JP7347022B2 - 楽器用錘、鍵盤 - Google Patents

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Description

本発明は、楽器等に適用される楽器用錘、鍵盤に関する。
従来、楽器等に適用される楽器用錘が知られている。例えば、アコースティックピアノ等の鍵盤楽器の各鍵には、演奏時のタッチ感(重さ)の調整に用いられる金属製の錘が取り付けられている。例えば、錘は、鍵を左右に貫通する貫通穴に挿入され、固定される。鍵盤用の錘は、例えば鍵盤の低音側の鍵は重く、高音側の鍵は軽くなるように鍵に取り付けられることで、ハンマーの大きさや重さが違っていても静的な荷重が近くなるように調整され、演奏時のタッチ感が向上する。
錘を鍵の貫通穴に固定するには、一般に、かしめ部を専用の工具でかしめ加工することで拡張させ、貫通穴内壁に食い込ませることが行われる。近年、鉛のような有害物質の使用を避けて錘の材料を選定する必要があることから、鉄のような鉛に比べて硬質の金属を錘に用いた場合でも、かしめ加工に必要な荷重を低減する工夫をした錘が提案されている。
特許文献1は、円筒状の錘の端面付近であって外周面に切欠溝を形成することで、かしめ部を形成している。特許文献2は、円筒状の錘の端面であって外周面付近に切欠溝を形成することで、かしめ部を形成している。特許文献1、2に開示される錘は、いずれも切欠溝を有することから、かしめ部が貫通穴内壁側に倒れやすくなっている。
特開2003-177740号公報 WO2018/173219号公報
しかしながら、かしめ部のかしめ加工は、かしめ部の曲げだけでなく鍛造による変形(塑性変形)を伴うため、かしめ荷重が大きくなる。かしめ荷重が大きいと、かしめに用いる工具の寿命が低くなる。鉄等の、鉛に比べて硬い金属を変形させるために要する力は大きいことから、かしめ荷重の増加を抑制する観点で、改善の余地があった。
本発明の一つの目的は、かしめ荷重を低減することができる楽器用錘、鍵盤を提供することである。
本発明の一形態によれば、端面と、前記端面に隣接する外面と、を有する錘本体を有する楽器用錘であって、前記錘本体の前記端面に第1の溝部が形成されると共に前記錘本体の前記外面に第2の溝部が形成されることによって、前記錘本体と繋がったかしめ部が形成されている、楽器用錘が提供される。
本発明の一形態によれば、かしめ荷重を低減することができる。
第1の実施の形態に係る楽器用錘の斜視図である。 楽器用錘が鍵にかしめられる様子を示す模式的断面図である。 鍵を楽器用錘の挿入方向から見た図である。 1つのかしめ部の拡大断面図である。 かしめ固定された楽器用錘の部分断面図である。 第2の実施の形態の第1の例に係る楽器用錘の斜視図である。 第1の例に係る楽器用錘の側面図である。 第2の例に係る楽器用錘の斜視図である。 第2の例に係る楽器用錘の側面図である。 楽器用錘を端面側から見た模式図である。 図7のA-A線に沿う部分断面図である。 変形例の楽器用錘の斜視図である。 変形例の楽器用錘の斜視図である。 変形例の楽器用錘の部分断面図である。 変形例の楽器用錘の部分断面図である。 楽器用錘がギターヘッドに適用される例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る楽器用錘の斜視図である。図2は、楽器用錘10が鍵にかしめられる様子を示す模式的断面図である。本実施の形態では、楽器用錘10が、鍵盤楽器の鍵盤の鍵20に適用される例を示す。
楽器用錘10は、外面18を有する略円柱状に形成された錘本体11を有する。楽器用錘10の全体は、例えば鉄等の金属によって形成されている。楽器用錘10の形成材料は、鉄に限定されず、例えば銅等の他の金属や、金属と他の材料とで構成される混合材料も採用可能である。
