以下、優待制度による優待が適用された取引に対しては、その優待制度では利用不可の支払方法で決済されるのを確実に防ぐことができる商品販売データ処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態では、セミセルフ方式のチェックアウトシステムが導入された店舗の商品販売データ処理装置を例示する。そして、当該店舗で利用可能な優待制度として、買上商品の代金に対して10%の割引を行う第1の優待制度と、同代金に対して5%の割引を行う第2の優待制度とがある場合を示す。第1の優待制度は、例えば株主優待制度である。第2の優待制度は、例えば社員優待制度である。
図1は、セミセルフ方式のチェックアウトシステム1の概略構成を示すブロック図である。チェックアウトシステム1は、複数台の登録機10と、複数台の会計機20と、ストアサーバ30と、ネットワーク40とを備える。ネットワーク40は、各登録機10と、各会計機20と、ストアサーバ30とを双方向通信自在に接続するものである。ネットワーク40は、例えばLAN(Local Area Network)である。LANは、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。
図1においては、3台の登録機10と、6台の会計機20とを備えたチェックアウトシステム1にあって、各々1台の登録機10と2台の会計機20とによって商品販売データ処理装置2を構成した場合を例示している。商品販売データ処理装置2を構成する1台の登録機10と2台の会計機20とは、1つのチェックアウトレーンに設置されている。登録機10は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員がその操作者となる。会計機20は、商品を買い上げる購買者、いわゆる客がその操作者となる。
登録機10は、商品販売データの登録、会計データの生成、会計データの送信、及び対面式決済の各機能を備える。商品販売データの登録とは、客が買い上げる商品の点数、金額等の商品販売データをメモリに登録する処理のことである。
会計データの生成とは、1つの取引として登録された商品の会計に係るデータを生成する処理のことである。会計に係るデータ、いわゆる会計データには、商品の識別コードである商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額、合計点数、合計金額等が含まれる。
会計データの送信とは、会計データを会計機20に送信する処理のことである。会計データは、ネットワーク40を通じて会計機20に送信される。会計データは、ストアサーバ30を介して会計機20に送信されてもよい。会計データの送信先は、典型的には、登録機10とともに商品販売データ処理装置2を構成する会計機20のうちの1台である。商品販売データ処理装置2を構成する複数台の会計機20に会計データを一斉に送信してもよい。他の登録機10とともに商品販売データ処理装置2を構成する会計機20に会計データを送信する場合もあり得る。
対面式決済とは、取引金額である代金の支払いを店員が客から受けることで、取引を終了させる処理である。取引金額とは、客が購入する商品の税込み合計金額である。商品に対して若しくは取引に対して値引があった場合には、値引金額分が減額される。支払方法には様々な種類がある。本実施形態では、登録機10においては、現金、自社クレジットカード、他社クレジットカード、自社電子マネー、他社電子マネー及び金券の6種類の支払方法を可能とする。
会計機20は、セルフ式決済の機能を有する。セルフ式決済とは、客自身による代金の支払い操作により取引を終了させる処理である。支払方法のうち、金券支払いは、その支払いに利用された商品券等の金券を店員が確認する必要がある。このため、本実施形態では、会計機20で使用可能な支払方法を、現金、自社クレジットカード、他社クレジットカード、自社電子マネー及び他社電子マネーの5種類とする。
ストアサーバ30は、店舗で販売される各商品の商品コード、商品名、単価等の商品データを蓄積した商品マスタファイルを管理する。またストアサーバ30は、各登録機10で登録された商品販売データを集計して、店舗の売上、商品の在庫等を管理する。
なお、商品販売データ処理装置2を構成する登録機10と会計機20との台数比は、図1に示した1:2に限定されるものではない。例えば1台の登録機10に対して3台以上の会計機20を備えた商品販売データ処理装置2であってもよい。あるいは2台の登録機10に対して1台若しくは2台の会計機20を備えた商品販売データ処理装置2であってもよい。
図2は、登録機10の要部回路構成を示すブロック図である。登録機10は、プロセッサ101、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、時計104、ドロワ105、通信インターフェース106、キーボード107、スキャナ108、第1ディスプレイ109、第2ディスプレイ110、リーダ111、プリンタ112及びシステム伝送路113を備える。システム伝送路113は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路113は、プロセッサ101と、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、時計104、ドロワ105、通信インターフェース106、キーボード107、スキャナ108、第1ディスプレイ109、第2ディスプレイ110、リーダ111及びプリンタ112とを相互に接続する。プロセッサ101、メインメモリ102及び補助記憶デバイス103がシステム伝送路113で接続されることにより、登録機10のコンピュータが構成される。
プロセッサ101は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、登録機10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
メインメモリ102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ102は、プロセッサ101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ102は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ101によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶デバイス103は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス103となり得る。補助記憶デバイス103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ101での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス103は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶されるアプリケーションプログラムには、登録機10で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ102又は補助記憶デバイス103にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
