JP7347867B2 - 活性酸素水および活性酸素水の製造方法 - Google Patents
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Description
遷移金属イオン、過酸化水素、ウルトラファインバブル、ヒドロキシラジカル、次亜塩素酸、および三重項酸素を含有する活性酸素水であって、
前記遷移金属イオンは、標準酸化還元電位が前記活性酸素水の酸化還元電位よりも低く、
前記ウルトラファインバブルは直径が150nm以下であり、
前記活性酸素水は、酸化還元電位が770mV超、950mV以下で、pHが5.5以上、6.8以下であり、かつ、前記ヒドロキシラジカルを継続的に発生する、
活性酸素水である。
上記本発明の活性酸素水を製造する方法であって、
前記活性酸素水は酸化還元電位が770mV超、950mV以下であり、
水に、塩酸および遷移金属塩化物を添加して溶解させる溶解工程と、
前記溶解工程後の水溶液を電解する電解工程と、
を有し、
前記遷移金属塩化物に含まれる遷移金属イオンは、標準酸化還元電位が前記活性酸素水の酸化還元電位よりも低い、
活性酸素水の製造方法である。
以下に、本発明の活性酸素水およびその製造方法を詳述する。
本発明の活性酸素水は、遷移金属イオン、過酸化水素、ウルトラファインバブル、ヒドロキシラジカル、次亜塩素酸、および三重項酸素を含有するものである。なお、本発明において遷移金属とは、周期表の第3族から第11族に属する金属元素のことをいう。
活性酸素水に含まれる遷移金属イオンは、標準酸化還元電位が前記活性酸素水の酸化還元電位よりも低ければよい。このような遷移金属イオンとしては、例えば、スカンジウムイオン、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、および銅イオンが挙げられる。これらの中でも、銅イオンは単位時間当たりにより多くヒドロキシラジカルを発生させることが可能であるため特に好ましく用いることができる。
なお、本発明において酸化還元電位は、Pt電極を用い、比較電極を標準水素電極(N.H.E.)として25℃で測定した場合の値をいうものとする。ただし、25℃で、比較電極として3.33mol/LのKClを内部液とするAg/AgCl電極を用いた場合には、下記式で換算した値をいうものとする。
EN.H.E = E + 206 mV
Fe2+ + H2O2 → Fe3+ + OH・ + OH- 反応式(1)
なお、上記の反応式(1)に示す通り、ヒドロキシラジカルの供給源は過酸化水素である。本発明の活性酸素水は過酸化水素を含有しており、かつ、活性酸素水のpHが5.5以上、6.8以下であるため、活性酸素水中には過酸化水素が安定して存在している。さらに、過酸化水素は、2OH-→H2O2(E0=880mV)という反応により水酸化物イオンから生成されるため、活性酸素水の酸化還元電位が880mV以上であれば、過酸化水素は生成され続ける。このように本発明の活性酸素水においては、水酸化物イオンから過酸化水素が生成する反応も生じているため、上記反応式(1)の反応が進行することによって過酸化水素が消費されたとしても、過酸化水素の総量はある程度一定に保たれる。なお、上記反応式(1)の反応は可逆反応であるため、活性酸素水の酸化還元電位が880mV以下の場合でも、活性酸素水が密閉容器に保管されていて酸化還元電位が770mV超であれば、ヒドロキシラジカルの生成反応が可逆的に生じるためH2O2が枯渇することはほぼ無いといえる。このため、本発明の活性酸素水は、長期間にわたってヒドロキシラジカルを生成することができる。
本発明の活性酸素水は、例えば、容器中で6ヶ月程度保存されていた場合であっても、酸化還元電位が770mV超、950mV以下である限り、上記反応が生じており、ヒドロキシラジカルを生成し続ける。
なお、遷移金属イオンが銅イオンや他の遷移金属イオンの場合にも同様の反応が生じ、ヒドロキシラジカルが継続的に発生する。
なお、活性酸素水のpHを安定させる観点からは、活性酸素水には緩衝剤として炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)および塩化カルシウム(CaCl2)が溶解されていることが好ましい。
