JP2017159408A - バリ取り工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のバリ取り工具と比較して、使用寿命を大幅に延ばすことができるバリ取り工具の提供にある。
【解決手段】複数の金属線材17は、それぞれ、両端部19、20が一対の固定部材22、23により芯棒部材13に固定されるとともに一対の固定部材22、23の間の中間部21が芯棒部材13から離れるように湾曲形成されており、ブラシ部18は、複数の金属線材17の湾曲中央部を含んで設定されたバリ取り有効部位C1と、一対の固定部材22、23とバリ取り有効部位C1の間に設定された一対の未使用部位C2、C3とを備え、一対の固定部材22、23により固定された両端部19、20に隣接するように、一対の未使用部位C2、C3に、応力緩衝部25、27がそれぞれ設けられ、応力緩衝部25、27は、複数の金属線材17の弾性変形による曲げ応力を軽減する弾性力を有するとともに複数の金属線材17のそれぞれ芯棒部材13の外周に固定した。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の金属線材17は、それぞれ、両端部19、20が一対の固定部材22、23により芯棒部材13に固定されるとともに一対の固定部材22、23の間の中間部21が芯棒部材13から離れるように湾曲形成されており、ブラシ部18は、複数の金属線材17の湾曲中央部を含んで設定されたバリ取り有効部位C1と、一対の固定部材22、23とバリ取り有効部位C1の間に設定された一対の未使用部位C2、C3とを備え、一対の固定部材22、23により固定された両端部19、20に隣接するように、一対の未使用部位C2、C3に、応力緩衝部25、27がそれぞれ設けられ、応力緩衝部25、27は、複数の金属線材17の弾性変形による曲げ応力を軽減する弾性力を有するとともに複数の金属線材17のそれぞれ芯棒部材13の外周に固定した。
【選択図】 図2
Description
この発明は、バリ取り工具に関し、特に、孔開け加工によって生じた孔壁におけるバリの除去に好適なバリ取り工具に関する。
エンジンのシリンダブロックには、通常、潤滑油を通すためのオイル孔が設けられている。このオイル孔はドリルによる孔開け加工により形成されることが多い。複数のオイル孔が互いに交差する交差部では必然的にバリが孔壁に発生するが、このようなバリについては除去する必要がある。そこで、従来では、例えば、図8(a)に示すバリ取り工具40を用いてオイル孔におけるバリを除去している(特許文献1を参照)。
図8(a)に示すバリ取り工具40は、芯棒部材41の周囲に配置された複数の金属線材42を備え、複数の金属線材42はブラシ部43を形成する。複数の金属線材42の両端部は、それぞれ、芯棒部材41の周囲に、固定部材44、45により固定されている。つまり、金属線材42の両端部は芯棒部材41と固定部材44、45との間に挟まれて固定されている。芯棒部材41に固定された金属線材42の中間部は芯棒部材41から径方向へ離れるように湾曲している。金属線材42は三角ピアノ線などの稜部を有する線材を捩じることにより形成されている。芯棒部材41には芯棒部材41と同軸の軸部材46が接続されている。バリ取り工具40は軸部材46を回転工具に取り付けて使用される。回転工具は、バリ取り工具40を軸部材46の軸心を中心に回転させる。バリ取り加工対象のオイル孔へバリ取り工具40のブラシ部43を挿入すると、湾曲する複数の金属線材42は孔壁と接触して撓んだ状態となる。そして、回転工具がバリ取り工具40を回転させると、オイル孔の孔壁に接触状態となった金属線材42により孔壁のバリが除去される。
しかしながら、図8(a)に示す従来のバリ取り工具40は、金属線材42における固定部材44(45)の付近の曲げ起点となる部位Xが、ブラシ部43を孔壁に接触させることによる金属線材42の径方向撓みや、バリ取り工具40を回転させることによる金属線材42の回転方向撓みによる応力を集中的に受ける構成であるため、所定回数の繰り返し使用によって金属線材42の部位Xが金属疲労により破断して、例えば、図8(b)に示すような状態になってしまう。金属線材42が図8(b)の状態のバリ取り工具40では適切なバリ取りを行うことができない虞があるので、バリ取り工具40自体を新規なものに交換する必要がある。バリ取り工具40の交換頻度が高くなると、交換に係る手間やコストが増加してしまう。