JP7351270B2 - エンジンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンシステムに関する。
従来のエンジンシステムとしては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載のエンジンシステムは、機関本体と、この機関本体の燃焼室に接続された吸気経路及び排気経路と、吸気経路に設けられ、燃焼室に導入される空気の量を調整するスロットルと、機関本体の燃焼室に対して燃料となるアンモニアを供給する燃料供給部と、燃焼室内のアンモニアに着火してアンモニアを燃焼させる点火プラグとを備えている。燃料供給部は、アンモニアを貯留する燃料タンクと、この燃料タンク内のアンモニアを気化させる蒸発器と、この蒸発器により気化されたアンモニアを燃焼室に向けて供給する第1供給部と、蒸発器により気化されたアンモニアを加熱して分解することで、水素ガスを生成するアンモニア改質器と、このアンモニア改質器により生成された水素を燃焼室に向けて供給する第2供給部とを有している。
特開2019-178623号公報
上記従来技術においては、アンモニア改質器の起動時に、アンモニア改質器の触媒によりアンモニアと酸素とが反応することで、アンモニアが着火して燃焼する。しかし、アンモニアの着火までに時間がかかると、アンモニア改質器の起動時間が長くなってしまう。
本発明の目的は、改質器の起動時間を短縮することができるエンジンシステムを提供することである。
本発明の一態様に係るエンジンシステムは、シリンダ内に往復移動可能に配置されたピストンを有するエンジンと、シリンダ内に供給される空気が流れる吸気通路と、シリンダ内で発生した排気ガスが流れる排気通路と、シリンダ内に向けて燃料ガスを噴射する燃料噴射弁と、吸気通路に配設され、シリンダ内に供給される空気の流量を制御する流量制御弁と、ピストンを往復移動させるスタータと、燃料ガスを燃焼させて発生した熱を利用して燃料ガスを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、改質器に燃料ガスを供給する燃料供給部と、改質器に空気を供給する空気供給部と、改質器により生成された改質ガスがシリンダ内に向けて流れる改質ガス流路と、改質器に供給される燃焼ガスを発生させる燃焼器と、排気通路と燃焼器とを接続し、シリンダ内において燃料ガス及び空気が混合された起動用ガスが燃焼器に向けて流れる起動用ガス流路と、起動用ガス流路における起動用ガスの流れを調整する起動用ガス調整部と、エンジンの始動時に、シリンダ内に燃料ガス及び空気が導入されると共にシリンダ内から起動用ガスが排出されるようにスタータ、燃料噴射弁及び流量制御弁を制御し、起動用ガスが燃焼器に供給されるように起動用ガス調整部を制御し、起動用ガス中の燃料ガスが着火するように燃焼器を制御する第1制御部と、第1制御部による制御処理の実行と同時に又は第1制御部による制御処理が実行された後、改質器に燃料ガス及び空気が供給されるように燃料供給部及び空気供給部を制御する第2制御部と、第1制御部及び第2制御部による制御処理が実行された後、燃焼器への起動用ガスの供給が停止するように起動用ガス調整部を制御する第3制御部とを備える。
このようなエンジンシステムにおいては、エンジンの始動時に、シリンダ内に配置されたピストンの往復移動によって、シリンダ内に燃料ガス及び空気が導入されると共に、シリンダ内から燃料ガス及び空気が混合された起動用ガスが排出される。そして、起動用ガス調整部によって起動用ガスが起動用ガス流路を流れて燃焼器に供給され、燃焼器において起動用ガス中の燃料ガスが着火して燃焼し、燃焼ガスが生成される。そして、燃焼ガスが改質器に供給され、燃焼ガスの熱によって改質器が加熱される。また、改質器に燃料ガス及び空気が供給される。そして、改質器において、燃料ガスの燃焼及び改質が行われ、水素を含有した改質ガスが生成される。その後、燃焼器への起動用ガスの供給が停止する。改質器により生成された改質ガスは、改質ガス流路を流れてエンジンのシリンダ内に供給される。そして、シリンダ内において、燃料ガスが改質ガス中の水素と共に燃焼する。このように燃焼器によって燃料ガスを燃焼させて発生した高温の燃焼ガスの熱を利用して、改質器において燃料ガスの燃焼及び改質が行われるため、燃料ガスが着火するまでの時間が短くなる。これにより、改質器の起動時間が短縮される。
また、シリンダ内に燃料ガス及び空気が導入されると共に、シリンダ内から燃料ガス及び空気が混合された起動用ガスが排出され、起動用ガスが燃焼器に供給される。このように起動用ガスを燃焼器に供給するためにエンジンのシリンダ内に供給される燃料ガス及び空気を使用することにより、燃焼器に燃料ガス及び空気を供給するための燃焼器専用のガス供給部が不要となる。また、ピストンにより起動用ガスがシリンダ内から押し出されて燃焼器に供給されるため、起動用ガスの流れが安定化し、起動用ガス中の燃料ガスの燃焼が安定して行われる。
エンジンシステムは、排気通路と吸気通路とを接続し、排気ガスの一部がEGRガスとして吸気通路に向けて流れるEGR通路と、EGR通路を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブとを更に備え、起動用ガス流路は、EGR通路におけるEGRバルブよりも上流側と燃焼器とを接続することにより、排気通路と燃焼器とをEGR通路を介して接続し、起動用ガス調整部は、起動用ガス流路を開閉するバルブであり、第1制御部は、バルブを開くように制御し、第3制御部は、バルブを閉じるように制御してもよい。このような構成では、既存のEGR装置を利用して、エンジンのシリンダ内から燃焼器に起動用ガスが供給されるため、起動用ガス調整部を簡単な構成で実現することができる。
