JP7351994B1 - スケールが内蔵されるレールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スケールを有するレールを効率よく製造できるようにする。【解決手段】ある態様のレールの製造方法は、レールに沿って伸びる凹部にスケールが配置された状態で、スケールを覆うようにレールに長方形状のカバーを配置する配置工程と、カバーの長手方向に沿って、回折光学素子により分岐させた第1レーザと第2レーザとの間隔を第1間隔として、カバーをレールに第1レーザと第2レーザとで溶接する第1溶接工程と、回折光学素子により分岐させた第1レーザと第2レーザとの間隔を第1間隔よりも小さい第2間隔とし、カバーの長手方向の端部を溶接する第2溶接工程と、を備える。【選択図】図10

Description

本発明は、位置検出用のスケールを有するレールの製造方法に関する。
工作機械の主軸やテーブルは、それを支持するサドルがガイドレールに沿って駆動されることで目標位置に移動制御される。この移動制御を高精度に実現するために、サドルとガイドレールとの間に位置検出装置を配置するものもある(特許文献1参照)。このような位置検出装置は、サドル側に設けられる磁気センサと、ガイドレール側に設けられるスケールを含む。スケールに対する磁気センサと相対位置を計測することで、主軸等の位置を検出できる。
スケールには、磁性材料による着磁パターンが記録される。磁気センサには、着磁パターンの磁界を読み取るための検出ヘッドが設けられる。検出ヘッドは、MR素子(Magneto Resistive Sensor)など磁界の方向および強さを検出可能なセンサにより構成される。検出ヘッドが着磁パターンを検出し、その検出値を電気信号に変換することでマイクロメートル単位の微細な位置計測が可能となる。
特開2019-35641号公報
工作機械の加工室では、切削による切屑の粒子や潤滑用のクーラント等の異物が飛散する。これらの異物がスケールに付着すると、磁気センサによる高精度な検出を阻害する可能性がある。このため、スケールをガイドレールに設置する場合には、このような異物の影響を受け難い構造とする必要がある。また、そのようなスケールを有するレールを効率よく製造できるのが好ましい。なお、このような要求は、工作機械のガイドレールに限らず、スケールを有するレールであれば同様に生じ得る。
本発明のある態様は、スケールが内蔵されるレールの製造方法である。この製造方法は、レールに沿って伸びる凹部にスケールが配置された状態で、スケールを覆うようにレールに長方形状のカバーを配置する配置工程と、カバーの長手方向に沿って、回折光学素子により分岐させた第1レーザと第2レーザとの間隔を第1間隔として、カバーをレールに第1レーザと第2レーザとで溶接する第1溶接工程と、回折光学素子により分岐させた第1レーザと第2レーザとの間隔を第1間隔よりも小さい第2間隔とし、カバーの長手方向の端部を溶接する第2溶接工程と、を備える。
本発明の別の態様もスケールが内蔵されるレールの製造方法である。この製造方法は、レールに沿って伸びる凹部にスケールが配置された状態で、スケールを覆うようにレールに長方形状のカバーを配置する配置工程と、回折光学素子により分岐させた第1レーザと第2レーザとでカバーの長手方向に、カバーをレールに溶接する第1溶接工程と、回折光学素子により分岐させた第1レーザと第2レーザとでカバーの短手方向に、カバーをレールに溶接する第2溶接工程と、を備える。
本発明によれば、スケールを有するレールを効率よく製造できる。
実施形態に係る位置検出装置の外観を表す斜視図である。 センサユニットの一部を分解した状態を表す図である。 図2のA-A矢視断面図である。 スケールのレールへの組付構造を表す斜視図である。 スケールのレールへの組付構造を表す斜視図である。 図5に示したレールの断面図である。 レールへのカバーの溶接方法を表す図である。 本実施形態で採用する溶接方法を模式的に表す図である。 本実施形態で採用する溶接方法を模式的に表す図である。 変形例に係る溶接方法を模式的に表す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明の便宜上、水平方向にX軸とY軸、垂直方向にZ軸を設定し、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図1は、実施形態に係る位置検出装置の外観を表す斜視図である。
