JP7354438B2 - Trpa1阻害剤としてのチエノピリミドン - Google Patents
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Description
TRPA1は、皮膚及び肺の両方に仕える後根及び節状神経節の感覚ニューロンの細胞膜、ならびに小腸、結腸、膵臓、骨格筋、心臓、脳、膀胱、及びリンパ球(https://www.proteinatlas.org/)、ならびにヒト肺線維芽細胞に高発現している。
様々な構造クラスのTRPA1阻害剤がS. Skerratt, Progress in Medicinal Chemistry, 2017, Volume 56, 81-115及びD. Preti, G. Saponaro, A. Szallasi, Pharm. Pat. Anal. (2015) 4 (2), 75-94に概説されている。
WO2017/060488は、TRPA1のアンタゴニストである、一般構造式
- ヒト肝ミクロソームでの安定性の向上(アッセイB)
- ヒト肝細胞での安定性の向上(アッセイC)によってさらに特徴付けられる新規チエノピリミジノンを提供する。
本発明の化合物は、WO2017/060488の実施例28及び29とは、それらがアミド置換基ならびに第二級脂肪族アルコールに近接する置換基を有するチエノピリミジノンコアを含有するという点で、構造的に異なる。本発明の化合物は、さらに、L. Schenkel, et al., J. Med. Chem. 2016, 59, 2794-2809の実施例31とは、それらがテトラゾリル環を有するという点で、構造的に異なる。これらの構造的な違いは予想外にも、(i)TRPA1の阻害、(ii)ヒト肝ミクロソームでの安定性、(iii)ヒト肝細胞での安定性、及び(iv)望ましくないヒトの代謝物の低減という好都合の組合せをもたらす。
- TRPA1の阻害剤としての効力
- ヒト肝ミクロソームでの安定性
- ヒト肝細胞での安定性
- 望ましくないヒトの代謝物を低減すること
の組合せの観点から、先行技術に開示された化合物よりも優れている。
ヒト肝ミクロソームでの安定性とは、好都合な薬物動態学的特性をもつ薬物の選択及び/又は設計の状況において、最初のスクリーニングステップとしての、化合物の生体内変換に対する感受性を指す。多くの薬物にとって代謝の主要な部位は肝臓である。ヒト肝ミクロソームにはシトクロムP450(CYP)が含有されており、したがって、in vitroでの薬物代謝第I相研究のモデル系となっている。ヒト肝ミクロソームでの安定性の向上は、生物学的利用能の増加及び十分な半減期を含む、いくつかの利点と関連しており、患者への投与量及び投与回数をより少なくすることが可能になる。このように、ヒト肝ミクロソームでの安定性の向上は、薬物として使用される化合物にとって好都合な特徴である。したがって、本発明の化合物は、TRPA1を阻害できることに加えて、好都合なin vivoクリアランスを有し、これによりヒトにおいて所望の作用時間を有することが期待される。
(式中、
Aは、H、F、Cl、Br、C1-4-アルキル、F1-3-フルオロ-C1-4-アルキル、CN、OCH3、シクロプロピル、及びシクロブチルからなる群の1種又は2種の基で置換されていてもよい、フェニル、ナフチル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、もしくはベンゾフラニルからなる群から選択されるか、
又は、Aは
R1はH、C1-4-アルキル、F1-3-フルオロ-C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-OH、又はC1-4-アルキル-CNから選択され、
R2はC1-2-アルキル又はClから選択されるか、
又はR1及びR2はそれぞれCH2であり、結合を介して一緒になって6員環を形成し、
R3はH、又はC1-4-アルキルから選択される)を提供する。
又は、Aが
又は、Aが
本発明の別の実施形態は、Aが、H、F、Br、Cl、及びCH3からなる群の1種又は2種の基で置換されていてもよい、フェニル、チオフェニル、もしくはベンゾフラニルからなる群から選択されるか、
又は、Aが
本発明の別の実施形態は、Aが、H、F、Br、Cl、及びCH3からなる群の1種又は2種の基で置換されていてもよい、フェニル、チオフェニル、もしくはベンゾフラニルからなる群から選択されるか、
又は、Aが
本発明の別の実施形態は、R2がH3C又はClであり、置換基A及びR1は先の実施形態のいずれかに定義される通りである、式(I)の化合物に関する。
ここで特に定義されていない用語は、本開示及び文脈に照らして当業者によって与えられるであろう意味を与えられるべきである。ただし、本明細書で使用する場合、反対に規定されない限り、以下の用語は示された意味を有し、以下の慣例が固守される。
以下に定義する基、ラジカル、又は部分では、炭素原子の数は基に先行して特定されることが多く、例えば、C1-6-アルキルは1~6個の炭素原子を有するアルキル基又はラジカルを意味する。一般にHO、H2N、(O)S、(O)2S、NC(シアノ)、HOOC、F3Cなどの基では、熟練者は基自体の自由原子価から分子へのラジカル結合点を知ることができる。2つ以上のサブグループを含む組合せ基の場合、最後に記載されるサブグループがラジカル結合点であり、例えば、置換基「アリール-C1-3-アルキル」は、C1-3-アルキル基に結合しているアリール基を意味し、C1-3-アルキル基は置換基が結合しているコア又は基に結合している。