エンジンシステムは、改質器の温度を検出する温度検出部を更に備え、第3制御部は、温度検出部により検出された改質器の温度が予め決められた第1規定温度以上であるときに、燃焼器への起動用ガスの供給が停止するように起動用ガス調整部を制御してもよい。このような構成では、改質器の温度が第1規定温度以上になると、エンジンのシリンダ内から燃焼器への起動用ガスの供給が停止する。従って、起動用ガスが燃焼器に無駄に供給されることが防止される。
第1規定温度は、改質器により燃料ガスの改質が可能となる改質可能温度よりも高い温度であってもよい。このような構成では、改質器により改質ガスが生成された後も、一定時間は起動用ガスがエンジンのシリンダ内から燃焼器に供給され続けることになる。このため、改質ガスが起動用ガスと共にシリンダ内から燃焼器に供給される。従って、燃焼器において、改質ガス中の水素が起動用ガス中の燃料ガスと共に燃焼されるため、起動用ガス中の燃料ガスが燃焼されやすくなる。これにより、改質器の起動時間が更に短縮される。
エンジンシステムは、温度検出部により検出された改質器の温度に基づいて起動用ガス中の燃料ガスが着火したかどうかを判断し、起動用ガス中の燃料ガスが着火したときに、シリンダ内への燃料ガスの導入が停止するように燃料噴射弁を制御し、その後温度検出部により検出された改質器の温度が第1規定温度よりも高い第2規定温度以上であるときに、シリンダ内に燃料ガスが再び導入されるように燃料噴射弁を制御する第4制御部を更に備えてもよい。このような構成では、起動用ガス中の燃料ガスが着火すると、エンジンのシリンダ内への燃料ガスの導入が一旦停止する。このため、燃料ガスが無駄に消費されることが防止される。
燃焼器は、円管状の筐体と、起動用ガスを筐体の内部に管状流が発生するように導入する起動用ガス導入部と、筐体に取り付けられ、起動用ガス導入部より筐体の内部に導入された起動用ガス中の燃料ガスを着火させる点火部とを有し、第1制御部は、点火部を点火させるように制御してもよい。このような構成では、起動用ガスが起動用ガス導入部より円管状の筐体の内部に導入される。そして、点火部が点火することで、起動用ガス中の燃料ガスが着火して燃焼する。このとき、起動用ガスは、筐体の内部に管状流が発生するように導入される。従って、起動用ガスが管状流となっている状態で起動用ガス中の燃料ガスが着火して管状火炎が形成されるため、燃焼ガスが改質器に向かって旋回して流れる。従って、改質器において燃料ガスの燃焼が安定して行われる。
本発明によれば、改質器の起動時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。 図1に示されたアンモニアエンジンの概念図である。 図1に示された燃焼器の断面図である。 図1に示されたエンジンシステムの制御系構成図である。 図4に示された主コントローラにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。 図5に示された制御処理が実行されるときのエンジンシステムの動作を示すタイミング図である。 図1に示された主コントローラにより実行される制御処理手順の変形例を示すフローチャートである。 図7に示された制御処理が実行されるときのエンジンシステムの動作を示すタイミング図である。 図6に示されたエンジンシステムの動作の変形例を示すタイミング図である。 図6に示されたエンジンシステムの動作の他の変形例を示すタイミング図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンシステムを示す概略構成図である。図1において、本実施形態のエンジンシステム1は、アンモニアエンジン2と、吸気通路3と、排気通路4と、インジェクタ5と、スロットルバルブ6とを備えている。
アンモニアエンジン2は、アンモニアガス(NHガス)を燃料ガスとして使用するエンジンである。アンモニアエンジン2では、アンモニアガスを燃焼しやすくするため、アンモニアに水素が混合される。アンモニアエンジン2は、例えば4気筒エンジンである。
アンモニアエンジン2は、図2に示されるように、4つのシリンダ7(シリンダ7A~7Dとする)と、各シリンダ7内に往復移動可能にそれぞれ配置された4つのピストン8と、各ピストン8とクランクシャフト(図示せず)とをそれぞれ連結する4つのコンロッド9とを有している。なお、シリンダ7内におけるピストン8よりもシリンダヘッド(図示せず)側の空間は、アンモニアガスの燃焼が行われる燃焼室7aである。
また、アンモニアエンジン2は、各燃焼室7aと連通された吸気孔10及び排気孔11を有している。吸気孔10は、電磁式の吸気弁12(図4参照)により開閉される。排気孔11は、電磁式の排気弁13(図4参照)により開閉される。
また、アンモニアエンジン2は、点火装置14を有している。点火装置14は、各燃焼室7aに供給されたアンモニアガスを着火させる。点火装置14は、例えばシリンダ7毎に設けられたスパークプラグ等である。
吸気通路3は、吸気孔10に接続されている。吸気通路3は、各燃焼室7aに供給される空気が流れる通路である。排気通路4は、排気孔11に接続されている。排気通路4は、各燃焼室7aで発生した排気ガスが流れる通路である。
インジェクタ5は、各燃焼室7aに向けて燃料ガスであるアンモニアガスを噴射する電磁式の燃料噴射弁である。インジェクタ5は、シリンダ7毎に設けられている。ここで、インジェクタ5によりアンモニアエンジン2の燃焼室7aに直接供給されるアンモニアガスを主アンモニアガスとする。
スロットルバルブ6は、吸気通路3に配設されている。スロットルバルブ6は、各燃焼室7aに供給される空気の流量を制御する電磁式の流量制御弁である。ここで、アンモニアエンジン2の燃焼室7aに直接供給される空気を主空気とする。
また、エンジンシステム1は、アンモニアタンク15と、気化器16と、改質器17と、アンモニア流路18と、アンモニアバルブ19と、空気流路20と、空気バルブ21と、改質ガス流路22とを備えている。