位置検出装置1は、移動体2の移動をガイドする金属製のレール4と、レール4に配設されるスケール6と、移動体2と一体に設けられたセンサユニット8を備える。位置検出装置1は、本実施形態では工作機械における移動制御対象の位置を検出するものである。移動制御対象には、例えば主軸やテーブルなどが含まれる。
レール4は、長尺状をなし、工作機械に設置されて駆動機構を構成する。移動体2には工作機械のサドル(図示せず)が固定され、そのサドルが移動制御対象を支持する。なお、図示の例ではレール4に一つの移動体2が配置されているが、レール4に沿って複数の移動体2を直列に配置してサドルを支持してもよい。ここでは、レール4の長手方向をX方向、幅方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
移動体2におけるX方向の一端にセンサユニット8が設けられている。センサユニット8は、移動体2に固定されるホルダ9と、ホルダ9に組み付けられる磁気センサ10を含む。移動体2およびホルダ9は、レール4を幅方向(Y方向)に跨ぐように設けられている。ホルダ9の幅方向片側に磁気センサ10が配置される。磁気センサ10からは検出信号を取り出すためのケーブル12が延出している。
レール4は、その両サイドがテーパ状(断面V字状)に切り欠かれた形状を有し、そのテーパ面が上下のガイド面14a,14bを構成する(これらを特に区別しない場合には、単に「ガイド面14」と称す)。一方、図示を省略するが、移動体2の内側面にはローラ又はボールからなる複数の転動体が配設される。移動体2は、それらの転動体がガイド面14に沿って転動しつつレール4の長手方向に移動する。
レール4の片側面の底面16(上下のテーパ面の基端となる面)に凹部18が設けられている。凹部18は、レール4に沿って伸びるように設けられる(詳細後述)。そして、凹部18に嵌合するようにスケール6が配設される。さらに、スケール6を覆うようにレール4にカバー20が組み付けられることで、スケール6の保護と汚染防止が実現されている。スケール6およびその周辺の構造については後に詳述する。
レール4を上下に貫通する複数のねじ孔22が、レール4の長手方向に所定間隔をあけて設けられている。レール4は、これらのねじ孔にボルトを挿通することで、工作機械における所定位置に固定される。
図2は、センサユニット8の一部を分解した状態を表す図である。
ホルダ9における移動体2とは反対側端面にスクレーパユニット24が設けられ、そのスクレーパユニット24を外側から覆うようにカバー26が組み付けられる。カバー26は、ねじ27によりホルダ9に固定される。スクレーパユニット24は、三枚のスクレーパ28a~28cを重ねる積層構造を有する(これらを特に区別しない場合には、単に「スクレーパ28」と称す)。
スクレーパ28は、ゴム等の可撓性部材からなり、カバー20の表面と接触する接触面を有する。スクレーパユニット24は、カバー20の表面に付着した異物が移動体2の移動に伴ってホルダ9内に侵入するのを防止する。また、カバー20の表面に付着した異物を移動体2の移動とともに除去する。
図3は、図2のA-A矢視断面図である。
磁気センサ10は、カバー20を挟んでスケール6と対向する位置にセンサヘッド30を有する。センサヘッド30は、MR素子を含む。センサヘッド30は、クーラント等による汚染防止のため、基板に実装したMR素子を樹脂封止して構成されてもよい。磁気センサ10は、図示略のねじによりホルダ9に組み付けられることで、スケール6と対向配置される。
図4および図5は、スケール6のレール4への組付構造を表す斜視図である。図4は分解図であり、図5は組立図である。各図では説明の便宜上、図1に示した構造要素をレール4の長手方向に短く表している。
図4に示すように、レール4の片側面(底面16)に凹部18が設けられている。凹部18は、レール4の長手方向(つまり移動体2をガイドする方向)に伸び、その長手方向に段差形状を有する。凹部18の長手方向中央寄り部分が底面16において最も低位置(深い位置)となり、スケール6の取付部32を構成する。また、凹部18の幅方向中央位置に突条からなる支持部34が設けられ、レール4の長手方向に延在している。
支持部34は、スケール6を支持する第1支持部36と、カバー20を支持する第2支持部38を有する。第2支持部38は、レール4の長手方向における第1支持部36の両側に設けられている。第1支持部36と第2支持部38とは、底面16における高さが異なり、テーパ状の斜面40を介して連結されている。
