JP7346152B2 - シート状導電部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状導電部材及びその製造方法に関する。
基材に複数の導電性線状体が間隔をもって配列された疑似シート構造を有するシート状導電部材が知られている。このシート状導電部材は、シート状発熱体(発熱するテキスタイルの材料等)、種々の物品の部材に利用できる可能性がある。
例えば、発熱体に用いるシートとして、特許文献1には、一方向に延びた複数の金属ワイヤーが間隔をもって配列された疑似シート構造を有する三次元成型用発熱シートが記載されている。この三次元成型用発熱シートは基材の片面にある接着層に導電性線状体を配した構造である。
国際公開第2018/097321号
特許文献1に記載の三次元成型用発熱シートは、樹脂保護層及び接着層などの各層がシート片面の全面にわたっているため、その三次元成型用発熱シート自体に通気性が不十分である。例えば、この三次元成型用発熱シートを椅子の部材等に成形した場合に、使用者からの発汗のため、蒸れが生じるおそれがあり、使用者が不快に感じる可能性がある。また、引用文献1に記載の三次元成型用発熱シートを成形した場合に、成形物の構造により、通電により発生した熱が、その構造の一部にこもるおそれがあった。
本発明の目的は、シート状導電体に通電したときに、高い通気性を有するシート状導電部材及びその製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、通気性を有する基材と、樹脂層と、複数の導電性線状体が間隔をもって配列された疑似シート構造体とを備えるシート状導電部材であって、通気性を有するシート状導電部材が提供される。
本発明の一態様に係るシート状導電部材において、前記シート状導電部材のJIS-L1096:2010に記載のフラジール試験による空気量が、50cm/(cm・s)以上1000cm/(cm・s)以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係るシート状導電部材において、前記基材は、前記シート状導電部材の平面視において、穴を有し、前記樹脂層は、前記シート状導電部材の平面視において、前記基材を覆っていない領域を有し、前記基材を覆っていない領域と、前記基材の穴とは、前記シート状導電部材の平面視において、重複することが好ましい。
本発明の一態様に係るシート状導電部材において、前記基材が、メッシュ、不織布、織布又はニットであり、前記樹脂層は、前記シート状導電部材の平面視において、前記基材を覆っていない領域を有することが好ましい。
本発明の一態様に係るシート状導電部材において、前記疑似シート構造体は、発熱体として用いるシート状発熱体であることが好ましい。
本発明の一態様に係るシート状導電部材の製造方法は、前記基材上に、複数の樹脂帯状体を形成し、それぞれの前記樹脂帯状体に、少なくとも一つの導電性線状体を設けることにより、前記シート状導電部材を作製することを特徴とする。
本発明によれば、通気性が良好なシート状電動部材及びその製造方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係るシート状導電部材を示す概略図である。 図1のII-II断面を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係るシート状導電部材の製造方法を説明するための概略図である。 本発明の第二実施形態に係るシート状導電部材を示す概略図である。 図4のV-V断面を示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係るシート状導電部材を示す概略図である。 本発明の他の実施形態に係るシート状導電部材を示す概略図である。
[第一実施形態]
以下、本発明について実施形態を例に挙げて、図面に基づいて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
(シート状導電部材)
本実施形態に係るシート状導電部材100は、図1及び図2に示すように、導電性線状体21、樹脂層3及び通気性を有する基材1を備えている。樹脂層3は、樹脂帯状体31から構成されていてもよい。基材1は、シート状導電部材100の平面視において、穴11を有している。この穴11により、基材1に通気性を付与できる。また、樹脂帯状体31は、間隔をもって配置されている。そのため、樹脂層3は、シート状導電部材100の平面視において、基材1を覆っていない領域を有している。そして、基材1を覆っていない領域の穴11と、基材1の穴11とは、シート状導電部材の平面視において、重複している。すなわち、基材1の穴11は、樹脂層3に覆われていない。
(基材)
基材1は、通気性を有すれば、特に限定されない。例えば、基材1として、穴を有するように成形された基材又は基材シートの厚さ方向に機械的もしくは化学的に貫通させた穴を有するものを使用できる。また、例えば、基材1として、メッシュ、不織布、織布及びニット等の多孔質なものでも、さらに通気性を向上させるため、穴をあけて使用することもできる。
したがって、基材1に用いる通気性能力を付与する前の基材として、フィルムもしくは箔、シート又は板状のいずれであっても使用することができる。基材1の材質として、例えば、木材、紙(パルプ)、レザー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、その他の樹脂及びそれらを変性した樹脂、金属、半金属、セラミックス並びにガラスなどを例示することができるがこれらに限定されるものではない。
基材1に用いる樹脂は、単独重合体又は共重合体であってもよい。また、基材1に用いる樹脂は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体又はグラフト重合体であってもよい。
基材1に用いる熱可塑性樹脂は、例えば、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリーレンスルフィド、ポリアセタール、シリコーン樹脂及びこれらを変性した樹脂等が挙げられる。