アンモニアタンク15は、アンモニアを液体状態で貯蔵するタンクである。つまり、アンモニアタンク15は、液体アンモニアを貯蔵する。気化器16は、アンモニアタンク15に貯蔵された液体アンモニアを気化させてアンモニアガスを生成する。気化器16は、アンモニア流路23を介してインジェクタ5と接続されている。アンモニア流路23は、インジェクタ5に供給されるアンモニアガスが流れる流路である。
改質器17は、アンモニアガスを燃焼させて発生した熱を利用してアンモニアガスを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する。改質器17は、改質触媒17aを有している。改質触媒17aは、アンモニアガスを水素に分解する機能に加え、アンモニアガスを燃焼させる機能も有している。改質触媒17aは、例えばATR(Autothermal Reformer)式アンモニア改質触媒である。改質触媒17aとしては、例えばコバルト系触媒、ロジウム系触媒、ルテニウム系触媒またはパラジウム系触媒等が使用される。
アンモニア流路18は、気化器16と改質器17とを接続している。アンモニア流路18は、改質器17に供給されるアンモニアガスが流れる流路である。アンモニアバルブ19は、アンモニア流路18に配設されている。アンモニアバルブ19は、改質器17に供給されるアンモニアガスの流量を制御する電磁式の流量制御弁である。
アンモニアタンク15、気化器16、アンモニア流路18及びアンモニアバルブ19は、改質器17にアンモニアガスを供給する燃料供給部26を構成している。ここで、改質器17に供給されるアンモニアガスを改質用アンモニアガスとする。
空気流路20は、吸気通路3と改質器17とを接続している。空気流路20は、改質器17に供給される空気が流れる流路である。空気バルブ21は、空気流路20に配設されている。空気バルブ21は、改質器17に供給される空気の流量を制御する電磁式の流量制御弁である。空気流路20及び空気バルブ21は、改質器17に空気を供給する空気供給部27を構成している。ここで、改質器17に供給される空気を改質用空気とする。
改質ガス流路22は、改質器17と吸気通路3とを接続している。改質ガス流路22は、改質器17により生成された改質ガスがアンモニアエンジン2の燃焼室7aに向けて流れる流路である。
また、エンジンシステム1は、燃焼器28を備えている。燃焼器28は、改質器17に供給される燃焼ガスを発生させる管状火炎バーナである。
燃焼器28は、燃焼ガス流路29を介して改質器17と接続されている。燃焼ガス流路29は、燃焼器28により発生した燃焼ガスが改質器17に向けて流れる流路である。燃焼ガス流路29には、上記のアンモニア流路18及び空気流路20が接続されている。空気流路20は、燃焼ガス流路29におけるアンモニア流路18よりも下流側(改質器17側)に接続されている。
燃焼器28は、図3に示されるように、円管状の筐体30と、この筐体30に設けられた複数(ここでは4つ)の起動用ガス導入部31と、筐体30に取り付けられた点火部32(図4参照)とを有している。筐体30は、燃焼ガス流路29を形成する配管と一体化されていてもよい。
起動用ガス導入部31は、燃焼ガスを発生させるための起動用ガスを筐体30の内部に管状流が発生するように導入する。具体的には、起動用ガス導入部31は、起動用ガスを筐体30の内部に筐体30の内周面30aの接線方向に導入する。起動用ガスは、アンモニアガス及び空気を含むガスである。なお、起動用ガスは、アンモニアガス及び空気以外のガスが僅かに含まれていてもよい。
点火部32は、起動用ガス導入部31より筐体30の内部に導入された起動用ガス中のアンモニアガスを着火させる。点火部32は、筐体30の先端部に固定されている。点火部32は、例えばグロープラグまたはスパークプラグ等である。
また、エンジンシステム1は、EGR装置35と、起動用ガス流路36と、起動用バルブ37とを備えている。
EGR装置35は、アンモニアエンジン2の各燃焼室7aで発生した排気ガスの一部をEGRガス(排気再循環ガス)として還流させる。EGR装置35は、排気通路4と吸気通路3とを接続するEGR通路38と、このEGR通路38に配設されたEGRバルブ39及びEGRクーラ40とを有している。
EGR通路38は、EGRガスが排気通路4から吸気通路3に向けて流れる通路である。EGRバルブ39は、EGR通路38を流れるEGRガスの流量を調整する電磁式の流量調整弁である。EGRクーラ40は、EGR通路38を流れるEGRガスを冷却する。EGRバルブ39は、EGR通路38におけるEGRクーラ40よりも下流側に配設されている。
起動用ガス流路36は、排気通路4と燃焼器28とを接続している。具体的には、起動用ガス流路36の一端は、EGR通路38におけるEGRクーラ40とEGRバルブ39との間に接続されている。つまり、起動用ガス流路36の一端は、EGR通路38におけるEGRバルブ39よりも上流側の部分に接続されている。起動用ガス流路36の他端は、燃焼器28の各起動用ガス導入部31に接続されている。起動用ガス流路36は、アンモニアエンジン2の燃焼室7aにおいてアンモニアガス及び空気が混合された起動用ガスが燃焼器28に向けて流れる流路である。
起動用バルブ37は、起動用ガス流路36に配設されている。起動用バルブ37は、起動用ガス流路36を開閉する電磁式の開閉弁(ON/OFF弁)である。起動用バルブ37は、起動用ガス流路36における起動用ガスの流れを調整する起動用ガス調整部を構成している。なお、起動用バルブ37は、流量調整弁であってもよい。
また、エンジンシステム1は、スタータ41と、温度センサ42と、エンジンECU43と、主コントローラ44とを備えている。