レール4の両端部には、それぞれ凹部18にエアを供給するための穴42a,42b(これらを特に区別しない場合には、単に「穴42」と称す)が設けられている。穴42の一端(第1端部44a)がレール4の側面に開口し、他端(第2端部44b)がレール4の上面に開口している。このエア供給の詳細については後述する。
スケール6の表面には磁性材料が塗布され、N極とS極による着磁パターンが形成される。なお、この磁性材料は、磁性粉末とポリ塩化ビニル(PVC)を溶剤に溶かすなどして得られる。図示を省略するが、着磁パターンとしてスケール6の幅方向(Z方向)の中央にアブソリュートパターンが形成され、その幅方向両側にインクリメンタルパターンが形成される。スケール6は、取付部32に嵌合するように取り付けられる。
カバー20は、非磁性の金属(例えばステンレス)からなる長方形状の板状部材である。カバー20は、レール4とほぼ等しい長さを有し、レール4の一端から他端にかけて伸びている。カバー20は、スケール6を外側から覆うようにレール4の片側面(底面16)に取り付けられる。スケール6の着磁パターンによる磁束は、カバー20を透過する。このため、センサヘッド30とスケール6との間にカバー20が介在しても磁束の検出に影響はない。
センサヘッド30をスケール6と対向させて着磁パターンを読み取ることで、磁気センサ10の位置ひいては移動体2の位置を検出できる。磁気センサ10は、検出した位置情報をケーブル12を介して外部装置へ送信する。
図5に示すように、スケール6は、レール4の側面においてカバー20の内側に配置されるため、外部からの異物の付着が防止される。カバー20の周縁部がレール4における同一平面上に当接し、そのレール4辺に沿った連続的な溶接がなされることで、カバー20とレール4との接合部におけるシール性が確保されている。この溶接によるカバー20の固定方法については後に詳述する。
穴42の第1端部44aとスケール6とは、レール4の長手方向に離隔している。すなわち、スケール6の正面からみた場合、つまりスケール6の伸びているX方向(第1方向)と交差するY方向(第2方向)に見た場合に、第1端部44aとスケール6とは、X方向に重なることなく並んで凹部18内に配置されている。
図6は、図5に示したレール4の断面図である。図6(A)はB-B断面、図6(B)はC-C断面、図6(C)はD-D断面、図6(D)はE-E断面をそれぞれ示す。各図の左側が断面図、右側がF部拡大図である。
レール4の片側面には、スケール6およびカバー20が図示のように組み付けられる(図6(A)~(D))。凹部18の中央寄りにある取付部32にスケール6が嵌合するように挿入される(図6(A))。第1支持部36の先端面が、支持面36aとしてスケール6を支持する。凹部18の開口幅(上下方向の幅)とスケール6の幅はほぼ等しい。支持面36aの上下に溝部46が形成される。溝部46は、スケール6の裏面との間に空間S1を形成する。凹部18の開口を閉じるようにカバー20が配設される。スケール6は、カバー20に裏面と支持面36aとの間に挟まれるようにして安定に保持される。
凹部18における取付部32の外側では、溝部46の深さが浅くなっており、第2支持部38の先端面が、支持面38aとしてカバー20を支持する(図6(B))。溝部46は、カバー20の裏面との間に空間S2を形成する。この部分においても凹部18の開口を閉じるようにカバー20が配設される。空間S1の長手方向両側に空間S2が形成され、これらは連通する。
溝部46は、その長手方向の端部において穴42と連通する(図6(C))。穴42の第1端部44aが空間S2に開口している。このような構成により、レール4の一端側にある穴42a(第1の穴)と他端側にある穴42b(第2の穴)とが、溝部46を介して連通することとなる。カバー20の両端部は、レール4の底面16に気密に固定される(図6(D))。
レール4の両端に設けられた穴42と、レール4の長手方向に伸びる空間S1,S2は、カバー20によるシール性能を確認するためにエアを流通させるためのエア通路を構成する。凹部18の空間S1に対応する領域にはスケール6が配置される。特にこの領域は外部からの異物や水分の侵入を防止する必要があるため、カバー20による高いシール性能が要求される。このため、本実施形態では、レール4にスケール6およびカバー20を組み付けた後にシール確認試験を行う。
