JP7345218B1 - ペースト状食品用品質向上剤、およびペースト状食品 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、ペースト状食品の品質向上には、「伊那寒天イーナ(伊那食品工業社製)」のような1.5%寒天ゲル強度が250g/cm2以下に調整された半固形状にゲル化する低強度寒天が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。低強度寒天を用いた寒天ゲルは、柔らかいペースト状の物性を示し、ペースト状食品に添加してもペースト状食品本来の食感を劣化させにくいためである。
α化処理の一例としては、ドラムの表面温度が90~150℃程度のドラム乾燥機での乾燥が挙げられるが、α化処理を行う形態は特に限定されるものではない。乾燥機の種類や条件等は、一般に知られた形態を用いて適宜調節すればよい。
本発明の品質向上剤は、一定の形状を持たず半固形状のテクスチャーを示すペースト状食品であれば、何れにも用いることができるが、以下に示す第1のペースト状食品、または第2のペースト状食品の品質向上に好適に用いることができる。
以下、第1のペースト状食品について具体的に説明する。
第1のペースト状食品に含まれる糊化澱粉は、本発明の品質向上剤に含有される澱粉も合わせて5質量%以下が好ましく、4.5質量%以下がより好ましく、4.0質量%以下がさらに好ましく、3.5質量%以下がよりさらに好ましく、3.0質量%以下が特に好ましく、2.5質量%以下がより特に好ましく、2.0質量%以下が最も好ましい。
したがって、第1のペースト状食品のBrixは、35~75が好ましく、40~65がより好ましく、40~60がさらに好ましく、40~55がよりさらに好ましく、40~50が特に好ましい。なお、Brixが30未満の第1のペースト状食品に対しては、品質向上剤による離水防止効果が得られない場合がある。
第1のペースト状食品のpHは、例えばクエン酸ナトリウム等により調整することができる。pHが6.0以上の第1のペースト状食品としては、具体的には、小豆餡等が挙げられる。
第2のペースト状食品のpHは、例えばクエン酸ナトリウム等により調整することができる。pHが6.0以上の第2のペースト状食品としては、具体的には、カスタードクリームやフラワーペースト等が挙げられる。
1.5%寒天ゲル強度が600g/cm2以上の寒天は分子量が大きく、分子同士が強く相互作用するため、緻密な網目構造を形成することができる。こうした寒天を使用した寒天ゲルは保形性が高く、硬いものとなる。また、寒天は分子量が大きくなるにつれて、糊状感が低下し、味立ちが向上するという傾向がある。しかしながら、1.5%寒天ゲル強度が600g/cm2以上の寒天からなる寒天ゲルは、その固まり方の強さから滑らかさに乏しく、ペースト状食品に応用することができなかった。
本発明の品質向上剤によると、以上のようなメカニズムによってペースト状食品本来の滑らかさを損なうことなく品質を向上させることが可能となった。
なお、寒天の1.5%寒天ゲル強度は「日寒水式」の測定方法により測定した。まず、1.5%の寒天溶液を20℃で15時間冷却してゲル化させ、寒天ゲルを作製した。得られた寒天ゲルを表面積1cm2のプランジャーを用いて20秒間耐え得る最大重量を測定して1.5%寒天ゲル強度とした。
寒天2:伊那寒天T-2000/伊那食品工業社製(JS 650)
寒天3:伊那寒天M-8/伊那食品工業社製(JS 840)
寒天4:伊那寒天T-1/伊那食品工業社製(JS 1000)
寒天5:伊那寒天WK-972/伊那食品工業社製(JS 1350)
寒天6:伊那寒天カリコリカン/伊那食品工業社製(JS 1880)
(ゲル強度残存率 40.5,VIS 1368)
うるち米澱粉B:うるち米澱粉Aを処理して取得した。具体的には、うるち米澱粉Aの5%水溶液を、表面温度が110℃のドラムドライヤ―を用いて乾燥した後、カッターミルで粉砕した。
(ゲル強度残存率 20.4,VIS 178)
うるち米澱粉C:うるち米澱粉Bを処理して取得した。具体的には、うるち米澱粉Bをターボ粉砕機で粉砕し、100メッシュの篩を用いて篩分けを行った。
(ゲル強度残存率 24.9,VIS 104)
うるち米澱粉D:うるち米澱粉Cを処理して取得した。具体的には、うるち米澱粉Cをさらに石臼式粉砕機で粉砕した後、200メッシュの篩を用いて篩分けを行った。
(ゲル強度残存率 46.4,VIS 52)
うるち米澱粉E:うるち米澱粉Dを処理して取得した。具体的には、うるち米澱粉Dをさらに石臼式粉砕機で粉砕した後、200メッシュの篩を用いて篩分けを行った。
