JP7351168B2 - ネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法 - Google Patents

ネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法 Download PDF

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Description

本発明はネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法に関し、詳細には、バーチャルパワープラントを実現するためのネガワット取引支援装置およびネガワット取引方法に関する。
従来の電力網は、火力発電所や水力発電所などの大型の発電所で発電した電力を、電気の需要家である企業や家庭に供給する形態をとるのが一般的であった。近年、従来の電力網に代わる電力網として、バーチャルパワープラント(VPP:Virtual Power Plant)を用いた電力網が注目されている。バーチャルパワープラントは、太陽光発電、蓄電池、電気自動車、ネガワット(節電した電力)といった広く普及したエネルギーリソース(分散型のエネルギーリソース)を活用すべく、IoTを駆使した高度なエネルギーマネジメント技術によって分散型のエネルギーリソースを遠隔・統合制御し、あたかも1つの発電所のような機能を実現するものである。
近年、バーチャルパワープラントの分散型のエネルギーリソースのひとつであるネガワット取引のための技術は、バーチャルパワープラントの要素技術として普及が期待されている。
ここで、バーチャルパワープラントとは、電力系統に直接接続されている発電設備や蓄電設備等の分散型エネルギーリソースの保有者または第三者が、当該分散型エネルギーリソースを制御することで発電所と同等の機能を提供することをいう。バーチャルパワープラントは、例えば、リソースアグリゲーターやアグリゲーションコーディネーター等によって構成される。
リソースアグリゲーターとは、需要家とバーチャルパワープラントサービス契約を直接締結して電力リソースの制御を行う事業者のことをいう。アグリゲーションコーディネーターとは、リソースアグリゲーターが制御した電力を束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接電力取引を行う事業者をいう。また、ネガワット取引とは、送配電事業者やリソースアグリゲーター等の要請に応じた電力の需要削減量の取引をいう。
一方、需要家には、受電電力が契約電力閾値以下の電力になるように受電電力を調整する受電電力調整設備を有する需要家(以下、「受電電力調整需要家」とも称する。)が存在する。受電電力調整設備とは、蓄電池システム、自家発電設備などの常用発電設備やデマンドコントローラを用い、受電電力調整需要家の負荷が増大したときに常用発電設備から受電電力調整需要家の負荷に電力を供給して受電電力を契約電力閾値以下の電力に調整する設備である。
デマンドコントローラを用いた設備では、受電電力調整需要家の負荷が増大したときに、デマンドコントローラにより受電電力調整需要家内の負荷を選択遮断して受電電力を契約電力閾値以下の電力になるようにしている。
例えば、受電電力調整設備として蓄電池システムを有する受電電力調整需要家では、受電電力のピークカットを目的とし、受電電力に応じて蓄電池システムの充放電電力を自動的に調整している。
特開2018-160949号公報
このような受電電力調整設備は、通常、自律制御であり、外部からの制御指令を受け付ける構成とはなっていない。そのため、既設の受電電力調整設備をネガワット取引に利用するためには、外部から通信手段を経由して受電電力の目標値を変更できるように制御装置の改造または取替が必要になる。
しかしながら、PCS等の制御装置の改造にあたっては、メーカーや機器毎に改造仕様が異なるため多額の費用が掛かることが想定されるとともに、標準仕様で製作された装置の場合には非標準品扱いの機器となってしまうことが懸念される。
そこで、近年、こうした受電電力調整需要家の既設の受電電力調整設備を改造したり取替えたりすることなくネガワット取引を実現するネガワット取引支援装置の研究が行われている。
例えば、特許文献1には、受電点の受電電力(以下、「受電点電力」とも称する。)を監視し、受電点電力が所定の閾値(負荷追従閾値)を超えないように蓄電池を放電して負荷に電力を供給する負荷追従機能を備えた蓄電池システムにおいて、受電電力の見かけ上の値を調整して蓄電池システムに入力することで、ネガワット取引を実現するネガワット取引支援装置が開示されている。
このネガワット取引支援装置は、ネガワット取引のトリガとなるデマンドレスポンスを指示する指令(デマンドレスポンス指令)に含まれる受電電力の削減量に応じた値を実際の受電電力に加算した仮想受電電力を蓄電池システムに入力する。蓄電地システムは、仮想受電電力が負荷追従閾値を超えないように蓄電池を放電して負荷に電力を供給する。これにより、デマンドレスポンス指令に応じて受電電力を削減することが可能となる。
本願発明者らは、本願に先立って、負荷追従機能を有する蓄電池システムの前段にネガワット取引支援装置を設けて、ネガワット取引を実現しようとする場合、所定の状況下で蓄電池システムが誤動作することを見出した。かかる問題について検討したところ、以下の知見を得た。
ネガワット取引支援装置は蓄電池システムの入力を制御することによりネガワット取引を実現しようとするものであるが、既存の負荷追従機能を備えた蓄電池システムの制御タイミングはシステムごとに異なるため、両者を一致させることは容易ではない。ネガワット取引支援装置が蓄電池システムに制御入力を行うタイミングと蓄電池システム内の制御タイミングとが一致していないことによって、制御入力される値の急激な変化に対応できない結果、蓄電池システムが誤動作してしまうことがわかった。これは、制御入力される値の急激な変化があると、蓄電池システムがネガワット取引支援装置と協調動作ができなくなるためであると考えられる。
