JP7346152B2 - シート状導電部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明について実施形態を例に挙げて、図面に基づいて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
本実施形態に係るシート状導電部材100は、図1及び図2に示すように、導電性線状体21、樹脂層3及び通気性を有する基材1を備えている。樹脂層3は、樹脂帯状体31から構成されていてもよい。基材1は、シート状導電部材100の平面視において、穴11を有している。この穴11により、基材1に通気性を付与できる。また、樹脂帯状体31は、間隔をもって配置されている。そのため、樹脂層3は、シート状導電部材100の平面視において、基材1を覆っていない領域を有している。そして、基材1を覆っていない領域の穴11と、基材1の穴11とは、シート状導電部材の平面視において、重複している。すなわち、基材1の穴11は、樹脂層3に覆われていない。
基材1は、通気性を有すれば、特に限定されない。例えば、基材1として、穴を有するように成形された基材又は基材シートの厚さ方向に機械的もしくは化学的に貫通させた穴を有するものを使用できる。また、例えば、基材1として、メッシュ、不織布、織布及びニット等の多孔質なものでも、さらに通気性を向上させるため、穴をあけて使用することもできる。
したがって、基材1に用いる通気性能力を付与する前の基材として、フィルムもしくは箔、シート又は板状のいずれであっても使用することができる。基材1の材質として、例えば、木材、紙(パルプ)、レザー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、その他の樹脂及びそれらを変性した樹脂、金属、半金属、セラミックス並びにガラスなどを例示することができるがこれらに限定されるものではない。
その他の樹脂として、例えば、漆等が挙げられる。
金属としては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)が挙げられる。また、半金属としては、ケイ素等が挙げられる。
基材1の穴11の形成方法としては、パンチング加工、レーザー加工及び針加工等が挙げられる。
疑似シート構造体2は、一方向に延びた複数の導電性線状体21が、互いに間隔をもって配列された構造としている。すなわち、疑似シート構造体2は導電性線状体21からなる構造を示す。そして、複数の導電性線状体21の間隔が基材1上に樹脂層3を介して疎に配列された場合であっても、それら全ての導電性線状体21が疑似的に面を構成しているとみなして、その「疑似的な面」を疑似シート構造体2とする。つまり、疑似シート構造体2は、各導電性線状体21が、導電性線状体21の軸方向と直交する方向に、規則的な間隔で、又は不規則な間隔で複数配列された構造を有する。疑似シート構造体2を形成している導電性線状体21は、シート状導電部材100の平面視において、直線状や波形状である。波形状である場合、波形はシート平面内のみ、シート平面に対し鉛直面内のみ、又はそれらが複合されたものであってもよい。波形状として具体的には、導電性線状体21は、例えば、正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波等の波形状であってもよい。直線状や波形状の導電性線状体21が混在していてもよい。
導電性線状体21は導電性を有すれば、特に限定されない。最外層に絶縁層を有するものであっても、有しないものであっても使用できる。
金属ワイヤーとしては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)を含むワイヤーが挙げられる。また、金属ワイヤーは、金、銅、錫、亜鉛、銀、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、又は、はんだ等でめっきされたものであってもよく、後述する炭素材料やポリマーにより表面が被覆されたものであってもよい。特に、タングステン及びモリブデン並びにこれらを含む合金から選ばれる一種以上の金属を含むワイヤーが、低い体積抵抗率の導電性線状体21とする観点から好ましい。
金属ワイヤーとしては、炭素材料で被覆された金属ワイヤーも挙げられる。金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると、金属光沢が低減し、金属ワイヤーの存在を目立たなくすることが容易となる。また、金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると金属腐食も抑制される。