図3は、鍵20を楽器用錘10の挿入方向から見た図である。楽器用錘10は、鍵20に形成された挿入穴21に挿入固定される。楽器用錘10は、複数の各鍵20にかしめにより固定されることで、複数の鍵20と共に鍵ユニット20Aを構成する。1つの鍵20に固定される楽器用錘10の数は問わない。鍵20の挿入穴21は、例えば、鍵20の長手方向の複数箇所に形成されている。楽器用錘10は、複数の挿入穴21のうち少なくとも1つに挿入され固定される。図3に示す例では、挿入穴21が2つ形成され、そのうち1つの挿入穴21に楽器用錘10が固定されている。
図2に示すように、鍵20の挿入穴21は、鍵20の側面から鍵20の左右方向(図3において紙面に直交する方向)に形成されている。挿入穴21は、楽器用錘10の円柱形状に対応した貫通穴であり(図2)、鍵20の左右方向両側の側面に開口している。挿入前において、楽器用錘10の錘本体11の外径は、挿入穴21の内径と一致するか、または、挿入穴21の内径よりも僅かに小さい。錘本体11の軸方向が鍵20の挿入穴21の深さ方向(挿入穴21の軸方向)に一致するように、楽器用錘10は挿入穴21に挿入される。
図1、図2に示すように、錘本体11は、軸方向両側に、錘本体11の軸方向に直交する端面12を有する。外面18は両方の端面12に隣接している。錘本体11の各端面12の周縁部分には、各端面12の周縁に沿って延びる第1の溝部13が形成されている。第1の溝部13は、端面12の周縁に沿う環状に形成されている。錘本体11の外面18には、第2の溝部19が形成されている。第2の溝部19は、外面18における、各端面12に近い位置に全周に亘って環状に形成されている。第1の溝部13と第2の溝部19とが形成されたことで、錘本体11と繋がった複数のかしめ部16から成るかしめ形成部14が形成されている。第1の溝部13および第2の溝部19は、錘本体11の軸方向両側に1組ずつ形成される。従って、かしめ形成部14は、錘本体11の軸方向両側に存在する。
かしめ形成部14には、複数のスリット17が形成されている。複数のスリット17が形成されることで、かしめ形成部14は3つ以上(図1の例では4つ)のかしめ部16に分割されている。かしめ形成部14の周方向における各かしめ部16の長さは互いに等しい。すなわち、かしめ形成部14は、かしめ形成部14の周方向(錘本体11の周方向)の4箇所に形成されたスリット17によって、周方向に均等の4つのかしめ部16に分割されている。従って、複数のかしめ部16の形成が容易である。なお、かしめ形成部14の周方向における各かしめ部16の長さは、一様であることに限らず、ばらつきがあってもよい。
第1の溝部13の内面のうち錘本体11の径方向内側に向く外側内側面13aは、錘本体11の軸方向において第1の溝部13の底部から開口に向かうにしたがって錘本体11の径方向外側に傾斜している。錘本体11の軸方向に対する第1の溝部13の外側内側面13aの傾斜角度θは、30~60度が好ましい。第1の溝部13の幅(溝幅)方向において外側内側面13aに対面する内側内側面13bは、錘本体11の径方向に略垂直に形成されている。内側内側面13bの錘本体11の軸方向に対する傾斜角度は0度である。なお、これらの傾斜角度は例示した値に限定されない。
かしめ部16は、錘本体11の径方向において第1の溝部13の外側に位置する部分でもある。図2に示すように、かしめ用工具30を用いてかしめ部16を鍵20の挿入穴21内面に食い込ませることで、楽器用錘10を鍵20に固定することができる。かしめ用工具30は、棒状の工具本体31の先端外周部に、かしめ用突起32を突出させて構成されている。かしめ用突起32は、楽器用錘10のかしめ部16を錘本体11の径方向外側へ曲げるためのものである。かしめ用突起32は、曲げ対象となるかしめ部16に対応して設けられる。
作業者は楽器用錘10を挿入穴21に挿入する。次に作業者は、一対のかしめ用工具30を、楽器用錘10の軸方向両側から挿入穴21に近づけていく。かしめ用工具30は、かしめ用突起32をかしめ部16の外側内側面13aに沿わせて楽器用錘10の第1の溝部13に押し込んでいくことで、かしめ用突起32によってかしめ部16を錘本体11の径方向外側へ曲げる(倒す)。この作用により、かしめ部16が挿入穴21内面に食い込み、楽器用錘10が鍵20に固定される(図5)。