たとえば、蓄電池システムには、受電電力の値にかかわらず計画的に充電や放電を行うように制御される機能を有するものがある。この場合、蓄電池システムでは、蓄電池の制御目標値を、ネガワット取引支援装置からの制御入力の値によって決まる値(制御入力値)と計画的な充電や放電を行うために設定されている値(計画運転値)とのうちの大きい方を蓄電池システムの制御タイミングで選択するように構成されていることがある。
このような場合に、「制御入力値」が急激に低下して、「制御入力値」と「計画運転値」との大小関係が切り替わったにも関わらず、蓄電池システムにおいて選択すべき値が「制御入力値」から「計画運転値」に切り替わらないまま、急激に減少した「制御入力値」が選択されてしまった結果、誤動作を起こすことがある。これは、蓄電池の制御タイミングがネガワット取引支援装置による制御入力のタイミングと一致していないことが原因であるといえる。
たとえばネガワット取引の終了時の場合は、「計画運転値」よりも大きい、ネガワット取引のための「制御入力値」から「0」になる前に「計画運転値」に切り替わらなければならない。しかしながら、蓄電池システムの制御タイミングの途中でネガワット取引が終了すると、制御量として「計画運転値」でなく「0」が出力されてしまうことがある。その結果、引き続き「計画運転値」で運転しなければならないにもかかわらず蓄電池システムが停止に至るという誤動作を引き起こす可能性があると考えられる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、既存の蓄電池システムを用いてネガワット取引を行う場合に、蓄電池システムの誤動作を防止しつつネガワット取引を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援装置は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な蓄電池と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記蓄電池の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた蓄電池システムに接続可能なネガワット取引支援装置であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に応じて取得した前記受電電力の目標値と前記所定の閾値とに基づいて前記受電電力のバイアス値を算出し、前記受電電力のバイアス値と前記受電電力の値とから仮想受電電力の値を算出し、該算出した仮想受電電力を、前記受電電力の値に代えて制御基準値として前記制御装置に入力し、前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するときに、前記受電電力のバイアス値の変化率が所定の変化率以下になるように、前記受電電力のバイアス値を変化させることを特徴とする。
第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置100を既存の蓄電池システム1に組み込んだネガワット取引装置の構成を示す図である。 蓄電池システム1の動作を説明するための図である。 蓄電池システム1の動作を説明するための図である。 蓄電池システム1の動作を説明するための図である。 DR変動調整部40の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置3のDR変動調整部40における、DR終了時の仮想受電電力算出部35への出力値の算出動作の一例を示すタイミングチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
[1]本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援装置(3)は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷(2)に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な蓄電池(12)と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記蓄電池(12)の出力電力の値を制御する制御装置(10)とを備えた蓄電池システム(1)に接続可能なネガワット取引支援装置(3)であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に応じて取得した前記受電電力の目標値と前記所定の閾値とに基づいて前記受電電力のバイアス値を算出し、前記受電電力のバイアス値と前記受電電力の値とから仮想受電電力の値を算出し、該算出した仮想受電電力を、前記受電電力の値に代えて制御基準値として前記制御装置(10)に入力し、前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するときに、前記受電電力のバイアス値の変化率が所定の変化率以下になるように、前記受電電力のバイアス値を変化させることを特徴とする。
[2]上記[1]のネガワット取引支援装置において、前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するとき、前記受電電力のバイアス値を前記第1の値から前記第2の値まで、所定時間毎に段階的に変化させてもよい。
[3]上記[2]のネガワット取引支援装置において、前記デマンドレスポンス指令に基づいて、前記デマンドレスポンス指令における受電電力の目標値であるデマンドレスポンス目標値を取得する目標値取得部と、前記デマンドレスポンス目標値に前記所定の閾値を加えることによって受電電力のバイアス値を算出するバイアス値算出部と、前記デマンドレスポンス指令の終了時に、終了時の直前の前記受電電力のバイアス値からゼロまで所定の値ごとに変化するDR変動調整値を算出する調整部と、前記デマンドレスポンス指令の終了時に、前記DR変動調整値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力を算出して前記制御装置に入力する仮想受電電力処理部と、を備えていてもよい。
