JP7343099B2 - 熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱処理方法に関する。
従来、浸炭処理や焼入処理といった熱処理を利用した部品の製造方法が知られている。例えば、特許文献1においては、鋼部材に浸炭処理を施し徐冷した後に、高周波加熱などの、高密度エネルギーを利用した加熱によってオーステナイト化温度以上にした部分を急冷する焼入処理が開示されている。
特許第5432451号公報
上記の特許文献1においては、高密度エネルギーにより入熱し局所的に所望部分を焼入処理することになり、その所望部分を高硬度、高強度とすることができる。このように高硬度となった部分は他部品との接触による摩耗に対して有利に働くが、より摩耗に対して有利とするための技術は開示がない。通常は、研磨工程やみがき工程を追加し、面粗さを小さくして摩擦係数を下げる手段を取り得る。しかしながら、これらの工程を追加すれば、その分だけ製造コストが高くなってしまう。さらに、研磨工程やみがき工程は高硬度となった部分を一部除去する工程であり、硬度が低下する虞がある。
また、DLC(Diamond-Like Carbon)コーティング等の表面処理を行って摩擦係数を制御することもあるが、DLCコーティング等の表面処理はコストが高く、量産品に採用するには障壁が高い。※現実の工程では、DLCコーティングのような表面処理をすることは少ないため、課題の書き方を変えてみました。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、摩擦係数を下げるためのコストが抑制される可能性を高めることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の熱処理方法は、浸炭された鋼の表面に対して、オーステナイト変態点以上の温度で、加工前よりも結晶粒を微細化させる加工を行う微細化工程と、微細化が行われた鋼の表面でマルテンサイト変態を生じさせる焼き入れが行われる焼き入れ工程と、を含む。
すなわち、浸炭された鋼の表面が、オーステナイト変態点以上の温度である状態で結晶粒を微細化させる加工が行われると、鋼に対して非常に高い密度の格子欠陥を導入することができる。このため、例えば、平均結晶粒径が1μm程度の超微細結晶粒となるまで平均結晶粒を微細化することができる。このように微細化が行われた表面をマルテンサイト変態させると焼き入れが行われる。
この結果、微細化工程を行わない場合と比較して、表面の結晶粒が微細化された鋼を製造することができる。表面の結晶粒が微細化された状態は、微細化されていない状態と比較して、不安定な(表面自由エネルギーが高い)状態になる。従って、結晶粒が微細化された状態においては、微細化されていない状態と比較して、表面に存在する他の物質が吸着しやすくなる。このため、鋼の表面に潤滑剤が存在する状態にすると、鋼の表面に対して潤滑剤がより安定的に存在する状態になる。
この結果、従来の焼き入れ方法の前に微細化工程を追加するのみで、材料自体が潤滑剤と吸着しやすく、微細化工程を行わない場合と比較して摩擦係数が低い部材を製造することができる。このため、鋼の製造後に研磨、DLCコーティング等の表面処理を行う構成と比較して、摩擦係数を下げるためのコストが抑制される可能性を高めることができる。
さらに、微細化が行われると、微細化が行われない場合と比較して、表面における硬度および靱性が向上する可能性が高い(ホールペッチの法則)。従って、オーステナイト変態点以上の温度で微細化を行って、焼き入れが行われると、表面の摩擦係数が小さく、硬度および靱性が高い鋼を製造できる可能性を高めることができる。
図1Aおよび図1Bは潤滑剤の吸着を模式的に示す図、図1Cは熱処理工程を示すフローチャートである。 図2Aはすべり摩擦加工の例を示す図、図2Bおよび図2Cは熱処理工程の温度パターンを示す図である。 図3Aは焼入後のサンプルのEBSDによる測定結果を示す図、図3Bは焼入後のサンプルとアニール後のサンプルのSEMによる測定結果を示す図ある。 図4Aは摩擦特性を測定するための装置を模式的に示す図、図4B~図4Dは実験結果を示す図、図4Eは実験後の摩擦係数を示す図である。 実施例および比較例について実験を行った後の表面を飛行時間型二次イオン質量分析法で測定した結果を示す図である。 図6A~図6Dは実験後のサンプルの表面粗さを示す図、図6Eは実験後のサンプルの表面のビッカース硬さを示す図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)微細化による低摩擦係数の実現:
