JP7354726B2 - ネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法 - Google Patents

ネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法 Download PDF

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Description

本発明はネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法に関し、詳細には、バーチャルパワープラントを実現するためのネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法に関する。
従来の電力網は、火力発電所や水力発電所などの大型の発電所で発電した電力を、電気の需要家である企業や家庭に供給する形態をとるのが一般的であった。近年、従来の電力網に代わる電力網として、バーチャルパワープラント(VPP:Virtual Power Plant)を用いた電力網が注目されている。バーチャルパワープラントは、太陽光発電、蓄電池、電気自動車、ネガワット(節電した電力)といった広く普及したエネルギーリソース(分散型のエネルギーリソース)を活用すべく、IoTを駆使した高度なエネルギーマネジメント技術によって分散型のエネルギーリソースを遠隔・統合制御し、あたかも1つの発電所のような機能を実現するものである。
近年、バーチャルパワープラントの分散型のエネルギーリソースのひとつであるネガワット取引のための技術は、バーチャルパワープラントの要素技術として普及が期待されている。
ここで、バーチャルパワープラントとは、電力系統に直接接続されている発電設備や蓄電設備等の分散型エネルギーリソースの保有者または第三者が、当該分散型エネルギーリソースを制御することで発電所と同等の機能を提供することをいう。バーチャルパワープラントは、例えば、リソースアグリゲーターやアグリゲーションコーディネーター等によって構成される。
リソースアグリゲーターとは、需要家とバーチャルパワープラントサービス契約を直接締結して電力リソースの制御を行う事業者のことをいう。アグリゲーションコーディネーターとは、リソースアグリゲーターが制御した電力を束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接電力取引を行う事業者をいう。また、ネガワット取引とは、送配電事業者やリソースアグリゲーター等の要請に応じた電力の需要削減量の取引を言う。
一方、需要家には、受電電力が契約電力閾値以下の電力になるように受電電力を調整する受電電力調整設備を有する需要家(以下、「受電電力調整需要家」とも称する。)が存在する。受電電力調整設備とは、蓄電池システム、自家発電設備などの常用発電設備やデマンドコントローラを用い、受電電力調整需要家の負荷が増大したときに常用発電設備から受電電力調整需要家の負荷に電力を供給して受電電力を契約電力閾値以下の電力に調整する設備である。
デマンドコントローラを用いた設備では、受電電力調整需要家の負荷が増大したときに、デマンドコントローラにより受電電力調整需要家内の負荷を選択遮断して受電電力を契約電力閾値以下の電力になるようにしている。
例えば、常用発電設備として蓄電池システムを有する受電電力調整需要家では、受電電力のピークカットを目的とし、受電電力に応じて蓄電池システムの充放電電力を自動的に調整している。
特開2018-160949号公報
このような常用発電設備は、通常、自律制御であり、外部からの制御指令を受け付ける構成とはなっていない。そのため、既設の常用発電設備をネガワット取引に利用するためには、外部から通信手段を経由して受電電力の目標値を変更できるように制御装置の改造または取替が必要になる。
しかしながら、PCS等の制御装置の改造にあたっては、メーカーや機器毎に改造仕様が異なるため多額の費用が掛かることが想定されるとともに、標準仕様で製作された装置の場合には非標準品扱いの機器となってしまうことが懸念される。
そこで、近年、こうした受電電力調整需要家の既設の常用発電設備を改造したり取替えたりすることなくネガワット取引を実現するネガワット取引支援装置の研究が行われている。
例えば、特許文献1には、受電点の受電電力(以下、「受電点電力」とも称する。)を監視し、受電点電力が所定の閾値(負荷追従閾値)を超えないように蓄電池を放電して負荷に電力を供給する負荷追従機能を備えた蓄電池システムにおいて、受電電力の見かけ上の値を調整して蓄電池システムに入力することで、ネガワット取引を実現するネガワット取引支援装置が開示されている。
このネガワット取引支援装置は、ネガワット取引のトリガとなるデマンドレスポンスを指示する指令(デマンドレスポンス指令)に含まれる受電電力の削減量に応じた値を実際の受電電力に加算した仮想受電電力を蓄電池システムに入力する。蓄電地システムは、仮想受電電力が負荷追従閾値を超えないように蓄電池を放電して負荷に電力を供給する。これにより、デマンドレスポンス指令に応じて受電電力を削減することが可能となる。