なお、かしめ形成部14のスリット17の幅寸法が充分(例えば、1mm以上)あれば、かしめ部16をかしめ用工具30を用いて錘本体11の径方向外側へ曲げる際に、スリット17を介して隣り合うかしめ部16同士の接触を回避することができる。しかも、曲げ対象外のかしめ部16の曲げ(連れ曲げ)も回避できる。
なお、図3に示す例では、1つの挿入穴21に対して、4つあるかしめ部16のうち端面側から見て対向位置にある一対のかしめ部16だけがかしめられている。このように、2つのかしめ部16がかしめられるだけでも、楽器用錘10を鍵20に充分に安定して固定することができる。なお、かしめ状態を安定させる観点からは、楽器用錘10の端面側から見て対向位置に設けられる少なくとも一対のかしめ部16が設けられればよい。かしめに用いられない他の2つのかしめ部16は、当初から設ける必要はない。
ところで、かしめ加工は一般に、かしめ部の曲げだけでなく塑性変形を伴うため、かしめ荷重が大きくなる。かしめ用工具30の耐久性を高めるためには、かしめ荷重を低くすることが望まれる。そこで本実施の形態では、かしめ部16の形状に関し、工夫が施されている。
図4は、1つのかしめ部16の拡大断面図である。4つのかしめ部16の形状は共通であるので、代表して1つのかしめ部16の詳細な構成について説明する。図4は、図2と同様に、端面12の図心Gを通り端面12に垂直な所定の断面による断面形状を示している。すなわち、所定の断面は、図心Gを通り錘本体11の軸方向に垂直な断面であり、特に、第1の溝部13と第2の溝部19との最短距離が最短となる断面である。図4に示すように、かしめ部16において、所定の断面による断面形状において、第1の溝部13と第2の溝部19との距離が最短となる位置が接続部16aである。接続部16aの幅はBminである。かしめ部16は、接続部16aと、接続部16aから先端側の変位部16bとから成る。接続部16aは、錘本体11に対して変位部16bを接続する。変位部16bは、錘本体11にかしめ用工具等によって力が加えられたときに変位(変形を含む)する。変位部16bが変位して挿入穴21内面に食い込み、楽器用錘10が鍵20に固定される。
ここで、上記断面形状において、接続部16aの幅方向と平行な方向の幅に関し、変位部16bは、接続部16aの幅Bminよりも大きい部分を有する。例えば、幅B3は、接続部16aの幅Bminより大きい。この構成により、かしめ部16を接続部16aで曲がりやすくすることができる。また、上記断面形状における、かしめ部16の変位部16bの全領域において、端面12に垂直な方向の幅(B2等)と端面12に平行な方向の幅(B1等)のいずれも、接続部16aの幅Bminよりも大きい。この構成により、かしめ部16を接続部16aで曲がりやすくすることができる。このような形状により、かしめ加工によって挿入穴21内面に食い込ませる際のかしめ部16の変形は、鍛造と曲げ変形のうち曲げ変形が支配的となる。主として接続部16aにて曲がり変形するので、かしめ部16が倒れやすくなり、かしめ荷重が低減される。
また、上記断面形状において、接続部16aの幅Bminは、端面12からの第1の溝部13の深さD1よりも小さい。この構成により、かしめ加工時に、かしめ用工具30のかしめ用突起32の先端が第1の溝部13の溝底に当たることが回避されるので、かしめ用工具30の充分な可動ストロークが確保される。
図5は、かしめ固定された楽器用錘10の部分断面図である。かしめられた楽器用錘10は、主として接続部16aで曲がり、変位部16bが変位した状態で挿入穴21の内面に食い込んでいる。楽器用錘10を固定した鍵20を複数作製することで、鍵ユニット20Aが製造される。