金属ワイヤーを被覆する炭素材料としては、非晶質炭素(例えば、カーボンブラック、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン、及びカーボンファイバー等)、グラファイト、フラーレン、及びグラフェン;カーボンナノチューブ等が挙げられる。
複合線状体の金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛等の金属単体、及び、これら金属単体の少なくとも一種を含む合金(銅-ニッケル-リン合金、及び、銅-鉄-リン-亜鉛合金等)が挙げられる。
導電性線状体21の体積抵抗率Rの測定は、次の通りである。導電性線状体21の両端に銀ペーストを塗布し、端部からの長さ40mmの部分の抵抗を測定し、導電性線状体21の抵抗値を求める。そして、導電性線状体21の断面積(単位:m2)を上記の抵抗値に乗じ、得られた値を上記の測定した長さ(0.04m)で除して、導電性線状体21の体積抵抗率Rを算出する。
導電性線状体21の断面が円形状である場合には、導電性線状体21の直径Dは、5μm以上75μm以下であることが好ましい。シート抵抗の上昇抑制と、シート状導電部材100を発熱体として用いた場合の発熱効率及び耐絶縁破壊特性の向上との観点から、導電性線状体21の直径Dは、8μm以上60μm以下であることがより好ましく、12μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
導電性線状体21の断面が楕円形状である場合には、長径が上記の直径Dと同様の範囲にあることが好ましい。
樹脂層3は、樹脂を含む層である。樹脂層3は、樹脂帯状体31から構成されていてもよい。シート状導電部材100は、一方向に延びた複数の導電性線状体21に応じて、一方向に延びた複数の樹脂帯状体31が、互いに間隔をもって配列された構造を有する。つまり、複数の樹脂帯状体31は、導電性線状体21が伸びる方向と同方向に配列される。そして、隣り合う樹脂帯状体31の間隔は、規則的な間隔で、又は不規則な間隔で配列された構造を有する。例えば、シート状導電部材100は、樹脂帯状体31が基材1上にストライプ状に配置された構造を有する。樹脂帯状体31は、シート状導電部材100の平面視において、直線状や波形状である。樹脂帯状体31は、例えば、正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波等の波形状であってもよい。
そして、樹脂層3は、接着剤を含む層であることが好ましい。接着剤により、導電性線状体21の樹脂帯状体31への貼り付け又は樹脂帯状体31の基材1への貼り付けが容易となる。
なお、当該アクリル系共重合体は、単量体成分(a1’)及び単量体成分(a2’)以外のその他の単量体成分(a3’)に由来する構成単位(a3)をさらに含んでいてもよい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、例えばジアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
シアノ基含有モノマーとしては、例えばアクリロニトリル等が挙げられる。
エネルギー線硬化性の成分としては、例えばエネルギー線が紫外線である場合には、多官能(メタ)アクリレート化合物等の、一分子中に紫外線重合性の官能基を2つ以上有する化合物等が挙げられる。
これらの重合開始剤を用いて架橋構造を形成する場合、その使用量は、エネルギー線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、1質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上10質量部以下であることが特に好ましい。
各々の樹脂帯状体31は、複数の導電性線状体21を備えていてもよい。
樹脂帯状体31に設けられる導電性線状体21の数は、樹脂帯状体31毎に、同数であっても、異なっていてもよい。
本実施形態に係るシート状導電部材100においては、JIS-L1096:2010に記載のフラジール試験において、空気量が、50cm3/(cm2・s)以上1000cm3/(cm2・s)以下であることが好ましく、150cm3/(cm2・s)以上850cm3/(cm2・s)以下であることがより好ましく、250cm3/(cm2・s)以上700cm3/(cm2・s)以下であることが特に好ましい。
50cm3/(cm2・s)未満であると、通気性が不足する場合があり、1000cm3/(cm2・s)超であると、シート状導電部材の強度が低下し、形状が保てない場合がある。
