JP7351779B2 - ハウジングの製造方法及びハウジング - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジングの製造方法及びハウジングに関する。
例えば、車両のボディパネルや機器類のケースに装着される端子台は、端子を保持する樹脂製のハウジングを備えている。
この種の端子台としては、パネルの取付孔へ嵌合されるハウジングの組付部の周囲に環状のシール部材が装着され、このゴム製のシール部材によってパネルの取付孔の内周面との間をシールするものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
また、端子台のハウジングにおけるパネルへの組付面に設けた環状のシール部材をパネルの被取付面に押し付けて、パネルとの間をシールするものもある(例えば、特許文献3参照)。
特開2017-188289号公報 特開2018-73652号公報 特開2010-211933号公報
ところで、取付孔の内周面へシール部材を密着させる上記特許文献1,2に記載の端子台のハウジングでは、取付孔の内周面へシール部材を均等に密着させるためにパネルに対して高精度に取り付けなければならず、取り付け作業性が悪かった。
一方、上記特許文献3に記載の端子台では、パネルに対してハウジングをボルトで締結して固定することにより、シール部材をパネルの表面へ均等に押し付けて良好なシール性を確保できる。しかし、この端子台では、シール部材に成形した取付片の孔部にハウジングのピンを挿し込むことで、シール部材をハウジングに取り付ける構造である。このため、製造コストが嵩み、また、シール部材をハウジングへ装着させる煩雑な装着作業を要する。
更に、このような端子台の場合、ハウジングにシール部材を二色成形等により一体成形することが考えられる。しかしながら、ゴム製のシール部材が樹脂製のハウジングに対して良好に凝着されているか否かを容易に判定することは困難であった。即ち、ハウジングにシール部材を二色成形等により一体成形して完成した製品に対して、ハウジングからシール部材を剥がして走査型電子顕微鏡で表面解析を行う判定方法や、ハウジングに凝着されたシール部材に対して引張試験を行う判定方法は、いずれもシール部材が損傷するため製品の出荷検査で行うことができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シール部材が良好に凝着されて一体成形されたハウジングの製造方法及びハウジングを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 被取付部の被取付面に組付けられるハウジングの前記被取付面に対向する被凝着面に、前記被取付面との間をシールするシール部を有するシール部材を一体成形するハウジングの製造方法であって、
前記ハウジングを金型内に設置する型締め工程と、
前記金型に設けられたゲートから溶融樹脂を送り込み、前記被凝着面に沿う前記シール部を成形するためのシール部用キャビティと、前記ゲートから送り込まれる溶融樹脂の最下流で前記シール部用キャビティから外れた位置に設けたアンカー部を成形するためのアンカー部用キャビティとに前記溶融樹脂を充填して前記シール部材を成形する成形工程と、
前記シール部材が一体成形された前記ハウジングを前記金型から取り出す取出し工程と、
を含み、
前記取出し工程において、前記アンカー部用キャビティで成形された柱状部を有する前記アンカー部を前記金型とともに前記ハウジングから引き離し、前記アンカー部における前記柱状部での破断の有無によって前記被凝着面に対する前記シール部材の凝着状態を判定する、ことを特徴とするハウジングの製造方法。
上記(1)の構成のハウジングの製造方法によれば、シール部材が一体成形されたハウジングを金型から取り出す際に、アンカー部における柱状部の破断の有無を確認することで、ハウジングの被凝着面に対するシール部材の凝着状態を容易に判定することができる。即ち、金型からハウジングが引き離されることによって、アンカー部における柱状部に引張力が付与される。この際に、引張力でアンカー部における柱状部が破断した場合は、ハウジングの被凝着面にシール部材のシール部が十分に凝着されていると判定できる。また、引張力によってシール部材が被凝着面から剥がされることで柱状部が破断されない場合は、ハウジングの被凝着面に対するシール部材のシール部の凝着が不十分であると判定できる。
そこで、本発明によれば、従来のハウジングからシール部材を剥がして走査型電子顕微鏡で表面解析を行う判定方法や、ハウジングに凝着されたシール部材に対して引張試験を行う判定方法のように、シール部材を破壊することなく凝着状態を判定することができるので、出荷検査として好適である。