しかしながら、真夏や真冬などの日頃から受電電力が負荷追従閾値を超えているような場合、ネガワット取引をするために算出される仮想受電電力が元の受電電力より小さくなることがある。この場合、PCS側で本来は負荷追従閾値を超える分の電力を放電し、契約電力超過を防ぐはずが、仮想受電電力がかさ下げされたために十分な放電ができず、契約電力を超過する可能性がある。契約電力の超過は、受電電力調整需要家にとっては避けるべきことである。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、契約電力に対して負荷が大きいにもかかわらず、蓄電池の十分な放電ができずに契約電力を超過することを防止して安全にネガワット取引を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援装置は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な補助電力源と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記補助電力源の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた常用発電設備に接続可能なネガワット取引支援装置であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を取得する目標値取得部と、前記所定の閾値から前記受電電力の目標値を差し引くことによってバイアス値を算出するバイアス値算出部と、前記バイアス値が0以上の場合は当該バイアス値を出力し、前記バイアス値が0未満の場合は0を出力するバイアス値調整部と、前記バイアス値調整部から出力された値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力を算出して、前記常用発電設備の前記制御装置に入力する仮想受電電力算出部とを有することを特徴とする。
第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置100を既存の蓄電池システム1に組み込んだネガワット取引装置100の構成を示す図である。 蓄電池システム1の動作を説明するための図である。 蓄電池システム1の動作を説明するための図である。 蓄電池システム1の動作を説明するための図である。 第1の実施形態に係るネガワット取引装置100の動作を説明するための図である。 比較のための装置の動作を説明するための図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
[1]本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援装置(3)は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷(2)に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な補助電力源(12)と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記補助電力源(12)の出力電力の値を制御する制御装置(10)とを備えた常用発電設備(1)に接続可能なネガワット取引支援装置(3)であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を取得する目標値取得部(32)と、前記所定の閾値から前記受電電力の目標値を差し引くことによってバイアス値を算出するバイアス値算出部(33)と、前記バイアス値を0以上に調整して出力するバイアス値調整部(39)と、前記バイアス値調整部から出力された値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力を算出して、前記常用発電設備の前記制御装置に入力する仮想受電電力算出部(35)とを有することを特徴とする。
[2]上記[1]のネガワット取引支援装置において、前記バイアス値調整部は、前記バイアス値が0以上の場合は当該バイアス値を出力し、前記バイアス値が0未満の場合は0を出力してもよい。
[3]上記[1]または[2]のネガワット取引支援装置において、前記デマンドレスポンス指令は、受電電力の削減量を指定した削減量指定値を含み、前記目標値取得部は、前記削減量指定値をベースラインから差し引くことにより、前記受電電力の目標値を取得してもよい。
[4]本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援方法は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な補助電力源と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記補助電力源の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた常用発電設備を用いたネガワット取引を支援するネガワット取引支援方法であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を取得する第1ステップと、前記所定の閾値から前記受電電力の目標値を差し引くことによってバイアス値を算出する第2ステップと、前記バイアス値が0以上の場合は当該バイアス値を出力し、前記バイアス値が0未満の場合は0を出力する第3ステップと、前記第3ステップにおいて出力された値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力を算出して、前記常用発電設備の前記制御装置に入力する第4ステップとを含むことを特徴とする。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置を既存の蓄電池システムに組み込んだネガワット取引装置の構成を示す図である。
