JP7354732B2 - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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本開示は、台座を備えるコンデンサおよびその製造方法に関する。
コンデンサは、たとえば封口部材側に配置された台座および台座の外側面に引き出されるとともに折り曲げられた端子リードを含み、台座の外側面に引き出された端子リードがたとえば基板に接続される。このようなコンデンサは、表面実装型のコンデンサと呼ばれている。この表面実装型のコンデンサの汎用性は高く、たとえば自動車に用いられる。
コンデンサが自動車内などの屋外に設置されると、コンデンサの設置周囲の環境温度が上昇する。このため、コンデンサは、高温度環境に耐える必要がある。たとえば、コンデンサの封口部材と台座の間に樹脂層を形成し、コンデンサの密閉性が高められる(たとえば、特許文献1)。斯かる構成によれば、コンデンサの耐熱性を向上させることができる。
表面実装型のコンデンサは、たとえばリフローはんだにより基板に実装される。リフローはんだでは、クリームはんだが基板表面上のランドに塗布され、コンデンサの端子リードがクリームはんだを介して基板表面上のランドに設置され、加熱炉内で基板およびコンデンサが加熱されて、端子リードがランドにはんだ付けされる。
特開平6-338439号公報
ところで、はんだに含まれる鉛は、はんだ付け時の加熱温度を低く抑える効果があるものの、環境への悪影響が懸念されている。鉛を含まない鉛フリーはんだは、鉛を含む通常のはんだに比べて、環境への悪影響が少ないものの融点が高い。そのため、鉛フリーはんだによるはんだ付けでは、通常のはんだによるはんだ付けに比べて、加熱時のコンデンサの内圧の上昇量が大きく、たとえば封口部材および樹脂層の外向きの変形量が大きくなる。そのため、鉛フリーはんだによるはんだ付けでは、加熱後の冷却時に、封口部材および樹脂層の復元量が大きくなる。そのため、封口部材と樹脂層の間の界面にかかる負荷が大きくなる。
そこで、本開示は、鉛フリーはんだによるはんだ付けに対応可能に、コンデンサの耐熱性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の第1の側面によれば、コンデンサは、コンデンサ本体と、台座と、樹脂層とを含む。コンデンサ本体は、封口部材を含む。台座は、前記コンデンサ本体の前記封口部材側に設置される。樹脂層は、前記台座と前記封口部材との間に配置される。また、封口部材は、表面層の除去により形成された被処理面を前記樹脂層側に有し、前記被処理面が、研磨または溶解された被処理面であり、研磨または溶解された前記被処理面が前記樹脂層に結合する。
上記目的を達成するため、本開示の第2の側面によれば、コンデンサの製造方法は、研磨または溶解により被成形部材の一表面を除去して、除去による被処理面を有する封口部材を形成する工程と、前記被処理面が外側に配置されている前記封口部材を含むコンデンサ本体を形成する工程と、台座を前記コンデンサ本体の前記封口部材側に設置する工程と、前記台座と前記封口部材の間に樹脂層を形成する工程とを含む。
上記コンデンサの製造方法において、前記被成形部材の一表面の研磨量または溶解量が、3μm以上であってもよい。
上記コンデンサの製造方法は、さらに、離型剤が塗布された金型を用いて前記被成形部材を形成する工程を含んでもよい。
本開示によれば、次のような効果が得られる。
(1) 封口部材と樹脂層の間の界面の結合力を高めることができ、その結果、コンデンサの耐熱性を高めることができる。
(2) コンデンサの耐熱性を高めることにより、鉛フリーはんだを用いたリフローはんだによりコンデンサを基板に実装することができる。
(3) 封口部材からの樹脂層の剥離を抑制することができ、コンデンサ内部の電解液の蒸散を抑制することができる。
実施の形態に係るコンデンサの一例を示す図である。 被成形部材の一例の断面図である。 図2に示されている領域IIIの拡大図である。 コンデンサの製造工程の一例を示す図である。 試験片の一例を示す図である。 試験結果のイメージ図である。
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。

実施の形態
図1は実施の形態に係るコンデンサの一例を示している。図1のAはコンデンサの断面図であり、図1のBはコンデンサの底面図である。