(ゲル強度残存率 57.1,VIS 24)
うるち米澱粉F:うるち米澱粉Aをエクストルーダー処理して取得した。具体的には、供給部温度:40℃、射出部温度:110℃となるように段階的に加熱し、圧縮比が1:1のスクリューが毎分180回転するエクストルーダーにうるち米澱粉Aと水を1:1となるように供給し処理を行った。射出部より得られた処理物をターボ粉砕機で粉砕した後、100メッシュの篩を用いて篩分けを行った。
(ゲル強度残存率 75.4,VIS 15)
うるち米澱粉G:うるち米澱粉Aを処理して取得した。具体的には、うるち米澱粉Aの10%水溶液を、表面温度が105℃のドラムドライヤ―を用いて乾燥した後、カッターミルで粉砕した。
(ゲル強度残存率 17.1,VIS 189)
(ゲル強度残存率 20.5,VIS 98)
(ゲル強度残存率 23.2,VIS 74)
(ゲル強度残存率 25.8,VIS 90)
(ゲル強度残存率 20.9,VIS 108)
寒天として、伊那寒天カリコリカン(伊那食品工業)を準備した。伊那寒天カリコリカンは、0.25%の濃度のゲルとした際、20℃におけるゲル強度が150g/cm2である。伊那寒天カリコリカン1.25g、澱粉7.5g、およびグラニュー糖75gをよく粉体混合し、500gの精製水にダマにならないよう気を付けながら分散した。
分散液を中火で加熱し、沸騰してから弱火で10分間加熱した。加熱後、秤量し、500gを超える場合は、水分が蒸発して500gになるまでさらに加熱した。500g未満の場合は、90℃の精製水を510gになるように追加し、再加熱して500gに調整した。重量調整後、液温が60℃になるまで蒸発を防ぎながら攪拌し冷却した。
なお、寒天・澱粉溶液にはグラニュー糖が含有されているが、ゲル強度の測定には何ら影響を及ぼすものではない。
澱粉ゾル粘度の測定にあたっては、まず、澱粉9.0gとグラニュー糖45gをよく粉体混合し、ダマにならないよう300gの精製水に分散させた。得られた分散液を中火で加熱し、沸騰後、弱火で3分間加熱した。加熱後の重量に応じて所定の操作を行い、重量を300gに調整した。加熱後の重量が300gを超える場合は、水分が蒸発して300gになるまでさらに加熱した。300g未満の場合は、310gになるように90℃の精製水を追加し、再加熱して300gに調整した。
1000mPa・s以上の試料:No.3のローター
500mPa・s以上1000mPa・s未満の試料:No.2のローター
500mPa・s未満の試料:No.1のローター
測定は、室温が20℃に保たれた部屋で行い、ローターが回転し始めてから40秒後に測定された粘度を、3%ゾル粘度とした。
なお、澱粉ゾルにはグラニュー糖が含有されているが、ゾル粘度の測定には何ら影響を及ぼすものではない。
小豆餡(Brix 55)
手亡餡(Brix 55)
白いんげん餡(Brix 55)
栗ペースト(Brix 40)
安納芋ペースト(Brix 28)
かぼちゃペースト(Brix 18)
10名のパネラーが製品を試食し、滑らかさについて、以下の基準で段階評価を行った。表には、10名のパネラーがつけた点数を平均し、四捨五入した整数で示した。
4点:非常に滑らかな食感である
3点:滑らかな食感である
2点:やや滑らかな食感であるが、多少固まりがある
1点:滑らかでなく、所々に小さいゲルやざらつきがみられる
0点:全く滑らかでなく、細かいゲルの集合体となっている
ペースト状食品について目視により艶を確認し、以下の基準で5段階評価を行った。
4点:全体的に非常に艶がある
3点:全体的に艶がある
2点:部分的に艶が失われている
1点:艶がなく、部分的に白濁している
0点:全く艶がなく、白濁してしらけてしまっている
ペースト状食品10gを皿の上に載置して、常温で放置した。24時間経過後の保形性を目視で確認し、以下の基準で5段階評価を行った。
4点:充填初期と全く変わらず、原型を完全にとどめている
3点:充填初期とほとんど変わらず、原型をほぼとどめている
2点:充填初期とあまり変わらず、原型が確認できる
1点:ダレてしまい、充填初期の原型はほぼとどめていない
0点:ダレてしまい、充填初期の原型を全くとどめていない
ペースト状食品10gを濾紙の上に載置して、常温で放置した。24時間経過後の濾紙への染み込みを目視で確認し、以下の基準で5段階評価を行った。
4点:全く離水がない
3点:ほとんど離水がない
2点:あまり離水はない
1点:離水が出てしまっている
0点:非常に多くの離水が生じており、濾紙いっぱいに広がっている