(2)熱処理工程:
(3)実施例:
(4)他の実施形態:
(1)微細化による低摩擦係数の実現:
図1Aは微細化されていないサンプルを模式的に示す図であり、図1Bは微細化されたサンプルを模式的に示す図である。これらの図においては、鋼の表面Sの結晶粒と表面Sの界面に存在する潤滑剤とを模式的に示している。これらの図においては、表面Sの内部における結晶粒の粒界を太い実線で示している。これらの図においては粒界に囲まれた領域が結晶粒であり、図1Bの方が図1Aより結晶粒が小さい、すなわち、より微細化されていることが模式的に示されている。
また、これらの図においては、表面Sの界面において分子や鋼の組織が分極する部分を白丸で示しており、界面に存在する潤滑剤の分子を、結合された黒丸と直線によって示している。これらの図に示されたように、結晶粒の粒界が表面Sと交わる部分は分極しやすい。また、潤滑剤の分子も分極しやすい。従って、鋼の表面Sにおいては、表面Sに露出した粒界の部分に潤滑剤の分子が引き寄せられ、安定的に存在する。
そして、図1Bに示されるように、結晶粒が微細化していると、表面Sに露出する粒界の部分が多くなる。従って、図1Aに示されたような微細化されていない状態と比較すると、図1Bに示されたように微細化された鋼の表面においては、より多数の潤滑剤の分子が安定的に存在する。本実施形態においては、以上のように、鋼の表面が微細化されていると、より多くの潤滑剤を表面に吸着し得るという思想に基づいて、鋼の表面の結晶粒を微細化する。
なお、結晶粒が微細化されていると、ホールペッチの法則により、微細化されていない場合と比較して、硬度および靭性を向上させることが期待できる。すなわち、微細化されていない場合の硬度および靭性と同等か、それ以上の硬度および靭性である鋼を提供することができる。
(2)熱処理工程:
次に、鋼に対する熱処理工程を説明する。図1Cは本実施形態にかかる焼き入れを含む熱処理工程の例を示すフローチャートである。熱処理工程においては、熱処理対象の鋼が浸炭処理装置にセットされる(ステップS100)。次に、浸炭処理が行われる(ステップS105)。浸炭処理の条件は、鋼部品の利用目的等に基づいて決定される。例えば、熱処理対象の鋼がセットされた浸炭処理装置内に予め決められた炭素含有物(ガス等)が導入され、既定の昇温速度で目的温度まで加熱される。
熱処理対象の鋼が目標温度に達したら、既定の期間だけ目的温度に維持される。なお、鋼は、浸炭処理により炭素が導入され、焼き入れによって硬化させることができる材料であれば良い。従って、各種の浸炭用鋼(例えばJISで定義される肌焼鋼)を利用可能である。浸炭処理によって導入される炭素の量は例えば、0.7質量%~1.5質量%とすることができる。また、浸炭の手法は限定されず、例えば、真空浸炭であってもよいし、ガス浸炭であってもよい。
次に、浸炭処理後の鋼が徐冷される(ステップS110)。ここでは、ステップS105における浸炭処理後の鋼をすべり摩擦加工の加工装置にセットするために、一旦温度を低下させることが想定されているが、次の工程ですべり摩擦加工を実施可能であれば、各種の徐冷条件を利用可能である。また、浸炭処理後の鋼をすべり摩擦加工の加工装置にセットすることができるのであれば、徐冷は省略されてもよい。すなわち、浸炭処理後に温度を下げることなく(または過度に下げることなく)ステップS115のすべり摩擦加工が行われてもよい。
次に、鋼の表面にすべり摩擦を作用させるすべり摩擦加工が行われる(ステップS115)。すべり摩擦加工は、鋼の表面の組織を微細化する加工であればよい。本実施形態においては、加工具を鋼の表面に押し当てて力を作用させた状態で、鋼の表面と加工具とを相対的に移動させることにより、両者にすべり摩擦を作用させる。このような加工は、鋼の形状や大きさ等に応じた種々の態様の加工装置で実現可能である。
