以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。図1に示すPOSシステム1は、商品販売データ処理システムの一例である。図1に示すように、POSシステム1は、ストアコントローラ2と、登録精算端末3と、サービスカウンタ端末4と、携帯端末5とを含む。各装置は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信回線6を介して、有線または無線により接続されている。なお、店舗において、登録精算端末3は、複数台設置されるが、1台のみ設置される場合もある。
ストアコントローラ2は、商品情報の管理、免税店の販売実績の集計、顧客の管理などの事務処理を行う管理装置である。ストアコントローラ2は、商品ごとの商品情報を格納した商品マスタ(図4参照)を記憶する。詳細については後述するが、商品マスタは、例えば、商品ごとに、商品コード、商品名、分類、価格などを対応付けた商品情報である。
登録精算端末3は、商品販売データ処理装置の一例である。登録精算端末3は、商品登録処理部と、会計処理部と、を備えるPOSレジスタである。商品登録処理部は、顧客の買上対象の商品の商品登録処理を実行する。会計処理部は、商品登録処理部で登録された商品販売データに基づいて会計処理(精算処理)を実行する。
ここで、顧客は、日本国に一時的に滞在している非居住者を含む。非居住者とは、外国人旅行者や、日本国に一時的に帰国した日本人などである。非居住者は、旅券(パスポート)等を所持する。非居住者が国内の店舗において商品を購入する場合、消耗品などの特定の免税区分の商品については、所定の範囲の金額(免税適用額)であれば、免税されることがある。
免税の適用を受けるには、店舗において免税手続を行う必要がある。免税手続では、例えば、店員により、商品の梱包や、パスポートへの必要書類の貼付などが行われることがある。必要書類は、例えば、購入記録票や、購入者誓約書である。なお、このような免税手続に代えて、例えば、購入者誓約書や購入記録票の作成が行われずに、店舗から購入者に対して必要事項の説明がされ、また、店舗から購入記録情報が所定の機関(例えば国税庁)へ送信される、といった免税手続が行われる場合もある。
免税手続を行うに際して、登録精算端末3は、免税の対象となる物品の商品登録処理と会計処理とを実行する。免税の対象となる物品は、例えば、一般物品と、消耗品とに区分けされる。一般物品は、例えば、家電製品、着物、服、鞄などである。一般物品の場合、同一の非居住者に対する同一店舗における1日の一般物品の販売合計額が5千円以上であることを条件に、免税の対象となる。また、消耗品は、例えば、食品類、飲料類、薬品類、化粧品類などである。消耗品の場合、同一の非居住者に対する同一店舗における1日の消耗品の販売合計額が5千円以上、50万円以下の範囲内であることを条件に、免税の対象となる。消耗品の場合、国内での使用ができないよう、店員により特殊な梱包が施される。
特に、所定の条件を満たせば、本来は一般物品に該当する商品を、消耗品の免税区分で登録することも可能である。具体的には、一般物品に該当する商品であっても、消耗品との合計金額が5千円以上、50万円以下であることを条件に、当該商品を消耗品の免税区分に登録することも可能である。
登録精算端末3は、通常(通常処理)での商品の登録や精算の他に、免税処理での商品の登録や精算が可能となっている。免税処理では、例えば、免税区分に応じた商品の登録や、各免税区分に登録された商品の合計金額に応じて、免税して精算が行われる。そして、登録精算端末3は、免税書類を作成して、印刷することが可能である。
サービスカウンタ端末4は、商品販売データ処理装置の一例である。サービスカウンタ端末4は、登録精算端末3と同じPOSレジスタである。サービスカウンタ端末4は、POSレジスタと同様に免税書類の作成が可能である。サービスカウンタ端末4では、主に顧客が購入した商品の発送、返品や、商品の取り寄せや、商品券の販売などを受け付ける処理が行われる。サービスカウンタ端末4は、各登録精算端末3における取引ごとの商品や金額を示す取引情報を、各登録精算端末3から受信して取引ごとに管理することも可能である。
また、サービスカウンタ端末4は、各登録精算端末3において免税処理が行われた取引(以下、「免税取引」という場合がある。)についても、取引ごとに取引情報を管理する。また、サービスカウンタ端末4は、免税書類を印刷する。なお、以下の説明において、サービスカウンタ端末4と、登録精算端末3とを、特に区別して説明する必要のない場合には、「POSレジスタ」と称する場合がある。
携帯端末5は、店員が所持する携帯電話やスマートフォンなどの端末装置である。携帯端末5は、各店員に貸与されるものでもよいし、各店員が所有するものでもよい。携帯端末5は、登録精算端末3やサービスカウンタ端末4からの呼出要求に応じて、その旨を通知したり、着呼したりする。
(POSレジスタの外観例について)
図2は、登録精算端末3およびサービスカウンタ端末4の概略の外観の一例を示す説明図である。本実施形態において、POSレジスタ(登録精算端末3およびサービスカウンタ端末4)は、同じキャッシュレジスタ装置とするが、異なる装置であってもよい。以下の説明において、登録精算端末3について説明することとし、サービスカウンタ端末4についての説明を省略する。
図2(a)は、オペレータ(店員)側から見た登録精算端末3の正面図である。図2(b)は、登録精算端末3の側面図である。図2(a)および図2(b)に示すように、登録精算端末3は、店員用表示部21と、キー操作部22と、顧客用表示部23と、カード決済部24と、印刷部25とを備える。
店員用表示部21は、店員が操作するタッチディスプレイである。店員用表示部21は、プリセットキーなどが表示され、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部22は、各種キーが設けられたキーボードである。各種キーは、数量や金額の入力を行うための数字キー、商品を登録するための商品に対応するキー、会計を締めるための締めキー等の操作キー(ハードウェアキーやボタン)などである。キー操作部22は、店員から種々の入力を受け付ける。
顧客用表示部23は、客に向けて種々の情報を表示するタッチディスプレイである。顧客用表示部23は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。例えば、顧客用表示部23は、年齢確認に必要な商品が登録された場合には、年齢確認画面を表示し、顧客から年齢確認を受け付ける。
カード決済部24は、接触型のカード(例えば磁気カード)による決済機構である。カード決済部24によって読み取られるカードは、クレジットカード、ポイントカード、プリペイドカードなどである。ただし、カード決済部24は、接触型のカードに代えて又は加えて、非接触型のカード(ICカード)による決済機構であってもよい。
印刷部25は、買上げ対象の商品の明細書を各種帳票(レシート)として印刷するプリンタ装置である。
図3は、登録精算端末3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、登録精算端末3は、図2に示した各部のほか、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、通信部34と、スキャナ部35と、ドロア36とを備える。図3に示す各部は、内部バスおよび通信線を介してそれぞれ接続されている。
CPU31は、中央演算処理装置であり、ROM32に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録精算端末3の動作を制御する。
ROM32は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU31が利用する各種の情報を記憶する。
RAM33は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM33は、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶する。外部から取得した情報は、例えば、ストアコントローラ2から取得した商品マスタなどである。また、処理において生成した情報は、例えば、商品を登録する登録処理において生成した登録情報や、買上げた商品を精算する精算処理において生成した精算情報などを記憶する。また、サービスカウンタ端末4のRAM33は、各登録精算端末3における各取引情報を記憶する。なお、登録精算端末3は、RAM33のほかにも、ハードディスクなどの別の記憶部を備えていてもよい。
通信部34は、ストアコントローラ2、他の登録精算端末3、サービスカウンタ端末4、および携帯端末5との間において、情報を送受信する。
スキャナ部35は、商品に付されているコード情報(例えば、バーコード等の二次元コード)や、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。また、スキャナ部35は、このほかにも、商品カタログや商品注文シートに表記されたコード情報を読み取る。また、スキャナ部35は、これらに加えて、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを読み取る。
ドロア36は、顧客から受け取った紙幣および貨幣を収納する収納部である。ドロア36は、キー操作部22の操作に応じて引き出されるようになっている。
音声出力部37は、音声を出力する。例えば、音声出力部37は、商品を読み取ったときの音や、キー操作部22の操作音や、警告音や、音声ガイダンスやなどを出力する。
また、POSレジスタは、不図示の自動釣銭機を備える。自動釣銭機は、現金による決済を行う機構である。自動釣銭機は、紙幣や硬貨の預金投入口と、紙幣や硬貨の釣銭排出口とを有する。自動釣銭機は、預金投入口への投入金額や、投入金額と買上金額との差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を釣銭排出口から排出する。なお、預金投入口および釣銭排出口は、客側に向いて配置されて、客が操作するものとしてもよい。
(商品マスタのデータ構成について)
図4は、商品マスタのデータ構成の一例を示す説明図である。図4に示す商品マスタは、ストアコントローラ2に記憶される。なお、商品マスタは、ストアコントローラ2に記憶されることに限らず、登録精算端末3やサービスカウンタ端末4に記憶されていてもよい。この場合、登録精算端末3やサービスカウンタ端末4は、ストアコントローラ2から商品マスタを受信し、受信した商品マスタを記憶すればよい。
図4において、商品マスタは、商品コード、商品名、大分類、中分類、小分類、税区分、税率、価格などの各項目を対応付けた情報である。なお、図4に示す各項目は一例であり、このような項目に加えて、割引対象の場合に割引率を示す項目や、年齢確認が必要か否かの項目など、他の項目が含まれていてもよい。ただし、本実施形態において、商品マスタは、免税区分の項目を含まない情報とする。
商品マスタについて、具体的に説明すると、商品コードは、商品に一意に割り当てられる識別情報である。商品名は、商品の名称である。大分類は、最も上位の分類である。中分類は、大分類よりも小さい分類である。小分類は、中分類よりもさらに小さい分類である。分類が小さいほど、商品が特定されやすくなる。なお、商品マスタは、共通する分類ごとに(共通する大分類ごと、共通する中分類ごと、共通する小分類ごと)、各商品が記憶された情報としてもよい。