また、ハウジングの被凝着面に対するシール部材の凝着力は、成形時に充填される溶融樹脂の下流側へ向かって徐々に弱くなる傾向がある。そこで、凝着状態の判定に用いられるアンカー部が、ゲートから送り込まれる溶融樹脂の最下流に設けられることで、判定不良が抑えられる。
(2) 前記成形工程において、前記アンカー部における前記柱状部にくびれ部を形成する、ことを特徴とする上記(1)に記載のハウジングの製造方法。
上記(2)の構成のハウジングの製造方法によれば、取出し工程において、アンカー部に引張力が付与された際に、柱状部がくびれ部で破断される。つまり、柱状部にくびれ部が設けられることで、柱状部における破断箇所を容易に設定することができる。
また、くびれ部における断面積を調整することにより、凝着力を判定するための破断に必要な引張力を容易に設定することができる。即ち、ハウジングの被凝着面へのシール部材の凝着力を上回る引張力が柱状部に付与された際にくびれ部が破断するように断面積を調整し、このくびれ部が破断する引張力を凝着力の判定に用いる引張力に設定できる。
(3) 被取付部の被取付面に組付けられるハウジングであって、
前記被取付面に対向する被凝着面に一体成形され、前記被取付面との間をシールするシール部を有するシール部材を備え、
前記シール部材は、前記シール部から外れた位置に、前記被凝着面に対する前記シール部材の凝着状態の良否判定に用いられた破断面を有する凝着確認部を備える、ことを特徴とするハウジング。
上記(3)の構成のハウジングによれば、被凝着面に対するシール部材の凝着状態の良否判定に用いられた破断面を有する凝着確認部を備えている。したがって、この凝着確認部が設けられていることで、シール部材が被凝着面に良好に凝着されているハウジングであることを確認することができる。
(4) 前記破断面は、前記被取付面に密着する前記シール部のシール面よりも前記被凝着面側に配置されている、ことを特徴とする上記(3)に記載のハウジング。
上記(4)の構成のハウジングによれば、凝着確認部の破断面がシール部のシール面よりも被凝着面側に配置されている。そこで、凝着確認部の破断面が、被取付面へ干渉するのが抑制されて、シール面による良好なシール状態を得ることができる。
本発明によれば、シール部材が良好に凝着されて一体成形されたハウジングの製造方法及びハウジングを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の一実施形態に係るハウジングを備えた端子台及びケースの斜視図である。 ケースに取り付けられた端子台の縦断面図である。 ハウジングの組付部側から見た斜視図である。 シール部材に設けられた凝着確認部の斜視図である。 シール部材を成形する金型の概略断面図及びその一部の拡大図である。 金型で成形される成形品の斜視図である。 成形されたアンカー部の斜視図である。 アンカー部における柱状部の根元部分を示す縦方向に断面視した斜視図である。 アンカー部に引張力が付与された後の状態を示す図であって、(a)はアンカー部における柱状部が破断した状態を示す斜視図、(b)はアンカー部における薄肉部が剥離した状態を示す斜視図である。 本発明の変形例に係る他の成形位置に成形したアンカー部を示す図であって、(a)及び(b)は、それぞれ概略断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るハウジング13を備えた端子台11及びケース1の斜視図である。図2は、ケース1に取り付けられた端子台11の縦断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るハウジング13は、ハウジング本体(ハウジング)17とホルダ19とから構成されている。複数の端子15を備えたホルダ19は、ハウジング本体17の上部に組付けられている。ハウジング13は、これらの端子15とともに端子台11を構成する。端子台11は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等に搭載される駆動モータのケース1に組付けられる。なお、ハウジング13は、端子台11に限らず、コネクタや電気接続箱等の各種の機器のハウジングの場合もある。
ハウジング13を構成するハウジング本体17及びホルダ19は、絶縁性樹脂から成形されており、ホルダ19の上方側が締結部21とされ、ハウジング本体17の下方側が組付部23とされている。ハウジング13は、締結部21と組付部23との間に、外周側へ張り出すフランジ部25を有しており、このフランジ部25には、複数のボルト挿通孔27が形成されている。
端子台11は、ハウジング13の組付部23が、駆動モータ等のケース(被取付部)1に形成された取付孔2に嵌め込まれる。このケース1には、取付孔2の縁部に平滑面からなる被取付面3が形成されている。この端子台11は、ハウジング13の組付部23を取付孔2に嵌め込んだ状態で、フランジ部25のボルト挿通孔27にボルト4を通してケース1に形成されたネジ孔5にねじ込むことによりケース1の被取付面3に組付けられる。
