JP7353628B2 - シワ・タルミの遺伝的素因の判定方法 - Google Patents
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[1] 被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)~(a11)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がシワ・タルミの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、シワ・タルミの遺伝的素因を判定する方法。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs115495415で特定されるSNP)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs10440086で特定されるSNP)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs9388359で特定されるSNP)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11777753で特定されるSNP)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7865502で特定されるSNP)
(a6) 配列番号6に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2505084で特定されるSNP)
(a7) 配列番号7に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7945278で特定されるSNP)
(a8) 配列番号8に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1729388で特定されるSNP)
(a9) 配列番号9に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12284381で特定されるSNP)
(a10) 配列番号10に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs61896561で特定されるSNP)
(a11) 配列番号11に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4963488で特定されるSNP)
[2] 被験者から採取したDNA含有試料について、SH3RF3、SEPT10、FAM19A1、NKAIN2、KIAA1462、INCENP、SCGB2A1、SCGB1D1、SCGB1D2、SCGB2A2、SCGB1D4、PTPN2、MTAP、RAB3IL1、及びFADS3からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子に関連する一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がシワ・タルミの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、シワ・タルミの遺伝的素因を判定する方法。
[3] [1]又は[2]に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者のシワ・タルミの遺伝的素因の程度に応じたシワ・タルミの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
[4] 配列番号1~11のいずれかに示される塩基配列において、36番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1~11のいずれかに示される塩基配列において、36番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、シワ・タルミの遺伝的素因を判定するためのキット。
[5] SH3RF3、SEPT10、FAM19A1、NKAIN2、KIAA1462、INCENP、SCGB2A1、SCGB1D1、SCGB1D2、SCGB2A2、SCGB1D4、PTPN2、MTAP、RAB3IL1、及びFADS3からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子の発現変化を指標とする、シワ・タルミの予防及び/又は改善剤のスクリーニング方法。
[6] SH3RF3、SEPT10、FAM19A1、NKAIN2、KIAA1462、INCENP、SCGB2A1、SCGB1D1、SCGB1D2、SCGB2A2、SCGB1D4、PTPN2、MTAP、RAB3IL1、及びFADS3からなる群より選択される1種又は2種以上の遺伝子の発現を制御する素材を含有する、シワ・タルミの予防及び/又は改善用組成物。
本発明のシワ・タルミの遺伝的素因の判定方法は、被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)~(a11)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がシワ・タルミの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs115495415で特定されるSNP)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs10440086で特定されるSNP)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs9388359で特定されるSNP)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11777753で特定されるSNP)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7865502で特定されるSNP)
(a6) 配列番号6に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2505084で特定されるSNP)
(a7) 配列番号7に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7945278で特定されるSNP)
(a8) 配列番号8に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1729388で特定されるSNP)
(a9) 配列番号9に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12284381で特定されるSNP)
(a10) 配列番号10に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs61896561で特定されるSNP)
(a11) 配列番号11に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4963488で特定されるSNP)
上記のSNPの検出及びタイピング方法では、各方法に応じたプローブやプライマーが使用される。このようなプローブやプライマーもまた本発明の範囲に包含され、キットとして提供できる。
上述のとおり、SH3RF3、SEPT10、FAM19A1、NKAIN2、KIAA1462、INCENP、SCGB2A1、SCGB1D1、SCGB1D2、SCGB2A2、SCGB1D4、PTPN2、MTAP、RAB3IL1、及びFADS3は、上記の(a1)~(a11)のSNPが、その近傍(100kb以内)に存在するか、SNPにより発現が変動することが文献的に知られている遺伝子である。