このシール確認試験では、カバー20の表面が上方を向くようにレール4を載置した状態でレール4の側面に液体(水、油、クーラントなど)を溜め、エア通路にエアを供給する。すなわち、図示しないエア供給源から吐出したエアを一方の穴42aに導入し、他方の穴42bから排出する。このとき、液体中に気泡が発生しなければ、カバー20とレール4との間からのエアの漏れがない、つまりシール性が担保されていると判断できる。シール性が担保されていなければ、カバー20の溶接をやり直すなどの対応をする。
このシール確認試験は、位置検出装置1の製造時にのみ行われるため、エア通路はその後不要となる。このため、シール確認試験後に二つの穴42のそれぞれの第2端部44bを閉塞する。例えば第2端部44bを栓体で封止したり、ロウ材を流し込んで硬化させることで閉塞できる。このようにレール4にエアの入口と出口を別々に設け、エア通路を形成することで、そのエア流量や通気圧力などを検出すれば、エア通路に目詰まりがないかを確認することもできる。
図7は、レール4へのカバー20の溶接方法を表す図である。本図は、レール4をカバー20の正面からみた図であり、図中の二点鎖線が溶接部Wを示す。説明の便宜上、図1に示した構造要素をレール4の長手方向に短く表している。
カバー20は、レール4の一端から他端にかけて延在している。移動体2がレール4上を移動することになるが、移動体2の長手方向に対して磁気センサ10は一部の領域を占め、かつ長手方向片側に寄せられているため、移動体2の移動範囲(ストローク)は必然的にスケール6の長さよりも大きくなる。スケール6は、レール4よりも長手方向に短くてすむ。このような関係から、カバー20はスケール6よりも長手方向に大きい。
エア通路を構成する穴42は、レール4の両端に設けられる。このため、カバー20は、この両端の穴42を覆うように設けられる。カバー20は、その周縁部が底面16の同一平面上に当接し、凹部18を取り囲むように配置される。その状態でカバー20の4辺に沿って連続的な溶接がなされる。すなわち、スケール6の伸びている方向と交差する方向に見た場合に、カバー20は、スケール6を囲う四角形状に溶接され、カバー20がレール4に固定されるとともに、その四角形状の4つの角が溶接で形成されている。
溶接部Wが凹部18の外側で凹部18を囲むように設けられるため、凹部18への異物の侵入を防止できる。図示のように、レール4の長手方向におけるスケール6の一端と溶接部Wの一端との間隔X1は、レール4の短手方向におけるスケール6の一端と溶接部Wの一端との間隔Y1よりも十分に大きい。スクレーパ28は、スケール6の一端を超えて移動し、カバー20上を清掃する。
スクレーパ28は、その先端がカバー20に当接しつつ移動することとなるが、上述のように可撓性部材からなるため、溶接部Wのビード(凹凸)に干渉すると摩耗等により損傷する可能性がある。この点、本実施形態では間隔X1を十分に大きくとることで、その干渉を防止できる。なお、スクレーパ28の先端がカバー20と当接する部分の幅(つまり、カバー20の短手方向の当接部の長さ)は、スケール6の幅よりも大きく、溶接部Wの短手方向の間隔よりも小さい。このため、スクレーパ28が上下の溶接部Wに干渉することもない。
次に、スケール6が内蔵されるレール4の製造方法について説明する。
図8および図9は、本実施形態で採用する溶接方法を模式的に表す図である。
カバー20のレール4への溶接には回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)を用いたレーザ溶接が採用される。図8(A)に示すように、図示しない発振器から出力されるレーザLは、回折光学素子50を経由することで第1レーザL1と第2レーザL2に分岐される。それにより、互いに平行な二列の溶接を同時に行うことができる。
回折光学素子50を回転させることで(図中白抜矢印参照)、図8(B)に示すように、その二列のレーザの角度を変化させることもできる。レーザビームとしては、YAGレーザ、CO2レーザ、エキシマレーザなどを適宜用いることができる。第1レーザL1と第2レーザL2との間隔Tは、回折光学素子50を前後させるなど、回折光学素子50の位置を変化させることで変更できる。あるいは、回折光学素子50を回転させることによっても間隔Tを変化させることができる。
レール4の製造に際しては、金属素材の切削加工によりレール4の概形を成形した後、レール4に穴42aを穿設し(第1穴形成工程)、穴42bを穿設する(第2穴形成工程)。続いて、図4にも示したように、レール4に沿って伸びる凹部18にスケール6が配置された状態で、スケール6を覆うようにレール4に長方形状のカバー20を配置する(配置工程)。
