以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、説明する部分が認識可能な程度の大きさとなるように、適宜拡大または縮小して表示している。
1.第1実施形態
1-1.電気光学装置
本実施形態の電気光学装置として、アクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、後述する投射型表示装置の光変調手段として用いられるマイクロディスプレイである。
図1は第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置を示す斜視図、図2は第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置1は、電気光学パネルとしての液晶パネル100と、液晶パネル100に電気的に接続された第1実装基板51及び第2実装基板52と、液晶パネル100を挟んで保持する額縁状のホルダー70とを備えている。ホルダー70は、例えば、アルミニウムなどの金属、あるいは合金を用いて形成された第1ホルダー部材71と第2ホルダー部材72とにより構成されている。
以降、液晶パネル100の一辺部に沿った一方向をX方向とし、該一辺部と交差する他の一辺部に沿った一方向をY方向とし、液晶パネル100に入射する光Laの進行方向をZ方向として説明する。X方向とY方向とは直交している。Z方向は、X方向及びY方向に対して直交している。また、Z方向に沿って見ることを「平面視」と言う。+Y方向と反対の-Y方向が本発明の第1の方向に相当し、+X方向または-X方向が本発明の第2の方向に相当するものである。
液晶パネル100に電気的に接続された第1実装基板51及び第2実装基板52は、ホルダー70から+Y方向に突出し、図示していない外部回路に電気的に接続される。第1実装基板51及び第2実装基板52の詳細については後述する。
図2に示すように、本実施形態の液晶パネル100は、透過型であって、例えば、石英基板などの透光性基板を用いて構成され、対向して配置された素子基板101及び対向基板102と、この一対の基板の間に挟持された液晶層とを有する。対向基板102は、素子基板101に対して光Laの入射側に配置されている。液晶パネル100は、+X方向と+Y方向とにマトリックス状に配置された複数の画素111を有する。複数の画素111がマトリックス状に配置された領域が表示領域110である。なお、表示領域110は、表示に寄与しないダミー画素を含んでいてもよい。
対向基板102の光Laの入射側に第1防塵基板103が配置され、入射した光Laが変調されて表示光として素子基板101から射出される側に第2防塵基板104が配置されている。第1防塵基板103及び第2防塵基板104は、液晶パネル100の表示が拡大投射されたときに、付着した異物の影響を受け難くするために設けられたものである。第1防塵基板103及び第2防塵基板104は、熱膨張・収縮による寸法変化を考慮して、素子基板101や対向基板102と同じ、例えば、石英基板などの透光性基板が用いられる。
液晶パネル100の対向基板102から+Y方向に突出した素子基板101の部分が端子部105である。端子部105の端部105aから-Y方向に間隔を置いて順に設けられた、外部接続用の第1端子群161及び第2端子群162を有する。第1端子群161及び第2端子群162は、それぞれ+X方向に所定のピッチで配列した複数の端子を含む。
第1実装基板51は、第1駆動用IC21が実装された第1フレキシブル配線基板31と、第1フレキシブル配線基板31に電気的に接続された第1延長基板41とを有する。同じく、第2実装基板52は、第2駆動用IC22が実装された第2フレキシブル配線基板32と、第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続された第2延長基板42とを有する。
液晶パネル100の端子部105に設けられた第1端子群161に第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続されている。同じく、液晶パネル100の端子部105に設けられた第2端子群162に第2フレキシブル配線基板32が電気的に接続されている。つまり、液晶パネル100の端子部105において、第1フレキシブル配線基板31と第2フレキシブル配線基板32とがZ方向に重なって実装されている。第1端子群161に電気的に接続された第1フレキシブル配線基板31に第1駆動用IC21が実装されている。同じく、第2端子群162に電気的に接続された第2フレキシブル配線基板32に第2駆動用IC22が実装されている。
ホルダー70を構成する第1ホルダー部材71は、四角形の本体部71aと、本体部71aから+Y方向に突出する板状の第1放熱部73とを有する。第1放熱部73の+Z方向には、+Y方向に沿って延在すると共に、+X方向に所定の間隔で配列する複数の放熱フィン730が設けられている。本体部71aには、液晶パネル100の表示領域110に対応する部分に四角形の開口部712が設けられている。本体部71aの四隅のそれぞれに孔711が設けられている。
ホルダー70を構成するもう一方の第2ホルダー部材72は、四角形の本体部72aと、本体部72aから+Y方向に突出する門構え状の第2放熱部74とを有する。第2放熱部74の-Z方向には、+Y方向に沿って延在すると共に、+X方向に所定の間隔で配列する複数の放熱フィン740が設けられている。本体部72aには、液晶パネル100の表示領域110に対応する部分に四角形の開口部722が設けられている。本体部72aの四隅のそれぞれに孔721が設けられている。第2ホルダー部材72のZ方向における+側は凹んだ凹部となっている。
つまり、第2ホルダー部材72の凹部に、第1防塵基板103及び第2防塵基板104が貼り付けられた液晶パネル100を収容して、第1ホルダー部材71で蓋をするように挟み込む。第1ホルダー部材71の本体部71aと、第2ホルダー部材72の本体部72aとは、四隅に設けられた孔711,721に、例えば、ボルトを挿入してネジ止めされる。また、第1放熱部73と第2放熱部74との間に第1実装基板51と第2実装基板52とが挟み込まれた状態で、第2放熱部74に対して第1放熱部73が固定部材75により固定される。第2放熱部74のX方向における+側の側面と-側の側面とには、固定部材75が脱着可能に係止される係止部74aが設けられている。
なお、本実施形態では、ホルダー70を含めた液晶装置1を電気光学装置の一例としているが、電気光学装置においてホルダー70は必須の構成ではない。
図3は第1実施形態の第1実装基板及び第2実装基板が電気的に接続された液晶パネルを示す平面図、図4は第1実装基板及び第2実装基板が電気的に接続された液晶パネルを示す側面図である。図3に示すように、液晶パネル100は、表示領域110において行方向である+X方向と列方向である+Y方向とにマトリックス状に配置された複数の画素111を有する。液晶パネル100は、アクティブ駆動型であって、画素111には、画素電極(図示省略)と、画素電極をスイッチング制御するスイッチング素子(図示省略)と、液晶層を挟んで画素電極に対向する対向電極(図示省略)と、保持容量とが設けられている。画素電極と、スイッチング素子と、保持容量とは素子基板101に形成されている。スイッチング素子は、例えば、薄膜トランジスター(TFT;Thin Film Transistor)である。対向電極は、複数の画素電極と対向するように少なくとも表示領域110に亘って対向基板102に形成されている。画素電極及び対向電極は、例えば、ITOやIZOなどの透明導電膜を用いて形成されている。
素子基板101の端子部105には、第1端子群161と第2端子群162が設けられている。第1端子群161に第1実装基板51の第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続されている。第2端子群162に第2実装基板52の第2フレキシブル配線基板32が電気的に接続されている。第1フレキシブル配線基板31に電気的に接続された第1延長基板41は、+Y方向の端部が、-X方向に屈曲している。これに対して、第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続された第2延長基板42は、+Y方向の端部が、+X方向に屈曲している。第1延長基板41の+Y方向の端部には第1入力端子45が設けられている。第2延長基板42の+Y方向の端部には第2入力端子46が設けられている。平面視で、第1入力端子45と、第2入力端子46とは、+X方向に直線的に並んだ状態となっている。このような、第1実装基板51及び第2実装基板52によれば、外部回路基板に平置きされた2つのコネクターのうち一方のコネクターに第1延長基板41の第1入力端子45を接続し、他方のコネクターに第2延長基板42の第2入力端子46を接続することができる。つまり、一方のコネクターに第1延長基板41を接続するときに、第2延長基板42が邪魔にならない構成となっている。なお、第1延長基板41及び第2延長基板42の形状は屈曲した状態であることに限定されず、直線的な形状であってもよい。
図4に示すように、第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mに第1駆動用IC21が実装されている。第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mの端部に接続用端子群31tが設けられている。第2フレキシブル配線基板32の一方の基板面32mに第2駆動用IC22が実装されている。第2フレキシブル配線基板32の一方の基板面32mの端部に接続用端子群32tが設けられている。つまり、本実施形態において、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32は、いずれもフレキシブルな片面配線基板である。
対向基板102から+Y方向に張り出した素子基板101の端子部105に、端子部105の端部105aから間隔を置いて、第1端子群161と、第2端子群162とがこの順に設けられている。第1端子群161と第1フレキシブル配線基板31の接続用端子群31tとは、例えば、ACFを介して電気的に接続されている。第2端子群162と第2フレキシブル配線基板32の接続用端子群32tとは、同じく、例えば、ACFを介して電気的に接続されている。
素子基板101の端子部105に、先に実装された第1フレキシブル配線基板31に対して、+Z方向に重なるように第2フレキシブル配線基板32が実装されている。また、第2フレキシブル配線基板32は、端子部105における第1端子群161及び第2端子群162の配置に対応して、第1フレキシブル配線基板31に対して-Y方向にずれて端子部105に実装されている。したがって、素子基板101の端子部105に第1フレキシブル配線基板31と第2フレキシブル配線基板32とが実装された状態では、第1フレキシブル配線基板の他方の基板面31nと、第2フレキシブル配線基板32の一方の基板面32mとがZ方向に対向した状態となっている。
第1延長基板41及び第2延長基板42もまた、フレキシブルな片面配線基板である。第1延長基板41の一方の基板面41mにおける+Y方向の端部に第1入力端子45が設けられ、-Y方向の端部に接続用端子(図示省略)が設けられている。同様に、第2延長基板42の一方の基板面42mにおける+Y方向の端部に第2入力端子46が設けられ、-Y方向の端部に接続用端子(図示省略)が設けられている。第1延長基板41は-Y方向の端部に設けられた接続用端子を介して第1フレキシブル配線基板31と電気的に接続されている。第2延長基板42は-Y方向の端部に設けられた接続用端子を介して第2フレキシブル配線基板32と電気的に接続されている。
図4では、図示を省略しているが、第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mには、複数の配線と、当該複数の配線を被覆する例えばレジスト層またはカバーレイとが設けられている。同様に、第2フレキシブル配線基板32の一方の基板面32mには、複数の配線と、当該複数の配線を被覆する例えばレジスト層またはカバーレイとが設けられている。第1延長基板41及び第2延長基板42のそれぞれにおいても、複数の配線と、当該複数の配線を被覆する例えばレジスト層またはカバーレイとが設けられている。