スタータ41は、アンモニアエンジン2を始動するモータである。スタータ41は、アンモニアエンジン2のクランクシャフト(図示せず)を回転させることにより、各シリンダ7内に配置されたピストン8をコンロッド9を介して往復移動させる。
温度センサ42は、改質器17の温度を検出する温度検出部である。温度センサ42は、例えば改質器17の改質触媒17aの温度を検出してもよいし、改質器17に供給される改質用アンモニアガスの温度を検出してもよい。
エンジンECU43は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。エンジンECU43は、アンモニアエンジン2を制御するECU(電子制御ユニット)である。
具体的には、エンジンECU43は、図4に示されるように、吸気行程、圧縮行程、膨張行程(燃焼行程)及び排気行程という4つの行程で1サイクルとなるようにアンモニアエンジン2の吸気弁12、排気弁13及び点火装置14を制御する。エンジンECU43は、吸気行程において吸気弁12を開くように制御する。エンジンECU43は、膨張行程において点火装置14を点火させるように制御する。エンジンECU43は、排気行程において排気弁13を開くように制御する。
このとき、エンジンECU43は、図2に示されるように、シリンダ7A,7C,7D,7Bの順番で主アンモニアガスを燃焼させるように吸気弁12、排気弁13及び点火装置14を制御する。
主コントローラ44は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。主コントローラ44は、図4に示されるように、イグニッションスイッチ(図示せず)の操作信号に基づいて、吸気弁12、排気弁13及び点火装置14を制御するための制御信号をエンジンECU43に出力する。また、主コントローラ44は、イグニッションスイッチ(図示せず)の操作信号と温度センサ42の検出値とに基づいて、インジェクタ5、スロットルバルブ6、スタータ41、燃料供給部26のアンモニアバルブ19、空気供給部27の空気バルブ21、燃焼器28の点火部32、起動用バルブ37及びEGRバルブ39を制御する。
主コントローラ44は、第1制御部45と、第2制御部46と、第3制御部47と、第4制御部48とを有している。
第1制御部45は、アンモニアエンジン2の始動時に、シリンダ7内に主アンモニアガス及び主空気が導入されると共にシリンダ7内から主アンモニアガス及び主空気が混合された起動用ガスが排出されるようにスタータ41、インジェクタ5及びスロットルバルブ6を制御する。また、第1制御部45は、起動用ガスが燃焼器28に供給されるように起動用バルブ37を制御すると共に、起動用ガス中の主アンモニアが着火するように点火部33を制御する。
第2制御部46は、第1制御部45による制御処理の実行と同時に、改質器17に改質用アンモニアガス及び改質用空気が供給されるようにアンモニアバルブ19及び空気バルブ21を制御する。なお、ここでいう同時とは、特に完全な同時だけには限られない。例えば、第1制御部45による制御処理が実行されるタイミングよりも僅かに前に実行される場合も含まれる。
第3制御部47は、第1制御部45及び第2制御部46による制御処理が実行された後、燃焼器28への起動用ガスの供給が停止するように起動用バルブ37を制御する。第3制御部47は、温度センサ42により検出された改質器17の温度が予め決められた第1規定温度以上であるときに、燃焼器28への起動用ガスの供給が停止するように起動用バルブ37を制御する。
第4制御部48は、温度センサ42により検出された改質器17の温度に基づいて起動用ガス中の主アンモニアガスが着火したかどうかを判断し、起動用ガス中の主アンモニアガスが着火したときに、シリンダ7内への主アンモニアガスの導入が停止するようにインジェクタ5を制御する。そして、第4制御部48は、温度センサ42により検出された改質器17の温度が第1規定温度よりも高い第2規定温度以上であるときに、シリンダ7内に主アンモニアガスが再び導入されるようにインジェクタ5を制御する。
図5は、主コントローラ44により実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。本処理は、イグニッションスイッチ(図示せず)がON操作されると、実行される。なお、本処理の実行前は、インジェクタ5、スロットルバルブ6、アンモニアバルブ19、空気バルブ21、起動用バルブ37及びEGRバルブ39は、閉状態となっている。
図5において、主コントローラ44は、まずスタータ41を回転駆動させる(手順S101)。すると、アンモニアエンジン2において、クランクシャフト(図示せず)が回転して各ピストン8が往復移動する。また、主コントローラ44は、起動用バルブ37を開くように制御する(手順S102)。
また、主コントローラ44は、インジェクタ5及びスロットルバルブ6を開くように制御する(手順S103)。すると、アンモニアエンジン2の各シリンダ7内に主アンモニアガス及び主空気が導入される。そして、主アンモニアガス及び主空気が混合された起動用ガスがシリンダ7内から排出される。そして、起動用ガスは、起動用ガス流路36を流れて燃焼器28に供給される。なお、主コントローラ44は、吸気弁12が開くタイミングに合わせて、インジェクタ5を間欠的に開くように制御してもよい。
続いて、主コントローラ44は、燃焼器28の点火部32を点火させるように制御する(手順S104)。すると、燃焼器28において起動用ガス中の主アンモニアガスが着火する。
続いて、主コントローラ44は、アンモニアバルブ19及び空気バルブ21を開くように制御する(手順S105)。すると、改質器17に改質用アンモニアガス及び改質用空気が供給される。
