JP2019178623A - アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関 - Google Patents

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Makoto Koike
誠 小池
鈴置 哲典
Tetsunori Suzuoki
哲典 鈴置
宮川 浩
Hiroshi Miyagawa
浩 宮川
光彰 大友
Mitsuaki Otomo
光彰 大友
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Abstract

【課題】アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関において、良好な燃焼速度と着火性とを得つつ、助燃剤として使用する水素の量を低減させる。【解決手段】アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関は、燃焼室を含む機関本体と、燃焼室への吸気経路を形成する吸気管と、吸気経路を開閉する吸気弁と、燃焼室内に設けられ、燃焼室内に直接的にアンモニアを供給する第1供給部と、吸気管上に設けられ、燃焼室内に間接的に水素を供給する第2供給部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関に関する。
アンモニア(NH3)ガスを燃焼させて駆動力を得る内燃機関(以降、「アンモニアエンジン」とも呼ぶ。)が知られている。アンモニアは常温で液化しやすいため輸送及び貯蔵がしやすく、炭素(C)を含まないため燃焼時の排出ガスに二酸化炭素(CO2)が含まれない。一方、アンモニアは化石燃料と比較して、燃焼速度が遅く、かつ着火性に劣るという燃焼特性を有する。この点、例えば特許文献1には、アンモニアと水素(H2)との混合気を燃焼させることで、燃焼速度及び着火性に優れた水素を燃焼促進のための助燃剤として使用するアンモニアエンジンが記載されている。特許文献1に記載のアンモニアエンジンでは、水素は、タンクに貯留されたアンモニアを高温にして分解することにより生成されている。
欧州特許出願公開第2660193号明細書
ここで、アンモニアの分解反応は吸熱反応であるため、アンモニアを分解して水素を生成するためには、外部から熱を供給するか、アンモニアの酸化反応熱を利用する必要がある。このような熱供給はアンモニアエンジンの効率低下につながる。このため、良好な燃焼速度と着火性とを得つつ、助燃剤として使用する水素の量を低減させることが望まれていた。なお、このような課題は、アンモニアを分解して水素を生成する構成に限らず、アンモニアエンジンに水素を貯留する水素タンクを別途搭載する場合にも共通する課題であった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関において、良好な燃焼速度と着火性とを得つつ、助燃剤として使用する水素の量を低減させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関が提供される。この内燃機関は、燃焼室を含む機関本体と、前記燃焼室への吸気経路を形成する吸気管と、前記吸気経路を開閉する吸気弁と、前記燃焼室内に設けられ、前記燃焼室内に直接的にアンモニアを供給する第1供給部と、前記吸気管上に設けられ、前記燃焼室内に間接的に水素を供給する第2供給部とを備える。
この構成によれば、水素を供給する第2供給部は、吸気管上に設けられている。このため、第2供給部から供給された水素は、吸気行程において外気から取り込まれた空気と共に燃焼室内に入り込み、燃焼室内に拡散される。また、アンモニアを供給する第1供給部は、燃焼室内に設けられている。このため、第1供給部から供給されたアンモニアは、燃焼室内に直接的に供給される。すなわち本構成によれば、燃焼室内の全体に水素を拡散させることによって、アンモニアの周辺を取り囲むように水素を偏在させることができる。助燃剤として機能する水素に取り囲まれることで、燃焼室内におけるアンモニアの燃焼が促進されると共に、特に周辺部において生じやすいアンモニアの燃え残り(未燃アンモニア)を低減することができる。また、この構成によれば、アンモニアと水素との混合気を供給していた従来の構成と比較して、同様の燃焼速度と着火性とを得るために要する水素の量を低減することができるため、内燃機関の効率を向上させることができる。