また、図4には図示していないが、第1駆動用IC21は、ベアチップであって、外周がモールドされた状態で、第1フレキシブル配線基板31に実装されている。第2駆動用IC22もまた、ベアチップであって、外周がモールドされた状態で、第2フレキシブル配線基板32に実装されている。さらには、端子部105において、第1端子群161と接続用端子群31tとの接続信頼性、及び第2端子群162と接続用端子群32tとの接続信頼性を確保すべく、絶縁性を有するモールド材を用いて第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32が実装された端子部105の部分を封着(モールド)することが好ましい。なお、第1フレキシブル配線基板31には、第1駆動用IC21以外に、例えば、チップ抵抗やチップコンデンサなどの電子部品が実装されていてもよい。第2フレキシブル配線基板32も同様に第2駆動用IC22以外の電子部品が実装されていてもよい。
1-2.液晶装置の電気的な構成
図5は電気光学装置としての液晶装置の電気的な構成を示す回路図である。
図5に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置1の液晶パネル100は、表示領域110、走査線駆動回路130、データ線選択回路150(選択回路)、n本の画像信号線160と、n個の画像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)と、k本の選択信号線140と、k個の選択信号入力端子145と、複数の電源端子171,172,173と、電源端子171,172,173に対応する電源線174,175,176とを有している。nは、1以上の整数であり、kは2以上の整数である。本実施形態では、図5に示すようにk=4であるが、これに限定されるものではない。これらの要素は、図2に示す素子基板101上に形成されている。素子基板101には、表示領域110と第1端子群161及び第2端子群162との間に、+X方向に沿ってデータ線選択回路150が形成され、データ線選択回路150が形成された一辺部と交差する他の辺と表示領域110との間に、+Y方向に沿って走査線駆動回路130が形成されている。
第1フレキシブル配線基板31に実装された第1駆動用IC21、及び第2フレキシブル配線基板32に実装された第2駆動用IC22は、外部の上位回路(図示せず)から第1延長基板41及び第2延長基板42(図4参照)を介して入力されるクロック信号、制御信号、及び画像データなどに従って、液晶パネル100に表示させる画像を示す画像信号や制御信号などを出力する。液晶パネル100は、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22から入力されるクロック信号及び画像信号に基づいて画像を表示する。第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22は、同一の構成を有しており、画像信号以外は同一の信号を出力する。
表示領域110には、m本の走査線112、(k×n)本のデータ線114、及び(m×k×n)個の画素111が設けられている。mは、1以上の整数である。画素111は、走査線112とデータ線114との交差に対応して設けられ、m行×(k×n)列のマトリックス状に配列される。走査線112は、走査信号Y1,Y2,Y3,~Ymを伝送する信号線であり、走査線駆動回路130から行方向であるX方向に沿って設けられている。データ線114は、データ信号を伝送する信号線であり、データ線選択回路150から列方向であるY方向に沿って設けられている。
表示領域110において、k本(列)のデータ線114に対応するk×m個の画素111が、1つの画素群(ブロック)を形成している。例えば、複数(m個)の第1画素111aがY方向に沿って配列された第1画素列111eがX方向に沿って複数(k列)配列された第1画素群111hと、複数(m個)の第2画素111bがY方向に沿って配列された第2画素列111fがX方向に沿って複数(k列)配列された第2画素群111iとが設けられている。ここで、同一の画素群に属する画素111は、データ線選択回路150を介して同一の画像信号線160に接続されている。したがって、液晶パネル100は、n本(列)の画像信号線160あるいはn個の画像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)によってn個のブロックに区分されたn個(列)の画素群を有することになる。
走査線駆動回路130は、マトリックス状に配置された複数の画素111の中から、データを書き込む行を選択する。具体的には、走査線駆動回路130は、複数の走査線112の中から1本の走査線112を選択するための走査信号を出力する。走査線駆動回路130は、第1行、第2行、第3行、~第m行の走査線112に、走査信号Y1,Y2,Y3,~Ymを供給する。走査信号Y1,Y2,Y3,~Ymは、例えば、順次排他的にハイレベルとなる信号である。
データ線選択回路150は、各画素群において、画像信号を書き込む画素111の列(画素列)を選択する。具体的には、データ線選択回路150は、その画素群に属するk本のデータ線114の中から少なくとも1本のデータ線114を、選択信号SEL[1]~SEL[k]に応じて選択する。データ線114は、k本を単位として、データ線選択回路150により、1本ずつ1本の画像信号線160に接続される。本実施形態において、データ線選択回路150は、n個の画素群の各々に対応するn個のデマルチプレクサー151を有する。
画像信号線160は、画像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)とデータ線選択回路150とを接続する。画像信号線160は、画像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)を介して、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32から入力された画像信号S(S[1]~S[n])を、データ線選択回路150に伝送する信号線であり、n個の画像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)あるいはn個の画素群の各々に対応して、n列(本)設けられている。画像信号Sは、画素111に書き込まれるデータを示す信号である。ここで、「画像」は静止画または動画をいう。1本の画像信号線160は、データ線選択回路150を介してk本のデータ線114に接続される。従って、画像信号Sにおいては、これらk本のデータ線114に供給されるデータが時分割多重されている。
選択信号線140は、選択信号入力端子145とデータ線選択回路150のデマルチプレクサー151とを接続する。選択信号線140(140[1]~140[k])は、選択信号入力端子145(145[1]~145[k])から入力された選択信号SEL(SEL[1]~SEL[k])を伝送する信号線であり、k本設けられる。選択信号SELは、順次ハイレベルとなる信号である。
画像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)は、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32が接続される端子であり、画像信号S[j]が供給される(jは、1≦j≦nを満たす整数)。この例では、第1駆動用IC21から、第2列、第4列、第6列、…第(2t)列の偶数列の画像信号線160に対応する画像信号入力端子(第1端子群161)に、画像信号S[2t]が供給される。第2駆動用IC22から、第1列、第3列、第5列、…第(2t-1)列の奇数列の画像信号線160に対応する画像信号入力端子(第2端子群162)に、画像信号S[2t-1]が供給される(tは1≦t≦n/2の整数)。また、画像信号Sは、いわゆるデータ信号であり、画像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)には、画像の表示に応じた異なる波形のアナログ信号が供給される。
選択信号入力端子145は、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32に接続される端子であり、パルス信号からなる選択信号SELが供給される。選択信号SELは、データ線選択回路150において、データ線114を選択するタイミング信号である。選択信号入力端子145は、第1フレキシブル配線基板31が接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に接続される端子が含まれており、第1フレキシブル配線基板31の第1駆動用IC21及び第2フレキシブル配線基板32の第2駆動用IC22の両方あるいは一方から選択信号SELが供給される。本実施形態では、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32の各々に対応する選択信号入力端子145には、同じ波形の選択信号SELが供給される。従って、選択信号入力端子145については、第1フレキシブル配線基板31が接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に接続される端子を区別せずに示してあるが、第1フレキシブル配線基板31が接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に接続される端子として、第1端子群161、及び第2端子群162とに区別してもよい。
電源端子171、電源端子172、及び電源端子173は、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32に接続される端子であり、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22を経由せずに、上位回路から第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32を介して電源電圧が供給される。電源電圧とは、液晶パネル100において電源として用いられる電圧であり、この例では直流電圧である。電源端子171は共通電圧LCCOMを供給するための端子であり、電源端子172は基準電圧VSSYを供給するための端子であり、電源端子173は駆動電圧VDDYを供給するための端子である。共通電圧LCCOMは、液晶層に印加される電圧の基準電位となる電圧である。基準電圧VSSYは、走査線駆動回路130における低電圧側の電源電位となる電圧である。駆動電圧VDDYは、走査線駆動回路130における高電圧側の電源電位となる電圧である。電源端子171,172,173については、第1フレキシブル配線基板31が接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に接続される端子を区別せずに示してあるが、第1フレキシブル配線基板31が接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に接続される端子として、第1端子群161、及び第2端子群162とに区別してもよい。
本実施形態では、素子基板101において、走査線駆動回路130が1つだけ設けられているため、電源端子172,173は、+X方向の片側だけに設けられている。なお、走査線駆動回路130の配置はこれに限定されず、X方向に表示領域110を挟んだ両側に走査線駆動回路130を設けてもよい。その場合は、電源端子171,172,173は各々、素子基板101のX方向の両側に設けられる構成となる。