置換基の原子の番号付けは、置換基が結合しているコア又は基の最も近接している原子から開始する。
例えば、用語「3-カルボキシプロピル基」は以下の置換基:
用語「C1-n-アルキル」は、nが2、3、4、又は5から選択される整数であるとき、単独で又は別の基と組み合わせて1~n個の炭素原子を有する非環状、飽和、分岐、又は直鎖の炭化水素基を表す。例えば、用語C1-5-アルキルは、基H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-、及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)-を包含する。
用語フェニルは以下の環
用語テトラゾリルは以下の環
本明細書では、用語「置換されている」は、指定された原子上の任意の1個又は複数の水素が、示された群からの選択物で置き換えられることを意味し、ただし指定された原子の通常の原子価を超えないこと、及び置換により安定な化合物が得られることを条件とする。
一般に、実質的に純粋な立体異性体は、当業者に既知の合成原理に従って、例えば、対応する混合物の分離、立体化学的に純粋な出発材料の使用、及び/又は立体選択的合成により得ることができる。光学活性体を調製する方法は当技術分野で知られており、例えばラセミ体の分割によって、又は、例えば光学活性出発材料から出発する合成によって、及び/又はキラル試薬を使用することによって調製される。
さらに、対応するラセミ混合物からエナンチオマー的に純粋な化合物を調製する方法は当業者に知られており、例えば、キラル固定相上での対応するラセミ混合物のクロマトグラフィーによる分離;又は適切な分割剤を使用したラセミ混合物の分割、例えば、光学活性酸又は塩基によるラセミ化合物のジアステレオマー塩形成、その後の塩の分割及び塩からの所望の化合物の放出によって;又は対応するラセミ化合物の光学活性キラル補助試薬での誘導体化、その後のジアステレオマー分離及びキラル補助基の除去により;又はラセミ体の動力学的分割(例えば、酵素的分割)により;適切な条件下でエナンチオ異性晶の集合体からのエナンチオ選択的な結晶化により;又は光学活性キラル補助剤の存在下での適切な溶媒からの(分別)結晶化により行う。
本明細書では、「薬学的に許容される塩」は、親化合物が酸又は塩基と共に塩又は複合体を形成する、開示された化合物の誘導体を指す。
塩基性部分を含有する親化合物と共に薬学的に許容される塩を形成する酸の例としては、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチシン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチル-ベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸、及び酒石酸などの鉱酸又は有機酸などがある。
例えば本発明の化合物の精製又は単離に有用な上記以外の他の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部を構成する。
生物学的アッセイ
アッセイA:TRPA1アッセイ
本発明の化合物の活性は、以下のin vitro TRPA1細胞アッセイを使用して実証することができる。
化合物の有効性及び効力の試験系として、ヒトTRPA1イオンチャネルを過剰発現させたヒトHEK293細胞株(Perkin Elmer、製品番号AX-004-PCL)を使用した。化合物の活性は、FLIPRtetraシステム(Molecular Devices)のAITC(アリルイソチオシアネート(Allylisothiocyanat)アゴニズムによって誘導される細胞内カルシウム濃度に対する化合物の影響を測定することによって決定した。
細胞培養:
細胞はクライオバイアル中の凍結細胞として入手し、使用時まで-150℃で保存した。
細胞を培養培地中(10%FCSと0.4mg/MLのジェネティシンを含むMEM/EBSS培地)で増殖させた。密度が90%コンフルエンスを超えないことが重要である。継代培養のために、ヴェルセン(Versene)により細胞をフラスコから剥離した。アッセイの前日に細胞を剥離し、培地(10%FCSを含むMEM/EBSS培地)で2回洗浄し、20000個の細胞を20μl/ウェルでCorning製ポリD-リジンでバイオコートした384ウェルプレート(黒色、透明底、カタログ番号356697)に播種した。プレートはアッセイで使用する前に37℃/5%CO2で24時間インキュベートした。
試験化合物は10mMの濃度で100%DMSOに溶解し、最初のステップでDMSO中5mMの濃度に希釈し、その後100%DMSOで連続希釈ステップを行った。希釈倍率や希釈段階数は、ニーズに応じて変更することができる。典型的には、1:5希釈で8種類の濃度を調製し、さらに物質の中間希釈(1:20)をHBSS/HEPES緩衝液(1×HEPES、Gibco製、カタログ番号14065、20mM HEPES、SIGMA製カタログ番号83264、0.1%BSA、Invitrogen製、カタログ番号11926、pH7.4)で実施した。