ネガワット取引装置100は、例えば、受電電力調整需要家の敷地内に設置され、バーチャルパワープラントを構成するリソースアグリゲーター等から送信されるデマンドレスポンス指令(以下、「DR指令」とも称する。)に応じて、受電点における受電電力を削減してネガワット取引を可能にするシステムである。
図1に示すように、ネガワット取引装置100は、蓄電池システム1と、蓄電池システム1(制御装置10)の前段に設けられるネガワット取引支援装置3と、を備えている。
蓄電池システム1は、受電電力調整需要家の受電点における受電電力が供給される負荷2に対して、上記受電電力とは別に電力を供給可能な蓄電池12を備えた常用発電設備である。
図1に示すように、蓄電池システム1は、制御装置10と電力変換器11と蓄電池12とを備えている。蓄電池システム1は、受電電力に応じて、電力変換器11を介した蓄電池12の出力電力Pgが変化するように構成されている。すなわち、蓄電池システム1において、制御装置10が、入力された受電電力PjAの値と蓄電池12の出力電力Pgの値とに基づいて、蓄電池12の発電電力を調整するための蓄電池出力電力調整値Pgaを決定して電力変換器11へ出力し、電力変換器11が蓄電池出力電力調整値Pgaに応じて調整した出力電力を出力する。
制御装置10は、電力変換器11を制御して蓄電池12の出力電力を調整するための装置である。制御装置10は、ハードウェア資源として、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM等の各種記憶装置と、タイマ(カウンタ)と、A/D変換回路と、D/A変換回路と、入出力I/F回路等の周辺回路とがバスを介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)を備えている。
図1に示すように、制御装置10は、蓄電池12の出力電力を調整する機能を実現するための機能ブロックとして、負荷電力算出部13と、負荷追従閾値設定部14と、出力電力調整値算出部15とを有している。これらの機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、入出力I/F回路やタイマ等の周辺回路を制御することによって、実現される。
負荷電力算出部13は、例えば、入力された受電電力の値と蓄電池12の出力電力Pgの値とを加算して、負荷電力の値PLBを算出する。
負荷追従閾値設定部14は、蓄電池システム1の出力目標(出力電力の値Pg)を決定するための閾値(以下、「負荷追従閾値」と称する。)Pgref(閾値に相当)を設定する。
負荷追従閾値Pgrefとしては、例えば、受電電力調整需要家の契約電力に準じた値が設定される。例えば、負荷追従閾値Pgrefを契約電力に等しい値に設定してもよいが、契約電力よりも低い値に設定することにより、蓄電池システム1が余裕をもって動作することが可能となる。なお、負荷追従閾値Pgrefは1つに限られず、複数設定しておき、どの閾値に基づいて制御を行うかをさらに設定できるようにしてもよい。
出力電力調整値算出部15は、負荷電力PLBが負荷追従閾値Pgrefを超えないように、蓄電池12の出力電力の目標値である出力電力調整値Pgaを算出する機能部である。出力電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLBから負荷追従閾値Pgrefを減算して、出力電力調整値Pgaを算出する。算出された出力電力調整値Pgaは、「0」以上である場合に制御装置10から電力変換器11に出力される。算出された出力電力調整値Pgaが「0」未満である場合は、「0」が制御装置10から電力変換器11に出力される。
ここで、蓄電池システム1の動作について、図を用いて説明する。ここでは、ネガワット取引支援装置3を接続していない既存の常用発電設備の構成例を用いて、蓄電池システム1の動作を説明する。
図2Aから図2Cは、蓄電池システム1の動作を説明するための図である。
図2Aから図2Cに示す蓄電池システム1において、負荷追従閾値Pgref=2300kWであるとする。また、図2Aには、負荷2の大きさが2000kWである場合の出力電力等の数値例が示され、図2Bには、負荷2の大きさが2000kWから2500kWに変化した直後の出力電力等の数値例が示され、図2Cには、負荷2の大きさが2500kWである場合の出力電力等の数値例が示されている。
図2Aから図2Cに示すように、ネガワット取引支援装置3が接続されていない既存の常用発電設備の構成例では、受電電力調整需要家の受電点で受電された実受電電力PjAの値が受電電力の値として、制御装置10に入力される。
図2Aに示すように、負荷2の大きさが、負荷追従閾値Pgref=2300kWを下回る2000kWである場合、蓄電池12は電力を出力していない。すなわち、受電点の実受電電力PjA=2000kWであるので、負荷電力算出部13によって算出される負荷電力の値PLBは、実受電電力PjAと等しい値(=2000kW)となる。