(2)上記形態の内燃機関では、さらに、アンモニアを原料として水素を生成するアンモニア改質器を備え、前記第2供給部は、前記アンモニア改質器により生成された水素を供給してもよい。この構成によれば、助燃剤として、アンモニア改質器により生成された水素を利用できるため、別途、水素を貯蔵するタンクを設ける場合と比較して、内燃機関の小型化、低コスト化、利便性の向上を図ることができる。
(3)上記形態の内燃機関において、前記第1供給部は、前記内燃機関の圧縮行程の終了時までに、アンモニアの供給を終了させてもよい。この構成によれば、第1供給部は、通常、燃料に対する点火が行われる圧縮行程の終了時までに、燃料としてのアンモニアの供給を終了させることができる。
(4)上記形態の内燃機関において、前記第1供給部は、前記内燃機関の吸気行程の終了後に、アンモニアの供給を開始してもよい。この構成によれば、第1供給部は、吸気行程における水素の供給の終了後にアンモニアの供給を開始するため、水素が燃焼室内に拡散された状態で、アンモニアの供給を開始することができる。すなわち、この構成によれば、燃焼室内において、アンモニアの周辺を取り囲むように水素を偏在させた状態を容易に作り出すことができる。
(5)上記形態の内燃機関において、前記第1供給部は、アンモニアを供給する供給口を備え、前記第1供給部の前記供給口は、前記燃焼室内において、シリンダヘッドの略中央部に配置されていてもよい。この構成によれば、アンモニアを供給する第1供給部の供給口は、燃焼室内においてシリンダヘッドの略中央部に配置されているため、供給されたアンモニアを燃焼室内の中心部近傍に位置させることができる。
(6)上記形態の内燃機関において、前記第1供給部の前記供給口は、前記シリンダヘッドの略中央部に形成された凹部の底面に配置されていてもよい。この構成によれば、アンモニアを供給する第1供給部の供給口は、凹部の底面に配置されている。このため、凹部の底面(供給口)から出たアンモニアが、凹部の側面を伝って燃焼室内に移動することとなり、アンモニアの燃焼室内における径方向の拡散が抑制されると共に、アンモニアを燃焼室内の中心部に位置させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関、この内燃機関に対する燃料供給装置、これら内燃機関及び燃料供給装置を搭載したエンジンシステム、これら装置及びシステムの制御方法、これら装置及びシステムにおいて実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのエンジンシステムの概略図である。 アンモニアの供給タイミングについて説明する図である。 燃焼室でのガスの流れについて説明する図である。 本実施形態の効果の一例を示すグラフである。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としてのエンジンシステム1の概略図である。エンジンシステム1は、例えば車両に搭載されて、車両を駆動させるための駆動力を生み出す。エンジンシステム1は、機関本体10と、機関本体10に燃料を供給する燃料供給部20と、機関本体10からの排気を浄化する触媒コンバータ30とを備える。機関本体10及び燃料供給部20は「内燃機関」に相当する。
機関本体10は、アンモニア(NH3)ガスを燃焼させて駆動力を得る。以降、アンモニアガスを単に「アンモニア」と呼ぶ。本実施形態の機関本体10は火花点火式であり、シリンダブロック10bとシリンダヘッド10hとを含む。シリンダブロック10bの内部には、ピストン12が配置されており、ピストン12の冠面とシリンダヘッド10hとによって燃焼室11が形成されている。なお、燃焼室11はそれぞれの気筒ごとに形成されている。
燃焼室11には、シリンダブロック10bの内部を経由して、燃焼室11への吸気経路を形成する吸気管16と、燃焼室11からの排気経路を形成する排気管17とが接続されている。吸気管16のうち、吸気経路の上流側にはスロットル18が設けられ、吸気経路の下流側であって燃焼室11側の端部には吸気弁14が設けられている。スロットル18は、スロットル弁の開度を調整することにより、燃焼室11へ導入される空気の量を調整する。吸気弁14は、弁の開閉によって燃焼室11への吸気経路を開閉する。排気管17のうち、排気経路の上流側であって燃焼室11側の端部には排気弁15が設けられ、排気経路の下流側には触媒コンバータ30が設けられている。排気弁15は、弁の開閉によって燃焼室11からの排気経路を開閉する。