[4]上記[3]のネガワット取引支援装置において、前記デマンドレスポンス指令は、受電電力の削減量を指定した削減量指定値を含み、前記目標値取得部は、前記削減量指定値をベースラインから差し引くことにより、前記受電電力の目標値を取得してもよい。
[5]上記[3]のネガワット取引支援装置において、前記デマンドレスポンス指令は、受電電力の指令値を含み、前記目標値取得部は、前記受電電力の指令値を前記受電電力の目標値として取得してもよい。
[6]本発明の代表的な実施の形態に係るネガワット取引支援方法は、受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な蓄電池と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記蓄電池の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた蓄電池システムを用いたネガワット取引を支援するネガワット取引支援方法であって、ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令を受信する第1ステップと、前記デマンドレスポンス指令に応じて取得した前記受電電力の目標値と前記所定の閾値とに基づいて前記受電電力のバイアス値を算出し、前記受電電力のバイアス値と前記受電電力の値とから仮想受電電力の値を算出し、該算出した仮想受電電力を、前記受電電力の値に代えて制御基準値として前記制御装置に入力する第2ステップと、前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するときに、前記受電電力のバイアス値の変化率が所定の変化率以下になるように、前記受電電力のバイアス値を変化させる第3ステップと、を含むことを特徴とする。
[7]上記[6]のネガワット取引支援方法において、前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するとき、前記受電電力のバイアス値を前記第1の値から前記第2の値まで、所定時間毎に段階的に変化させてもよい。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るネガワット取引支援装置を既存の蓄電池システムに組み込んだネガワット取引装置の構成を示す図である。
ネガワット取引装置100は、例えば、受電電力調整需要家の敷地内に設置され、バーチャルパワープラントを構成するリソースアグリゲーター等から送信されるデマンドレスポンス指令(以下、「DR指令」とも称する。)に応じて、受電点における受電電力を削減してネガワット取引を可能にするシステムである。
図1に示すように、ネガワット取引装置100は、蓄電池システム1と、蓄電池システム1(制御装置10)の前段に設けられるネガワット取引支援装置3と、を備えている。
蓄電池システム1は、受電電力調整需要家の受電点における受電電力が供給される負荷2に対して、上記受電電力とは別に電力を供給可能な蓄電池を備えた受電電力調整設備である。
図1に示すように、蓄電池システム1は、制御装置10と電力変換器11と蓄電池12とを備えている。蓄電池システム1は、受電電力に応じて、電力変換器11を介した蓄電池12の出力電力Pgが変化するように構成されている。すなわち、蓄電池システム1において、制御装置10が、入力された受電電力PjBの値と蓄電池12の出力電力Pgの値とに基づいて、蓄電池12の発電電力を調整するための蓄電池出力電力調整値Pgaを決定して電力変換器11へ出力し、電力変換器11が蓄電池出力電力調整値Pgaに応じて調整した出力電力を出力する。
制御装置10は、電力変換器11を制御して蓄電池12の出力電力を調整するための装置である。制御装置10は、ハードウェア資源として、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM等の各種記憶装置と、タイマ(カウンタ)と、A/D変換回路と、D/A変換回路と、入出力I/F回路等の周辺回路とがバスを介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)を備えている。
図1に示すように、制御装置10は、蓄電池12の出力電力を調整する機能を実現するための機能ブロックとして、負荷電力算出部13と、負荷追従閾値設定部14と、出力電力調整値算出部15とを有している。これらの機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、入出力I/F回路やタイマ等の周辺回路を制御することによって、実現される。
負荷電力算出部13は、例えば、入力された受電電力の値と蓄電池12の出力電力Pgの値とを加算して、負荷電力の値PLBを算出する。
負荷追従閾値設定部14は、蓄電池システム1の出力目標(出力電力の値Pg)を決定するための閾値(以下、「負荷追従閾値」とも称する。)Pgref(第1の閾値に相当)を設定する。
負荷追従閾値Pgrefとしては、例えば、受電電力調整需要家の契約電力に準じた値が設定される。例えば、負荷追従閾値Pgrefを契約電力に等しい値に設定してもよいが、契約電力よりも低い値に設定することにより、蓄電池システム1が余裕をもって動作することが可能となる。なお、負荷追従閾値Pgrefは1つに限られず、複数設定しておき、どの閾値に基づいて制御を行うかをさらに設定できるようにしてもよい。
出力電力調整値算出部15は、負荷電力PLBが負荷追従閾値Pgrefを超えないように、蓄電池12の出力電力の目標値である出力電力調整値Pgaを算出する機能部である。出力電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLBから負荷追従閾値Pgrefを減算して、出力電力調整値Pgaを算出する。算出された出力電力調整値Pgaは、「0」以上である場合に制御装置10から電力変換器11に出力される。算出された出力電力調整値Pgaが「0」未満である場合は、「0」が制御装置10から電力変換器11に出力される。