出力電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLB(=2000kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して、出力電力調整値Pgaとしてマイナス300kWが算出されるが、これは「0」未満であるので、出力電力調整値Pgaとして「0」を、電力変換器11に入力する。この場合は、負荷2には外部(系統)からの電力のみが入力される。なお、出力電力調整値算出部15はリミッタ機能を有しており、負荷電力の値PLBから負荷追従閾値Pgrefを減算した値が「0」未満となる場合は、「0」に補正して出力電力調整値Pgaとして出力する。
次に、負荷2の大きさが2000kWから2500kWに変化した場合を考える。変化直後では、図2Bに示すように、まだ蓄電池12は電力を出力していないので、受電点の実受電電力PjAは負荷2の値と等しい2500kWに変化する。さらに負荷電力算出部13によって算出される負荷電力の値PLBは、まだ蓄電池12は電力を出力していないので、実受電電力PjAと等しい値(=2500kW)となる。
出力電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLB(=2500kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して、出力電力調整値Pga(=200kW)を算出し、電力変換器11に入力する。
これにより、次の制御タイミングでは、負荷2に対して、蓄電池12から200kWの電力が供給され、図2Cに示すように、受電点の実受電電力PjAは、当初(図2Bの場合)の値(2500kW)よりも蓄電池12の出力電力(200kW)の分だけ少ない値(2300kW)になる。すなわち、受電点の実受電電力PjA(=2300kW)が負荷追従閾値Pgref(=2300kW)と等しくなる。この場合も負荷電力算出部13によって算出される負荷電力の値PLBは、実受電電力PjA(=2300kW)に蓄電池の出力電力(200kW)を加えた値(=2500kW)となる。
出力電力調整値算出部15は、図2Bと同様に、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLB(=2500kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して、出力電力調整値Pga(=200kW)を算出し、電力変換器11に入力する。その後、制御装置10は、実受電電力PjA(=2300kW)が負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を超えないように、蓄電池12の出力電力を調整する。
このように、蓄電池システム1の制御装置10は、負荷電力の値PLBが負荷追従閾値Pgrefを超えた場合に蓄電池12の電力を出力させ、蓄電池12からの電力の出力後は、受電点の電力が負荷追従閾値Pgrefを超えないように、蓄電池12から負荷2に供給する出力電力を制御する。すなわち、制御装置10は、受電電力を入力とし、受電電力と蓄電池12の出力電力との合計値(負荷電力PLB)が負荷追従閾値Pgrefに収束するように蓄電池12の出力電力を制御する、所謂PI制御のフィードバック系を構成している。
次に、ネガワット取引支援装置3について説明する。
ネガワット取引支援装置3は、上述した既存の蓄電池システム1におけるフィードバック系の目標値に代えて、ネガワット取引のトリガとなるDR指令値(デマンドレスポンスで指定する値)で指定された値を新たな目標値として、蓄電池システム1を制御する装置である。
ネガワット取引支援装置3は、ハードウェア資源として、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM等の各種記憶装置と、タイマ(カウンタ)と、A/D変換回路と、D/A変換回路と、入出力I/F回路等の周辺回路とがバスを介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)を備えている。また、ネガワット取引支援装置3は、例えば、リソースアグリゲーター等の上位装置や蓄電池システム1との間で有線または無線により通信を行うための通信回路等も備えている。
図1に示すように、ネガワット取引支援装置3は、蓄電池システム1を用いたネガワット取引を支援する機能を実現するための機能ブロックとして、DR指令受信部31と、受電電力目標値算出部32と、バイアス値算出部33と、DR発動指令部34と、仮想受電電力算出部35と、スケジュール管理部36と、ベースライン算出部37と、負荷追従閾値入力部38とを備えて構成されている。
本実施形態のネガワット取引支援装置3は、さらに、契約電力を超過しないようにする機能を実現するための機能ブロックとしてバイアス値調整部39を備えている。
ネガワット取引支援装置3のこれらの機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、入出力I/F回路やタイマ等の周辺回路および上記通信回路を制御することによって、実現される。
