以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るワイヤハーネスWH1を適用した車両の一部を示す平面図である。図2は、第1実施形態に係るワイヤハーネスWH1において、車体BDの開口を可動部材Dで閉じた状態における斜視図である。図3は、第1実施形態に係るワイヤハーネスWH1において、光ファイバケーブルW1及び各電線WBを配索する前の状態であって、光ファイバケーブルW1及び電線WBの一端WA1c、WB1cと他端WA1d、WB1dとの間に力が加えられていない状態を示す斜視図である。図4は、図3の矢視IV-IV線における断面図である。図5は、第1実施形態に係る高速伝送用配索材WAである光ファイバケーブルW1の斜視図である。図6は、第1実施形態に係るワイヤハーネスWH1において、光ファイバケーブルW1及び各電線WBを配索する前の状態であって、光ファイバケーブルW1及び各電線WBの一端WA1c、WB1cと他端WA1d、WB1dとの間に力が加えられた状態を示す斜視図である。図7は、図6の矢視VII-VII線における端面図である。図8は、第1実施形態に係るワイヤハーネスWH1が、可動部材Dを移動して車体BDの開口を開いた状態における斜視図である。なお、図2、図8は、グロメット3を実線で示し、他図はグロメット3を省略してある。また、以下の説明では、互いに交差(直交)する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「第2軸方向X2」といい、第2方向を「第1交差方向Y」といい、第3方向を「第2交差方向Z」という。ここでは、第2軸方向X2と第1交差方向Yと第2交差方向Zとは、相互に直交する。また、図2、図8は、電線WB及び光ファイバケーブルW1の構成の詳細を省略してあり、かつ、電線WBの本数を省略して図示してある。さらに、図4、図7は、光ファイバケーブルW1の構成の詳細を省略してある。
図1、図2に示す第1実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを各機器に接続するようにしたものである。本実施形態のワイヤハーネスWH1は、例えば、配索材Wを構成する高速伝送用配索材WA及び複数の電線WBと、一対の拘束部材2a、2bと、グロメット3とを備える。
本実施形態のワイヤハーネスWH1は、車両における開口を有する車体BDと、ヒンジ等の連結部材を介して車体BDに連結されて当該開口を開閉する例えば前席用のサイドドア等の可動部材Dとの間に架け渡して設けられる。ここでは、ワイヤハーネスWH1は、車体BDの開口のうちヒンジに近い側の部分で車体BDと可動部材Dとの間に架け渡され、可動部材Dは、ヒンジの旋回軸心Dxを中心に旋回する。
配索材Wは、可動部材Dの可動に伴って開口が閉じた状態から開いた状態になると、車体BDと可動部材Dとの間で後述するように変形する。車体BDの開口に対して可動部材Dの開閉を繰り返すことによって、配索材Wは、その都度、変形する。このような構成にあって、実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、以下に詳細に説明するように、高速伝送用配索材WAと電線WBとの数量を変え、かつ、一対の拘束部材2a、2b間の高速伝送用配索材WAにおける第1軸方向X1に沿う長さと、一対の拘束部材2a、2b間の電線WBにおける第2軸方向X2に沿う長さとが異なることによって、高速伝送用配索材WAの耐久性を向上している。
なお、ワイヤハーネスWH1は、この他、さらに、固定具、コネクタ、コルゲートチューブ、プロテクタ等の外装部材、配索材Wとして高速伝送用配索材WA及び電線WBとは別の金属棒等を含んで構成されてもよい。金属棒は、導電性を有する棒状部材の外側を、絶縁性を有する被覆部によって覆ったものである。
高速伝送用配索材WAは、典型的には、100Mbbs以上のデータ伝送速度で通信する際に使用する配索材Wである。高速伝送用配索材WAは、2層以上の絶縁層を有する電線、又は、光ファイバケーブルW1を含む。第1実施形態のワイヤハーネスWH1は、高速伝送用配索材WAとして光ファイバケーブルW1を用いてある。
図3、図4は、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBが配索される前の状態であって、光ファイバケーブルW1及び各電線WBの一端WA1c、WB1cと他端WA1d、WB1dとの間に力が加えられていない状態を示す斜視図である。
光ファイバケーブルW1は、例えば、第1軸方向X1における一端WA1cがコネクタを介して車体BDに設けられた通信機器に接続され、第1軸方向X1における他端WA1dがコネクタを介してドアミラーに設けられたCCDカメラ等の撮像装置に接続される。光ファイバケーブルW1は、第1軸心1xに沿う第1軸方向X1へ延在する。光ファイバケーブルW1は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2b間の内側においては弛んだ状態であり、余長部分WA1gを有している。このような光ファイバケーブルW1は、第1軸方向X1における一対の拘束部材2a、2b間の外側においては張った状態である。すなわち、光ファイバケーブルW1は、第1軸方向X1における一対の拘束部材2a、2b間の外側では、余長部分を有しておらず第1軸方向X1に沿って直線状に配置される。また、光ファイバケーブルW1の第1軸心1xは、一対の拘束部材2a、2b間の外側では、直線状に沿うように配置される。すなわち、第1軸方向X1及び第2軸方向X2は、一対の拘束部材2a、2b間の外側において合致する。
