JP2014092123A - エンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動時及び暖気時における燃焼を安定化させるとともに排ガス中の粒子状物質を低減したエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】燃焼室31中央部に配置された点火栓36及び燃焼室側部に配置されたインジェクタ67を有する火花点火式直噴エンジン1のエンジン制御装置を、始動時と暖気時との少なくとも一方において、1サイクルあたり複数回の燃料噴射を行うとともに、複数回の燃料噴射における最終回の燃料噴射の燃料噴射量を、全燃料噴射量の30%以下とした構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、火花点火式の直噴エンジンの燃料噴射量、噴射時期、点火時期等を制御するエンジン制御装置に関し、特に始動時及び暖気時における燃焼を安定化させるとともに排ガス中の粒子状物質を低減したものに関する。
ガソリン直噴エンジンにおいて暖機中に行われるファストアイドルでは、一般に着火の安定性を高め燃焼耐力を高めるために、点火栓の周囲の混合気をリッチ化する混合気の成層化を行い、着火の安定性が高まったことを利用して点火時期を遅らせている。
これによって、排気ガス温度を高くし、排気ガス量を多くするとともに、筒内容積が大きくなるまで燃焼時期を遅らせることが可能となり、触媒暖機の促進及びHC排出量の低減が可能となる。
成層化の手段としては、噴射回数を1サイクルあたり複数回に増やし、圧縮行程後半にピストンに噴霧を当ててピストン表面をガイドにして点火栓に混合気を導く方法(ウォールガイド)、吸気又は圧縮行程の所定の時期に噴射して筒内ガス流動に噴霧を漂わせ、点火時期に混合気が点火栓に接近するように導く方法(エアーガイド)の一方又は両方が用いられる。
このような直噴エンジンに関する従来技術として、例えば特許文献1には、2ストローク機関の始動性を改善することを目的として、始動時において掃気行程末期と圧縮行程末期の2回に分けて燃料を噴射し、点火栓周りに形成される混合器が過濃となることを防止することが記載されている。
また、特許文献2には、燃料の消費量を抑制しつつ排ガスを昇温するため、点火時期をリタードするとともに、吸気行程に全噴射量の10〜40%を噴射し、残りを圧縮行程で噴射することが記載されている。
また、特許文献3には、触媒冷機時のHC、NOx等の排出量を低減し、かつ暖気促進するため、吸気行程、圧縮行程に分離噴射することで燃焼室内の点火栓近傍に理論空燃比又はリッチな空燃比の混合気を形成するとともに、その周囲に理論空燃比よりもリーンな混合気を形成することが記載されている。
特開平 6−207542号公報 特開平10−169488号公報 特開平10−212987号公報
従来技術におけるガソリン直噴エンジンの成層化技術は、燃焼耐力を高めることに重点をおくものであったため、シリンダ内の混合気に過濃域や過希薄域が形成されたり、壁面への燃料付着が多く、煤等の粒子状物質(PM)の発生、粒子数(PN)の増大、燃焼エミッションの発生を招き、排ガス浄化性能をより向上することが困難であるという問題があった。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、始動時及び暖気時における燃焼を安定化させるとともに排ガス中の粒子状物質を低減したエンジン制御装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、燃焼室中央部に配置された点火栓及び燃焼室側部に配置されたインジェクタを有する火花点火式直噴エンジンのエンジン制御装置であって、始動時と暖気時との少なくとも一方において、1サイクルあたり複数回の燃料噴射を行うとともに、前記複数回の燃料噴射において圧縮行程で行なわれる最終回の燃料噴射の燃料噴射量を、全燃料噴射量の30%以下としたことを特徴とするエンジン制御装置である。
このような複数回噴射を行なうエンジンでは、圧縮行程で最後に噴射される燃料は、点火栓周辺に成層化された混合気を形成し、また、それ以前に噴射される燃料は、燃焼室全体に比較的均質の混合気を形成する作用を有する。