本実施形態では、画像信号S[j]には、対応する画素群の第[k×j-k+1]~第[k×j]列の画素111に書き込まれるデータが時分割多重されている。また、S[j]が奇数番目のS[2t-1]である場合は、第1駆動用IC21から奇数番目の画素群のデータ線114に供給される。また、S[j]が偶数番目のS[2t]である場合は、第2駆動用IC22から偶数番目の画素群のデータ線114に供給される。かかる構成によれば、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22の2つの駆動用ICを用いているため、1つの駆動用ICを用いた場合と比較して1周期で2倍の画素に対してデータの書き込みを行うことができる。そして、上述のように、第1端子群161及び第2端子群162が配置されることにより、高精細で高品位な小型の液晶装置1を実現できる。なお、第1端子群161及び第2端子群162と画素群のデータ線114との接続は、これに限定されず、第1駆動用IC21から偶数番目の画素群のデータ線114に画像信号S[J]が供給され、第2駆動用IC22から奇数番目の画素群のデータ線114に画像信号S[J]が供給されるように、接続してもよい。
このような実装形態の液晶装置1において、外部回路から第1実装基板51及び第2実装基板52を介して入力されるクロック信号、制御信号、及び画像データなどの各種信号によって、液晶パネル100が駆動されて正常に表示が行われるかを確認することがある。仮に、表示に不具合が生じた場合、その原因が、液晶パネル100、第1実装基板51、第2実装基板52のいずれか確認する必要がある。特に、第1実装基板51の第1フレキシブル配線基板31には第1駆動用IC21が実装され、第2実装基板52の第2フレキシブル配線基板32には第2駆動用IC22が実装されていることから、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22から出力される信号が正常か否かを確認することが重要である。
図4に示したように、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32は、それぞれ片面配線基板である。素子基板101の端子部105に第1フレキシブル配線基板31と第2フレキシブル配線基板32とが重ねて実装された状態では、第1フレキシブル配線基板31に実装された第1駆動用IC21の複数の出力端子に繋がる配線に接続することは、当該配線が第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mに設けられていることから比較的に容易である。一方で、Z方向において、第2フレキシブル配線基板32は第1フレキシブル配線基板31に重なっているため、第2フレキシブル配線基板32に実装された第2駆動用IC22の複数の出力端子に繋がる配線に接続することは、第1フレキシブル配線基板31が邪魔になるため困難である。そこで、発明者らは、素子基板101の端子部105に第1フレキシブル配線基板31と第2フレキシブル配線基板32と重ねて実装された状態であっても、第1駆動用IC21だけでなく、第2駆動用IC22の複数の出力端子に繋がる配線に容易に接続することができる、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32の構成を考案した。以下、実施例を挙げて図を参照して具体的に説明する。
1-3.第1実施形態の第1フレキシブル配線基板及び第2フレキシブル配線基板の実施例
1-3-1.実施例1
図6は実施例1の第1フレキシブル配線基板の構成を示す平面図、図7は実施例1の第1フレキシブル配線基板と第2フレキシブル配線基板とを端子部に実装した状態を示す平面図である。なお、図6及び図7は、実施例1の第1フレキシブル配線基板の一方の基板面31m(図4参照)を-Z方向に向って見たときの平面図である。以降、第1フレキシブル配線基板を第1FPC(Flexible Printed Circuits)基板と称し、第2フレキシブル配線基板を第2FPC基板と称する。
図6に示すように、実施例1の第1FPC基板31Aは、外形が長方形であり、接続用端子群31tと第1駆動用IC21との間に、2つの開口部H1,H2と、4つのモニター用パッド312,313,314,315とが設けられている。開口部H1,H2が、本発明の他方のフレキシブル配線基板の開口部または第1フレキシブル配線基板の第1開口部の一例であり、モニター用パッド312,313,314,315が、本発明の第1フレキシブル配線基板の第1モニター用パッドの一例である。
第1駆動用IC21は、各種信号及び各種電源電圧が入力される複数の入力端子21aと、各種信号が出力される複数の出力端子21bとを有している。これらの入力端子21a及び出力端子21bは、ベアチップである第1駆動用IC21の能動面に形成されている。なお、図6では、第1駆動用IC21の能動面を-Z方向に向かって見た状態を示している。
2つの開口部H1,H2は、第1駆動用IC21の複数の出力端子21bに接続された配線群311aを挟んで、X方向に所定の距離を置いて設けられている。開口部H1,H2の平面形状は円形である。
モニター用パッド313は、配線群311aのうちの-X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド313が電気的に接続された配線に対して、-X方向に隣り合う配線311bにモニター用パッド312が電気的に接続されている。モニター用パッド312とモニター用パッド313とは、+X方向に隣り合って配置されている。
モニター用パッド314は、配線群311aのうちの+X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド314が電気的に接続された配線に対して、+X方向に隣り合う配線311cにモニター用パッド315が電気的に接続されている。モニター用パッド314とモニター用パッド315とは、+X方向に隣り合って配置されている。
なお、図6に示した第1FPC基板31Aにおいて、第1駆動用IC21に接続されていない複数の配線には、図5に示した電源電圧である、共通電圧LCCOM、基準電圧VSSY、駆動電圧VDDYのうちいずれかが供給される。
実施例1の第1FPC基板31Aにおいて、X方向における中央を通る中心線CL1を基準とすると、2つの開口部H1,H2は、中心線CL1に対してX方向に対称な位置に設けられている。このような2つの開口部H1,H2は、素子基板101の端子部105に第1FPC基板31Aを実装する際に、端子部105の第1端子群161と、第1FPC基板31Aの接続用端子群31tとを位置決めするための位置決め孔として利用することができる。第1端子群161と接続用端子群31tとの位置決め方法としては、例えば、端子部105に対して所定の位置に立設された一対のガイドピンを、位置決め孔としての2つの開口部H1,H2に挿入して、端子部105と第1FPC基板31AとのX方向及びY方向における相対的な位置を決める方法などが挙げられる。また、2つの開口部H1,H2を画像として認識して、端子部105と第1FPC基板31AとのX方向及びY方向における相対的な位置を位置決めしてもよい。
+X方向に隣り合うモニター用パッド312とモニター用パッド313とをモニター用パッドの一方の組と呼び、同じく+X方向に隣り合うモニター用パッド314とモニター用パッド315とをモニター用パッドの他方の組と呼ぶこととする。モニター用パッドの一方の組と他方の組とは、2つの開口部H1,H2と同じく、中心線CL1に対してX方向に対称な位置に設けられている。また、第1FPC基板31AのX方向の-側の辺部から開口部H1の中心までのX方向の距離と、X方向の-側の辺部からモニター用パッドの一方の組の中心までのX方向の距離とは同じである。
同様に、第1FPC基板31AのX方向の+側の辺部から開口部H2の中心までのX方向の距離と、X方向の+側の辺部からモニター用パッドの他方の組の中心までのX方向の距離とは同じである。
開口部H1の大きさは、モニター用パッドの一方の組の大きさよりも大きい。同様に、開口部H2の大きさは、モニター用パッドの他方の組の大きさよりも大きい。なお、開口部H1の大きさと開口部H2の大きさは同じであって、例えば、直径が1.5mm~2.0mmである。
このような実施例1の第1FPC基板31Aに対して、実施例1の第2FPC基板32Aは、形状及び寸法において同じ設計となっている。つまり、実施例1の第2FPC基板32Aには、2つの開口部H3,H4と、4つのモニター用パッド322,323,324,325とが設けられている。2つの開口部H3,H4が本発明の第2フレキシブル配線基板の第2開口部の一例であり、4つのモニター用パッド322,323,324,325が本発明の第2フレキシブル配線基板の第2モニター用パッドの一例である。
図7は、素子基板101の端子部105に、実施例1の第1FPC基板31Aと第2FPC基板32Aとを実装した状態を示す平面図である。図7に示すように、Y方向における第1FPC基板31Aの接続用端子群31t側すなわち第1端子群161側の端部から開口部H1の中心までの距離L1は、Y方向における第2FPC基板32Aの接続用端子群32t側すなわち第2端子群162側の端部から開口部H3の中心までの距離L2と同じである。Y方向における開口部H1の中心と開口部H3の中心との距離L3は、Y方向における第1FPC基板31Aと第2FPC基板32Aのずれ量L4、すなわち端子部105における第1端子群161と第2端子群162とのY方向の配置ピッチと同じである。開口部H2と開口部H4との相対的な位置関係は、上述した開口部H1と開口部H3との相対的な位置関係と同じである。Y方向における開口部H3の中心とモニター用パッド322,323の中心との距離は、Y方向における開口部H1の中心とモニター用パッド312,313の中心との距離と同じであって、上記ずれ量L4、すなわち端子部105における第1端子群161と第2端子群162とのY方向の配置ピッチと同じである。また、Y方向における開口部H4の中心とモニター用パッド324,325の中心との距離は、Y方向における開口部H2の中心とモニター用パッド314,315の中心との距離と同じであって、上記ずれ量L4、すなわち端子部105における第1端子群161と第2端子群162とのY方向の配置ピッチと同じである。したがって、素子基板101の端子部105に、実施例1の第1FPC基板31Aと第2FPC基板32Aとを実装すると、第1FPC基板31Aの開口部H1に第2FPC基板32Aの2つのモニター用パッド322,323が露出する。また、第1FPC基板31Aの開口部H2に第2FPC基板32Aの2つのモニター用パッド324,325が露出する。
このような実施例1の第1FPC基板31A及び第2FPC基板32Aと、端子部105における実装状態とによれば、第1FPC基板31Aの一方の基板面31mに設けられた4つのモニター用パッド312,313,314,315を介して第1駆動用IC21の複数の出力端子21bうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。また、第1FPC基板31Aに設けられた2つの開口部H1,H2に、第2FPC基板32Aの一方の基板面32mに設けられた4つのモニター用パッド322,323,324,325が露出することから、4つのモニター用パッド322,323,324,325を介して第2駆動用IC22の複数の出力端子のうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。
なお、第1FPC基板31Aの4つのモニター用パッド312,313,314,315及び第2FPC基板32Aの4つのモニター用パッド322,323,324,325から検出される信号は、画像データに係る信号に限定されず、クロック信号や選択信号SELなどの制御信号が含まれていてもよい。第1FPC基板31Aの4つのモニター用パッド312,313,314,315及び第2FPC基板32Aの4つのモニター用パッド322,323,324,325のそれぞれの大きさは、例えば、1辺の長さが0.2mm~0.5mm程度の四角形である。モニター用パッドの形状は四角形であることに限定されず、例えば、円形や楕円形であってもよい。実施例1では配線パターンから突き出るようにモニター用パッドを設ける構成としたが、配線パターンとモニター用パッドとを一体化させた構成としてもよい。また、第1FPC基板31A、第2FPC基板32Aのそれぞれに設けられるモニター用パッドの数は、4つに限定されず、少なくとも画像データに係る信号を検出可能であれば、1つでもよい。その場合、第1FPC基板31Aに設けられる開口部は1つでよいことになる。