時計104は、登録機10の時刻情報源として機能する。プロセッサ101は、時計104によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
ドロワ105は、現金、商品券等を収容するためのものである。プロセッサ101からの信号により、ドロワ105は自動的に開放動作する。
通信インターフェース106は、ネットワーク40を介して接続されるストアサーバ30、会計機20または他の登録機10との間でデータ通信を行う。
キーボード107及びスキャナ108は、登録機10の入力デバイスとして機能する。キーボード107は、図3に示すように、テンキーK1と、クリアキーK2、乗算キーK3、取消キーK4、小計キーK5、転送キーK6、締めキーK7、優待1キーK8、優待2キーK9等の複数のファンクションキーと、を配置した登録機10専用のキーボードである。
締めキーK7には、現金支払いに対応した現計キーK71、自社のクレジットカード支払いに対応した自社クレジットキーK72、他社のクレジットカード支払いに対応した他社クレジットキーK73、自社の電子マネー支払いに対応した自社電子マネーキーK74、他社の電子マネー支払いに対応した他社電子マネーキーK75、金券支払いに対応した金券キーK76が含まれる。
優待1キーK8は、第1の優待制度の適用を入力するためのキーである。優待2キーK9は、第2の優待制度の適用を入力するためのキーである。
スキャナ108は、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る読取装置の一例である。スキャナ108は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110は、登録機10の表示デバイスとして機能する。第1ディスプレイ109は、登録機10のオペレータである店員に対して種々の情報を表示する。第2ディスプレイ110は、登録機10において購入する商品の登録が行われている客に対して種々の情報を表示する。この種の表示デバイスとしては、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等を利用できる。第1ディスプレイ109又は第2ディスプレイ110としてタッチパネルを用いてもよい。
リーダ111は、記録媒体からデータを読み取るためのものである。リーダ111は、例えばクレジットカードのデータ、ポイントカードのデータ、電子マネーのデータ等を横取ることができる。リーダ111は、記録媒体にデータを書き込むことができるリーダ・ライタであってもよい。
プリンタ112は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行するようにしたものである。この種のプリンタ112としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
かかる構成の登録機10としては、周知のPOS端末を使用することができる。本実施形態でもPOS端末を登録機10として使用する。かかる登録機10は、動作モードとしてセミセルフモードと単体モードとを有している。セミセルフモードが選択された場合、登録機10は、会計機20と協働することで商品販売データ処理装置として機能する。単体モードが選択された場合、登録機10は、登録機10単体で商品販売データ処理装置として機能する。
登録機10が単体モードで動作する場合、登録機10では、現金、自社クレジットカード、他社クレジットカード、自社電子マネー、他社電子マネー又は金券のいずれかの支払方法で、取引を決済することができる。登録機10がセミセルフモードで動作する場合には、金券以外の現金、自社クレジットカード、他社クレジットカード、自社電子マネー又は他社電子マネーで代金が支払われる取引については、会計機20で決済することができる。金券については、金券の内容を店員が確認する必要があるため、登録機10で決済する。
ところで、優待制度による優待が適用された取引については、代金の支払方法に制限がかかる場合がある。本実施形態では、第1の優待制度による優待が適用された取引については、現金、金券、自社クレジットカード又は自社電子マネーでの支払いを可能とし、他社クレジットカード又は他社電子マネーでの支払いを不可とする。第2の優待制度による優待が適用された取引については、現金、金券、自社電子マネー又は他社電子マネーでの支払いを可能とし、自社クレジットカード及び他社クレジットカードでの支払いを不可とする。
以上のような支払方法に関する制約を管理するために、登録機10は、図4に示すデータ構造のデータテーブル50を備えている。データテーブル50は、現金、自社クレジットカード、他社クレジットカード、自社電子マネー、他社電子マネー及び金券の支払方法別に、支払機種データと、優待1データと、優待2データとを記述したものである。
支払機種データは、各支払方法に対して、登録機10がセミセルフモードのときに実施される機種をそれぞれ示すデータである。支払機種データが「会計機」とある支払方法は、会計機20で実施される。支払機種データが「登録機」とある支払方法は、登録機10で実施される。
優待1データは、各支払方法に対して、第1の優待制度による優待が適用された取引に対する代金の支払いに有効であるか否かを示すデータである。優待1データが「有効」とある支払方法は、第1の優待制度による優待が適用された取引にして有効な支払方法である。優待1データが「無効」とある支払方法は、第1の優待制度による優待が適用された取引に対して無効な支払方法である。
優待2データは、各支払方法に対して、第2の優待制度による優待が適用された取引に対する代金の支払いに有効であるか否かを示すデータである。優待2データが「有効」とある支払方法は、第2の優待制度による優待が適用された取引に対して有効な支払方法である。優待2データが「無効」とある支払方法は、第2の優待制度による優待が適用された取引に対して無効な支払方法である。
データテーブル50は、例えばストアサーバ30で作成され、ネットワーク40を介して各登録機10にダウンロードされる。そしてデータテーブル50は、当該登録機10の補助記憶デバイス103で記憶される。かくして各登録機10は、それぞれデータテーブル50を備えることができる。ここにデータテーブル50は、優待情報の種類毎に有効な支払方法を設定した設定手段として機能する。