ここで、蓄電池システム1の動作について、図を用いて説明する。ここでは、ネガワット取引支援装置3を接続していない既存の受電電力調整設備の構成例を用いて、蓄電池システム1の動作を説明する。
図2Aから図2Cは、蓄電池システム1の動作を説明するための図である。
図2Aから図2Cに示す蓄電池システム1において、負荷追従閾値Pgref=2300kWであるとする。また、図2Aには、負荷2の大きさが2000kWである場合の出力電力等の数値例が示され、図2Bには、負荷2の大きさが2000kWから2500kWに変化した直後の出力電力等の数値例が示され、図2Cには、負荷2の大きさが2500kWである場合の出力電力等の数値例が示されている。
図2Aから図2Cに示すように、ネガワット取引支援装置3が接続されていない既存の受電電力調整設備の構成例では、受電電力調整需要家の受電点で受電された実受電電力PjAの値が受電電力の値として、制御装置10に入力される。
図2Aに示すように、負荷2の大きさが、負荷追従閾値Pgref=2300kWを下回る2000kWである場合、蓄電池12は電力を出力していない。すなわち、受電点の実受電電力PjA=2000kWであるので、負荷電力算出部13によって算出される負荷電力の値PLBは、実受電電力PjAと等しい値(=2000kW)となる。
出力電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLB(=2000kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して、出力電力調整値Pgaとしてマイナス300kWが算出されるが、これは「0」未満であるので、出力電力調整値Pgaとして「0」を、電力変換器11に入力する。この場合は、負荷2には外部(系統)からの電力のみが入力される。なお、出力電力調整値算出部15はリミッタ機能を有しており、負荷電力の値PLBから負荷追従閾値Pgrefを減算した値が「0」未満となる場合は、「0」に補正して出力電力調整値Pgaとして出力する。
次に、負荷2の大きさが2000kWから2500kWに変化した場合を考える。変化直後では、図2Bに示すように、まだ蓄電池12は電力を出力していないので、受電点の実受電電力PjAは負荷2の値と等しい2500kWに変化する。さらに負荷電力算出部13によって算出される負荷電力の値PLBは、まだ蓄電池12は電力を出力していないので、実受電電力PjAと等しい値(=2500kW)となる。
出力電力調整値算出部15は、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLB(=2500kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して、出力電力調整値Pga(=200kW)を算出し、電力変換器11に入力する。
これにより、次の制御タイミングでは、負荷2に対して、蓄電池12から200kWの電力が供給され、図2Cに示すように、受電点の実受電電力PjAは、当初(図2Bの場合)の値(2500kW)よりも蓄電池12の出力電力(200kW)の分だけ少ない値(2300kW)になる。すなわち、受電点の実受電電力PjA(=2300kW)が負荷追従閾値Pgref(=2300kW)と等しくなる。この場合も負荷電力算出部13によって算出される負荷電力の値PLBは、実受電電力PjA(=2300kW)に蓄電池の出力電力(200kW)を加えた値(=2500kW)となる。
出力電力調整値算出部15は、図2Bと同様に、負荷電力算出部13によって算出された負荷電力の値PLB(=2500kW)から負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を減算して、出力電力調整値Pga(=200kW)を算出し、電力変換器11に入力する。その後、制御装置10は、実受電電力PjA(=2300kW)が負荷追従閾値Pgref(=2300kW)を超えないように、蓄電池12の出力電力を調整する。
このように、蓄電池システム1の制御装置10は、負荷の値が負荷追従閾値Pgrefを超えた場合に蓄電池12の電力を出力させ、蓄電池12からの電力の出力後は、受電点の電力が負荷追従閾値Pgrefを超えないように、蓄電池12から負荷2に供給する出力電力を制御する。すなわち、制御装置10は、受電電力を入力とし、受電電力と蓄電池12の出力電力との合計値(負荷電力PLB)が負荷追従閾値Pgrefに収束するように蓄電池12の出力電力を制御する、所謂PI制御のフィードバック系を構成している。
次に、ネガワット取引支援装置3について説明する。
ネガワット取引支援装置3は、上述した既存の蓄電池システム1におけるフィードバック系の目標値に代えて、ネガワット取引のトリガとなるDR指令値(デマンドレスポンスで指定する値)で指定された値を新たな目標値として、蓄電池システム1を制御する装置である。
本実施形態のネガワット取引支援装置3は、さらに、上述した蓄電池システム1の誤動作を防止するために、受電電力のバイアス値を第1の値から第1の値よりも小さい第2の値に変更するとき、受電電力のバイアス値の変化率が所定の変化率以下になるように、受電電力のバイアス値を変化させる。
具体的に、ネガワット取引支援装置3は、受電電力のバイアス値を第1の値から第2の値に変更するとき、受電電力のバイアス値を第1の値から第2の値まで、所定時間毎に段階的に変化させる。例えば、ネガワット取引支援装置3は、デマンドレスポンス指令に基づく電力調整処理(DR)の終了時の直前の受電電力のバイアス値がP1であり、DR終了後の受電電力のバイアス値の目標値がP2(<P1)であるとき、受電電力のバイアス値をP1からP2まで、所定時間Δt毎にΔP(≦(P1-P2))ずつ段階的(階段状)に変化させる。
ネガワット取引支援装置3は、ハードウェア資源として、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM等の各種記憶装置と、タイマ(カウンタ)と、A/D変換回路と、D/A変換回路と、入出力I/F回路等の周辺回路とがバスを介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)を備えている。また、ネガワット取引支援装置3は、例えば、リソースアグリゲーター等の上位装置や蓄電池システム1との間で有線または無線により通信を行うための通信回路等も備えている。