本実施の形態によれば、錘本体11の端面12に第1の溝部13が形成され、錘本体11の外面18に第2の溝部19が形成されることによって、錘本体11と繋がったかしめ部16が形成されている。従って、かしめ荷重を低減することができる。特に、端面12の図心Gを通り端面12に垂直な所定の断面による断面形状において、接続部16aの幅方向と平行な方向の幅に関し、変位部16bは、接続部16aの幅Bminよりも大きい部分を有する。また、かしめ部16の変位部16bの全領域において、端面12に垂直な方向の幅(B2等)と端面12に平行な方向の幅(B1等)のいずれも、接続部16aの幅Bminよりも大きい。従って、かしめ部16を接続部16aで曲がりやすくすることができる。
また、上記断面形状において、接続部16aの幅Bminは、端面12からの第1の溝部13の深さD1よりも小さいので、かしめ用工具30の充分な可動ストロークが確保される。従って、かしめ用工具30の単位ストロークあたりの変形量を少なくできるので、耐久性向上に寄与する。
また、第1の溝部13は、端面12において周縁に沿って形成されるので、第1の溝部13の形成が容易である。さらに、第2の溝部19は、外面18において端面12の周縁に沿って形成されるので、第2の溝部19の形成が容易である。
また、かしめ形成部14は、スリット17によって周方向に均等分割されるので、複数のかしめ部16の形成が容易である。また、少なくとも一対のかしめ部16が、端面12側から見て対向位置に設けられるので、かしめ状態が安定する。
なお、楽器用錘10は、片側の端面12だけが挿入穴21に対してかしめ固定されてもよい。従って、かしめ部16は、錘本体11の軸方向における片方の端面12側だけに設けられてもよい。また、かしめ対象となる端面12側において、かしめ部16は最低限1つであってもよい。なお、各端面12側に設けられるかしめ部16の数は問わない。また、スリット17は必須でない。
(第2の実施の形態)
図6~図11で、本発明の第2の実施の形態を説明する。図6、図7はそれぞれ、本実施の形態の第1の例に係る楽器用錘10の斜視図、側面図である。図8、図9はそれぞれ、本実施の形態の第2の例に係る楽器用錘10の斜視図、側面図である。図10は、第1の例または第2の例の楽器用錘10を端面12側から見た模式図である。まず、本実施の形態の第1の例を説明する。
第1の例の楽器用錘10は、第1の実施の形態に対し、各端面12に、第1の溝部13に代えて第1の溝部113を有すると共に、外面18における各端面12の近傍に、第2の溝部19に代えて第2の溝部119を有する点が異なる。なお、第1の例では、各端面12側において、2つの第1の溝部113と2つの第2の溝部119とによってかしめ部116が2つ形成される。なお、本実施の形態の第1の例(図6、図7)および第2の例(図8、図9)においても、第1の実施の形態と同様に、設けられるかしめ部の数は問わない。また、スリット17は設けられないが、設けられてもよい。
図6、図7に示すように、第1の溝部113は、錘本体11の軸方向から見て(端面12側から見て)直線状である。また、側面視(軸方向に直交する方向視)で、第1の溝部113の底形状は円弧状である。第1の溝部113は、例えば、円形のカッタを錘本体11の軸方向に移動させることで、端面12に形成できる。第2の溝部119は、側面視で、略直線状である。また、図10に示すように、端面12側から見て、第2の溝部119の底形状は直線状である。第2の溝部119は、例えば、カッタを第1の溝部113と平行で錘本体11の軸方向に垂直な方向に移動させることで、外面18に形成できる。
ここで、第1の溝部113と第2の溝部119とは、それぞれの溝部の形成方向における中間位置同士で繋がっている。その結果、かしめ部116は、2つの接続部116c、116dにて錘本体11と2箇所でブリッジ状に繋がっている(図7)。