光ファイバケーブルW1は、光を伝搬するケーブルであって、図5に示すように、コア11と、クラッド層12と、絶縁被覆層13と、シース14とを備える。光ファイバ(Plastic Optical Fiber)ケーブルW1は、例えば、SI型(Step Index型)光ファイバケーブルと、GI型(Graded Index型)光ファイバケーブルとを含む。コア11は、例えば、光ファイバケーブルW1の軸心1xに沿った第1軸方向X1に沿って線状に形成され且つ中空状に形成された石製ガラスのパイプであり、コア11の周面は、クラッド層12に囲まれるように形成される。コア11の屈折率は、クラッド層12の屈折率と異なるように形成されて、コア11とクラッド層12との境界面で光を全反射する。クラッド層12は、所定の厚みを有した筒状に形成される。クラッド層12は、例えば、石英ガラス等の材料により形成されている。コア11及びクラッド層12を上記のように構成することによって、コア11で光を伝搬する。絶縁被覆層13は、クラッド層12の外周面に位置し、絶縁性を有する合成樹脂によって形成される。シース14は、絶縁被覆層13の外周面であって、光ファイバケーブルW1の径方向の最も外側に位置し、絶縁性を有する合成樹脂によって形成される。
各電線WBは、図4に示すように、導電性を有する金属材料からなる導体部(芯線)WB1の外側を、絶縁性を有する被覆部WB2によって覆ったものである。各電線WBは、典型的には、100Mbbsよりも少ないデータ伝送速度で通信する際に使用する配索材W、又は、各機器に電力を供給する配索材Wである。各電線WBは、典型的には、単芯線電線、又は、撚線電線である。単芯線電線は、1本の棒状の導電性を有する金属材料からなる導体部WB1の外側を、絶縁性を有する被覆部WB2によって覆ったものである。撚線電線は、複数の導電性を有する素線を撚り合わせて1本の導体部WB1とし、この導体部WB1の外側を、絶縁性を有する被覆部WB2によって覆ったものである。各電線WBは、第2軸心2xに沿う第2軸方向X2へ延在し、直線状に沿うように配置される(図3参照)。各電線WBは、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2b間の内側において張った状態であり、かつ、一対の拘束部材2a、2b間の外側において張った状態である。すなわち、各電線WBは、第2軸方向X2において、一対の拘束部材2a、2b間の内側、及び外側のいずれにおいても、余長部分を有しておらず第2軸方向X2に沿って直線状に配置される。
図3に示す一対の拘束部材2a、2bは、例えば、樹脂テープによって構成してある。一対の拘束部材2a、2bは、第2軸方向X2に沿って間隔をあけて、光ファイバケーブルW1と複数の電線WBとを拘束するものである。言い換えれば、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBは、第2軸方向X2に沿って間隔をあけて、一対の拘束部材2a、2bによって拘束されている。一方の拘束部材2aは、例えば、グロメット3の内部において、後述する車体側固定部31の近傍に配置される(図2参照)。他方の拘束部材2bは、例えば、グロメット3の内部において、後述する可動部材側固定部32の近傍に配置される(図2参照)。本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、一対の拘束部材2a、2bによって光ファイバケーブルW1及ぶ複数の電線WBが拘束されて配索材束WCが構成される(図4参照)。光ファイバケーブルW1及び電線WBにおける第2軸方向X2と直交する平面における配索材束WCの直径φ(図4参照)は、7~40[mm]以上が好ましい。
本実施形態に係るワイヤハーネスWH1において、光ファイバケーブルW1は、数量が電線WBの数量よりも少ない。より具体的に説明すると、本実施形態では、光ファイバケーブルW1は1本であり、電線WBは36本である。また、光ファイバケーブルW1は、一対の拘束部材2a、2b間の第1軸方向X1に沿う長さが、一対の拘束部材2a、2b間の電線WBにおける第2軸方向X2に沿う長さの1.1~3.3倍である。以下に、数値の根拠を詳細に説明する。
複数の電線WBが後述するように屈曲された状態において、屈曲部分WB1fの最も内側に配置された電線WBの曲率半径をRbとし、屈曲部分WB1fの角度をθとすると、最も内側に配置された電線WBの第2軸方向X2に沿う長さWBLは、以下の計算式により算出できる。
WBL=2×π×Rb×(θ/360)
高速伝送用配索材WAが屈曲され、かつ、高速伝送用配索材WAが複数の電線WBの最も外側に配置(屈曲外側に配置)された際において、高速伝送用配索材WAの第1軸方向X1に沿う長さWALは、以下の計算式により算出できる。ただし、屈曲部分WA1fの角度は、屈曲部分WB1fの角度と同一であるとし、かつ、第2軸方向X2と直交する平面において、最も内側に配置された電線WB(内側配置電線WBi)と高速伝送用配索材WAとの距離をφとする。
WAL=2×π×(Rb+φ)×(θ/360)
また、最も内側に配置された電線WB(内側配置電線WBi)の第2軸方向X2に沿う長さ(WBL)に対する高速伝送用配索材WAの第1軸方向X1に沿う長さ(WAL)の倍率(TI)は、以下の計算式により算出できる。
TI=WAL/WBL
車両における車体BDと可動部材Dとの間に適用するワイヤハーネスWH1において、Rbの範囲は、15~50[mm]であり、φの範囲は、5~35[mm]であり、かつθの範囲は、70~160[°]である。これらの数値を上記の計算式にあてはめて倍率(TI)を計算する。倍率(TI)が最も大きくなるときは、Rbが最小値である15[mm]であり、かつ、φが最大値である35[mm]であって、倍率の最大値は3.3である。一方、倍率(TI)が最も小さくなるときは、Rbが最大値である50[mm]であり、かつ、φが最小値である5[mm]であって、倍率の最小値は1.1である。したがって、倍率(TI)の範囲は、1.1倍以上であって3.3倍以下(1.1~3.3)である。