税区分は、内税または外税を示す。税率は、消費税率であり、例えば8%である。税率は、税制度によっては、分類(例えば小分類)に応じて異なる場合がある。例えば、アルコール飲料の場合、税率が10%となる場合もある。価格は、販売価格である。図示において、価格は、税込価格を示す。
(取引情報のデータ構成について)
図5は、登録精算端末3において生成された取引情報のデータ構成の一例を示す説明図である。なお、取引情報は、ストアコントローラ2に記憶されている商品マスタを用いて、取引ごとに生成される。また、生成された取引情報は、サービスカウンタ端末4に送信され、サービスカウンタ端末4においても記憶される。
図5に示すように、取引情報は、レジ番号と、レシートNoと、商品名と、価格と、適用した免税区分と、免税額と、購入額と、日時とを含む。レジ番号は、登録精算端末3のそれぞれに割り当てられた固有の識別情報である。レシートNoは、取引ごとに発行されるレシートに割り当てられた固有の識別情報である。商品名は、商品の名称である。価格は、税込価格である。適用した免税区分は、店員の操作を受け付けることによって、適用した免税区分(消耗品や一般物品)である。また、適用した免税区分において、「-」は、免税処理が行われていないこと(通常処理で登録されたこと)を示す。
免税額は、免税された金額であり、具体的には、免税を行わない場合に支払うべき消費税分の金額と同等の金額である。購入額は、取引において顧客が支払う金額である。日時は、取引が行われた日付および時間である。なお、取引情報には、図示した項目以外にも、商品の分類や、税抜価格や、適用した税率や、割引額や、預かり金や、お釣りなどが含まれていてもよい。
図5において、レジ番号は、「1」である。すなわち、図5に示す取引情報を記憶する登録精算端末3には、レジ番号「1」が割り当てられていることを示している。ここで、レシートNo「00001234」の取引情報について、具体的に説明する。レシートNo「00001234」は、商品名「○○ドレス」および「○○」飲料を購入したことを示す取引情報である。
また、適用した免税区分は、「消耗品」である。ただし、「○○ドレス」は衣類に含まれるため、本来の免税区分は一般物品である。上述したように、本来は一般物品に該当する商品ついても、所定の条件(消耗品と合算して5千円以上かつ50万円以下)を満たせば、消耗品の免税区分で登録することが可能である。このため、「○○ドレス」は、本来は一般物品に該当するものの、店員の操作によって、消耗品の免税区分で登録されている。なお、詳細については後述するが、商品ごとに異なる免税区分で商品を登録することも可能である。
(免税処理においてPOSレジスタに表示される画面の一例について)
次に、免税処理においてPOSレジスタの店員用表示部21に表示される画面の一例について説明する。なお、以下に説明する店員用表示部21に表示される画像は、顧客用表示部23にも表示されてもよい。また、顧客用表示部23に表示される言語は、顧客に応じた言語(顧客の母国語)としてもよい。顧客に応じた言語の指定は、店員用表示部21から店員の操作によって受け付けてもよいし、顧客用表示部23から客の操作によって受け付けてもよい。なお、顧客に応じた言語の指定を受け付けるにあたり、店員用表示部21や顧客用表示部23に、言語の指定を受け付ける画面を表示すればよい。
(免税処理を行う場合の画面の遷移の一例について)
図6~図9を用いて、免税処理において、登録精算端末3の店員用表示部21に表示される画面の遷移の一例について説明する。図6は、免税処理を開始する際の店員用表示部21に表示される画面の一例を示す説明図である。なお、図6では、商品の登録前のタイミングで、免税処理を開始する場合について説明する。ただし、免税処理を開始するタイミングは、商品の登録前に限らず、商品の登録中や、商品の登録が完了した後とすることも可能である。
図6(A)は、登録精算端末3において、免税処理を開始する際に、店員用表示部21に表示される画面を示す。例えば、外国人旅行者の顧客が、商品を購入する際に、店員に免税を適用する旨を申し出たとする。そして、店員は、この申し出を受けて、図6(A)に示す免税宣言キー601を押下(タッチ)したとする。これにより、免税選択ボタン602がポップアップ表示される。
免税選択ボタン602は、例えば、免税を適用することを示す「はい」ボタンと、免税を適用しないことを示すいいえ」ボタンと、印刷を行う印字ボタンと、を含む。印字ボタンは、今回登録する商品について免税処理を行うためのボタンではなく、既に完了した免税取引について、購入記録票や購入者誓約書を再度印字するためのボタンである。
図6(A)において、店員が、免税選択ボタン602のうち、「はい」ボタンを押下すると、免税処理を行わずに、元の画面(通常の税率を課して登録を行う通常処理の画面)に戻る。また、図6(A)において、店員が、免税選択ボタン602のうち、「いいえ」ボタンを押下すると、図6(B)に示す画面に遷移する。
なお、免税処理の実行中に免税宣言キー601が押下されると、通常処理に戻る。また、図6(A)において、店員用表示部21には、免税一覧ボタン610が表示されている。免税一覧ボタン610が押下されると、既に取引が完了した免税取引の一覧が表示される。
図6(B)は、免税区分の選択を示す画面を示す。図6(B)に示すように、店員用表示部21には、区分選択ボタン603がポップアップ表示されている。区分選択ボタン603は、「一般」ボタンと、「消耗品」ボタンと、「米軍」ボタンと、「外交官」ボタンと、を含む。「一般」ボタンは、一括して一般物品の区分で免税処理を行うことを受け付ける。「消耗品」ボタンは、一括して消耗品の区分で免税処理を行うことを受け付ける。
「米軍」ボタンは、一括して米軍用の区分で免税処理を行うことを受け付ける。なお、アメリカ合衆国の軍隊等は、免税手続を受けるにあたり、特定の書類を店員に提示する。この提示を受けて、店員が「米軍」ボタンを選択すると、当該軍隊等に対する所定の免税処理が行われる。
「外交官」ボタンは、一括して外交官の区分で免税処理を行うことを受け付ける。なお、外国公館等に派遣された大使等は、免税手続を受けるにあたり、所定の省庁(例えば外務省)から発行された特定の書類等(例えば、「免税カード」と「外国公館等用免税購入表」)を店員に提示する。この提示を受けて、店員が「外交官」ボタンを選択すると、当該大使等に対する所定の免税処理が行われる。
図6(B)において、店員は、顧客が登録精算端末3まで持ち運んで来た商品を目視で確認して、免税区分を選択する。例えば、顧客が持ち運んで来た商品が消耗品や一般物品を含んでおり、店員は、おおよその合計金額として50万円以下であると判断した場合、「消耗品」ボタンを押下する。また、店員は、顧客が持ち運んで来た商品が明らかに一般物品のみであると判断した場合、「一般」ボタンを押下する。また、新人店員など、免税処理をよく理解していない店員は、本来は一般物品に該当する商品であっても、消耗品であれば一括して免税手続が可能なため、「消耗品」ボタンを押下する。図6(B)において、店員が「消耗品」ボタンを押下したとすると、図7(C)に示す画面に遷移する。
図7は、免税処理における商品の登録中の画面の遷移の一例を示す説明図である。図7(C)は、免税処理中の商品登録画面を示す。図7(C)に示すように、店員用表示部21には、免税処理中であることを通知する免税処理中示唆画像700が表示されている。これにより、店員は、免税処理中であることを一見して把握することができる。また、登録精算端末3は、免税処理中に、適用した免税区分を表示してもよい。例えば、図7(C)の商品登録画面において、登録精算端末3は、消耗品の免税区分で登録中であることを示す表示(例えば、文字や記号等)を行うようにしてもよい。これにより、店員は、免税処理において適用する免税区分を一見して把握することができる。
図7(C)において、商品登録欄701は、免税して登録された商品が表示されている。例えば、商品登録欄701には、「○○ドレス」の商品と、「○○飲料」の商品とが免税して登録されていることが表示されている。具体的には、商品登録欄701には、商品名と、税込み価格と、消費税額と、免税後の価格と、販売数量とが表示されている。なお、登録精算端末3は、商品登録欄701に、登録した各商品の免税区分を表示してもよい。
図7(C)において、店員が小計ボタン702を押下したとすると(またはキー操作部22の小計キーを押下したとすると)、図7(D)に示す画面に遷移する。
図7(D)は、小計画面を示す。小計画面には、免税後の会計情報が表示されている。この後、預かり金の入力や、現計ボタンの押下といった精算操作を受け付けると、登録精算端末3は、レシートを印刷して取引を終える。発行されるレシートの詳細については、図10を用いて後述する。
次に、図8を用いて、免税処理中のエラーの報知について説明する。図8は、免税処理中に、メインメニューボタンが押下された際の画面の遷移の一例を示す説明図である。図8(A)は、図7(C)と同様に、商品登録中の画面を示す。図8(A)において、店員がメインメニューボタン800を押下したとする。通常の登録処理中であれば、メインメニューの画面に遷移する。メインメニューの画面は、各種設定を行うことのできる画面である。一方で、免税処理中においては、メインメニューの画面に遷移せずに、図8(B)に示す画面に遷移する。
ここで、免税処理中では、メインメニューの画面に遷移させないようにしていることについて説明する。免税処理は、通常とは異なる処理であり、また、売上にかかわる特殊な処理である。このため、免税処理を途中で中断させてしまうと、店員の注意が散漫になるおそれがあり、免税処理における登録ミスが生じてしまうおそれがある。このため、免税処理を途中で中断させないようにしている。
図8(B)は、免税処理中にメインメニューボタン800が押下されたことによるエラー画面を示す。図8(B)に示すように、店員用表示部21には、エラー通知801がポップアップ表示されている。エラー通知801は、「締め処理(精算の完了)」または「登録中の商品の取消処理」を促す通知である。すなわち、免税処理中では、原則、メインメニューの画面に遷移させることができないことや、メインメニューの画面に遷移させるには、締め処理または取消処理が必要であることを示している。
このように、免税処理中ではメインメニューボタン800を無効とすることにより、免税処理を途中で中断させないようにすることができる。このため、免税処理における登録ミスを抑制することができる。なお、免税処理を途中で中断させないようにすることは、強制的に行われるのではなく、店員の操作を受け付けることによって行われてもよいし、予め設定されている場合に行われてもよい。
図9は、通常処理において割引商品が登録されている際に免税宣言キーが押下された際の画面の遷移の一例を示す説明図である。図9(A)は、通常処理中の商品登録画面を示す。図9(A)に示すように、商品登録欄901には、割引登録された「○○ドレス」と、通常の額で登録された「○○飲料」とが表示されている。具体的には、「○○ドレス」については、商品名と、値引き前の税込み価格と、割引率と、割引金額と、割引後の価格と、消費税額と、販売数量とが表示されている。また、「○○飲料」については、商品名と、税込み価格と、消費税額と、販売数量とが表示されている。