本実施形態に係るシート状導電部材の製造方法は、図3(A)~図3(C)に示すように、基材1上に、樹脂帯状体31を複数形成する。そして、少なくとも一つの波形状の導電性線状体21を各樹脂帯状体31に設けることにより、シート状導電部材100を作製する方法である。樹脂帯状体31の形成方法としては、樹脂を塗布することにより設けることができる。
まず、複数の樹脂帯状体31が設けられた基材1をドラム部材の外周面に配置する。導電性線状体21を巻き付けたボビンを複数個用意し、導電性線状体21を樹脂帯状体31の表面に付着させた上で、それぞれのボビンから導電性線状体を繰り出しながらドラム部材を回転させることで、導電性線状体21を樹脂帯状体31に設け、シート状導電部材100を製造できる。
また、導電性線状体21を樹脂帯状体31に設ける際に、ドラム部材をドラム軸と平行な方向に移動させることで、導電性線状体21を波形状にすることもできる。
また、樹脂帯状体31を設けた基材1をロール状に作製し、ロールから順に繰り出して、ドラムに樹脂帯状体31を設けた基材1を添わせ、前述した方法で導電性線状体を設けることで、連続的にロール状のシート状導電部材100を製造することもできる。
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、シート状導電部材100は、樹脂帯状体31が基材にある穴11を避けるよう、所定の間隔で配置された構造を有する。シート状導電部材100において、基材1上の穴11は、樹脂層3に覆われることはない。そのため、シート状導電部材100においては、基材1が有する通気性を維持できる。
(2)樹脂帯状体31上の導電性線状体21が簡易な形状である場合又は各樹脂帯状体31上における導電性線状体21の数が少数の場合に順次各層を積層することによって製造できる。このため、製造が容易である。
次に、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、基材1の穴11の一部が、樹脂帯状体31により覆われている以外は第一実施形態と同様の構成なので、変更点について説明し、それ以外の前の説明と共通する箇所は省略する。
本実施形態に係るシート状導電部材100Aは、図4及び図5に示すように、基材1の樹脂層3を有する面における穴11の一部が樹脂層3によって覆われている。
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(3)本実施形態によれば、シート状導電部材100Aは、基材1にある穴11の一部を残すように、樹脂帯状体31が間隔をもって配置される。そのため、シート状導電部材100においては、基材1が有する通気性をある程度維持できる。
(4)基材1における穴11の一部を塞ぐことができるため、樹脂帯状体31を自由に配置できる。
(5)本実施形態によれば、シート状導電部材100Aは、間隔をもって樹脂帯状体31が配置された樹脂層3を有する。そして、各樹脂帯状体31の幅又は隣り合う樹脂帯状体31の間隔を任意に変更することができる。これにより、基材1における穴11の割合を樹脂帯状体31の配置により変化させることができ、シート状導電部材100Aの通気性を調節できる。
次に、本発明の第三実施形態を説明する(図示せず)。
本実施形態では、基材1として、メッシュ、不織布、織布及びニットからなる群から選ばれる少なくとも1種を選択的に使用する点を説明する以外は、第一実施形態又は第二実施形態と同様の構成であるから、変更点を説明し、それ以外の前の説明と共通する箇所は省略する。
そして、基材1に用いる繊維又は糸としては、例えば、基材1で例示した樹脂、金属、セラミックスもしくはガラスで繊維又は糸に加工できるものを用いてもよい。さらに、例えば、絹、綿、羊毛、麻、ケナフ、バナナ、バンブー、パルプ、バサルト、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、リヨセル、アセテート又はレザーが挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
さらに、基材1として、織物を変性もしくは焼成して製造した織布等を用いてもよい。
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(6)本実施形態によれば、シート状導電部材100は、樹脂帯状体31を、間隔をもって配置している。このため、基材1であるメッシュ、不織布、織布及びニットにおける孔が維持され、通気性を有することができる。