より具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、エチレン・ノルボルネン共重合体、ポリノルボルネン、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、アクリル酸エチル・クロロエチルビニルエーテル共重合体、ポリエピクロロヒドリン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブチロニトリル・スチレン重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリレート・スチレン重合体(AAS樹脂)、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリグリコール酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリテトラメチレンナフタレート、オキシベンゾエートオキシナフトエート共重合体、ポリビスフェノールAカーボネート、ポリビスフェノールAPカーボネート、ポリビスフェノールBカーボネート、ポリビスフェノールBPカーボネート、ポリビスフェノールCカーボネート、ポリビスフェノールEカーボネート、ポリビスフェノールFカーボネート、ポリビスフェノールGカーボネート、ポリビスフェノールMカーボネート、ポリビスフェノールSカーボネート、ポリビスフェノールPカーボネート、ポリビスフェノールPHカーボネート、ポリビスフェノールTMCカーボネート、ポリビスフェノールZカーボネート、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド、コポリパラフェニレン-3,4’-オキシジフェニレン・テレフタラミド、ポリメタフェニレンイソフタラミド、ポリオキシジフェニレンピロメリットイミド、ポリエチレンオキシド、ポリトリメチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ロジン、瀝青、カゼイン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ノルボルネン開環重合水素化物、クロロスルホン化ポリエチレン等が挙げられる。
上記の変性して製造する樹脂の他、樹脂の変性物としては、硫黄もしくは硫黄化合物又はラジカル重合開始剤を用いて加硫したゴムが挙げられる。
熱硬化性樹脂として、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ウレタン樹脂及び熱硬化性イミド樹脂等が挙げられる。
その他の樹脂として、例えば、漆等が挙げられる。
金属としては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)が挙げられる。また、半金属としては、ケイ素等が挙げられる。
基材1は、1種類の層単独からなるものでもよく、また、2種以上の層が組み合わされたものであってもよい。
基材1の表面における穴11の形状は、シート状導電部材の用途又は基材1の製造方法に応じて決定できる。また、基材1の樹脂層3を有する面における形状と他の面における形状とが同一であっても、異なっていてもよい。同一面内における複数ある穴11の形状は同一であっても、異なっていてもよい。穴11の形状は、円、楕円、三角形、四角形、五角形、六角形及び不定形状等が挙げられる。
基材1の穴11は、通気性を付与できればよく、基材1の樹脂層3と接する面と他の面とを繋ぐものであればよい。したがって、一方の面における穴11の数が一つに対し、それに繋がる他の面における穴11の数が一つでも複数でもよい。各面における穴11が複数繋がった穴11である場合には、各面における穴11の数は同じであっても、異なっていてもよい。
基材1の穴11の形成方法としては、パンチング加工、レーザー加工及び針加工等が挙げられる。
(疑似シート構造体)
疑似シート構造体2は、一方向に延びた複数の導電性線状体21が、互いに間隔をもって配列された構造としている。すなわち、疑似シート構造体2は導電性線状体21からなる構造を示す。そして、複数の導電性線状体21の間隔が基材1上に樹脂層3を介して疎に配列された場合であっても、それら全ての導電性線状体21が疑似的に面を構成しているとみなして、その「疑似的な面」を疑似シート構造体2とする。つまり、疑似シート構造体2は、各導電性線状体21が、導電性線状体21の軸方向と直交する方向に、規則的な間隔で、又は不規則な間隔で複数配列された構造を有する。疑似シート構造体2を形成している導電性線状体21は、シート状導電部材100の平面視において、直線状や波形状である。波形状である場合、波形はシート平面内のみ、シート平面に対し鉛直面内のみ、又はそれらが複合されたものであってもよい。波形状として具体的には、導電性線状体21は、例えば、正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波等の波形状であってもよい。直線状や波形状の導電性線状体21が混在していてもよい。
(導電性線状体)
導電性線状体21は導電性を有すれば、特に限定されない。最外層に絶縁層を有するものであっても、有しないものであっても使用できる。
具体的には、導電性線状体21を構成するものとして、金属、カーボンナノチューブを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
金属で構成されたワイヤーを含む線状体(以下「金属ワイヤー線状体」とも称する)は、高い熱伝導性、高い電気伝導性、高いハンドリング性、汎用性を有するため、導電性線状体21として金属ワイヤー線状体を適用すると、疑似シート構造体2の抵抗値を低減する。また、シート状導電部材100を発熱体として適用したとき、速やかな発熱が実現されやすくなる。さらに、金属は加工性に優れるため、細い線状体、太い線状体又は一本の線状体であっても部位により太さの異なる線状体を得られやすい。
金属ワイヤーを含む線状体は、1本の金属ワイヤーからなる線状体であってもよいし、複数本の金属ワイヤーを撚った線状体であってもよい。
金属ワイヤーとしては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)を含むワイヤーが挙げられる。また、金属ワイヤーは、金、銅、錫、亜鉛、銀、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、又は、はんだ等でめっきされたものであってもよく、後述する炭素材料やポリマーにより表面が被覆されたものであってもよい。特に、タングステン及びモリブデン並びにこれらを含む合金から選ばれる一種以上の金属を含むワイヤーが、低い体積抵抗率の導電性線状体21とする観点から好ましい。
金属ワイヤーとしては、炭素材料で被覆された金属ワイヤーも挙げられる。金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると、金属光沢が低減し、金属ワイヤーの存在を目立たなくすることが容易となる。また、金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると金属腐食も抑制される。
金属ワイヤーを被覆する炭素材料としては、非晶質炭素(例えば、カーボンブラック、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン、及びカーボンファイバー等)、グラファイト、フラーレン、及びグラフェン;カーボンナノチューブ等が挙げられる。