1-3-2.実施例2
図8は実施例2の第1フレキシブル配線基板の構成を示す平面図、図9は実施例2の第1フレキシブル配線基板と第2フレキシブル配線基板とを端子部に実装した状態を示す平面図である。なお、図8及び図9は、実施例2の第1フレキシブル配線基板の一方の基板面31m(図4参照)を-Z方向に向って見たときの平面図である。
図8に示すように、実施例2の第1FPC基板31Bは、実施例1の第1FPC基板31Aに対して、2つの開口部H11,H12の平面形状をY方向に長い長穴としたものであり、開口部H11,H12のY方向の長さは、X方向の長さよりも長い。実施例2の第1FPC基板31Bにおいて、開口部H11,H12以外の構成は実施例1の第1FPC基板31Aと同じである。すなわち、実施例2の第1FPC基板31Bには、2つの開口部H11,H12と、4つのモニター用パッド312,313,314,315とが設けられている。長穴である開口部H11と開口部H12とは、中心線CL1を基準としてX方向に対称に設けられている。同じく、モニター用パッド312,313と、モニター用パッド314,315とは、中心線CL1を基準としてX方向に対称に設けられている。開口部H11の中心と、モニター用パッド312,313すなわちモニター用パッドの一方の組の中心とのY方向の距離は、端子部105の第1端子群161と第2端子群162のY方向の配置ピッチと同じである。開口部H12の中心と、モニター用パッド314,315すなわちモニター用パッドの他方の組の中心とのY方向の距離は、端子部105の第1端子群161と第2端子群162のY方向の配置ピッチと同じである。
このような実施例2の第1FPC基板31Bに対して、実施例2の第2FPC基板32Bは、形状及び寸法において同じ設計となっている。つまり、実施例2の第2FPC基板32Bには、2つの長穴である開口部H13,H14と、4つのモニター用パッド322,323,324,325とが設けられている。したがって、素子基板101の端子部105に、実施例2の第1FPC基板31Bと第2FPC基板32Bとを実装すると、図9に示すように、第1FPC基板31Bの開口部H11に第2FPC基板32Bの2つのモニター用パッド322,323が露出する。また、第1FPC基板31Bの開口部H12に第2FPC基板32Bの2つのモニター用パッド324,325が露出する。開口部H11,H12が本発明の第1フレキシブル配線基板の第1開口部の一例であり、開口部H13,H14が本発明の第2フレキシブル配線基板の第2開口部の一例である。
このような実施例2の第1FPC基板31B及び第2FPC基板32Bと、端子部105における実装状態とによれば、第1FPC基板31Bの一方の基板面31mに設けられた4つのモニター用パッド312,313,314,315を介して第1駆動用IC21の複数の出力端子21bうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。また、第1FPC基板31Bに設けられた2つの開口部H11,H12に、第2FPC基板32Bの一方の基板面32mに設けられた4つのモニター用パッド322,323,324,325が露出することから、4つのモニター用パッド322,323,324,325を介して第2駆動用IC22の複数の出力端子のうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。
また、第1FPC基板31Bに設けられた開口部H11,H12は、Y方向に長い長穴となっているため、端子部105における第1FPC基板31BのY方向の位置精度が多少ばらついても、開口部H11,H12に4つのモニター用パッド322,323,324,325を確実に露出させることができる。また、Y方向における第1端子群161と第2端子群162との配置ピッチが設計変更された場合でも、予想される当該配置ピッチの設計変更量を見込んでY方向に長い長穴とすれば、第1FPC基板31Bの設計変更をせずとも開口部H11,H12に4つのモニター用パッド322,323,324,325を確実に露出させることができる。開口部H11,H12のX方向の長さは、例えば、1.5mm~2.0mmであり、開口部H11,H12のY方向の長さは、例えば、2.0mm~2.5mmである。
1-3-3.実施例3
図10は実施例3の第1フレキシブル配線基板の構成を示す平面図、図11は実施例3の第1フレキシブル配線基板と第2フレキシブル配線基板とを端子部に実装した状態を示す平面図である。なお、図10及び図11は、実施例3の第1フレキシブル配線基板の一方の基板面31m(図4参照)を-Z方向に向って見たときの平面図である。
図10に示すように、実施例3の第1FPC基板31Cは、実施例1の第1FPC基板31Aに対して、開口部及びモニター用パッドの構成を異ならせたものである。実施例3の第1FPC基板31Cは、接続用端子群31tと第1駆動用IC21との間に、4つの開口部H21,H22,H23,H24と、4つのモニター用パッド316,317,318,319とが設けられている。開口部H21,H22,H23,H24が本発明の第1フレキシブル配線基板の第1開口部の一例であり、モニター用パッド316,317,318,319が、本発明の第1フレキシブル配線基板の第1モニター用パッドの一例である。
具体的には、開口部H21と開口部H23とは、配線群311aを挟んでX方向に所定の距離を置いて設けられている。また、開口部H21に対して-Y方向に所定の距離を置いて開口部H22が設けられている。同様に、開口部H23に対して-Y方向に所定の距離を置いて開口部H24が設けられている。開口部H21及び開口部H22と、開口部H23及び開口部H24とは、中心線CL1を基準としてX方向に対称に設けられている。
モニター用パッド317は、配線群311aのうちの-X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド317が電気的に接続された配線に対して、-X方向に隣り合う配線311bにモニター用パッド316が電気的に接続されている。モニター用パッド316とモニター用パッド317とは、-Y方向に隣り合って配置されている。
モニター用パッド318は、配線群311aのうちの+X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド318が電気的に接続された配線に対して、+X方向に隣り合う配線311cにモニター用パッド319が電気的に接続されている。モニター用パッド318とモニター用パッド319とは、+Y方向に隣り合って配置されている。
また、-Y方向に隣り合うモニター用パッド316とモニター用パッド317とをモニター用パッドの一方の組と呼び、同じく+Y方向に隣り合うモニター用パッド318とモニター用パッド319とをモニター用パッドの他方の組と呼ぶこととする。モニター用パッドの一方の組と他方の組とは、2つの開口部H21,H23と同じく、中心線CL1に対してX方向に対称な位置に設けられている。第1FPC基板31CのX方向の-側の辺部から開口部H21の中心までのX方向の距離と、X方向の-側の辺部からモニター用パッドの一方の組の中心までのX方向の距離とは同じである。また、Y方向における開口部H21の中心とモニター用パッド316の中心と距離は、Y方向における開口部H22の中心とモニター用パッド317の中心との距離と同じであって、端子部105の第1端子群161と第2端子群162のY方向の配置ピッチと同じである。
同様に、第1FPC基板31CのX方向の+側の辺部から開口部H23の中心までのX方向の距離と、X方向の+側の辺部からモニター用パッドの他方の組の中心までのX方向の距離とは同じである。また、Y方向における開口部H23の中心とモニター用パッド319の中心と距離は、Y方向における開口部H24の中心とモニター用パッド318の中心との距離と同じであって、端子部105の第1端子群161と第2端子群162のY方向の配置ピッチと同じである。
4つの開口部H21,H22,H23,H24の平面形状は、大きさが同じ円形である。4つのモニター用パッド316,317,318,319の大きさも同じである。4つの開口部H21,H22,H23,H24のそれぞれの大きさは、4つのモニター用パッド316,317,318,319のそれぞれの大きさよりも小さい。
このような実施例3の第1FPC基板31Cに対して、実施例3の第2FPC基板32Cは、形状及び寸法において同じ設計となっている。つまり、実施例3の第2FPC基板32Cには、4つの開口部H31,H32,H33,H34と、4つのモニター用パッド326,327,328,329とが設けられている。したがって、素子基板101の端子部105に、実施例3の第1FPC基板31Cと第2FPC基板32Cとを実装すると、図11に示すように、第2FPC基板32Cのモニター用パッド326に対して第1FPC基板31Cの開口部H21が重なって配置される。また、第2FPC基板32Cのモニター用パッド327に対して第1FPC基板31Cの開口部H22が重なって配置される。同様に、第2FPC基板32Cのモニター用パッド329に対して第1FPC基板31Cの開口部H23が重なって配置される。また、第2FPC基板32Cのモニター用パッド328に対して第1FPC基板31Cの開口部H24が重なって配置される。開口部H31,H32,H33,H34が本発明の第2フレキシブル配線基板の第2開口部の一例であり、モニター用パッド316,317,318,319が、本発明の第2フレキシブル配線基板の第2モニター用パッドの一例である。
図10及び図11に示すように、実施例3の第1FPC基板31Cの開口部H21の近傍には、第2FPC基板32Cのモニター用パッド326が電気的に接続された第2駆動用IC22の複数の出力端子のうちの1つから出力される信号を識別するための文字である「M1」が表示されている。同様に、第1FPC基板31Cの開口部H22の近傍には、第2FPC基板32Cのモニター用パッド327が電気的に接続された第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの1つから出力される信号を識別するための文字である「M2」が表示されている。第1FPC基板31Cの開口部H23の近傍には、第2FPC基板32Cのモニター用パッド329が電気的に接続された第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの1つから出力される信号を識別するための文字である「M3」が表示されている。第1FPC基板31Cの開口部H24の近傍には、第2FPC基板32Cのモニター用パッド328が電気的に接続された第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの1つから出力される信号を識別するための文字である「M4」が表示されている。識別文字「M1」、「M2」、「M3」、「M4」は第1FPC基板31Cの配線層311をパターニングして形成してもよいし、シルク印刷技術を用いて印刷されていてもよい。
図12は実施例3の第2フレキシブル配線基板のモニター用パッドから信号を検出する方法を示す概略断面図である。詳しくは、実施例3の第2FPC基板32Cのモニター用パッド326に対応した概略断面図である。
図12に示すように、実施例3の第1FPC基板31Cは、可撓性と絶縁性とを有するベースフィルム310と、ベースフィルム310の一方の面に設けられた配線層311とを有する。同じく、実施例3の第2FPC基板32Cは、可撓性と絶縁性とを有するベースフィルム320と、ベースフィルム320の一方の面に設けられた配線層321とを有する。配線層321にモニター用パッド326が設けられている。前述したように、素子基板101の端子部105に実施例3の第1FPC基板31Cと第2FPC基板32Cとを実装すると、第2FPC基板32Cのモニター用パッド326に対して、第1FPC基板31Cの開口部H21が重なって配置される。
第1FPC基板31Cを貫通する開口部H21は、ベースフィルム310側の直径D1よりも配線層311側の直径D2のほうが大きく、断面視では逆テーパー状となっている。このようにするとプローブの挿入を滑らかに行うことができる。