FLIPRアッセイ:
アッセイの日に、細胞をアッセイバッファーで3回洗浄し、洗浄後、緩衝液20μLをウェル中に残した。Ca6キット(カタログ番号R8191、MolecularDevices)のHBSS/HEPES中のローディング緩衝液10μLを細胞に添加し、プレートに蓋をして37℃/5%CO2で120分間インキュベートした。中間希釈プレートからHBSS/HEPES緩衝液/5%DMSO中の化合物又は対照10μLをウェルに注意深く添加した。発光(カルシウムの流入又は放出を示す)をFLIPRtetra装置で10分間読み取り、化合物による効果(例えば、アゴニズム)をモニターした。最後に、HBSS/HEPES緩衝液/0.05%DMSO(最終濃度10μM)に溶解した50μMのアゴニストAITCを10μLウェルに添加し、その後追加の読み取りをFLIPRtetra装置で10分間行った。IC50/阻害%の算出のためにAITC添加後のシグナル曲線下面積(AUC)を使用した。
各アッセイのマイクロタイタープレートには、AITCによって誘導される発光の対照として、化合物の代わりにビヒクル(1%DMSO)対照を用いたウェル(100%CTL;高対照)と、発光の非特異的変化の対照として、AITCなしのビヒクル対照を用いたウェル(0%CTL;低対照)が含有された。
データの分析は、個々のウェルのシグナル曲線下面積を算出することで行った。この値に基づいて、MegaLabソフトウェア(自社開発)を使用して、各物質濃度の測定値に対する%値を算出した(AUC(試料)-AUC(低))*100/(AUC(高)-AUC(低))。IC50値はMegaLabソフトウェアを使用して%対照値から算出した。算出:[y=(a-d)/(1+(x/c)^b)+d]、a=低値、d=高値;x=濃度M;c=IC50 M;b=ヒル係数;y=%対照
プールした肝ミクロソームを用いて、37℃で試験化合物の代謝分解をアッセイする。各時点で100μLの最終インキュベーション体積には、RTでpH7.6のTRIS緩衝液(0.1M)、塩化マグネシウム(5mM)、ミクロソームタンパク質(1mg/ml)及び最終濃度1μMの試験化合物が含有される。
37℃の短時間のプレインキュベーション後、ベータ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、還元型(NADPH、1mM)を添加して反応を開始し、異なる時点(0、5、15、30、60分)でアリコートを溶媒に移して終了する。さらに、NADPHなしのインキュベーションでは、NADPH非依存性分解がモニターされ、最終の時点で終了される。NADPHに依存しないインキュベーション後の試験化合物の残存率[%]は、パラメーターc(対照)に反映される(代謝安定性)。クエンチしたインキュベーション物は、遠心分離(10000g、5分)によりペレット化する。
固有クリアランス(CL_INTRINSIC)は、インキュベーション中のタンパク質の量を考慮して算出される。
CL_INTRINSIC[μL/分/mgタンパク質]=(Ln2/(半減期[分]*タンパク質含有量[mg/ml]))*1000
CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]=(CL_INTRINSIC[μL/分/mgタンパク質]×MPPGL[mgタンパク質/g肝]×肝因子[g/kg体重])/1000
Qh[%]=CL[ml/分/kg]/肝血流[ml/分/kg])
肝細胞充実性(hepatocellularity)、ヒト:細胞120×10e6個/g肝
肝因子、ヒト:25.7g/kg体重
血流、ヒト:21ml/(分×kg)
試験化合物の代謝分解は、肝細胞懸濁液でアッセイする。肝細胞(凍結保存)は、5%又は50%の種血清を含有するダルベッコ改変イーグル培地(3.5μgグルカゴン/500mL、2.5mgインスリン/500mL及び3.75mg/500mLハイドロコルチゾンで補充)中でインキュベートする。
インキュベーター(37℃、10%CO2)で30分間プレインキュベーションした後、5μlの試験化合物溶液(80μM、2mMのDMSOストック溶液を培地で1:25に希釈)を395μlの肝細胞懸濁液(細胞密度は種によってMio細胞0.25~5個/mLの範囲、典型的にはMio細胞1個/mL;試験化合物の最終濃度1μM、最終DMSO濃度0.05%)に添加する。
親化合物の減少をHPLC-MS/MSにより分析する。
CLintは以下のように算出される:CL_INTRINSIC=用量/AUC=(C0/CD)/(AUD+クラスト/k)×1000/60。C0:インキュベーションの初期濃度[μM]、CD:生細胞の細胞密度[細胞10e6個/mL]、AUD:データ下面積[μM×時間]、クラスト(clast):最後のデータ点の濃度[μM]、k:親化合物の減少の回帰線の傾き[時間-1]。
CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]=(CL_INTRINSIC[μL/分/10e6細胞]×肝細胞充実性[細胞10e6個/g肝]×肝因子[g/kg体重])/1000