すなわち、倍率(TI)が1.1よりも小さいと、高速伝送用配索材WAの曲率半径が大きくなり、それによって、高速伝送用配索材WAに加えられる力が大きくなるおそれがある。一方、倍率(TI)が3.3よりも大きいと、高速伝送用配索材WAに加えられる力を効率的に減少することができなくなる一方、高速伝送用配索材WAが無駄に長くなるおそれがある。これらによって、倍率(TI)は、1.1~3.3倍が好ましい。なお、車両における車体BDと可動部材Dとの間に適用するワイヤハーネスWH1において、一対の拘束部材2a、2b間の第2軸方向X2に沿う長さは、50~250[mm]が好ましい。
さらに、高速伝送用配索材WAの第1軸方向X1に沿う長さWALと、最も内側に配置された電線WBの第2軸方向X2に沿う長さWBLとの差(すなわち余長部分(WA1g)の長さ(Lx))は、以下の計算式により算出できる。
Lx=WAL-WBL
一対の拘束部材2a、2b間の第2軸方向X2に沿う長さが、最も内側に配置された電線WBの第2軸方向X2に沿う長さであるとする。また、一対の拘束部材2a、2b間の第2軸方向X2の長さが50~250[mm]であること、及び、倍率(TI)が1.1~3.3倍であることを考慮すると、WALは、55~825[mm]となる。従って、WALが55~825[mm]であり、WBLが50~250[mm]であるため、WALとWBLとの差(すなわち余長部分(WA1g)の長さ(Lx))は、5~575[mm]である。
図6は、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBが配索される前の状態であって、光ファイバケーブルW1及び各電線WBの一端WA1c、WB1cと他端WA1d、WB1dとが互いに近接する方向へ屈曲された状態を示す斜視図である。また、図7は、図6の矢視VII-VII線における端面図である。光ファイバケーブルW1は、一端WA1cと他端WA1dとの間において、第2軸方向2Xと交差する第2交差方向Zへ力が加えられることによって屈曲するように変形する。また、電線WBは、一端WB1cと他端WB1dとの間において、第2軸方向2Xと交差する第2交差方向Zへ力が加えられることによって屈曲するように変形する。言い換えれば、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBは、第2軸方向2Xと交差する第2交差方向Zへ力が加えられることによって屈曲変形する屈曲部分WA1f、WB1fを有する。また、光ファイバケーブルW1は、配索材束WCにおいて、最も周方向の外側に配置される。換言すれば、光ファイバケーブルW1は、屈曲部分WA1f、WB1fにおける屈曲外側に配置されている。すなわち、屈曲変形された状態において、光ファイバケーブルW1の曲率半径は、電線WBの曲率半径よりも大きい。また、複数の電線WBは、屈曲部分WB1fにおいて、最も周方向の内側に配置される内側配置電線WBiを有する(図4参照)。
図2に示すグロメット3は、配索材Wの外周面に外装され、配索材Wが外部に露出することを防止し、配索材Wの保護及び防水を目的として使用される。このようなグロメット3は、例えば、ゴムや熱可塑性エラストマー等、剛性の低い可撓性の弾性材料により一体的に形成され、車体側固定部31と、可動部材側固定部32と、管状部33とを有する。グロメット3は、内部に配索材Wが挿通された状態で、車体BDの第1パネル101に形成された第1貫通孔101hに車体側固定部31を密着して装着し、可動部材Dの第2パネル102に形成された第2貫通孔102hに可動部材側固定部32を密着して装着する。すなわち、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBは、車体側固定部31の第1開口部31s、管状部33の挿通空間部33s、及び、可動部材側固定部32の第2開口部32sに挿通されることによって、車体BDと可動部材Dとの間にわたって配索される。従って、グロメット3は、配索材Wが外部に露出する部分を有していても、内部の配索材Wを水密に配索することができる。
図8は、光ファイバケーブルW1、及び、複数の電線WBが配索された状態において、車体BDの開口を可動部材Dが開いた状態におけるワイヤハーネスWH1を示す。車体BDに対する可動部材Dの開閉によって、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBは、旋回軸心Dxの周方向に沿った部分の中央部分WA1e、WB1eが大きく可動するとともに、中央部分WA1e、WB1eに隣接する部分も中央部分WA1e、WB1eに連動して可動する。このため、光ファイバケーブルW1及び電線WBは、中央部分WA1e、WB1e及び中央部分WA1e、WB1eに隣接する部分を含む可動範囲1Tで可動し、かつ、変形する。本実施形態の一対の拘束部材2a、2bは、可動範囲1Tに設けてある。より詳細に説明すると、一対の拘束部材2a、2bは、可動範囲1Tの両端に配置してある。換言すれば、一対の拘束部材2a、2bは、光ファイバケーブルW1及び電線WBにおいて、配索された状態で可動する可動範囲1Tに設けられる。また、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1において、可動部材Dの開閉に伴い光ファイバケーブルW1の中央部分WA1eが屈曲部分WB1fとなり、かつ、複数の電線WBの中央部分WB1eが屈曲部分WB1fとなる。
上記のように構成されるワイヤハーネスWH1において、車体BDに対して可動部材Dを可動する際を、以下、詳細に説明する。