続いて、主コントローラ44は、温度センサ42の検出値を取得する(手順S106)。そして、主コントローラ44は、温度センサ42の検出値に基づいて、起動用ガス中の主アンモニアガスの燃焼が開始されたかどうかを判断する(手順S107)。このとき、主コントローラ44は、例えば改質器17の温度が所定温度だけ上昇したときに、起動用ガス中の主アンモニアガスの燃焼が開始されたと判断する。
主コントローラ44は、起動用ガス中の主アンモニアガスの燃焼が開始されていないと判断したときは、手順S106を再度実行する。主コントローラ44は、起動用ガス中の主アンモニアガスの燃焼が開始されたと判断したときは、燃焼器28の点火部32の点火を停止させるように制御する(手順S108)。
続いて、主コントローラ44は、温度センサ42の検出値を取得する(手順S109)。そして、主コントローラ44は、温度センサ42の検出値に基づいて、改質器17の温度が予め決められた規定温度T1以上であるかどうかを判断する(手順S110)。規定温度T1は、改質器17の改質触媒17aによりアンモニアガスの改質が可能となる改質可能温度である。ここでは、改質可能温度である規定温度T1が、上記の第1規定温度に相当する。
主コントローラ44は、改質器17の温度が規定温度T1以上でないと判断したときは、手順S109を再度実行する。主コントローラ44は、改質器17の温度が規定温度T1以上であると判断したときは、インジェクタ5を閉じるように制御する(手順S111)。すると、アンモニアエンジン2の各シリンダ7内への主アンモニアガスの供給が停止する。また、主コントローラ44は、起動用バルブ37を閉じるように制御する(手順S112)。
続いて、主コントローラ44は、温度センサ42の検出値を取得する(手順S113)。そして、主コントローラ44は、温度センサ42の検出値に基づいて、改質器17の温度が予め決められた規定温度T2以上であるかどうかを判断する(手順S114)。規定温度T2は、規定温度T1よりも高い温度である。規定温度T2は、例えば改質器17により生成される水素の量がアンモニアエンジン2による主アンモニアガスの燃焼に適した量N(図6参照)となるような温度であり、上記の第2規定温度に相当する。
主コントローラ44は、改質器17の温度が規定温度T2以上でないと判断したときは、手順S113を再度実行する。主コントローラ44は、改質器17の温度が規定温度T2以上であると判断したときは、インジェクタ5を開くように制御する(手順S115)。すると、アンモニアエンジン2の各シリンダ7内に主アンモニアガスが供給される。
そして、主コントローラ44は、点火装置14を点火させるような制御信号をエンジンECU43に送出する(手順S116)。すると、点火装置14の点火が可能となる。その後、主コントローラ44は、アンモニアエンジン2の始動完了後に、スタータ41の回転を停止させるように制御する(手順S117)。
以上において、第1制御部45は、手順S101~S104を実行する。第2制御部46は、手順S105を実行する。第3制御部47は、手順S109,S110,S112を実行する。第4制御部48は、手順S106,S107,S111,S113~S115を実行する。
以上のようなエンジンシステム1において、イグニッションスイッチ(図示せず)がON操作されると、図6(a)に示されるように、スタータ41が回転駆動する。すると、アンモニアエンジン2において、クランクシャフト(図示せず)が回転し、ピストン8がコンロッド9を介して往復移動する。
また、図6(e)に示されるように、起動用バルブ37が開弁する。また、図6(b),(c)に示されるように、インジェクタ5及びスロットルバルブ6が開弁することで、アンモニアエンジン2の燃焼室7aに主アンモニアガス及び主空気が供給される。
また、図6(g),(h)に示されるように、アンモニアバルブ19及び空気バルブ21が開弁することで、改質用アンモニアガス及び改質用空気が改質器17に供給される。そして、改質用アンモニアガス及び改質用空気は、改質器17、改質ガス流路22及び吸気通路3を流れてアンモニアエンジン2の燃焼室7aに供給される。
このとき、アンモニアエンジン2の吸気行程において、ピストン8により主アンモニアガス、主空気、改質用アンモニアガス及び改質用空気が燃焼室7aに吸入される。そして、アンモニアエンジン2の圧縮行程及び膨張行程において、燃焼室7aの主アンモニアガス及び改質用アンモニアガスと主空気及び改質用空気とが混合される。そして、アンモニアエンジン2の排気行程において、主アンモニアガス及び改質用アンモニアガスと主空気及び改質用空気とが混合された起動用ガスがピストン8により燃焼室7aから押し出されて排出される。
各シリンダ7は、上述したように同じタイミングで異なる行程を実施する。例えば図2に示されるように、シリンダ7Bにおいて排気行程が実施されることで、アンモニアガス及び空気が混合された起動用ガスが燃焼室7aから押し出されるときに、シリンダ7Dにおいて吸気行程が実施されることで、アンモニアガス及び空気が燃焼室7aに吸入される。
燃焼室7aから排出された起動用ガスは、排気通路4、EGR通路38及び起動用ガス流路36を流れて燃焼器28に供給される。起動用ガスは、燃焼器28において起動用ガス導入部31より筐体30の内部に導入される。このとき、起動用ガスは、筐体30の内部に筐体30の内周面30aの接線方向に導入されるため、筐体30の内部において管状流となる。
また、図6(f)に示されるように、燃焼器28の点火部32が点火することで、起動用ガス中のアンモニアガスが着火して管状火炎が形成され、アンモニアガスが燃焼し始める。具体的には、下記式のように、アンモニアと空気中の酸素とが化学反応し、高温の燃焼ガスが発生する(発熱反応)。燃焼ガスは、燃焼ガス流路29を改質器17に向かって旋回して流れる。
NH+3/4O→1/2N+3/2HO …(A)