開口部H21に検出用のプローブを挿入して、プローブの先端をモニター用パッド326に接触させれば、第2FPC基板32Cに実装された第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの1つから出力される信号をモニターすることができる。言い換えれば、第1FPC基板31Cに設けられる開口部H21の直径D1,D2の大きさは、挿入されるプローブの先端形状に対応した大きさであればよく、例えば、直径D1は0.5mmであり、直径D2は直径D1に対して0.05mm~0.2mmを加えた値である。
このような実施例3の第1FPC基板31C及び第2FPC基板32Cと、端子部105における実装状態とによれば、第1FPC基板31Cの一方の基板面31mに設けられた4つのモニター用パッド316,317,318,319を介して第1駆動用IC21の複数の出力端子21bうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。また、第2FPC基板32Cに設けられた4つのモニター用パッド326,327,328,329に対して第1FPC基板31Cに設けられた4つの開口部H21,H22,H23,H24が重なって配置されることから、4つのモニター用パッド326,327,328,329を介して第2駆動用IC22の複数の出力端子のうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。
また、第1FPC基板31Cに設けられた4つの開口部H21,H22,H23,H24の大きさは、第2FPC基板32Cに設けられた4つのモニター用パッド326,327,328,329の大きさよりも小さいことから、端子部105における第1FPC基板31Cの位置精度が多少ばらついても、4つのモニター用パッド326,327,328,329を介して第2駆動用IC22の複数の出力端子のうちの4つから出力される信号を確実にモニターすることができる。また、4つの開口部H21,H22,H23,H24がモニター用パッド326,327,328,329へのガイドとして機能するので、プロービングを容易にする。
実施例3の第1FPC基板31Cにおける4つのモニター用パッド316,317,318,319のうち、モニター用パッド316とモニター用パッド317とは-Y方向に隣り合って配置されている。また、モニター用パッド318とモニター用パッド319とは+Y方向に隣り合って配置されている。同様に、実施例3の第2FPC基板32Cにおける4つのモニター用パッド326,327,328,329のうち、モニター用パッド326とモニター用パッド327とは-Y方向に隣り合って配置されている。また、モニター用パッド328とモニター用パッド329とは+Y方向に隣り合って配置されている。このように、フレキシブル配線基板における配線の延在方向であるY方向に沿って複数のモニター用パッドを配置することは、Y方向と交差するX方向に沿って複数のモニター用パッドを配置する場合に比べて、フレキシブル配線基板における複数の配線のX方向における配置に対して制約が生じ難い。言い換えれば、フレキシブル配線基板の面積が小さくても複数のモニター用パッドを配置できる。あるいは、モニター用パッドの大きさを大きくしても、複数のモニター用パッドをフレキシブル配線基板に配置することができる。
実施例1の第1FPC基板31Aに設けられた2つの開口部H1,H2や、実施例2の第1FPC基板31Bに設けられた2つの開口部H11,H12に比べて、実施例3の第1FPC基板31Cに設けられた4つの開口部H21,H22,H23,H24の大きさは小さい。したがって、4つの開口部H21,H22,H23,H24の周囲に、第2FPC基板32Cに設けられた4つのモニター用パッド326,327,328,329を介して第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの4つから出力される信号を識別するための文字である「M1~M4」を視認可能な大きさで配置できる。よって、第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの4つから出力される信号を容易に識別して確認することができる。なお、実施例3におけるモニター用パッドの数及びこれに対応した開口部の数は、4つに限定されるものではない。
2.第2実施形態
2-1.電気光学装置
第2実施形態の電気光学装置として、第1実施形態と同様に、アクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。第2実施形態の電気光学装置としての液晶装置2は、第1実施形態の液晶装置1と基本的に同じ構成を有するものあって、電気光学パネルとしての液晶パネル100と、液晶パネル100を保持するホルダー70とを有している(図1参照)。一方で、第2実施形態の液晶装置2は、液晶パネル100の端子部105に実装される第1実装基板及び第2実装基板の構成が異なっている。以降、第1実施形態の液晶装置1と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1実施形態と同様に、第1フレキシブル配線基板を第1FPC基板と称し、第2フレキシブル配線基板を第2FPC基板と称する。
図13は第2実施形態の第1実装基板及び第2実装基板が電気的に接続された液晶パネルを示す平面図である。
図13に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置2において、液晶パネル100は、アクティブ駆動型であって、表示領域110には複数の画素111がX方向とY方向とにマトリックス状に配置されている。
液晶パネル100は、対向して配置された素子基板101と対向基板102とを有している。素子基板101の端子部105に、第1実装基板251と第2実装基板252とが実装されている。具体的には、第1実装基板251は、第1駆動用IC21が実装された第1FPC基板231と、第1FPC基板231に電気的に接続された第1延長基板41とにより構成されている。第2実装基板252は、第2駆動用IC22が実装された第2FPC基板232と、第2FPC基板232に電気的に接続された第2延長基板42とにより構成されている。素子基板101の端子部105には、第1端子群161と第2端子群162とが設けられている。第1端子群161に第1実装基板251の第1FPC基板231が電気的に接続されている。第2端子群162に第2実装基板252の第2FPC基板232が電気的に接続されている。第1FPC基板231に電気的に接続された第1延長基板41は、+Y方向の端部が、-X方向に屈曲している。これに対して、第2FPC基板232に電気的に接続された第2延長基板42は、+Y方向の端部が、+X方向に屈曲している。第1延長基板41の+Y方向の端部には第1入力端子45が設けられている。第2延長基板42の+Y方向の端部には第2入力端子46が設けられている。平面視で、第1入力端子45と、第2入力端子46とは、+X方向に直線的に並んだ状態となっている。このような、第1実装基板251及び第2実装基板252によれば、外部回路基板に平置きされた2つのコネクターのうち一方のコネクターに第1延長基板41の第1入力端子45を接続し、他方のコネクターに第2延長基板42の第2入力端子46を接続することができる。つまり、一方のコネクターに第1延長基板41を接続するときに、第2延長基板42が邪魔にならない構成となっている。なお、第1延長基板41及び第2延長基板42の形状は屈曲した状態であることに限定されず、直線的な形状であってもよい。
素子基板101の端子部105において、第1FPC基板231に対して第2FPC基板232は重なって配置されている。第2FPC基板232にはモニター用パッドが設けられ、該モニター用パッドと重なる位置において、第1FPC基板231のY方向に沿った辺部を切り欠いた切欠き部Nt1が設けられている。切欠き部Nt1は、本発明の他方のフレキシブル配線基板の切欠き部または第1フレキシブル配線基板の第1切欠き部の一例である。以降、第1FPC基板231及び第2FPC基板232の実施例を挙げて具体的に説明する。
2-2.第2実施形態の第1フレキシブル配線基板及び第2フレキシブル配線基板の実施例
2-2-1.実施例4
図14は実施例4の第1フレキシブル配線基板の構成を示す平面図、図15は実施例4の第2フレキシブル配線基板の構成を示す平面図、図16は実施例4の第1フレキシブル配線基板と第2フレキシブル配線基板とを端子部に実装した状態を示す平面図である。なお、図14及び図16は、実施例4の第1フレキシブル配線基板の一方の基板面31m(図4参照)を-Z方向に向って見たときの平面図である。図15は、実施例4の第2フレキシブル配線基板の一方の基板面32m(図4参照)を-Z方向に向って見たときの平面図である。また、図14~図16では、駆動用ICの能動面を-Z方向に向かって見た状態を表示している。
図14に示すように、実施例4の第1FPC基板231Aには、第1駆動用IC21が実装されている。第1駆動用IC21は、各種信号及び各種電源電圧が入力される複数の入力端子21aと、各種信号が出力される複数の出力端子21bとを有している。これらの入力端子21a及び出力端子21bは、ベアチップである第1駆動用IC21の能動面に形成されている。複数の出力端子21bには、配線群311a、配線311b、配線311cが接続されている。配線群311a、配線311b、配線311cの-Y方向の端部によって接続用端子群231tが構成されている。接続用端子群231tと第1駆動用IC21との間に、4つのモニター用パッド331,332,333,334が設けられている。
モニター用パッド332は、配線群311aのうちの-X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド332が電気的に接続された配線に対して、-X方向に隣り合う配線311bにモニター用パッド331が電気的に接続されている。モニター用パッド331とモニター用パッド332とは、+X方向に隣り合って配置されている。
モニター用パッド333は、配線群311aのうちの+X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド333が電気的に接続された配線に対して、+X方向に隣り合う配線311cにモニター用パッド334が電気的に接続されている。モニター用パッド333とモニター用パッド334とは、+Y方向に隣り合って配置されている。
実施例4の第1FPC基板231Aには、X方向に向かい合う2つの辺部のうち、X方向の+側の辺部の一部を切り欠いた切欠き部Nt1が設けられている。切欠き部Nt1は、接続用端子群231tとモニター用パッド333との間に設けられている。モニター用パッド334が電気的に接続された配線311cは、モニター用パッド333を迂回すると共に、切欠き部Nt1に沿って屈曲した後に、接続用端子群231t側に延びている。
切欠き部Nt1が、本発明の他方のフレキシブル配線基板の切欠き部または第1フレキシブル配線基板の第1切欠き部の一例であり、モニター用パッド331,332,333,334が、本発明の第1フレキシブル配線基板の第1モニター用パッドの一例である。
なお、図14に示した第1FPC基板231Aにおいて、第1駆動用IC21に接続されていない複数の配線には、図5に示した電源電圧である、共通電圧LCCOM、基準電圧VSSY、駆動電圧VDDYのうちいずれかが供給される。
図15に示すように、実施例4の第2FPC基板232Aには、第2駆動用IC22が実装されている。第2駆動用IC22は、各種信号が入力される複数の入力端子22aと、各種信号が出力される複数の出力端子22bとを有している。これらの入力端子22a及び出力端子22bは、ベアチップである第2駆動用IC22の能動面に形成されている。複数の出力端子22bには、配線群311a、配線311b、配線311cが接続されている。配線群311a、配線311b、配線311cの-Y方向の端部によって接続用端子群232tが構成されている。接続用端子群232tと第2駆動用IC22との間に、4つのモニター用パッド341,342,343,344が設けられている。