先ず、車両は、車体BDの開口を閉じている状態の可動部材Dに対して、ドアハンドルが操作されることによって、図8に示すように、可動部材Dが可動され、車体BDの開口が開いた状態にされる。この際、可動部材Dは、旋回軸心Dxを中心に旋回し、車体BDと、可動部材Dとの間に架け渡して設けられるワイヤハーネスWH1には、車体BDと可動部材Dとの間に位置する可動範囲1Tに、力が加えられることによって以下のように変形する。すなわち、光ファイバケーブルW1及び電線WBは、第2軸方向X2と交差する第2交差方向Zへ力が加えられた際には、屈曲部分WA1f、WB1fで屈曲する。
この際、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1において、光ファイバケーブルW1は、数量が電線WBの数量よりも少なく、一対の拘束部材2a、2b間の第1軸方向X1に沿う長さが、一対の拘束部材2a、2b間の電線WBにおける第2軸方向X2に沿う長さの1.1~3.3倍である。このため、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、一対の拘束部材2a、2b間において、光ファイバケーブルW1及び電線WBに力が加えられた場合、電線WBに大きな力が加えられ、光ファイバケーブルW1に加えられる力を小さくすることができる。
その後、車両は、車体BDの開口を開いている状態の可動部材Dに対して、ドアハンドルが操作されることによって、可動部材Dが可動されて車体BDの開口が閉じられる。また、この際、光ファイバケーブルW1及び電線WBに加えられていた力が取り除かれ、光ファイバケーブルW1及び電線WBは初期位置に復帰する。
以上で説明した実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。光ファイバケーブルW1は、数量が電線WBの数量よりも少なく、一対の拘束部材2a、2b間の第1軸方向X1に沿う長さが、一対の拘束部材2a、2b間の電線WBにおける第2軸方向X2に沿う長さの1.1~3.3倍である。このため、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、一対の拘束部材2a、2b間において、光ファイバケーブルW1及び電線WBが屈曲されることによって光ファイバケーブルW1及び電線WBに力が加えられた際、電線WBに大きな力が加えられ、光ファイバケーブルW1に加えられる力を小さくすることができる。この結果、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、光ファイバケーブルW1に大きな力が加えられることを抑制することができるため、コア11及びクラッド層12を保護し、光ファイバケーブルW1の耐久性を向上することができる。その上、このワイヤハーネスWH1は、第2軸方向X2の一対の拘束部材2a、2bの間において、光ファイバケーブルW1と複数の電線WBとを拘束しておらず、光ファイバケーブルW1と複数の電線WBとは相互に移動が可能である。このため、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBの周方向に力が加えられることによって、光ファイバケーブルW1が周方向へ捩れたとしても、光ファイバケーブルW1は余長部分WA1gを有している。この結果、光ファイバケーブルW1には、大きな捩れの力が加わることはなく、光ファイバケーブルW1の耐久性を向上することができる。従って、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、ドアミラーに設けた撮像装置で撮像された動画、及び、画像を確実に車体BDに送信することができ、情報量の増大化に対応することができる。さらに、このワイヤハーネスWH1は、光ファイバケーブルW1の構成を変更することなく、光ファイバケーブルW1及び複数の電線WBの配索の構成を変更することによって、光ファイバケーブルW1の耐久性を向上することができる。このため、このワイヤハーネスWH1は、安価に上記した作用・効果を奏することができる。また、複数の電線WBが屈曲された状態において、屈曲部分WB1fの最も内側に配置された内側配置電線WBiの第2軸方向X2に沿う長さに対して、屈曲部分WB1fの最も外側に配置された高速配索用電線WAの第1軸方向に沿う長さの倍率が、1.1~3.3であるため、上記した作用・効果を奏することができる。
また、このワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。光ファイバケーブルW1及び電線WBは、屈曲された屈曲部分WA1f、WB1fを有し、光ファイバケーブルW1は、屈曲部分WA1f、WB1fにおける屈曲外側に配置されている。このため、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、電線WBの曲率半径よりも光ファイバケーブルW1の曲率半径を大きくして過大な応力が光ファイバケーブルW1に加わるのを抑制することができる。この結果、光ファイバケーブルW1の耐久性を一層向上することができる。