図1に示すように、ネガワット取引支援装置3は、蓄電池システム1を用いたネガワット取引を支援する機能を実現するための機能ブロックとして、DR指令受信部31と、受電電力目標値算出部32と、バイアス値算出部33と、DR発動指令部34と、仮想受電電力算出部35と、スケジュール管理部36と、ベースライン算出部37と、負荷追従閾値入力部38とを備えて構成されている。
さらに、本実施形態のネガワット取引支援装置3は、受電電力のバイアス値を第1の値から第1の値よりも小さい第2の値に変更するとき、受電電力のバイアス値の変化率が所定の変化率以下になるように、受電電力のバイアス値を変化させる機能ブロックとして、DR変動調整部40を備えて構成されている。
ネガワット取引支援装置3のこれらの機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、入出力I/F回路やタイマ等の周辺回路および上記通信回路を制御することによって、実現される。
ネガワット取引支援装置3のDR指令受信部31は、例えばリソースアグリゲーター等の上位装置からDR指令を受信する。
DR指令には、例えば、DR発動時間のデータ(以下、「DR発動時間情報」とも称する。)と、DR指令による電力の削減量の目標値(以下、「目標削減量」とも称する。)のデータPtとが含まれている。例えば、DR発動時間のデータには、DRを発動させる期間を指定する情報として、DR指令を発動させる時刻を指定する情報(DR発動時刻)と、DR指令の発動を停止させる時刻を指定する情報(DR停止時刻)とが含まれている。
ベースライン算出部37は、ベースラインP0の値を算出する。
ここで、ベースラインP0とは、ネガワット取引において、需要家がDR指令に応じて、受電電力を削減する際の基準となる値である。例えば、ベースラインP0は、その需要家における、所定時刻における負荷2の値または受電電力の過去数日間に亘る平均値である。例えば、過去5日間において30分毎に特定した負荷2の値の平均値をDR発動期間におけるベースラインP0の値とすることができる。DR発動時において、需要家における当日の負荷2の値とベースラインP0とは近接した値となっていることが好ましい。
受電電力目標値算出部32は、DR指令受信部31によって受信した目標削減量Ptと、ベースラインP0とに基づいて、受電電力目標値Psetを決定する。この受電電力目標値Psetが蓄電池システム1を用いてネガワット取引を実現するための新たな目標値となる。
受電電力目標値Psetは、DR指令に応じて受電点の受電電力を削減する場合における、受電電力の目標値である。受電電力目標値算出部32は、ベースラインP0から目標削減量Ptを減算して、受電電力目標値Pset(=P0-Pt)を算出する。
負荷追従閾値入力部38は、蓄電池システム1の制御装置10におけるフィードバック目標値を受電電力目標値Psetに変換するために必要な負荷追従閾値Pgrefを出力する機能部である。負荷追従閾値Pgrefは、蓄電池システム1における制御装置10の負荷追従閾値設定部14から入力される負荷追従閾値Pgrefをキャンセルする値となる。したがって、負荷追従閾値入力部38には、蓄電池システム1の制御装置10と同じ負荷追従閾値Pgrefが設定されており、負荷追従閾値入力部38は、負荷追従閾値Pgrefをバイアス値算出部33に与える。
バイアス値算出部33は、受電電力指定値Psetと負荷追従閾値入力部38から出力された負荷追従閾値Pgrefとに基づいて、受電電力目標バイアス値Pbiasを算出する。
受電電力目標バイアス値Pbiasは、蓄電池システム1を用いてネガワット取引を実現するために、蓄電池システム1の制御装置10に入力される受電電力の値を受電点における実受電電力PjAよりも大きく見せる補正値である。
具体的に、バイアス値算出部33は、負荷追従閾値Pgrefから受電電力指定値Psetを減算して受電電力目標バイアス値Pbiasを算出し、DR発動指令部34に与える。
スケジュール管理部36は、DR指令に基づく電力削減処理の実行(DRの発動)と停止を制御する機能部である。スケジュール管理部36は、DR指令受信部31によって受信したDR指令に含まれるDR発動時間情報に基づいて、DRの発動の可否を示すDR発動指令信号Xを出力する。
スケジュール管理部36は、例えば計時を行うタイマを有しており、DR指令受信部31がDR指令を受信すると、DR発動時間の情報に含まれるDR指令の発動時刻とDRの終了時刻とが上記タイマに設定される。スケジュール管理部36は、通常、DR指令に基づく電力削減処理の停止を指示するDR発動指令信号X(=0)を出力している。スケジュール管理部36は、計測している時刻が設定された発動時刻と一致した場合に、DR指令に基づく電力削減処理の実行を指示するDR発動指令信号X(=1)を出力する。その後、計測している時刻が設定された停止時刻と一致した場合には、DR指令に基づく電力削減処理の停止を指示するDR発動指令信号X(=0)を出力する。
DR発動指令部34は、DR発動指令信号Xに基づいて、受電電力目標バイアス値Pbiasの出力を制御する。DR発動指令部34は、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力削減処理の停止を指示する値(例えば0)である場合には、例えば“0”を出力する。一方、DR発動指令信号XがDR指令に基づく電力削減処理の実行を指示する値(例えば1)である場合には、バイアス値算出部33によって算出された“受電電力目標バイアス値Pbias”を出力する。DR発動指令部34は、これらの値(“受電電力目標バイアス値Pbias”または“0”:以下、「受電電力のバイアス値」とも称する。)をDR変動調整部40に出力する。
DR変動調整部40は、DR発動指令部34から受け取った値(受電電力のバイアス値)の変化が急激に変動しないようにDR発動指令部34から受け取った出力(受電電力のバイアス値:“受電電力目標バイアス値Pbias”または“0”)を調整してから仮想受電電力算出部35に出力する。