図2Aは、すべり摩擦加工の例を示す図である。図2Aにおいては、円柱状の部材Pの表面にすべり摩擦加工を行う例が模式的に示されている。すなわち、円柱状の部材Pは図示しない回転機構に固定され、円柱軸Axを回転軸として部材Pが回転するように構成される。加工具Bは、図示しない移動機構に接続されており、先端が鋼の表面に押し当てられる平面(ビット)であり、円柱軸Ax方向に垂直な方向D1と、円柱軸Ax方向に平行な方向D2とに向けて移動させることができる。
また、円柱軸Ax方向に垂直な方向に加工具Bが移動される際に、加工具Bには荷重Fをかけることができる。従って、図2Aに示す構成によれば、回転する円柱軸Axの表面に対して加工具Bによって荷重Fを作用させた状態で、加工具Bと円柱軸Axとが接触している部位を移動させることができる。この結果、円柱軸Axの表面と加工具Bの先端面とが相対的にすべる状態で円柱軸Axの表面に荷重を作用させることができる。また、加工具Bを円柱軸Axに平行な方向に移動させることで、加工範囲を円柱軸Axに沿って増加させることができる。以上の加工によれば、円柱軸Axの表面を構成する組織の結晶粒を加工前よりも微細化させることができる。なお、加工具Bが部材Pに接触する接触面には潤滑剤が供給される。
なお、本実施形態において、微細化は、鋼の表面がオーステナイト変態点以上の温度となっている状態で行われる。従って、徐冷によって鋼の表面の温度がオーステナイト変態点よりも低温になっている場合、すべり摩擦加工の過程で微細化を行う前に、鋼の表面がオーステナイト変態点以上の温度になっている必要がある。
本実施形態にかかるすべり摩擦加工は、加工の過程で鋼の表面の温度をオーステナイト変態点以上の温度にすることが可能な加工である。すなわち、鋼の表面と加工具の表面とがすべる状態で相対的に移動すると、摩擦熱によって鋼の表面の温度が上昇する。本実施形態においては、このような鋼の表面の温度上昇によって、鋼の表面が前記オーステナイト変態点以上の温度になる。このように、すべり摩擦加工による温度上昇を利用して鋼の表面をオーステナイト変態点以上の温度にする構成によれば、すべり摩擦加工と別の工程で鋼を昇温する必要がなく、非常に簡易な工程ですべり摩擦加工を実行することが可能である。
なお、この後、表面が微細化された鋼が焼き入れされるため、焼き入れを行うための装置に鋼をセットするために徐冷されてもよい。また、微細化された結晶粒が、再度粗大化しないようにするためには、鋼の表面の温度が過度に長期に高温である状態が維持されていないことが好まく、粗大化を防止するために徐冷が行われてもよい。むろん、鋼の表面がすべり摩擦加工によって高温になり、内部や周囲が高温でないことに起因して、表面の結晶粒が粗大化しないならば徐冷が行われることなく焼き入れ工程が行われてもよい。
次に、鋼に対して焼き入れが行われる(ステップS120)。焼き入れは、鋼の表面でマルテンサイト変態を生じさせる工程であれば良く、本実施形態においては高周波焼き入れである。このため、微細化された後の鋼の周囲に高周波コイルを配置した状態で、既定の周波数で既定の電力を出力するように高周波コイルに交流電力が印加される。高周波焼き入れは、鋼の少なくとも表面をマルテンサイト変態させることができればよい。
従って、高周波コイルによる加熱は、鋼の表面がオーステナイト変態点以上になるように加熱される。高周波加熱後には水等によって急冷が行われる。なお、高周波コイルによる加熱は、非常に短い時間で表面がオーステナイト変態点以上の温度になるように加熱することができる(例えば、5秒で950℃になるような加熱を行うことができる)。従って、微細化された鋼の表面が、再度粗大化することなく表面をオーステナイト変態点以上の温度にすることができる。このため、加熱後の急冷により、微細化された状態のまま焼き入れを行うことができる。
以上の熱処理工程によれば、鋼の表面を微細化し、微細化された状態が維持されたまま焼き入れを行うことができる。図1Aのように、微細化されていない場合と比較して、図1Bのように微細化された状態は、表面自由エネルギーがより高い状態になっている。従って、図1Bのように結晶粒が微細化された状態においては、微細化されていない状態と比較して、表面に潤滑剤が吸着しやすくなる。このため、潤滑剤とともに鋼を利用すると、微細化されていない鋼と比較して表面の摩擦係数をより小さくすることができる。