ハウジング13のハウジング本体17は、ケース1への組付側に、環状のシール部材50を備えている。このシール部材50は、ハウジング13がケース1に取り付けられた際に、ケース1の被取付面3に密着する。これにより、ハウジング本体17とケース1の被取付面3との間が液密にシールされる。
ハウジング13のハウジング本体17は、表裏に貫通する複数の端子挿通孔30を有している。端子挿通孔30の上部には、ホルダ19が取り付けられる取付け凹部18が設けられている。ハウジング本体17とホルダ19との間には、シール孔32を有するシール部材31が装着されている。
ハウジング13の組付部23側には、平面視矩形状の凹部からなるナット収容凹部41が設けられている。このナット収容凹部41は、側方側が開放されている。ナット収容凹部41には、その側方からネジ孔42aを有する平面視矩形状のナット42が収容されている。また、このナット収容凹部41には、その底部41aに、座ぐり孔43が形成されている。
ハウジング13のホルダ19に装着される端子15は、例えば、銅、銅合金等の導電性金属材料から形成されたもので、板状のバスバーとされている。この端子15は、一端側に締結孔45が形成され、他端側に接続孔46が形成されている。
端子15は、接続孔46が形成された端部をナット42が収容されたナット収容凹部41へ向けた状態で、端子挿通孔30に挿し込むことによりハウジング13に装着される。すると、この端子15は、接続孔46がナット収容凹部41に収容されたナット42に対向する位置に配置されてネジ孔42aに連通される。
また、端子挿通孔30に挿し込まれた端子15は、シール部材31のシール孔32に挿通される。これにより、端子15の外周面にシール部材31のシール孔32の内周面が密着され、端子15と端子挿通孔30との間が液密にシールされる。
端子台11の端子15には、ハウジング13の組付部23側において、機器側の端子金具やバスバー等の配線材が接続される。この配線材を端子15に接続させるには、配線材に形成された孔部(図示略)にボルト(図示略)を挿通させ、このボルトを端子15の接続孔46へ通し、ナット収容凹部41に収容されたナット42のネジ孔42aにねじ込む。これにより、配線材がボルトとナット42とで端子15に締結されて接続される。この締結状態において、ボルトの端部は、ナット収容凹部41の底部41aに干渉することなく、この底部41aに形成された座ぐり孔43に通される。
さらに、端子台11の端子15には、ハウジング13の締結部21側において、接続相手の機器側の端子金具やバスバー等の配線材が接続される。この配線材を端子15に接続させるには、配線材に形成された孔部(図示略)にボルト(図示略)を挿通させ、このボルトを端子15の締結孔45へ通してナット(図示略)にねじ込む。これにより、配線材がボルトとナットとで端子15に締結されて接続される。
次に、ハウジング13のハウジング本体17に設けられたシール部材50について詳述する。
図3は、ハウジング13の組付部側から見た斜視図である。図4は、シール部材50に設けられた凝着確認部55の斜視図である。
図3及び図4に示すように、ハウジング13におけるハウジング本体17のケース1への組付側には、シール装着溝28が周方向にわたって形成されている。シール部材50は、このシール装着溝28内に設けられている。シール部材50は、例えば、ゴム等の柔軟性を有する樹脂材料から成形されたもので、ハウジング13のハウジング本体17に対して一体に成形されている。これにより、シール部材50は、シール装着溝28の底面からなる被凝着面28aに対して凝着されている。このシール部材50は、被凝着面28aへの凝着側と反対側にシール面51を有する環状シール部(シール部)52を備えている。環状シール部52は、シール装着溝28の深さ寸法よりも大きい厚さ寸法を有している。これにより、環状シール部52は、シール面51が全周にわたってシール装着溝28から突出されている。そして、このシール部材50は、環状シール部52のシール面51が被取付面3に密着され、このシール面51が密着したシール領域においてケース1とハウジング13との間が液密にシールされる。
シール部材50は、凝着確認部55及びゲート部60を有している。凝着確認部55及びゲート部60は、シール面51を有する環状シール部52から外れた位置に設けられている。ハウジング13のハウジング本体17は、シール装着溝28の一部に、外方へ膨出する膨出部29を有しており、凝着確認部55及びゲート部60は、それぞれ膨出部29に配置されている。