ウルトラファインバブルは、いずれの種類のであっても、表面が負電荷を帯びているため、ここに遷移金属イオンが引き寄せられ、上記反応式によるヒドロキシラジカルの生成の触媒作用を担うと考えられる。また、例えば、ウルトラファインバブルは、活性酸素水を皮膚に作用させた場合に、毛穴に入り込んで汚れを掻き出すため、活性酸素水による消毒効果を高めることができる。さらに、三重項酸素のウルトラファインバブルを含むことで、活性酸素水の溶存酸素量を増やすことができ、また、活性酸素水の溶存酸素量が多い状態を長期間にわたって維持することができる。
活性酸素水の溶存酸素量は、例えば、飽和溶存酸素量に対して100%以上であることが好ましい。活性酸素水の飽和溶存酸素量に対する溶存酸素量は、活性酸素水を製造する際に、後述するバブリング工程を行って三重項酸素のウルトラファインバブルを発生させることで、100%以上とすることができ、200%以上とすることもできる。なお、上述のように、三重項酸素が活性酸素水中でウルトラファインバブルとして存在する場合には、上記反応式(1)の触媒作用を担うと考えられる。
さらに、活性酸素水にワセリンを含有させることで、例えば、傷薬などの医薬品に応用することが可能である。
CYPMPOはスピントラッピング剤であり、下記反応式(2)に示すように、ヒドロキシラジカルと反応してCYPMPO-OHを生成する。このため、CYPMPO-OHの生成量を、活性酸素水とCYPMPOと反応させた時間(すなわち、活性酸素水にCYPMPOを添加してから測定するまでの時間)で除することにより、CYPMPOと反応したヒドロキシラジカルの1秒あたりの量を算出することができる。また、CYPMPOと反応したヒドロキシラジカルの量を求めるには、ESR測定により得られたCYPMPO-OHのスペクトルの積分値(面積)を、標準物質の面積と比較することにより行うことができる。
なお、本発明においては、1秒あたりにCYPMPOと反応したヒドロキシラジカルの量を1秒当たりのヒドロキシラジカルの生成量として扱う。
本発明の活性酸素水の製造方法は、溶解工程と、電解工程と、を有するものであり、さらに必要に応じてバブリング工程を有していてもよい。
以下に各工程を詳述する。
この工程は、水に塩酸および遷移金属塩化物を添加する工程である。
水は、特に限定されるものではないが、電解工程において所望の反応を確実に進行させて活性酸素水の製造の再現性を高めるためや、活性酸素水を人体に適用することなどを考慮すると、純水を用いることが好ましい。純水としては、電気伝導率が10μS/cm以下のものであることが好ましい。純水の電気伝導率は9μS/cm以下であることがより好ましく、7μS/cm以下であることが更に好ましい。
なお、逆浸透膜には、孔の大きさが数ナノメートル程度でイオンや塩類などの阻止率が比較的低いNF膜(Nanofiltration Membrane)もあるが、この場合には電気伝導率を10μS/cm以下にすることはできない。電気伝導率が10μS/cm以下の純水を得るためには、孔の大きさが2nmのRO膜を利用する必要がある。また、イオン交換膜や活性炭等に通水して原水中の有機物やイオンをある程度除去してから、逆浸透膜に通水することが好ましい。
遷移金属塩化物に含まれる遷移金属イオンは、標準酸化還元電位が、製造される活性酸素水の酸化還元電位よりも低いものであればよい。前述のように、このような遷移金属イオンとしては、例えば、スカンジウムイオン、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、および銅イオンが挙げられる。遷移金属塩化物としては、塩化鉄(II)(FeCl2)や塩化銅(II)(CuCl2)を用いることが好ましい。
また、pHを安定させるためには、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)および塩化カルシウム(CaCl2)を添加することが好ましい。
遷移金属塩化物は、濃度が1ppm以上、15ppm以下程度となるように添加することが好ましい。
炭酸水素ナトリウムや塩化カルシウムを添加する場合には、活性酸素水のpHが5.5以上、6.8以下の範囲となるように添加すればよい。
この工程では、上記のようにして、塩酸および遷移金属塩化物を添加し、さらに必要に応じて炭酸水素ナトリウムおよび塩化カルシウムを添加して溶解した水溶液の電気分解を行う。電気分解を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば、電極としてプラチナ電極(系において安定な電極)を用いて、1Lあたり5分以上、15分以下程度、100V程度の電圧を印加すればよい。