また、本実施形態は、通常の焼き入れ工程における浸炭処理と焼き入れ処理の間に、微細化工程を追加するのみで実施可能である。工程の追加において、部品に新たに表面処理などを行う必要がないので、新たに材料費が追加されることはない。従って、例えば、鋼の製造後に研磨、DLCコーティング等の表面処理を行う構成と比較して、摩擦係数を下げるためのコストが抑制される可能性を高めることができる。さらに、微細化工程は、従来の焼き入れの工程に追加されればよく、従来の焼き入れ工程を変化させる必要はない。従って、従来の設備を流用することができ、製造コストが過度に高くならず、低コストで鋼の摩擦係数を下げることが可能である。
さらに、微細化が行われると、微細化が行われない場合と比較して、表面における硬度および靱性が向上する可能性が高い(ホールペッチの法則)。従って、オーステナイト変態点以上の温度で微細化を行って、焼き入れが行われると、表面の摩擦係数が小さく、硬度および靱性が高い鋼を製造できる可能性を高めることができる。
(3)実施例:
次に、上述の熱処理工程によって焼き入れが行われたサンプルの特性を述べる。本明細書においては、図1Cに示す熱処理工程によってS20C(C:0.20%、Si:0.22%、Mn:0.45%、P:0.016%、S:0.014%(%は質量%。以下同様))で円柱状の部材を製造したサンプルを実施例とした。また、この実施例と比較して、すべり摩擦加工を省略し、他の工程を同一として円柱状の部材を製造したサンプルを比較例とした。
図2Bにおいては、主要な工程における温度パターンが示されている。すなわち、実施例、比較例ともに、図2Aに示されるような円柱状の部材Pに対してステップS100,S105で真空浸炭した。部材Pの直径は25.8mmであり、長さは任意である。真空浸炭の際の温度パターンは、実施例、比較例ともに、常温(25℃等)から目標温度T1:1173K(900℃)まで昇温し、浸炭を行った後、ガス冷によって徐冷(ステップS110)を行うパターンである。なお、実施例、比較例の双方ともに、昇温後の温度で浸炭時間t1を17.7ks(295分)、拡散時間t2を3.9ks(65分)として浸炭を行った。また、浸炭の後には、鋼の表面が研磨された。
この後、実施例においてはステップS115のすべり摩擦加工を行った。この際、図2Aに示す加工具Bを介して円柱状の部材Pに対して1890Nの荷重が与えられた。また、円柱軸Ax方向に平行な方向D2への加工具Bの移動速度vは0.05mm/revであり(revは部材Pが1回転する時間)、部材Pの回転速度nは1950rpmである。なお、本実施例においては、円柱軸Ax方向に平行な方向D2への加工具Bの移動が開始される前に既定時間(75秒)保持された。すなわち、摩擦によって部材Pの表面の温度がオーステナイト変態点以上の温度になるまで保持された後に移動が開始された。なお、例えば、ステップS105の真空浸炭において昇温した温度を利用するために、ステップS110で部材Pが常温になる前の温度でステップS115のすべり摩擦加工を行ってもよいし、部材Pを予備加熱炉にて所定温度(例えば500℃)に昇温した後にすべり摩擦加工を行ってもよい。このようにすることで、ステップS115において部材Pの表面の温度をオーステナイト変態点以上の温度とするすべり摩擦加工の負担を減らし、すべり摩擦加工の加工時間を低減することができる。
実施例においては、すべり摩擦加工の後に高周波焼き入れが行われた(ステップS120)。この際、高周波加熱の目標温度T2は1223K(950℃)であり、0.0023ks(2.3秒)保持された後に、水による急冷が行われた。この焼き入れは比較例においても同様の条件である。実施例、比較例においては、このようにして製造された部材Pを8mmの厚さ(円柱軸Ax方向の長さ)にスライスした。この結果、実施例、比較例ともに直径25.8mm、厚さ8mmの円板となる。
図3Aは、円板の円周面(すべり摩擦加工が行われた面)のEBSD(Electron Back Scattered Diffraction Pattern)による測定結果である。なお、測定にはオックスフォード・インストゥルメンツ社の製品名:Nordlys-Maxが使用された。図3Aにおいては、上段に菊池パターンの鮮明度を示すIQ(Image Quality)マップ、下段に結晶方位を示すIPF(Inverse Pole Figure)マップを示している。また、左側に実施例、右側に比較例の測定結果を配置して示している。