10名のパネラーが製品を試食し、糊状感について、以下の基準で段階評価を行った。表には、10名のパネラーがつけた点数を平均し、四捨五入した整数で示した。
4点:糊状感が全くなく、非常にさっぱりした食感である
3点:糊状感がほとんどなく、さっぱりした食感である
2点:糊状感があまりなく、ある程度さっぱりした食感である
1点:糊状感がある
0点:糊状感が非常に強く、口の中にまとわりつく
10名のパネラーが製品を試食し、味立ちについて、以下の基準で5段階評価を行った。表には、10名のパネラーがつけた点数を平均し、四捨五入した整数で示した。
4点:味立ちが非常によく、素材の味を非常に強く感じる
3点:味立ちがよく、素材の味を感じる
2点:ある程度味立ちがよく、素材の味を感じる
1点:味立ちが悪く、素材の味を遠く感じる
0点:味立ちが非常に悪く、素材の味が遠く感じる
ペースト状食品を製造する際の作業性について、以下の基準で5段階評価を行った。表には、10名のパネラーがつけた点数を平均し、四捨五入した整数で示した。
4点:製造途中の粘度が極めて低く、非常に作業性がよい
3点:製造途中の粘度が低く、作業性がよい
2点:製造途中の粘度がやや低く、ある程度作業性がよい
1点:粘度がやや高く、作業性が悪い
0点:粘度が非常に高くなってしまい、製造工程の作業に支障をきたす
以上の項目の点数を合計して、総合評価を行った。製品としての総合的な出来栄えは、評価がよくない項目によって左右される。例えば、滑らかさ、艶、保形性、耐離水性、糊状感、味立ち、作業性のいずれの項目も評価が2点の製品と、耐離水性の評価が0点で残りの項目が4点である製品とでは、前者の方が製品の出来栄えが良好である。総合評価として、以上7項目の合計点によって評価を行った。合計点が21点以上であれば、合格である。好ましくは23点以上であり、より好ましくは25点以上であり、27点以上であることが最も好ましい。
小豆餡(Brix 55)を用い、下記表に示した配合(質量部)にて最中餡を作製した(作製量500g)。まず、品質向上剤としての澱粉と寒天とを少量の水に加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに小豆餡と55%ショ糖溶液を混合し、最初に加えた水が蒸発して重量が500gになるまで沸騰加熱して、ペースト状食品(実施例1~5、比較例4)を製造した。
品質向上剤を用いずに比較例1を得、澱粉のみ、または寒天のみを加えて比較例2,3を得た。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
実施例のペースト状食品は、澱粉と寒天が含有されており、しかも寒天の1.5%寒天ゲル強度が600g/cm2以上である。本発明の品質向上剤が含有されているので、所望の物性を備えている。
小豆餡(Brix 55)を用い、下記表に示した配合(質量部)にて最中餡を作製した(作製量500g)。まず、品質向上剤としての澱粉と寒天とを少量の水に加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに小豆餡と55%ショ糖溶液を混合し、最初に加えた水が蒸発して重量が500gになるまで沸騰加熱して、ペースト状食品を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
小豆餡(Brix 55)を用い、下記表に示した配合(質量部)にて最中餡を作製した(作製量500g)。まず、品質向上剤としての澱粉と寒天とを少量の水に加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに小豆餡と55%ショ糖溶液を混合し、最初に加えた水が蒸発して重量が500gになるまで沸騰加熱して、ペースト状食品を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
小豆餡(Brix 55)を用い、下記表に示した配合(質量部)にて最中餡を作製した(作製量500g)。まず、品質向上剤としての澱粉と寒天とを少量の水に加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに小豆餡と55%ショ糖溶液を混合し、最初に加えた水が蒸発して重量が500gになるまで沸騰加熱して、ペースト状食品を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