図9(A)において、免税宣言キー601が押下されたとすると、図9(B)に示す画面に遷移する。ここで、免税処理は、割引商品が登録されていなければ開始される。一方で、割引商品が登録されている場合には、免税処理は開始されない。これは、例えば、割引商品を免税の対象外とすることや、割引や免税といった特殊な登録が重ねて行われたとすると誤登録を招くおそれがあることなどが想定されるためである。
図9(B)は、割引商品が登録されている場合に免税宣言キー601が押下されたことによるエラー画面を示す。図9(B)に示すように、店員用表示部21には、エラー通知900がポップアップ表示されている。エラー通知900は、割引商品が登録されていることにより免税宣言キー601が無効であることを示している。
このように、通常処理において、割引商品が登録されている場合には、免税処理を開始させないようにすることができる。なお、図9においては、免税宣言キー601が押下された場合、強制的に免税処理を開始させないようしたが、これに限らない。例えば、免税宣言キー601が押下された場合、割引商品が登録されている旨を通知して、店員の操作に応じて免税処理を開始させないようにしてもよい。
(免税処理において発行されるレシートについて)
図10は、免税処理において、POSレジスタが印刷するレシートの一例を示す説明図である。図10において、免税手続用レシート1000は、通常情報1001と、特殊情報1002とを含む。通常情報1001は、通常の取引におけるレシートに記載される内容と同様の内容を示す。具体的には、通常情報1001は、購入した商品の、日時、商品名、金額、税額といった内容や、会計時の金額の内容などを含む。
また、特殊情報1002は、免税取引を示す情報である。具体的には、特殊情報1002は、免税区分や、レシート番号や、バーコードなどを含む。バーコードは、免税手続用レシート1000に記載されている内容を復元可能な情報である。特殊情報1002は、通常情報1001よりも視認性のよい(目立つ)表示態様である。具体的には、特殊情報1002(免税区分やレシート番号)は、通常情報1001の文字に比べて大きい文字で記載されている。なお、特殊情報1002は、通常情報1001よりも大きい文字の表示態様に限らず、例えば、通常情報1001よりも、視認性のよい色や視認性のよい字体などであってもよい。
顧客は、免税取引が終了すると、登録精算端末3のオペレータ(店員)から、免税手続用レシート1000を受け取る。そして、顧客は、免税手続を行うために、サービスカウンタ端末4に赴き、免税手続用レシート1000をサービスカウンタ端末4の店員に提示する。ここで、詳細については後述するが(図11(B)等)、サービスカウンタ端末4には、それぞれのレシート番号を含む各免税取引の一覧画面が表示される。サービスカウンタ端末4の店員は、顧客から提示された免税手続用レシート1000の特殊情報1002のうちのレシート番号と、サービスカウンタ端末4に表示されるレシート番号と、を目視により照合する。そして、店員は、サービスカウンタ端末4に表示される、当該レシート番号と一致する取引を特定することにより、当該取引に係る免税手続を行うことができる。
なお、レシート番号を用いた免税取引は、店員のみによって特定されることに限らず、サービスカウンタ端末4によって特定されてもよい。例えば、サービスカウンタ端末4は、特殊情報1002のバーコードをスキャナ部35から読み取り、読み取った内容に基づいて免税取引を一意に特定してもよい。また、サービスカウンタ端末4が、キー操作部22等から特殊情報1002のうちの免税区分を受け付けることによって、受け付けた免税区分に対応する免税取引を抽出して表示してもよい。そして、抽出結果の中から、店員が免税取引を特定してもよい。
(免税手続を行う場合の画面の遷移の一例について)
図11~図14は、免税手続を行うにあたり、サービスカウンタ端末4の店員用表示部21に表示される一連の画面の遷移の一例を示す説明図である。図11(A)は、登録精算端末3において免税取引が完了した際に、サービスカウンタ端末4の店員用表示部21に表示される画面を示す。例えば、登録精算端末3において、免税取引が完了すると、登録精算端末3からサービスカウンタ端末4へ、免税取引情報が送信される。免税取引情報は、指定の免税区分と、免税取引を識別する識別情報(例えば、レシート番号)とを含む。
サービスカウンタ端末4は、登録精算端末3から免税取引情報を受信すると、図11(A)に示すように、登録精算端末3において免税取引が完了したことを示す第1完了通知1101を表示する。第1完了通知1101は、例えば、免税取引が行われた登録精算端末3や、免税取引における免税区分(図示では「消耗品」)や、レシート番号などを含む。第1完了通知1101は、例えば、所定時間(例えば、数秒程度)表示されると、消去される。なお、店員がサービスカウンタ端末4を操作しているときに、免税取引情報を受信した場合には、第1完了通知1101は、当該操作の邪魔にならない領域(例えば、右下の領域)などに小さく表示されるようにしてもよい。
また、図11(A)において、店員用表示部21には、第2完了通知1102が表示されている。第2完了通知1102は、免税取引があったことを示す。また、店員用表示部21には、他の免税取引完了通知1103、1104が表示されている。他の免税取引完了通知1103、1104は、第1完了通知1101が示す免税取引よりも前に、他に免税取引があったことを示す。第2完了通知1102、および、他の免税取引完了通知1103、1104は、例えば、それぞれの免税取引について、購入記録票や購入者誓約書の印刷が完了するまで、表示される。
図11(A)において、例えば、店員が顧客からレシートの提示を受けて、当該店員が、免税一覧ボタン1111を押下すると、図11(B)の画面に遷移する。
図11(B)は、免税取引の一覧表示を示す。ここで、サービスカウンタ端末4は、登録精算端末3から免税取引情報を受信すると、受信した免税取引情報をRAM33等の記憶部に、随時記憶していく。サービスカウンタ端末4は、免税一覧ボタン1111の操作を受け付けた場合、記憶している免税取引情報を一覧表示する。
店員は、図11(B)に示す一覧表示のレシート番号と、レシートに記載される特殊情報1002のレシート番号とを目視で確認し、一致するものを選択する。例えば、顧客が提示したレシートが2枚あり、これらのレシート番号が「00001234」と、「00001230」であったとする。一覧表示において、このレシート番号に一致する免税取引は、図11(B)のNo.1に示す取引情報1121と、No.4に示す取引情報1122である。そして、取引情報1121と、取引情報1122とが押下されると、これらの情報が選択される。
さらに、実行ボタン1130が押下されると、図12(C)に示す画面に遷移する。なお、合計金額が、免税対象となる金額(免税適用額)ではない場合には、図15-1(A)、または、図15-1(B)の画面に遷移する。
なお、図11(B)において、スキャナボタン1131が押下されると、POSレジスタは、レシートに記載されたバーコードの読み取りを行って、読み取り結果から、レシート番号を特定することが可能である。ここで、レシートが複数枚ある場合には、スキャナボタン1131が押下されることにより、サービスカウンタ端末4は、複数枚のレシートのバーコードをスキャナ部35に読み取り可能に制御してもよい。すなわち、スキャナボタン1131は、複数枚のレシートのバーコードを読み取る場合に押下されるボタンとしてもよい。一方で、レシートが1枚のみである場合には、サービスカウンタ端末4は、スキャナボタン1131が押下されずに、レシートのバーコードをスキャナ部35に読み取り可能に制御してもよい。
また、絞込みボタン1132が押下されると、サービスカウンタ端末4は、レシートに記載された免税区分からレシート番号の絞込みを行うことが可能である。また、サービスカウンタ端末4は、レシート番号が操作入力されることにより、レシート番号を特定することも可能である。また、中止ボタン1133が押下されると、サービスカウンタ端末4は、免税書類を作成する処理を中止して、元の画面に戻る。なお、免税書類を作成する処理を中止した場合、免税書類の印刷が完了していないため、図11(A)の第2完了通知1102は、表示したままとしてもよい。
図12(C)は、図11(B)の取引情報1121と、取引情報1122との詳細を示す。具体的には、図12(C)に示すように、店員用表示部21には、図11(B)において店員が選択した取引情報1121に対応する取引詳細情報1211と、取引情報1122を示す取引詳細情報1212とが表示されている。取引詳細情報1211、1212は、具体的には、免税取引ごとの、レシート番号と、買上金額と、免税区分とを示す。取引詳細情報1211、1212は、いずれも、免税適用額で商品が登録されていることを示す。具体的には、取引詳細情報1211は、消耗品の免税区分で商品が登録されており、買上金額が5千円以上かつ50万円以下であるため、免税の適用対象となることを示している。また、取引詳細情報1212は、一般物品の免税区分で商品が登録されており、買上金額が5千円以上であるため、免税の適用対象となることを示している。
図12(C)において、購入者情報入力ボタン1201が押下されると、図12(D)に示す画面に遷移する。
図12(D)は、購入者情報入力画面を示す。購入者情報入力画面には、例えば、パスポート等の本人証明書の種類を示す「旅券等の種類」、旅券等の識別番号を示す「番号」、本人の「購入者氏名」、「生年月日」、「国籍」のほか、「在留資格」、「上陸年月日」などの入力項目が表示されている。
図12(D)において、スキャナ部35によってパスポートがスキャンされると、図13(E)に示す画面に遷移する。図13(E)に示すように、店員用表示部21には、パスポートから読み込んだ情報が表示されている。図13(E)に示すように、「旅券等の種類」、「番号」、「購入者氏名」、「生年月日」、および「国籍」の各項目に、パスポートから読み込んだ情報が入力されている。
ここで、図13(E)において、各項目を示す領域が押下されると、入力された内容を変更したり、空欄の場合には新たに入力したりすることが可能である。例えば、「旅券等の種類」を示す項目が押下されると、図13(F)に示す画面に遷移する。
図14(A)は、旅券等の種類の一覧を示す画面である。例えば、「パスポート」、「乗員上陸許可証」などが選択可能に表示されている。旅券等の種類の一覧の中から、いずれかが押下されると、押下された内容が「旅券等の種類」の項目に入力される。
また、図13(E)において、「在留資格」を示す項目が押下されると、図14(B)に示す画面に遷移する。
図14(B)は、在留資格の一覧を示す画面である。図14(B)において、店員用表示部21には、例えば、「短期滞在」、「外交」などが選択可能に表示されている。在留資格の一覧の中から、いずれかが押下されると、押下された内容が「在留資格」の項目に入力される。
また、図13(E)において、店員が「国籍」を示す項目が押下されると、図14(C)に示す画面に遷移する。
図14(C)は、国籍の一覧を示す画面である。図14(C)に示すように、頭文字選択領域1401に示すアルファベットの中から、国籍コードの頭文字が押下されると、押下された頭文字を含む国籍コードの一覧1402が表示される。国籍コードの一覧1402の中から、いずれかが押下されると、押下された内容が「国籍」の項目に入力される。
また、図13(E)において、「言語」を示すボタンが押下されると、図14(D)に示す画面に遷移する。