図3Aにおいては、IPFマップをグレーで表現しているために結晶方位を特定することが困難な結晶粒も存在するが、少なくとも、結晶粒の大きさを比較することは可能である。図3Aにおいては、IQマップ、IPFマップのいずれにおいても、2μmの大きさを基準として示している。図3Aに示されたように、実施例では結晶粒径(結晶粒の面積と同じ面積の円を想定した場合の直径)が2μmよりも遥かに小さい結晶粒が多く見られる。また、結晶粒径が最大のものでも2μmを超える結晶粒は観測されないか、ほとんど観測されない状態である。
一方、比較例では、結晶粒径が2μmよりも大きい結晶粒が多く見られる。なお、平均結晶粒径は実施例において1μm、比較例において20μmであった。従って、以上のようにすべり摩擦加工が行われて製造された実施例では結晶粒が微細化され、すべり摩擦加工が行われずに製造された比較例では結晶化が微細化されていないことが確認された。
図3Bは、実施例および比較例を表面に垂直な方向に切断した面のSEM(scanning electron microscope)画像である。ただし、実施例、比較例のそれぞれについて焼入後のサンプルの画像と、アニール後のサンプルの画像を示している。上段が焼入後、下段がアニール後である。図3Bにおいても実施例が左側、比較例が右側に配置されている。
アニールは873Kで3.6ks(60分)実施された。アニールは、結晶粒の粒界を強調するために行われた。すなわち、焼入後のサンプルのSEM画像においては、実施例と比較例で大きな差異が観測されず、結晶粒が微細化しているか否か判断しづらい。しかし、アニールを行うと、結晶粒の粒界にSEM画像上で白色に見えるセメンタイトが析出しやすい。
図3Bの下段のSEM画像を比較すると、実施例の方が比較例よりもセメンタイトが密に粒界から析出している様子が観測され、セメンタイトに囲まれた結晶粒の大きさも実施例の方が小さいことがわかる。従って、アニール後のSEM画像からも、実施例では比較例よりも結晶粒が微細化されていることが裏付けられる。
次に、以上のようにして製造した実施例および比較例における摩擦特性を測定するための実験結果を説明する。図4Aは、摩擦特性を測定するための装置を模式的に示す図である。当該装置においては、円板Rsと円板Rlの円周面を接触させ、各円板の円の中心を通る平行な回転軸Axs、Axlを中心に各円板を破線方向に回転させ、両円板を滑らせる。その際、円板Rsに対して円板Rsを円板Rlに押しつける方向に荷重Fnを作用させる。この状態で、接触面の接線方向(荷重Fnに垂直な方向)に作用する力Ftを測定する。得られた力に基づいてFt/Fnを算出し、算出された値を摩擦係数μとみなす。
なお、円板Rsと円板Rlとの接触面には、潤滑剤が供給される。本実施形態においては、公知のトランスミッションオイルが潤滑剤として使用された。オイル中のPの濃度は319ppmである。また、40℃における動粘度は22.35mm2/s、100℃における動粘度は5.35mm2/s、粘度指数は176、15℃における密度は0.842g/cm2である。
このような装置を使用し、小さい円板Rsを実施例および比較例で構成して摩擦係数μの測定を行った。なお、円板Rlは、種々の材料とすることができるが、本実施形態においては、円板Rlも実施例および比較例と同一の組成の鋼である。また、円板Rlも図1Cと同様の工程で製造可能であるし、すべり摩擦加工は行われなくてもよい。図2Cは、本実験で採用された熱処理工程の温度パターンを示している。
すなわち、円板Rlにおいては、図2Aに示されるような円柱状の部材P(ただし、直径は49.2mm)に対してステップS100,S105でガス浸炭した。ガス浸炭の際の温度パターンは、常温(25℃等)から目標温度T3:1213K(930℃)まで昇温し、浸炭を行った後、目標温度T4:1143K(870℃)まで温度を下げ、その後、油によって急冷されることで焼き入れが行われた。なお、本例において、すべり摩擦加工は行われていない。また、目標温度T3での浸炭時間t4を16.2ks(270分)、目標温度T4での拡散時間t5を3.6ks(60分)として浸炭を行った。さらに、浸炭の後には、鋼の表面が研磨された。