また、カーボンナノチューブを使用した線状体は、例えば、カーボンナノチューブフォレスト(カーボンナノチューブを、基板に対して垂直方向に配向するよう、基板上に複数成長させた成長体のことであり、「アレイ」と称される場合もある)の端部から、カーボンナノチューブをシート状に引き出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚ることにより得られる。このような製造方法において、撚りの際に捻りを加えない場合には、リボン状のカーボンナノチューブ線状体が得られ、捻りを加えた場合には、糸状の線状体が得られる。リボン状のカーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブが捻られた構造を有しない線状体である。このほか、カーボンナノチューブの分散液から、紡糸をすること等によっても、カーボンナノチューブ線状体を得ることができる。紡糸によるカーボンナノチューブ線状体の製造は、例えば、米国特許出願公開第2013/0251619号明細書(日本国特開2012-126635号公報)に開示されている方法により行うことができる。カーボンナノチューブ線状体の直径の均一さが得られる観点からは、糸状のカーボンナノチューブ線状体を用いることが望ましく、純度の高いカーボンナノチューブ線状体が得られる観点からは、カーボンナノチューブシートを撚ることによって糸状のカーボンナノチューブ線状体を得ることが好ましい。カーボンナノチューブ線状体は、2本以上のカーボンナノチューブ線状体同士が編まれた線状体であってもよい。また、カーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブと他の導電性材料が複合された線状体(以下「複合線状体」とも称する)であってもよい。
複合線状体としては、例えば、(1)カーボンナノチューブフォレストの端部から、カーボンナノチューブをシート状に引き出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚るカーボンナノチューブ線状体を得る過程において、カーボンナノチューブのフォレスト、シート若しくは束、又は撚った線状体の表面に、金属単体又は金属合金を蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、湿式めっき等により担持させた複合線状体、(2)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と共に、カーボンナノチューブの束を撚った複合線状体、(3)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と、カーボンナノチューブ線状体又は複合線状体とを編んだ複合線状体等が挙げられる。なお、(2)の複合線状体においては、カーボンナノチューブの束を撚る際に、(1)の複合線状体と同様にカーボンナノチューブに対して金属を担持させてもよい。また、(3)の複合線状体は、2本の線状体を編んだ場合の複合線状体であるが、少なくとも1本の金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体が含まれていれば、カーボンナノチューブ線状体又は金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体若しくは複合線状体の3本以上を編み合わせてあってもよい。
複合線状体の金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛等の金属単体、及び、これら金属単体の少なくとも一種を含む合金(銅-ニッケル-リン合金、及び、銅-鉄-リン-亜鉛合金等)が挙げられる。
さらに、導電性線状体21として、糸に導電性被覆が施された線状体を使用できる。糸としては、ナイロン、ポリエステル等の樹脂から紡糸した糸等が挙げられる。導電性被覆としては、金属、導電性高分子、炭素材料等の被膜等が挙げられる。導電性被覆は、メッキや蒸着法等により形成することができる。糸に導電性被覆が施された線状体は、糸の柔軟性を維持しつつ、線状体の導電性を向上させることができる。つまり、疑似シート構造体2の抵抗を、低下させることが容易となる。
導電性線状体21の体積抵抗率Rは、1.0×10-9Ω・m以上1.0×10-3Ω・m以下であることが好ましく、1.0×10-8Ω・m以上1.0×10-4Ω・m以下であることがより好ましい。導電性線状体21の体積抵抗率Rを上記範囲にすると、疑似シート構造体2の面抵抗が低下しやすくなる。
導電性線状体21の体積抵抗率Rの測定は、次の通りである。導電性線状体21の両端に銀ペーストを塗布し、端部からの長さ40mmの部分の抵抗を測定し、導電性線状体21の抵抗値を求める。そして、導電性線状体21の断面積(単位:m)を上記の抵抗値に乗じ、得られた値を上記の測定した長さ(0.04m)で除して、導電性線状体21の体積抵抗率Rを算出する。
導電性線状体21の断面の形状は、特に限定されず、多角形、扁平形状、楕円形状、円形状等を取り得るが、樹脂層3との馴染み等の観点から、楕円形状、円形状であることが好ましい。
導電性線状体21の断面が円形状である場合には、導電性線状体21の直径Dは、5μm以上75μm以下であることが好ましい。シート抵抗の上昇抑制と、シート状導電部材100を発熱体として用いた場合の発熱効率及び耐絶縁破壊特性の向上との観点から、導電性線状体21の直径Dは、8μm以上60μm以下であることがより好ましく、12μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
導電性線状体21の断面が楕円形状である場合には、長径が上記の直径Dと同様の範囲にあることが好ましい。
導電性線状体21の直径Dは、デジタル顕微鏡を用いて、疑似シート構造体2の導電性線状体21を観察し、無作為に選んだ5箇所で、導電性線状体21の直径を測定し、その平均値とする。
(樹脂層)
樹脂層3は、樹脂を含む層である。樹脂層3は、樹脂帯状体31から構成されていてもよい。シート状導電部材100は、一方向に延びた複数の導電性線状体21に応じて、一方向に延びた複数の樹脂帯状体31が、互いに間隔をもって配列された構造を有する。つまり、複数の樹脂帯状体31は、導電性線状体21が伸びる方向と同方向に配列される。そして、隣り合う樹脂帯状体31の間隔は、規則的な間隔で、又は不規則な間隔で配列された構造を有する。例えば、シート状導電部材100は、樹脂帯状体31が基材1上にストライプ状に配置された構造を有する。樹脂帯状体31は、シート状導電部材100の平面視において、直線状や波形状である。樹脂帯状体31は、例えば、正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波等の波形状であってもよい。
そして、樹脂層3は、接着剤を含む層であることが好ましい。接着剤により、導電性線状体21の樹脂帯状体31への貼り付け又は樹脂帯状体31の基材1への貼り付けが容易となる。
樹脂層3は、短時間で簡便に硬化することができる点で、紫外線、可視エネルギー線、赤外線、電子線等のエネルギー線硬化性であることが好ましい。なお、「エネルギー線硬化」には、エネルギー線を用いた加熱による熱硬化も含まれる。