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、従来のバリ取り工具と比較して、使用寿命を大幅に延ばすことができるバリ取り工具の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、軸部材と、前記軸部材と同軸上に配置された芯棒部材と、前記芯棒部材の周囲に配置され、前記芯棒部材の長手方向に沿う複数の金属線材により構成されるブラシ部と、を備えたバリ取り工具であって、前記複数の金属線材は、それぞれ、両端部が一対の固定部材により前記芯棒部材に固定されるとともに前記一対の固定部材の間の中間部が前記芯棒部材から離れるように湾曲形成されており、前記ブラシ部は、前記複数の金属線材の湾曲中央部を含んで設定された第一部位と、前記一対の固定部材と前記第一部位の間に設定された一対の第二部位とを備え、前記一対の固定部材により固定された前記複数の金属線材の両端部に隣接するように、前記一対の未使用部位に、応力緩衝部がそれぞれ設けられ、前記応力緩衝部は、前記複数の金属線材の弾性変形による曲げ応力を軽減する弾性力を有するとともに前記複数の金属線材のそれぞれを前記芯棒部材の外周に固定することを特徴とする。
本発明では、ブラシ部の第一部位によってバリを除去することができる。応力緩衝部は、ブラシ部の第二部位において、金属線材の固定部材により固定された曲げ起点となる部位から所定の長さの範囲に亘って設けられている。複数の金属線材のそれぞれは、応力緩衝部を介して線又は面で芯棒部材の外周に固定されることになる。このため、ブラシ部を孔壁に接触させることによる金属線材の径方向撓みや、バリ取り工具を回転させることによる金属線材の回転方向撓みによる曲げ応力を分散させることができる。また、応力緩衝部が弾性を有することから、金属線材の弾性変形により生じる曲げ応力が応力緩衝部により軽減される。その結果、金属線材の端部付近の曲げ起点となる部位における金属疲労が軽減され、従来のバリ取り工具と比較して、使用寿命を大幅に延ばすことができる。
また、上記のバリ取り工具において、前記複数の金属線材を互いに前記芯棒部材の外周で接続するように、前記芯棒部材の外周から前記複数の金属線材まで充填された樹脂により形成されている構成としてもよい。
この場合、応力緩衝部が樹脂により形成されていることから、金属線材の弾性変形により生じる曲げ応力を軽減する応力緩衝部を安価にて実現することができる。また、応力緩衝部の樹脂が、複数の金属線材のそれぞれを芯棒部材の外周に接続するとともに隣り合う金属線材同士を接続することにより、複数の金属線材はより強固に芯棒部材に固定される。
この場合、応力緩衝部が樹脂により形成されていることから、金属線材の弾性変形により生じる曲げ応力を軽減する応力緩衝部を安価にて実現することができる。また、応力緩衝部の樹脂が、複数の金属線材のそれぞれを芯棒部材の外周に接続するとともに隣り合う金属線材同士を接続することにより、複数の金属線材はより強固に芯棒部材に固定される。
また、上記のバリ取り工具において、前記金属線材の外周面は前記樹脂により覆われている構成としてもよい。
この場合、金属線材の外周面が応力緩衝部の樹脂により覆われていることにより、金属線材が応力緩衝部から離脱することがない。従って、金属線材の応力緩衝部からの離脱による金属線材の曲げ起点となる部位への応力集中を回避することができる。
この場合、金属線材の外周面が応力緩衝部の樹脂により覆われていることにより、金属線材が応力緩衝部から離脱することがない。従って、金属線材の応力緩衝部からの離脱による金属線材の曲げ起点となる部位への応力集中を回避することができる。
本発明によれば、従来のバリ取り工具と比較して、使用寿命を大幅に延ばすことができるバリ取り工具を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るバリ取り工具について図面を参照して説明する。本実施形態のバリ取り工具は、エンジンのシリンダブロックに孔開け加工により形成されたオイル流路や冷却媒体流路などの孔部に生じたバリを主に除去するためのものである。図1に示すように、バリ取り工具10は軸部材11を有しており、軸部材11の一方の端部12には、芯棒部材13が軸部材11の軸心Pと同軸上に配置され、接続されている。軸部材11の他方の端部14は回転工具(図示せず)に固定可能である。図2(a)に示すように、芯棒部材13の軸部材11側の端部は基端部15であり、基端部15と反対側の端部は先端部16である。軸部材11および芯棒部材13は鉄系材料により形成されている。