本発明によれば、点火栓の周囲に着火性が良好であるリッチな混合気を層状に形成して燃焼を安定化するとともに、混合気が過濃となることを防止して粒子状物質の個数、排出量を抑制することができる。
さらに、燃焼室周辺部の混合気が過度にリーン化することを防止して、燃焼をより安定化することができる。
請求項2に係る発明は、始動時と暖気時との少なくとも一方において、点火時期直前の前記点火栓近傍の領域の当量比を1.7以上2.0以下とするとともに、周辺部の当量比を0.7以上とすることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置である。
これによれば、上述した効果をより確実に得ることができる。
請求項3に係る発明は、暖気時において、吸入空気量と前記全燃料噴射量との当量比を実質的にストイキとし、点火時期を圧縮上死点に対して遅角させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置である。
これによれば、点火時期をリタードして排気温度を高め、触媒暖機を早めるファストアイドル時に上述した効果を得ることができる。
請求項4に係る発明は、始動時において、吸入空気量と前記全燃料噴射量との当量比を燃料リッチとし、点火時期を圧縮上死点近傍とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置である。
これによれば、点火までに燃料が気化する割合が限られる始動時に、点火栓回りの混合気をよりリッチとして、エンジンの始動性を改善することができる。
請求項5に係る発明は、始動時において、前記複数回の燃料噴射は少なくとも3回以上の燃料噴射を含むことを特徴とする請求項4に記載のエンジン制御装置である。
これによれば、一回の燃料噴射期間が長くなることによる局所的な混合気の過濃化や、貫徹力が強くなることによる壁面付着の増加を抑制し、エンジンの始動性をより改善することができる。
以上説明したように、本発明によれば、始動時及び暖気時における燃焼を安定化させるとともに排ガス中の粒子状物質を低減したエンジン制御装置を提供することができる。
本発明を適用したエンジン制御装置の実施例を有するエンジンの構成を示す模式図である。 図1のエンジンの燃焼室形状を示す図である。 図1のエンジンにおけるファストアイドル時の燃焼噴射時期、点火時期等を示すタイミングチャートである。 図1のエンジンにおける点火栓周りの当量比と成層化ボリュームとの相関を示すグラフである。 図1のエンジンにおける最終噴射の噴射時期とPNとの相関を示すグラフである。 図1のエンジンにおける最終噴射の噴射時期とPM排出量との相関を示すグラフである。 図1のエンジンにおける最終噴射の噴射時期と燃焼変動標準偏差との相関を示すグラフである。 図1のエンジンにおける最終噴射の噴射時期とTHC排出量との相関を示すグラフである。 図1のエンジンにおける始動時の燃焼噴射時期、点火時期等を示すタイミングチャートである。
本発明は、始動時及び暖気時における燃焼を安定化させるとともに排ガス中の粒子状物質を低減したエンジン制御装置を提供する課題を、燃料を1サイクルあたり複数回噴射するとともに、最終回の噴射を全噴射量の30%以下となるように噴き分けることによって解決した。
以下、本発明を適用したエンジン制御装置の実施例について説明する。
実施例のエンジン制御装置は、例えば乗用車等の自動車に搭載されるガソリン直噴エンジンの燃料噴射時期、燃料噴射量、点火時期等を統括的に制御するエンジン制御ユニット(ECU)である。
図1は、実施例のエンジン制御装置を有するエンジンの構成を示す模式図である。
エンジン1は、シリンダ10、ピストン20、シリンダヘッド30、吸気装置40、排気装置50、燃料供給装置60等を有して構成されている。
シリンダ10は、ピストン20が挿入されるスリーブを備えている。
シリンダ10は、図示しないクランクケースと一体に形成されたシリンダブロックに形成されている。
ピストン20は、シリンダ10のスリーブ内部に挿入され往復運動する部材である。
ピストン20は、コンロッド21を介して図示しないクランクシャフトに接続されている。
ピストン20の冠面22は、シリンダヘッド30と協働してエンジン1の燃焼室を構成する。