電気分解は、水溶液の酸化還元電位が770mV超、950mV以下となるように行えばよい。電気分解をすることにより、過酸化水素および次亜塩素酸が生成し、さらに酸化還元電位を770mV超、950mV以下とすることにより、ヒドロキシラジカルが生成する。
また、電解工程を経ることで、過酸化水素、および直径が50nm以上、150nm以下程度のウルトラファインバブルが活性酸素水中に生成する。もちろん、電解条件によっては直径が50nm未満のウルトラファインバブルも発生する。
この工程は、前記電解工程の前に、前記水または前記水溶液に三重項酸素のウルトラファインバブルを発生させる工程である。溶解工程の前にバブリング工程を行う場合には前記水に三重項酸素のウルトラファインバブルを発生させればよく、また、溶解工程の後にバブリング工程を行う場合には、前記水溶液に三重項酸素のウルトラファインバブルを発生させればよい。
また、電解工程を行う前にバブリング工程を行うことで、電解工程において用いる水溶液中の溶存酸素量を増やすことができる。溶存酸素量が多い水溶液を用いて電解工程を行うことで、電解工程で過酸化水素を生成しやすくすることができる。
(純水製造工程)
原水として水道水を利用し、日本ウォーターシステム株式会社製のMXRを用いて、電気伝導率が9μS/cm以下の純水を得た。
(溶解工程)
上記のようにして作製した純水50Lに、9%HClを30mL添加した。
さらに、1mol/LのNaHCO3を70mL、2mol/LのCaCl2を10mL、1mol/LのFeCl2を250μl添加して溶解させて水溶液を得た。
この水溶液のpHを株式会社堀場アドバンステクノ製のガラス電極式水素イオン濃度指示計D-210PCを用いて測定したところ、pHは6.3±0.3であった。
(電解工程)
上記のようにして得た水溶液を、株式会社ホクエツ製の微酸性電解水生成装置(Apia60N)を用いて電気分解した。電圧は100Vとし、50分間電気分解した。
まず、溶存酸素量を株式会社堀場アドバンステクノ製の溶存酸素電極9552-20D(ガルバニセル法)を用いて測定したところ、18.2±1.84mg/L(18.2±1.84ppm)であった。
XO法によって活性酸素水中のH2O2の濃度を測定したところ8.7±2.7mg/L(8.7±2.7ppm)の過酸化水素が生成したことを確認できた。
株式会社堀場アドバンステクノ製の防水白金複合形ORP電極9300-10Dを用いて活性酸素水の酸化還元電位を測定したところ、917.5±13.4mVであった。
柴田科学株式会社製の有効塩素濃度測定キットAQ-202P(ヨウ素試薬吸光光度法)を用いて活性酸素水の有効塩素濃度を測定したところ、55.2±3.2mg/L(55.2±3.2ppm)であった。
株式会社堀場アドバンステクノ製の電気伝導率電極9383-10D(交流2極法)を用いて活性酸素水の電気伝導率を測定したところ、295.5±15.7μS/cmであった。
また、活性酸素水の硬度は40であった。
実施例1の溶解工程において、FeCl2の代わりに1mol/LのCuCl2を250μl添加した以外は実施例1と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例1の溶解工程において、FeCl2を添加しなかった以外は実施例1と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例1の溶解工程において、FeCl2の代わりに1mol/LのZnCl2を250μl添加した以外は実施例1と同様にして活性酸素水を製造した。
市販品の消毒液として、弱アルカリ性で有効塩素濃度が20ppmのmixed oxydantを用意した。
実施例2において、電解工程を行う前に、バブリング工程を10分間行った以外は実施例2と同様にして活性酸素水を製造した。バブリング工程は、アスピレーターを用い、医療用酸素を5L/minで供給しながら水溶液を通水させることによって行った。
比較例1において、電解工程を行う前にバブリング工程を行った以外は比較例1と同様にして活性酸素水を製造した。バブリング工程は実施例3と同様にして行った。
比較例2において、電解工程を行う前にバブリング工程を行った以外は比較例2と同様にして活性酸素水を製造した。バブリング工程は実施例3と同様にして行った。
実施例3と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例4において製造した活性酸素水に、同量のワセリン(サンホワイト)を混合し、攪拌した。
比較例3と同じmixed oxydantを用意した。