小豆餡(Brix 55)を用い、下記表に示した配合(質量部)にて最中餡を作製した(作製量500g)。まず、品質向上剤としての澱粉と寒天とを少量の水に加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに小豆餡、55%ショ糖溶液、および必要に応じてグラニュー糖または水を混合し、最初に加えた水が蒸発して所定のBrixになるまで沸騰加熱して、ペースト状食品を製造した。
本試験例においては、グラニュー糖または水の量を変更してBrixを40~70の範囲内に調整し、市販のBrix測定器(ATAGO社製)を用いてペースト状食品のBrixを測定した。得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を、処方およびBrixとともに下記表にまとめる。
本発明の品質向上剤は、Brixが40~70の範囲内にあるペースト状食品に対して効果を発揮することが確認された。
手亡餡(Brix 55)または白いんげん餡(Brix 55)を用い、下記表に示した配合(質量部)にて最中餡を作製した(作製量500g)。具体的には、まず、品質向上剤としての澱粉と寒天とを少量の水に加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに手亡餡または白いんげん餡と55%ショ糖溶液を混合し、最初に加えた水が蒸発して所定のBrixになるまで沸騰加熱して、ペースト状食品(実施例39,40)を製造した。また、品質向上剤を用いずに、比較例5,6を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
本発明の品質向上剤が含有されない場合には、艶向上効果、保形性向上効果、離水防止効果は全く得られないことが、比較例5,6に示されている。
栗ペースト(Brix 40)、安納芋ペースト(Brix 28)、またはかぼちゃペースト(Brix 18)を用い、下記表に示した配合(質量部)にて、ペースト状食品を作製した(作製量500g)。具体的には、まず、品質向上剤としての澱粉と寒天とを少量の水に加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、残りの材料を混合し、最初に加えた水が蒸発して所定のBrixになるまで沸騰加熱して、ペースト状食品(実施例41~43)を製造した。また、品質向上剤を用いずに、比較例7~9を製造した。
得られたペースト状食品は、それぞれ、モンブランクリーム、スイートポテト、かぼちゃペーストである。得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
本発明の品質向上剤が含有されない場合には、離水防止効果は全く得られないことが、比較例7~9に示されている。
下記表に示した配合(質量部)にて、カスタードクリームを作製した(作製量500g)。具体的には、まず、牛乳、加糖卵黄、グラニュー糖の混合液に、品質向上剤としての澱粉と寒天とを加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、バターと水を加えて、ペースト状食品(実施例44)を製造した。
品質向上剤の代わりに小麦粉を加えて比較例10,11を得た。小麦粉は、保形性向上、耐離水性向上の目的で、従来からカスタードクリームに配合されていた成分であり、従来の処方にしたがって配合した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
実施例のペースト状食品は、澱粉と寒天が含有されており、しかも寒天の1.5%寒天ゲル強度が600g/cm2以上である。本発明の品質向上剤が含有されているので、所望の物性を備えている。
本発明の品質向上剤は、従来用いられていた小麦粉に代わって、滑らかさ、艶、保形性、耐離水性、糊状感、味立ち、作業性の全てを兼ね備えたカスタードクリームを製造できることが確認された。
下記表に示した配合(質量部)にて、カスタードクリームを作製した(作製量500g)。具体的には、まず、牛乳、加糖卵黄、グラニュー糖の混合液に、品質向上剤としての澱粉と寒天とを加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、バターと水を加えて、ペースト状食品(実施例45~49、比較例15)を製造した。
品質向上剤を用いずに比較例12を得、澱粉のみ、または寒天のみを加えて比較例13,14を得た。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