なお、データテーブル50は、必ずしも登録機10が備えなくてもよい。例えばストアサーバ30がデータテーブル50を備えてもよい。あるいは会計機20がデータテーブル50を備えてもよい。ストアサーバ30又は会計機20がデータテーブル50を備えた場合、登録機10のプロセッサ101は、必要なときにネットワーク40を介してストアサーバ30又は会計機20にアクセスして、データテーブル50を参照することとなる。
図5は、会計機20の要部回路構成を示すブロック図である。会計機20は、プロセッサ201、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、時計204、通信インターフェース205、タッチパネル206、リーダ207、プリンタ208、釣銭機インターフェース209及びシステム伝送路210を備える。システム伝送路210は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路210は、プロセッサ201と、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、時計204、通信インターフェース205、タッチパネル206、リーダ207、プリンタ208及び釣銭機インターフェース209とを相互に接続する。プロセッサ201、メインメモリ202及び補助記憶デバイス203がシステム伝送路210で接続されることにより、会計機20のコンピュータが構成される。
プロセッサ201は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、会計機20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ201は、例えばCPUである。
メインメモリ202は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ202は、プロセッサ201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ202は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ201によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
補助記憶デバイス203は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス203となり得る。補助記憶デバイス203は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ201での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス203は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
メインメモリ202又は補助記憶デバイス203に記憶されるアプリケーションプログラムには、会計機20で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ202又は補助記憶デバイス203にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ202又は補助記憶デバイス203にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
時計204は、会計機20の時刻情報源として機能する。プロセッサ201は、時計204によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
通信インターフェース205は、ネットワーク40を介して接続されるストアサーバ30、登録機10または他の会計機20との間でデータ通信を行う。
タッチパネル206は、会計機20の入力デバイスおよび表示デバイスとして機能する。タッチパネル206は、会計機20で会計を行う客に対して必要な情報を表示し、客のタッチ操作を受け付ける。
リーダ207は、記録媒体からデータを読み取るためのものである。リーダ207は、例えばクレジットカードのデータ、ポイントカードのデータ、電子マネーのデータ等を横取ることができる。リーダ207は、記録媒体にデータを書き込むことができるリーダ・ライタであってもよい。
プリンタ208は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ208としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
釣銭機インターフェース209は、自動釣銭機との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース209は、自動釣銭機から投入金額のデータ、貨幣収納枚数のデータ等を受信する。釣銭機インターフェース209は、釣銭データを自動釣銭機へと送信する。
図6乃至図10は、登録機10のプロセッサ101が、制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図11は、会計機20のプロセッサ201が、制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、これらの流れ図を参照し、商品販売データ処理装置2の動作を説明する。なお、情報処理の手順は各流れ図で示される手順に限定されるものではない。同様な結果を得ることが可能であれば、情報処理の手順は種々変形して実施することができる。
はじめに、登録機10の動作モードとしてセミセルフモードが選択されているときの動作について説明する。
客が買上商品の代金を支払うためにチェックアウトレーンに来ると、店員は、登録機10のスキャナ108でその買上商品に付されたコードシンボルを1品ずつ読み取らせる。そして、全ての買上商品のコードシンボルを読み取らせると、店員は、小計キーK5を入力する。
図6に示すように、登録機10のプロセッサ101は、ACT1として商品登録を待ち受けている。ここで、スキャナ108でコードシンボルが読み取られ、そのコードシンボルのデータから商品コードが検出されると、プロセッサ101は、商品登録があったと認識する。すなわちプロセッサ101は、ACT1においてYESと判定し、ACT2へと進む。
プロセッサ101は、ACT2としてその商品コードを基に商品販売データの登録処理を行う。具体的にはプロセッサ101は、その商品コードと関連付けられて記憶されている商品コード、商品名、単価等の商品データを取得し、その商品データを基に商品販売データを生成する。商品販売データは、商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額等を含む。販売点数は、コードシンボルの読取り操作の直前にテンキーK1と乗算キーK3とにより乗数が入力されていた場合にはその乗数となり、乗数が入力されていない場合には“1”となる。販売金額は、単価に販売点数を乗算した金額である。プロセッサ101は、トランザクションエリアに商品販売データを登録する。トランザクションエリアは、1取引として売り上げられる商品の商品販売データを登録するためのメモリエリアである。トランザクションエリアは、メインメモリ102の揮発性領域に形成されている。