次に、本発明の第四実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態では、図6に示すシート状導電部材100Bを発熱体として用いた一態様について説明する。
本実施形態に係るシート状導電部材100Bは、面抵抗が低い疑似シート構造体2を有するため、発熱体として適用することが好適である。つまり、本実施形態に係るシート状導電部材100Bからなる発熱体(本実施形態に係る発熱体)は、印加する電圧の低減が可能な発熱体となる。
導電性線状体21の直径が小さい場合であっても、導電性線状体21との良好な接触面積を確保することができることから電極は帯状であることが好ましい。電極としては、導電性の箔又は板を用いることができる。導電性の箔又は板からなる電極には、貫通孔が形成されていてもよい。貫通孔は、エキスパンドやパンチング処理により設けることができる。
なお、液状の導電材料としては、導電性ペースト以外に、例えば、半田、及び導電性インク等を適用してもよい。
導電性の箔又は板と液状の導電材料を併用することで、電極の接続がより良好なものとなる。
その他、電極4は、導電性線状体21を密に配列したものを電極として用いてもよい。
電極4と疑似シート構造体2の抵抗値は、テスターを用いて測定することができる。まず電極4の抵抗値を測定し、次に、疑似シート構造体2に電極4を貼付し、貼付状態の抵抗値を測定する。その後、電極を貼付した疑似シート構造体2の抵抗値から電極4の抵抗値を引くことで、電極4及び疑似シート構造体2それぞれの抵抗値を算出する。
本実施形態によれば、前記第一実施形態における作用効果(1)に加え、下記作用効果(7)を奏することができる。
(7)本実施形態によれば、電極4により、面抵抗が低い疑似シート構造体2に、電気を通すことができ、発熱させることができる。これにより、印加する電圧の低減が可能な発熱体が得られる。
本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
第一実施形態では樹脂帯状体31が直線状となっているが、これに限定されない。例えば、樹脂帯状体31は、図7に示すように波形状であってもよい。製造が容易なことから、シート状導電部材100Cにおける導電性線状体21の形状は、樹脂帯状体31と同様の形状を有することが好ましい。
シート状導電部材100を発熱体(フィルムヒータ)として用いる場合、発熱体の用途としては、例えば、デフォッガー(defogger)、及びデアイサー(deicer)等も挙げられる。この場合、被着体としては、例えば、浴室等の鏡、輸送用装置(乗用車、鉄道、船舶、及び航空機等)の窓、建物の窓・壁紙、アイウェア、信号機の点灯面、及び標識等が挙げられる。近年では、電気自動車のバッテリーの温度コントロールにヒータが使われており、薄いヒータはラミネート型セルの個別の温度コントロールに好適である。また、電気信号の配線のためのフラットケーブルとしても利用することができる。
[重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)装置(東ソー株式会社製、製品名「HLC-8320」)を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレンの重量平均分子量に換算した値を用いた。
(測定条件)
・測定試料:ポリマー濃度1質量%のテトラヒドロフラン溶液
・カラム:「TSK gel Super HM-H」を2本、「TSK gel Super H2000」を1本(いずれも東ソー株式会社製)、順次連結したもの。
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:0.60mL/min
[実施例1]
剥離フィルム(商品名:SP-382150(リンテック社製))上に、乾燥後の厚みが22μmの塗布部(5mm)と未塗布部分(5mm)が交互になるように塗布し、樹脂帯状体を形成した。塗布液は、粘着性樹脂である、アクリル系共重合体(n-ブチルアクリレート(BA)/アクリル酸(AAc)=90.0/10.0(質量比)からなる原料モノマーに由来の構成単位を有するアクリル系共重合体、重量平均分子量(Mw):41万)100質量部に、架橋剤として、アルミニウムキレート系架橋剤(綜研化学株式会社製、製品名「M-5A」、固形分濃度=4.95質量%)0.74質量部(固形分比)及び希釈溶剤としてトルエンを配合した溶液を用いた。乾燥後に目付40g/m2のポリエステル製のサーマルボンド不織布からなる基材と樹脂帯状体を貼り合せることで樹脂帯状体が形成された接着シートを作製した。