燃焼室11には、さらに、点火装置としての点火プラグ13が固定されている。点火プラグ13は、火花放電を発生させることで、燃焼室11内の燃料に着火し、燃料を燃焼させる。点火プラグ13には、例えばプラズマジェット点火プラグを用いてもよい。
燃料供給部20は、機関本体10に対して燃料となるアンモニアを供給する。本実施形態の燃料供給部20は、第1供給部21及び第2供給部22と、減圧弁23と、アンモニア改質器24と、燃料タンク25とを含む。燃料タンク25は、燃料としてのアンモニアを貯留するタンクである。本実施形態の燃料タンク25は、内部が加圧されており気体のアンモニアを貯留している。減圧弁23は、燃料タンク25に接続され、燃料タンク25から供給されたアンモニアの圧力を調整する。なお、燃料タンク25に液体のアンモニアを貯留する構成とする場合、燃料タンク25と減圧弁23との間の供給経路上に、液体のアンモニアを気化させる蒸発器を備えてもよい。
減圧弁23によって圧力調整されたアンモニアの一部は、供給管231を経て第1供給部21へと供給される。第1供給部21は、燃焼室11内、具体的にはシリンダヘッド10hの略中央部に設けられており、供給口21p(図3)から、燃料としてのアンモニアを燃焼室11に向けて直接的に供給する。
減圧弁23によって圧力調整されたアンモニアの残部は、供給管232を経てアンモニア改質器24へと供給される。アンモニア改質器24は、図示しない触媒を内蔵し、アンモニアを一定温度に加熱し分解することで、数式1に示すように水素(H2)ガスを生成する。以降、水素ガスを単に「水素」と呼ぶ。
Figure 2019178623
アンモニアの分解反応は吸熱反応である。このため、アンモニア改質器24は、アンモニアの分解反応に必要な熱を、内蔵する触媒の酸化機能によるアンモニアの酸化反応熱や、アンモニアを加熱する加熱部から取得する。アンモニアの酸化反応は数式2に示す反応である。
Figure 2019178623
アンモニア改質器24によって生成された水素は、供給管242を経て第2供給部22へと供給される。第2供給部22は、吸気管16上であって吸気経路の下流側に設けられており、供給口22p(図3)から、助燃剤として機能する水素を、燃焼室11に向けて間接的に供給する。
触媒コンバータ30は、機関本体10の排気中における有害物質や燃料の燃え残り、例えば、窒素酸化物(NOx)、アンモニア、水素を浄化する。本実施形態の触媒コンバータ30は、触媒31を含む。触媒31には、種々の触媒、例えば三元触媒、選択還元触媒(SCR触媒:Selective Catalytic Reduction catalyst)、NOx吸蔵還元触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction catalyst)、酸化触媒(DOC触媒:Diesel Oxidation Catalyst)を利用できる。触媒31は、排気管17に接続され、排気管17を流れる排気中の有害物質等を浄化する。なお、触媒コンバータ30は、触媒31に対して添加剤を供給するための装置(図示省略)をさらに備えてもよい。
図2は、アンモニアの供給タイミングについて説明する図である。図2の横軸は、クランク角度を表し、ピストン12の変位による最低到達点を下死点(BDC:Bottom Dead Center)、ピストン12の変位による最高到達点を上死点(TDC:Top Dead Center)と表す。図2では、吸気弁14の開弁タイミングOB14と、排気弁15の開弁タイミングOB15と、ピストン12の変位に伴う筒内圧力CPの変位と、点火プラグ13による点火タイミングとの一例を図示している。
図3は、燃焼室11でのガスの流れについて説明する図である。図3(A)は水素が供給される様子について表し、図3(B)ではアンモニアが供給される様子について表す。なお、図3ではピストン12の図示を省略している。
まず、図2に示すように、吸気行程の期間ST1では、吸気弁14の開弁にあわせて第2供給部22から水素を供給する。第2供給部22は吸気弁14上に設けられている。このため、図3(A)に示すように、第2供給部22から供給された水素は、吸気行程において外気から取り込まれた空気と共に燃焼室11内に入り込み(太線矢印)、燃焼室11内の全体に拡散される。なお、吸気行程では燃焼室11の筒内圧力が低下するため、第2供給部22から供給された水素と空気との混合気は、負圧により燃焼室11内へ流入する。