また、このワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。一対の拘束部材2a、2bは、光ファイバケーブルW1及び電線WBにおいて、配索された状態で、変形する可動範囲1Tに設けられる。このため、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、第1軸方向X1における一対の拘束部材2a、2b間のみに光ファイバケーブルW1の余長部分WA1gを設け、光ファイバケーブルW1が第1軸方向X1に沿って無駄に長くなることを抑制することができる。この結果、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、資材を無駄に消費することを抑制することができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2において、高速伝送用配索材WAと複数の電線WBとを拘束部材2a、2bによって拘束した状態を示す斜視図である。また、図9は、高速伝送用配索材WA及び複数の電線WBが配索される前の状態であって、高速伝送用配索材WA及び各電線WBの一端WA1c、WB1cと他端WA1d、WB1dとの間に力が加えられていない状態を示す斜視図である。より詳細に説明すると、図9は、高速伝送用配索材WAが余長部分WA1gを有する態様で複数の電線WBと拘束された状態で配索するための治具である支持部材4に高速伝送用配索材WA及び複数の電線WBを乗せた状態を示す斜視図である。図10は、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2が備える高速伝送用配索材WAであるツイストペアケーブルW2の一部を破断した斜視図である。
このワイヤハーネスWH2は、2つの支持部材4である治具を使用して、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBを支持しながら、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBを拘束部材2a、2bで拘束する。また、ワイヤハーネスWH2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2bの中間部において、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBを拘束する中間拘束部材2cを有する。第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2のその他の構成は、第1実施形態のワイヤハーネスWH1の構成と同様である。このため、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2は、第1実施形態のワイヤハーネスWH1と異なる点についてのみ以下に説明し、同様の構成については説明を省略する。
図9に示す第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2は、高速伝送用配索材WAとして、光ファイバケーブルW1の代わりにツイストペア(Shielded Twist Pair)ケーブルW2を用いてある。高速伝送用配索材WAとして用いるツイストペアケーブルW2は、図10に示すように、第1電線110aと、第2電線110bと、第1シールド層113と、第2シールド層114と、シース115とを備え、第1軸心1xに沿う第1軸方向X1へ延在するように形成してある。なお、本第2実施形態のワイヤハーネスWH2は、高速伝送用配索材WAとして、シース115を設けていないツイストペア(Jacketed Unshielded Twist Pair)電線を使用することができ、4本の電線を撚り合わせて構成されるツイストクアッド(Shielded Twist Quad)ケーブルを使用することもできる。第1電線110aは、導電性を有する第1芯線111aと、第1芯線111aの外側を覆い、絶縁性を有する合成樹脂からなる第1絶縁被覆層112aとを含んで構成される。第2電線110bは、導電性を有する第2芯線111bと、第2芯線111bの外側を覆い、絶縁性を有する合成樹脂からなる第2絶縁被覆層112bとを含んで構成される。第1シールド層113は、導電性の金属を板厚方向の厚さが薄い管状に形成してある。第2シールド層114は、導電性の素線が筒状かつ網目状に組み込まれた編組として形成してある。なお、図10においては、図示の便宜上、第2シールド層114の具体的な網目形状は、省略して示してある。シース115は、ツイストペアケーブルW2の径方向の最も外側に位置し、絶縁性を有する合成樹脂からなる。ツイストペアケーブルW2は、2本で一対の電線110a、110bを撚り合わせて構成され、かつ、2層のシールド層113、114によって静電遮断し、外部の電磁波が内部の芯線111a、111bに干渉することを抑制することができる。このようなツイストペアケーブルW2は、3層の絶縁層である第1絶縁被覆層112aと、第2絶縁被覆層112bと、シース115とを含んで構成される。
支持部材4は、第1支持部材4a及び第2支持部材4bを含んで構成される。このような支持部材4は、高速伝送用配索材WAが余長部分WA1gを有する態様で複数の電線WBとともに拘束部材2によって拘束された状態で配索するためのものである。第1支持部材4aは、固定部41と、基部42と、梁状部43と、第1柱状部44と、第2柱状部45と、第3柱状部46とを備える。固定部41は、配索をするための作業台に固定される部分である。基部42は、固定部41から第1交差方向Yへ延在する柱状の部分である。梁状部43は、基部42の第1交差方向Yの端部から第2交差方向Zへ延在する部分である。第1柱状部44は、梁状部43の第2交差方向Zの一端から第1交差方向Yへ延在する部分である。第2柱状部45は、梁状部43の第2交差方向Zの一端及び他端間の中間部から第1交差方向Yへ延在する部分である。第3柱状部46は、梁状部43の第2交差方向Zの他端から第1交差方向Yへ延在する部分である。第1支持部材4aは、第2交差方向Zにおいて、第1柱状部44と第2柱状部45との間に第1空間部4s1を配置してあり、第2柱状部45と第3柱状部46との間には第2空間部4s2を配置してある。第2柱状部45及び第3柱状部46の第2交差方向Zの長さは、第1柱状部44及び第2柱状部45の第2交差方向Zの長さよりも長い。第1支持部材4aの構成と第2支持部材4bの構成とは同一であるため、第2支持部材44bの説明を省略する。ただし、第2支持部材4bは、第1柱状部44及び第3柱状部46の第2交差方向Zの位置が、第1支持部材4aと反対となるように作業台に固定してある。