コンデンサ2は電子部品の一例であり、たとえば、電解コンデンサや電気二重層コンデンサである。このコンデンサ2はコンデンサ本体4と台座6と樹脂層8とを備えている。コンデンサ本体4は、単体でコンデンサとして用いることができる。このコンデンサ本体4は、外装ケース10とコンデンサ素子12と封口部材14とを備えている。外装ケース10内にコンデンサ素子12が封入され、外装ケース10の開口部に封口部材14が取付けられている。
外装ケース10は、有底筒状のアルミニウムケースである。コンデンサ素子12は、たとえば陽極箔と陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回させた巻回素子であって、同一素子面より端子リード16-1、16-2が導出している。このコンデンサ素子12には、電解液を含浸させている。
封口部材14はゴムなどの絶縁性材料で形成されている。封口部材14は外側、つまり樹脂層8側に、被処理面18を有している。被処理面18は、研磨、切断または溶解による表面層の除去により形成された面であって、研磨による研磨面、切断された切断面または溶解による溶解面である。この研磨、切断または溶解による封口部材14の表面の除去により、封口部材14の表面に付着または浸透している付着物が除去される。付着物は、たとえば封口部材14の金型成形で用いられる離型剤である。封口部材14は、たとえば離型剤が塗布された成形金型で成型されるが、この成型の際、封口部材14の表面に離型剤が浸透する。封口部材14の表面に付着した離型剤だけではなく、浸透した離型剤も封口部材14と樹脂層8の間の結合を阻害するが、研磨、切断または溶解により、離型剤が封口部材14の表面から除去される。付着物の除去により、封口部材14は、被処理面18において、たとえば封口部材14の中心部と同じまたはほぼ同じ組成を有している。
コンデンサ素子12の端子リード16-1、16-2が封口部材14を貫通し、外装ケース10の開放端がカーリング処理されて封口部材14に食い込んでいる。このカーリング処理された外装ケース10の開放端と封口部材14により、コンデンサ本体4の封口部が形成されている。
台座6は、コンデンサ本体4の封口部材14側に設置されている。台座6は、外装ケース10の開放端と接触し、封口部材14の被処理面18から離れている。台座6は絶縁合成樹脂などの絶縁板で形成されている。絶縁合成樹脂は、配線板に実装する際の加熱に耐える程度の耐熱性を有していればよく、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ユリア樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フェノール樹脂、またはエポキシ樹脂である。
端子リード16-1、16-2は、コンデンサ本体4から突出し、台座6に形成された挿通孔20-1、20-2を貫通し、台座6の外側に引き出されている。台座6は、外装ケース10の開放端の外側に配置されるとともに、開放端を囲う周壁22を、台座6の周囲部に備えている。
樹脂層8は、台座6と封口部材14の間に備えられ、少なくとも封口部材14の被処理面18に結合している。樹脂層8は、コンデンサ本体4と台座6とを密着させ、台座6とともにコンデンサ本体4の封口部を封止する。樹脂層8を形成する樹脂は、たとえば封口部を封止する封止樹脂であって、充填時には液状であるが、充填後に固化する。充填時には、コンデンサ本体4と台座6の間の隙間を液状の樹脂で満たし、充填後には、樹脂が固化して樹脂層8を形成する。樹脂層8を形成する樹脂は、台座6、外装ケース10および封口部材14に対して親和性があり、気体の遮断性を有すればよく、アルミニウムの線膨張係数(約23×10-6/℃)に近い線膨張係数を有し、硬化する際の収縮量が少なく、非吸湿性を有することが好ましい。樹脂は、たとえばエポキシ樹脂、アルキッド系樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂であればよい。また、エポキシ樹脂は、たとえば酸無水物を用いた二液混合型のエポキシ樹脂であってもよいし、一液型のエポキシ樹脂であってもよい。また、樹脂に接着剤成分を含有させてもよい。