実施例3の溶解工程において、1mol/LのCuCl2の代わりに0.5mol/LのCuCl2を500μl添加し、また、バブリング工程において、アスピレーターの絞りを変えた以外は実施例3と同様にして銅イオンを含む活性酸素水を製造した。
実施例6の溶解工程において、CuCl2の代わりに、の0.5mol/Lの塩化スカンジウム(III)(ScCl3)を500μl添加した以外は実施例6と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例6の溶解工程において、CuCl2の代わりに、0.5mol/Lの塩化チタン(III)(TiCl3)を500μl添加した以外は実施例6と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例6の溶解工程において、CuCl2の代わりに、0.5mol/Lの塩化バナジウム(III)(VCl3)を500μl添加した以外は実施例6と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例6の溶解工程において、CuCl2の代わりに、0.5mol/Lの塩化クロム(III)(CrCl3)を500μl添加した以外は実施例6と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例6の溶解工程において、CuCl2の代わりに、0.5mol/Lの塩化マンガン(II)(MnCl2)を500μl添加した以外は実施例6と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例3の溶解工程において、1mol/LのCuCl2の代わりに0.5mol/LのCuCl2を500μl添加し、また、バブリング工程において、アスピレーターの絞りを変えた以外は実施例3と同様にして銅イオンを含む活性酸素水を製造した。
実施例12の溶解工程において、CuCl2の代わりに、0.5mol/Lの塩化コバルト(III)(CoCl3)を500μl添加した以外は実施例6と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例12の溶解工程において、CuCl2の代わりに、0.5mol/Lの塩化ニッケル(II)(NiCl2)を500μl添加した以外は実施例6と同様にして活性酸素水を製造した。
実施例3と同様にして活性酸素水を製造し、これを密閉容器にいれたまま3箇月間静置した。
実施例3と同様にして活性酸素水を製造し、これを密閉容器にいれたまま8箇月間静置した。
(ヒドロキシラジカルの測定)
実施例1~16の活性酸素水および比較例1~6の水溶液について、ヒドロキシラジカルの生成量を以下のようにして測定した。なお、各活性酸素水および各水溶液は、実施例1、2、比較例1~3のグループと、実施例3、比較例4、5のグループと、実施例4、5、比較例6のグループと、実施例6~11のグループと、実施例12~14のグループと、実施例15のグループと、実施例16のグループとに分け、それぞれのグループ毎に製造および測定を行った。ただし、各活性酸素水および各水溶液を製造してから測定するまでの期間は、各グループ間で異なっている。
まず、スピントラップ試薬として、Cayman Chemical社製のCYPMPOが5mg入った瓶を用意し、これに精製水200μLを加えて溶かした。続いて、各実施例および各比較例の試料160μLにCYPMPO水を40μL加えた。
各試料を扁平セルに入れてESR測定を行った。
主な測定条件は以下の通りである。
装置 EMXplus (BRUKER 社)
条件 測定温度 室温
中心磁場 3515G付近
磁場掃引範囲 100G
変調 100kHz,1G
マイクロ波 9.87GHz,4mW
掃引時間 60s×4times
時定数 81.92ms
データポイント数 1000points
キャビティ Super-high-Q
全ての試料においてCYPMPO-OH(CYPMPOのOHラジカルアダクト)が観測された。これより、各試料中にはOHラジカルが発生していることが確認された。その他の活性酸素ラジカル(スーパーオキシドなど)は検出されなかった。
各試料にCYPMPO水を添加したタイミングを測定開始時間とし、それぞれ6分17秒後にCYPMPO-OHの濃度を測定し、CYPMPOと反応したヒドロキシラジカルの1秒あたりの量を算出した。その結果を表1から表6および図1から図6に示す。