図14(D)は、言語の一覧を示す画面である。例えば、「英語」、「中国語」などが選択可能に表示されている。言語の一覧の中から、いずれかが押下されると、押下された言語で、例えば、購入記録票、購入者誓約書を作成可能になる。なお、図14で説明した項目以外の項目についても、入力項目を示す領域が押下されることにより、入力された内容を変更したり、押下された領域が空欄の場合には新たに入力したりすることが可能である。
なお、図14(A)~(D)の各入力項目に入力される情報は、スキャナ部35に、パスポートの番号、パスポートのバーコード、パスポートのICチップなどから、直接読み取らせることにより、自動で入力されるようにしてもよい。
図13(E)において、店員が、印字ボタン1300を押下すると、免税書類(購入記録票や購入者誓約書)が印刷され、図13(F)に示すが画面に遷移する。なお、免税書類の詳細については、図17を用いて後述する。
図13(F)は、消耗品の梱包に関するガイダンスの画面を示す。ここで、消耗品を梱包する際には、内容物を判別できる透明のプラスチック製の袋や、内容物を記載した書面が貼付されたダンボール製の箱などが用いられる。また、封印には、出国までに開封した場合に開封したことが判別可能なシールが用いられる。また、袋や箱には、出国まで開封しない旨の注意喚起文書や、梱包される商品の品目や数量のリストが貼付される。
新人店員など、免税手続に不慣れな店員は、このような梱包作業を理解していないことがある。また、免税手続に慣れている店員であっても、手順を落として、梱包作業を行ってしまうことがある。このため、図13(F)に示すように、梱包作業の手順を示す梱包ガイダンス画面1310を表示することにより、店員は簡単かつ容易に梱包作業を行うことができる。
なお、ガイダンスの画面は、登録された商品の免税区分に応じて表示されることとしてもよい。具体的には、ガイダンスの画面は、消耗品の免税区分で商品が登録されている場合に表示されることとしてもよい。すなわち、消耗品の免税区分で商品が登録されておらず、一般物品の免税区分でのみ商品が登録されている場合には、ガイダンスの画面は、表示されないこととしてもよい。
図15-1は、免税処理において免税適用額ではない場合に、店員用表示部21に表示される画面の一例を示す説明図である。図15-1(A)は、消耗品としての買上金額が5千円未満であるため、免税の適用対象とはならないことを通知するエラー画面1500を示す。エラー画面1500は、商品追加ボタン1501と、中止ボタン1502と、続行ボタン1503とを含む。
商品追加ボタン1501は、他の商品の追加を受け付けるためのボタンである。中止ボタン1502は、免税処理の終了を受け付けるためのボタンである。続行ボタン1503は、免税手続をそのまま続行させることを受け付けるためのボタンである。なお、エラー画面1500において、現在の買上金額と、免税適用額の下限値である5千円との差額が表示されてもよい。
ここで、各ボタン1501~1503が押下された際の動作について説明する。商品追加ボタン1501が押下されたとする。この場合、例えば、顧客が他の免税取引に係るレシートを所持していれば、このレシートが示す他の免税取引における商品を追加して、買上金額を加算することが可能である。また、この場合、サービスカウンタ端末4において、顧客が新たに消耗品としての商品を購入することにより、買上金額を加算することも可能である。
また、エラー画面1500において、中止ボタン1502が押下されたとする。この場合、免税書類情報の印刷が行われずに終了する。また、この場合、顧客は、免税処理において免税されていた金額を支払わなければならない。このため、サービスカウンタ端末4は、店員用表示部21(および顧客用表示部23)に、免税処理において免税されていた金額の支払いを顧客に要求するための通知画面を表示する。そして、サービスカウンタ端末4は、顧客から当該金額の支払いを受けて、所定の操作を受け付けると、免税手続の中止が完了する。
また、エラー画面1500において、続行ボタン1503が押下されたとする。この場合、例えば、図12(C)に相当する取引情報の詳細画面に遷移してもよいし、図7(D)に示した小計画面に遷移してもよいし、現在の取引の内容で免税書類の印刷を開始してもよい。なお、いずれの画面に遷移させるかについて補足すると、例えば、サービスカウンタ端末4は、店員から画面遷移の指定を受け付けるようにし、指定された画面に遷移させてもよいし、また、予め設定された画面に遷移させてもよい。
ここで、消耗品の合計金額が免税対象の下限金額に達していなくても、免税処理を続行可能としている。これは、今回の取引において、合計金額が免税適用額に達していなくても、例えば、同日に同店舗において、さらに商品を購入することにより、消耗品の合計金額が下限金額以上となることがあるためである。すなわち、その後の購入により、免税手続が可能となる場合があることを考慮したためである。
また、エラー画面1500において、一般物品の免税区分で登録された商品がある場合には、一般物品で登録された商品を消耗品の免税区分に変更することにより、消耗品の合計金額が下限金額(5千円)に達する場合がある。このような場合に、エラー画面1500に、免税区分変更ボタン(図15-1(B)参照)を表示して、一般物品で登録された商品を消耗品の免税区分に変更することを受け付けるようにしてもよい。
ただし、一般物品で登録された商品を消耗品の免税区分に変更することにより、一般物品で登録される商品の合計金額が下限金額(5千円)に達しなくなってしまう場合がある。このような場合には、免税区分変更ボタンを表示しないようにしてもよい。すなわち、サービスカウンタ端末4は、エラー画面1500を表示する際に、一般物品および消耗品の各免税区分で登録された商品の合計金額や、一般物品で登録された商品を消耗品の免税区分に変更したとした場合の一般物品の合計金額などに応じて、免税区分変更ボタンを表示するようにしてもよい。
図15-1(B)は、消耗品としての買上金額が50万円以上であるため、免税の適用対象とはならないことを通知するエラー画面1510を示す。エラー画面1510には、中止ボタン1502と、免税区分変更ボタン1511とが表示されている。免税区分変更ボタン1511は、免税区分の変更を受け付けるためのボタンである。
エラー画面1510において、中止ボタン1502が押下されたとすると、図15-1(A)における中止ボタン1502が押下された場合と同様に、免税書類情報の印刷が行われずに終了する。
免税区分変更ボタン1511が押下されたとすると、登録された商品について免税区分の変更が行われる。この場合における免税区分の変更は、消耗品から一般物品への変更である。
図15-1(B)のエラー画面において、免税区分変更ボタン1511が押下されると、図15-2(C)に示す画面に遷移する。
図15-2は、免税区分の変更を受け付ける画面の一例を示す説明図である。図15-2(C)は、免税区分の変更対象の商品を受け付ける画面を示す。図15-2(C)において、店員用表示部21には、取引情報表示欄1521、1522と、消耗品合計表示欄1523と、一般物品合計表示欄1524と、戻るボタン1525と、決定ボタン1526とが表示されている。
取引情報表示欄1521、1522は、同一店舗における同日の2つの取引(2つのレシート)の内容を示している。また、取引情報表示欄1521、1522は、それぞれ、複数の商品が登録されていることを示している。取引情報表示欄1521、1522に含まれる各商品は、いずれも消耗品として登録されている。なお、図15-2(C)の画面において、「一般物品が含まれていませんか?」などの通知を行ってもよい。取引情報表示欄1521、1522に含まれる各商品の領域が押下されると、当該領域が示す商品が選択されて、免税変更の対象となる。図示では、商品「○○スーツ」が消耗品から一般物品への免税変更の対象となっていることを示している。
消耗品合計表示欄1523は、取引情報表示欄1521、1522の消耗品の買上金額の合計を示す。具体的には、消耗品合計表示欄1523は、免税区分の変更を受け付ける前の合計金額(¥57万)と、免税区分の変更を受け付けたとした場合の変更後の合計金額(¥49万)とを示す。より具体的には、当該変更後の合計金額は、商品「○○スーツ」(¥8万)を消耗品から一般物品へ変更したとした場合の合計金額(¥49万=¥57万-8万)を示している。
一般物品合計表示欄1524は、取引情報表示欄1521、1522の一般物品の買上金額の合計を示す。具体的には、一般物品合計表示欄1524は、免税区分の変更を受け付ける前の合計金額(¥0)と、免税区分の変更を受け付けたとした場合の変更後の合計金額(¥8万)とを示す。より具体的には、当該変更後の合計金額は、商品「○○スーツ」(¥8万)を消耗品から一般物品へ変更したとした場合の合計金額(¥8万=¥0+¥8万)を示している。
図15-2(C)において、戻るボタン1525が押下されたとすると、図15-1(B)に戻る。図15-2(C)において、決定ボタン1526が押下されたとすると、図15-2(D)に示す画面に遷移する。
図15-2(D)は、免税区分を変更する際の確認画面を示す。図15-2(D)に示すように、サービスカウンタ端末4の店員用表示部21には、「はい」ボタン1531と、「いいえ」ボタン1532とが表示されている。「はい」ボタン1531が押下された場合、図15-2(C)において受け付けた内容で免税区分の変更が確定する。なお、この後、図12(C)に相当する取引情報の詳細画面に遷移してもよいし、図7(D)に示した小計画面に遷移してもよい。「いいえ」ボタン1532が押下された場合、例えば、図15-2(C)の画面に戻る。
(サービスカウンタ端末4における免税書類の印字について)
図16は、サービスカウンタ端末4において免税書類(購入記録票や購入者誓約書)を印刷する際の画面の一例を示す説明図である。図16(A)に示すように、サービスカウンタ端末4の店員用表示部21には、免税選択ボタン1600がポップアップ表示される。免税選択ボタン1600のうち、「はい」ボタンが押下されると、登録された内容でそのまま免税書類が印刷される。また、「いいえ」ボタンが押下されると、免税書類の作成が行われず、元の画面(例えば、図13(E)の画面)に戻る。また、「印字のみ」ボタンが押下されると、既に完了した免税取引についての所望の免税書類が印刷可能になる。具体的には、「印字のみ」ボタンが押下されると、図16(B)に示す画面に遷移する。
図16(B)は、印刷対象の書類(項目)を選択するための画面を示す。この画面において、例えば、店員の操作に応じて、選択項目1610のうち、一または複数の項目が選択されると、され選択された項目が示す免税書類を印刷する。これにより、例えば、免税書類を紛失した場合や、登録精算端末3において免税書類の印刷を行わなかった場合などでも、サービスカウンタ端末4において必要な免税書類を印刷することができる。
(免税書類の一例について)
図17は、購入記録票および購入者誓約書の一例を示す説明図である。図17(A)は、購入記録票の一例を示す。
図示については適宜省略しているが、購入記録票には、(1)購入者に関する情報と、(2)消費税免税店を経営する事業者に関する情報と、(3)購入した品物に関する情報とが記載されている。
(1)購入者に関する情報は、例えば、購入者の、氏名、国籍、生年月日、在留資格、上陸年月日、所持する旅券等の種類、当該旅券等の番号である。