プロセッサ101は、登録処理を終えると、ACT3として小計キーK5が入力されたか否かを確認する。小計キーK5が入力されていない場合、プロセッサ101は、ACT3においてNOと判定し、ACT1へと戻る。そしてプロセッサ101は、次の商品登録があったことを認識すると、ACT2の登録処理を再度実行する。こうして、プロセッサ101は、商品登録を認識する毎に登録処理を繰り返す。そして、小計キーK5が入力されたことを検知した場合には、プロセッサ101は、ACT3においてYESと判定し、ACT4へと進む。プロセッサ101は、ACT4として小計表示を行う。具体的にはプロセッサ101は、トランザクションエリアに登録された商品販売データを基に小計金額を算出し、第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110に表示させる。小計金額は、客が購入する商品の合計金額に対する税込み金額である。客は、この税込み金額に対して支払いを行う。すなわち小計金額は取引金額である。ここに、登録機10のプロセッサ101を主体とするコンピュータは、ACT4の処理を実行することにより、演算手段を構成する。
小計キーK5を入力した店員は、客が優待制度を利用するか否かを確認する。そして、客が第1の優待制度を利用する場合には、店員は優待1キーK8を入力する。客が第2の優待制度を利用する場合には、店員は優待2キーK9を入力する。優待制度を利用しない場合には、転送キーK6を入力する。ただし、客が金券による支払いを求めた場合には、金券キーK76を入力する。
小計表示を終えたプロセッサ101は、ACT5として優待1キーK8が入力されたか否かを確認する。優待1キーK8が入力されていない場合、プロセッサ101は、ACT5においてNOと判定し、ACT6へと進む。プロセッサ101は、ACT6として優待2キーK9が入力されたか否かを確認する。優待2キーK9が入力されていない場合、プロセッサ101は、ACT6においてNOと判定し、ACT7へと進む。プロセッサ101は、ACT7として転送キーK6が入力されたか否かを確認する。転送キーK6が入力されていない場合、プロセッサ101は、ACT7においてNOと判定し、ACT8へと進む。プロセッサ101は、ACT8として締めキーK7が入力されたか否かを確認する。締めキーK7が入力されていない場合、プロセッサ101は、ACT8においてNOと判定し、ACT9へと進む。プロセッサ101は、ACT9として取消キーK4が入力されたか否かを確認する。取消キーK4が入力されていない場合、プロセッサ101は、ACT9においてNOと判定し、ACT5へと戻る。
ここにプロセッサ101は、ACT5乃至ACT9において、優待1キーK8、優待2キーK9、転送キーK6、締めキーK7又は取消キーK4が入力されるのを待ち受ける。なお、図示しないが、この待ち受け状態において、商品登録が行われた場合には、プロセッサ101は、ACT2に戻って登録処理を行う。そして、小計キーK5が再び入力されたならば、プロセッサ101は、小計表示を行った後、ACT5乃至ACT9の待ち受け状態となる。
プロセッサ101は、ACT5乃至ACT9の待ち受け状態において、優待1キーK8が入力されたことを検知した場合には、ACT5においてYESと判定し、ACT20へと進む。プロセッサ101は、ACT20として優待1入力処理を実行する。
図7は、優待1入力処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、優待1入力処理に入ると、ACT201として優待1フラグが“1”にセットされているか否かを確認する。優待1フラグは、メインメモリ102の揮発性領域に記憶されている1ビットデータである。優待1フラグは、初期状態では“0”にリセットされている。
プロセッサ101は、優待1フラグが“1”にセットされていないことを確認すると、ACT201においてNOと判定し、ACT202へと進む。プロセッサ101は、ACT202として優待2フラグが“1”にセットされているか否かを確認する。優待2フラグは、メインメモリ102の揮発性領域に記憶されている1ビットデータである。優待2フラグは、初期状態では“0”にリセットされている。
プロセッサ101は、優待2フラグが“1”にセットされていないことを確認すると、ACT202においてNOと判定し、ACT203へと進む。プロセッサ101は、ACT203として優待1処理を実行する。具体的にはプロセッサ101は、取引金額である小計金額に対して10%の割引を行う。
優待1処理を終了すると、プロセッサ101は、ACT204としてデータテーブル50を参照して、優待1データとして「有効」が記述された支払方法を取得する。そしてプロセッサ101は、ACT205として有効な支払方法を客に報知するための報知処理を行う。例えばプロセッサ101は、第2ディスプレイ110に有効な支払方法を表示する。
図12は、報知処理によって第2ディスプレイ110に表示された画面SC1の一例である。図12に示すように、画面SC1には、第1の優待制度による優待を利用した場合に可能な支払方法として現金、自社クレジットカード、自社電子マネー及び金券の4種類があることを示す情報が表示されている。また、優待適用前の取引金額と、優待による割引率と、優待適用後の取引金額をも画面SC2に表示されている。優待適用前の取引金額は「小計金額」と表示されている。優待適用後の取引金額は「お支払金額」と表示されている。
プロセッサ101は、報知処理を終えると、ACT206として優待1フラグを“1”にセットする。そしてプロセッサ101は、図6のACT5に戻り、再び、ACT5乃至ACT10の待ち受け状態となる。
優待1フラグは、優待1処理が実行されると“1”にセットされる。したがって、ACT201において優待1フラグが“1”にセットされていた場合、すなわち優待1処理を実行済みの場合には、プロセッサ201は、YESと判定し、ACT203乃至ACT206の処理を実行することなく図6のACT5に戻る。
同様に、優待2フラグは、優待2処理が実行されると“1”にセットされる。優待2処理は、第2の優待制度による優待を適用するための処理である。本実施形態では、第1の優待制度と第2の優待制度との併用を認めない。したがって、ACT202において優待2フラグが“1”にセットされていた場合にも、プロセッサ101はYESと判定し、ACT203乃至ACT206の処理を実行することなく図6のACT5に戻る。そしてプロセッサ101は、再び、ACT5乃至ACT10の待ち受け状態となる。因みに、第1の優待制度と第2の優待制度との併用を認める場合には、ACT202の処理がスキップされる。