このとき、ピストン8の往復移動動作によって、アンモニアエンジン2はポンプとして機能する状態となる。このようなアンモニアエンジン2のポンプ作用によって、アンモニアエンジン2、排気通路4、EGR通路38、起動用ガス流路36、燃焼器28、燃焼ガス流路29、改質器17、改質ガス流路22及び吸気通路3をガスが循環するようになる。
高温の燃焼ガスが改質器17に供給されると、燃焼ガスの熱により改質器17が直接加熱される。また、燃焼ガスの熱によりアンモニアガス及び空気が加熱され、そのアンモニアガス及び空気の熱によっても改質器17が加熱される。このため、図6(i)に示されるように、改質器17の温度が上昇し始める。すると、図6(f)に示されるように、燃焼器28の点火部32の点火が停止する。
その後、改質器17の温度が燃焼可能温度に達すると、改質器17の改質触媒17aによりアンモニアガスが燃焼する。すると、上記(A)式の発熱反応が起こり、改質器17において燃焼ガスが生成される。そして、その燃焼ガスの熱によって改質器17の温度が更に上昇する。つまり、改質器17は、自律燃焼動作を行うようになる。
その後、改質器17の温度が改質可能温度である規定温度T1に達すると、改質器17の改質触媒17aによりアンモニアガスが改質される。具体的には、下記式のように、アンモニアの分解反応が起こり(吸熱反応)、図6(j)に示されるように、水素を含む改質ガスが生成される。改質ガスは、改質ガス流路22及び吸気通路3を流れてアンモニアエンジン2の燃焼室7aに供給される。
NH→3/2H+1/2N …(B)
また、改質器17の温度が改質可能温度に達すると、図6(b)に示されるように、インジェクタ5が閉弁することで、アンモニアエンジン2の燃焼室7aへの主アンモニアガスの供給が停止する。また、図6(e)に示されるように、起動用バルブ37が閉弁することで、燃焼器28への起動用ガスの供給が停止する。
その後、改質器17の温度が規定温度T2に達すると、図6(b)に示されるように、インジェクタ5が開弁することで、アンモニアエンジン2の燃焼室7aに主アンモニアガスが再び供給される。このとき、インジェクタ5及びスロットルバルブ6の開度が調整されることで、適切な量の主アンモニアガス及び主空気が燃焼室7aに供給される。そして、点火装置14が点火することで、主アンモニアガスが改質ガス中の水素と共に燃焼する定常状態に移行する。
以上のように本実施形態にあっては、アンモニアエンジン2の始動時に、シリンダ7内に配置されたピストン8の往復移動によって、シリンダ7内に主アンモニアガス及び主空気が導入されると共に、シリンダ7内から主アンモニアガス及び主空気が混合された起動用ガスが排出される。そして、起動用バルブ37によって起動用ガスが起動用ガス流路36を流れて燃焼器28に供給され、燃焼器28において起動用ガス中の主アンモニアガスが着火して燃焼し、燃焼ガスが生成される。そして、燃焼ガスが改質器17に供給され、燃焼ガスの熱によって改質器17が加熱される。また、改質器17に改質用アンモニアガス及び改質用空気が供給される。そして、改質器17において、改質用アンモニアガスの燃焼及び改質が行われ、水素を含有した改質ガスが生成される。その後、燃焼器28への起動用ガスの供給が停止する。改質器17により生成された改質ガスは、改質ガス流路22を流れてアンモニアエンジン2のシリンダ7内に供給される。そして、シリンダ7内において、主アンモニアガスが改質ガス中の水素と共に燃焼する。このように燃焼器28によって主アンモニアガスを燃焼させて発生した高温の燃焼ガスの熱を利用して、改質器17において改質用アンモニアガスの燃焼及び改質が行われるため、改質用アンモニアガスが着火するまでの時間が短くなる。これにより、改質器17の起動時間が短縮される。
また、シリンダ7内に主アンモニアガス及び主空気が導入されると共に、シリンダ7内から主アンモニアガス及び主空気が混合された起動用ガスが排出され、起動用ガスが燃焼器28に供給される。このように起動用ガスを燃焼器28に供給するためにアンモニアエンジン2のシリンダ7内に供給される主アンモニアガス及び主空気を使用することにより、燃焼器28にアンモニアガス及び空気を供給するための燃焼器専用のガス供給部が不要となる。また、ピストン8により起動用ガスがシリンダ7内から押し出されて燃焼器28に供給されるため、起動用ガスの流れが安定化し、起動用ガス中の主アンモニアガスの燃焼が安定して行われる。
また、本実施形態では、起動用ガス流路36は、EGR通路38におけるEGRバルブ39よりも上流側と燃焼器28とを接続することにより、排気通路4と燃焼器28とをEGR通路38を介して接続し、起動用バルブ37は、起動用ガス流路36を開閉する。このため、既存のEGR装置35を利用して、アンモニアエンジン2のシリンダ7内から燃焼器28に起動用ガスが供給されるため、起動用ガス流路36における起動用ガスの流れを調整する起動用ガス調整部を簡単な構成で実現することができる。
また、本実施形態では、改質器17の温度が規定温度T1以上になると、アンモニアエンジン2から燃焼器28への起動用ガスの供給が停止する。従って、起動用ガスが燃焼器28に無駄に供給されることが防止される。
また、本実施形態では、起動用ガス中の主アンモニアガスが着火すると、アンモニアエンジン2のシリンダ7内への主アンモニアガスの供給が一旦停止する。このため、主アンモニアガスが無駄に消費されることが防止される。
また、本実施形態では、燃焼器28において、起動用ガスが起動用ガス導入部31より管状の筐体30の内部に導入される。そして、点火部32が点火することで、起動用ガス中の主アンモニアが着火して燃焼する。このとき、起動用ガスは、筐体30の内部に管状流が発生するように導入される。従って、起動用ガスが管状流となっている状態で起動用ガス中の主アンモニアガスが着火して管状火炎が形成されるため、燃焼ガスが改質器17に向かって旋回して流れる。従って、改質器17において改質用アンモニアガスの燃焼が安定して行われる。