(2)消費税免税店を経営する事業者に関する情報は、例えば、氏名または名称、納税地、納税地を所轄する税務署の名称、免税店の所在地、購入年月日である。
(3)購入した品物に関する情報は、例えば、品名、数量、税抜価格、税抜合計金額などである。
図17(B)は、購入者誓約書の一例を示す。
図示については適宜省略しているが、購入者誓約書には、(4)購入者に関する情報と、(5)消費税免税店を経営する事業者に関する情報と、(6)購入した品物に関する情報とが記載されている。
(4)購入者に関する情報は、購入記録票に記載される購入者に関する情報と同様である。
(5)消費税免税店を経営する事業者に関する情報は、購入記録票に記載される、消費税免税店を経営する事業者に関する情報と比較して、納税地や税務署や免税店の所在地が含まれず、購入者の署名が含まれる。
(6)購入した品物に関する情報は、購入記録票に記載される購入した品物に関する情報と比較して、一般物品については購入後に輸出することを宣誓する旨や、消耗品については購入後30日以内に輸出することを宣誓する旨を含む。
購入記録票および購入者誓約書は、例えば、店員の作業によりパスポートに貼付される。また、購入者誓約書は、消費税免税店を経営する事業者(販売した店舗)において、所定期間、保存される。
(登録精算端末3が行う処理の一例について)
次に、図18~図21を用いて、図6~図9に示した画面を表示させるための処理の一例について説明する。図18は、登録精算端末3が行う免税処理の切替え処理の一例を示すフローチャートである。図18において、登録精算端末3は、免税宣言キー601(図6参照)が押下されたか否かを判断する(ステップS1801)。登録精算端末3は、免税宣言キー601が押下されるまで待機し(ステップS1801:NO)、免税宣言キー601が押下されると(ステップS1801:YES)、現在の登録中の商品に割引商品があるか否かを判断する(ステップS1802)。
現在の登録中の商品に割引商品がない場合(ステップS1802:NO)、登録精算端末3は、免税選択ボタン602(図6参照)を表示する(ステップS1803)。そして、登録精算端末3は、所定期間内に免税処理の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS1804)。所定期間内に免税処理の開始を受け付けない場合(ステップS1804:NO)、具体的には、例えば、免税処理を行わない旨を受け付けた場合や、何ら操作されずに所定時間が経過した場合、登録精算端末3は、免税処理の切替えを行わずに、そのまま一連の処理を終了する。
所定期間内に免税処理の開始を受け付けた場合(ステップS1804:YES)、登録精算端末3は、免税区分を選択するための区分選択ボタン603(図6参照)を表示する(ステップS1805)。そして、登録精算端末3は、所定期間内に免税区分を受け付けたか否かを判断する(ステップS1806)。所定期間内に免税区分を受け付けない場合(ステップS1806:NO)、具体的には、例えば、何ら操作されずに所定時間が経過した場合、登録精算端末3は、免税処理の切替えを行わずに、そのまま一連の処理を終了する。
所定期間内に免税区分を受け付けた場合(ステップS1806:YES)、登録精算端末3は、免税処理を開始し(ステップS1807)、一連の処理を終了する。
ステップS1802において、現在の登録中の商品に割引商品がある場合(ステップS1802:YES)、登録精算端末3は、免税宣言キー601が無効である旨のエラー通知900(図9(B)参照)を行い(ステップS1808)、免税処理の切替えを行わずに、一連の処理を終了する。
上述した処理により、登録精算端末3は、店員の操作により、免税処理を開始および終了させることができる。また、登録精算端末3は、割引商品が登録されている場合には、免税処理を開始させないようにすることができる。このため、登録精算端末3は、免税および割引といった特殊な処理が二重に行われないようにし、適切な免税手続を支援することができる。
(メインメニューボタンが押下された際の処理について)
図19は、登録精算端末3が行うメインメニューボタンが押下された際の処理の一例を示すフローチャートである。図19において、登録精算端末3は、メインメニューボタン800(図8参照)が押下されたか否かを判断する(ステップS1901)。登録精算端末3は、メインメニューボタン800が押下されるまで待機し(ステップS1901:NO)、メインメニューボタン800が押下されると(ステップS1901:YES)、免税処理中であるか否かを判断する(ステップS1902)。
免税処理中ではない場合(ステップS1902:NO)、登録精算端末3は、ステップS1906へ移行する。免税処理中である場合(ステップS1902:NO)、登録精算端末3は、登録中の商品があるか否かを判断する(ステップS1903)。登録中の商品がない場合(ステップS1903:NO)、登録精算端末3は、ステップS1906へ移行する。
登録中の商品がある場合(ステップS1903:NO)、登録精算端末3は、エラー通知801(図8(B)参照)を行う(ステップS1904)。そして、登録精算端末3は、所定期間内に登録中の商品の取消があるか否かを判断する(ステップS1905)。所定期間内に登録中の商品の取消がない場合(ステップS1905:NO)、具体的には、例えば、登録中の商品の取消を行わない旨を受け付けた場合や、何ら操作されずに所定時間が経過した場合、登録精算端末3は、そのまま一連の処理を終了する。一方、所定期間内に登録中の商品の取消があると(ステップS1905:YES)、登録精算端末3は、メインメニューの画面を表示し(ステップS1906)、一連の処理を終了する。
上述した処理により、登録精算端末3は、免税処理中にメインメニューの画面に遷移させないようすることができる。したがって、登録精算端末3は、免税処理中において、各種設定や特殊な操作を行えないようにすることができるため、免税処理における登録ミスを抑えることができる。したがって、登録精算端末3は、適切な免税手続を支援することができる。
なお、上述した処理において、ステップS1903の判断を行わないようにしてもよい。すなわち、上述した処理では、登録中の商品がある場合に(ステップS1903:YES)、エラー通知801を行うようにしたが、これに限らず、登録中の商品がない場合でもエラー通知801を行うようにしてもよい。
(商品の登録処理および精算処理について)
図20および図21は、登録精算端末3が行う商品の登録処理および精算処理の一例を示すフローチャートである。図20において、登録精算端末3は、商品の登録情報をスキャン等したか否かを判断する(ステップS2001)。登録情報のスキャン等は、具体的には、店員用表示部21へのタッチ(押下)、キー操作部22の操作、スキャナ部35のスキャン等により、登録情報を入力することである。
登録精算端末3は、スキャン等があるまで待機する(ステップS2001:NO)。登録精算端末3は、スキャン等がある場合には(ステップS2001:YES)、登録精算端末3は、免税処理中であるか否かを判断する(ステップS2002)。免税処理中である場合(ステップS2002:YES)、登録精算端末3は、ステップS2004に進む。
一方、免税処理中ではない場合(ステップS2002:NO)、登録精算端末3は、通常の税率を乗じて、金額を算出する(ステップS2003)。そして、登録精算端末3は、商品を登録し、登録した商品を表示する(ステップS2004)。次に、登録精算端末3は、キー操作部22の小計キーや小計ボタン702(図7参照)が押下されたか否かを判断する(ステップS2005)。登録精算端末3は、小計キー等が押下されない場合(ステップS2005:NO)、ステップS2001に戻る。
一方、登録精算端末3は、小計キー等が押下された場合(ステップS2005:YES)、免税処理中であるか否かを判断する(ステップS2006)。免税処理中ではない場合(ステップS2006:NO)、登録精算端末3は、ステップS2014へ進む。
ステップS2006において、免税処理中である場合(ステップS2006:YES)、登録精算端末3は、合計金額が免税対象の金額(例えば、5千円)以上であるか否かを判断する(ステップS2007)。なお、本フローチャートにおいて、判断の対象とする合計金額は、消耗品の合計金額とする。ただし、一般物品の合計金額についても判断の対象としてもよい。
合計金額が免税対象の下限金額以上である場合(ステップS2007:YES)、登録精算端末3は、ステップS2011に進む。一方、合計金額が免税対象の下限金額以上ではない場合(ステップS2007:NO)、登録精算端末3は、合計金額が下限金額に達していない旨を報知する(ステップS2008)。
そして、登録精算端末3は、免税するか否かの確認画面を表示し、免税しない旨を受け付けたか否かを判断する(ステップS2009)。免税しない旨を受け付けた場合(ステップS2009:YES)、登録精算端末3は、通常の税率を乗じて金額を算出して表示し(ステップS2010)、ステップS2014へ進む。
一方、免税しない旨を受け付けない場合(ステップS2009:NO)、すなわち、免税を行う場合、登録精算端末3は、免税区分を消耗品として登録した商品があるか否かを判断する(ステップS2011)。
ステップS2011において、免税区分を消耗品として登録した商品がない場合(ステップS2011:NO)、すなわち、登録した商品が全て一般物品として登録されている場合、登録精算端末3は、ステップS2014へ移行する。免税区分を消耗品として登録した商品がある場合(ステップS2011:YES)、登録精算端末3は、合計金額が免税対象の上限金額(例えば50万円)以下であるか否かを判断する(ステップS2012)。
合計金額が免税対象の上限金額以下ではない場合(ステップS2012:NO)、すなわち、上限金額を超えている場合、登録精算端末3は、免税区分を変更して再登録を受け付け(ステップS2013)、ステップS2011に戻る。
ステップS2012において、合計金額が免税対象の上限金額以下である場合(ステップS2012:YES)、登録精算端末3は、合計金額以上の金額が入金されたか否か、すなわち、紙幣や硬貨が自動釣銭機に投入されたか否かを判断する(ステップS2014)。なお、登録精算端末3は、自動釣銭機を備えない構成の場合には、ステップS2014の処理を行わないようにすればよい。
登録精算端末3は、合計金額以上の金額が入金されるまで待機する(ステップS2014:NO)。合計金額以上の金額が入金されると(ステップS2014:YES)、登録精算端末3は、会計キー(お会計ボタン)が押下されたか否かを判断する(ステップS2015)。登録精算端末3は、会計キーが押下されるまで待機し(ステップS2015:NO)、会計キーが押下されると(ステップS2015:YES)、会計処理を実行する(ステップS2016)。
そして、登録精算端末3は、お釣りがあるか否か、すなわち、預かり金額と合計金額とに差額があるか否かを判断する(ステップS2017)。お釣りがない場合(ステップS2017:NO)、登録精算端末3は、ステップS2019へ進む。一方、お釣りがある場合(ステップS2017:YES)、登録精算端末3は、お釣りを排出する(ステップS2018)。そして、登録精算端末3は、自動釣銭機が有するセンサによって、紙幣排出口および硬貨排出口から紙幣および硬貨が取り去られたことが検出されると、ステップS2019へ進む。