樹脂層3の接着剤は、熱により硬化する熱硬化性のもの、熱により接着するいわゆるヒートシールタイプのもの、湿潤させて貼付性を発現させる接着剤等も挙げられる。ただし、適用の簡便さからは、樹脂層3が、エネルギー線硬化性であることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート(トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等)、環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート(ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート等)、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ変性(メタ)アクリレート、前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート、及びイタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、100~30000であることが好ましく、300~10000であることがより好ましい。
接着剤組成物が含有するエネルギー線硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。さらに、後述する熱可塑性樹脂と組み合わせてもよく、組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層3は、粘着剤(感圧性接着剤)から形成される粘着剤層であってもよい。粘着剤層の粘着剤は、特に限定されない。例えば、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、粘着剤は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、アクリル系粘着剤であることがより好ましい。
アクリル系粘着剤としては、例えば、直鎖のアルキル基又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む重合体(つまり、アルキル(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)、環状構造を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含むアクリル系重合体(つまり、環状構造を有する(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)等が挙げられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
アクリル系重合体が共重合体である場合、共重合の形態としては、特に限定されない。アクリル系共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。
これらの中でも、アクリル系粘着剤としては、炭素数1~20の鎖状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1’)(以下、「単量体成分(a1’)」ともいう)に由来する構成単位(a1)、及び官能基含有モノマー(a2’)(以下、「単量体成分(a2’)」ともいう)に由来する構成単位(a2)を含むアクリル系共重合体が好ましい。
なお、当該アクリル系共重合体は、単量体成分(a1’)及び単量体成分(a2’)以外のその他の単量体成分(a3’)に由来する構成単位(a3)をさらに含んでいてもよい。
単量体成分(a1’)が有する鎖状アルキル基の炭素数としては、粘着特性の向上の観点から、1以上12以下であることが好ましく、4以上8以下であることがより好ましく、4以上6以下であることがさらに好ましい。単量体成分(a1’)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体成分(a1’)の中でも、ブチル(メタ)アクリレート及び2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
構成単位(a1)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、50質量%以上99.5質量%以下であることが好ましく、55質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上97質量%以下であることがさらに好ましく、65質量%以上95質量%以下であることが特に好ましい。
単量体成分(a2’)としては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、及びアルコキシシリル基含有モノマー等が挙げられる。これらの単量体成分(a2’)の中でも、ヒドロキシ基含有モノマーとカルボキシ基含有モノマーが好ましい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、例えばジアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
シアノ基含有モノマーとしては、例えばアクリロニトリル等が挙げられる。
構成単位(a2)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましく、1.5質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。
単量体成分(a3’)としては、例えば、環状構造を有する(メタ)アクリレート(例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン及びイミド(メタ)アクリレート等)、酢酸ビニル、及びスチレン等が挙げられる。
構成単位(a3)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、0質量%以上40質量%以下であることが好ましく、0質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。
なお、上述の単量体成分(a1’)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、上述の単量体成分(a2’)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、上述の単量体成分(a3’)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,000~1,000,000であることが好ましく、10,000~800,000であることがより好ましい。
