JP7345420B2 - 筒状の射出成形体 - Google Patents
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Description
この種の射出成形体において、例えば装飾効果を高めたり、操作性を向上させたりする等のために、周壁部の外周面が、周方向の位置を互いに異ならせて設けられた第1外周面および第2外周面を備え、第1外周面が、軸方向の一方側に向かうに従い径方向の外側に向けて延び、第2外周面が、縦断面視で軸方向に延びる、若しくは軸方向の一方側に向かうに従い径方向の内側に向けて延びる構成を採用することが考えられる。
このため、例えば、周壁部の内周面のうち、第1外周面と対応する第1内周面、および第2外周面と対応する第2内周面がそれぞれ、軸方向の一方側に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている(傾斜角度が正)場合には、第1外周面が、軸方向の一方側に向かうに従い、この第1外周面と対応する第1内周面が縦断面視で延びている向きと逆向きに延び、第2外周面が、縦断面視で軸方向に延びている、若しくは軸方向の一方側に向かうに従い、この第2外周面と対応する第2内周面が縦断面視で延びている向きと同じ向きに延びている。これにより、例えば、第1内周面、および第2内周面それぞれにおける中心軸線に対する傾斜角度が、互いに同じになっている場合には、筒状の射出成形体において、第1外周面が位置する部分の肉厚が、第2外周面が位置する部分の肉厚より厚くなる。
しかしながら、中心軸線に対する第1内周面の傾斜角度が、中心軸線に対する第2内周面の傾斜角度より小さくなっているので、第1内周面が第2内周面と比べて軸方向に起立し、かつ第2内周面が第1内周面と比べて径方向に倒れ込むように設けられることとなり、筒状の射出成形体において、第1外周面が位置する部分の肉厚を抑えつつ、第2外周面が位置する部分の肉厚を確保しやすくなり、第1外周面および第2外周面が位置する各部分での肉厚の差を抑えることができる。
しかしながら、中心軸線に対する第1内周面の傾斜角度が、中心軸線に対する第2内周面の傾斜角度より小さくなっている(絶対値としては大きくなっている)ので、第1内周面が第2内周面と比べて径方向に倒れ込み、かつ第2内周面が第1内周面と比べて軸方向に起立するように設けられることとなり、筒状の射出成形体において、第2外周面が位置する部分の肉厚を抑えつつ、第1外周面が位置する部分の肉厚を確保しやすくなり、第1外周面および第2外周面が位置する各部分での肉厚の差を抑えることができる。
本実施形態に係る筒状の射出成形体1は、図1および図2に示されるように、周壁部11、および周壁部11における一方側の開口部を閉塞した頂壁部12を有する有頂筒状に形成されている。
以下、周壁部11の中心軸線Oに沿う方向を軸方向といい、軸方向に沿って頂壁部12側を上側といい、周壁部11の開放端側を下側という。また、軸方向から見て、中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
射出成形体1は、軸方向から見て、5つの角部分および5つの辺部分を有する5角形状を呈する。軸方向から見て、5つの角部分は、径方向の外側に向けて突の曲線状を呈する。なお、射出成形体1は、軸方向から見て、例えば円形状、若しくは三角形状等を呈してもよい。
なお、第2外周面14は、中心軸線Oに沿う縦断面視で軸方向に真直ぐ、若しくは径方向に湾曲しながら軸方向に延びてもよい。また、第1外周面13を、中心軸線Oを径方向に挟んで互いに対向する位置に各別に設けてもよく、第2外周面14を、中心軸線Oを径方向に挟んで互いに対向する位置に各別に設けてもよい。
なお、例えば、第1外周面13を前記辺部分に位置させ、第2外周面14前記角部分に位置させてもよい。また、第1外周面13および第2外周面14は、縦断面視で径方向に湾曲してもよい。
第2外周面14が、上方に向かうに従い、第2内周面16が縦断面視で延びている向きと同じ向きの径方向の内側に向けて延び、第1外周面13が、上方に向かうに従い、第1内周面15が縦断面視で延びている向きと逆向きの径方向の外側に向けて延びている。
図示の例では、これらの傾斜角度θ1、θ2は正(+)となっている。周壁部11の内周面の、中心軸線Oに対する傾斜角度は、-5°以上となっている。周壁部11の内周面の、中心軸線Oに対する傾斜角度が-5°より小さくなると、周壁部11の内周面を成形した成形金型から射出成形体1を離型させにくくなるおそれがある。