シリンダヘッド30は、シリンダ10のクランクシャフト側とは反対側の端部に設けられている。
シリンダヘッド30は、燃焼室31、吸気ポート32、排気ポート33、吸気バルブ34、排気バルブ35、点火栓36等を備えている。
燃焼室31は、ピストン20の冠面22と対向して形成された凹部であって、例えばペントルーフ型に形成されている。
燃焼室形状については、後に詳しく説明する。
吸気ポート32は、燃焼室31に燃焼用空気(新気)を導入する流路である。
排気ポート33は、燃焼室31から既燃ガス(排ガス)を排出する流路である。
吸気ポート32及び排気ポート33は、例えば、1気筒あたり2本ずつが形成されている。
吸気バルブ34、排気バルブ35は、吸気ポート32、排気ポート33を、所定のバルブタイミングでそれぞれ開閉するものである。
吸気バルブ34、排気バルブ35は、カムシャフト、ロッカアーム等の動弁駆動系によって駆動される。
点火栓36は、エンジン制御ユニットが生成する点火信号に応じて、所定の点火時期にスパークを発生し、混合気に点火するものである。
点火栓36は、燃焼室31の実質的に中心部(シリンダ10の中心軸近傍)に配置されている。
吸気装置40は、エンジン1に燃焼用空気を導入するものである。
吸気装置40は、インテークダクト41、エアクリーナ42、スロットル43、インテークマニホールド44等を有して構成されている。
インテークダクト41は、大気中から空気を導入してエンジン1へ供給する管路である。
エアクリーナ42は、インテークダクト41の入口近傍に設けられ、空気中のダスト等を濾過して浄化するものである。
スロットル43は、インテークダクト41におけるエアクリーナ42の下流側に設けられ、吸入空気量を絞ることによってエンジン1の出力調整を行うものである。
スロットル43は、バタフライバルブ等の弁体、及び、これを駆動する電動アクチュエータを備えて構成されている。
電動アクチュエータは、エンジン制御ユニットからの制御信号に応じて駆動される。
インテークマニホールド44は、スロットル43の下流側に設けられ、容器状に形成されたサージタンク、及び、各気筒の吸気ポート32に接続され新気を導入する分岐管を有して構成されている。
排気装置50は、エンジン1から排ガスを排出するものである。
排気装置50は、エキゾーストパイプ51、触媒コンバータ52等を有して構成されている。
エキゾーストパイプ51は、排気ポート33から出た排ガスを排出する管路である。
触媒コンバータ52は、エキゾーストパイプ51の中間部に設けられている。
触媒コンバータ52は、ハニカム状のアルミナ担体にプラチナ、ロジウム等の貴金属を担持させて構成され、HC、NOx、CO等を浄化する三元触媒を備えている。
燃料供給装置60は、燃料タンク61、フィードポンプ62、燃料搬送管63、高圧ポンプ64、燃料配管65、デリバリーパイプ66、インジェクタ67等を備えて構成されている。
燃料タンク61は、燃料(ガソリン)を貯留する容器であって、例えば車体後部の床下に搭載されている。
フィードポンプ(低圧ポンプ)62は、燃料タンク61内の燃料を、燃料搬送管63を介して高圧ポンプ64に圧送するものである。
高圧ポンプ64は、フィードポンプ62から供給された燃料を高圧に昇圧し、燃料配管65を経由して蓄圧室を兼ねたデリバリーパイプ66に供給するものである。
高圧ポンプ64は、シリンダヘッド30に設けられ吸気バルブ34を駆動するカム軸64aによって駆動される。
インジェクタ67は、例えばソレノイドやピエゾ素子を有するアクチュエータによって駆動されるニードルバルブを備え、デリバリーパイプ66内に蓄圧された高圧燃料を、エンジン制御ユニットが生成する噴射信号に応じて、所定の時期に所定の噴射量だけ噴射するものである。
インジェクタ67は、1サイクルあたり複数回の燃料噴射を行なう機能を有する。
インジェクタ67のノズルは、図1等に示すように、燃焼室31の側方(シリンダボア側)における吸気バルブ34側から筒内に挿入されている。
次に、上述したエンジン1の燃焼室形状について説明する。
図2は、実施例のエンジンの燃焼室形状を示す図である。
図2(a)は、クランク軸の中心軸方向と直交しかつシリンダの中心を通る平面で切って見た図であり、図2(b)は、図2(a)のb−b部矢視図である。