芯棒部材13の周囲には複数の金属線材17が配置され、複数の金属線材17によりブラシ部18が構成されている。図2(b)に示すように、金属線材17は、その断面が三角形状や四角形状であるピアノ線を捩じることにより形成されている。金属線材17は一方の端部19および他方の端部20を有しており、金属線材17における端部19、20を除く部位は中間部21である。
図3(a)に示すように、金属線材17の一方の端部19は、芯棒部材13の先端部16において固定部材22により固定されている。本実施形態の固定部材22は真鍮製の環状部材であり、芯棒部材13の先端部16に取り付けられた固定部材22をカシメることにより、芯棒部材13の先端部16側の外周に配設された多数の金属線材17の一方の端部19を芯棒部材13と固定部材22との挟圧により保持している。
図3(b)に示すように、金属線材17の他方の端部20は、芯棒部材13の基端部15側において固定部材23により固定されている。本実施形態の固定部材23は鉄製の環状部材であり、軸部材11がこれを兼ねている。芯棒部材13の基端部15に取り付けられた固定部材23をカシメることにより、芯棒部材13の基端部15側の外周に配設された多数の金属線材17の他方の端部20を芯棒部材13と固定部材23との挟圧により保持している。このように、本実施形態の複数の金属線材17は、一対の固定部材22、23により両端部が芯棒部材13に固定されている。なお、固定部材23は、軸部材11とは別体として構成されていてもよい。
複数の金属線材17は、バリ取り工具10のブラシ部18を構成する。本実施形態では、18本の金属線材17によりブラシ部18が形成されている。図1、図2に示すように、金属線材17の中間部21は、金属線材17の中央へ向かうにつれて芯棒部材13から離れるように弓状に湾曲形成されている。複数の金属線材17は芯棒部材13の長手方向に沿って湾曲する。ブラシ部18が径方向の外側から内側へ向かう力を受けると、図2(a)において二点鎖線に示すように金属線材17が芯棒部材13へ近づくように弾性変形する。ここで、径方向とは、芯棒部材13の軸心Pが延びる方向と直交する方向である。図2(a)において実線にて示す金属線材17は外力を受ける前の金属線材17の状態を示し、二点鎖線は径方向の外側から外力を受けた状態の金属線材17を示す。金属線材17の湾曲度はバリ取りを行う孔部の孔径に応じて設定されている。
ブラシ部18は、金属線材17の中間部21における湾曲中央部Qを含む所定の範囲として設定された、主にバリ取りに使用されるバリ取り有効部位C1と、固定部材22とバリ取り有効部位C1との間に設定された未使用部位C2と、固定部材23とバリ取り有効部位C1の間の未使用部位C3を有する。有効部位C1は第一部位に相当し、未使用部位C2、C3は第二部位に相当する。ブラシ部18のバリ取り有効部位C1は、バリ取り工具10の通常の使用状態において、主にバリ取り対象物と接触する部位であり、未使用部位C2、C3は、バリ取り工具10の通常の使用状態において、バリ取り対象物と接触しない部位である。有効部位C1にはブラシ部18の最大外周径D1が設定されている。ここで、外周径とは、ブラシ部18の径方向断面図においてブラシ部18の輪郭を構成する2本の金属線材17の径方向における距離であり、最大外周径D1とは、その2本の金属線材17の径方向距離の最大値を意味する。バリ取り工具10のブラシ部18における最大外周径D1は孔部の孔径より大きく設定されている。
軸心P方向における未使用部位C2には、樹脂により形成された応力緩衝部25が形成されている。樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂やABS樹脂などの熱可塑性樹脂が使用される。図3(a)、図4(a)に示すように、応力緩衝部25は、芯棒部材13の径方向において、芯棒部材13の外周から金属線材17の外周面を覆うまでの領域に樹脂が充填されている。また、応力緩衝部25は、軸心Pが延びる方向において、固定部材22に隣接する金属線材17の曲げ起点となる部位から基端部15側へ向けて外径を拡大するように円錐台形状に樹脂が充填されて形成されている。応力緩衝部25の端面26は軸心P方向における未使用部位C2の範囲内に位置する。従って、複数の金属線材17は、それぞれ、中間部21における端部19の近傍領域が樹脂製の応力緩衝部25により芯棒部材13に固定されている。応力緩衝部25は複数の金属線材17が外部から荷重を受けて曲がる際に発生する曲げ応力を軽減することが可能な弾性力を備えている。従って、応力緩衝部25は、金属線材17が弾性変形する際に、金属線材17の固定部材22によってカシメ固定されている端部19と湾曲部分である中間部21との境界付近、即ち、金属線材17の曲げ起点に集中する曲げ応力を軽減する。また、樹脂製の応力緩衝部25は、芯棒部材13の外周に複数の金属線材17のそれぞれを固定するとともに、隣り合う金属線材17同士を固定する。このため、複数の金属線材17のそれぞれは、線又は面で芯棒部材13の外周に固定されることになるため、バリ取り工具10の使用時に発生する金属線材17の径方向の撓みや回転方向の撓みによる曲げ応力を、金属線材17の曲げ起点となる部位に集中させることなく、その芯棒部材13に固定された部分に分散させることができる。