導電性線状体として、タングステンワイヤー(直径25μm、メーカー名:株式会社トクサイ製、製品名:TGW-CS、以下、「ワイヤー」と称する。)を準備した。
次に、接着シートの剥離シートを剥がし、樹脂帯状体31の表面を外側に向け、外周面がゴム製のドラム部材にしわのないように接着シートを巻きつけた。円周方向における接着シートの両端部を両面テープで固定した。ボビンに巻き付けたワイヤーを、樹脂帯状体の本数分用意した。ワイヤーをドラム部材の端部付近に位置する接着シートにおける各樹脂帯状体の表面に付着させた上で、ワイヤーを繰り出しながらドラム部材で巻き取った。ドラム部材を1周回転させることで、ワイヤーが樹脂帯状体上に巻きつくようにした。このようにして、粘着シートの表面上に、ワイヤーを複数設けて、複数のワイヤーが等間隔に設置された疑似シート構造体を形成した。この際、ドラム部材は、ドラム軸方向に振動させながら回転するようにして、巻き付けられたワイヤーが波形状を描くようにした。
ワイヤーは等間隔に設けられ、間隔は7.5mmであった。その後、ドラム軸と平行に、シート状導電部材を切断した。
以上のようにして、シート状導電部材を得た。
実施例1で使用した目付40g/m2のポリエステル製のサーマルボンド不織布からなる基材にφ4mmの穴を穴の中心から10mmピッチとして、丸孔並列形状で配列し、開孔率を約13%とした。ドラム部材の回転方向で、穴の間に5mm幅の樹脂帯状体が形成されるようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のシート状導電部材を作製した。
実施例1で使用した目付40g/m2のポリエステル製のサーマルボンド不織布からなる基材の代わりに、厚み50μmのポリエステルフィルムを基材として用いた。そして、実施例2と同様の穴あけ加工を施した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のシート状導電部材を作製した。
実施例1の粘着性樹脂を基材の全面に塗布して接着シートを作製した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のシート状導電部材を作製した。
実施例1の粘着性樹脂を、厚み50μmのポリエステルフィルムからなる基材の全面に塗布して接着シートを作製した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のシート状導電部材を作製した。
JIS-L11096:2010年 織物及び編み物の生地試験方法に記載のフラジール試験に準拠した方法で、ヒータ(基材)を200mm×200mmの試験片として切り出し、フラジール試験機(株式会社大栄科学精器製作所 型番DAP-360)に取り付けた。そして、加減抵抗器によって傾斜形気圧計の圧力が125Paとなるように調整し、そのときの垂直形気圧計の圧力を測定し、測定した圧力と使用した空気孔の種類とから、試験片を通過する空気量[cm3/(cm2・s)]を算出した。なお、比較例1及び2は通気性が低く、測定限界以下となり、測定できなかった(0.3以下)。
Claims (3)
- 通気性を有する基材と、樹脂層と、複数の導電性線状体が間隔をもって配列された疑似シート構造体とを備えるシート状導電部材であって、
前記シート状導電部材が、通気性を有し、
前記基材は、前記シート状導電部材の平面視において、複数の穴を有し、
前記樹脂層は、前記シート状導電部材の平面視において、前記基材を覆っていない領域を有し、
前記基材を覆っていない領域と、前記基材の穴とは、前記シート状導電部材の平面視において、重複し、
前記樹脂層は、前記シート状導電部材の平面視において、前記基材の少なくとも一部の穴を避けるように配置され、
前記シート状導電部材のJIS-L1096:2010に記載のフラジール試験による空気量が、50cm3/(cm2・s)以上1000cm3/(cm2・s)以下である、
シート状導電部材。 - 請求項1に記載のシート状導電部材において、
発熱体として用いる、
シート状導電部材。 - 請求項1又は請求項2に記載のシート状導電部材を製造するシート状導電部材の製造方法であって、
前記基材上に、複数の樹脂帯状体を形成し、それぞれの前記樹脂帯状体に、少なくとも一つの導電性線状体を設けることにより、複数の前記樹脂帯状体から構成される前記樹脂層と、複数の前記導電性線状体から構成される前記疑似シート構造体とを形成し、前記シート状導電部材を作製する、
シート状導電部材の製造方法。
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