樹脂層8は、化学的結合、または分子間力などの物理的結合により封口部材14の被処理面18に結合している。離型剤などの付着物は、封口部材14と樹脂層8の化学的結合または物理的結合を阻害する。しかしながら、封口部材14の被処理面18では、この付着物が除去されているので、樹脂層8と封口部材14との間において、付着物による結合力の低下が抑制されている。コンデンサ2は、封口部材14と樹脂層8の間の高い結合力を有することができる。封口部材14と樹脂層8の間の高い結合力を実現することで、コンデンサ本体4の気密性を確保でき、樹脂層8と台座6とが十分に結合していなくても、コンデンサ2としての気密性が向上する。
端子リード16-1、16-2は導電性のよい金属で形成されている。端子リード16-1は陽極側端子であって、コンデンサ素子12の陽極箔から引き出されるリード部と配線板24に実装される端子部とを備え、これらが溶接などにより接続されて一体化したものである。
端子リード16-2は陰極側端子であって、コンデンサ素子12の陰極箔から引き出されるリード部と配線板24に実装される端子部とを備え、端子リード16-1と同様に、これらが溶接などにより接続されて一体化したものである。リード部はたとえば円柱状であり、端子部は、たとえば配線板24への実装面側を平坦化し、断面を矩形形状にしたものである。
そして、端子リード16-1、16-2の端子部は、台座6に形成されたガイド溝26-1、26-2に沿って相反方向に折り曲げられて台座6のガイド溝26-1、26-2に配置されている。このような構成において、台座6は端子リード16-1、16-2の配置を規制し、コンデンサ2の端子板として機能する。なお、ガイド溝26-1、26-2に代えて、ガイド突起を台座6の配線板24への実装面側に設けてもよい。この場合、端子リード16-1、16-2の端子部は、台座6に形成されたガイド突起に沿って相反方向に折り曲げられる。ガイド突起は、端子リード16-1、16-2の端子部をガイドし、折り曲げられた端子リード16-1、16-2の周囲に設けられることで、実装時のコンデンサ2の安定性を確保することができる。

〔コンデンサの製造工程〕
図2ないし図4を参照してコンデンサの製造工程を説明する。図2は、被成形部材の一例の断面図であり。図3のAは、図2に示されている領域IIIの拡大図であり、図3のBは、表面層が除去された後の領域IIIの拡大図である。図4は、コンデンサの製造工程の一例を示している。図に示されているコンデンサの製造工程は、本開示のコンデンサの製造方法の一例である。図3のAに示されているドットは、離型剤を表している。図4では、コンデンサ本体、台座および樹脂層が断面で示されている。これらの工程は、封口部材14の形成工程、コンデンサ本体4の形成工程、台座6の取付工程、および樹脂の注入工程を含んでいる。
封口部材14の形成工程では、ゴムなどの絶縁性材料から、金型により、たとえば封口部材14の形状を有する被成形部材30を成型する。被成形部材30は、仕上げ前(すなわち、研磨による表面除去前)の封口部材14である。この金型による成型の段階で、被成形部材30に、図2に示すように、端子リード16-1、16-2を通すためのリード孔40が成型される。金型の表面には、金型からの被成形部材30の離型性を向上させるために、離型剤が塗布されている。そのため、成型の際、図3のAに示すように、被成形部材30の表面に離型剤が付着する。また、離型剤は、被成形部材30の表面への付着だけではなく、被成形部材30の表面付近に浸透する。そのため、被成形部材30の第1の表面32を、研磨機などを用いて研磨して、図3のBに示すように、第1の表面32の表面層50(被成形部材30の表面の一部)を除去して、封口部材14を得る。
なお、被成形部材30は、封口部材14の形状を有していてもよく、仕上げ前の複数の封口部材14とこの複数の封口部材14を結合する連結部を含んでいてもよい。被成形部材30が仕上げ前の複数の封口部材14と連結部を含む場合、被成形部材30の第1の表面32を除去した後、連結部を切り取り、複数の封口部材14を得ることができる。
研磨前の被成形部材30は、図3のAに示すように、表面に、離型剤を含んでいる。離型剤の一部は、被成形部材30の表面に付着し、残りの離型剤は、被成形部材30の表面から浸透している。そのため、研磨前の被成形部材30は、離型剤などの付着物を含む表面層50を有している。被成形部材30の研磨工程では、図3のBに示すように、この表面層50がたとえば被成形部材30の第1の表面32から除去されて、被処理面18を有する封口部材14が形成される。そのため、被処理面18は、離型剤を完全にまたはほとんど含まず、封口部材14の中心部と同じまたはほぼ同じ組成を有することになる。