そして、図9に示す溶接工程を実行する。まず、第1レーザL1と第2レーザL2をカバー20の短手方向に移動させながらカバー20の一端部を溶接する(図9(A),(B))。続いて、回折光学素子50を回転させることでその二列のレーザの角度を90度変化させた後、カバー20の長手方向に移動させながらカバー20の平行な長辺を同時に溶接する(図9(C),(D))。このときの二列のレーザの間隔T=T1とする。間隔T1は、凹部18の幅よりも大きく、カバー20の幅よりも小さい(図7参照)。
二列のレーザがカバー20の他端部に到達すると、再度回折光学素子50を回転させることでその二列のレーザの角度を90度変化させ、カバー20の短手方向に移動させながらカバー20の他端部を溶接する。このように、本実施形態では、カバー20の溶接に際してDOEを採用し、カバー20の長手方向の溶接と、短手方向の溶接を実行する。
長手方向の溶接工程と短手方向の溶接工程とが連続的になされることで、カバー20をレール4に対して効率的に接合できる。カバー20がスケール6を囲う四角形状に溶接され、レール4に固定される。図7に示したように、カバー20の4辺を4つの角がつながるように溶接できる。その結果、穴42aと、レール4の側面とカバー20の裏面との間隙と、穴42bとが連通し、上述したエア通路を形成する。
以上、実施形態に基づいて位置検出装置1を説明した。
位置検出装置1では、カバー20がスケール6を囲う位置で四角形状に溶接されてレール4に固定され、その四角形状の4つの角が溶接で形成される。このため、カバー20とレール4との接合部のシール性能を確実なものとでき、レール4に内蔵されるスケール6を外部の異物(切屑の粒子やクーラント等)から効果的に保護できる。
また、レール4の製造時に二つの穴42を設け、カバー20と凹部18との間に形成される空間S1,S2と連通させることによりエア通路を形成した。それによりシール確認試験ができるようにしたことで、レーザ溶接の良否を容易に確認できる。このことが、カバー20とレール4との接合部のシール性能をより確実なものとし、スケール6の異物からの保護につながる。
さらに、カバー20のレーザ溶接にDOEを採用し、分岐された二つのレーザによる溶接を同時かつ連続的に行うことで、その溶接工程の効率を高めることができる。すなわち、二列のレーザをカバー20の長手方向に移動させることで、カバー20の幅方向(短手方向)の両端部を同時に溶接できる。また、DOEを回転させることで、カバー20の短手方向の溶接と長手方向の溶接とを連続させることができる。それにより、効率的な溶接を実現できる。その結果、スケール6が内蔵されるレール4を効率よく製造できる。このようにしてカバー20の幅方向の両端部を同時に溶接することで、溶接温度によるカバー20の歪み(熱歪みによる変形)を抑制できる。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
[変形例]
図10は、変形例に係る溶接方法を模式的に表す図である。
本変形例は、レール104の長手方向一端から他端に到るまで凹部118が延在している点で上記実施形態と異なる。このような構成においては、レール104の端部からの異物の侵入を防止する必要がある。そこで、本変形例では、凹部118の一端部と他端部に金属製のスペーサ120を配置することで、端部の開口を閉じることとする。スペーサ120は、カバー20と同種の素材、例えばステンレスからなるものでもよい。
レール104の製造に際しては、上記実施形態と同様にレール104の概形を成形した後、穴42a,42bを穿設する(第1,第2穴形成工程)。続いて、レール104に沿って伸びる凹部118にスケール6を配置するとともに、凹部118の両端にスペーサ120を配置する(図10(A),(B))。なお、スペーサ120は、凹部118とほぼ等しい幅と、スケール6よりも短い長さを有する。スペーサ120の厚みは、凹部118の深さとほぼ等しい。
続いて、スペーサ120をレール104に対して溶接する(図10(C))。まず、第1レーザL1と第2レーザL2をスペーサ120の長手方向に移動させながらスペーサ120の平行な二辺を同時に溶接する(図10(C),(D):溶接工程)。このときの二列のレーザの間隔T=T2とする。間隔T2は、間隔T1よりも小さい。続いて、レーザを停止し、凹部118にスケール6が配置された状態で、スケール6を覆うようにカバー20を配置する(配置工程)。