このように、店員が小計キーK5を入力した後に優待1キーK8を入力すると、登録機10では、第1の優待制度による優待が適用される。すなわち、取引金額が10%割引された金額に減額される。また、データテーブル50が参照されて、第1の優待制度による優待が適用された場合に有効となる支払方法が得られる。そしてこの支払方法が、第2ディスプレイ110を介して客に報知される。
ここに、登録機10のプロセッサ101を主体とするコンピュータは、キーボード107の優待1キーK8と協働してACT5の処理を実行することにより、受付手段を構成する。また同コンピュータは、ACT203の処理を実行することにより、適用手段を構成する。また同コンピュータは、第2ディスプレイ110と協働してACT205の処理を実行することにより、報知手段を構成する。
プロセッサ101は、ACT5乃至ACT9の待ち受け状態において、優待2キーK9が入力されたことを検知した場合には、ACT6においてYESと判定し、ACT30へと進む。プロセッサ101は、ACT30として優待2入力処理を実行する。
図8は、優待2入力処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、優待2入力処理に入ると、ACT301として優待2フラグが“1”にセットされているか否かを確認する。プロセッサ101は、優待2フラグが“1”にセットされていないことを確認すると、ACT301においてNOと判定し、ACT302へと進む。プロセッサ101は、ACT302として優待1フラグが“1”にセットされているか否かを確認する。プロセッサ101は、優待1フラグが“1”にセットされていないことを確認すると、ACT302においてNOと判定し、ACT303へと進む。プロセッサ101は、ACT303として優待2処理を実行する。具体的にはプロセッサ101は、小計金額に対して5%の割引を行う。
優待2処理を終了すると、プロセッサ101は、ACT304としてデータテーブル50を参照して、優待2データとして「有効」が記述された支払方法を取得する。そしてプロセッサ101は、ACT305として有効な支払方法を客に報知するための報知処理を行う。例えばプロセッサ101は、優待1入力処理のときと同様に第2ディスプレイ110に有効な支払方法を表示する。
プロセッサ101は、報知処理を終えると、ACT306として優待2フラグを“1”にセットする。そしてプロセッサ101は、図6のACT5に戻り、再び、ACT5乃至ACT10の待ち受け状態となる。
優待2フラグは、優待2処理が実行されると“1”にセットされる。したがって、ACT301において優待2フラグが“1”にセットされていた場合、すなわち優待2処理を実行済みの場合には、プロセッサ201は、YESと判定し、ACT203乃至ACT206の処理を実行することなく図6のACT5に戻る。
同様に、優待1フラグは、優待1処理が実行されると“1”にセットされる。本実施形態では、第2の優待制度と第1の優待制度との併用を認めない。したがって、ACT302において優待1フラグが“1”にセットされていた場合にも、プロセッサ101はYESと判定し、ACT303乃至ACT306の処理を実行することなく図6のACT5に戻る。そしてプロセッサ101は、再び、ACT5乃至ACT10の待ち受け状態となる。因みに、第2の優待制度と第1の優待制度との併用を認める場合には、ACT302の処理がスキップされる。
このように、店員が小計キーK5を入力した後に優待2キーK9を入力すると、登録機10では、第2の優待制度による優待が適用される。すなわち、取引金額が5%割引された金額に減額される。また、データテーブル50が参照されて、第2の優待制度による優待が適用された場合に有効となる支払方法が得られる。そしてこの支払方法が、第2ディスプレイ110を介して客に報知される。
ここに、登録機10のプロセッサ101を主体とするコンピュータは、キーボード107の優待2キーK9と協働してACT6の処理を実行することにより、受付手段を構成する。また同コンピュータは、ACT303の処理を実行することにより、適用手段を構成する。また同コンピュータは、第2ディスプレイ110と協働してACT305の処理を実行することにより、報知手段を構成する。
優待1キーK8又は優待2キーK9を入力した店員は、客が第1の優待制度又は第2の優待制度の利用を取り止めるか否かを確認する。客は、画面SC1の情報から、第1の優待制度又は第2の優待制度による優待を受けた場合に利用できる支払方法を確認できる。ここで、客が利用しようと思っていた支払方法が有効でなかった場合、優待制度の利用を取り止める場合がある。客が優待制度の利用を取り止めた場合、店員は、取消キーK4を入力する。
プロセッサ101は、ACT5乃至ACT9の待ち受け状態において、取消キーK4が入力されたことを検知した場合には、ACT9においてYESと判定し、ACT10へと進む。プロセッサ101は、ACT10として優待1フラグ又は優待2フラグが“1”にセットされているか否かを確認する。
前述したように優待1処理が実行されると、優待1フラグが“1”にセットされる。優待2処理が実行されると、優待2フラグが“1”にセットされる。したがって、優待1フラグ及び優待2フラグがいずれも“1”にセットされていない場合、つまり、優待1処理も優待2処理も実行されていない場合には、プロセッサ101は、ACT10においてNOと判定し、ACT5に戻る。そしてプロセッサ101は、再び、ACT5乃至ACT10の待ち受け状態となる。
これに対し、優待1フラグ又は優待2フラグが“1”にセットされていた場合には、プロセッサ101は、ACT11として優待取消処理を実行する。具体的にはプロセッサ101は、優待1フラグがセットされていた場合には、優待1処理によって10%の割引を行った取引金額を割引前の金額に戻す。優待2フラグがセットされていた場合には、プロセッサ101は、優待2処理によって5%の割引を行った取引金額を割引前の金額に戻す。
優待取消処理が終了すると、プロセッサ101は、ACT12として“1”にセットされていた優待1フラグ又は優待2フラグを“0”にリセットする。その後、プロセッサ101は、ACT5に戻り、再び、ACT5乃至ACT10の待ち受け状態となる。
このように、優待1入力処理を終えた後で取消キーK4が入力されると、優待1処理が取り消される。その結果、取引金額は、10%割引される前の金額に戻る。同様に、優待2入力処理を終えた後で取消キーK4が入力されると、優待2処理が取り消される。その結果、取引金額は5%割引される前の金額に戻る。
プロセッサ101は、ACT5乃至ACT9の待ち受け状態において、転送キーK6が入力されたことを検知した場合には、ACT7においてYESと判定し、ACT40へと進む。プロセッサ101は、ACT40として転送入力処理を実行する。