アクリル系共重合体は架橋剤により架橋されていてもよい。架橋剤としては、例えば、公知のエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。アクリル系共重合体を架橋する場合には、単量体成分(a2’)に由来する官能基を、架橋剤と反応する架橋点として利用することができる。
樹脂層3は、上記粘着剤の他に、さらにエネルギー線硬化性の成分を含有していてもよい。
エネルギー線硬化性の成分としては、例えばエネルギー線が紫外線である場合には、多官能(メタ)アクリレート化合物等の、一分子中に紫外線重合性の官能基を2つ以上有する化合物等が挙げられる。
また、粘着剤としてアクリル系粘着剤を適用する場合、エネルギー線硬化性の成分として、アクリル系共重合体における単量体成分(a2’)に由来する官能基に反応する官能基と、エネルギー線重合性の官能基とを一分子中に有する化合物を用いてもよい。当該化合物の官能基と、アクリル系共重合体における単量体成分(a2’)に由来する官能基との反応により、アクリル系共重合体の側鎖がエネルギー線照射により重合可能となる。粘着剤がアクリル系粘着剤以外でも、粘着剤となる共重合体以外の共重合体成分として、同様に側鎖がエネルギー線重合性である成分を用いてもよい。
樹脂層3が、エネルギー線硬化性である場合には、粘着剤層は光重合開始剤を含有することがよい。光重合開始剤により、粘着剤層がエネルギー線照射により硬化する速度を高めることができる。
樹脂層3に用いられる熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノキシ樹脂、アミン系化合物、酸無水物系化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、イミダゾール系硬化触媒を使用した硬化に適すという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミン系化合物及び酸無水物系化合物を使用することが好ましく、特に、優れた硬化性を示すという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、それらの混合物、又はエポキシ樹脂と、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミン系化合物及び酸無水物系化合物からなる群から選択される少なくとも1種との混合物を使用することが好ましい。
樹脂層3に用いられる湿気硬化性樹脂としては、特に限定されず、イソシアネートが湿気で硬化して生成するウレタン樹脂、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる場合、光重合開始剤や熱重合開始剤等を用いることが好ましい。光重合開始剤や熱重合開始剤等を用いることで、架橋構造が形成され、疑似シート構造体2を、より強固に保護することが可能になる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサントン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、2-クロロアントラキノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩(ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、及びペルオキソ二硫酸カリウム等)、アゾ系化合物(2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、及び2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等)、及び有機過酸化物(過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイド等)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの重合開始剤を用いて架橋構造を形成する場合、その使用量は、エネルギー線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、1質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上10質量部以下であることが特に好ましい。
樹脂層3は、充填材を含有していてもよい。充填材の種類はシート状導電部材の用途、樹脂層における樹脂などにより、適宜選択される。
例えば、樹脂層3に含有する充填材に無機充填材を使用することで、硬化後の樹脂層3の硬度、熱伝導性又は絶縁性をより向上させることができる。また、基材1がガラスを主成分とする場合に、樹脂層3と基材1の線膨張係数を近づけることができる。
無機充填材としては、例えば、無機粉末(例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、及び窒化ホウ素等の粉末)、無機粉末を球形化したビーズ、単結晶繊維、及びガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、無機充填材としては、シリカフィラー及びアルミナフィラーが好ましい。無機充填材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂層3には、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、及び濡れ性調整剤等の周知の添加剤が挙げられる。
樹脂層3の厚さは、シート状導電部材100の用途に応じて適宜決定される。例えば、接着性の観点から、樹脂層3の厚さは、3μm以上150μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましい。
樹脂帯状体31の厚さdは、シート状導電部材100の用途に応じて適宜決定できる。例えば、接着性の観点から、樹脂帯状体31の厚さは、3μm以上150μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましい。樹脂帯状体31の厚さdは、樹脂帯状体31毎に同一でも、異なっていてもよい。
各々の樹脂帯状体31は、複数の導電性線状体21を備えていてもよい。
樹脂帯状体31の幅Wは、導電性線状体21の外径、波形の大きさ、方向もしくは本数、基材の通気能力又はシート状導電部材100の用途に応じて、決定することができる。それぞれの樹脂帯状体31の幅Wは同一であっても、異なっていてもよい。
樹脂帯状体31の間隔Pは、基材の通気能力、基材における穴11の位置及びシート状導電部材100の用途に応じて決定される。それぞれの樹脂帯状体31の各間隔Pは、同一であっても、異なっていてもよい。
樹脂帯状体31は、樹脂層3を設ける基材1の穴11と穴11との間に設けることができる。また、樹脂帯状体31は、基材1に直線状に設けることに限られない。