DR指令受信部31は、例えばリソースアグリゲーター等の上位装置からDR指令を受信する。
DR指令には、例えば、DR発動時間のデータ(以下、「DR発動時間情報」とも称する。)と、DR指令による電力の削減量の目標値(以下、「目標削減量」とも称する。)のデータPtとが含まれている。例えば、DR発動時間のデータには、DR指令を発動させる期間を指定する情報として、DR指令を発動させる時刻を指定する情報(DR発動時刻)と、DR指令の発動を停止させる時刻を指定する情報(DR停止時刻)とが含まれている。
ベースライン算出部37は、ベースラインP0の値を算出する。
ここで、ベースラインP0とは、ネガワット取引において、需要家がDR指令に応じて、受電電力を削減する際の基準となる値である。例えば、ベースラインP0は、その需要家における、所定時刻における負荷2の値または受電電力の過去数日間に亘る平均値である。例えば、過去5日間において30分毎に特定した負荷2の値の平均値をDR発動期間におけるベースラインP0の値とすることができる。DR発動時において、需要家における当日の負荷2の値とベースラインP0とは近接した値となっていることが好ましい。
受電電力目標値算出部32は、DR指令受信部31によって受信した目標削減量Ptと、ベースラインP0とに基づいて、受電電力目標値Psetを決定する。この受電電力目標値Psetが蓄電池システム1を用いてネガワット取引を実現するための新たな目標値となる。
受電電力目標値Psetは、DR指令に応じて受電点の受電電力を削減する場合における、受電電力の目標値である。受電電力目標値算出部32は、ベースラインP0から目標削減量Ptを減算して、受電電力目標値Pset(=P0-Pt)を算出する。
負荷追従閾値入力部38は、蓄電池システム1の制御装置10におけるフィードバック目標値を受電電力目標値Psetに変換するために必要な負荷追従閾値Pgrefを出力する機能部である。負荷追従閾値Pgrefは、蓄電池システム1における制御装置10の負荷追従閾値設定部14から入力される負荷追従閾値Pgrefをキャンセルする値となる。したがって、負荷追従閾値入力部38には、蓄電池システム1の制御装置10と同じ負荷追従閾値Pgrefが設定されており、負荷追従閾値入力部38は、負荷追従閾値Pgrefをバイアス値算出部33に与える。
バイアス値算出部33は、受電電力指定値Psetと負荷追従閾値入力部38から出力された負荷追従閾値Pgrefとに基づいて、受電電力目標バイアス値Pbiasを算出する。
受電電力目標バイアス値Pbiasは、蓄電池システム1を用いてネガワット取引を実現するために、蓄電池システム1の制御装置10に入力される受電電力の値を受電点における実受電電力PjAよりも大きく見せる補正値である。
具体的に、バイアス値算出部33は、負荷追従閾値Pgrefから受電電力指定値Psetを減算して受電電力目標バイアス値Pbiasを算出し、バイアス値調整部39に与える。
バイアス値調整部39は、受け取った受電電力目標バイアス値Pbiasを「0」以上の値に調整して、調整済みの受電電力目標バイアス値PbiasとしてDR発動指令部34に与えるリミッタとして機能する。すなわち、バイアス値調整部39は、受け取った受電電力目標バイアス値Pbiasが「0」以上の場合は、受け取った「受電電力目標バイアス値Pbias」をそのまま出力し、受け取った受電電力目標バイアス値Pbiasがマイナスの場合は、「0」を出力する。
スケジュール管理部36は、DR指令に基づく電力削減処理の実行(DRの発動)と停止を制御する機能部である。スケジュール管理部36は、DR指令受信部31によって受信したDR指令に含まれるDR発動時間情報に基づいて、DRの発動の可否を示すDR発動指令信号Xを出力する。
スケジュール管理部36は、例えば計時を行うタイマを有しており、DR指令受信部31がDR指令を受信すると、DR発動時間の情報に含まれるDR指令の発動時刻とDRの終了時刻とが上記タイマに設定される。スケジュール管理部36は、通常、DR指令に基づく電力削減処理の停止を指示するDR発動指令信号X(=0)を出力している。スケジュール管理部36は、計測している時刻が設定された発動時刻と一致した場合に、DR指令に基づく電力削減処理の実行を指示するDR発動指令信号X(=1)を出力する。その後、計測している時刻が設定された停止時刻と一致した場合には、DR指令に基づく電力削減処理の停止を指示するDR発動指令信号X(=0)を出力する。
DR発動指令部34は、DR発動指令信号Xに基づいて、受電電力目標バイアス値Pbiasの出力を制御する。DR発動指令部34は、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力削減処理の停止を指示する値(例えば0)である場合には、“0”を出力する。一方、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力削減処理の実行を指示する値(例えば1)である場合には、バイアス値調整部39によって出力された“受電電力目標バイアス値Pbias”または“0“を出力する。