軸心P方向における未使用部位C3には、樹脂により形成された応力緩衝部27が形成されている。樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂やABS樹脂などの熱可塑性樹脂が使用される。図3(b)、図4(b)に示すように、応力緩衝部27は、芯棒部材13の径方向において、芯棒部材13の外周から金属線材17の外周面を覆うまでの領域に樹脂が充填されている。また、応力緩衝部27は、軸心Pが延びる方向において、固定部材23に隣接する金属線材17の曲げ起点となる部位から先端部16側へ向けて外径を拡大するように円錐台形状に樹脂が充填されて形成されている。応力緩衝部27の端面28は軸心P方向における未使用部位C3の範囲内に位置する。従って、複数の金属線材17は、それぞれ、中間部21における端部20の近傍領域が樹脂製の応力緩衝部27により芯棒部材13に固定されている。応力緩衝部27は複数の金属線材17が外部から荷重を受けて曲がる際に発生する曲げ応力を軽減することが可能な弾性力を備えている。従って、応力緩衝部27は、金属線材17が弾性変形する際に、金属線材17の固定部材23によってカシメ固定されている端部20と湾曲部分である中間部21との境界付近、即ち、金属線材17の曲げ起点に集中する曲げ応力を軽減する。また、樹脂製の応力緩衝部27は、芯棒部材13の外周に複数の金属線材17のそれぞれを固定するとともに、隣り合う金属線材17同士を固定する。このため、複数の金属線材17のそれぞれは、線又は面で芯棒部材13の外周に固定されることになるため、バリ取り工具10の使用時に発生する金属線材17の径方向の撓みや回転方向の撓みによる曲げ応力を金属線材17の曲げ起点となる部位に集中させることなく、その芯棒部材13に固定された部分に分散させることができる。
応力緩衝部25、27の軸心P方向の長さは金属線材17の湾曲度やバリ取りを行う孔部の孔径等の条件によって設定される。
次に、本実施形態のバリ取り工具10の製作の手順について説明する。軸部材11(固定部材23)と芯棒部材13を連結する。複数の金属線材17の端部20を固定部材23と芯棒部材13との間にそれぞれ挿入する。次に、芯棒部材13の基端部15に取り付けられた固定部材23をカシメることにより、固定部材23を芯棒部材13に固定する。固定部材23をカシメることにより、金属線材17の端部20は固定部材23と芯棒部材13との間にて保持される。
次に、金属線材17の端部19を芯棒部材13の先端部16側の外周に配置した状態で、固定部材22に芯棒部材13および金属線材17を挿通する。固定部材22、固定部材23との間の距離は、金属線材17の中間部21の長さよりも短いため、金属線材17の中間部21は芯棒部材13から離れるように湾曲する。この状態を保ちつつ芯棒部材13の先端部16に取り付けられた固定部材22をカシメることにより固定部材22を芯棒部材13に固定する。固定部材22をカシメることにより、金属線材17の端部19は固定部材22と芯棒部材13との間にて保持される。
次に、未硬化の状態の樹脂を、ブラシ部18における複数の金属線材17の端部19に隣接する部位に充填する。樹脂の充填後、充填状態の樹脂を保形しつつ硬化させることにより、応力緩衝部25、27を形成する。応力緩衝部25、27の形成によりバリ取り工具10が完成する。
次に、本実施形態のバリ取り工具10の使用方法について説明する。まず、図示されない回転工具に軸部材11の端部14を接続する。回転工具を作動させ、軸心Pを回転中心としてバリ取り工具10を1000〜2000rpmにて回転させる。次に、図5に示すように、バリ取り対象物としてのエンジンのシリンダブロックWへ向けてバリ取り工具10を接近させ、シリンダブロックWに形成されているオイル孔などの孔部Hに挿入する。孔部Hの孔径D2は、バリ取り工具10のブラシ部18における最大外周径D1より小さく設定されている(D1>D2)。従って、バリ取り工具10が孔部Hに挿入されると、バリ取り有効部位C1が孔部Hの孔壁と摺接し、孔部Hにおけるバリが除去される。