ここで、DR変動調整部40について説明する。
図3はDR変動調整部40の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、DR変動調整部40は、例えば、入力値選択部41、サンプリングタイミング決定部42、サンプル・ホールド部43、出力制限部44、調整値設定部45、加算部46、および乗算部47を有する。
入力値選択部41は、DR発動指令部34から出力される受電電力目標バイアス値Pbiasと後述する乗算部47の出力値(OUT-ΔP)のいずれか一方を、後述するサンプル・ホールド部43の入力値INとして出力する。
サンプル・ホールド部43は、入力値選択部41から出力された値を入力値INとし、所定の周期で入力値INをサンプリングして保持し、出力値OUTとして出力する。サンプル・ホールド部43は、サンプリングタイミング決定部42からの指示に応じて、入力値INをサンプリングして保持し、出力値OUTとして出力する。
サンプリングタイミング決定部42は、サンプル・ホールド部43による入力値INのサンプリングタイミングを決定する機能部である。具体的には、サンプリングタイミング決定部42は、所定時間ΔT毎に、サンプル・ホールド部43に対して入力値INのサンプリングを指示する。例えば、サンプリングタイミング決定部42は、一定の周期ΔTのサンプリング信号(パルス)Ssを出力する。例えば、サンプル・ホールド部43は、サンプリングタイミング決定部42から出力されたサンプリング信号(パルス)Ssの立ち上がりエッジに応じて入力値INをサンプリングして出力値OUTとして出力し、次のサンプリング信号(パルス)Ssの立ち上がりエッジを検出するまで出力値OUTを保持する。
ここで、所定時間ΔTは、受電電力目標バイアス値Pbiasの変化率ΔP/ΔTを規定するパラメータの一つであり、サンプル・ホールド部43のサンプリング周期、すなわちDR変動調整部40から出力される受電電力目標バイアス値Pbiasが更新される周期を規定する値である。例えば、所定時間ΔT(以下、「サンプリング周期ΔT」とも称する。)は、ユーザ等によって予め任意に設定することが可能となっている。
出力制限部44は、所謂リミッタである。出力制限部44は、サンプル・ホールド部43から出力された出力値OUTが入力され、入力された出力値OUTが正の値である場合には、入力された出力値OUTをDR変動調整値としてそのまま出力し、出力値OUTが負の値である場合には、出力値OUTに代えて“0”をDR変動調整値として出力する。
加算部46は、サンプル・ホールド部43から出力された出力値OUTから調整値ΔPを減算して出力する。
調整値設定部45は、調整値ΔPを設定する。ここで、調整値ΔPは、受電電力目標バイアス値Pbiasの変化率ΔP/ΔTを規定するためのパラメータの一つであり、受電電力目標バイアス値Pbiasの所定時間(サンプリング周期)ΔT当たりの変化量である。調整値ΔPは、例えば、ユーザ等によって予め任意に設定することが可能となっている。調整値設定部45は、予め設定された調整値ΔPを加算部46に入力する。たとえば、蓄電池システム1の計画運転時に蓄電池出力の制御目標とする値の大きさを調整値ΔPとして設定することができる。
乗算部47は、DR発動指令信号X(=“1”または“0”)の反転信号と加算部46の出力値(OUT-ΔP)とを掛けた値を出力する。
例えば、乗算部47は、DR発動指令信号XがDRの発動停止を指示する値(X=0)である場合に、加算部46の出力値(OUT-ΔP)をそのまま出力し、DR発動指令信号XがDRの発動を指示する値(X=1)である場合に、加算部46の出力値(OUT-ΔP)を“0”として出力する。
図1に戻って、仮想受電電力算出部35は、蓄電池システム1の制御装置10に入力すべき受電電力の値を補正した仮想受電電力PjBを算出する機能部である。仮想受電電力算出部35は、受電点における実受電電力PjAにDR変動調整部40から出力されたDR変動調整値を加算して、仮想受電電力PjBを算出する。仮想受電電力算出部35によって算出された仮想受電電力PjBは、例えば4-20mAの電流信号によって、制御装置10に入力される。
例えば、DRが発動していない場合(DR発動指令信号X=0の場合)には、DR変動調整部40から“0”が出力されるので、仮想受電電力算出部35は、実受電電力PjAの値に“0”を加算して仮想受電電力PjBを算出する。すなわち、DR発動が指示されていない場合(DR発動指令信号X=0の場合)には、実受電電力PjAの値がそのまま受電電力PjBとして出力され、制御装置10(負荷電力算出部13)は、実受電電力PjAを用いて負荷電力PLBを算出する。
一方、DRが発動している場合(DR発動指令信号X=1の場合)には、DR変動調整部40からデマンドレスポンス指令に基づいて算出された“受電電力目標バイアス値Pbias”が出力されるので、仮想受電電力算出部35は、実受電電力PjAの値に“受電電力目標バイアス値Pbias”を加算して仮想電力PjBを算出する。すなわち、DRが発動している場合には、実受電電力PjAの値を“受電電力目標バイアス値Pbias”だけかさ上げした(バイアスした)値が、受電電力PjBとして出力され、制御装置10(負荷電力算出部13)は、実受電電力PjAの代わりに仮想受電電力PjBを用いて負荷電力PLBを算出する。
さらに、DRが発動している場合にデマンドレスポンス指令によって指定される値の急激な変化が生じたときや、DRが発動している状態からDRが発動していない状態に切り替わるときには、DR変動調整部40から仮想受電電力算出部35に出力される値は、デマンドレスポンス指令に基づいて算出された“受電電力目標バイアス値Pbias”が急激に変動しないよう調整されたDR変動調整値が入力されている。仮想受電電力算出部35は、実受電電力PjAの値にこのDR変動調整値を加算して仮想電力PjBを算出する。すなわち、DRが発動している場合にデマンドレスポンス指令によって指定される値の急激な変化が生じたときや、DRが発動している状態からDRが発動していない状態に切り替わるときには、実受電電力PjAの値をDR変動調整値だけかさ上げした(バイアスした)値が、受電電力PjBとして出力され、制御装置10(負荷電力算出部13)は、実受電電力PjAの代わりに仮想受電電力PjBを用いて負荷電力PLBを算出する。急激に変動しないよう調整されたDR変動調整値によって、蓄電池システム1に入力する仮想受電電力の値が一瞬だけDR変動調整値によって変化するが、この変化は蓄電池出力Pgの変化によって一瞬にして補償され、一瞬にしてDR変動調整値の変化分だけ実受電電力PjAが変化するので、結果として仮想受電電力の値は、変動しないことになる。