また、バブリング工程を行った試料(実施例3~16)においてもヒドロキシラジカルが生成していることを確認することができ、さらにこれらの試料は溶存酸素量が多い状態を長期間にわたって維持できることが確認できた。
さらに、表3および図3の実施例5に示すように、本発明の活性酸素水は、ワセリンを含有していても多くのヒドロキシラジカルを生成し続けることが確認できた。
また、表4、表5および図4、図5の実施例7~11、13、14に示すように、鉄および銅以外の遷移金属イオンを含む場合にもヒドロキシラジカルの生成能が高い活性酸素水が得られることが確認できた。
そして、表6および図6に示すように、本発明の活性酸素水は、3箇月経過後(実施例15)、8箇月経過後(実施例16)においてもヒドロキシラジカルの生成能が高いことが確認できた。
なお、各試料とCYPMPOとの反応時間を22分としてCYPMPO-OHの濃度を測定した場合にも、同様の結果が得られた。
実施例1から実施例16の活性酸素水に波長532nmのレーザービームを照射するとチンダル現象を観測できた。また、Particle Tracking Analysis法によるナノ粒子解析システムNanoSight(日本カンタム・デザイン株式会社)を用いて解析することにより、実施例1から実施例16の活性酸素水に含まれるウルトラファインバブルは直径が150nm以下であることを確認した。
実施例3において作製した活性酸素水で手の消毒を行い、その後、手形培地(SCD-LP寒天)に押し当てた。手を押し当てた手形培地を37℃で一晩培養し、手にどの程度の細菌が残留していたかをチェックした。その結果を図7に示す。また、比較として、活性酸素水で消毒を行う前の手を手形培地に押し当てたもの、およびアルコール消毒を行った手を手形培地に押し当てた手形培地を37℃で一晩培養した。その結果を、図8および図9に示す。
図8および図9に示すように、本発明の活性酸素水で消毒を行わなかった場合には、培地11には細菌のコロニー12が多数観察された。一方、図7に示すように、本発明の活性酸素水で消毒を行った場合には培地11には細菌のコロニー12が1つしか観察されなかった。これにより本発明の活性酸素水で消毒を行うことにより殆どの細菌を除去でき、ヒドロキシラジカルによる消毒効果が高いことが確認できた。
12 細菌のコロニー
Claims (11)
- 遷移金属イオン、過酸化水素、ウルトラファインバブル、ヒドロキシラジカル、次亜塩素酸、および三重項酸素を含有する活性酸素水であって、
前記遷移金属イオンは、標準酸化還元電位が前記活性酸素水の酸化還元電位よりも低く、
前記ウルトラファインバブルは直径が150nm以下であり、
前記活性酸素水は、酸化還元電位が770mV超、950mV以下で、pHが5.5以上、6.8以下であり、かつ、前記ヒドロキシラジカルを継続的に発生する、
活性酸素水。 - 過酸化水素の濃度が3.0ppm以上、15.0ppm以下である、
請求項1に記載の活性酸素水。 - 前記ウルトラファインバブルは、三重項酸素によるものを含む、
請求項1または2に記載の活性酸素水。 - 前記ヒドロキシラジカルを、1秒当たり2000兆個以上発生する、
請求項1または2に記載の活性酸素水。 - 前記活性酸素水は、溶存酸素量が飽和溶存酸素量に対して100%以上である、
請求項1または2に記載の活性酸素水。 - 有効塩素濃度が10ppm以上、60ppm以下である、
請求項1または2に記載の活性酸素水。 - さらにワセリンを含有する、請求項1または2に記載の活性酸素水。
- 請求項1に記載の活性酸素水を製造する方法であって、
前記活性酸素水は酸化還元電位が770mV超、950mV以下であり、
水に、塩酸および遷移金属塩化物を添加して溶解させる溶解工程と、
前記溶解工程後の水溶液を電解する電解工程と、
を有し、
前記遷移金属塩化物に含まれる遷移金属イオンは、標準酸化還元電位が前記活性酸素水の酸化還元電位よりも低い、
活性酸素水の製造方法。 - 前記電解工程の前に、前記水または前記水溶液に三重項酸素のウルトラファインバブルを発生させるバブリング工程を有する、
請求項8に記載の活性酸素水の製造方法。 - 前記溶解工程において、さらに炭酸水素ナトリウムおよび塩化カルシウムを添加する、
請求項8または9に記載の活性酸素水の製造方法。 - 前記水は、原水を逆浸透膜に通水することにより電気伝導率を10μS/cm以下としたものである、
請求項8または9に記載の活性酸素水の製造方法。
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