モニター用パッド342は、配線群311aのうちの-X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド342が電気的に接続された配線に対して、-X方向に隣り合う配線311bにモニター用パッド341が電気的に接続されている。モニター用パッド341とモニター用パッド342とは、+X方向に隣り合って配置されている。
モニター用パッド343は、配線群311aのうちの+X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド343が電気的に接続された配線に対して、+X方向に隣り合う配線311cにモニター用パッド344が電気的に接続されている。モニター用パッド343とモニター用パッド344とは、+Y方向に隣り合って配置されている。
実施例4の第2FPC基板232Aは、第1FPC基板231Aに対して、切欠き部Nt1がない設計となっている。モニター用パッド344が電気的に接続された配線311cは、モニター用パッド343を迂回して屈曲した後に、接続用端子群232t側に延びている。
モニター用パッド341,342,343,344が、本発明の第2フレキシブル配線基板の第2モニター用パッドの一例である。
なお、図15に示した第2FPC基板232Aにおいて、第2駆動用IC22に接続されていない複数の配線には、図5に示した電源電圧である、共通電圧LCCOM、基準電圧VSSY、駆動電圧VDDYのうちいずれかが供給される。
素子基板101の端子部105に、実施例4の第1FPC基板231Aと第2FPC基板232Aとを実装すると、図16に示すように、第1FPC基板231Aの切欠き部Nt1に第2FPC基板232Aの2つのモニター用パッド343,344が露出した状態となる。言い換えれば、素子基板101の端子部105に、実施例4の第1FPC基板231Aと第2FPC基板232Aとを実装したときに、切欠き部Nt1において第2FPC基板232Aに設けられた4つのモニター用パッド341,342,343,344のうち、2つのモニター用パッド343,344が露出するように、第1FPC基板231Aに切欠き部Nt1が設けられている。
また、第1FPC基板231Aには、切欠き部Nt1において露出する2つのモニター用パッド343,344に対応する位置に、第2駆動用IC22の出力端子22bのうちの2つの接続部から出力される信号を識別する文字である「M1」と「M2」とが表示されている。識別文字「M1」、「M2」は第1FPC基板231Aの配線層をパターニングして形成してもよいし、シルク印刷技術を用いて印刷されていてもよい。
このような実施例4の第1FPC基板231A及び第2FPC基板232Aと、端子部105における実装状態とによれば、第1FPC基板231Aの一方の基板面31mに設けられた4つのモニター用パッド331,332,333,334を介して第1駆動用IC21の出力端子21bうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。また、第2FPC基板232Aに設けられた4つのモニター用パッド341,342,343,344のうち、2つのモニター用パッド343,344が第1FPC基板231Aに設けられた切欠き部Nt1に露出することから、2つのモニター用パッド343,344を介して第2駆動用IC22の出力端子22bのうちの2つから出力される信号を、識別文字「M1」、「M2」を確認しつつモニターすることができる。
なお、第2FPC基板232Aに設けられた残りの2つのモニター用パッド341,342を露出させるように、第1FPC基板231Aにもう一つ切欠き部を設けてもよい。その場合、第1FPC基板231Aにおいて電源電圧である、共通電圧LCCOM、基準電圧VSSY、駆動電圧VDDYが供給される配線の配置に制約が生じ、抵抗が高くなって電源電圧の供給に支障が生ずるおそれがある。そのため、実施例4の第1FPC基板231Aでは、一方の辺部にのみ切欠き部Nt1を設ける構成としたものである。したがって、電源電圧の供給を考慮すると、第2FPC基板232Aに設けられた残りの2つのモニター用パッド341,342を露出させるために、上記第1実施形態の実施例1に示した開口部H1、あるいは実施例2に示した長穴の開口部H11を第1FPC基板231Aに設ける構成としてもよい。
2-2-2.実施例5
図17は実施例5の第2フレキシブル配線基板の構成を示す平面図、図18は実施例4の第1フレキシブル配線基板と実施例5の第2フレキシブル配線基板とを端子部に実装した状態を示す平面図である。なお、図17及び図18は、実施例4の第1フレキシブル配線基板の一方の基板面31m(図4参照)を-Z方向に向って見たときの平面図である。
図17に示すように、実施例5の第2FPC基板232Bは、基本的な設計を実施例4の第1FPC基板231Aと同じにしたものである。具体的には、実施例5の第2FPC基板232Bには、第2駆動用IC22が実装されている。接続用端子群232tと第2駆動用IC22との間に、4つのモニター用パッド341,342,343,344が設けられている。
モニター用パッド342は、配線群311aのうちの-X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド342が電気的に接続された配線に対して、-X方向に隣り合う配線311bにモニター用パッド341が電気的に接続されている。モニター用パッド341とモニター用パッド342とは、+X方向に隣り合って配置されている。
モニター用パッド343は、配線群311aのうちの+X方向の端の配線に電気的に接続されている。モニター用パッド343が電気的に接続された配線に対して、+X方向に隣り合う配線311cにモニター用パッド344が電気的に接続されている。モニター用パッド343とモニター用パッド344とは、+Y方向に隣り合って配置されている。
実施例5の第2FPC基板232Bには、X方向の+側の辺部の一部を切り欠いた切欠き部Nt2が設けられている。切欠き部Nt2は、接続用端子群232tとモニター用パッド343との間に設けられている。モニター用パッド344が電気的に接続された配線311cは、モニター用パッド343を迂回すると共に、切欠き部Nt2に沿って屈曲した後に、接続用端子群232t側に延びている。
切欠き部Nt2が、本発明の第2フレキシブル配線基板の第2切欠き部の一例であり、モニター用パッド341,342,343,344が、本発明の第2フレキシブル配線基板の第2モニター用パッドの一例である。
なお、図17に示した第2FPC基板232Bにおいて、第2駆動用IC22に接続されていない複数の配線には、図5に示した電源電圧である、共通電圧LCCOM、基準電圧VSSY、駆動電圧VDDYのうちいずれかが供給される。
素子基板101の端子部105に、実施例4の第1FPC基板231Aと実施例5の第2FPC基板232Bとを実装すると、図18に示すように、第1FPC基板231Aの切欠き部Nt1に第2FPC基板232Aの2つのモニター用パッド343,344が露出した状態となる。
したがって、実施例4の第1FPC基板231A及び実施例5の第2FPC基板232Bと、端子部105における実装状態とによれば、第1FPC基板231Aの一方の基板面31mに設けられた4つのモニター用パッド331,332,333,334を介して第1駆動用IC21の出力端子21bうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。また、第2FPC基板232Bに設けられた4つのモニター用パッド341,342,343,344のうち、2つのモニター用パッド343,344が第1FPC基板231Aに設けられた切欠き部Nt1に露出することから、2つのモニター用パッド343,344を介して第2駆動用IC22の出力端子22bのうちの2つから出力される信号を、識別文字「M1」、「M2」を確認しつつモニターすることができる。
さらに、Y方向における実施例5の第2FPC基板232Bの接続用端子群232t側の端部と切欠き部Nt2の端部との距離と、Y方向における実施例4の第1FPC基板231Aの接続用端子群231t側の端部と切欠き部Nt1の端部との距離とが同じであって、切欠き部Nt1の形状と、切欠き部Nt2の形状とが同じである。つまり、実施例5の第2FPC基板232Bは、基本的な設計が実施例4の第1FPC基板231Aと同じであることから、部品としてのフレキシブル配線基板を共用できる。
2-2-3.実施例6
図19は実施例6の第1フレキシブル配線基板の構成を示す平面図、図20は実施例6の第1フレキシブル配線基板と第2フレキシブル配線基板とを端子部に実装した状態を示す平面図である。なお、図19及び図20は、実施例6の第1フレキシブル配線基板の一方の基板面31m(図4参照)を-Z方向に向って見たときの平面図である。
実施例6の第1FPC基板231Bは、実施例4の第1FPC基板231Aに対して、配線及びモニター用パッドの構成を異ならせたものである。また、実施例6の第2FPC基板232Cは、実施例6の第1FPC基板231Bと基本的な設計を同じにしたものである。
具体的には、図19に示すように、実施例6の第1FPC基板231Bには、第1駆動用IC21が実装されている。第1駆動用IC21は、各種信号及び各種電源電圧が入力される複数の入力端子21aと、各種信号が出力される複数の出力端子21bとを有している。これらの入力端子21a及び出力端子21bは、ベアチップである第1駆動用IC21の能動面に形成されている。複数の出力端子21bには、配線群311a、配線311b、配線311cが接続されている。配線群311a、配線311b、配線311cの-Y方向の端部によって接続用端子群231tが構成されている。接続用端子群231tと第1駆動用IC21との間に、5つのモニター用パッド331,332,333,334,335が設けられている。5つのモニター用パッド331,332,333,334,335のうち、4つのモニター用パッド331,332,333,334の構成は、実施例4の第1FPC基板231Aと同じである。モニター用パッド335は、モニター用パッド334の近傍に設けられている。
実施例6の第1FPC基板231Bには、モニター用パッド331が電気的に接続された第1駆動用IC21の出力端子21bに接続された配線311dが設けられている。配線311dは、第1駆動用IC21の能動面と重なるようにして+X方向に延びると共に、能動面から外れた位置で-Y方向に延びて、モニター用パッド335と繋がっている。
実施例6の第1FPC基板231Bには、X方向の+側の辺部の一部を切り欠いた切欠き部Nt1が設けられている。切欠き部Nt1は、接続用端子群231tとモニター用パッド333との間に設けられている。モニター用パッド334が電気的に接続された配線311cは、モニター用パッド334とモニター用パッド335との間を通過して、モニター用パッド333を迂回すると共に、切欠き部Nt1に沿って屈曲した後に、接続用端子群231t側に延びている。
切欠き部Nt1が、本発明の他方のフレキシブル配線基板の切欠き部または第1フレキシブル配線基板の第1切欠き部の一例であり、モニター用パッド331,332,333,334,335が、本発明の第1フレキシブル配線基板の第1モニター用パッドの一例である。
なお、図19に示した第1FPC基板231Bにおいて、第1駆動用IC21に接続されていない複数の配線には、図5に示した電源電圧である、共通電圧LCCOM、基準電圧VSSY、駆動電圧VDDYのうちいずれかが供給される。
実施例6の第2FPC基板232Cは、上述したように、第1FPC基板231Bと基本的に同じ設計となっている。第2FPC基板232Cには、第2駆動用IC22が実装されている。第2FPC基板232Cの接続用端子群232tと第2駆動用IC22との間には、5つのモニター用パッド341,342,343,344,345が設けられている。モニター用パッド345は、モニター用パッド341が電気的に接続された第2駆動用IC22の出力端子22bに接続された配線に接続されている。
また、第2FPC基板232Cの接続用端子群232tとモニター用パッド343との間において、X方向の+側の辺部を切り欠いた切欠き部Nt2が設けられている。切欠き部Nt2が、本発明の第2フレキシブル配線基板の第2切欠き部の一例であり、モニター用パッド341,342,343,344,345が、本発明の第2フレキシブル配線基板の第2モニター用パッドの一例である。