図9は、転送入力処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、転送入力処理に入ると、ACT401として動作モードがセミセルフモードであるか否かを確認する。動作モードがセミセルフモードの場合には、プロセッサ101は、ACT401においてYESと判定し、ACT402へと進む。プロセッサ101は、ACT402として会計データを生成する。具体的にはプロセッサ101は、トランザクションエリアに登録されている商品販売データを基に、買上商品の商品コード、商品名及び単価と、全買上商品の点数、小計金額、値引額等の情報で会計データを生成する。値引額は、第1優待処理が実行されていた場合には、小計金額を10%の割引率で割引した金額である。値引額は、第2優待処理が実行されていた場合には、小計金額を5%の割引率で割引した金額である。
会計データを生成したプロセッサ101は、ACT403としてその会計データを会計機20へと転送するように通信インターフェース106を制御する。この制御により、通信インターフェース106からネットワーク40を介して会計データが会計機20へと送信される。送信先となる会計機20は、当該登録機10と商品販売データ処理装置2を構成する2台の会計機20のうちの一方である。
会計データを受信した会計機20において決済処理が可能な場合には、その会計機20から会計可能の応答データが登録機10へと送信される。決済処理が不可能な場合には、その会計機20から他方の会計機20に会計データが転送される。そして、他方の会計機20において決済処理が可能な場合には、その他方の会計機20から会計可能の応答データが登録機10へと送信される。したがって、登録機10とともに商品販売データ処理装置2を構成する2台の会計機20のうち少なくとも一方において決済処理が可能であれば、登録機10に対して会計可能の応答データが送信される。
そこで、会計データを転送したプロセッサ101は、ACT404として会計可能の応答データを待ち受ける。そして、会計データを転送して一定時間内に、通信インターフェース106を介して会計可能の応答データを受信したならば、プロセッサ101は、ACT404においてYESと判定し、ACT405へと進む。プロセッサ101は、ACT405としてデータテーブル50を参照して、支払機種データとして「会計機」が記述された支払方法を取得する。
次いでプロセッサ101は、ACT406として優待1フラグがセットされているか否かを確認する。優待1フラグがセットされていない場合、プロセッサ101は、ACT406においてNOと判定し、ACT407へと進む。プロセッサ101は、ACT407として優待2フラグがセットされているか否かを確認する。優待1フラグがセットされていない場合、プロセッサ101は、ACT407においてNOと判定し、ACT410へと進む。ACT410の処理については、後述する。
プロセッサ101は、ACT406において優待1フラグがセットされていることを確認した場合にはYESと判定し、ACT408へと進む。プロセッサ101は、ACT408としてデータテーブル50を参照して、ACT405の処理で選択された支払方法の中から、優待1データとして「有効」が記述された支払方法を抽出する。その後、プロセッサ101は、ACT410へと進む。
プロセッサ101は、ACT407において優待2フラグがセットされていることを確認した場合にはYESと判定し、ACT409へと進む。プロセッサ101は、ACT409としてデータテーブル50を参照して、ACT405の処理で選択された支払方法の中から、優待2データとして「有効」が記述された支払方法を抽出する。その後、プロセッサ101は、ACT410へと進む。
プロセッサ101は、ACT410として支払方法のデータを、会計データ転送先の会計機20へと送信するように通信インターフェースを制御する。この制御により、優待1フラグ及び優待2フラグがいずれも“1”にセットされていないときには、ACT405の処理で選択された支払方法のデータが会計機20へと送信される。優待1フラグが“1”にセットされていたときには、ACT408の処理で抽出された支払方法のデータが会計機20へと送信される。優待2フラグが“1”にセットされていたときには、ACT409の処理で抽出された支払方法のデータが会計機20へと送信される。
その後、プロセッサ101は、ACT411として会計データ送信先の会計機20を報知する。例えばプロセッサ101は、会計データ送信先の会計機20を特定する情報を第1ディスプレイ109と第2ディスプレイ110とに表示する。例えば各会計機20には一連の番号が設定されており、プロセッサ101は、この番号を第1ディスプレイ109と第2ディスプレイ110とに表示する。以上で、プロセッサ101は、1客に対する情報処理を終了する。
なお、ACT401において、動作モードがセミセルフモードでない場合、あるいはACT404において一定時間内に会計可能の応答データを受信できなかった場合には、プロセッサ101は、転送キーK6の入力をエラーとして、転送入力処理を終了する。
このように、店員が転送キーK6を入力すると、登録機10では、会計データが生成されて会計機20へと送信される。ここで、会計機20において決済処理が可能である場合には、会計可能の応答データが登録機10へと送信される。登録機10がこの応答データを受けると、登録機10から会計機20へと支払方法のデータが送信される。支払方法のデータは、優待制度による優待が適用されていない取引の場合には、セミセルフモードにおいて会計機20で実行可能な支払方法のデータとなる。第1の優待制度による優待が適用された取引の場合には、セミセルフモードにおいて会計機20で実行可能な支払方法のうち、第1の優待制度で許容された支払方法のデータとなる。第2の優待制度による優待が適用された取引の場合には、セミセルフモードにおいて会計機20で実行可能な支払方法のうち、第2の優待制度で許容された支払方法のデータとなる。
ここに、登録機10のプロセッサ101を主体とするコンピュータは、通信インターフェース106及びデータテーブル50と協働してACT405乃至ACT410の処理を実行することにより、制限手段を構成する。
図11は、会計データを受信した会計機20のプロセッサ201が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ201は、ACT601として会計が可能であるか否かを確認する。例えば前の客の会計を処理しているビジィ状態のときに会計データを受信した場合には、プロセッサ101は、会計不可とする。例えば、自動釣銭機にエラーが発生していたときに会計データを受信した場合にも、プロセッサ101は、会計不可とする。会計不可の場合、プロセッサ201は、ACT601においてNOと判定し、ACT602へと進む。プロセッサ201は、ACT6として会計データを他の会計機20へと転送するように、通信インターフェース205を制御する。この制御により通信インターフェース205からネットワーク40を介して他の会計機20宛に会計データが転送される。因みに、この会計データを受信した会計機20においても、図11の流れ図で示す会計データ受信処理が開始される。