CL[ml/分/kg]=CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]×肝血流[ml/分/kg]/(CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]+肝血流[ml/分/kg])
Qh[%]=CL[ml/分/kg]/肝血流[ml/分/kg])
肝細胞充実性、ヒト:細胞120×10e6個/g肝
肝因子、ヒト:25.7g/kg体重
血流、ヒト:21ml/(分×kg)
ヒト初代肝細胞懸濁液を使用して試験化合物の代謝経路を調査する。凍結保存からの回収後、ヒト肝細胞は、5%のヒト血清を含有し、3.5μgグルカゴン/500ml、2.5mgインスリン/500ml及び3.75mg/500mlハイドロコルチゾンで補充したダルベッコ改変イーグル培地中でインキュベートする。
細胞を細胞培養インキュベーターで水平シェーカー上で6時間インキュベートし、代謝回転率に応じて0、0.5、1、2、4、又は6時間後にインキュベーションから試料を取り出す。試料をアセトニトリルでクエンチし、遠心分離によりペレット化する。上清を96ディープウェルプレートに移し、窒素下で蒸発させ、液体クロマトグラフィー-高分解能質量分析計による生物分析の前に再懸濁し、推定代謝物の同定を行う。
本発明は一般式1の化合物を対象とするものであって、この化合物はTRPA1活性と関連する又はこれにより調節される疾患及び/又は状態の予防及び/又は治療に有用であり、例えばこれには線維性疾患、炎症性及び免疫調節障害、呼吸器もしくは胃腸の疾患又は愁訴、眼科疾患、関節の炎症性疾患ならびに鼻咽頭、目、及び皮膚の炎症性疾患などの治療及び/また予防が含まれるがこれらに限定されない。前記障害、疾患、及び愁訴としては、咳嗽、特発性肺線維症、他の肺間質性疾患、及び他の線維性疾患、喘息又はアレルギー性疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、ならびにリウマチ性関節炎及びアテローム性動脈硬化などの自己免疫病態、疼痛、及びうつ病などの神経性疾患などがある。
(1)慢性特発性咳嗽、又は慢性難治性咳嗽、喘息に伴う咳嗽、COPD、肺がん、及びウイルス感染後の咳嗽などの咳嗽。
(2)膠原病に伴う肺炎又は間質性肺炎などの肺線維性疾患。膠原病の例としては例えば、紅斑性狼瘡、全身性強皮症、リウマチ性関節炎、多発性筋炎及び皮膚筋炎、例えば肺線維症(IPF)、非特異的間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、落屑性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺炎及びリンパ球性間質性肺炎などの特発性間質性肺炎、リンパ脈管筋腫症、肺胞タンパク症、ランゲルハンス細胞組織球症、胸膜実質性線維弾性症、例えばアスベスト症、珪肺症、鉱夫肺(炭塵)、農夫肺(干し草及びカビ)、鳩飼育者肺(鳥)などの職業的曝露による間質性肺炎もしくは金属粉やマイコバクテリアなどの職業的な空中を浮遊する他の引き金による間質性肺炎、又は放射線、メトトレキサート、アミオダロン、ニトロフラントイン、化学療法剤などの治療の結果としての間質性肺炎などの原因が明らかな間質性肺疾患、又は例えば多発性血管炎を伴う肉芽腫症などの肉芽腫性疾患として、チャーグ・ストラウス症候群及びサルコイドーシス、過敏性肺炎、又は例えば誤嚥、有毒なガス及び蒸気の吸入などの異なる原因によって引き起こされる間質性肺炎、心不全、X線、放射線、化学療法によって引き起こされる気管支炎又は肺臓炎又は間質性肺炎、ベック類肉腫(M.boeck or sarcoidosis)、肉芽腫症、嚢胞性線維症又は膵線維症、又はアルファ-1-抗トリプシン欠乏症などである。
(3)肝架橋線維症、肝硬変、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、心房線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、グリア性瘢痕、動脈の硬化、関節線維性癒着、デュピュイトラン拘縮、ケロイド、強皮症/全身性硬化症、縦隔線維症、骨髄線維症、ペロニー病、腎性全身線維症、後腹膜線維症、癒着性関節炎などの他の線維性疾患。
(5)慢性特発性疼痛症候群、神経障害性疼痛、知覚異常、アロディニア、片頭痛、歯痛、術後疼痛などの疼痛。
(6)うつ病、不安神経症、糖尿病性神経障害、膀胱出口部閉塞症、過活動膀胱、膀胱炎などの膀胱障害;心筋再灌流障害、又は脳虚血障害。
さらに、本発明は、TRPA1活性と関連する又はこれにより調節される疾患及び/又は状態の治療及び/又は予防のための一般式1の化合物の使用に関する。
さらに、本発明は、線維性疾患、炎症性及び免疫調節障害、呼吸器もしくは胃腸の疾患又は愁訴、眼科疾患、関節の炎症性疾患ならびに鼻咽頭、目、及び皮膚の炎症性疾患の治療及び/又は予防のための一般式1の化合物の使用に関する。前記障害、疾患、及び愁訴としては、咳嗽、特発性肺線維症、他の肺間質性疾患、及び他の線維性疾患、喘息又はアレルギー性疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、ならびにリウマチ性関節炎及びアテローム性動脈硬化などの自己免疫病態、などがある。