図11は、図7のA-A線に沿う部分断面図である。A-A線は、第1の実施の形態で用いた、端面12の図心Gを通り端面12に垂直な所定の断面に含まれる。所定の断面においては、かしめ部116は接続部を有さず、変位部116bは錘本体11と離れている。しかし、第1の溝部113の両端付近(接続部116c、116d付近)においては、かしめ部116は接続部を有する。従って、第1の実施の形態よりも、かしめ部116は曲がりやすくなっている。
次に、図8、図9に示す第2の例の楽器用錘10を説明する。第2の例の楽器用錘10は、第1の実施の形態に対し、各端面12に、第1の溝部13に代えて第1の溝部213を有すると共に、外面18における各端面12の近傍に、第2の溝部19に代えて第2の溝部219を有する点が異なる。なお、第2の例では、各端面12側において、2つの第1の溝部213と2つの第2の溝部219とによってかしめ部216が2つ形成される。
図8、図9に示すように、第1の溝部213は、錘本体11の軸方向から見て(端面12側から見て)直線状である。また、側面視で、第1の溝部213の底形状は直線状である。第1の溝部213の両端は外面18に繋がっている。第1の溝部213は、例えば、カッタを錘本体11の軸方向に垂直な方向に移動させることで、端面12に形成できる。第2の溝部219は、側面視で、略直線状である。また、図10に示すように、端面12側から見て、第2の溝部219の底形状は円弧状である。第2の溝部119は、例えば、円形のカッタを錘本体11の径方向に移動させることで、外面18に形成できる。
ここで、第1の溝部213と第2の溝部219とは、それぞれの溝部の形成方向における中間位置同士で繋がっている。その結果、かしめ部216は、2つの接続部216c、216dにて錘本体11と2箇所でブリッジ状に繋がっている。図11に示すように、所定の断面におけるかしめ部216の形状は、第1の例におけるかしめ部116と同様である。
本実施の形態によれば、錘本体11の端面12に第1の溝部113、213が形成され、錘本体11の外面18に第2の溝部119、219が形成されることによって、錘本体11と繋がったかしめ部116、216が形成されている。従って、かしめ荷重を低減することに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
特に、第1の溝部113、213の形成方向における中間位置は第2の溝部119、219の形成方向における中間位置と接続している。すなわち、かしめ部116、216は、錘本体11に対して2箇所(116c、116d、216c、216d)でブリッジ状に接続している。従って、かしめ部116、216を曲がりやすくして、かしめ荷重を低減することができる。
また、第2の例によれば、第1の溝部213の両端は端面12を貫いて外面18に繋がっている(図8)。従って、かしめ部216の両端が外面18に繋がっていないので、一層曲がりやすくなっている。あるいは、第1の例でも、仮にスリットを設けてかしめ部116の両端を外面18から断絶することは可能である。第2の例では、スリットを設けることなく、外面18から断絶され曲がりやすいかしめ部216を容易に形成できるという利点がある。なお、第2の例において、第1の溝部の底形状は問わず、円弧でもよい。
ところで、第1の溝部については、第1の実施の形態では端面12の周縁に沿う環状、第2の実施の形態の第1の例、第2の例においては直線状であった。第2の溝部については、第1の実施の形態では全周に亘る環状、第2の実施の形態の第1の例、第2の例においては側面視で直線状であった。しかし、第1の溝部と第2の溝部との組み合わせは、例示した組み合わせに限定されない。例えば、第1の溝部13と第2の溝部119または第2の溝部219の組み合わせ、第1の溝部113と第2の溝部19または第2の溝部219の組み合わせ、第1の溝部213と第2の溝部19または第2の溝部119の組み合わせ、であってもよい。また、同じ端面12に異なるタイプの第1の溝部が混在してもよい。また、端面12ごとに、異なるタイプの第1の溝部が混在してもよい。同じ外面に異なるタイプの第2の溝部が混在してもよい。