第2内周面16の、周方向に沿う大きさの総和は、第1内周面15の、周方向に沿う大きさの総和より大きくなっている。図示の例では、1つの第2内周面16の、周方向に沿う大きさが、1つの第1内周面15の、周方向に沿う大きさより大きくなっている。
周壁部11の内周面が、上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びているので、周壁部11の内周面に、成形金型の抜き勾配が設けられることとなり、頂壁部12を有する筒状の射出成形体1の、成形金型に対する離型性を確保することができる。
この場合、第1外周面13が、上方に向かうに従い、この第1外周面13と対応する第1内周面21が縦断面視で延びている向きと同じ向きに延び、第2外周面14が、上方に向かうに従い、この第2外周面14と対応する第2内周面22が縦断面視で延びている向きと逆向きに延びている。これにより、例えば、図3に二点鎖線で示されるように、第1内周面21、および第2内周面22それぞれにおける中心軸線に対する傾斜角度が、互いに同じになっている場合には、筒状の射出成形体2において、第1外周面13が位置する部分の肉厚が、第2外周面14が位置する部分の肉厚より薄くなる。
しかしながら、中心軸線Oに対する第1内周面21の傾斜角度θ3が、中心軸線Oに対する第2内周面22の傾斜角度θ4より小さくなっている(絶対値としては大きくなっている)ので、第1内周面21が第2内周面22と比べて径方向に倒れ込み、かつ第2内周面22が第1内周面21と比べて軸方向に起立するように設けられることとなり、筒状の射出成形体2において、第2外周面14が位置する部分の肉厚を抑えつつ、第1外周面13が位置する部分の肉厚を確保しやすくなり、第1外周面13および第2外周面14が位置する各部分での肉厚の差を抑えることができる。
この場合、上方に向かうに従い径方向の外側に向けて延び、中心軸線Oに対する傾斜角度が負(-)となっている第1内周面21および第2内周面22のうち、傾斜角度が大きく(絶対値としては小さい)、成形金型から離型させやすい第2内周面22の、周方向に沿う大きさの総和が、第1内周面21の、周方向に沿う大きさの総和より大きいので、頂壁部12を有する筒状の射出成形体2の、成形金型に対する離型性を確保することができる。
この構成において、第1外周面13および第2外周面14はそれぞれ、第1部分、第2部分、および第3部分のうちの2種類以上と径方向で対向してもよい。また、周壁部11の内周面は、第2部分を有する場合、第1部分を有していることが好ましい。この場合、射出成形体1の、成形金型に対する離型性を確保しやすくなる。
11 周壁部
13 第1外周面
14 第2外周面
15、21 第1内周面
16、22 第2内周面
O 中心軸線
θ1、θ2、θ3、θ4 傾斜角度
Claims (4)
- 周壁部の外周面は、周方向の位置を互いに異ならせて設けられた第1外周面および第2外周面を備え、
前記第1外周面は、この周壁部の中心軸線に沿う軸方向の一方側に向かうに従い径方向の外側に向けて延び、
前記第2外周面は、縦断面視で前記軸方向に延びる、若しくは前記軸方向の一方側に向かうに従い径方向の内側に向けて延び、
前記軸方向の一方側に向かうに従い、径方向の内側に向けて延びる向きの、前記中心軸線に対する傾斜角度を正とし、
前記軸方向の一方側に向かうに従い、径方向の外側に向けて延びる向きの、前記中心軸線に対する傾斜角度を負としたときに、
前記周壁部の内周面において、前記第1外周面と対応する第1内周面の、前記中心軸線に対する傾斜角度が、
前記周壁部の内周面において、前記第2外周面と対応する第2内周面の、前記中心軸線に対する傾斜角度より小さくなっている、筒状の射出成形体。 - 前記第1外周面および前記第2外周面が、前記中心軸線回りに沿って交互に設けられている、請求項1に記載の筒状の射出成形体。
- 前記周壁部における前記軸方向の一方側の開口部を閉塞した頂壁部、若しくは底壁部を有し、
前記第1外周面および前記第2外周面は、前記中心軸線を径方向に挟んで互いに対向する位置に各別に設けられている、請求項1または2に記載の筒状の射出成形体。 - 前記周壁部における前記軸方向の一方側の開口部を閉塞した頂壁部、若しくは底壁部を有し、
前記第2内周面の、前記中心軸線回りに沿う大きさの総和は、前記第1内周面の、前記中心軸線回りに沿う大きさの総和より大きい、請求項1から3のいずれか1項に記載の筒状の射出成形体。
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