次に、図2に示すように、吸気行程が終了後、圧縮行程の期間ST2では、第1供給部21からアンモニアを供給する。第1供給部21は燃焼室11内に設けられている。このため、図3(B)に示すように、第1供給部21から供給されたアンモニアは、圧縮行程において燃焼室内に直接的に供給され(太線矢印)、既に燃焼室11内に拡散されている水素に取り囲まれるようにして拡がる。なお、圧縮行程の特に初期では、燃焼室11の筒内圧力がそれほど高くないため、第1供給部21から供給されたアンモニアは、蒸気圧により燃焼室11内へと流入する。
すなわち、本実施形態の内燃機関(機関本体10、燃料供給部20)によれば、予め燃焼室11内の全体に水素を拡散させることによって、図3(B)に示すように、アンモニアの周辺を取り囲むように水素を偏在させることができる。水素は、アンモニアだけでなく、一般的な炭化水素と比較しても優れた燃焼速度及び着火性を有し、アンモニアの燃焼促進のための助燃剤として機能する。助燃剤として機能する水素に取り囲まれることで、点火プラグ13による着火時(図2:点火)には、燃焼室11内におけるアンモニアの燃焼が促進されると共に、特に燃焼室11の周辺部において生じやすいアンモニアの燃え残り(未燃アンモニア)を低減することができる。また、本実施形態の内燃機関によれば、アンモニアと水素との混合気を供給していた従来の構成と比較して、同様の燃焼速度と着火性とを得るために要する水素の量を低減することができるため、内燃機関の効率を向上させることができる。
図4は、本実施形態の効果の一例を示すグラフである。図4では、本実施形態のエンジンシステム1として、アンモニアと水素との比率(エネルギー比)を8:2とし、単筒エンジンで構成した上述のエンジンシステム1を準備した。また、比較例のエンジンシステム1Xとして、アンモニアと水素との比率を8:2、単筒エンジンで構成し、第1供給部21を備えず、第2供給部22からアンモニアと水素の混合気を供給する構成としたエンジンシステム1Xを準備した。
これらエンジンシステム1,1Xのそれぞれに対して、触媒コンバータ30の上流におけるアンモニアの未燃率と、内燃機関(機関本体10、燃料供給部20)における熱効率とを求めた。求めたアンモニアの未燃率と、熱効率とのそれぞれについて、助燃剤としての水素を使用しない場合と比較した改善率を図4にプロットした。図4では、アンモニアの未燃率の改善率を斜線ハッチングで表し、内燃機関の熱効率の改善率を格子ハッチングで表す。図4から明らかなように、助燃剤を使用したエンジンシステム1Xでは、アンモニアの未燃率が11%削減され、内燃機関の熱効率が2%向上していることがわかる。そして、図1〜図3において説明した本実施形態のエンジンシステム1ではさらに、アンモニアの未燃率が14%削減され、内燃機関の熱効率が3.5%向上しており、比較例のエンジンシステム1Xよりもさらに優れた効果が得られることがわかる。
また、本実施形態の内燃機関(機関本体10、燃料供給部20)によれば、助燃剤として、アンモニア改質器24により生成された水素を利用できるため、別途、水素を貯蔵するタンクを設ける場合と比較して、内燃機関の小型化、低コスト化、利便性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態の内燃機関(機関本体10、燃料供給部20)によれば、第1供給部21は、吸気行程における水素の供給の終了後にアンモニアの供給を開始する(図2:期間ST2)ため、水素が燃焼室11内に拡散された状態で、アンモニアの供給を開始することができる。すなわち、本構成によれば、燃焼室11内において、アンモニアの周辺を取り囲むように水素を偏在させた状態(図3(B)の状態)を容易に作り出すことができる。さらに、第1供給部21は、通常、燃料に対する点火が行われる圧縮行程の終了時までに、燃料としてのアンモニアの供給を終了させることができる(図2:期間ST2)。
さらに、本実施形態の内燃機関(機関本体10、燃料供給部20)によれば、アンモニアを供給する第1供給部21の供給口21pは、燃焼室11内においてシリンダヘッド10hの略中央部に配置されている(図3)。このため、供給されたアンモニアを燃焼室11内の中心部近傍に位置させることができる。具体的には、図3(B)に示すように、第1供給部21の供給口21pは、シリンダヘッド10hの略中央部に形成された釣鐘形状の凹部(窪み)110の底面111に配置されている。このため、凹部110の底面111(供給口21p)から出たアンモニアが、凹部110の側面112を伝って矢印で図示したように燃焼室11内に移動することとなり、アンモニアの燃焼室11内における径方向の拡散が抑制されると共に、アンモニアを燃焼室11内の中心部に位置させることができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記実施形態では、エンジンシステムの構成の一例を示した。しかし、エンジンシステムの構成は種々の変形が可能である。例えば、エンジンシステムは、触媒コンバータを備えなくてもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、内燃機関(機関本体、燃料供給部)の構成の一例を示した。しかし、内燃機関の構成は種々の変形が可能である。例えば、燃料供給部に水素を貯留する水素タンクをさらに備える構成とし、アンモニア改質器を省略してもよい。この場合、水素タンクから供給された水素が第2供給部へと供給される。