樹脂帯状体31に設けられる導電性線状体21は、1本単独又は2本以上であってもよい。
樹脂帯状体31に設けられる導電性線状体21の数は、樹脂帯状体31毎に、同数であっても、異なっていてもよい。
樹脂帯状体31に設けられる導電性線状体21の断面形状、直径、材質又は構造等は、樹脂帯状体31毎又は樹脂帯状体31内の導電性線状体21毎に、同一であっても、異なっていてもよい。
導電性線状体21同士の間隔は、シート状導電部材の用途等に応じて、決定できる。同一の樹脂帯状体31内の隣り合う導電性線状体21の間隔は、同一であっても異なっていてもよい。また、隣り合う2つの樹脂帯状体31上に設けられた導電性線状体21同士の間隔は、同一であっても異なっていてもよい。
(シート状導電部材)
本実施形態に係るシート状導電部材100においては、JIS-L1096:2010に記載のフラジール試験において、空気量が、50cm/(cm・s)以上1000cm/(cm・s)以下であることが好ましく、150cm/(cm・s)以上850cm/(cm・s)以下であることがより好ましく、250cm/(cm・s)以上700cm/(cm・s)以下であることが特に好ましい。
50cm/(cm・s)未満であると、通気性が不足する場合があり、1000cm/(cm・s)超であると、シート状導電部材の強度が低下し、形状が保てない場合がある。
(シート状導電部材の製造方法)
本実施形態に係るシート状導電部材の製造方法は、図3(A)~図3(C)に示すように、基材1上に、樹脂帯状体31を複数形成する。そして、少なくとも一つの波形状の導電性線状体21を各樹脂帯状体31に設けることにより、シート状導電部材100を作製する方法である。樹脂帯状体31の形成方法としては、樹脂を塗布することにより設けることができる。
少なくとも一つの導電性線状体21を各樹脂帯状体31に設ける製造方法は、特に限定されない。例えば、次の工程を経て製造される。
まず、複数の樹脂帯状体31が設けられた基材1をドラム部材の外周面に配置する。導電性線状体21を巻き付けたボビンを複数個用意し、導電性線状体21を樹脂帯状体31の表面に付着させた上で、それぞれのボビンから導電性線状体を繰り出しながらドラム部材を回転させることで、導電性線状体21を樹脂帯状体31に設け、シート状導電部材100を製造できる。
また、導電性線状体21を樹脂帯状体31に設ける際に、ドラム部材をドラム軸と平行な方向に移動させることで、導電性線状体21を波形状にすることもできる。
また、樹脂帯状体31を設けた基材1をロール状に作製し、ロールから順に繰り出して、ドラムに樹脂帯状体31を設けた基材1を添わせ、前述した方法で導電性線状体を設けることで、連続的にロール状のシート状導電部材100を製造することもできる。
(第一実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、シート状導電部材100は、樹脂帯状体31が基材にある穴11を避けるよう、所定の間隔で配置された構造を有する。シート状導電部材100において、基材1上の穴11は、樹脂層3に覆われることはない。そのため、シート状導電部材100においては、基材1が有する通気性を維持できる。
(2)樹脂帯状体31上の導電性線状体21が簡易な形状である場合又は各樹脂帯状体31上における導電性線状体21の数が少数の場合に順次各層を積層することによって製造できる。このため、製造が容易である。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、基材1の穴11の一部が、樹脂帯状体31により覆われている以外は第一実施形態と同様の構成なので、変更点について説明し、それ以外の前の説明と共通する箇所は省略する。
本実施形態に係るシート状導電部材100Aは、図4及び図5に示すように、基材1の樹脂層3を有する面における穴11の一部が樹脂層3によって覆われている。
シート状導電部材100Aにおいては、基材1が複数の穴11を有する場合には、基材1における穴11と穴11との間だけでなく、穴11の一部が樹脂帯状体31によって覆われていてもよい。また、一つ穴11の全部が樹脂帯状体31で覆われているとしても、別の穴11が樹脂帯状体31に覆われていなければよい。
(第二実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(3)本実施形態によれば、シート状導電部材100Aは、基材1にある穴11の一部を残すように、樹脂帯状体31が間隔をもって配置される。そのため、シート状導電部材100においては、基材1が有する通気性をある程度維持できる。
(4)基材1における穴11の一部を塞ぐことができるため、樹脂帯状体31を自由に配置できる。
(5)本実施形態によれば、シート状導電部材100Aは、間隔をもって樹脂帯状体31が配置された樹脂層3を有する。そして、各樹脂帯状体31の幅又は隣り合う樹脂帯状体31の間隔を任意に変更することができる。これにより、基材1における穴11の割合を樹脂帯状体31の配置により変化させることができ、シート状導電部材100Aの通気性を調節できる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を説明する(図示せず)。
本実施形態では、基材1として、メッシュ、不織布、織布及びニットからなる群から選ばれる少なくとも1種を選択的に使用する点を説明する以外は、第一実施形態又は第二実施形態と同様の構成であるから、変更点を説明し、それ以外の前の説明と共通する箇所は省略する。
基材1に使用できる不織布は、特に限定されない。例えば、短繊維不織布又は長繊維不織布いずれであっても使用できる。不織布の製造方法としては、乾式法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、スパンボンド法、メルトブロー法、エアスルー法、フリース結合法及びステッチボンド法等が挙げられる。
基材1に使用できる織布は特に限定されない。例えば、平織、綾織及び繻子織等が挙げられる。
基材1に使用できるニットは、特に限定されず、例えば、緯編又は経編でもいずれであっても使用できる。ニットの編み方として、例えば、平編、浮き編、両畦編、両面編、片畦編、ひねり編、アイドル・スイング編、アイレット編、アーガイル編、アトラス編、エラスティック編、コード編、シングル・コード編、ゴム編、サテン編、シャークスキン編、ダブル・ジャージー編、タック編、ダブル・デンビー編、シングル・デンビー編、パイナップル編、パイル編、ハーフ・トリコット編、パール編、シングル・バンダイク編、ベルリン編、ペレリン編、ミラニーズ編、ラーベン編、レース編、多衝程両面編(両面出合い)、振り編、針抜き編、立毛編、裏毛編、添え糸編、からみ添え糸編、二目編、紋編、裏毛編、裏毛アトラス編、裏毛コード編等が挙げられる。
また、基材1に用いる繊維としては、天然繊維、再生繊維、半合成繊維又は合成繊維(有機系合成繊維又は無機系合成繊維)が挙げられる。