このような第1支持部材4a及び第2支持部材4bは、第2軸方向X2において、一対の拘束部材2a、2b間に配置してある。また、第2軸方向X2において、第1支持部材4aと第2支持部材4bとの間には、中間拘束部材2cを配置してある。中間拘束部材2cは、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2b間におけるツイストペアケーブルW2が、第1交差方向Y及び第2交差方向Zに拡がることを抑制する。
さらに、第1支持部材4a及び第2支持部材4bは、正面視における第2交差方向Zの第2柱状部45及び第3柱状部46の位置が同一であり、かつ、第2柱状部45と第3柱状部46との間に配置される第2空間部4s2に複数の電線WBを直線状に配置してある。
ツイストペアケーブルW2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2b間の内側においては弛んだ状態であり、余長部分WA1gを有している。しかも、ツイストペアケーブルW2の余長部分WA1gは、第2交差方向Zにおいて、蛇行するように配置される。以下に、ツイストペアケーブルW2の配置を詳細に説明する。ツイストペアケーブルW2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2bの外側に位置する一端WA1c側において、第1軸心1xが第2軸方向X2に沿うように直線状に配置され、その後、一方の拘束部材2aによって複数の電線WBとともに拘束される。その後、ツイストペアケーブルW2は、第2交差方向Zの一方に折れ曲がった折曲部分WA1hを有し、折曲部分WA1hが第1支持部材4aの第1空間部4s1に配置される。ツイストペアケーブルW2は、その後、中間拘束部材2cによって複数の電線WBとともに拘束された後、第2交差方向Zの他方に折れ曲がった折曲部分WA1iを有し、折曲部分WA1iが第2支持部材4bの第1空間部4s1に配置される。その後、ツイストペアケーブルW2は、他方の拘束部材2bによって複数の電線WBとともに拘束された後、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2bの外側に位置する他端WA1d側において、第1軸心1xが第2軸方向X2に沿うように直線状に配置される。
ワイヤハーネスWH2は、治具である支持部材4からツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが持ち上げられ、例えば、グロメット3の内部にツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが挿通された後、車体BDと可動部材Dとの間にわたって配索される。車両に配索された後、可動部材Dの可動に伴って、ワイヤハーネスWH2は、一方の拘束部材2aと中間拘束部材2cとが第2交差方向Zにおける一端側に近接するように力が加えられ、かつ、中間拘束部材2cと他方の拘束部材2bとが第2交差方向Zにおける他端側に近接するように力が加えられる。上記のようにツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBに力が加えられると、ツイストペアケーブルW2の折曲部分WA1h、WA1iが屈曲部分となり、ツイストペアケーブルW2は、その屈曲部分における外側に配置される。
以上で説明したワイヤハーネスWH2は、以下の構成を有する。ツイストペアケーブルW2は、数量が電線WBの数量よりも少なく、一対の拘束部材2a、2b間の第1軸方向X1に沿う長さが、一対の拘束部材2a、2b間の電線WBにおける第2軸方向X2に沿う長さの1.1~3.3倍である。このため、本実施形態に係るワイヤハーネスWH2は、一対の拘束部材2a、2b間において、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが屈曲されることによってツイストペアケーブルW2及び電線WBに力が加えられた場合、電線WBに大きな力が加えられ、ツイストペアケーブルW2に加えられる力を小さくすることができる。この結果、本実施形態に係るワイヤハーネスWH2は、ツイストペアケーブルW2に大きな力が加えられることを抑制することができるため、芯線111a、111b、第1シールド層113及び第2シールド層114を保護し、ツイストペアケーブルW2の耐久性を向上することができる。
また、このワイヤハーネスWH2は、以下の構成を有する。ワイヤハーネスWH2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2b間の中間部において、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBを拘束する中間拘束部材2cを有する。このため、一対の拘束部材2a、2b間におけるツイストペアケーブルW2が、第1交差方向Y及び第2交差方向Zに拡がることを中間拘束部材2cによって抑制することができる。この結果、本実施形態に係るワイヤハーネスWH2は、限られたスペースの内部でツイストペアケーブルW2のみに余長部分WA1gを設けることができる。従って、本実施形態に係るワイヤハーネスWH2は、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBをグロメット3に挿入することが容易となり、組み立ての際の作業性を向上することができる。
[第1変形例]