仮想受電電力算出部35は、蓄電池システム1の制御装置10に入力すべき受電電力の値を補正した仮想受電電力PjBを算出する機能部である。仮想受電電力算出部35は、受電点における実受電電力PjAにDR発動指令部34から出力された値を加算して、仮想受電電力PjBを算出する。仮想受電電力算出部35によって算出された仮想受電電力PjBは、例えば4-20mAの電流信号によって、制御装置10に入力される。
例えば、DRが発動していない場合(DR発動指令信号X=0の場合)には、DR発動指令部34から“0”が出力されるので、仮想受電電力算出部35は、実受電電力PjAの値に“0”を加算して仮想受電電力PjBを算出する。すなわち、DR発動が指示されていない場合(DR発動指令信号X=0の場合)には、実受電電力PjAの値がそのまま受電電力PjBとして出力され、制御装置10(負荷電力算出部13)は、実受電電力PjAを用いて負荷電力PLBを算出する。
一方、DRが発動している場合(DR発動指令信号X=1の場合)には、DR発動指令部34から“受電電力目標バイアス値Pbias”または“0”が出力されるので、仮想受電電力算出部35は、実受電電力PjAの値に“受電電力目標バイアス値Pbias”または“0”を加算して仮想電力PjBを算出する。このとき仮想電力PjBに加算される“受電電力目標バイアス値Pbias”は、バイアス値調整部39によって必ず“0”より大きい値となっている。したがって、DRが発動している場合には、実受電電力PjAの値を“受電電力目標バイアス値Pbias”または“0”だけかさ上げした(バイアスした)値が、受電電力PjBとして出力され、制御装置10(負荷電力算出部13)は、実受電電力PjAの代わりに仮想受電電力PjBを用いて負荷電力PLBを算出する。
このように、ネガワット取引支援装置3を蓄電池システム1の前段に設けることにより、制御装置10は、受電電力目標バイアス値が0未満となることを回避するので、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令(DR指令)に応じて算出される仮想受電電力の値(仮想受電電力PjB)が受電電力PjAよりも小さい値となることがない。これにより、ネガワット取引装置100は、ネガワット取引支援装置3と既存の蓄電池システム1によって、DR指令に応じた電力の削減(ネガワット取引)を行う場合に、蓄電池の十分な放電ができずに出力する契約電力を超過することを防止することが可能となる。
次に、ネガワット取引装置100の動作について、図を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態に係るネガワット取引装置100におけるDR発動前後の電力の変化を示すタイミングチャートである。図4はバイアス値調整部39を設けない以外は第1の実施形態に係るネガワット取引装置100と同様の構成の装置(以下「比較装置」とも称する。)におけるタイミングチャートであり、比較のために示した。
図3および図4において、横軸は時間を示し、縦軸は電力を示している。また、図3(a)および図4(a)には、負荷2、ベースラインP0、蓄電池出力Pg、DR削減量Ptの変化が示され、契約電力Pth、負荷追従閾値Pgrefが示されている。図3(b)および図4(b)には、受電電力PjA、蓄電池出力Pg、DR削減量Ptの変化が示され、契約電力Pth、負荷追従閾値Pgrefが示されている。
(DR開始前)
図3、4に示すように、DR開始前に負荷2が増大すると、これに伴って受電電力PjAが増大する。さらに負荷2が増大して、時刻t1において受電電力PjAの値が負荷追従閾値Pgrefの値を超過すると、蓄電池システム1の制御装置10の出力Pgaが“0”より大きくなり、蓄電池出力Pgが立ち上がる。時刻t2において負荷2の増加が止まるまで、蓄電池出力Pgも増加する。時刻t2における負荷2の増大量は、負荷2が増大し始めてから時刻t2において値の変化が停止に至るまでの受電電力PjAの増加分と蓄電池出力Pgの増加分との合計と等しい。
(DR発動)
図3、4のt3において、DRが発動すると、受電電力目標値算出部32は、ベースラインP0から目標削減量Ptを減算して、受電電力目標値Pset(=P0-Pt)を算出し、バイアス値算出部33に出力する。
バイアス値算出部33は、受け取った受電電力目標値Psetを負荷追従閾値Pgrefから差し引くことによって受電電力目標バイアス値Pbiasを算出し、バイアス値調整部39に出力する。
バイアス値調整部39は受け取った受電電力目標バイアス値Pbiasが「0」より大きいことを確認し、受電電力目標バイアス値PbiasをDR発動指令部34に出力する。
時刻t3においては、DR指令が発動されているので、スケジュール管理部36から出力される電力削減処理の実行を指示するDR発動指令信号X(=1)に基づいてDR発動指令部34は、受電電力目標バイアス値Pbiasを仮想受電電力算出部35に出力することとなる。
仮想受電電力算出部35は、入力される受電電力PjAと受電電力目標バイアス値Pbiasとの合計値を仮想受電電力PjBとして算出し、蓄電池システム1に出力する。
蓄電池システム1では、負荷電力算出部13が、受け取った仮想受電電力PjBと蓄電池出力Pgとの合計値を負荷電力PLBとして算出する。算出された負荷電力PLBは、前回の制御タイミングで受け取った仮想受電電力PjBよりもDR削減量Ptだけ大きな値になる。したがって、制御装置10の出力PgaはDR削減量Ptだけ大きな値になり、蓄電池出力PgもDR削減量Ptだけ増加する。