次に、本実施形態のネガワット取引支援装置3の動作について説明する。本実施形態のネガワット取引支援装置3は、蓄電池システム1に入力する仮想受電電力の値を第1の値から第1の値よりも小さい第2の値に変更するとき、仮想受電電力の値の変化率が所定の変化率以下になるように、仮想受電電力を変化させる。たとえば本実施形態のネガワット取引支援装置3においては、DRが終了するときに、DR変動調整部40が、仮想受電電力算出部35への出力値を、DR終了直前のデマンドレスポンス指令に基づいて算出された受電電力目標バイアス値Pbiasから0になるまで、所定時間毎に段階的に変化させている。
図4は、本実施形態のネガワット取引支援装置3のDR変動調整部40における、DR終了時の仮想受電電力算出部35への出力値の算出動作の一例を示すタイミングチャートである。
図4には、上から順に、サンプリング信号Ss、DR発動指令信号X、サンプル・ホールド部43の入力値IN、サンプル・ホールド部43の出力値OUTが示されている。
図4に示すように、時刻t0において、DR発動指令信号XがDRの発動を指示する値(X=1)であり、受電電力目標バイアス値Pbias=P0であるとする。また、P0>P1>P2>P3>P4>P5であり、P4=0であるとする。
この場合、時刻t1のサンプリングタイミングでは、時刻t0に引き続きX=1、受電電力目標バイアス値Pbias=P0であるから、入力値選択部41には、DR発動指令部34から受電電力目標バイアス値Pbias=P0が入力され、乗算部47から0(=(OUT-ΔP)×0)が入力される。これにより、サンプル・ホールド部43には、入力値INとしてPbias=P0が入力される。
サンプル・ホールド部43は、サンプリング信号Ssに応じて入力値IN=P0をサンプリングして、出力値OUT=P0を出力し、その値を保持する。出力制限部44は、出力値OUT(=P0)>0であることから、出力値OUT(=P0)をDR変動調整値としてそのまま出力する。
次に、時刻t2において、DR発動指令信号XがDRの発動を指示する値(X=1)からDRの停止を指示する値(X=0)に切り替わったとする。このとき、入力値選択部41には、DR発動指令部34から“0”が入力され、乗算部47から(P0-ΔP)が入力される。これにより、サンプル・ホールド部43の入力値INは、P0からP1(=P0-ΔP)に切り替わる。しかしながら、このとき、サンプル・ホールド部43は、サンプリング信号Ssが入力されていないため、出力値OUTとしてP0を出力し続ける。
その後、時刻t3において、サンプリング信号Ssが入力されると、サンプル・ホールド部43は、入力値IN=(P0-ΔP)をサンプリングし、出力値OUTをP0から(P0-ΔP)に切り替えて、その値を保持する。出力制限部44は、出力値OUT(=P1)>0であることから、出力値OUT(=P1)をそのままDR変動調整値として出力する。
また、時刻t2において出力値OUTがP0からP1(=P0-ΔP)に切り替わったとき、加算部46は、P2(=P0-2ΔP)を出力する。これにより、サンプル・ホールド部43の入力値INは、P1からP2(=P0-2ΔP)に切り替わる。
その後、時刻t4、t5においても時刻t3と同様に、サンプル・ホールド部43が入力信号INをサンプリングし、出力値OUTを更新することにより、DR変動調整値がΔPずつ増加し、時刻t6において受電電力目標バイアス値Pbias=P4=0となる。
このように、図4に示した構成を有するDR変動調整部40によれば、デマンドレスポンス指令に応じた電力調整処理を実行するとき(DR発動指令信号X=1のとき)、受電電力目標バイアス値Pbiasが出力され、デマンドレスポンス指令に応じた電力調整処理の実行を停止するとき(DR発動指令信号Xが“1”から“0”に切り替わったとき)、受電電力目標バイアス値Pbiasを、直前の受電電力目標バイアス値Pbias(第1の値)から所定時間ΔT毎にΔPずつ段階的に“0(第2の値)”まで変化させて出力することができる。
ここで、上述したように、ΔP、ΔTの少なくとも一方の値を適切に設定することにより、受電電力目標バイアス値Pbiasの変化率ΔP/ΔTが、蓄電池システム1の制御周期(ΔT)における変化許容量(たとえば、計画運転時に蓄電池出力の制御目標とする値の大きさΔP)に基づいて決定される所定の変化率(ΔP/ΔT)以下になるように設定することが可能となる。
このように、ネガワット取引支援装置3を蓄電池システム1の前段に設けることにより、制御装置10は、DRが発動していない場合には、ネガワット取引支援装置3を設けられていない場合と同様に、実受電電力PjAを用いて負荷電力PLBを算出し、DRが発動している場合には、実受電電力PjAではなく仮想受電電力PjB、に基づいて負荷電力PLBを算出する。さらに、DRが発動している場合にデマンドレスポンス指令によって指定される値の急激な変化が生じたときや、DRが発動している状態からDRが発動していない状態に切り替わるときには、DR変動調整部40によって算出されたDR変動調整値だけ実受電電力PjAの値をかさ上げした(バイアスした)値が、受電電力PjBとして出力され、制御装置10(負荷電力算出部13)は、実受電電力PjAの代わりにDR変動調整値だけかさ上げされた仮想受電電力PjBを用いて負荷電力PLBを算出する。
これにより、本実施形態のネガワット取引支援装置3を用いたネガワット取引装置100は、既存の蓄電池システムを用いてネガワット取引を行う場合に、蓄電池システムの誤動作を防止しつつネガワット取引を実現することが可能となる。
(実施の形態の拡張)