そして、基材1に用いる繊維又は糸としては、例えば、基材1で例示した樹脂、金属、セラミックスもしくはガラスで繊維又は糸に加工できるものを用いてもよい。さらに、例えば、絹、綿、羊毛、麻、ケナフ、バナナ、バンブー、パルプ、バサルト、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、リヨセル、アセテート又はレザーが挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
さらに、基材1として、織物を変性もしくは焼成して製造した織布等を用いてもよい。
(第三実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(6)本実施形態によれば、シート状導電部材100は、樹脂帯状体31を、間隔をもって配置している。このため、基材1であるメッシュ、不織布、織布及びニットにおける孔が維持され、通気性を有することができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態では、図6に示すシート状導電部材100Bを発熱体として用いた一態様について説明する。
本実施形態に係るシート状導電部材100Bは、面抵抗が低い疑似シート構造体2を有するため、発熱体として適用することが好適である。つまり、本実施形態に係るシート状導電部材100Bからなる発熱体(本実施形態に係る発熱体)は、印加する電圧の低減が可能な発熱体となる。
なお、本実施形態では、疑似シート構造体2上に電極4を取り付けている以外は第一実施形態と同様の構成であるので、電極4について説明し、それ以外の前の説明と共通する箇所は省略する。
電極4は、導電性線状体21に電流を供給するために用いられる。電極4は、導電性線状体21の両端部に電気的に接続されて配置される。
導電性線状体21の直径が小さい場合であっても、導電性線状体21との良好な接触面積を確保することができることから電極は帯状であることが好ましい。電極としては、導電性の箔又は板を用いることができる。導電性の箔又は板からなる電極には、貫通孔が形成されていてもよい。貫通孔は、エキスパンドやパンチング処理により設けることができる。
電極4としては、具体的には、例えば、金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、タングステン、モリブデン、及びチタン等の金属の箔又は板が適用される。その他、電極は、上記の金属やその他の金属、非金属元素を含むステンレス鋼、炭素鋼、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等の合金の箔又は板を適用してもよく、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラフェン等の炭素材料を含む帯状体を用いてもよい。また、プラスチックフィルムと積層された積層体であってもよい。
その他、電極4は、導電性線状体21と電極4との良好な接続状態を確保する観点から、液状の導電材料を固化した電極(つまり、液状の導電材料の固化物からなる電極)であってもよい。液状の導電材料としては、導電性ペーストが代表的に挙げられる。導電性ペーストとしては、例えば、金属粒子又は炭素粒子をバインダー樹脂及び/又は有機溶剤に分散させたペーストが適用できる。金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、及びニッケル等の金属の粒子が挙げられる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂等の周知の樹脂が挙げられる。
なお、液状の導電材料としては、導電性ペースト以外に、例えば、半田、及び導電性インク等を適用してもよい。
電極4は、導電性の箔又は板と液状の導電材料を併用しても良い。疑似シート構造体2に液状の導電材料を塗布したのちに導電性の箔又は板を張り付けても良いし、貫通孔が形成された導電性の箔又は板を取り付けたのちに、液状の導電材料を塗布してもよい。
導電性の箔又は板と液状の導電材料を併用することで、電極の接続がより良好なものとなる。
その他、電極4は、導電性線状体21を密に配列したものを電極として用いてもよい。
電極4と疑似シート構造体2の抵抗値の比は、0.0001以上0.3以下であることが好ましく、0.0005以上0.1以下であることがより好ましい。電極と疑似シート構造体2の抵抗値の比は、「電極4の抵抗値/疑似シート構造体2の抵抗値」により求めることができる。この範囲内にあることで、シート状導電部材100Bを発熱体として用いた場合、電極部分での異常発熱が抑制される。疑似シート構造体2をフィルムヒータとして用いる場合、疑似シート構造体2が発熱し、発熱効率の良好なフィルムヒータを得ることが出来る。
電極4と疑似シート構造体2の抵抗値は、テスターを用いて測定することができる。まず電極4の抵抗値を測定し、次に、疑似シート構造体2に電極4を貼付し、貼付状態の抵抗値を測定する。その後、電極を貼付した疑似シート構造体2の抵抗値から電極4の抵抗値を引くことで、電極4及び疑似シート構造体2それぞれの抵抗値を算出する。
電極4の厚さは、2μm以上200μm以下であることが好ましく、2μm以上120μm以下であることがより好ましく、10μm以上100μm以下であることが特に好ましい。電極の厚さが、上記範囲内であれば、電気伝導率が高く低抵抗となり疑似シート構造体との抵抗値を低く抑えられる。また、電極として十分な強度が得られる。
(第四実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、前記第一実施形態における作用効果(1)に加え、下記作用効果(7)を奏することができる。
(7)本実施形態によれば、電極4により、面抵抗が低い疑似シート構造体2に、電気を通すことができ、発熱させることができる。これにより、印加する電圧の低減が可能な発熱体が得られる。
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
第一実施形態では樹脂帯状体31が直線状となっているが、これに限定されない。例えば、樹脂帯状体31は、図7に示すように波形状であってもよい。製造が容易なことから、シート状導電部材100Cにおける導電性線状体21の形状は、樹脂帯状体31と同様の形状を有することが好ましい。
(シート状導電部材の用途)
シート状導電部材100を発熱体(フィルムヒータ)として用いる場合、発熱体の用途としては、例えば、デフォッガー(defogger)、及びデアイサー(deicer)等も挙げられる。この場合、被着体としては、例えば、浴室等の鏡、輸送用装置(乗用車、鉄道、船舶、及び航空機等)の窓、建物の窓・壁紙、アイウェア、信号機の点灯面、及び標識等が挙げられる。近年では、電気自動車のバッテリーの温度コントロールにヒータが使われており、薄いヒータはラミネート型セルの個別の温度コントロールに好適である。また、電気信号の配線のためのフラットケーブルとしても利用することができる。