ステップS2019において、登録精算端末3は、完了した取引が免税取引か否かを判断する(ステップS2019)。完了した取引が免税取引である場合(ステップS2019:YES)、登録精算端末3は、免税手続用レシート1000(図10参照)を印刷する(ステップS2020)。そして、登録精算端末3は、サービスカウンタ端末4へ免税取引情報を送信し(ステップS2021)、一連の処理を終了する。なお、ステップS2021において送信される免税取引情報には、免税処理の取引が完了した旨(図11(A)の第1完了通知1101等)を、サービスカウンタ端末4で報知させるための指示を含む。
一方、ステップS2019において、登録精算端末3は、完了した取引が免税取引ではない場合(ステップS2019:YES)、すなわち、通常の取引(通常処理)である場合、登録精算端末3は、通常のレシートを印刷する(ステップS2022)。そして、登録精算端末3は、サービスカウンタ端末4へ通常の取引情報を送信し(ステップS2023)、一連の処理を終了する。
上述した処理により、登録精算端末3は、本来は一般物品の免税区分に該当する商品についても、消耗品との合計金額が上限金額以下の場合には、消耗品の免税区分で登録して、免税することができる。また、登録精算端末3は、免税取引が完了した場合には、免税手続用レシート1000を出力するとともに、サービスカウンタ端末4へ免税取引情報を送信することができる。
(サービスカウンタ端末4が行う処理について)
次に、図22を用いて、図11~図15-2に示した画面を表示させるための処理の一例について説明する。図22は、サービスカウンタ端末4が行う免税書類情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。図22において、サービスカウンタ端末4は、免税取引情報を受信したか否かを判断する(ステップS2201)。サービスカウンタ端末4は、免税取引情報を受信するまで待機する(ステップS2201:NO)。
サービスカウンタ端末4は、免税取引情報を受信すると(ステップS2201:YES)、免税取引の完了通知(図11(A)の第1完了通知1101、第2完了通知1102および他の免税取引完了通知1103、1104)を表示する(ステップS2202)。そして、サービスカウンタ端末4は、免税書類情報の作成開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS2203)。具体的には、サービスカウンタ端末4は、図11(A)の免税一覧ボタン1111が押下されたか否かを判断する。
サービスカウンタ端末4は、免税書類情報の作成開始を受け付けるまで待機する(ステップS2204:NO)。サービスカウンタ端末4は、免税書類情報の作成開始を受け付けると(ステップS2204:YES)、免税取引の一覧表示(図11(B)参照)を表示する(ステップS2204)。
そして、サービスカウンタ端末4は、免税取引の一覧表示の中から、免税手続の対象となる取引を受け付けたか否かを判断する(ステップS2205)。サービスカウンタ端末4は、免税手続の対象となる取引を受け付けるまで待機し(ステップS2205:NO)、免税手続の対象となる取引を受け付けると(ステップS2205:YES)、消耗品で登録した商品が複数あるか否かを判断する(ステップS2206)。消耗品で登録した商品が複数ない場合(ステップS2206:NO)、サービスカウンタ端末4は、ステップS2208へ進む。
消耗品で登録した商品が複数ある場合(ステップS2206:YES)、サービスカウンタ端末4は、消耗品で登録した商品の合計金額を算出する(ステップS2207)。そして、サービスカウンタ端末4は、購入した商品の合計金額が下限金額(例えば5千円)以上であるか否かを判断する(ステップS2208)。なお、本フローチャートにおいて、判断の対象とする合計金額は、消耗品の合計金額とする。ただし、一般物品の合計金額についても判断の対象としてもよい。
消耗品の合計金額が下限金額以上である場合(ステップS2208:YES)、サービスカウンタ端末4は、合計金額が上限金額(例えば50万円)以下であるか否かを判断する(ステップS2209)。
合計金額が免税対象の上限金額以下ではない場合(ステップS2209:NO)、すなわち、上限金額を超えている場合、サービスカウンタ端末4は、免税区分の変更を受け付けて再登録を行い(図15-1(B)~図15-2(D)参照)を表示し(ステップS2210)、ステップS2206に戻る。例えば、サービスカウンタ端末4の店員は、消耗品で登録した一般物品の商品を、消耗品の合計金額が免税対象の上限金額以下となるように、消耗品から一般物品に登録し直す。なお、図示を省略するが、ステップS2009において、合計金額が免税対象の上限金額以下ではない場合、登録精算端末3は、通常の税率を乗じて金額を算出して表示する場合もある(図15-1(B)参照)。
ステップS2209において、合計金額が免税対象の上限金額以下である場合(ステップS2209:YES)、サービスカウンタ端末4は、スキャナ部35にパスポートを読み込ませることにより、または、店員用表示部21からの店員の操作入力により、パスポート情報を入力する(ステップS2211)。なお、判断の対象とする免税区分を一般物品とする場合、サービスカウンタ端末4は、ステップS2209の処理を行わず、ステップS2208の処理の後に、ステップS2212に進めばよい。
そして、サービスカウンタ端末4は、例えば、印字ボタン1300(図13参照)が押下されることによる、免税書類情報の印刷開始の指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS2212)。サービスカウンタ端末4は、免税書類情報の印刷開始の指示を受け付けるまで待機する(ステップS2212:NO)。サービスカウンタ端末4は、免税書類情報の印刷開始の指示を受け付けると(ステップS2212:YES)、免税書類情報を印刷する(ステップS2213)。
そして、サービスカウンタ端末4は、消耗品で登録した商品があるか否かを判断する(ステップS2214)。消耗品で登録した商品がない場合(ステップS2214:NO)、すなわち、登録した商品が全て一般物品として登録されている場合、サービスカウンタ端末4は、一連の処理を終了する。一方、消耗品で登録した商品がある場合(ステップS2214:YES)、サービスカウンタ端末4は、梱包ガイダンス画面1310(図13(F)参照)を表示して(ステップS2215)、一連の処理を終了する。
ステップS2208において、合計金額が下限金額以上ではない場合(ステップS2208:NO)、サービスカウンタ端末4は、免税対象の下限金額に達していない旨を報知する(ステップS2216)。そして、サービスカウンタ端末4は、免税書類を作成するか否かの確認画面(図15-1(A)参照)を表示し、作成しない旨を受け付けたか否かを判断する(ステップS2217)。免税書類を作成しない旨を受け付けた場合(ステップS2217:YES)、サービスカウンタ端末4は、一連の処理を終了する。
一方、免税書類を作成しない旨を受け付けない場合(ステップS2217:NO)、すなわち、免税書類を作成する場合、サービスカウンタ端末4は、ステップS2211に進む。なお、消耗品の合計金額が免税対象の下限金額に達していなくても、免税書類の印刷を可能としているのは、今回の取引において、合計金額が下限金額以上とならなくても、例えば、同日に同店舗において、さらに商品を購入することにより、合計金額が下限金額以上となる場合があるためである。
なお、図示を省略するが、ステップS2217において免税書類を作成しない旨を受け付けない場合、サービスカウンタ端末4は、他の商品の追加を受け付ける場合もある(図15-1(A)の商品追加ボタン1501参照)。
上述した処理により、本来は一般物品の免税区分に該当する商品についても、消耗品との合計金額が上限金額以下の場合には、消耗品として登録して、免税書類を作成することができる。また、消耗品を梱包する際のガイダンスを表示することにより、店員の梱包作業を支援することができる。
(POSレジスタの機能的構成について)
次に、POSレジスタである、登録精算端末3およびサービスカウンタ端末4の機能的構成について説明する。登録精算端末3およびサービスカウンタ端末4は、商品販売データ処理装置の一例である。
登録精算端末3およびサービスカウンタ端末4は、免税受付部と、区分受付部と、登録部と、区分報知部と、印字出力部と、免税報知部と、梱包報知部と、完了出力部と、表示部と、取引情報受付部と、生成部と、渡航情報入力部と、区分報知部とを備える。
免税受付部と、区分受付部と、取引情報受付部とは、CPU31が所定の商品販売データ処理プログラムを実行して、店員用表示部21からの操作を受け付けることによって実現される。
また、区分報知部と、免税報知部と、梱包報知部と、完了出力部と、表示部と、区分報知部とは、CPU31が所定の商品販売データ処理プログラムを実行して、店員用表示部21を制御して各種情報を表示することによって実現される。
また、登録部と、生成部とは、CPU31が所定の商品販売データ処理プログラムを実行することによって実現される。
また、印字出力部は、印刷部25によって実現される。
また、渡航情報入力部は、スキャナ部35によって実現される。
(本実施形態の効果)
以下に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態において、POSレジスタ(登録精算端末3およびサービスカウンタ端末4)は、免税処理の開始を受け付けた場合に、免税区分の指定を受け付けるようにし、受け付けた指定の免税区分に対応付けて商品を登録することとした。このため、商品マスタに新たに免税区分を記録しなくても、免税区分ごとの商品登録を行うことができる。すなわち、免税区分が記録されていない商品マスタを用いて、免税区分の登録ができる。したがって、本実施形態に係るPOSレジスタによれば、新たな商品マスタの作成に係る店舗スタッフ等の作業負荷を抑えることができる。特に、量販店などのように、取り扱う商品の数が数万点に及ぶ店舗においては、このような効果は顕著になる。このため、本実施形態にかかるPOSレジスタによれば、免税手続を効率よく行うことを支援することができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、消耗品として指定した商品については、消耗品の合計金額が下限金額(5千円)以上かつ上限金額(50万円)以下の場合に商品の登録を行うようにした。したがって、免税区分が記憶された商品マスタを用いなくても、免税区分に応じた適切な商品の登録を行うことができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、消耗品として指定した商品については、合計金額が免税対象となる金額ではない場合に、具体的には、消耗品の合計金額が下限金額(5千円)未満の場合や上限金額(50万円)を超える場合に、その旨を報知することとした。したがって、免税区分の変更や商品の追加登録を促すことができるため、適切な商品登録を促すことができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、指定した免税区分と、レシート番号とを、通常の取引内容(購入日時や購入商品名)の表示態様とは異なる表示態様の免税手続用レシート1000(図10参照)を印字出力することとした。したがって、サービスカウンタの店員は、サービスカウンタ端末4に一覧表示されるレシート番号の中から、免税手続用レシート1000に記載されるレシート番号を容易に見つけ出すことができる。