本試験を実施するにあたり、同意書、シワ・タルミに関するアンケート、及び遺伝型判定について、自社における倫理審査委員会によって承認を受けた。同意書のサインにて同意を受けたサンプル提供者よりサンプル採取を行い、遺伝型判定、アンケート解析、及びゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。
自社社員をDNAサンプル提供の対象者とした。このうち募集に応じた643人(男性259人、女性384人)の唾液を採取した。採取した唾液からMaxwell RSC Stabilized Saliva DNA Kit(プロメガ社製)を使用してゲノムDNAを抽出し、DNAサンプルを得た。
得られたDNAサンプルについて、アジア人のゲノムに見られる頻度の高いSNP解析用プローブが搭載された遺伝型解析用チップAxiom(登録商標) Genome-Wide CHB 1 & CHB 2 Array(Thermo Fisher Scientific)を用いて遺伝型の決定を行った。遺伝型データはAxiom Analysis Suite 4.0(Thermo Fisher Scientific)を用いて得た。
PLINK 1.9(www.cog-genomics.org/plink/1.9/)を利用して、遺伝型データから未確認血縁性を除去するために、PI_HAT=0.25以上の個体ペアを検出し、それぞれのペアについて、個体Call Rate値の悪い個体を解析対象から除外した。
シワ・タルミに関するアンケート項目は、「眉間のシワ」、「額外側部のシワ」、「目頭のシワ」、「目じりのシワ」、「ほうれい線」、「口角のシワ」、「目もとのタルミ」の7項目それぞれについて、見た目の老化度を6段階に分けた画像から、現在の自分と近しい画像を1つ回答するものであり、各回答は間隔尺度として扱った。
遺伝型データと表現型データとの関連性について、R 3.6.1 (https://cran.r-project.org/)を利用して、構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling:SEM)によって評価した。具体的には、図1のように、7項目のシワ・タルミに関する表現型データは、個人における潜在的なシワ・タルミの生じ易さという生物学的なパラメータとしての「シワ・タルミ要因」という潜在変数からの影響を受けて、観測されるものと仮定する。また、その「シワ・タルミ要因」は、遺伝型データのマイナーアレルの本数、及び年齢、性別、日光曝露傾向に関するアンケートの回答等から影響を受けると仮定して構造方程式モデリングを行い、前記マイナーアレルの本数の回帰係数のp値を評価した。前記構造方程式モデリングにより算出したp値が1×10-5未満となるSNP11個を表現型との関連性があるものとして抽出した。
以上の解析から、シワ・タルミの遺伝的素因(シワ・タルミの生じ易さ)と関連性があり、個人のシワ・タルミの生じ易さを判定できるSNPとして11個のSNPを特定した(表4)。特定した各SNPのSNP ID(NCBI dsSNP)、当該SNPが存在する染色体番号及び物理位置、アレル及びリスクアレルの塩基、遺伝型のp値を示す。p値の欄において、それぞれのp値は10を底とする指数形式で表示され、符号Eの前後に記載された数値はそれぞれp値を指数形式で表示した際の仮数部と指数部を示す。
Claims (5)
- 被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がシワ・タルミの遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、シワ・タルミの遺伝的素因を判定する方法。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs115495415で特定されるSNP、リスクアレルはG) - 前記方法が、以下の(a2)~(a11)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がシワ・タルミの遺伝的素因を有すると判定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs10440086で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs9388359で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs11777753で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7865502で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a6) 配列番号6に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2505084で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a7) 配列番号7に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs7945278で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a8) 配列番号8に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs1729388で特定されるSNP、リスクアレルはG)
(a9) 配列番号9に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs12284381で特定されるSNP、リスクアレルはC)
(a10) 配列番号10に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs61896561で特定されるSNP、リスクアレルはA)
(a11) 配列番号11に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs4963488で特定されるSNP、リスクアレルはC) - 請求項1又は2に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者のシワ・タルミの遺伝的素因の程度に応じたシワ・タルミの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
- 配列番号1に示される塩基配列において、36番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1に示される塩基配列において、36番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、シワ・タルミの遺伝的素因を判定するためのキット。
- 前記キットが、配列番号2~11のいずれかに示される塩基配列において、36番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号2~11のいずれかに示される塩基配列において、36番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーをさらに含む、請求項4に記載のキット。
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J. Dermatol. Sci.,2017年,Vol. 86,p. 21-29 |
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