ブラシ部18は孔部Hへの挿入時に変形する。具体的には、ブラシ部18の金属線材17が弾性変形する。金属線材17が弾性変形すると、未使用部位C2(C3)では応力緩衝部25(27)により金属線材17の弾性変形により生じる曲げ応力が吸収される。例えば、図6(a)に示すように、金属線材17の弾性変形に応じて金属線材17に生じる曲げ応力は、金属線材17の端部19近傍に一体化された応力緩衝部25が弾性変形することによって緩和される。つまり、応力緩衝部25の弾性変形により、金属線材17の曲げ起点となる部位に生じる曲げ応力の一部が吸収されることになる。なお、図示はしないが、ブラシ部18は孔部Hへの挿入時に、応力緩衝部27は応力緩衝部25と同様に弾性変形する。また、金属線材17は、バリ取り時において孔部Hの孔壁との摩擦により、回転方向にも弾性変形しようとする。
図6(b)は応力緩衝部25が設けられていない比較例としての従来のバリ取り工具40の要部を示す。図6(a)、図6(b)において示す2点鎖線Yは、金属線材17、42のバリ取りによる弾性変形による変位を例示している。本実施形態では、応力緩衝部25が金属線材17の弾性変形により生じる曲げ応力の一部を吸収するため、図6(b)の比較例と比較すると、金属線材17の端部19側での変位が殆どない。また、応力緩衝部25は金属線材17の回転方向への弾性変形により生じる曲げ応力の一部を吸収する。一方、図6(b)は金属線材42の端部付近の部位Xから変位が生じており、曲げ起点となる部位Xに曲げ応力が集中する。さらに、金属線材42の回転方向への弾性変形は端部付近の部位Xへの曲げ応力の集中を助長する。本実施形態では、バリ取りにより金属線材17の弾性変形が繰り返されても、端部19付近の曲げ起点となる部位に作用する曲げ応力は、図6(b)の比較例と比べて大幅に軽減されている。
本実施形態のバリ取り工具10と、比較例のバリ取り工具40について耐久試験を行ったところ、本実施形態のバリ取り工具10は、比較例のバリ取り工具40の使用寿命より大幅に延びることが判明した。耐久試験では、シリンダブロックWの孔部Hへ挿入を行い、金属線材17が切断するまでにバリ取りを完了したシリンダブロックWの台数を計数している。本実施形態のバリ取り工具10よりバリ取りされたシリンダブロックWの台数は、比較例のバリ取り工具40の台数(約250台)の約4倍であった。
本実施形態のバリ取り工具10によれば以下の効果を奏する。
(1)ブラシ部18のバリ取り有効部位C1によってバリを除去することができる。応力緩衝部25(27)は、ブラシ部18の未使用部位C2(C3)において、金属線材17の固定部材22(23)により固定された曲げ起点となる部位から所定の長さの範囲に亘って設けられている。複数の金属線材17のそれぞれは、応力緩衝部25(27)を介して線又は面で芯棒部材13の外周に固定されることになる。このため、ブラシ部18を孔壁に接触させることによる金属線材17の径方向撓みや、バリ取り工具10を回転させることによる金属線材17の回転方向撓みによる曲げ応力を分散させることができる。また、応力緩衝部25(27)が弾性を有することから、金属線材17の弾性変形により生じる曲げ応力が応力緩衝部25(27)により軽減される。その結果、金属線材17の端部19(20)付近の曲げ起点となる部位における金属疲労が軽減され、従来のバリ取り工具と比較して、使用寿命を大幅に延ばすことができる。
(1)ブラシ部18のバリ取り有効部位C1によってバリを除去することができる。応力緩衝部25(27)は、ブラシ部18の未使用部位C2(C3)において、金属線材17の固定部材22(23)により固定された曲げ起点となる部位から所定の長さの範囲に亘って設けられている。複数の金属線材17のそれぞれは、応力緩衝部25(27)を介して線又は面で芯棒部材13の外周に固定されることになる。このため、ブラシ部18を孔壁に接触させることによる金属線材17の径方向撓みや、バリ取り工具10を回転させることによる金属線材17の回転方向撓みによる曲げ応力を分散させることができる。また、応力緩衝部25(27)が弾性を有することから、金属線材17の弾性変形により生じる曲げ応力が応力緩衝部25(27)により軽減される。その結果、金属線材17の端部19(20)付近の曲げ起点となる部位における金属疲労が軽減され、従来のバリ取り工具と比較して、使用寿命を大幅に延ばすことができる。