この後、本例においては、焼き戻しが行われた。この際の目標温度T5は423K(150℃)であり、7.2ks(120分)保持された後に、空冷が行われた。円板Rlにおいては、このようにして製造された部材を8mmの厚さ(円柱軸Ax方向の長さ)にスライスした。この結果、直径49.2mm、厚さ8mmの円板Rlが得られた。
図4B~図4Dは、図4Aに示す装置での実験結果を示す図である。図4Bは、荷重Fnの変化を示す図である。すなわち、実施例、比較例の双方において、開始10分間は荷重が50Nとされ、開始後10分~20分まで荷重が300Nとされた。図4Cはこの荷重Fnによって得られた垂直方向に作用する力Ftを示しており、図4Dは荷重Fnと力Ftによって算出される摩擦係数μを示している。なお、これらの例において、小さい円板Rsの回転による速度は2.7m/s、大きい円板Rlの回転による速度は1.92m/s、両円板の滑り速度は0.78m/sであった。すなわち、円板の周の一点が円の接線方向に移動する速度が回転による速度であり、小さい円板Rsで2.7m/s、大きい円板Rlで1.92m/sである。両者の接触点は同方向に移動するため、2.7-1.92=0.78msが滑り速度である。
図4Cおよび図4Dに示されるように、比較例においては、50Nおよび300Nの荷重のそれぞれで垂直方向の力Ftおよび摩擦係数μが一定である。一方、実施例においては、50Nの荷重で10分の実験を行う限りにおいて、垂直方向の力Ftおよび摩擦係数μの変化は僅かであるものの、300Nの荷重では大きな変化が観測された。すなわち、300Nの荷重で実験を行うと、実施例においては、垂直方向の力Ftが徐々に低下し、この結果、摩擦係数μも徐々に低下した。
図4Eは、以上のような合計20分の摩擦運動を複数個のサンプルについて実施した場合の最終的な摩擦係数μの平均値、最大値、最小値を示している。このように、実施例と比較例とを複数個比較しても、実施例においては、比較例よりも摩擦係数μが低下していることが確認できた。すなわち、微細化が行われた実施例としての円板Rsにおいては、大きな荷重を作用させて摩擦運動を継続すると徐々に摩擦係数μが下がり、この結果、最終的には実施例と比較例で摩擦係数μに差が生じることが確認された。
このように摩擦係数μに差が生じる原因としては、上述のように、微細化した表面に潤滑剤が吸着しやすいことが挙げられる。図5は、実施例および比較例について実験を行った後の表面を飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定した結果を示す図である。なお、測定にはION-TOF社製の製品名:TOF-SIMSが使用された。
上段の図は、実施例、比較例のそれぞれにおけるリン酸イオン(63PO2 -)のマッピング分析結果を示しており、明るい部分ほどリン酸イオンの濃度が高い。下段のグラフは、2次イオン強度を示しており、上段の図の破線部分の統計結果である。また、グラフには、PO3、PO2、FeO2のそれぞれについての2次イオン強度が示されている。
表面に分布するリン酸イオンやPO3、PO2は潤滑剤に含まれるPを捉えていると考えられる。そして、上段のマッピング分析によれば、実施例において均一にリン酸イオンが分布し、比較例において不均一にリン酸イオンが分布していることがわかる。また、下段のグラフによれば、実施例において均一にPO3、PO2が分布し、比較例において不均一にPO3、PO2が分布していることがわかる。従って、実施例においては、表面に均一に潤滑剤が吸着していることがわかる。また、実施例と比較例との濃度(上段の図の明るさや下段のグラフの強度)を比較すると、実施例の方が比較例よりも全体として濃度が高い。従って、実施例は比較例よりも、高い濃度で均一に潤滑剤が表面に分布している。以上のように、微細化した表面には微細化していない表面よりも均一に、高濃度で潤滑剤が吸着することが確認され、これが摩擦係数μに差が生じる原因となっていると考えられる。すなわち、実施例においては、比較例よりも潤滑状態が流体潤滑になりやすいと考えられる。