例えば、第1供給部は、内燃機関の吸気行程の終了を待たずにアンモニアの供給を開始してもよい。この場合、図2において水素を供給する期間ST1と、アンモニアを供給する期間ST2とのうちの少なくとも一部分が重複してもよい。例えば、第1供給部は、内燃機関の圧縮行程の終了後においても、アンモニアの供給を継続してもよい。この場合、図2における点火タイミングは、圧縮行程の終了時であってもよく、膨張行程の初めであってもよい。
例えば、第1供給部は、燃焼室に配置されている限りにおいて、シリンダヘッドの略中央部に配置されていなくてもよい。この場合、第1供給部は、例えばシリンダヘッドの側面等に配置されていてもよい。例えば、第1供給部の供給口が形成されている凹部は、釣鐘形状以外の他の形状(例えば、円錐形状、円柱形状、多角柱形状等)であってもよい。例えば、第1供給部の供給口は、凹部の底面に配置されていなくてもよい。この場合、供給口は、凹部の側面に配置されていてもよく、フラットな面に配置されていてもよい。例えば、第1供給部と第2供給部とのうちの少なくとも一方は、アンモニアまたは水素に圧力をかけて噴射させる噴射部として構成されていてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,1X…エンジンシステム
10…機関本体
10b…シリンダブロック
10h…シリンダヘッド
11…燃焼室
12…ピストン
13…点火プラグ
14…吸気弁
15…排気弁
16…吸気管
17…排気管
18…スロットル
20…燃料供給部
21…第1供給部
21p…供給口
22…第2供給部
22p…供給口
23…減圧弁
24…アンモニア改質器
25…燃料タンク
30…触媒コンバータ
31…触媒
110…凹部
111…底面
112…側面
231…供給管
232…供給管
242…供給管

Claims (6)

  1. アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関であって、
    燃焼室を含む機関本体と、
    前記燃焼室への吸気経路を形成する吸気管と、
    前記吸気経路を開閉する吸気弁と、
    前記燃焼室内に設けられ、前記燃焼室内に直接的にアンモニアを供給する第1供給部と、
    前記吸気管上に設けられ、前記燃焼室内に間接的に水素を供給する第2供給部と、
    を備える、内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関であって、さらに、
    アンモニアを原料として水素を生成するアンモニア改質器を備え、
    前記第2供給部は、前記アンモニア改質器により生成された水素を供給する、内燃機関。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関であって、
    前記第1供給部は、
    前記内燃機関の圧縮行程の終了時までに、アンモニアの供給を終了させる、内燃機関。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関であって、
    前記第1供給部は、
    前記内燃機関の吸気行程の終了後に、アンモニアの供給を開始する、内燃機関。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関であって、
    前記第1供給部は、アンモニアを供給する供給口を備え、
    前記第1供給部の前記供給口は、前記燃焼室内において、シリンダヘッドの略中央部に配置されている、内燃機関。
  6. 請求項5に記載の内燃機関であって、
    前記第1供給部の前記供給口は、前記シリンダヘッドの略中央部に形成された凹部の底面に配置されている、内燃機関。
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