JP7347968B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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本発明は、車両用灯具に関する。
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(LED)などの光源と、インナーレンズなどの導光体とを組み合わせたものが知られている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
このような車両用灯具では、光源から出射された光を導光体の基端側の端面から導光体の内部へと入射し、導光体の内部で反射を繰り返しながら、導光体の先端側に向けて光を導光させる。また、導光体の背面側に設けられた複数の反射カットで反射された光を導光体の正面側から外部へと出射する。これにより、導光体の正面側を車両用灯具の発光部として発光させることが可能である。
特開2017-195051号公報
ところで、上述した車両用灯具では、導光体の先端側に向けて導光される光の一部が漏れ光として導光体の先端側から正面側に向けて出射されることがある。漏れ光が発生した場合、この漏れ光が発生した箇所が周囲に比べて強く光って見える、いわゆる点光りによって、車両用灯具の発光部における見栄えが悪くなるといった問題があった。
このため、従来の車両用灯具では、導光体の先端部をエクステンションなどの遮光部材で覆って、漏れ光を遮光することが行われている。また、上記特許文献1に記載の発明では、点光りの発生を防ぐため、導光体の先端面を背面側に向かって傾斜した傾斜面とし、この傾斜面に入射した光を導光体の背面側に向かって反射させる構成となっている。
一方、このような構成とした場合、導光体の背面側から外部へと出射された光が導光体の背面と対向するハウジングなどの樹脂部材に反射して、再び導光体の背面側から内部へと入射することがある。このような光は、遮光部材で覆った箇所とは別の位置から漏れ光として出射される可能性がある。その結果、導光体の先端部からの漏れ光が点光りとして見えてしまう虞れがある。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記光源から出射された光を前記導光体の基端側から内部へと入射し、前記導光体の先端側に向けて光を導光させると共に、前記導光体の背面側に設けられた複数の反射カットで反射された光を前記導光体の正面側から外部へと出射することによって、前記導光体の正面側に設けられた発光部を発光させる車両用灯具であって、
前記導光体の先端部は、その先端側に向かって、その正面側が背面側へと傾斜した傾斜部と、前記傾斜部よりも先端側に向かって突出された突出部とを有して、当該先端部から出射される光を拡散させる形状を有し、
前記突出部は、その先端と背面との間に亘って凸状に湾曲した形状を有し、
前記傾斜部は、凹状に湾曲した形状を有することを特徴とする車両用灯具
とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〕 前記突出部の背面が突出した形状を有することを特徴とする前記〔〕に記載の車両用灯具
〕 少なくとも前記発光部を除く前記導光体の先端側を覆うように、前記導光体の正面側に配置された遮光部材を備えることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の車両用灯具。
〕 前面が開口したハウジングと、前記ハウジングの開口を覆うレンズカバーとにより構成される灯体の内側に、前記光源と、前記導光体とが配置されていることを特徴とする前記〔1〕~〔〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
以上のように、本発明によれば、見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る車両用灯具の概略構成を示す断面図である。 導光体の先端部における光の光路を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明の一実施形態として、例えば図1及び図2に示す車両用灯具1について説明する。
なお、図1は、車両用灯具1の概略構成を示す断面図である。図2は、導光体3の先端部30における光Lの光路を示す断面図である。
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
本実施形態の車両用灯具1は、図1に示すように、車両(図示せず。)の後端側の両コーナー部に搭載されるリアコンビネーションランプのうち、テールランプを構成するものである。テールランプは、リアコンビネーションランプを構成する灯体100の内側に配置される。灯体100は、前面が開口したハウジング101と、ハウジング101の開口を覆うレンズカバー102とにより構成される。
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両後方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。
本実施形態の車両用灯具1は、灯体100の内側に、光Lを出射する光源2と、光源2から出射された光Lを導光させる導光体3と、導光体3の先端部30を覆うエクステンション4とが配置された構成を有している。