(1)慢性特発性咳嗽、又は慢性難治性咳嗽、喘息に伴う咳嗽、COPD、肺がん、及びウイルス感染後の咳嗽などの咳嗽。
(2)膠原病に伴う肺炎又は間質性肺炎などの肺線維性疾患。膠原病の例としては例えば、紅斑性狼瘡、全身性強皮症、リウマチ性関節炎、多発性筋炎及び皮膚筋炎、例えば肺線維症(IPF)、非特異的間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、落屑性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺炎及びリンパ球性間質性肺炎などの特発性間質性肺炎、リンパ脈管筋腫症、肺胞タンパク症、ランゲルハンス細胞組織球症、胸膜実質性線維弾性症、例えばアスベスト症、珪肺症、鉱夫肺(炭塵)、農夫肺(干し草及びカビ)、鳩飼育者肺(鳥)などの職業的曝露による間質性肺炎もしくは金属粉やマイコバクテリアなどの職業的な空中を浮遊する他の引き金による間質性肺炎、又は放射線、メトトレキサート、アミオダロン、ニトロフラントイン、化学療法剤などの治療の結果としての間質性肺炎などの原因が明らかな間質性肺疾患、又は例えば多発性血管炎を伴う肉芽腫症などの肉芽腫性疾患として、チャーグ・ストラウス症候群及びサルコイドーシス、過敏性肺炎、又は例えば誤嚥、有毒なガス及び蒸気の吸入などの異なる原因によって引き起こされる間質性肺炎、心不全、X線、放射線、化学療法によって引き起こされる気管支炎又は肺臓炎又は間質性肺炎、ベック類肉腫、肉芽腫症、嚢胞性線維症又は膵線維症、又はアルファ-1-抗トリプシン欠乏症などである。
(4)例えばアレルギー性又は非アレルギー性の鼻炎又は副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎又は鼻炎、鼻ポリープ、慢性鼻副鼻腔炎、急性鼻副鼻腔炎、喘息、小児喘息、アレルギー性気管支炎、肺胞炎、過敏性気道、アレルギー性結膜炎、気管支拡張症、成人呼吸促迫症候群、気管支及び肺の浮腫、気管支炎又は肺臓炎、好酸球性セルライト(例えば、ウェルズ症候群)、好酸球性肺炎(例えば、レフラー症候群、慢性好酸球性肺炎)、好酸球性筋膜炎(例えば、シュールマン症候群)、遅延型過敏症、非アレルギー性喘息などの炎症性、自己免疫性、又はアレルギー性疾患及び状態;運動誘発性気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性気管支炎、慢性気管支炎、咳嗽、肺気腫;全身性アナフィラキシー又は過敏反応、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対して)、汚染されたトリプトファン摂取による好酸球増多筋痛症候群、虫刺されアレルギー;自己免疫性疾患、例えばリウマチ性関節炎、バセドウ病、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、重症筋無力症、免疫性血小板減少症(成人ITP、新生児血小板減少症、小児ITP)、免疫性溶血性貧血(自己免疫性、薬物誘導性)、エバンス症候群(血小板及び赤血球免疫性血球減少症)、新生児Rh病、グッドパスチャー症候群(抗GBM病)、セリアック病、自己免疫性心筋症、若年発症糖尿病;糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病;同種移植片拒絶又は移植片対宿主病を含む移植片拒絶反応(例えば、移植時);クローン病及び潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患;脊椎関節症;強皮症;乾癬(T細胞性乾癬を含む)及び皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、蕁麻疹などの炎症性皮膚疾患;血管炎(例えば、壊死性、皮膚、過敏性血管炎);結節性紅斑;好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎、皮膚又は臓器に白血球の浸潤を伴うがん;加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、角膜炎、好酸球性角膜炎、角結膜炎、春季角結膜炎、眼傷害、前眼部傷害、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱症、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、乳頭状結膜炎、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、バセドウ眼症、眼内黒色腫、瞼裂斑、増殖性硝子体網膜症、翼状片、強膜炎、ぶどう膜炎、急性痛風発作、痛風又は変形性眼関節炎などの眼科疾患。
(5)慢性特発性疼痛症候群、神経障害性疼痛、知覚異常、アロディニア、片頭痛、歯痛、術後疼痛などの疼痛。
(6)うつ病、不安神経症、糖尿病性神経障害、膀胱出口部閉塞症、過活動膀胱、膀胱炎などの膀胱障害;心筋再灌流障害、又は脳虚血障害。
さらなる態様において、本発明は、上記の疾患及び状態の治療及び/又は予防のための医薬の調製のための、一般式1の化合物の使用に関する。