そして、上記実施形態と同様にしてカバー20をレール104に溶接する。まず、回折光学素子50を回転させた後、二列のレーザをカバー20の短手方向に移動させながらカバー20を幅方向に溶接する(図10(E))。このとき、カバー20の一端部が、スペーサ120およびレール104に対して溶接される。
続いて、回折光学素子50を回転させることでその二列のレーザの角度を90度変化させつつその間隔T=T1にした後、カバー20の長手方向に移動させながらカバー20の平行な長辺を同時に溶接する(図10(F))。二列のレーザがカバー20の他端部に到達すると、再度回折光学素子50を回転させることでその二列のレーザの角度を90度変化させ、カバー20の短手方向に移動させながらカバー20の他端部を溶接する。このように、本変形例でも、カバー20の長手方向の溶接と、短手方向の溶接とが連続的に実行される。
本変形例によれば、レールの概形が押出成形(引き抜き加工)により得られる場合など、レールが長手方向一端から他端まで伸びる凹部を有する構造であったとしても、良好なシール性能を確保できる。上記実施形態と同様の効果を得ることができる。本変形例は、上記実施形態のようにレール4における同一部品の同一平面に対してカバー20の4辺を溶接する構成ではない。しかし、レール104とスペーサ120の二部品を組み付けた状態の同一平面に対してカバー20のレール4辺を溶接することで、同様のシール性能を確保できる。
[その他の変形例]
上記実施形態では、DOEによるレーザ溶接を四角形状に施す例を示した。この四角形状は、図7等に示したように4つの角が90度をなす、つまり角がエッジ状の長方形状であってもよいし、角がR形状の概略四角形状(概略長方形状)であってもよい。
上記変形例(図10)では、スペーサ120を溶接によりレール104に固定したが、接着剤その他の固定手段によりレール104に固定してもよい。
上記実施形態では、スケールにおける着磁パターンとして、アブソリュートパターンおよびインクリメンタルパターンの双方を含む構成を例示した。変形例においては、アブソリュートパターンのみを含み、インクリメンタルパターンを含まない構成としてもよい。
上記実施形態では、位置検出装置1を工作機械に適用する例を示したが、位置検出装置の用途はこれに限らず、その他の搬送装置など、移動体をガイドするレールと、その移動体の位置検出を行うセンサとを備える装置であれば適用可能である。
1 位置検出装置、2 移動体、4 レール、6 スケール、8 センサユニット、9 ホルダ、10 磁気センサ、12 ケーブル、14 ガイド面、16 底面、18 凹部、20 カバー、24 スクレーパユニット、26 カバー、27 ねじ、28 スクレーパ、30 センサヘッド、32 取付部、34 支持部、36 第1支持部、36a 支持面、38 第2支持部、38a 支持面、42 穴、42a 穴、42b 穴、44a 第1端部、44b 第2端部、46 溝部、50 回折光学素子、104 レール、118 凹部、120 スペーサ、L レーザ、L1 第1レーザ、L2 第2レーザ、S1 空間、S2 空間、W 溶接部。

Claims (2)

  1. スケールが内蔵されるレールの製造方法であって、
    前記レールに沿って伸びる凹部に前記スケールが配置された状態で、前記スケールが収容された前記凹部の開口を閉じるように前記レールに長方形状のカバーを配置する配置工程と、
    回折光学素子により単一のレーザを分岐させた第1レーザと第2レーザとで前記カバーの長手方向に、前記カバーを前記レールに溶接する第1溶接工程と、
    前記回折光学素子により分岐させた第1レーザと第2レーザとで前記カバーの短手方向に、前記カバーを前記レールに溶接する第2溶接工程と、を備え、
    前記第1溶接工程は、前記第1レーザと前記第2レーザとを前記凹部の開口を挟んで両側に位置させつつ前記回折光学素子を前記カバーに対して長手方向に移動させることにより、前記開口を挟む互いに平行な二列の溶接を同時に行い、
    前記第1溶接工程と前記第2溶接工程との間で前記回折光学素子を回転させることにより前記第1レーザと前記第2レーザの進行方向を変化させることで、前記第1溶接工程と前記第2溶接工程とが連続的になされる、レールの製造方法。
  2. 前記第1溶接工程と前記第2溶接工程とにより、前記カバーが前記スケールを囲う四角形状に溶接され前記レールに固定される、請求項1に記載のレールの製造方法。
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