シリンダヘッド30の燃焼室31は、実質的にいわゆるペントルーフ型(三角屋根型)に形成されたペントルーフ部31a、及び、その周囲に設けられたスキッシュエリア31bを有して構成されている。
ペントルーフ部31aの主屋根部には、吸気バルブ34及び排気バルブ35の弁体部分がそれぞれ設けられている。
ペントルーフ部31aの頂部には、点火栓36の電極部が配置される。
ピストン20の冠面22には、キャビティ23、排気バルブリセス24等が設けられている。
キャビティ23は、圧縮後期に噴射された燃料によって形成される混合気を点火栓36側に巻き上げて、点火栓36の周囲に層状の混合気を形成する凹部である。
キャビティ23は、例えばシリンダ10の中心軸方向から見た平面形が実質的に楕円状に形成されるとともに、ピストン20の中心に対して、吸気バルブ34側(インジェクタ67側)にオフセットした位置に配置されている。
キャビティ23から混合気が巻き上げられる排気バルブ35側の端部位置(図2(b)における右側の端部)は、点火栓36が設けられるペントルーフ部31aの頂部に対して、わずかに吸気バルブ34側(図2(b)における左側)にオフセットして配置されている。
排気バルブリセス24は、動弁駆動機構の故障時等に、排気バルブ35がピストン20と干渉することを防止するために設けられた凹部である。
インジェクタ67は、例えば6つの噴孔を有する。
実施例において、圧縮行程後期にインジェクタ67から噴射された噴霧がピストン20の冠面22に衝突する点Pは、6箇所のうち5箇所がキャビティ23内となるように分布している。
キャビティ23内に噴きこまれた噴霧は、100℃以上の新気内で気化して混合気流を形成しつつキャビティ23から燃焼室31の点火栓36の周辺へ吹き上げられ、点火栓36の周囲に、周辺領域に対してリッチな混合気を層状に形成する。
図3は、エンジン1におけるファストアイドル時(暖機後のアイドリングよりも回転を上昇させた暖機運転)の燃焼噴射時期、点火時期等を示すタイミングチャートである。
図3に示すように、エンジン1は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を順次繰り返すオットーサイクルの4ストロークエンジンである。
吸気バルブ34は、排気行程終了直前から圧縮行程開始直後にかけて開かれ、その他の期間は閉塞される。
排気バルブ35は、膨張行程終了直前から吸気行程開始直後にかけて開かれ、その他の期間は閉塞される。
ファストアイドル時においては、インジェクタ67は、吸気行程に第1噴射を行って燃焼室全体に均質な混合気を形成するとともに、圧縮行程の後期に第2噴射を行なって点火栓36の周囲に比較的リッチな混合気を層状に形成する。
この第2噴射のように圧縮行程後期に噴射を行なうと、外気温度が例えば−30℃といった酷寒状態であっても、筒内の新気温度は断熱圧縮によって例えば100℃を超えることから、燃料の蒸発促進を図るとともに、液体燃料の壁面付着を抑制することができる。
また、図2に示すように、キャビティ23から混合気が点火栓36側に吹き上げることによって、点火栓周りにリッチな層状の混合気を形成することができる。
第1噴射、第2噴射を合わせた全噴射量の、吸入新気量に対する当量比は、実質的にストイキ(理論空燃費)近傍に設定されている。
また、点火栓36は、点火時期を通常よりもリタードして、膨張行程初期に点火を行ない、その後主に膨張行程において燃焼が行なわれる。
図4は、実施例のエンジンにおける点火栓周りの当量比と成層化ボリュームとの相関を示すグラフである。
横軸は点火栓周りの成層化ボリュームの割合(%)を示し、縦軸は点火栓周りの成層化領域内の当量比(φ)を示している。
また、第1噴射と第2噴射との燃料噴射量の比(噴き分け比)が6:4であるときのデータを実線、7:3であるときのデータを破線、8:2であるときのデータを一点鎖線で図示している。
なお、噴き分け比が6:4、7:3、8:2であるときに、燃焼室31の成層化領域以外の周辺部の当量比(φ)は、実質的に0.6,0.7,0.8前後となる。
点火栓36周辺での着火性を良好とするためには、点火栓周りの当量比(φ)を、1.7以上とすることが要求される。