また、本実施形態では、アンモニアエンジン2の始動時に、インジェクタ5によりアンモニアエンジン2のシリンダ7内に導入された主アンモニアガスは、燃焼器28に供給されて燃焼されるため、アンモニアエンジン2から排気通路4の下流側への主アンモニアガスのすり抜け量が低減される。
図7は、主コントローラ44により実行される制御処理手順の変形例を示すフローチャートであり、図5に対応している。
図7において、主コントローラ44は、上記の手順S101~S111を実行した後、温度センサ42の検出値を取得する(手順S120)。そして、主コントローラ44は、温度センサ42の検出値に基づいて、改質器17の温度が予め決められた規定温度T3以上であるかどうかを判断する(手順S121)。規定温度T3は、図8に示されるように、改質可能温度に相当する規定温度T1よりも高く且つ規定温度T2よりも低い温度である。ここでは、規定温度T1ではなく規定温度T3が、上記の第1規定温度に相当する。
主コントローラ44は、改質器17の温度が規定温度T3以上でないと判断したときは、手順S120を再度実行する。主コントローラ44は、改質器17の温度が規定温度T3以上であると判断したときは、起動用バルブ37を閉じるように制御する(手順S112)。そして、主コントローラ44は、上記の手順S113~S118を実行する。
このような本実施形態では、改質器17により改質ガスが生成された後も、一定時間は起動用ガスがアンモニアエンジン2のシリンダ7内から燃焼器28に供給され続けることになる。このため、改質ガスが起動用ガスと共にシリンダ7内から燃焼器28に供給される。従って、燃焼器28において、改質ガス中の水素が起動用ガス中の主アンモニアガスと共に燃焼されるため、起動用ガス中の主アンモニアガスが燃焼されやすくなる。これにより、改質器17の起動時間が更に短縮される。
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、改質器17の温度が規定温度T1以上になると、インジェクタ5が一旦閉じるように制御されているが、特にそのような形態には限られない。例えば図9に示されるように、燃焼器28において起動用ガス中の主アンモニアガス及び改質用アンモニアガスが着火して燃焼することで、改質器17の温度が上昇した始めた後に、インジェクタ5を一旦閉じるように制御してもよい(図9(b)参照)。この場合には、インジェクタ5が一旦閉弁した後は、改質用アンモニアガスがアンモニアエンジン2を通して燃焼器28に供給されることで、改質用アンモニアガスのみが燃焼器28において燃焼する。
また、上記実施形態では、改質器17の温度が規定温度T1に達したときに、起動用バルブ37が閉じるように制御されているが、特にその形態には限られず、改質器17の温度が上昇した始めた後、改質器17の温度が燃焼可能温度に達していれば、インジェクタ5を一旦閉じるように制御すると共に、起動用バルブ37を閉じるように制御してもよい(図9(e)参照)。
また、上記実施形態では、スタータ41が回転駆動されると、インジェクタ5及びスロットルバルブ6が開くように制御されると共に、アンモニアバルブ19及び空気バルブ21が開くように制御されているが、特にそのような形態には限られない。例えば図10に示されるように、インジェクタ5によりアンモニアエンジン2の燃焼室7aに供給された主アンモニアガスが燃焼器28において燃焼し始めるまでに、アンモニアバルブ19及び空気バルブ21を開くように制御すればよい(図10(g),(h)参照)。この場合、主コントローラ44の第2制御部46は、第1制御部45による制御処理が実行された後、改質器17に改質用アンモニアガス及び改質用空気が供給されるようにアンモニアバルブ19及び空気バルブ21を制御する。
また、本実施形態では、EGR通路38と燃焼器28とを接続した起動用ガス流路36に開閉弁である起動用バルブ37が配設されているが、特にその形態には限られず、例えば排気通路4に三方弁を配設し、その三方弁と燃焼器28とを起動用ガス流路36で接続してもよい。
また、上記実施形態では、燃焼器28において、起動用ガス導入部31は、アンモニアガス及び空気を含む起動用ガスを筐体30の内部に管状流が発生するように筐体30の内周面30aの接線方向に導入しているが、特にそのような形態には限られない。起動用ガス導入部31は、例えば起動用ガスを筐体30の内部に筐体30の径方向に導入してもよい。つまり、燃焼器28は、改質器17に供給される燃焼ガスを発生させるのであれば、管状火炎バーナでなくてもよい。
また、上記実施形態では、温度センサ42により検出された改質器17の温度に基づいて各種バルブ等が制御されているが、特に温度センサ42を使用しなくてもよく、例えばアンモニアガスの流量、空気の流量、時間及び室温等から改質器17の温度を推定してもよい。また、改質器17の温度の代わりに、改質器17により生成された改質ガス中の水素濃度を検出し、改質ガス中の水素濃度に基づいて各種バルブ等を制御してもよい。
また、上記実施形態では、改質器17は、アンモニアを燃焼させる機能とアンモニアを水素に分解する機能とを併せ持った改質触媒17aを有しているが、特にその形態には限られない。改質器17は、アンモニアを燃焼させる燃焼触媒と、アンモニアを水素に分解する改質触媒とを別々に有していてもよい。
また、上記実施形態では、インジェクタ5は、アンモニアエンジン2の燃焼室7a毎に複数有しているが、インジェクタ5の数としては、1つであってもよい。この場合には、インジェクタ5は、吸気通路3に主アンモニアガスを噴射するように配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、アンモニアバルブ19は、アンモニア流路18に配設された流量制御弁であるが、アンモニアバルブ19の構成としては、特にその形態には限られず、例えば燃焼ガス流路29に改質用アンモニアガスを噴射するインジェクタであってもよい。