光源2は、光Lとして、赤色光を発するLEDからなる。また、LEDには、車両照明用の高出力(高輝度)タイプのもの(例えばSMD LEDなど。)を使用している。光源5は、このLEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板(図示せず。)に実装されて、光Lを放射状に出射する。
なお、光源2については、上述したLED以外にも、レーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。また、光源2の数については、1つに限らず複数であってもよい。複数の光源2を用いる場合には、導光体3の基端側の端部に沿って、複数の光源2を並べて配置する。
また、本実施形態では、上述した回路基板にLEDが実装された構成となっているが、LEDが実装された基板(実装基板)と、駆動回路が設けられた基板(回路基板)とを別々に配置し、これら実装基板と回路基板とをハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、LEDが発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。
導光体3は、インナーレンズとして、平板状の光透過性部材からなる。光透過性部材には、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質のものを用いることができる。
また、導光体3は、光源2と対向する基端側から先端側に向かって、車両幅方向に延在した形状を有している。なお、導光体3の形状については、このような平板形状のものに限らず、棒状のものなど適宜変更することが可能である。また、導光体3の一部が湾曲又は屈曲した形状であってもよい。
車両用灯具1では、光源2から出射された光Lを導光体3の基端側の端面(以下、「入射面」という。)3aから導光体3の内部へと入射し、導光体3の内部で反射を繰り返しながら、導光体3の先端側に向けて光Lを導光させる。また、導光体3の背面(以下、「反射面」という。)3b側に設けられた複数の反射カット5で反射された光Lを導光体3の正面(以下、「出射面」という。)3c側から導光体3の外部へと出射する。これにより、上述したテールランプの発光部として、導光体3の出射面3cを赤色発光させることが可能である。
入射面3aは、平面に限らず、光源2から放射状に出射された光Lを平行化又は集光しながら、導光体3の内部へと入射する形状としてもよい。例えば、光源2と対向する部分の中央に位置して、光源2から出射された光Lの一部が入射する凸面状の第1の集光入射面と、第1の集光入射面の周囲を囲む位置から光源2側に突出した部分の内周側に位置して、光源2から出射された光Lの一部が入射する略円筒状の第2の集光入射面と、突出した部分の外周側に位置して、第2の集光入射面から入射した光Lを反射する截頭円錐状の集光反射面とを有して、第1の集光入射面から入射した光Lを光軸寄りに集光させ、第2の集光入射面から入射した光Lを集光反射面で反射させることによって光軸寄りに集光させる構成としてもよい。
複数の反射カット5は、導光体3の反射面3bに入射した光Lを導光体3の出射面3cに対して臨界角未満となる角度(導光体3の出射面3cから光Lが透過する角度)で反射させるものであればよく、その形状や大きさ、数等について、特に限定されるものではない。
例えば、本実施形態において、複数の反射カット5は、断面略三角形となるプリズムカットが導光体3の延在方向に並ぶことによって構成されている。また、本実施形態では、複数の反射カット5の隣り合う間隔が等しくなっている。一方、複数の反射カット5は、テールランプの発光部(出射面3c)をより均一に発光させるため、この発光部の形状に合わせて、導光体3の出射面3c側から出射される光Lの拡散度合いを制御してもよい。具体的には、導光体3の基端側から先端側に向かって、複数の反射カット5の隣り合う間隔が漸次狭くなっていてもよい。
なお、車両用灯具1では、導光体3の背面(反射面3b)と対向するリフレクタを設けた構成としてもよい。これにより、導光体の背面側から外部へと出射された光Lをリフレクタで反射して、再び導光体3の背面側から内部へと入射させることが可能である。
エクステンション4は、導光体3の先端部30から出射される漏れ光を遮光する遮光部材である。エクステンション4は、少なくともテールランプの発光部(出射面3c)を除く導光体3の先端部30を覆うように、導光体3の正面側に配置されている。
ところで、本実施形態の車両用灯具1において、導光体3の先端部30は、当該先端部30から出射される光Lを拡散させる形状を有している。具体的に、導光体3の先端部30は、その先端側に向かって、その正面側が背面側へと傾斜した傾斜部31と、傾斜部よりも先端側に向かって突出された突出部32とを有している。
傾斜部31は、全体として凹状に湾曲した曲面R1を有している。また、導光体3の前面と傾斜部31との間は、凸状に湾曲した曲面R2により連続的に接続されている。この曲面R2により前方に出射される光Lが拡散され、導光体3の先端部30から抜ける光Lが点光りとして視認されることを低減している。一方、傾斜部31と突出部32との間は、凸状に湾曲した曲面R3により連続的に接続されている。