このように、DR指令が発動すると、負荷2の変動がないにもかかわらず蓄電池出力PgがDR削減量Ptだけさらに増加する。これに伴って、受電電力PjAがDR削減量Ptだけ低下することによりDRが実行される。
ここまでの動作は、本実施形態のネガワット取引装置100と比較装置とにおいて共通している。しかしながら、ベースラインが増加すると、ネガワット取引装置100と比較装置とで動作が異なり、受電電力の値が異なる挙動を示す。
(本実施形態のネガワット取引装置100におけるベースラインの増加)
図3の時刻t4において、ベースラインP0が増加して、負荷追従閾値Pgrefを超えるようになると、バイアス値算出部33によって算出される受電電力目標バイアス値Pbiasが「0」未満になるので、バイアス値調整部39は「0」を出力する。
受電電力目標バイアス値Pbiasに代えて「0」を受け取ったDR発動指令部34は、DR発動中にもかかわらず、仮想受電電力算出部35に「0」を出力することとなる。その結果、仮想受電電力算出部35は、受電電力PjAと同じ値を仮想受電電力PjBとして蓄電池システム1に出力する。
蓄電池システム1では、負荷電力算出部13が、受け取った仮想受電電力PjBと蓄電池出力Pgとの合計値を負荷電力PLBとして算出する。算出された負荷電力PLBは、前回の制御タイミングで受け取った仮想受電電力PjBよりもDR削減量だけ小さな値になる。したがって、制御装置10の出力PgaはDR削減量だけ小さな値になり、蓄電池出力PgもDR削減量だけ低下する。
このようにして蓄電池システム1から負荷2に供給される蓄電池出力PgがDR削減量だけ低下すると、時刻t4の前後において負荷2の大きさに変動はないので、受電点の受電電力PjAがDR削減量と等しい大きさだけ増加して、DR発動前の受電電力PjAに戻ることとなる。すなわち、DR発動中にもかかわらず、DR動作が中止され、蓄電池出力Pgを制御する制御装置10の出力Pgaは受電電力PjAのみによって決定されることとなる。
また、この例では、時刻t4においてベースラインP0のみが増加するだけで負荷2の変動が伴っていないので、DR動作だけが中止される結果となっている。ベースラインP0が増加するというのは、それだけ負荷2の増加も予想されることを意味する。したがって、DR動作を中止することによって、急激な負荷2の増加にも対応可能である。
(比較装置におけるベースラインの増加)
一方、バイアス値調整部39がない比較装置の場合、図4に示すように、ベースラインP0が増加して、負荷追従閾値Pgrefが超えるようになると、本実施形態に係るネガワット取引装置100とは異なる挙動を示す。すなわち、比較装置では、バイアス値調整部39によって、受電電力目標バイアス値Pbiasが「0」未満とならないように制御されないので、DR発動指令部34によって仮想受電電力算出部35に入力される受電電力目標バイアス値Pbiasが「0」未満になってしまうことがある。
ここで、受電電力目標バイアス値Pbiasは、負荷追従閾値Pgrefから受電電力目標値Pset(=P0-Pt)を差し引いたものであるので、以下の(式1)の関係が成り立つ。
Pbias=Pgref-(P0-Pt)・・・(式1)
上記(式1)によれば、ベースラインP0が負荷追従閾値Pgrefよりも高くなり、受電電力目標値Psetが負荷追従閾値Pgrefよりも大きい値になると受電電力目標バイアス値Pbiasが「0」未満になることが判る。ここでは、「0」未満となった受電電力目標バイアス値Pbiasを「負のバイアス値」ともいう。さらに、「負のバイアス値」の大きさ、すなわち「0」未満となった受電電力目標バイアス値Pbiasの絶対値のことを「負のバイアス値の量」ともいう。
受電電力目標バイアス値Pbiasが「0」未満になってしまうと、仮想受電電力算出部35によって算出される仮想受電電力PjBは、受電電力PjAに「負のバイアス値」を加えたものとなる。つまり、仮想受電電力PjBが受電電力PjAよりも小さい値となってしまう。この算出される仮想受電電力PjBは、前回算出された仮想受電電力PjBよりもDR削減量だけでなく、さらに「負のバイアス値の量」だけ小さい値となる。
蓄電池システム1では、負荷電力算出部13が、受け取った仮想受電電力PjBと蓄電池出力Pgとの合計値を負荷電力PLBとして算出する。算出される負荷電力PLBは、前回の制御タイミングの負荷電力PLBよりもDR削減量と「負のバイアス値の量」との合計分だけ小さくなった値になる。したがって、図4の時刻t4における制御装置10の出力Pgaはかなり小さな値になり、蓄電池出力PgもDR削減量だけでなく負のバイアス値の量を含めた分だけ低下する。これは、図3の時刻t3における蓄電池出力Pgよりもかなり小さな値となっている。
その結果、蓄電池システム1から負荷2に供給される蓄電池出力PgがDR削減量に加えて「負のバイアス値の量」の分だけ低下しても、時刻t4の前後において負荷2の大きさに変動はないので、受電点の受電電力PjAがDR削減量と「負のバイアス値の量」とを合わせた大きさだけ増加することとなる。すなわち、図4の時刻t4の後の受電電力PjAは、DR発動前の受電電力PjAよりもさらに大きな値になる。受電電力目標バイアス値Pbiasの値によっては、契約電力を超えてしまうこととなる。すなわち、蓄電池の十分な放電ができずに、DR発動中にもかかわらず、DR動作が中止されるだけでなく、契約電力の超過に至ってしまう。
