JP7343408B2 - シリンダ錠装置 - Google Patents
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Description
ボディ20は、図1、2等に示すように、内部にロータ30、第1スリーブ40等を収容する円筒部21a、車両のドア等に装着される場合に表面に露出して装着されるフロント部21b等から構成されている。ボディ20は、円筒部21aが車両のドアパネル等の挿通孔に挿通されて、フロント部21bがドアパネルの表面に露出した状態で装着されて固定される。
図1に示すように、ロータ30は、フランジ部34を備えた略円柱状を呈し、キー挿入孔31が軸CL方向へ延びるよう形成されている。また、図1に示すように、ロータ30におけるキー挿入側と反対側の外周面には、第2スリーブ60の凹部65と係合可能な凸部35が形成されている。凸部35は周方向へ延び、第2スリーブ60の凹部65に対応して、例えば4カ所に略90°の間隔で形成されている。ロータ30には、軸CL方向にスプリングコンプレション90のガイドとなるロータ軸32を備え、ロータ軸32の先端部には、Eリング110が装着される溝部33が形成されている。
第1スリーブ40は、図1、2等に示すように、略円筒状を呈し、ボディ20とロータ30の間に回転自在に配される。円筒状の周面には軸方向へ延びる一対の係合溝41が形成されている。また、第1スリーブ40のスライド部材側の端面には、後述するスライド部材50の嵌合傾斜凸部51と嵌合する傾斜凹部42が形成されている。本実施の形態においては、第1スリーブ40側が嵌合傾斜凹部とされ、それに嵌合するスライド部材50の傾斜突起部が嵌合傾斜凸部とされているが、逆の嵌合条件であってもよく、例えば、第1スリーブ40側が傾斜突起部であってもよい。
スライド部材であるスライド部材50は、図1、2等に示すように、第1スリーブ40の端面に対向して配置されている。上述のように、スライド部材50は嵌合傾斜凸部51を備え、第1スリーブ40の傾斜凹部42と嵌合している。また、図1に示すように、ガイド部52を備え、このガイド部52は、ボディ20のガイド溝22にスライド可能に嵌合している。
第2スリーブ60は、図1に示すように、略円板状を呈し、中心にはロータ30の先端側を受容するための受容孔62が形成される。第2スリーブ60には、ホルダレバー70へ向かって延びる円筒部66が形成され、円筒部66の先端には複数の連結部67が突出形成される。連結部67は、第2スリーブ60の外周側に形成され、後述するホルダレバー70の係合部76と係合することができる。
ホルダレバー70は、図1、2等に示すように、溝部75、係合部76が形成された円筒部74と、キーの回転を車両側に伝達する側のレバー部77から概略構成されている。
バックスプリング80は、図1、2に示すように、トーションコイルバネであって、ホルダレバー70の内部に収容されている。バックスプリング80の一端部81は、ホルダレバー70に係止され、他端部82は、ボディ20側に係止されている。これにより、ホルダレバー70の回転付勢を行なう。この回転付勢力は、キーが挿入されて回転操作をした場合の回転復帰力を付与する。これにより、ロータ30、第1スリーブ40、第2スリーブ60を回転方向の中立位置に復帰させることができる。
スプリングコンプレション90は、コイルバネであって、図2に示すように、その内径が、ロータ30のロータ軸32をガイドとして組み付けられている。スプリングコンプレション90は、一端部91がホルダレバー70に当接し、他端部92が第2スリーブ60に当接して、伸張した状態で装着されている。これにより、スライド部材50と第2スリーブ60を所定の力で当接させることができる。
図1、2に示すように、タンブラ100を溝37に収容したロータ30を、ボディ20の左側から挿入すると共に、第1スリーブ40、スライド部材50、第2スリーブ60、バックスプリング80、スプリングコンプレション90、及びホルダレバー70をボディ20の右側から挿入する。ここで、スプリングコンプレション90は、その内径がロータ軸32をガイドとして組み付けられる。
正規のキー200がキー挿入孔31へ挿入されると、図3に示すように、タンブラ100と第1スリーブ40の係合溝41との係合が解除され、ロータ30と第1スリーブ40とが独立して回転可能な状態となる。この状態でキー200を回転させると、ロータ30と係合している第2スリーブ60がホルダレバー70と共に回転し、レバー130を回転駆動する。これによりドアロック機構部を駆動して、ドアのロック又はアンロックを行なうことができる。
不正なキー201やドライバー等の異物がキー挿入孔31へ挿入されると、タンブラ100と第1スリーブ40の係合溝41との係合が解除されず、ロータ30と第1スリーブ40とは一体的に回転する状態となる。この状態でロータ30を回転させると、ロータ30と共に第1スリーブ40がボディ20に対して回転し、スライド部材50がホルダレバー70側へ移動して、図4に示すように、ロータ30の凸部35と第2スリーブ60の凹部65との係合が解除される。ロータ30と第2スリーブ60の係合が解除されることにより、不正なキー201を回転させてもロータ30と第1スリーブ40が回転するのみであり、第2スリーブ60、ホルダレバー70は回転しない。すなわち、フリーホイール機構が動作して、ドアロック機構部を駆動することができず、ドアのロック又はアンロックを行なうことができない。