また、免税手続用レシート1000に記載される免税区分を容易に確認できるため、消耗品の免税区分である場合には、梱包等の準備に取り掛かることができる。したがって、免税手続に係る店員の作業効率を向上させることができる。このため、免税手続を効率よく行うことを支援することができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、免税処理中に、免税処理中であることを報知(図7(C)の免税処理中示唆画像700)することとした。これにより、店員(オペレータ)は、免税処理中であることを容易に把握することができる。特に、免税処理中はメインメニューの画面への移行操作などが禁止されるため、POSレジスタは、このような操作が行われることを抑えることができる。したがって、免税処理における商品の登録ミスを抑えることができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、消耗品として指定した商品については、上限金額(50万円)を超える場合に、免税区分の変更を受け付けるようにした。したがって、本来は一般物品に該当する商品を、消耗品として登録した場合であっても、当該商品を一般物品に変更することを促すことができる。これにより、店員は、消耗品の合計金額が下限金額(5千円)以上かつ上限金額(50万円)以下となるよう、適切な免税区分で商品を登録することができる。したがって、適切な免税手続を支援することができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、免税区分が消耗品として指定された場合には、梱包ガイダンス画面1310(図13(F)参照)を表示するようにした。これにより、店員は、梱包ガイダンス画面1310に表示される手順に従って、簡単かつ正確に梱包作業を行うことができる。このため、POSレジスタは、店員の梱包作業を支援することができる。したがって、免税手続を効率よく行うことを支援することができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、免税区分が消耗品として指定されていない場合、梱包ガイダンス画面1310を表示しないこととした。したがって、免税区分が消耗品でない場合に、店員が誤って梱包作業を行ってしまうことを抑えることができる。特に、免税手続が頻繁に行われることのない店舗においては、免税手続に慣れていない店員が多いことが想定される。本実施形態に係るPOSレジスタによれば、梱包ガイダンス画面1310を適切なタイミングで表示することにより、適切な免税手続を支援することができる。
また、上述した実施形態において、サービスカウンタ端末4は、登録精算端末3から免税取引情報を受信すると、登録精算端末3において免税取引が完了した旨を示す通知(図11の第1完了通知1101および第2完了通知1102など)を行うこととした。これにより、サービスカウンタ端末4の店員は、免税手続に備えることができる。例えば、梱包の準備や、免税手続に慣れていない店員であれば免税手続を熟知した店員を呼び出すなど、免税手続に備えることができる。したがって、免税手続に係る店員の作業効率を向上させることができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、パスポート情報を入力し、入力したパスポート情報に基づいて、免税書類情報を生成することとした。これにより、パスポート情報に応じた免税書類を印字出力することができる。このため、店員の免税書類の作成に係る負荷を軽減することができる。したがって、免税手続に係る店員の作業効率を向上させることができる。
また、上述した実施形態において、サービスカウンタ端末4は、登録精算端末3から受信した免税取引情報を取引ごとに表示して、一以上の免税取引情報を受け付け、受け付けた免税取引情報に基づいて、免税書類情報を生成することとした。これにより、複数の取引を合算して、免税書類を印字出力することができる。このように、免税手続をまとめて行うことができるため、免税手続を行う回数を低減させることができる。これにより、免税手続に係る店員の作業負荷を抑えることができる。また、免税手続を受ける際に、客が何度もサービスカウンタ端末4へ赴いたり、その都度、免税手続が終えるのを待ったりするといった、客の労力を抑えることができる。このため、POSレジスタによれば、免税手続における利便性を向上させることができる。
また、上述した実施形態において、POSレジスタは、消耗品として指定した商品については、合計金額が下限金額(5千円)以上かつ上限金額(50万円)以下の場合に、免税書類情報を生成するようにした。したがって、免税区分が記憶された商品マスタを用いなくても、免税区分に応じた適切な免税書類を印刷することができる。これにより、免税手続を効率よく行うことを支援することができる。
なお、上述した実施形態では、パスポート情報を、サービスカウンタ端末4が入力する場合について説明したが、これに限らず、パスポート情報を、登録精算端末3が入力するようにしてもよい。具体的に説明すると、登録精算端末3は、免税処理の開始を受け付けた際にパスポート情報の入力を受け付けてもよいし、免税取引が完了した際にパスポート情報の入力を受け付けてもよい。この場合、登録精算端末3は、免税書類を印字出力してもよい。また、この場合、登録精算端末3は、入力したパスポート情報を、免税取引情報とともに、サービスカウンタ端末4へ送信してもよい。
パスポート情報を、登録精算端末3が入力することにより、サービスカウンタ端末4において、パスポート情報の入力を行わなくても、免税書類を印字出力することができる。このため、諸々の業務が集中するサービスカウンタ端末4における処理を、登録精算端末3に分散させることができる。したがって、サービスカウンタにおける業務の低減を図ることができるとともに、サービスカウンタにおける顧客の混雑を抑えることができる。
また、上述した実施形態では、登録精算端末3で免税区分に応じた商品の登録を行い、サービスカウンタ端末4で免税書類を印字出力する構成について説明したが、これに限らない。例えば、登録精算端末3のPOSレジスタで、商品の登録と免税書類の印刷とを行う構成とすることも可能である。
例えば、登録精算端末3は、免税区分に応じた商品の登録を行い、登録した情報に基づいて、免税書類情報を生成し、免税書類を印刷すればよい。また、梱包作業についても、登録精算端末3のオペレータ(店員)によって行われてもよい。この場合、登録精算端末3は、パスポート情報の入力を行い、免税書類を印字出力した後に、店員用表示部21に梱包ガイダンス画面1310(図13(F)参照)を表示すればよい。また、登録精算端末3は、消耗品として登録した商品の合計金額が免税適用額ではない場合に、免税区分の変更を受け付けるようにしてもよい。
このような構成とすることにより、例えば、サービスカウンタが混雑している場合や、サービスカウンタが設けられない店舗の場合に、登録精算端末3で、免税書類を印字出力することができる。また、レジが混雑している場合には、サービスカウンタ端末4で、免税区分に応じた商品の登録と、免税書類の印刷とを行うことができる。このため、免税手続を行う際の利便性を向上させることができ、免税手続に関する業務の効率化を図ることができる。
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の各変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。
(実施形態の変形例1)
まず、実施形態の変形例1について説明する。上述した実施形態では、登録精算端末3において免税取引が完了した場合に、登録精算端末3において免税取引が完了した旨を示す完了通知(図11の第1完了通知1101や第2完了通知1102など)を、サービスカウンタ端末4に表示させる構成について説明した。変形例1では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、携帯端末5に、免税取引が完了した旨を示す完了した旨を通知するようにしてもよい。
具体的に説明すると、登録精算端末3は、免税取引が完了すると、免税取引情報を携帯端末5へ送信する。携帯端末5は、免税取引情報を受信すると、ディスプレイおよびスピーカを用いて、免税取引の完了を示す通知を行う。変形例1によれば、携帯端末5を所持する店員は、免税取引が完了したことをリアルタイムに把握でき、免税手続に備えることができる。
(実施形態の変形例2)
実施の形態の変形例2では、POSレジスタ(サービスカウンタ端末4)における梱包ガイダンス(図13(F)の梱包ガイダンス画面1310等)の変形例について説明する。上述した実施形態では、免税書類の印刷後に梱包ガイダンス画面1310を表示する構成としたが、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、免税書類の印刷前に梱包ガイダンス画面1310を表示してもよい。例えば、登録精算端末3から免税取引情報を受信したタイミングで、梱包ガイダンス画面1310を表示してもよい。これにより、顧客が免税手続を受けるためにサービスカウンタに訪れる前に、店員は、梱包作業に備えることができる。
また、上述した実施形態では、免税書類の印刷後に自動的に梱包ガイダンス画面1310を表示する構成としたが、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、店員の選択により梱包ガイダンス画面1310を表示してもよい。例えば、免税書類の印刷後に、梱包ガイダンス画面1310を表示させるか否かの選択ボタンを表示し、当該選択ボタンの押下に応じて梱包ガイダンス画面1310を表示してもよい。これにより、梱包作業に慣れている店員に対しては梱包ガイダンス画面1310を表示させないようにすることができる。したがって、梱包ガイダンス画面1310に代えて、他の画面を表示することができるため、表示画面を有効活用することができる。
また、自動的に梱包ガイダンス画面1310を表示するか否かの設定変更を可能にしてもよい。例えば、店員ごとに、自動的に梱包ガイダンス画面1310を表示するか否かを設定してもよい。これにより、梱包作業に慣れていない店員の場合に、梱包ガイダンス画面1310を表示することができる。
また、上述した実施形態では、梱包ガイダンス画面1310を一画面として表示する例について説明したが、これに限らず、作業手順に応じて遷移する複数の画面としてもよい。これにより、作業手順に応じて、梱包作業を支援することができる。
また、上述した実施形態では、梱包ガイダンス画面1310を表示する構成としたが、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、梱包のガイダンスを音声で行ってもよい。音声によるガイダンスの場合、例えば、作業手順に従ったガイダンスとすればよい。これにより、店員は、いちいち画面を閲覧しなくても、音声によるガイダンスにしたがって、梱包作業を行うことができる。したがって、梱包作業をより効率的に行うことができる。
(実施形態の変形例3)
上述した実施形態では、免税区分の変更または指定を受け付ける際に、POSレジスタ(サービスカウンタ端末4)は、特段、ガイダンスを行わない構成とした。変形例3では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、免税区分の変更または指定を受け付ける際にガイダンスを行うようにしてもよい。具体的には、POSレジスタは、本来は一般物品の商品については、消耗品の免税区分から除いて、一般物品の免税区分に登録する旨のガイダンスを行ってもよい。