一方で、点火栓周りの当量比(φ)が2.0を超えると、PNが急激に悪化することから、この当量比は2.0以下とすることが要求される。
また、周辺部の当量比(φ)が0.6前後となると、混合気が過度にリーンとなって燃焼が不安定となる場合がある。
これらの条件を考慮のうえ、本実施例においては、第2噴射の噴射量の全噴射量に占める割合を、30%以下となるように設定した。
このとき、点火栓周りの成層化ボリュームは、例えば20%前後となる。
図5は、実施例のエンジンにおける最終噴射の噴射時期とPNとの相関を示すグラフである。
図5において、横軸は最終噴射(第2噴射)の噴射時期を示し、縦軸は排気1ccあたりの粒子状物質の個数(PN)を示している。
点火栓36近傍への成層化領域の形成には、噴射時期を遅延させたほうが有利であるが、噴射時期を遅延させた場合、成層化領域の混合気が過濃となってPNが悪化する。
このとき、噴き分け比を6:4から7:3に変更することによって、PNが大幅に改善され、さらに8:2に変更することによってさらにPNが改善されることがわかる。
特に、噴き分け比を8:2とした場合には、図5に示す全域において、PNを目標値以下とすることが可能である。
図6は、実施例のエンジンにおける最終噴射の噴射時期とPM排出量との相関を示すグラフである。
図6において、横軸は最終噴射の噴射時期を示し、縦軸はフィルタスモーク(PM)の発生量を示している。
図6においても、上述したPNと同様の傾向が見られることがわかる。
図7は、実施例のエンジンにおける最終噴射の噴射時期と燃焼変動標準偏差との相関を示すグラフである。
図7において、横軸は最終噴射の噴射時期を示し、縦軸は燃焼変動の標準偏差を示している。
図7に示すように、噴き分け比が6:4に対して7:3のほうが燃焼変動は有利であり、7:3に対して8:2のほうがさらに有利であることがわかる。
また、噴き分け比7:3及び8:2の場合には、噴射時期を遅延させた場合でも広範囲にわたって燃焼変動標準偏差を目標値以下とすることが可能である。
図8は、実施例のエンジンにおける最終噴射の噴射時期とTHC(Total Hydrocarbon)排出量との相関を示すグラフである。
図8において、横軸は最終噴射の噴射時期を示し、縦軸はTHC排出量(炭素量ppm)を示している。
図8に示すように、最終噴射時期が比較的遅い領域では、噴き分け比6:4に対して、7:3及び8:2はやや不利であるものの、いずれも目標値は下回っており、実用上は問題ないことがわかる。
また、エンジン1は、始動時においても、複数回の噴射のうち最終回の噴射の噴射量を、全噴射量の30%以下となるように制御されている。
図9は、エンジン1における点火時の燃料噴射時期、点火時期等を示すタイミングチャートである。
バルブタイミングは図3に示すファストアイドル時と実質的に同じであるが、始動時においては、例えば1サイクルあたり4回の複数回噴射を行なっている。
第1噴射及び第2噴射は、吸気行程の中期及び後期にそれぞれ行なわれる。
第3噴射及び第4噴射は、圧縮行程の初期及び中期にそれぞれ行なわれる。
その後、圧縮上死点(TDC)直前に点火栓36は点火を行ない、その後主に膨張行程で燃焼が行なわれる。
この場合においても、最終回噴射である第4噴射の噴射量が、全噴射量に占める割合は、30%以下となるように制御されている。
また、最終噴射以外の噴射では、筒内ガス流動の影響が少なくなるので、均質拡散、付着抑制を狙い、噴霧の大気圧場での貫徹力、拡散状態を考慮した分割数、分割間隔を設定する。
なお、噴射した燃料の全量を点火までに蒸発させることが難しい始動時においては、全噴射量の吸入新気量に対する当量比がリッチとなるように制御を行なっている。
そして、エンジン回転数が所定値以上に上昇するなど、所定の完爆判定が成立後、必要に応じて上述したファストアイドル時の制御へ移行する。
以上説明した実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)複数回噴射のうち最終回の噴射量の全噴射量に対する割合を30%以下とすることによって、点火栓の周囲に着火性が良好であるリッチな混合気を層状に形成して燃焼を安定化するとともに、混合気が過濃となることを防止して粒子状物質の個数、排出量を抑制することができる。