このように、本実施形態に係るネガワット取引支援装置3は、ベースラインが変動して負荷追従閾値を超えるようになっても、受電電力目標バイアス値が0未満となることを回避するので、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令(DR指令)に応じて算出される仮想受電電力の値(仮想受電電力PjB)が受電電力PjAよりも小さい値となることがない。これによれば蓄電池システム補助電力源を用いてネガワット取引に利用する場合に、蓄電池の十分な放電ができずに出力する契約電力を超えてしまうということがない。
(実施の形態の拡張)
以上の実施形態では、ネガワット取引支援装置を既存の常用発電設備である蓄電池システムに組み込んだネガワット取引装置の構成を例に挙げて説明した。しかしながら、常用発電設備としては蓄電池システムに限らず、補助電力源として発電機を利用する発電機システムに組み込んだ構成とすることもできる。この場合、ネガワット取引支援装置3には、発電機を起動する手段を追加して設けることができる。発電機を起動する手段としては、起動信号により起動する方式の場合は発電機に起動信号を入力する手段を採用することができ、発電機が起動状態となるような閾値が設定されている方式の場合は発電機の起動時に設定された閾値を超える値となるようなパルスを与える手段を採用することができる。
100…ネガワット取引装置、1…蓄電池システム、10…制御装置、11…電力変換器、12…蓄電池、13…負荷電力算出部、14…負荷追従閾値設定部、2…負荷、3…ネガワット取引支援装置、31…DR指令受信部、32…受電電力目標値算出部、33…バイアス値算出部、34…DR発動指令部、35…仮想受電電力算出部、36…スケジュール管理部、37…ベースライン算出部、38…負荷追従閾値入力部、39…バイアス値調整部

Claims (4)

  1. 受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な補助電力源と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記補助電力源の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた常用発電設備に接続可能なネガワット取引支援装置であって、
    ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を取得する目標値取得部と、
    前記所定の閾値から前記受電電力の目標値を差し引くことによってバイアス値を算出するバイアス値算出部と、
    前記バイアス値を0以上に調整して出力するバイアス値調整部と、
    前記バイアス値調整部から出力された値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力を算出して、前記常用発電設備の前記制御装置に入力する仮想受電電力算出部とを有する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  2. 請求項1記載のネガワット取引支援装置であって、
    前記バイアス値調整部は、前記バイアス値が0以上の場合は当該バイアス値を出力し、前記バイアス値が0未満の場合は0を出力する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  3. 請求項1または2記載のネガワット取引支援装置であって、
    前記デマンドレスポンス指令は、受電電力の削減量を指定した削減量指定値を含み、
    前記目標値取得部は、前記削減量指定値をベースラインから差し引くことにより、前記受電電力の目標値を取得する、
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  4. 受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な補助電力源と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記補助電力源の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた常用発電設備を用いたネガワット取引を支援するネガワット取引支援方法であって、
    ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に基づいて、前記受電電力の目標値を取得する第1ステップと、
    前記所定の閾値から前記受電電力の目標値を差し引くことによってバイアス値を算出する第2ステップと、
    前記バイアス値が0以上の場合は当該バイアス値を出力し、前記バイアス値が0未満の場合は0を出力する第3ステップと、
    前記第3ステップにおいて出力された値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力を算出して、前記常用発電設備の前記制御装置に入力する第4ステップとを含む
    ことを特徴とするネガワット取引支援方法。
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