この場合、POSレジスタは、商品マスタの分類(大分類、中分類および小分類)を用いて、登録する商品の本来の免税区分を推定してもよい。具体的に補足すると、例えば、POSレジスタは、家電製品、着物、服、鞄などの分類と一般物品とを対応付けておき、また、食品類、飲料類、薬品類、化粧品類などの分類と消耗品とを対応付けて記憶しておく。そして、POSレジスタは、登録した商品の分類に対応付けられる免税区分を特定することにより、当該商品の本来の免税区分を推定することが可能ある。POSレジスタは、推定した免税区分のガイダンスを行えばよい。変形例3によれば、適切な免税区分での商品の登録を支援することができる。
(実施形態の変形例4)
上述した実施形態では、POSレジスタ(サービスカウンタ端末4)において、消耗品で登録した商品の合計金額が免税対象の下限金額に達していなくても、免税手続を行うことを可能とした構成について説明した。変形例4では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、消耗品で登録した商品の合計金額が免税対象の下限金額に達していない場合には、免税手続を行えない構成としてもよい。
具体的には、POSレジスタは、エラー画面1500(図15-1(A)参照)において、免税手続を続行する続行ボタン1503を表示しないようにすればよい。例えば、消耗品で登録した商品の合計金額が免税対象の下限金額に達していない場合には、商品の追加、および、免税手続の中止、のいずれか一方の選択を受け付けるようにしてもよい。また、消耗品で登録した商品の合計金額が免税対象の下限金額に達していない場合には、強制的に、免税手続を中止するようにしてもよい。
これにより、消耗品で登録した商品の合計金額が免税対象の下限金額に達していない場合に、免税手続を行わないようにすることができる。したがって、免税手続を行ったものの、免税適用額ではなかったことにより、事後的に免税分の税金を支払うといった手続を行わないようにすることができる。これにより、手続が煩雑になることを抑えることができる。
(実施形態の変形例5)
上述した実施形態では、本来は一般物品に該当する商品を一括して消耗品として登録する構成について説明した。変形例5では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、本来は一般物品に該当する商品を消耗品の免税区分で登録した場合でも、本来の消耗品に該当する商品が1つも登録されていない場合には、登録した商品を一般物品に変更可能な構成について説明する。
例えば、店員の操作により、本来は一般物品に該当する商品である「〇〇シャツ」と「○○ドレス」とが、消耗品の免税区分で登録されたとする。また、登録された商品は、「〇〇シャツ」および「○○ドレス」のみとする。すなわち、本来の消耗品に該当する商品は、登録されていないものとする。この場合、「〇〇シャツ」および「○○ドレス」の商品については、消耗品として登録する必要がないため、POSレジスタは、消耗品から一般物品へ免税区分を変更可能にする。
この変更を受け付けるにあたり、POSレジスタは、本来の消耗品に該当する商品が登録されていないことを通知してもよい。具体的には、POSレジスタは、変形例3に示したように、商品マスタの分類(大分類、中分類および小分類)を用いて、登録した商品の本来の免税区分を推定してもよい。そして、消耗品の免税区分で登録した商品の中に、本来の消耗品に該当すると推定できる商品が1つもない場合に、一般物品への免税区分の変更を促す通知を行ってもよい。また、この場合、POSレジスタは、免税区分の変更を促す通知を行わずに、登録した商品の免税区分を自動で一般物品に変更してもよい。
また、免税区分の変更を受け付けるにあたり、POSレジスタは、本来の免税区分の推定を行わずに、登録した商品の一覧表示を表示して、免税区分の変更を受け付けるようにしてもよい。具体的には、POSレジスタは、店員に一覧表示を閲覧させて、「一般物品が含まれていませんか?」などの通知を行い、本来の消耗品に該当する商品の有無を確認させる。そして、POSレジスタは、店員から一般物品への免税区分の変更を受け付けるようにしてもよい。
変形例5によれば、消耗品の免税区分で登録した商品の中に、本来の消耗品に該当する商品がない場合に、免税区分を一般物品に変更することができる。このため、本来の消耗品に該当する商品がない場合に、梱包作業を行わないで済む。したがって、免税手続における店員の作業負荷を軽減することができる。
(実施形態の変形例6)
上述した実施形態では、一般物品に該当する商品を一括して消耗品として登録することが可能な構成について説明した。変形例6では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、一般物品に該当する商品を消耗品の免税区分で登録した場合でも、消耗品として梱包できないものについては、登録した商品を一般物品の免税区分に変更可能な構成について説明する。
例えば、店員の操作により、本来は一般物品に該当する商品である「〇〇テレビ」が、消耗品の免税区分で登録されたとする。この「〇〇テレビ」は、大型のテレビであるとする。この場合、「〇〇テレビ」の商品については、梱包に適さないため、消耗品から一般物品へ免税区分を変更する。
この変更を受け付けるにあたり、POSレジスタは、「〇〇テレビ」を消耗品として登録することが適していない旨を通知してもよい。この場合、POSレジスタは、分類から一般物品であると推定できる商品については商品ごとに梱包の適否を示す情報を記憶しておいてもよい。例えば、POSレジスタは、一定の寸法以上の商品や、一定の重さ以上の承認については、梱包に不適であることを示す情報を記憶しておけばよい。
そして、POSレジスタは、消耗品として登録した商品の中に、梱包に不適であることを示す情報が付された商品がある場合に、一般物品への免税区分の変更を促す通知を行い、店員から一般物品への免税区分の変更を受け付けるようにしてもよい。また、この場合、POSレジスタは、免税区分の変更を促す通知を行わずに、自動的に免税区分を一般物品に変更してもよい。
変形例6によれば、POSレジスタは、消耗品として登録した商品が梱包に不適である商品である場合に、免税区分を一般物品に変更することができる。このため、店員は、梱包に不適な商品の梱包作業を行わないで済む。したがって、POSレジスタは、免税手続における店員の作業負荷を軽減させることができる。
以下に付記を開示する。なお、カッコ内に記載の内容は、実施の形態に対応する構成の一例を示す。
(付記1)
免税処理の開始を受け付ける免税受付手段(図6(A)の免税選択ボタン602)と、
前記免税受付手段によって免税処理の開始が受け付けられた場合に、免税区分の指定を受け付ける区分受付手段(図6(B)の区分選択ボタン603)と、
前記区分受付手段によって受け付けられた指定の免税区分に対応付けて商品を登録する登録手段(図7(C)の商品登録欄701)と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置(登録精算端末3およびサービスカウンタ端末4)。
(付記2)
前記登録手段で登録された商品の合計金額が免税対象となる金額である場合(5千円以上かつ50万円未満の場合)に免税処理を実行する、
ことを特徴とする付記1に記載の商品販売データ処理装置。
(付記3)
前記指定の免税区分が特定の免税区分(消耗品)であり、且つ、商品の合計金額が免税対象となる金額ではない場合(5千円未満または50万円超の場合)に、その旨を報知する区分報知手段(図15-1(A)、(B))、
をさらに備えることを特徴とする付記1または2に記載の商品販売データ処理装置。
(付記4)
免税処理の取引が完了した場合に、前記指定の免税区分と、前記取引を識別する識別情報とを、所定の態様で媒体(図10の免税用レシート1000)に印字出力する印字出力手段(印刷部25)、
をさらに備えることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
(付記5)
前記免税受付手段によって免税処理の開始が受け付けられた場合に、免税処理が行われていることを報知する免税報知手段(図7(C)の免税処理中示唆画像700)、
をさらに備えることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
(付記6)
前記区分受付手段は、
前記指定の免税区分が特定の免税区分であり、且つ、商品の合計金額が免税対象となる上限金額(50万円)を超える場合に、前記指定の免税区分の変更を受け付ける(図15-1(B)、図15-2(C))、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
(付記7)
前記指定の免税区分が特定の免税区分である場合、商品の梱包に関する報知を行う梱包報知手段(図13(F)の梱包ガイダンス画面1310)、
をさらに備えることを特徴とする付記5に記載の商品販売データ処理装置。
(付記8)
前記梱包報知手段は、前記指定の免税区分が特定の免税区分ではない場合、前記梱包に関する報知を行わない(図22のステップS2214:NO)、
ことを特徴とする付記8に記載の商品販売データ処理装置。
(付記9)
他の商品販売データ処理装置(サービスカウンタ端末4)と接続される付記1乃至8のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置(登録精算端末3)であって、
前記商品販売データ処理装置は、免税処理の取引が完了した旨(図11の第1完了通知1101、第2完了通知1102など)を前記他の商品販売データ処理装置で報知可能に出力する完了出力手段をさらに備える、
ことを特徴とする商品販売データ処理装置。
(付記10)
前記他の商品販売データ処理装置において免税処理の取引が完了した免税取引情報を取引ごとに表示する表示手段(図11(B)の免税処理の一覧表示)と、
前記表示手段に表示された免税取引情報の中から一以上の免税取引情報を受け付ける取引情報受付手段(図11(B))と、
前記取引情報受付手段によって受け付けられた一以上の免税取引情報に基づいて、免税手続に用いられる前記免税書類情報を生成する生成手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の商品販売データ処理装置。
(付記11)
客の渡航に関する情報(パスポート情報)を入力する渡航情報入力手段(スキャナ部35、図12(D)、図13(E))をさらに備え、
前記生成手段は、前記渡航情報入力手段によって入力された渡航に関する情報に基づいて、前記免税書類情報を生成する、
ことを特徴とする付記10に記載の商品販売データ処理装置。
(付記12)
前記生成手段は、前記指定の免税区分が特定の免税区分(消耗品)であり、且つ、商品の合計金額が免税対象となる金額(5千円以上かつ50万円未満の場合)である場合に、免税書類情報を生成する、
ことを特徴とする付記10または11に記載の商品販売データ処理装置。
なお、以上に説明したPOSシステム1、登録精算端末3、およびサービスカウンタ端末4を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。