封口部材14と樹脂層8の間の適切な結合力を得るため、被成形部材30の表面の研磨量は、3μm以上が好ましい。また、成型後の被成形部材30の厚さを抑制するため、被成形部材30の表面の研磨量は、研磨後の被成形部材30の厚さ、つまり封口部材14の厚さの3分の1以下であることが好ましい。被成形部材30の研磨工程では、被成形部材30の第1の表面32のみが研磨されてもよく、第1の表面32、および第1の表面32の反対面34(以下、「第2の表面34」という)の両面が研磨されてもよい。第1の表面32および第2の表面34の両面が研磨されていると、第1の表面32および第2の表面34のいずれの面がコンデンサ本体4の外側に配置されても、研磨面、すなわち被処理面18を樹脂層8と結合させることができる。
この封口部材14の形成工程では、第1の表面32の研磨により所定の研磨量の表面層50が除去され、その結果、被処理面18が形成されている。しかしながら、第1の表面32の切断により所定の切断量の表面層50が除去されて、被処理面18が形成されてもよい。また、第1の表面32の溶解により所定の溶解量の表面層50が除去されて、被処理面18が形成されてもよい。
コンデンサ本体4の形成工程では、先ず、端子リード16-1を接続した陽極箔と端子リード16-2を接続した陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回して、コンデンサ素子12を形成する。コンデンサ素子12に電解液を含浸させ、このコンデンサ素子12を外装ケース10に封入後、外装ケース10の開口部に封口部材14が取付けられ、コンデンサ本体4が形成される。封口部材14は、被処理面18が外側に配置されるように、外装ケース10に配置される。なお、本実施の形態では、コンデンサ素子12に電解液を含浸して電解コンデンサを形成したが、これに限らず、導電性高分子を含浸させて固体電解質層を形成したコンデンサ素子12を用いて固体電解コンデンサとしてもよいし、導電性高分子を含浸したコンデンサ素子12に電解液を含浸させるハイブリッド型コンデンサとしてもよい。
台座6の取付工程では、図4のAに示すように、既述の形状に成形された台座6をコンデンサ本体4の封口部材14側に取付ける。台座6の取付工程では、コンデンサ本体4の端子リード16-1、16-2が台座6の挿通孔20-1、20-2を通って台座6の外側に突出し、突出した端子リード16-1、16-2が台座6のガイド溝26-1、26-2に沿って折り曲げられる。台座6の取付工程では、外装ケース10が台座6に接触し、封口部材14と台座6の間に隙間SPが形成される。
樹脂の注入工程では、図4のBに示すように、台座6の樹脂注入孔28から液状の樹脂が注入される。液状の樹脂は、封口部材14と台座6の間の隙間SPに充填される。注入された樹脂は硬化して、図4のCに示すように、封口部材14と台座6の間で樹脂層8を形成する。樹脂注入にはたとえばディスペンサが用いられる。
樹脂層8は、封口部材14の被処理面18と結合する。そのため、離型剤の影響をほとんどまたは完全に受けることなく、樹脂層8と被処理面18の間の結合力が高められる。

〔封口部材14と樹脂層8の間の結合力の確認〕
図5は、樹脂層と封口部材との間の結合力(以下、「界面結合力」という)を確認するための試験片60の一例を示している。試験片60は、たがいに結合された第1部分60-1および第2部分60-2を含み、次の作製手順で作製される。リード孔40の成型を除き、試験片60の第1部分60-1を封口部材14と同様の方法で作製する。第1部分60-1上にテフロン(登録商標)製の筒を載せ、樹脂層8の形成に用いられる樹脂を筒の中空部に注入する。樹脂を硬化させて、試験片60の第2部分60-2を形成する。筒を取り外して、試験片60を得る。このように作製された試験片60では、封口部材14に相当する第1部分60-1が、樹脂層8に相当する第2部分60-2に結合することになる。第1部分60-1と第2部分60-2の間の結合は、封口部材14と樹脂層8の間の結合と同様であり、第1部分60-1と第2部分60-2の間の結合力は、封口部材14と樹脂層8の間の界面結合力に相当することになる。
結合力の比較のために、第1、第2および第3の比較試験片を作製する。第1、第2および第3の比較試験片の作製手順は、次の手順で試験片60の作製手順と異なる。第1の比較試験片は、被成形部材30の研磨を伴わない作製手順で作製される。第2の比較試験片は、被成形部材30の研磨を伴わず、かつ粗面を有する金型を用いた作製手順で作製される。第3の比較試験片は、被成形部材30の研磨の代わりに被成形部材30の洗浄を伴う作製手順で作製される。