本発明のさらなる態様において、本発明は、上記の疾患及び状態の治療又は予防のための方法であって、一般式1の化合物の有効量のヒトへの投与を含む方法に関する。
組合せ療法
本発明の化合物は、さらに、1種又は複数、好ましくは1種の追加の治療剤と組み合わせてもよい。一実施形態によれば、追加の治療剤は、特に線維性疾患、炎症性及び免疫調節障害、呼吸器もしくは胃腸の疾患又は愁訴、関節の炎症性疾患又は鼻咽頭、目、及び皮膚の炎症性疾患、又は例えば咳嗽などの状態、特発性肺線維症、他の肺間質性疾患、喘息又はアレルギー性疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、アトピー性皮膚炎、ならびにリウマチ性関節炎及びアテローム性動脈硬化などの自己免疫病態に関連する、本明細書で前述した疾患又は状態の治療において有用な治療剤、又は、眼科疾患、疼痛及びうつ病の治療に有用な治療剤の群から選択される。
したがって、本発明の化合物は、抗線維化剤、鎮咳剤、抗炎症剤、抗アトピー性皮膚炎剤、鎮痛剤、抗痙攣剤、抗不安剤、鎮静剤、骨格筋弛緩剤、又は抗うつ剤からなる群から選択される1種又は複数の追加の治療剤と組み合わせてもよい。
抗炎症剤としては、例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾンなどのコルチコステロイド;セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブなどのシクロ-オキシゲナーゼ-2(COX2)阻害剤;プロスタグランジンE2アンタゴニスト;ロイコトリエンB4アンタゴニスト;モンテルカストなどのロイコトリエンD4アンタゴニスト;5-リポキシゲナーゼ阻害剤;又はアスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、イブプロフェン、もしくはインドメタシンなどの他の非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)などがある。
鎮痛剤としては、例えば、モルヒネ、オキシモルヒネ、レボパノール、オキシコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、フェンタニル、ヒドロコドン(hydrocondon)、ヒドロモルフォン、メリピジン、メタドン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、ペンタゾシンなどのオピオイド型;又はアセトフェナミン(acetophenamine)などの非オピオイド型などがある。
鎮静剤としては、例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタ-ル、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラル(theamylal)、又はチオペンタールのなどのバルビツール系鎮静剤;又はグルテチミド、メプロバメート、メタカロンもしくはジクロアルフェナゾン(dichloalphenazone)などの非バルビツール系鎮静剤などがある。
他の適切な組合せパートナーは、ドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;オンダンセトロンなどの5-HT-3アンタゴニスト;代謝調節型グルタミン酸受容体アンタゴニスト;メキシレチン又はフェニトインなどの抗不整脈薬;又はNMDA受容体アンタゴニストである。
さらに適切な組合せパートナーは、失禁薬、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、ダリフェナシン、フェソテロジン、ソリフェナシン又はトロスピウムなどの抗コリン剤;又はミラベグロンなどの膀胱筋弛緩剤;又はタムスロシン、アルフゾシン、シロドシン、ドキサゾシンもしくはテラゾシンなどのアルファ受容体遮断剤である。
上記の組合せパートナーの投与量は、通常、通常推奨される最低用量の1/5から通常推奨される用量の1/1までとする。
したがって、別の態様において、本発明は、TRPA1によって影響を受け得るか又は媒介される疾患又は状態、特に本明細書で前述した及び後述した疾患又は状態の治療のための、本明細書で前述した及び後述した1種又は複数の追加の治療剤と組み合わせた、本発明による化合物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の、TRPA1の阻害によって影響を受け得る疾患又は状態の治療のための、1種又は複数の追加の治療剤と組み合わせた、それを必要とする患者における使用に関する。
さらに別の態様において、本発明は、患者におけるTRPA1活性によって媒介される疾患又は状態の治療のための方法であって、そのような治療を必要とする患者、好ましくはヒトに、治療上有効な量の本発明の化合物を、治療上有効な量の本明細書で前述した及び後述した1種又は複数の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法に関する。
本発明による化合物及び1種又は複数の追加の治療剤は、両方とも1種の製剤、例えば錠剤又はカプセルに一緒に存在してもよく、2種の同一又は異なる製剤、例えばいわゆるキットオブパーツとして別々に存在してもよい。