さらに、実施例において、摩擦係数μが徐々に低下する理由としては、潤滑剤が鋼の表面に吸着しやすくなることに加え、表面の平滑度が向上しやすいことも原因として考えられる。図6Aは実施例および比較例としての円板Rsの実験前後の算術平均粗さ(Ra)を示しており、図6Bは実施例および比較例としての円板Rsの実験前後の突出部平均高さ(Rpk)を示している。これらの図においては、複数回の実験後に、実験前後の算術平均粗さ、突出部平均高さを算出し、その最大値、最小値、平均値をプロットしている。
図6Aに示すように、算術平均粗さは、実験後に小さくなっており、荷重Fを作用させた摩擦運動によって部材Pの表面が平滑化したことがわかる。そして、平滑化の程度は、実施例の方が比較例よりも高い。図6Bに示すように、突出部平均高さは実施例において実験後に小さくなり、比較例において実験後に大きくなっている。この点からも、実施例の方が比較例よりもより平滑化されていると言える。
さらに、図6Cは実施例および比較例の実験に利用された円板Rlの実験前後の算術平均粗さ(Ra)を示しており、図6Dは実施例および比較例の実験に利用された円板Rlの実験前後の突出部平均高さ(Rpk)を示している。これらの図においても、複数回の実験後に、実験前後の算術平均粗さ、突出部平均高さを算出し、その最大値、最小値、平均値をプロットしている。
図6Cおよび図6Dに示すように、算術平均粗さおよび突出部平均高さは、実験後に小さくなっており、荷重Fを作用させた摩擦運動によって部材Pの表面が平滑化したことがわかる。そして、平滑化の程度は、実施例の実験に利用された円板Rlの方が比較例の実験に利用された円板Rlよりも高い。以上のように、実施例を利用すると、利用過程において実施例としての円板Rsの表面が比較例よりも平滑化し、相手材である円板Rlも比較例より実施例の方が平滑化することがわかる。従って、実施例においては、運用過程において表面が平滑化していくことで摩擦係数μが低下していると考えられる。さらに、表面が平滑化しやすい部材においては、潤滑状態が境界潤滑および混合潤滑ではなく、流体潤滑の状態になりやすい。従って、この点からも、微細化された鋼を利用すれば、摩擦係数が小さい状態で運用できる可能性が高くなる。
なお、上述のように、微細化された組織は、硬度および靱性が高くなると期待される。図6Eは、上述の実験に利用された円板Rs(実施例および比較例)および円板Rlの表面のビッカース硬さを示す図である。図の横軸は表面からの距離である。図6Eに示されたように、実施例の表面におけるビッカース硬さは比較例の表面におけるビッカース硬さと同程度であり、充分に硬くなっている。
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、処理対象となる部品はギアに限定されず、シャフトや建築用の部品、例えば吊り橋を吊るためのワイヤーなど、種々の物品が処理対象とされて良い。
微細化工程は、浸炭された鋼の表面に対して、オーステナイト変態点以上の温度で、加工前よりも結晶粒を微細化させる加工を行うことができればよい。すなわち、少なくとも鋼の表面がオーステナイト変態点以上の温度になっている状態で、加工によって表面の結晶粒が微細化されればよい。
微細化加工および焼き入れの対象となる鋼は、浸炭されていればよい。すなわち、鉄の表面に炭素が存在することにより、マルテンサイト変態を利用して鋼の少なくとも表面を硬化させることができるように構成されていれば良い。鋼は、Feを主成分とし、Cを含む合金、例えば、S20CやSCM420等で構成されて良く、合金元素は、例えば、C,Si,Mn,Cr,Moをそれぞれ、0.17質量%以上かつ0.23質量%以下,0.15質量%以上かつ0.35質量%以下,0.40質量%以上かつ0.90質量%以下,0.85質量%以上かつ1.25質量%以下,0.15質量%以上かつ0.35質量%以下だけ含んでもよい。むろん、これら以外の元素、例えば、PやS等が含まれていてもよいし、不可避不純物が含まれていてもよい。すなわち、オーステナイト変態点以上の温度におけるひずみ加工によって結晶粒が微細化される材料であれば、各種の材料を利用可能である。