図11は、第2実施形態の第1変形例に係るワイヤハーネスWH2aにおいて、ツイストペアケーブルW2と複数の電線WBとを拘束部材2によって拘束した状態を示す斜視図である。また、図11は、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが配索される前の状態であって、ツイストペアケーブルW2及び各電線WBの一端WA1c、WB1cと他端WA1d、WB1dとの間に力が加えられていない状態を示す斜視図である。より詳細に説明すると、図11は、ツイストペアケーブルW2が余長部分WA1gを有する態様で複数の電線WBと拘束された状態で配索するための治具である支持部材4にツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBを乗せた状態を示す斜視図である。
第1変形例に係るワイヤハーネスWH2aは、第2支持部材4bの配置と、ツイストペアケーブルW2の配置とが、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2と異なる。第1変形例に係るワイヤハーネスWH2aのその他の構成は、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2と同様である。このため、第1変形例に係るワイヤハーネスWH2aは、第2実施形態のワイヤハーネスWH2と異なる点についてのみ以下に説明し、同様の構成については説明を省略する。
第1変形例に係るワイヤハーネスWH2aの第2支持部材4bは、第1柱状部44及び第3柱状部46の第2交差方向Zの位置が、第1支持部材4aと同一となるように作業台に固定してある。
ツイストペアケーブルW2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2b間の内側においては弛んだ状態であり、余長部分WA1gを有している。しかも、ツイストペアケーブルW2の余長部分WA1gは、第2交差方向Zにおいて、蛇行するように配置される。第1変形例に係るワイヤハーネスWH2aは、ツイストペアケーブルW2を以下のように配置してある。ツイストペアケーブルW2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2bの外側に位置する一端WA1c側において、第1軸心1xが第2軸方向X2に沿うよう直線状に配置され、その後、一方の拘束部材2aによって複数の電線WBとともに拘束される。その後、ツイストペアケーブルW2は、第2交差方向Zの他方に折れ曲がった折曲部分WA1jを有し、折曲部分WA1jが第1支持部材4aの第1空間部4s1に配置される。ツイストペアケーブルW2は、その後、中間拘束部材2cによって複数の電線WBとともに拘束された後、第2交差方向Zの他方に折れ曲がった折曲部分WA1kを有し、折曲部分WA1kが第2支持部材4bの第1空間部4s1に配置される。その後、ツイストペアケーブルW2は、他方の拘束部材2bによって複数の電線WBとともに拘束された後、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2bの外側に位置する他端WA1d側において、第1軸心1xが第2軸方向X2に沿った直線状に沿うように配置される。
ワイヤハーネスWH2aは、治具である支持部材4からツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが持ち上げられ、例えば、グロメット3の内部にツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが挿通された後、車体BDと可動部材Dとの間にわたって配索される。車両に配索された後、可動部材Dの可動に伴って、ワイヤハーネスWH2aは、例えば、一方の拘束部材2aと他方の拘束部材2bとが第2交差方向Zにおける他端側に近接するように力が加えられる。上記のようにツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBに力が加えられると、ツイストペアケーブルW2の折曲部分WA1j、WA1kが屈曲部分WA1f、WB1fとなり、ツイストペアケーブルW2の屈曲部分WA1fは、配索材束WCにおける周方向の最も外側に配置される。
[第2変形例]
図12は、第2実施形態の第2変形例に係るワイヤハーネスWH2bにおいて、ツイストペアケーブルW2と複数の電線WBとを拘束部材2によって拘束した状態を示す斜視図である。また、図12は、ツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが配索される前の状態であって、ツイストペアケーブルW2及び各電線WBの一端WA1c、WB1cと他端WA1d、WB1dとの間に力が加えられていない状態を示す斜視図である。より詳細に説明すると、図12は、ツイストペアケーブルW2が余長部分WA1gを有する態様で複数の電線WBと拘束された状態で配索するための治具である支持部材4にツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBを乗せた状態を示す斜視図である。
第2変形例に係るワイヤハーネスWH2bは、支持部材4の個数と、ツイストペアケーブルW2の配置とが、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2と異なる。第2変形例に係るワイヤハーネスWH2bのその他の構成は、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2と同様である。このため、第2変形例に係るワイヤハーネスWH2bは、第2実施形態のワイヤハーネスWH2と異なる点についてのみ以下に説明し、同様の構成については説明を省略する。