素子基板101の端子部105に、実施例6の第1FPC基板231Bと第2FPC基板232Cとを実装すると、図20に示すように、第1FPC基板231Bの切欠き部Nt1に第2FPC基板232Cの3つのモニター用パッド343,344,345が露出した状態となる。言い換えれば、素子基板101の端子部105に、実施例6の第1FPC基板231Bと第2FPC基板232Cとを実装したときに、切欠き部Nt1に第2FPC基板232Cの5つのモニター用パッド341,342,343,344,345のうち、3つのモニター用パッド343,344,345が露出するように、実施例6の第1FPC基板231Bに切欠き部Nt1が設けられている。なお、切欠き部Nt1は、3つのモニター用パッド343,344,345のそれぞれにプローブが接触可能な状態に切り欠かれていればよい。
また、第1FPC基板231Bには、切欠き部Nt1において露出する第2FPC基板232Cの3つのモニター用パッド343,344,345に対応する位置に、第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの3つから出力される信号を識別する文字である、「M1」、「M2」、「M3」が表示されている。識別文字「M1」、「M2」、「M3」は第1FPC基板231Bの配線層をパターニングして形成してもよいし、シルク印刷技術を用いて印刷されていてもよい。
このような実施例6の第1FPC基板231B及び第2FPC基板232Cと、端子部105における実装状態とによれば、第1FPC基板231Bの一方の基板面31mに設けられた4つのモニター用パッド331,332,333,334を介して第1駆動用IC21の出力端子21bうちの4つから出力される信号をモニターすることができる。また、第2FPC基板232Cに設けられた5つのモニター用パッド341,342,343,344,345のうち、3つのモニター用パッド343,344,345が第1FPC基板231Aに設けられた切欠き部Nt1に露出することから、3つのモニター用パッド343,344,345を介して第2駆動用IC22の出力端子22bのうちの3つから出力される信号を、識別文字「M1」、「M2」、「M3」を確認しつつモニターすることができる。
なお、第1FPC基板231Bのモニター用パッド335は、モニター用パッド331が電気的に接続された第1駆動用IC21の出力端子21bに電気的に接続されていることに限定されない。例えば、モニター用パッド335は、モニター用パッド332が電気的に接続された第1駆動用IC21の出力端子21bに電気的に接続されているとしてもよい。第2FPC基板232Cのモニター用パッド345も同様である。これによって、端子部105への実装により第1FPC基板231Bによって隠されてしまう、第2FPC基板232Cのモニター用パッド341またはモニター用パッド342の代わりにモニター用パッド345を利用して、第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの1つから出力される信号をモニターできる。
上述した第1実施形態の実施例1~実施例3、第2実施形態の実施例4~実施例6の第1FPC基板及び第2FPC基板の構成によれば、液晶パネル100の端子部105において、第1FPC基板に対して第2FPC基板を重ねて実装したとしても、第1駆動用IC21の複数の出力端子21bのうちの一部から出力される信号だけでなく、第2駆動用IC22の複数の出力端子22bのうちの一部から出力される信号を、それぞれに対応して設けられたモニター用パッドに、第1FPC基板側からプローブの先端を接触させて検出することができる。当該信号を検出することによって、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22から出力される画像信号、クロック信号、各種の制御信号などにより液晶パネル100が正常に動作して表示がされるか否かを容易に確認できる。
3.第3実施形態
3.1.電子機器
次に、本実施形態の電子機器について、投射型表示装置を例に挙げ、図21を参照して説明する。図21は第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図21に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、光源としてのランプユニット1001と、色光分離手段としてのダイクロイックミラー1011,1012と、3つの光変調手段としての液晶装置1B,1G,1Rと、3つの反射ミラー1111,1112,1113と、3つのリレーレンズ1121,1122,1123と、色光合成手段としてのダイクロイックプリズム1130と、投射光学系としての投射レンズ群1140と、を備えている。
ランプユニット1001は、白色光をシステム光軸に沿って射出する、例えば、超高圧水銀灯などの光源である。ランプユニット1001から射出された白色光は、内部に配置された2枚のダイクロイックミラー1011,1012によって赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色光に分離される。具体的には、ダイクロイックミラー1011に入射した白色光のうち赤色光(R)は、ダイクロイックミラー1011を透過し、赤色光(R)よりも波長が短い緑色光(G)及び青色光(B)は反射する。反射した緑色光(G)及び青色光(B)はダイクロイックミラー1012に入射する。ダイクロイックミラー1012に入射した緑色光(G)及び青色光(B)のうち波長が短い青色光(B)は、ダイクロイックミラー1012を透過し、波長が長い緑色光(G)は反射される。分離された色光のうち赤色光(R)は、反射ミラー1111で反射して色光に対応する液晶装置1Rに導かれる。ダイクロイックミラー1012で反射した緑色光(G)は色光に対応する液晶装置1Gに入射する。ダイクロイックミラー1012を透過した青色光(B)は、2つの反射ミラー1112,1113と、3つのリレーレンズ1121,1122,1123とを含むリレーレンズ系1120を介して、色光に対応する液晶装置1Bに導かれる。なお、青色光(B)は、赤色光(R)や緑色光(G)と比較すると光路が長いので、その損失を防ぐために、リレーレンズ系1120を介して導かれる。
投射型表示装置1000において、光変調手段としての液晶装置1B,1G,1Rは、前述した第1実施形態の液晶装置1を適用したものである。液晶装置1B,1G,1Rのそれぞれは、第1延長基板41及び第2延長基板42を介して投射型表示装置1000内の上位回路と接続される。赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)のそれぞれの色光成分の階調レベルを指定する画像信号がそれぞれ外部回路から供給されて、投射型表示装置1000内の上位回路で処理され、液晶装置1B,1G,1Rがそれぞれ駆動される。液晶装置1B,1G,1Rによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム1130において、変調された赤色光(R)及び青色光(B)は90度に反射し、変調された緑色光(G)は透過する。したがって、各色光の画像がダイクロイックプリズム1130で合成された後、投射レンズ群1140によって拡大され、スクリーン1200にカラー画像が投射される。
光変調手段として上記第1実施形態の液晶装置1を用いていることから、表示の状態を事前に確認して、不具合が生じ難く、安定した表示状態が得られる投射型表示装置1000が実現されている。
なお、光変調手段として上記第2実施形態の液晶装置2を用いてもよい。また、投射型表示装置1000については、光源として、各色の光を出射するLED光源などを用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の光変調手段に供給するように構成してもよい。
本発明を適用した電気光学装置としての液晶装置1または液晶装置2を備えた電子機器は、上記第3実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)第2駆動用IC22の複数の出力端子のうちの一部から出力される信号を識別する識別マークは、「M1~M4」などの文字に限定されない。図22は変形例の第1フレキシブル配線基板の構成を示す平面図である。詳しくは、図22は、実施例3の第1FPC基板31Cの変形例である。図22に示すように、変形例の第1FPC基板31Dでは、開口部H21の近傍に識別マークとしてプラス(+)の記号が表示され、開口部H22の近傍に丸(〇)の記号が表示され、開口部H23の近傍に四角(□)の記号が表示され、開口部H24の近傍には三角(△)の記号が表示されている。つまり、識別マークは、文字に限らず、様々な形状の記号などを用いることができる。識別マークは第1FPC基板31Dの配線層をパターニングして形成してもよいし、シルク印刷技術を用いて印刷されていてもよい。
(変形例2)上記第1実施形態では、液晶パネル100の素子基板101の端子部105に実装したときに、第1FPC基板と重なる第2FPC基板の基板面に設けられたモニター用パッドにプローブで接触可能となるように、第1FPC基板に開口部または切欠き部を設けたがこれに限定されない。図23は変形例のモニター用パッドから信号を検出する方法を示す概略断面図である。図23に示すように、変形例の第1FPC基板31Eは、ベースフィルム310と、ベースフィルム310の一方の面に設けられた配線層311とを有している。ベースフィルム310の他方の面にモニター用パッド316pが設けられている。配線層311とモニター用パッド316pとはスルーホール31hを介して電気的に接続されている。つまり、モニター用パッド316pは必ずしも配線層311に形成されていなくてもよい。第1FPC基板31Eに対してZ方向に重なる第2FPC基板32Eは、ベースフィルム320と、ベースフィルム320の一方の面に設けられた配線層321とを有している。第2FPC基板32Eには、モニター用パッド316pと平面視で重なる位置に開口部H41が設けられている。
図23には図示していないが、第2FPC基板32Eのベースフィルム320の他方の面には、配線層321にスルーホールを介して電気的に接続されたモニター用パッドが設けられている。このようなモニター用パッドと開口部H41の形態によれば、第2FPC基板32E側から第1FPC基板31Eに設けられたモニター用パッドにプローブで接触できる。つまり、素子基板101の端子部105に実装された状態において、向かい合う第1FPC基板の基板面と第2FPC基板の基板面とのうち、一方のFPC基板の基板面に、第1駆動用ICまたは第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つに電気的に接続されたモニター用パッドが設けられ、モニター用パッドと重なる位置に、他方のFPC基板を貫通する開口部や、他方のFPC基板の一部を切り欠く切欠き部が設けられていればよい。なお、FPC基板を貫通する開口部や切り欠き部の周囲に、配線層による補強パターンを設けて断裂を抑止する構成としてもよい。
(変形例3)本発明が適用される電気光学装置は、上記第1実施形態や上記第2実施形態に示した透過型の液晶装置に限定されず、反射型の液晶装置にも適用可能である。また、受光型の液晶装置に限らず、例えば、画素に有機EL素子などの発光素子を備えた発光装置にも適用可能である。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の電気光学装置は、端部から第1の方向に間隔を置いて順に設けられた、外部接続用の第1端子群及び第2端子群を有する電気光学パネルと、第1端子群に電気的に接続され、第1駆動用ICが実装された第1フレキシブル配線基板と、第1フレキシブル配線基板と重なると共に、第2端子群に電気的に接続され、第2駆動用ICが実装された第2フレキシブル配線基板と、を備え、向かい合う第1フレキシブル配線基板の基板面と第2フレキシブル配線基板の基板面とのうち、一方のフレキシブル配線基板の基板面に、第1駆動用ICまたは第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つに電気的に接続されたモニター用パッドが設けられ、モニター用パッドと重なる位置に、他方のフレキシブル配線基板を貫通する開口部が設けられていることを特徴とする。