試験片60では、被成形部材30の研磨により表面層50が除去されている。そのため、試験片60の第1部分60-1は被処理面18を有し、この被処理面18が第2部分60-2と結合している。これに対し、作製手順の違いのため、第1の比較試験片の第1部分60-1は表面層50を有し、この表面層50が第2部分60-2と結合している。第2の比較試験片の第1部分60-1は、粗面を有する表面層50を有し、この表面層50が第2部分60-2と結合している。第3の比較試験片の第1部分60-1は、洗浄された表面層50を有し、この表面層50が第2部分60-2と結合している。
試験片60の結合力を次の方法で確認した。試験片60の第2部分60-2が引っ張られると、試験片60の第2部分60-2には、第1部分60-1と第2部分60-2の結合面、すなわち界面に沿った方向に力が働き、第1部分60-1と第2部分60-2の間の結合力を確認することができる。確認結果は、表1のとおりである。
Figure 0007354732000001
3μm、7μm、22μm、37μm、56μmの研磨量において、全ての試験片60が図6のAに示すように第1部分60-1で破壊された。すなわち、研磨量が3μm以上であると、第1部分60-1と第2部分60-2の間の結合力は、第1部分60-1の内部の結合力よりも高くなる。この結果は、封口部材14と樹脂層8の間の界面結合力が封口部材14の内部の結合力よりも高いこと、および封口部材14の表面が樹脂層8に強固に結合していることを表している。封口部材14の表面の処理は、樹脂層8と封口部材14の界面結合力が、封口部材14の破壊が生じる応力より強ければよく、研磨量、切断量または溶解量などの表面除去処理量は、封口部材14の内部の結合力に応じて、設定すればよい。
第1の比較試験片の結合力を試験片60と同様の方法で確認した。確認結果は、表2のとおりである。
Figure 0007354732000002
全ての第1の比較試験片が、図6のBに示すように、部分的に第1部分60-1と第2部分60-2の間の界面で剥離し、部分的に第1部分60-1で破壊された。
第2の比較試験片の結合力を試験片60と同様の方法で確認した。確認結果は、表3のとおりである。表3中の表面粗さは、国際標準化機構(ISO)が定める規格ISO25178の算術平均高さ(arithmetical mean height)Saに準拠するパラメータである。
Figure 0007354732000003
全ての第2の比較試験片が、図6のCに示すように、全面的に第1部分60-1と第2部分60-2の間の界面で剥離した。
第3の比較試験片の結合力を試験片60と同様の方法で確認した。確認結果は、表4のとおりである。
Figure 0007354732000004
全ての第3の比較試験片が、図6のBに示すように、部分的に第1部分60-1と第2部分60-2の間の界面で剥離し、部分的に第1部分60-1で破壊された。
確認結果から、表面層50の除去により、封口部材14と樹脂層8の界面での結合力が向上することが確認された。

〔コンデンサの界面結合力の確認〕
実施の形態に係るコンデンサ2および比較のためのコンデンサに対し、リフロー試験を行った。比較のためのコンデンサは、封口部材が既述の表面層50を有し、この表面層50が樹脂層8に結合されている。リフロー試験では、無鉛はんだを用いたリフローはんだで行われる加熱を1回行った。斯かる加熱の最高温度は、260℃に設定した。リフロー試験後のコンデンサ2および比較のためのコンデンサの内部をX線で観察した。
リフロー試験後のコンデンサ2では、樹脂層8が封口部材14に結合していた。これに対し、比較のためのコンデンサでは、樹脂層8と封口部材との間に隙間が形成されていた。すなわち、比較のためのコンデンサでは、リフロー試験により樹脂層8の一部が封口部材から剥離した。
この実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) 封口部材14と樹脂層8の間の界面の結合力を高めることができ、その結果、コンデンサ2の耐熱性を高めることができる。
(2) コンデンサ2の耐熱性を高めることにより、鉛フリーはんだを用いたリフローはんだによりコンデンサ2を基板に実装することができる。