実施例のペースト状食品は、澱粉と寒天が含有されており、しかも寒天の1.5%寒天ゲル強度が600g/cm2以上である。本発明の品質向上剤が含有されているので、所望の物性を備えている。
下記表に示した配合(質量部)にて、カスタードクリームを作製した(作製量500g)。具体的には、まず、牛乳、加糖卵黄、グラニュー糖の混合液に、品質向上剤としての澱粉と寒天とを加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、バターと水を加えて、ペースト状食品を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
下記表に示した配合(質量部)にて、カスタードクリームを作製した(作製量500g)。具体的には、まず、牛乳、加糖卵黄、グラニュー糖の混合液に、品質向上剤としての澱粉と寒天とを加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、バターと水を加えて、ペースト状食品を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
下記表に示した配合(質量部)にて、カスタードクリームを作製した(作製量500g)。具体的には、まず、牛乳、加糖卵黄、グラニュー糖の混合液に、品質向上剤としての澱粉と寒天とを加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、バターと水を加えて、ペースト状食品を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
下記表に示した配合(質量部)にて、カスタードクリームを作製した(作製量500g)。具体的には、まず、牛乳、加糖卵黄、グラニュー糖の混合液に、品質向上剤としての澱粉と寒天とを加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、バターと水を加えて、ペースト状食品を製造した。
得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を処方とともに下記表にまとめる。
下記表に示した配合(質量部)にて、カスタードクリームを作製した(作製量500g)。具体的には、まず、牛乳、加糖卵黄、グラニュー糖の混合液に、品質向上剤としての澱粉と寒天とを加え、沸騰状態で10分間加熱した。そこに、バターと水を加えて所定のBrixとなるまで加熱し、ペースト状食品を製造した。
本試験例においては、水あめの量を変更してBrixを25~55の範囲内に調整し、市販のBrix測定器(ATAGO社製)を用いてペースト状食品のBrixを測定した。得られたペースト状食品を上述の方法により評価し、その結果を、処方およびBrixとともに下記表にまとめる。
本発明の品質向上剤は、Brixが15~45の範囲内にある第2のペースト状食品に対して効果を発揮することが確認された。
Claims (2)
- ペースト状食品の品質を向上させる品質向上剤であって、1.5%寒天濃度のゲルにおける20℃での強度が600g/cm2以上の寒天と、澱粉とを含有し、
前記寒天と澱粉との配合比(寒天:澱粉)は、3:3~3:300であり、
前記澱粉は、
((GS/150)×100)で定義されるゲル強度残存率(GSは、0.25%の寒天Xと1.5%の澱粉とを含有する寒天・澱粉溶液のゲル化物の20℃におけるゲル強度であり、寒天Xは、0.25%の濃度でゲルを調製した際、20℃におけるゲル強度が150g/cm 2 の寒天である)が、20~60%であって、
3%澱粉濃度のゾルにおける10℃での粘度が、20~200mPa・sである
ことを特徴とするペースト状食品用品質向上剤。 - 1.5%寒天濃度のゲルにおける20℃での強度が600g/cm 2 以上の寒天と、澱粉とを含有するペースト状食品であって、
前記寒天と澱粉との配合比(寒天:澱粉)は、3:3~3:300であり、
前記澱粉は、
((GS/150)×100)で定義されるゲル強度残存率(GSは、0.25%の寒天Xと1.5%の澱粉とを含有する寒天・澱粉溶液のゲル化物の20℃におけるゲル強度であり、寒天Xは、0.25%の濃度でゲルを調製した際、20℃におけるゲル強度が150g/cm 2 の寒天である)が、20~60%であって、
3%澱粉濃度のゾルにおける10℃での粘度が、20~200mPa・sである
ことを特徴とするペースト状食品。
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