第2変形例に係るワイヤハーネスWH2bは、第1支持部材4aと、第2支持部材4bと、第3支持部材4cとの3つの支持部材4を有する。第2変形例に係るワイヤハーネスWH2bは、第1支持部材4a及び第2支持部材4bの配置が、第2実施形態に係るワイヤハーネスWH2の第1支持部材4a及び第2支持部材4bの配置と同一である。第3支持部材4cは、第1柱状部44及び第3柱状部46の第2交差方向Zの位置が、第1支持部材4aと同一となるように作業台に固定してある。第3支持部材4cは、第2軸方向X2において、第2支持部材4bに隣接するように配置してある。
これらの第1支持部材4a、第2支持部材4b、及び、第3支持部材4cは、第2軸方向X2において、一対の拘束部材2a、2b間に配置してある。また、第2軸方向X2において、第2支持部材4bと第3支持部材4cとの間に、中間拘束部材2cを配置してある。
さらに、第1支持部材4a、第2支持部材4b、及び第3支持部材4cは、正面視における第2交差方向Zの第2柱状部45及び第3柱状部46の位置が同一であり、かつ、第2柱状部45と第3柱状部46との間に配置される第2空間部4s2に複数の電線WBを直線状に配置してある。
ツイストペアケーブルW2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2b間の内側においては弛んだ状態であり、余長部分WA1gを有している。しかも、ツイストペアケーブルW2の余長部分WA1gは、第1交差方向X及び第2交差方向Zにおいて、蛇行するように配置される。第2変形例に係るワイヤハーネスWH2bは、ツイストペアケーブルW2を以下のように配置してある。ツイストペアケーブルW2は、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2bの外側に位置する一端WA1c側において、第1軸心1xが第2軸方向X2に沿うように直線状に配置され、その後、一方の拘束部材2aによって複数の電線WBとともに拘束される。その後、ツイストペアケーブルW2は、第2交差方向Zの一方に折れ曲がり、かつ、第1交差方向Yの一方に折れ曲がった折曲部分WA1lを有し、折曲部分WA1lが第1支持部材4aの第1空間部4s1に配置される。ツイストペアケーブルW2は、その後、第2交差方向Zの他方に折れ曲がり、かつ、第1交差方向Yの他方に折れ曲がった折曲部分WA1mを有し、折曲部分WA1mが第2支持部材4bの第1空間部4s1に配置される。その後、ツイストペアケーブルW2は、中間拘束部材2cによって複数の電線WBとともに拘束される。ツイストペアケーブルW2は、その後、第2交差方向Zの一方に折れ曲がり、かつ、第1交差方向Yの一方に折れ曲がった折曲部分WA1nを有し、折曲部分WA1nが第3支持部材4cの第1空間部4s1に配置される。その後、ツイストペアケーブルW2は、他方の拘束部材2bによって複数の電線WBとともに拘束された後、第2軸方向X2における一対の拘束部材2a、2bの外側に位置する他端WA1d側において、第1軸心1xが第2軸方向X2に沿うように直線状に配置される。
ワイヤハーネスWH2bは、治具である支持部材4からツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが持ち上げられ、例えば、グロメット3の内部にツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBが挿通された後、車体BDと可動部材Dとの間にわたって配索される。車両に配索された後、可動部材Dの可動に伴って、ワイヤハーネスWH2bは、一方の拘束部材2aと中間拘束部材2cとが第2交差方向Zにおける他端側に近接するように力が加えられるとともに、第1交差方向Yにおける他端側に近接するように力が加えられる。しかも、ワイヤハーネスWH2bは、中間拘束部材2cと他方の拘束部材2bとが第2交差方向Zにおける他端側に近接するように力が加えられるとともに、第1交差方向Yにおける一端側に近接するように力が加えられる。上記のようにツイストペアケーブルW2及び複数の電線WBに力が加えられると、ツイストペアケーブルW2の折曲部分WA1l、WA1m、WA1nが屈曲部分WA1f、WB1fとなり、ツイストペアケーブルW2の屈曲部分WA1fは、配索材束WCにおける周方向の最も外側に配置される。
なお、上記した第1第2実施形態のワイヤハーネスWH1、WH2、WH2a、WH2bは、1本の高速伝送用配索材WAと、36本の電線WBとを有するものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、高速伝送用配索材WAの数量は1本以上であって電線WBの数量よりも少なければ、適宜の数量に設定することができる。より好ましくは、ワイヤハーネスWH1、WH2、WH2a、WH2bは、1本の高速伝送用配索材WAに対して10本の電線WBを配置することが好ましい。このような本数の数量比であれば、ワイヤハーネスWH1、WH2、WH2a、WH2bに力が加えられた際、光ファイバケーブルW1に加えられる力を小さくすることができる。従って、上記の条件を満たす範囲内において、電線WBの数量は、10本以上であって高速伝送用配索材WAの数量よりも多ければ、適宜の数量に設定することができる。
さらに、上記した第1第2実施形態のワイヤハーネスWH1、WH2、WH2a、WH2bは、車体BDと、前席用のサイドドアである可動部材Dとの間に架け渡して設けられるものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、車体BDと、バックドア、トランクリッド、後席用のサイドドア等の可動部材Dとの間に架け渡して設けてもよい。
また、第1実施形態のワイヤハーネスWH1の構成、及び、第2実施形態のワイヤハーネスWH2、WH2a、WH2bの構成は、ある構成を分離して、適宜、組み合わせることができる。