凝着確認部55は、シール装着溝28の被凝着面28aに凝着した薄肉部56と、薄肉部56の表面から僅かに突出した平面視円形状の破断部57とを有している。破断部57は、その表面が破断面58とされている。凝着確認部55は、環状シール部52よりも薄くされており、これにより、破断面58は、環状シール部52のシール面51の位置よりもシール装着溝28の底部からなる被凝着面28a側に配置されている。ゲート部60は、シール部材50をハウジング13のハウジング本体17に一体成形する際に溶融樹脂が充填されたゲート痕である。凝着確認部55は、ゲート部60に対して略反対側に設けられている。
次に、ハウジング13のハウジング本体17にシール部材50を一体成形する場合について説明する。
図5は、シール部材50を成形する金型の概略断面図及びその一部の拡大図である。図6は、金型で成形される成形品の斜視図である。図7は、成形されたアンカー部の斜視図である。図8は、アンカー部における柱状部の根元部分を示す縦方向に断面視した斜視図である。図9は、アンカー部に引張力が付与された後の状態を示す図であって、(a)はアンカー部における柱状部が破断した状態を示す斜視図、(b)はアンカー部における薄肉部が剥離した状態を示す斜視図である。
図5に示すように、シール部材50は、例えば、二つの金型101,102を用いてハウジング13のハウジング本体17に一体成形される。金型101,102は、その間にハウジング本体17が配置された状態で型締めされる(型締め工程)。
これらの金型101,102の間には、環状シール部52を成形するためのシール部用キャビティ105と、ゲート107から送り込まれる溶融樹脂の最下流でシール部用キャビティ105から外れた位置に設けたアンカー部70を成形するためのアンカー部用キャビティ109とが形成されている。即ち、シール部用キャビティ105には、ゲート107及びアンカー部用キャビティ109が連通されている。シール部用キャビティ105には、シール部材50となる樹脂が溶融された状態でゲート107から充填される。アンカー部用キャビティ109は、ゲート107から充填される溶融樹脂の流れの最下流位置に設けられている。
アンカー部用キャビティ109は、薄肉成形部111と、柱状成形部113と、大径部成形部115とを有しており、薄肉成形部111がシール部用キャビティ105に連通されている。柱状成形部113は、薄肉成形部111の近傍に、くびれ成形部117を有している。
図6に示すように、金型101,102によって成形される成形体には、シール部材50にアンカー部70及びゲート柱75が一体に成形される。アンカー部70は、アンカー部用キャビティ109によって成形され、ゲート柱75はゲート107に成形される(成形工程)。なお、ゲート柱75は、金型101,102からの取り出し後に除去され、ゲート部60となる。
図7に示すように、アンカー部70は、柱状成形部113で成形される柱状部71と、大径部成形部115で成形される大径部72とを有している。このアンカー部70は、薄肉成形部111によって成形される薄肉部56から立設するように一体に成形される。図8に示すように、アンカー部70には、その柱状部71にくびれ部73が形成される。このくびれ部73は、くびれ成形部117によって形成されるもので、薄肉部56の近傍で環状シール部52のシール面51よりもハウジング本体17のシール装着溝28の被凝着面28a側に形成される。
ゲート107から充填した溶融樹脂の冷却後、金型101,102を離間させる型開きを行い、成形品を取り出す(取出し工程)。
このとき、アンカー部70は、柱状部71よりも大径の大径部72が金型101の大径部成形部115に係合されている。これにより、アンカー部70には、ハウジング本体17から引き離される方向(図7におけるX方向)の引張力が付与される。
すると、図9の(a)に示すように、この引張力が予め設定された引張力Psに達すると、柱状部71は、縮径されているくびれ部73において破断する。これにより、ハウジング本体17側には、薄肉部56の上部に破断面58を有する破断部57が形成された凝着確認部55が出現する。作業者は、成形品における凝着確認部55を確認することにより、ハウジング本体17のシール装着溝28の被凝着面28aにシール部材50が十分に凝着している良品であることを目視で確認することができる。
これに対して、シール装着溝28の被凝着面28aに対するシール部材50の凝着不足が生じていると、図9の(b)に示すように、アンカー部70に引張力が付与されることで薄肉部56がシール装着溝28の被凝着面28aから剥がされる。すると、アンカー部70の柱状部71に付与される引張力が引張力Psに達せず、くびれ部73における破断が生じることがない。即ち、くびれ部73が破断する前に、薄肉部56がシール装着溝28の被凝着面28aから剥離することとなる。したがって、作業者は、アンカー部70における柱状部71がくびれ部73で破断せず、薄肉部56が剥離していることから、ハウジング本体17のシール装着溝28の被凝着面28aにシール部材50が十分に凝着していない不良品であることを目視で確認することができる。