以下、本発明について、実験例に示して説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
本発明における測定方法は、以下のとおりである。
[重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)装置(東ソー株式会社製、製品名「HLC-8320」)を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレンの重量平均分子量に換算した値を用いた。
(測定条件)
・測定試料:ポリマー濃度1質量%のテトラヒドロフラン溶液
・カラム:「TSK gel Super HM-H」を2本、「TSK gel Super H2000」を1本(いずれも東ソー株式会社製)、順次連結したもの。
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:0.60mL/min
[実施例1]
剥離フィルム(商品名:SP-382150(リンテック社製))上に、乾燥後の厚みが22μmの塗布部(5mm)と未塗布部分(5mm)が交互になるように塗布し、樹脂帯状体を形成した。塗布液は、粘着性樹脂である、アクリル系共重合体(n-ブチルアクリレート(BA)/アクリル酸(AAc)=90.0/10.0(質量比)からなる原料モノマーに由来の構成単位を有するアクリル系共重合体、重量平均分子量(Mw):41万)100質量部に、架橋剤として、アルミニウムキレート系架橋剤(綜研化学株式会社製、製品名「M-5A」、固形分濃度=4.95質量%)0.74質量部(固形分比)及び希釈溶剤としてトルエンを配合した溶液を用いた。乾燥後に目付40g/mのポリエステル製のサーマルボンド不織布からなる基材と樹脂帯状体を貼り合せることで樹脂帯状体が形成された接着シートを作製した。
導電性線状体として、タングステンワイヤー(直径25μm、メーカー名:株式会社トクサイ製、製品名:TGW-CS、以下、「ワイヤー」と称する。)を準備した。
次に、接着シートの剥離シートを剥がし、樹脂帯状体31の表面を外側に向け、外周面がゴム製のドラム部材にしわのないように接着シートを巻きつけた。円周方向における接着シートの両端部を両面テープで固定した。ボビンに巻き付けたワイヤーを、樹脂帯状体の本数分用意した。ワイヤーをドラム部材の端部付近に位置する接着シートにおける各樹脂帯状体の表面に付着させた上で、ワイヤーを繰り出しながらドラム部材で巻き取った。ドラム部材を1周回転させることで、ワイヤーが樹脂帯状体上に巻きつくようにした。このようにして、粘着シートの表面上に、ワイヤーを複数設けて、複数のワイヤーが等間隔に設置された疑似シート構造体を形成した。この際、ドラム部材は、ドラム軸方向に振動させながら回転するようにして、巻き付けられたワイヤーが波形状を描くようにした。
ワイヤーは等間隔に設けられ、間隔は7.5mmであった。その後、ドラム軸と平行に、シート状導電部材を切断した。
以上のようにして、シート状導電部材を得た。
[実施例2]
実施例1で使用した目付40g/mのポリエステル製のサーマルボンド不織布からなる基材にφ4mmの穴を穴の中心から10mmピッチとして、丸孔並列形状で配列し、開孔率を約13%とした。ドラム部材の回転方向で、穴の間に5mm幅の樹脂帯状体が形成されるようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のシート状導電部材を作製した。
[実施例3]
実施例1で使用した目付40g/mのポリエステル製のサーマルボンド不織布からなる基材の代わりに、厚み50μmのポリエステルフィルムを基材として用いた。そして、実施例2と同様の穴あけ加工を施した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のシート状導電部材を作製した。
[比較例1]
実施例1の粘着性樹脂を基材の全面に塗布して接着シートを作製した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のシート状導電部材を作製した。
[比較例2]
実施例1の粘着性樹脂を、厚み50μmのポリエステルフィルムからなる基材の全面に塗布して接着シートを作製した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のシート状導電部材を作製した。
[通気性評価]
JIS-L11096:2010年 織物及び編み物の生地試験方法に記載のフラジール試験に準拠した方法で、ヒータ(基材)を200mm×200mmの試験片として切り出し、フラジール試験機(株式会社大栄科学精器製作所 型番DAP-360)に取り付けた。そして、加減抵抗器によって傾斜形気圧計の圧力が125Paとなるように調整し、そのときの垂直形気圧計の圧力を測定し、測定した圧力と使用した空気孔の種類とから、試験片を通過する空気量[cm/(cm・s)]を算出した。なお、比較例1及び2は通気性が低く、測定限界以下となり、測定できなかった(0.3以下)。
Figure 0007346152000001
1…基材、2…疑似シート構造体、21…導電性線状体、3…樹脂層、31…樹脂帯状体、11…穴、4…電極、100,100A,100B,100C…シート状導電部材。

Claims (3)

  1. 通気性を有する基材と、樹脂層と、複数の導電性線状体が間隔をもって配列された疑似シート構造体とを備えるシート状導電部材であって、
    前記シート状導電部材が、通気性を有し、
    前記基材は、前記シート状導電部材の平面視において、複数の穴を有し、
    前記樹脂層は、前記シート状導電部材の平面視において、前記基材を覆っていない領域を有し、
    前記基材を覆っていない領域と、前記基材の穴とは、前記シート状導電部材の平面視において、重複し、
    前記樹脂層は、前記シート状導電部材の平面視において、前記基材の少なくとも一部の穴を避けるように配置され、
    前記シート状導電部材のJIS-L1096:2010に記載のフラジール試験による空気量が、50cm/(cm・s)以上1000cm/(cm・s)以下である、
    シート状導電部材。
  2. 請求項1に記載のシート状導電部材において、
    発熱体として用いる、
    シート状導電部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシート状導電部材を製造するシート状導電部材の製造方法であって、
    前記基材上に、複数の樹脂帯状体を形成し、それぞれの前記樹脂帯状体に、少なくとも一つの導電性線状体を設けることにより、複数の前記樹脂帯状体から構成される前記樹脂層と、複数の前記導電性線状体から構成される前記疑似シート構造体とを形成し、前記シート状導電部材を作製する、
    シート状導電部材の製造方法。
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