また、上記実施形態では、空気流路20に流量制御弁である空気バルブ21が配設されているが、特にその形態には限られず、例えばマスフローコントローラ、圧縮機またはポンプ等を用いて、改質器17に改質用空気を供給してもよい。
また、上記実施形態では、燃料ガスとしてアンモニアガスが使用されているが、本発明は、燃料ガスとして炭化水素ガス等を使用したエンジンシステムにも適用可能である。
1…エンジンシステム、2…アンモニアエンジン(エンジン)、3…吸気通路、4…排気通路、5…インジェクタ(燃料噴射弁)、6…スロットルバルブ(流量制御弁)、7…シリンダ、8…ピストン、17…改質器、26…燃料供給部、27…空気供給部、28…燃焼器、30…筐体、31…起動用ガス導入部、32…点火部、36…起動用ガス流路、37…起動用バルブ、38…EGR通路、39…EGRバルブ(起動用ガス調整部)、41…スタータ、42…温度センサ(温度検出部)、45…第1制御部、46…第2制御部、47…第3制御部、48…第4制御部、T1…規定温度(改質可能温度、第1規定温度)、T2…規定温度(第2規定温度)、T3…規定温度(第1規定温度)。

Claims (6)

  1. シリンダ内に往復移動可能に配置されたピストンを有するエンジンと、
    前記シリンダ内に供給される空気が流れる吸気通路と、
    前記シリンダ内で発生した排気ガスが流れる排気通路と、
    前記シリンダ内に向けて燃料ガスを噴射する燃料噴射弁と、
    前記吸気通路に配設され、前記シリンダ内に供給される前記空気の流量を制御する流量制御弁と、
    前記ピストンを往復移動させるスタータと、
    前記燃料ガスを燃焼させて発生した熱を利用して前記燃料ガスを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、
    前記改質器に前記燃料ガスを供給する燃料供給部と、
    前記改質器に前記空気を供給する空気供給部と、
    前記改質器により生成された前記改質ガスが前記シリンダ内に向けて流れる改質ガス流路と、
    前記改質器に供給される燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
    前記排気通路と前記燃焼器とを接続し、前記シリンダ内において前記燃料ガス及び前記空気が混合された起動用ガスが前記燃焼器に向けて流れる起動用ガス流路と、
    前記起動用ガス流路における前記起動用ガスの流れを調整する起動用ガス調整部と、
    前記エンジンの始動時に、前記シリンダ内に前記燃料ガス及び前記空気が導入されると共に前記シリンダ内から前記起動用ガスが排出されるように前記スタータ、前記燃料噴射弁及び前記流量制御弁を制御し、前記起動用ガスが前記燃焼器に供給されるように前記起動用ガス調整部を制御し、前記起動用ガス中の燃料ガスが着火するように前記燃焼器を制御する第1制御部と、
    前記第1制御部による制御処理の実行と同時に又は前記第1制御部による制御処理が実行された後、前記改質器に前記燃料ガス及び前記空気が供給されるように前記燃料供給部及び前記空気供給部を制御する第2制御部と、
    前記第1制御部及び前記第2制御部による制御処理が実行された後、前記燃焼器への前記起動用ガスの供給が停止するように前記起動用ガス調整部を制御する第3制御部とを備えるエンジンシステム。
  2. 前記排気通路と前記吸気通路とを接続し、前記排気ガスの一部がEGRガスとして前記吸気通路に向けて流れるEGR通路と、
    前記EGR通路を流れる前記EGRガスの流量を制御するEGRバルブとを更に備え、
    前記起動用ガス流路は、前記EGR通路における前記EGRバルブよりも上流側と前記燃焼器とを接続することにより、前記排気通路と前記燃焼器とを前記EGR通路を介して接続し、
    前記起動用ガス調整部は、前記起動用ガス流路を開閉するバルブであり、
    前記第1制御部は、前記バルブを開くように制御し、
    前記第3制御部は、前記バルブを閉じるように制御する請求項1記載のエンジンシステム。
  3. 前記改質器の温度を検出する温度検出部を更に備え、
    前記第3制御部は、前記温度検出部により検出された前記改質器の温度が予め決められた第1規定温度以上であるときに、前記燃焼器への前記起動用ガスの供給が停止するように前記起動用ガス調整部を制御する請求項1または2記載のエンジンシステム。
  4. 前記第1規定温度は、前記改質器により前記燃料ガスの改質が可能となる改質可能温度よりも高い温度である請求項3記載のエンジンシステム。
  5. 前記温度検出部により検出された前記改質器の温度に基づいて前記起動用ガス中の燃料ガスが着火したかどうかを判断し、前記起動用ガス中の燃料ガスが着火したときに、前記シリンダ内への前記燃料ガスの導入が停止するように前記燃料噴射弁を制御し、その後前記温度検出部により検出された前記改質器の温度が前記第1規定温度よりも高い第2規定温度以上であるときに、前記シリンダ内に前記燃料ガスが再び導入されるように前記燃料噴射弁を制御する第4制御部を更に備える請求項4記載のエンジンシステム。
  6. 前記燃焼器は、円管状の筐体と、前記起動用ガスを前記筐体の内部に管状流が発生するように導入する起動用ガス導入部と、前記筐体に取り付けられ、前記起動用ガス導入部より前記筐体の内部に導入された前記起動用ガス中の燃料ガスを着火させる点火部とを有し、
    前記第1制御部は、前記点火部を点火させるように制御する請求項1~5の何れか一項記載のエンジンシステム。
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