上記示した本発明の実施の形態によれば以下のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係るシリンダ錠装置1は、キー挿入孔を横切って径方向に付勢される進退自在なタンブラ100が収容され、前後に開口する筒状のボディ20に回転自在に収容保持されるロータ30と、ボディ20及びロータ30の間に回転自在に収容保持され、キー挿入孔に正規のキーを挿入することでタンブラとの係合を解除する第1スリーブ40と、ロータ30の回転軸方向に移動自在に配され、ロータ30及び第1スリーブ40がボディ20に対して一体回転されたときにボディ20の後方側へ移動するスライド部材50と、ロータ30に係脱自在に配され、スライド部材50がボディ20の後方側へ向けて移動することでロータ30との係合を解除する第2スリーブ60と、第2スリーブ60に連結して配されるホルダレバー70と、ロータ30を中立位置に復帰させるバックスプリング80と、ロータ30と第2スリーブ60を係合させる方向に付勢力を付与するスプリングコンプレション90と、を有し、スプリングコンプレション90は、回転軸方向の少なくとも一部においてバックスプリング80と同軸状に重複して、バックスプリング80の内側に配置される、ように構成されている。このような構成において、スプリングコンプレション90のコイルバネ部の外径は、バックスプリング80のコイルバネ部の内径よりも小さく設定されている。スプリングコンプレション90をバックスプリング80の内側に配置する構成とすることにより、シリンダ錠装置の小径化、小型化が可能となる。
(2)シリンダ錠装置の組み立てにおいて、図1、2に示すように、タンブラ100を溝37に収容したロータ30を、ボディ20の左側から挿入すると共に、第1スリーブ40、スライド部材50、第2スリーブ60、バックスプリング80、スプリングコンプレション90、及びホルダレバー70をボディ20の右側から挿入する。ここで、スプリングコンプレション90は、その内径がロータ軸32をガイドとして組み付けられるので、予めサブアッシー化をしなくてもスプリングの組み付けが容易となる。
(3)第2スリーブ60とホルダレバー70は、互いの外径部である連結部67と係合部76において、回転軸である軸CL方向に移動自在とされ、かつ、一体的に回転可能に嵌合する。互いの外径部で当接して当接面積及び回転半径が大きくとれることから、第2スリーブ60とホルダレバー70の嵌合強度のロバスト性が向上すると共に、トルクTが印加される当接部への荷重F(=T/半径R)を小さくできる効果がある。
50…スライド部材、51…嵌合傾斜凸部、51a…テーパ部、52…ガイド部、60…第2スリーブ、62…受容孔、63…面、65…凹部、66…円筒部、67…連結部、70…ホルダレバー、71…端面部、72…連結部、74…円筒部、75…溝部、76…係合部、77…レバー部、80…バックスプリング、81…一端部、82…他端部、90…スプリングコンプレション、91…一端部、92…他端部、100…タンブラ、110…Eリング、120…緩衝部材、130…レバー、132…結合部、135…連結部、200…正規キー、201…不正キー、CL…軸
Claims (4)
- キー挿入孔を横切って径方向に付勢される進退自在なタンブラが収容され、前後に開口する筒状のボディに回転自在に収容保持されるロータと、
前記ボディ及び前記ロータの間に回転自在に収容保持され、前記キー挿入孔に正規のキーを挿入することで前記タンブラとの係合を解除する第1スリーブと、
前記ロータの回転軸方向に移動自在に配され、前記ロータ及び前記第1スリーブが前記ボディに対して一体回転されたときに前記ボディの後方側へ移動するスライド部材と、
前記ロータに係脱自在に配され、前記スライド部材が前記ボディの後方側へ向けて移動することで前記ロータとの係合を解除し、外周側に形成された連結部を有する第2スリーブと、
前記第2スリーブに連結して配され、前記連結部と係合する係合部を有するホルダレバーと、
前記ロータを中立位置に復帰させるバックスプリングと、
前記ロータと前記第2スリーブを係合させる方向に付勢力を付与するスプリングコンプレションと、を有し、
前記スプリングコンプレションは、前記回転軸方向の少なくとも一部において前記バックスプリングと同軸状に重複して、前記バックスプリングの内側に配置され、
前記連結部及び前記係合部は、前記バックスプリングの外側に形成された、
シリンダ錠装置。 - 前記ホルダレバーと前記第2スリーブは、互いの外径部である前記連結部と前記係合部において、前記回転軸方向に移動自在とされ、かつ、一体的に回転可能に嵌合する、請求項1に記載のシリンダ錠装置。
- 前記ロータは、前記回転軸方向にロータ軸を備え、前記スプリングコンプレションの内径が前記ロータ軸をガイドとして組み付けられている、請求項1又は2に記載のシリンダ錠装置。
- 前記スプリングコンプレションのコイルバネ部の外径は、前記バックスプリングのコイルバネ部の内径よりも小さい、請求項1から3のいずれか1項に記載のシリンダ錠装置。
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