以上の実施形態では、DR指令として、目標削減量Ptを受け取り、この目標削減量Ptに基づいて受電電力目標値算出部32が受電電力目標値Psetを決定する構成を例に挙げて説明した。しかしながら、ネガワット取引支援装置3はこの構成に限定されない。たとえば、DR指令受信部31において、DR指令として受電電力目標値Psetを受け取り、これをバイアス値算出部33に出力するようにしてもよい。この場合、ベースライン算出部37と受電電力目標値算出部32は、省略してもよい。
さらに、ネガワット取引支援装置3は、DR指令として目標削減量Ptが含まれる場合と、受電電力目標値Psetが含まれる場合との両方に対応することができるように、DR指令受信部31は、受け取ったDR指令の内容に基づいて、受電電力目標値算出部32とバイアス値算出部33に目標削減量Ptまたは受電電力目標値Psetを選択的に入力するようにしてもよい。
100…ネガワット取引装置、1…蓄電池システム、10…制御装置、11…電力変換器、12…蓄電池、13…負荷電力算出部、14…負荷追従閾値設定部、2…負荷、3…ネガワット取引支援装置、31…DR指令受信部、32…受電電力目標値算出部、33…バイアス値算出部、34…DR発動指令部、35…仮想受電電力算出部、36…スケジュール管理部、37…ベースライン算出部、38…負荷追従閾値入力部、40…DR変動調整部、41…入力値選択部、42…サンプリングタイミング決定部、43…サンプル・ホールド部、44…出力制限部、45…調整値設定部、46…加算部、47…乗算部。

Claims (6)

  1. 受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な蓄電池と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記蓄電池の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた蓄電池システムに接続可能なネガワット取引支援装置であって、
    ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令に応じて取得した前記受電電力の目標値と前記所定の閾値とに基づいて前記受電電力のバイアス値を算出し、前記受電電力のバイアス値と前記受電電力の値とから仮想受電電力の値を算出し、該算出した仮想受電電力を、前記受電電力の値に代えて制御基準値として前記制御装置に入力し、
    前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するときに、前記受電電力のバイアス値の変化率が所定の変化率以下になるように、前記受電電力のバイアス値を変化させる
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  2. 請求項1に記載のネガワット取引支援装置において、
    前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するとき、前記受電電力のバイアス値を前記第1の値から前記第2の値まで、所定時間毎に段階的に変化させる
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  3. 請求項2に記載のネガワット取引支援装置であって、
    前記デマンドレスポンス指令に基づいて、前記デマンドレスポンス指令における受電電力の目標値であるデマンドレスポンス目標値を取得する目標値取得部と、
    前記所定の閾値から前記デマンドレスポンス目標値を減算することによって受電電力のバイアス値を算出するバイアス値算出部と、
    前記デマンドレスポンス指令の終了時に、終了時の直前の前記受電電力のバイアス値からゼロまで所定の値ごとに変化するDR変動調整値を算出する調整部と、
    前記デマンドレスポンス指令の終了時に、前記DR変動調整値を前記受電電力の値に加算して仮想受電電力を算出して前記制御装置に入力する仮想受電電力処理部と、を備える
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  4. 請求項3に記載のネガワット取引支援装置であって、
    前記デマンドレスポンス指令は、受電電力の削減量を指定した削減量指定値を含み、
    前記目標値取得部は、前記削減量指定値をベースラインから差し引くことにより、前記受電電力の目標値を取得する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  5. 請求項3に記載のネガワット取引支援装置であって、
    前記デマンドレスポンス指令は、受電電力の指令値を含み、
    前記目標値取得部は、前記受電電力の指令値を前記受電電力の目標値として取得する
    ことを特徴とするネガワット取引支援装置。
  6. 受電点を介して外部から電力の供給を受ける負荷に対して、前記外部からの電力とは別に電力を供給可能な蓄電池と、前記受電点における受電電力の値を入力とし、前記受電電力の値が所定の閾値を超えないように、前記蓄電池の出力電力の値を制御する制御装置とを備えた蓄電池システムを用いたネガワット取引を支援するネガワット取引支援方法であって、
    ネガワット取引における電力の削減を要求するデマンドレスポンス指令を受信する第1ステップと、
    前記デマンドレスポンス指令に応じて取得した前記受電電力の目標値と前記所定の閾値とに基づいて前記受電電力のバイアス値を算出し、前記受電電力のバイアス値と前記受電電力の値とから仮想受電電力の値を算出し、該算出した仮想受電電力を、前記受電電力の値に代えて制御基準値として前記制御装置に入力する第2ステップと、
    前記受電電力のバイアス値を第1の値から前記第1の値よりも小さい第2の値に変更するときに、前記受電電力のバイアス値の変化率が所定の変化率以下になるように、前記受電電力のバイアス値を変化させる第3ステップと、を含む
    ことを特徴とするネガワット取引支援方法。
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