ここで、くびれ部73における断面積をA、柱状部71に付与される引張力をPとすると、これらの断面積Aと引張力Pとの関係は、シール部材50の樹脂材料の引張応力σから次式(1)となる。
σ=P/A…(1)
このことから、良品のシール部材50におけるシール装着溝28の被凝着面28aへの凝着力を上回る引張力Pが柱状部71に付与された際にくびれ部73が破断するようにくびれ部73の断面積Aを調整し、このときの引張力Pを引張力Psに設定すればよいこととなる。このように、くびれ部73の断面積Aを調整することにより、シール部材50のハウジング本体17への凝着力を判定ための引張力Psを容易に設定することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係るハウジング13の製造方法によれば、シール部材50を一体成形させたハウジング本体17を金型101,102から取り出す際に、アンカー部70の柱状部71の破断の有無を確認することで、ハウジング13の被凝着面28aに対するシール部材50の凝着状態を容易に判定することができる。
例えば、完成した製品に対して、ハウジング13からシール部材50を剥がして走査型電子顕微鏡で表面解析を行う判定方法や、ハウジング13に凝着されたシール部材50に対して引張試験を行う判定方法は、いずれもシール部材50が損傷するため出荷検査で行うことができない。しかし、上記実施形態によれば、ケース1の被取付面3とのシールを行う環状シール部52を破壊することなく凝着状態を判定することができるので、出荷検査として好適である。
また、被凝着面28aに対する凝着力は、成形時に充填される樹脂の下流側へ向かって弱くなる傾向があるが、凝着状態の判定に用いられるアンカー部70を、ゲート107から送り込まれる樹脂の最下流に設けるので、判定不良を抑えることができる。
また、アンカー部70の柱状部71にくびれ部73を形成するので、取出し工程において、アンカー部70に引張力が付与された際に、柱状部71がくびれ部73で破断される。つまり、柱状部71にくびれ部73が設けられることで、柱状部71における破断箇所を容易に設定することができる。
また、くびれ部73における断面積Aを調整することにより、凝着力を判定するための破断に必要な引張力Psを容易に設定することができる。即ち、ハウジング本体17の被凝着面28aへのシール部材50の凝着力を上回る引張力が柱状部71に付与された際にくびれ部73が破断するように断面積を調整し、このくびれ部73が破断する引張力を凝着力の判定に用いる引張力Psに設定できる。
そして、本実施形態に係るハウジング本体17によれば、被凝着面28aに対するシール部材50の凝着状態の良否判定に用いられた破断面58を有する凝着確認部55を備えている。したがって、この凝着確認部55が設けられていることで、シール部材50が被凝着面28aに良好に凝着されているハウジング本体17であることを確認することができる。
また、凝着確認部55の破断面58がシール面51よりも被凝着面28a側に配置されているので、凝着確認部55の破断面58の被取付面3への干渉を抑制してシール面51による良好なシール状態を得ることができる。
なお、シール部材50に成形するアンカー部70の位置は、引張力が付与されて破断する際の破断箇所がシール面51から出っ張らない位置であれば、上記実施形態に限定されない。
例えば、アンカー部70は、図10の(a)に示すように、ハウジング本体17における環状シール部52の形成側と反対側に成形してもよい。この場合、金型101,102からの離型時に、金型102にアンカー部70が係合されて引張力が付与される。
また、アンカー部70は、図10の(b)に示すように、ハウジング本体17における環状シール部52の成形面に対して直交する側面に成形してもよい。この場合、金型101,102とは別の金型を側方へ移動するように設け、その金型にアンカー部70を係合させて引張力を付与させる。
また、アンカー部70は、ゲート107から充填される溶融樹脂の最下流であれば、環状シール部52の内側に設けてもよい。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明に係るハウジングの製造方法及びハウジングの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 被取付部(ケース1)の被取付面(3)に組付けられるハウジング(ハウジング本体17)の前記被取付面(3)に対向する被凝着面(28a)に、前記被取付面(3)との間をシールするシール部(環状シール部52)を有するシール部材(50)を一体成形するハウジングの製造方法であって、