なお、第1の溝部および第2の溝部の形成深さや底形状によって、かしめ部の中間部分と錘本体11との繋がり具合を調整してもよい。あるいは、第1の溝部および第2の溝部の形成深さや底形状によって、第1の溝部と第2の溝部とが繋がらないように構成してもよい。すなわち、かしめ部の中間部分が錘本体11と繋がるように構成してもよい。言い換えると、かしめ部は、錘本体11と離れた2か所でブリッジ状に繋がることは必須でない。この場合、第1の実施の形態と同様に、第1の溝部と第2の溝部との最短距離が最短となる所定の断面において、接続部の幅がゼロより大きくなる。
上記各実施の形態においては、楽器用錘10は略円柱状であり、適用対象は鍵20であった。また、かしめ部は第1の溝部および第2の溝部によって形成された。しかし、楽器用錘10の形状や適用対象、かしめ部の形成手法は例示したものに限定されない。図12~図16で各種の変形例を説明する。
図12、図13は、変形例の楽器用錘10の斜視図である。まず、楽器用錘10(錘本体11)の形状は、円柱に限らず、図12に示す角柱または方体でもよいし、図13に示す円錐形や角錐形などの錐形状でもよい。図12、図13の例においても、第2の実施の形態の第1の例、第2の例の溝部を適宜採用可能である。なお、図12、図13のいずれの例においても、スリット17(図1)が設けられてもよい。また、かしめ部16は、軸方向から見て円弧状に限らず、例えば円形状、三角形状、扇形状など任意の形状となってもよい。また、かしめ部16は、かしめられる端部側にだけ設けてもよい。特に、挿入穴21が貫通穴でなく止まり穴である場合、挿入状態で露出する側の端面12の側にだけかしめ部16が設けられてもよい。
図14、図15は、変形例の楽器用錘10の部分断面図である。図14に示す楽器用錘10は、錘本体11の外面18に第2の溝部19を有する。しかし、錘本体11の端面には溝部を有しない。その代わり、円柱形状の端面が軸方向に窪んだ凹面112が形成されている。凹面112が、実質的に錘本体11の端面となっている。凹面112は、例えば、円柱形状の端面を軸方向に切除することで形成される。凹面112と外面11とが隣接する位置に、錘本体11と繋がったかしめ部16が形成されている。
図15に示す楽器用錘10は、錘本体11の外面にも端面にも溝部を有しない。その代わり、円柱形状の外面が径方向に窪んだ凹面118が形成されると共に、図14の例と同様の凹面112が形成されている。凹面118、凹面112がそれぞれ、実質的に錘本体11の外面、端面となっている。凹面118は、例えば、円柱形状の外面を径方向に切除することで形成される。凹面112と凹面118とが隣接する位置に、錘本体11と繋がったかしめ部16が形成されている。なお、凹面112、凹面118の形成方法は問わない。
図14、図15のいずれの例においても、第1の実施の形態と同様に、かしめ部16は、最小幅部である接続部16aと、接続部16aから先端側の変位部16bとから成る。従って、かしめ部16の詳細な形状的条件(図4)や、かしめ時の作用は第1の実施の形態と同様である。なお、図14、図15のいずれの例においても、スリット17(図1)が設けられてもよい。また、少なくとも一対のかしめ部16が、端面側から見て対向位置に設けられてもよい。
図16は、楽器用錘10がギターヘッドに適用される例を示す図である。楽器用錘10が適用される楽器は、鍵盤楽器に限られず、例えば、ギターやベース等の弦楽器であってもよい。図16では、エレクトリックギター40のヘッド41に、楽器用錘10が固定されている。楽器用錘10の固定手法は上述した通りであり、楽器用錘10はヘッド41に設けた挿入穴に挿入されてかしめられる。なお、図16では、楽器用錘10は化粧板に覆われている。