さらに、燃焼室周辺部の混合気が過度にリーン化することを防止して、燃焼をより安定化することができる。
(2)点火時期直前の点火栓36近傍の領域の当量比を1.7以上2.0以下とするとともに、周辺部の当量比を0.7以上としたことによって、上述した効果を確実に得ることができる。
(3)ファストアイドル時に上記制御を行なうことによって、点火リタード時における燃焼を安定化させるとともにPN、PM等を改善することができる。
(4)始動時に上記制御を行なうことによって、始動時の着火性を改善し、良好な始動性を得るとともに、PN、PM等を改善することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)実施例のエンジンは、例えば自然吸気のガソリンエンジンであったが、本発明は、過給エンジンや、ガソリン以外の燃料を用いる火花点火式の内燃エンジンにも適用することが可能である。
尚、ガソリン以外の燃料を使用する場合の当量比設定は、燃料の特性を加味して図4に相当する特性グラフを作成し目標設定を行なう。
(2)エンジンを構成する各部材の構成は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することが可能である。
例えば、燃焼室形状やピストンの冠面形状、インジェクタの噴霧の形成パターンなどは、適宜変更することが可能である。
(3)実施例のエンジンでは、ファストアイドル時には2回の噴射を行なっているが、これに限らず3回以上の噴射を行なっても良い。
また、始動時には4回の噴射を行なっているが、2回、3回、5回以上の噴射であってもよい。
(4)実施例のエンジンでは、全噴射量とは複数回噴射の場合における各回の噴射量の合計燃料量と規定しているが、例えば壁面付着した燃料の蒸発燃料を考慮する場合は、それらを足し合わせた燃料量を全噴射量と定義し最終噴射量を決定することが可能である。
1 エンジン 10 シリンダ
20 ピストン 21 コンロッド
22 冠面 23 キャビティ
24 排気バルブリセス 30 シリンダヘッド
31 燃焼室 32 吸気ポート
33 排気ポート 34 吸気バルブ
35 排気バルブ 36 点火栓
40 吸気装置 41 インテークダクト
42 エアクリーナ 43 スロットル
44 インテークマニホールド 50 排気装置
51 エキゾーストマニホールド 52 触媒コンバータ
60 燃料供給装置 61 燃料タンク
62 フィードポンプ 63 燃料搬送管
64 高圧ポンプ 64a カム軸
65 燃料配管 66 デリバリーパイプ
67 インジェクタ

Claims (5)

  1. 燃焼室中央部に配置された点火栓及び燃焼室側部に配置されたインジェクタを有する火花点火式直噴エンジンのエンジン制御装置であって、
    始動時と暖気時との少なくとも一方において、1サイクルあたり複数回の燃料噴射を行うとともに、前記複数回の燃料噴射において圧縮行程で行なわれる最終回の燃料噴射の燃料噴射量を、全燃料噴射量の30%以下としたこと
    を特徴とするエンジン制御装置。
  2. 始動時と暖気時との少なくとも一方において、点火時期直前の前記点火栓近傍の領域の当量比を1.7以上2.0以下とするとともに、周辺部の当量比を0.7以上とすること
    を特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 暖気時において、吸入空気量と前記全燃料噴射量との当量比を実質的にストイキとし、点火時期を圧縮上死点に対して遅角させること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置。
  4. 始動時において、吸入空気量と前記全燃料噴射量との当量比を燃料リッチとし、点火時期を圧縮上死点近傍とすること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置。
  5. 始動時において、前記複数回の燃料噴射は少なくとも3回以上の燃料噴射を含むこと
    を特徴とする請求項4に記載のエンジン制御装置。
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