会計データを他の会計機へと転送したプロセッサ201は、この処理を終了する。
プロセッサ201は、会計可能であった場合、ACT601においてYESと判定し、ACT603へと進む。プロセッサ201は、ACT603として会計データ送信元の登録機10へと会計可能の応答データを送信するように通信インターフェース205を制御する。この制御により、通信インターフェース205から会計データ送信元の登録機10へと会計可能の応答データが送信される。
会計可能の応答データを送信したプロセッサ201は、ACT604として支払方法のデータを待ち受ける。そしてプロセッサ201は、通信インターフェース205を介して支払方法のデータを受信したならば、ACT604においてYESと判定し、ACT605へと進む。プロセッサ201は、ACT605としてタッチパネル206に支払方法選択画面を表示させる。
図13及び図14は、支払方法選択画面SC2,SC3の一例である。図13は、優待制度による優待を受けていない客に対して表示される支払方法選択画面SC2である。支払方法選択画面SC2には、取引金額である支払金額とともに、現金ボタンBT1、自社電子マネーボタンBT2、自社クレジットボタンBT3、他社電子マネーボタンBT4及び他社クレジットボタンBT5が表示されている。
現金ボタンBT1は、客が代金を現金で支払う場合にタッチする。自社電子マネーボタンBT2は、客が代金を自社の電子マネーで支払う場合にタッチする。自社クレジットボタンBT3は、客が代金を自社のクレジットカードで支払う場合にタッチする。他社電子マネーボタンBT4は、客が代金を他社の電子マネーで支払う場合にタッチする。他社クレジットボタンBT5は、客が代金を他社のクレジットカードで支払う場合にタッチする。
図14は、第1の優待制度による優待を受けた客に対して表示される支払方法選択画面SC3である。支払方法選択画面SC3には、取引金額である支払金額とともに、現金ボタンBT1、自社電子マネーボタンBT2、自社クレジットボタンBT3、他社電子マネーボタンBT4及び他社クレジットボタンBT5が表示されている。ただし、第1の優待制度では、他社クレジットカード又は他社電子マネーカードでの支払いは不可である。このため、他社電子マネーボタンBT4と他社クレジットボタンBT5は、いずれもグレイアウトしており、選択入力を不可としている。
支払方法選択画面SC2又はSC3を表示したプロセッサ201は、ACT606として支払方法が選択されるのを待ち受ける。プロセッサ201は、支払方法選択画面SC2又はSC3から有効な支払方法のボタンの1つがタッチされたことを検知すると、ACT606においてYESと判定し、ACT607へと進む。プロセッサ201は、ACT607としてそのボタンに対応した支払方法での決済処理を実行する。例えば現金ボタンBT1がタッチされた場合には、現金支払いによる決済処理を実行する。例えば自社電子マネーボタンBT2がタッチされた場合には、自社電子マネー支払いによる決済処理を実行する。自社クレジットボタンBT3、他社電子マネーボタンBT4、他社クレジットボタンBT5が入力された場合も同様である。なお、これらの決済処理は周知の処理であるので、ここでの説明は省略する。プロセッサ201は、決済処理を終えると、会計データの受信処理を終了する。
ここに、会計機20のプロセッサ201を主体とするコンピュータは、ACT605乃至ACT607の処理を実行することにより、決済手段を構成する。
このように、優待制度を利用しなかった客が会計機20で会計を行う場合、現金、自社電子マネー、自社クレジットカード、他社電子マネー及び他社クレジットカードの支払方法を選択可能な支払方法選択画面SC2が、タッチパネル206に表示される。したがって、客は現金、自社電子マネー、自社クレジットカード、他社電子マネー又は他社クレジットカードで取引金額を支払うことができる。
一方、第1の優待制度による優待を受けた客が会計機20で会計を行う場合には、現金、自社電子マネー及び自社クレジットカードの支払方法を選択可能な支払方法選択画面SC3がタッチパネル206に表示される。したがって、客は現金、自社電子マネー又は自社クレジットカードで取引金額を支払うことができる。他社電子マネーボタンBT4及び他社クレジットボタンBT5は無効となっているので、客は、他社電子マネー又は他社クレジットカードで取引金額を支払うことはできない。
同様に、第2の優待制度による優待を受けた客が会計機20で会計を行う場合には、現金、自社電子マネー及び他社電子マネーの支払方法を選択可能な支払方法選択画面がタッチパネル206に表示される。したがって、客は現金、自社電子マネー又は他社電子マネーで取引金額を支払うことができる。自社クレジットボタンBT3及び他社クレジットボタンBT5は無効となっているので、客は、自社クレジットカード又は他社クレジットカードで取引金額を支払うことはできない。
かくして、セミセルフモードが設定された登録機10と会計機20とからなる商品販売データ処理装置2においては、優待制度による優待が適用された取引に対しては、その優待制度では利用不可の支払方法で決済されるのを確実に防ぐことができる。
プロセッサ101は、ACT5乃至ACT9の待ち受け状態において、締めキーK7が入力されたことを検知した場合には、ACT8においてYESと判定し、ACT50へと進む。プロセッサ101は、ACT50として締め入力処理を実行する。
図10は、締め入力処理の要部手順を示す流れ図である。すなわちプロセッサ101は、締め入力処理に入ると、ACT501として動作モードがセミセルフモードであるか否かを確認する。動作モードがセミセルフモードの場合には、プロセッサ101は、ACT501においてYESと判定し、ACT502へと進む。プロセッサ101は、ACT502としてデータテーブル50を参照して、支払機種データとして「登録機」が記述された支払方法を取得する。その後、プロセッサ101は、ACT503へと進む。動作モードがセミセルフモードでない、つまり単体モードの場合には、プロセッサ101は、ACT501においてNOと判定し、ACT502の処理をスキップして、ACT503へと進む。
プロセッサ101は、ACT503として優待1フラグがセットされているか否かを確認する。優待1フラグがセットされていない場合、プロセッサ101は、ACT503においてNOと判定し、ACT504へと進む。プロセッサ101は、ACT504として優待1フラグがセットされているか否かを確認する。優待1フラグがセットされていない場合、プロセッサ101は、ACT504においてNOと判定し、ACT507へと進む。ACT507の処理については、後述する。