なお、各実施の形態において、「略」を付したものは「完全」を除外する趣旨ではない。例えば、「略垂直」、「略直線」、「略円柱状」は、それぞれ完全な垂直、直線、円柱状を含む趣旨である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態または変形例の一部を適宜組み合わせてもよい。
10 楽器用錘、 11 錘本体、 12 端面、 13、113、213 第1の溝部、 16、116、216 かしめ部、 18 外面、 19、119、219 第2の溝部

Claims (8)

  1. 端面と、前記端面に隣接する外面と、を有する錘本体を有する楽器用錘であって、
    前記錘本体の前記端面に第1の溝部が形成されると共に前記錘本体の前記外面に第2の溝部が形成されることによって、前記錘本体と繋がったかしめ部が形成されている、楽器用錘。
  2. 前記端面の図心を通り前記端面に垂直な所定の断面による断面形状において、前記かしめ部は、前記第1の溝部と前記第2の溝部との距離が最短となる接続部と、前記接続部から先端側の変位部とから成り、
    前記断面形状において、前記接続部の幅方向と平行な方向の幅に関し、前記変位部は、前記接続部の幅よりも大きい部分を有する、請求項1に記載の楽器用錘。
  3. 前記端面の図心を通り前記端面に垂直な所定の断面による断面形状において、前記かしめ部は、前記第1の溝部と前記第2の溝部との距離が最短となる接続部と、前記接続部から先端側の変位部とから成り、
    前記断面形状において、前記接続部の幅は、前記端面からの前記第1の溝部の深さよりも小さい、請求項1に記載の楽器用錘。
  4. 前記端面の図心を通り前記端面に垂直な所定の断面による断面形状において、前記かしめ部は、前記第1の溝部と前記第2の溝部との距離が最短となる接続部と、前記接続部から先端側の変位部とから成り、
    前記所定の断面による断面形状における、前記かしめ部の前記変位部の全領域において、前記端面に垂直な方向の幅と前記端面に平行な方向の幅のいずれも前記接続部の幅よりも大きい、請求項1に記載の楽器用錘。
  5. 前記所定の断面は、前記端面の図心を通り前記端面に垂直な断面のうち、前記第1の溝部と前記第2の溝部との最短距離が最短となる断面である、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の楽器用錘。
  6. 端面と、前記端面に隣接する外面と、を有する錘本体を有する楽器用錘であって、
    前記端面と前記外面とが隣接する位置に、前記錘本体と繋がったかしめ部が形成されており、
    前記端面の図心を通り前記端面に垂直な所定の断面による断面形状において、前記かしめ部は、最小幅部である接続部と、前記接続部から先端側の変位部とから成り、
    前記所定の断面による断面形状における、前記かしめ部の前記変位部の全領域において、前記端面に垂直な方向の幅と前記端面に平行な方向の幅のいずれも前記接続部の幅よりも大きい、楽器用錘。
  7. 挿入穴を有する鍵と、
    前記挿入穴に挿入された楽器用錘と、を有する鍵盤であって、
    前記楽器用錘の錘本体は、端面と、前記端面に隣接する外面とを有し、
    前記錘本体の前記端面に第1の溝部が形成されると共に前記錘本体の前記外面に第2の溝部が形成されることによって、前記錘本体と繋がったかしめ部が形成されており、
    前記かしめ部が前記挿入穴の内面に食い込まれていることで、前記楽器用錘が前記鍵にかしめ固定されている、鍵盤。
  8. 挿入穴を有する鍵と、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の楽器用錘と、を有する鍵盤であって、
    前記楽器用錘が前記挿入穴に挿入され、且つ、前記楽器用錘の前記かしめ部が前記挿入穴の内面に食い込まれていることで、前記楽器用錘が前記鍵にかしめ固定されている、鍵盤。
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