JP6986793B1 - ストレスの感じ易さの遺伝的素因の判定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)〜(a5)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がストレスを感じ易い遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、ストレスの感じ易さの遺伝的素因を判定する方法。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74548608で特定されるSNP)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs57001330で特定されるSNP)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6950885で特定されるSNP)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs8092883で特定されるSNP)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2359433で特定されるSNP)
[2] [1]に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者のストレスの感じ易さの遺伝的素因の程度に応じたストレスの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
[3] 配列番号1〜5のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1〜5のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、ストレスの感じ易さの遺伝的素因を判定するためのキット。
本発明のストレスの感じ易さの遺伝的素因の判定方法は、被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)〜(a5)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がストレスを感じ易い遺伝的素因を有すると判定する工程を含む。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74548608で特定されるSNP)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs57001330で特定されるSNP)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6950885で特定されるSNP)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs8092883で特定されるSNP)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2359433で特定されるSNP)
上記のSNPの検出及びタイピング方法では、各方法に応じたプローブやプライマーが使用される。このようなプローブやプライマーもまた本発明の範囲に包含され、キットとして提供できる。
本試験を実施するにあたり、同意書、遺伝型判定等について、自社における倫理審査委員会によって承認を受けた。同意書のサインにて同意を受けたサンプル提供者よりサンプル採取を行い、遺伝型判定及び関連解析を行った。
698人の女性被験者(日本人、平均年齢55.1歳)から唾液を採取し、Maxwell RSC Stabilized Saliva DNA Kit(プロメガ社製)を使用してゲノムDNAを抽出し、DNAサンプルを得た。
SNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)に登録されたSNPの内、rs74548608、rs57001330、rs6950885、rs8092883、rs2359433、比較としてノルアドレナリントランスポーターに関連するSNPであるrs2242446を解析の対象とした。
(1)で得られたDNAサンプルについて、TaqMan SNP Genotyping Assays(Applied Biosystems社製)及びSsoAdvanced Universal Probes Supermix(Bio Rad社製)を用い、CFX384 Touch Real-Time PCR Detection System(Bio Rad社製)にて上記解析対象のSNPの遺伝型の決定を行った。
ストレスの感じ易さに関するアンケート項目は、「日頃ストレスは感じますか?」という質問に対して、「1.感じない」、「2.時々感じる」、「3.強く感じる」の3つの選択肢から1つを回答するものであり、間隔尺度として扱った。
遺伝型データとストレスの感じ易さとの関連性について、表現型データを目的変数、遺伝型データのマイナーアレルの本数、及び年齢を説明変数とした重回帰分析を行い、前記マイナーアレルの本数の偏回帰係数のp値を評価した。6種のSNPを解析したため、第一種の過誤の増大を回避するためにボンフェローニ法により有意水準を補正し、p値が8.3E-03未満の場合に有意な関連性があるものと判断した。
解析を行った各SNPが存在する染色体番号、物理位置、アレル及びリスクアレルの塩基、回帰係数、p値を下記表3に示す。p値の欄において、それぞれのp値は10を底とする指数形式で表示され、符号Eの前後に記載された数値はそれぞれp値を指数形式で表示した際の仮数部と指数部を示す。
実施例1で同定されたSNPについて、ストレスの感じ易さの遺伝的素因の判定精度を高めることができるSNPの組み合わせについて検討を行った。具体的には、表現型データを目的変数、2つの当該SNPの遺伝型データのリスクアレルの本数を説明変数とした重回帰分析において、決定係数R2を算出し、判定精度の比較を行った。結果を下記表4に示す。
Claims (3)
- 被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)〜(a5)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者がストレスを感じ易い遺伝的素因を有すると判定する工程を含む、ストレスの感じ易さの遺伝的素因を判定する方法。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs74548608で特定されるSNP)
(a2) 配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs57001330で特定されるSNP)
(a3) 配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs6950885で特定されるSNP)
(a4) 配列番号4に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs8092883で特定されるSNP)
(a5) 配列番号5に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs2359433で特定されるSNP) - 請求項1に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者のストレスの感じ易さの遺伝的素因の程度に応じたストレスの予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
- 配列番号1〜5のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1〜5のいずれかに示される塩基配列において、101番目の塩基を含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、ストレスの感じ易さの遺伝的素因を判定するためのキット。
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