本願の構成によれば、他方のフレキシブル配線基板に設けられた開口部において、一方のフレキシブル配線基板の基板面に設けられたモニター用パッドが露出することになる。したがって、2つのフレキシブル配線基板が重なって電気光学パネルに実装されていたとしても開口部に露出したモニター用パッドに接続すれば、第1駆動用ICまたは第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つから出力される信号を確認することが可能な電気光学装置を提供することができる。
本願の他の電気光学装置は、端部から第1の方向に間隔を置いて順に設けられた、外部接続用の第1端子群及び第2端子群を有する電気光学パネルと、第1端子群に電気的に接続され、第1駆動用ICが実装された第1フレキシブル配線基板と、第1フレキシブル配線基板と重なると共に、第2端子群に電気的に接続され、第2駆動用ICが実装された第2フレキシブル配線基板と、を備え、向かい合う第1フレキシブル配線基板の基板面と第2フレキシブル配線基板の基板面とのうち、第2フレキシブル配線基板の基板面に、第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つに電気的に接続された第2モニター用パッドが設けられ、第2モニター用パッドと重なる位置に、第1フレキシブル配線基板を貫通する第1開口部が設けられ、第1フレキシブル配線基板の第1開口部と第1駆動用ICとの間に、第1駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つに電気的に接続された第1モニター用パッドが設けられていることを特徴とする。
本願の構成によれば、第1フレキシブル配線基板に設けられた第1開口部において、第2フレキシブル配線基板の基板面に設けられた第2モニター用パッドが露出することになる。当該第1開口部に露出した第2モニター用パッドに接続すれば、第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つから出力される信号を確認することができる。また、第1フレキシブル配線基板の第1開口部と第1駆動用ICとの間に第1モニター用パッドが設けられていることから、第1モニター用パッドに接続すれば、第1駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つから出力される信号を確認することができる。したがって、2つのフレキシブル配線基板が重なって電気光学パネルに実装されていたとしても、第1モニター用パッドと第2モニター用パッドとに接続して、第1駆動用IC及び第2駆動用ICのそれぞれから出力される信号を確認することが可能な電気光学装置を提供することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第2フレキシブル配線基板の第2端子群側の端部と第2モニター用パッドとの間に、第2フレキシブル配線基板を貫通する第2開口部が設けられており、第1の方向における第2フレキシブル配線基板の第2端子群側の端部と第2開口部の中心との距離と、第1の方向における第1フレキシブル配線基板の第1端子群側の端部と第1開口部の中心との距離とが同じであって、第1の方向における第2開口部の中心と第2モニター用パッドの中心との距離は、第1の方向における第1開口部の中心と第1モニター用パッドの中心との距離と同じであることが好ましい。
この構成によれば、第1フレキシブル配線基板と第2フレキシブル配線基板とにおける設計を同じとし、部品として1つのフレキシブル配線基板を共用できる。
上記に記載の電気光学装置において、第1開口部は、第1の方向の長さのほうが、第1の方向に交差する第2の方向の長さよりも長いことが好ましい。
この構成によれば、電気光学パネルにおいて、第1端子群に第1フレキシブル配線基板を電気的に接続し、第2端子群に第2フレキシブル配線基板を電気的に接続する際の、第1の方向における位置精度が、第2の方向における位置精度に比べて低い状態であったとしても、第1開口部に第2モニター用パッドを確実に露出させることができる。
上記に記載の電気光学装置において、第1開口部の大きさは、第2モニター用パッドの大きさよりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、第1開口部に第2モニター用パッドを確実に露出させることができる。
上記に記載の電気光学装置において、第1開口部の大きさは、第2モニター用パッドの大きさよりも小さいとしてもよい。
この構成によれば、第1開口部の大きさは、第2モニター用パッドに電気的に接続可能な大きさであればよく、第1開口部の大きさを第2モニター用パッドの大きさよりも小さくすることによって、第1フレキシブル配線基板に第1開口部を設けることによる、配線の配置への影響を小さくすることができる。言い換えれば、第1フレキシブル配線基板の配線の配置における設計上の自由度を向上させることができる。また、第1開口部が第2モニター用パッドへのガイドとして機能するので、第2モニター用パッドから信号を検出するためのプロービングを容易にする。
上記に記載の電気光学装置において、第2フレキシブル配線基板には、第2モニター用パッドが複数設けられているとしてもよい。
この構成によれば、複数の第2モニター用パッドを用いて、第2駆動用ICの複数の出力端子から出力される複数種の信号を確認することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第2フレキシブル配線基板において、複数の第2モニター用パッドは、第1の方向に隣り合って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の第2モニター用パッドを第2の方向に隣り合って配置する場合に比べて、第2フレキシブル配線基板における配線の配置の設計上における自由度を向上させることができる。
上記に記載の電気光学装置において、第2フレキシブル配線基板には、第2モニター用パッドが第1の方向と交差する第2の方向に所定の距離を置いて複数設けられ、第1開口部は、第2の方向に上記所定の距離を置いて2つ設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、2つの第1開口部を電気光学パネルに対する第1フレキシブル配線基板の位置決めに利用することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第1開口部の近傍に、第2モニター用パッドが電気的に接続された第2駆動用ICの出力端子から出力される信号を識別するための文字または記号が表示されていることが好ましい。
この構成によれば、第2駆動用ICの出力端子から出力される信号の種別を容易に識別可能となることから、第2モニター用パッドを用いて確実に上記信号の確認を行うことができる。
また、本願の電気光学装置は、端部から第1の方向に間隔を置いて順に設けられた、外部接続用の第1端子群及び第2端子群を有する電気光学パネルと、第1端子群に電気的に接続され、第1駆動用ICが実装された第1フレキシブル配線基板と、第1フレキシブル配線基板と重なると共に、第2端子群に電気的に接続され、第2駆動用ICが実装された第2フレキシブル配線基板と、を備え、向かい合う第1フレキシブル配線基板の基板面と第2フレキシブル配線基板の基板面とのうち、一方のフレキシブル配線基板の基板面に、第1駆動用ICまたは第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つに電気的に接続されたモニター用パッドが設けられ、モニター用パッドと重なる位置に、他方のフレキシブル配線基板の辺部を切り欠いた切欠き部が設けられていることを特徴とする。
本願の構成によれば、他方のフレキシブル配線基板の辺部を切り欠いた切欠き部において、一方のフレキシブル配線基板の基板面に設けられたモニター用パッドが露出することになる。したがって、2つのフレキシブル配線基板が重なって電気光学パネルに実装されていたとしても、当該切欠き部に露出したモニター用パッドに接続すれば、第1駆動用ICまたは第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つから出力される信号を確認することが可能な電気光学装置を提供することができる。
また、本願の他の電気光学装置は、端部から第1の方向に間隔を置いて順に設けられた、外部接続用の第1端子群及び第2端子群を有する電気光学パネルと、第1端子群に電気的に接続され、第1駆動用ICが実装された第1フレキシブル配線基板と、第1フレキシブル配線基板と重なると共に、第2端子群に電気的に接続され、第2駆動用ICが実装された第2フレキシブル配線基板と、を備え、向かい合う第1フレキシブル配線基板の基板面と第2フレキシブル配線基板の基板面とのうち、第2フレキシブル配線基板の基板面に、第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つに電気的に接続された第2モニター用パッドが設けられ、第2モニター用パッドと重なる位置に、第1フレキシブル配線基板の辺部を切り欠いた第1切欠き部が設けられ、第1フレキシブル配線基板の第1切欠き部と第1駆動用ICとの間に、第1駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つに電気的に接続された第1モニター用パッドが設けられていることを特徴とする。
本願の構成によれば、第1フレキシブル配線基板の辺部を切り欠いた第1切欠き部において、第2フレキシブル配線基板の基板面に設けられた第2モニター用パッドが露出することになる。当該第1切欠き部に露出した第2モニター用パッドに接続すれば、第2駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つから出力される信号を確認することができる。また、第1フレキシブル配線基板の第1切欠き部と第1駆動用ICとの間に第1モニター用パッドが設けられていることから、第1モニター用パッドに接続すれば、第1駆動用ICの複数の出力端子のうちの少なくとも1つから出力される信号を確認することができる。したがって、2つのフレキシブル配線基板が重なって電気光学パネルに実装されていたとしても、第1モニター用パッドと第2モニター用パッドとに接続して、第1駆動用IC及び第2駆動用ICのそれぞれから出力される信号を確認することが可能な電気光学装置を提供することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第2フレキシブル配線基板の第2端子群側の端部と第2モニター用パッドとの間に、第2フレキシブル配線基板の辺部を切り欠いた第2切欠き部が設けられており、第1の方向における第2フレキシブル配線基板の第2端子群側の端部と第2切欠き部の端部との距離と、第1の方向における第1フレキシブル配線基板の第1端子群側の端部と第1切欠き部の端部との距離とが同じであって、第1切欠き部の形状と、第2切欠き部の形状とが同じであることが好ましい。
この構成によれば、第1フレキシブル配線基板と第2フレキシブル配線基板とにおける設計を同じとし、部品として1つのフレキシブル配線基板を共用できる。
上記に記載の電気光学装置において、第1切欠き部の近傍に、第2モニター用パッドが電気的に接続された第2駆動用ICの出力端子から出力される信号を識別するための文字または記号が表示されていることが好ましい。
この構成によれば、第2駆動用ICの出力端子から出力される信号の種別を容易に識別可能となることから、第2モニター用パッドを用いて確実に上記信号の確認を行うことができる。
本願の電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、モニター用パッドに接続して、第1駆動用ICまたは第2駆動用ICから出力される信号を確認することが可能な電気光学装置を備えているので、電気光学パネルにおける駆動状態を予め確認して、電気光学パネルに対するフレキシブル配線基板の実装に纏わる不具合が生じ難い電子機器を提供することができる。