突出部32は、その背面が突出した凸面32aを有している。すなわち、突出部32は、導光体3の反射面3bの延長ラインよりも後方に突出した形状を有している。また、突出部32は、その先端と背面との間に亘って凸状に湾曲した曲面R4を有している。
導光体3の先端部30では、図2に示すように、導光体3の先端側に向かって導光される光Lのうち、当該先端部30に入射した光Lを拡散しながら、導光体3の外部へと出射することが可能である。
これにより、本実施形態の車両用灯具1では、導光体3の先端部30において点光りが発生することを抑制しながら、より均一に発光させることが可能である。また、先端部30から出射した光Lは、拡散されるため、エクステンション4、ハウジング101等の部材により導光体3の出射方向に反射されてしまったとしても、点光りとして視認されることを低減している。
また、導光体3の先端部30では、その先端側に向かって、その正面側が背面側へと傾斜した傾斜部31によって、その正面側から出射される光Lを低減することが可能である。
さらに、傾斜部31(曲面R1)と対向した部分にエクステンション4を配置することで、このエクステンション4と先端部30との間に形成される隙間を小さくすることが可能である。また、エクステンション4の先端が、後方に向かって傾斜している傾斜部31と対向していることで、エクステンション4と導光体3とを近接して配置することが可能である。これにより、導光体3の先端部30から出射される光Lをエクステンション4により適切に遮光することが可能である。
また、傾斜部31自体が曲面R1を有しているため、傾斜部31から抜ける光Lに対しても拡散効果が生じる。したがって、傾斜部31から抜ける光Lは、拡散されるため、エクステンション4、ハウジング101等の部材により導光体3の出射方向に反射されてしまったとしても、点光りとして視認されることを低減している。
また、導光体3の先端部30では、傾斜部31よりも先端側に向かって突出された突出部32のうち、その先端と背面との間に亘って凸状に湾曲した凸部32a(曲面R4)が設けられている。また、凸状となるまで凸部32a(曲面R4)を大きく湾曲させることで、背面側に対する光Lの拡散効果を高めている。この場合、凸部32aにより光Lを拡散しながら、先端部30の背面側から光Lを出射することが可能である。これにより、先端部30の正面側から出射される光Lによる点光りをより低減することが可能である。
以上のように、本実施形態の車両用灯具では、導光体3の先端部30に点光りが発生することを防止しながら、見栄えを良くすることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明が適用される車両用灯具については、上述したテールランプに限らず、例えば、車両用前照灯(ヘッドランプ)、車幅灯(ポジションランプ)、補助前照灯(サブヘッドランプ)、前部(後部)霧灯(フォグランプ)、昼間点灯用ランプ(DRL)、リッドランプ、バックランプ、方向指示器(ウィンカーランプ)など、光源と導光体とを備えた車両用灯具に対して本発明を幅広く適用することが可能である。また、光源が発する光の色については、上述した赤色光に限らず、白色光や橙色光など、その光源の用途に応じて適宜変更することも可能である。
1…車両用灯具 2…光源 3…導光体 3a…入射面 3b…反射面 3c…出射面(発光部) 4…エクステンション(遮光部材) 5…反射カット 30…先端部 31…傾斜部 32…突出部 100…灯体 101…ハウジング 102…レンズカバー L…光

Claims (4)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
    前記光源から出射された光を前記導光体の基端側から内部へと入射し、前記導光体の先端側に向けて光を導光させると共に、前記導光体の背面側に設けられた複数の反射カットで反射された光を前記導光体の正面側から外部へと出射することによって、前記導光体の正面側に設けられた発光部を発光させる車両用灯具であって、
    前記導光体の先端部は、その先端側に向かって、その正面側が背面側へと傾斜した傾斜部と、前記傾斜部よりも先端側に向かって突出された突出部とを有して、当該先端部から出射される光を拡散させる形状を有し、
    前記突出部は、その先端と背面との間に亘って凸状に湾曲した形状を有し、
    前記傾斜部は、凹状に湾曲した形状を有することを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記突出部の背面が突出した形状を有することを特徴とする請求項に記載の車両用灯具。
  3. 少なくとも前記発光部を除く前記導光体の先端部を覆うように、前記導光体の正面側に配置された遮光部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
  4. 前面が開口したハウジングと、前記ハウジングの開口を覆うレンズカバーとにより構成される灯体の内側に、前記光源と、前記導光体とが配置されていることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の車両用灯具。
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