(3) 封口部材14からの樹脂層8の剥離を抑制することができ、コンデンサ2の内部の電解液の蒸散を抑制することができる。
(4) 研磨、切断または溶解による表面層50の除去により、表面に付着した付着物だけでなく、表面から浸透した付着物も除去することができる。そのため、封口部材14に対する樹脂層8の結合力を理想状態に近い状態まで高めることができ、樹脂層8を封口部材14に密着させることができる。
(5) コンデンサ2が台座6および樹脂層8による電解液の蒸散抑止構造を含むので、薄い封口部材14を使用することができ、コンデンサ2の小型化または低背化の要請に対応できる。
(6) 研磨、切断または溶解による表面層50の除去により、被成形部材30の離型剤が付着していない絶縁性材料および充填剤として含まれるマイカやタルク、クレー、含水ケイ素、無水ケイ素、カーボンブラックなどを表出させることができる。これらの離型剤が付着していない絶縁性材料や充填剤が表出して樹脂層8と結合することで、より樹脂層8と封口部材14との密着性の向上が期待できる。
以上説明した実施の形態について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、少なくとも第1の表面32が研磨、切断または溶解されている。しかしながら、少なくとも第2の表面34が研磨、切断または溶解されて、この第2の表面34側の被処理面が樹脂層8と結合されてもよい。
(2) 台座6、樹脂層8、外装ケース10および封口部材14の形成材料は、上記材料に限定されることなく、適宜変更してもよい。
(3) 上記実施の形態では、被成形部材30の成型の次に被成形部材30の表面を研磨して、被処理面18を形成している。しかしながら、表面の研磨、切断または溶解は、被成形部材30の成型後であれば、いずれのタイミングで行われてもよい。
(4) 上記実施の形態では、台座6に樹脂注入孔28が形成され、台座6をコンデンサ本体4に設置した後に樹脂を注入し、樹脂層8を形成しているが、適宜変更してもよい。コンデンサ本体4または台座6に樹脂を付着させ、その後台座6をコンデンサ本体4の封口部材14側に取付けるとともに、樹脂をコンデンサ本体4と台座6の間に行き渡らせて、コンデンサ本体4と台座6の間の隙間を樹脂で満たしてもよい。斯かる構成によれば、樹脂注入孔28を設ける必要がない。
以上説明したように、本開示の最も好ましい実施の形態などについて説明したが、本開示は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
本開示のコンデンサおよびその製造方法は、広く電子機器に利用でき、有用である。
2 コンデンサ
4 コンデンサ本体
6 台座
8 樹脂層
10 外装ケース
12 コンデンサ素子
14 封口部材
16-1、16-2 端子リード
18 被処理面
20-1、20-2 挿通孔
28 樹脂注入孔
30 被成形部材
32 第1の表面
34 第2の表面
40 リード孔
50 表面層

Claims (4)

  1. 封口部材を含むコンデンサ本体と、
    前記コンデンサ本体の前記封口部材側に設置される台座と、
    前記台座と前記封口部材との間に配置される樹脂層と
    を備え、
    前記封口部材は、表面層の除去により形成された被処理面を前記樹脂層側に有し、
    前記被処理面が、研磨または溶解された被処理面であり、研磨または溶解された前記被処理面が前記樹脂層に結合することを特徴とするコンデンサ。
  2. 研磨または溶解により被成形部材の一表面を除去して、除去による被処理面を有する封口部材を形成する工程と、
    前記被処理面が外側に配置されている前記封口部材を含むコンデンサ本体を形成する工程と、
    台座を前記コンデンサ本体の前記封口部材側に設置する工程と、
    前記台座と前記封口部材の間に樹脂層を形成する工程と
    を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
  3. 前記被成形部材の一表面の研磨量または溶解量が、3μm以上であることを特徴とする請求項に記載のコンデンサの製造方法。
  4. さらに、離型剤が塗布された金型を用いて前記被成形部材を形成する工程を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコンデンサの製造方法。
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