プロセッサ101は、優待1フラグがセットされていることを確認した場合には、ACT505においてYESと判定し、ACT505へと進む。プロセッサ101は、ACT505としてデータテーブル50を参照して、優待1データとして「有効」が記述された支払方法を抽出する。その後、プロセッサ101は、ACT507へと進む。
プロセッサ101は、優待2フラグがセットされていることを確認した場合には、ACT504においてYESと判定し、ACT506へと進む。プロセッサ101は、ACT506としてデータテーブル50を参照して、優待2データとして「有効」が記述された支払方法を抽出する。その後、プロセッサ101は、ACT507へと進む。
プロセッサ101は、ACT507として入力された締めキーK7の支払方法が有効であるか否かを確認する。例えばセミセルフモードの場合、ACT502において選択された支払方法は金券だけである。また、金券は、優待1の優待制度でも優待2の優待制度でも有効な支払方法である。したがって、締めキーK7として金券キーK76が入力された場合には、プロセッサ101は、ACT507においてYESと判定し、ACT508へと進む。プロセッサ101は、ACT508として、前述したACT402の処理と同様に会計データを生成する。そしてプロセッサ101は、ACT509として決済処理を行う。この場合、支払方法が金券なので、金券支払いによる決済処理を実行する。この決済処理も周知の処理であるので、ここでの説明は省略する。
決済処理を終えると、プロセッサ101は、ACT510として優待1フラグ又は優待2フラグが“1”にセットされていた場合には、“0”にリセットする。以上で、プロセッサ101は、1客に対する情報処理を終了する。
一方、ACT507において、入力された締めキーK7の支払方法が有効でない場合、プロセッサ101はNOと判定して、締め入力処理をエラーとする。セミセルフモードにおいて、締め入力処理がエラーとなる事象としては、入力された締めキーが金券キーK76以外の場合がある。また、入力された締めキーが金券キーK76であっても、優待が適用された優待制度において金券を使用できない場合がある。
したがって、セミセルフモードが設定された登録機10において、代金が金券で支払われる場合においても、優待制度による優待が適用された取引に対しては、その優待制度では利用不可の支払方法で決済されるのを確実に防ぐことができる。
次に、登録機10の動作モードとして単体モードが選択されているときの動作について説明する。
図6乃至図10の流れ図を用いて説明したように、単体モードが選択されている場合に関係する処理は、図9の転送入力処理と図10の締めキー入力処理である。転送入力処理においては、転送キーK6が入力された場合には、ACT401においてNOと判定されて、転送入力処理がエラーとなる。すなわち、単体モードにおいては、転送キーK6の入力が無効となる。
締めキー入力処理においては、ACT501においてNOと判定されるので、ACT502の処理がスキップされてACT503へと進む。したがって、優待制度による優待が適用されていない取引の場合には、締めキーK7が割り当てられている現金、自社クレジットカード、他社クレジットカード、自社電子マネー、他社電子マネー及び金券による支払いが可能となる。
これに対し、第1の優待制度による優待が適用された取引の場合には、現金、自社クレジットカード、自社電子マネー又は金券による支払いが可能となる。他社電子マネー又は他社クレジットカードによる支払いの場合には、ACT507においてNOと判定されてエラーとなるので、支払いはできない。
同様に、第2の優待制度による優待が適用された取引の場合には、現金、自社クレジットカード、他社クレジットカード又は金券による支払いが可能となる。他社電子マネー又は自社電子マネーによる支払いの場合には、ACT507においてNOと判定されてエラーとなるので、支払いはできない。
かくして、登録モードが設定された登録機10単体からなる商品販売データ処理装置においても、優待制度による優待が適用された取引に対しては、その優待制度では利用不可の支払方法で決済されるのを確実に防ぐことができる。
以上、優待制度による優待が適用された取引に対しては、その優待制度では利用不可の支払方法で決済されるのを確実に防ぐことができる商品販売データ処理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
前記実施形態では、優待制度による優待を取引金額の割引としたが、優待は割引に限定されるものではない。例えば取引金額からの値引、クーポン券の発行、サービスポイント付与率の割増等であってもよい。
前記実施形態では、支払方法選択画面SC3において、使用不可能な支払方法の選択ボタンをグレイアウトした。この点に関しては、使用不可能な支払方法の選択ボタンを消去してもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]商品販売データにより取引金額を算出する演算手段と、優待情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記優待情報を受け付けたことで特定の支払方法を有効にする制限手段と、前記演算手段により算出された取引金額に対する支払方法が前記制限手段により有効となった支払方法である場合に、その支払方法での決済を処理する決済手段と、を具備する商品販売データ処理装置。
[2]前記受付手段により前記優待情報を受け付けると、前記演算手段により算出された前記取引金額の取引に対して優待を適用する適用手段、をさらに具備する付記[1]記載の商品販売データ処理装置。
[3]優待情報の種類毎に有効な支払方法を設定した設定手段、をさらに具備し、前記制限手段は、前記受付手段により受け付けた前記優待情報の種類に対して前記設定手段で設定された支払情報を有効にする、付記[1]又は[2]記載の商品販売データ処理装置。
[4]前記制限手段により有効となる特定の支払方法を報知する報知手段、をさらに具備する付記[1]乃至[3]のうちいずれか一項記載の商品販売データ処理装置。
[5]登録機と、会計機と、を備え、前記登録機は、商品販売データにより取引金額を算出する演算手段と、優待情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記優待情報を受け付けたことで特定の支払方法を有効にする制限手段と、前記制限手段により有効となった特定の支払方法を前記会計機に通知する通知手段と、を具備し、前記会計機は、前記通知手段により通知を受けた支払方法での決済を処理する決済手段、を具備する商品販売データ処理装置。
[6]商品販売データ処理装置のコンピュータを、商品販売データにより取引金額を算出する演算手段、優待情報を受け付ける受付手段、前記受付手段により前記優待情報を受け付けたことで特定の支払方法を有効にする制限手段、及び、前記演算手段により算出された取引金額に対する支払方法が前記制限手段により有効となった支払方法である場合に、その支払方法での決済を処理する決済手段、として機能させるための制御プログラム。