その結果、別の態様において、本発明は、本発明による化合物と、本明細書で前述した及び後述した1種又は複数の追加の治療剤とを含み、1種又は複数の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒になっていてもよい、医薬組成物に関する。
さらに別の態様において、本発明は、咳嗽測定装置における本発明による化合物の使用に関する。
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を例として説明する以下のより詳細な実施例から明らかになるであろう。
本発明による化合物及びその中間体は、当業者に公知であり、有機合成の文献に記載されている合成方法を用いて得ることができる。好ましくは、化合物は、以降でより完全に説明される調製方法と類似の様式で、特に実験のセクションで記載されるように、得られる。場合によっては、反応ステップの実行順序を変えてもよい。また、当業者には既知であるが、ここでは詳細に記載しない反応方法の変形も使用することができる。
本発明による化合物を調製するための一般的な工程は、以下のスキームを研究する当業者にとって明らかになるであろう。出発材料は、文献又は本明細書に記載されている方法によって調製されてもよく、又は類似のもしくは同様の方式で調製されてもよい。出発材料又は中間体中の官能基は、通常の保護基を使用して保護してもよい。これらの保護基は、当業者によく知られた方法を用いて、反応順序内の適切な段階で再度切断することができる。
式Iの化合物は、以下のスキームIに示すように調製することができる。
スキームI:
スキームII:
本発明による化合物及びその中間体は、当業者に知られていて有機合成の文献に記載されている合成方法を使用して、例えば、“Comprehensive Organic Transformations”, 2nd Edition, Richard C. Larock, John Wiley & Sons, 2010, and “March's Advanced Organic Chemistry”, 7th Edition, Michael B. Smith, John Wiley & Sons, 2013に記載の方法を使用して得ることができる。好ましくは、化合物は、以降でより十分に説明される調製方法、特に実験のセクションで記載される調製方法に、類似して得られる。場合によっては、反応スキームを実行する際の順序を変えてもよい。熟練者に知られているが、本明細書には詳細に記載されていないこれらの反応の変形もまた使用することができる。本発明による化合物を調製するための一般的な工程は、後に続くスキームを研究する当業者にとって明らかになるであろう。出発化合物は、市販されているか、又は文献もしくは本明細書に記載されている方法によって調製されてもよく、又は類似のもしくは同様の方式で調製されてもよい。反応を行う前に、出発化合物中の対応する官能基は、通常の保護基を使用して保護してもよい。これらの保護基は、当業者によく知られた方法、及び文献に記載された方法、例えば“Protecting Groups”, 3rd Edition, Philip J. Kocienski, Thieme, 2005中の方法及び“Protective Groups in Organic Synthesis”, 4th Edition, Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, 2006中の方法を用いて、反応順序内の適切な段階で再度切断することができる。用語「周囲温度」及び「室温」は互いに交換可能に用いられ、約20℃、例えば19~24℃の温度を指定する。
中間体I
中間体I.1(一般経路)
1-(4-ブロモフェニル)-2-[5-(クロロメチル)-2H-1,2,3,4-テトラゾール-2-イル]エタン-1-オン
C10H8Cl2N4O(M=271.1g/mol)
ESI-MS:271[M+H]+
Rt(HPLC):1.01分(方法B)
中間体II.1(一般経路)
(1R)-1-(4-クロロフェニル)-2-[5-(クロロメチル)-2H-1,2,3,4-テトラゾール-2-イル]エタン-1-オール
C10H10Cl2N4O(M=273.1g/mol)
ESI-MS:273[M+H]+
Rt(HPLC):0.96分(方法B)
中間体III.1(一般経路)
tert-ブチル4,8-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-3H-ピリド[2,3]チエノ[2,4-c]ピリミジン-7-カルボキシレート
C14H15N3O4S(M=321.4g/mol)
ESI-MS:322[M+H]+
Rt(HPLC):0.45分(方法A)
中間体IV.1(一般経路)
6,7-ジヒドロピリド[4’,3’:4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン-4,8(3H,5H)-ジオン
C9H7N3O2S(M=221.2g/mol)
ESI-MS:222[M+H]+
Rt(HPLC):0.22分(方法A)
中間体V.1(一般経路)
7-メチル-3,5,6,8-テトラヒドロピリド[2,3]チエノ[2,4-c]ピリミジン-4-オン