浸炭処理は、鋼の少なくとも表面におけるCの含有量を増加させる処理であれば良く、各種の態様の炉によって鋼を加熱し、鋼の周囲に存在する炭素を鋼に浸炭させることができればよい。むろん、炉の構成も限定されず、炉内で浸炭しながら鋼が搬送される構成等であってもよいし、炉内の固定位置に存在する鋼で浸炭が行われた後に取り出されてもよい。浸炭の態様も限定されず、ガス浸炭、液体浸炭、固体浸炭、真空浸炭(真空ガス浸炭)、プラズマ浸炭などの各種の態様で浸炭が行われてよい。
オーステナイト変態点以上の温度は、常温での相(例えば、フェライトやセメンタイト)からオーステナイトへの相変態が生じ得る温度であれば良い。すなわち、ひずみ加工等によって結晶粒を微細化できるような相を鋼の表面に生じさせることができればよい。この意味で、鋼の表面は、結晶粒の微細化が生じる範囲であれば良く、鋼の深さ方向に広がる範囲であってもよい。すなわち、表面は、最外面から特定の深さ(例えば、50μm等)の表層であってもよい。
焼き入れ前に行われる加工は、加工前よりも結晶粒を微細化させることができる加工であればよい。例えば、鋼の表面に圧力を作用させた状態で表面を摩擦したり、表面に衝撃を与えたりする加工を採用可能である。従って、上述の実施形態のように、回転している部品に部材を押し当てて圧力を作用させたすべり摩擦を実現する加工以外にも、引き抜き加工、高圧ねじり加工(HPT加工)、高圧すべり加工(HPS加工)、プレス加工、ハードターニング加工、ボールミルによる表面加工、落錘加工、ショットピーニング加工、ドリル加工等であってもよい。また、ショットピーニング加工は、エア式であってもよいし、超音波式であってもよい。
微細化は、加工前よりも結晶粒が微細化されていればよく、例えば、SEM等の撮影画像から結晶粒の面積を特定し、その面積の円が結晶粒径であるとみなした場合の平均値(平均結晶粒径)が、加工前後で小さくなるのであれば、微細化されているといえる。微細化の程度は、鋼の用途や形状等によって調整されてよく、上述の実施形態のように1μm以下の結晶粒が多数観測される状態に限定されず、種々の状態とされてよい。
焼き入れ工程は、微細化が行われた鋼の表面でマルテンサイト変態を生じさせる焼き入れが行われればよい。このような焼き入れは高周波焼き入れに限定されず、鋼の少なくとも表面を昇温し、冷却させることにより、表面をオーステナイト変態させ、その後に鋼の表面にマルテンサイトを形成させ、鋼を硬化させることができればよい。従って、焼き入れが行われた後において、焼き入れが行われる前よりも表面におけるマルテンサイトの比率が増加し、当該マルテンサイトによって鋼の表面が硬くなっていればよい。
むろん、焼き入れの条件(与えられるエネルギー、周波数、圧力、温度、雰囲気等)は、種々の条件であってよく、焼き入れの手法は高周波焼き入れに限定されない。例えば、高周波焼き入れ以外の他の高密度エネルギーによる焼き入れ(レーザー焼き入れ、EB(電子ビーム)焼き入れ等)であっても良い。また、表面の結晶粒が微細化された鋼を電気炉等によって加熱し、水や油等の冷媒によって冷却しても良い。すなわち、鋼の表面にマルテンサイトが形成される限り、種々の条件、手法を採用可能である。
Ax…円柱軸、Axl…回転軸、Axs…回転軸、B…加工具、F…荷重、Fn…荷重、Ft…力、P…部材、Rl…円板、Rs…円板、S…表面

Claims (4)

  1. 浸炭された鋼の表面に対して、オーステナイト変態点以上の温度で、加工前よりも結晶粒を微細化させる加工を行う微細化工程と、
    前記微細化が行われた前記鋼の表面でマルテンサイト変態を生じさせる焼き入れが行われる焼き入れ工程と、
    を含む熱処理方法。
  2. 前記微細化させる加工は、
    前記鋼の表面が前記オーステナイト変態点以上の温度で行われる、
    請求項1に記載の熱処理方法。
  3. 前記微細化工程では、
    前記微細化を行うことに伴う前記鋼の表面の温度上昇によって、前記鋼の表面が前記オーステナイト変態点以上の温度になる、
    請求項2に記載の熱処理方法。
  4. 前記微細化させる加工は、
    前記鋼の表面にすべり摩擦を作用させることによって実施される、
    請求項1~請求項3のいずれかに記載の熱処理方法。
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