前記ハウジング(ハウジング本体17)を金型(101,102)内に設置する型締め工程と、
前記金型(101,102)に設けられたゲート(107)から溶融樹脂を送り込み、前記被凝着面(28a)に沿う前記シール部(環状シール部52)を成形するためのシール部用キャビティ(105)と、前記ゲート(107)から送り込まれる溶融樹脂の最下流で前記シール部用キャビティ(105)から外れた位置に設けたアンカー部(70)を成形するためのアンカー部用キャビティ(109)とに前記溶融樹脂を充填して前記シール部材(50)を成形する成形工程と、
前記シール部材(50)が一体成形された前記ハウジング(ハウジング本体17)を前記金型(101,102)から取り出す取出し工程と、
を含み、
前記取出し工程において、前記アンカー部用キャビティ(109)で成形された柱状部(71)を有する前記アンカー部(70)を前記金型(101)とともに前記ハウジング(ハウジング本体17)から引き離し、前記アンカー部(70)における前記柱状部(71)での破断の有無によって前記被凝着面(28a)に対する前記シール部材(50)の凝着状態を判定する、ことを特徴とするハウジングの製造方法。
[2] 前記成形工程において、前記アンカー部(70)における前記柱状部(71)にくびれ部(73)を形成する、ことを特徴とする上記[1]に記載のハウジングの製造方法。
[3] 被取付部(ケース1)の被取付面(3)に組付けられるハウジング(ハウジング本体17)であって、
前記被取付面(3)に対向する被凝着面(28a)に一体成形され、前記被取付面(3)との間をシールするシール部(環状シール部52)を有するシール部材(50)を備え、
前記シール部材(50)は、前記シール部(環状シール部52)から外れた位置に、前記被凝着面(28a)に対する前記シール部材(50)の凝着状態の良否判定に用いられた破断面(58)を有する凝着確認部(55)を備える、ことを特徴とするハウジング(ハウジング本体17)。
[4] 前記破断面(58)は、前記被取付面(3)に密着する前記シール部(環状シール部52)のシール面(51)よりも前記被凝着面(28a)側に配置されている、ことを特徴とする上記[3]に記載のハウジング(ハウジング本体17)。
1…ケース(被取付部)
3…被取付面
13…ハウジング
17…ハウジング本体(ハウジング)
28a…被凝着面
50…シール部材
51…シール面
52…環状シール部(シール部)
55…凝着確認部
58…破断面
70…アンカー部
71…柱状部
73…くびれ部
101,102…金型
105…シール部用キャビティ
107…ゲート
109…アンカー部用キャビティ

Claims (4)

  1. 被取付部の被取付面に組付けられるハウジングの前記被取付面に対向する被凝着面に、前記被取付面との間をシールするシール部を有するシール部材を一体成形するハウジングの製造方法であって、
    前記ハウジングを金型内に設置する型締め工程と、
    前記金型に設けられたゲートから溶融樹脂を送り込み、前記被凝着面に沿う前記シール部を成形するためのシール部用キャビティと、前記ゲートから送り込まれる溶融樹脂の最下流で前記シール部用キャビティから外れた位置に設けたアンカー部を成形するためのアンカー部用キャビティとに前記溶融樹脂を充填して前記シール部材を成形する成形工程と、
    前記シール部材が一体成形された前記ハウジングを前記金型から取り出す取出し工程と、
    を含み、
    前記取出し工程において、前記アンカー部用キャビティで成形された柱状部を有する前記アンカー部を前記金型とともに前記ハウジングから引き離し、前記アンカー部における前記柱状部での破断の有無によって前記被凝着面に対する前記シール部材の凝着状態を判定する、
    ことを特徴とするハウジングの製造方法。
  2. 前記成形工程において、前記アンカー部における前記柱状部にくびれ部を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のハウジングの製造方法。
  3. 被取付部の被取付面に組付けられるハウジングであって、
    前記被取付面に対向する被凝着面に一体成形され、前記被取付面との間をシールするシール部を有するシール部材を備え、
    前記シール部材は、前記シール部から外れた位置に、前記被凝着面に対する前記シール部材の凝着状態の良否判定に用いられた破断面を有する凝着確認部を備える、
    ことを特徴とするハウジング。
  4. 前記破断面は、前記被取付面に密着する前記シール部のシール面よりも前記被凝着面側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のハウジング。
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