C10H11N3OS(M=221.3g/mol)
ESI-MS:222[M+H]+
Rt(HPLC):0.15分(方法A)
中間体VI.1(一般経路)
1-(6-クロロ-1-ベンゾフラン-2-イル)エタン-1-オン
C10H7ClO2(M=194.6g/mol)
EI-MS:194[M*]+
Rt(HPLC):1.02分(方法B)
中間体VII.1(一般経路)
2-ブロモ-1-(6-クロロ-1-ベンゾフラン-2-イル)エタン-1-オン
C10H6BrClO2(M=273.5g/mol)
ESI-MS:273/275[M+H]+
Rt(HPLC):1.10分(方法B)
中間体VIII.1(一般経路)
5-メチル-4-オキソ-3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボン酸
C8H6N2O3S(M=210.2g/mol)
ESI-MS:211[M+H]+
Rt(HPLC):0.29分(方法E)
中間体IX.1(一般経路)
N,5-ジメチル-4-オキソ-3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボキサミド
C9H9N3O2S(M=223.3g/mol)
ESI-MS:224[M+H]+
Rt(HPLC):0.62分(方法C)
中間体X.1(一般経路)
C9H8ClN3OS(M=241.7g/mol)
ESI-MS:242[M+H]+
Rt(HPLC):1.04分(方法B)
中間体XI.1(一般経路)
C7H3ClN2O2S(M=214.6g/mol)
ESI-MS:213[M-H]-
Rt(HPLC):0.87分(方法B)
中間体XII.1(一般経路)
C7H3ClN2O3S(M=230.6g/mol)
ESI-MS:229[M-H]-
Rt(HPLC):0.58分(方法C)
中間体XIII.1(一般経路)
C7H4ClN3O2S(M=229.6g/mol)
ESI-MS:230[M+H]+
Rt(HPLC):0.52分(方法C)
(実施例1)
実施例1(一般経路)
3-({2-[(2R)-2-(4-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル]-2H-1,2,3,4-テトラゾール-5-イル}メチル)-5-メチル-4-オキソ-3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボキサミド
C18H16ClN7O3S(M=445.9g/mol)
ESI-MS:446[M+H]+
Rt(HPLC):0.92分(方法B)
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm:2.70(s,3H),4.73~4.82(m,2H),5.12(dt,J=7.4,5.1Hz,1H),5.49(s,2H),5.91(d,J=4.8Hz,1H),7.33~7.41(m,4H),7.67(br s,2H),8.66(s,1H).
Claims (14)
- 式(I)による化合物。
(式中、
Aは、F、Cl、Br、C1-4-アルキル、F1-3-フルオロ-C1-4-アルキル、-CN、-OCH3、シクロプロピル、及びシクロブチルからなる群の1種又は2種の基で置換されていてもよい、フェニル、ナフチル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、もしくはベンゾフラニルからなる群から選択されるか、
又は、Aは
R1はH、C1-4-アルキル、F1-3-フルオロ-C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-OH、又はC1-4-アルキル-CNから選択され、
R2はC1-2-アルキル又はClから選択されるか、
又はR1及びR2はそれぞれCH2であり、結合を介して一緒になって6員環を形成し、
R3はH、又はC1-4-アルキルから選択される) - R1がH及びC1-4-アルキルからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
- R2がCH3又はClである、請求項1~5のいずれかに記載の式(I)の化合物。
- R3がH又はCH3である、請求項1~6のいずれかに記載の式(I)の化合物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物の塩。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の式Iの化合物の少なくとも1種、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
- さらに、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む請求項11に記載の医薬組成物。
- 炎症性気道疾患又は線維性疾患又は咳嗽の治療又は予防のための、請求項11又は12に記載の医薬組成物。
- 特発性肺疾患(IPF)又は咳嗽の治療又は予防のための、請求項11~13のいずれかに記載の医薬組成物。
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