
まず、ステップS10で、取得部32が、計測器54で計測された計測信号を取得し、例えば、取得した計測信号のレベルが通常時のノイズレベルを超えている区間の信号を打音信号として抽出し、抽出した打音信号を算出部34へ受け渡す。
次に、ステップS12で、算出部34が、取得部32から受け渡された打音信号を周波数解析し、周波数解析後の打音信号からスペクトル平坦度を算出し、算出したスペクトル平坦度を出力部36へ受け渡す。
次に、ステップS14で、出力部36が、算出部34から受け渡されたスペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無、ネジに緩みが生じている確率、ネジに緩みが生じている位置等を予測し、予測結果を出力し、検査処理は終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る検査装置は、ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音信号を取得し、取得した打音信号を周波数解析して、スペクトル平坦度を算出する。そして、検査装置は、算出したスペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する。このように、打音信号の特徴量としてスペクトル平坦度を用いることにより、ネジによる接合部を含む器具のネジの緩みの有無を検査することができる。
ここで、打音信号の特徴量としてスペクトル平坦度を用いることの有意性について説明する。
図9に、ネジに緩みが生じている位置の組み合わせによるパターン毎のスペクトル平坦度の一例を示す。各パターンは、上記実施形態で説明したパターンと同様である。図9の例では、照明灯具50として、松下電工製道路照明灯具YA34194K、打診棒52として、高儀製伸縮式打診棒EXS-30、計測器54として、DIGIDUCER製USBデジタル加速度計を用いた。また、照明灯具50の、支柱との接続部(図2の破線部A付近)を叩いた際の打音波形を、44.1kHz、16bit線形量子化でアナログ-デジタル変換した計測信号から、目視により範囲指定して打音信号を抽出した。そして、各パターンについて、10回ずつ照明灯具50を叩いた際の10回分の打音信号それぞれから算出されたスペクトル平坦度の平均を、各パターンの最終的なスペクトル平坦度とした。
全てのネジが適切に締められている状態(以下、「全て締めた」パターンという)についてのスペクトル平坦度と、いずれかのネジに緩みが生じているパターンについてのスペクトル平坦度とでは、検定を行ったところ、有意な差異があった。具体的には、「全て締めた」パターンと、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、及び「AとB」のパターンの各々とでは、有意水準1%の有意性があった。また、「全て締めた」パターンと、「AとC」、「BとC」、及び「全て緩めた」パターンの各々とでは、有意水準5%の有意性があった。
比較として、打音信号の特徴量としてスペクトル重心を用いて同様に検定を行ったところ、スペクトル重心では、「全て締めた」パターンと、他のパターンとを区別する有意性が得られなかった。したがって、照明灯具50の打音検査においては、スペクトル平坦度を用いることで、有意にネジの緩みの有無を検査することができるといえる。参考として、図10に、打音信号の特徴量としてスペクトル重心を用いた場合における各パターンのスペクトル重心の一例を示す。
なお、上記実施形態では、ネジによる接合部を含む器具として、照明灯具を例示して説明したが、本発明は、照明灯具以外にも、高圧電線の鉄塔等、他の器具にも適用可能である。
また、上記実施形態では、緩みが生じているネジの位置の組み合わせのパターン毎のスペクトル平坦度の確率分布等を基準とする場合について説明したが、これに限定されない。例えば、器具の腐食度合い等、他の要因も含めた組み合わせのパターン毎のスペクトル平坦度の確率分布等の基準を用意しておいてもよい。
また、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した検査処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、検査処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記実施形態では、検査プログラムが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
10 検査装置
12 CPU
14 メモリ
16 記憶装置
18 入力装置
20 出力装置
22 記憶媒体読取装置
24 通信I/F
26 バス
32 取得部
34 算出部
36 出力部
50 照明灯具
52 打診棒
54 計測器

Claims (7)

  1. ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得する取得部と、
    前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出する算出部と、
    算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する出力部と、を含み、
    前記基準を、前記器具に含まれるネジが適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度とし、
    前記出力部は、算出された前記スペクトル平坦度と前記基準との差が閾値以上の場合に、前記ネジの緩みが生じていると予測する
    査装置。
  2. ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得する取得部と、
    前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出する算出部と、
    算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する出力部と、を含み、
    前記基準を、前記器具に含まれるネジが適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の第1の確率分布、及び前記ネジに緩みが生じている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の第2の確率分布の少なくとも一方とし、
    前記出力部は、前記算出部により算出された前記スペクトル平坦度と、前記第1の確率分布及び前記第2の確率分布の少なくとも一方とを比較し、前記ネジの緩みが生じている確率を前記予測結果として出力する
    査装置。
  3. 前記器具の異なる位置に複数のネジが含まれる場合、緩みが生じているネジの位置の組み合わせのパターン毎の前記第2の確率分布を前記基準とし、
    前記出力部は、前記算出部により算出された前記スペクトル平坦度と、前記パターン毎の前記第2の確率分布とを比較し、ネジの緩みが生じている位置及び確率を前記予測結果として出力する
    請求項に記載の検査装置。
  4. 前記器具は、道路の附属物である照明灯具である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の検査装置。
  5. 取得部が、ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得し、
    算出部が、前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出し、
    出力部が、算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する検査方法であって、
    前記基準を、前記器具に含まれるネジが適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度とし、
    前記出力部が、算出された前記スペクトル平坦度と前記基準との差が閾値以上の場合に、前記ネジの緩みが生じていると予測する
    検査方法。
  6. 取得部が、ネジによる接合部を含む器具のいずれかの部位を叩いた場合の打音を示す信号を取得し、
    算出部が、前記信号を周波数解析し、スペクトル平坦度を算出し、
    出力部が、算出された前記スペクトル平坦度と、予め定めた基準とを比較して、ネジの緩みの有無を予測した予測結果を出力する検査方法であって、
    前記基準を、前記器具に含まれるネジが適切に締められている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の第1の確率分布、及び前記ネジに緩みが生じている状態での打音信号に基づいて算出されたスペクトル平坦度の第2の確率分布の少なくとも一方とし、
    前記出力部が、前記算出部により算出された前記スペクトル平坦度と、前記第1の確率分布及び前記第2の確率分布の少なくとも一方とを比較し、前記ネジの緩みが生じている確率を前記予測結果として出力する
    検査方法
  7. コンピュータを、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の検査装置の各部として機能させるための検査プログラム。
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