(2)金属線材17の外周面が応力緩衝部25(27)の樹脂により覆われていることにより、金属線材17が応力緩衝部25(27)から離脱することがない。従って、金属線材17の応力緩衝部25(27)からの離脱による金属線材17の曲げ起点となる部位への応力集中を回避することができる。
(3)応力緩衝部25(27)が樹脂により形成されていることから、金属線材17の弾性変形により生じる曲げ応力を軽減する応力緩衝部25(27)を安価にて実現することができる。また、応力緩衝部25(27)の樹脂が、複数の金属線材のそれぞれを芯棒部材13の外周に接続するとともに隣り合う金属線材17同士を接続することにより、複数の金属線材17はより強固に固定される。また、応力緩衝部25(27)の樹脂を熱硬化性樹脂とすることにより、金属線材17の弾性変形により生じる曲げ応力を吸収するため最適な弾性力を有する応力緩衝部25(27)とすることができる。
(変形例)
次に、上記の実施形態の変形例について説明する。上記の実施形態では、応力緩衝部25(27)は金属線材17の外周面の全域と覆うように、応力緩衝部25(27)が形成されている。本変形例では、図7に示すように、応力緩衝部25(27)は金属線材17を埋めるように形成されている。因みに、図7の一点鎖線にて示すように、応力緩衝部25(27)は芯棒部材13の径方向において、少なくとも金属線材17と接触していればよい。一点鎖線にて示す応力緩衝部25の場合、応力緩衝部25(27)から金属線材17が離脱し難くするため、金属線材17の外周面の全域を樹脂が覆うことが好ましい。
次に、上記の実施形態の変形例について説明する。上記の実施形態では、応力緩衝部25(27)は金属線材17の外周面の全域と覆うように、応力緩衝部25(27)が形成されている。本変形例では、図7に示すように、応力緩衝部25(27)は金属線材17を埋めるように形成されている。因みに、図7の一点鎖線にて示すように、応力緩衝部25(27)は芯棒部材13の径方向において、少なくとも金属線材17と接触していればよい。一点鎖線にて示す応力緩衝部25の場合、応力緩衝部25(27)から金属線材17が離脱し難くするため、金属線材17の外周面の全域を樹脂が覆うことが好ましい。
なお、上記の実施形態(変形例を含む)は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
10、40 バリ取り工具
11、46 軸部材
13、41 芯棒部材
17、42 金属線材
18、43 ブラシ部
22、23、44、45 固定部材
25、27 応力緩衝部
P 軸心
C1 バリ取り有効部位
C2、C3 未使用部位
11、46 軸部材
13、41 芯棒部材
17、42 金属線材
18、43 ブラシ部
22、23、44、45 固定部材
25、27 応力緩衝部
P 軸心
C1 バリ取り有効部位
C2、C3 未使用部位
Claims (3)
- 軸部材と、
前記軸部材と同軸上に配置された芯棒部材と、
前記芯棒部材の周囲に配置され、前記芯棒部材の長手方向に沿う複数の金属線材により構成されるブラシ部と、を備えたバリ取り工具であって、
前記複数の金属線材は、それぞれ、両端部が一対の固定部材により前記芯棒部材に固定されるとともに前記一対の固定部材の間の中間部が前記芯棒部材から離れるように湾曲形成されており、
前記ブラシ部は、
前記複数の金属線材の湾曲中央部を含んで設定された第一部位と、
前記一対の固定部材と前記第一部位の間に設定された一対の第二部位とを備え、
前記一対の固定部材により固定された前記複数の金属線材の両端部に隣接するように、前記一対の未使用部位に、応力緩衝部がそれぞれ設けられ、
前記応力緩衝部は、前記複数の金属線材の弾性変形による曲げ応力を軽減する弾性力を有するとともに前記複数の金属線材のそれぞれを前記芯棒部材の外周に固定することを特徴とするバリ取り工具。 - 前記複数の金属線材を互いに前記芯棒部材の外周で接続するように、前記芯棒部材の外周から前記複数の金属線材まで充填された樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1記載のバリ取り工具。
- 前記金属線材の外周面は前記樹脂により覆われていることを特徴とする請求項2記載のバリ取り工具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2016
- 2016-03-10 JP JP2016046577A patent/JP2017159408A/ja active Pending
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